(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】EUVL用ガラス基板、及びEUVL用マスクブランク
(51)【国際特許分類】
G03F 1/60 20120101AFI20241022BHJP
G03F 1/24 20120101ALI20241022BHJP
C03C 17/22 20060101ALI20241022BHJP
C03C 17/36 20060101ALI20241022BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G03F1/60
G03F1/24
C03C17/22 Z
C03C17/36
C03C19/00 Z
(21)【出願番号】P 2021138313
(22)【出願日】2021-08-26
【審査請求日】2024-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2020182454
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】吉宗 大介
(72)【発明者】
【氏名】田村 昌彦
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068237(JP,A)
【文献】特開2017-182055(JP,A)
【文献】国際公開第2010/061828(WO,A1)
【文献】特開2016-004821(JP,A)
【文献】特表2017-517759(JP,A)
【文献】特開2006-126816(JP,A)
【文献】国際公開第2020/196555(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0045103(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
C03C 19/00
C03C 17/22
C03C 17/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電膜が形成される矩形の第1主表面と、EUV反射膜とEUV吸収膜とがこの順番で形成される、前記第1主表面とは反対向きの矩形の第2主表面とを有する、EUVL用ガラス基板であって、
前記第1主表面のうち、その矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域の点の座標を(x,y,z(x,y))で表すと、下記式(1)~(3)を用いて算出される座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差が10.0nm未満である、EUVL用ガラス基板。
【数1】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【請求項2】
導電膜が形成される矩形の第1主表面と、EUV反射膜とEUV吸収膜とがこの順番で形成される、前記第1主表面とは反対向きの矩形の第2主表面とを有する、EUVL用ガラス基板であって、
前記第2主表面のうち、その矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域の点の座標を(x,y,z(x,y))で表すと、下記式(1)~(3)を用いて算出される座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差が10.0nm未満である、EUVL用ガラス基板。
【数2】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【請求項3】
矩形の第1主表面と、前記第1主表面とは反対向きの矩形の第2主表面とを有し、前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に、導電膜と、ガラス基板と、EUV反射膜と、EUV吸収膜とをこの順番で有する、EUVL用マスクブランクであって、
前記第1主表面のうち、その矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域の点の座標を(x,y,z(x,y))で表すと、下記式(1)~(3)を用いて算出される座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差が10.0nm未満である、EUVL用マスクブランク。
【数3】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【請求項4】
矩形の第1主表面と、前記第1主表面とは反対向きの矩形の第2主表面とを有し、前記第1主表面の側から前記第2主表面の側に、導電膜と、ガラス基板と、EUV反射膜と、EUV吸収膜とをこの順番で有する、EUVL用マスクブランクであって、
前記第2主表面のうち、その矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域の点の座標を(x,y,z(x,y))で表すと、下記式(1)~(3)を用いて算出される座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差が10.0nm未満である、EUVL用マスクブランク。
【数4】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、EUVL(Extreme Ultra-Violet Lithography)用ガラス基板、及びEUVL用マスクブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体デバイスの製造には、フォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィ技術では、露光装置によって、フォトマスクの回路パターンに光を照射し、その回路パターンをレジスト膜に縮小して転写する。
【0003】
最近では、微細な回路パターンの転写を可能とするため、短波長の露光光、例えば、ArFエキシマレーザ光、さらにはEUV(Extreme Ultra-Violet)光などの使用が検討されている。
【0004】
ここで、EUV(極端紫外線)とは、軟X線および真空紫外線を含み、具体的には波長が0.2nm~100nm程度の光のことである。現時点では、13.5nm程度の波長のEUVが主に検討されている。
【0005】
EUVL用フォトマスクは、EUVL用マスクブランクに回路パターンを形成することで得られる。
【0006】
EUVL用マスクブランクは、ガラス基板と、ガラス基板の第1主表面に形成される導電膜と、ガラス基板の第2主表面に形成されるEUV反射膜とEUV吸収膜とを有する。EUV反射膜とEUV吸収膜とはこの順番で形成される。
【0007】
EUV反射膜は、EUVを反射する。EUV吸収膜は、EUVを吸収する。回路パターンである開口パターンが、EUV吸収膜に形成される。導電膜は、露光装置の静電チャックに吸着される。
【0008】
EUVL用マスクブランクには、回路パターンの転写精度を向上すべく、高い平坦度が求められる。その平坦度は、主にEUVL用ガラス基板の平坦度で決まる。従って、EUVL用ガラス基板にも、高い平坦度が求められる。
【0009】
特許文献1に記載のEUVL用マスクブランクは、導電膜におけるガラス基板と反対側の主表面に、中央領域と外周領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の外周領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域である。中央領域は、ルジャンドル多項式の次数が3以上25以下である成分の平坦度が20nm以下である。
【0010】
また、特許文献2に記載のEUVL用マスクブランクは、合成表面形状と仮想表面形状との差分データの算出領域内での最高高さと最低高さとの差が25nm以下である。算出領域は、直径104mmの円の内側の領域である。合成表面形状は、多層反射膜の表面形状と導電膜の表面形状とを合成することにより得られる。仮想表面形状は、極座標系で表現されたゼルニケ多項式によって定義される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特許第6229807号公報
【文献】特許第6033987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ELVL用ガラス基板は、上記の通り、高い平坦度が求められる。そこで、EUVL用ガラス基板の主表面の中央領域には、一般的に、研磨と、局所加工と、仕上げ研磨とがこの順番で施される。局所加工の方法は、例えばGCIB(Gas Cluster Ion Beam)法、又はPCVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)法等である。
【0013】
仕上げ研磨では、EUVL用ガラス基板と定盤とをそれぞれ回転しながら、EUVL用ガラス基板を定盤に押し付ける。EUVL用ガラス基板の主表面の中央領域は、おおよそ、その中心を中心に軸対称に仕上げ研磨されるが、完全な軸対称には仕上げ研磨されず、仕上げ研磨後に、軸対称な成分と、その残りの歪み成分とを含む。
【0014】
歪み成分は、鞍形状の成分を含む。この鞍形状の成分は、仕上げ研磨によって生じる。この鞍形状の成分は、ルジャンドル多項式よりも、ゼルニケ多項式で表現することが好ましい。ゼルニケ多項式は、ルジャンドル多項式とは異なり、極座標で表現され、軸対称な成分を除くのに適しているからである。
【0015】
しかし、ゼルニケ多項式は、ルジャンドル多項式とは異なり、円形の領域しか表現できない。EUVL用ガラス基板の主表面は矩形であり、その中央領域も矩形であり、矩形の四隅はゼルニケ多項式では表現できない。従って、従来、仕上げ研磨で生じる歪み成分を正確には把握できていなかった。
【0016】
その結果、従来、EUVL用ガラス基板の主表面の中央領域の平坦度を10.0nm未満に抑制することは困難であった。
【0017】
本開示の一態様は、EUVL用ガラス基板の主表面の中央領域の平坦度を10.0nm未満に抑制する、技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本開示の一態様に係るEUVL用ガラス基板は、導電膜が形成される矩形の第1主表面と、EUV反射膜とEUV吸収膜とがこの順番で形成される、前記第1主表面とは反対向きの矩形の第2主表面とを有する。前記第1主表面のうち、その矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域の点の座標を(x,y,z(x,y))で表すと、下記式(1)~(3)を用いて算出される座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差が10.0nm未満である。
【0019】
【数1】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【発明の効果】
【0020】
本開示の一態様によれば、EUVL用ガラス基板の主表面の中央領域の平坦度を10.0nm未満に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るEUVL用マスクブランクの製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るEUVL用ガラス基板を示す断面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るEUVL用ガラス基板を示す平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るEUVL用マスクブランクを示す断面図である。
【
図5】
図5は、EUVL用フォトマスクの一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、両面研磨機の一例を示す斜視図であって、両面研磨機の一部を破断して示す斜視図である。
【
図7】
図7は、仕上げ研磨後の第1主表面の中央領域の高さ分布の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、中央領域に設定される複数点の配置の一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、
図7の高さ分布から式(1)を用いて抽出される成分の高さ分布を示す図である。
【
図10】
図10は、
図7の高さ分布から式(2)を用いて抽出される成分の高さ分布を示す図である。
【
図11】
図11は、
図7の高さ分布から式(3)を用いて抽出される成分の高さ分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0023】
図1に示すように、EUVL用マスクブランクの製造方法は、ステップS1~S7を有する。
図2及び
図3に示すEUVL用ガラス基板2を用いて、
図4に示すEUVL用マスクブランク1が製造される。以下、EUVL用マスクブランク1を、単にマスクブランク1とも呼ぶ。また、EUVL用ガラス基板2を、単にガラス基板2とも呼ぶ。
【0024】
ガラス基板2は、
図2及び
図3に示すように、第1主表面21と、第1主表面21とは反対向きの第2主表面22とを含む。第1主表面21は、矩形状である。本明細書において、矩形状とは、角に面取加工を施した形状を含む。また、矩形は、正方形を含む。第2主表面22は、第1主表面21とは反対向きである。第2主表面22も、第1主表面21と同様に、矩形状である。
【0025】
また、ガラス基板2は、4つの端面23と、4つの第1面取面24と、4つの第2面取面25とを含む。端面23は、第1主表面21及び第2主表面22に対して垂直である。第1面取面24は、第1主表面21と端面23の境界に形成される。第2面取面25は、第2主表面22と端面23の境界に形成される。第1面取面24及び第2面取面25は、本実施形態では、いわゆるC面取面であるが、R面取面であってもよい。
【0026】
ガラス基板2のガラスは、TiO2を含有する石英ガラスが好ましい。石英ガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、線膨張係数が小さく、温度変化による寸法変化が小さい。石英ガラスは、SiO2を80質量%~95質量%、TiO2を4質量%~17質量%含んでよい。TiO2含有量が4質量%~17質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。石英ガラスは、SiO2およびTiO2以外の第三成分又は不純物を含んでもよい。
【0027】
平面視にてガラス基板2のサイズは、例えば縦152mm、横152mmである。縦寸法及び横寸法は、152mm以上であってもよい。
【0028】
ガラス基板2は、第1主表面21に中央領域27と周縁領域28とを有する。中央領域27は、その中央領域27を取り囲む矩形枠状の周縁領域28を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域であり、ステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域である。中央領域27の4つの辺は、4つの端面23に平行である。中央領域27の中心は、第1主表面21の中心に一致する。
【0029】
なお、図示しないが、ガラス基板2の第2主表面22も、第1主表面21と同様に、中央領域と、周縁領域とを有する。第2主表面22の中央領域は、第1主表面21の中央領域と同様に、縦142mm、横142mmの正方形の領域であって、
図1のステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域である。
【0030】
先ず、ステップS1では、ガラス基板2の第1主表面21及び第2主表面22を研磨する。第1主表面21及び第2主表面22は、本実施形態では後述の両面研磨機9で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS1では、研磨パッドとガラス基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板2を研磨する。
【0031】
研磨パッドとしては、例えばウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、又はスウェード系研磨パッドなどが用いられる。研磨スラリーは、研磨剤と分散媒とを含む。研磨剤は、例えば酸化セリウム粒子である。分散媒は、例えば水又は有機溶剤である。第1主表面21及び第2主表面22は、異なる材質又は粒度の研磨剤で、複数回研磨されてもよい。
【0032】
なお、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化セリウム粒子には限定されない。例えば、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、ダイヤモンド粒子、又は炭化珪素粒子などであってもよい。
【0033】
次に、ステップS2では、ガラス基板2の第1主表面21及び第2主表面22の表面形状を測定する。表面形状の測定には、例えば、表面が傷付かないように、レーザ干渉式等の非接触式の測定機が用いられる。測定機は、第1主表面21の中央領域27、及び第2主表面22の中央領域の表面形状を測定する。
【0034】
次に、ステップS3では、ステップS2の測定結果を参照し、平坦度を向上すべく、ガラス基板2の第1主表面21及び第2主表面22を局所加工する。第1主表面21と第2主表面22は、順番に局所加工される。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。局所加工の方法は、例えばGCIB法、又はPCVM法である。局所加工の方法は、磁性流体による研磨法、又は回転研磨ツールによる研磨法等であってもよい。
【0035】
次に、ステップS4では、ガラス基板2の第1主表面21及び第2主表面22の仕上げ研磨を行う。第1主表面21及び第2主表面22は、本実施形態では後述の両面研磨機9で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS4では、研磨パッドとガラス基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板2を研磨する。研磨スラリーは、研磨剤を含む。研磨剤は、例えばコロイダルシリカ粒子である。
【0036】
次に、ステップS5では、ガラス基板2の第1主表面21の中央領域27に、
図4に示す導電膜5を形成する。導電膜5は、EUVL用フォトマスクを露光装置の静電チャックに吸着するのに用いられる。導電膜5は、例えば窒化クロム(CrN)などで形成される。導電膜5の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
【0037】
次に、ステップS6では、ガラス基板2の第2主表面22の中央領域に、
図4に示すEUV反射膜3を形成する。EUV反射膜3は、EUVを反射する。EUV反射膜3は、例えば高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層反射膜であってよい。高屈折率層は例えばシリコン(Si)で形成され、低屈折率層は例えばモリブデン(Mo)で形成される。EUV反射膜3の成膜方法としては、例えばイオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法が用いられる。
【0038】
最後に、ステップS7では、ステップS6で形成されたEUV反射膜3の上に、
図4に示すEUV吸収膜4を形成する。EUV吸収膜4は、EUVを吸収する。EUV吸収膜4は、例えばタンタル(Ta)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む単金属、合金、窒化物、酸化物、酸窒化物などで形成される。EUV吸収膜4の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
【0039】
なお、ステップS6~S7は、本実施形態ではステップS5の後に実施されるが、ステップS5の前に実施されてもよい。
【0040】
上記ステップS1~S7により、
図4に示すマスクブランク1が得られる。マスクブランク1は、第1主表面11と、第1主表面11とは反対向きの第2主表面12とを有し、第1主表面11の側から第2主表面12の側に、導電膜5と、ガラス基板2と、EUV反射膜3と、EUV吸収膜4とをこの順番で有する。
【0041】
マスクブランク1は、図示しないが、ガラス基板2と同様に、第1主表面11に中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域である。また、マスクブランク1は、ガラス基板2と同様に、第2主表面12にも中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域である。
【0042】
なお、マスクブランク1は、導電膜5と、ガラス基板2と、EUV反射膜3と、EUV吸収膜4とに加えて、別の膜を含んでもよい。
【0043】
例えば、マスクブランク1は、更に、低反射膜を含んでもよい。低反射膜は、EUV吸収膜4上に形成される。その後、低反射膜とEUV吸収膜4の両方に、回路パターン41が形成される。低反射膜は、回路パターン41の検査に用いられ、検査光に対してEUV吸収膜4よりも低反射特性を有する。低反射膜は、例えばTaONまたはTaOなどで形成される。低反射膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
【0044】
また、マスクブランク1は、更に、保護膜を含んでもよい。保護膜は、EUV反射膜3とEUV吸収膜4との間に形成される。保護膜は、EUV吸収膜4に回路パターン41を形成すべくEUV吸収膜4をエッチングする際に、EUV反射膜3がエッチングされないように、EUV反射膜3を保護する。保護膜は、例えばRu、Si、またはTiO2などで形成される。保護膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
【0045】
図5に示すように、EUVL用フォトマスクは、EUV吸収膜4に回路パターン41を形成して得られる。回路パターン41は開口パターンであって、その形成にはフォトリソグラフィ法およびエッチング法が用いられる。従って、回路パターン41の形成に用いられるレジスト膜が、マスクブランク1に含まれてもよい。
【0046】
ところで、マスクブランク1には、回路パターン41の転写精度を向上すべく、高い平坦度が求められる。その平坦度は、主にガラス基板2の平坦度で決まる。従って、ガラス基板2にも、高い平坦度が求められる。
【0047】
そこで、ガラス基板2には、上記の通り、研磨(ステップS1)と、局所加工(ステップS3)と、仕上げ研磨(ステップS4)とがこの順番で施される。仕上げ研磨では、ガラス基板2と定盤とをそれぞれ回転しながら、ガラス基板2を定盤に押し付ける。仕上げ研磨では、例えば、
図6に示す両面研磨機9が用いられる。
【0048】
両面研磨機9は、下定盤91と、上定盤92と、キャリア93と、サンギヤ94と、インターナルギヤ95とを有する。下定盤91は水平に配置され、下定盤91の上面には下研磨パッド96が貼付される。上定盤92は水平に配置され、上定盤92の下面には上研磨パッド97が貼付される。キャリア93は、下定盤91と上定盤92との間に、ガラス基板2を水平に保持する。各キャリア93は、ガラス基板2を一枚ずつ保持するが、複数枚ずつ保持してもよい。キャリア93は、サンギヤ94の径方向外側に配置され、且つ、インターナルギヤ95の径方向内側に配置される。キャリア93は、サンギヤ94の周りに間隔をおいて複数配置される。サンギヤ94とインターナルギヤ95とは、同心円状に配置され、キャリア93の外周ギヤ93aと噛み合う。
【0049】
両面研磨機9は例えば4Way方式であり、下定盤91と、上定盤92と、サンギヤ94と、インターナルギヤ95とは、同一の鉛直な回転中心線を中心に回転する。下定盤91と上定盤92とは、反対方向に回転すると共に、下研磨パッド96をガラス基板2の下面に押し付け、且つ上研磨パッド97をガラス基板2の上面に押し付ける。また、下定盤91および上定盤92のうちの少なくとも1つは、ガラス基板2に対して研磨スラリーを供給する。研磨スラリーは、ガラス基板2と下研磨パッド96との間に供給され、ガラス基板2の下面を研磨する。また、研磨スラリーは、ガラス基板2と上研磨パッド97との間に供給され、ガラス基板2の上面を研磨する。
【0050】
例えば、下定盤91と、サンギヤ94と、インターナルギヤ95とは、平面視で同じ方向に回転する。これらの回転方向は、上定盤92の回転方向とは逆方向である。キャリア93は、公転しながら、自転する。キャリア93の公転方向は、サンギヤ94とインターナルギヤ95の回転方向と同じ方向である。一方、キャリア93の自転方向は、サンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積と、インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積との大小で決まる。インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積がサンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積がよりも大きいと、キャリア93の自転方向とキャリア93の公転方向とは同じ方向になる。一方、インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積がサンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積よりも小さいと、キャリア93の自転方向とキャリア93の公転方向とは逆方向になる。
【0051】
両面研磨機9によって、ガラス基板2の第1主表面21と第2主表面22とは、おおよそ、それぞれの中心を中心に軸対称に仕上げ研磨される。第1主表面21と第2主表面22とは、ガラス基板2の板厚方向中心面を基準に面対称に研磨される傾向にある。第1主表面21と第2主表面22とは、どちらも凸曲面に研磨されるか、どちらも凹曲面に研磨される傾向にある。なお、仕上げ研磨では、上記の通り、不図示の片面研磨機が用いられてもよい。
【0052】
図7に、仕上げ研磨後の第1主表面21の中央領域27の高さ分布の一例を示す。ここでは、チルト補正後の高さ分布を示す。
図7に示す中央領域27は、中心の高さが四隅の高さよりも高い凸曲面である。
図7において高さを示す数値の単位はnmであり、数値が大きいほど高さが高い。なお、仕上げ研磨後の第2主表面22の中央領域の高さ分布は、
図7の高さ分布と同様の分布であるので、図示を省略する。
【0053】
図7に示す高さ分布は、Corning Tropel社製のUltraFlat200Maskにより測定した。ここでは、重力の影響を排除するため、ガラス基板2を略垂直に立て、ガラス基板2の第1主表面21と第2主表面22の両方をステージ等の他の部材に接触しないようにガラス基板2を支持し、高さ分布を測定した。
【0054】
図7から明らかなように、仕上げ研磨後の第1主表面21の中央領域27は、完全な軸対称ではなく、軸対称な成分と、その残りの歪み成分とを含む。歪み成分は、詳しくは後述するが、
図11に示すように鞍形状の成分を含む。この鞍形状の成分は、仕上げ研磨によって生じる。
【0055】
この鞍形状の成分は、ルジャンドル多項式よりも、ゼルニケ多項式で表現することが好ましい。ゼルニケ多項式は、ルジャンドル多項式とは異なり、極座標で表現され、軸対称な成分を除くのに適しているからである。
【0056】
しかし、ゼルニケ多項式は、ルジャンドル多項式とは異なり、円形の領域しか表現できない。中央領域27は矩形であり、矩形の四隅はゼルニケ多項式では表現できない。従って、従来、仕上げ研磨で生じる歪み成分を正確には把握できていなかった。
【0057】
そこで、本実施形態では、縦142mm、横142mmの正方形の中央領域27の点の座標を(x,y,z(x,y))で表し、下記の式(1)~(3)を用いて歪み成分を把握する。
【0058】
【数2】
上記座標(x,y,z(x,y))において、xは横方向の座標、yは縦方向の座標、zは高さ方向の座標を示し、横方向、縦方向および高さ方向は互いに垂直である。
【0059】
図8に、中央領域27に設定される複数点の配置の一例を示す。
図8において、X軸方向が横方向であり、Y軸方向が縦方向である。X軸とY軸の交点である原点は、中央領域27の中心である。
【0060】
図8から明らかなように、式(1)のz1(x,y)は、原点を中心に2回対称な2点の高さの平均値である。座標(x,y,z1(x,y))の集合である面の高さ分布を
図9に示す。
図9において高さを示す数値の単位はnmであり、数値が大きいほど高さが高い。
図9に示す高さ分布は、軸対称な成分の他に、鞍形状の成分と、原点を中心に回転した4回対称な成分とを更に含む。この4回対称な成分は、例えば、
図9に破線で示すように、反時計回り方向に回転している。
【0061】
図8から明らかなように、式(2)のz2(x,y)は、原点を中心に4回対称な4点の高さの平均値である。座標(x,y,z2(x,y))の集合である面の高さ分布を
図10に示す。
図10において高さを示す数値の単位はnmであり、数値が大きいほど高さが高い。
図10に示す高さ分布は、軸対称な成分の他に、原点を中心に回転した4回対称な成分を更に含む。この4回対称な成分は、例えば、
図10に破線で示すように、反時計回り方向に回転している。
【0062】
式(3)のz3(x,y)は、式(1)のz1(x,y)と、式(2)のz2(x,y)との差分である。座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の高さ分布を
図11に示す。
図11において高さを示す数値の単位はnmであり、数値が大きいほど高さが高い。
図11に示す高さ分布は、
図9に示す高さ分布と
図10に示す高さ分布との差分であり、主に鞍形状の成分を含む。鞍形状の成分は、
図11からも明らかなように原点を中心に回転した2回対称な成分である。
【0063】
本発明者は、実験等によって、座標(x,y,z3(x,y))の集合である面の最大高低差Δz3(Δz3≧0)が10.0nm未満であれば、中央領域27の平坦度PV(PV≧0)を10.0nm未満に抑制できることを見出した。
【0064】
本開示において、中央領域27の平坦度PVとは、中央領域27の高さ分布の全成分から、2次関数で表される成分を除いた残りの成分の最大高低差のことである。2次関数は、下記式(4)で表される。
【0065】
【数3】
上記式(4)において、a、b、c、d、e、fは、z
fit(x,y)とz(x,y)との差の二乗の和が最小になるように決められる定数であって、最小二乗法によって求められる定数である。
【0066】
2次関数の成分は、露光装置において自動補正可能な成分である。従って、2次関数の成分は、回路パターン41の転写精度に影響を与えない。そこで、2次関数の成分は、中央領域27の平坦度PVを求める際に、中央領域27の高さ分布の全成分から除く。
【0067】
本発明者は、Δz3を10.0nm未満に抑制すべく、先ず、予め別のガラス基板2に対してステップS1~S4の処理を施し、下記式(5)を用いて仕上げ研磨の前後での中央領域27の各点での高さの差zdif(x,y)を算出した。次いで、下記式(6)を用いてz2_dif(x,y)を算出した。
【0068】
【数4】
上記式(5)において、z
after(x,y)は仕上げ研磨後の座標(x,y)における高さであり、z
before(x,y)は局所加工後であって仕上げ研磨前の座標(x,y)における高さである。z
after(x,y)とz
before(x,y)との差分がz
dif(x,y)であるので、z
dif(x,y)は仕上げ研磨の研磨量の分布を示す。
【0069】
上記式(6)のz2_dif(x,y)は、原点を中心に2回対称な2点の平均値である。従って、上記式(6)のz2_dif(x,y)は、上記歪み成分のうち、2回対称な成分であり、上記式(3)のz3(x,y)に相当するものである。
【0070】
本発明者は、予め算出したz2_dif(x,y)を用いて、局所加工(ステップS3)における中央領域27の各点の目標高さを補正すれば、Δz3を10.0nm未満に抑制できることを見出した。その結果、PVが10.0nm未満のガラス基板2を得ることができた。
【0071】
ここで、補正後の目標高さは、ステップS2の測定結果に基づき設定される目標高さと、予め算出したz2_dif(x,y)との差から求められる。言い換えると、補正後の目標加工量は、ステップS2の測定結果に基づき設定される目標加工量と、予め算出したz2_dif(x,y)との和から求められる。これらの補正に用いるz2_dif(x,y)は、好ましくは複数枚のガラス基板2の平均値である。z2_dif(x,y)の平均値は、仕上げ研磨の処理条件(例えば研磨剤の種類、研磨パッドの種類、研磨圧、及び回転数等)ごとに求める。
【0072】
仕上げ研磨後に
図11に示すような鞍形状の成分を低減するには、仕上げ研磨における下定盤91の回転数に対するキャリア93の自転の回転数の割合を大きくすることが有効である。その割合は、好ましくは20%~40%であり、より好ましくは25%~35%である。キャリア93の自転の高速化によって、Δz3を7.0nm以下に抑制でき、PVを8.0nm未満に抑制できる。
【0073】
なお、キャリア93の自転の高速化によって、鞍形状の成分を低減する場合、局所加工における目標高さ又は目標加工量の補正には、上記式(6)のz2_dif(x,y)の代わりに、下記式(7)のz4_dif(x,y)を用いる。
【0074】
【数5】
上記式(7)のz
4_dif(x,y)は、4回対称な4点の平均値である。2回対称な2点の平均値であるz
2_dif(x,y)の代わりに、4点の平均値であるz
4_dif(x,y)を用いると、サンプリングの数を増加でき、誤差を低減できる。
【0075】
なお、4回対称な4点の平均値であるz
4_dif(x,y)には、
図11に示すような鞍形状の成分が含まれないが、問題はない。
図11に示すような鞍形状の成分は、キャリア93の自転を高速化すれば、低減されるからである。
【0076】
キャリア93の自転の回転数が大きい場合、補正後の目標高さは、ステップS2の測定結果に基づき設定される目標高さと、予め算出したz4_dif(x,y)との差から求められる。言い換えると、補正後の目標加工量は、ステップS2の測定結果に基づき設定される目標加工量と、予め算出したz4_dif(x,y)との和から求められる。これらの補正に用いるz4_dif(x,y)は、好ましくは複数枚のガラス基板2の平均値である。z4_dif(x,y)の平均値は、仕上げ研磨の処理条件(例えば研磨剤の種類、研磨パッドの種類、研磨圧、及び回転数等)ごとに求める。
【0077】
以上、ガラス基板2の第1主表面21の中央領域27について説明したが、ガラス基板2の第2主表面22の中央領域も同様である。第2主表面22の中央領域も、Δz3を10.0nm未満に抑制すれば、PVを10.0nm未満に抑制できる。
【0078】
また、ガラス基板2の第1主表面21の平坦度によって、マスクブランク1の第1主表面11の平坦度が決まる。従って、第1主表面11の中央領域も、Δz3を10.0nm未満に抑制すれば、PVを15.0nm以下、好ましくは10.0nm未満に抑制できる。
【0079】
更に、ガラス基板2の第2主表面22の平坦度によって、マスクブランク1の第2主表面12の平坦度が決まる。従って、第2主表面12の中央領域も、Δz3を10.0nm未満に抑制すれば、PVを15.0nm以下、好ましくは10.0nm未満に抑制できる。
【実施例】
【0080】
例1~例7のうち、下記の条件以外、同じ条件で
図1に示すステップS1~S4を実施し、ガラス基板2を作製し、その第1主表面21の中央領域27についてΔz3とPVとを測定した。なお、例1~例3では、仕上げ研磨中に下定盤91の回転数に対するキャリア93の自転の回転数の割合を30%に制御し、且つ予め求めたz
4_dif(x,y)の平均値を用いて局所加工の目標高さを補正した。また、例4では、仕上げ研磨中に下定盤91の回転数に対するキャリア93の自転の回転数の割合を10%に制御し、且つ予め求めたz
2_dif(x,y)の平均値を用いて局所加工の目標高さを補正した。一方、例5~例7では、仕上げ研磨中に下定盤91の回転数に対するキャリア93の自転の回転数の割合を10%に制御し、且つ予め求めたz
2_dif(x,y)の平均値を用いることなく、ステップS2の測定結果を用いて局所加工の目標高さを設定した。例1~例4が実施例であり、例5~例7が比較例である。結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
表1から明らかなように、例1~例3では、仕上げ研磨中にキャリアを高速で自転させ、且つ予め求めたz
4_dif(x,y)の平均値を用いて局所加工の目標高さを補正したので、Δz3を7.0nm以下に抑制でき、PVを8.0nm未満に抑制できた。また、例4では、仕上げ研磨中にキャリアを低速で自転させ、且つ予め求めたz
2_dif(x,y)の平均値を用いて局所加工の目標高さを補正したので、Δz3を10.0nm未満に抑制でき、PVを10.0nm未満に抑制できた。一方、例5~例7では、仕上げ研磨中にキャリアを低速で自転させ、且つ予め求めたz
2_dif(x,y)の平均値を用いることなく、ステップS2の測定結果を用いて局所加工の目標高さを設定したので、Δz3が10.0nm以上になってしまい、PVが10.0nm以上になってしまった。
【0082】
次に、例5を除く、例1~例4、例6及び例7のガラス基板2を用いてEUVL用マスクブランク1を作製した。まず、ガラス基板2の第1主表面21(Δz3とPVを測定した面)に、導電膜として、イオンビームスパッタリング法によりCrN膜を100nm形成した。次に、ガラス基板2の第2主表面22に、イオンビームスパッタリング法により多層反射膜(EUV反射膜)を形成した。多層反射膜は、約4nmのSi膜と約3nmのMo膜とを交互に40周期積層した後、最後に約4nmのSi膜を積層したものであった。続いて、保護膜として、多層反射膜の上に、スパッタリング法によりRu膜を2.5nm成膜した。続いて、吸収膜(EUV吸収膜)として、保護膜の上に、スパッタリング法でTaN膜を75nm、TaON膜を5nm成膜した。このようにして、導電膜5と、ガラス基板2と、EUV反射膜3と、EUV吸収膜4とをこの順番で有する、EUVL用マスクブランク1を得た。
【0083】
例1~例4、例6及び例7のガラス基板2を用いて作製したEUVL用マスクブランク1の第1主表面11(導電膜5側の面)の中央領域について、Δz3とPVを測定した。結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
表2に示すように、例1~例4では、EUVL用マスクブランク1の第1主表面11の中央領域について、Δz3を10.0nm未満に抑制でき、PVを15.0nm以下に抑制できた。例6,例7では、EUVL用マスクブランク1の第1主表面11の中央領域について、Δz3が10.0nm以上になってしまい、PVが15.0nmよりも大きくなってしまった。
【0085】
以上、本開示に係るEUVL用ガラス基板及びEUVL用マスクブランクについて説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0086】
2 ガラス基板
21 第1主表面
22 第2主表面
27 中央領域
28 周縁領域
3 EUV反射膜
4 EUV吸収膜
5 導電膜