(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】飲食品
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20241023BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20241023BHJP
【FI】
A23L2/00 B
A23L2/38 Z
(21)【出願番号】P 2020031914
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006116
【氏名又は名称】森永製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】今田 隆将
(72)【発明者】
【氏名】河岸 丈太郎
【審査官】田名部 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-118873(JP,A)
【文献】特開2001-231470(JP,A)
【文献】特開平08-332051(JP,A)
【文献】特開2018-191629(JP,A)
【文献】特開2002-003380(JP,A)
【文献】特開2013-188179(JP,A)
【文献】特開2019-058116(JP,A)
【文献】特開2003-313142(JP,A)
【文献】特開2008-094754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00 - 2/84
A23L 21/00 - 21/25
A23L 27/00 - 27/40
A23L 27/60
A23L 29/20 - 29/206
A23L 29/231- 29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンB2、及び、リモニン、ナリンギンから選ばれる1種または2種以上の苦味成分を含有する飲食品であって、
前記ビタミンB2の濃度が7.7ppm以上20ppm以下であり、
リモニンを含有するとき、前記リモニンの濃度が0.1~5ppmであり、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含み、
ナリンギンを含有するとき、前記ナリンギンの濃度が6ppm~300ppmであり、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を含み
、
前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の濃度が、10ppm以上であることを特徴とする、飲食品。
【請求項2】
前記グリセリン脂肪酸エステルが、ラウリン酸及びオレイン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルである、請求項
1に記載の飲食品。
【請求項3】
前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の飲食品。
【請求項4】
前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1~
3の何れか一項に記載の飲食品。
【請求項5】
ビタミンB2を7.7ppm以上
20ppm以下及び、
0.1ppm~5ppmのリモニン、
6ppm~300ppmのナリンギンから選ばれる1種または2種以上の苦味成分
を含有する飲食品に対し、
前記リモニンを含有するときには、ポリグリセリン脂肪酸エステルを10ppm以上の濃度で適用し、
前記ナリンギンを含有するときには、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を10ppm以上の濃度で適用することを特徴とする、飲食品の苦味抑制方法。
【請求項6】
前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項5に記載の飲食品の
苦味抑制方法。
【請求項7】
ビタミンB2を7.7ppm以上
20ppm以下及び、
0.1ppm~5ppmのリモニン、
6ppm~300ppmのナリンギンから選ばれる1種または2種以上の苦味成分
を含有する飲食品に対し、
前記リモニンを含有するときには、ポリグリセリン脂肪酸エステルを10ppm以上の濃度で適用し、
前記ナリンギンを含有するときには、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を10ppm以上の濃度で適用することを特徴とする、苦味の抑制された飲食品の製造方法。
【請求項8】
前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項
7に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苦味の抑制された飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
機能性成分を含む飲食品が日々開発されている。ここで、強い渋味、苦味を有している機能性成分には、飲食品中に多く含ませることができないという問題がある。
【0003】
このような課題に対して、マスキング物質を添加することで、飲食品の渋味、苦味を抑制する技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1、2には、乳タンパク質溶液を有効成分とする茶抽出物の渋味、苦味抑制方法が知られている。
【0004】
ところで、特許文献3にあるように、メチオニンとビタミンB2類を液剤中に同時に配合すると、メチオニンに固有の不快臭が強まることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-32913号公報
【文献】特開平11-346649号公報
【文献】特開2006-111566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らが鋭意研究したところ、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分とを組み合わせて含む飲食品は、該苦味成分を単体で含む飲食品に比して、苦味が相乗的に強まることがわかった。
そして、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分とを組み合わせて含む飲食品に対し、特定の有効成分を添加することで、その苦味を効率よく抑制できることがわかった。
【0007】
すなわち、本発明は、特定成分の組み合わせによる苦味の低減された飲食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記事情に鑑みなされた本発明は、
ビタミンB2、及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分を含有する飲食品であって、
さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする、飲食品である。
【0009】
また、本発明の飲食品の好ましい形態では、ビタミンB2の濃度が7.7ppm以上であり、苦味成分の濃度が0.1ppm以上である。
【0010】
また、本発明の飲食品の好ましい形態では、
前記苦味成分として、
リモニン0.1ppm~5ppm、ナリンギン6ppm~300ppm、又はカテキン類0.5ppm~100ppmを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の濃度が、10ppm以上である。
【0012】
また、本発明は、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分を含有する飲食品に対し、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を適用することを特徴とする、飲食品の苦味抑制方法でもある。
【0013】
また、本発明は、
ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分を含有する飲食品に対し、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上を適用することを特徴とする、苦味の抑制された飲食品の製造方法でもある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、特定成分の組み合わせによる苦味の低減された飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更が可能である。
【0016】
また、本明細書における各成分の含有量(濃度)に関する記載に関し、「飲食品全体」とは、特に断りがない限り容器内に収容される可食部分全体を意味し、容器は含まない。
【0017】
本発明は、ビタミンB2、及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分(以下、単に苦味成分とも表記する)を含有する飲食品である。
そして、本発明の飲食品は、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上(以下、単に有効成分とも表記する)を含む。
【0018】
ここで、有効成分は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。
ビタミンB2、苦味成分を含む飲食品に、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上の有効成分をさらに含ませることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0019】
また、有効成分のHLBは、好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
HLBが下限以上の有効成分を用いることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0020】
有効成分のHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
HLBが上限以下の有効成分を用いることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0021】
有効成分の含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
有効成分の含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0022】
また、有効成分の含有量は、飲食品全体の好ましくは10000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは60ppm以下である。
有効成分の含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0023】
以下、有効成分がポリグリセリン脂肪酸エステルである場合のより好ましい形態を説明する。
【0024】
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、そのHLBが好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
【0025】
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れであってもよく、直鎖、及び分岐鎖の何れであってもよい。
脂肪酸の炭素鎖数は、好ましくは8~22であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18である。
【0026】
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成要素として、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルが例示できる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成要素として、オレイン酸、ラウリン酸及びステアリン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルを構成要素として含むことが好ましい。
【0027】
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける、グリセリンの重合度は、特に限定されず、1~10であってもよく、2~10であってもよく、4~10であってもよく、6~10であってもよい。
【0028】
本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルとして、ポリグリセリンステアリン酸エステルS-28D、ポリグリセリンオレイン酸エステルO-15D(HLB13)を挙げることができる。
【0029】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0030】
また、有効成分がポリグリセリン脂肪酸エステルである場合の、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは50ppm以下である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0031】
以下、有効成分がグリセリン脂肪酸エステルである場合のより好ましい形態を説明する。
【0032】
本発明におけるグリセリン脂肪酸エステルは、そのHLBが好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
【0033】
グリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れであってもよく、直鎖、及び分岐鎖の何れであってもよい。
脂肪酸の炭素鎖数は、好ましくは8~22であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18である。
【0034】
このようなグリセリン脂肪酸エステルとしては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルが例示できる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、ラウリン酸及びオレイン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルが好ましい。
【0035】
グリセリン脂肪酸エステルにおける、エステル化度は、特に限定されず、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリントリ脂肪酸エステルの何れであってもよい。
【0036】
HLBが8以上のグリセリン脂肪酸エステルの具体例として、例えば、モノオレイン酸ジグリセリン(HLB8)、モノオレイン酸ペンタグリセリン(HLB13)、モノラウリン酸デカグリセリン(HLB15.5)が例示できる。
なお、表中のHLBの値は、市販の製品の種類によって多少変動するが、これらのグリセリン脂肪酸エステルであればHLBは概ね8以上である。
【0037】
有効成分がグリセリン脂肪酸エステルである場合の、グリセリン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
グリセリン脂肪酸エステルの含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0038】
また、有効成分がグリセリン脂肪酸エステルである場合の、グリセリン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは50ppm以下である。
グリセリン脂肪酸エステルの含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0039】
以下、有効成分がショ糖脂肪酸エステルである場合のより好ましい形態を説明する。
【0040】
本発明におけるショ糖脂肪酸エステルは、そのHLBが好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
【0041】
ショ糖脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れであってもよく、直鎖、及び分岐鎖の何れであってもよい。
脂肪酸の炭素鎖数は、好ましくは8~22であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18であり、特に好ましくは14~18であり、最も好ましくは16である。
【0042】
このようなショ糖脂肪酸エステルとしては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、ショ糖とのエステルが例示できる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、オレイン酸、ステアリン酸及びパルミチン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、ショ糖とのエステルが好ましく、ショ糖ステアリン酸エステルがより好ましい。
【0043】
本発明に用いるショ糖脂肪酸エステルとして、シュガーエステルS-1670(HLB約16)、シュガーエステルS-570(HLB約5)を挙げることができる。
【0044】
有効成分がショ糖脂肪酸エステルである場合の、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
ショ糖脂肪酸エステルの含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0045】
また、有効成分がショ糖脂肪酸エステルである場合の、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは50ppm以下である。
ショ糖脂肪酸エステルの含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0046】
以下、有効成分がソルビタン脂肪酸エステルである場合のより好ましい形態を説明する。
【0047】
本発明におけるソルビタン脂肪酸エステルは、そのHLBが好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
【0048】
ソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れであってもよく、直鎖、及び分岐鎖の何れであってもよい。
脂肪酸の炭素鎖数は、好ましくは8~22であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18である。
【0049】
このようなソルビタン脂肪酸エステルとしては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、ソルビタンとのエステルが例示できる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、ラウリン酸及びオレイン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルが好ましい。
【0050】
ソルビタン脂肪酸エステルにおける、エステル化度は、特に限定されず、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステルの何れであってもよい。
【0051】
HLBが8以上のソルビタン脂肪酸エステルの具体例として、例えば、モノオレイン酸ジソルビタン、モノオレイン酸ペンタソルビタン、モノラウリン酸デカソルビタンが例示できる。
【0052】
有効成分がソルビタン脂肪酸エステルである場合の、ソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
ソルビタン脂肪酸エステルの含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0053】
また、有効成分がソルビタン脂肪酸エステルである場合の、ソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは50ppm以下である。
ソルビタン脂肪酸エステルの含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0054】
以下、有効成分がプロピレングリコール脂肪酸エステルである場合のより好ましい形態を説明する。
【0055】
本発明におけるプロピレングリコール脂肪酸エステルは、そのHLBが好ましくは1以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは7以上である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、特に好ましくは9以下である。
【0056】
プロピレングリコール脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れであってもよく、直鎖、及び分岐鎖の何れであってもよい。
脂肪酸の炭素鎖数は、好ましくは8~22であり、より好ましくは10~20であり、さらに好ましくは12~18である。
【0057】
このようなプロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、プロピレングリコールとのエステルが例示できる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸及びオレイン酸からなる群から選択される1種又は2種以上の脂肪酸と、グリセリンとのエステルが好ましい。
【0058】
プロピレングリコール脂肪酸エステルにおける、エステル化度は、特に限定されず、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールトリ脂肪酸エステルの何れであってもよい。
【0059】
HLBが8以上のプロピレングリコール脂肪酸エステルの具体例として、例えば、モノオレイン酸ジプロピレングリコール、モノオレイン酸ペンタプロピレングリコール、モノラウリン酸デカプロピレングリコールが例示できる。
【0060】
有効成分がプロピレングリコール脂肪酸エステルである場合の、プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量を下限以上とすることで、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0061】
また、有効成分がプロピレングリコール脂肪酸エステルである場合の、ソルビタンプロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量は、飲食品全体の1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、中でも好ましくは50ppm以下である。
プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量が上限以下であっても、ビタミンB2、苦味成分の組み合わせによる強い苦味を抑制することができる。
【0062】
以下、本発明の飲食品に含まれる各ビタミンB2、苦味成分、及び飲食品の形態について好ましい形態を説明する。
【0063】
(1)ビタミンB2
本発明において、ビタミンB2は、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である。
【0064】
本発明の飲食品におけるビタミンB2の含有量は、飲食品全体の、好ましくは3ppm以上、より好ましくは5ppm以上、より好ましくは7ppm以上、7.7ppm以上である。
ビタミンB2の含有量が下限以上である飲食品において、後述する特定の苦味成分との組み合わせによる苦味が顕著なものとなる。
そのため、本発明の有効成分による効果がより顕著に現れる。
【0065】
また、飲食品におけるビタミンB2の含有量は、飲食品全体の好ましくは20ppm以下、より好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
【0066】
(2)苦味成分
本発明の飲食品は、苦味成分として、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上を含む。
【0067】
ここで、カテキン類は、フラバン-3-オールを基本骨格とするフラボノイド類の化合物をいう。
カテキン類としては、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(CG)、ガロカテキンガレート(GCG)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキンガレート(EGCG)を挙げることができる。
【0068】
なお、本発明の飲食品が含むカテキン類は、カテキンであることが好ましい。
また、カテキンは、非重合体カテキンであることが好ましい。
本発明に用いる有効成分は、特に非重合体カテキンとビタミンB2の組み合わせによる苦味の抑制に有用である。
【0069】
飲食品における苦味成分の含有量は、飲食品全体の好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは3ppm以上である。
苦味成分の含有量が下限以上である飲食品は、ビタミンB2との組み合わせによる苦味が顕著なものとなる。
そのため、本発明の有効成分による効果がより顕著に現れる。
【0070】
苦味成分の含有量は、飲食品全体の好ましくは150ppm以下、より好ましくは100ppm以下である。
【0071】
ここで、苦味成分がリモニンである場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは3ppm以上である。
リモニンの含有量が下限以上である飲食品は、ビタミンB2との組み合わせによる苦味が顕著なものとなる。
そのため、本発明の有効成分による効果がより顕著に現れる。
【0072】
また、苦味成分がリモニンである場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、特に好ましくは2ppm以下である。
【0073】
また、苦味成分がナリンギンである場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは6ppm以上、より好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは70ppm以上、特に好ましくは100ppm以上である。
ナリンギンの含有量が下限以上である飲食品は、ビタミンB2との組み合わせによる苦味が顕著なものとなる。
そのため、本発明の有効成分による効果がより顕著に現れる。
【0074】
また、苦味成分がナリンギンである場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは150ppm以下、より好ましくは130ppm以下、さらに好ましくは120ppm以下である。
【0075】
また、苦味成分がカテキン類である場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは3ppm以上、より好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは70ppm以上、特に好ましくは100ppm以上である。
カテキン類の含有量が下限以上である飲食品は、ビタミンB2との組み合わせによる苦味が顕著なものとなる。
そのため、本発明の有効成分による効果がより顕著に現れる。
【0076】
また、苦味成分がカテキン類である場合、その含有量は、飲食品全体の好ましくは150ppm以下、より好ましくは120ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。
【0077】
なお、苦味成分が重合体のカテキン類を含む場合、その含有量には、該カテキン類の重合度を基に単量体として算出した換算質量を用いることができる。
【0078】
また、本発明の飲食品の好ましい形態では、
前記苦味成分として、
リモニン0.1ppm~5ppm、ナリンギン6ppm~300ppm、又はカテキン類0.5ppm~100ppmを含むことを特徴とする。
【0079】
ここで、上記の苦味成分は、果汁、野菜汁由来のものあっても良い。
果汁、野菜汁としては、グレープフルーツ、オレンジ、ピーチ、グレープ、リンゴ、アプリコット、イチゴ、トマト、キャロット、セロリ、ブロッコリー、イチジク、キウイ、バナナを原料としたものを好ましく挙げることができる。
【0080】
苦味成分が果汁や野菜汁由来である場合、飲食品全体における上記苦味成分の含有量は、果汁や野菜汁中の上記苦味成分の含有割合を基に算出した換算質量を用いることができる。
【0081】
(3)飲食品の形態
本発明の飲食品は、果汁含有ゼリー飲料、果実飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調製用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;飴、チューインガム、キャンディー、果汁含有グミ、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;経腸栄養食;機能性食品等の形態とすることができる。特に、本発明の飲食品の形態は、ゼリー飲料又は飲料であることが好ましい。
【0082】
また、本発明の飲食品は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、通常飲食品に用いられる他の成分を任意に配合することができる。かかる任意成分としては、例えば、飲食品添加物、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤等が挙げられる。
【0083】
また、得られる飲食品のpHが3.0~4.6、より好ましくは3.0~4.0となるように成分を配合することが好ましい。得られる飲食品のpHを4.6以下とすることで、微生物の繁殖を抑えることができるため、飲食品衛生上好ましい。また、pHを3.0以上とすることで飲食品の酸味を抑えることができるため、好ましい。
【0084】
ここで、本発明の飲食品のBrix値の下限は、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは10以上である。
飲食品のBrix値が下限以上である飲食品は、ビタミンB2と特定の苦味成分との組み合わせによる苦味を抑制することができる。
【0085】
また、本発明の飲食品のBrix値の上限は、風味の観点から好ましくは45以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは30以下である。
【0086】
なお、飲食品のBrix値を算出する方法としては、例えば、糖度計を用いてBrix値を測定する方法、屈折計を用いてBrix値を算出する方法、飲食品中の糖分の濃度をBrix値検量線に照らしてBrix値を定める方法、等を挙げることができる。
【0087】
また、飲食品のBrix値は、飲食品中の糖質の含有量を調整することで、調節することができる。
【実施例】
【0088】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0089】
[試験例1] ビタミンBと特定の苦味成分との組み合わせによる苦味の相乗について
水に、下記表1、表2に示す各原料を加えたサンプルを用意した。
【0090】
各サンプルにつき、飲食品を専門とする評価者3名(下表 パネルA~C)により、苦味の官能評価をおこなった。官能評価には、ビジュアルアナログスケール(VAS)評価法を用いた。
VASには、200mmのスケールバーを用い、左端を0(最低点、苦味を感じない)と右端を200(最高点、最も強く苦味を感じる)と定義した。
なお、0(最低点、苦味を感じない)を定義するにあたり、評価者は苦味成分及びビタミンBの何れも含まないサンプル(コントロール)を試飲し、その苦味を0とした。
【0091】
また、ビタミンBと特定の苦味成分との組み合わせによる苦味の相乗効果を評価するにあたり、試験系α(特定の苦味成分のみを含むサンプル)、試験系β(ビタミンBのみを含むサンプル)、試験系γ(特定の苦味成分及びビタミンBを含むサンプル)を用意した。
試験系α、試験系β、試験系γについて、各々の苦味強度を評価した。そして、評価値を以下の算出式に適用することで、苦味増強度を評価した。
【0092】
算出式:試験系γ/(試験系α+試験系β)
【0093】
ここで、上記の算出式の結果が1を超える場合に、「ビタミンB2と特定の苦味成分を組み合わせることにより、苦味が相乗的に強まった」と評価できる。
【0094】
【0095】
【0096】
(2)結果及び考察
表1、表2に示すとおり、ビタミンB2とリモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる特定の苦味成分との組み合わせを含むサンプルは、苦味が相乗的に強くなることがわかった。
【0097】
[試験例2] 有効成分の添加
(1)試験内容及び評価項目
水に、下記表3に示す各原料を加えたサンプル(比較例、実施例)を用意した。
製造したサンプルを試験例1と同じ評価方法及び評価基準による評価に供した。
【0098】
【0099】
(2)結果及び考察
表3の結果から、ポリグリセリン脂肪酸エステル(本発明の有効成分)を添加することで、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる特定の苦味成分との組み合わせを含む飲食品の苦味を低減できることがわかった。
【0100】
[試験例3] 有効成分の種類の影響
次に、他の有効成分ついて検討した。
【0101】
水に、下記表4に示す各原料を加えたサンプル(比較例、実施例)を用意した。
製造したサンプルについて、試験例1と同じ評価方法及び評価基準による評価に供した。
【0102】
【0103】
(2)結果及び考察
表4の結果から、ショ糖脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル(本発明の有効成分)を添加することで、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる特定の苦味成分との組み合わせを含む飲食品の苦味を低減できることがわかった。
【0104】
[製造例1]
表5に示す組成からなるゼリー飲料を、常法により製造した。
【0105】
【0106】
飲食品を専門とする評価者が上記の製造例1のゼリー飲料を飲用したところ、ビタミンB2及び、リモニン、ナリンギン、カテキン類から選ばれる1種または2種以上の苦味成分の組み合わせによる苦味は感じられなかった。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、飲食品に応用することができる。