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特許7574177フレキシブルカバーレンズのための多層乾湿ハードコート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フレキシブルカバーレンズのための多層乾湿ハードコート
(51)【国際特許分類】
   G02B 1/14 20150101AFI20241021BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20241021BHJP
【FI】
G02B1/14
B32B7/023
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021504252
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 US2019040402
(87)【国際公開番号】W WO2020036693
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】62/718,931
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トータドリ, マニヴァンナン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ハーヴェイ
(72)【発明者】
【氏名】モリソン, ニール
(72)【発明者】
【氏名】フォスター, ダニエル ポール
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】井口 猶二
【審判官】西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-201032(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090665(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2μmから100μmの間の厚さを有する基板層と、
基板層上に配置された多層ハードコートと
を備えたフレキシブル表示装置のためのフレキシブルカバーレンズフィルムであって、
多層ハードコートが、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、接着促進層とを含み、
多層ハードコートが、1μmから30μmの間の厚さを有し、
多層ハードコートが、88%を超える全光透過率と、1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数とを有し、
第1の層が、ウレタンアクリレート化学、シリカナノ粒子を含むもしくは含まないゾルゲル-シロキサンハイブリッド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み、0.5GPaから1.5GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
第2の層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、および炭化ケイ素からなる群から選択される材料を含み、1GPaから8GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
接着促進層が、
酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、並びに酸窒化ケイ素からなる群から選択される材料を含むか、又は
ポリマー材料及びオリゴマー材料からなる群から選択される材料を含み、
最大1mmの内側曲率半径または最大2mmの外側曲率半径まで屈曲する柔軟性を有し、
第1の層が基板層上に配置され、接着促進層が第1の層上に堆積され、第2の層が接着促進層上に堆積され、汚れ防止層が第2の層上に堆積されているか、又は
接着促進層が基板層上に堆積され、第1の層が接着促進層上に堆積され、第2の層が第1の層上に堆積されている、カバーレンズフィルム。
【請求項2】
多層ハードコートは、耐摩耗性が高く、スチールウール摩耗試験後のヘイズの変化が1未満であり、鉛筆硬度が4Hから9Hである、請求項1に記載のカバーレンズフィルム。
【請求項3】
基板層上に多層ハードコートを堆積させることを含む、フレキシブル表示装置のためのフレキシブルカバーレンズフィルムを形成する方法であって、多層ハードコートが:
湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、
乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、
着促進層と
を含んでおり、
第1の層を堆積するための湿式堆積プロセスが、
ウレタンアクリレート化学、シリカナノ粒子を含むもしくは含まないゾルゲル-シロキサンハイブリッド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む第1の層を堆積すること
を含み、
第1の層が、0.5GPaから1.5GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
第2の層を堆積するための乾式堆積プロセスが、
乾式真空堆積プロセスを使用して、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、および炭化ケイ素からなる群から選択される材料を含む第2の層を堆積すること
を含み、
第2の層が、1GPaから8GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
接着促進層が、
乾式真空堆積プロセスを使用して、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素からなる群から選択される材料を堆積することを含む乾式堆積プロセス、又は
ポリマー材料及びオリゴマー材料からなる群から選択される材料を堆積することを含む湿式堆積プロセス
を使用して、堆積され、
第1の層が基板層上に配置され、接着促進層が第1の層上に堆積され、第2の層が接着促進層上に堆積され、汚れ防止層が第2の層上に堆積されているか、又は
接着促進層が基板層上に堆積され、第1の層が接着促進層上に堆積され、第2の層が第1の層上に堆積されており、
カバーレンズフィルムが、最大1mmの内側曲率半径または最大2mmの外側曲率半径まで屈曲する柔軟性を有する、
方法。
【請求項4】
第1の層が、ロールツーロール溶液処理を使用して堆積され、第2の層が、物理的気相堆積、化学気相堆積、プラズマ増強化学気相堆積、および原子層堆積からなる群から選択されるプロセスを使用して堆積され、第2の層が、シートツーシート装置またはロールツーロール装置で処理される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
基板層が2μmから100μmの間の厚さを有し、多層ハードコートが1μmから30μmの間の厚さを有し、多層ハードコートが88%を超える全光透過率と、1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数とを有する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
2μmから100μmの間の厚さを有する基板層と、
基板層上に配置された多層ハードコートと
を備えたフレキシブル表示装置のためのフレキシブルカバーレンズフィルムであって、
多層ハードコートが、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、第1の接着促進層と、第2の接着促進層とを含み、
多層ハードコートが、1μmから30μmの間の厚さを有し、
多層ハードコートが、88%を超える全光透過率と、1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数とを有し、
第1の層が、ウレタンアクリレート化学、シリカナノ粒子を含むもしくは含まないゾルゲル-シロキサンハイブリッド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み、0.5GPaから1.5GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
第2の層が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、および炭化ケイ素からなる群から選択される材料を含み、1GPaから8GPaのナノインデンテーション硬度を有し、
第1の接着促進層及び第2の接着促進層が、
酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、及び酸窒化ケイ素の酸化物からなる群から選択される材料を含むか、又は
ポリマー材料及びオリゴマー材料からなる群から選択される材料を含み、
最大1mmの内側曲率半径または最大2mmの外側曲率半径まで屈曲する柔軟性を有し、
第1の接着促進層が基板層上に配置され、第1の層が第1の接着促進層上に堆積され、第2の接着促進層が第1の層上に堆積され、第2の層が第2の接着促進層上に堆積されている、カバーレンズフィルム。
【請求項7】
汚れ防止層が多層ハードコート上に堆積されている、請求項に記載のカバーレンズフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに記載される実装態様は、概してフレキシブル表示装置に関し、具体的にはフレキシブルカバーレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、しばしば、液晶ディスプレイおよび有機発光ダイオードディスプレイといったディスプレイを有する。このようなディスプレイは、壊れやすく、湿気、圧力、または粒子汚染に敏感であり得る。一般に、表示装置は、照明源からの光を着色、偏光、およびシャッタリングするために、数層の光学装置を使用する。下層のフィルムの損傷を防止するために、剛性のディスプレイカバーレンズ層が他の層の上に取り付けられて、下層の損傷を防止する。剛性のディスプレイカバーレンズを含めることにより、電子デバイスに望ましくない重量が加わる場合がある。カバーレンズを省略して装置の小型軽量化を図ることができるが、カバーレンズを省略すると、ディスプレイに傷がつきやすくなり得る。
【0003】
現在、製品の新たな機能性への要求が高まり、新しく幅広い用途が開拓される中で、柔軟性といった新たな性質を有するレンズ基板の薄型化および軽量化が求められている。大まかには、これらの新しい柔軟性のまたは折り畳み可能なディスプレイのためのカバーレンズには3つの主要な特性が望まれる:1)光学性能、2)高硬度、および3)柔軟性。高い光学性能を有するカバーレンズは、非常に少ないヘイズで高い光透過性を保証する。高硬度は、スクラッチおよび耐摩耗性に関する。カバーレンズの柔軟性は、繰り返し曲げたり折り畳んだりしたときに、亀裂または層剥離による破損が回避されるのに十分に高い臨界歪みを有するという意味である。
【0004】
伝統的に、ガラスで作製されたカバーレンズは、最初の2つの特性(すなわち、光学性能および硬度)に対応するのに優れているが、ガラスの脆性のために、第3の特性、すなわち柔軟性において劣っている。これを改善するために、従来技術では、主にガラスの厚さを減少させることにより、または材料の化学的変性により、ガラスの破損時の臨界歪みを増加させることに大きな努力が払われた。それにもかかわらず、カバーレンズのための材料としてのガラスは、求められる曲率半径の柔軟性に対応するのに不十分であることが分かっている。種々の金属のような他の材料は、高い硬度および柔軟性を有して存在するが、光を通過させる点で必要とされる光学的性能に欠ける。あるいは、高透明性、光学特性、および柔軟性を有するが、耐摩耗性または耐引っ掻き性に乏しいポリマー系フィルムといった材料が存在する。
【0005】
そのため、高硬度、光透過性、弾性、および耐摩耗性を有するフレキシブルカバーレンズが求められている。
【発明の概要】
【0006】
ここに記載される実装態様は、概してフレキシブル表示装置に関し、具体的にはフレキシブルカバーレンズフィルムに関する。フレキシブルカバーレンズフィルムは、強度、弾性、光透過性、耐摩耗性を向上させた。フレキシブルカバーレンズフィルムは、基板層上に配置された多層ハードコートを含む。基板層は、2μmから100μmの間の厚さを有し、多層ハードコートは1μmから10μmの間の厚さを有する。多層ハードコートは、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、1つまたは複数の接着促進層とを含む。光学特性に関して、多層ハードコートは、88%を超える全透過率、約1%以下のヘイズ、およびb*<1の黄色度指数を有する。湿式堆積プロセスと乾式堆積プロセスとを組み合わせて多層ハードコートを形成することにより、カバーレンズフィルムは、4Hと9Hの間の硬度で柔軟性と強度の両方を備えている。
【0007】
一実装態様では、カバーレンズフィルムは、2μmから100μmの間の厚さを有する基板層と、基板層上に配置された多層ハードコートとを含む。多層ハードコートは、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、接着促進層とを含む。多層ハードコートは、1μmから30μmの間の厚さを有する。多層ハードコートは、88%を超える全透過率と、約1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数を有する。
【0008】
別の実装態様では、カバーレンズフィルムは、2μmから100μmの間の厚さを有する基板層と、基板層上に配置された多層ハードコートとを含む。多層ハードコートは、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、第1の接着促進層と、第2の接着促進層とを含む。多層ハードコートは、1μmから30μmの間の厚さを有する。多層ハードコートは、88%を超える全透過率と、約1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数を有する。
【0009】
別の実装態様では、カバーレンズフィルムを形成する方法は、基板層上に多層ハードコートを堆積させることを含む。多層ハードコートは、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、1つまたは複数の接着促進層とを含む。
【0010】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、いくつかが添付の図面に示されている実装態様を参照することによって得られる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実装態様を許容し得るため、添付の図面は本開示の典型的な実装態様を示しているにすぎず、したがって本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】A-Bは、ここに記載される様々な実施態様による表示装置の概略断面図を示す。
図2】A-Eは、ここに記載される様々な実施態様によるカバーレンズフィルムの概略断面図を示す。
図3】ここに開示される実施態様による、二重積層多層ハードコートを含むフレキシブルカバーレンズフィルムの例示的な実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。1つの実装態様の要素および特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実装態様に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0013】
ここに記載される実装態様は、概してフレキシブル表示装置に関し、具体的にはフレキシブルカバーレンズフィルムに関する。フレキシブルカバーレンズフィルムは、強度、弾性、光透過性、耐摩耗性を向上させた。フレキシブルカバーレンズフィルムは、基板層上に配置された多層ハードコートを含む。基板層は、2μmから100μmの間の厚さを有し、多層ハードコートは1μmから30μmの間の厚さを有する。多層ハードコートは、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層と、1つまたは複数の接着促進層とを含む。光学特性に関して、多層ハードコートは、88%を超える全透過率と、約1%以下のヘイズと、*<1の黄色度指数とを有する。湿式堆積プロセスと乾式堆積プロセスとを組み合わせて多層ハードコートを形成することにより、カバーレンズフィルムは、4Hと9Hの間の硬度で柔軟性と強度の両方を備えている。
【0014】
図1Aは、ここに記載される一実装態様による表示装置100の概略断面図を示す。図1Bは、ここに記載される別の実装態様による表示装置150の概略断面図を示す。図1Aの表示装置100および図1Bの表示装置150は、同じ層を含むが、各表示装置100、150の層は、異なる順序である。表示装置100、150は、プラズマ増強化学気相堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、原子層堆積、フォトリソグラフィ、エッチング、または他のそのような適切な製造プロセスを使用して製造することができる。適切な製造装置は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から購入することができる。
【0015】
表示装置100、150はそれぞれ、カバーレンズフィルム102と、フィルム層104と、タッチパネル106と、表示構造体108と、基板110と、遮蔽層112とを含む。カバーレンズフィルム102は、折り畳み可能なガラス基板(例えば、極薄ガラス)に結合することができる。図1Aの実装態様において、フィルム層104は、カバーレンズフィルム102とタッチパネル106との間にある。一実装態様では、フィルム層104は、偏光子フィルムを含む多機能フィルム層である。偏光子フィルムといったフィルム層104は、表示装置100内部の電極線または金属構造体を構成する反射金属に起因する望ましくない反射を減少させるために使用される。フィルム層104は、0.2mm未満の厚さを有するフレキシブルレンズフィルムから形成された1/4波長リターダまたは直線偏光子を含むことができる。カバーレンズフィルム102は、光学的に透明な接着剤(OCA)でフィルム層104およびタッチパネル106に結合することができる。一実装態様では、OCAは、カバーレンズフィルム102をタッチパネル106に結合するために利用される液体ベースの接着剤である。別の実装態様では、OCAは、カバーレンズフィルム102をタッチパネル106に結合するための光学的に透明な接着テープである。タッチパネル106は、タッチセンサICボード114とタッチセンサ116とを含む。一実装態様では、タッチセンサICボード114は、柔軟性で金属ベースのプリント回路基板である。
【0016】
図1Aの実装態様において、表示構造108は、タッチパネル106と基板110との間に配置される。一実装態様では、表示構造108は、有機発光ダイオードディスプレイである。しかしながら、カバーレンズフィルムを利用する発光ダイオードディスプレイまたは液晶ディスプレイといった他の適切な表示装置がここでは企図される。表示構造108は、薄膜封止と、有機発光層と、ドライバICボードと、薄膜トランジスタとを含むことができる。
【0017】
代替的に、図1Bでは、フィルム層104およびタッチパネル106が表示構造108とカバーレンズフィルム102との間に配置されるように、フィルム層104およびタッチパネル106を表示構造108の上部に積層させることができる。このような実施態様では、カバーレンズフィルム102は、耐摩耗性および衝撃保護を提供する。
【0018】
一実装態様では、基板110は、ポリイミド材料から作製される。しかしながら、任意のフレキシブルプラスチック基板が利用できる。例えば、基板は、ポリエーテルエーテルケトン層、透明な導電性ポリエステル層、ポリカーボネート、またはポリアリールエーテルケトンファミリー由来の任意の他のポリマーである。図1の実装態様において、基板110は、遮蔽層112に隣接している。一実装態様では、基板110は、ポリエステルテレフタレートである。一実施態様では、遮蔽層112は銅箔である。接着促進層などの追加の層は、遮蔽層112といった任意の追加の層の前に、基板110に隣接して堆積させることができる。
【0019】
図2A-2Eは、様々な実施態様によるフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250の概略断面図をそれぞれ示す。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250の各々は、図1のカバーレンズフィルム102であってもよい。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、図1Aの表示装置100および/または図1Bの表示装置150のような表示装置に利用することができる。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250の各々は、基板層202と、1つまたは複数の接着促進層206と、湿式堆積プロセスを使用して堆積された第1の層204と、乾式堆積プロセスを使用して堆積された第2の層208とを含む。湿式堆積プロセスは、ロールツーロール溶液処理システム内でスロットダイコーティングヘッド、グラビアコーティングヘッド、またはバーコーティングヘッドを使用して堆積されるハードコート化学物質および溶媒を含む溶液を含むことができる。次いで、堆積された溶液は、紫外線照射および/または熱的方法を用いて硬化される。
【0020】
乾式堆積プロセスは、化学気相堆積(CVD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、物理的気相堆積(PVD)、熱蒸発、電子ビーム蒸発などを含み得る。乾式堆積プロセスは、任意で、プラズマで増強することができ、シートツーシート装置またはロールツーロール装置で処理され得る。乾式堆積プロセスは、いくつかの実装態様では、キャリアガラスシートに第1の層204を含む基板層202が装填された、十分に装備されたシート処理装置で実施することができる。実装態様のために、基板層202は、キャリアガラスシートに直接装填されるか、またはスリム化されるかもしくは極薄のガラス基板に結合されてもよく、次いでこれを乾式堆積処理のためにキャリアに装填することができる。
【0021】
図2Aの実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム200は、湿式堆積プロセスを使用して堆積され、基板層202上に堆積された第1の層204を含む。接着促進層206は、第1の層204上に堆積される。乾式堆積プロセスを使用して堆積される第2の層208は、接着促進層206上に堆積される。第1の層204と、接着促進層206と、および第2の層208とは、多層ハードコート212を形成する。汚れ防止層210は、第2の層208上に堆積される。汚れ防止層210は、指紋防止層であってもよい。汚れ防止層210は、乾式堆積プロセスまたは湿式堆積プロセスを使用して堆積させることができる。
【0022】
図2Bの実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム220は、基板層202上に堆積された接着促進層206を含む。接着促進層206は、CVD、PECVD、ALD、PVD、熱蒸発、電子ビーム蒸発などの乾式真空堆積プロセスを使用して、または湿式気相堆積プロセスを使用して堆積させることができる。乾式堆積プロセスを使用して堆積される第2の層208は、接着促進層206上に堆積される。湿式堆積プロセスを使用して堆積される第1の層204は、第2の層208上に堆積される。一実施態様では、第1の層204は、汚れ防止または指紋防止添加物を含む。別の実施態様では、汚れ防止層(図示せず)が第1の層204上に堆積され、汚れ防止層210は、乾式堆積プロセスまたは湿式堆積プロセスを使用して堆積させることができる。第1の層204、接着促進層206、および第2の層208は、多層ハードコート212を形成する。
【0023】
図2Cの実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム230は、基板層202上に堆積された接着促進層206を含む。湿式堆積プロセスを使用して堆積される第1の層204は、接着促進層206上に堆積される。乾式堆積プロセスを使用して堆積される第2の層208は、第1の層204上に堆積される。第1の層204と、接着促進層206と、第2の層208とは、多層ハードコート212を形成する。汚れ防止層210は、第2の層208上に堆積される。汚れ防止層210は、乾式堆積プロセスまたは湿式堆積プロセスを使用して堆積させることができる。
【0024】
図2Dの実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム240は、基板層202上に堆積された第1の接着促進層206aを含む。湿式堆積プロセスを使用して堆積される第1の層204は、第1の接着促進層206a上に堆積される。第2の接着促進層206bは、第1の層204上に堆積される。乾式堆積プロセスを使用して堆積される第2の層208は、第2の接着促進層206b上に堆積される。第1の接着促進層206aと、第1の層204と、第2の接着促進層206bと、第2の層208とは、多層ハードコート212を形成する。汚れ防止層210は、第2の層208上に堆積される。汚れ防止層210は、乾式堆積プロセスまたは湿式堆積プロセスを使用して堆積させることができる。
【0025】
図2Eの実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム250は、基板層202上に堆積された第1の接着促進層206aを含む。乾式堆積プロセスを使用して堆積される第2の層208は、第1の接着促進層206a上に堆積される。第2の接着促進層206bは、第2の層208上に堆積される。湿式堆積プロセスを使用して堆積される第1の層204は、第2の接着促進層206b上に堆積される。一実施態様では、第1の層204は汚れ防止添加物を含む。別の実施態様では、汚れ防止層(図示せず)が第1の層204上に堆積され、汚れ防止層210は、乾式堆積プロセスまたは湿式堆積プロセスを使用して堆積させることができる。第1の接着促進層206aと、第2の層208と、第2の接着促進層206bと、第1の層204とは、多層ハードコート212を形成する。
【0026】
図2A-2Eのフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、4Hと9Hの間の鉛筆硬度と、88%を超える全透過率と、約1%以下のヘイズと、b*<1の黄色度指数とを有する。一実施態様では、フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、9Hの鉛筆硬度と、92%を超える全透過率と、0.5%のヘイズとを有する。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、繰り返しサイクルにわたって最大1mmの内側曲率半径または最大2mmの外側曲率半径まで屈曲する柔軟性を有する。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、標準的なスチールウール試験によって測定して1kgまで負荷され、例えば2000サイクルの多数のサイクルに耐えることができる耐引っ掻き性を有する。スチールウール摩耗試験後のフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250のヘイズの変化は1%未満であり、フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250がそれぞれ高い耐摩耗性を有することを実証している。フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250は、Taber耐摩耗試験によって測定して1kgまで負荷され、例えば100サイクルの多数サイクルに耐えることができる耐摩耗性を有する。Taber耐摩耗性試験後のフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250のヘイズの変化は2%未満である。
【0027】
図2A-2Eにおいて、第1の層204は、ロールツーロール溶液処理方法を使用して堆積されてもよい。第2の層208は、CVD、PVD、PECVD、またはALDを使用して堆積させることができる。一実施態様では、第2の層208は、CVDを使用して堆積させることができる。多層ハードコート212は、1μmから30μmの間の厚さを有することができる。一実施態様では、多層ハードコート212は、5μmから10μmの間の厚さを有する。
【0028】
図2A図2Eでは、第1の層204は、ウレタンアクリレート化学、シリカナノ粒子を含むもしくは含まないゾルゲル-シロキサンハイブリッド、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数の材料を含むことができる。ハイブリッドシロキサンは、金属アルコキシドを含む有機および無機元素を含むことができる。湿式堆積プロセスを使用して堆積される第1の層204は、放射線硬化性アクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、それらのコポリマー、それらのエラストマ、およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の材料をさらに含むことができる。第1の層204は、約0.5μmから約40μmの間の厚さを有することができる。第1の層204は、約1.430から約1.150の屈折率と、約85%から約98%の光透過率と、約2Hから約9Hの鉛筆硬度とを有することができる。第1の層204は、約0.5GPaから約1.5GPaのナノインデンテーション硬度、またはナノインデンテーションによって測定して約5GPaから約13GPaの弾性率レイジングを有し得る。
【0029】
第1の層204を堆積させるための湿式堆積プロセスは、様々なMayerロッドを使用して化学溶液を塗布することと、75℃と85℃の間の非活性対流オーブン内で100秒と140秒の間にわたり加熱することと、300mJ/cm2と500mJ/cm2の間で100秒と140秒の間にわたりUVランプを照射することとを含み得る。湿式堆積プロセスの溶液は、バー、スロットダイコーティング、グラビアコーティング、またはキャストによってイオン雰囲気で処理することができる。一実施態様では、湿式堆積プロセスの堆積溶液は、紫外線を使用して硬化される。別の実施態様では、湿式堆積プロセスの堆積溶液は、電子ビーム処理を使用して硬化される。
【0030】
第2の層208は、シリコン、オキシ炭化ケイ素(SiCxOy)、酸窒化ケイ素、および炭化ケイ素(SiC)の酸化物および窒化物からなる群から選択される1つまたは複数の材料を含み得る。第2の層208は、約0.05μmから約30μmの間の厚さを有することができる。乾式堆積プロセスで使用される前駆体は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、プラズマ重合HMDSO(ppHMDSO)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TOMCAT)、ヘキサメチルジシラザン(HMDSN)、またはオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の1つまたは複数といった、炭素を有する有機ポリマー前駆体(液体または気体)を含み得る。乾式堆積プロセスで使用される前駆体は、シリコンまたはシラン(SiH4)などの炭素を含まない前駆体の様々な炭素混合酸化物または窒化物を堆積させるために、様々なシリカまたは石英をスパッタリングすることをさらに含むことができる。
【0031】
第2の層208は、約1.450から約1.150の屈折率と、約85%から約98%の光透過率と、約2Hから約9Hの鉛筆硬度とを有することができる。第2の層208は、ナノインデンテーションによって測定して約1GPaから約8GPaのナノインデンテーション硬度または約5GPaから約70GPaの弾性率レイジングを有し得る。第2の層208は、第2の層208に存在する炭素を最小化するために、酸素(O)、亜酸化窒素(NO)、tert-ブチルペルオキシド(TBPO)、またはアクリレートモノマー、特にエチル-ヘキシルアクリレート、および/またはブタンジオール-ジアクリレート(BDDA)といった架橋剤などの、前駆体に対する酸化剤または開始剤の比によって制御される高硬度を有することができる。
【0032】
図2A-2Eの基板層202は、2μmから100μmの間の厚さを有する。基板層202は、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチルエステル、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンナフタレン(PEN)、および無色ポリイミド(CPI)からなる群から選択される材料を含む。一実施態様では、基板層202は、約25μmから50μmの厚さを有し、CPI層である。汚れ防止層210は、疎油性フィルムである。汚れ防止層210は、以下の層の表面に共有結合したペルフルオロポリマー(PFPE)ベースのシランポリマー分子(例えば、種々のクロロシラン、オキシシラン、フルオロエチレンなど)であってもよい。汚れ防止層は、湿式または真空乾式コーティングされてもよい。汚れ防止層210は、3nmと50nmの間の厚さを有することができる。
【0033】
1つまたは複数の接着促進層206は、50nmと1500nmの間の厚さを有し得る。1つまたは複数の接着促進層206は、乾式堆積プロセスを使用して堆積させることができ、シリコン、オキシ炭化ケイ素、または酸窒化ケイ素の酸化物および窒化物を含み得る。乾式堆積プロセスにおいて使用される前駆体は、HMDSO、ppHMDSO、TOMCAT、HMDSN、またはTEOSのうちの1つまたは複数といった、炭素を含む有機ポリマー前駆体(液体または気体)を含むことができる。乾式堆積プロセスで使用される前駆体は、シリコンの様々な炭素混合酸化物または窒化物を堆積させるために、様々なシリカまたは石英をスパッタリングすることをさらに含むことができる。
【0034】
1つまたは複数の接着促進層206は、湿式堆積プロセスで堆積させることもでき、アクリレート、シリコーン、または光学的に透明な接着剤(OCA)などの1つまたは複数のポリマー材料またはオリゴマー材料を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、湿式堆積プロセスを使用して堆積された1つまたは複数の接着促進層206は、様々な方法(例えば、Mayerロッド、スロットダイ、グラビアヘッド、バーコータなど)で分配し、UV露出によって硬化させることができるか、または熱、湿気、および/または圧力感受性であり、それらを調整または制御することによって硬化させることができる、液体光学的に透明な接着剤(LOCA)から形成することもできる。
【0035】
1つまたは複数の接着促進層206の各々は、約1.430から約1.150の屈折率と、約85%から約98%の光透過率とを有し得る。1つまたは複数の接着促進層206の各々は、ナノインデンテーションによって測定して約0.4GPaから約5GPaのナノインデンテーション硬度または約2.5GPaから約70GPaの弾性率レイジングを有し得る。1つまたは複数の接着促進層206の各々は、O、NO、TBPO、またはアクリレートモノマー、特にエチル-ヘキシルアクリレート、および/または存在する炭素を正確に制御するためのBDDAといった架橋剤などの、前駆体に対する酸化剤または開始剤の比によって制御される高い硬度を有し得る。
【0036】
フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250のうちの1つまたは複数は、互いに積み重ねることができる。例えば、フレキシブルカバーレンズフィルム200は、フレキシブルカバーレンズフィルム220上に積み重ねることができるか、または、フレキシブルカバーレンズフィルム200は、2つのフレキシブルカバーレンズフィルム200が存在するように二重化されてもよい。加えて、多層ハードコート212は、基板層202上に1または複数回積層されてもよい。1つまたは複数のフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250または積層された多層ハードコート212は、1つまたは複数のOCAといった1つまたは複数の接着剤によって、独立して接着、結合、または他の方法で一緒に保持することができる。1つまたは複数のフレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250または積層された多層ハードコート212は、接着剤を使用せずに、独立して接着、結合、または他の方法で一緒に保持することができる。
【0037】
図3は、フレキシブルカバーレンズフィルム200の二重積層多層ハードコートを含むフレキシブルカバーレンズフィルム300の例示的実施態様を示す。フレキシブルカバーレンズフィルム300では、第1の多層ハードコート212aが基板層202上に配置され、第1の多層ハードコート212a上に第2の多層ハードコート212bが配置されている。1つまたは複数の接着層306が、第1の多層ハードコート212aと第2の多層ハードコート212bとの間に配置されている。1つまたは複数の接着層306は、犠牲接着層であってもよい。1つまたは複数の接着層306は、図2A-2Eの1つまたは複数の接着促進層206であってもよい。第1および第2の多層ハードコート212a、212bの両方は、第1の層204と、第1の層204上に配置された接着促進層206と、接着促進層206上に配置された第2の層208とを含む。汚れ防止層210は、第2の多層ハードコート212b上に堆積させることができる。
【0038】
図3の第2の多層ハードコート212bなどの最上部のフレキシブルカバーレンズフィルムを除去し、交換することが望ましい場合(例えば、引っ掻かれるか、または他の損傷を受けたことにより)、接着剤層306などの1つまたは複数の接着剤層は、トップカバーレンズ(例えば、図3の第2の多層ハードコート212b)を底部カバーレンズフィルム(例えば、図3の第1の多層ハードコート212a)から分離するために、選択的に劣化させるか、破壊するか、または他の方法で除去することができる。カバーフィルムの2つのスタックを結合する接着剤(例えば、図3の接着剤層306)は、所定の温度、所定の波長、および/または紫外線(UV)光の線量、および/または所定の機械的除去機構で劣化させることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、2つの積層されたフレキシブルカバーレンズフィルム(例えば、図3の第1および第2の多層ハードコート212a、212b)を結合する犠牲接着剤(例えば、図3の接着剤層306)は、所定の温度で分解可能であり得る。例えば、接着剤は、約80℃、約90℃、または約100℃から約120℃の温度で分解可能であり得る。他の実施例では、犠牲接着剤は、所定の波長および/または所定の線量のUV光に曝露されたとき分解可能である。例えば、接着剤は、約350nmから約375nm、例えば約365nmの波長を有するUV光に曝露されるとき分解可能である。接着剤は、約0.5秒間、約1秒間、または約5秒から約30秒間、約60秒間、または約90秒間、接着剤をUV光に曝露することによって劣化させることができる。
【0040】
フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250を形成する方法は、基板層202を位置決めすることと、基板層202上に多層ハードコート212を堆積させることとを含むことができる。多層ハードコート212の層204-208は、湿式堆積プロセスおよび乾式堆積プロセスの両方、例えばシートツーシート処理装置、および/またはロールツーロール装置内でのCVD、PVD、大気溶液処理方法を使用して堆積させることができる。さらに、フレキシブルカバーレンズフィルム200、220、230、240、250には、追加の接着促進層または耐衝撃性層といった追加の層が存在し得ることが企図される。ここに記載されるカバーレンズフィルムは、任意の表示装置において使用され得る。
【0041】
湿式および乾式堆積プロセスを組み合わせて多層ハードコートを形成することにより、光学的に透明で高硬度かつ屈曲可能なカバーレンズフィルムが得られる。ドライフィルムとウェットフィルムとの組み合わせは、カバーレンズフィルムの耐摩耗性および弾性を向上させる一方で、多層ハードコート上に汚れ防止層を堆積させることを可能にする。湿式堆積プロセスと乾式堆積プロセスとを組み合わせて多層ハードコートを形成することにより、カバーレンズフィルムは、弾性、強度、光透過性、摩耗抵抗、耐摩耗性、および熱安定性を改善した。
【0042】
上記は本開示の実装態様を対象としているが、本出願の基本的な範囲から逸脱せずに他のさらなる実装態様を考案することができ、本出願の範囲は、特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3