(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20241022BHJP
【FI】
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2024033485
(22)【出願日】2024-03-06
【審査請求日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2023042120
(32)【優先日】2023-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 隆史
(72)【発明者】
【氏名】有賀 涼
(72)【発明者】
【氏名】関 亜弓
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-221493(JP,A)
【文献】特開2010-3258(JP,A)
【文献】特開2012-98878(JP,A)
【文献】特開平6-250805(JP,A)
【文献】国際公開第2008/66142(WO,A1)
【文献】株式会社リコー,リコーとサイボウズの戦略的協業から生まれた業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」を提供開始 ~ 現場のデジタル活用を伴走型でサポートし、中堅中小企業のDX化を加速 ~[online],2022年10月18日,[令和6年9月9日検索],インターネット<URL : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000097.000043114.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付部と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定部と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定情報は、当該設定情報に係る帳票が含む複数の項目名が、当該設定情報に対応する前記外部システムが出力するデータが含む複数の項目名のいずれに対応付くのかが定義された対応付け定義を含み、
前記帳票生成部は、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報が含む前記対応付け定義に基づいて、前記第1のデータが含む複数の項目名に対する値が、前記第1の外部システムに係る帳票が含む複数の項目名のうちのいずれの項目名に対する値であるのかを特定する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報は、当該設定情報に係る帳票が含む各項目名に対する値の配置位置が定義されたフォーマット定義を含み、
前記帳票生成部は、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報が含む前記フォーマット定義に基づいて、当該設定情報に係る帳票が含む各項目名に対する値について当該帳票における配置位置を特定する、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応付け定義は、当該対応付け定義に対応する前記外部システムが出力するデータが含む2以上の項目名が、1つの項目名に対応付く定義を含む、
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
端末装置と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を前記端末装置から受け付ける受付部と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定部と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付手順と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定手順と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成手順と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付手順と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定手順と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
販売管理システム等の外部システムが出力するデータから請求書等の帳票を生成するシステム(以下、「帳票生成システム」という。)が有る。
【0003】
特許文献1には、販売管理ソフト又は業務システムで作成された請求データを取り込み、請求書を作成して請求先に送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部システムが出力するデータ(以下、「外部データ」という。)は、帳票生成システムが生成可能な帳票に対応しているとは限らない。例えば、外部データが含む項目名は、必ずしも当該帳票の項目名とは一致しない。したがって、ユーザは、外部データに基づいて帳票を生成できるようにするための煩雑な設定(例えば、当該外部データが含む項目名と帳票における項目名との対応関係の設定等)を、外部システムごとに帳票生成システムに対して行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、外部システムが出力したデータに応じた帳票を生成するための作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、情報処理装置は、それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付部と、それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定部と、特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
外部システムが出力したデータに応じた帳票を生成するための作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における取引管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】端末装置20及び取引管理装置10の機能構成を説明する図である。
【
図5】取引管理装置10に連携させる外部システム30の登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】外部システム情報記憶部121の構成例を示す図である。
【
図8】テナント情報記憶部122の構成例を示す図である。
【
図9】取り込み設定情報記憶部123の構成例を示す図である。
【
図10】デフォルト対応付け定義記憶部124に記憶されているデフォルト対応付け定義の一例を示す図である。
【
図11】デフォルトフォーマット定義記憶部125に記憶されているデフォルトフォーマット定義の一例を示す図である。
【
図12】テナント対応付け定義記憶部126が記憶するテナント対応付け定義の一例を示す図である。
【
図13】テナントフォーマット定義記憶部127が記憶するテナントフォーマット定義の一例を示す図である。
【
図14】テナント拡張項目定義記憶部128が記憶するテナント拡張項目定義の一例を示す図である。
【
図15】帳票データの生成処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図16】外部システム一覧画面の表示例を示す図である。
【
図17】取り込みデータ登録画面の表示例を示す図である。
【
図18】帳票情報記憶部129が記憶する帳票情報の一例を示す図である。
【
図19】帳票情報の生成及び登録に関する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図20】拡張項目の追加、削除又は編集に関する画面例を示す図である。
【
図21】取り込み設定情報編集画面の表示例を示す図である。
【
図22】テンプレートデータを説明するための図である。
【
図23】取り込み設定情報の追加例を示す図である。
【
図24】テナント対応付け定義及びテナントフォーマット定義の追加例を示す図である。
【
図25】第2の実施の形態における取り込みデータの一例を示す図である。
【
図26】第2の実施の形態におけるテナント拡張項目定義記憶部128が記憶するテナント拡張項目定義の一例を示す図である。
【
図27】追加拡張項目と追加取り込み項目との対応付けの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1において、外部システム30は、企業Xにおいて利用されているコンピュータシステムである。例えば、外部システム30は、販売管理システムであってもよい。端末装置20は、企業Xの従業員が利用する端末であり、企業X内のネットワークN2を介して外部システム30に接続する。
【0010】
企業Xは、取引管理装置10が提供するサービス(以下、「帳票管理サービス」という。)のテナントの一つである。テナントとは、帳票管理サービスの利用契約を締結した企業や個人等をいう。
【0011】
端末装置20は、帳票管理サービスを利用するために用いられ、インターネット等のネットワークN1を介して取引管理装置10に接続する。端末装置20は、外部システム30が出力するデータ(例えば、販売した物品又はサービスに関するデータ)をネットワークN2を介してダウンロード(取得)し、当該データをネットワークN1を介して取引管理装置10へアップロード(送信)する。外部システム30が出力するデータは、例えば、外部システム30が生成及び管理するデータであり、複数の項目ごとに項目名及び値を含む。
【0012】
取引管理装置10は、帳票管理サービスを提供する1以上のコンピュータである。帳票管理サービスは、Webベースのサービスとして提供されるクラウドサービスであってもよい。例えば、取引管理装置10は、帳票を構成する各項目に対する値を含むデータを取り込み、当該データを帳票の形式に整形し、当該帳票を表現する電子データ(以下、「帳票データ」という。)を生成する。帳票データは、帳票を表示可能なデータであってもよいし、帳票を印刷可能なデータであってもよい。本実施の形態において、取引管理装置10は、端末装置20からアップロードされるデータを取り込んで、当該データ(以下、「取り込みデータ」という。)に係る帳票を生成する。具体的には、取引管理装置10は、取り込みデータが含む各項目の値を、予め設定された設定情報に基づいて帳票を構成する各項目に割り当てて帳票データを生成する。そうすることで、帳票管理サービスの各テナントは、自らが利用する各外部サービスが出力するデータに基づく帳票を得ることができる。なお、帳票とは、例えば、見積書、注文書、納品書、請求書等である。
【0013】
図2は、取り込みデータの一例を示す図である。
図2において、1行目の各列は、項目名を示す。2行目以降の各列は、当該列に対応する項目名に対する値を含む。なお、取り込みデータの1行分のデータは、1つの帳票に対応する。
図2において、取り込みデータがどのような項目名を含むのかについては重要ではない。取り込みデータが含む項目名は外部システム30によって異なるからである。
【0014】
このように、取り込みデータは、項目名ごとに値を含むデータである。
図2では、取り込みデータが表形式で表現されているが、取り込みデータの形式は表形式に限定されない。取り込みデータの形式はCSV形式であってもよいし、XML(eXtensible Markup Language)形式であってもよい。項目名と値との対応関係を表現可能な形式であれば、取り込みデータは他の形式を有してもよい。
【0015】
取り込みデータが含む各項目(以下、「取り込み項目」という。)の項目名(以下、「取り込み項目名」という。)は、帳票を構成する項目として取引管理装置10に予め登録されている(取引管理装置10が予定している)各項目(以下、「帳票項目」という。)の項目名(以下、「帳票項目名」という。)と一致するとは限らない。また、或る取り込み項目名と或る帳票項目名とが文字列としては同じであっても、両者の意味が同じであるとは限らない。取引管理装置10は、帳票項目名と取り込み項目名との対応関係等について予め登録される設定情報に基づいて、取り込みデータ内の各取り込み項目名に対する値が、いずれの帳票項目名に対する値であるのかを特定して、帳票データを生成する。
【0016】
なお、
図1において、企業Xが有する外部システム30は1つであるが、企業Xは複数の外部システム30を有してもよい。この場合、取引管理装置10は、複数の外部システム30のそれぞれが出力する相互に形式の異なる取り込みデータについて帳票を生成してよい。生成される帳票は、外部システム30ごとに異なってもよい。また、帳票管理サービスのテナントは複数であってもよい。この場合、各テナントが利用する外部サービスは異なっていてもよい。本実施の形態では、複数のテナントのそれぞれが1以上の外部サービスを利用する場合について説明する。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態における取引管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3の取引管理装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0018】
取引管理装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0019】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って取引管理装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0020】
なお、端末装置20や外部システム30も
図3と同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0021】
図4は、端末装置20及び取引管理装置10の機能構成を説明する図である。
図4において、端末装置20は、表示制御部21、要求部22及び応答受信部23等を有する。これら各部は、端末装置20にインストールされた1以上のプログラムが、端末装置20のCPUに実行させる処理により実現される。
【0022】
表示制御部21は、ユーザから入力を受け付けるための画面を表示する。例えば、表示制御部21は、取引管理装置10から送信される画面データに基づく画面を表示する。画面データは、HTML形式のデータであってもよいし、他の形式のデータであってもよい。
【0023】
要求部22は、表示制御部21が表示する画面に対する入力に応じた要求を取引管理装置10へ送信する。
【0024】
応答受信部23は、要求部22が送信した要求に対する取引管理装置10からの応答を受信する。当該応答に画面データが含まれている場合、表示制御部21が当該画面データに基づいて画面を表示する。
【0025】
取引管理装置10は、受付部11、登録部12、連携対象特定部13、設定情報特定部14、帳票生成部15、画面生成部16及び応答送信部17等を有する。これら各部は、取引管理装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。取引管理装置10は、また、外部システム情報記憶部121、テナント情報記憶部122、取り込み設定情報記憶部123、デフォルト対応付け定義記憶部124、デフォルトフォーマット定義記憶部125、テナント対応付け定義記憶部126、テナントフォーマット定義記憶部127、テナント拡張項目定義記憶部128及び帳票情報記憶部129を利用する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又は取引管理装置10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0026】
受付部11は、端末装置20からの要求を受け付ける。登録部12は、端末装置20からの要求が、各種情報の登録に関する要求である場合に、各種記憶部への情報の登録を行う。連携対象特定部13は、端末装置20からの要求が、或る取り込みデータ(以下、「対象取り込みデータ」という。)に係る帳票の生成に関する要求である場合に、当該生成を要求するテナントが取引管理装置10に連携させている1以上の外部システム30を特定する。テナントは、1以上の外部システム30を取引管理装置10に連携させることができる。帳票の生成対象である取り込みデータに対応する外部システム30(以下、「対象外部システム30」という。)は、連携対象特定部13が特定した外部システム30の中からユーザによって選択される。設定情報特定部14は、各外部システム30に関連付けられて予め記憶されている、当該外部システム30が出力した取り込みデータから帳票データを生成するための設定情報(以下、「取り込み設定情報」という。)のうち、対象外部システム30に関連付けられている取り込み設定情報を特定する。或る1つの取り込み設定情報は、或る1種類の帳票データを生成するための設定情報である。同じ取り込みデータに対して異なる取り込み設定情報を用いると、異なる帳票データを生成することができる。
【0027】
帳票生成部15は、設定情報特定部14が特定した取り込み設定情報を用いて、対象取り込みデータが含む取り込み項目名とその値を、帳票項目名とその値とを示す情報(以下、「帳票情報」という。)に変換する。帳票生成部15は、当該帳票情報に基づいて対象取り込みデータに応じた帳票データを生成する。画面生成部16は、端末装置20に表示させる画面の画面データを生成する。応答送信部17は、端末装置20からの要求に対する応答を端末装置20へ送信する。
【0028】
外部システム情報記憶部121は、外部システム30ごとに、帳票管理サービスの提供者(以下、単に「サービス提供者」という。)によって予め用意された、デフォルトの取り込み設定情報を記憶する。例えば、サービス提供者は、外部システム30が出力する取り込みデータの特性等に基づいてデフォルトの取り込み設定情報を作成する。
【0029】
テナント情報記憶部122は、各テナントの属性情報や、各テナントが連携させている外部システム30を示す情報等を記憶する。
【0030】
取り込み設定情報記憶部123は、テナントごと、かつ、当該テナントが連携させている外部システム30ごとに、当該外部システム30が出力する取り込みデータに対して用いられる(適用される)取り込み設定情報を記憶する。1つの外部システム30に対して複数の取り込み設定情報が関連付けられてもよい。取り込み設定情報記憶部123が記憶する取り込み設定情報は、帳票の生成において実際に利用される取り込み設定情報である。一方、外部システム情報記憶部121が記憶するデフォルトの取り込み設定情報は、取り込み設定情報記憶部123が記憶する取り込み設定情報のコピー元(雛形)となる取り込み設定情報である。デフォルトの取り込み設定情報がテナント別に取り込み設定情報記憶部123にコピーされることで、テナントごとに取り込み設定情報の変更を可能とすることができる。
【0031】
デフォルト対応付け定義記憶部124は、デフォルトの取り込み設定情報の構成要素の1つであるデフォルトの対応付け定義を記憶する。或る取り込み設定情報を構成する対応付け定義は、当該取り込み設定情報に係る帳票が含む複数の帳票項目名について、当該取り込み設定情報に対応する外部システム30が出力する取り込みデータが含む複数の取り込み項目名のいずれかに対応付くのかが定義された情報である。デフォルトの対応付け定義とは、サービス提供者によって予め用意された対応付け定義をいう。
【0032】
デフォルトフォーマット定義記憶部125は、デフォルトの取り込み設定情報の構成要素の1つであるデフォルトのフォーマット定義を記憶する。或る取り込み設定情報を構成するフォーマット定義は、当該取り込み設定情報に係る帳票が含む各帳票項目名に対する値の配置位置が定義された情報である。デフォルトのフォーマット定義とは、サービス提供者によって予め用意されたフォーマット定義をいう。
【0033】
テナント対応付け定義記憶部126は、テナント別の対応付け定義(すなわち、取り込み設定情報記憶部123に記憶されている取り込み設定情報を構成する対応付け定義)を記憶する。
【0034】
テナントフォーマット定義記憶部127は、テナント別のフォーマット定義(すなわち、取り込み設定情報記憶部123に記憶されている取り込み設定情報を構成するフォーマット定義)を記憶する。
【0035】
テナント拡張項目定義記憶部128は、テナントが独自に定義した帳票項目名をテナント別に記憶する。
【0036】
帳票情報記憶部129は、帳票生成部15が生成する帳票情報を記憶する。
【0037】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。
図5は、取引管理装置10に連携させる外部システム30の登録処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。帳票管理サービスの利用を開始するテナントは、まず、取引管理装置10に連携させる外部システム30を情報処理システム1へ登録しておく必要がある。
図5は、このための登録処理の処理手順の一例を示す。取引管理装置10に連携させる外部システム30とは、取引管理装置10に帳票を生成させる取り込みデータを出力する外部システム30をいう。すなわち、或る外部システム30が出力する取り込みデータに係る帳票の生成を取引管理装置10が実行可能な状態が、当該外部システム30が取引管理装置10に連携している状態である。
【0038】
ステップS101において、端末装置20の表示制御部21は、連携設定画面に対するユーザによる入力を受け付ける。
【0039】
図6は、連携設定画面の表示例を示す図である。
図6が示すように、連携設定画面510は、チェックボタン群511、費用表示領域512及び登録ボタン513等を含む。
【0040】
チェックボタン群511は、取引管理装置10に連携させる外部システム30を選択されるためのチェックボタンの集合であり、外部システム30ごとにチェックボタンを含む。チェックボタン群511が含む各チェックボタンに対応する外部システム30の名前(外部システム名)及び月額は、外部システム情報記憶部121を参照して特定される。
【0041】
図7は、外部システム情報記憶部121の構成例を示す図である。
図7が示すように、外部システム情報記憶部121は、外部システム30ごとに、外部システムID、外部システム名、月額及び取り込み設定情報等を記憶する。
【0042】
外部システムIDは、取引管理装置10が各外部システム30を識別するために用いる識別情報である。外部システム名は、外部システム30の名称(例えば、外部システム30がパッケージソフトであればソフトウェア名)である。月額は、外部システム30を取引管理装置10に連携させるためにテナントが負担する1ヶ月当たりの費用である。外部システム30ごとに月額が異なるのは、外部システム30に応じて、デフォルトの(予め用意されている)取り込み設定情報のバリエーション(充実度)が異なるからである。デフォルトの取り込み設定情報のバリエーションが豊富である外部システム30を連携させる場合、テナントがデフォルトの取り込み設定情報をそのまま利用することができたり、デフォルトの取り込み設定情報の一部を変更したりすることで、当該テナントが所望する帳票の生成を取引管理装置10に実行させることができるようになる可能性が相対的に高い。一方、デフォルトの取り込み設定情報のバリエーションが少なければ、テナントがデフォルトの取り込み設定情報を大幅に変更したり、新規の取り込み設定情報を生成したりしなければ、当該テナントが所望する帳票の生成を取引管理装置10に実行させることができない可能性が相対的に高い。すなわち、取り込み設定情報のバリエーションに応じて、テナント側の負担が異なる。したがって、外部システム30に応じて月額が設定されている。
図7の例では、外部システムAに対する取り込み設定情報が3つであり、外部システムBに対する取り込み設定情報が1つであり、外部システムCに対する取り込み設定情報が2つである例が示されている。したがって、月額の大小関係は、外部システムA>外部システムC>外部システムBとなっている。
【0043】
外部システム情報記憶部121に登録される外部システム30は、市場において利用されている全ての外部システム30であってもよいし、市場における占有率や知名度等に基づいてサービス提供者が選別した外部システム30であってもよい。
【0044】
図6の連携設定画面510において、ユーザが、チェックボタン群511におけるいずれかの1以上のチェックボタンを選択すると、選択状態のチェックボタンに対応する月額の合計が費用表示領域512に表示される。
【0045】
なお、連携設定画面510は、ユーザが端末装置20を利用して取引管理装置10にログインした後の所定の操作に応じて表示される。ログイン時には、ユーザが属するテナント(以下、「対象テナント」という。)のテナントID、ユーザのユーザID及びパスワード等が入力される。したがって、この時点において、対象テナントのテナントID(
図6の例では、「T0001」)は特定されている。
【0046】
ユーザが、連携させたい外部システム30に対応するチェックボタンを選択し、登録ボタン513を押下することでステップS101が実行される。
【0047】
続いて、要求部22は、連携対象の外部システム30の登録要求を取引管理装置10へ送信する(S102)。当該登録要求は、対象テナントのテナントID(以下、「対象テナントID」という。)と、連携対象として選択された各外部システム30の外部システムID(
図6の例の場合、外部システムAの外部システムID及び外部システムCの外部システムID)とを含む。
【0048】
取引管理装置10の受付部11が当該登録要求を受信すると、登録部12は、当該登録要求に基づいて、各種設定情報を更新する(S103)。具体的には、登録部12は、テナント情報記憶部122を更新する。
【0049】
図8は、テナント情報記憶部122の構成例を示す図である。
図8が示すように、テナント情報記憶部122は、テナントごとに、テナントID、名称、住所、担当者、メールアドレス及び連携外部システムID等を含むテナント情報を記憶する。
【0050】
テナントIDは、上記した通りである。名称は、テナントの名称(例えば、会社名等)である。住所は、テナントの住所(例えば、本社の住所等)である。担当者は、例えば、テナントにおいて取引管理装置10のユーザとなる者である。メールアドレスは、担当者のメールアドレスである。連携外部システムIDは、テナントが取引管理装置10と連携させることを登録した外部システム30(以下、「連携外部システム30」という。)の外部システムIDである。ステップS103において、登録部12は、対象テナントに対応するテナント情報の連携外部システムIDに、登録要求に含まれている全ての外部システムIDを追加する。
【0051】
登録部12は、また、取り込み設定情報記憶部123を更新する。
【0052】
図9は、取り込み設定情報記憶部123の構成例を示す図である。取り込み設定情報記憶部123は、テナント別に、各連携外部システム30に対する取り込み設定情報を含む取り込み設定情報テーブルを記憶する。
図9には、対象テナント(テナントID=T0001のテナント)の取り込み設定情報テーブルが示されている。ステップS103の時点において、登録部12は、外部システム情報記憶部121(
図7)に外部システム30ごとに記憶されている情報のうち、対象テナントが連携外部システム30として選択した各外部システム30の外部システムID、外部システム名及び取り込み設定情報を、対象テナントに対応する取り込み設定情報テーブルにコピーする。
図9には、対象テナントが、外部システムA及び外部システムCを連携外部システム30として選択した場合の取り込み設定情報テーブルの例が示されている。
【0053】
ここで、取り込み設定情報について説明する。
図7及び
図9が示すように、取り込み設定情報は、取り込み設定情報ID、取り込み設定情報名、対応付け定義ID、フォーマット定義ID、項目値読み込み定義、自動計算定義及び区切り文字定義等を含む。
【0054】
取り込み設定情報IDは、複数の取り込み設定情報を取引管理装置10が識別するための識別情報である。取り込み設定情報名は、取り込み設定情報の名称であり、表示用の文字列として用いられる。対応付け定義IDは、取り込み設定情報に属する対応付け定義の識別情報である。フォーマット定義IDは、取り込み設定情報に属するフォーマット定義の識別情報である。項目値取り込み定義は、外部システム30が出力する取り込みデータの仕様を吸収するための規則に関する定義である。図示されている"「0」を含む行を無視する"は、取り込みデータの各行のうち、いずれかの取り込み項目名の値として0を含む行は、帳票に変換しないことを意味する。取り込みデータの或る行には意味が無いことを示すために当該行のいずれかの項目値に0を含めるように取り込みデータを出力する外部システム30が存在するからである。例えば、「#」で始まる行がコメント行であるという規則にしたがって取り込みデータを出力する外部システム30が存在する場合には、"「#」で始まる行を無視する"という項目値取り込み定義が設定されてもよい。自動計算定義は、取り込みデータの複数の項目の値から合算した結果(例えば、請求書を構成する明細の単価×数量の合計)を特定の項目の値(例えば、「合計金額」の値)として自動的に計算して良いか否かに関する設定である。ONは、自動的な計算を許可することを示し、OFFは、自動的な計算を許可しないことを示す。区切り文字定義は、取り込みデータにおいて、項目名及と項目値との区切り文字を示す定義である。
【0055】
取り込み設定情報は、他の定義を含んでもよい。例えば、取り込み設定情報は、「通貨単位定義」として、「円」及び「ドル」のいずれを使用するのかを示す定義を含んでもよい。
【0056】
なお、1つの外部システム30に対して1又は複数の取り込み設定情報が登録可能である。
図7及び
図9の例では、外部システムAに対して3つの取り込み設定情報が登録され、外部システムCに対して2つの取り込み設定情報が登録されている。1つの外部システム30に対して複数の取り込み設定情報が登録可能であるのは、当該外部システム30が出力する取り込みデータから複数種類の帳票の生成を可能とするためである。また、1つの外部システム30が出力する取り込みデータの種類が1つであるとは限らないからである。
図7及び
図9において、外部システムAに対応する3つの取り込み設定情報のうち、取り込み設定情報名が「外部システムA_基本項目」である取り込み設定情報は、外部システムAが出力する取り込みデータのうちの一部の項目に基づく帳票を生成するための取り込み設定情報である。当該取り込み設定情報名が「外部システムA_全項目」である取り込み設定情報は、外部システムAが出力する取り込みデータが含む全ての項目に基づく帳票を生成するための取り込み設定情報である。当該取り込み設定情報名が「外部システムA_全項目_建設業」である取り込み設定情報は、外部システムAが建設業向けに出力する取り込みデータが含む全ての項目に基づく帳票を生成するための取り込み設定情報である。
【0057】
デフォルトの取り込み設定情報(
図7)を構成する定義のうち、対応付け定義IDに対応するデフォルト対応付け定義及びフォーマット定義IDに対応するデフォルトフォーマット定義は、それぞれデフォルト対応付け定義記憶部124、デフォルトフォーマット定義記憶部125に記憶されている。
【0058】
図10は、デフォルト対応付け定義記憶部124に記憶されているデフォルト対応付け定義の一例を示す図である。
図10には、或る一つのデフォルト対応付け定義(対応付け定義IDが「A03」である対応付け定義)が示されている。
図10が示すように、対応付け定義は、対応付け定義IDと、当該対応付け定義に対応する帳票が含みうる帳票項目ごとに、帳票項目ID、帳票項目名及び取り込み項目名とを含む。帳票項目IDは、複数の帳票項目を取引管理装置10が識別するための識別情報である。帳票項目名は、当該帳票項目IDに対応する帳票項目名である。取り込み項目名は、当該帳票項目名に対応する取り込み項目名である。このように、デフォルト対応付け定義には、帳票項目名と取り込み項目名との(デフォルトの)対応関係が設定されている。
【0059】
なお、或る1つの帳票項目の値は、或る1つの取り込み項目の値そのものであるとは限らない。例えば、或る帳票項目の値は、複数の取り込み項目の値を結合した文字列であったり、1又は複数の取り込み項目の値を所定の計算式に代入して得られる数値であったりする場合が有る。そこで、対応付け定義において或る1つの「帳票項目名」に対応する「取り込み項目名」としては、1又は複数の取り込み項目の値に基づく導出方法が、当該取り込み項目の取り込み項目名を用いて定義可能となっている。例えば、
図10では、帳票項目名である"住所"が、帳票項目名である"住所1<結合>住所2"に対応付くことが示されている。これは、"住所1"という取り込み項目名の値(例えば、都道府県名)と、"住所2"という取り込み項目名の値(例えば、市町村名以降の住所)とを連結した文字列が、"住所"という帳票項目名の値(例えば、都道府県名以降住所)であることを示す。このような定義も、外部システム30によって異なるため、ユーザ自身が設定するには非常に手間がかかる。本実施の形態では、このような定義もデフォルト対応付け定義において予め用意されるため、ユーザの作業負担を軽減できる。
【0060】
対応付け定義は、また、各帳票項目の項目種別をも含む。項目種別の値は、「標準項目」又は「拡張項目」である。「標準項目」とは、基本的又は汎用的な帳票の項目として当初から取引管理装置10に登録されている帳票項目である。「拡張項目」は、カスタマイズ等により、取引管理装置10に対して追加登録された帳票項目である。例えば、或る外部システム30に固有の項目(以下、「固有項目」)に対応する帳票項目は、標準項目として登録されていない。そこで、固有項目に対応するために用意された帳票項目は、拡張項目として追加登録される。
【0061】
拡張項目は、テナント側で登録されることが想定されているが、本実施の形態では、サービス提供者が、外部システム情報記憶部121(
図7)に登録されている各外部システム30がどのような固有項目を有するのかを予め調査して、各固有項目に対する帳票項目が予めデフォルト対応付け定義に追加される。したがって、テナントによる拡張項目の追加の必要性を低減することができる。
【0062】
図11は、デフォルトフォーマット定義記憶部125に記憶されているデフォルトフォーマット定義の一例を示す図である。
図11には、或る一つのデフォルトフォーマット定義(フォーマット定義IDが「A13」であるフォーマット定義)が示されている。
図11が示すようにフォーマット定義は、フォーマット定義ID及びフォーマット定義名と、当該フォーマット定義に対応する帳票が含む帳票項目ごとに、項目種別、帳票項目ID、帳票項目名、座標、配置方法及びフォントサイズ等とを含む。
【0063】
フォーマット定義名は、フォーマット定義の名称であり、例えば、表示用の文字列として使用される。項目種別、帳票項目ID及び帳票項目名については上記した通りである。
【0064】
座標は、フォーマット定義が対応する帳票において帳票項目の配置領域に対応する矩形の基準位置(例えば、左上座標)の座標である。配置方法は、当該矩形内における、帳票項目の値(文字列)の配置方法(左揃え/中央揃え/右揃え)である。フォントサイズは、当該値(文字列)のフォントサイズである。
【0065】
フォーマット定義についても、標準項目のみならず、拡張項目に関する定義が予めサービス提供者によってデフォルトフォーマット定義として設定されている。
【0066】
なお、ステップS103において、登録部12は、連携対象として選択された各外部システム30に対応する取り込み設定情報に係るデフォルト対応付け定義及びデフォルトフォーマット定義も、対象テナントに関連付けてテナント対応付け定義記憶部126又はテナントフォーマット定義記憶部127に記録(コピー)する。すなわち、対応付け定義及びフォーマット定義は、テナント別に管理される。これは、対応付け定義及びフォーマット定義について、テナント別の変更(カスタマイズ)を可能とするためである。以下、テナント別の対応付け定義を「テナント対応付け定義」といい、テナント別のフォーマット定義を「テナントフォーマット定義」という。
【0067】
図12は、テナント対応付け定義記憶部126が記憶するテナント対応付け定義の一例を示す図である。
図12には、或る一つのテナント対応付け定義(テナントID=「0001」及び対応付け定義ID=「A03」に対応するテナント対応付け定義)が示されている。
【0068】
テナント対応付け定義は、当該テナント対応付け定義に対応するテナントのテナントIDを更に含む点が、デフォルト対応付け定義(
図10)と異なる。
図12では省略されているが、ステップS103では、
図10のデフォルト対応付け定義に対して対象テナントIDが付与されたテナント対応付け定義のみならず、連携対象として選択された各外部システム30に対応する取り込み設定情報に係る各デフォルト対応付け定義に対して対象テナントIDが付与されたテナント対応付け定義もテナント対応付け定義記憶部126に追加される。
【0069】
図13は、テナントフォーマット定義記憶部127が記憶するテナントフォーマット定義の一例を示す図である。
図13には、或る一つのテナントフォーマット定義(テナントID=「0001」及びフォーマット定義ID=「A13」に対応するテナントフォーマット定義)が示されている。
図13では省略されているが、ステップS103では、
図11のデフォルトフォーマット定義に対して対象テナントIDが付与されたテナントフォーマット定義のみならず、連携対象として選択された各外部システム30に対応する取り込み設定情報に係る各デフォルトフォーマット定義に対して対象テナントIDが付与されたテナントフォーマット定義もテナントフォーマット定義記憶部127に追加される。
【0070】
なお、
図9に示した取り込み設定情報記憶部123に記憶される各取り込み設定情報の対応付け定義ID、フォーマット定義IDのそれぞれは、テナント対応付け定義ID、テナントフォーマット定義IDに対する識別情報である。つまり、取り込み設定情報記憶部123に記憶される各取り込み設定情報には、テナント対応付け定義及びテナントフォーマット定義が関連付けられる。本実施の形態では、或るテナント対応付け定義の対応付け定義IDは、当該テナント対応付け定義のコピー元のデフォルト対応付け定義の対応付け定義IDと同じであり、或るテナントフォーマット定義のフォーマット定義IDは、当該テナントフォーマット定義のコピー元のデフォルトフォーマット定義のフォーマット定義IDと同じであるが、コピー元とコピー先とでIDを変える場合には、コピー先のIDが、取り込み設定情報記憶部123に記憶される各取り込み設定情報に設定される。
【0071】
登録部12は、更に、ステップS103において、テナント対応付け定義記憶部126に記録されたテナント対応付け定義(
図12)に項目種別が「拡張項目」である帳票項目(つまり、拡張項目)が含まれている場合には、当該拡張項目の帳票項目ID及び帳票項目名を、対象テナントIDに関連付けてテナント拡張項目定義記憶部128に登録する。
【0072】
図14は、テナント拡張項目定義記憶部128が記憶するテナント拡張項目定義の一例を示す図である。
図14には、対象テナントに対応するテナント拡張項目定義が示されている。すなわち、テナント拡張項目定義記憶部128は、テナント別にテナント拡張項目定義を記憶する。
【0073】
一つのテナントに対応するテナント拡張項目定義は、デフォルト対応付け定義(
図10)に設定されている全ての拡張項目と、当該テナントにおいて独自に追加された拡張項目とのそれぞれについて、帳票項目ID及び帳票項目名を記憶する。なお、或るテナントについてステップS103が初めて実行された時点は、当該テナントに対応するテナント拡張項目定義の内容は、デフォルト対応付け定義(
図10)に設定されている全ての拡張項目に関する内容となる。また、或るテナントについてステップS103が実行されるのが2回目以降である場合には、当該テナントに対応するテナント拡張項目定義に対して既に登録されている拡張項目に関する情報は改めて登録されなくてよい。
【0074】
以上で、テナントが取引管理装置10を利用するための準備は終了する。続いて、テナントが或る取り込みデータに応じた帳票データを取引管理装置10に生成させる際に実行される処理手順について説明する。
【0075】
図15は、帳票データの生成処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図15の処理手順は、例えば、或る外部システム30(以下、「対象外部システム30」という。)から出力された取り込みデータを端末装置20がダウンロードし、当該取り込みデータ(以下、「対象取り込みデータ」という。)の帳票データを取引管理装置10に生成させる際に実行される。
【0076】
端末装置20の表示制御部21が、外部システム一覧画面の表示指示を示す所定の操作をユーザから受け付けると(S111)、要求部22は、外部システム一覧画面の取得要求を取引管理装置10へ送信する(S112)。当該取得要求は対象テナントIDを含む。取引管理装置10の受付部11が当該取得要求を受信すると、連携対象特定部13は、テナント情報記憶部122(
図7)を参照して、対象テナントが取引管理装置10に連携させている外部システム30の一覧を特定する(S113)。具体的には、連携対象特定部13は、テナント情報記憶部122(
図7)において対象テナントIDに対応付けられて記憶されている連携外部システムIDを取得する。
【0077】
続いて、画面生成部16は、当該連携外部システムIDと外部システム情報記憶部121(
図7)とに基づいて、外部システム一覧画面の画面データを生成する(S114)。具体的には、画面生成部16は、それぞれの当該連携外部システムIDに対応する外部システム名を外部システム情報記憶部121(
図7)から取得し、取得した文字列を各外部システム30に対応する選択肢のラベルとして含む当該画面データを生成する。続いて、応答送信部17は、当該画面データを含む応答を端末装置20へ送信する(S115)。
【0078】
端末装置20の応答受信部23が当該応答を受信すると、表示制御部21は当該応答に含まれている画面データに基づいて外部システム一覧画面を表示する。
【0079】
図16は、外部システム一覧画面の表示例を示す図である。
図16が示すように、外部システム一覧画面520は、選択領域521を含む。選択領域521は、対象テナントが取引管理装置10に連携させている外部システム30ごとの選択肢に対応するボタンを含む。
図16では、「外部システムA」及び「外部システムC」が選択肢である。
【0080】
ユーザが、対象外部システム30に対応する1つの選択肢を選択すると(S117)、端末装置20の要求部22は、取り込みデータ登録画面の取得要求を取引管理装置10へ送信する(S118)。当該取得要求は、選択された外部システム30(以下、「対象外部システム30」という。)の外部システムIDを含み、外部システム30の選択結果の通知情報でもある。
【0081】
取引管理装置10の受付部11は、当該取得要求を受信することで、外部システム30の選択を受け付ける。受付部11による当該取得要求の受信に応じ、設定情報特定部14は、取り込み設定情報記憶部123(
図9)に記憶されている取り込み設定情報の中から、対象テナントIDと、当該取得要求に含まれている外部システムIDとに対応する取り込み設定情報を特定(取得)する(S119)。なお、1つの外部システム30には複数の取り込み設定情報が登録されうる。ステップS119では、該当する全ての取り込み設定情報が特定(取得)されうる。
【0082】
続いて、画面生成部16は、特定された1以上の取り込み設定情報に基づいて、取り込みデータ登録画面の画面データを生成する(S120)。続いて、応答送信部17は、当該画面データを含む応答を端末装置20へ送信する(S121)。端末装置20の応答受信部23が当該応答を受信すると、表示制御部21は当該応答に含まれる画面データに基づいて取り込みデータ登録画面を表示する(S122)。
【0083】
図17は、取り込みデータ登録画面の表示例を示す図である。
図17が示すように、取り込みデータ登録画面530は、表示領域531、リストボックス532、ボタン533、表示領域534及び登録ボタン535を含む。
【0084】
表示領域531は、取り込み設定情報名とCSVファイル(取り込みデータ)との選択をユーザに促すメッセージを含む。
【0085】
リストボックス532は、対象外部システム30に対する1以上の取り込み設定情報の中から対象取り込みデータに対して適用する(今回利用する)取り込み設定情報を選択させるための領域であり、対象外部システム30に対する各取り込み設定情報の取り込み設定情報名がラベルとして付与された選択肢を含む。
【0086】
ボタン533は、端末装置20のファイルシステムに保存されているファイル群の中から対象取り込みデータを格納するファイルを選択させるためのダイアログ(以下、「ファイルダイアログ」という。)の表示指示を受け付けるためのボタンである。表示領域534は、ファイルダイアログを介して選択されたファイルのファイル名を表示する。登録ボタン535は、表示領域534にファイル名が表示されている取り込みデータの登録指示を受け付けるためのボタンである。
【0087】
ユーザが、リストボックス532を介して対象取り込みデータに適用する取り込み設定情報を選択し、ボタン533を利用して対象取り込みデータ(を格納するファイル)を選択した上で登録ボタン535を押下すると(S123)、端末装置20の要求部22は、選択された取り込み設定情報(以下、「対象取り込み設定情報」という。)の取り込み設定情報ID(以下、「対象取り込み設定情報ID」という。)と、対象取り込みデータとを含む登録要求を取引管理装置10へ送信する(S124)。
【0088】
取引管理装置10の受付部11が当該登録要求を受信すると、帳票生成部15は、対象取り込み設定情報に係るテナント対応付け定義(
図12)に基づいて、対象取り込みデータの各項目を対象取り込み設定情報に係る帳票の項目に変換することで帳票情報を生成し、当該帳票情報を帳票情報記憶部129に登録する(S125)。
【0089】
図18は、帳票情報記憶部129が記憶する帳票情報の一例を示す図である。
図18が示すように、1つの帳票情報は、テナントIDと、帳票項目ごとに帳票項目名及び値とを含む。或る帳票項目名に対する値は、取り込みデータにおいて当該帳票項目名に対応付く取り込み項目名の値、又は当該値に基づいて導出された値である。
【0090】
続いて、帳票生成部15は、当該帳票情報の各帳票項目名の値が対象取り込み設定情報に係るテナントフォーマット定義(
図13)に定義された配置位置(座標及び配置方法)及びフォントサイズで配置された帳票データ(例えば、PDFデータ)を生成する(S126)。
【0091】
その後、ユーザは、当該帳票データの宛先を指定して、当該宛先への当該帳票データに基づく帳票の送付を取引管理装置10へ要求する。
【0092】
なお、
図15では、対象外部システム30が出力した対象取り込みデータが端末装置20を経由して取引管理装置10へ送信される例を示したが、対象取り込みデータは、端末装置20を経由せずに対象外部システム30から取引管理装置10へ送信されるようにしてもよい。例えば、取引管理装置10が、ユーザによる所定の指示に応じて、対象取り込みデータを対象外部システム30から取得(ダウンロード)してもよい。
【0093】
続いて、ステップS125の詳細について説明する。
図19は、帳票情報の生成及び登録に関する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0094】
ステップS201において、帳票生成部15は、対象テナントID及び対象取り込み設定情報IDに対応する対象取り込み設定情報を取り込み設定情報記憶部123(
図9)から取得する。続いて、帳票生成部15は、対象取り込みデータの各行を読み込む(S202)。
【0095】
続いて、帳票生成部15は、読み込んだ全ての1行ごとにループ処理L1を実行する。ループ処理L1において処理対象とされている行を、以下「対象行」という。ループ処理L1は、ステップS203、S204、ループ処理L2及びステップS208を含む。
【0096】
ステップS203において、帳票生成部15は、対象取り込み設定情報(
図9)の区切り文字定義に従って、対象行を項目名又は値(項目値)の単位に分割する。続いて、帳票生成部15は、対象取り込み設定情報(
図9)の項目値読み込み定義に基づいて、対象行が無視する行の対象外であるか否かを判定する(S204)。例えば、当該項目値読み込み定義が、"「0」を含む行を無視する"であれば、帳票生成部15は、対象行のいずれかの項目値が「0」であるか否かを判定する。対象行が無視する行に該当する場合(S204でNo)、帳票生成部15は、対象行についてはループ処理L2及びステップS208は実行しない。
【0097】
対象行が無視する行に該当しない場合(S204でYes)、帳票生成部15は、対象取り込み設定情報に係るテナント対応付け定義(
図12)(以下、「対象対応付け定義」という。)が含む帳票項目名のうち、取り込み項目名に対応付けられている帳票項目名ごとにループ処理L2を実行する。ループ処理L2において処理対象とされている帳票項目名を、以下「対象帳票項目名」という。ループ処理L2は、ステップS205~S207を含む。
【0098】
ステップS205において、帳票生成部15は、対象対応付け定義において対象帳票項目名に対応付けられている取り込み項目名(以下、「対象取り込み項目名」という。)が一つの項目名のみによって表現されているか否かを判定する。対象取り込み項目名が一つの項目名のみによって表現されている場合(S205でYes)、帳票生成部15は、対象行において対象取り込み項目名に対応する値を対象帳票項目名に対する値として記憶する(S206)。
【0099】
対象取り込み項目名が、計算式や結合を示す表現等、一つの項目名のみの表現ではない場合(S205でNo)、帳票生成部15は、当該計算式や当該結合の結果として得られる値を対象帳票項目名に対する値として記憶する(S207)。
【0100】
対象対応付け定義が含む全ての帳票項目名についてループ処理L2が実行されると、帳票生成部15は、対象行についてステップS206又はS207において記憶した、各帳票項目名の値と対象テナントIDとを含む帳票情報(
図23)を生成し、当該帳票情報を帳票情報記憶部129に登録する(S208)。ステップS208の1回の実行によって登録される帳票情報は、
図16に示したような形式の帳票情報のうちの1行分の帳票情報である。
【0101】
対象取り込みデータの全ての行についてループ処理L1が実行されると、
図19の処理は終了する。
【0102】
なお、或るテナントは、当該テナントのテナントIDに関連付けられているテナント拡張項目定義(
図14)に対して新たな拡張項目を追加したり、既存の拡張項目を削除したり編集したりすることができる。
【0103】
図20は、拡張項目の追加、削除又は編集に関する画面例を示す図である。
図20において左側の画面540は、拡張項目の追加の際に用いられる画面の例である。画面540は、入力領域541、入力領域542及びボタン543等を含む。入力領域541は、拡張項目として追加する帳票項目の帳票項目名の入力を受け付ける領域である。入力領域542は、当該帳票項目の帳票項目IDの入力を受け付ける領域である。ボタン543は、拡張項目の追加指示を受け付けるためのボタンである。ボタン543が押下されると、端末装置20の要求部22は、拡張項目登録要求を取引管理装置10へ送信する。当該拡張項目登録要求は、テナントIDと、入力領域541又は入力領域542に入力された帳票項目名及び帳票項目IDとを含む。
【0104】
取引管理装置10の登録部12は、拡張項目登録要求を受信すると、当該拡張項目登録要求が含むテナントIDに対応するテナント拡張項目定義(
図14)に対して、当該拡張項目登録要求が含む帳票項目名及び帳票項目IDを追加する。
【0105】
図20において右側の画面550は、既存の(デフォルトの)取り込み設定情報からコピーされた、又は画面540を利用して過去に追加された拡張項目の編集又は削除の際に用いられる画面の例である。画面550は、表示領域551及び操作領域552を含む。
【0106】
表示領域551は、予め入力されているテナントIDに関連付けられてテナント拡張項目定義記憶部128に記憶されているテナント拡張項目定義(
図14)が含む全ての拡張項目の項目名(帳票項目名)及び項目ID(帳票項目ID)を含む。操作領域552は、拡張項目ごとに編集ボタン及び削除ボタンを含む。
【0107】
操作領域552においていずれかの拡張項目に対応する編集ボタンが押下されると、当該拡張項目の項目名及び項目IDが編集可能となる。ユーザは、当該項目名又は当該項目IDを表示領域551において変更することができる。また、操作領域552においていずれかの拡張項目に対応する削除ボタンが押下されると、当該拡張項目が表示領域551から削除される。画面550を介して拡張項目の編集又は削除を行った後に、ユーザが所定の操作を行うと、端末装置20の要求部22は、拡張項目更新要求を取引管理装置10へ送信する。当該拡張項目更新要求は、テナントID、及び画面550に対する入力結果を含む。入力結果とは、編集又は削除の結果である。項目名が編集された拡張項目については、項目ID(帳票項目ID)と、編集後の項目名(拡張項目名)が入力結果に含まれる。項目IDが編集された拡張項目については、編集前の項目ID(帳票項目ID)と、編集後の項目ID(帳票項目ID)とが入力結果に含まれる。削除された拡張項目については、当該拡張項目の項目ID(帳票項目ID)が含まれる。
【0108】
取引管理装置10の登録部12は、拡張項目更新要求を受信すると、当該拡張項目更新要求が含むテナントIDに対応するテナント拡張項目定義(
図14)に対して、当該拡張項目更新要求が含む入力結果(項目名若しくは項目IDの変更、又は項目の削除)を反映する。
【0109】
また、或るテナントは、当該テナント(以下、「対象テナント」という。)のテナントIDに関連付けられているいずれかの外部システム30(以下、「対象外部システム30」という。)に対応した新たな取り込み設定情報(
図9)を生成することができる。つまり、テナントは、デフォルトで用意されている取り込み設定情報のみならず、テナント独自の取り込み設定情報を生成し、利用することができる。
【0110】
図21は、取り込み設定情報編集画面の表示例を示す図である。
図21が示すように、取り込み設定情報編集画面600は、リストボックス601、入力領域602、チェックボックス603、チェックボックス604、リストボックス605、ボタン607、表示領域608、リストボックス609、標準項目対応付け領域610、拡張項目対応付け領域620及び登録ボタン630等を含む。取り込み設定情報編集画面600の画面データは、画面生成部16が生成する。当該画面データに基づいて端末装置20の表示制御部21が取り込み設定情報編集画面600を表示する。
【0111】
リストボックス601は、対象テナントのテナントID及び対象外部システム30に対応する取り込み設定情報の中から編集対象とする取り込み設定情報を選択させるための領域であり、対象外部システム30に対応する取り込み設定情報の取引設定情報名を選択肢として含む。
【0112】
入力領域602は、編集後の(新規生成される)取り込み設定情の取り込み設定情報名の入力を受け付けるための領域である。編集後の取り込み設定情報名に係る取り込み設定情報を、以下「対象取り込み設定情報」という。なお、対象取り込み設定情報の初期値は、編集対象の取り込み設定情報のコピーである。対象取り込み設定情報に属するテナント対応付け定義(以下、「対象対応付け定義」という。)及びテナントフォーマット定義(以下、「対象フォーマット定義」という。)も、編集対象の取り込み設定情に属するテナント対応付け定義又はテナントフォーマット定義のコピーである。したがって、ユーザは、編集対象の取り込み設定情報に対する差分のみを入力することで対象取り込み設定情報を生成することができる。その結果、新たな取り込み設定情報を追加するための作業負担を軽減することができる。
【0113】
チェックボックス603は、対象取り込み設定情報の項目値読み込み定義に関する選択を受け付けるためのチェックボックスである。チェックボックス603の初期状態は、編集対象の取り込み設定情報の項目値読み込み定義にしたがう。
【0114】
チェックボックス604は、対象取り込み設定情報の自動計算定義に関する選択を受け付けるためのチェックボックスである。チェックボックス604の初期状態は、編集対象の取り込み設定情報の自動計算定義にしたがう。
【0115】
リストボックス605は、対象取り込み設定情報の区切り文字定義に関する選択を受け付けるためのリストボックスである。リストボックス605は、「カンマ区切り」以外に、例えば、「スペース区切り」、「TAB区切り」等を選択肢として含んでもよい。リストボックス605の初期状態は、編集対象の取り込み設定情報の区切り文字定義にしたがう。
【0116】
ボタン607は、端末装置20のファイルシステムに保存されているファイル群の中から取り込みデータを格納するファイルを選択させるためのファイルダイアログの表示指示を受け付けるためのボタンである。当該取り込みデータ(以下、「対象取り込みデータ」という。)は、帳票項目名に対応付ける候補となる取り込み項目名の抽出元となる。したがって、対象取り込みデータの項目値は利用されない。
【0117】
表示領域608は、ファイルダイアログを介して選択されたファイルのファイル名を表示する。
【0118】
リストボックス609は、対象取り込み設定情報に対応付けるテナントフォーマット定義のフォーマット定義名を選択肢とするリストボックスである。選択肢となりうるフォーマット定義名は、例えば、端末装置20において予め用意されている、フォーマット定義の元となるデータ(以下、「テンプレートデータ」という。)を格納するファイル名である。
【0119】
図22は、テンプレートデータを説明するための図である。
図22が示すテンプレートデータ700は、或る帳票のレイアウトを設定させるためのデータであり、例えば、一般的に表計算用のソフトウェア等を用いて作成されてよい。
【0120】
テンプレートデータ700では、セル701~712に帳票項目IDが入力されている。各帳票項目IDの位置は、テンプレートデータ700が対応する帳票において各帳票項目IDに対応する帳票項目名に対する値の配置位置である。
【0121】
図21に戻る。標準項目対応付け領域610及び拡張項目対応付け領域620は、対象対応付け定義を編集させるための領域である。具体的には、標準項目対応付け領域610において、領域611は、対象対応付け定義において項目種別が「標準項目」である全ての帳票項目の帳票項目名の一覧を含む。領域612は、領域611に配置された帳票項目名ごとに、当該帳票項目名に対応付ける取り込み項目名を選択させるためのリストボックスを含む。各リストボックスの選択肢は、表示領域608にファイル名が表示されている対象取り込みデータが含む項目名(取り込み項目名)である。領域613は、領域611に配置された帳票項目名ごとに追加ボタンを含む。或る帳票項目名に対応する追加ボタンは、当該帳票項目名に対して2以上の取り込み項目名を対応付けたい場合に利用される。或る帳票項目名に対応する追加ボタンが押下されると、表示制御部21は、当該帳票項目名に対応するリストボックスの下に新たなリストボックスを追加する。この際、当該帳票項目名に対応する2以上のリストボックスによって選択される各取り込み項目名に基づく計算式又は結合方法等が入力可能とされてもよい。
【0122】
拡張項目対応付け領域620における領域621は、対象対応付け定義において項目種別が「拡張項目」である全ての帳票項目の帳票項目名の一覧を含む。領域621は、更に、対象テナントのテナントIDに関連付けられているテナント拡張項目定義(
図14)が含む帳票項目名の中に、当該一覧に含まれてない帳票項目名(以下、「追加項目名」という。)があれば、当該帳票項目名も含む。そうすることで、テナント独自に追加された拡張項目についても取り込み項目名との対応付けが可能となる。領域622及び領域623の機能は、領域612及び領域613と同様である。なお、追加項目名に対しては、新規に追加されたことを示す所定のマークが付与されてもよい。ユーザは、当該マークに基づいて、拡張項目対応付け領域620における拡張項目のうち、新規に追加された拡張項目を認識することができる。
【0123】
領域612及び領域622のリストボックスの初期状態は、編集対象の取り込み設定情報に属する対応付け定義にしたがってもよい。
【0124】
なお、領域611又は領域621に表示されている帳票項目名(すなわち、対象対応付け定義が含む帳票項目名)のうち、表示領域608にファイル名(フォーマット定義名)が表示されているテンプレートデータが含む帳票項目に対応する帳票項目名のみが、取り込み項目名に対応付けられればよい。換言すれば、取り込み項目名に対応付けられない帳票項目名が存在してもよい。特に、追加項目名の一部又は全部は、取り込み項目名への対応付けが不要な場合も有る。取り込み項目名が対応付けられない帳票項目名には、対応付く取り込み項目名が無いことを示す記号(本実施の形態では、"<空>"とする。)が対応付けられる。
【0125】
取り込み設定情報編集画面600に対する編集が終了し、登録ボタン630が押下されると、端末装置20の要求部22は、取り込み設定情報編集画面600における編集結果を取引管理装置10へ送信する。当該編集結果は、対象テナントのテナントID、対象外部システム30の外部システムID、入力領域602に入力された編集後の取り込み設定情報名、チェックボックス603において入力された項目値読み込み定義、チェックボックス604において入力された自動計算定義、リストボックス605において選択された区切り文字定義、リストボックス609において選択されたフォーマット定義名及び当該フォーマット定義名に係るテンプレートデータ、標準項目対応付け領域610及び拡張項目対応付け領域620において設定された対応付け定義等を含む。
【0126】
取引管理装置10の受付部11が当該編集結果を受信すると、登録部12は、当該編集結果に含まれているテナントID及び外部システムIDに対応する新たな取り込み設定情報を取り込み設定情報記憶部123(
図9)に追加する。
【0127】
図23は、取り込み設定情報の追加例を示す図である。
図23を
図9と比較すると、
図23では、外部システムAに対して4番目の取り込み設定情報が追加されている。新たな取り込み設定情報の追加において、登録部12は、当該取り込み設定情報の取り込み設定情報IDを生成する。登録部12は、当該取り込み設定情報(対象取り込み設定情報)の取り込み設定情報名、項目値読み込み定義、自動計算定義及び区切り文字定義には、当該編集結果に含まれている値を登録する。登録部12は、対象取り込み設定情報の対応付け定義ID及びフォーマット定義IDについては、新たな値を割り当てる。
【0128】
登録部12は、テナントIDと新たな対応付け定義ID(
図23の例では、「A04」)とに対応付けて、当該編集結果に含まれている対応付け定義をテナント対応付け定義記憶部126に登録する。登録結果の一例を
図24(1)に示す。
【0129】
登録部12は、また、テナントIDとフォーマット定義ID(
図23の例では、「A14」)と、当該編集結果に含まれているフォーマット定義名とに対応付けて、当該編集結果に含まれているテンプレートデータに基づくテナントフォーマット定義をテナントフォーマット定義記憶部127に登録する。登録結果の一例を
図24(2)に示す。具体的には、登録部12は、当該テンプレートデータに含まれている帳票項目IDごとに、当該テンプレートデータにおいて当該帳票項目IDを格納するセルの座標(例えば、左上頂点の座標)及び当該セル内における当該帳票項目IDの配置方法を特定し、特定した結果に基づいて当該テナントフォーマット定義を生成する。
【0130】
上述したように、本実施の形態によれば、各外部システム30に対して予め取り込み設定情報が用意される。ユーザは、いずれかの外部システム30から出力された取り込みデータについて帳票を生成したい場合に、当該外部システム30を指定(選択)するといった簡単な操作で、当該外部システム30に対応する取り込み設定情報に基づく帳票の生成を取引管理装置10に実行させることができる。したがって、外部システム30が出力したデータに応じた帳票を生成するための作業負担を軽減することができる。項目値が異なる取り込みデータに対して同じ取り込み設定情報が適用される場合には、項目値のみが異なる同じ形式の帳票を生成することができる。
【0131】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では上記の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
【0132】
第2の実施の形態では、帳票の送付先(帳票の発行元の取引先)の詳細情報(以下、「送付先詳細情報」という。)が取り込み項目に追加される例について説明する。帳票の送付先とは、帳票が請求書であれば、請求書の送付先である。
【0133】
図25は、第2の実施の形態における取り込みデータの一例を示す図である。
図25では、
図2に示した取り込みデータに対し、更に、帳票の送付先に関する組織、室、ホームページ、ロゴ、名刺、SNS_ID、規模、登録番号等の取り込み項目を含む取り込みデータが外部システム30から出力されることとする。なお、SNS_IDとは、例えば、メッセージ交換アプリ等におけるIDである。また、登録番号とは、例えば、国税庁の登録番号である。
【0134】
帳票に含めるべき送付先詳細情報の構成は、帳票の送付先によって異なりうる。そこで、送付先詳細情報を構成する取り込み項目(以下、「追加取り込み項目」という。)については、取引管理装置10に対して拡張項目として登録すればよい。
【0135】
具体的には、ユーザは、まず、
図20の画面540を利用して、取り込み項目に対応する拡張項目(以下、「追加拡張項目」という。)をユーザが属するテナントに対応するテナント拡張項目定義に登録する。
【0136】
図26は、第2の実施の形態におけるテナント拡張項目定義記憶部128が記憶するテナント拡張項目定義の一例を示す図である。
図26を
図14と比較すると、
図26には、追加拡張項目に対応する情報が更に追加されている。
【0137】
その後、ユーザは、取り込み設定情報編集画面600(
図21)を利用して、
図25のような取り込みデータを出力する外部システム300(以下、「対象外部システム30」という。)に対応した新たな取り込み設定情報(対象取り込み設定情報)を生成することができる。
【0138】
具体的には、ユーザは、ボタン607を操作して、端末装置20のファイルシステムに保存されているファイル群の中から
図25に示したような追加取り込み項目を含む取り込みデータ(以下、「対象取り込みデータ」という。)を格納するファイルを選択すればよい。そうすることで、拡張項目対応付け領域620における領域621には、追加拡張項目の帳票項目名を含む行も表示されるようになる。また、領域622のリストボックスには、追加取り込み項目の取り込み項目名が選択肢として含まれるようになる。したがって、
図27が示すように、ユーザはそれぞれの追加拡張項目に対して追加取り込み項目を対応付けることができる。
【0139】
図27は、追加拡張項目と追加取り込み項目との対応付けの例を示す図である。なお、
図27には、取り込み設定情報編集画面600(
図21)の拡張項目対応付け領域620が抜粋されて示されている。
【0140】
また、ユーザは、リストボックス609を操作して、対象取り込み設定情報に対応付けるテナントフォーマット定義のフォーマット定義名を選択する。なお、当該フォーマット定義名のフォーマット定義の元となるテンプレートデータ(
図22)は、予め作成しておく。当該テンプレートデータには、各追加拡張項目の配置位置も設定される。
【0141】
その後、ユーザが登録ボタン630を押下すると、拡張項目対応付け領域620において設定された対応付け定義を含む、新たな取り込み設定情報が取り込み設定情報記憶部123(
図9)に追加される。その結果、追加取り込み項目に対応する帳票を生成することが可能となる。
【0142】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0143】
なお、本実施の形態において、取引管理装置10は、情報処理装置の一例である。
【0144】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0145】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付部と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定部と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
<2>
前記設定情報は、当該設定情報に係る帳票が含む複数の項目名が、当該設定情報に対応する前記外部システムが出力するデータが含む複数の項目名のいずれに対応付くのかが定義された対応付け定義を含み、
前記帳票生成部は、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報が含む前記対応付け定義に基づいて、前記第1のデータが含む複数の項目名に対する値が、前記第1の外部システムに係る帳票が含む複数の項目名のうちのいずれの項目名に対する値であるのかを特定する、
ことを特徴とする<1>記載の情報処理装置。
<3>
前記設定情報は、当該設定情報に係る帳票が含む各項目名に対する値の配置位置が定義されたフォーマット定義を含み、
前記帳票生成部は、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報が含む前記フォーマット定義に基づいて、当該設定情報に係る帳票が含む各項目名に対する値について当該帳票における配置位置を特定する、
ことを特徴とする<2>記載の情報処理装置。
<4>
前記対応付け定義は、当該対応付け定義に対応する前記外部システムが出力するデータが含む2以上の項目名が、1つの項目名に対応付く定義を含む、
ことを特徴とする<2>又は<3>記載の情報処理装置。
<5>
端末装置と情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を前記端末装置から受け付ける受付部と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定部と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
<6>
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付手順と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定手順と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成手順と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
<7>
それぞれが複数の項目を含むデータを出力する複数の外部システムのうちのいずれかである第1の外部システムの選択を受け付ける受付手順と、
それぞれの前記外部システムに関連付けられて予め記憶されている、当該外部システムが出力したデータから帳票データを生成するための設定情報のうち、前記第1の外部システムに関連付けられている前記設定情報を特定する設定情報特定手順と、
特定された前記設定情報を用いて、前記第1の外部システムが出力した第1のデータに応じた帳票データを生成する帳票生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0146】
1 情報処理システム
10 取引管理装置
11 受付部
12 登録部
13 連携対象特定部
14 設定情報特定部
15 帳票生成部
16 画面生成部
17 応答送信部
20 端末装置
21 表示制御部
22 要求部
23 応答受信部
30 外部システム
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
121 外部システム情報記憶部
122 テナント情報記憶部
123 取り込み設定情報記憶部
124 デフォルト対応付け定義記憶部
125 デフォルトフォーマット定義記憶部
126 テナント対応付け定義記憶部
127 テナントフォーマット定義記憶部
128 テナント拡張項目定義記憶部
129 帳票情報記憶部
B バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0147】