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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G01N35/00 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022579365
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2021045125
(87)【国際公開番号】W WO2022168433
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2021018031
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小泉 信宏
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健治
(72)【発明者】
【氏名】中島 愛華
(72)【発明者】
【氏名】関 善裕
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/224968(WO,A1)
【文献】特開平07-318565(JP,A)
【文献】特開2020-051800(JP,A)
【文献】特開2018-109879(JP,A)
【文献】特開平08-129476(JP,A)
【文献】特開2005-265743(JP,A)
【文献】特開2017-009956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクまたはモバイル装置から音声入力を受ける操作部と、検体を分析する測定部とを備える自動分析装置であって、
前記操作部は、
前記測定部の機器状態データを取得する機器状態取得部と、
前記マイクに入力された音声をデジタル信号に変換した音声データ、または前記モバイル装置に入力された音声をデジタル信号に変換した音声データを取得し、音声指示テキストに変換する音声検出・認識部と、
前記音声指示テキストが前記測定部への動作指示を含んでいる場合、前記機器状態取得部が取得した前記測定部の機器状態データと、前記音声指示テキストの確実度とに基づき、前記音声指示テキストの含む動作指示の実行可否を判定する装置動作可否判定部とを有する、ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記装置動作可否判定部は、判定テーブルを用いて、前記音声指示テキストの含む動作指示の実行可否を判定し、
前記判定テーブルは、前記測定部の機器状態データと動作指示との組み合わせについて、当該動作指示の有効または無効を登録するとともに、当該動作指示が有効である場合には、当該動作指示を有効とする前記音声指示テキストの確実度の閾値が設定されている、ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記音声指示テキストの確実度は、前記音声指示テキストと動作指示の文字列との一致率に基づき算出されることを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記操作部は、画面表示・音声出力部を有し、
前記装置動作可否判定部は、前記音声入力が前記自動分析装置に離れた場所にいるユーザからなされていると判定される場合には、前記画面表示・音声出力部により、画面または音声により、前記音声指示テキストの含む動作指示の実行につき、前記ユーザに確認をとることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記装置動作可否判定部は、前記音声入力を行った前記マイクの声量または前記音声入力を行った前記モバイル装置の位置情報または受信電波強度に基づき、前記音声入力が前記自動分析装置から離れた場所にいるユーザからなされているか否かを判定することを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記操作部は、外部サーバに接続され、前記外部サーバより前記自動分析装置の検査スケジュールを取得する検査計画取得部を有し、
前記装置動作可否判定部は、前記音声指示テキストが前記測定部への動作指示を含んでいる場合、前記検査計画取得部が取得した前記自動分析装置の検査スケジュールと前記音声指示テキストの含む動作指示とに基づき、前記音声指示テキストの含む動作指示の実行可否を判定することを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記装置動作可否判定部は、前記音声指示テキストの含む動作指示があらかじめ定められた特定動作の開始であり、前記検査計画取得部が取得した前記自動分析装置の検査スケジュールにおいて所定時間以内に前記特定動作が予定されている場合には、前記特定動作の開始の動作指示を実行否とすることを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記モバイル装置は、前記マイクを備えるピンマイク、ヘッドホン、スマートフォン、タブレット、スマートグラス、スマートウォッチのいずれかであることを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光分析、発光分析、クロマトグラフィー分析、質量分析等を行う自動分析装置関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、血液および尿などの検体を生化学的または免疫学的に分析し、検体中の分析対象微量物質と検査試薬成分との間で生じた反応を光化学的および電気的に検出する。
【0003】
従来の自動分析装置では、スイッチやタッチパネルなどを用いて、測定の開始や停止などの操作指示を行っている。そのため、試験管や試薬瓶を持っていて両手が塞がっている状態では、操作することができなかった。また、自動分析装置を操作する際に、細菌・ウイルス等の感染性病原体を含む血液等にユーザ(オペレータ)の手が触れてしまうおそれを排除することができない。
【0004】
一方で近年、音声認識の技術が格段に進歩したことにより、家電分野などにおいては既に音声で操作可能なスマート家電が商品化されているが、自動分析装置においても、装置に触れることなく、操作可能にする音声入力技術の適用が検討されている。
【0005】
例えば特許文献1の装置では、分析部に動作指示を発行する指示受付部に、音声信号を予め決められた符号に変換する音声認識装置を接続し、音声入力を可能とする。これにより、両手が塞がれた状態でも、音声にて分析装置を操作可能となる。
【0006】
また、特許文献2の装置では、ユーザの指示を音および映像の少なくとも一方で検出する検出部と、音または映像の内容を解析するための解析情報が記録された記録部と、検出部が検出した音または映像と解析情報とに基づいてユーザの指示を認識する認識部と、認識部が認識した指示内容に基づいて自動分析装置の動作を制御する制御信号を出力する制御信号出力部とを備える。さらに認識部は、解析情報と検出部が検出したユーザから発せられる複数の情報とに基づいてユーザを特定し、認識部が特定したユーザが実行可能な操作を特定する操作特定部を備える。これにより、バイオセーフティのみならずセキュリティの観点からも安全な検体検査が可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平7-318565号公報
【文献】特開2020-51800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
2つの特許文献はどちらも、音声での操作を可能とすることでユーザの利便性を向上させている。しかしながら、自動分析装置を操作する場合には、とりわけ音声の誤認識による動作に対する安全性の確保が課題となる。一般的に音声を入力手段として用いる場合、タッチパネル等の直接的な入力手段と比較して、音声の誤認識に起因する誤操作が発生しやすいと考えられる。人によって滑舌が悪い場合、声が小さい場合、早口の場合、マスクをしている場合、周囲の騒音が大きい場合などには、特に高い確率で誤認識が発生するおそれがある。自動分析装置に対して不適切な操作が行われると、危害を伴う事故を生じさせるおそれもあり、安全性の担保は重要な課題である。
【0009】
また、音声入力では装置から離れた場所にいる状態であっても、声さえ届けば操作できるため、ユーザが必要な装置の安全確認を失念したまま操作の指示を出してしまうおそれもある。このような場合も、ユーザが装置及びその周囲の状況を十分に確認していないことにより、思わぬ事故が発生する可能性がある。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、音声入力により自動分析装置を操作可能とすることで利便性を高めるとともに、音声の誤認識に対する安全性を高めた自動分析装置提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施の態様である自動分析装置は、マイクまたはモバイル装置から音声入力を受ける操作部と、検体を分析する測定部とを備える自動分析装置であって、
操作部は、測定部の機器状態データを取得する機器状態取得部と、マイクに入力された音声をデジタル信号に変換した音声データ、またはモバイル装置に入力された音声をデジタル信号に変換した音声データを取得し、音声指示テキストに変換する音声検出・認識部と、音声指示テキストが測定部への動作指示を含んでいる場合、機器状態取得部が取得した測定部の機器状態データと、音声指示テキストの確実度とに基づき、音声指示テキストの含む動作指示の実行可否を判定する装置動作可否判定部とを有する。
【発明の効果】
【0013】
安全性を担保しつつ、操作性を向上させた自動分析装置提供する。
【0014】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1の自動分析システムの構成例である。
図2A】操作部のハードウェア構成例である。
図2B】実施例1の音声入力処理にかかるソフトウェアブロックの構成例である。
図3】実施例1の音声入力処理シーケンス例を示す図である。
図4】動作可否判定処理のフローチャートである。
図5】判定テーブルのデータ構造を示す図である。
図6】実施例2の自動分析システムの構成例である。
図7】実施例2の音声入力処理シーケンス例を示す図である。
図8】実施例2の音声入力処理にかかるソフトウェアブロックの構成例である。
図9】管理サーバが実行する音声入力処理プログラムのフローチャートである。
図10】管理テーブルのデータ構造を示す図である。
図11】実施例2の音声入力処理にかかるソフトウェアブロックの構成例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
実施例1では、1人のユーザが1台の自動分析装置を音声で操作する例について説明する。図1は、実施例1の自動分析システムの構成例を示す図である。自動分析装置100は、測定部101と操作部102を備えている。測定部101は、血液および尿などの検体を生化学的または免疫学的に分析し、検体中の分析対象微量物質と検査試薬成分との間で生じた反応を光化学的または電気的に検出する。自動分析装置100が実行する分析、例えば分光分析、発光分析、クロマトグラフィー分析、質量分析に応じた測定部が設けられる。ここでは1つの測定部を備える例を示しているが、複数の測定部が設けられてもよい。操作部102は、測定部101と接続されており、ユーザの指示に応じて制御命令(コマンド)を生成して測定部101に送信したり、測定部101の測定結果を受信して画面等に表示したりする。
【0017】
本実施例の自動分析装置100は、音声入力を可能とするため、操作部102にはマイク103が備えられている。音声入力が可能になることで、ユーザは操作部102を直接操作(例えば、GUI画面もしくは操作部102が備えるボタンやキーボードからの指の接触をともなう操作)しなくても、ユーザが自動分析装置100に対して指示を出せるようになる。この利便性を高めるため、さらに、本システムでは好ましくは無線で操作部102と接続されるモバイル装置107を設ける。モバイル装置107はマイクを備え、ユーザが携帯または装着可能な装置であればよく、ピンマイク、ヘッドホン、スマートフォン、タブレット、スマートグラス、スマートウォッチなどが考えられる。これにより、操作対象の自動分析装置100のマイク103から少し離れた場所にいるユーザであっても、モバイル装置107を介した音声入力が可能となり利便性をより向上させることができる。
【0018】
検査計画管理サーバ105は、自動分析装置100が設置された施設における1日の検査計画を作成し、施設の保有する自動分析装置に対して検査スケジュールを配信する。検査スケジュールは、当該自動分析装置が、何時から測定前準備を開始し、何時からメンテナンス、キャリブレーション、精度管理などの特定動作を開始するか、といった情報を含んでいる。操作部102と検査計画管理サーバ105とはネットワーク106を介して通信可能に接続されている。
【0019】
図2Aに、操作部102のハードウェア構成例を示す。操作部102は、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、表示インタフェース204、入出力インタフェース205、ネットワークインタフェース206、音声入力ポート207を含み、これらはバス208により結合されている。その他、外部装置と接続するための入出力(I/O)ポートを含んでもよい。音声入力ポート207はマイク103に接続されている。入出力インタフェース205は、キーボードやボタンなどの入力デバイス210と接続され、表示インタフェース204は、ディスプレイ209に接続され、GUI(Graphical User Interface)を実現する。ネットワークインタフェース206はネットワーク106やモバイル装置107と接続するためのインタフェースである。ストレージ203は通常、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、操作部102が実行するプログラムやプログラムが処理対象とするデータ等を記憶する。メモリ202はRAM(Random Access Memory)で構成され、プロセッサ201の命令により、プログラムやプログラムの実行に必要なデータ等を一時的に記憶する。プロセッサ201は、ストレージ203からメモリ202にロードしたプログラムを実行する。
【0020】
図2Bに、操作部102の音声入力処理に関わるソフトウェアブロックの構成例を示す。操作部102の機能は、ストレージ203に格納されたプログラムがプロセッサ201によって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現される。コンピュータなどが実行するプログラム、その機能、あるいはその機能を実現する手段を、「機能」、「部」等と呼ぶ場合がある。
【0021】
音声検出・認識部211は、マイク103からの音声を音声入力ポート207でデジタル信号に変換した音声データ、あるいはモバイル装置107に入力された音声を同様にデジタル信号に変換した音声データを取得し、その内容を認識する処理を行う。検査計画取得部212は、検査計画管理サーバ105から当該自動分析装置の検査スケジュールを取得する。機器状態取得部213は、測定部101の機器状態を示す機器状態データを取得する。装置動作可否判定部214は、機器状態取得部213が取得した機器状態データ、検査計画取得部212が取得した検査スケジュールの情報を踏まえて、音声検出・認識部211が認識したユーザの指示に対応する装置の動作を許可するか否かを判定する。制御命令出力部215は、装置動作可否判定部214からユーザからの動作指示を受信し、対応する制御命令を測定部101へ送信する。画面表示・音声出力部216は、装置の動作や分析測定の結果を画面に表示したり、スピーカから音声で出力したりする処理を行う。
【0022】
図3は、自動分析装置の音声入力処理シーケンス例を示す図である。
【0023】
検査計画取得部212は検査計画管理サーバ105から一定周期で検査スケジュール(検査計画データ302)を取得し(ステップ312)、装置動作可否判定部214に送信する。あるいは、検査スケジュールに変更があったときに、検査計画管理サーバ105から変更された検査スケジュールを検査計画取得部212に送信するように構成してもよい。機器状態取得部213は測定部101から一定周期で機器状態データ301を取得し(ステップ311)、装置動作可否判定部214に送信する。あるいは、機器状態に変化があったときに、測定部101から変更後の機器状態データ301を機器状態取得部213に送信するように構成してもよい。
【0024】
ユーザは、マイク103やモバイル装置107から、「スタート」、「ストップ」、「メンテナンス開始」、「キャリブレーション開始」、「精度管理開始」といった装置を操作する言葉を発声する。マイク103やモバイル装置107は音声データ304を取得し、音声検出・認識部211に送信する。音声検出・認識部211は音声データ304をテキストデータ(「音声指示テキスト」という)に変換し(ステップ313)、装置動作可否判定部214へ送信する。
【0025】
装置動作可否判定部214は、音声検出・認識部211から音声指示テキストを受信すると、その時点での最新の検査スケジュール及び機器状態データを踏まえて、音声指示テキストの指示内容にしたがった動作を許可するか否かを判定する(ステップ314)。判定処理の詳細については後述する。装置動作可否判定部214は、動作を許可する場合には、制御命令出力部215に当該動作を実行させるための動作指示を送信する(ステップ315)。制御命令出力部215は、受信した動作指示を、対応する制御命令(コマンド)に変換し(ステップ316)、測定部101に送信する。測定部101は、制御命令にしたがった動作を実行する(ステップ317)。動作実行後、測定部101は実行結果を制御命令出力部215に送信し、制御命令出力部215は画面表示・音声出力部216に実行結果を送信する。画面表示・音声出力部216は画面や音声を用いて、音声入力による指示の実行結果をユーザへ示す。画面や音声の出力方法は、出力を行う装置の特徴に応じて最適化されるようにしてもよい。例えば表示画面がタブレットの画面であれば詳細情報を表示するようにし、例えば、表示画面がスマートウォッチの画面であれば表示する情報は最小限として、音声やバイブレーションと併用してもよい。
【0026】
装置動作可否判定部214の動作可否判定処理(ステップ314)の処理例を、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0027】
まず、音声指示テキストが特定動作開始を指示するものであり、かつ検査スケジュールにおいて所定時間以内に当該特定動作の実行計画がある場合には、当該特定動作開始の動作指示を出さずに(動作不可として)処理を終了する(ステップ401)。
【0028】
特定動作の一例がメンテナンスである。このとき、画面表示・音声出力部216に「本装置はN時間後にメンテナンス実行が計画されているので、今は実行しません。」と音声でガイダンスするようにしてもよい。特定動作はメンテナンスに限られず、例えばキャリブレーションや精度管理を特定動作として設定できる。この場合も、同様に、画面表示・音声出力部216に「本装置はN時間後にキャリブレーション(精度管理)実行が計画されているので、今は実行しません。」と音声でガイダンスするようにするとよい。なお、動作不可として処理を終了する基準とする所定時間は特定動作ごとに異なる時間としてよい。
【0029】
ここで、音声指示テキストが測定部101への動作指示を含んでいる場合、音声認識における誤認識に起因して自動分析装置がユーザの意図しない動作を行うことにより、結果として検査効率を低下させてしまう、あるいは事故を発生させてしまうおそれがある。そこで本実施例では、このような不具合を避けるため、装置の機器状態データと音声指示テキストの確実度とに基づく閾値をあらかじめ定めておき、音声指示テキストの確実度がその閾値以上である場合にのみ、音声指示テキストの意味する動作指示を実行可とする。
【0030】
図5に、音声認識の確実度の閾値を設定する判定テーブル303のデータ構造を示す。判定テーブル303の縦軸は自動分析装置の機器状態(例えば「検体測定中」「停止中」「特定動作中」(ここでは、一括で設定する例を示しているが、個別の特定動作(メンテナンス、キャリブレーション、精度管理など)ごとに設定してもよい)「緊急検体の測定中」など)を示し、横軸は動作指示(例えば「スタート」「ストップ」「特定動作実行」(同様に、個別の特定動作ごとに設定してもよい)など)を示している。各セルには機器状態データと動作指示との組み合わせについて、動作指示の有効または無効が登録され、さらに動作指示が有効である場合には、当該動作指示を有効とする音声認識の確実度の閾値が設定される。ここで、音声認識の確実度は、例えば音声指示テキストと動作指示の文字列の一致率とすることができる。例えば音声指示テキストが「えんてなんす」であった場合、特定動作指示「メンテナンス」である確実度は、6文字中5文字が一致するので83%(=5/6)となる。
【0031】
ステップ401に該当しない場合には、ストレージ203に記憶されている判定テーブル303を読み込み、その時点での最新の機器状態データ、および音声指示テキストについて認識された動作指示に対応するセルを探す(ステップ402)。例えば、機器状態が「緊急検体の測定中」で、動作指示が「ストップ」に該当するセルは、「90%」が設定されている。これは装置が緊急検体を測定中に、ユーザから音声で「ストップ」を指示されたと誤って認識し、装置が緊急検体の測定を停止させると、検査の遅延の影響が著しく大きくなるため、音声認識の確実度が90%以上の場合のみ、測定の停止を実行可(有効)と判断することを示している。一方、「-」が設定されているセルは、認識された動作指示にしたがった動作を実行しない(実行否、無効)と判断することを示す。例えば、機器状態が「検体測定中」で、動作指示が「スタート」に該当するセルには、「-」(無効)が設定されている。これは装置が検体を既に測定中なので、ユーザから音声で「スタート」を指示されても実行すべき動作がないためである。
【0032】
判定テーブル303に該当するセルが見つからない場合、または対応するセルの値が「-」の場合には、測定部101に対する制御命令を出すことなく処理を終了する(ステップ403)。このとき、画面表示・音声出力部216からユーザに画面や音声で、原因に応じたガイダンスを行うことが望ましい。例えば音声指示テキストから判定テーブル303に登録されている動作指示が認識されなかった場合には「動作指示が認識できません」、該当セルに「-」が設定されていた場合には「その動作指示は現在実行できません」とユーザに対して通知する。
【0033】
ステップ403がNoである場合には、音声認識の確実度を計算し、当該セルの設定値と比較する。音声認識の確実度の計算方法は上述の通りであるが、例えば、ユーザの声の大きさが十分に大きければ確実度を大きくし、周囲のノイズが大きければ確実度を小さくするような係数を乗じて計算するようにしてもよい。計算した確実度が、判定テーブル303の設定値未満の場合は、何も行わずに処理を終了する(ステップ404)。このとき、画面表示・音声出力部216からユーザに画面や音声で、終了原因に応じたガイダンスを行うことが望ましい。例えば、「音声認識の確実度が低いので、もう一度指示を発声してください」と画面や音声でガイダンスするようにしてもよい。また計算した確実度と設定値との差が一定の値未満である場合は、画面表示・音声出力部216にて「あなたの指定は『メンテナンス実行』で合っていますか?」と画面や音声で確認を行うようにしてもよい。
【0034】
続いて、ユーザが自動分析装置から離れた場所にいるか否かを調べる(ステップ405)。例えばマイク103で捉えられた音声の場合は、声量が小さいほど離れた場所にいると判別できる。モバイル装置107からの音声の場合には、モバイル装置107の位置情報や受信電波強度などから判別できる。
【0035】
ステップ405で音声指示を行ったユーザが自動分析装置から離れた場所にいると判定された場合、ユーザが自動分析装置、またはその周囲の状態を目視で確認することなく、自動分析装置に指示している可能性がある。この場合、定められた安全措置が講じられていない状態で自動分析装置を動作させてしまうおそれがある。そこで、注意喚起のため、画面表示・音声出力部216にて「本当に実行しますか?」と画面や音声で確認を行い、この確認に対して再度実行するように指示を受けた後に、制御命令出力部215に動作指示を送信し(ステップ407)、動作可否判定処理を終了する。ユーザが離れた場所から自動分析装置を操作しているときには、自動分析装置の画面に「遠隔から操作中です」と表示するようにしてもよい。
【0036】
ステップ405でユーザが自動分析装置から離れた場所にいないと判定された場合は、ユーザは自動分析装置およびその周囲の状態を確認済みであるとみなして、制御命令出力部215に動作指示を送信し(ステップ406)、処理を終了する。
【0037】
以上、実施例1では特に機械の動作を伴う測定部101の動作を音声で指示する例を説明したが、これに限定されるものではなく、操作部102に対するパラメータ入力や画面遷移(進む、戻る、メニューの階層表示など)を音声で操作できるようにしてもよい。例えば、画面遷移では何画面も経由しないと表示できない画面を、短い単語を発声するだけで表示できるようにすることでさらに利便性を高めることができる。
【実施例2】
【0038】
実施例2では、複数人のユーザが、複数台の自動分析装置を音声で操作する例について説明する。図6は、実施例2の自動分析システムの構成例を示す図である。実施例1と同じ構成要素については同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
【0039】
複数の自動分析装置100は、検査計画管理サーバ105、管理サーバ601、無線アクセスポイント602とネットワーク106を介して通信可能に接続されている。実施例2ではモバイル装置107は、無線アクセスポイント602経由で管理サーバ601に接続される。管理サーバ601は、複数のモバイル装置107からの音声データを受け付け、管理サーバ601が管理する自動分析装置(ネットワーク106に接続された自動分析装置)から適切な自動分析装置を特定し、その操作部に転送する。なお、ここでは検査計画管理サーバ105をネットワーク106に接続している例を示しているが、検査計画管理サーバ105はネットワーク106には接続することなく、管理サーバ601とネットワーク106とを異なるネットワークで接続するように構成してもよい。この場合、自動分析システムにおいては、管理サーバ601は異なるネットワーク経由で検査計画管理サーバ105からの検査計画データを取得しておくことで、実施例1における検査計画管理サーバ105の役割を果たすことができる。
【0040】
図7は、自動分析システムの音声入力処理シーケンス例を示す図である。自動分析システムはn台の自動分析装置100とm台のモバイル装置107を有するものとする。図7はn=m=3の例である。自動分析装置100-1~nの操作部102-1~nは、管理サーバ601に対して、定期的に機器状態・操作情報データ701を送信する。機器状態・操作情報データ701は、測定部の機器状態と、測定部を以前の機器状態から当該機器状態に変化させた自動分析装置の操作についての情報とを含む。または、機器状態が変化したことを検知したら、管理サーバ601に機器状態・操作情報データ701を送信する。これにより、管理サーバ601は常時、自動分析装置100-1~nの最新の機器状態を把握することができる。一方、ユーザはモバイル装置107のマイクに対して、「1号機、スタート」、「2号機、ストップ」、「3号機、メンテナンス開始」など、「どの自動分析装置に対して何の操作を行うか」を表す言葉を発声する。モバイル装置107はユーザの発声を音声データ702として取得し、管理サーバ601へ送信する。
【0041】
管理サーバ601は音声データ702を音声指示テキストに変換し、指定された自動分析装置または装置の指定のない場合には適切な自動分析装置を特定し(ステップ710)、その操作部102に音声データ702を転送する。操作部102では、転送された音声データ702を受けて、音声入力処理シーケンスを実行し、音声データ702において指示された動作指示を実行する(ステップ711)。音声データ702が転送された自動分析装置は、実施例1において説明した音声入力処理シーケンスを実行するものとする。指示された動作が完了すると、自動分析装置は、終了通知、さらに必要に応じて実行結果を管理サーバ601に送信する。管理サーバ601は、音声データ702を送信したモバイル装置107(アクセス元モバイル装置という)にそれらを転送する。
【0042】
図8に、操作部102の音声入力処理に関わるソフトウェアブロックの構成例を示す。サーバ通信部801は、管理サーバ601と必要なデータの送受信を行う。なお、実施例2において、音声データ702が転送された自動分析装置は実施例1で説明した音声入力処理シーケンスを実行する。サーバ通信部801は実施例1の検査計画取得部212の機能を果たすように構成され、サーバ通信部801が管理サーバ601(または検査計画管理サーバ105)から検査計画データ302を取得することにより、実施例1の音声入力処理シーケンスを実行できる。
【0043】
音声検出・認識部211は、サーバ通信部801から音声データ702を取得し、その内容を認識する処理を行う。機器状態取得部213は、測定部101の機器状態データを取得し、管理サーバ601に通知するためにサーバ通信部801に伝送する。装置動作可否判定部214は、機器状態取得部213が取得した機器状態データ、サーバ通信部801が取得した検査スケジュールの情報を踏まえて、音声検出・認識部211が認識したユーザの動作指示に対応する装置の動作を許可するか否かを判定する。制御命令出力部215は、装置動作可否判定部214からユーザからの動作指示を受信し、対応する制御命令を測定部101へ送信する。加えて、測定部101の動作の実行が終了すると、終了通知、さらに必要に応じて実行結果を管理サーバ601経由でモバイル装置107に通知するため、サーバ通信部801に伝送する。画面表示・音声出力部216は、装置の動作や分析測定の結果を画面に表示したり、スピーカから音声で出力したりする処理を行う。
【0044】
図11に、管理サーバ601の音声入力処理に関わるソフトウェアブロックの構成例を示す。なお、管理サーバ601のハードウェア構成は、図2Aに示した操作部102のハードウェア構成と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
音声検出・認識部211は、モバイル通信部1101からモバイル装置107からの音声データ702を取得し、その内容を認識する処理を行う。装置状態取得部1102は、自動分析装置100-1~nのそれぞれから機器状態・操作情報データ701を取得し、システム管理部1103に伝送する。システム管理部1103は、装置状態取得部1102が取得した機器状態・操作情報データ701を踏まえて、音声検出・認識部211が認識したユーザの動作指示に対応する自動分析装置を特定する。装置通信部1104は特定した自動分析装置に対してモバイル装置107からの音声データを転送する。
【0046】
管理サーバ601が実行する音声入力処理プログラムの内容を、図9のフローチャートを用いて説明する。管理サーバ601は、図5に示した判定テーブル303、後述する管理テーブル705を有している。ただし、管理サーバ601の有する判定テーブルは、そのセルの値として「-」(実行否、無効)は設定されているが、図5のように有効である(「-」(実行否)でない)セルについて音声認識の確実度の閾値が設定されていてもよいし、設定されていなくてもよい。
【0047】
まず、自動分析装置100の操作部102から機器状態・操作情報データ701を受信したら(ステップ900)、受信した機器状態・操作情報データ701により管理テーブル705の該当セルを更新し(ステップ901)、ステップ900に戻る。
【0048】
図10に管理テーブル705のデータ構造を示す。管理テーブル705は自動分析装置名カラム1001、最終操作識別子カラム1002、最終操作日時カラム1003、機器状態カラム1004、ロックステータスカラム1005、操作可能なモバイル装置識別子カラム1006を含む。自動分析装置名カラム1001には自動分析装置を特定する名称が記録される。装置が一意に特定できればよく、名称に限らず、ID、IPアドレスであってもよい。最終操作識別子カラム1002には、機器状態・操作情報データ701に基づき、当該レコードの自動分析装置に対する最終操作主体を記録する。識別子としては、自動分析装置が直接操作された場合には装置名等、モバイル装置107から操作された場合には、モバイル装置107のログインユーザ名等を用いる。最終操作日時カラム1003には、機器状態・操作情報データ701に基づき、当該レコードの自動分析装置に対する最終操作にかかる最終操作日時が記録される。モバイル装置107による音声入力により操作された場合は、例えば音声データを受信した日時を記録する。機器状態カラム1004には、機器状態・操作情報データ701に基づき、当該レコードの自動分析装置の最新の機器状態を記録する。ロックステータスカラム1005には、当該レコードの自動分析装置に対して、動作指示を行ったアクセス元モバイル装置が他のモバイル装置からの操作を防ぐロックを設定しているか否かを記録する。さらに、ロックしている場合は、当該ロックを行っているアクセス元モバイル装置の識別子も併せて記録する。操作可能なモバイル装置識別子カラム1006には、当該レコードの自動分析装置に対して、操作することが許可されているモバイル装置107の識別子のリストを記録する。操作可能なモバイル装置識別子は、システム管理者によって自動分析装置ごとに予め登録されている。
【0049】
モバイル装置107からモバイル通信部1101が音声データ702を受信したら(ステップ902)、モバイル通信部1101は音声検出・認識部211に音声データを転送し、音声検出・認識部211は取得した音声データを音声指示テキストに変換する。システム管理部1103は、まず、音声指示テキストが自動分析システムの全ての自動分析装置に対する「緊急停止」を指示するものである場合には、全ての自動分析装置に対して音声データを転送する(ステップ903)。「緊急停止」が管理サーバ601の管理する全ての自動分析装置に対する動作指示として定義しておくことで、装置名の指定を省略できる。また、管理サーバ601及び自動分析装置100の操作部102の有する判定テーブルには、それぞれ動作指示に「緊急停止」が定められ、機器状態にかかわらずそのセルの値は有効とされている。
【0050】
システム管理部1103は、音声指示テキストの含む動作指示が「緊急停止」でなければ、操作対象である自動分析装置の指定があるか否かを調べる(ステップ904)。装置名の指定がない場合は、管理テーブル705の最終操作識別子カラム1002と最終操作日時カラム1003とを読み込み、アクセス元モバイル装置が最も遅い日時に操作した自動分析装置を見つける。該当する自動分析装置が見つかった場合には、当該自動分析装置を操作対象候補とする(ステップ905)。これにより、同一の自動分析装置に対して連続して音声入力を行う場合には、ユーザは自動分析装置名の発声を省略することができ、ユーザの利便性を向上できる。このとき、最終操作日時が、現在日時の一定時間以上前である場合には連続する音声入力ではないとみなして、当該自動分析装置を操作対象候補としなくてもよい。
【0051】
続いて、当該自動分析装置の機器状態から指示された動作が実行可能であるか否かを調べる(ステップ906)。システム管理部1103は、管理テーブル705から自動分析装置の機器状態を取得し、続いて、判定テーブルを参照して、機器状態、および音声指示テキストの示す動作指示に対応するセルの値を取得する。セルの値が有効であれば、ステップ908に進む。一方、セルの値が「-」(実行否)の場合には、当該動作指示は不可能または無意味であり、ユーザが操作対象とする自動分析装置を間違えて指定した可能性がある。このため、システム管理部1103は、管理テーブル705の機器状態カラム1004から他の自動分析装置の機器状態を取得し、同様に判定テーブルを用いた動作指示の有効性を判定する。セルの値が有効である自動分析装置は、当該動作指示を実行可能であるため、その自動分析装置が、ユーザが操作を意図した装置である可能性がある。そこで、例えばセルの値が有効である自動分析装置が3号機であれば、システム管理部1103は、モバイル通信部1101を通じて、「3号機と間違えていませんか」などの推奨を行った後(ステップ907)、ステップ900に戻る。
【0052】
一方、操作対象の自動分析装置が動作指示を実行できる状態であれば、システム管理部1103は、ユーザに自動分析装置の操作権限があるか否かを調べる(ステップ908)。管理テーブル705の操作可能なモバイル装置識別子カラム1006から、当該自動分析装置のセルを調べ、アクセス元モバイル装置の識別子が含まれていれば操作権限ありと判定してステップ909に進む。一方、アクセス元モバイル装置の識別子が含まれていなければ操作権限なしと判定してステップ900に戻る。このとき、モバイル通信部1101からアクセス元モバイル装置へ操作権限がないことを示すデータを送信し、アクセス元モバイル装置にて「3号機は操作権限がありません。」などの結果を画面表示したり、音声出力したりするとよい。
【0053】
次に、システム管理部1103は、操作対象候補の自動分析装置に対して他のモバイル装置107がロックをかけているか否かを調べる(ステップ909)。管理テーブル705のロックステータスカラム1005から操作対象候補の自動分析装置がロックされているかどうか確認できる。操作対象候補の自動分析装置が非ロック、またはアクセス元モバイル装置自身によるロック中であれば、操作可能と判定してステップ910に進む。他のモバイル装置によるロック中であれば、操作不可と判定してステップ900に戻る。このとき、モバイル通信部1101からアクセス元モバイル装置へ他のモバイル装置によりロック中であることを示すデータを送信し、アクセス元モバイル装置にて「他のモバイル装置がロック中で操作できません。」などの結果を画面表示したり、音声出力したりするとよい。
【0054】
ユーザが特定の自動分析装置に対してロックをかける、またはロックを解除する方法は、例えば「1号機、ロック開始」、「1号機、ロック解除」のようにユーザが明示的に指定する。あるいは特定の音声指示についての音声データを自動分析装置へ転送した時刻から一定時間、転送先の自動分析装置をロック状態とするよう設定してもよい。
【0055】
ユーザからのロック指示があった場合、または自動分析システムにおいて特定の音声指示についてはロック状態とする設定とされている場合には、システム管理部1103は管理テーブル705の操作対象の自動分析装置のロックステータスを、アクセス元モバイル装置によるロック中であることを記録した後、特定された自動分析装置の操作部102に装置通信部1104から音声データを転送し(ステップ910)、ステップ900に戻る。
【0056】
ステップ902でモバイル装置107から音声データを受信しなければ、自動分析システムの管理者からの終了指示があるか否かを調べる(ステップ911)。終了指示があれば本プログラムを終了し、終了指示がなければステップ900に戻る。
【0057】
なお、以上の実施例2では管理サーバ601から自動分析装置100にユーザからの音声データを転送し、自動分析装置100ごとに実施例1の音声入力処理シーケンスを実行する例を示した。この場合、自動分析装置100に利用状況に応じた判定テーブル303を設定しておくことにより、柔軟な音声入力処理が行える。一方、管理サーバ601において、管理サーバ601の保有する判定テーブル303(この場合は、管理サーバ601の保有する判定テーブル303の有効なセルには音声認識の確実度の閾値が設定されているものとする)を用いて実施例1に沿った動作指示の解釈を行い、操作対象の自動分析装置に対して音声データを転送するのではなく、管理サーバ601において認識した音声指示テキストを自動分析装置に送信するようにしてもよい。この場合、個々の自動分析装置における音声入力処理に要する演算負荷を軽くすることができる。
【符号の説明】
【0058】
100…自動分析装置、101…測定部、102…操作部、103…マイク、105…検査計画管理サーバ、106…ネットワーク、107…モバイル装置、201…プロセッサ、202…メモリ、203…ストレージ、204…表示インタフェース、205…入出力インタフェース、206…ネットワークインタフェース、207…音声入力ポート、208…バス、209…ディスプレイ、210…入力デバイス、211…音声検出・認識部、212…検査計画取得部、213…機器状態取得部、214…装置動作可否判定部、215…制御命令出力部、216…画面表示・音声出力部、301…機器状態データ、302…検査計画データ、303…判定テーブル、304,702…音声データ、601…管理サーバ、602…無線アクセスポイント、701…機器状態・操作情報データ、705…管理テーブル、801…サーバ通信部、1001…自動分析装置名カラム、1002…最終操作識別子カラム、1003…最終操作日時カラム、1004…機器状態カラム、1005…ロックステータスカラム、1006…操作可能なモバイル装置識別子カラム、1101…モバイル通信部、1102…装置状態取得部、1103…システム管理部、1104…装置通信部。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11