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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】プラズマビューポート
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241023BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
C23C16/509
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022512292
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 US2020070438
(87)【国際公開番号】W WO2021042117
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】62/891,213
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルオ・ビン
(72)【発明者】
【氏名】ブレニンガー・アンドリュー・エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルツ・ジョン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラトリフ・ブライアン・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】シャステリック・デヴィッド・ジェイムス
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0310797(US,A1)
【文献】特開2000-077395(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0024142(US,A1)
【文献】特開2008-306211(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0112879(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/509
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
内面と外面の間に延びている開口部を規定するフレームと、
第1の窓であって、前記フレームに密閉され、前記開口部よりも大きく、前記第1の窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに前記開口部と完全に重なる、第1の窓と、
ガラス窓と、
前記開口部よりも大きいポリマ窓であって、前記ポリマ窓の最大面に垂直な方向に沿って見たとき前記開口部を完全に覆い、前記フレームの前記外面に固定されている、ポリマ窓と、を備え、
前記第1の窓は、前記ポリマ窓よりも前記フレームの前記内面に近い位置に配されており、
前記ガラス窓は、前記第1の窓と前記ポリマ窓との間に置かれ、
前記第1の窓は、可視光スペクトルの少なくとも80%において80%の光透過率を有する、耐フッ素性の高温安定材料で作られていおり、
前記フレームは、前記第1の窓と、前記ガラス窓と、ポリマ窓と、を離隔した構成で支持する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
第1の窓は、サファイアおよび酸化アルミニウムマグネシウムからなる群より選択された材料で作られている、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記第1の窓と前記フレームとの間に置かれた第1のエラストマOリングを備える、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、さらに、
前記ガラス窓と前記ポリマ窓との間に置かれた第2のエラストマOリングを備える、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記ガラス窓は、ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石炭ガラスからなる群より選択されたガラスで作られている、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記ガラス窓は、70重量%のシリカ、11.5重量%の酸化ホウ素、9.5重量%の酸化ナトリウム、7.5重量%の酸化カリウム、1重量%の酸化バリウムの構成を有し、残りは、酸化チタン、酸化カルシウム、およびあらゆる不純物を含む、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置であって、
前記ホウケイ酸ガラスは、Schott N-BK7ガラスまたはその同等物である、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記フレームは、前記開口部に広がる孔開きウェブを備え、前記孔開きウェブは、直径が約4ミリメートル以下の大きさのスルーホールのパターンを有する、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記スルーホールは、六角格子パターンに配置されている、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、
前記孔開きウェブは、前記第1の窓と前記ガラス窓との間に置かれている、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、
前記フレームは、アルミニウム合金を含み、少なくとも前記第1の窓に隣接する前記フレームの側の表面は、硬質陽極酸化被膜を有する、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、ポリカーボネート材を含む、装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、前記第1の窓の前記最大面に垂直な前記方向に沿って見たときに、前記フレームと完全に重なる、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、星形ねじ、耐タンパ星形ねじ、スパナヘッドねじ、ワンウェイねじ、および耐タンパねじからなる群より選択された留め具を用いて、前記フレームに対して定位置に保持されている、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記フレームを受け入れるようにサイズ決めされた受け具を有する壁であって、
前記フレームは前記受け具に設置され、前記受け具は内部フランジを備え、
前記内部フランジは開口を規定し、
前記第1の窓は、前記開口よりも大きくサイズ決めされている、壁と、
前記第1の窓と前記内部フランジとの間に置かれたエラストマOリングと、
を備える、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記エラストマOリングは、前記内部フランジと前記第1の窓との間に圧縮される、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、さらに、
半導体処理チャンバを備え、前記壁は、前記半導体処理チャンバの壁である、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、さらに、
高周波(RF)発生器と、
RF電極と、を備え、
前記RF発生器は、前記RF電極に電気接続され、
前記RF発生器は、前記RF電極を用いて前記半導体処理チャンバ内でプラズマを生成するように構成され、
前記受け具は、前記RF発生器および前記RF電極が前記プラズマを生成するように構成された前記半導体処理チャンバ内の位置まで、前記第1の窓、前記ガラス窓、および前記ポリマ窓を通る視線があるように、前記壁に位置決めされる、装置。
【請求項19】
半導体処理ツールであって、
外部壁を有する半導体処理チャンバと、
高周波(RF)発生器と、
前記半導体処理チャンバ内に設置されたRF電極と、
プラズマビューポートであって、
内面と外面の間に延びている開口部を規定するフレームと、
第1の窓であって、前記フレームに密閉され、前記開口部よりも大きく、前記第1の窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに前記開口部と完全に重なる、第1の窓と、
ガラス窓と、
前記開口部よりも大きいポリマ窓であって、前記ポリマ窓の最大面に垂直な方向に沿って見たとき前記開口部を完全に覆い、前記フレームの前記外面に固定されている、ポリマ窓と、を備えるプラズマビューポートと、を備え、
前記ガラス窓は、前記第1の窓と前記ポリマ窓との間に置かれるように、前記第1の窓は、前記ポリマ窓よりも前記フレームの前記内面に近い位置に配されており
前記第1の窓は、可視光スペクトルの少なくとも80%において80%の光透過率を有する、耐フッ素性の高温安定材料で作られており、
前記フレームは、前記第1の窓と、前記ガラス窓と、ポリマ窓と、を離隔した構成で支持する、半導体処理ツール。
【請求項20】
請求項19に記載の半導体処理ツールであって、
前記第1の窓は、サファイアおよび酸化アルミニウムマグネシウムからなる群より選択された材料で作られている、半導体処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願]
本願の一部として、本明細書と同時にPCT出願書が提出される。同時に出願されたPCT出願書に認められる利益または優先権を本願が主張する各出願は、その全てが全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
半導体処理ツールは、ガス流構成部品、高周波発生器、および、内部でプラズマを点火させて維持するように構成された電極を含みうる、半導体処理チャンバを備えることが多い。かかるプラズマは通常、チャンバ内の半導体ウエハが位置する場所の直上の領域で生成される。
【0003】
いくつかのかかる装置では、チャンバの壁にビューポートが備えられて、外部観察者(例えば、装置オペレータ)がチャンバ内部を見てプラズマ(または、チャンバ内部の他の態様)を観察できる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の発明の主題に関する1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態に記載される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0005】
いくつかの実施形態において、装置は、開口部を規定するフレーム、および、フレームに隣接して位置するサファイア窓であって、フレームは開口部よりも大きく、サファイア窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに開口部と完全に重なる、サファイア窓が設けられてよい。この装置はさらに、ガラス窓およびポリマ窓を備えてよい。ガラス窓は、サファイア窓とポリマ窓との間に置かれてよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、この装置はさらに、サファイア窓とフレームとの間に置かれた第1のエラストマOリングを備えてよい。いくつかのさらなるかかる実施形態では、この装置は、ガラス窓とポリマ窓との間に置かれた第2のエラストマOリングを備えてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、ガラス窓は、ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石炭ガラスで作られてよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ガラス窓は、70重量%のシリカ、11.5重量%の酸化ホウ素、9.5重量%の酸化ナトリウム、7.5重量%の酸化カリウム、1重量%の酸化バリウムで構成され、残りは、酸化チタン、酸化カルシウム、およびあらゆる不純物を含んでよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ガラス窓にはSchott N-BK7ガラスまたはその同等物が用いられてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、フレームは、開口部に広がる、直径が約4ミリメートル以下の大きさのスルーホールパターンを有する、孔開きウェブを備えてよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、スルーホールは、六角格子パターンに配置されてよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、孔開きウェブは、サファイア窓とガラス窓との間に置かれてよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、フレームは、アルミニウム合金で作られてよく、少なくともサファイア窓に隣接するフレームの側の表面は、硬質陽極酸化被膜を有してよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、ポリマ窓は、ポリカーボネート材で作られてよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、ポリマ窓は、サファイア窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに、フレームと完全に重なってよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、ポリマ窓は、留め具(例えば、星形ねじ(トルクス(商標)ヘッドねじなど)、耐タンパ星形ねじ、スパナヘッドねじ、ワンウェイねじ、または他の耐タンパねじ)を用いて、フレームに対して定位置に保持されてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、この装置はさらに、フレームを受け入れるようにサイズ決めされた受け具を有する壁を備えてよい。かかる実施形態では、フレームは受け具に設置されてよく、受け具は内部フランジを備えてよく、内部フランジは開口を規定してよく、サファイア窓は開口よりも大きくサイズ決めされてよい。この装置は、サファイア窓と内部フランジとの間に置かれたエラストマOリングを備えてもよい。
【0018】
いくつかのかかる実施形態では、エラストマOリングは、内部フランジとサファイア窓との間に圧縮されてよい。
【0019】
いくつかのさらなるかかる実施形態では、この装置はさらに、半導体処理チャンバを備えてよく、壁は、半導体処理チャンバの壁であってよい。
【0020】
いくつかのさらなる実施形態では、この装置はさらに、高周波(RF)発生器およびRF電極を備えてよい。かかる実施形態では、RF発生器は、RF電極に電気接続されてよく、RF電極を用いて半導体処理チャンバ内でプラズマを生成するように構成されてよい。さらに、かかる実施形態における受け具は、サファイア窓、ガラス窓、およびポリマ窓を通して、RF発生器およびRF電極がプラズマを生成するように構成されている半導体処理チャンバ内の位置に視線があるように位置決めされてよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、半導体処理ツールであって、外壁を有する半導体処理チャンバと、高周波(RF)発生器と、半導体処理チャンバ内に位置するRF電極と、プラズマビューポートとを備える、半導体処理ツールが設けられてよい。プラズマビューポートは、開口部を規定するフレームと、フレームに隣接して設置され、開口部よりも大きくサイズ決めされ、最大面に垂直な方向に沿って見たときに開口部と完全に重なるサファイア窓と、ガラス窓と、ポリマ窓とを備えてよい。かかる実施形態では、ガラス窓は、サファイア窓とポリマ窓との間に置かれてよい。
【0022】
本明細書に記載の本発明の主題に関する1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態において説明される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになるだろう。以下の図の相対寸法は、正確な比率で描かれていないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に開示の様々な実施形態は、添付の図面の図において限定のためでなく例示のために描かれている。同じ参照番号は、同種の要素を意味する。
【0024】
図1】壁の一部に設置された例示的なプラズマビューポートの等角図。
【0025】
図2図1の例示的プラズマビューポートの等角分解図。
【0026】
図3図2の例示的プラズマビューポートの側面図。
【0027】
図4図1の例示的プラズマビューポートの側面図。
【0028】
図5図1に示されたプラズマビューポートが取り付けられた半導体処理チャンバの図。
【0029】
図1~4は、各図において正確な比率で描かれているが、比率は図ごとに異なってよい。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明では、記載の概念の十分な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細が記載される。記載の概念は、これら特定の詳細の一部または全てなしで実施されてよい。他の例では、記載の概念を必要以上に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。いくつかの概念が特定の実施形態と共に説明されるが、これらの実施形態は限定する意図はないことが理解されるだろう。
【0031】
本願において、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」などの用語は、同義で用いられる。半導体デバイス産業で用いられるウエハまたは基板は通常、200mm、300mm、または450mmの直径を有するが、非円形であってよく、他の直径を有してもよい。半導体ウエハに加えて、本発明を利用できる他のワークピースは、プリント回路基板、磁気記憶媒体、磁気記憶センサ、ミラー、光素子、マイクロメカニカルデバイスなどの様々な物品を含む。
【0032】
上記のように、いくつかの半導体処理チャンバでは、半導体処理動作の間に処理チャンバ内部の目視検査を可能にするために、チャンバの側壁(または、他の壁)にプラズマビューポートが備えられてよい。具体的には、かかるビューポートは、処理チャンバの内部を視覚的に検査し、チャンバ内に収容されたプラズマが予期した外観を有するかどうかを評価するために、人(例えば、技術者またはプロセスエンジニア)が処理チャンバの内部を見ることができるように設置および構成されてよい。具体的には、本明細書に記載のプラズマビューポートは、高温処理チャンバでの使用に特に適してよく、高温処理チャンバは、例えば、半導体処理動作中にウエハを支持するために用いられる台座が600~700℃の温度に達し、かかる処理動作中にウエハ上にガスを分配するシャワーヘッドが300~360℃(例えば、350℃)の温度に達し、処理チャンバ内で生成されたプラズマが約4500℃の温度に達しうるチャンバである。かかる高い内部温度だけでなく、処理チャンバ内で発生したプラズマによって放出された紫外線の影響により、プラズマビューポートは、使用を不向きにする高温効果を示す可能性がある。
【0033】
例えば、半導体処理ツールは通常、特定の性能要件に従う必要があり、そのいくつかは、通常の処理動作の間に半導体処理ツールの一部が達しうる許容温度を管理する。例えば、半導体処理ツールの金属外面は、65℃を超えないことが求められ、半導体処理ツールのプラスチック外面は、85℃を超えないことが求められてよい。その2つの温度限界(「タッチセーフ」温度限界または「セーフタッチ」温度限界と呼ばれる)は、かかる外面を身体部位で触れた人が、接触から身体部位を引くことができる前に皮膚に火傷を負わないように選択される(例えば、最長5秒間の人間の接触に安全な温度)。金属面は、その高い熱伝導性、および、そのために大きい人間の皮膚への熱伝導率により、プラスチック面よりも低い閾値温度を有する。例えば、85℃の金属面に5秒間触れることは、火傷を生じさせうるのに十分な熱エネルギを金属面から皮膚に伝導できるが、同じ温度のプラスチック面を同じ時間間隔で触れることは、プラスチックの低い熱伝導性のため、火傷を生じさせるほど十分な熱エネルギを皮膚に伝導しないかもしれない。
【0034】
上記のような高温半導体処理チャンバでは、生成される熱量は、通常の半導体処理チャンバ内で生成される一般的な熱量よりもかなり大きくてよい。その結果、かかる処理チャンバのプラズマビューポートは、通常の熱効果よりも大きい熱効果を受ける可能性があり、プラズマビューポートの一部が、プラズマビューポートの1つ以上の部分を故障させる、および/または、許容セーフタッチ温度を超える温度に達する可能性がある。
【0035】
本明細書には、高温熱環境に優れた耐性を提供できる新しいプラズマビューポートの設計が提供される。例えば図1は、壁の一部に設置された、かかる改善された例示的なプラズマビューポートの等角図を表す。図1に提供された図は、プラズマビューポート100が処理チャンバの壁102に取り付けられた状態で、処理チャンバの外部から中を見たときの図である。
【0036】
図2は、図1の例示的プラズマビューポートの等角分解図を表す。図からわかるように、プラズマビューポート100は、複数の窓を離隔した構成で支持するのに役立ちうるフレーム110を備えてよい。例えば、プラズマビューポート100は、サファイア窓108、ガラス窓106、およびポリマ窓104を備え、ガラス窓106は、サファイア窓108とポリマ窓104との間に置かれてよい。
【0037】
サファイア窓108は、処理チャンバ内の処理ガス環境とプラズマビューポートの残りの窓との間でバリアとして機能するように位置決めされてよい。サファイア(酸化アルミニウム)窓108は、例えば、ガラス窓106を化学浸食(例えば、処理チャンバ内に存在しうるフッ素含有処理ガス)から保護できる耐薬品性透過面を提供してよい。サファイア窓には、例えば、酸化アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)(光透過性形態で提供されうるスピネルとしても知られる)を含む他の種類の材料が用いられてもよい。一般に、窓108は、可視スペクトルにおいて通常は光透過性を有する、任意の耐フッ素性の高温安定材料で作られてよい。いくつかの例では、かかる材料は、紫外線スペクトルにおいて少なくとも部分的に光非透過性(大幅に低減した透過性だが完全に非透過性ではない)を有してもよい。例えば、サファイアは一般に、可視スペクトルの少なくとも80%において80~90%の光を透過させてよいが(380nmから740nm)、かかる透過性は、紫外線スペクトルでは波長と共に急速に減少してよい(例えば、300nmの波長で80%、200nmの波長で60%、150nmの波長で40%、100nmの波長の紫外線スペクトルの下端で10%未満)。サファイアは、熱衝撃にも耐性があり、650℃以上の温度への長期の曝露に耐えることができ、化学的に不活性である。いくつかの実施形態では、同様の特性(例えば、1つ以上もしくは2つ以上のかかる特性、または、かかる値の±10%もしくは±20%以内のかかる特性の値)を有する他の材料が用いられてよい。耐フッ素性材料は、フッ素含有環境に曝露されたときは一般に化学的に不活性の材料であり、長時間スパンにわたりかかる材料のいくらかの劣化があるかもしれないが、一般に、著しい劣化なしに長期間(例えば、何年間か)のフッ素環境への曝露に耐えることができる。
【0038】
ガラス窓106は、例えばホウケイ酸ガラス(Schott N-BK7ガラスまたはその同等物)であってよく、例えば、70重量%のシリカ、11.5重量%の酸化ホウ素、9.5重量%の酸化ナトリウム、7.5重量%の酸化カリウム、1重量%の酸化バリウムの構成を有し、残りは、酸化チタン、酸化カルシウム、およびあらゆる不純物を含むガラスであってよく、別の代替物はソーダ石灰ガラスである。可視光に高い光透過性を提供しながら効果的な紫外線フィルタリングを提供する、様々な他の適した同等物が用いられてよい。例えば、(3mm厚の窓について)可視スペクトルにおけるN-BK7ガラスの光透過性は、350nm~2000nmの波長範囲において約90%であってよいが、325nmの波長で80%、300nmの波長で40%、275nmの波長で25%未満まで急速に減少してよい。N-BK7ガラスは一般に、約500℃までの温度に安定的であってもよい。いくつかの実施形態では、同様の特性(例えば、1つ以上もしくは2つ以上のかかる特性、または、かかる値の±10%もしくは±20%以内のかかる特性の値)を有する他の材料が用いられてよい。ガラス窓106は、紫外線フィルタとして機能するのに役立ち、それにより処理動作中にプラズマによって放出されうる紫外線を遮断してよい。かかる紫外線は、ポリマ窓104の過剰加熱を引き起こす可能性がある。具体的には、サファイア窓108は、大量の紫外線を透過させることができ、その結果、ポリマ窓104は大量の紫外線を受けて、その局所加熱が生じる可能性がある。かかるポリマ窓の局所加熱は、ポリマ窓104とサファイア窓108との間に置かれたガラス窓106を用いることで、低減または軽減されてよい。N-BK7などのホウケイ酸ガラスは、350nm~2000nmの最適透過範囲を有し、約270nm未満で20%未満に減ってよい。紫外線は一般に、400nmから10nmの波長範囲を有するため、ガラス窓106は、BK7などのガラスで作られている場合は大量の紫外線を遮断するように機能し、それによりポリマ窓104に伝達される熱エネルギの量を低減してよい。
【0039】
ポリマ窓104は、複数の目的に役立ってよい。例えば、ポリマ窓104は、ガラス窓106および/またはサファイア窓108を衝撃または他の潜在的損傷から保護するように機能し、通して見ることができる透明バリアを提供し、露出する可能性があった金属フレーム110を覆うように機能し、紫外線に対する最終レベルの遮蔽またはフィルタリングも提供することで、紫外線露光からオペレータを保護してよい。よって、人との接触に曝される可能性のあるプラズマビューポートの部分は、金属フレーム110よりも高いタッチセーフ温度に達しうるポリマ窓104であってよい。ポリマ窓は、例えば、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル、スチレンメタクリル酸メチルなどを含む、様々な透明プラスチックから作られてよい。いくつかの実施形態では、ポリマ窓104は、その平面(例えば、ポリマ窓104の最大面)に垂直な方向に沿って見たときに、フレーム110と完全に重なるようにサイズ決めされ、それにより人との接触に曝されうるフレーム110の部分がないことを確実にしてよい。かかるポリマ窓は一般に、可視光に光透過性を有し、紫外線に光非透過性を有し、例えば、ガラス窓106の熱伝導率と比べて比較的低い熱伝導率(例えば、ガラス窓106の熱伝導率の50%、40%、30%、20%以下)を有する材料で作られてよい。例えば、いくらかのポリカーボネートは、ホウケイ酸ガラスの約1.1W/mKと比べて約0.2W/mKの熱伝導率(ホウケイ酸ガラスの熱伝導率の20%未満)を有しながら、可視光スペクトルにおいて80~90%の透過性を提供し、390nm以下の波長範囲においてゼロの光透過性を提供してよい。低い熱伝導率は、ポリマ窓からの熱がそこに当接しうる人の真皮に伝達できる速度を低減し、それにより人が火傷を負うことなくポリマ窓との接触から身を引くのに十分な時間を提供してよい。いくつかの例では、窓108、窓106、および窓104はそれぞれ、本明細書では第1の窓、第2の窓、および第3の窓と呼ばれてよい。
【0040】
プラズマビューポート100の様々な窓のいくつかは、様々なOリング、または類似のエラストマ構造を用いて、定位置に保持、および/または密閉されてよい。例えば、ガラス窓106は、第1のOリング112によってフレーム110に対してわずかに圧縮されてよい。次にサファイア窓108は、第2のOリング114によってフレーム110に対して密閉されてよい。第3のOリング116は、サファイア窓108を、例えば半導体処理チャンバの壁に対して密閉できるように、サファイア窓108の反対側に設けられてよい。いくつかの実施形態では、第2のOリング114は、硬質表面との接触をもたらすことなく第3のOリング116にサファイア窓108を載せるように機能してもよい。複数の留め具118は、フレームの孔に挿入され、半導体処理チャンバの壁の適切にサイズ決めされた凹部にフレームを固定するのに用いられてよい。同様にして、ポリマ窓104は、例えば第2の留め具120を用いて定位置に固定されてよい。いくつかの実施形態では、ポリマ窓104を定位置に固定するのに用いられる留め具は、耐タンパ性留め具もしくはタンパ防止留め具、または、少なくとも一般的でない種類の留め具であってよい。一般的でない種類の留め具は、例えば、プラズマビューポートアセンブリを分解することをより困難にすることで、使用者がポリマ窓およびガラス窓を取り除いて、ガラス窓なしでプラズマビューポートアセンブリを再び組み立て、それによりガラス窓の紫外線フィルタリング機能が失われる危険性を低減するように選択されうる、トルクスヘッドねじなどの星形ねじである。加えて、いくつかの実施形態では、フレーム110は、その開口部全体に広がりうる孔開きウェブ124を有してよい。孔開きウェブ124は、(ファラデーケージのように)RF線が処理チャンバから逃げることを防ぐように機能してよい。図のようないくつかの実施形態では、孔開きウェブ124は、サファイア窓108とガラス窓106との間にあってよく、他の実施形態では、孔開きウェブ124は、代わりにガラス窓106とポリマ窓104との間にあってよい。
【0041】
図3は、図2の例示的プラズマビューポートの側面図を表す。図3から分かるように、フレーム110は、半導体処理チャンバの壁の受け具にフレーム110が締め付けられるように貫通する留め具118のためのスルーホールと、観察者がプラズマビューポート100を通してのぞくことができる開口として機能しうる開口部126と、Oリング(図3の第2のOリング114など)を受け入れうるOリング溝またはグランドと、プラズマビューポート100に含まれる様々な窓のいくつかまたは全てを中心に置いて支持するのに役立ちうる様々な棚および段差とを含む、複数のフィーチャを備えてよい。前記のように、フレームが備えうるフィーチャの1つは、貫通するスルーホール122のパターンを有しうる孔開きウェブ124である。図の例では、このパターンは六角形または三角形の格子パターン(パターンの特徴の中心が正六角形の頂点を規定するパターン)だが、他の孔パターンが用いられてもよい(必要に応じて、孔は円形孔以外の形状であってもよい)。
【0042】
ポリマ窓104は、ポリマ窓104が留め具118によって過度の圧縮を受けて、ポリマ窓の割れ、そうでなければ破損を引き起こすかもしれないという懸念なしに留め具118が締められるようにする、各留め具118のためのクリアランスホールを有するように設計されてよい。これにより、留め具118は、例えば、大気ガスが処理チャンバに引き込まれない十分なレベルの真空密閉を、プラズマビューポート100の周囲に提供するのに十分なレベルまで、第2のOリング114および第3のOリング116が圧縮されることを確実にするレベルまで回転されうる。さらに、留め具118をポリマ窓104に完全に埋め込むことで、人が留め具118に誤って接触する可能性を大幅に低減する。かかる留め具118は、タッチセーフ温度ではない可能性があるため、これにより火傷の危険性が低下する。いくつかの実施形態では、ポリマ窓は、残りのアセンブリが半導体処理チャンバの壁に取り付けられた後に取り付けられてよく、留め具118用のポリマ窓の孔は、取り付けられたときに留め具を完全に覆うことで、留め具を使用者との接触から完全に遮蔽する、ブラインドボアであってよい。第1のOリング112は、ガラス窓106を定位置に保持するのに用いられてよいが、必ずしも真空気密シールを形成しなくてもよい。ガラス窓106を定位置に保持するために他の適した種類の治具が用いられてもよく、図のOリングは、そのための比較的安価な解決法の一例にすぎない。
【0043】
いくつかの実施形態では、フレーム110は、(例えば、硬質陽極酸化を用いる)1つ以上の被覆面を有してよい。例えば、いくつかの実施形態では、サファイア窓の周囲の、もしくはそれに隣接するフレーム部分(または、処理チャンバ内の大気と接触しうるフレームの他の部分)は、硬質陽極酸化被膜によって被覆されてよい。かかる被膜は、フレーム110を化学浸食から保護してよい。
【0044】
図4は、図1の例示的プラズマビューポートの側面図を表す。図4は、プラズマビューポート100が壁102の受け具142に取り付けられて示されていること以外は、図5と基本的に同じである。図から分かるように、受け具142は、開口を規定しうる内部フランジを有してよく、開口は通常、フレーム110の開口部126とほぼ同じ大きさであってよい。内部フランジは、第3のOリング116と接触し、第3のOリング116の圧縮面として機能することにより、サファイア窓108にシール境界部分を提供してよい。
【0045】
図5は、図1に示されたプラズマビューポートが取り付けられた半導体処理チャンバの図を表す。図5には、プラズマビューポート100が取り付けられた壁102を有する半導体処理チャンバ128が示されている。処理チャンバ128は、シャワーヘッド132の下方でウエハ134を支持しうる台座130であって、高周波生成器136と接続された電極として機能しうる台座130を備えてもよい。高周波生成器136は、例えばコントローラによって制御されて、プラズマ140を点火させるために、シャワーヘッドがウエハ134上方の空間に処理ガスを提供する間に、シャワーヘッド132/電極に電力を提供してよい。プラズマ140は、プラズマビューポート100を通して見ることができる。
【0046】
本開示の範囲に該当するプラズマビューポートの様々な要素に用いられる、様々な異なる寸法およびアスペクト比があってよいが、上記の例示的プラズマビューポート100は、直径10cmの受け具に取り付けられるようにサイズ決めされ、そのためポリマ窓104は、フレームの最外縁部よりもいくらか大きい直径(直径10.6cm)になるようにサイズ決めされ、約5.7mmの厚さであってよい。ガラス窓106は、例えば、直径が約7.5cmおよび厚さが約4mmであり、サファイア窓108は、直径が約8.2cmおよび厚さが3.3mmである。開口部126は、約70mmの直径を有し、ポリマ窓104とガラス窓106とのギャップ、およびガラス窓106とサファイア窓108とのギャップはそれぞれ、約3mmおよび10mmであってよい。孔開きウェブ124のスルーホール122は、約4mm以下の直径を有してよい。繰り返しになるが、かかる寸法は、例示の実施形態のより詳しい説明を提供するために提供されるにすぎず、他の寸法特性を有する他の実施形態も本開示の範囲内にあるとみなされることが理解されるだろう。
【0047】
本明細書に記載のプラズマビューポートを備える半導体処理ツールは、ツールの様々な態様(例えば、高周波生成器の起動、ガス供給を制御するための弁の起動、ウエハを設置および取り出すためのロボットなど)を制御するコントローラを備えてよい。コントローラは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えるシステムの一部であってよい。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。これらの電子機器は、システムの様々な構成部品または副部品を制御できる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールならびに/または特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0048】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更してよい、または現行の処理に続く処理工程を設定してよい、または新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0050】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0051】
上述のように、コントローラは、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【0052】
本明細書で用いられる「ウエハ」との用語は、半導体ウエハもしくは半導体基板、または、他の似た種類のウエハもしくは基板を意味してよい。本明細書で用いられるウエハステーションとの用語は、様々なウエハ処理動作またはウエハ搬送動作の間にウエハが設置されうる半導体処理ツール内の任意の場所を意味してよい。本明細書で用いられるウエハ支持体は、半導体ウエハを受け取り支持するように構成された、ウエハステーション内の任意の構造(例えば、台座、静電チャック、ウエハ支持棚など)を意味する。
【0053】
特記されない限り、本明細書における「実質的に」、「約」などの表現は、それら記載の±10%以内の値または関係を意味すると理解されてよい。例えば、互いに実質的に垂直な2つの表面は、実際に垂直(すなわち、互いに90°)であるか、互いに89°もしくは91°であるか、または互いに80°もしくは100°でさえあるか、のいずれかであってよい。
【0054】
また、本明細書における序数標識((a)、(b)、(c)、・・・など)の使用は、構成のみを目的とし、各序数標識に関する項目に特定の順序または重要性を伝える意図はないことも理解されたい。それでも、序数標識に関するいくつかの項目が、本質的に特定の順序を必要とする例があってよい。例えば、「(a)Xに関する情報を得る、(b)Xに関する情報に基づいてYを決定する、および(c)Zに関する情報を得る」という例では、(b)は(a)で得られた情報に基づくため、(a)は(b)よりも前に実施される必要があるが、(c)は、(a)および/または(b)の前または後のいずれにも実施されることができる。
【0055】
「各」との単語の使用(例えば、「1つ以上の<項目>の各<項目>について」または「各<項目>の」という表現)は、本明細書では、単一項目群および複数項目群の両方を含むと理解されるべきである。すなわち、「~各々について」という表現は、プログラミング言語において、参照される全ての項目群の各項目を意味するように用いられるという意味で用いられる。例えば、参照される項目群が1つの項目である場合は、「各」は、その1つの項目のみを意味し(「各」の辞書的定義が、「2つ以上の物の1つ1つ」を意味する用語を定義することが多いという事実は差し置いて)、少なくとも2つのそれらの項目がなければならないことを意味しない。同様に、選択された項目が1つ以上の下位項目を有し、それら下位項目の1つが選択されるときに、選択された項目が下位項目を1つだけ有する場合は、その1つの下位項目の選択が項目自体の選択に固有であることが理解されるだろう。
【0056】
また、集合的に様々な機能を実施するように構成された複数のコントローラについての言及は、複数のコントローラのうちの1つのみが開示または記載の全ての機能を実施するように構成されている場合と、様々なコントローラの各々が記載の機能の下位部分を実施する場合とを含むことを意図することが理解されるだろう。
【0057】
本開示に記載の実施形態への様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義された一般的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用されてよい。よって、本願特許請求の範囲は、本明細書に示された実施形態に限定されることを意図せず、本開示、原理、および本明細書に開示の新規特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものとする。
【0058】
本明細書において別々の実施形態として説明された特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて実施することもできる。反対に、1つの実施形態として説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または、任意の適した部分的組み合わせで実施することもできる。さらに、特徴が特定の組み合わせで機能すると上記され、そのように最初に主張されたが、いくつかの場合では、本願の組み合わせの1つ以上の特徴は、その組み合わせから削除でき、本願の組み合わせは、部分的組み合わせまたはその変更形を対象にしてよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
装置であって、
開口部を規定するフレームと、
前記フレームに隣接して位置し、前記開口部よりも大きく、サファイア窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに前記開口部と完全に重なる、第1の窓と、
ガラス窓と、
ポリマ窓と、を備え、
前記ガラス窓は、前記第1の窓と前記ポリマ窓との間に置かれ、
前記第1の窓は、可視光スペクトルの少なくとも80%において80%の光透過率を有する、耐フッ素性の高温安定材料で作られている、装置。
適用例2:
適用例1に記載の装置であって、
第1の窓は、サファイアおよび酸化アルミニウムマグネシウムからなる群より選択された材料で作られている、装置。
適用例3:
適用例1に記載の装置であって、さらに、
前記第1の窓と前記フレームとの間に置かれた第1のエラストマOリングを備える、装置。
適用例4:
適用例3に記載の装置であって、さらに、
前記ガラス窓と前記ポリマ窓との間に置かれた第2のエラストマOリングを備える、装置。
適用例5:
適用例1に記載の装置であって、
前記ガラス窓は、ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石炭ガラスからなる群より選択されたガラスで作られている、装置。
適用例6:
適用例1に記載の装置であって、
前記ガラス窓は、70重量%のシリカ、11.5重量%の酸化ホウ素、9.5重量%の酸化ナトリウム、7.5重量%の酸化カリウム、1重量%の酸化バリウムの構成を有し、残りは、酸化チタン、酸化カルシウム、およびあらゆる不純物を含む、装置。
適用例7:
適用例5に記載の装置であって、
前記ホウケイ酸ガラスは、Schott N-BK7ガラスまたはその同等物である、装置。
適用例8:
適用例1に記載の装置であって、
前記フレームは、前記開口部に広がる孔開きウェブを備え、前記孔開きウェブは、直径が約4ミリメートル以下の大きさのスルーホールのパターンを有する、装置。
適用例9:
適用例8に記載の装置であって、
前記スルーホールは、六角格子パターンに配置されている、装置。
適用例10:
適用例8に記載の装置であって、
前記孔開きウェブは、前記第1の窓と前記ガラス窓との間に置かれている、装置。
適用例11:
適用例1に記載の装置であって、
前記フレームは、アルミニウム合金を含み、少なくとも前記第1の窓に隣接する前記フレームの側の表面は、硬質陽極酸化被膜を有する、装置。
適用例12:
適用例1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、ポリカーボネート材を含む、装置。
適用例13:
適用例1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、前記第1の窓の前記最大面に垂直な前記方向に沿って見たときに、前記フレームと完全に重なる、装置。
適用例14:
適用例1に記載の装置であって、
前記ポリマ窓は、星形ねじ、耐タンパ星形ねじ、スパナヘッドねじ、ワンウェイねじ、および耐タンパねじからなる群より選択された留め具を用いて、前記フレームに対して定位置に保持されている、装置。
適用例15:
適用例1に記載の装置であって、さらに、
前記フレームを受け入れるようにサイズ決めされた受け具を有する壁であって、
前記フレームは前記受け具に設置され、前記受け具は内部フランジを備え、
前記内部フランジは開口を規定し、
前記第1の窓は、前記開口よりも大きくサイズ決めされている、壁と、
前記第1の窓と前記内部フランジとの間に置かれたエラストマOリングと、
を備える、装置。
適用例16:
適用例15に記載の装置であって、
前記エラストマOリングは、前記内部フランジと前記第1の窓との間に圧縮される、装置。
適用例17:
適用例1に記載の装置であって、さらに、
半導体処理チャンバを備え、前記壁は、前記半導体処理チャンバの壁である、装置。
適用例18:
適用例17に記載の装置であって、さらに、
高周波(RF)発生器と、
RF電極と、を備え、
前記RF発生器は、前記RF電極に電気接続され、
前記RF発生器は、前記RF電極を用いて前記半導体処理チャンバ内でプラズマを生成するように構成され、
前記受け具は、前記RF発生器および前記RF電極が前記プラズマを生成するように構成された前記半導体処理チャンバ内の位置まで、前記第1の窓、前記ガラス窓、および前記ポリマ窓を通る視線があるように、前記壁に位置決めされる、装置。
適用例19:
半導体処理ツールであって、
外部壁を有する半導体処理チャンバと、
高周波(RF)発生器と、
前記半導体処理チャンバ内に設置されたRF電極と、
プラズマビューポートであって、
開口部を規定するフレームと、
前記フレームに隣接して位置し、前記開口部よりも大きく、前記サファイア窓の最大面に垂直な方向に沿って見たときに前記開口部と完全に重なる、第1の窓と、
ガラス窓と、
ポリマ窓と、を備えるプラズマビューポートと、を備え、
前記ガラス窓は、前記第1の窓と前記ポリマ窓との間に置かれ、
前記第1の窓は、可視光スペクトルの少なくとも80%において80%の光透過率を有する、耐フッ素性の高温安定材料で作られている、半導体処理ツール。
適用例20:
適用例19に記載の装置であって、
前記第1の窓は、サファイアおよび酸化アルミニウムマグネシウムからなる群より選択された材料で作られている、装置。
図1
図2
図3
図4
図5