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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ケーブル収容容器
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/04 20060101AFI20241022BHJP
   G01V 3/12 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
H02G9/04
G01V3/12 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021045835
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144705
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】渡部 大介
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127067(JP,A)
【文献】特開2019-218688(JP,A)
【文献】特開2010-248855(JP,A)
【文献】特開2012-131190(JP,A)
【文献】特開2004-279072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/04
G01V 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルが収容される収容空間を有し、前記収容空間の上部に設けられた開口部が蓋体によって閉鎖および開放されるケーブル収容容器であって、
前記収容空間に収容され、前記収容空間から前記蓋体を透過させて前記蓋体の上方に向かって送信波を送信することによって前記蓋体の上方を移動する移動体を検出する移動体検出センサを備え、
前記蓋体の上面は、所定距離以上連続して一定方向に液体が流れることを制限する流通方向制限構造を有している
ケーブル収容容器。
【請求項2】
前記流通方向制限構造は、前記蓋体の上面に複数の凸部を形成し、前記蓋体の上面に位置する液体を、隣り合う前記凸部と前記凸部との間に流通させる
請求項1に記載のケーブル収容容器。
【請求項3】
前記凸部は、前記蓋体が設置される面よりも上方に上端部が位置する
請求項2に記載のケーブル収容容器。
【請求項4】
前記凸部は、上面が上方に向かって張り出す曲面形状を有している
請求項2または3に記載のケーブル収容容器。
【請求項5】
前記移動体検出センサは、
前記移動体の移動速度、および、前記移動体の接近または離反の移動方向の少なくとも一方の検出が可能であり、
前記移動体として検出する条件の設定が可能である
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項6】
前記移動体検出センサは、センサ収納箱に収納された状態で、前記収容空間に収容され、
前記センサ収納箱は、前記移動体検出センサが送信する送信波を透過する部材で構成される
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項7】
前記センサ収納箱は、密閉構造を有している
請求項6に記載のケーブル収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルが収容されるケーブル収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブル収容容器は、ケーブルが収容される収容空間を有し、収容空間の上部に設けられた開口部が蓋体によって閉鎖されるものが知られている。
【0003】
また、従来のケーブル収容容器の収容空間に、収容空間から蓋体を透過させて蓋体の上方に向かって送信波を送信することによって収容空間の上方を移動する人や車両等の移動体を検出する移動体検出センサを収容することによって、蓋体を介して収容空間の上方を移動する移動体を検出する移動体検出機能を有するケーブル収容容器が考えられている。
【0004】
移動体検出機能を有するケーブル収容容器では、蓋体を介して収容空間の上方を移動する移動体を検出するため、蓋体の上面を流通する雨水等の液体を移動体として検出してしまう状態が生じ得る。このため、移動体検出機能を有するケーブル収容容器では、例えば、検出信号の強度等、検出信号の状態から検出対象の移動体であるか否かを判定し、検出対象の移動体であると判定しない場合に、移動体として検出しないようにする必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6126472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、移動体検出センサは、降雨時や降雪時などに発生する雨水や雪解け水などの液体がある幅をもってケーブル収容容器の蓋体の上面を途切れることなく一方向に流れた場合、この液体の流れを、検出対象の移動体(自転車など)の移動であると誤検出してしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的とするところは、降雨時や降雪時などに発生する液体の流れを、検出対象の移動体の移動であると誤検出されることを防止することができるケーブル収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るケーブル収容容器は、ケーブルが収容される収容空間を有し、前記収容空間の上部に設けられた開口部が蓋体によって閉鎖および開放されるケーブル収容容器であって、前記収容空間に収容され、前記収容空間から前記蓋体を透過させて前記蓋体の上方に向かって送信波を送信することによって前記蓋体の上方を移動する移動体を検出する移動体検出センサを備え、前記蓋体の上面は、所定距離以上連続して一定方向に液体が流れることを制限する流通方向制限構造を有している。
【0009】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記流通方向制限構造が、前記蓋体の上面に複数の凸部を形成し、前記蓋体の上面に位置する液体を、隣り合う前記凸部と前記凸部との間に流通させる。
【0010】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記凸部が、前記蓋体が設置される面よりも上方に上端部が位置する。
【0011】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記凸部が、上面が上方に向かって張り出す曲面形状を有している。
【0012】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記移動体検出センサが、前記移動体の移動速度、および、前記移動体の接近または離反の移動方向の少なくとも一方の検出が可能であり、前記移動体として検出する条件の設定が可能である。
【0013】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記移動体検出センサが、センサ収納箱に収納された状態で、前記収容空間に収容され、前記センサ収納箱は、前記移動体検出センサが送信する送信波を透過する部材で構成される。
【0014】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記センサ収納箱が、密閉構造を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋体の上面側における雨水等の液体の流れる方向を分散させることができるので、蓋体の上面の液体の流れを、検出対象の移動体の移動であるとして誤検出することを防止ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示すケーブル収容容器の概略図である。
図2】本発明の一実施形態を示すケーブル収容容器の横断面図である。
図3】本発明の一実施形態を示す蓋体の平面図である。
図4】本発明の一実施形態を示す移動体検出センサによる移動体の検出を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1乃至図4は、本発明の一実施形態を示すものである。図1はケーブル収容容器の概略図であり、図2はケーブル収容容器の横断面図であり、図3は蓋体の平面図であり、図4は移動体検出センサによる移動体の検出を説明する平面図である。
【0018】
本実施形態のケーブル収容容器1は、図1に示すように、ケーブル2と共に移動体検出センサ3が収容されるものである。
【0019】
本実施形態においてケーブル収容容器1に収容されるケーブル2は、発電所から供給される電力を各需要設備に対して送る送電線または配電線等の電力線2a、および、複数の無線基地局装置と交換局との間で送受信される信号を送るための通信線2bである。
【0020】
また、本実施形態においてケーブル収容容器1に収容される移動体検出センサ3は、ケーブル収容容器1の後述する収容空間から後述する蓋体を透過させて蓋体の上方に向かって送信波を送信することによって蓋体の上方の水平方向の移動体検出方向A側を移動する人や車両等の移動体を検出するものである。移動体検出センサ3は、送信波を送信する送信アンテナと反射波を受信する受信アンテナとが基板に搭載された、例えばドップラーセンサまたはミリ波レーダである。移動体検出センサ3は、送信波を送信するとともに、送信波が移動体によって反射された反射波を受信することによって取得した送信波と反射波の位相差に基づいて、移動体に関する情報を検出する。移動体に関する情報とは、移動体の相対速度、相対距離、角度に関する情報である。移動体検出センサ3は、移動体に関する情報に基づいて、移動体を検出したか否か、移動体を検出した場合における、移動体の移動速度、移動体検出センサ3に対する移動体の接近または離反の移動方向、移動体検出センサ3から移動体までの距離、移動体検出センサ3に対する移動体の位置する角度等を取得することができる。移動体検出センサ3は、本実施形態において、移動体を検出した場合における、移動体の移動速度、移動体検出センサ3に対する移動体の接近または離反の移動方向、移動体検出センサ3から移動体までの距離、移動体検出センサ3に対する移動体の位置する角度のうち、少なくとも1つを検出するものであればよい。
【0021】
また、移動体検出センサ3は、移動体として検出する移動速度の範囲の設定、移動体として検出する移動体検出センサ3に対する移動体の接近または離反の移動方向の設定、移動体として検出する移動体検出センサ3から移動体までの距離の範囲の設定、または、移動体として検出する移動体検出センサ3に対する移動体の位置する角度の範囲の設定等、移動体として検出する条件の設定が可能である。
【0022】
本実施形態では、ケーブル2および移動体検出センサ3が収容される収容空間1aが、敷地の境界線に沿って延びるとともに、地面Gよりも下方となる地中に形成されている。本発明は、収容空間1aが敷地の境界線に沿って延びるものに限られるものではない。収容空間1aは、例えば、車両が走行する道路または鉄道の線路に沿って形成してもよい。
【0023】
ケーブル収容容器1は、図2に示すように、上面に開口部10を有し、収容空間1aの下方側および側方側を区画する複数の容器本体11と、開口部10を閉鎖および開放可能な複数の蓋体12と、容器本体11に対して蓋体12の高さ位置を調整するための複数のスペーサ13と、を備えている。
【0024】
容器本体11は、樹脂製の部材からなる。容器本体11は、底面部11aと、底面部11aの幅方向両側からそれぞれ上方に延びる幅方向一対の側面部11bと、を有する前後方向に直線状に延びる部材である。即ち、容器本体11は、横断面形状がU字型に形成された所謂U字溝である。複数の容器本体11は、それぞれ、底面部11aおよび側面部11bの端部を敷地の境界線の延びる方向に向けた姿勢で隙間なく並べることにより、内部に収容空間1aが形成される。複数の容器本体11は、それぞれ、開口部10が地面Gの近傍に位置するように地中に埋設される。また、容器本体11の一対の側面部11bのそれぞれの上端面には、側面部11bの上端面に沿って水平方向に延びるとともに、幅方向外側の端部から上方に延びる一対のL型アングル11cが固定される。L型アングル11cは、例えば、ステンレス等の金属製の部材からなる。
【0025】
蓋体12は、幅方向および前後方向の大きさが、容器本体11の幅方向および前後方向の大きさと同一に形成された板状部材である。蓋体12は、移動体検出センサ3から送信される送信波を透過可能な樹脂製の部材で構成される。複数の蓋体12は、並べられた複数の容器本体11の上端にスペーサ13を介して架け渡され、敷地の境界線に沿って隙間なく並べられる。蓋体12は、例えば、専用の工具のみで着脱の操作が可能な特殊ネジ等の締結部材によってスペーサ13に対して固定される。
【0026】
また、蓋体12の上面は、所定距離(例えば、50mm)以上連続して一定方向に雨水や雪解け水等の液体が流れることを制限する流通方向制限構造12aを有している。
【0027】
流通方向制限構造12aは、蓋体12の上面に複数の凸部12a1を形成し、蓋体12の上面に位置する液体を、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間に流通させるようになっている。ここで、蓋体12は、上面が地面Gと略同一の高さ位置に配置され、複数の凸部12a1のそれぞれの上端部が、地面Gよりも上方に位置している。
【0028】
複数の凸部12a1は、それぞれ、平面視において矩形状に形成され、互いに隣り合う凸部12a1と凸部12a1との隙間が所定距離以上に直線状に連続しないように配置される。また、複数の凸部12a1は、それぞれの上面12a2が、上方に向かって張り出す曲面形状を有しており、上面12a2に位置する液体は、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との隙間に流れ落ちる。
【0029】
スペーサ13は、ステンレス等の金属製の角筒状の部材である。スペーサ13は、L型アングル11cを介して、容器本体11の一対の側面部11bのそれぞれの上端部に沿って配置される。スペーサ13は、ボルト等の図示しない締結部材によってL型アングル11cに締結することによって、容器本体11に対して固定される。また、スペーサ13は、容器本体11に取り付けられた状態における幅方向内側の側面に、後述するセンサ収納箱を係止可能な複数の係止部13aを有している。
【0030】
ここで、移動体検出センサ3のセンサ基板3aは、図2に示すように、センサ収納箱20に収納された状態で、ケーブル収容容器1に収容される。
【0031】
センサ収納箱20は、移動体検出センサ3から送信される送信波および反射波を透過可能な樹脂製の部材で構成され、図2に示すように、上面が開口された本体部21と、開口を閉鎖する蓋部22と、を有している。センサ収納箱20は、密閉構造を有しており、本体部21の開口を蓋部22で閉鎖した状態で、密閉された内部空間を構成する。ここで、密閉構造は、センサ収納箱20の内部への水の浸入および塵埃の侵入を防止する構造である。また、センサ収納箱20は、少なくともIP67以上の規定の圧力、時間で水中に浸漬しても内部に有害な影響を受けない性能が要求される。センサ収納箱20は、ブラケット23を介してスペーサ13の係止部13aに係止される。
【0032】
センサ収納箱20に収容された状態の移動体検出センサ3は、センサ収納箱20の内部において、収容空間1aの上方における蓋体12の水平方向の移動体を検出する方向である移動体検出方向A側の斜め上方に送信波を送信すると共に移動体検出方向A側からの反射波を受信する姿勢で収納されるとともに、収容空間1aの上部側における移動体検出方向A側に位置する側壁に対向する側壁側に配置される。
【0033】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、移動体検出センサ3から送信される送信波は、容器本体11の移動体検出方向A側の側面部11bの外側の土壌によって遮られることなく、蓋体12を透過して収容空間1a外の移動体検出方向A側に向けて送信される。これにより、蓋体12の水平方向の移動体検出方向A側の地面G上に移動体としての人Mが侵入した場合には、図4に示すように、移動体検出センサ3の送信アンテナから送信された送信波が、人Mによって反射されて受信アンテナによって受信されることで、移動体検出センサ3によって人Mに関する情報が検出される。
【0034】
ここで、例えば、雨天時や降雪時において、雨水や雪解け水等の液体がある幅を持ってケーブル収容容器1の蓋体12の上面を途切れることなく流通する場合、移動体検出センサ3が、この液体の流れを、検出対象の移動体の移動であると誤検出してしまう可能性がある。
【0035】
しかし、蓋体12の上面を流通する液体は、流通方向制限構造12aとして形成された、複数の凸部12a1の隣り合う凸部12a1と凸部12a1との隙間を、図3中の矢印Lで示すように、流れる方向が分散される。このため、蓋体12の上面を流通する液体は、移動体検出センサ3によって、検出対象の移動体であるとして誤検出する状態の発生が抑制される。このため、複数の移動体検出センサ3は、それぞれに対する詳細な設定が不要となる。
【0036】
また、凸部12a1の上面12a2に落下する雨水は、上方に張り出す曲面上に形成された上面12a2を自重によって流通し、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間に流れ落ちるため、蓋体12の上面が雨水に覆われる場合においても、凸部12a1を介して電波を透過させることが可能となる。
【0037】
また、蓋体12は、上面が地面Gと略同一の高さに配置され、凸部12a1の上端部が地面Gよりも上方に位置しているため、蓋体12の上面が雨水に覆われる場合においても凸部12a1の上端部を雨水の水面よりも上方に位置させることによって、凸部12a1を介して電波を透過させることが可能となる。
【0038】
また、移動体検出センサ3は、検出可能な移動速度の範囲の設定、検出可能な移動体検出センサ3に対する移動体の接近または離反の移動方向の設定、検出可能な移動体検出センサ3から移動体までの距離の範囲の設定、または、検出可能な移動体検出センサ3に対する移動体の位置する角度の範囲の設定等、移動体として検出する条件を設定することによって、人Mや車両以外の移動体を検出対象から確実に除外することが可能である。
【0039】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、ケーブル2が収容される収容空間1aを有し、収容空間1aの上部に設けられた開口部10が蓋体12によって閉鎖および開放されるケーブル収容容器1であって、収容空間1aに収容され、収容空間1aから蓋体12を透過させて蓋体12の上方に向かって送信波を送信することによって蓋体12の上方を移動する移動体を検出する移動体検出センサ3を備え、蓋体12の上面は、所定距離以上連続して一定方向に流体が流れることを制限する流通方向制限構造12aを有している。
【0040】
これにより、蓋体12の上面側における雨水等の液体の流れる方向を分散させることができるので、蓋体12の上面の液体の流れを、検出対象の移動体の移動であるとして誤検出することを防止することができる。
【0041】
また、流通方向制限構造12aは、蓋体12の上面に複数の凸部12a1を形成し、蓋体12の上面に位置する液体を、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間に流通させる、ことが好ましい。
【0042】
これにより、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間に液体を流通させることによって、所定距離以上連続して一定方向に液体が流れることを制限することができるとともに、蓋体12の上面を通る人Mや車両の蓋体12に対する滑り止めとして機能させることが可能となり、人Mや車両の通行上の安全性を向上させることが可能となる。
【0043】
また、凸部12a1は、蓋体12が設置される地面Gよりも上方に上端部が位置する、ことが好ましい。
【0044】
これにより、地面Gの全体が液体に覆われる場合においても、凸部12a1の上部側を液体よりも上方に位置させることが可能となるので、凸部12a1を介して電波を透過させることが可能となる。
【0045】
また、凸部12a1は、上面12a2が上方に向かって張り出す曲面形状を有している、ことが好ましい。
【0046】
これにより、凸部12a1の上面12a2における液体の残留を抑制することが可能となるので、凸部12a1を介して電波を透過させることが可能となる。
【0047】
また、移動体検出センサ3は、移動体の移動速度、および、移動体の接近または離反の移動方向の少なくとも一方の検出が可能であり、移動体として検出する条件の設定が可能である、ことが好ましい。
【0048】
これにより、移動体検出センサ3において、人Mや車両以外の移動体を検出対象から確実に除外することが可能となるので、移動体検出センサ3による検出対象の移動体の検出精度を向上させることが可能となる。
【0049】
また、移動体検出センサ3は、センサ収納箱20に収納された状態で、収容空間1aに収容され、センサ収納箱20は、移動体検出センサ3が送信する送信波を透過する部材で構成される、ことが好ましい。
【0050】
これにより、収容空間1aにおいて、移動体検出センサ3がセンサ収納箱20に収納された状態で蓋体12の上方に向かって送信波を送信することが可能となり、移動体検出センサ3の機能を制限することなく移動体検出センサ3を保護することが可能となる。
【0051】
また、センサ収納箱20は、密閉構造を有している、ことが好ましい。
【0052】
これにより、センサ収納箱20内への雨水等の液体および塵埃の浸入を抑制することが可能となり、センサ収納箱20に収納された移動体検出センサ3の故障の発生を抑制することが可能となる。
【0053】
尚、前記実施形態では、蓋体12の上面に複数の凸部12a1を形成し、隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間に液体を流通させることで、所定距離以上連続して一定方向に液体が流れることを制限する流通方向制限構造12aを構成したものを示したが、これに限られるものではない。流通方向制限構造としては、例えば、蓋体12の上面に、液体が流通可能な溝を全面にわたって形成し、所定距離以上連続して一定方向に液体が流れることを制限するようにしてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、流通方向制限構造12aとして、凸部12a1を平面視において矩形状に形成したものを示したが、これに限られるものではない。隣り合う凸部12a1と凸部12a1との間を流通する液体が、所定距離以上連続して一定方向に流れることを制限することが可能であれば、例えば、平面視において三角形状、円形状またはその他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 ケーブル収容容器
1a 収容空間
2 ケーブル
3 移動体検出センサ
10 開口部
12 蓋体
12a 流通方向制限構造
12a1 凸部
20 センサ収納箱
G 地面
図1
図2
図3
図4