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特許7576303情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20241024BHJP
   G06F 16/21 20190101ALI20241024BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20241024BHJP
【FI】
G06F16/29
G06F16/21
G06Q50/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020199118
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086858
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-09-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [1] 発行日(公知日) 2020年5月23日 刊行物 農業情報学会 2020年度年次大会 講演要旨集 <資料> 農業情報学会 2020年度年次大会 講演要旨集 抜枠 [2] 開催日(公開日) 2020年5月24日(会期:2020年5月24日、23日) 集会名、開催場所 農業情報学会2020年度年次大会(ネット大会)*インターネット開催 <資料> 農業情報学会 2020年度年次大会 概要 ウェブページ プリントアウト <資料> 農業情報学会 2020年度年次大会 研究口頭発表資料
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】石原 光則
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 綾
(72)【発明者】
【氏名】塩見 岳博
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166551(JP,A)
【文献】特開2003-143959(JP,A)
【文献】特開2006-127214(JP,A)
【文献】特開2020-080739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得する第1取得部と、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成する処理部と、を備え、
前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記画像を撮像した撮像装置を識別する装置識別情報、前記撮像装置の機種を示す機種情報、前記画像が撮像された撮影条件、または前記画像が撮像された目的を示す情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報である、
報処理装置。
【請求項2】
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得する第1取得部と、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得する第2取得部と、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成する処理部と、を備え、
前記処理部は、
端末装置から検索条件および検索条件を満たす識別情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記検索条件を検索キーとして前記データベースを検索し、前記リクエストに含まれる前記検索条件を満たす前記識別情報を前記端末装置に提供する、
報処理装置。
【請求項3】
前記識別情報は、区画とそれを識別する情報が、セットになった情報である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像は、飛行体に搭載された撮像装置より撮像された画像であり、
前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記飛行体を識別する識別情報、または前記飛行体の機種を示す機種情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報である、
請求項1から3のうちいずれか1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2情報の地上情報は、土地の特性の状態、土壌の状態、または土壌に存在する作物の状態を示す情報のうち少なくとも1以上の情報を含む、
請求項1から4のうちいずれか1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、
端末装置から前記識別情報および前記識別情報に対応付けられた情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記識別情報を検索キーとして前記データベースを検索し、前記リクエストに含まれる前記識別情報に対応付けられた情報を前記端末装置に提供する、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得し、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得し、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成し、
前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記画像を撮像した撮像装置を識別する装置識別情報、前記撮像装置の機種を示す機種情報、前記画像が撮像された撮影条件、または前記画像が撮像された目的を示す情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報である、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが、
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得し、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得し、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成し、
端末装置から検索条件および検索条件を満たす識別情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記検索条件を検索キーとして前記データベースを検索し、前記リクエストに含まれる前記検索条件を満たす前記識別情報を前記端末装置に提供する、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得させ、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得させ、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成させ、
前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記画像を撮像した撮像装置を識別する装置識別情報、前記撮像装置の機種を示す機種情報、前記画像が撮像された撮影条件、または前記画像が撮像された目的を示す情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報である、
プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得させ、
前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得させ、
前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成させ、
端末装置から検索条件および検索条件を満たす識別情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記検索条件を検索キーとして前記データベースを検索させ、前記リクエストに含まれる前記検索条件を満たす前記識別情報を前記端末装置に提供させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業分野など様々な分野でドローン等による空撮画像が利用されている。空撮画像から作物の生育診断を行う場合は、様々な条件において観測した作物の地上調査データとの比較を行い、モデル化を行う必要がある。これらの技術は、スマート農業の発展に伴い、農業者のみならず、空撮画像による生育診断を実施している者においてニーズが高まっている。例えば、個人や企業が独自に、空撮画像を用いた診断を行ったり、地上調査を行ったりしていることがあるが、複数の実施者が収集したデータを合わせてモデルを構築するスキームは確立されていない。
【0003】
これに関連して、上空から地上を撮影した空撮画像を位置情報に対応付けて管理する技術(例えば特許文献1参照)、および農作物の状態を現地で調査して得たデータを管理する技術(例えば特許文献2参照)が開示されているが、空撮画像と地上調査データとを統一的に収集し、これらを紐づけることは行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-201349号公報
【文献】特開2002-360070号公報
【文献】特開2009-205510号公報
【文献】特開2020-010087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術では、利用者にとって有益な情報を提供することを支援することができない場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者にとって有益な情報を提供するための支援を行うことができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様である情報処理装置は、地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得する第1取得部と、前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得する第2取得部と、前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成する処理部とを備える。
【0008】
本発明の第2の態様の情報処理装置は、更に、前記識別情報は、区画とそれを識別する情報がセットになった情報であって、農地の区画を識別する情報であるものである。
【0009】
本発明の第3の態様である情報処理装置は、前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記画像を撮像した撮像装置を識別する装置識別情報、前記撮像装置の機種を示す機種情報、前記画像が撮像された撮影条件、または前記画像が撮像された目的を示す情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報であるものである。
【0010】
本発明の第4の態様である情報処理装置は、前記画像は、飛行体に搭載された撮像装置より撮像された画像であり、前記第1情報は、更に前記識別情報に対して、前記飛行体を識別する識別情報、または前記飛行体の機種を示す機種情報のうち少なくとも1以上の情報が対応付けられた情報であるものである。
【0011】
本発明の第5の態様である情報処理装置は、前記第2情報の地上情報は、前記領域に含まれる土地の特性の状態、土壌の状態、または土壌に存在する作物の状態を示す情報のうち少なくとも1以上の情報を含むものである。
【0012】
本発明の第6の態様である情報処理装置の前記処理部は、端末装置から前記識別情報および前記識別情報に対応付けられた情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記識別情報を検索キーとして前記データベースを検索し、前記リクエストに含まれる前記識別情報に対応付けられた情報を前記端末装置に提供するものである。
【0013】
本発明の第7の態様である情報処理装置の前記処理部は、端末装置から検索条件および検索条件を満たす識別情報の送信を要求するリクエストを取得した場合、前記検索情報を検索キーとして前記データベースを検索し、前記リクエストに含まれる前記検索条件を満たす前記識別情報を前記端末装置に提供するものである。
【0014】
本発明の他の態様である情報処理方法は、コンピュータが、地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得し、前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得し、前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成する情報処理方法である。
【0015】
本発明の他の態様であるプログラムは、コンピュータに、地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から前記領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得させ、前記識別情報に対して、地上情報が対応付けられた第2情報を取得させ、前記識別情報をキーとして、前記第1情報と、前記第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の態様または第2の態様である情報処理装置、他の態様である情報処理方法またはプログラムは、第1情報と第2情報とを対応付けたデータベースを生成することで、利用者にとって有益な情報を提供するための支援を行うことができる。例えば、データベースの情報が利用者に提供されることで、利用者は有益な情報を取得することができる。利用者は、取得した情報を参照して、各種分析などを行うことができる。また、地上の識別情報のみのやり取りで、地上の領域を特定することができる。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、情報処理装置は、画像の特徴や特性を示す情報を取得することで、画像の特徴や特性を示す情報を含むデータベースを生成することができる。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、情報処理装置は、画像を撮像した飛行体の特徴や特性を示す情報を取得することで、飛行体の特徴や特性を示す情報を含むデータベースを生成することができる。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、情報処理装置は、土地の特性の状態、土壌の状態、または土壌に存在する作物の状態を取得することで、これらの情報と上空から撮像された画像とを対応付けて管理することができる。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、情報処理装置は、データベースを参照して、リクエストに含まれる識別情報に対応付けられた情報を端末装置に提供することにより、利用者にとって有益な情報を提供することができる。
【0021】
本発明の第7の態様によれば、情報処理装置は、データベースを参照して、リクエストに含まれる検索条件を満たす識別情報を端末装置に提供することにより、利用者にとって有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】情報処理装置100を含む情報処理システム1の構成および処理の概要の一例を示す図である。
図2】情報処理装置100の情報処理の概要を説明するための図である。
図3】情報管理モデルの概要を示す図である。
図4】情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。
図5】情報処理システム1が情報管理モデル170を生成する際に実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】第1端末装置20に表示される第1情報を入力するためのインターフェース画像IMの一例を示す図である。
図7】第2端末装置30に表示される第2情報を入力するためのインターフェース画像IM1の一例を示す図である。
図8】第2端末装置30に表示される第2情報を入力するためのインターフェース画像IM2の他の一例を示す図である。
図9】情報処理装置100が生成した情報管理モデル170の一例を示す図である。
図10】情報処理システム1が情報管理モデル170を利用して利用者に情報を提供する際に実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図11】インターフェース画像IM3および提供情報の一例を示す図である。
図12】インターフェース画像IM4および提供情報の一例を示す図である。
図13】インターフェース画像IM5および提供情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0024】
[全体構成]
図1は、情報処理装置100を含む情報処理システム1の構成および処理の概要の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、飛行体10と、第1端末装置20と、第2端末装置30と、情報処理装置100とを備える。
【0025】
飛行体10は、ドローン(無人航空機)であってもよいし、人が搭乗する飛行体であってもよい。以下の説明では、飛行体10はドローンであるものとする。飛行体10は、例えばGPS(Global Positioning System)等の測位装置と、上空から地上の情報を取得する装置(カメラやセンサ)等を備える。上記の装置は、例えば、可視カメラや、マルチスペクトルカメラ、熱赤外線カメラ等である。飛行体10は、例えば、撮影対象の上空において一定の高度を維持しつつ、予め決められた範囲をラスタスキャン状に往復移動しながら所定間隔(例えば、1秒間隔)で地上を撮影する(1)。本実施形態では、一例として圃場の区画を撮像対象とするが、これに限られず、撮像対象は圃場以外の区画であってもよい。
【0026】
飛行体10は、撮影した画像に関する画像情報を第1端末装置20に送信する(2)。この画像情報(「第1情報」の一例)には、画像データに加えて、画像が撮影された際の飛行体10の撮影位置(「地上の領域を特定するための識別情報」の一例)も含まれる。本実施形態において、撮影位置は飛行体10の経度および緯度を表すが、他の情報であってもよい。
【0027】
第1端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末などの装置である。第2端末装置30は、画像情報を取得し、取得した情報または取得した情報を加工した情報(「第1情報」の他の一例)を、ネットワークNWを介して情報処理装置100に送信する(3)。以下、第1端末装置20が情報処理装置100に送信する情報を第1情報として説明する。
【0028】
第1情報は、画像情報に画像に関連する情報(メタデータ)が付加された情報である。付加される画像に関連する情報は、例えば、撮像条件を含む。付加される画像に関連する情報は、画像の撮像日時や、撮影者、飛行体に関する情報、カメラに関する情報、GCP(Ground Control Point)、撮影目的、場所(撮像位置)などである(後述する図2参照)。
【0029】
ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット回線などの任意のネットワークであり、有線でも無線でもよい。第1端末装置20は、第1端末装置20に内蔵されたプロセッサがプログラムを実行することで上記のような動作をするように制御されてもよい。なお、飛行体10が、第1端末装置20を介さずに、直接、情報処理装置100に画像情報または第1情報を送信してもよい。
【0030】
第2端末装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの装置である。第2端末装置30は、パーソナルコンピュータであってもよい。第2端末装置30は、例えば、地上で行われた調査結果を入力するための装置である。調査とは、調査者が地上で行う土壌や農作物に関する調査である。
【0031】
以下、調査の結果を示す情報を地上調査情報(「地上の土地の特性の状態、土壌の状態または土壌に存在する作物の状態を示す地上情報」の一例)と称する。調査された場所を示す情報(地上の領域を特定するための情報)と地上調査情報とが対応付けられた情報は「第2情報」の一例である。第2情報には、例えば、更に、第2情報の入力者(調査者または調査者から調査結果を取得した利用者)や、調査結果である調査対象の品種名、移植日または播種日、収穫日、収量、病害虫などの情報が含まれていてもよい。地上調査情報は、土壌に施された肥料に関する情報や、土壌に植えられた食物に関する情報、収穫された作物の分量、植えられた作物の生育状態、土地の地形などを含んでもよい。
【0032】
第2端末装置30は、入力者が入力した第2情報を受け付け、受け付けた第2情報を情報処理装置100に送信する(4)。
【0033】
情報処理装置100は、第1情報および第2情報を取得し、取得した情報を管理する。図2は、情報処理装置100の情報処理の概要を説明するための図である。情報処理装置100は、場所を示す情報をキーとして第1情報および第2情報を対応付けた情報管理モデル170(詳細は後述)を生成する。
【0034】
図3は、情報管理モデルの概要を示す図である。情報管理モデル(データベース)は、対象の場所または区画を識別する場所IDをキーとして、飛行体に撮像され画像のデータ(第1情報)と、画像を識別するための画像ID(第1情報)と、地上調査情報(第2情報)と、キーである場所を調査した調査グループと、GCPデータとが対応付けられた情報である。場所IDは、所定の規則や、所定の取り決めによってグループ化され、圃場グループとして管理されている。この処理に関する情報および処理の詳細については後述する。なお、本実施形態の例では、対象の場所は圃場であるものとして説明するが、対象の場所は、これに代えて、圃場とは異なる任意の場所であってもよい。
【0035】
[情報処理装置]
図4は、情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、例えば、通信部110と、第1取得部120と、第2取得部130と、情報管理部140と、提供部150と、記憶部160とを備える。第1取得部120、第2取得部130、情報管理部140、および提供部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。情報管理部140、または情報管理部140と提供部150とを合わせた機能構成は、「処理部」の一例である。
【0036】
記憶部160は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現される。記憶部160には、第1端末装置20および第2端末装置30により送信された情報(例えば第1情報、第2情報)や、情報処理装置100が管理する情報、情報処理装置100が生成した情報管理モデル170等が格納される。
【0037】
通信部110は、他の装置と通信するための通信インターフェースである。第1取得部120は、地上の領域を特定するための識別情報に対して、上空から領域が撮像された画像が対応付けられた第1情報を取得する。第2取得部130は、識別情報に対して、地上の土壌または土壌に存在する作物の状態を示す地上情報が対応付けられた第2情報を取得する。
【0038】
情報管理部140は、識別情報をキーとして、第1情報と、第2情報とを対応付けた情報を含む情報管理モデル170を生成する。提供部150は、情報管理モデル170を参照し、利用者のリクエストに応じた情報を利用者の端末装置に提供する。
【0039】
[シーケンス]
図5は、情報処理システム1が情報管理モデル170を生成する際に実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、第1端末装置20が、第1情報を取得し(ステップS100)、取得した第1情報を情報処理装置100に送信する(ステップS102)。次に、情報処理装置100は、第1端末装置20により送信された第1情報を取得する(ステップS104)。
【0040】
図6は、第1端末装置20に表示される第1情報を入力するためのインターフェース画像IMの一例を示す図である。インターフェース画像IMには、例えば、飛行体に搭載されたカメラが画像を撮像した撮影日時や、撮影者(飛行体を管理して飛行体に画像を撮像させた利用者)、飛行体の機種名、カメラ(センサ)を識別する識別情報(カメラID)、撮像高度(m)、画像の枚数、撮影目的、区画の識別情報(場所ID)などを入力するための入力領域が含まれている。図6に示す例は、一例であり、その他にも種々の情報を入力するための入力領域が含まれていてもよい。インターフェース画像IMには、撮像高度(m)に加えて(或いは代えて)、画像が撮像された際の天候や、画像を撮像した際のカメラの各種設定状態、撮像された際の飛行体の速度など種々の撮像条件が入力される入力領域が含まれてもよい。
【0041】
第1端末装置20の利用者は、入力領域に入力領域の項目に応じた情報を入力したり、入力領域に設定されたボタン(ボタンB1-B3)を操作して入力領域の項目に応じた情報を入力したりする。入力領域にボタンが設定されている場合、ボタンが操作されると、その入力領域に入力される情報の候補が表示される。
【0042】
場所IDは、画像が撮像された位置情報に対応する圃場の区画を識別するための情報である。場所IDは、例えば、行政が管理している情報である。場所IDは、例えば、農林水産省によって提供されている情報であって、日本全国の圃場に対し固有のIDが付与された農地の区画情報(筆ポリゴンID)であってもよい。第1端末装置20が、例えば、位置情報と場所IDとが対応付けられた情報に基づいて、位置情報から場所IDを特定してもよいし、第1端末装置20が、情報処理装置100や他の装置に、位置情報に基づいて場所IDを特定させてもよい。区画を識別するための情報(地上の領域を特定するための情報)は、区画とそれを識別する情報がセットになった情報であってもよい。区画を識別するための情報は、例えば、区画の位置や範囲を示す座標と、区画を識別する識別情報がセットになった情報であってもよい。
【0043】
図5の説明に戻り、第2端末装置30が、第2情報を取得し(ステップS106)、取得した第2情報を情報処理装置100に送信する(ステップS108)。次に、情報処理装置100は、第2端末装置30により送信された第2情報を取得する(ステップS110)。次に、情報処理装置100は、第1端末装置20から取得した第1情報と、第2端末装置30から取得した第2情報とに基づいて、情報管理モデル170を生成する(ステップS112)。
【0044】
図7は、第2端末装置30に表示される第2情報を入力するためのインターフェース画像IM1の一例を示す図である。インターフェース画像IM1には、例えば、場所IDや、圃場名、入力者、施肥の情報、品種名、播種様式、栽植法、播種日、苗の種類、移植日、栽植密度などを入力するための入力領域が含まれている。第2端末装置30の利用者は、入力領域に入力領域の項目に応じた情報を入力したり、入力領域に設定されたボタン(ボタンB11-B14)を操作して入力領域の項目に応じた情報を入力したりする。入力領域にボタンが設定されている場合、ボタンが操作されると、その入力領域に入力される情報の候補が表示される。
【0045】
図8は、第2端末装置30に表示される第2情報を入力するためのインターフェース画像IM2の他の一例を示す図である。インターフェース画像IM2には、例えば、出穂期や、成熟期、収穫日、収量、倒伏、病害虫、等級、落等の要因などを入力するための入力領域が含まれている。第2端末装置30の利用者は、入力領域に入力領域の項目に応じた情報を入力したり、入力領域に設定されたボタン(ボタンB21)を操作して入力領域の項目に応じた情報を入力したりする。図7図8に示す例は、一例であり、その他にも種々の情報を入力するための入力領域が含まれていてもよい。
【0046】
上述した各インターフェース画像は、情報処理装置100が第1端末装置20に提供し、第1端末装置20の表示部に表示させてもよいし、第1端末装置20の記憶装置に記憶されたアプリケーションプログラムが第1端末装置20の表示部に表示させてもよい。
【0047】
[情報管理モデル]
図9は、情報処理装置100が生成した情報管理モデル170の一例を示す図である。情報管理モデル170は、場所IDをキーとして、第1情報と、第2情報と、場所に関する場所情報と、GCPに関するGCP情報と、調査グループに関する調査グループ情報とが対応付けられたモデルである。
【0048】
図9の例では、第1情報は、第1情報IDに対して、カメラIDや、カメラの機種、撮像目的、画像ID、飛行体ID、飛行体のメーカ、飛行体の機種、場所ID、地上調査情報IDなどの情報が対応付けられた情報である。画像IDは、空撮された画像データに対応付けられている。第2情報は、第2情報IDに対して、場所IDや、施肥、栽植、収量、生育調査などの情報が対応付けられた情報である。
【0049】
場所情報は、場所IDや、場所名、ポリゴンIDなどの情報が互いに対応付けられた情報である。ポリゴンIDは、農林水産省によって提供されている農地の区画情報であってもよい。この場合、場所IDは、一または複数のポリゴンIDを含む領域を示す情報である。
【0050】
調査グループ情報は、調査グループ、場所ID、第1情報ID、第2情報ID、GCPID(GCPの識別情報)などの情報が互いに対応付けられた情報である。GCP情報は、GCPIDや、場所ID、測位日、測位方法などの情報が互いに対応付けられた情報である。図9に示すように、第1情報、第2情報、場所情報、調査グループ情報、およびGCP情報は、場所IDによって対応付けられている。
【0051】
なお、上記の場所情報、調査グループ情報、およびGCP情報は、所定の端末装置、第1端末装置20、または第2端末装置30から情報処理装置100に提供され、記憶部160に記憶された情報である。
【0052】
情報処理装置100は、利用者のリクエストを取得した場合、情報管理モデル170を参照して、リクエストに応じた情報を利用者の端末装置(第3端末装置)に提供する。
【0053】
[シーケンス]
図10は、情報処理システム1が情報管理モデル170を利用して利用者に情報を提供する際に実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。利用者が第3端末装置に検索情報を入力すると、第3端末装置は、入力された検索情報を取得し(ステップS200)、取得した検索情報を情報処理装置100に送信する(ステップS202)。検索情報とは、検索条件を規定した情報である。
【0054】
次に、情報処理装置100は、第3端末装置により送信された検索情報を取得する(ステップS204)。次に、情報処理装置100は、検索情報を検索キーとして情報管理モデル170を検索して、取得した検索情報に応じた情報を取得する(ステップS206)。次に、情報処理装置100は、取得した検索情報に応じた情報を整理し(ステップS208)、整理した情報を第3端末装置に送信する(ステップS210)。次に、第3端末装置は、情報処理装置100により送信された情報を含む画像を表示部に表示させる(ステップS212)。整理とは、検索情報に応じた情報が第3端末装置の表示部に表示されたときに、利用者が見やすい態様で表示されるように情報を生成することである。見やすい態様とは、情報のレイアウトや、情報の表示態様(色彩や文字や画像の大きさ)が利用者にとって好適であることである。上記の整理は、第3端末装置に記憶されたアプリケーションプログラムが実行してもよい。
【0055】
以下、図11図13を参照して、第3端末装置の表示部に表示されるインターフェース画像および情報処理装置100が第3端末装置に提供する提供情報について説明する。
【0056】
図11は、インターフェース画像IM3および提供情報の一例を示す図である。画像IM3Aは、利用者が検索情報を入力する際に第3端末装置の表示部に表示された画像である。画像IM3Aには、例えば、領域AR1およびボタンB31が含まれる。領域AR1は、検索対象の場所IDを入力するための領域である。
【0057】
ボタンB31は、場所IDを入力することに代えて、地図から検索対象の場所を選択する際に操作されるボタンである。利用者がボタンB31を操作すると、表示部に地図が表示される。利用者が表示された地図を拡大または縮小して、検索対象の場所を選択すると、選択した場所の場所IDが特定され、特定された場所IDが情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、第3端末装置から場所IDを取得すると、場所IDをキーとして情報管理モデル170を検索して、場所IDに対応付けられた提供情報を第3端末装置に送信する。
【0058】
画像IM3Bは、情報処理装置100により提供される情報および情報を含むインターフェース画像である。画像IM3Bには、場所IDに対応する、画像や地上調査情報(第1情報および第2情報)が含まれる。また、画像IM3Bには、場所IDに関連付けられた他の情報を確認するためのボタンB32が含まれる。このボタンB32が操作されると、第3端末装置が、ボタンB32が操作されたことを示す操作情報を情報処理装置100に送信する。操作情報は、画像IM3Bに含まれていない情報を提供することを指示するための情報である。情報処理装置100は、操作情報を取得すると、情報管理モデル170から操作情報に応じた情報を取得し、取得した情報を第3端末装置に送信する。これにより、第端末装置の表示部には、場所IDに対応付けられた種々の情報が表示される。
【0059】
図12は、インターフェース画像IM4および提供情報の一例を示す図である。画像IM4Aは、利用者が検索情報を入力する際に第3端末装置の表示部に表示された画像である。画像IM4Aには、例えば、検索項目を入力するための一以上の領域および検索を実行するための検索ボタンが含まれる。検索項目とは、例えば、検索したい地域や、品種、移植日、収量、病害虫など第1情報または第2情報に対応する項目である。
【0060】
検索項目に所望の情報が入力され、且つ検索ボタンが操作されると、第3端末装置が検索項目に入力された情報を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、第3端末装置から検索項目に入力された情報(検索条件)を取得すると、検索条件をキーとして情報管理モデル170を検索して、検索条件を満たす場所IDを第3端末装置に送信する。検索条件を満たす場所IDとは、情報管理モデル170において、入力された情報の全てが対応付けられた場所IDである。
【0061】
画像IM4Bは、情報処理装置100により提供される場所IDおよび場所IDを含むインターフェース画像である。画像IM4Bには、検索条件を満たす場所IDが含まれる。これにより、利用者は、検索条件を満たす場所IDを認識することができる。
【0062】
また、利用者が、画像IM4Bに含まれる場所IDを示すアイコンを操作すると、場所IDに対応付けられた各種情報が第3端末装置の表示部に表示される。これにより、利用者は、場所IDに対応付けられた各種情報を認識することができる。
【0063】
図12の例では、場所IDを示すアイコンが表示部に表示されるものとして説明したが、図13に示すように、検索条件を満たす場所IDが地図情報に対応付けられた画像IM5が表示部に表示されてもよい。
【0064】
利用者は、地図を拡大することで検索条件を満たす場所を、地図上で認識することができる。また、利用者が、検索条件を満たす場所を示すアイコンを選択すると、選択したアイコンの場所に対応付けられた各種情報が表示部に表示される。このように、利用者は、地図上で検索条件を満たす場所を認識することができる。
【0065】
上述した情報処理装置100の機能の一部または全部は、利用者が利用する端末装置において実行されてもよい。この場合、端末装置の制御部がアプリケーションプログラムを実行し、情報処理装置100と協働して、上述した情報処理装置100の機能を実現する。
【0066】
以上説明した実施形態によれば、情報処理装置100が、場所IDなどの識別情報をキーとして、第1情報と、第2情報とを対応付けた情報を含むデータベースを生成することにより、利用者にとって有益な情報を提供するための支援を行うことができる。
【0067】
更に、上述した実施形態によれば、情報処理装置100が、統一的なフォーマット(項目)に対応する情報を、複数の事業者や個人等から取得することができるため、より情報が充実したデータベースをより容易に生成することができる。
【0068】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0069】
1‥情報処理システム、10‥飛行体、20‥第1端末装置、30‥第2端末装置、100‥情報処理装置、120‥第1取得部、130‥第2取得部、140‥情報管理部、150‥提供部、160‥記憶部、170‥情報管理モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13