(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】パターン検査装置及びパターン検査方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241029BHJP
G01N 23/2251 20180101ALI20241029BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20241029BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241029BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N23/2251
G01N21/956 A
G06T7/00 610C
(21)【出願番号】P 2020119715
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】杉原 真児
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-246162(JP,A)
【文献】国際公開第2011/148975(WO,A1)
【文献】特開2006-014292(JP,A)
【文献】特開2013-190418(JP,A)
【文献】特開2007-149055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01N 21/95-21/958
G01N 23/2251
G01B 11/24-11/255
G01B 15/00
G01B 15/04
G06T 1/00
G06T 3/00- 3/608
G06T 5/00
G06T 7/00- 7/194
G06T 7/30- 7/38
G06T 7/60- 7/68
H01J 37/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する画像取得機構と、
前記被検査画像内の前記図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、前記実画輪郭線と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置とを用いて、前記被検査画像の歪に起因する前記複数の実画輪郭位置の所定の方向に重み付けして歪係数を算出する歪係数算出部と、
前記複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に、前記歪係数を用いて歪ベクトルを推定する歪ベクトル推定部と、
前記実画輪郭位置毎の前記歪ベクトルを用いて、前記実画輪郭線と前記参照輪郭線とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項2】
前記歪係数算出部は、2次元歪モデルを用いて、前記歪係数を算出することを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
【請求項3】
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する画像取得機構と、
前記被検査画像内の前記図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、前記複数の実画輪郭位置と比較するための
参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置と、を用いて、前記複数の実画輪郭位置と、前記複数の参照輪郭位置との間で平行シフトによる位置合わせを行うための前記実画輪郭線の所定の方向に重み付けされた平均シフトベクトルを算出する平均シフトベクトル算出部と、
前記平均シフトベクトルを用いて、前記実画輪郭線と前記参照輪郭線とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
【請求項4】
前記比較部は、前記複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での前記平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさが判定閾値を超えた場合に欠陥と判定することを特徴とする請求項3記載のパターン検査装置。
【請求項5】
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する工程と、
前記被検査画像内の前記図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、前記実画輪郭線と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置とを用いて、前記被検査画像の歪に起因する前記複数の実画輪郭位置の所定の方向に重み付けして歪係数を算出する工程と、
前記複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に、前記歪係数を用いて歪ベクトルを推定する工程と、
前記実画輪郭位置毎の前記歪ベクトルを用いて、前記実画輪郭線と前記参照輪郭線とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項6】
2次元歪モデルを用いて、前記歪係数を算出することを特徴とする請求項5記載のパターン検査方法。
【請求項7】
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得す
る工程と、
前記被検査画像内の前記図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、前記複数の実画輪郭位置と比較するための
参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置と、を用いて、前記複数の実画輪郭位置と、前記複数の参照輪郭位置との間で平行シフトによる位置合わせを行うための前記実画輪郭線の所定の方向に重み付けされた平均シフトベクトルを算出する工程と、
前記平均シフトベクトルを用いて、前記実画輪郭線と前記参照輪郭線とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とするパターン検査方法。
【請求項8】
前記実画輪郭線と前記参照輪郭線とを比較する際に、前記複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での前記平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさが判定閾値を超えた場合に欠陥と判定することを特徴とする請求項7記載のパターン検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、パターン検査装置及びパターン検査方法に関する。例えば、電子線によるマルチビームで基板を照射して放出されるパターンの2次電子画像を用いて検査する検査装置、紫外線で基板を照射して得られるパターンの光学画像を用いて検査する検査装置、およびかかる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、LSIを構成するパターンは、10ナノメータ以下のオーダーを迎えつつあり、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
【0003】
欠陥検査手法としては、半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを撮像した測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、これとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
【0004】
上述したパターン検査装置には、レーザ光を検査対象基板に照射して、この透過像或いは反射像を撮像する装置の他、検査対象基板上を1次電子ビームで走査(スキャン)して、1次電子ビームの照射に伴い検査対象基板から放出される2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。これらのパターン検査装置では、画素値同士の比較ではなく、画像内のパターンの輪郭線を抽出して、参照画像の輪郭線との距離を判定指標に用いることが検討されている。ここで、輪郭線同士のずれには、欠陥による位置ずれの他に、画像自体の歪に起因する位置ずれが含まれる。よって、輪郭線同士の欠陥の有無を正確に検査するためには、測定画像自体の歪に起因するずれ分を補正するために、被検査画像の輪郭線と参照輪郭線との間での高精度な位置合わせを行う必要がある。しかしながら、各画素の輝度値のずれを最小二乗法により最小化する従来の画像同士の位置合わせ処理と比べて、輪郭線同士の位置合わせ処理は複雑になり、精度の高い位置合わせを行うためには処理時間が長くかかってしまうといった問題があった。
【0005】
ここで、位置合わせを行う前の段階で行う輪郭線上の輪郭位置を抽出する手法として以下の手法が開示されている。ソーベルフィルタ等を使ってエッジ候補を求め、エッジ候補と隣接画素群による検査領域内の各画素に対して濃度値の2次微分値を求める。さらに、エッジ候補に隣接する2組の隣接画素群のうち、2次微分値の符号が異なる組み合わせが多い隣接画素群を第2のエッジ候補として選択する。そして、エッジ候補の2次微分値と第2のエッジ候補の2次微分値とを用いて、検出対象エッジのエッジ座標をサブピクセル単位で求めるといった手法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、測定画像の歪に起因する位置ずれを考慮した検査が可能な装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様のパターン検査装置は、
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する画像取得機構と、
被検査画像内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、実画輪郭線と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置とを用いて、被検査画像の歪に起因する複数の実画輪郭位置の所定の方向に重み付けして歪係数を算出する歪係数算出部と、
複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に、歪係数を用いて歪ベクトルを推定する歪ベクトル推定部と、
実画輪郭位置毎の歪ベクトルを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、歪係数算出部は、2次元歪モデルを用いて、前記歪係数を算出すると好適である。
【0010】
本発明の他の態様のパターン検査装置は、
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する画像取得機構と、
被検査画像内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、複数の実画輪郭位置と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置と、を用いて、複数の実画輪郭位置と、複数の参照輪郭位置との間で平行シフトによる位置合わせを行うための実画輪郭線の所定の方向に重み付けされた平均シフトベクトルを算出する平均シフトベクトル算出部と、
平均シフトベクトルを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較する比較部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、比較部は、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさが判定閾値を超えた場合に欠陥と判定すると好適である。
【0012】
本発明の一態様のパターン検査方法は、
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する工程と、
被検査画像内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、実画輪郭線と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置とを用いて、被検査画像の歪に起因する複数の実画輪郭位置の所定の方向に重み付けして歪係数を算出する工程と、
複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に、歪係数を用いて歪ベクトルを推定する工程と、
実画輪郭位置毎の歪ベクトルを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、2次元歪モデルを用いて、歪係数を算出すると好適である。
【0014】
本発明の他の態様のパターン検査方法は、
図形パターンが形成された基板の被検査画像を取得する工程と、
被検査画像内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、複数の実画輪郭位置と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置と、を用いて、複数の実画輪郭位置と、複数の参照輪郭位置との間で平行シフトによる位置合わせを行うための実画輪郭線の所定の方向に重み付けされた平均シフトベクトルを算出する工程と、
平均シフトベクトルを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較し、結果を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較する際に、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさが判定閾値を超えた場合に欠陥と判定すると好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、測定画像の歪に起因する位置ずれを考慮した検査ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態1におけるパターン検査装置の構成の一例を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。
【
図3】実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1におけるマルチビームのスキャン動作を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。
【
図6】実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1における実画輪郭位置の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態1における参照輪郭位置を抽出する手法の一例を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1における個別シフトベクトルの一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1における重み付き平均シフトベクトルを算出する手法を説明するための図である。
【
図11】実施の形態1における平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルを説明するための図である。
【
図12】実施の形態1における2次元歪モデルを説明するための図である。
【
図13】実施の形態1における歪ベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルを説明するための図である。
【
図14】実施の形態1における歪を付加した画像の位置ずれ量の測定結果と法線方向への重み付けを行わずに歪推定を行った位置ずれ量との一例を示す図である。
【
図15】実施の形態1における歪を付加した画像の位置ずれ量の測定結果と法線方向への重み付けを行った歪推定を行った位置ずれ量との一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態では、パターン検査装置の一例として、電子ビーム検査装置について説明する。但し、これに限るものではない。例えば、紫外線を被検査基板に照射して、被検査基板を透過或いは反射した光を用いて被検査画像を取得する検査装置であっても構わない。また、実施の形態では、複数の電子ビームによるマルチビームを用いて画像を取得する検査装置について説明するが、これに限るものではない。1本の電子ビームによるシングルビームを用いて画像を取得する検査装置であっても構わない。
【0019】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成の一例を示す構成図である。
図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、マルチ電子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150(2次電子画像取得機構)、及び制御系回路160を備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)及び検査室103を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、副偏向器209、ビームセパレーター214、偏向器218、電磁レンズ224、電磁レンズ226、及びマルチ検出器222が配置されている。
図1の例において、電子銃201、電磁レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、電磁レンズ205、一括ブランキング偏向器212、制限アパーチャ基板213、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、主偏向器208、及び副偏向器209は、マルチ1次電子ビームを基板101に照射する1次電子光学系を構成する。ビームセパレーター214、偏向器218、電磁レンズ224、及び電磁レンズ226は、マルチ2次電子ビームをマルチ検出器222に照射する2次電子光学系を構成する。
【0020】
検査室103内には、なくともXY方向に移動可能なステージ105が配置される。ステージ105上には、検査対象となる基板101(試料)が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、チップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ105に配置される。また、ステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。マルチ検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。
【0021】
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照輪郭位置抽出回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、磁気ディスク装置等の記憶装置109、モニタ117、及びメモリ118に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144,146,148に接続される。DACアンプ146は、主偏向器208に接続され、DACアンプ144は、副偏向器209に接続される。DACアンプ148は、偏向器218に接続される。
【0022】
また、検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。チップパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、ステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、ステージ座標系におけるX方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系が構成され、XYθ方向にステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステッピングモータを用いることができる。ステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、ステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ105の位置を測長する。ステージ座標系は、例えば、マルチ1次電子ビームの光軸(電子軌道中心軸)に直交する面に対して、X方向、Y方向、θ方向が設定される。
【0023】
電磁レンズ202、電磁レンズ205、電磁レンズ206、電磁レンズ207(対物レンズ)、電磁レンズ224、電磁レンズ226、及びビームセパレーター214は、レンズ制御回路124により制御される。また、一括ブランキング偏向器212は、2極以上の電極により構成され、電極毎に図示しないDACアンプを介してブランキング制御回路126により制御される。副偏向器209は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ144を介して偏向制御回路128により制御される。主偏向器208は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ146を介して偏向制御回路128により制御される。偏向器218は、4極以上の電極により構成され、電極毎にDACアンプ148を介して偏向制御回路128により制御される。
【0024】
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメント(カソード)と引出電極(アノード)間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、別の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。
【0025】
ここで、
図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
【0026】
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。
図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状の横(x方向)m
1列×縦(y方向)n
1段(m
1,n
1は、一方が2以上の整数、他方が1以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向に所定の配列ピッチで形成されている。
図2の例では、23×23の穴(開口部)22が形成されている場合を示している。各穴22は、理想的には共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、理想的には同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、m
1×n
1本(=N本)のマルチ1次電子ビーム20が形成されることになる。
【0027】
次に、検査装置100における画像取得機構150の動作について説明する。
【0028】
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、電磁レンズ202によって屈折させられ、成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、
図2に示すように、複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、マルチ1次電子ビーム20が形成される。
【0029】
形成されたマルチ1次電子ビーム20は、電磁レンズ205、及び電磁レンズ206によってそれぞれ屈折させられ、中間像およびクロスオーバーを繰り返しながら、マルチ1次電子ビーム20の各ビームのクロスオーバー位置(各ビームの中間像位置)に配置されたビームセパレーター214を通過して電磁レンズ207(対物レンズ)に進む。そして、電磁レンズ207は、マルチ1次電子ビーム20を基板101にフォーカス(合焦)する。対物レンズ207により基板101(試料)面上に焦点が合わされた(合焦された)マルチ1次電子ビーム20は、主偏向器208及び副偏向器209によって一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。なお、一括ブランキング偏向器212によって、マルチ1次電子ビーム20全体が一括して偏向された場合には、制限アパーチャ基板213の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板213によって遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチ1次電子ビーム20は、
図1に示すように制限アパーチャ基板213の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板213は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチ1次電子ビーム20を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板213を通過したビーム群により、検査用(画像取得用)のマルチ1次電子ビーム20が形成される。
【0030】
基板101の所望する位置にマルチ1次電子ビーム20が照射されると、かかるマルチ1次電子ビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチ1次電子ビーム20の各ビームに対応する、反射電子を含む2次電子の束(マルチ2次電子ビーム300)が放出される。
【0031】
基板101から放出されたマルチ2次電子ビーム300は、電磁レンズ207を通って、ビームセパレーター214に進む。
【0032】
ここで、ビームセパレーター214はマルチ1次電子ビーム20の中心ビームが進む方向(電子軌道中心軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。そのため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。ビームセパレーター214に上側から侵入してくるマルチ1次電子ビーム20には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチ1次電子ビーム20は下方に直進する。これに対して、ビームセパレーター214に下側から侵入してくるマルチ2次電子ビーム300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子ビーム300は斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20から分離する。
【0033】
斜め上方に曲げられ、マルチ1次電子ビーム20から分離したマルチ2次電子ビーム300は、偏向器218によって、さらに曲げられ、電磁レンズ224,226によって、屈折させられながらマルチ検出器222に投影される。マルチ検出器222は、投影されたマルチ2次電子ビーム300を検出する。マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子が投影されても良い。マルチ検出器222は、2次元センサを有する。そして、マルチ2次電子ビーム300の各2次電子が2次元センサのそれぞれ対応する領域に衝突して、電子を発生し、2次電子画像データを画素毎に生成する。言い換えれば、マルチ検出器222には、マルチ1次電子ビーム20の1次電子ビーム毎に、検出センサが配置される。そして、各1次電子ビームの照射によって放出された対応する2次電子ビームを検出する。よって、マルチ検出器222の複数の検出センサの各検出センサは、それぞれ担当する1次電子ビームの照射に起因する画像用の2次電子ビームの強度信号を検出することになる。マルチ検出器222にて検出された強度信号は、検出回路106に出力される。
【0034】
図3は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。
図3において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ、スキャナ等)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。各チップ332の領域は、例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割される。画像取得機構150によるスキャン動作は、例えば、ストライプ領域32毎に実施される。例えば、-x方向にステージ105を移動させながら、相対的にx方向にストライプ領域32のスキャン動作を進めていく。各ストライプ領域32は、長手方向に向かって複数の矩形領域33に分割される。対象となる矩形領域33へのビームの移動は、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。
【0035】
図4は、実施の形態1におけるマルチビームのスキャン動作を説明するための図である。
図4の例では、5×5列のマルチ1次電子ビーム20の場合を示している。1回のマルチ1次電子ビーム20の照射で照射可能な照射領域34は、(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じたx方向サイズ)×(基板101面上におけるマルチ1次電子ビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じたy方向サイズ)で定義される。各ストライプ領域32の幅は、照射領域34のy方向サイズと同様、或いはスキャンマージン分狭くしたサイズに設定すると好適である。
図3及び
図4の例では、照射領域34が矩形領域33と同じサイズの場合を示している。但し、これに限るものではない。照射領域34が矩形領域33よりも小さくても良い。或いは大きくても構わない。そして、マルチ1次電子ビーム20の各ビームは、自身のビームが位置するx方向のビーム間ピッチとy方向のビーム間ピッチとで囲まれるサブ照射領域29内に照射され、当該サブ照射領域29内を走査(スキャン動作)する。マルチ1次電子ビーム20を構成する各1次電子ビーム10は、互いに異なるいずれかのサブ照射領域29を担当することになる。そして、各ショット時に、各1次電子ビーム10は、担当サブ照射領域29内の同じ位置を照射することになる。サブ照射領域29内の1次電子ビーム10の移動は、副偏向器209によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって行われる。かかる動作を繰り返し、1つの1次電子ビーム10で1つのサブ照射領域29内を順に照射していく。そして、1つのサブ照射領域29のスキャンが終了したら、主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が同じストライプ領域32内の隣接する矩形領域33へと移動する。かかる動作を繰り返し、ストライプ領域32内を順に照射していく。1つのストライプ領域32のスキャンが終了したら、ステージ105の移動或いは/及び主偏向器208によるマルチ1次電子ビーム20全体での一括偏向によって照射位置が次のストライプ領域32へと移動する。以上のように各1次電子ビーム10の照射によってサブ照射領域29毎の2次電子画像が取得される。これらのサブ照射領域29毎の2次電子画像を組み合わせることで、矩形領域33の2次電子画像、ストライプ領域32の2次電子画像、或いはチップ332の2次電子画像が構成される。
【0036】
なお、
図4に示すように、各サブ照射領域29が矩形の複数のフレーム領域30に分割され、フレーム領域30単位の2次電子画像(被検査画像)が検査に使用される。
図4の例では、1つのサブ照射領域29が、例えば4つのフレーム領域30に分割される場合を示している。但し、分割される数は4つに限るものではない。その他の数に分割されても構わない。
【0037】
なお、例えばx方向に並ぶ複数のチップ332を同じグループとして、グループ毎に例えばy方向に向かって所定の幅で複数のストライプ領域32に分割されるようにしても好適である。そして、ストライプ領域32間の移動は、チップ332毎に限るものではなく、グループ毎に行っても好適である。
【0038】
ここで、ステージ105が連続移動しながらマルチ1次電子ビーム20を基板101に照射する場合、マルチ1次電子ビーム20の照射位置がステージ105の移動に追従するように主偏向器208によって一括偏向によるトラッキング動作が行われる。そのため、マルチ2次電子ビーム300の放出位置がマルチ1次電子ビーム20の軌道中心軸に対して刻々と変化する。同様に、サブ照射領域29内をスキャンする場合に、各2次電子ビームの放出位置は、サブ照射領域29内で刻々と変化する。このように放出位置が変化した各2次電子ビームをマルチ検出器222の対応する検出領域内に照射させるように、偏向器218は、マルチ2次電子ビーム300を一括偏向する。
【0039】
図5は、実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図5において、実施の形態1における検査方法は、スキャン工程(S102)と、フレーム画像作成工程(S104)と、実画輪郭位置抽出工程(S106)と、参照輪郭位置抽出工程(S108)と、平均シフトベクトル算出工程(S110)と、位置合わせ工程(S112)と、歪係数算出工程(S120)と、歪ベクトル推定工程(S122)と、欠陥位置ずれベクトル算出工程(S142)と、比較工程(S144)と、いう一連の工程を実施する。平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略する構成であっても構わない。或いは、平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略する代わりに、歪係数算出工程(S120)と歪ベクトル推定工程(S122)を省略する構成であっても構わない。
【0040】
スキャン工程(S102)として、画像取得機構150は、図形パターンが形成された基板101の画像を取得する。ここでは、複数の図形パターンが形成された基板101にマルチ1次電子ビーム20を照射して、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出されるマルチ2次電子ビーム300を検出することにより、基板101の2次電子画像を取得する。上述したように、マルチ検出器222には、反射電子及び2次電子が投影されても良いし、反射電子は途中で発散してしまい残った2次電子(マルチ2次電子ビーム300)が投影されても良い。
【0041】
上述したように、マルチ1次電子ビーム20の照射に起因して基板101から放出されるマルチ2次電子ビーム300は、マルチ検出器222で検出される。マルチ検出器222によって検出された各サブ照射領域29内の画素毎の2次電子の検出データ(測定画像データ:2次電子画像データ:被検査画像データ)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。そして、得られた測定画像データは、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
【0042】
図6は、実施の形態1における比較回路内の構成の一例を示すブロック図である。
図6において、実施の形態1における比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置50,51,52,53,56,57、フレーム画像作成部54、実画輪郭位置抽出部58、個別シフトベクトル算出部60、重み付き平均シフトベクトル算出部62、歪係数算出部66、歪ベクトル推定部68、欠陥位置ずれベクトル算出部82、及び比較処理部84が配置される。フレーム画像作成部54、実画輪郭位置抽出部58、個別シフトベクトル算出部60、重み付き平均シフトベクトル算出部62、歪係数算出部66、歪ベクトル推定部68、欠陥位置ずれベクトル算出部82、及び比較処理部84といった各「~部」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~部」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。フレーム画像作成部54、実画輪郭位置抽出部58、個別シフトベクトル算出部60、重み付き平均シフトベクトル算出部62、歪係数算出部66、歪ベクトル推定部68、欠陥位置ずれベクトル算出部82、及び比較処理部84内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度図示しないメモリ、或いはメモリ118に記憶される。
【0043】
比較回路108内に転送された測定画像データ(スキャン画像)は、記憶装置50に格納される。
【0044】
フレーム画像作成工程(S104)として、フレーム画像作成部54は、各1次電子ビーム10のスキャン動作によって取得されたサブ照射領域29の画像データをさらに分割した複数のフレーム領域30のフレーム領域30毎のフレーム画像31を作成する。なお、各フレーム領域30は、画像の抜けが無いように、互いにマージン領域が重なり合うように構成されると好適である。作成されたフレーム画像31は、記憶装置56に格納される。
【0045】
実画輪郭位置抽出工程(S106)として、実画輪郭位置抽出部58は、フレーム画像31毎に、当該フレーム画像31内の各図形パターンの複数の輪郭位置(実画輪郭位置)を抽出する。
【0046】
図7は、実施の形態1における実画輪郭位置の一例を示す図である。輪郭位置の抽出の仕方は、従来の手法で構わない。例えば、ソーベルフィルタ等の微分フィルタを用いてx,y方向に各画素を微分する微分フィルタ処理を行い、x,y方向の1次微分値を合成する。そして合成後の1次微分値を用いたプロファイルのピーク位置を輪郭線(実画輪郭線)上の輪郭位置として抽出する。
図7の例では、実画輪郭線が通る複数の輪郭画素について、それぞれ1点ずつ輪郭位置を抽出した場合を示している。輪郭位置は、各輪郭画素内においてサブ画素単位で抽出される。
図7の例では、画素内の座標(x,y)で輪郭位置を示している。また、複数の輪郭位置を所定の関数でフィッティングして近似する輪郭線の各輪郭位置での法線方向の角度θを示している。法線方向の角度θは、x軸に対する右回りの角度で定義される。得られた各実画輪郭位置の情報(実画輪郭線データ)は、記憶装置57に格納される。
【0047】
参照輪郭位置抽出工程(S108)として、参照輪郭位置抽出回路112は、複数の実画輪郭位置と比較するための複数の参照輪郭位置を抽出する。参照輪郭位置の抽出は、設計データから抽出しても良いし、或いは、まず、設計データから参照画像を作成し、参照画像を用いて測定画像であるフレーム画像31の場合と同様の手法で参照輪郭位置を抽出しても構わない。或いは、その他の従来の手法で複数の参照輪郭位置を抽出するようにしても良い。
【0048】
図8は、実施の形態1における参照輪郭位置を抽出する手法の一例を説明するための図である。
図8の例では、設計データから参照輪郭位置を抽出する手法の一例を示す。
図8において、参照輪郭位置抽出回路112は、記憶装置109から基板101に形成されたパターンの元になる設計パターンデータ(設計データ)を読み出す。参照輪郭位置抽出回路112は、設計データに対して、画素サイズのグリッドを設定する。画素に相当する四角形の中で、直線部の中点を参照輪郭位置とする。図形パターンの角部(コーナー)が存在する場合は、コーナー頂点を参照輪郭位置とする。コーナーが複数存在する場合は、コーナー頂点の中間点を参照輪郭位置にする。以上により、フレーム領域30内の設計パターンとしての図形パターンの輪郭位置を精度よく抽出できる。得られた各参照輪郭位置の情報(参照輪郭線データ)は、比較回路108に出力される。比較回路108では、参照輪郭線データが記憶装置52に格納される。
【0049】
平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略する場合、歪係数算出工程(S120)に進む。平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略しない場合、平均シフトベクトル算出工程(S110)に進む。
【0050】
平均シフトベクトル算出工程(S110)として、重み付き平均シフトベクトル算出部62は、フレーム画像31内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と複数の参照輪郭位置とを用いて、複数の実画輪郭位置と複数の参照輪郭位置との間で平行シフトによる位置合わせを行うための実画輪郭線の法線方向に重み付けされた平均シフトベクトルDaveを算出する。具体的には、以下のように動作する。
【0051】
図9は、実施の形態1における個別シフトベクトルの一例を示す図である。実施の形態1における個別シフトベクトルは、
図9に示すように、注目する実画輪郭位置と、注目実画輪郭位置に対応する参照輪郭位置との相対ベクトルを注目実画輪郭位置での法線方向へ射影した成分とする。個別シフトベクトル算出部60は、複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に個別シフトベクトルを算出する。注目実画輪郭位置に対応する参照輪郭位置として、注目実画輪郭位置から最も近い参照輪郭位置を用いる。
【0052】
図10は、実施の形態1における重み付き平均シフトベクトルを算出する手法を説明するための図である。
図10において、重み付き平均シフトベクトル算出部62は、実画輪郭位置iの個別シフトベクトルD
iのx方向成分Dx
iとy方向成分Dy
iと法線方向角度A
iを用いて、フレーム画像31毎に、法線方向に重み付けされた平均シフトベクトルDaveを算出する。実画輪郭位置iは、同じフレーム画像31内のi番目の実画輪郭位置を示す。法線方向に直交する実画輪郭線の接線方向のシフトベクトル成分には情報が無いが、シフト量(ベクトル量)はゼロになる。真のシフト量がゼロの場合と区別するため(平均計算に誤差が生じないように)、法線方向に重み付けして計算する。
図10では、平均シフトベクトルDaveのx方向成分Dxaveとy方向成分Dyaveを求める式が示されている。平均シフトベクトルDaveのx方向成分Dxaveは、個別シフトベクトルD
iのx方向成分Dx
iの合計をcosA
iの絶対値の合計で割ることで得ることができる。平均シフトベクトルDaveのy方向成分Dyaveは、個別シフトベクトルD
iのy方向成分Dy
iの合計をsinA
iの絶対値の合計で割ることで得ることができる。平均シフトベクトルDaveの情報は記憶装置51に格納される。
【0053】
歪係数算出工程(S120)と歪ベクトル推定工程(S122)とを省略する場合、位置ずれベクトル算出工程(S142)に進む。
【0054】
欠陥位置ずれベクトル算出工程(S142)として、欠陥位置ずれベクトル算出部82は、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での平均シフトベクトルDaveを考慮した欠陥位置ずれベクトルを算出する。
【0055】
図11は、実施の形態1における平均シフトベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルを説明するための図である。上述したように、輪郭線同士のずれには、欠陥による位置ずれの他に、画像自体の歪に起因する位置ずれが含まれる。よって、輪郭線同士の欠陥の有無を正確に検査するためには、測定画像であるフレーム画像31自体の歪に起因するずれ分を補正するために、フレーム画像31の実画輪郭線と参照輪郭線との間での高精度な位置合わせを行う必要がある。位置合わせ前の実画輪郭位置と参照輪郭位置との間の位置ずれベクトル(相対ベクトル)には、画像の歪分が含まれている。
図11の例では、歪分の位置ずれ成分として、同じフレーム画像31内で共通の平均シフトベクトルDaveを用いる。そこで、画像の歪分を補正する位置合わせ処理を別に行う代わりに、欠陥位置ずれベクトル算出部82は、位置合わせ前の実画輪郭位置と参照輪郭位置との間の位置ずれベクトル(相対ベクトル)から平均シフトベクトルDaveを差し引いた欠陥位置ずれベクトル(平均シフト後)を算出する。これにより、位置合わせと同じ効果を得ることができる。
【0056】
比較工程(S144)として、比較処理部84(比較部)は、平均シフトベクトルDaveを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較する。具体的には、比較処理部84は、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での平均シフトベクトルDaveを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさ(距離)が判定閾値を超えた場合に欠陥と判定する。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される。
【0057】
以上のように、平均シフトベクトルDaveを使った平行シフトによる歪補正を行うことで、位置ずれ量から歪に起因した位置ずれ分を除いた欠陥に起因する位置ずれ成分の検査ができる。また、法線方向に重み付けを行うことで信頼性に乏しい接線方向成分の寄与を低減できる。
【0058】
なお、画像の歪には、平行シフトでは補正しきれない補正残差が残ってしまう場合がある。そこで、次に、平行シフトよりも高精度な歪補正を行うことが可能な構成について説明する。
【0059】
具体的には、平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略する場合について説明する。かかる場合には、実画輪郭位置と参照輪郭位置とを抽出した後、歪係数算出工程(S120)に進む。或いは、平均シフトベクトル算出工程(S110)と歪係数算出工程(S120)と歪ベクトル推定工程(S122)とを省略しない場合について説明する。かかる場合には、平均シフトベクトル算出工程(S110)の後に歪係数算出工程(S120)に進む。
【0060】
歪係数算出工程(S120)として、歪係数算出部66は、フレーム画像31内の図形パターンの実画輪郭線上の複数の実画輪郭位置と、実画輪郭線と比較するための参照輪郭線上の複数の参照輪郭位置とを用いて、フレーム画像31の歪に起因する複数の実画輪郭位置の法線方向に重み付けして歪係数を算出する。歪係数算出部66は、2次元歪モデルを用いて、歪係数を算出する。
【0061】
図12は、実施の形態1における2次元歪モデルを説明するための図である。
図12の例では、個別シフトベクトルD
iを多項式でフィッティングする歪の式を用いた2次元歪モデルを示している。さらに、法線方向への重み係数W
iを考慮した重み付けを行う。
図12の2次元歪モデルでは、3次多項式を用いる。そのため、
図12の2次元歪モデルでは、重み係数Wと方程式行列Zと3次多項式の係数である歪係数Cと個別シフトベクトルDとを用いて、次の式(1)で示す2次元歪モデルの方程式を用いる。
(1) WZC=WD
【0062】
歪係数算出部66は、式(1)がフレーム画像31内の各実画輪郭位置iに対して全体の誤差が小さくなるような歪係数Cを求める。具体的には以下のようにして求める。式(1)をx方向成分とy方向成分とに分けて定義する。x方向成分の歪の式は、実画輪郭位置iのフレーム領域30内座標(xi,yi)を用いて、次の式(2-1)で定義される。y方向成分の歪の式は、実画輪郭位置iのフレーム領域30内座標(xi,yi)を用いて、次の式(2-2)で定義される。
(2-1) Dxi(xi,yi)
=C00+C01xi+C02yi+C03xi
2+C04xiyi+C05yi
2
+C06xi
3+C07xi
2yi+C08xiyi
2+C09yi
3
(2-2) Dyi(xi,yi)
=C10+C11xi+C12yi+C13xi
2+C14xiyi+C15yi
2
+C16xi
3+C17xi
2yi+C18xiyi
2+C19yi
3
ここでは、歪みを3次多項式で表しているが、実際の歪の複雑度に合わせて、2次以下の式や、4次以上の式で表すことができる。
【0063】
よって、x方向成分の歪係数Cxは、3次多項式の各係数C00,C01,C02,・・・,C09である。y方向の歪係数Cyは、同じ3次多項式の各係数C10,C11,C12,・・・,C19である。また、方程式行列Zの各行の要素は3次多項式の各係数を1とした場合の各項(1,xi,yi,xi
2,xiyi,yi
2,xi
3,xi
2yi,xiyi
2,yi
3)となる。
【0064】
x方向成分の各実画輪郭位置iの重み係数Wxi(xi,yi)は、法線方向の角度A(xi,yi)と重みの累乗数nを用いて次の式(3-1)で定義される。同様に、y方向成分の各実画輪郭位置iの重み係数Wyi(xi,yi)は、法線方向の角度A(xi,yi)と重みの累乗数nを用いて次の式(3-2)で定義される。
(3-1) Wxi(xi,yi)=cosn(Ai(xi,yi))
(3-2) Wyi(xi,yi)=sinn(Ai(xi,yi))
ここでは、重みを累乗することにより先鋭化を行っているが、ロジスティック関数やアークタンジェント関数などの一般的な関数を用いることによって重みの先鋭化を行うことができる。
【0065】
式(1)をx方向成分とy方向成分とに分けて、
図12に示すように、それぞれ行列で定義する。かかる行列の式を解くことで、x方向成分の歪係数Cxとy方向の歪係数Cyとを算出する。実画輪郭位置iの数は、x方向成分の歪係数C
00,C
01,C
02,・・・,C
09の数(9つ)よりも通常多いので、誤差ができるだけ小さくなるように算出すればよい。y方向成分の歪係数C
10,C
11,C
12,・・・,C
19についても同様に算出すればよい。ここで、式(1)に最小二乗法を適用して、式(4)に示すような演算を行い、係数Cを求めると好適である。
(4) C=((WZ)
T(WZ))
-1(WZ)
TWD
(M
-1は行列Mの逆行列、M
Tは行列Mの転置行列を表す)
【0066】
ここで、歪係数を算出する際、平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略する場合、
図12で示すDx
i(x
i,y
i),Dy
i(x
i,y
i),A
i(x
i,y
i)として、
図10で説明した実画輪郭位置iの個別シフトベクトルD
iのx方向成分Dx
iとy方向成分Dy
iと法線方向角度Aiを用いればよい。平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略せずに、平均シフトベクトル算出工程(S110)の後に歪係数を算出する場合、
図12で示すDx
i(x
i,y
i),Dy
i(x
i,y
i),A
i(x
i,y
i)として、平均シフトベクトルDaveで各個別シフトベクトルD
iを補正して歪係数を算出ずればよい。
ここでは、平均シフトベクトル算出工程とは他の手段でシフトベクトルを求め、補正することも出来る。例えば、ダイ-ダイ検査における2つの検査画像に対して一般的なアライメント方法を適用して、シフトベクトルを求めても良い。
【0067】
歪ベクトル推定工程(S122)として、歪ベクトル推定部68は、複数の実画輪郭位置の実画輪郭位置毎に、歪係数Cを用いてフレーム内座標(xi,yi)における歪ベクトルを推定する。具体的には、得られたx方向成分の歪係数C00,C01,C02,・・・,C09を用いた式(2-1)と、得られたy方向成分の歪係数C10,C11,C12,・・・,C19を用いた式(2-2)をフレーム内座標(xi,yi)に対して計算して得られるx方向の歪量Dxiとy方向の歪量Dyiとを合成し、歪ベクトルDhiを推定する。
【0068】
欠陥位置ずれベクトル算出工程(S142)として、欠陥位置ずれベクトル算出部82は、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での歪ベクトルDhiを考慮した欠陥位置ずれベクトルを算出する。
【0069】
図13は、実施の形態1における歪ベクトルを考慮した欠陥位置ずれベクトルを説明するための図である。上述したように、輪郭線同士のずれには、欠陥による位置ずれの他に、画像自体の歪に起因する位置ずれが含まれる。よって、輪郭線同士の欠陥の有無を正確に検査するためには、測定画像であるフレーム画像31自体の歪に起因するずれ分を補正するために、フレーム画像31の実画輪郭線と参照輪郭線との間での高精度な位置合わせを行う必要がある。位置合わせ前の実画輪郭位置と参照輪郭位置との間の位置ずれベクトル(相対ベクトル)には、画像の歪分が含まれている。
図13の例では、歪分の位置ずれ成分として、個別の歪ベクトルDh
iを用いる。そこで、画像の歪分を補正する位置合わせ処理を別に行う代わりに、欠陥位置ずれベクトル算出部82は、位置合わせ前の実画輪郭位置と参照輪郭位置との間の位置ずれベクトル(相対ベクトル)から個別の歪ベクトルDh
iを差し引いた欠陥位置ずれベクトル(歪補正後)を算出する。これにより、位置合わせと同じ効果を得ることができる。
【0070】
ここで、平均シフトベクトル算出工程(S110)を省略せずに、平均シフトベクトル算出工程(S110)の後に歪係数を算出する場合、欠陥位置ずれベクトル算出部82は、位置合わせ前の実画輪郭位置と参照輪郭位置との間の位置ずれベクトル(相対ベクトル)から個別の歪ベクトルDhiの他にさらに平均シフトベクトルDaveを差し引いた欠陥位置ずれベクトル(歪補正後)を算出する。
【0071】
比較工程(S144)として、比較処理部84(比較部)は、実画輪郭位置毎の個別の歪ベクトルDiを用いて、実画輪郭線と参照輪郭線とを比較する。具体的には、比較処理部84は、複数の実画輪郭位置の各実画輪郭位置と、それぞれ対応する参照輪郭位置との間での個別の歪ベクトルDhiを考慮した欠陥位置ずれベクトルの大きさ(距離)が判定閾値を超えた場合に欠陥と判定する。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される。
【0072】
以上により、平行シフトでは補正しきれない回転誤差、倍率誤差、直交誤差、あるいはより高次の歪についても補正できる。これにより位置ずれ量からさらに精度良く歪に起因した位置ずれ分を除いた欠陥に起因する位置ずれ成分の検査ができる。また、法線方向に重み付けを行うことで信頼性に乏しい接線方向成分の寄与を低減できる。
【0073】
図14は、実施の形態1における歪を付加した画像の位置ずれ量の測定結果と法線方向への重み付けを行わずに歪推定を行った位置ずれ量との一例を示す図である。
図14では、512×512画素のフレーム画像31内に歪を付加した場合の位置ずれ量(付加歪)の測定結果を示す(測定点はフレーム内の9×9点)。また、かかる各位置での位置ずれ量を法線方向への重み付けを行わずに歪係数を求め、歪ベクトルを推定した結果(推定歪)を示す。
図14に示すように、法線方向への重み付けを行わない場合、付加歪と推定歪との間に誤差が残ることがわかる。
【0074】
図15は、実施の形態1における歪を付加した画像の位置ずれ量の測定結果と法線方向への重み付けを行った歪推定を行った位置ずれ量との一例を示す図である。
図15では、512×512画素のフレーム画像31内に歪を付加した場合の位置ずれ量(付加歪)の測定結果を示す(測定点はフレーム内の9×9点)。また、かかる各位置での位置ずれ量を法線方向への重み付けとして、式(3-1)と式(3-2)の重み係数の重みの累乗数nをn=3にした場合の歪係数を求め、歪ベクトルを推定した結果(推定歪)を示す。
図15に示すように、法線方向への重み付けを行った場合、付加歪と推定歪との間に誤差が低減できる。
【0075】
上述した例では、設計データに基づいて作成された参照画像或いは設計データから得られた参照輪郭位置(或いは参照輪郭線)と測定画像であるフレーム画像との間で比較する場合(ダイ-データベース検査)を説明したが、これに限るものではない。例えば、同じパターンが形成された複数のダイの一方のフレーム画像と他方のフレーム画像との間で比較する場合(ダイ-ダイ検査)であっても構わない。ダイ-ダイ検査の場合、参照輪郭位置は、ダイ1のフレーム画像31内の複数の輪郭位置を抽出した場合と同じ手法でダイ2のフレーム画像31内の複数の輪郭位置を抽出すればよい。そして、両者間の距離を算出すればよい。
【0076】
以上のように、実施の形態1によれば、測定画像の歪に起因する位置ずれを考慮した検査ができる。また、法線方向に重み付けを行うことで信頼性に乏しい接線方向成分の寄与を低減できる。また、計算量の大きい処理を行うことなく、歪係数算出の精度を高めることができる。よって、適度な検査時間の中での欠陥検出感度を向上できる。
【0077】
以上の説明において、一連の「~回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照輪郭位置抽出回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、及び偏向制御回路128は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。
【0078】
以上、具体例を参照しながら実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
図1の例では、1つの照射源となる電子銃201から照射された1本のビームから成形アパーチャアレイ基板203によりマルチ1次電子ビーム20を形成する場合を示しているが、これに限るものではない。複数の照射源からそれぞれ1次電子ビームを照射することによってマルチ1次電子ビーム20を形成する態様であっても構わない。
【0079】
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
【0080】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのアライメント方法、歪み補正方法、パターン検査方法、及びパターン検査装置は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0081】
10 1次電子ビーム
20 マルチ1次電子ビーム
22 穴
29 サブ照射領域
30 フレーム領域
31 フレーム画像
32 ストライプ領域
33 矩形領域
34 照射領域
50,51,52,53,56,57 記憶装置
54 フレーム画像作成部
58 実画輪郭位置抽出部
60 個別シフトベクトル算出部
62 重み付き平均シフトベクトル算出部
66 歪係数算出部
68 歪ベクトル推定部
82 欠陥位置ずれベクトル算出部
84 比較処理部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 ステージ
106 検出回路
107 位置回路
108 比較回路
109 記憶装置
110 制御計算機
112 参照輪郭位置抽出回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
120 バス
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
128 偏向制御回路
142 駆動機構
144,146,148 DACアンプ
150 画像取得機構
160 制御系回路
201 電子銃
202 電磁レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205,206,207,224,226 電磁レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 一括ブランキング偏向器
213 制限アパーチャ基板
214 ビームセパレーター
216 ミラー
218 偏向器
222 マルチ検出器
300 マルチ2次電子ビーム
330 検査領域
332 チップ