(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】充電可能電池状態検出装置、充電可能電池状態検出方法、および、充電可能電池状態検出システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20241022BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20241022BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241022BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241022BHJP
G01R 31/392 20190101ALI20241022BHJP
G01R 31/387 20190101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M10/42 P
B60R16/04 S
H01M10/48 P
H02J7/00 P
H02J7/00 Q
G01R31/392
G01R31/387
(21)【出願番号】P 2020201140
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2019218637
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】横山 真司
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-024687(JP,A)
【文献】特開2018-029430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42
B60R 16/04
H01M 10/48
H02J 7/00
G01R 31/392
G01R 31/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出装置。
【請求項2】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、
個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、
複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行す
る充電可能電池状態検出装置。
【請求項3】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、
個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、
複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行す
る充電可能電池状態検出装置。
【請求項4】
前記制御装置は、車両を制御するECU(Electric Control Unit)であり、前記ECUに対して前記応答情報を供給し、前記車両を制御させることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の充電可能電池状態検出装置。
【請求項5】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有
し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項6】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項7】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項8】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、
前記制御装置から供給される応答情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される前記応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報を前記充電可能電池状態検出装置に供給する第2供給手段と、
を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項9】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、
前記制御装置から供給される応答情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される前記応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報を前記充電可能電池状態検出装置に供給する第2供給手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項10】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、
前記制御装置から供給される応答情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される前記応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報を前記充電可能電池状態検出装置に供給する第2供給手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項11】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項12】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項13】
充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項14】
前記制御装置は、車両を制御するECU(Electric Control Unit)であり、前記推定手段によって推定された前記充電可能電池の状態に基づいて、前記車両を制御させることを特徴とする請求項
8乃至13のいずれか1項に記載の充電可能電池状態検出システム。
【請求項15】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介して前記クラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項16】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介して前記クラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項17】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介して前記クラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項18】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出装置。
【請求項19】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出装置。
【請求項20】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、
を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出装置。
【請求項21】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有
し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項22】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項23】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、
を有し、
前記第1処理ステップでは、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理が実行され、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理が実行され、
前記第2処理ステップでは、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理が施され、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理が実行される充電可能電池状態検出方法。
【請求項24】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介してクラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有
し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項25】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介してクラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【請求項26】
充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、
前記充電可能電池状態検出装置は、
車両に搭載される充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、
前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介してクラウドサーバに送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、
前記クラウドサーバは、
前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、
前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有し、
前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、
前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施し、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する充電可能電池状態検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能電池状態検出装置、充電可能電池状態検出方法、および、充電可能電池状態検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、充電可能電池の劣化状態を推定する技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示された技術では、温度やSOCの影響を考慮した充電可能電池の使用履歴情報から充電可能電池の劣化度を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された技術では、SOCとともに使用履歴を用いて劣化度を推定することから、処理の負荷が重くなるという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、処理の負荷を軽減することが可能な充電可能電池状態検出装置、充電可能電池状態検出方法、および、充電可能電池状態検出システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有する。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0007】
また、本発明の一側面は、前記第1処理手段は、前記充電可能電池の充電状態を制御するための情報を生成する処理を実行し、前記第2処理手段は、前記充電可能電池の劣化状態を示す情報を生成する処理を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、処理の負荷が重い劣化状態を示す情報を生成する処理をクラウドで実行することで、充電可能電池状態検出装置側の処理を軽減することができる。
【0008】
また、本発明の一側面は、前記第2処理手段は、前記第1処理手段に比較して計算負荷の高い処理を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、充電可能電池状態検出装置側の処理の負荷を軽減することができる。
【0009】
また、本発明の一側面は、前記充電可能電池は、車両に搭載され、前記第1処理手段は、個々の前記車両に搭載される前記充電可能電池の前記状態情報に対する処理を実行し、前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記状態情報に対して統計処理を施す、ことを特徴とする。
このような構成によれば、クラウドサーバによる負荷の高い統計処理に基づいて、個々の車両で、統計処理に基づくより確度の高い情報を参照した処理が可能になる。
【0010】
また、本発明の一側面は、前記第2処理手段は、類似する環境下で使用された前記充電可能電池の前記状態情報を抽出して前記応答情報を生成する処理を実行することを特徴とする。
このような構成によれば、類似する環境下で使用された他の充電可能電池からの状態情報を有効に利用することができる。
【0011】
また、本発明の一側面は、前記第1処理手段は、前記充電可能電池の電圧波形および/または電流波形を取得する処理を実行し、前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記電圧波形および/または前記電流波形に基づいて、前記充電可能電池の種類を特定する処理を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、電圧波形および/または電流波形に対する統計処理に基づいて、充電可能電池の種類をより正確に特定し、充電可能電池の種類に基づく処理を実行することができる。
【0012】
また、本発明の一側面は、前記第1処理手段は、前記充電可能電池の等価回路を構成する素子値の変化を求める処理を実行し、前記第2処理手段は、複数の前記車両から得られる前記素子値の変化に基づいて、前記充電可能電池に発生し得る異常の種類を特定する処理を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、等価回路の素子値の変化に対する統計処理に基づいて、充電可能電池に発生し得る異常をより正確に特定し、事前の警告または対応処理等を行うことができる。
【0013】
また、本発明の一側面は、前記制御装置は、車両を制御するECU(Electric Control Unit)であり、前記ECUに対して前記応答情報を供給し、前記車両を制御させることを特徴とする。
このような構成によれば、クラウドサーバにおける処理に基づいて、車両をより効率よく制御することができる。
【0014】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有する前記クラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、を有する。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0015】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムであって、前記制御装置を介してクラウドサーバに接続される充電可能電池状態検出システムにおいて、前記充電可能電池状態検出装置は、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置に供給する第1供給手段と、前記制御装置から供給される応答情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、前記制御装置は、前記充電可能電池状態検出装置から供給される前記状態情報を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段によって取得された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有する前記クラウドサーバに送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される前記応答情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記応答情報を前記充電可能電池状態検出装置に供給する第2供給手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0016】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置と、クラウドサーバとを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、前記充電可能電池状態検出装置は、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介して前記クラウドサーバに送信する第1送信手段と、前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、前記クラウドサーバは、前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0017】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理手段を有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有する。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0018】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムの前記充電可能電池状態検出装置において実行される充電可能電池状態検出方法において、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理ステップと、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記第1処理とは異なる第2処理を前記状態情報に対して施す第2処理ステップを有するクラウドサーバに前記制御装置を介して送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を前記制御装置を介して受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定ステップと、を有する。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【0019】
また、本発明の一側面は、充電可能電池状態検出装置と、制御装置とを有する充電可能電池状態検出システムにおいて、前記充電可能電池状態検出装置は、充電可能電池の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報に対して第1処理を施す第1処理手段と、前記第1処理が施された前記状態情報を、前記制御装置を介してクラウドサーバに送信する第1送信手段と、前記第1送信手段によって送信された前記状態情報に対応して、前記クラウドサーバから送信される応答情報を、前記制御装置を介して受信する第1受信手段と、前記第1受信手段によって受信された前記応答情報に基づいて前記充電可能電池の状態を推定する推定手段と、を有し、前記クラウドサーバは、前記制御装置から送信される前記状態情報を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段によって受信された前記状態情報に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す第2処理手段と、前記第2処理手段によって得られた前記応答情報を前記制御装置に送信する第2送信手段と、を有する。
このような構成によれば、処理の負荷を軽減することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、処理の負荷を軽減することが可能な充電可能電池状態検出装置、充電可能電池状態検出方法、および、充電可能電池状態検出システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る充電可能電池状態検出システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図1に示す充電可能電池状態検出装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図2の制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すクラウドサーバの詳細な構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図2に示す充電可能電池の等価回路の一例を示す図である。
【
図7】充電可能電池の容量低下の原因となる使用態様と影響箇所の関係を示す図である。
【
図9】第1実施形態において充電可能電池が搭載された際に実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図10】第1実施形態において実行される等価回路学習処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図11】第1実施形態の充電可能電池状態検出装置において実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図12】第1実施形態のクラウドサーバにおいて実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図13】第2実施形態の動作の概要を示す図である。
【
図14】第2実施形態の充電可能電池状態検出装置において実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図15】第2実施形態のクラウドサーバにおいて実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図16】第3実施形態の動作の概要を示す図である。
【
図17】第3実施形態の充電可能電池状態検出装置において実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図18】第3実施形態のクラウドサーバにおいて実行される処理の流れを説明するフローチャートの一例である。
【
図19】
図1に示す充電可能電池の等価回路の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る充電可能電池状態検出システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、充電可能電池状態検出システムは、車両Xに搭載される充電可能電池状態検出装置1、EUC20(Electric Control Unit)、および、クラウドサーバ70を主要な構成要素とし、充電可能電池状態検出装置1とクラウドサーバ70とが基地局30およびネットワーク50を介して通信可能に接続されるとともに、車両Xのユーザが所有する携帯型の端末装置80が基地局30を介して充電可能電池状態検出装置1およびクラウドサーバ70と通信可能に接続される。なお、
図1では、図面を簡略化するために、充電可能電池状態検出装置1および端末装置80を1台ずつしか示していないが、実際には複数の充電可能電池状態検出装置1および端末装置80が存在する。
【0024】
ここで、充電可能電池状態検出装置1は、車両Xに搭載され、充電可能電池14の状態を検出し、ECU20に供給するともに、ECU20を介して基地局30およびネットワーク50を介してクラウドサーバ70に供給する。
【0025】
基地局30は、例えば、携帯電話の基地局であり、充電可能電池状態検出装置1および端末装置80との間で電波によって情報を授受するとともに、ネットワーク50を介してクラウドサーバ70との間で情報を授受する。
【0026】
ネットワーク50は、例えば、グローバルなネットワークであるインターネットによって構成され、基地局30とクラウドサーバ70との間でパケットによって情報を伝送する。
【0027】
クラウドサーバ70は、例えば、サーバコンピュータによって構成され、ネットワーク50を介して充電可能電池状態検出装置1から受信した情報を処理し、処理結果の情報を充電可能電池状態検出装置1および端末装置80に供給する。
【0028】
端末装置80は、例えば、携帯電話端末によって構成され、基地局30との間で電波によって情報を送受信するとともに、充電可能電池状態検出装置1およびクラウドサーバ70から供給される情報を、表示部に表示する。
【0029】
図2は、
図1に示す充電可能電池状態検出装置1を有する車両Xの電源系統を示す図である。この図において、充電可能電池状態検出装置1は、制御部10、電圧検出部11、電流検出部12、温度検出部13、および、放電回路15を主要な構成要素としており、充電可能電池14の充電状態を制御する。なお、制御部10、電圧検出部11、電流検出部12、温度検出部13、および、放電回路15を別々の構成とするのではなく、これらの一部または全てをまとめた構成としてもよい。また、電圧検出部11、電流検出部12、温度検出部13、および、放電回路15の少なくとも1つを、充電可能電池状態検出装置1とは独立した構成としてもよい。
【0030】
ここで、制御部10は、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13からの出力を参照し、充電可能電池14の状態を検出するとともに、オルタネータ16の発電電圧を制御することで充電可能電池14の充電状態を制御する。電圧検出部11は、充電可能電池14の端子電圧を検出し、制御部10に通知する。なお、制御部10がオルタネータ16の発電電圧を制御することで充電可能電池14の充電状態を制御するのではなく、例えば、ECU20が制御部10からの情報に基づいて充電状態を制御するようにしてもよい。
【0031】
電流検出部12は、充電可能電池14に流れる電流を検出し、制御部10に通知する。温度検出部13は、充電可能電池14自体または周囲の環境温度を検出し、制御部10に通知する。放電回路15は、例えば、直列接続された半導体スイッチと抵抗素子等によって構成され、制御部10によって半導体スイッチがオン/オフ制御されることにより充電可能電池14を間欠的に放電させる。
【0032】
充電可能電池14は、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、または、リチウムイオン電池等によって構成され、オルタネータ16によって充電され、スタータモータ18を駆動してエンジンを始動するとともに、負荷19に電力を供給する。オルタネータ16は、エンジン17によって駆動され、交流電力を発生して整流回路によって直流電力に変換し、充電可能電池14を充電する。オルタネータ16は、制御部10によって制御され、発電電圧を調整することが可能とされている。
【0033】
エンジン17は、例えば、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン等のレシプロエンジンまたはロータリーエンジン等によって構成され、スタータモータ18によって始動され、トランスミッションを介して駆動輪を駆動し、車両に推進力を与えるとともに、オルタネータ16を駆動して電力を発生させる。スタータモータ18は、例えば、直流電動機によって構成され、充電可能電池14から供給される電力によって回転力を発生し、エンジン17を始動する。負荷19は、例えば、電動ステアリングモータ、デフォッガ、シートヒータ、イグニッションコイル、カーオーディオ、および、カーナビゲーション等によって構成され、充電可能電池14からの電力によって動作する。
【0034】
図3は、
図2に示す制御部10の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、制御部10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、通信部10d、I/F(Interface)10eを有している。ここで、CPU10aは、ROM10bに格納されているプログラム10baに基づいて各部を制御する。なお、プログラム10baは、CPU10aが実行可能な命令群を有し、これらの命令群を実行することで、後述する処理を実現する。ROM10bは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10ba等を格納している。RAM10cは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10baを実行する際に生成されるデータや、後述する数式、係数、および、テーブル等のパラメータ10caを格納する。通信部10dは、上位の装置であるECU20との間で通信を行い、検出した情報または制御情報を上位装置に通知する。I/F10eは、電圧検出部11、電流検出部12、および、温度検出部13から供給される信号をデジタル信号に変換して取り込むとともに、放電回路15、オルタネータ16、および、スタータモータ18等に駆動電流を供給してこれらを制御する。ECU20は、制御部10と同様にCPU、ROM、RAM、および、通信部を有し、充電可能電池状態検出装置1によって検出された状態情報をクラウドサーバ70に送信し、クラウドサーバ70から送信される応答情報を受信して、充電可能電池状態検出装置1に供給する。
【0035】
なお、
図3の例では、CPU10aを1つ有するようにしているが、複数のCPUによって分散処理を実行するようにしてもよい。また、CPU10aの代わりに、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成するようにしてもよい。また、
図3では、ROM10bおよびRAM10cを有するようにしているが、例えば、これら以外の記憶装置(例えば、磁気記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive))を用いるようにしてもよい。
【0036】
図4は、
図1に示すクラウドサーバ70の構成例を示す図である。
図4に示すように、クラウドサーバ70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、HDD70d、通信部70e、および、I/F70fを有している。
【0037】
ここで、CPU70aは、HDD70dに格納されているプログラムに基づいて所定の処理を実行するとともに、装置の各部を制御する。ROM70bは、CPU70aが実行する基本的なプログラムを格納している。RAM70cは、CPU70aがプログラムを実行する際に処理対象となるプログラムや処理途中のデータを格納する。HDD70dは、CPU70aが実行する実行可能な命令群としてのプログラムを格納している。通信部70eは、ネットワーク50を介して充電可能電池状態検出装置1および端末装置80との間で情報を授受する。I/F70fは、図示しない周辺装置が接続され、周辺装置との間で情報の授受を可能にする。
【0038】
(B)本発明の第1実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第1実施形態の動作について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態の動作原理について説明した後、詳細な動作について説明する。
【0039】
図5は、第1実施形態の動作原理を示す図である。
図5に示すように、第1実施形態では、充電可能電池状態検出装置1がSOH(State of Health)を推定するとともに、充電可能電池14のSOH、状態情報、および、使用態様情報をクラウドサーバ70に送信する。なお、SOHは充電可能電池14の劣化状態を示す情報である。また、充電可能電池状態検出装置1は、充電可能電池14のSOCを算出する。ECU20は、SOCに基づいてオルタネータ16の電圧を制御し、充電可能電池14の充電制御を実行する。状態情報は、充電可能電池14の状態を示す情報であり、例えば、等価回路の素子値を示す情報である。使用態様情報は、充電可能電池14の使用の態様を示す情報であり、例えば、充電および放電の頻度等を示す情報である。
【0040】
なお、クラウドサーバ70には、図示しない複数の充電可能電池状態検出装置1からSOH、状態情報、および、使用態様情報を、ECU20を介して受信する。
【0041】
クラウドサーバ70は、複数の充電可能電池状態検出装置1からECU20を介して受信したSOH、状態情報、および、使用態様情報に基づいて、状態情報からSOHを算出する際に、使用態様毎の補正係数を求める。そして、充電可能電池状態検出装置1から受信した使用態様情報に基づいて、適合する補正係数を選択し、補正係数を用いて状態情報から高精度のSOHを求める。クラウドサーバ70は、このようにして求めた高精度SOHを充電可能電池状態検出装置1に対して供給する。充電可能電池状態検出装置1は、クラウドサーバ70から供給された高精度のSOHを参照し、充電可能電池14の充電制御を実行する。これにより、精度の高いSOHに基づいて、充電可能電池14の劣化状態をより正確に推定するとともに、充放電制御をより高精度に実行することができる。
【0042】
つぎに、第1実施形態のより詳細な動作について説明する。
【0043】
第1実施形態では、
図6に示す充電可能電池14の等価回路を学習処理またはフィッティング処理によって算出し、等価回路の成分を求める。なお、
図6の例では、等価回路は、充電可能電池14内部の導体要素および電解液抵抗に対応する抵抗成分であるRohmと、電極の活物質反応の反応抵抗に対応する抵抗成分であるRct1,Rct2と、電極と電解液の界面の電気二重層に対応する容量成分であるC1,C2とを有している。充電可能電池14の劣化に応じて、抵抗成分は値が増加し、容量成分は値が減少する。充電可能電池状態検出装置1は、このようにして求めた等価回路成分を、以下に示す式(1)に代入することで、充電可能電池14のSOHを算出する。
【0044】
SOH=f(Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2) ・・・(1)
【0045】
このように等価回路を構成する成分によって劣化を推定する方法は、充電可能電池の種類によらず、正確に劣化を推定することができるという特徴を有する。
【0046】
しかし、一方で、このような方法による劣化推定では、充電可能電池14の使用態様によっては、劣化の推定精度が低下する場合がある。
【0047】
図7は、充電可能電池14の使用態様、劣化現象、および、影響箇所の関係を示す図である。
図7に示すように、例えば、充電不足の場合には、劣化現象としてサルフェーションが発生し、負極活物質が影響を受ける(
図6の等価回路では、Rct1,C1が影響を受ける)。また、過充電の場合には、劣化現象として腐食が発生し、格子医・電解液が影響を受ける(
図6の等価回路では、Rohmが影響を受ける)。さらに、深充放電繰り返しの場合には、活物質が軟化および脱落し、正極活物質が影響を受ける(
図6の等価回路では、Rct2,C2が影響を受ける)。
【0048】
このように、使用の態様によって、発生する劣化の種類が異なるとともに、影響箇所も異なる。
【0049】
第1実施形態では、クラウドサーバ70は、多数の充電可能電池状態検出装置から、SOH、状態情報、および、使用態様情報を受信する。そして、これらの情報を、使用態様情報に基づいて分類する。例えば、使用態様情報としては、例えば、車両Xのエンジン17が始動される頻度(例えば、週1回、週2回、週5回、毎日等)と使用時間、充電可能電池14の温度と時間の累積加算値、充放電の状態等であり、これらの傾向に応じて分類することができる。例えば、使用態様A~Eに分類する。もちろん、これ以外の基準によって、分類するようにしたり、使用態様A~Eよりも多い使用態様または少ない使用態様に分類するようにしたりしてもよい。
【0050】
クラウドサーバ70は、分類された使用態様毎に、前述した式(1)に対する補正係数を求める。例えば、使用態様A~Eに分類する場合には、それぞれに該当する使用態様の車両から取得したSOH、状態情報、および、使用態様情報を参照して補正係数を求める。より詳細には、例えば、使用態様Aに該当する車両から取得したSOHの平均値を求め、この平均値を真値に近い値と仮定し、式(1)によって求めるSOHが真値に近づくように補正係数を求めることができる。
【0051】
クラウドサーバ70は、例えば、
図8に示すように、使用態様A~Eに対応する補正係数を得る。
【0052】
つぎに、このようにして得た補正係数を用いて高精度SOHを得る動作について説明する。
【0053】
車両の製造工程において充電可能電池14が搭載された場合、または、ユーザが充電可能電池14を新品に交換した場合、制御部10のCPU10aは、充電可能電池14を放電回路15によってパルス放電させ、充電可能電池14の等価回路(例えば、
図6に示す等価回路)を構成する素子(Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2)の値を学習する。そして、得られた素子値を、初期値Rohmi,Rct1i,Rct2i,C1i,C2iとして、RAM10cのパラメータ10caに記憶するとともに、基地局30およびネットワーク50を介してクラウドサーバ70に状態情報として送信する。クラウドサーバ70では、CPU70aが、受信した状態情報を車両毎にHDD70dに格納する。
【0054】
つぎに、CPU10aは、エンジン17が始動された際のSOCと、停止された際のSOCを定期的に測定するとともに、エンジン17の始動頻度(または、稼働頻度)を測定してRAM10cにパラメータ10caとして記憶するとともに、基地局30およびネットワーク50を介してクラウドサーバ70に状態情報として送信する。クラウドサーバ70では、CPU70aが、受信した状態情報を車両毎にHDD70dに格納する。
【0055】
つぎに、CPU10aは、その時点の等価回路の素子値Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2を学習処理によって算出し、式(1)に適用してSOHを求める。また、CPU10aは、学習処理よって求めた素子値Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2とSOHを、クラウドサーバ70に対して送信する。
【0056】
クラウドサーバ70では、CPU70aが、素子値およびSOHを受信する。CPU70aは、充電可能電池状態検出装置1から受信した等価回路の素子値Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2を取得する。また、CPU70aは、HDD70dに格納されている等価回路の素子値の初期値Rohmi,Rct1i,Rct2i,C1i,C2iを取得し、その時点における素子値と初期値との差分値ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2を以下の式(3)~式(7)に基づいて計算する。
【0057】
ΔRohm=Rohm-Rohmi ・・・(3)
ΔRct1=Rct1-Rct1i ・・・(4)
ΔRct2=Rct2-Rct2i ・・・(5)
ΔC1=C1-C1i ・・・(6)
ΔC2=C2-C2i ・・・(7)
【0058】
つぎに、CPU70aは、エンジン17の始動頻度に関する使用態様情報をHDD70dから取得し、この情報に基づいて、当該車両の使用態様を使用態様A~使用態様Eに分類する。なお、同一の使用態様が存在しない場合には、より近い使用態様に分類する。
【0059】
つぎに、CPU70aは、使用態様に応じた補正係数を、HDD70dから取得する。
図8は、HDD70dに格納されている、使用態様に応じた補正係数の一例を示す図である。この例では、使用態様Aに対して、補正係数f_Rohm_A,f_Rct1_A,f_Rct2_A,f_C1_A,f_C2_Aが格納されている。同様の補正係数が、使用態様B~使用態様Eについても格納されている。CPU70aは、ユーザの使用態様に応じた補正係数をHDD70dから取得する。例えば、CPU70aは、使用態様Aに対応する補正係数をHDD70dから取得する。
【0060】
つぎに、CPU70aは、以下の式(8)~式(12)に基づいて、Δα_Rohm,Δα_Rct1,Δα_Rct2,Δα_C1,Δα_C2を計算する。なお、使用態様B~使用態様Eの場合には、式(8)~式(12)の右辺の第2項が変化する。
【0061】
Δα_Rohm=ΔRohm×f_Rohm_A ・・・(8)
Δα_Rct1=ΔRct1×f_Rct1_A ・・・(9)
Δα_Rct2=ΔRct2×f_Rct2_A ・・・(10)
Δα_C1=ΔC1-C1i×f_C1_A ・・・(11)
Δα_C2=ΔC2-C2i×f_C2_A ・・・(12)
【0062】
つぎに、CPU70aは、以下の式(13)に基づいて、充電可能電池14の高精度SOHを算出する。なお、f()は、Δα_Rohm,Δα_Rct1,Δα_Rct2,Δα_C1,Δα_C2を変数とする所定の関数である。当該関数については、例えば、前述したように、平均値を真値として、計算によって求めることができる。
【0063】
SOH=f(Δα_Rohm,Δα_Rct1,Δα_Rct2,Δα_C1,Δα_C2)
・・・(13)
【0064】
以上の処理によって、使用態様に応じた高精度SOHを得ることができる。CPU70aは、このようにして得た高精度SOHをネットワーク50および基地局30を介して充電可能電池状態検出装置1に送信する。充電可能電池状態検出装置1では、受信した高精度SOHに基づいて、例えば、SOCを補正し、充電可能電池14の充放電制御をより高精度に実行することができる。
【0065】
また、SOHが所定の閾値未満になった場合には、ユーザに対して、充電可能電池14が劣化している旨を通知して警告することができる。さらに、SOHに応じて、充電可能電池14の充放電制御を行うことで、劣化に応じた最適な制御を行うことができる。
【0066】
つぎに、本発明の実施形態の詳細な動作についてフローチャートを参照して説明する。
図9は、車両Xの充電可能電池状態検出装置1において、充電可能電池14が新たに搭載された場合に実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0067】
ステップS10では、制御部10のCPU10aは、新たな充電可能電池14が搭載された(または、新たな充電可能電池14に交換された)か否かを判定し、新たな充電可能電池14が搭載されたと判定した場合(ステップS10:Y)にはステップS11に進み、それ以外の場合(ステップS10:N)には処理を終了する。例えば、車両Xの組み立て工程において、新たな充電可能電池14が搭載された場合には、Yと判定されてステップS11に進む。
【0068】
ステップS11では、CPU10aは、
図6に示す充電可能電池14の等価回路の学習処理を実行する。なお、等価回路の学習処理の詳細については、
図10を参照して後述する。
【0069】
ステップS12では、CPU10aは、ステップS11の学習処理によって得られた等価回路を構成する素子Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2の値を取得する。
【0070】
ステップS13では、CPU10aは、ステップS12で取得した素子Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2の値を初期値Rohmi,Rct1i,Rct2i,C1i,C2iとしてRAM10cのパラメータ10caに格納する。
【0071】
ステップS14では、CPU10aは、ステップS12で取得した素子Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2の値を初期値Rohmi,Rct1i,Rct2i,C1i,C2iとしてクラウドサーバ70に対して送信する。
【0072】
つぎに、
図10を参照して、
図9のステップS11に示す等価回路学習処理の詳細について説明する。
図10のフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0073】
ステップS30では、CPU10aは、充電可能電池14の放電を開始する。例えば、CPU10aは、放電回路15をスイッチング制御することで、充電可能電池14を放電させる(例えば、パルス放電させる)。なお、放電回路15ではなく、スタータモータ18または負荷19による放電の機会を利用してもよい。
【0074】
ステップS31では、CPU10aは、電圧検出部11から出力される信号を参照して、充電可能電池14の端子電圧を測定する。
【0075】
ステップS32では、CPU10aは、電流検出部12から出力される信号を参照して、充電可能電池14に流れる電流を測定する。
【0076】
ステップS33では、CPU10aは、放電が終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合(ステップS33:Y)にはステップS34に進み、それ以外の場合(ステップS33:N)にはステップS31に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
【0077】
ステップS34では、CPU10aは、等価回路の各成分の最適化を実行する。最適化の手法としては、例えば、特許第4532416号に記載されているように、拡張カルマンフィルタ演算により最適な状態ベクトルXを推定し、推定された状態ベクトルXから等価回路の調整パラメータ(成分)を最適なものに更新する。具体的には、ある状態における状態ベクトルXから得られる調整パラメータを用いた等価回路に基づき、所定の電流パターンで充電可能電池に放電させたときの電圧降下ΔVを計算し、これが実測値に近づくように状態ベクトルXを更新する。そして、更新により最適化された状態ベクトルXから、最適な調整パラメータを算出する。あるいは、WO2014/136593に記載されるように、充電可能電池14のパルス放電時に、電圧値の時間的変化を取得し、得られた電圧値の変化を、時間を変数とする所定の関数によってフィッティングすることで所定の関数のパラメータを算出し、算出された所定の関数のパラメータに基づいて、充電可能電池14の等価回路の成分を求めることができる。もちろん、これら以外の方法でもよい。
【0078】
ステップS35では、CPU10aは、温度を測定する。より詳細には、CPU10aは、温度検出部13から出力される信号を参照して、充電可能電池14自体またはその周辺の温度を測定する。
【0079】
ステップS36では、CPU10aは、ステップS34で最適化した等価回路の各成分を、標準温度における値へ補正する。例えば、標準温度が25℃である場合には、例えば、ステップS35で測定した現在の温度と25℃の差分値に対応する補正係数を乗算することによって、標準温度における値へ補正する。もちろん、標準温度は25℃以外でもよい。
【0080】
ステップS37では、CPU10aは、充電可能電池14のSOCを算出する。例えば、充電可能電池14のOCV(Open Circuit Voltage)に基づいてSOCを算出する。
【0081】
ステップS38では、CPU10aは、ステップS34で最適化した等価回路の各成分を、標準SOCにおける値へ補正する。例えば、標準SOCが100%である場合には、例えば、ステップS37で算出した現在のSOCと100%の差分値に対応する補正係数を乗算することによって、標準SOCにおける値へ補正する。もちろん、標準SOCは100%以外でもよい。
【0082】
つぎに、
図11を参照して、充電可能電池14の使用態様に関する情報を取得する際に実行されるフローチャートについて説明する。
図11に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0083】
ステップS50では、CPU10aは、
図10に示す処理に基づいて、定期的(例えば、1~数時間毎)に等価回路、SOC、および、SOHを算出する処理を実行する。
【0084】
ステップS51では、CPU10aは、ステップS50で算出された等価回路の素子値、SOC、および、SOHを、状態情報としてRAM10cのパラメータ10caに格納するとともに、通信部10dおよびECU20を介してクラウドサーバ70に送信する。なお、SOCを求める方法としては、例えば、OCVを測定し、OCVとSOCの関係式に基づいて計算することができる。また、SOHについては、前述した式(1)により求めることができる。
【0085】
ステップS52では、CPU10aは、エンジン17が始動されたか否かを判定し、始動されたと判定した場合(ステップS52:Y)にはステップS53に進み、それ以外の場合(ステップS52:N)にはステップS50に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
【0086】
ステップS53では、CPU10aは、ステップS52で算出されたエンジン17の始動頻度を特定する。例えば、週5回使用等が特定される。
【0087】
ステップS54では、CPU10aは、ステップS53で特定した使用態様を示す情報を、RAM10cのパラメータ10caに格納するとともに、通信部10dおよびECU20を介してクラウドサーバ70に送信する。例えば、週5回使用等の情報がRAM10cのパラメータ10caに格納されるとともに、クラウドサーバ70に対して送信される。
【0088】
ステップS55では、CPU10aは、
図10に示す処理に基づいて、定期的(例えば、1~数時間毎)に、等価回路、SOC、および、SOHを算出する処理を実行する。なお、SOCを求める方法としては、ステップS50で求めたエンジン17の停止時におけるSOCに対して、電流検出部12で検出した充放電電流を累積加算することで求めることができる。
【0089】
ステップS56では、CPU10aは、ステップS55で算出された等価回路の素子値、SOC、および、SOHを、状態情報としてRAM10cのパラメータ10caに格納するとともに、通信部10dおよびECU20を介してクラウドサーバ70に送信する。
【0090】
ステップS57では、CPU10aは、クラウドサーバ70からECU20を介して高精度SOHを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(ステップS57:Y)にはステップS58に進み、それ以外の場合(ステップS57:N)にはステップS59に進む。例えば、
図12のステップS79の処理によって送信された高精度SOHを受信した場合にはYと判定してステップS58に進む。
【0091】
ステップS58では、CPU10aは、ステップS57で受信した高精度SOHに基づいて、SOCを補正する。より詳細には、充電可能電池14は、劣化によって満充電容量が低下するので、当該容量の低下を考慮してSOCを補正する。
【0092】
ステップS59では、CPU10aは、ステップS58で算出されたSOCに基づいて充電/放電制御を実行する。より詳細には、SOCの値を参照して、オルタネータ16の出力電圧を制御し、充電可能電池14の充電状態を制御する。なお、充電可能電池状態検出装置1ではなく、ECUがSOCの値を参照して、充電可能電池14の充放電制御を実行するようにしてもよい。
【0093】
ステップS60では、CPU10aは、エンジン17が停止されたか否かを判定し、停止されたと判定した場合(ステップS60:Y)にはステップS61に進み、それ以外の場合(ステップS60:N)にはステップS55に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。
【0094】
ステップS61では、CPU10aは、処理を繰り返すか否かを判定し、処理を繰り返すと判定した場合(ステップS61:Y)にはステップS50に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS61:N)には処理を終了する。
【0095】
つぎに、
図12を参照して、クラウドサーバ70において実行される処理の一例について説明する。
図12に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0096】
ステップS70では、クラウドサーバ70のCPU70aは、ECU20を介して充電可能電池状態検出装置1から通信要求がなされたか否かを判定し、通信要求がなされたと判定した場合(ステップS70:Y)にはステップS71に進み、それ以外の場合(ステップS70:N)にはステップS80に進む。
【0097】
ステップS71では、CPU70aは、充電可能電池状態検出装置1から、Rohm,Rct1,Rct2,C1,C2を受信する。
【0098】
ステップS72では、CPU70aは、HDD70dに格納されている素子の初期値Rohmi,Rct1i,Rct2i,C1i,C2iを取得する。
【0099】
ステップS73では、CPU70aは、ステップS71で取得したその時点の素子値と、ステップS72で取得した初期値との差分値ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2を式(3)~式(7)に基づいて算出する。
【0100】
ステップS74では、CPU70aは、使用態様を示す情報を受信する。これにより、エンジン17の始動頻度等に関する情報を得る。
【0101】
ステップS75では、CPU70aは、ステップS74で取得した使用態様情報に基づいて、当該車両の使用態様A~使用態様Eのいずれかに分類する。例えば、平日の週5日は使用し、休日の週2日は使用しない場合には、使用態様Bに分類する。
【0102】
ステップS76では、CPU70aは、使用態様A~使用態様Eに対応する補正係数をHDD70dから取得する。例えば、使用態様Bの場合には、
図8に示すf_Rohm_B,f_Rct1_B,f_Rct2_B,f_C1_B,f_C2_Bを取得する。
【0103】
ステップS77では、CPU70aは、ステップS76で取得した補正係数を、前述した式(8)~式(12)に適用することで、差分値ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2を補正し、Δα_Rohm,Δα_Rct1,Δα_Rct2,Δα_C1,Δα_C2を算出する。
【0104】
ステップS78では、ステップS77で算出したΔα_Rohm,Δα_Rct1,Δα_Rct2,Δα_C1,Δα_C2を、式(13)に適用し、高精度SOHを算出する。
【0105】
ステップS79では、CPU70aは、ステップS78で算出した高精度SOHを、通信要求を行った車両Xの充電可能電池状態検出装置にECU20を介して送信する。
【0106】
ステップS80では、CPU70aは、処理を繰り返すか否かを判定し、処理を繰り返すと判定した場合(ステップS80:Y)にはステップS70に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS80:N)には処理を終了する。
【0107】
以上に説明したように、
図9~
図12に示すフローチャートの処理によれば、前述した第1実施形態の動作を実現することができる。
【0108】
(C)本発明の第2実施形態の構成の説明
つぎに、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の構成は、第1実施形態と同様であり、充電可能電池状態検出装置1およびクラウドサーバ70において実行される処理が異なるので、構成についての詳細な説明は省略する。
【0109】
(D)本発明の第2実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第2実施形態の動作について説明する。以下では、本発明の第2実施形態の動作の概略について説明した後、詳細な動作について説明する。
【0110】
図13は、本発明の第2実施形態の動作の概略を示す図である。第2実施形態では、充電可能電池状態検出装置1は、例えば、車両Xが停車して所定の時間が経過した場合に、放電回路15を制御して充電可能電池14を所定の波形(例えば、パルス波形)で放電させ、その時の電圧と電流の波形を測定し、電圧・電流波形として、クラウドサーバ70に送信する。
【0111】
クラウドサーバ70では、充電可能電池状態検出装置1から供給される電圧・電流波形を取得し、これらの波形をパターン認識によって分類し、充電可能電池14の種類を特定するとともに、特定した種類に対応する計算式(例えば、等価回路の素子値を計算する計算式)を選択し、充電可能電池状態検出装置1に送信する。
【0112】
充電可能電池状態検出装置1は、クラウドサーバ70から送信された、充電可能電池14の種類と、計算式に基づいて、例えば、等価回路の素子値を学習処理によって算出する。これにより、例えば、車両Xのユーザによって、種類が異なる充電可能電池14に交換された場合であっても、等価回路の素子値を正確に求めることができるので、例えば、充電制御を正確に行うことができるとともに、劣化を正確に推定することができる。
【0113】
つぎに、
図14および
図15を参照して、第2実施形態において実行される処理の一例について説明する。
【0114】
図14は、充電可能電池状態検出装置1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図14に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0115】
ステップS90では、CPU10aは、新たな充電可能電池14が搭載されたか否かを判定し、搭載されたと判定した場合(ステップS90:Y)にはステップS91に進み、それ以外の場合(ステップS90:N)には処理を終了する。例えば、電圧検出部11および電流検出部12からの出力信号が途絶した後に、出力信号が復活した場合には、充電可能電池14が交換されたと判定することができる。
【0116】
ステップS91では、CPU10aは、放電回路15を制御し、充電可能電池14を所定の波形で放電させる。例えば、CPU10aは、充電可能電池14をパルス波形によって放電させる。
【0117】
ステップS92では、CPU10aは、放電の際の電圧および電流を電圧検出部11お
よび電流検出部12によって検出する。
【0118】
ステップS93では、CPU10aは、ステップS92で測定した電圧波形と電流波形を示す情報を、ECU20を介してクラウドサーバ70に送信する。この結果、クラウドサーバ70では、
図15に示す処理が実行され、充電可能電池14の種類と計算式が特定され、これらを示す情報が送信される。
【0119】
ステップS94では、CPU10aは、クラウドサーバ70で特定された充電可能電池14の種類と、対応する計算式とをECU20を介して受信する。
【0120】
ステップS95では、CPU10aは、
図10に示す等価回路学習処理を実行する。なお、このとき、等価回路を構成する素子値を求める計算式としては、ステップS94で受信した計算式を用いることができる。この結果、
図6に示す等価回路の素子値を得ることができる。
【0121】
ステップS96では、CPU10aは、ステップS95で求めた等価回路の素子値に基づいて、例えば、SOCとSOHを算出する。
【0122】
ステップS97では、CPU10aは、ステップS96で求めたSOCおよびSOHに基づいて、オルタネータ16の電圧を制御し、充電可能電池14の充放電制御を実行する。なお、ECUがSOCおよびSOHに基づいて制御を行うようにしてもよい。
【0123】
つぎに、
図15を参照して、クラウドサーバ70において実行される処理について説明する。
図15に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0124】
ステップS110では、CPU70aは、電圧波形および電流波形を充電可能電池状態検出装置1からECU20を介して受信する。
【0125】
ステップS111では、CPU70aは、波形のパターン認識を実行する。なお、パターン認識としては、例えば、7層のニューラルネットワークを用いることができる。より詳細には、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)を用いることができる。CNNは、入力層、Convolution層、Pooling層、Convolution層、Pooling層、全結合層、および、出力層を有している。
【0126】
入力層は、電圧波形および電流波形が入力される。Convolution層は、入力されるデータに対して畳み込み演算を行い、特徴量を算出する。Pooling層は、特徴量に対して圧縮処理を施し出力する。全結合層は、算出した特徴量に対して、重み付き和を算出する。出力層は、例えば、SoftMax関数によって、特徴量を分類し、該当する充電可能電池14の種類を特定して出力する。もちろん、これ以外の方法を用いて、種類は判別するようにしてもよい。
【0127】
ステップS112では、CPU70aは、ステップS111におけるパターン認識の結果、該当する充電可能電池の種類を特定する。例えば、メーカ名、型番、初期容量等が特定される。
【0128】
ステップS113では、CPU70aは、ステップS112で特定した充電可能電池14の種類に対応する計算式を、例えば、HDD70dから取得する。
【0129】
ステップS114では、CPU70aは、ステップS112で特定した充電可能電池14の種類を示す情報と、ステップS113で取得した計算式を、充電可能電池状態検出装置1に対してECU20を介して送信する。この結果、
図14のステップS94において、これらの情報が充電可能電池状態検出装置1によって受信される。
【0130】
以上に説明したように、本発明の第2実施形態によれば、充電可能電池14の放電の際の電圧波形および電流波形を計測し、クラウドサーバ70において、パターン認識によって、充電可能電池14の種類を特定するとともに、特定された充電可能電池14の種類に対応する計算式によって、例えば、充電可能電池14の等価回路を構成する素子値を求めるようにした。このため、当初とは異なる種類の充電可能電池14に交換された場合であっても、充電可能電池14を効率よく制御することができる。なお、以上では、電圧波形および電流波形の双方を用いて充電可能電池14の種類を特定するようにしたが、電圧波形および電流波形の少なくとも一方を用いるようにしてもよい。
【0131】
(E)本発明の第3実施形態の構成の説明
つぎに、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の構成は、第1実施形態と同様であり、充電可能電池状態検出装置1およびクラウドサーバ70において実行される処理が異なるので、構成についての詳細な説明は省略する。
【0132】
(F)本発明の第3実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の第3実施形態の動作について説明する。以下では、本発明の第3実施形態の動作の概略について説明した後、詳細な動作について説明する。
【0133】
図16は、本発明の第3実施形態の動作の概略を示す図である。第3実施形態では、充電可能電池状態検出装置1は、例えば、充電可能電池14の等価回路の素子値等の状態情報と、使用頻度等の使用態様情報とをクラウドサーバ70に対して送信する。
【0134】
クラウドサーバ70では、充電可能電池状態検出装置1から送信される状態情報と使用態様情報とを受信し、これらの情報をパターン認識によって分類し、充電可能電池14に発生し得る異常の種類を特定して、充電可能電池状態検出装置1に送信する。
【0135】
なお、異常の種類としては、例えば、過放電、転極、短絡、サルフェーション、活物質軟化等がある。もちろん、これ以外の異常を判定対象として含めるようにしてもよい。
【0136】
充電可能電池状態検出装置1は、クラウドサーバ70から送信された、充電可能電池14に発生し得る異常の種類に関する情報を取得し、必要に応じて、ユーザに通知、または、警告する。これにより、例えば、ユーザは、発生し得る異常の種類を事前に知ることができるので、例えば、充電可能電池14を充電したり、交換したりすることができる。
【0137】
つぎに、
図17および
図18を参照して、第3実施形態において実行される処理の一例について説明する。
【0138】
図17は、充電可能電池状態検出装置1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図17に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0139】
ステップS130では、CPU10aは、充電可能電池14の異常判定を実行するか否かを判定し、異常判定を実行すると判定した場合(ステップS130:Y)にはステップS131に進み、それ以外の場合(ステップS130:N)には処理を終了する。
【0140】
ステップS131では、CPU10aは、充電可能電池14の状態情報をRAM10cのパラメータ10caから取得する。例えば、CPU10aは、充電可能電池14の等価回路を構成する素子の素子値をRAM10cから取得する。
【0141】
ステップS132では、CPU10aは、充電可能電池14の使用態様情報をRAM10cのパラメータ10caから取得する。例えば、CPU10aは、充電可能電池14の使用頻度等に関する使用態様情報をRAM10cから取得する。
【0142】
ステップS133では、CPU10aは、ステップS131で取得した状態情報と、ステップS132で取得した使用態様情報とを、ECU20を介してクラウドサーバ70に送信する。この結果、クラウドサーバ70では、
図18に示す処理が実行され、充電可能電池14に発生し得る異常の種類が特定され、特定された結果を示す情報が送信される。
【0143】
ステップS134では、CPU10aは、クラウドサーバ70で特定された充電可能電池14に発生し得る異常の種類をECU20を介して受信する。
【0144】
ステップS135では、CPU10aは、ステップS134で受信した異常の種類に基づいて、警告が必要か否かを判定し、警告が必要と判定した場合(ステップS135:Y)にはステップS136に進み、それ以外の場合(ステップS135:N)には処理を終了する。
【0145】
ステップS136では、CPU10aは、ステップS134で受信した異常に関する警告を行う。例えば、CPU10aは、ECU20に対して、異常が発生していることを示す情報を提供する。この結果、ECUは、図示しないディスプレイに対して、異常の発生を示すメッセージを表示することで、ユーザに警告する。
【0146】
つぎに、
図18を参照して、クラウドサーバ70において実行される処理について説明する。
図18に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0147】
ステップS150では、CPU70aは、充電可能電池状態検出装置1から通信要求があったか否かを判定し、通信要求があったと判定した場合(ステップS150:Y)にはステップS151に進み、それ以外の場合(ステップS150:N)には処理を終了する。
【0148】
ステップS151では、CPU70aは、
図17のステップS131において充電可能電池状態検出装置1からECU20を介して送信された状態情報を受信する。
【0149】
ステップS152では、CPU70aは、
図17のステップS132において充電可能電池状態検出装置1からECU20を介して送信された使用態様情報を受信する。
【0150】
ステップS153では、CPU70aは、例えば、状態情報と使用態様情報に基づいて、パターン認識によって、発生し得る異常の種類を特定する。なお、パターン認識としては、第2実施形態と同様に、例えば、7層のニューラルネットワークによるCNNを用いることができる。
【0151】
ステップS154では、CPU70aは、ステップS153におけるパターン認識の結果、発生し得る充電可能電池の異常を特定する。例えば、過放電が発生し得ると判定する。
【0152】
ステップS155では、CPU70aは、ステップS112で特定した充電可能電池14に発生し得る異常の種類を示す情報を、充電可能電池状態検出装置1に対してECU20を介して送信する。この結果、
図17のステップS134において、発生し得る異常の種類を示す情報が充電可能電池状態検出装置1によって受信される。
【0153】
以上に説明したように、本発明の第3実施形態によれば、充電可能電池14の状態情報および使用態様情報をクラウドサーバ70に送信し、クラウドサーバ70において、パターン認識によって、充電可能電池14に発生し得る異常の種類を特定し、充電可能電池状態検出装置1に送信するようにした。このため、充電可能電池14に将来発生し得る異常を事前に知ることができるので、ユーザは、必要な措置を早めに講じることができる。
【0154】
(G)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の第1実施形態では、使用態様に応じた補正係数を乗算してSOHを求めるようにしたが、例えば、以下の式(14)を用いることができる。例えば、使用態様Aではg()=1に近い値を有し、使用態様Cでは1よりも若干大きい値を有し、使用態様D、使用態様E、および、使用態様Aではこの順に小さい値(<1)を有する関数とすることができる。
【0155】
SOH=f(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)×g(使用態様に応じた1または複数の変数) ・・・(14)
【0156】
また、使用態様に応じて、式自体を変更するようにしてもよい。例えば、使用態様Aの場合にはfA(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)を用いてSOHを算出し、使用態様Bの場合にはfB(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)を用いてSOHを算出し、同様、使用態様C~使用態様Eの場合には、fC(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)、fD(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)、および、fE(ΔRohm,ΔRct1,ΔRct2,ΔC1,ΔC2)をそれぞれ使用することができる。
【0157】
また、以上の実施形態では、車両の使用頻度を示す履歴情報に基づいて、SOHを算出する式等を変更するようにしたが、例えば、環境温度を履歴情報として用いるようにしてもよい。
【0158】
また、充電可能電池14の温度の履歴、放電深度の履歴、充放電された電気量の履歴、一定の充電率以下になった頻度の履歴、一定の充電率以上になった頻度の履歴、充電率毎の継続時間の履歴、および、使用開始されてからの経過時間の少なくとも1つに基づいて、使用態様を判定するようにしてもよい。
【0159】
また、以上の実施形態では、
図6に示す等価回路を用いるようにしたが、これ以外の等価回路を用いるようにしてもよい。例えば、
図19(A)に示すように、RohmとRct1,C1からなる等価回路を用いるようにしてもよい。あるいは、
図19(B)に示すように、Rohm,Rct1だけからなる等価回路を用いるようにしてもよい。あるいは、
図6または
図19に示す等価回路の少なくとも1の素子を用いるようにしてもよい。さらに、等価回路に応じて、前述した式(1)~(14)を変更することが望ましい。
【0160】
また、以上の第1実施形態では、推定されたSOHが所定の閾値未満となった場合の処理としては、(1)警告を発する処理を実行したり、(2)車両の制御を変更する処理を実行したりするようにしてもよい。
【0161】
より詳細には、(1)については、SOHが所定の閾値未満になった場合には、制御部10のCPU10aが通信部10dを介してECU20にSOHが低下したことを示す情報を出力し、ECUが図示しないディスプレイ装置にSOHが低下したことを知らせる情報を表示させるとともに、場合によっては、充電可能電池14の交換が必要であることを示す情報を表示するようにしてもよい。また、音声による警告を併せて発するようにしてもよい。
【0162】
また、(2)については、制御部10のCPU10aが通信部10dを介してECU20にSOHが低下したことを示す情報を出力した場合には、ECUが低SOHに対応する制御(例えば、SOCを高く維持する制御)を実行するようにしてもよい。
【0163】
また、以上の各実施形態では、等価回路の素子値を求める処理は、充電可能電池状態検出装置1において実行するようにしたが、クラウドサーバ70において実行するようにしてもよい。すなわち、処理の負荷が低い処理については充電可能電池状態検出装置において実行し、処理の負荷が高い処理についてはクラウドサーバ70で実行するようにてもよい。また、充電可能電池状態検出装置1において実行する処理の一部をECU20において実行するようにしてもよい。すなわち、充電可能電池状態検出装置1が取得した充電可能電池14の状態情報をECU20に供給し、ECU20が状態情報に処理を加えて、クラウドサーバ70に送信してもよい。
【0164】
また、第2および第3実施形態で説明したように、充電可能電池状態検出装置1では、個々の充電可能電池14の状態情報に対する処理を実行し、クラウドサーバ70では、複数の車両から得られる状態情報に対して統計処理を施すようにし、得られた結果を個々の充電可能電池状態検出装置1に供給するようにしてもよい。一例として、複数の充電可能電池状態検出装置1から受信した状態情報または使用履歴を、類似する使用環境または使用履歴毎に分類し、分類されたそれぞれの状態情報または使用履歴毎に、応答情報を生成するようにしてもよい。
【0165】
また、第2および第3実施形態では、パターン認識としては、7層のCNNを用いるようにしたが、これ以外のパターン認識処理(例えば、SVM(Support Vector Machine)、k近傍識別器、ベイズ分類等)を用いるようにしてもよい。
【0166】
また、
図12~
図15に示すフローチャートは一例であって、本発明がこれらのフローチャートのみに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0167】
以上の実施形態では、充電可能電池状態検出システムは、車両Xに搭載される充電可能電池状態検出装置1、EUC20、および、クラウドサーバ70を主要な構成要素としていたが、充電可能電池状態検出システムはクラウドサーバ70を構成要件として含んでいなくてもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 充電可能電池状態検出装置
10 制御部
10a CPU
10b ROM
10c RAM
10d 通信部
10e I/F
11 電圧検出部
12 電流検出部
13 温度検出部
14 充電可能電池
15 放電回路
16 オルタネータ
17 エンジン
18 スタータモータ
19 負荷
20 ECU
30 基地局
50 ネットワーク
70 クラウドサーバ
80 端末装置