(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成キット
(51)【国際特許分類】
G03F 7/039 20060101AFI20241022BHJP
G03F 7/32 20060101ALI20241022BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241022BHJP
C08F 220/24 20060101ALI20241022BHJP
C08F 212/08 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G03F7/039 501
G03F7/32
G03F7/20 521
C08F220/24
C08F212/08
(21)【出願番号】P 2020134206
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2019149167
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100195017
【氏名又は名称】水間 章子
(72)【発明者】
【氏名】星野 学
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 彰秀
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132965(JP,A)
【文献】国際公開第2019/151021(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130872(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130870(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/039
G03F 7/32
G03F 7/20
C08F 220/24
C08F 212/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】
〔一般式(I)中、Xは
、塩素原
子であり、R
1は、フッ素原子の数が3以上7以下の有機基である。〕
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
【化2】
〔一般式(II)中、R
2は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R
3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕
で表される単量体単位(B)と、を有し、
重量平均分子量が
125,000以上300,000以下であり、且つ、
分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上2.0以下である重合体と、
溶剤とを含む、ポジ型レジスト組成物。
【請求項2】
前記重合体は、分子量が10,000未満の成分の割合が0.2%以下である、請求項
1に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項3】
極端紫外線リソグラフィ用のポジ型レジスト組成物である、請求項
1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物と現像液とからなる、レジストパターン形成キット。
【請求項5】
前記現像液の溶解パラメータが7.0(cal/cm
3)
1/2未満である、請求項
4に記載のレジストパターン形成キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造等の分野において、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光(以下、電離放射線と短波長の光とを合わせて「電離放射線等」と称することがある。)の照射により主鎖が切断されて現像液に対する溶解性が増大する重合体が、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用されている。
【0003】
このような重合体は、例えば、当該重合体と、溶剤とを含むポジ型レジスト組成物として、レジストパターンの形成に用いられる。具体的には、基板上に供給したポジ型レジスト組成物から溶剤を除去してレジスト膜を形成し、当該レジスト膜に電離放射線等を照射(露光)することで、所望のパターンを描画する。次いで、露光後のレジスト膜に現像液を接触(現像)させることで当該レジスト膜の露光部を溶解し、未露光部よりなるレジストパターンを基板上に形成することができる。
そして、従来より、レジストパターンの特性を向上させるべく、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用し得る重合体の改良が行われている。
【0004】
例えば特許文献1では、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用し得る重合体として、フッ素原子の数が5つ以上7つ以下の有機基を有するα-クロロアクリル酸フルオロエステル単位を含有する所定の重合体が提案されている。そして、特許文献1によれば、当該重合体はポジ型レジストとして使用した際の感度に優れ、また、当該重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成することで、得られるレジストパターンの明瞭性を確保しつつ、当該レジストパターンの倒れを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、近年では、電子線等と比較して露光の際の近接効果が少なく、微細なパターン形成を可能にする技術として、極端紫外線(EUV)を用いたEUVリソグラフィ技術が注目されている。しかしながら、上記従来の技術には、例えば露光用の光源として極端紫外線を用いて、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成するという点において、改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成するために用いうるポジ型レジスト組成物、及び、レジストパターン形成キットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、所定の単量体を用いて形成した重合体であって、重量平均分子量及び分子量分布がそれぞれ所定の範囲内である重合体を用いれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成可能なポジ型レジスト組成物を調製できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一般式(I):
【化1】
〔一般式(I)中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアスタチン原子であり、R
1は、フッ素原子の数が3以上7以下の有機基である。〕で表される単量体単位(A)と、下記一般式(II):
【化2】
〔一般式(II)中、R
2は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R
3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕で表される単量体単位(B)と、を有し、重量平均分子量が100,000以上300,000以下であり、且つ、分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上2.0以下である重合体と、溶剤とを含むことを特徴とする。このように、単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含有し、且つ重量平均分子量及び分子量分布がそれぞれ所定の範囲内である重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いれば、露光用の光源として極端紫外線を用いた場合でも、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0010】
なお、本発明において、「高解像度」とは、現像後の露光部表面における表面粗さやミッシングコンタクトホールの発生等が抑制されており、CD値(CD:Critical Dimension、レジストパターンの線幅の限界寸法を表す値)、LWR値(LWR:Line Width Roughness、線幅粗さを表す値)、LER値(LER:Line Edge Roughness、線端粗さを表す値)、LCDU値(LCDU:Local Critical Dimension Uniformity、局所的な限界寸法の均一性)等の評価結果が良好であることを指す。
また、本発明において、「重量平均分子量」及び「分子量分布」は、本明細書の実施例に記載の方法によって求めることができる。
【0011】
そして、本発明のポジ型レジスト組成物において、前記一般式(I)中のXが塩素原子であることが好ましい。前記一般式(I)中のXが塩素原子であれば、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させることができる。また、重合体の調製が容易となる。
【0012】
さらに、本発明のポジ型レジスト組成物において、前記重合体は、分子量が10,000未満の成分の割合が0.2%以下であることが好ましい。重合体の分子量が10,000未満の成分の割合が0.2%以下であれば、得られるレジストパターンの解像度を向上させることができる。
なお、本発明において、「分子量が10,000未満の成分の割合」は、本明細書の実施例に記載の方法によって求めることができる。
【0013】
そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、極端紫外線(EUV)リソグラフィ用のポジ型レジスト組成物であることが好ましい。本発明のポジ型レジスト組成物を用いれば、極端紫外線を用いたリソグラフィを好適に実施することができる。
【0014】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のレジストパターン形成キットは、上述したいずれかのポジ型レジスト組成物と、現像液とからなることを特徴とする。上述したポジ型レジスト組成物と現像液とからなるレジストパターン形成キットを用いれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0015】
さらに、本発明のレジストパターン形成キットにおいて、前記現像液の溶解パラメータが、7.0(cal/cm3)1/2未満であることが好ましい。現像液の溶解パラメータが7.0(cal/cm3)1/2未満であれば、ポジ型レジスト組成物の露光部と未露光部のコントラストが容易に調整でき、レジストパターンの形成効率が向上する。
なお、本発明において、「溶解パラメータ」は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成可能なポジ型レジスト組成物と、レジストパターン形成キットとを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のポジ型レジスト組成物は、ポジ型レジストとしての特定の重合体を含む。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、例えば、ビルドアップ基板などのプリント基板、半導体、フォトマスク、及び、モールドなどの製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に好適に用いることができる。また、本発明のレジストパターン形成キットは、本発明のポジ型レジスト組成物と、現像液とからなり、レジストパターンを形成する際に好適に用いることができる。中でも、本発明のポジ型レジスト組成物は、極端紫外線を照射してレジストパターンを形成する際に特に好適に用いることができる。
【0018】
(ポジ型レジスト組成物)
本発明のポジ型レジスト組成物は、特定の重合体と、溶剤とを含み、任意に、ポジ型レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤をさらに含有する。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、特定の重合体をポジ型レジストとして含有している。そのため、本発明のポジ型レジスト組成物を基板上に塗布及び乾燥させて得られるレジスト膜を使用すれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0019】
<重合体>
本発明のポジ型レジスト組成物が含む重合体は、電子線などの電離放射線や紫外線(EUVを含む)などの短波長の光の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストであって、下記の一般式(I):
【化3】
〔一般式(I)中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアスタチン原子であり、R
1は、フッ素原子の数が3以上7以下の有機基である。〕で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
【化4】
〔一般式(II)中、R
2は、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、R
3は、水素原子、非置換のアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕で表される単量体単位(B)とを有し、重量平均分子量が100,000以上300,000以下であり、且つ、分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上2.0以下であることを特徴とする。
【0020】
なお、本発明の重合体は、単量体単位(A)及び単量体単位(B)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)及び単量体単位(B)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、実質的に100mol%であることがより好ましく、100mol%である(即ち、重合体は単量体単位(A)及び単量体単位(B)のみを含む)ことがさらに好ましい。
そして、本発明の重合体は、単量体単位(A)及び単量体単位(B)を有する限り、例えば、ランダム重合体、ブロック重合体、交互重合体(ABAB・・・)、などのいずれであってもよいが、交互重合体を90質量%以上(上限は100質量%)含む重合体であることが好ましい。ここで、交互重合体同士が架橋体を形成しないことが好ましい。そして、重合体は、単量体単位(A)のR1にフッ素原子が含まれているため、架橋体が形成され難い。
【0021】
そして、重合体は、所定の単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含んでいるので、電離放射線等(例えば、電子線、KrFレーザー、ArFレーザー、EUVレーザーなど)が照射されると、主鎖が切断されて低分子量化する。また、重合体は、所定の単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含み、且つ、重量平均分子量及び分子量分布がそれぞれ所定の範囲内である。そのため、当該重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0022】
[単量体単位(A)]
単量体単位(A)は、下記の一般式(III):
【化5】
(一般式(III)中、X及びR
1は、一般式(I)と同様である。)で表される単量体(a)に由来する構造単位である。
【0023】
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(A)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができ、40mol%以上60mol%以下とすることが好ましく、45mol%以上55mol%以下とすることがより好ましい。
【0024】
ここで、一般式(I)及び一般式(III)中のXは、電離放射線等の吸収効率の観点から、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはアスタチン原子であることが必要である。そして、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を向上させる観点からは、一般式(I)及び一般式(III)中のXは、塩素原子であることが好ましい。なお、一般式(III)中のXが塩素原子である単量体(a)は、重合性に優れており、一般式(I)中のXが塩素原子である単量体単位(A)を有する重合体は、調製が容易であるという点においても優れている。
【0025】
ここで、一般式(I)及び一般式(III)中のR1は、フッ素原子の数が3以上7以下の有機基であることが必要である。R1のフッ素原子の数が3以上であれば、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を十分なものとすることができる。一方、R1のフッ素原子の数が7以下であれば、レジストパターンの解像度をより向上させることができる。そして、一般式(I)及び一般式(III)中のR1は、フッ素原子の数が3以上5以下の有機基であることが好ましく、フッ素原子の数が5の有機基であることがより好ましい。
【0026】
また、R1の炭素原子の数は、2以上10以下であることが好ましく、3以上4以下であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。R1の炭素原子の数が2以上であれば、露光後の重合体の現像液に対する溶解度を十分に確保することができ、R1の炭素原子の数が10以下であれば、ガラス転移温度が過度に低下することもなく、得られるレジストパターンの解像性を十分に担保することができる。
【0027】
具体的には、一般式(I)及び一般式(III)中のR1は、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルキル基、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルコキシアルキル基、またはフッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルコキシアルケニル基であることが好ましく、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルキル基であることがより好ましい。
【0028】
ここで、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルキル基としては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル基(フッ素原子の数が3、炭素原子の数が2)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が3、下記構造式X)、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が4、下記構造式Y)、1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基(フッ素原子の数が6、炭素原子の数が3)、1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル基(フッ素原子の数が6、炭素原子の数が4)、2,2,3,3,4,4,4-へプタフルオロブチル基(フッ素原子の数が7、炭素原子の数が4)、または1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基(フッ素原子の数が7、炭素原子の数が3)が挙げられる。これらの中でも、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が3、下記構造式X)が好ましい。
また、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルコキシアルキル基としては、例えば、ペンタフルオロエトキシメチル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が3)またはペンタフルオロエトキシエチル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が4)が挙げられる。
また、フッ素原子の数が3以上7以下のフルオロアルコキシアルケニル基としては、例えば、ペンタフルオロエトキシビニル基(フッ素原子の数が5、炭素原子の数が4)が挙げられる。
【化6】
【化7】
【0029】
そして、上述した一般式(I)で表される単量体単位(A)を形成し得る、上述した一般式(III)で表される単量体(a)としては、特に限定されることなく、例えば、α-クロロアクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル(フッ素原子の数が3)、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(フッ素原子の数が5)、α-クロロアクリル酸3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル(フッ素原子の数が5)、α-クロロアクリル酸1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(フッ素原子の数が6)、α-クロロアクリル酸1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル(フッ素原子の数が6)、α-クロロアクリル酸1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル(フッ素原子の数が7)、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,4,4,4-へプタフルオロブチル(フッ素原子の数が7)等のα-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステル;α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシメチルエステル(フッ素原子の数が5)、α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシエチルエステル(フッ素原子の数が5)等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルキルエステル;α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシビニルエステル(フッ素原子の数が5)等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルケニルエステル;などが挙げられる。
【0030】
なお、単量体単位(A)は、α-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。さらに言えば、単量体単位(A)は、α-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステルの中でも、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルに由来する構造単位であることがより好ましい。単量体単位(A)がα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルに由来する構造単位であれば、電離放射線等を照射した際の重合体の主鎖の切断性を十分に確保しつつ、レジストパターンの解像度を高めることができる。
【0031】
[単量体単位(B)]
また、単量体単位(B)は、下記の一般式(IV):
【化8】
(一般式(IV)中、R
2~R
3、ならびに、p及びqは、一般式(II)と同様である。)で表される単量体(b)に由来する構造単位である。
【0032】
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(B)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができ、40mol%以上60mol%以下とすることが好ましく、45mol%以上55mol%以下とすることがより好ましい。
【0033】
ここで、一般式(II)及び一般式(IV)中のR2~R3を構成し得る、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、特に限定されることなく、アルキル基中の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換した構造を有する基が挙げられる。
また、一般式(II)及び一般式(IV)中のR2~R3を構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素原子の数が1以上5以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R2~R3を構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
【0034】
また、重合体の調製の容易性を向上させる観点からは、一般式(II)及び一般式(IV)中に複数存在するR2及び/またはR3は、全て、水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子または非置換の炭素原子の数が1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
なお、重合体の調製の容易性を向上させる観点からは、一般式(II)及び一般式(IV)中のpが5であり、qが0であり、5つあるR2の全てが水素原子または非置換のアルキル基であることが好ましく、5つあるR2の全てが水素原子または非置換の炭素原子の数が1以上5以下のアルキル基であることがより好ましく、5つあるR2の全てが水素原子であることがさらに好ましい。
【0035】
そして、上述した一般式(II)で表される単量体単位(B)を形成し得る、上述した一般式(IV)で表される単量体(b)としては、特に限定されることなく、例えば、以下の(b-1)~(b-11)等のα-メチルスチレン(AMS)及びその誘導体(例えば、一般式(b-2)に従う4-フルオロ-α-メチルスチレン(4FAMS))が挙げられる。
【化9】
【0036】
なお、重合体の調製の容易性を向上させる観点からは、単量体単位(B)は、フッ素原子を含有しない(即ち、単量体単位(A)のみがフッ素原子を含有する)ことが好ましく、α-メチルスチレンに由来する構造単位であることがより好ましい。即ち、一般式(II)及び一般式(IV)中のp及びq、ならびに、R2~R3は、p=5、q=0であり、5つあるR2が全て水素原子であることが特に好ましい。
【0037】
[重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000以上であることが必要であり、125,000以上であることが好ましく、150,000以上であることがより好ましく、300,000以下であることが必要であり、200,000以下であることが好ましい。重合体の重量平均分子量(Mw)が100,000以上であれば、レジストパターンのパターン形成効率を向上させることができる。一方、重合体の重量平均分子量(Mw)が300,000以下であれば、重合体の生産性を確保しつつ、レジストパターンの形成における感度が向上するため、露光用の光源として極端紫外線を用いた場合でも、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0038】
[数平均分子量]
また、重合体の数平均分子量(Mn)は、90,000以上であることが好ましく、120,000以上であることがより好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましい。重合体の数平均分子量(Mn)が90,000以上であれば、レジストパターンのパターン形成効率をより向上させることができる。一方、重合体の数平均分子量(Mn)が200,000以下であれば、レジストパターンの形成における感度をより向上させることができる。
【0039】
[分子量分布]
そして、重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.3以上であることが必要であり、1.35以上であることが好ましく、1.39以上であることがより好ましく、2.0以下であることが必要であり、1.6以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上であれば、重合体を効率よく生産することができる。一方、重合体の分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であれば、レジストパターンの形成におけるコントラストを向上させて、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0040】
[分子量が10,000未満の成分の割合]
そして、重合体は、分子量分布が10,000未満の成分の割合が0.2%以下であることが好ましく、0.15%以下であることがより好ましい。分子量が10,000未満の成分の割合が0.2%以下であれば、レジストパターンの解像度を一層向上させることができる。そして、分子量が10,000未満の成分の割合の下限は、特に限定されない。
【0041】
<重合体の調製方法>
そして、上述した単量体単位(A)及び単量体単位(B)を有する重合体は、例えば、単量体(a)と単量体(b)とを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
【0042】
なお、重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量及び数平均分子量、ならびに重合体中の各分子量の成分の割合は、重合条件及び精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。
【0043】
[単量体組成物の重合]
ここで、重合体の調製に用いる単量体組成物としては、単量体(a)及び単量体(b)を含む単量体成分と、任意で使用可能な溶媒と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。中でも、溶媒を使用する場合には、溶媒としてシクロペンタノンなどを用いることが好ましい。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
【0044】
また、単量体組成物を重合して得られた重合物は、そのまま重合体として使用してもよいが、特に限定されることなく、重合物を含む溶液にテトラヒドロフラン等の良溶媒を添加した後、良溶媒を添加した溶液をメタノール等の貧溶媒中に滴下して重合物を凝固させることにより回収し、以下のようにして精製することもできる。
【0045】
[重合物の精製]
得られた重合物を精製して上述した性状を有する重合体を得る際に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法を用いることができる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
【0046】
そして、再沈殿法による重合物の精製は、例えば、得られた重合物をテトラヒドロフラン等の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、テトラヒドロフラン等の良溶媒とメタノール等の貧溶媒との混合溶媒に滴下し、重合物の一部を析出させることにより行うことが好ましい。このように、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中に重合物の溶液を滴下して重合物の精製を行えば、良溶媒及び貧溶媒の種類や混合比率を変更することにより、得られる重合体の分子量分布、重量平均分子量、数平均分子量、及び高分子量成分(例えば、分子量が100,000以上の成分)の割合を容易に調整することができる。具体的には、例えば、混合溶媒中の良溶媒の割合を高めるほど、混合溶媒中で析出する重合体の分子量を大きくすることができる。
【0047】
なお、再沈殿法により重合物を精製する場合、所望の性状を満たせば、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中で析出した重合体を用いてもよいし、混合溶媒中で析出しなかった重合体(即ち、混合溶媒中に溶解している重合体)を用いてもよい。ここで、混合溶媒中で析出しなかった重合体は、濃縮乾固などの既知の手法を用いて混合溶媒中から回収することができる。
【0048】
<溶剤>
本発明のポジ型レジスト組成物が含む溶剤としては、上述した重合体を溶解可能な溶剤であれば特に限定されることなく、例えば、特許第5938536号公報に記載されたような既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としては、有機酸のエステルである、n-ペンチルエステル、n-ヘキシルエステル、酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル、酢酸イソアミル、またはそれらの混合物が好ましく、酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル、酢酸イソアミル、またはそれらの混合物がより好ましく、酢酸イソアミルがさらに好ましい。
【0049】
(ポジ型レジスト組成物の調製)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体、溶剤、及び任意に用い得る既知の添加剤を混合することにより調製することができる。その際、混合方法は特に限定されず、公知の方法により混合すればよい。また、各成分を混合後、混合物を濾過する工程を含んでもよい。
【0050】
〔濾過〕
ここで、混合物の濾過方法としては、特に限定されず、例えばフィルターを用いて濾過することができる。フィルターとしては特に限定されず、例えば、フルオロカーボン系、セルロース系、ナイロン系、ポリエステル系、炭化水素系等のろ過膜が挙げられる。中でも、重合体の調製時に使用することのある金属配管等から金属等の不純物がポジ型レジスト組成物中に混入するのを効果的に防ぐ観点からは、フィルターを構成する材料として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)等のポリフルオロカーボン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ナイロン、及びポリエチレンとナイロンとの複合膜等が好ましい。フィルターとして、例えば、米国特許第6,103122号に開示されているものを使用してもよい。また、フィルターは、CUNO Incorporated製のZeta Plus(登録商標)40Q等として市販されている。さらに、フィルターは、強カチオン性もしくは弱カチオン性のイオン交換樹脂を含むものであってもよい。ここで、イオン交換樹脂の平均粒度は、特に限定されないが、好ましくは2μm以上10μm以下である。カチオン交換樹脂としては、例えば、スルホン化されたフェノール-ホルムアルデヒド縮合物、スルホン化されたフェノール-ベンズアルデヒド縮合物、スルホン化されたスチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化されたメタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、及び他のタイプのスルホン酸もしくはカルボン酸基含有ポリマー等が挙げられる。カチオン交換樹脂には、H+対イオン、NH4
+対イオンまたはアルカリ金属対イオン、例えばK+及びNa+対イオンが供される。そして、カチオン交換樹脂は、水素対イオンを有することが好ましい。このようなカチオン交換樹脂としては、H+対イオンを有するスルホン化されたスチレン-ジビニルベンゼンコポリマーであって、Purolite社のMicrolite(登録商標)PrCHが挙げられる。このようなカチオン交換樹脂は、Rohm and Haas社のAMBERLYST(登録商標)として市販されている。
【0051】
さらに、フィルターの孔径は、0.005μm以上1μm以下であることが好ましい。フィルターの孔径が上記範囲内であれば、ポジ型レジスト組成物中に金属等の不純物が混入するのを十分に防ぐことができる。
【0052】
本発明のポジ型レジスト組成物は、特に限定されないが、極端紫外線リソグラフィ用のポジ型レジスト組成物であることが好ましい。本発明のポジ型レジスト組成物を用いれば、極端紫外線を照射してレジストパターンを形成する極端紫外線リソグラフィを好適に実施することができる。なお、極端紫外線を照射する方法は特に限定されず、例えば、公知の極端紫外線描画装置等を使用して行うことができる。
【0053】
(レジストパターン形成キット)
本発明のレジストパターン形成キットは、上述したポジ型レジスト組成物と、現像液とからなり、レジストパターンを形成する際に用いることができる。本発明のレジストパターン形成キットは、上述した本発明のポジ型レジスト組成物を含むため、本発明のレジストパターン形成キットを用いれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。中でも、本発明のレジストパターン形成キットは、極端紫外線を照射してレジストパターンを形成する際に特に好適に用いることができる。
【0054】
<現像液>
本発明のレジストパターン形成キットで使用する現像液としては、特に限定されることなく、ポジ型レジスト組成物中に含まれる重合体の主鎖切断部分を溶解可能なあらゆる溶剤を用いることができる。
【0055】
〔溶解パラメータ〕
中でも、現像液の溶解パラメータ(以下、「SP値」という。)は、7.0(cal/cm3)1/2未満であることが好ましい。現像液のSP値が7.0(cal/cm3)1/2未満であれば、ポジ型レジスト組成物の露光部と未露光部のコントラストが容易に調整でき、レジストパターンの形成効率が向上する。また、現像液の粘度や表面張力の上昇を抑制して、レジストパターンの解像性を向上させることができる。
なお、現像液が複数種の現像液からなる混合現像液である場合には、混合液の全体のSP値が7.0(cal/cm3)1/2未満であってもよく、目的とするレジストパターンの形状や精細度によっては、6.8(cal/cm3)1/2未満であってもよい。
また、現像液のSP値は、採用する現像液の種類、及び複数種の現像液を混合して用いる場合にはそれらの混合比を調節することにより、制御することができる。
なお、現像液のSP値は、例えば、6.0(cal/cm3)1/2以上でありうる。
【0056】
〔表面張力〕
また、現像液の表面張力は、17.0mN/m以下であることが好ましく、15.0mN/m以下であることがより好ましい。現像液の表面張力が17.0mN/m以下であれば、現像対象とするレジストパターンが微細な場合であっても、現像液が微細な間隙に進入し易くなるため、レジストパターンを効率良く形成することができる。なお、現像液の表面張力は、例えば、10.0mN/m以上でありうる。
また、現像液の表面張力は、採用する溶剤の種類、及び複数種の溶剤を混合して用いる場合にはそれらの混合比を調節することにより、制御することができる。
【0057】
さらに、極端紫外線を照射してレジストパターンを形成する際に、本発明のレジストパターン形成キットを用いる場合、現像液としては、フッ素系溶剤が好ましく、中でも、現像液が、ハイドロフルオロカーボンを含むことが好ましい。
【0058】
-ハイドロフルオロカーボン-
ハイドロフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロヘキサン等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させる観点からは、ハイドロフルオロカーボンとしては、炭素数5以上6以下のハイドロフルオロカーボンが好ましく、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(CF3CFHCFHCF2CF3、SP値:6.8(cal/cm3)1/2、表面張力:14.1(mN/m))がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロフルオロカーボンは、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製のバートレルXF(登録商標)等として市販されている。
【0059】
また、ハイドロフルオロカーボンは、1atmにおける沸点が、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、70℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。沸点が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させることができる。また、沸点が上記下限値以上であれば、現像液のハンドリングが容易である。
【0060】
-ハイドロフルオロカーボン以外のフッ素系溶剤-
そして、ハイドロフルオロカーボン以外のフッ素系溶剤(以下、「その他のフッ素系溶剤」という。)としては、特に限定されず、例えば、ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下の任意のフッ素系溶剤を用いることができる。中でも、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させる観点からは、その他のフッ素系溶剤としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル及びパーフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、ハイドロフルオロエーテルを用いることがより好ましい。
【0061】
ここで、ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン、1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させる観点からは、ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、炭素数が3以下のハイドロクロロフルオロカーボンが好ましく、1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(CF3CF2CHCl2、SP値:6.9(cal/cm3)1/2、表面張力:16.2mN/m)、及び、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(CClF2CF2CHClF、表面張力:16.2mN/m)がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロクロロフルオロカーボンは、例えば、AGC社製のアサヒクリンAK-225等として市販されている。
【0062】
また、ハイドロフルオロエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度及び明瞭性をさらに向上させる観点からは、ハイドロフルオロエーテルとしては、メチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OCH3、SP値:6.5(cal/cm3)1/2、表面張力:13.6(mN/m))、エチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OC2H5、SP値:6.3(cal/cm3)1/2、表面張力:13.6(mN/m))、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロ-3メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン(SP値:6.2(cal/cm3)1/2、表面張力:15(mN/m))が好ましく、メチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OCH3)がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロフルオロエーテルは、例えば、3M社製のNovec(登録商標)7100、Novec(登録商標)7200、Novec(登録商標)7300等として市販されている。
【0063】
さらに、パーフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、CF4、C2F6、C3F8、C4F8、C4F10、C5F12、C6F12、C6F14、C7F14、C7F16、C8F18、C9F20等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させる観点からは、パーフルオロカーボンとしては、炭素数が6以上10以下のパーフルオロカーボンが好ましく、C8F18がより好ましい。
なお、上述したようなパーフルオロカーボンは、例えば、3M社製のPF-5052等として市販されている。
【0064】
また、フッ素系溶剤は、1atmにおける沸点が、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることがさらに好ましく、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。沸点が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させることができる。また、沸点が上記下限値以上であれば、現像液のハンドリングが容易である。
【0065】
そして、ハイドロフルオロカーボンの沸点αと、その他のフッ素系溶剤の沸点βとの差の絶対値(=|α-β|)は、0℃以上25℃以下であることが好ましく、3℃以上であることがより好ましく、5℃以上であることがさらに好ましく、15℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。|α-β|が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度を十分に向上させることができる。
なお、得られるレジストパターンの解像度をさらに向上させる観点からは、その他のフッ素系溶剤の沸点βは、ハイドロフルオロカーボンの沸点αよりも大きいことが好ましい。
【0066】
-含有比-
また、現像液が、ハイドロフルオロカーボンと、その他のフッ素系溶剤との混合現像液である場合、ハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤との含有比(ハイドロフルオロカーボン:その他のフッ素系溶剤)は特に限定されず、例えば、質量基準で、10:90~90:10、好ましくは20:80~80:20、より好ましくは40:60~60:40とすることができる。ハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤との含有比が上記範囲内であれば、より明瞭なパターンを効率的に形成することができることがある。
【0067】
<レジストパターン形成キットを用いたレジストパターン形成方法>
本発明のレジストパターン形成キットを用いたレジストパターン形成方法は、特に限定されず、例えば、以下に示す工程を含む方法としてもよい。
【0068】
〔レジストパターン形成方法〕
本発明のレジストパターン形成キットを用いたレジストパターン形成方法は、例えば、任意工程として基板上に下層膜を形成する工程(下層膜形成工程)と、レジストパターン形成キットに含まれるポジ型レジスト組成物を用いて基板または下層膜上にレジスト膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)と、レジスト膜を露光する工程(露光工程)と、露光されたレジスト膜を、レジストパターン形成キットに含まれる現像液を用いて現像する工程(現像工程)と、現像されたレジスト膜をリンスする工程(リンス工程)と、下層膜および/または基板をエッチングする工程(エッチング工程)と、を含み得る。
【0069】
-基板-
ここで、レジストパターン形成方法において用いる基板としては、特に限定されることなく、プリント基板の製造等に用いられる、絶縁層と、絶縁層上に設けられた銅箔とを有する基板;及び、基板上に遮光層が形成されてなるマスクブランクスなどを用いることができる。
【0070】
基板の材質としては、例えば、金属(シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等)、ガラス、酸化チタン、二酸化ケイ素(SiO2)、シリカ、マイカ等の無機物;SiN等の窒化物;SiON等の酸化窒化物; アクリル、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂等の有機物等が挙げられる。中でも、基板の材質として金属が好ましい。基板として例えばシリコン基板、二酸化ケイ素基板または銅基板、好ましくはシリコン基板または二酸化ケイ素基板を用いることで、シリンダー構造の構造体を形成することができる。
【0071】
また、基板の大きさ及び形状は特に限定されるものではない。なお、基板の表面は平滑であってもよく、曲面や凹凸形状を有していてもよく、薄片形状などの基板であってもよい。
【0072】
さらに、基板の表面には、必要に応じて表面処理が施されていてもよい。例えば基板の表層に水酸基を有する基板の場合、水酸基と反応可能なシラン系カップリンク剤を用いて基板の表面処理を行うことができる。これにより、基板の表層を親水性から疎水性に変化させて、基板と下層膜、あるいは基板とレジスト層との密着性を高めることができる。この際、シラン系カップリング剤としては特に限定されないが、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
【0073】
-下層膜形成工程-
下層膜形成工程では基板上に下層膜を形成する。基板上に下層膜を設けることで基板の表面が疎水化される。これにより、基板とレジスト膜との親和性を高くして、基板とレジスト膜との密着性を高めることができる。下層膜は、無機系の下層膜であってもよく、有機系の下層膜であってもよい。
【0074】
無機系の下層膜は、基板上に無機系材料を塗布し、焼成等を行うことにより形成することができる。無機系材料としては、例えば、シリコン系材料等が挙げられる。
【0075】
有機系の下層膜は、基板上に有機系材料を塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより形成することができる。有機系材料としては、光や電子線に対する感受性を有するものに限定されず、例えば半導体分野及び液晶分野等で一般的に使用されるレジスト材料や樹脂材料を用いることができる。中でも、有機系材料としては、エッチング、特にドライエッチング可能な有機系の下層膜を形成可能な材料であることが好ましい。このような有機系材料であれば、レジスト膜を加工して形成されるパターンを用いて有機系の下層膜をエッチングすることにより、パターンを下層膜へ転写して、下層膜のパターンを形成することができる。中でも、有機系材料としては、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機系の下層膜を形成できる材料が好ましい。有機系の下層膜の形成に用いる有機系材料としては、例えば、Brewer Science社のAL412等が挙げられる。
【0076】
上述した有機系材料の塗布は、スピンコートまたはスピンナー等を用いた従来公知の方法により行うことができる。また塗膜を乾燥させる方法としては、有機系材料に含まれる溶媒を揮発させることができるものであればよく、例えばベークする方法等が挙げられる。その際、ベーク条件は特に限定されないが、ベーク温度は80℃以上300℃以下であることが好ましく、200℃300℃以下であることがより好ましい。また、ベーク時間は30秒以上であることが好ましく、60秒以上であることがより好ましく、500秒以下であることが好ましく、400秒以下であることがより好ましく、300秒以下であることが更に好ましく、180秒以下であることが特に好ましい。そして、塗膜の乾燥後における下層膜の厚さは特に限定されないが、10nm以上100nm以下であることが好ましい。
【0077】
-レジスト膜形成工程-
レジスト膜形成工程では、本発明のレジストパターン形成キットに含まれるポジ型レジスト組成物を使用する。
【0078】
レジスト膜形成工程では、下層膜または基板の上に、ポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成する。
また、ポジ型レジスト組成物の塗布方法及び乾燥方法としては、特に限定されることなく、レジスト膜の形成に一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0079】
-露光工程-
露光工程では、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜に対し、電離放射線等を照射して、所望のパターンを描画する。
なお、電離放射線等の照射には、電子線描画装置、レーザー描画装置、極端紫外線描画装置等の既知の描画装置を用いることができる。
【0080】
-現像工程-
現像工程では、露光工程で露光されたレジスト膜と、本発明のレジストパターン形成キットに含まれる現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、下層膜または基板上にレジストパターンを形成する。
ここで、レジスト膜と現像液とを接触させる方法は、特に限定されることなく、現像液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜への現像液の塗布等の既知の手法を用いることができる。 なお、現像時の現像液の温度は、特に限定されないが、例えば21℃以上25℃以下とすることができる。また、現像時間は、例えば、30秒以上4分以下とすることができる。
本発明のレジストパターン形成キットに含まれる現像液を用いて現像すれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成することができる。
【0081】
-リンス工程-
リンス工程では、現像工程で現像されたレジスト膜と、リンス液とを接触させて、現像されたレジスト膜をリンスし、下層膜または基板にレジストパターンを形成する。現像工程の後にリンス工程を実施すれば、現像されたレジスト膜に付着したレジストの残渣を効果的に除去することができる。
ここで、現像されたレジスト膜とリンス液とを接触させる方法としては、特に限定されることなく、リンス液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜へのリンス液の塗布等の既知の手法を用いることができる。
【0082】
リンス液としては、現像されたレジスト膜に付着したレジストの残渣を除去可能なものであれば、特に限定されることなく、任意のリンス液を用いることができる。
【0083】
なお、リンス時のリンス液の温度は、特に限定されないが、例えば21℃以上25℃以下とすることができる。また、リンス時間は、例えば、5秒以上3分以下とすることができる。
【0084】
上述した現像工程で使用する現像液、および、リンス工程で使用するリンス液は、それぞれ、使用の前に濾過してもよい。そして、濾過方法としては、例えば上述した「ポジ型レジスト組成物の調製」の項で説明した、フィルターを用いた濾過方法が挙げられる。
【0085】
-エッチング工程-
エッチング工程は、上述したレジストパターンをマスクとして下層膜および/または基板をエッチングし、下層膜および/または基板にパターンを形成する。
【0086】
その際、エッチング回数は特にされず、1回でも複数回であってもよい。また、エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされる下層膜や基板の元素組成等により適宜選択することができる。エッチングガスとして、例えばCHF3、CF4、C2F6、C3F8、SF6等のフッ素系ガス;Cl2、BCl3等の塩素系ガス;O2、O3、H2O等の酸素系ガス;H2、NH3、CO、CO2、CH4、C2H2、C2H4、C2H6、C3H4、C3H6、C3H8、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH3、BCl3等の還元性ガス;He、N2、Ar等の不活性ガスなどが挙げられる。これらのガスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、無機系の下層膜のドライエッチングには、通常、酸素系ガスが用いられる。また、基板のドライエッチングには、通常、フッ素系ガスが用いられ、フッ素系ガスと不活性ガスとを混合したものが好適に用いられる。
【0087】
さらに、必要に応じて、基板をエッチングする前、または、基板をエッチングした後に、基板上に残存する下層膜を除去してもよい。基板をエッチングする前に下層膜を除去する場合、下層膜はパターンが形成された下層膜であってもよく、パターンが形成されていない下層膜であってもよい。
【0088】
ここで、下層膜を除去する方法としては、例えば上述したドライエッチング等が挙げられる。また、無機系の下層膜の場合には、塩基性液または酸性液等の液体、好ましくは塩基性の液体を下層膜に接触させて下層膜を除去してもよい。ここで、塩基性液としては、特に限定されず、例えば、アルカリ性過酸化水素水等が挙げられる。アルカリ性過酸化水素水を用いてウェット剥離により下層膜を除去する方法としては、下層膜とアルカリ性過酸化水素水とが加熱条件下で一定時間接触できる方法であれば特に限定されず、例えば下層膜を加熱したアルカリ性過酸化水素水に浸漬する方法、加熱環境下で下層膜にアルカリ性過酸化水素水を吹き付ける方法、加熱したアルカリ性過酸化水素水を下層膜に塗工する方法等が挙げられる。これらのうちのいずれかの方法を行った後、基板を水洗し、乾燥させることで、下層膜が除去された基板を得ることができる。
【0089】
以下に、本発明のレジストパターン形成キットを用いたレジストパターン形成方法の2つの例について説明する。ただし、以下の例で用いる基板および各工程における条件等は、上述した基板および各工程における条件等と同様であるため、以下では説明を省略する。なお、本発明のレジストパターン形成キットを用いたレジストパターン形成方法は、以下の例に示す方法に限定されるものではない。
【0090】
<<第1の例>>
第1の例は、EUVを用いたレジストパターン形成方法であって、上述した下層膜形成工程と、レジスト膜形成工程と、露光工程と、現像工程と、リンス工程と、エッチング工程とを含む。
【0091】
具体的には、下層膜形成工程において、基板上に無機系材料を塗布し、焼成を行うことにより無機系の下層膜を形成する。
【0092】
次に、レジスト膜形成工程において、下層膜形成工程で形成した無機系の下層膜の上に、本発明のレジストパターン形成キットに含まれるレジスト組成物を塗布し、乾燥させてレジスト膜を形成する。
【0093】
それから、露光工程において、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜に対してEUVを照射して、所望のパターンを描画する。
【0094】
さらに、現像工程において、露光工程で露光されたレジスト膜と、本発明のレジストパターン形成キットに含まれる現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、下層膜上にレジストパターンを形成する。
【0095】
そして、リンス工程において、現像工程で現像されたレジスト膜と、リンス液とを接触させて現像されたレジスト膜をリンスする。
【0096】
それから、エッチング工程において、上記レジストパターンをマスクとして下層膜をエッチングし、下層膜にパターンを形成する。
【0097】
次いで、パターンが形成された下層膜をマスクとして基板をエッチングして、基板にパターンを形成する。
【0098】
<<第2の例>>
第2の例は、EBを用いたレジストパターン形成方法であって、上述したレジスト膜形成工程と、露光工程と、現像工程と、リンス工程と、エッチング工程を含む。
【0099】
具体的には、レジスト膜形成工程において、基板の上に本発明のレジストパターン形成キットに含まれるレジスト組成物を塗布し、乾燥させてレジスト膜を形成する。
【0100】
次に、露光工程において、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜に対してEBを照射して、所望のパターンを描写する。
【0101】
さらに、現像工程において、露光工程で露光されたレジスト膜と、本発明のレジストパターン形成キットに含まれる現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、基板上にレジストパターンを形成する。
【0102】
そして、リンス工程において、現像工程で現像されたレジスト膜と、リンス液とを接触させて現像されたレジスト膜をリンスする。
【0103】
それから、エッチング工程において、上記レジストパターンをマスクとして基板をエッチングし、基板にパターンを形成する。
【実施例】
【0104】
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
また、実施例及び比較例において、重合体の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布、重合体中の各分子量の成分の割合、SP値、表面張力、最適露光量、CD値、LWR値、LER値、LCDU値は、下記の方法で測定した。
【0105】
<重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布>
実施例、比較例で得られた重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー社製、HLC-8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
【0106】
<重合体中の各分子量の成分の割合>
ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製、HLC-8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、重合体のクロマトグラムを得た。そして、得られたクロマトグラムから、ピークの総面積(A)、分子量が6,000未満の成分のピークの面積の合計(B)、分子量が10,000未満の成分のピークの面積の合計(C)、分子量が20,000超の成分のピークの面積の合計(D)、分子量が30,000超の成分のピークの面積の合計(E)、分子量が40,000超の成分のピークの面積の合計(F)、分子量が50,000超の成分のピークの面積の合計(G)、分子量が60,000超の成分のピークの面積の合計(H)、分子量が80,000超の成分のピークの面積の合計(I)、分子量が100,000超のピークの面積の合計(J)を求めた。そして、下記式を用いて各分子量の成分の割合を算出した。
分子量が6,000未満の成分の割合(%)=(B/A)×100
分子量が10,000未満の成分の割合(%)=(C/A)×100
分子量が20,000超の成分の割合(%)=(D/A)×100
分子量が30,000超の成分の割合(%)=(E/A)×100
分子量が40,000超の成分の割合(%)=(F/A)×100
分子量が50,000超の成分の割合(%)=(G/A)×100
分子量が60,000超の成分の割合(%)=(H/A)×100
分子量が80,000超の成分の割合(%)=(I/A)×100
分子量が100,000超の成分の割合(%)=(J/A)×100
【0107】
<SP値>
実施例、比較例で使用した現像液及びリンス液のSP値は、Hoyの原子団寄与法を用いて計算した。なお、現像液が、SP値がαの現像液(I)と、SP値がβの現像液(II)の2種類の現像液(現像液(I)と現像液(II)の質量比((I):(II)=x:y)とからなる混合現像液である場合には、以下の方法によってSP値を測定した。
混合現像液のSP値=α×(x/x+y)+β×(y/x+y)
【0108】
<表面張力>
実施例、比較例で使用した現像液及びリンス液の表面張力は、25℃において輪環法を用いて測定した。
【0109】
<最適露光量(Eop)>
最適露光量(Eop)は、露光量およびフォーカスを振り、CD値、LER値およびLWR値から最も優れた点として求めた。
【0110】
<CD値、LWR値、LER値、LCDU値>
実施例、比較例で形成したレジストパターンのCD値、LWR値、LER値、およびLCDU値は、高分解能FEB測長装置(日立ハイテクノロジー社製、CG5000)及び解析ソフト(日立ハイテクノロジー社製、Design Metrology System)を用いて計測及び算出した。
CD値がハーフピッチ(hp)またはコンタクトホール±5nmの範囲内であり、LWR、LER値、LCDU値が低いほど、レジストパターンの解像度が高いことを示す。
【0111】
<重合体A(crude)の調製>
[単量体組成物の重合]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.4680gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0014gと、溶媒としてのシクロペンタノン(CPN)6.4666gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、40℃の恒温槽内で50時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール100g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体A;crude)を得た。得られた重合体A(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位とを50mol%ずつ含んでいた。
[重合体A(crude)の精製]
次いで、得られた重合体A(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHFとメタノールとの混合溶媒1000g(THFとメタノールとの混合割合は、質量比で、THF:メタノール=25.5:74.5)に滴下し、白色の凝固物(α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位を含有する重合体A)を析出させた。その後、析出した重合体Aを含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体Aを得た。そして、得られた重合体Aについて、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布、並びに、重合体A中の各分子量の成分の割合を測定した。結果を表1に示す。
【0112】
<重合体B(crude)の調製>
[単量体組成物の重合]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.4680gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0021gと、溶媒としてのシクロペンタノン(CPN)6.4659gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、53℃の恒温槽内で50時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール100g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体B;crude)を得た。得られた重合体B(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位とを50mol%ずつ含んでいた。
【0113】
[重合体B(crude)の精製]
次いで、得られた重合体Bを100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHFとメタノールとの混合溶媒1000g(THFとメタノールとの混合割合は、質量比で、THF:メタノール=24:76)に滴下し、白色の凝固物(α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位を含有する重合体B)を析出させた。その後、析出した重合体Bを含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体Bを得た。そして、得られた重合体Bについて、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布、並びに、重合体B中の各分子量の成分の割合を測定した。結果を表1に示す。
【0114】
<重合体C(crude)の調製>
[単量体組成物の重合]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.4764gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0055gと、溶媒としてのシクロペンタノン(CPN)1.6205gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール100g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体C;crude)を得た。得られた重合体C(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位とを50mol%ずつ含んでいた。
【0115】
[重合体C(crude)の精製]
次いで、得られた重合体C(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHFとメタノールとの混合溶媒1000g(THFとメタノールとの混合割合は、質量比で、THF:メタノール=15:85)に滴下し、白色の凝固物(α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位を含有する重合体C)を析出させた。その後、析出した重合体Cを含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体Cを得た。そして、得られた重合体Cについて、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布、並びに、重合体C中の各分子量の成分の割合を測定した。結果を表1に示す。
【0116】
<重合体D(crude)の調製>
[単量体組成物の重合]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.2832gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.0005gと、溶媒としてのシクロペンタノン(CPN)1.5709gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で2時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール100g中に滴下し、重合物Dを析出させた。その後、析出した重合物Dを含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体D;crude)を得た。得られた重合体D(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位とを50mol%ずつ含んでいた。
【0117】
[重合体D(crude)の精製]
次いで、得られた重合体D(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHFとメタノールとの混合溶媒1000g(THFとメタノールとの混合割合は、質量比で、THF:メタノール=21:79)に滴下し、白色の凝固物(α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位を含有する重合体D)を析出させた。その後、析出した重合体Dを含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体Dを得た。そして、得られた重合体Dについて、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布、並びに、重合体D中の各分子量の成分の割合を測定した。結果を表1に示す。
【0118】
(実施例1)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
重合体Aを溶剤としての酢酸イソアミルに溶解させ、重合体の濃度が1.75%であるポジ型レジスト組成物Aを調製した。
【0119】
<レジストパターンの形成>
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物Aを直径4インチのシリコンウェハ上に塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物Aを温度150℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、EUV描画装置(ASML社製、TWINSCAN NXE:3300B)を用いて、レジスト膜を最適露光量(Eop)57mJ/cm2で露光して、パターンを描画した。その後、現像液として、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボン(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、バートレルXF(CF3CFHCFHCF2CF3)、SP値:6.8(cal/cm3)1/2、表面張力:14.1(mN/m)、沸点:53.6℃)と、その他のフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100(C4F9OCH3)、SP値:6.5(cal/cm3)1/2、表面張力:13.6(mN/m))との混合現像液(ハイドロフルオロカーボンとハイドロフルオロエーテルとの含有比(質量比)は、ハイドロフルオロカーボン:ハイドロフルオロエーテル=25:75、混合現像液のSP値:6.575(cal/cm3)1/2、混合現像液の表面張力:13.725(mN/m))を用いて、温度23℃で30秒間の現像処理を行った。それから、リンス液としてのフッ素系溶剤(3M社製、Novec(登録商標)7100(C4F9OCH3、SP値:6.3(cal/cm3)1/2、表面張力:13.6mN/m、沸点:61℃))を用いて、温度23℃で10秒間リンスして、レジストパターンを形成した。その際、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ16nm(即ち、ハーフピッチ(hp)16nm)のラインアンドスペースとした。
得られたレジストパターンを用いて、CD値、LWR値、及びLER値を計測した。結果を表2に示す。
【0120】
(実施例2~6)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物Aを調製した。
<レジストパターンの形成>
実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表2に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、表2に示すSP値及び表面張力を示すフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボン(実施例2)、または、表2に示す含有比(質量比)、SP値及び表面張力を示す、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロエーテルとの混合現像液(実施例3~6)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。なお、実施例2~6で使用したハイドロフルオロカーボン、及び、ハイドロフルオロエーテルは、実施例1で使用したものと同様とした。
【0121】
(比較例1)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
重合体Aに替えて重合体Cを用いた以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物Cを調製した。
<レジストパターンの形成>
ポジ型レジスト組成物Aに替えてポジ型レジスト組成物Cを用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表2に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、実施例1で使用したものと同様のハイドロフルオロカーボンを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
【0122】
(比較例2)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
重合体Aに替えて重合体Dを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物Dを調製した。
<レジストパターンの形成>
ポジ型レジスト組成物Aに替えてポジ型レジスト組成物Dを用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表2に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、実施例1で用いたものと同様のハイドロフルオロカーボンを用いた。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
【0123】
(実施例7~11)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
重合体Aに替えて重合体Bを用いた以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物Bを調製した。
<レジストパターンの形成>
ポジ型レジスト組成物Aに替えてポジ型レジスト組成物Bを用いた以外は実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表3に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボン(実施例7)、または、表3に示す含有比(質量比)、SP値及び表面張力を示す、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロエーテルと混合現像液(実施例8~11)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表3に示す。なお、実施例7~11で使用したハイドロフルオロカーボン、及び、ハイドロフルオロエーテルは、実施例1で使用したものと同様とした。
【0124】
(実施例12~14)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物Aを調製した。
<レジストパターンの形成>
実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表4に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボン(実施例12)、または、表4に示す含有比(質量比)、SP値及び表面張力を示す、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロエーテルと混合現像液(実施例13、14)を使用した。さらに、レジストパターンとして、16nmハーフピッチのラインアンドスペースに替えて、ライン(未露光領域)とスペース(露光領域)が、それぞれ21nm(即ち、ハーフピッチ21nm)のラインアンドスペースとした。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表4に示す。なお、実施例12~14で使用したハイドロフルオロカーボン、及び、ハイドロフルオロエーテルは、実施例1で使用したものと同様とした。
【0125】
(実施例15~18)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物Aを調製した。
<レジストパターンの形成>
実施例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表5に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、表5に示す含有比(質量比)、SP値及び表面張力を示す、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボンとその他のフッ素系溶剤としてのハイドロフルオロエーテルとの混合現像液(実施例15、17、18)、または、フッ素系溶剤としてのハイドロフルオロカーボン(実施例16)を使用した。さらに、レジストパターンとして、16nmハーフピッチのラインアンドスペースに替えて、22nmのコンタクトホールとした。それ以外は実施例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表5に示す。なお、実施例15~18で使用したハイドロフルオロカーボン、及び、ハイドロフルオロエーテルは、実施例1で使用したものと同様とした。
【0126】
(比較例3)
<ポジ型レジスト組成物の調製>
比較例1と同様にしてポジ型レジスト組成物Cを調製した。
<レジストパターンの形成>
比較例1と同様にしてレジスト膜を形成した。そして、表5に示す最適露光量(Eop)でレジスト膜を露光し、現像液として、実施例1で使用したものと同様のハイドロフルオロカーボンを使用した。さらに、レジストパターンとして、16nmハーフピッチのラインアンドスペースに替えて、22nmのコンタクトホールとした。それ以外は比較例1と同様にして、「ポジ型レジスト組成物の調製」、「レジストパターンの形成」を行い、実施例1と同様の測定を行った。結果を表5に示す。
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
表1~5より、所定の単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含み、重量平均分子量が100,000以上300,000以下であり、且つ、分子量分布(Mw/Mn)が1.3以上2.0以下である重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いた実施例1~18では、微細なレジストパターンを高解像度で形成できていることが分かる。
中でも、ハーフピッチ16nmの場合には、最適露光量(Eop)を57(mJ/cm2)とし、現像液として、ハイドロフルオロカーボンとハイドロフルオロエーテルと含有比が25:75の混合現像液と用いた実施例1において、解像度に優れたレジストパターンが得られることが分かる。
また、ハーフピッチ21nmの場合には、最適露光量(Eop)を38(mJ/cm2)とし、現像液として、ハイドロフルオロカーボンを用いた実施例12において、解像度に優れたレジストパターンが得られることが分かる。
さらに、コンタクトホール22nmの場合には、最適露光量(Eop)を50.4(mJ/cm2)とし、現像液として、ハイドロフルオロカーボンとハイドロフルオロエーテルと含有比が50:50の混合現像液と用いた実施例15において、解像度に優れたレジストパターンが得られることが分かる。
一方、比較例1~3より、所定の単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含むものの、重量平均分子量が100,000未満である比較例1~3では、微細なレジストパターンを高解像度で形成できないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明によれば、微細なレジストパターンを高解像度で効率的に形成し得るポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成キットを提供することができる。