IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小林製薬株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-スクイズ容器 図1
  • 特許-スクイズ容器 図2
  • 特許-スクイズ容器 図3
  • 特許-スクイズ容器 図4
  • 特許-スクイズ容器 図5A
  • 特許-スクイズ容器 図5B
  • 特許-スクイズ容器 図6A
  • 特許-スクイズ容器 図6B
  • 特許-スクイズ容器 図6C
  • 特許-スクイズ容器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】スクイズ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/32 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B65D1/32 200
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019198789
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021070502
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】宮長 幸
(72)【発明者】
【氏名】西村 昌樹
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-044607(JP,A)
【文献】特開2010-042868(JP,A)
【文献】特開2016-008084(JP,A)
【文献】特開2010-260594(JP,A)
【文献】特開平07-041027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0257836(US,A1)
【文献】特表2010-510018(JP,A)
【文献】特開昭62-028349(JP,A)
【文献】特開2019-156474(JP,A)
【文献】特開2014-144803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
詰め替え用の内容物が収容される内部空間を画定し、中心軸に沿って延びる胴部と、前記胴部の上端に連続する肩部とを有する本体部と、
前記肩部の上端に連続し、前記内部空間に連通する細長い通路を画定する細長い管状の注ぎ口部と
を備え、
前記注ぎ口部は、前記肩部の頂点を起点として前記肩部から前記中心軸に対して角度を為して上方へ延び、
前記注ぎ口部の先端部は、前記中心軸の近傍に位置し、
前記注ぎ口は、前記中心軸周りに90°回転した左右両側からの側面視において、下端から先端に向かって徐々に縮径
前記注ぎ口部の先端部を封止し、開封時に再封不能に除去される栓
をさらに備える、
スクイズ容器。
【請求項2】
前記注ぎ口部は、前記肩部において前記中心軸から偏心した位置を起点として上方へ延びる、
請求項1に記載のスクイズ容器。
【請求項3】
前記起点は、平面視において、前記本体部の輪郭の近傍に位置する、
請求項2に記載のスクイズ容器。
【請求項4】
前記注ぎ口部は、前記起点から上方に向かうにつれて、前記中心軸に近づくように延びる、
請求項2又は3に記載のスクイズ容器。
【請求項5】
前記注ぎ口部の先端部は、平面視において、前記本体部の輪郭からはみ出さない位置に配置される、
請求項1から4のいずれかに記載のスクイズ容器。
【請求項6】
側面視において、前記本体部及び前記注ぎ口部の周囲を囲むように配置されるフランジ部
をさらに備える、
請求項1からのいずれかに記載のスクイズ容器。
【請求項7】
前記内部空間には、前記内容物として詰め替え用の薬液が収容される、
請求項1からのいずれかに記載のスクイズ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え用の内容物が収容されるスクイズ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジー等の観点から、芳香剤や消臭剤、洗剤等の商品を所定の容器に詰め替えて使用することが普及しつつある。詰め替え用の商品は、例えば、特許文献1及び2に示すように、多くの場合、パウチに封入されて流通し、使用時にパウチから所定の容器に移し替えられる。また、詰め替え用の商品は、硬質のプラスチックボトルに封入されて流通することもあり、この場合も、使用時にプラスチックボトルから所定の容器に移し替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-106855号公報
【文献】特開2015-048089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パウチはその柔らかさから、容易に折れ曲がるため、しばしば詰め替え作業時に内容物がこぼれてしまい、取り扱いが難しい。一方、硬質のプラスチックボトルが使用される場合、詰め替え元及び詰め替え先の容器の口部どうしを上手く合わせることができなかったり、詰め替え元のボトルを傾けるタイミングがずれたりすると、やはり内容物がこぼれてしまい、取り扱いに難がある。また、硬質のプラスチックボトルが使用される場合、樹脂の使用量も増えてしまう。
【0005】
本発明は、内容物の詰め替え作業が容易な容器を提供することを目的とする。また、例えば、硬質のプラスチックボトルを使用しない場合は、内容物の詰め替え作業が容易であり、樹脂の使用量が低減された環境に優しい容器を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係るスクイズ容器は、詰め替え用の内容物が収容される内部空間を画定し、中心軸に沿って延びる胴部と、前記胴部の上端に連続する肩部とを有する本体部と、前記肩部の上端に連続し、前記内部空間に連通する細長い通路を画定する細長い管状の注ぎ口部とを備える。前記注ぎ口部は、前記肩部から前記中心軸に対して角度を為して上方へ延びる。
【0007】
本発明の第2観点に係るスクイズ容器は、第1観点に係るスクイズ容器であって、前記注ぎ口部は、前記肩部において前記中心軸から偏心した位置を起点として上方へ延びる。
【0008】
本発明の第3観点に係るスクイズ容器は、第2観点に係るスクイズ容器であって、前記起点は、平面視において、前記本体部の輪郭の近傍に位置する。
【0009】
本発明の第4観点に係るスクイズ容器は、第2観点又は第3観点に係るスクイズ容器であって、前記注ぎ口部は、前記起点から上方に向かうにつれて、前記中心軸に近づくように延びる。
【0010】
本発明の第5観点に係るスクイズ容器は、第4観点に係るスクイズ容器であって、前記注ぎ口部の先端部は、前記中心軸の近傍に位置する。
【0011】
本発明の第6観点に係るスクイズ容器は、第1観点から第5観点のいずれかに係るスクイズ容器であって、前記注ぎ口部の先端部は、平面視において、前記本体部の輪郭からはみ出さない位置に配置される。
【0012】
本発明の第7観点に係るスクイズ容器は、第1観点から第6観点のいずれかに係るスクイズ容器であって、前記注ぎ口部の先端部を封止し、開封時に再封不能に除去される栓をさらに備える。
【0013】
本発明の第8観点に係るスクイズ容器は、第1観点から第7観点のいずれかに係るスクイズ容器であって、側面視において、前記本体部及び前記注ぎ口部の周囲を囲むように配置されるフランジ部をさらに備える。
【0014】
本発明の第9観点に係るスクイズ容器は、第1観点から第8観点のいずれかに係るスクイズ容器であって、前記内部空間には、前記内容物として詰め替え用の薬液が収容される。
【発明の効果】
【0015】
上記の観点によれば、胴部の中心軸に対して角度を為して上方へ延びる注ぎ口部を有するスクイズ容器が提供される。スクイズ容器は、パウチのように容易に折れ曲がることがないため、内容物の詰め替え作業時に内容物がこぼれてしまう虞が低減される。また、以上のようなスクイズ容器の形状は、内容物の詰め替え作業を行う使用者にやかんや急須等の取り扱いを想起させる。従って、使用者は、やかんや急須等を取り扱うような要領で、内容物の詰め替え作業を容易に行うことができる。また、例えば、硬質のプラスチックボトルを使用しない場合は、樹脂の使用量が低減されるため、環境に優しい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るスクイズ容器を正面側から視た側面図。
図2】スクイズ容器を左側から視た側面図。
図3】スクイズ容器の平面図。
図4】スクイズ容器の底面図。
図5A】内容物の詰め替え作業の様子を示す図。
図5B図5Aとは別の態様での、内容物の詰め替え作業の様子を示す図。
図6A図1のVIA-VIA線断面図。
図6B図1のVIB-VIB線断面図。
図6C図1のVIC-VIC線断面図。
図7】本発明の一実施形態に係るスクイズ容器の製造方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るスクイズ容器1について説明する。
【0018】
<1.スクイズ容器の概略構成>
図1図4に、それぞれ、本実施形態に係るスクイズ容器1の正面図、左側面図、平面図及び底面図を示す。スクイズ容器1には、詰め替え用の内容物が密封される。スクイズ容器1は、上部に開封のための栓50を有し、栓50が除去された後に開封される取出口S3を介して、別の容器に内容物が移し替えられる。スクイズ容器1は、その名の通り、スクイズ性を有し、指等で押圧すると変形し、それにより、内容物を押し出すことができる。内容物を取り出した後のスクイズ容器1は、廃棄される。なお、特に断らない限り、本明細書でいう「上」「下」「左」「右」「前(正面)」「後(背面)」は、図1図4に示す通りに定義される。
【0019】
スクイズ容器1は、流動性を有する内容物を収容するのに適しており、粒状物等を収容することもできるが、特に液体を収容するのに適している。本実施形態では、薬液が収容される。スクイズ容器1に収容される薬液は、様々考えられるが、典型的には芳香剤、消臭剤又は防虫剤、或いはこれらの混合物であり、使用目的に応じて、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の添加剤が含有される。薬液に含まれる溶媒は、使用される添加剤の種類に応じて適宜選択され、親水性溶媒又は親油性溶媒、或いはこれらの混合物とすることができる。薬液が香料を含む場合には、その香り強度を高めるために、溶媒として少なくとも親油性溶媒を含むことが好ましい。親水性溶媒としては、例えば、水又はエタノール、或いはこれらの混合物を使用することができる。親油性溶媒としては、例えば、グリコールエーテル又はイソパラフィン系溶媒、或いはこれらの混合物を使用することができる。また、薬液には、香料、消臭成分、防虫成分、着色料等の機能性成分を可溶化させるために、溶解剤が含まれていてもよい。
【0020】
<2.スクイズ容器の各部の構成>
以下、スクイズ容器1の各部の構成について、詳細に説明する。スクイズ容器1は、詰め替え用の内容物が収容される内部空間S1を画定する本体部10と、内部空間S1に連通する通路S2を画定する管状の注ぎ口部20とを備える。通路S2は、内部空間S1よりも縮径している。注ぎ口部20の先端部(内部空間S1と反対側の端部)20Aには、通路S2に連通し、通路S2を介して内部空間S1から内容物を取り出すための取出口S3が配置される。取出口S3は、内容物を保存する間、栓50で封止されており、開封時に、栓50が再封不能に切り取られる。
【0021】
本体部10は、底面部11と、底面部11の外周縁から上方へ起立する筒状の胴部12と、胴部12の上端に連続する肩部13とを有する。これらの部11~13は、内部空間S1を画定する壁面部を構成する。肩部13の上端には、注ぎ口部20に相当する首部がさらに連続する。注ぎ口部20は、通路S2を画定する壁面部を構成する。
【0022】
図4に示す通り、本実施形態では、底面部11は、略矩形状であり、胴部12は、角筒状である。胴部12は、底面部11の中心(図心)を通り、底面部11に直交する直線を中心軸A1として延びる。肩部13は、下方から上方に向かって徐々に滑らかに縮径するように構成されており、所謂「なで肩」の形状を有する。図1に示す通り、正面及び背面側からの側面視において、肩部13は、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなる。また、図2に示す通り、以上の視点から中心軸A1周りに90°回転した左右両側からの側面視においても、肩部13は、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなる。肩部13は、中心軸A1に直交する方向から視て、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなるように構成されている。
【0023】
また、肩部13は、図2に示す通り、左右両側からの側面視において、中心軸A1に沿って略対称な形状を有し、肩部13の上端(頂点)P1は、中心軸A1に重なる。一方、図1に示す通り、正面及び背面側からの側面視においては、肩部13の頂点P1は、中心軸A1から外側にずれており、図1の例では、右外側にずれている。ただし、肩部13の頂点P1は、中心軸A1を基準として胴部12よりも外側にはみ出さない。以上より、肩部13は、略斜四角錘状である。
【0024】
注ぎ口部20は、以上の肩部13の頂点P1を起点として上方へ延びる。以下、起点にも、参照符号P1を付すことがある。注ぎ口部20は、細長く延びており、注ぎ口部20により画定される通路S2も、同様に細長く延びる。本実施形態では、注ぎ口部20は、図1に示す通り、肩部13の頂点P1から中心軸A1に対して角度を為して上方へ延びる。このような注ぎ口部20は、内容物の詰め替え作業を行う使用者に、やかんや急須等の注ぎ口部を想起させる。従って、使用者は、やかんや急須等を取り扱うような要領で、内容物の詰め替え作業を容易に行うことができる。図5Aは、内容物の詰め替え作業時の様子を示す図である。このように、使用者は、栓50を除去した後、カップにお茶等を注ぐかの如く、注ぎ口部20の取出口S3から詰め替え先の容器の口部60内へと、内容物をこぼすことなく注ぎ入れることができる。なお、使用者によっては、スクイズ容器1を図5Aのような態様で傾けるとは限らず、図5Bのような態様で傾けるかもしれない。しかしながら、この場合も、カップにお茶等を注ぐかの如く、内容物を移し替えることができる。
【0025】
なお、注ぎ口部20が中心軸A1に対して角度を為して上方へ延びるため、使用者は、特にスクイズ容器1の持ち方を教えられなくとも、通常、内容物の詰め替え作業時に自然と図5A又は図5Bのいずれかの方法でスクイズ容器1を手で持つことになる。反対に、使用者が、内容物の詰め替え作業時に、スクイズ容器1を図5A又は図5Bの状態から中心軸A1周りに90°回転させた角度に向けることは考え難い。これにより、使用者は、内容物の詰め替え作業時に、スクイズ容器1を手で持つ向きを迷わなくて済む。また、想定されていない態様での詰め替え作業を防ぎ、ひいては内容物をこぼしてしまう可能性をより低減することができる。
【0026】
また、注ぎ口部20が以上のように細長く形成されていることにより、取出口S3から流れ出ようとする液滴には、図5Aに示すように重力F1が作用するとともに、表面張力による引っ張り力F2も作用する。その結果、引っ張り力F2が重力F1に対する抵抗となり、内容物が容易に外部に流れ出し難く、内容物が予期せずこぼれてしまう事態が抑制される。なお、図5Bのような態様で内容物の詰め替え作業を行うときも、表面張力による引っ張り力F2が同様に作用し、同様の効果が期待される。
【0027】
また、上記のことから明らかであるが、注ぎ口部20の起点P1は、肩部13において中心軸A1から偏心した位置に配置される。本実施形態では、起点P1は、図3に示す通り、平面視において、本体部10の輪郭の近傍に位置する。以上より、内容物の詰め替え作業時において、スクイズ容器1を図5Aに示すように傾けたとき、注ぎ口部20は、本体部10において中心軸A1よりも鉛直上方に偏った位置に連結される。そのため、中心軸A1が鉛直方向に平行な状態であって、取出口S3が鉛直上方を向いている状態から、スクイズ容器1を大きく傾けない限り(言い換えると、図5Aにおける角度αを大きくしない限り)、注ぎ口部20内に内容物が流れ込まない。従って、この点でも、内容物が容易に外部に流れ出し難く、内容物が予期せずこぼれてしまう事態が抑制される。
【0028】
また、図3に示す通り、注ぎ口部20の先端部20Aは、平面視において、本体部10の輪郭からはみ出さない位置に配置される。より詳細には、注ぎ口部20は、肩部13の頂点P1から上方に向かうにつれて、中心軸A1に近づくように延びる。本実施形態では、図1及び図3に示す通り、注ぎ口部20の先端部20Aは、中心軸A1の近傍に位置する。ところで、使用者が、スクイズ容器1を図5Aのような態様ではなく、図5Bのような態様で傾けた場合、注ぎ口部20は、本体部10において中心軸A1よりも鉛直下方に偏った位置に連結される。そのため、図5Aの場合と異なり、内容物は注ぎ口部20内に容易に流れ込む。しかし、そのような場合であっても、図5Bに示す通り、注ぎ口部20が鉛直上方側に折れ曲がっているため、注ぎ口部20から内容物が容易に外部に流れ出し難く、やはり内容物が予期せずこぼれてしまう事態が抑制される。
【0029】
また、上記の通り、本実施形態では、肩部13が胴部12から注ぎ口部20に向かって徐々に縮径する。そのため、スクイズ容器1を傾けたとき、内容物が胴部12から注ぎ口部20へと緩やかに流れ込み、次いで注ぎ口部20の取出口S3から緩やかに外部へ流れ出す。よって、この点からも、詰め替え先の容器の口部60内へと内容物をこぼすことなく注ぎ入れることができる。
【0030】
また、本実施形態では、肩部13だけでなく、注ぎ口部20も、下方から上方に向かって徐々に縮径するように構成されている。注ぎ口部20は、図1に示す通り、正面及び背面側からの側面視において、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなる。また、図2に示す通り、以上の視点から中心軸A1周りに90°回転した左右両側からの側面視においても、注ぎ口部20は、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなる。このように、注ぎ口部20も、肩部13と同様に、中心軸A1に直交する方向から視て、下方から上方に向かって徐々に幅が狭くなるように構成されている。そして、このような注ぎ口部20の構造も、肩部13の場合と同様に、スクイズ容器1を傾けたときに、内容物が内部空間S1から通路S2へ、次いで取出口S3から外部へと緩やかに流れ出すのに寄与する。よって、この点からも、詰め替え先の容器の口部60内へと内容物をこぼすことなく注ぎ入れることができる。
【0031】
図1図4に示す通り、スクイズ容器1は、フランジ部30を備える。フランジ部30は、正面及び背面側から視た側面視において、本体部10及び注ぎ口部20の周囲を囲むように配置される。なお、フランジ部30は、後述する液溜まり部40の周囲も囲むように配置される。よって、フランジ部30は、注ぎ口部20の延びる方向に平行な面内において、注ぎ口部20の周囲を囲む。そのため、内容物の詰め替え作業時に、注ぎ口部20と詰め替え先の容器の口部60とを位置合わせしようとすると、注ぎ口部20は、図5A及び図5Bに示すような位置に自然と位置合わせされる。すなわち、フランジ部30、特に注ぎ口部20の先端部20Aの近傍に配置される部分の存在により、詰め替え先の容器の口部60内において、当該口部60の内壁から内側に間隔を空けた位置に、取出口S3が自然と位置合わせされる。よって、使用者が過度に意識せずとも、注ぎ口部20と詰め替え先の容器の口部60とを適切に位置合わせすることができ、内容物がさらにこぼれにくくなる。
【0032】
以上の様々な工夫から、スクイズ容器1は、内容物の詰め替え作業時に、内容物が予期せずこぼれにくくなるように構成されている。よって、内容物を無駄にし、手や周囲の環境を汚す虞が低減され、内容物の詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0033】
図1図2及び図4に示す通り、底面部11には、底面部11から外側に突出する液溜まり部40が配置される。本実施形態では、液溜まり部40は、円柱形状に形成されている。液溜まり部40は、内部空間S1に連通し、底面部11よりも径の小さい断面を有する液溜め空間S4を画定する。本実施形態では、スクイズ容器1は、その全体が透明又は半透明に形成されており、内部空間S1及び液溜め空間S4内の様子、言い換えると内容物の様子は、外部から視認可能である。なお、図1図6Bにおいて、内容物の図示は省略されている。
【0034】
以上により、内容物の詰め替え作業時に、スクイズ容器1から概ね内容物を注ぎ出した後、底面部11を鉛直下方に向けると、スクイズ容器1内に残存している微量の内容物は、液溜め空間S4内にある程度の高さを持って集められる。そのため、スクイズ容器1内に微量の内容物が残存している場合に、そのことを目で視て容易に確認することができる。よって、内容物の詰め替え作業時に、内容物を最後まで使い切ることが容易になる。
【0035】
以上のような役割を果たす観点からは、液溜め空間S4の断面積をa1とし、底面部11の面積をa2とするとき、a1≦(1/2)・a2であることが好ましく、a1≦(1/3)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/4)・a2であることがさらに好ましく、a1≦(1/5)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/6)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/7)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/8)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/9)・a2であることがより好ましく、a1≦(1/10)・a2であることがより好ましい。
【0036】
本実施形態では、液溜まり部40は、底面部11の略中央に配置されており、液溜まり部40の中心軸は、胴部12の中心軸A1に略一致する。また、本実施形態では、底面部11は、その外周からその略中央の液溜まり部40に向かって下方へ傾斜するように構成される。そのため、底面部11を鉛直下方に向けたときに、スクイズ容器1内に残存している内容物は、より容易に液溜め空間S4内に集められ、内容物の残量を確認する作業がより容易になる。
【0037】
また、液溜まり部40は、栓50の開封前において底面部11を鉛直下方に向けたときに、内部空間S1内の油性の薬液中に外気に含まれる水分が浸入してきたときに形成される液滴であるウォーターボールを収容することができる。これにより、スクイズ容器1内にウォーターボールが形成されてしまった場合にも、これを外側から視認しにくくなり、美観に優れる。また、本実施形態では、後述する通り、フランジ部30にはエンボス加工が施されている。ウォーターボールは、視覚的にフランジ部30に施されているエンボス加工の装飾に紛れることができ、この点でも、外側から視認しにくくなり、美観に優れる。
【0038】
取出口S3を封止する栓50は、フランジ部30の延びる平面内に配置され、フランジ部30に連続している。より詳細には、栓50は、注ぎ口部20の先端部20Aを上方から覆っており、フランジ部30は、栓50の位置を除き、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40の全周を囲んでいる。栓50は、フランジ部30と同じ材料から同様の加工を経て一体的に構成されている。ただし、栓50とフランジ部30との間には、両者を容易に切り離すことができるような加工が施されている。より詳細には、両者の間には、切込みL1が形成されており、使用者は、開封時に切込みL1に沿って、栓50をフランジ部30から切り取ることができる。なお、本実施形態では、栓50及びフランジ部30は、切込みL1がなければ両者の境界は確認できず、区別不能に構成されている。
【0039】
スクイズ容器1を構成する材料は、特に限定されないが、典型的には、樹脂を使用することができる。本実施形態では、スクイズ容器1は、外側から内側に向かって、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、ポリエチレン(PE)層、及びバリア層としてのエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層を積層した合成樹脂材料から構成されるが、その他、ポリプロピレン等の合成樹脂材料から構成することもできる。この場合、スクイズ容器1を安価に製造することができ、廃棄も容易になる。また、これに限定されないが、本実施形態では、本体部10、注ぎ口部20、フランジ部30、栓50及び液溜まり部40を含むスクイズ容器1全体が、同じ材料から一体的に構成されている。
【0040】
注ぎ口部20は、本体部10よりも厚肉に構成されている。より詳細には、注ぎ口部20は、肩部13よりも厚肉に構成されており、肩部13は、胴部12よりも厚肉に構成されている。従って、スクイズ容器1には、より厚肉の注ぎ口部20と、より薄肉の本体部10とが提供される。よって、注ぎ口部20には一定の硬さが確保されるため、注ぎ口部20が意図せず折れ曲がる等といった変形が生じず、ひいては詰め替え作業時に内容物がこぼれにくくなる。一方、本体部10には一定の柔らかさが確保されるため、本体部10に余り大きな力を加えずとも、本体部を指等で押圧し、変形させて内容物を流し出すことができる。よって、詰め替え用の内容物をこぼさずに安定して流し出すことができ、スクイズ容器1の取り扱いが容易になる。
【0041】
以上のような役割を果たす観点からは、胴部12の厚み(平均)は、0.01mm~2.70mmであることが好ましく、0.03mm~0.90mmであることがより好ましく、0.10mm~0.30mmであることがさらに好ましい。また、注ぎ口部20の厚み(平均)は、0.03mm~3.60mmであることが好ましく、0.10mm~1.20mmであることがより好ましく、0.30mm~0.40mmであることがさらに好ましい。また、液溜まり部40の厚み(平均)は、0.03mm~3.60mmであることが好ましく、0.10mm~1.20mmであることがより好ましく、0.30mm~0.40mmであることがさらに好ましい。
【0042】
フランジ部30及び栓50は、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40よりも厚肉に構成されている。また、特に図示されないが、フランジ部30及び栓50には、エンボス加工が施されている。これらの工夫により、フランジ部30及び栓50は、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40よりも硬く、柔らかくスクイズ性を有する本体部10の形状を保持する役割を果たす。
【0043】
以上のような役割を果たす観点からは、フランジ部30の厚み(平均)は、0.07mm~9.0mmであることが好ましく、0.20mm~3.0mmであることがより好ましく、0.60mm~1.0mmであることがさらに好ましい。また、胴部12の厚み(平均)をw1とし、フランジ部30の厚み(平均)をw2とするとき、0mm<(w2-w1)≦6.30mmであることが好ましく、0.17mm≦(w2-w1)≦2.10mmであることがより好ましく、0.50mm≦(w2-w1)≦0.70mmであることがさらに好ましい。栓50についても、同様である。
【0044】
図6Aは、図1のVIA-VIA線断面図であり、図6Bは、図1のVIB-VIB線断面図であり、図6Cは、図1のVIC-VIC線断面図である。これらの図に示すように、液溜まり部40、本体部10及び注ぎ口部20の内面には、溝V1が形成されている。溝V1は、液溜まり部40の底面から、液溜まり部40、底面部11、胴部12、肩部13、さらには注ぎ口部20を通って、取出口S3まで連続的に延びている。溝V1は、フランジ部30に沿って延びており、より詳細には、フランジ部30とこれらの部位40、11、12、13及び20との境界に沿って延びている。その結果、スクイズ容器1内の内容物は、残り少なくなった後も、溝V1を伝って効率よく取出口S3まで案内される。その結果、詰め替え用の内容物を容易に最後まで容易に出し切ることができる。また、溝V1は、スクイズ容器1の左右の両側に形成されているため、図5A及び図5Bのいずれの態様で詰め替え作業を行う場合であっても、内容物を取出口S3まで導くことができる。
【0045】
本実施形態では、注ぎ口部20の長手方向の断面は、図6Aに示すように、扁平な形状、より詳細には、略長円形状に構成されている。これにより、内容物の詰め替え後、注ぎ口部20を容易に潰したり、折り曲げたり、折り畳んだりすることができ、スクイズ容器1の廃棄の際に嵩張らないようにすることができる。
【0046】
以上のスクイズ容器1は、パウチのように容易に折れ曲がることがないため、内容物の詰め替え作業時に内容物がこぼれる虞が低減される点で優れる。また、詰め替え用の内容物が収容される従来の硬質のプラスチックボトルは、ボトル本体及び蓋、並びに場合によってはボトル本体の口部に取り付けられる中栓を有し、部品点数が多く、コスト高である。この点、以上のスクイズ容器1は、部品点数が少なく、使用される樹脂量も少ないため、コスト安であるとともに、環境負荷が低減される。
【0047】
<3.スクイズ容器の製造方法>
次に、図7を参照しつつ、本実施形態に係るスクイズ容器1の製造方法を説明する。本実施形態では、スクイズ容器1は、ブローフィル成形により製造される。以下の一連の工程C1~C10は、所定のブローフィル成形機を用いて実施される。
【0048】
まず、スクイズ容器1を構成する樹脂製のシートが巻き取られたロールを用意する(工程C1)。これを所定のブローフィル成形機にセットし、当該ロールからシートを繰り出し、所定の長さにカットする。続いて、これを半分に折り、2枚のシートを対面させる(工程C2)。さらに、2枚のシート上の所定の位置に直線状の切込みを形成する。この切込みは、最終的に、栓50を切り取るための切込みL1となる。次に、対面した2枚のシートの間に仕切り板を挿入するとともに、2枚の加熱板により2枚のシートを外側から挟むようにして、2枚のシートに予熱を加える(工程C3)。
【0049】
その後、対面した2枚のシートを所定の部分を避けながら熱シールすることにより、これらの2枚のシートを張り合わせる(工程C4)。このとき、2枚の加熱板が使用され、2枚の加熱板により2枚のシートを外側から挟むようにして、2枚のシートに熱が加えられる。各加熱板には、液溜まり部40、本体部10及び注ぎ口部20を組み合わせた形状の切り欠きが形成されている。また、各加熱板には、当該切り欠きが間隔を空けながら複数配列される。各切り欠きは、より詳細には、液溜まり部40に対応する部分を下方にやや延長した延長部を有する。そして、対面した2枚のシートの互いに分離している縁に沿って、複数の切り欠きの延長部を位置合わせする。以上のような加熱板により張り合わされた2枚のシートにおいては、各切り欠きに対応する所定の部分が熱シールされていない非シール領域として形成され、非シール領域において2枚のシート間には隙間が形成される。当該隙間は、上述した延長部に対応する部分を介して、外部空間に連通する。以下、当該隙間と外部空間とを連通させる開口部を、充填口と呼ぶ。
【0050】
本実施形態では、2枚の加熱板には、フランジ部30に施されるべきエンボス加工に対応する凹凸が形成されている。よって、工程C4の熱シールの後、2枚のシートにおいて熱シールされている部分には、エンボス加工が施されている。
【0051】
続いて、非シール領域における2枚のシートの隙間に、以上の充填口を介してエアーを充填する(工程C5)。このとき、所定のエアーノズルが、充填口の近傍に進行する。そして、このエアーノズルから充填口を介して、非シール領域における2枚のシートの隙間に、エアーが吹き込まれる。これにより、非シール領域が立体的に膨らみ、内容物を収容するための内部空間S1が形成されるとともに、通路S2及び液溜め空間S4も形成される。
【0052】
本実施形態では、注ぎ口部20は、中心軸A1の延びる方向から視て、本体部10の輪郭からはみ出さず、その先端部20Aが中心軸A1に向かって延びる。そのため、液溜まり部40側から充填されたエアーは、注ぎ口部20内に効率よく送られ、先端部20Aも安定して膨らむ。よって、注ぎ口部20の成形不良が起こり難い。
【0053】
ところで、図2に示すように、胴部12、肩部13及び注ぎ口部20は、この順に前後方向の幅が大きい。そのため、エアーの充填により非シール領域が膨らむ過程で、胴部12、肩部13及び注ぎ口部20は、この順により薄く広がる。そのため、胴部12、肩部13及び注ぎ口部20は、最終的にこの順に厚肉になるように形成される。同様に、液溜まり部40も、胴部12及び肩部13よりも厚肉になるように形成される。また、フランジ部30及び栓50は、2枚のシートが張り合わされることにより構成されるため、胴部12よりもさらに厚肉に構成され、典型的には胴部12の2倍以上の厚みを有する。
【0054】
また、エアーの充填により非シール領域が膨らむ過程では、図6A図6Cに示される通り、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40が、フランジ部30及び栓50に対し前後方向に立ち上がる。このとき、フランジ部30及び栓50から2枚のシートがそれぞれ前後に分かれて立ち上がることになるため、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40と、フランジ部30及び栓50との境界付近には、溝V1が形成される。
【0055】
続いて、充填口の近傍からエアーノズルが退避し、これに代わり、所定の液体ノズルが進行し、充填口に挿入される。そして、この液体ノズルから充填口を介して、充填口に連通する内部空間S1に、スクイズ容器1に収容されるべき内容物(薬液)が充填される(工程C6)。
【0056】
次に、充填口が熱シールにより閉じられる。より詳細には、2枚のシートにおいて充填口に対応する部分を、2枚の加熱板により外側から挟むようにして、同部分に予熱を加える(工程C7)。続いて、2枚のシートにおいて充填口に対応する部分を熱シールし、張り合わせる(工程C8)。このとき、2つの加熱ブロックが使用され、2つの加熱ブロックにより2枚のシートを外側から挟むようにして、2枚のシートに熱が加えられる。以上により、2枚のシートに含まれる各内部空間S1に、内容物が密封される。続いて、加熱ブロックに代えて、加熱されていない冷却ブロックで、工程C8で熱シールされた部位を挟み込むことにより、同部位が冷却される(工程C9)。なお、加熱ブロック及び冷却ブロックは、いずれも細長いブロックであり、2枚のシート上の複数の充填口に対応する部分を同時に、加熱及び冷却する。
【0057】
その後、2枚のシートを、熱シールされていない部分(すなわち、互いに連通する液溜まり部40、本体部10及び注ぎ口部20を組み合わせた部分)の外周に沿ってカットする(工程C10)。これにより、2枚のシートから複数のスクイズ容器1が打ち抜かれる。このとき、熱シールされていない部分の外周との間に間隔を空けて、2枚のシートを当該外周に沿ってカットする。以上により、スクイズ容器1は、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40の他、これらの部位10、20及び40の周囲を囲むように配置されるフランジ部30を有する形状に成形される。
【0058】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0059】
<4-1>
スクイズ容器1に収容される内容物は、上述したものに限られず、例えば、液体又は粒状の洗剤等をスクイズ容器1に収容することができる。
【0060】
<4-2>
上記実施形態では、注ぎ口部20は、肩部13において中心軸A1から偏心した位置を起点として延びていたが、肩部13の頂点P1の位置を中心軸A1に対して偏心させず、注ぎ口部20が中心軸A1に重なる位置から延びるようにしてもよい。
【0061】
<4-3>
上記実施形態では、スクイズ容器1の全体が透明又は半透明に構成されたが、スクイズ容器1は、部分的に透明又は半透明に構成されていてもよい。この場合、上述した内容物の残量の確認を容易にする観点からは、液溜まり部40が、液溜め空間S4を外部から視認可能な程度に少なくとも部分的に透明又は半透明に構成されることが好ましい。また、スクイズ容器1の全体が、不透明に構成されてもよい。
【0062】
<4-4>
上記実施形態では、フランジ部30は、正面側及び背面側から視た側面視において、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40の全周を、栓50の位置を除いて途切れなく囲むように構成された。しかしながら、フランジ部30は、同側面視において、本体部10、注ぎ口部20及び液溜まり部40の周囲を、栓50の位置を除いて断続的に囲むように構成されてもよい。ただし、フランジ部30は、同側面視において、注ぎ口部20の周囲を少なくとも部分的に囲むように配置されることが好ましく、特に、少なくとも注ぎ口部20の先端部20Aの近傍に配置されることが好ましい。このような場合、上述した通り、注ぎ口部20と詰め替え先の容器の口部60との位置合わせが容易になるからである。また、フランジ部30は省略することも可能である。
【0063】
<4-5>
上記実施形態では、溝V1は、液溜まり部40の底面から取出口S3に向かって連続的に延びていたが、断続的に延びていてもよい。また、液溜まり部40、本体部10及び注ぎ口部20の全てに溝が形成されている必要はなく、例えば、本体部10にのみ形成されていてもよいし、注ぎ口部20にのみ形成されていてもよいし、本体部10及び注ぎ口部20にのみ形成されていてもよい。また、溝V1は省略することも可能である。
【0064】
<4-6>
上記実施形態では、肩部13は、「なで肩」の形状に構成されたが、略直角に折れ曲がっていてもよい。
【0065】
<4-7>
スクイズ容器1の製造方法は、上述したものに限られず、例えば、射出成形やダイレクトブロー成形等の方法を使用することもできる。
【実施例
【0066】
上記実施形態と同様のスクイズ容器を製造し、内容物のこぼれ易さを評価する試験を行った。内容物としては、薬液(芳香剤)を収容した。より詳細には、20~69歳の60名の女性の被験者(左利きの人8名、手をけがしている又は手が動きにくい方2名を含む)に、製造したスクイズ容器から所定の容器に薬液を移し替える作業を行わせた。詰め替え先の容器の口部の直径は、2.2cmであった。また、スクイズ容器の注ぎ口部の先端における取出口の直径は、2.8mmであった。その結果、内容物をこぼした人は、60名中1人もいなかった。
【符号の説明】
【0067】
1 スクイズ容器
10 本体部
11 底面部
12 胴部
13 肩部
20 注ぎ口部
20A 先端部
30 フランジ部
40 液溜まり部
50 栓
A1 中心軸
S1 内部空間
S2 通路
S3 取出口
S4 液溜め空間
P1 起点
V1 溝
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7