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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】駆動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20241028BHJP
   H02N 1/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
H02N11/00 Z
H02N1/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021042389
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142269
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長田 将彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃生
【審査官】北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-079406(JP,A)
【文献】特開昭61-249292(JP,A)
【文献】国際公開第2016/170684(WO,A1)
【文献】特開2006-224435(JP,A)
【文献】特開2005-188681(JP,A)
【文献】特開2018-163419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H02N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される可動部と、
前記可動部の回転方向の一方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第1アクチュエータパックと、
前記可動部の前記回転方向の他方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第2アクチュエータパックと、
前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとが、前記第1アクチュエータパック内の前記絶縁液と前記第2アクチュエータパック内の前記絶縁液とが移動可能に連結されるパイプと、
を備え
前記第1アクチュエータパックは、一端が前記可動部に直接接続され、他端が前記パイプの一端に接続され、
前記第2アクチュエータパックは、一端が前記可動部に直接接続され、他端が前記パイプの他端に接続されている、
駆動アクチュエータ。
【請求項2】
回転駆動される可動部と、
前記可動部の回転方向の一方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第1アクチュエータパックと、
前記可動部の前記回転方向の他方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第2アクチュエータパックと、
前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとが、前記第1アクチュエータパック内の前記絶縁液と前記第2アクチュエータパック内の前記絶縁液とが移動可能に連結されるパイプと、
複数のモーメントアームと、を備え、
前記第1アクチュエータパックは、一端が第1の前記モーメントアームを介して前記可動部に接続され、他端が前記パイプの一端に接続され、
前記第2アクチュエータパックは、一端が第2の前記モーメントアームを介して前記可動部に接続され、他端が前記パイプの他端に接続されている、
駆動アクチュエータ。
【請求項3】
回転駆動される可動部と、
前記可動部の回転方向の一方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第1アクチュエータパックと、
前記可動部の前記回転方向の他方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第2アクチュエータパックと、
前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとが、前記第1アクチュエータパック内の前記絶縁液と前記第2アクチュエータパック内の前記絶縁液とが移動可能に連結される複数のパイプと、
前記第1アクチュエータパックまたは前記第2アクチュエータパックの収縮による前記絶縁液を収容するバッファ部と、を備え、
前記第1アクチュエータパックは、一端が前記可動部に接続され、他端が前記複数のパイプのうちの第1のパイプの一端に接続され、
前記第1のパイプの他端が、前記バッファ部に接続され、
前記第2アクチュエータパックは、一端が前記可動部に接続され、他端が前記複数のパイプのうちの第2のパイプの他端に接続され、
前記第2のパイプの他端が、前記バッファ部に接続される、
駆動アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1アクチュエータパックの形状、前記第2アクチュエータパックの形状、前記パイプの形状、前記第1アクチュエータパックと前記パイプとの接続部の形状、前記第2アクチュエータパックと前記パイプとの接続部の形状のうち少なくとも1つは、前記絶縁液の粘性に基づく、
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の駆動アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとは、前記可動部に対して拮抗して配置されている、
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の駆動アクチュエータ。
【請求項6】
前記パイプは、
当該パイプの途中に、前記第1アクチュエータパックまたは前記第2アクチュエータパックの収縮による前記絶縁液を収するバッファ部を更に備える、
請求項1または請求項2に記載の駆動アクチュエータ。
【請求項7】
前記複数の電極それぞれは、
前記第1アクチュエータパック内に配置され、前記第2アクチュエータパック内に配置され、
交流の電圧が印加されることで発生する静電引力によって移動し、
前記第1アクチュエータパック及び前記第2アクチュエータパックは、
前記複数の電極に発生する静電引力によって移動することで変形する、
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の駆動アクチュエータ。
【請求項8】
前記複数の電極それぞれは、
前記第1アクチュエータパックの表面に配置され、前記第2アクチュエータパックの表面に配置され、
前記第1アクチュエータパックの表面の前記複数の電極間の電圧差に基づいて前記複数の電極が引き寄せられ、
前記第2アクチュエータパックの表面の前記複数の電極間の電圧差に基づいて前記複数の電極が引き寄せられ、
前記第1アクチュエータパック及び前記第2アクチュエータパックは、
前記複数の電極が引き寄せられることによって変形する、
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の駆動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
人間に近い環境で動作するロボットには、作業性・安定性の観点から人間に近い特性が要求されている。このため、人工筋を用いた駆動手法が検討されている。このような人工筋としては、空気圧による駆動アクチュエータが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に記載のように、関節の駆動には、伸縮性人工筋を拮抗に配置して駆動するのが一般的である。
【0003】
図13は、従来技術における伸縮性人工筋を拮抗に配置した構成例を示す図である。図13のように、駆動アクチュエータ900は、回転駆動される可動部901と、可動部の回転方向の一方に連結される第1空気圧人工筋902と、可動部の回転方向の他方に連結される第2空気圧人工筋903とを有する。図13のように可動部901を角度α傾ける場合は、第1空気圧人工筋902が伸長し、第2空気圧人工筋903が収縮する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】坂口雄紀、細田耕、“空気圧人工筋と人間型関節を装備した三次元二足歩行ロボットPneumat-BRPの開発”、ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集、2007 巻、1P1-F05(1)~1P1-F05(4)、2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、駆動アクチュエータの駆動時に伸縮性人工筋の一方が収縮することで可動部901等に接触するため、可動域を広く取れないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、可動域を広く取ることができる駆動アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータは、回転駆動される可動部と、前記可動部の回転方向の一方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第1アクチュエータパックと、前記可動部の前記回転方向の他方に連結され、絶縁液が封入され、複数の電極を有し、前記電極に電圧が印加されると形状が変化する第2アクチュエータパックと、前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとが、前記第1アクチュエータパック内の前記絶縁液と前記第2アクチュエータパック内の前記絶縁液とが移動可能に連結されるパイプと、を備える。
【0008】
(2)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記第1アクチュエータパックは、一端が前記可動部に接続され、他端が前記パイプの一端に接続され、前記第2アクチュエータパックは、一端が前記可動部に接続され、他端が前記パイプの他端に接続されているようにしてもよい。
【0009】
(3)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記第1アクチュエータパックの形状、前記第2アクチュエータパックの形状、前記パイプの形状、前記第1アクチュエータパックと前記パイプとの接続部の形状、前記第2アクチュエータパックと前記パイプとの接続部の形状のうち少なくとも1つは、前記絶縁液の粘性に基づくようにしてもよい。
【0010】
(4)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記第1アクチュエータパックと前記第2アクチュエータパックとは、前記可動部に対して拮抗して配置されているようにしてもよい。
【0011】
(5)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記パイプは、当該パイプの途中に前記絶縁液を収納するバッファ部を更に備えるようにしてもよい。
【0012】
(6)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記複数の電極それぞれは、前記第1アクチュエータパック内に配置され、前記第2アクチュエータパック内に配置され、交流の電圧が印加されることで発生する静電引力によって移動し、前記第1アクチュエータパック及び前記第2アクチュエータパックは、前記複数の電極に発生する静電引力によって移動することで変形するようにしてもよい。
【0013】
(7)また、本発明の一態様に係る駆動アクチュエータにおいて、前記複数の電極それぞれは、前記第1アクチュエータパックの表面に配置され、前記第2アクチュエータパックの表面に配置され、前記第1アクチュエータパックの表面の前記複数の電極間の電圧差に基づいて前記複数の電極が引き寄せられ、前記第2アクチュエータパックの表面の前記複数の電極間の電圧差に基づいて前記複数の電極が引き寄せられ、前記第1アクチュエータパック及び前記第2アクチュエータパックは、前記複数の電極が引き寄せられることによって変形するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
(1)~(7)によれば、第1アクチュエータパックと第2アクチュエータパックとをパイプで接続した。この結果、(1)~(7)によれば、アクチュエータパックが収縮した場合、他のアクチュエータパックへ絶縁液がパイプを介して移動できるので、可動域を広く取ることができる。
(3)によれば、アクチュエータパック内の絶縁液の移動をスムーズにすることができる。
(4)によれば、2つのアクチュエータパックが拮抗している場合であっても、他のアクチュエータパックへ絶縁液がパイプを介して移動できるので、可動域を広く取ることができる。
(5)によれば、複数のアクチュエータパックが拮抗していない場合や大きさが異なる場合であっても、他のアクチュエータパックへ絶縁液がパイプを介して移動できるので、可動域を広く取ることができる。
(6)によれば、収縮側のアクチュエータパックの膨らみが抑えられるので、可動域・駆動力を増加させることができる。
(7)によれば、伸長側のアクチュエータパックの電圧をオン状態にすることで、伸長側のアクチュエータパックが伸びきれ、収縮側が収縮に専念でき収縮率を大きくすることができるので、可動域・駆動力を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係るアクチュエータパックの構成例を示す図である。
図3】第1実施形態の第1変形例に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。
図4】第1実施形態の第2変形例に係る駆動アクチュエータが複数のアクチュエータパックが拮抗していない構成例を示す図である。
図5】第1実施形態の第3変形例に係るアクチュエータパックとパイプとの接続例と、アクチュエータパックとパイプの形状例を示す図である。
図6】従来技術によるHASELによるアクチュエータパックの構成例と動作原理を示す図である。
図7】従来技術による2つのアクチュエータパックが可動部に対して拮抗に配置して駆動した状態例を示す図である。
図8】第2実施形態に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。
図9】従来技術によるHASELによるアクチュエータパックを屈折する関節に適用した場合の問題点を示す図である。
図10】第2実施形態における第1変形例の構成を示す図である。
図11】第2実施形態における第2変形例の構成を示す図である。
図12】第2実施形態における第3変形例の構成を示す図である。
図13】従来技術における伸縮性人工筋を拮抗に配置した構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。図1のように、駆動アクチュエータ1は、可動部11と、第1アクチュエータパック12と、第2アクチュエータパック13と、パイプ31とを備える。
第1アクチュエータパック12は、電極121と、絶縁液122とを備える。
第2アクチュエータパック13は、電極131と、絶縁液132とを備える。
なお、電極121、131の数、長さはこれに限らない。また、絶縁液122、132は、各アクチュエータパックに封入されている。
【0018】
可動部11は、第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13が制御部41によって制御されることで、軸21を中心に回転駆動される。
【0019】
第1アクチュエータパック12は、可動部11の回転方向の一方に連結される。
第2アクチュエータパック13は、可動部11の回転方向の他方に連結される。
【0020】
電極121、131は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits;フレキシブル基板)フィルムである。
【0021】
絶縁液122、132は、例えばフロリナート(Fluorinert)FC-77(3M(登録商標))である。なお、絶縁液122、132は、他の物であってもよい。また、第1アクチュエータパック12、第2アクチュエータパック13、パイプ31それぞれの外装は、例えば非伸縮素材である。
【0022】
パイプ31は、第1アクチュエータパック12の一端と第2アクチュエータパック13の一端とを接続し、絶縁素材でできている。パイプ31は、形状が例えば円筒形である。
【0023】
なお、第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13をつなぐパイプ31の位置は、可動部11、軸21に干渉しない位置に設けられている。また、図1に示した例は一例であり、アクチュエータパックの大きさと位置、パイプ31の取り付け位置と太さ等は、これに限らない。
【0024】
(アクチュエータパックの構成例)
次に、第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13の詳細な構成例を説明する。
図2は、本実施形態に係るアクチュエータパックの構成例を示す図である。なお、第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13の構成は同様であるため、図2では第1アクチュエータパック12を例に説明する。図2では、アクチュエータパックの長手方向をx軸方向、短手方向をy軸方向、高さ方向をz軸方向とする。
【0025】
図2の例では、第1アクチュエータパック12が、左側に5枚の電極1211~1215、右側に5枚の電極1216~1220、絶縁液122、およびビーズ123を備える。ビーズ123は例えばガラスビーズである。なお、図2では、ビーズ123のうちの一部を描写している。
【0026】
電極1211~1220それぞれの大きさは、例えば20×80(mm)である。図2の初期状態g11のように、左右の電極は、交互に一部が重なるように配置されている。初期状態g11で電極の重なりは、x軸方向に例えば30(mm)である。また、第1アクチュエータパック12の初期状態g11の外形は、例えば150(=130+2)×30×10(mm)である。
【0027】
これらの電極1211~1220に、三相の交流(例えば1600(V))を印加すると、電極に静電引力が生じて移動することで収縮状態g12になる。収縮状態g12で電極の重なりは、x軸方向に例えば50(mm)である。この結果、第1アクチュエータパック12の収縮状態g12のx軸方向の長さは、例えば130(=110+20)(mm)である。このように、収縮状態g12のx軸方向の長さは、初期状態g11に対して20(mm)縮む(参考文献1参照)。
【0028】
参考文献1;Akio Yamamoto, Toshiki Niino , Toshiro Higuchi,“Modeling and identification of an electrostatic motor”, Precision Engineering 30(1):104-113, January 2006
【0029】
また、このようなアクチュエータパックは、設計により変位量を調整可能であり、積層数で出力を増加することができる(参考文献1参照)。
なお、図2に示したアクチュエータパックの構成は一例であり、これに限らない。
【0030】
このようなアクチュエータパックを可動部11に拮抗に配置しただけでは、駆動時にアクチュエータパックの一方が収縮する際に絶縁液122が収縮しない。このため、パイプ31を備えない場合は、収縮したアクチュエータパックが膨らむため、可動域が狭まり駆動力が弱められたり駆動変位が妨げられる。
このため、本実施形態では、図1のように第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13とをパイプ31で接続する。
【0031】
関節の駆動の際は、第1アクチュエータパック12が伸長し、第2アクチュエータパック13が収縮すると、収縮した第2アクチュエータパック13の絶縁液132の一部がパイプ31を介して第1アクチュエータパック12に移動する。
【0032】
これにより、本実施形態によれば、収縮したアクチュエータパックの絶縁液による膨らみを抑えることができるので、可動域が狭まり駆動力が弱められることを低減でき、駆動変位が妨げられることを低減できる。
【0033】
なお、第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13を接続するパイプ31は、最短長が好ましいが、これに限らない。
【0034】
(第1変形例)
第1アクチュエータパック12と第2アクチュエータパック13と大きさと絶縁液122,132の量も同じであっても異なっていてもよい。第1アクチュエータパック12Aと第2アクチュエータパック13Aと大きさが異なっている場合は、図3のようにパイプ31Aがバッファ部32を備えていてもよい。
【0035】
図3は、本実施形態の第1変形例に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。図3のように、駆動アクチュエータ1Aは、可動部11と、第1アクチュエータパック12Aと、第2アクチュエータパック13Aと、パイプ31Aと、バッファ部32を備える。
第1アクチュエータパック12Aは、電極121と、絶縁液122とを備える。
第2アクチュエータパック13Aは、電極131と、絶縁液132とを備える。
【0036】
第1アクチュエータパック12Aと第2アクチュエータパック13Aとの大きさは異なっている。
【0037】
パイプ31Aは、例えば第1アクチュエータパック12Aと第2アクチュエータパック13Aの中間点にバッファ部32を備える。
バッファ部32は、例えば球状であり、絶縁素材でできている。
【0038】
第1アクチュエータパック12Aと第2アクチュエータパック13Aとの大きさが異なっている場合、一方が収縮してパイプ31Aを介して絶縁液122(または132)が他方に入りきらない可能性がある。このような場合は、図3のようにパイプ31Aの途中にバッファ部32を設けることで、収縮による絶縁液122(または132)を一時的に収容することができる。
【0039】
なお、図3に示したバッファ部32に位置や大きさは一例であり、これに限らない。バッファ部32は、第1アクチュエータパック12Aと第2アクチュエータパック13Aの違いに基づく大きさである。また、バッファ部32の位置は、駆動を阻害しない位置である。
また、バッファ部32は、例えばパイプ31Aの一部を太くするように形成されたものであってもよい。また、バッファ部32の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0040】
(第2変形例)
第2変形例は、駆動アクチュエータが複数のアクチュエータパックが拮抗していない場合の例を説明する。
図4は、本実施形態の第2変形例に係る駆動アクチュエータが複数のアクチュエータパックが拮抗していない構成例を示す図である。図4のように、駆動アクチュエータ1Bは、可動部11Bと、第1アクチュエータパック12Bと、第2アクチュエータパック13Bと、第3アクチュエータパック14Bと、第4アクチュエータパック15Bと、パイプ31B(31B1,31B2,31B3,31B4)と、バッファ部32Bを備える。
なお、図4では省略しているが、アクチュエータパック12B,13B,14B,15Bそれぞれは、電極と絶縁液を備える。
【0041】
駆動アクチュエータ1Bでは、可動部11Bが球関節21Bを中心に回転して傾く。また、可動部11Bには、4つのアクチュエータパック12B,13B,14B,15Bの一端が接続されている。また、第1アクチュエータパック12Bの他端にはパイプ31B1の一端が接続され、第2アクチュエータパック13Bの他端にはパイプ31B2の一端が接続され、第3アクチュエータパック14Bの他端にはパイプ31B3の一端が接続され、第4アクチュエータパック15Bの他端にはパイプ31B4の一端が接続されている。パイプ31B1の他端がバッファ部32Bに接続され、パイプ31B2の他端がバッファ部32Bに接続され、パイプ31B3の他端がバッファ部32Bに接続され、パイプ31B4の他端がバッファ部32Bに接続されている。
【0042】
図4の例は、例えばロボット等の肩の筋に対応する。このような場合、3つのアクチュエータパックに対して1つのアクチュエータパックを拮抗させて駆動することとなり、絶縁液の移動にあたり、少なくとも1つのバッファが必要である。
【0043】
なお、図4に示したアクチュエータパックそれぞれの大きさと取り付け位置、パイプ31Bそれぞれの長さや太さ位置、バッファ部32Bの大きさや位置は一例であり、これに限らない。また、バッファ部32Bは、1つに限らず2つ以上であってもよい。
【0044】
(第3変形例)
次に、アクチュエータパックとパイプとの接続について説明する。
アクチュエータパック内の絶縁液の一例として、フロリーナFC-77を示したが、絶縁液はこれに限らない。絶縁液の粘性に応じて、図5のように、アクチュエータパックとパイプとの接続の形状、アクチュエータパックの形状、およびパイプの太さ等を変えるようにしてもよい。
【0045】
図5は、本実施形態の第3変形例に係るアクチュエータパックとパイプとの接続例と、アクチュエータパックとパイプの形状例を示す図である。
第1の構造例g21は、絶縁液の粘性が通常の場合のアクチュエータパック12Cとパイプ31Cとの接続例と形状例である。絶縁液の粘性が通常の場合は、アクチュエータパック12Cの一端にパイプ31Cが接続される形状である。
【0046】
第2の構造例g22は、絶縁液の粘性が高い場合のアクチュエータパック12Dとパイプ31Dとの第1の接続例と第1の形状例である。絶縁液の粘性が高い場合は、パイプ31Dの太さを第1の構造例g21のパイプ31Cより太くする。
【0047】
第3の構造例g23は、絶縁液の粘性が高い場合のアクチュエータパック12Eとパイプ31Eとの第2の接続例と第2の形状例である。絶縁液の粘性が高い場合は、パイプ31Eの接続部g24を膨張させる。
【0048】
このように、粘性に応じて、第1アクチュエータパックの形状、第2アクチュエータパックの形状、パイプの形状、第1アクチュエータパックとパイプとの接続部の形状、第2アクチュエータパックとパイプとの接続部の形状のうち少なくとも1つを変えることで、アクチュエータパック内の絶縁液の移動をスムーズにすることができる。
【0049】
なお、図5に示した接続例や形状は一例であり、これに限らない。例えばパイプを太くしつつパイプ31の接続部を膨張させるようにしてもよい。
【0050】
以上のように、本実施形態では、第1アクチュエータパックと第2アクチュエータパックとをパイプで接続するようにした。
【0051】
これにより、本実施形態によれば、アクチュエータパックが収縮した際に、収縮したアクチュエータパック内の絶縁液が他のアクチュエータパックへ移動できるので、可動域を広く取れ、また駆動力を妨げることなく効率的に駆動が可能となる。
【0052】
<第2実施形態>
本実施形態では、アクチュエータパックがHASEL(Hydraulically Amplified Self-healing ELectrostatic)の例を説明する。
【0053】
(従来のHASELによる駆動アクチュエータ)
まず、従来のHASELによる駆動アクチュエータを説明する。図6は、従来技術によるHASELによるアクチュエータパックの構成例と動作原理を示す図である。図6のように、従来技術のアクチュエータパック950は、フィルム951と、第1の電極952と、第2の電極953と、絶縁油954とを有する(参考文献2参照)。
【0054】
第1の電極952は、不図示の制御装置から電圧Vが供給される。第2の電極953は、接地されている。
【0055】
初期状態g951では、印加される電圧Vが0(V)であり、アクチュエータパック950の短手の長さがtであり、長手の長さがLである。
【0056】
HASELによるアクチュエータパック950は、高電圧印加で電極が閉じる(Zipping)。その際に絶縁油が移動することで、アクチュエータパック950を駆動する。
このため、例えば印加電圧Vが1(kV)の場合、電圧印加状態g952のように、アクチュエータパック950の一部が閉じる。電圧印加状態g952では、アクチュエータパック950の短手の長さがt(>t)であり、長手の長さがL(<L)である。すなわち、電圧印加によってフィルム951が伸長するはずなのに、絶縁油954の影響で、収縮してしまう。
【0057】
参考文献2;Nicholas Kellaris, Vidyacharan Gopaluni Venkata, et al, “Peano-HASEL actuators: Muscle-mimetic, electrohydraulic transducers that linearly contract
on activation”, Sci. Robot. 3, eaar3276 (2018), January 2018
【0058】
図7は、従来技術による2つのアクチュエータパックが可動部に対して拮抗に配置して駆動した状態例を示す図である。図7のように、従来技術の駆動アクチュエータ960は、可動部961に、第1のアクチュエータパック971と第2のアクチュエータパック981とが拮抗して配置されている。第1のアクチュエータパック971は、第1の電極972、第2の電極973、フィルム974、および絶縁油975を有している。第2のアクチュエータパック981は、第1の電極982、第2の電極983、フィルム984、および絶縁油985を有している。
【0059】
図7に示す例は、第1のアクチュエータパック971の電極に電圧が印加されていない状態、すなわち、第1の電極972に0(V)が印加され、第2の電極973が接地されている状態である。また、第2のアクチュエータパック981の電極に電圧が印加されている状態、すなわち、第1の電極982にV(V)が印加され、第2の電極983が接地されている状態である。
【0060】
この場合は、図7のように収縮側の第2のアクチュエータパック981の電圧をオン状態(印加状態)にすると、半面膨らんでしまい収縮率が小さい。
なお、図7に示したように、従来技術のアクチュエータパックは、フィルム974、984の一部だけに電極(第1の電極、第2の電極)が設けられている。
【0061】
(HASELによる駆動アクチュエータ)
次に、本実施形態のHASELによる駆動アクチュエータについて説明する。
図8は、本実施形態に係る駆動アクチュエータの構成例を示す図である。図8のように、駆動アクチュエータ1Fは、可動部11と、第1アクチュエータパック12Fと、第2アクチュエータパック13Fと、パイプ31Fとを備える。
第1アクチュエータパック12Fは、第1の電極121Fと、第2の電極122Fと、フィルム123Fと、絶縁液124Fとを備える。
第2アクチュエータパック13Fは、第1の電極131Fと、第2の電極132Fと、フィルム133Fと、絶縁液134Fとを備える。
【0062】
絶縁液124F、絶縁液134Fそれぞれは、液体誘電体であり、例えばEnvirotemp(登録商標) FR3である。なお、絶縁液124F、134Fは、他の物であってもよい。また、第1アクチュエータパック12F、第2アクチュエータパック13F、パイプ31Fそれぞれの外装は、例えば非伸縮素材である。
【0063】
第1アクチュエータパック12Fは、第1の電極121Fが制御部41Fから電圧が印加され、第2の電極122Fが接地される。第1アクチュエータパック12Fは、一端が可動部11に接続され、他端がパイプ31Fの一端に接続されている。
【0064】
第2アクチュエータパック13Fは、第1の電極131Fが制御部41Fから電圧が印加され、第2の電極132Fが接地される。第2アクチュエータパック13Fは、一端が可動部11に第1アクチュエータパック12Fと拮抗して接続され、他端がパイプ31Fの他端に接続されている。
【0065】
なお、図8に示したように、本実施形態のアクチュエータパック(第1アクチュエータパック12F、第2アクチュエータパック13F)は、フィルム123F、133Fのほぼ全面に電極(第1の電極(121F、131F)、第2の電極(122F、132F))が設けられている。
【0066】
図8の例は、第1アクチュエータパック12Fが電圧オン状態(第1の電極121Fに電圧Vを印加)であり、第2アクチュエータパック13Fが電源オフ状態(第1の電極131Fに0(V)印加)である。この結果、伸長側の第1アクチュエータパック12Fを電圧オン状態にすることで、第1の電極121Fと第2の電極122Fとが引き寄せられることで、第1アクチュエータパック12Fが閉じる。そして、第1アクチュエータパック12F内の絶縁液124Fの一部が、パイプ31Fを介して第2アクチュエータパック13Fに移動する。dこの場合は、伸長側の第2アクチュエータパック13Fが伸びきれ、収縮側の第1アクチュエータパック12Fが収縮に専念でき収縮率が大きい。
【0067】
本実施形態によれば、可動部11との干渉を避け、可動域を降らすことが可能となる。
【0068】
なお、図8の構成でも、図5と同様に絶縁液の濃度に応じて、アクチュエータパックとパイプの形状やパイプの太さを変更するようにしてもよい。
また、図8の構成でも、2つのアクチュエータパックの大きさが異なっていたり、3つ以上のアクチュエータパックが拮抗せずに配置されている場合は、パイプ31Fの途中にバッファ部を備えていてもよい。
【0069】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例を説明する。
図9は、従来技術によるHASELによるアクチュエータパックを屈折する関節に適用した場合の問題点を示す図である。図9の例では、2つの可動部991と可動部992が、例えば手や足のように接続され動作する。そして、第1の可動部991に第1アクチュエータパック993の一端が接続され、第2の可動部992に第1アクチュエータパック993の他端が接続されている。また、第1の可動部991に第2アクチュエータパック994の一端が接続され、第2の可動部992に第2アクチュエータパック994の他端が接続されている。なお、第1アクチュエータパック993と第2アクチュエータパック994の構成は、図6、7と同様であり、電極がフィルムの一部に設けられている。
【0070】
初期状態g991では、第1アクチュエータパック993と第2アクチュエータパック994の両方に電圧が印加されていず、オフ状態である。
屈折状態g992では、第2アクチュエータパック994がオフ状態であり、第1アクチュエータパック993に電圧が印加されオン状態である。この場合は、第2アクチュエータパック994の内側(鎖線で囲んだ領域995)が可動部991と干渉する場合があり得る。このように、アクチュエータパックが可動部と干渉した場合は、曲げ角が小さくなってしまう。すなわち従来の構成では、可動域を広く取れない場合があった。
【0071】
(第1変形例)
図10は、本実施形態における第1変形例の構成を示す図である。図10のように、第1変形例の駆動アクチュエータ1Gは、第1可動部11G1、第2可動部11G2、第1アクチュエータパック12G、モーメントアーム120G1、モーメントアーム120G2、第2アクチュエータパック13G、モーメントアーム130G1、モーメントアーム130G2、およびパイプ31Gを備える。
【0072】
第1変形例の駆動アクチュエータ1Gは、モーメントアームを介してアクチュエータパックが各可動部に接続され、2つのアクチュエータパックがパイプによって接続されている。なお、第1変形例では、モーメントアームがアクチュエータパックに対して、アクチュエータパックの長手方向であるy軸方向に接続されている。
【0073】
第1可動部11G1には、モーメントアーム120G1の一端が接続されている。第1アクチュエータパック12Gは、一端がモーメントアーム120G1の他端に接続され、他端がモーメントアーム120G2の一端に接続されている。第2可動部11G2には、モーメントアーム120G2の他端が接続されている。
【0074】
第1可動部11G1には、モーメントアーム130G1の一端が接続されている。第2アクチュエータパック13Gは、一端がモーメントアーム130G1の他端に接続され、他端がモーメントアーム130G2の一端に接続されている。第2可動部11G2には、モーメントアーム130G2の他端が接続されている。
【0075】
第1アクチュエータパック12Gと第2アクチュエータパック13Gとは、パイプ31Gによって接続されている。
【0076】
なお、第1アクチュエータパック12Gと第2アクチュエータパック13Gの構成は、図8と同様である。また、図10では制御部を省略している。また、パイプ31Gは、バッファ部を備えていてもよい。
【0077】
初期状態g101では、第1アクチュエータパック12Gと第2アクチュエータパック13Gの両方の電力に電圧が印加されていず、オフ状態である。
【0078】
屈折状態g102では、第2アクチュエータパック13Gがオフ状態であり、第1アクチュエータパック12Gの電極に電圧が印加されオン状態である。この場合、第1アクチュエータパック12G内の絶縁液がパイプ31Gを介して第2アクチュエータパック13Gに流れる。
【0079】
第1変形例では、モーメントアーム(120G1、120G2、130G1、130G2)とパイプ31Gによって、屈折時のアクチュエータパック(第1アクチュエータパック12Gと第2アクチュエータパック13G)の収縮による可動部(第1可動部11G1、第2可動部11G2)との干渉を回避することができ、可動域を増やすことが可能となる。
【0080】
なお、第1変形例において、パイプ31Gは、可動部11G1,11G2の駆動を阻害しない位置が好ましい。
また、図10に示した構成や各配置や形状は一例であり、これに限らない。
【0081】
(第2変形例)
図11は、本実施形態における第2変形例の構成を示す図である。図11のように、第2変形例の駆動アクチュエータ1Hは、第1可動部11H1、第2可動部11H2、第1アクチュエータパック12H、モーメントアーム120H1、モーメントアーム120H2、第2アクチュエータパック13H、モーメントアーム130H1、モーメントアーム130H2、およびパイプ31Hを備える。
【0082】
第2変形例の駆動アクチュエータ1Hは、モーメントアームを介してアクチュエータパックが各可動部に接続され、2つのアクチュエータパックがパイプによって接続されている。なお、第2変形例では、モーメントアームがアクチュエータパックに対して、アクチュエータパックの短手方向であるx軸方向に接続されている。
【0083】
第1可動部11H1には、モーメントアーム120H1の一端が接続されている。第1アクチュエータパック12Hは、一端がモーメントアーム120H1の他端に接続され、他端がモーメントアーム120H2の一端に接続されている。第2可動部11H2には、モーメントアーム120H2の他端が接続されている。
【0084】
第1可動部11H1には、モーメントアーム130H1の一端が接続されている。第2アクチュエータパック13Hは、一端がモーメントアーム130H1の他端に接続され、他端がモーメントアーム130H2の一端に接続されている。第2可動部11H2には、モーメントアーム130H2の他端が接続されている。
【0085】
第1アクチュエータパック12Hと第2アクチュエータパック13Hとは、パイプ31Hによって接続されている。
【0086】
なお、第1アクチュエータパック12Hと第2アクチュエータパック13Hの構成は、図8と同様である。また、図11では制御部を省略している。また、パイプ31Hは、バッファ部を備えていてもよい。
【0087】
初期状態g201では、第1アクチュエータパック12Hと第2アクチュエータパック13Hの両方の電極に電圧が印加されていず、オフ状態である。
【0088】
屈折状態g202では、第2アクチュエータパック13Hがオフ状態であり、第1アクチュエータパック12Hの電極に電圧が印加されオン状態である。この場合、第1アクチュエータパック12H内の絶縁液がパイプ31Hを介して第2アクチュエータパック13Hに流れる。
【0089】
第2変形例でも、モーメントアーム(120H1、120H2、130H1、130H2)とパイプ31Hによって、屈折時のアクチュエータパック(第1アクチュエータパック12Hと第2アクチュエータパック13H)の収縮による可動部(第1可動部11H1、第2可動部11H2)との干渉を回避することができ、可動域を増やすことが可能となる。
【0090】
なお、第2変形例において、パイプ31Hは、可動部の駆動を阻害しない位置が好ましい。
また、図11に示した構成や各配置や形状は一例であり、これに限らない。
【0091】
(第3変形例)
図12は、本実施形態における第3変形例の構成を示す図である。図12のように、第3変形例の駆動アクチュエータ1Jは、第1可動部11J1、第2可動部11J2、第1アクチュエータパック12J、第2アクチュエータパック13J、第1パイプ31J1、および第2パイプ31J2を備える。
【0092】
第3変形例の駆動アクチュエータ1Jは、第2実施形態の第1アクチュエータパック12F、第2アクチュエータパック13Fと異なり、第1アクチュエータパック12J、第2アクチュエータパック13Jそれぞれが細分化されている。
【0093】
第1アクチュエータパック12Jは、一端が第1可動部11J1に接続され、他端が第1パイプ31J1の一端と第2パイプ31J2の一端に接続されている。
第2アクチュエータパック13Jは、一端が第1可動部11J1に接続され、他端が第1パイプ31J1の他端と第2パイプ31J2の他端に接続されている。
【0094】
なお、図12に示したアクチュエータパック(第1アクチュエータパック12J、第2アクチュエータパック13J)は、フィルムのほぼ全面に電極、第2の電極が設けられている。また、図12では制御部を省略している。また、第1パイプ31J1と第2パイプ31J2は、バッファ部を備えていてもよい。
【0095】
初期状態g301では、第1アクチュエータパック12Jと第2アクチュエータパック13Jの両方の電極に電圧が印加されていず、オフ状態である。
【0096】
屈折状態g302では、第2アクチュエータパック13Jがオフ状態であり、第1アクチュエータパック12Jの電極に電圧が印加されオン状態である。この場合、第1アクチュエータパック12J内の絶縁液が第1パイプ31J1と第2パイプ31J2を介して第2アクチュエータパック13Jに流れる。
【0097】
第3変形例でも、第1パイプ31J1と第2パイプによって、屈折時のアクチュエータパック(第1アクチュエータパック12Jと第2アクチュエータパック13J)の収縮による可動部(第1可動部11J1、第2可動部11J2)との干渉を回避することができ、可動域を増やすことが可能となる。
【0098】
なお、第3変形例において、第1パイプ31J1と第2パイプ31J2は、可動部の駆動を阻害しない位置が好ましい。
また、図12に示した構成や各配置や形状は一例であり、これに限らない。また、パイプの本数は、2つに限らず1つであっても3つ以上であってもよい。
【0099】
以上のように、上述した各実施形態、各変形例の駆動アクチュエータ1(1A,1B,1F,1G,1H,1J)では、第1アクチュエータパック12(12A,12B,12F,12G,12H,12J)と第2アクチュエータパック13(13A,13B,13F,13G,13H,13J)とをパイプ31(31A,31B1,31B2,31B3,31B4,31F,31G,31H,31J1,31J2)で接続した。この結果、上述した各実施形態、各変形例の駆動アクチュエータでは、によれば、アクチュエータパックが収縮した場合、他のアクチュエータパックへ絶縁液がパイプを介して移動できるので、可動域を広く取ることができる。
【0100】
なお、上述した各実施形態、各実施例において、アクチュエータパックとパイプそれぞれの外装が非伸縮素材の例を説明したが、これに限らない。アクチュエータパックとパイプそれぞれの外装は、伸縮素材であってもよい。この場合であっても、駆動力を妨げない効果は得られる。
【0101】
なお、上述した各実施形態、各変形例の駆動アクチュエータは、例えば、二足歩行ロボット、受付ロボット、産業用ロボット等に適用可能である。また、上述した各実施形態、各変形例の駆動アクチュエータは、人の作業をアシストするシステムにも適用可能である。この場合は、人にパイプで接続されている2つ以上からなるアクチュエータパックを取り付けるようにしてもよい。
【0102】
なお、本発明における制御部41(41F)の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御部41(41F)が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0103】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0104】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0105】
1,1A,1B,1F,1G,1H…駆動アクチュエータ、11,11B…可動部、12,12A,12B,12F,12G,12H…第1アクチュエータパック、13,13A,13B,13F,13G,13H…第2アクチュエータパック、14B…第3アクチュエータパック、15B…第4アクチュエータパック、121,131…電極、122,132,124F,134F…絶縁液、123F,133F…フィルム、120G1,120G2,130G1,130G2,120H1,120H2,130H1,130H2…モーメントアーム、123…ビーズ、31,31A,31B1,31B2,31B3,31B4,31F,31G,31H…パイプ、32,32B…バッファ部、41,41F…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13