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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ガスフロー警報器
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20241024BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F17C13/02 301Z
A61M16/00 343
A61M16/00 345
A61M16/00 305B
A61M16/00 370Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021552533
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 GB2020050542
(87)【国際公開番号】W WO2020178600
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】1903074.1
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】クーパー マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ブルデネル マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラドフォード リチャード
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06164276(US,A)
【文献】特表2009-508637(JP,A)
【文献】米国特許第05603315(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/02
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁が設けられたガス供給源と、前記ガス供給源からのガス流量を制限するガスフロー制限オリフィスと、所望の流量を選択するためのガスフロー制御ダイアルとを有し、前記ガス供給源から使用先へのガスの流れに背圧を導入するように構成可能なデバイスと、
前記デバイスへのガスフローが可能であるかを判定するように構成された供給センサと、
前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサと、
前記供給センサ及び前記圧力センサと通信し、前記デバイスへのガスフローが可能であるか及び前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定し、背圧が発生していない場合、前記ガス供給源にガスがない、前記ガス供給源に設けられた弁が開いていない、前記ガスフロー制御ダイアルが正しく設定されていない、および前記ガスフロー制限オリフィスが目詰まりしている、という状況の少なくとも1つの状況であると判断し警報状態を作動するように構成された論理回路と
を備える、ガスフロー警報装置。
【請求項2】
前記警報状態によって作動可能な警報音響器をさらに備える、請求項1に記載のガスフロー警報装置。
【請求項3】
前記論理回路がゼロ以外の供給フローを検出し、前記デバイスを横切る背圧が検知されないときに、前記警報音響器によって、可聴警報信号が生成される、請求項2に記載のガスフロー警報装置。
【請求項4】
前記論理回路が前記ゼロ以外の供給フローを検出した後、前記デバイスを横切る前記背圧が所定の時間遅延後に検知されないと、前記可聴警報信号が生成される、請求項3に記載のガスフロー警報装置。
【請求項5】
前記可聴警報信号が、IEC 60601-1-8による、高優先度酸素警報である、請求項3又は4に記載のガスフロー警報装置。
【請求項6】
前記警報音響器に電気エネルギーを供給するように構成された電気エネルギー源をさらに備え、前記論理回路が、前記警報状態が満足されるときにだけ前記警報音響器に電気エネルギーを供給するように構成される、請求項2~5のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項7】
前記デバイスがばね弁を備える、請求項1~6のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項8】
前記背圧が、ばねによって閉位置に付勢される逆止弁によって生成される、請求項に記載のガスフロー警報装置。
【請求項9】
前記デバイスが、供給制御機構の下流に配置可能である、請求項1~のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項10】
前記デバイスが、ガスフロー出口の上流に配置可能である、請求項1~のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項11】
前記デバイスによって生成される背圧が、前記背圧が50kPaより低いように選択される、請求項1~10のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項12】
前記圧力センサが圧力スイッチを備える、請求項1~11のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項13】
前記圧力センサが圧力トランスデューサを備える、請求項1~12のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項14】
ガスの流れに背圧を導入するように構成可能なデバイスと、
前記デバイスへのガスフローが可能であるかを判定するように構成された供給センサと、
前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサと、
前記供給センサ及び前記圧力センサと通信し、前記デバイスへのガスフローが可能であるか及び前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定し、そうでない場合、警報状態を作動するように構成された論理回路と、
フロー出口と流体連通するブリードオリフィスであって、前記デバイスへのガスフローを可能にする供給制御のために提供される最低流量より低い流量で、前記ブリードオリフィスを通るガスの自由な通過を可能にするように構成された、前記ブリードオリフィスと、
を備える、ガスフロー警報装置。
【請求項15】
前記ブリードオリフィスが、前記デバイスに並列に配置され、その結果、わずかな内部漏洩が、前記警報状態を開始するように前記論理回路を開始せず、前記デバイス内の残りの圧力が放出され得る、請求項14に記載のガスフロー警報装置。
【請求項16】
供給圧力が閾値を超えているかを判定するように構成された供給圧力センサをさらに備え、前記論理回路が前記供給センサ、前記圧力センサ、及び前記供給圧力センサと通信し、前記論理回路が、前記デバイスへのガスフローが可能であるか、及び供給圧力が前記閾値を超えているかを判定し、その場合に警報状態を作動させるように構成される、請求項1~15のいずれかに記載のガスフロー警報装置。
【請求項17】
弁が設けられたガス供給源と、前記ガス供給源からのガス流量を制限するガスフロー制限オリフィスと、所望の流量を選択するためのガスフロー制御ダイアルとを有し、前記ガス供給源から使用先へのガスの流れに背圧を導入するように構成可能なデバイスにおいて、前記ガス供給源からの使用先へのガスの流れに背圧を導入するようデバイスを構成するステップと、
前記デバイスへのガスフローが可能であるかを判定するように構成された供給センサを設けるステップと、
前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサを設けるステップと、
前記供給センサ及び前記圧力センサから受け取った信号から、前記デバイスへのガスフローが可能であるか及び前記デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定し、背圧が発生していない場合、前記ガス供給源にガスがない、前記ガス供給源に設けられた弁が開いていない、前記ガスフロー制御ダイアルが正しく設定されていない、および前記ガスフロー制限オリフィスが目詰まりしている、という状況の少なくとも1つの状況であると判断し警報状態を作動させるステップと
を含む、ガスフロー警報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
態様及び実施形態は、ガスフロー警報装置及びガスフロー警報方法に関する。詳細には、態様及び実施形態は、患者への送達用途で使用するための、治療用ガスフロー警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療用ガス、例えば酸素が必要な患者に、典型的には、その治療用ガスを送達機器を介して投与することができる。その送達機器は、可撓性のプラスチックチューブを介してガス源に接続されることが多く、家庭又は臨床環境で投与を行うことができる。酸素治療は、低酸素血症を患う患者のための重要な処置であってよい。
【0003】
加圧シリンダ中で供給される酸素は、緊急又は急性医療用途における、治療用ガス供給の一般的なソースである。加圧酸素シリンダは、典型的には、弁内蔵型圧力調整器(VIPR,valve integrated pressure regulator)が取り付けられたものと、シリンダ弁だけを有するものの、2つのカテゴリに入る。VIPRタイプは、流量計、例えば固定オリフィス構成を有する流量計、及び、患者についての所望の流量を選択するために使用される回転ダイアルを通常含む。シリンダ弁だけを有するシリンダは、ガスシリンダを使用できる前にガスシリンダに取り付けられる、圧力調整器又はフロー制御機能付き圧力調整器を必要とする。
【0004】
酸素治療の意図していない不送達又は酸素治療中の酸素フローの尚早な停止に関連する危険性が報告書で強調されている。それらの危険性は、典型的には、緊急又は急性医療用途において、携帯型酸素供給源、例えば加圧ガスシリンダが使用される治療用ガス送達システムに関連する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療用ガス送達システムにおいて生じる可能性がある酸素の不送達又は尚早な停止を低減させる手段を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ガスの流れに背圧を導入するように構成可能なデバイスと、デバイスへのガスフローが可能であるかを判定するように構成された供給センサと、デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサと、供給センサ及び圧力センサと通信する論理回路とを備え、デバイスへのガスフローが可能であるか及びデバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定し、そうでない場合、警報状態を作動するように回路が構成される、ガスフロー警報装置を提供する。
【0007】
第1の態様は、治療用ガス送達のためにどのタイプの加圧シリンダが使用されるかを認識する。例えば、酸素供給システムの機器の故障、汚染、及び/又は不十分な有用性によって、いくつかの危険な状況が発生する可能性がある。潜在的に危険な状況の、網羅的でないリストとしては、以下のシナリオが挙げられる。
1.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが、ダイアルを正しく設定することによって酸素フローを選択するが、ユーザが圧力ゲージを確認しなかったため、シリンダが空であるために、流れない。
2.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが、ダイアルを正しく設定することによって酸素フローを選択するが、実際にはシリンダが空であるときに、圧力ゲージが故障しており、ガスが利用可能であると示す位置で動けないために、流れない。
3.ユーザが、内蔵弁型酸素シリンダを取るが、シリンダ弁を開かない。ユーザが、ダイアルを正しく設定することによって酸素フローを選択するが、シリンダ弁が開いていないために、流れない。
4.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが酸素フローを選択するが、誤ってダイアルを設定間に設定したままにし、患者に流れない。
5.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが酸素フローを選択するが、隣接する設定間の流量を送達するつもりで、示される2つの設定間の流れを実現するために設定間にダイアルを意図的に設定する。患者への酸素フローはない。
6.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが、ダイアルを正しく設定することによって、酸素フローを選択するが、選択したフロー制御オリフィスがブロックされている結果、流れない。
7.ユーザが任意のタイプの酸素シリンダを取って、シリンダ弁を開く。ユーザが、ダイアルを正しく設定することによって、酸素フローを選択し、シリンダが十分なガスを含むことを確認するが、(例えば、残りの時間の計算間違い、識別されていないガス漏れ、及び/又は治療を経て異なる看護師部門に患者を渡すことに起因して)使用する間に酸素がなくなる。
【0008】
そのような例は、酸素シリンダからの酸素供給に関するが、これらの危険な状況のいくつかは、病院の酸素配管、液体酸素供給源、又は酸素濃縮器からの酸素の流れから酸素が供給される場合にやはりありうる。
【0009】
これらの危険な状況のいくつかの発生を減らすための1つの方法は、ガスシリンダの内容を監視して、圧力減衰を測定することによって選択した流量での残りの時間を計算することである。そのような構成の例は、例えば、EP3097343又はUS2016024542に記載されている。それらの構成は、ガスシリンダ圧力を検知する必要がある。第1の態様は、治療用ガスフローが患者に送達されているかの表示を提供するために、シリンダ圧力を連続的に監視する必要がない代替構成を提供する。すなわち、第1の態様は、ユーザにガスフロー警報を提供する簡単な機構を実現する。第1の態様は、ガス送達ライン中にガスフローがあるか、またそのガスフローは意図されているかを確認するための、簡単で安価な機構を実装することが可能であることを識別する。
【0010】
第1の態様は、ガスフロー警報装置を提供することができる。そのガスフロー警報器は、治療用ガスフロー警報器を備えることができる。警報器は、加圧ガスシリンダガスフロー警報器を備えることができる。警報器は、ガスの流れに背圧を導入するように構成可能なデバイスを備えることができる。すなわち、ガスがガスラインを通って流れるときに、デバイスを介して、そのガスフローに背圧が導入されるよう、デバイス又は要素をガスライン中に配置することができる。ガスフロー警報器は、供給センサを備えることができる。その供給センサは、デバイスへのガスフローが可能かを検知する、又は別の方法で判定するように構成することができる。言い換えると、供給センサは、ガスが供給源から、デバイスを置くことができるガスラインを通して自由に流れるかを検知するように構成される。警報器は、デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサも含むことができる。警報器は、供給センサ及び圧力センサと通信する論理回路も含むことができる。論理回路は、圧力センサ及び供給センサからの信号を受け取るように構成することができる。回路は、センサから受け取った信号に基づいて、デバイスへのガスフローが可能であるか及びデバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成することができる。デバイスへのガスフローが可能であるにも関わらず、デバイスを通した背圧が発生していないことをセンサからの信号が示す場合に、警報状態を作動するように論理を構成することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、ガスフロー警報装置は、警報状態に作動する警報音響器をさらに備える。論理回路は、前記警報と通信するように構成することができる。論理回路は、警報状態が満足されると判定されると、警報音響器の作動をトリガするように構成することができる。いくつかの実施形態では、論理回路がゼロ以外の供給フローを検出し、デバイスを横切って背圧が検知されないときに、警報音響器によって、可聴警報信号が生成される。したがって、患者へと意図されたガスフローで問題がある可能性があることを示すために、ユーザに可聴信号を提供することができる。警報状態によって、他の警報表示器をトリガできることが理解されよう。例えば、論理回路は、視覚表示器、例えば警告灯と通信することができる。いくつかの構成では、論理回路は、例えば、モバイルフォン又はタブレットなどモバイル通信デバイスといったデバイスと通信して、そのデバイスに警報表示をトリガすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、論理回路がゼロ以外の供給フローを検出した後、所定の時間遅延後にデバイスを横切って背圧が検知されないと、可聴警報信号又はユーザへの他の表示が生成される。言い換えると、警報状態は、圧力センサ及び供給センサが所定の時間期間の間警報基準を満足する場合にだけ、論理回路によってトリガすることができる。したがって、警報状態の誤検出を回避することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、可聴警報信号は、IEC 60601-1-8による、高優先度酸素警報である。
【0014】
いくつかの実施形態では、ガスフロー警報装置は、警報音響器に電気エネルギーを供給するように構成された電気エネルギー源をさらに備え、論理回路は、警報状態が満足されるときにだけ警報音響器に電気エネルギーを供給するように構成される。したがって、ガスフロー警報器は、省エネルギーであり、警報状態を検出してないときは最小エネルギーを使用することができる。そのような構成が、ガスフロー警報器の長寿命化を確実にする助けとなる。
【0015】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ガスフロー制限オリフィスを備える。いくつかの実施形態では、デバイスは、ばね弁を備える。いくつかの実施形態では、背圧は、ばねによって閉位置に付勢される逆止弁によって生成される。したがって、そのガスフローの、発生し得る流量又は流量の範囲に基づいて、ガスフローに背圧を導入するために、好適なデバイスを選択することができる。警報器が意図されるガス流量の範囲にわたってデバイスによって発生する背圧は、デバイスのいくつかの構成要素の物理パラメータを決定することができる。例えば、ばね弁の場合、オリフィスの寸法、ばね寸法、及び強度である。いくつかの実施形態では、デバイスによって生成される背圧は、背圧が50kPa又は25kPaより低いように選択される。そのような弁により、ガスフロー中にガスフロー警報構成要素が存在することによって、患者への適切な流量でのガスの送達が脅かされないことが確実になる。
【0016】
いくつかの実施形態では、デバイスは、供給制御機構の下流に配置可能である。いくつかの実施形態では、デバイスは、ガスフロー出口の上流に配置可能である。したがって、背圧を導入するデバイスは、ソースにおける主オン/オフ弁の後のガスフロー中に置かれ、そのオン/オフは、例えば患者への治療用ガスの供給に関係する。
【0017】
いくつかの実施形態では、圧力センサは、圧力スイッチを備える。いくつかの実施形態では、圧力センサは、圧力トランスデューサを備える。デバイスを横切って背圧が発生しているかを判定する任意の適切な機構又はセンサを使用できることが理解されよう。
【0018】
いくつかの実施形態では、ガスフロー警報装置は、フロー出口と流体連通するブリードオリフィスであって、デバイスへのガスフローを可能にする供給制御のために提供される最低流量より低い流量で、ブリードオリフィスを通るガスの自由な通過を可能にするように構成されたブリードオリフィスをさらに備える。いくつかの実施形態では、ブリードオリフィスは、デバイスに並列に配置され、その結果、わずかな内部漏洩は、警報状態を開始するように論理回路を開始せず、デバイス内の残りの圧力が放出される可能性がある。わずかな漏洩は、警報が開始されるのを妨げる場合があるが、ブリードオリフィスなしでは、警報を開始しないことになる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ガスフロー警報装置は、供給圧力が閾値を超えているかを判定するように構成された供給圧力センサをさらに備え、前記論理回路が供給センサ、圧力センサ、及び供給圧力センサと通信し、回路は、デバイスへのガスフローが可能であるか、供給圧力が閾値を超えているかを判定し、その場合に警報状態を作動するように構成される。いくつかの実施形態では、閾値は、低圧閾値を含む。低圧閾値は、供給シリンダの枯渇を示すことができる。低圧閾値は、供給シリンダが交換を必要とすることの指示を含むことができ、又は、シリンダ交換が緊急に必要な可能性があると示すように選択することができる。警報状態は、可聴警報又は視覚警報を含むことができ、デバイスへのガスフローが可能であり、背圧が発生されていないことを判定する回路によってトリガされる警報状態の作動の際に作動する警報状態とは異なってよく、又は同じでよい。
【0020】
第2の態様は、ガスの流れに背圧を導入するようデバイスを構成するステップと、デバイスへのガスフローが可能であるかを判定するように構成された供給センサを設けるステップと、デバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定するように構成された圧力センサを設けるステップと、供給センサ及び圧力センサから受け取った信号から、デバイスへのガスフローが可能であるか及びデバイスを通るガスの流れが背圧を発生させたかを判定し、そうでない場合、警報状態を作動するステップとを含む、ガスフロー警報方法を提供する。
【0021】
さらなる詳細で好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項の特徴は、適宜及び請求項に明示的に記載されるもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0022】
装置の特徴が、機能を実現するように動作可能なものとして記載される場合、これは、その機能を実現する、又はその機能を実現するように適合若しくは構成される装置の特徴を含むことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態は、ここで、添付図面を参照してさらに記載されることになる。
図1】一例による構成を概略的に図示する図である。
図2図1に示される構成内に含まれるものなど、ガスフロー警報装置に関連する概略的な基本回路図である。
図3図1に示される構成内で使用するための論理回路によって実装できる論理プロセスを概略的に図示する流れ図である。
図4図1に示されるような構成中の背圧を導入するためのデバイスの主な構成要素の概略断面図である。
図5】送達される体積流量に対する背圧を増加させる効果を図示する図である。
図6図1に示される構成内に含まれるものなど、ガスフロー警報装置に関連する概略的な代替基本回路図である。
図7図1に示される構成内で使用するための論理回路によって実装できる代替論理プロセスを概略的に図示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細に例を記載する前に、全体的な概要が提供される。例は、例えば2つのセンサ入力から受け取った信号に応答して警報を作動する装置を提供することが可能であることを識別する。装置は、ガス送達システムのガスフローラインの中に置くことができる。装置は、ガスフローの中に背圧を導入するように構成可能なデバイスを含むことができる。デバイスは、例えば、固定直径オリフィスなど、固定の制限、又はばね付き逆止弁又は他の可変の制限をガスフロー制限として配置される要素を含むことができ、固定又は可変の制限は、ガスフローラインの中に背圧を導入するように構成される。装置は、(i)ガスフロー制限として配置される要素を通して流れるガスに関係する背圧を検知し、それによって、制限要素を通るガスの流れを示すため、及び(ii)フロー制御ダイアルが、シリンダからの流れが可能なオン位置にあることを検知するために設けられるセンサを含むことができる。この方法では、ガス送達ライン中にガスフローがあるか、またそのガスフローは意図されているかを確認するための、簡単で安価な機構を実装することが可能である。
【0025】
そのような装置の一例は、ガスフローラインに接続可能な筐体を含むデバイスを備え、それを通して患者への送達を意図したガスが流れる。装置は、少なくとも2つのセンサ及び2つのスイッチ入力を有する警報回路をさらに備え、1つのスイッチ入力が筐体を通した背圧の検知に関連し、1つのスイッチ入力が、ガスフロー制御ダイアルがオフ位置から何らかの他の位置へと動かされたことの検知に関連する。警報回路は、フロー制御ダイアルがオフ以外の何らかの位置にあって背圧が検知されないこと、又は所定の知られている閾値より低い背圧が検知されることをセンサからの信号が示すときに、警報状態が通電されるように構成することができる。装置は、可聴音響器をさらに備え、通電される警報状態によって、例えば酸素治療が意図されたように提供されないときに、ユーザに可聴警告を提供するように可聴音響器をトリガすることができる。
【0026】
上で記載したように動作する装置は、患者への治療用ガスの流れが必要であるが未だに供給されない様々な悪い状況に対してユーザに警告できることを理解されよう。言い換えると、装置は、ガスフロー警報器として動作することができる。
【0027】
例は、ガスフローに抵抗力を故意に導入するため、ガスフロー送達ラインにデバイスを設けることができることを識別する。ガス送達ライン中の全てのデバイスがガスフローに抵抗力を導入することが理解されるであろうが、例によるデバイスは、導入される抵抗力がガス流量の範囲にわたってセンサによって検知できるレベルにあるにもかかわらず、患者へのガスの意図した流れを中断又は乱すレベルの抵抗力は導入しないことを確実にする。その抵抗力は、デバイスへのガスフローとデバイスからのガスフローの間に背圧を導入する。態様は、ガスフローへの抵抗力がデバイスを通る又はガス送達ラインに沿ったガスフローを検知する機構として利用できることを識別する。
【0028】
固定オリフィスタイプの流量計は、健康管理目的で、携帯型酸素シリンダを備えるのが一般的である。そのような流量計は、典型的には、選択ダイアル上に彫られた又は印刷された数以外に、ガスフローの何らかの表示を有さない。数は、その数が表示窓又は何らかの他の目に見える位置合わせ表示器と位置合わせされた場合に、提供される流れを示す。この環境では、記載された構成による装置が大きすぎる背圧を導入する場合、患者に酸素治療を提供するユーザは、(フロー制御オリフィスが背圧補償されるものより大きい)背圧がフローライン中に存在し、示される流れがフロー制御デバイスの規格内と規定される精度の限度内にない可能性があることについて気づかない可能性がある。このような状態は、最適ではない看護を送達する結果となる可能性がある。
【0029】
図5は、送達される体積流量に対する背圧を増加させる効果を図示する。
【0030】
最も携帯可能な酸素供給タイプに適合された酸素流量計は、フロー制御オリフィスを横切って著しい差圧で動作する。下流圧力対上流圧力の比は、流れが障害を取り除かれた状態になる臨界レベルより著しく下のレベルに維持され、そのことによって、システムは、著しい下流圧力を有する質量流量を維持するように確実に動作する。例として、フロー制御オリフィスの上流の酸素圧力が501.3kPaの絶対圧力である場合、質量流量は、265.0kPaの下流の絶対圧力まで一定を維持する。ここで、下流圧力は次式によって与えられる。
Pcritical=Pupstream*(2/(γ+1))((γ/(γ-1))
ここで、γは比熱の比(すなわち、Cp/Cv)であり、15℃での酸素では、1.3977である。
【0031】
したがって、ガスフロー警報構成要素によって導入される何らかの背圧は、流量計フロー制御オリフィスを横切って圧力を臨界未満にし、したがって障害を取り除いた状態にさせることになるレベルに下流デバイスへの利用可能圧力を低下させないよう、十分に小さくなければならない。
【0032】
図1は、一例による構成を概略的に図示する。図1に全体的に示される構成は、加圧ガスシリンダの形でガス供給源1を備える。構成は、ガスシリンダ弁2をさらに備え、ガスシリンダ弁2は、ガス供給源1、圧力調整器3及び流量計4に関する2値のオン/オフを提供するように構成される。流量計4は、供給源1からのガスの流量を変調するように構成される。図1に示される流量計4は、11個の流量及び「オフ」の位置を有する、ダイアルタイプのオリフィス流量計を備える。「オフ」位置では、供給源から患者にガスが流れることができない。他の位置のうちの1つであるとき、ガスは、ガス送達ラインに沿って患者に、又は例えばガス出口9に配置される患者送達装置に流れることが可能である。
【0033】
患者へ、又はガス出口9に配置される患者送達装置へのガスの送達に関して行われる確認を可能にすることができる装置が図1に示される。そのような装置は、「押込ボタン式」電気的マイクロスイッチ5を備え、マイクロスイッチ5は、流量計4がオフ位置にあるか、又は11個の「オン」位置のうちの1つにあるかを検出するように構成される。図1に示される構成では、装置は、供給源1から出口9へのガスの流れに背圧を導入するため使用される、ばね補助型1方向弁6をさらに備える。装置は、通常は閉であるが、圧力上昇で接点が開にされるように配置される圧力スイッチ7をも含む。図1の構成は、ブリードオリフィスをも備え、その目的は、以下でさらに記載される。
【0034】
装置は、1方向弁6だけが、それが開になる前に小さい背圧を発生するように構成される。これは、いくつかの呼吸用医療デバイスのためであって、呼吸用医療デバイスは、例えば、薬効のある空気又は薬効のある酸素ガスシリンダに接続され、著しい背圧を導入しており、それらの機能は、存在するその背圧に依存する。さらに大きい背圧を導入することによって、上流のフロー制御デバイスによって計測されるガス流量に著しい誤差がもたらされることになる。例えば、吸入するために液剤混合物をエアロゾル化するために使用されるジェット噴霧器は、典型的には、毎分6又は8リットルの標準的な体積流量で薬効のある空気及び薬効のある酸素によって駆動される。そのようなデバイスは、0.65mmの直径など、小さいオリフィスを内蔵することができ、このことによって、毎分8リットルの標準的な酸素流量で、上流の臨界フロー制御オリフィスの下流に、約155kPaの背圧が導入される。したがって、(フロー制御オリフィスの下流で発生した背圧に起因して)流れを検知する手段として設けられる装置が、25kPa超など、過剰な背圧を導入せず、その結果、上流の流量計の精度が悪影響を受けないことが重要である。
【0035】
図1に概略的に示されるものなどの装置は、ガスフロー警報器として動作するように構成することができる。装置は、背圧を発生させる手段を内蔵する。示される例では、その手段は、ばね補助型1方向弁6を備える。そのような機構は、供給源からのガスフローが毎分0.5~25リットルの範囲であり、非常に広い範囲の背圧が異なる流量の全範囲にわたって発生することがない場合に特に好適である。ばねの強度/抵抗力は、ガスフローの範囲にわたって発生した背圧の範囲が適切に検出でき、患者へのガス送達の動作に影響を及ぼさないように選択できることを理解されよう。より狭い範囲の流量に対応する必要がある可能性がある用途では、例えば、背圧を発生させる機構が、フローオリフィス又は同様のものを備えることが可能な場合がある。背圧を発生するための手段は、臨界フロー制御オリフィス(流量計4)の下流でフロー出口(ガス出口9)の上流のガスフロー経路中に配置されるように置かれることを理解されよう。
【0036】
図1に示されるガスフロー警報装置は、ガスが装置の中を流れるときに発生する背圧を検知する手段を備える。図1の構成における背圧を検知する手段は、圧力スイッチ7を備える。装置は、ユーザによってガスフローが選択されるときに、電気的マイクロスイッチ5の形で検知する手段をも備える。
【0037】
ガスフロー警報装置の構成要素は、ユーザがゼロ以外のフロー位置を選択して、すなわち、流れがゼロであることを意図していないとマイクロスイッチが決定して、背圧が圧力スイッチ7によって検知されないときに、警報状態をトリガするように構成される。装置は、音響器をさらに備えることができ、警報状態がトリガされると、可聴警報信号を発生することができる。可聴警報信号は、ユーザがゼロ以外のフロー位置を選択し、短い所定の時間遅延後に背圧が検知されないときに、発生することができる。可聴警報信号は、IEC 60601-1-8による、高優先度酸素警報を含むことができる。警報装置の長寿命化を確実にするため、電気エネルギー源は、装置が警報状態をトリガしたときにだけ警報回路に電気エネルギーを供給するように設けられて構成することができる。エネルギーの節約、したがってフロー警報装置に関係して必要な何らかのパワー源の長寿命化の目的で、様々な他の実装形態及び構成要素の構成を受け入れることができる。例えば、背圧を検出するために使用されるセンサに関して、システムへの圧力入力が圧力トランスデューサの出力から導かれる場合、その方法によるエネルギー消費を最小化させるために、出力ポーリングを採用することができる。
【0038】
図1の例では、背圧は、ばねによって閉位置に付勢される逆止弁によって生成される。フロー制御オリフィスの下流に配置されるばね補助型1方向弁は、フロー制御オリフィスを横切って塞がれた流れを維持するための要件に関連する臨界圧力より著しく低い圧力で開になるように構成される。いくつかの例では、その開圧力は約25kPaである。
【0039】
図1の例では、ガスが装置を通って流れるとき発生する背圧は、圧力スイッチによって検知される。代替の例では、背圧は、圧力トランスデューサによって検知することができる。図1に示される例では、背圧検知手段は、少なくとも2つの別個の流量の間でユーザ調整可能なオリフィス選択手段、すなわち、流量計4の下流に配置される。
【0040】
図1の例では、マイクロスイッチ5は、フロー制御ダイアルがオフ位置から回転されることによっていつフロー制御が行われたかを検出するように構成される。
【0041】
図1の例は、フロー出口9と流体連通し、フロー制御の選択可能手段によって提供される最も低い流量より低い流量でガスの自由な通過を可能にするように構成されたブリードオリフィス8を含む。ブリードオリフィスは、例えばフロー制御ダイアルが以前にガスフローを提供した後で設定間であった場合、何らかの小さい内部漏洩によって警報状態が開始されるのを妨げないように、ばね補助型逆止弁に並列に配置される。ブリード弁は、残りの圧力を放出できることをも可能にし、それによって、ガスフロー供給後に流量計がオフ位置に設定されたときに、圧力スイッチを閉にする。
【0042】
図2は、図1に示される構成内に含まれるものなど、ガスフロー警報装置に関連する基本回路図を概略的に図示する。マイクロコントローラ13は、ノーマルオープンのマイクロスイッチ14(ガス供給源、例えば加圧ガスシリンダからの流れを制御する流量計がオンになると、スイッチは閉となる)、ノーマルクローズの圧力スイッチ15(背圧が発生すると、圧力スイッチが開になる)、及びトランジスタ12と通信するように設けられる。マイクロコントローラ13は、マイクロスイッチ14及び圧力スイッチ15から受け取った信号に応じて、ラウドスピーカ11の動作を制御するように構成される。示される回路は、1つのスイッチ入力がガスフロー中の背圧の検知に関連し、1つのスイッチ入力が、ガスフロー制御ダイアルがオフ位置から何らかの他の位置へと動かされたことの検知に関連する、2つのスイッチ入力に基づいて警報回路を制御するように動作する。警報回路は、フロー制御ダイアルがオフ以外の任意の位置にあり、背圧がないこと又は予め規定され知られている閾値より低い背圧が検知されたことをセンサ14及び15からの信号が示すときに、ラウドスピーカ11が音を出す警報状態が通電されるように構成される。この方法では、図2の回路は、図1に含まれるものなど、ガスフロー警報デバイスの構成要素が、例えば、酸素治療が意図されたように提供されないときに、ユーザに可聴警告を提供することを可能にする。
【0043】
図3は、図1に示される構成内で使用するための論理回路によって実装できる論理プロセスを概略的に図示する流れ図である。上で述べたように、論理回路は供給センサ及び圧力センサと通信して設けられる。信号40は、供給センサから論理回路が受け取ることができる。信号41は、圧力センサから論理回路が受け取ることができる。論理回路は、信号41及び42に応じて、警報状態43(又は警報状態なし42)を作動するように構成される。ガス供給源がオフにされていることを供給センサが示す場合、圧力センサからの信号41にかかわらず、警報状態が作動しない。供給源がオンにされていることを供給センサが示し、デバイスを横切って背圧が存在することを圧力センサが示す場合、警報状態が作動しない。供給源がオンにされていることを供給センサが示し、デバイスを横切って背圧が存在しないことを圧力センサが示す場合、警報状態43が作動する。圧力センサは、例えば、ガスシリンダが通常使用の間になくなった可能性があること、シリンダが空である可能性があること、シリンダ弁が開でない可能性があること、流量セレクタが設定間にある可能性があること(ガスフローがない結果となる)、又はフロー制御オリフィスがブロックされている可能性があることを含む、様々な理由で背圧がないことを示す場合がある。
【0044】
図4は、図1に示されるような構成中の背圧を導入するためのデバイスの主な構成要素の概略断面図である。図4は、1つの構成によるガスフロー警報器の主な構成要素を図示する。図4は、ユーザが患者へのガスフローを設定できるガスシリンダフローセレクタ21の表示を含む。図示されるガスフロー警報器は、ガスシリンダフローセレクタ21がオフに設定されているか又はある流れが選択されているかを検知する供給センサ22を含む。背圧を導入するためのデバイスは、警報器に含まれる。図4では、デバイスは、一緒になって筐体を形成する前部本体23及び後部本体30の中に収容され、その筐体は、ガスフロー経路中に配置可能である。背圧を導入するためのデバイスは、内部本体26、逆止弁本体27、及びばね28を備える。逆止弁とばねの構成が、筐体を通るガスフローに背圧を導入する。その背圧は、圧力センサ25によって検出することができる。論理回路は、印刷回路板24上に設けられる。論理回路は、センサ22及び25と通信し、図3の流れ図にしたがって動作するように構成される。図4に示される警報装置は、偽警報状態を検出する警報の可能性を軽減できるブリードオリフィス29をも含む。
【0045】
ガスフロー警報器が供給制御オリフィスの下流に設けられる構成を記載してきたが、下流ではなく、臨界(供給制御)オリフィスの上流の調整された圧力を検知するように構成された警報装置を実装することが可能である。臨界オリフィスの上流の圧力の存在を監視するとき、フロー位置の間の設定又はオリフィスの閉塞を識別できないことを理解されよう。
【0046】
図6は、図1に示される構成内に含まれるものなど、ガスフロー警報装置に関連する代替基本回路図を概略的に図示する。図6は、図2に示される構成の発展形態を表しており、そのため、同様の部分は、同じ参照番号でラベル付けされる。図6の構成は、シリンダ圧力警報機能を含む。その機能は、圧力で作動するマイクロスイッチ70を設けることによってサポートされる。前のように、ガスフロー警報装置に関連する簡略化した回路図が示される。マイクロコントローラ13は、ノーマルオープンのマイクロスイッチ14(ガス供給源、例えば加圧ガスシリンダからの流れを制御する流量計がオンになると、スイッチは閉となる)、ノーマルクローズの圧力スイッチ15(背圧が発生すると、圧力スイッチが開になる)、及びノーマルオープンのマイクロスイッチ70(シリンダ中の圧力が例えば35バール未満など、選択値より下に低下するとスイッチは閉となる)、及びトランジスタ12と通信するように設けられる。シリンダ圧力に関連するマイクロスイッチ70は、ガス供給マイクロスイッチ14と直列で、背圧マイクロスイッチ15と並列に設けられる。マイクロコントローラ13は、マイクロスイッチ14、圧力スイッチ15、及びシリンダ圧力マイクロスイッチ70から受け取った信号に応じて、ラウドスピーカ11の動作を制御するように構成される。示される回路は、1つのスイッチ入力がガスフロー中の背圧の検知に関連し、1つの入力がシリンダ中の低圧の検知に関連し、1つのスイッチ入力が、ガスフロー制御ダイアルがオフ位置から何らかの他の位置へと動かされたことの検知に関連する、3つのスイッチ入力に基づいて警報回路を制御するように動作する。警報回路は、フロー制御ダイアルがオフ以外の任意の位置にあり、背圧がないこと若しくは予め規定され知られている閾値より低い背圧が検知されたこと及び/又は供給シリンダ中の低圧閾値を超えたと判定されたことのいずれかをセンサ14、15、及び70からの信号が示すときに、ラウドスピーカ11が音を出す警報状態が通電されるように構成される。この方法では、図6の回路は、図1に含まれるものなど、ガスフロー警報デバイスの構成要素が、例えば、酸素治療が意図されたように提供されないときに、又は、患者の供給が行われるがシリンダがほぼ枯渇しており交換する必要がある可能性があるときに、ユーザに可聴警告を提供することを可能にする。
【0047】
図7は、図1に示される構成内で使用するための論理回路によって実装できる代替論理プロセスを概略的に図示する流れ図である。図6に関係して上で述べたように、論理回路は供給センサ、背圧センサ、及びシリンダ圧力と通信して設けられる。信号40は、供給センサから論理回路が受け取ることができる。信号41は、圧力センサから論理回路が受け取ることができる。信号71は、シリンダ圧力センサから論理回路が受け取ることができる。論理回路は、信号41、42、及び71に応じて、警報状態43(又は、警報状態なし42)を作動するように構成される。ガス供給源がオフにされていることを供給センサが示す場合、背圧センサからの信号41及びシリンダ圧力センサからの信号71にかかわらず、警報状態は作動しない。供給源がオンにされていることを供給センサが示し、デバイスを横切って背圧が存在することを圧力センサが示す場合、供給警報状態は作動しない。供給源がオンにされていることを供給センサが示し、シリンダ圧力が選択された枯渇閾値より上であるとシリンダ圧力センサが示す場合、供給警報状態は作動しない。供給源がオンにされていることを供給センサが示し、デバイスを横切って背圧が存在しないことを圧力センサが示す場合、警報状態43が作動する。圧力センサは、例えば、ガスシリンダが通常使用の間になくなる可能性があること、シリンダが空である可能性があること、シリンダ弁が開でない可能性があること、流量セレクタが設定間にある可能性があること(ガスフローがない結果となる)、又はフロー制御オリフィスがブロックされる可能性があることを含む、様々な理由で背圧がないことを示す場合がある。同様に、供給源がオンにされていることを供給センサが示し、シリンダ圧力が選択された枯渇閾値より下であるとシリンダ圧力センサが示す場合、警報状態43が作動する。シリンダ枯渇と「患者へ送達されないこと」に関連する警報状態を同時にトリガするのが可能であることを理解されよう。いくつかの実施形態では、トリガされているものである警報状態の性質をユーザに伝えるように論理回路が構成される。シリンダ枯渇に関連する警報状態は、「患者へ送達されないこと」に関連する警報状態と異なる場合がある。というのは、後者に関連する改善行為は、より時間が切迫している場合があるためである。
【0048】
添付図面を参照して本発明の例示的な実施形態がここで詳細に開示されてきたが、本発明は、厳密な実施形態に限定されず、添付される請求項によって規定される本発明及びそれらの等価物の範囲から逸脱することなく、当業者が様々な変更形態及び修正形態を発明中に実施できることを理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7