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特許7576635光学対物レンズを回転させるための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】光学対物レンズを回転させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241024BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G02B21/06
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2022569122
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 US2021031662
(87)【国際公開番号】W WO2021231342
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】63/025,192
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/313,703
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロマノフスキー アナトリー
(72)【発明者】
【氏名】レオン ジェン-クエン
(72)【発明者】
【氏名】カバルディエフ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ワン チュンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトサイド ブレット
(72)【発明者】
【氏名】シュー ヂウェイ スティーブ
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-024876(JP,A)
【文献】特開平3-021810(JP,A)
【文献】特表2018-512623(JP,A)
【文献】特表2019-521368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
G01N 23/00-23/2276
G01B 11/00-11/30
H01L 21/64-21/66
G02B 19/00
G02B 21/00-21/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗視野光学系であって、
照明源、
回転対物レンズアセンブリであり、
試料から測定光を集光開口数内で集光するように構成された暗視野対物レンズであり、前記暗視野対物レンズの光軸に対して対称に対向した方位角で入射開口および出射開口を含む暗視野対物レンズ、
前記入射開口及び前記出射開口を含む前記暗視野対物レンズの少なくとも一部を前記光軸回りに回転させる回転軸受、
前記入射開口の回転角を制御する回転ドライバ、を含み、
2つ以上の照明方位角のいずれかにおいて前記入射開口を通して照明ビームで前記試料を照明するように構成された多角照明サブシステムであり、前記試料によって反射された前記照明ビームの一部が、反射された照明ビームとして前記出射開口を通して前記暗視野対物レンズから射出し、前記試料上の照明ビームの方位角は、前記回転対物レンズアセンブリを用いて前記暗視野対物レンズを2つ以上の照明方位角のいずれかに回転させることにより選択可能である、多角照明サブシステム、
前記暗視野対物レンズからの測定光の少なくとも一部を1つ以上の検出器に向けるように構成される集光サブシステム、
を含む暗視野光学系。
【請求項2】
前記入射開口は、集光開口数内の極角で前記試料に暗視野照明経路を提供する請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項3】
前記入射開口は、前記暗視野対物レンズのハウジングの一部分および前記暗視野対物レンズの少なくとも1つのレンズ素子を通って延在する請求項2に記載の暗視野光学系。
【請求項4】
前記入射開口は、集光開口数外の極角で前記試料に暗視野照明経路を提供する請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項5】
前記入射開口は、前記暗視野対物レンズのハウジングの一部分および前記暗視野対物レンズの少なくとも1つのレンズ素子を通って延在する請求項4に記載の暗視野光学系。
【請求項6】
前記測定光は、前記試料からの散乱光または回折光の少なくとも1つを含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項7】
前記多角照明サブシステムは、光軸に対して2つ以上の固定方位角を有する2つ以上の照明チャネルを含み、前記回転ドライバは、前記暗視野対物レンズを選択的に回転させて、前記2つ以上の照明チャネルを使用する測定のために、前記2つ以上の固定方位角のいずれかに前記入射開口と整列するように構成される請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項8】
前記多角照明サブシステムは、前記入射開口と位置合わせされる1つ以上の回転可能なビーム送出光学系を含み、前記1つ以上の回転可能なビーム送出光学系は、前記暗視野対物レンズとともに回転する請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項9】
前記1つ以上の回転可能なビーム送出光学系は、前記入射開口と整列する光ファイバを含む請求項8に記載の暗視野光学系。
【請求項10】
1つ以上の検出器に通信可能に結合されたコントローラをさらに含み、
前記コントローラは、
前記1つ以上の検出器から測定データを受信すること、
測定データに基づいて、前記試料に関連する1つ以上の測定値を生成すること、
を行わせるプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項11】
前記試料の角度位置を調整するための試料ステージをさらに含む請求項10に記載の暗視野光学系。
【請求項12】
光軸に対する前記試料の角度位置を示す測定値を提供する平準化センサをさらに含み、前記コントローラは、前記平準化センサからの測定値に基づいて、前記試料によって反射された前記照明ビームの部分が前記出射開口を出るように、測定中に前記試料ステージの位置を調整するように構成される請求項11に記載の暗視野光学系。
【請求項13】
前記平準化センサは、前記試料の角度位置の測定を提供する試料位置センサを含む請求項12に記載の暗視野光学系。
【請求項14】
前記平準化センサは、反射された照明ビームを受け取るように位置決めされた1つ以上の光検出器以下を含む請求項12に記載の暗視野光学系。
【請求項15】
前記暗視野対物レンズは、対称な方位角に配向された追加の入射開口および追加の出射開口を含み、前記多角照明サブシステムは、前記追加の入射開口を通して前記試料を照射するようにさらに構成される請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項16】
前記回転軸受は、ボールベアリング、エアベアリング、磁気ベアリングの少なくとも1つを含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項17】
前記回転軸受は、回転可能な部分および固定部分を含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項18】
前記暗視野対物レンズは、前記回転可能な部分に固定される請求項17に記載の暗視野光学系。
【請求項19】
前記暗視野対物レンズのハウジングの第1の部分は、回転可能な部分を含み、前記暗視野対物レンズのハウジングの第2の部分は、固定部分を含む請求項17に記載の暗視野光学系。
【請求項20】
前記入射開口または出射開口の少なくとも1つは、穴を含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項21】
前記入射開口または出射開口の少なくとも1つは、前記試料に面する前記暗視野対物レンズの端部まで延在するノッチを含む請求項1に記載の暗視野光学系。
【請求項22】
回転対物レンズアセンブリであって、
試料から測定光を集光開口数内で集光するように構成された暗視野対物レンズであり、暗視野対物レンズの光軸に対して対称的に対向した方位角で入射開口および出射開口を含み、前記入射開口を通して照明ビームを受け入れるように構成され、前記試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして出射開口を通って出射する暗視野対物レンズ、
前記入射開口及び前記出射開口を含む前記暗視野対物レンズの少なくとも一部を前記光軸回りに回転させる回転軸受、
前記入射開口の回転角度を制御するための回転ドライバであり、前記試料上の照明ビームの方位角は、回転対物レンズアセンブリを使用して前記暗視野対物レンズを選択された回転角度まで回転させることによって選択可能である回転ドライバ、
を含む回転対物レンズアセンブリ。
【請求項23】
前記入射開口は、前記集光開口数内の極角で前記試料に暗視野照明経路を提供する請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項24】
前記入射開口は、前記暗視野対物レンズのハウジングの一部分および前記暗視野対物レンズの少なくとも1つのレンズ素子を通って延在する請求項23に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項25】
前記入射開口は、前記集光開口数外の極角で前記試料に暗視野照明経路を提供する請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項26】
前記入射開口は、前記暗視野対物レンズのハウジングの一部分および前記暗視野対物レンズの少なくとも1つのレンズ素子を通って延在する請求項25に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項27】
測定光は、前記試料からの散乱光または回折光の少なくとも1つを含む請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項28】
前記回転ドライバは、前記暗視野対物レンズを任意の回転角度まで回転させるように構成される請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項29】
前記回転角度の範囲は180度である請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項30】
前記回転角度の範囲は90度である請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項31】
回転軸受は、ボールベアリング、エアベアリング、磁気ベアリングの少なくとも1つを含む請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項32】
回転軸受は、回転可能な部分および固定部分を含む請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項33】
前記暗視野対物レンズは、前記回転可能な部分に固定される請求項32に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項34】
前記暗視野対物レンズのハウジングの第1の部分は、回転可能な部分を含み、前記暗視野対物レンズのハウジングの第2の部分は、固定部を含む請求項32に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項35】
前記入射開口または出射開口の少なくとも1つは、穴を含む請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項36】
前記入射開口または出射開口の少なくとも1つは、前記試料に面する前記暗視野対物レンズの端部まで延在するノッチを含む請求項22に記載の回転対物レンズアセンブリ。
【請求項37】
暗視野測定方法であって、
試料を回転対物レンズアセンブリの暗視野対物レンズの視野に位置合わせするステップであって、前記暗視野対物レンズは、暗視野対物レンズの光軸に対して対称に対向する方位角で入射開口および出射開口を含む、ステップ、
回転ベアリングと回転ドライバで前記暗視野対物レンズを回転させて、測定のために選択された方位角に沿って入射開口を整列させるステップ、
選択された方位角で前記入射開口を通して照明ビームで前記試料を多角照明サブシステムにより照明し、前記試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして前記出射開口を通して前記暗視野対物レンズを出射するステップ、
前記暗視野対物レンズの集光開口数内で前記試料から測定光を集光するステップ、
測定光に基づいて、前記試料に関連する1つ以上の測定値を生成するステップ
を含む暗視野測定方法。
【請求項38】
前記試料を前記暗視野対物レンズの光軸に位置合わせするステップは、前記試料を平準化して、反射された反射照明ビームが出射開口を通って前記暗視野対物レンズを出射することを含む請求項37に記載の暗視野測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して光学計測に関し、より詳細には、回転光学対物レンズを使用する光学計測に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、米国仮出願63/025,192号(2020年5月15日、APPARATUS AND METHOD TO ROTATE AN OPTICAL OBJECTIVE)、Anatoly Romanovsky、Jenn-Kuen Leong、Daniel Kavaldjiev、Chunhai Wang、Bret Whiteside、およびSteve Xuという米国特許法119条(e)の利益を発明者として主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
半導体産業において使用される暗視野光学検査または計測システムは、典型的には、照明ビームの正反射を除外する試料からの集光された光に基づいて測定値を生成し、正反射された照明は、集光開口数(NA)の外側にあるか、または検出器に到達する前に遮断される。さらに、多くの光学検査または計測技法は、異なる方位角を伴う試料の照明に基づく測定を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2007/0013901号
【文献】米国特許出願公開第2011/0194176号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなシステムでは、典型的には、高集光NAを伴う対物レンズを利用して、試料(サンプル)から光を集光し、広範囲の角度にわたって試料から光を効率的に集光することが望ましい。しかしながら、対物レンズのNAを増加させることは、概して、試料と対物レンズとの間の減少する小さい間隙をもたらし、それは、集光NAの外側の入射角で試料を照射する能力を制限し得る。さらに、鏡面反射照明を遮断することによって生成される暗視野測定値は、遮断要素による望ましくない散乱鏡面反射光に悩まされ得る。したがって、高NA対物レンズを有する暗視野照明のためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
暗視野光学システムは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。例示的な一実施形態では、システムは照明源を含む。別の例示的な実施形態では、システムは回転対物レンズアセンブリを含む。別の例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、集光開口数内で試料から測定光を集光するための暗視野対物レンズを含み、暗視野対物レンズは、暗視野対物レンズの光軸に対して対称的に対向した方位角で入射開口および出射開口を含む。別の例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、光軸の周りの入射開口および出射開口を含む暗視野対物レンズの少なくとも一部の回転を可能にする回転ベアリングを含む。別の例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、入射開口の回転角度を制御するための回転ドライバを含む。別の例示的な実施形態では、システムは、2つ以上の照明方位角で入射開口を通る照明ビームで試料を照明する多角照明サブシステムを含み、試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして出射開口を通って対物レンズを出る。ここで、試料上の照明ビームの方位角は、回転対物レンズアセンブリを用いて対物レンズを2つ以上の照明方位角のいずれかに回転させることによって選択可能である。別の例示的な実施形態では、システムは、暗視野対物レンズから1つまたは複数の検出器に測定光の少なくとも一部を集光するように構成された集光サブシステムを含む。
【0007】
回転対物レンズアセンブリは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、集光開口数内で試料から測定光を集光するための暗視野対物レンズを含み、対物レンズは、暗視野対物レンズの光軸に対して対称に対向する方位角で入射開口および出射開口を含み、対物レンズは、入射開口を通して照明ビームを受け取るように構成される。ここで、試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして出射開口を通って対物レンズを出る。別の例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、光軸の周りの入射開口および出射開口を含む暗視野対物レンズの少なくとも一部の回転を可能にする回転ベアリングを含む。別の例示的な実施形態では、回転対物レンズアセンブリは、入射開口の回転角度を制御するための回転ドライバを含み、試料上の照明ビームの方位角は、回転対物レンズアセンブリを使用して対物レンズを選択された回転角度まで回転させることによって選択可能である。
【0008】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って暗視野測定方法が開示される。例示的な一実施形態では、方法は、試料を暗視野対物レンズの視野に位置合わせするステップを含み、暗視野対物レンズは、暗視野対物レンズの光軸に対して対称的に対向した方位角で入射開口および出射開口を含む。別の例示的な実施形態では、方法は、測定のために選択された方位角に沿って入射開口を位置合わせするように対物レンズを回転させるステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、選択された方位角で入射開口を通して照明ビームで試料を照射することを含み、試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして出射開口を通して暗視野対物レンズを出る。別の例示的な実施形態では、方法は、暗視野対物レンズの集光開口数内で試料から測定光を集光するステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、測定光に基づいて試料に関連する1つまたは複数の測定値を生成するステップを含む。
【0009】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る:
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の1つまたは複数の実施形態による暗視野光学システムを示す概念ブロック図である。
図1B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、暗視野測定のための照明および集光経路を示す暗視野対物レンズの概念的プロファイル図である。
図1C】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハウジング内の穴として形成された暗視野対物レンズの概念的な側面図である。
図1D】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハウジング内のノッチとして形成された暗視野対物レンズの概念的な側面図である。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による、集光NA内に暗視野照明経路を提供するための2つの暗視野開口を含む暗視野開口のレンズ要素の断面図である。
図1F】本開示の1つまたは複数の実施形態による、暗視野開口の集光NAの外側に暗視野照明経路を提供するためにハウジングの一部を通る穴として形成された暗視野開口を有する暗視野対物レンズの側面図である。
図1G】本開示の1つまたは複数の実施形態による、単一の方位角で照明を提供する単一の照明源を示す暗視野光学系の概念図である。
図2A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、90度だけ分離された2つの方位角で照明ビームを提供する2つの照明チャネルを含む暗視野光学システムの上面概念図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、回転可能な照明チャネルを含む多角照明サブシステムのプロファイル概念図である。
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による暗視野測定方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0013】
本開示の実施形態は、選択可能な方位角入射角を有する暗視野光学測定に好適な回転対物レンズアセンブリのためのシステムおよび方法を対象とする。
【0014】
暗視野光学測定は、通常、しばしば限られた角度範囲を有する照明ビームで試料を照射し、照明ビームの鏡面反射を除く角度で試料から発する光に基づいて測定値を生成することによって実行することができる。したがって、測定は散乱光および/または回折光に敏感である。例えば、暗視野画像は、試料が滑らかな場合、一般に信号を含まない(または「暗い」信号を含む)場合があり、散乱または回折の存在下で顕著な信号を示す場合がある。その結果、暗視野光学測定は、製造の様々な段階における半導体デバイスの検査及び/又は計測に一般的に使用されるが、これらに限定されない。
【0015】
一般的な意味では、暗視野構成は、鏡面反射された照明ビームを集光しないことによって、または鏡面反射された照明ビームが検出器に到達するのを阻止、方向転換、または別様に防止するために1つ以上の要素を集光アームに挿入することによってのいずれかで得ることができる。例えば、正反射光の集光は、正反射される照明ビームの部分が集光NAの外側にも位置するように、システムの集光開口数(NA)(例えば、試料からの光を集光するために使用される対物レンズのものである)の外側で試料を照明することによって回避することができる。別の例として、システムによって集光される鏡面反射照明は、通常は瞳面に配置された開口又はミラーによって遮断又は方向転換されてもよい。
【0016】
鏡面反射光の集光を回避することは、限定はしないが、小さい欠陥から測定可能な信号を提供するために高強度照明を使用する平滑なパターン化されていないウェハ上の欠陥検査など、高感度を必要とする特定の用途にとって好ましい場合があることが本明細書で企図される。例えば、ブロッカーまたは高強度鏡面反射を遮断または方向転換することが意図される他の要素は、それにもかかわらず、測定の感度を低下させ得る、望ましくない散乱を生成し得る。このノイズ源は、鏡面反射照明が単に集光されない場合には存在しない。
【0017】
しかしながら、照明および鏡面反射照明がシステムの集光NAの完全に外側にある構成は、達成可能な集光NAを制限し得る。例えば、対物レンズの集光NAが大きくなると、対物レンズと試料との間のクリアランスは一般に小さくなる。NAが空気中で1に近づくにつれて、集光NAの外側の角度での試料の照明は、ますます困難になり、時には非実用的になる。
【0018】
本開示の実施形態は、中心光軸の周りに対称に対向する方位角で少なくとも1対の暗視野開口を有する暗視野対物レンズ(例えば、暗視野対物レンズ)を対象とする。このような暗視野対物レンズは、試料からの光を集光開口数(NA)内に集光することができ、さらに、照明ビームが試料に到達するための経路と、照明ビームの正反射部分が暗視野対物レンズを出るための経路とを提供するための暗視野開口を含むことができる。このようにして、試料からの正反射光は、暗視野対物レンズによって集光されず、暗視野動作は、反射照明を遮断する必要なく達成され、これは、システム内のビーム遮断器による反射照明ビームのスプリアス(偽)反射からのノイズを排除する。例えば、暗視野開口の対は、対称的に対向する方位角で入射開口及び出射開口を含むことができる。入射開口および出射開口は、同じ極角(例えば、光軸に対して測定される)または仰角(例えば、光軸に垂直な平面に対して測定される)を有してもよいが、そうである必要はない。例えば、共通の極角を有する入射開口及び出射開口は、平坦で平準な試料と共に使用するのに好適であり得る。しかしながら、非平坦または平準化されていない試料からの鏡面反射に適応するために、異なる極角で、または異なる形状(例えば、細長い形状)を伴う出射開口を有することが望ましくあり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、暗視野開口は、照明ビームおよび鏡面反射ビームの経路が集光NAの外側にあるように配置される。例えば、暗視野開口は、そうでなければアクセスできないであろうハウジングの一部を通る経路を提供することができる。いくつかの実施形態では、暗視野開口は、照明ビームおよび鏡面反射ビームの経路が集光NA内にあるように配置される。この構成では、集光NAは、暗視野開口に関連する方位角においてわずかに低減される。しかしながら、この構成は、全体的な感度を改善するために、他の方位角において増加した(例えば、最大化された)集光NAを可能にし得る。この構成はまた、鏡面反射角に近い角度で散乱光を集光することができ、したがって、照明のわずかな偏差のみを誘発する多くの小さい欠陥に対して非常に敏感であり得る。
【0020】
本明細書では、そのような暗視野対物レンズを使用して複数の方位角で暗視野測定値を提供することが望ましい場合があることがさらに企図される。例えば、ベア半導体ウェハ以外の表面を検査するとき、表面粗さは、レーザ照明が、コントラストを低減し、測定感度を制限し得る(例えば、検出器平面における)スペックルパターンを誘発し得るように、支配的なノイズ源になり得る。しかしながら、このスペックル誘発コントラスト低減は、異なる方位角での照明で生成された複数の測定値(関連するスペックルパターンを有する)を平均化することによって克服することができる。多方向照明は、概して、米国特許9,176,072号(2015年11月3日)及び米国特許10,739,275号(2020年8月11日)で説明され、両方とも、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。
【0021】
一般的な意味で、暗視野対物レンズは、複数の方位角または極角での照明を提供するために、任意の数の暗視野開口を有し得る。しかしながら、暗視野開口の数を増加させることはまた、コスト、製作の複雑さを増加させ、集光NAを減少させ得、望ましくない散乱の可能性を増加させ得る。いくつかの実施形態では、暗視野測定システムは、暗視野対物レンズの回転を提供し、暗視野開口(例えば、入射開口)を選択された方位角に整列させ、選択された方位角における測定を可能にするための回転軸受を含む。このようにして、対称的に対向した暗視野開口の単一の対を有する暗視野対物レンズを使用して、複数の方位角からの照明による複数の測定を達成することができる。さらに、そのようなシステムは、変化する表面平滑度を有する広範囲の試料に対する高感度測定に適し得る。
【0022】
本開示のさらなる実施形態は、回転対物レンズアセンブリと、選択された方位角で試料を照明することを提供する多角照明サブシステムとを含む暗視野測定システムを対象とする。一実施形態では、多角測定サブシステムは、固定方位角に配置された静的照明構成要素を含む。このようにして、固定方位角における測定は、暗視野対物レンズを回転させて暗視野開口を固定方位角に位置合わせすることによって提供することができる。別の実施形態では、多角照明サブシステムは、回転可能な照明構成要素を含む。例えば、多角照明サブシステムは、暗視野対物レンズが回転されるときに入射開口との位置合わせを維持することができる1つまたは複数のビーム送出構成要素(例えば、光ファイバ、自由空間コンポーネント等である)を含むことができる。このようにして、任意の選択された方位角で測定を実行することができる。
【0023】
本開示のさらなる実施形態は、一対の暗視野開口に対して試料を平準化するための試料平準化サブシステムを対象とする。平準化サブシステムは、試料の位置および/または傾斜を調整して、入射開口を通る照明ビームの鏡面反射が出射開口と正確に位置合わせされ、位置合わせされていないときに対物レンズの一部分上での照明ビームの反射の散乱に起因する潜在的なノイズが軽減されるようにすることができる。例えば、平準化サブシステムは、照明ビームの反射を監視するための平準化センサと、必要に応じて試料の少なくとも先端または傾斜を調整するための調整可能な試料ステージとを含み得る。
【0024】
ここで図1A図3を参照すると、回転可能な対物レンズを用いた選択された方位角における計測のためのシステムおよび方法が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0025】
図1Aは、本開示の1つまたは複数の実施形態による暗視野光学システム100を示す概念ブロック図である。
【0026】
一実施形態では、暗視野光学システム100は、2つ以上の方位角で照明を提供する多角照明サブシステム102と、多角照明サブシステム102と整合するように、少なくとも1対の対称対向暗視野開口108を伴う暗視野対物レンズ106を回転させる回転対物レンズアセンブリ104と、暗視野対物レンズ106の集光NA内に集光された試料112からの光を捕捉するための検出器110を含む。例えば、対称的に対向した暗視野開口108の対は、多角照明サブシステム102から試料112への照明のための遮られない経路を提供する入射開口と、試料112によって反射される照明の一部のための遮られない経路を提供する出射開口とを含み得る。
【0027】
暗視野測定は、暗視野対物レンズ106を回転対物レンズアセンブリ104と共に回転させて、暗視野対物レンズ106の入射開口として動作する暗視野開口108を選択された方位角に位置合わせし、関連する測定光を集光することによって、多角照明サブシステム102によってアドレス指定可能な任意の方位角からの照明を用いて実行することができる。例えば、回転対物レンズアセンブリ104は、暗視野対物レンズ106の回転を駆動または別様に制御するために、回転軸受114および関連回転ドライバ116を含んでもよい。
【0028】
ここで図1B図1Fを参照すると、暗視野対物レンズ106の種々の非限定的構成および設計が、本開示の1つ以上の実施形態に従って説明される。図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、暗視野測定のための照明および集光経路を図示する、暗視野対物レンズ106の概念的側面図である。図1C図1Dは、暗視野開口108の種々の非限定的設計を図示するように、その光軸118の周囲で90度回転された図1Bの暗視野対物レンズ106の概念的側面図である。
【0029】
一実施形態では、暗視野開口108は、暗視野対物レンズ106のハウジング120内のクリアリングとして形成され、選択された極角124で試料112へ又はそこから遮られない暗視野照明経路122を提供する。例えば、図1Bに示すように、暗視野開口108は、ハウジング120の外径から、試料112の近くのハウジング120の測定端部126まで延在することができる。図1Bはさらに、照明ビーム128および反射照明ビーム130(例えば、照明ビーム128の一部は、試料112によって反射される)の両方のための暗視野照明経路122を提供するための一対の対称的に対向した暗視野開口108(ここではX軸に沿って分布する)を示す。この構成では、暗視野照明経路122は、暗視野対物レンズ106の作動距離(例えば、試料112が配置される場所である)で光軸118と交差し得る。照明ビーム128で試料112を照明すると、測定光132(例えば、散乱光及び/又は回折光)は、暗視野対物レンズ106の集光NA134内に集光され得る。
【0030】
暗視野開口108は、限定はしないが、穴、ノッチ、またはくぼみなど、暗視野対物レンズ106のハウジング120の少なくとも一部を通る、遮られていない暗視野照明経路122を提供するのに適した任意の形状、構成、または設計を有し得る。図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、筐体120内の穴として形成される暗視野対物レンズ106の概念的側面図である。そのような穴は、限定されないが、穿孔等の製作手段によって形成されてもよい。さらに、そのような穴は、暗視野照明経路122に沿って任意の選択された直径または変動する直径を有し得る。例えば、暗視野開口108は、集束照明ビーム128または発散反射照明ビーム130の変化する直径に近づくように半径方向位置の関数として増加する直径を有することができるが、その必要はない。円形の穴として示されているが、暗視野開口108は、概して任意の形状を有し得る。図1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、筐体120内のノッチとして形成される暗視野対物レンズ106の概念的側面図である。さらに、入射開口として使用するように構成された暗視野開口108は、出射開口として使用するように構成されたものと同じまたは異なるサイズおよび/または形状を有することができる。このようにして、サイズおよび/または形状は、光の特定の使用または予期される分布のために調整されてもよい。例えば、サイズおよび/または形状は、試料112からの散乱光の予想される分布(例えば、予想される欠陥タイプからの測定光132の分布など)に合わせて調整することができる。
【0031】
暗視野開口108は、光軸118に対して任意の選択された極角124で暗視野照明経路122を提供するように形成され得る。一実施形態では、極角124は、暗視野開口108の集合NA134内にあるように構成される。例えば、暗視野開口108は、ハウジング120を通るクリアリングと、暗視野開口108の1つまたは複数のレンズ要素とを含むことができる。図1Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、集光NA134内に暗視野照明経路122を提供するように、2つの暗視野開口108を含む、暗視野開口108のレンズ要素136の断面図である。本明細書では、集光NA134内の極角124を有する暗視野照明経路122は、照明ビーム128および/または反射照明ビーム130に近い角度での測定光132の集光を容易にし得ることが企図される。非限定的な例として、欠陥検査に使用される場合、浅いバンプ、ディボット、またはスクラッチなどであるがこれらに限定されない特定の欠陥は、反射された照明ビーム130の近くで光を散乱させ得る。したがって、集光NA134内に極角124を有する暗視野照明経路122を提供する暗視野開口108は、そのような欠陥に関連する測定光132の集光を容易にすることができ、したがって、そのような欠陥の高感度検出を提供することができる。しかしながら、図1Dにおけるレンズ要素136の図は、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、暗視野対物レンズ106は、概して、選択された集光NA134内で光を集光するための任意の好適な設計を有し得る。したがって、暗視野開口108は、任意の数のレンズ要素136またはその副要素を通過してもよい。
【0032】
別の実施形態では、極角124は、暗視野開口108の集合NA134の外側にあるように構成される。このようにして、暗視野開口108の存在は、集光NA134を制限しないことがある。図1Fは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、暗視野開口108の集光NA134の外側に暗視野照明経路122を提供するためにハウジング120の一部を通る穴として形成された暗視野開口108を有する暗視野対物レンズ106の側面図である。しかしながら、図1Fにおける暗視野対物レンズ106の図は、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。図1Bおよび1Cの図と同様に、集光NA134の外側に暗視野照明経路122を提供するように筐体120を通して形成される暗視野開口108は、穴またはノッチを含むが、それらに限定されない、任意の好適なサイズまたは形状を有してもよい。
【0033】
再び図1A図1Fを全体的に参照すると、回転対物レンズアセンブリ104は、本開示の1つまたは複数の実施形態に従ってより詳細に説明される。
【0034】
一般的な意味で、暗視野対物レンズ106は、任意の数の方位角または極角で、任意の数の暗視野開口108、またはそれらの対称的に対向した対を有し得る。しかしながら、本明細書では、暗視野対物レンズ106内の暗視野開口108の数を制限しながら、自由に選択可能な方位角での照明を伴う測定または2つ以上の選択された方位角での照明を伴う複数の測定を同時に提供することが望ましい場合があることが企図される。例えば、暗視野開口108の数を増やすと、暗視野対物レンズ106を製造するコスト及び/又は複雑さも増す場合がある。別の例として、集光NA134(例えば、図1Eに関して説明した通りである)内の暗視野開口108は、少なくとも関連する方位角に対して測定光132の集光を必然的に制限することができる。このようにして、暗視野開口108の数を増やすことは、減少した信号に起因して測定感度を低下させ得る。別の例として、暗視野開口108は、それ自体が測定光132を散乱させるか、さもなければ歪ませる可能性があり、これが測定にノイズを導入する可能性がある。
【0035】
したがって、回転対物レンズアセンブリ104内の回転軸受114は、暗視野対物レンズ106を回転させて、暗視野開口108を試料112の照明のために選択された方位角に位置合わせすることができる。回転軸受114は、暗視野対物レンズ106を中心光軸118の周りで回転させるのに適した任意の構成要素またはいくつかの構成要素を含むことができる。
【0036】
回転軸受114は、機械軸受(例えば、メカニカルボールベアリング等である)または非接触軸受(例えば、エアベアリング、磁気ベアリング等である)等であるが、それらに限定されない、暗視野対物レンズ106の少なくとも一部分の回転を提供するために好適な任意の種類の軸受を含んでもよい。一実施形態では、回転軸受114は、固定部分138および回転可能な部分140を含み、回転可能な部分は、暗視野対物レンズ106に搭載されるか、またはそれと統合され、固定部分は、暗視野対物レンズ106を暗視野光学システム100内に固定するために好適である。
【0037】
一実施形態では、回転軸受114は、暗視野対物レンズ106とは別個の専用構成要素として提供される。例えば、回転軸受114は、回転対物レンズマウントを含むか、または回転対物レンズマウントとして形成されてもよく、回転可能な部分は、暗視野対物レンズ106全体が回転され得るように、暗視野対物レンズ106を受容および固定するように構成される。さらに、回転軸受114またはその様々な構成要素は、暗視野対物レンズ106を固定または接続するのに適した任意の設計を有し得る。例えば、図1Bは、回転可能な部分140が暗視野対物レンズ106の直径以上の直径を有する内側リング142と、内側リング142から延びる少なくとも1つのリップ144とを含む非限定的な構成を示す。この構成では、暗視野対物レンズ106は、回転軸受114の内輪142以下の直径を有する下部本体146と、暗視野対物レンズ106の取付延長部148がリップ144上に載ることができるように下部本体146から延びる取付延長部148とを含むことができる。図1Bに示す内側リング142は、内側リング142の両端に2つのリップ144をさらに含む。このようにして、固定部138は、2つのリップ144の間の間隙内に少なくとも部分的に延在して、機械的安定性を提供することができる。暗視野対物レンズ106は、限定はしないが、1つまたは複数の止めねじまたは圧縮リングを含む、当技術分野で知られている任意の技法を使用して、回転可能な部分140(たとえば、内側リング142)に固定され得る。
【0038】
別の実施形態では、回転軸受114の少なくとも一部分は、暗視野対物レンズ106と統合される。例えば、暗視野対物レンズ106のハウジング120またはその一部は、回転軸受114の回転可能な部分140に取り付けられ得るか、またはそうでなければ形成され得る。ハウジング120の追加の部分は、次いで、固定部分138に取り付けられ得るか、または別様に形成され得る。この構成では、種々の駆動構成要素はまた、暗視野対物レンズ106内に統合されてもよく、暗視野対物レンズ106に結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0039】
別の実施形態では、回転対物レンズアセンブリ104は、回転軸受114を駆動するための回転ドライバ116を含む。例えば、回転ドライバ116は、機械的軸受を駆動するための1つ以上の歯車、磁気軸受を回転させるための磁気ドライバ、または同等物を含んでもよいが、それらに限定されない。回転ドライバ116は、暗視野対物レンズ106の動きおよび位置を制御するための1つまたは複数のアクチュエータ、ドライバ、および/または制御回路をさらに含み得る。一般的な意味で、暗視野開口108(例えば、入射開口)を測定のために選択された方位角に位置合わせするために暗視野対物レンズ106の少なくとも一部分を回転させる任意の手段は、本開示の精神および範囲内である。
【0040】
ここで図2Aおよび2Bを参照すると、多角照明サブシステム102が、本開示の1つ以上の実施形態に従って、より詳細に説明される。
【0041】
一実施形態では、多角照明サブシステム102は、限定されないが、45度、90度、または180度等の1つ以上の固定方位角で照明ビーム128を提供するように配向される、2つ以上の固定角度照明チャネル202を含む。図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、90度だけ分離された2つの方位角で照明ビーム128を提供する2つの照明チャネル202を含む暗視野光学システム100の上部概念図である。この構成では、XおよびY方向に沿った照明に基づく暗視野測定は、暗視野対物レンズ106を2つの方位角に順次回転させ、測定のために各角度で測定光132を集光することによって、暗視野開口108(例えば、入射開口および出射開口)の単一の対を含む暗視野対物レンズ106を用いて効率的に生成され得る。
【0042】
別の実施形態では、多角照明サブシステム102は、照明ビーム128を生成するための少なくとも1つの照明源204を含む。一実施形態では、各照明チャネル202は、別個の照明源204を含む。別の実施形態では、照明源204は、照明ビーム128を2つ以上の照明チャネル202に提供する。
【0043】
照明源204は、少なくとも1つの照明ビーム128を提供するのに適した任意のタイプの照明源を含むことができる。照明ビーム128は、真空紫外放射(VUV)、深紫外放射(DUV)、紫外(UV)放射、可視放射、または赤外(IR)放射を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の選択された波長の光を含むことができる。照明源204は、選択された波長の任意の範囲を含む照明ビーム128をさらに生成することができる。別の実施形態では、照明源204は、同調可能スペクトルを有する照明ビーム128を生成するためのスペクトル同調可能照明源を含んでもよい。
【0044】
一実施形態では、照明源204はレーザ源である。例えば、照明源204は、限定はしないが、1つまたは複数の狭帯域レーザ源、広帯域レーザ源、スーパーコンティニュームレーザ源、白色光レーザ源などを含むことができる。これに関して、照明源204は、高いコヒーレンス(例えば、高い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明ビーム128を提供することができる。別の実施形態では、照明源204は、レーザ維持プラズマ(LSP)源を含む。例えば、照明源204は、限定はしないが、LSPランプ、LSPバルブ、またはレーザ源によってプラズマ状態に励起されると広帯域照明を放出することができる1つまたは複数の要素を収容するのに適したLSPチャンバを含むことができる。別の実施形態では、照明源204はランプ源を含む。例えば、照明源204は、限定はしないが、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含むことができる。これに関して、照明源204は、低コヒーレンス(例えば、低い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明ビーム128を提供することができる。
【0045】
照明源204は、任意の時間プロファイルを有する照明ビーム128をさらに生成することができる。例えば、照明源204は、連続照明ビーム128、パルス照明ビーム128、又は変調照明ビーム128を生成することができる。加えて、照明ビーム128は、自由空間伝搬または誘導光(例えば、光ファイバ、ライトパイプ等である)を介して照明源204から送出されてもよい。
【0046】
図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、回転可能な照明チャネル202を含む多角照明サブシステム102のプロファイル概念図である。一実施形態では、回転可能な照明チャネル202は、暗視野対物レンズ106の方位角にかかわらず、暗視野開口108(例えば、入射開口)を通して照明ビーム128を方向付けるように位置合わせされた1つまたは複数の回転可能なビーム送出光学系206を含む。例えば、回転可能なビーム送出光学系206またはその一部は、暗視野対物レンズ106の回転部分に(例えば、マウント208を用いて)固定することができる。この構成では、暗視野測定は、暗視野対物レンズ106および回転ビーム送出光学系206を選択された方位角まで回転させ、選択された方位角で試料112に照明ビーム128を向け、暗視野対物レンズ106の集光NA134内に測定光132を集光することによって、任意の選択された方位角での照明で実行することができる。
【0047】
回転可能なビーム送出光学系206は、任意の選択された方位角で暗視野開口108を通して照明ビーム128を方向付けるのに適した当技術分野で公知の任意の光学素子を含むことができる。さらに、回転可能なビーム送出光学系206は、暗視野対物レンズ106に対して固定され得るか、または暗視野対物レンズ106とともに回転し得る照明源204からの照明ビーム128を含むか、または受け取り得る。例えば、図2Bは、光ファイバ210と、照明源204から照明ビーム128を受け入れ、暗視野開口108を通して照明ビーム128を方向付けることができる出力集束器212とを含む回転ビーム送出光学系206の非限定的な構成を示す。
【0048】
しかしながら、図2Aおよび2Bは、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、暗視野光学システム100は、任意の数の専用照明チャネル202または任意の数の固定角度照明チャネル202を含み得る。さらに、図2Bは照明ビーム128のみを示すが、図2Bの暗視野対物レンズ106は、反射された照明ビーム130が伝搬し得る(例えば、図1Bに示すように)追加の暗視野開口108を含み得ることを理解されたい。
【0049】
再び図1A図1Bを参照すると、暗視野光学システム100の様々な追加の構成要素が、本開示の1つまたは複数の実施形態に従ってより詳細に説明される。
【0050】
一実施形態では、平準化サブシステム152は、試料112の少なくとも角度位置(例えば、先端および傾斜)を調整するのに適した試料ステージ150を含む。このようにして、試料112の角度位置は、反射された照明ビーム130が測定の前に暗視野開口108(例えば、出射開口)を通って暗視野対物レンズ106を出るように調整することができる。例えば、試料112の上面は、反射された照明ビーム130が暗視野開口108を通って暗視野対物レンズ106を出ることを確実にするために、測定の前に試料112が正確に位置合わせされる必要があり得るように、(意図的または非意図的に)湾曲され、パターン化され、または他の方法で公称状態から逸脱され得る。
【0051】
一実施形態では、暗視野光学システム100は、自動プロセスを使用して、反射された照明ビーム130が暗視野開口108を通して暗視野対物レンズ106を出ることを提供するように、試料112の角度位置を監視および制御するための平準化サブシステム152を含む。例えば、平準化サブシステム152は、試料112及び/又は反射照明ビーム130を監視するための平準化センサ154を含むことができる。
【0052】
一実施形態では、図1Bに示すように、平準化センサ154は、暗視野開口108を通して反射された照明ビーム130を受け取るように位置決めされた1つまたは複数の光検出器を含む。例えば、平準化センサ154は、暗視野開口108を通って伝搬する反射照明ビーム130のパワーを監視するためのパワー監視センサを含むことができる。このようにして、試料112は、暗視野開口108を通して相対最大電力を提供するように位置合わせされ得る。別の例として、平準化センサ154は、位置感知光学検出器を含んでもよい。このようにして、反射照明ビーム130の位置を監視することができ、反射照明ビーム130が適切な位置に配置されるようにすることによって試料112を位置合わせすることができる。
【0053】
別の実施形態では、図1Bにさらに図示されるように、平準化センサ154は、限定ではないが、近接または高さセンサ等の1つ以上の試料位置センサを含んでもよい。このようにして、平準化センサ154は、試料112の物理的配向の測定値を提供することができ、試料112は、試料112を平準化位置に配向することによって位置合わせすることができる。
【0054】
さらに、暗視野光学システム100は、任意の数またはタイプの平準化センサ154を含んでもよく、上記の例は、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0055】
別の実施形態では、暗視野光学システム100は、暗視野光学システム100の1つ以上の構成要素に通信可能に結合されたコントローラ156を含む。別の実施形態では、コントローラ156は、1つ以上のプロセッサ158を含む。たとえば、1つ以上のプロセッサ158は、メモリデバイス160またはメモリに維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。コントローラ156の1つ以上のプロセッサ158は、当技術分野で知られている任意の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ以上のプロセッサ158は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。
【0056】
コントローラ156の1つ以上のプロセッサ158は、当技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含むことができる。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ158は、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに記憶されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。一実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ158は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワークコンピュータ、または本開示全体にわたって説明されるように暗視野光学システム100とともに動作または動作するように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステムとして具現化され得る。さらに、暗視野光学システム100の異なるサブシステムは、本開示で説明するステップの少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含むことができる。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコントローラによって、または代替として、複数のコントローラによって実行され得る。さらに、コントローラ156は、共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容された1つまたは複数のコントローラを含むことができる。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組合せを、暗視野光学システム100への統合に適したモジュールとして別々にパッケージ化することができる。
【0057】
メモリデバイス160は、関連する1つ以上のプロセッサ158によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、記憶装置160は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。別の例として、メモリデバイス160は、限定はしないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリデバイス160は、1つ以上のプロセッサ158とともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることにさらに留意されたい。一実施形態では、メモリデバイス160は、1つ以上のプロセッサ158およびコントローラ156の物理的位置に対して遠隔に位置し得る。例えば、コントローラ156の1つ以上のプロセッサ158は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能な遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスしてもよい。
【0058】
コントローラ156は、暗視野光学システム100の任意の構成要素に(例えば、制御信号を通して)指示するか、またはそこからデータを受信することができる。例えば、コントローラ156は、暗視野対物レンズ106を選択された方位角まで回転させ、1つ以上の平準化センサ154からデータを受信するように回転対物レンズアセンブリ104に指示することができる。反射された照明ビーム130が暗視野開口108を通って暗視野対物レンズ106を出るように試料112を配向するように試料ステージ150に指示し、検出器110から測定データを受信し、および/または測定データに基づいて計測測定値を生成する。
【0059】
一実施形態では、暗視野光学システム100は、コントローラ156に通信可能に結合されたユーザインターフェース162を含む。一実施形態では、ユーザインターフェース162は、限定はしないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含むことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース162は、暗視野光学システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース162のディスプレイは、当技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含んでもよいが、それらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース162と統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実装に好適であることを認識するはずである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース162のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されるデータに応答して、選択および/または命令を入力してもよい。
【0060】
ここで図1Aおよび図1Fを参照すると、暗視野光学システム100は、当技術分野で知られている任意のタイプの光学システムを含むか、またはそのような光学システムとして構成され得ることが本明細書で企図される。一実施形態では、暗視野光学システム100は、ベア半導体ウェハ、1つ以上の膜を含むウェハ、またはパターン化ウェハ等であるが、それらに限定されない、試料112上の欠陥を識別および/または特徴付けるために好適な検査システムである。別の実施形態では、暗視野光学システム100は、限定はしないが、1つ以上の試料層上のフィーチャ間のオーバーレイ誤差、フィルム層の厚さ、フィルム層の組成、または1つ以上のフィーチャの限界寸法(CD)など、試料112の1つ以上の態様を示す1つ以上の計測測定値を生成するのに適した計測システムである。
【0061】
さらに、暗視野光学系100は、撮像モードまたは非撮像モードで動作することができる。例えば、撮像モードで動作する暗視野光学システム100は、暗視野光学システム100内の任意の好適な平面に位置し得る、画像を捕捉するために好適な少なくとも1つの検出器110を含んでもよい。例えば、視野平面に配置された検出器110は、試料112上の1つ以上の特徴の画像を生成することができる。別の例では、瞳面における検出器110は、試料112からの測定光132の角度分布を表す画像を生成することができる。別の例として、非結像モードで動作する暗視野光学システム100は、1つ以上の単一画素検出器110を含むことができる。
【0062】
図1Gは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、単一の方位角で照明を提供する単一の照明源204を示す暗視野光学系100の概念図である。
【0063】
一実施形態では、照明源204は、照明経路164を介して試料112に照明ビーム128を向ける。照明経路164は、照明ビーム128を修正及び/又は調整するのに適した1つ以上のレンズ166又は追加の照明光学部品168を含むことができる。例えば、1つ以上の照明光学構成要素168は、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のシャッタ(例えば、機械的シャッタ、電気光学シャッタ、音響光学シャッタなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。別の例として、1つ以上の照明光学部品168は、試料112上の照明の角度を制御するための開口絞りおよび/または試料112上の照明の空間範囲を制御するための視野絞りを含むことができる。一例では、照明経路164は、試料112のテレセントリック照明を提供するために、暗視野対物レンズ106の後焦点面に共役な平面に位置する開口絞りを含む。
【0064】
別の実施形態では、検出器110は、集光経路170を通して測定光132を捕捉するように構成される。例えば、集光経路170は、暗視野対物レンズ106と、随意に、1つ以上の追加の集光経路レンズ172とを含んでもよい。これに関して、検出器110は、試料112から反射または散乱された(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介する)、または試料112によって生成された(例えば、照明ビーム128の吸収に関連するルミネッセンスなど)放射を受信することができる。
【0065】
集光経路170はさらに、暗視野対物レンズ106によって集光された照明を方向付けるおよび/または修正するための任意の数の集光光学構成要素174を含んでもよく、1つ以上の集光経路レンズ172、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、または1つ以上のビームブロックを含むが、それらに限定されない。加えて、集光経路170は、検出器110上に結像される試料112の空間的広がりを制御するための視野絞り、または検出器110上に画像を生成するために使用される試料からの照明の角度広がりを制御するための開口絞りを含んでもよい。別の実施形態では、集光経路170は、試料のテレセントリック撮像を提供するために、暗視野対物レンズ106の光学素子の後焦点面に共役な平面に位置する開口絞りを含む。
【0066】
検出器110は、試料112から受けた照明を測定するのに適した、当技術分野で知られている任意のタイプの光検出器を含むことができる。例えば、検出器110は、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、光電子増倍管(PMT)アレイ、またはアバランシェフォトダイオード(APD)アレイ等であるが、それらに限定されない、静的試料112の1つ以上の画像(例えば、静的動作モードである)を生成するために好適なセンサを含んでもよい。さらに、検出器110は、限定はしないが、マルチタップCMOSセンサを含む、ピクセル当たり2つ以上のタップを有するマルチタップセンサを含み得る。この点に関して、マルチタップピクセル内の電荷は、ピクセルへの1つまたは複数の駆動信号に基づいて、露光ウィンドウ中に任意の選択されたタップに向けられ得る。したがって、マルチタップピクセルのアレイを含むマルチタップセンサは、単一の読み出しフェーズ中に、各々が関連付けられたピクセルの異なるタップに関連付けられた複数の画像を生成することができる。さらに、本開示の目的のために、マルチタップセンサのタップは、関連付けられたピクセルに接続された出力タップを指し得る。この点に関して、マルチタップセンサの各タップを(例えば、読み出しフェーズにおいて)読み出すことは、別個の画像を生成することができる。
【0067】
別の例として、検出器110は、運動中の試料112の1つ以上の画像を生成するのに適したセンサ(例えば、走査動作モード)を含むことができる。例えば、検出器110は、画素の行を含むラインセンサを含んでもよい。この点に関して、暗視野光学系100は、測定視野を通してピクセル行に垂直な走査方向に試料112を平行移動させ、連続露光ウィンドウ中にラインセンサを連続的に計時することによって、1行ずつ連続画像(例えば、ストリップ画像)を生成することができる。
【0068】
別の例では、検出器110は、複数の画素行および読み出し行を含むTDIセンサを含み得る。TDIセンサは、クロッキング信号が、電荷が画像の行が生成される読み出し行に到達するまで、あるピクセル行から次のピクセル行に電荷を連続的に移動させ得ることを除いて、ラインセンサと同様に動作し得る。電荷転送(例えば、クロック信号に基づく)を走査方向に沿った試料の動きに同期させることによって、電荷は、画素行にわたって蓄積し続けて、ラインセンサと比較して比較的高い信号対雑音比を提供することができる。
【0069】
別の例では、検出器110は、試料112から発する放射の波長を識別するのに適した分光検出器を含む。別の実施形態では、暗視野光学システム100は、複数の検出器110を含むことができる。
【0070】
ここで図3を参照すると、図3は、本開示の1つ以上の実施形態による暗視野測定方法300において実行されるステップを示す流れ図である。出願人は、暗視野光学システム100の文脈において本明細書で前述された実施形態および有効化技術は、方法300にまで及ぶと解釈されるべきであることに留意する。しかしながら、方法300は暗視野光学系100の構成に限定されないことにさらに留意されたい。
【0071】
一実施形態では、方法300は、試料を暗視野対物レンズの光軸に位置合わせするステップ302を含み、暗視野対物レンズは、光軸に対して対称的に対向した方位角で入射開口および出射開口を含む。例えば、ステップ302は、試料の上面が暗視野対物レンズの作動距離の位置にあり、光軸に垂直であるように試料を位置合わせすることを含むことができる。別の実施形態では、方法300は、測定のために選択された方位角に沿って入射開口を整列させるために対物レンズを回転させるステップ304を含む。暗視野対物レンズは、暗視野光学システム100に関して開示されるような回転軸受114等であるが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の技法によって回転されてもよい。別の実施形態では、方法300は、選択された方位角で入射開口を通して照明ビームで試料を照射するステップ306を含み、試料によって反射された照明ビームの一部は、反射された照明ビームとして出射開口を通して対物レンズを出る。このようにして、反射された照明ビームは、対物レンズのいかなる構成要素とも相互作用することなく暗視野対物レンズを出ることができる。この技法は、反射された照明ビームの望ましくない散乱を排除または少なくとも軽減することができ、それにより、高感度暗視野測定を容易にすることができることが本明細書で企図される。さらに、ステップ306は、任意の数の選択された方位角で測定値を提供するために繰り返され得る。別の実施形態では、方法300は、対物レンズの集光開口数内で試料から測定光を集光するステップ308を含み、対物レンズの集光開口数は、光軸を中心とすることができるが、光軸を中心とする必要はない。別の実施形態では、方法300は、測定光に基づいて試料に関連する1つ以上の測定値を生成するステップ310を含む。例えば、測定は、欠陥検査または計測測定を含み得るが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用するコンポーネント及び/又は無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用するコンポーネント及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用するコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0073】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその材料利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3