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特許7578756複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080491
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2019544004の分割
【原出願日】2018-02-20
(65)【公開番号】P2023103366
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】62/462,300
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/878,222
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マケズニー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-066593(JP,A)
【文献】特開2011-124191(JP,A)
【文献】特開2016-009733(JP,A)
【文献】特開2013-196822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0079037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンス整合回路を制御するための方法であって、
複数の電力レベルを有する高周波(RF)信号を生成するようにRF発生器を制御する工程と、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第1パラメータ値を有するように前記インピーダンス整合回路の第1構成要素を制御する工程であって、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量は、前記第1構成要素が第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第1構成要素が第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1構成要素は、前記インピーダンス整合回路のシャント回路であり、前記第1パラメータ値は、前記シャント回路の第1静電容量または第1インダクタンスである、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記インピーダンス整合回路の前記第1構成要素を制御する前記工程は、前記シャント回路に接続された第1ドライバに第1制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および、前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記シャント回路の前記第1静電容量または前記第1インダクタンスを達成する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、さらに、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第4パラメータ値を有するように前記インピーダンス整合回路の第2構成要素を制御する工程を含み、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、前記第2構成要素が第5パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第2構成要素が第6パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記第2構成要素は直列回路であり、前記第4パラメータ値は、第2静電容量または第2インダクタンスであり、前記インピーダンス整合回路の前記第2構成要素を制御する前記工程は、前記直列回路に接続された第2ドライバに第2制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記直列回路の前記第2静電容量または前記第2インダクタンスを達成する工程を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1構成要素は、第1可変キャパシタまたは第1可変インダクタであり、前記第2構成要素は、第2可変キャパシタまたは第2可変インダクタである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第1電力量であり、前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第2電力量であり、前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第3電力量であり、前記方法は、さらに、
前記第1構成要素が前記第1パラメータ値を有するときに前記第1電力量を受信する工程と、
前記第2パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御する工程と、
前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記第2電力量を受信する工程と、
前記第3パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御する工程と、
前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記第3電力量を受信する工程と、
前記第1パラメータ値を前記第2パラメータ値および前記第3パラメータ値と比較する工程と、
前記第1パラメータ値が前記第2パラメータ値よりも大きく、前記第3パラメータ値よりも小さいことを決定する工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第1電力量であり、前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第2電力量であり、前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第3電力量であり、前記RF発生器が前記複数の電力レベルの1つを有するRF信号を生成するように構成されるときは、前記第2電力量が反射され、前記RF発生器が前記複数の電力レベルの別の1つを有するRF信号を生成するように構成されるときは、前記第3電力量が反射される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1パラメータ値は、前記第2パラメータ値および前記第3パラメータ値の平均である、方法。
【請求項10】
インピーダンス整合回路を制御するためのコンピュータであって、
複数の電力レベルを有する高周波(RF)信号を生成するようにRF発生器を制御するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第1パラメータ値を有するように、前記インピーダンス整合回路の第1構成要素を制御するように構成され、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量は、前記第1構成要素が第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第1構成要素が第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリデバイスと、
を備える、コンピュータ。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータであって、
前記第1構成要素は、前記インピーダンス整合回路のシャント回路であり、前記第1パラメータ値は、前記シャント回路の第1静電容量または第1インダクタンスである、コンピュータ。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータであって、
前記インピーダンス整合回路の前記第1構成要素を制御するために、前記プロセッサは、前記シャント回路に接続された第1ドライバに第1制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記シャント回路の前記第1静電容量または前記第1インダクタンスを達成するように構成される、コンピュータ。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータであって、
前記プロセッサは、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第4パラメータ値を有するように、前記インピーダンス整合回路の第2構成要素を制御するように構成され、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、前記第2構成要素が第5パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第2構成要素が第6パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、コンピュータ。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータであって、
前記第2構成要素は直列回路であり、前記第4パラメータ値は、第2静電容量または第2インダクタンスであり、前記インピーダンス整合回路の前記第2構成要素を制御するために、前記プロセッサは、前記直列回路に接続された第2ドライバに第2制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記直列回路の前記第2静電容量または前記第2インダクタンスを達成するように構成される、コンピュータ。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータであって、
前記第1構成要素は、第1可変キャパシタまたは第1可変インダクタであり、前記第2構成要素は、第2可変キャパシタまたは第2可変インダクタである、コンピュータ。
【請求項16】
請求項10に記載のコンピュータであって、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第1電力量であり、前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第2電力量であり、前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第3電力量であり、前記プロセッサは、
前記第1構成要素が前記第1パラメータ値を有するときに前記第1電力量を受信し、
前記第2パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御し、
前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記第2電力量を受信し、
前記第3パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御し、
前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記第3電力量を受信し、
前記第1パラメータ値を前記第2パラメータ値および前記第3パラメータ値と比較し、
前記第1パラメータ値が前記第2パラメータ値よりも大きく、前記第3パラメータ値よりも小さいことを決定する、ように構成される、コンピュータ。
【請求項17】
請求項10に記載のコンピュータであって、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第1電力量であり、前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第2電力量であり、前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第3電力量であり、前記RF発生器が前記複数の電力レベルの1つを有するRF信号を生成するように構成されるときは、前記第2電力量が反射され、前記RF発生器が前記複数の電力レベルの別の1つを有するRF信号を生成するように構成されるときは、前記第3電力量が反射される、コンピュータ。
【請求項18】
請求項10に記載のコンピュータであって、
前記第1パラメータ値は、前記第2パラメータ値および前記第3パラメータ値の平均である、コンピュータ。
【請求項19】
インピーダンス整合回路を制御するためのプラズマシステムであって、
高周波(RF)信号を生成するように構成されたRF発生器と、
前記RF発生器に接続されたインピーダンス整合回路であって、前記RF信号を受信し、前記RF信号のインピーダンスを変更して、変更RF信号を出力するように構成されたインピーダンス整合回路と、
前記インピーダンス整合回路から前記変更RF信号を受信するために前記インピーダンス整合回路に接続されたプラズマチャンバと、
前記RF発生器および前記インピーダンス整合回路に接続されたコンピュータであって、
複数の電力レベルを有する前記RF信号を生成するように前記RF発生器を制御し、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第1パラメータ値を有するように前記インピーダンス整合回路の第1構成要素を制御するように構成され、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量は、前記第1構成要素が第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第1構成要素が第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、コンピュータと、
を備える、プラズマシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のプラズマシステムであって、
前記第1構成要素は、前記インピーダンス整合回路のシャント回路であり、前記第1パラメータ値は、前記シャント回路の第1静電容量または第1インダクタンスである、プラズマシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のプラズマシステムであって、
前記インピーダンス整合回路の前記第1構成要素を制御するために、前記コンピュータは、前記シャント回路に接続された第1ドライバに第1制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記シャント回路の前記第1静電容量または前記第1インダクタンスを達成するように構成される、プラズマシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のプラズマシステムであって、
前記コンピュータは、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときは第4パラメータ値を有するように、前記インピーダンス整合回路の第2構成要素を制御するように構成され、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、前記第2構成要素が第5パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも大きく、前記第2構成要素が第6パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される電力量よりも小さい、プラズマシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のプラズマシステムであって、
前記第2構成要素は直列回路であり、前記第4パラメータ値は、第2静電容量または第2インダクタンスであり、前記インピーダンス整合回路の前記第2構成要素を制御するために、前記コンピュータは、前記直列回路に接続された第2ドライバに第2制御信号を送信して、前記RF信号が前記複数の電力レベルを有する期間中、および前記複数の電力レベル間の遷移中に、前記直列回路の前記第2静電容量または前記第2インダクタンスを達成するように構成される、プラズマシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のプラズマシステムであって、
前記第1構成要素は、第1可変キャパシタまたは第1可変インダクタであり、前記第2構成要素は、第2可変キャパシタまたは第2可変インダクタである、プラズマシステム。
【請求項25】
請求項19に記載のプラズマシステムであって、
前記RF信号が前記複数の電力レベルを有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第1電力量であり、前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第2電力量であり、前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記RF発生器に向かって反射される前記電力量は、第3電力量であり、前記コンピュータは、
前記第1構成要素が前記第1パラメータ値を有するときに前記第1電力量を受信し、
前記第2パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御し、
前記第1構成要素が前記第2パラメータ値を有するときに前記第2電力量を受信し、
前記第3パラメータ値を達成するように前記第1構成要素を制御し、
前記第1構成要素が前記第3パラメータ値を有するときに前記第3電力量を受信し、
前記第1パラメータ値を前記第2パラメータ値および前記第3パラメータ値と比較し、
前記第1パラメータ値が前記第2パラメータ値よりも大きく、前記第3パラメータ値よりも小さいことを決定する、ように構成される、プラズマシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマツールは、高周波発生器、インピーダンス整合回路網、および、プラズマチャンバを備える。高周波発生器は、インピーダンス整合回路網を介してプラズマチャンバへ電力を供給する。電力が供給されると、プラズマチャンバ内でプラズマを生成するために、1または複数のガスもプラズマチャンバに提供される。プラズマは、プラズマチャンバ内でウエハに実行される様々な洗浄動作およびその他の動作に用いられる。
【0003】
しかしながら、電力が供給される時、プラズマの電力が、RF発生器に向かって反射される。この反射電力は、ソースと負荷との間の伝送ライン上に定在波を発生させ、定在波は、RF発生器の出力ドライブの破損につながりうる。
【0004】
本開示に記載の実施形態は、このような背景から生まれたものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムおよび方法を提供する。本実施形態は、処理、装置、システム、デバイス、または、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録された方法など、種々の形態で実施できることを理解されたい。以下に、いくつかの実施形態を記載する。
【0006】
半導体プラズマ処理中に、印加される高周波(RF)電力が、1ヘルツ~50キロヘルツの間の周波数でパルス化される。チューニングされた整合回路網が、RF発生器とプラズマとの間の効率的な結合を保証するようにRF電力をプラズマに結合するために利用される。連続波(CW)またはシングルレベルパルス化の間、整合回路網は固定される。しかしながら、一部の例では、2以上のレベルのパルス化が利用され、その場合、2以上の整合回路網ポジション、例えば、キャパシタの値、インダクタの値などが用いられる。整合回路網は、可変の反応構成要素、例えばキャパシタおよびインダクタなどを用いる。これらの可変の反応構成要素は、機械部品を有しており、機械部品は、マルチレベルパルス化に比べて動きが遅い。機械部品の遅い反応により、マルチレベルパルス化の複数レベルの電力レベルについていくことが困難になる。これは、複数の電力レベルに間での周波数チューニングを用いることによって部分的に軽減されうる。しかしながら、周波数チューニングだけでは、大きく異なる電力レベルに対応できない。方法およびシステムは、マルチレベルパルス化のための処理にわたって整合効率を最大化するように整合回路網ポジションをどのように最適化するのかを記載する。整合効率は改善され、RF発生器に向かって反射される電力が低減される。RF発生器に向かう平均反射RF電力が低減されることで、より幅広い作動空間が可能になる。
【0007】
いくつかの実施形態において、複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするための方法が記載されている。その方法は、インピーダンス整合回路を介したプラズマチャンバへのデジタルパルス信号の第1状態中に、電力をRF発生器によって供給する工程を備える。方法は、さらに、第1状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量を測定する工程を備える。方法は、インピーダンス整合回路を介したプラズマチャンバへのデジタルパルス信号の第2状態中に、電力をRF発生器によって供給する工程を備える。方法は、さらに、第2状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量を測定する工程を備える。方法は、第1状態中に測定される電力の量を最小値に低減すると共に第2状態中に測定される電力の量を最小値に低減するように、インピーダンス整合回路のパラメータを制御する工程を備える。
【0008】
様々な実施形態において、複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムが記載されている。システムは、デジタルパルス信号の第1状態中に電力を供給するよう構成されたRF発生器を備える。システムは、さらに、RFケーブルを介してRF発生器に接続されたインピーダンス整合回路と、RF伝送ラインを介してインピーダンス整合回路に接続されたプラズマチャンバと、を備える。システムは、RF発生器の出力に接続されたセンサを備える。センサは、第1状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量を測定するよう構成されている。RF発生器は、インピーダンス整合回路を介してプラズマチャンバへデジタルパルス信号の第2状態中に電力を供給するよう構成されている。センサは、第2状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量を測定するよう構成されている。システムは、インピーダンス整合回路のパラメータを制御するためにインピーダンス整合回路に接続されたプロセッサを備える。パラメータは、第1状態中に測定される電力の量を最小値に低減すると共に第2状態中に測定される電力の量を最小値に低減するように制御される。
【0009】
様々な実施形態において、コンピュータに方法を実行させるプログラムを格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体が記載されている。その方法は、インピーダンス整合回路を介したプラズマチャンバへのデジタルパルス信号の第1状態中に、電力をRF発生器によって供給する工程を備える。方法は、さらに、第1状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量の測定値を受信する工程を備える。方法は、インピーダンス整合回路を介したプラズマチャンバへのデジタルパルス信号の第2状態中に、電力をRF発生器によって供給する工程を備える。方法は、第2状態中にRF発生器の出力に反射される電力の量の測定値を受信する工程を備える。方法は、第1状態中に測定される電力の量を最小値に低減すると共に第2状態中に測定される電力の量を最小値に低減するように、インピーダンス整合回路のパラメータを制御する工程を備える。
【0010】
複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするための本明細書に記載のシステムおよび方法のいくつかの利点。例えば、インピーダンス整合回路の直列回路が値Aを有する、および/または、インピーダンス整合回路のシャント回路が値Bを有する場合に、直列回路が値Cを有するおよび/またはシャント回路が値Dを有する状態S0、S1、S2、S3などの内の任意の1状態に対してRF発生器に向かって反射される電力に比べて、RF発生器に向かって反射される電力が、複数の状態S0、S1、S2、S3などに対して低減される。複数の状態に対する反射電力のかかる低減は、電力が反射される先のRF発生器の寿命を延ばす。さらに、複数の状態は、様々な動作を基板に実行するために利用される。例えば、複数の状態の内の1状態の間に、材料(酸化物など)が基板上に蒸着され、複数の状態の内の別の状態の間に、基板または材料がエッチングされる。別の例として、複数の状態の内の1状態の間に、蒸着動作が基板に実行され、複数の状態の内の別の状態の間に、基板が洗浄される。さらに別の例として、複数の状態の内の1状態の間に、蒸着動作が基板に実行され、複数の状態の内の別の状態の間に、基板が洗浄され、複数の状態の内のさらに別の状態の間に、エッチング動作が基板に実行される。インピーダンス整合回路が値AおよびBを有し、複数の状態で電力が低減される場合、RF発生器の構成要素を保護すると同時に、様々な動作が基板に実行される。
【0011】
また、状態S0、S1、S2、S3などに対して反射電力が低減されると、インピーダンス整合回路の効率が改善される。インピーダンス整合回路は、インピーダンス整合回路の直列回路が値Aを有する、および/または、インピーダンス整合回路のシャント回路が値Bを有する場合に、より高い電力量がプラズマチャンバに供給されることを許容する。より高い電力量の供給は、RF発生器によって供給される低振幅のRF信号にとって重要である。
【0012】
添付の図面を参照して行う以下の詳細な説明から、別の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
実施形態は、添付の図面に関連して行う以下の説明を参照することによって最も良好に理解できる。
【0014】
図1A】複数の状態S(nーN)~S(n)でxメガヘルツ(MHz)高周波(RF)発生器に向かって反射される電力を削減するための直列回路のパラメータおよびシャント回路のパラメータの決定を説明するシステムの一実施形態の図。
【0015】
図1B】状態S(n-N)~S(n)でのxMHzRF発生器への反射電力の削減およびyMHzRF発生器への反射電力の削減を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0016】
図1C】状態S(n-N)~S(n)でのxMHzRF発生器への反射電力の削減、yMHzRF発生器への反射電力の削減、および、zMHzRF発生器への反射電力の削減を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0017】
図2A】RF信号の2つの状態を説明するために、デジタルパルス信号のグラフおよびRF発生器によって供給されるRF信号のグラフを示す図。
【0018】
図2B】3つの状態を有するRF信号のグラフの一実施形態を示す図。
【0019】
図2C】4つの状態を有するRF信号のグラフの一実施形態を示す図。
【0020】
図3A】状態S(n-N)~S(n)中のインピーダンス整合回路の直列回路およびシャント回路の制御を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0021】
図3B】状態S(n-N)~S(n)中の直列回路およびシャント回路の制御を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0022】
図3C】任意の数の直列回路および任意の数のシャント回路を備えたインピーダンス整合回路を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0023】
図3D】Lネットワークであるインピーダンス整合回路を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0024】
図3E】Πネットワークであるインピーダンス整合回路を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0025】
図3F】2つのLネットワークを含むΠネットワークであるインピーダンス整合回路を説明するためのシステムの一実施形態の図。
【0026】
図4】RF発生器に向かって反射された電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減されるインピーダンス整合回路の1または複数のパラメータの値の決定を説明するための方法の一実施形態の図。
【0027】
図5A】状態S(n-N)~S(n)に対してRF発生器の出力での反射電力を削減するためにインピーダンス整合回路の直列回路の静電気容量Cseriesと、インピーダンス整合回路のシャント回路の静電容量Cshuntとを決定する方法を説明するための図。
【0028】
図5B】状態S(n-N)~S(n)において反射電力を削減するようにチューニングする方法を適用する技術的利点を説明するためのグラフの一実施形態の図。
【0029】
図6】状態S(n-N)~S(n)に対する変数の値が最小値になる1または複数のパラメータの値を決定するための機械学習ネットワークの一実施形態の図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の実施形態は、複数の状態で反射電力を低減するためのチューニングシステムおよび方法について記載する。本実施形態は、これらの具体的な詳細事項の一部またはすべてがなくとも実施可能であることが明らかである。また、本実施形態が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略した。
【0031】
図1Aは、xメガヘルツ(MHz)高周波(RF)発生器に向かって反射される電力を削減するための直列回路102のパラメータおよびシャント回路104のパラメータの決定を説明するシステム100の一実施形態の図である。システム100は、xメガヘルツのRF発生器、インピーダンス整合回路(IMC)106、プラズマチャンバ108、ホストコンピュータ111、モータM1、モータM2、ドライバ(DRVR)D1、および、ドライバD2を備える。
【0032】
xメガヘルツのRF発生器の一例は、2MHzのRF発生器である。インピーダンス整合回路106は、1または複数の直列回路、例えば直列回路102と、1または複数のシャント回路、例えばシャント回路104とを備える。各シャント回路の出力は、接地、例えば、ゼロ電位、非ゼロ基準電位などに接続されている。各シャント回路または各直列回路は、1または複数の電気構成要素、例えば、1または複数のキャパシタ、もしくは、1または複数の抵抗器、もしくは、1または複数のインダクタ、もしくは、1または複数のキャパシタと1または複数の抵抗器との組みあわせ、もしくは、1または複数のキャパシタと1または複数のインダクタとの組みあわせ、もしくは、1または複数の抵抗器と1または複数のインダクタとの組みあわせ、もしくは、1または複数のキャパシタと1または複数の抵抗器と1または複数のインダクタとの組みあわせを備える。1または複数の電気構成要素の一部は、直列または並列で互いに接続されている。直列回路102の端部は、インピーダンス整合回路106の入力132に接続され、直列回路102の別の端部は、インピーダンス整合回路106の出力134に接続されている。さらに、シャント回路104の端部は、直列回路102とインピーダンス整合回路106の出力134とに接続され、シャント回路104の別の端部は、接地に接続されている。
【0033】
プラズマチャンバ108は、チャック110、例えば基板112を上に配置される静電チャック(ESC))と、上側電極114と、その他の部品(図示せず)、例えば上側電極114を取り囲む上側誘電体リング、上側誘電体リングを取り囲む上側電極延長部、チャック110の下側電極を取り囲む下側誘電体リング、下側誘電体リングを取り囲む下側電極延長部、上側プラズマ排除区域(PEZ)リング、下側PEZリングなどと、を備える。基板112の例は、集積回路が加工されたまたは加工されるウエハを含む。上側電極114およびチャック110の各々は、金属、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅およびアルミニウムの組みあわせ、などで形成される。
【0034】
ホストコンピュータ111の例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、などを含む。ホストコンピュータ111は、1または複数のプロセッサ、例えばプロセッサ116と、1または複数のメモリデバイス、例えばメモリデバイス118と、を備える。本明細書で用いられるプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス、マイクロプロセッサ、または、中央処理装置(CPU)である。さらに、本明細書で用いられるメモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、もしくは、RAMおよびROMの組みあわせ、である。本明細書に記載されるモータの例は、電気エネルギを機械的エネルギに変換する電気機械を含む。例えば、モータは、ロータおよびステータを備える。ロータは、電気エネルギを機械的エネルギに変換するために電流がステータの巻線に供給された時に回転する。本明細書に記載されるドライバの例は、プロセッサ116から制御信号を受信すると電流信号を生成する1または複数のトランジスタを含む。
【0035】
xメガヘルツRF発生器は、RFケーブル126を介して、インピーダンス整合回路106に接続されている。さらに、インピーダンス整合回路106は、RF伝送ライン128を介してチャック110に接続されている。RF伝送ライン128は、RFシリンダ、例えばトンネルである。RFシリンダの空洞内には、絶縁体およびRFロッドがある。RFロッドは絶縁体に取り囲まれており、絶縁体はRFシリンダによって取り囲まれている。
【0036】
xメガヘルツRF発生器は、制御システム120、センサ122、および、RF電源124を備える。本明細書に記載される制御システムの例は、1または複数の電力コントローラ、1または複数の自動周波数調整器(AFT)、もしくは、1または複数の電力コントローラと1または複数の自動周波数調整器との組みあわせ、を含む。制御システムは、さらに、1または複数の電力コントローラならびに1または複数の自動周波数調整器に接続されたデジタル信号プロセッサ(DSP)を備える。本明細書に記載されるセンサの例は、電力センサ、もしくは、複素電圧および電流センサを含む。本明細書に記載されるRF電源の例は、互いに接続されたドライバおよびRFオシレータを含む。ドライバからの電流信号を受信すると、RFオシレータは、高周波振動信号(例えば、正弦波RF信号)を生成する。
【0037】
本明細書に記載されるセンサは、データケーブル、例えばシリアル転送ケーブル、パラレル転送ケーブル、または、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介してプロセッサ116に接続される。同様に、本明細書に記載される制御システム(例えば、制御システムのDSP)は、データケーブルを介してプロセッサ116に接続される。本明細書に記載されるモータは、1または複数の接続メカニズム、例えば、1または複数のロッド、1または複数のロッドと1または複数のギアとの組みあわせ、などを介して直列回路またはシャント回路に接続される。
【0038】
プロセッサ116は、デジタルパルス信号130を生成し、そのデジタルパルス信号130を制御システム120に提供する。デジタルパルス信号130は、2以上の状態(例えば、状態S(n-N)~状態S(n))を有し、ここで、nは1以上の整数であり、Nも1以上の整数であり、nはNよりも大きい。例えば、S(n)がS2である場合、S(n-N)はS1である。別の例として、S(n)がS3である場合、S(n-N)はS1であり、2つの状態S1およびS3の間に、中間状態S2がある。
【0039】
制御システム120、例えばDSPは、デジタルパルス信号130を受信し、デジタルパルス信号130が状態S(n-N)を有するのかまたは状態S(n)を有するのかを、デジタルパルス信号130のロジックレベルに基づいて判定する。例えば、状態S(n-N)がロジックレベル0を有し、状態S(n)がロジックレベル1を有する。別の例として、状態S0がロジックレベルL1を有し、状態S1がロジックレベルL2を有し、状態S2がロジックレベルL3を有し、状態S3がロジックレベルL4を有する。ロジックレベルL4はロジックレベルL3よりも大きく、ロジックレベルL3はロジックレベルL2よりも大きい。ロジックレベルL2は、ロジックレベルL1よりも大きい。
【0040】
デジタルパルス信号130の状態がS(n-N)であると判定すると、制御システム120は、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび状態S(n-N)に対する周波数レベルを特定し、その電力レベルおよび周波数レベルをRF電源124に提供する。例えば、電力コントローラの内の状態S(n-N)のためのコントローラは、デジタルパルス信号130の状態がS(n-N)であるとの示唆を制御システム120のデジタル信号プロセッサから受信すると、状態S(n-N)に対する電力レベルを特定し、その電力レベルをRF電源124へ提供する。さらに、この例において、自動周波数調整器の内の状態S(n-N)のための調整器は、デジタルパルス信号130の状態がS(n-N)であるとの示唆を制御システム120のデジタル信号プロセッサから受信すると、状態S(n-N)に対する周波数レベルを特定し、周波数レベルをRF電源124へ提供する。一例として、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルは、制御システム120によってプロセッサ116から受信される。状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを受信すると、RF電源124は、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成し、出力136およびRFケーブル126を介してインピーダンス整合回路106に状態S(n-N)に対するRF信号を供給する。出力136は、xMHzRF発生器の出力である。
【0041】
同様に、デジタルパルス信号130の状態がS(n)であると判定すると、制御システム120は、状態S(n)に対する電力レベルおよび状態S(n)に対する周波数レベルを特定し、その電力レベルおよび周波数レベルをRF電源124に提供する。例えば、電力コントローラの内の状態S(n)のためのコントローラは、デジタルパルス信号130の状態がS(n)であるとの示唆を制御システム120のデジタル信号プロセッサから受信すると、状態S(n)に対する電力レベルを特定し、その電力レベルをRF電源124へ提供する。さらに、この例において、自動周波数調整器の内の状態S(n)のための調整器は、デジタルパルス信号130の状態がS(n)であるとの示唆を制御システム120のデジタル信号プロセッサから受信すると、状態S(n)に対する周波数レベルを特定し、周波数レベルをRF電源124へ提供する。一例として、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルは、制御システム120によってプロセッサ116から受信される。状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルを受信すると、RF電源124は、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成し、RFケーブル126を介してインピーダンス整合回路106に状態S(n)に対するRF信号を送信する。
【0042】
状態S(n-N)に対するRF信号が、xMHzRF発生器からインピーダンス整合回路106によって受信されると、インピーダンス整合回路106は、インピーダンス整合回路106の出力134に接続された負荷、例えばRF伝送ライン128およびプラズマチャンバ108のインピーダンスを、インピーダンス整合回路106の入力132に接続されたソース、例えばRFケーブル126およびxメガヘルツRF発生器のインピーダンスと整合する。インピーダンス整合回路106は、インピーダンスを整合して、インピーダンス整合回路106から出力134およびRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される状態S(n-N)に対する変調RF信号を生成する。
【0043】
同様に、状態S(n)に対するRF信号が、xMHzRF発生器からインピーダンス整合回路106によって受信されると、インピーダンス整合回路106は、インピーダンス整合回路106の出力134に接続された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合回路106の入力132に接続されたソースのインピーダンスと整合する。インピーダンス整合回路106は、インピーダンスを整合して、インピーダンス整合回路106からRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される状態S(n)に対する変調RF信号を生成する。
【0044】
変調RF信号がチャック110に供給されると、基板112を処理するための1または複数の処理ガスが、プラズマチャンバ108へ供給される。処理ガスの例としては、酸素含有ガスおよびフッ素含有ガスが挙げられる。フッ素含有ガスの例は、テトラフルオロメタン(CF)、六フッ化硫黄(SF)、ヘキサフルオロエタン(C)などを含む。変調RF信号がチャック110に供給され、1または複数の処理ガスが、例えば、上側電極114の1または複数の孔を通して、プラズマチャンバ108に供給されると、プラズマがプラズマチャンバ108内で点火され、プラズマは基板112を処理するために用いられる。基板112の処理の例は、基板112上に1または複数の集積回路チップを加工するための、基板112のエッチング、基板112への材料、例えば、酸化物層、金属層、銅層などの蒸着、基板112のスパッタリング、基板112の洗浄、などを含む。
【0045】
状態S(n-N)中に、xMHzRF発生器の出力136に接続されたセンサ122は、変数、例えば、複素電圧および電流、複素電力、複素反射電力などの値を検知する。反射電力は、プラズマチャンバ108のプラズマから、RF伝送ライン128、インピーダンス整合回路106、および、RFケーブル126を介して、xMHzRF発生器の出力136に向かって反射される電力である。同様に、状態S(n)中に、センサ122は、変数の値を検知する。
【0046】
状態S(n-N)~S(n)(例えば、状態S(n-N)~S(n)の複数回の発生、状態S(n-N))およびS(n)の複数のサイクル、状態S(n-N)およびS(n)の複数回など)の間に検知された変数の値は、データケーブルを介してセンサ122からプロセッサ116へ連続的に提供される。プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)の内の1つの状態に対しては削減されるが状態S(n-N)~S(n)の他の状態に対しては削減されない反射電力と比較して、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるようになるまで、状態S(n-N)~S(n)中に検知された変数からインピーダンス整合回路106の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値を決定する。例えば、1または複数のパラメータの値は、すべての状態S(n-N)~S(n)について出力136に反射される電力の量が、状態S(n-N)~S(n)の任意の1状態について出力136に反射される電力の量より小さくなるように決定される。さらに説明すると、直列回路102の静電容量の値がC1であり、シャント回路104の静電容量の値がC2である場合、状態S1中に出力136に向かって反射される電力の量は、Pr1である。しかしながら、状態S2に対して同じ値のC1およびC2が用いられる場合、状態S2中に出力136に向かって反射される電力の量はPr2であり、これは、Pr1よりも実質的に大きい。同じ値のC1およびC2は、1または複数の電気構成要素、例えば、キャパシタ、インダクタなどの物理的制限を理由に用いられ、それらの値は、状態S(n-N)~S(n)の変化ほど迅速には変更できない。構成要素は、インピーダンス整合回路106の構成要素である。反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路106の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値、例えば、直列回路102のパラメータの値C3およびシャント回路104のパラメータの値C4が、状態S(n-N)~S(n)中に検知された変数から決定された場合、反射電力は、量Pr3の電力である。値Pr3は、値Pr2より小さいが、値Pr1よりは大きい。いくつかの実施形態において、値Pr3は、値Pr1以下である。パラメータの例は、インダクタンスおよび静電容量を含む。
【0047】
別の例として、直列回路102の静電容量の値がC1であり、シャント回路104の静電容量の値がC2である場合、状態S1中に出力136に向かって反射される電力の量は、Pr1である。値Pr1は、状態S1に対する後に詳述する最小値である。さらに、直列回路102のキャパシタの値がC5であり、シャント回路104のキャパシタの値がC6である場合、状態S2中に出力136に向かって反射される電力の量は、Pr4である。値Pr4は、状態S2に対する後に詳述する最小値である。状態S1およびS2について、値C1およびC5の平均が、直列回路102に対する静電容量として用いられる。さらに、状態S1およびS2について、値C2およびC6の平均が、シャント回路104に対する静電容量として用いられる。値C1およびC5の平均ならびに値C2およびC6の平均については、xMHzRF発生器向かって反射される電力は、状態S1およびS2に対して削減される。
【0048】
さらに別の例として、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路106の1または複数のパラメータの値(例えば、直列回路102のパラメータの値C3およびシャント回路104のパラメータの値C4)が、状態S(n-N)~S(n)中に検知された変数から決定された場合、反射電力は、状態S(n-N)に対しては量Pr3の電力であり、状態S(n)に対してはPr4の量の電力である。値Pr3は、状態S(n-N)に対する反射電力の値の中の状態S(n-N)に対する最小値である。状態S(n-N)に対する反射電力の複数の値は、xMHzRF発生器の周波数および/またはxMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n-N)中に変えられた時に達成される。値Pr4は、状態S(n)に対する反射電力の値の中の状態S(n)に対する最小値である。状態S(n)に対する反射電力の複数の値は、xMHzRF発生器の周波数および/またはxMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n)中に変えられた時に達成される。様々な実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にある。いくつかの実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にあり、それらの最小値は共に、反射電力の所定のレベルより小さい。いくつかの実施形態において、所定のレベルおよび所定の限度という用語は、本明細書では交換可能に用いられる。値Pr2は所定のレベルより大きく、値Pr1は所定のレベルより小さい。
【0049】
状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD1に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で減少するまで送信し続ける。 制御信号を受信すると、モータM1は、モータM1を直列回路102に接続する1または複数の接続メカニズムを介して直列回路102のパラメータの値を変更するように回転する。同様に状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD2に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で減少するまで送信し続ける。制御信号を受信すると、モータM2は、モータM2をシャント回路104に接続する1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路104のパラメータの値を変更するように回転する。
【0050】
出力136での反射電力の減少は、xMHzRF発生器の寿命を延ばす。反射電力は、xMHzRF発生器の構成要素、例えば、制御システム120、RF電源124などへの損傷を引き起こす。出力136での状態S(n-N)~S(n)に対する反射電力の減少は、xMHzRF発生器の構成要素が損傷を受ける可能性を減らして、構成要素の寿命を延ばす。
【0051】
いくつかの実施形態において、xメガヘルツRF発生器の代わりに、yメガヘルツRF発生器またはzメガヘルツRF発生器が用いられる。yメガヘルツRF発生器の一例は、27MHzRF発生器であり、zメガヘルツRF発生器の一例は、60MHzRF発生器である。様々な実施形態において、xメガヘルツRF発生器の代わりに、akHzRF発生器、例えば400kHzRF発生器が用いられる。
【0052】
様々な実施形態において、デジタルパルス信号130がプロセッサ116によって生成される代わりに、デジタルパルス信号130を生成するためにデジタルクロックソースが用いられる。デジタルクロックソースは、ホストコンピュータ111の中または外に配置される。
【0053】
デジタルパルス信号130が2よりも多い状態を有するいくつかの実施形態において、複数のクロックソースが、デジタルパルス信号130を生成するために用いられる。例えば、2よりも多い状態を有するデジタルパルス信号130を生成するために、複数のクロックソースからのクロック信号が、例えば、加算回路、プロセッサ116などによって合計される。クロック信号は、互いに位相がずれている。
【0054】
様々な実施形態において、制御信号は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるまで、制御するために直列回路102に送信されるが、シャント回路104には送信されない。様々な実施形態において、制御信号は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるまで、制御するためにシャント回路104に送信されるが、直列回路102には送信されない。
【0055】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のセンサは、RF発生器の出力に接続され、RF発生器の外側に配置される。
【0056】
いくつかの実施形態において、最小(minumaおよびminimum)という用語は、本明細書では交換可能に用いられる。
【0057】
図1Bは、状態S(n-N)~S(n)についてxMHzRF発生器およびyMHzRF発生器への反射電力の削減を説明するためのシステム150の一実施形態の図である。システム150は、xMHzRF発生器、yMHzRF発生器、ホストコンピュータ111、インピーダンス整合回路152、プラズマチャンバ108、モータM1およびM2、ドライバD1およびD2、モータM3、モータM4、ドライバD3、ならびに、ドライバD4を備える。インピーダンス整合回路152は、互いに接続された直列回路166およびシャント回路168を備える。インピーダンス整合回路152は、直列回路102およびシャント回路104も備える。
【0058】
yMHzRF発生器の出力158は、RFケーブル162を介してインピーダンス整合回路152の入力160に接続されている。yMHzRF発生器は、制御システム153、RF電源154、および、センサ156を備える。センサ156は、yMHzRF発生器の出力158に接続されている。さらに、センサ156は、データケーブルを介してプロセッサ116に接続されており、プロセッサ116は、データケーブルを介して制御システム153に接続されている。
【0059】
プロセッサ116は、ドライバD3に接続されており、ドライバD3は、モータM3に接続されている。モータM3は、1または複数の接続メカニズムを介して直列回路166に接続されている。さらに、プロセッサ116は、ドライバD4に接続されており、ドライバD4は、モータM4に接続されている。モータM4は、1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路168に接続されている。
【0060】
直列回路166の端部は、入力160に接続され、直列回路166の別の端部は、出力134に接続されている。さらに、シャント回路168の端部は、直列回路166とインピーダンス整合回路152の出力134とに接続され、シャント回路168の別の端部は、接地に接続されている。
【0061】
プロセッサ116は、データケーブルを介してyMHzRF発生器の制御システム153へデジタルパルス信号130を送信する。デジタルパルス信号130を受信すると、制御システム153は、xMHzRF発生器の制御システム120が状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルをxMHzRF発生器のRF電源124へ提供する上述の方法で、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルをRF電源154へ提供する。RF電源154は、xMHzRF発生器のRF電源124が状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する方法で、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する。RF電源154は、RFケーブル162を介してインピーダンス整合回路152の入力160にRF信号を供給する。
【0062】
同様に、デジタルパルス信号130を受信すると、制御システム153は、xMHzRF発生器の制御システム120が状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルをxMHzRF発生器のRF電源124へ提供する上述の方法で、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルをRF電源154へ提供する。RF電源154は、xMHzRF発生器のRF電源124が状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する方法で、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する。RF電源154は、RFケーブル162を介してインピーダンス整合回路152の入力160にRF信号を供給する。
【0063】
xMHzRF発生器からの状態S(n-N)に対するRF信号に加えて、状態S(n-N)に対するRF信号が、yMHzRF発生器からインピーダンス整合回路152によって受信されると、インピーダンス整合回路152は、インピーダンス整合回路152の出力134に接続された負荷、例えばRF伝送ライン128およびプラズマチャンバ108のインピーダンスを、インピーダンス整合回路152の入力132および160に接続されたソース、例えば、RFケーブル126、xメガヘルツRF発生器、RFケーブル162、および、yMHzRF発生器と整合する。インピーダンス整合回路152は、インピーダンスを整合し、さらに、状態S(n-N)中にインピーダンス整合回路152の分岐回路165および分岐回路170を介して伝送されたRF信号を組みあわせることで、例えば合計することで、インピーダンス整合回路152から出力134およびRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される状態S(n-N)に対する変調RF信号を生成する。回路165は、直列回路102およびシャント回路104を備える。
【0064】
同様に、xMHzRF発生器からの状態S(n)に対するRF信号に加えて、状態S(n)に対するRF信号が、yMHzRF発生器からインピーダンス整合回路152によって受信されると、インピーダンス整合回路152は、インピーダンス整合回路152の出力134に接続された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合回路152の入力132および160に接続されたソースのインピーダンスと整合する。インピーダンス整合回路152は、インピーダンスを整合し、さらに、状態S(n)中にインピーダンス整合回路152の分岐回路165および分岐回路170を介して伝送されたRF信号を組みあわせることで(例えば、合計することで)、インピーダンス整合回路152から出力134およびRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される状態S(n)に対する変調RF信号を生成する。基板112は、1または複数の処理ガスに加えて変調RF信号がRF伝送ライン128を介してインピーダンス整合回路152から受信された時に処理される。
【0065】
状態S(n-N)中に、yMHzRF発生器の出力158に接続されたセンサ156は、出力158での変数、例えば反射電力の値を検知する。反射電力は、プラズマチャンバ108のプラズマから、RF伝送ライン128、直列回路166およびシャント回路168を備えた分岐回路170、ならびに、RFケーブル162を介して、yMHzRF発生器の出力158に向かって反射される電力である。同様に、状態S(n)中に、センサ156は、yMHzRF発生器の出力158に向かって反射された変数の値を検知する。
【0066】
状態S(n-N)~S(n)、例えば状態S(n-N)~S(n)の複数回の発生の間に検知された変数の値は、データケーブルを介してセンサ156からプロセッサ116へ連続的に提供される。プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)の内の1つの状態に対しては出力158で削減されるが状態S(n-N)~S(n)の他の状態に対しては削減されない反射電力と比較して、yMHzRF発生器の出力158での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるようになるまで、状態S(n-N)~S(n)中に検知された変数からインピーダンス整合回路152の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値を決定する。例えば、1または複数のパラメータの値は、すべての状態S(n-N)~S(n)についてyMHzRF発生器の出力158に反射される電力の量が、状態S(n-N)~S(n)の任意の1状態について出力158に反射される電力の量より小さくなるように決定される。さらに説明すると、直列回路166の静電容量の値がCAであり、シャント回路168の静電容量の値がCBである場合、電力の量PrAが、状態S1中にyMHzRF発生器の出力158に向かって反射される。しかしながら、状態S2に対して同じ値のCAおよびCBが用いられる場合、状態S2中に出力158に向かって反射される電力の量はPrBであり、これは、PrAよりも実質的に大きい。出力158における反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路152の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値、例えば、直列回路166のパラメータの値CCおよびシャント回路168のパラメータの値CDが、状態S(n-N)~S(n)中にセンサ156によって検知された変数から決定された場合、反射電力は、量PrCの電力である。値PrCは、値PrBより小さいが、値PrAよりは大きい。いくつかの実施形態において、値PrCは、値PrA以下である。
【0067】
別の例として、反射電力が状態S(nーN)~S(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路152の1または複数のパラメータの値、例えば直列回路166のパラメータの値CCおよび分岐回路168のパラメータの値CDが、状態S(nーN)~S(n)中に検知された変数から決定された場合、反射電力は、状態S(nーN)に対しては量PrDの電力であり、状態S(n)に対してはPrEの量の電力である。値PrDは、状態S(n-N)に対する反射電力の値の中の状態S(n-N)に対する最小値である。状態S(n-N)に対する反射電力の複数の値は、yMHzRF発生器の周波数および/またはyMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n-N)中に変えられた時に達成される。値PrDは、状態S(n)に対する反射電力の値の中の状態S(n)に対する最小値である。状態S(n)に対する反射電力の複数の値は、yMHzRF発生器の周波数および/またはyMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n)中に変えられた時に達成される。様々な実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にある。いくつかの実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にあり、それらの最小値は共に、反射電力の所定のレベルより小さい。値PrBは所定のレベルより大きく、値PrAは所定のレベルより小さい。
【0068】
状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD3に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対してyMHzRF発生器の出力158で減少するまで送信し続ける。 制御信号を受信すると、モータM3は、モータM3を直列回路166に接続する1または複数の接続メカニズムを介して直列回路166のパラメータの値を変更するように回転する。同様に状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD4に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力158で減少するまで送信し続ける。制御信号を受信すると、モータM4は、モータM4をシャント回路168に接続する1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路168のパラメータの値を変更するように回転する。出力158での反射電力の減少も、yMHzRF発生器の寿命を延ばす。
【0069】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n-N~S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力158での値PrCは、出力136での反射電力の値Pr3から所定の範囲内にある。
【0070】
様々な実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n-N~S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、出力136での反射電力および出力158での反射電力が所定の限度未満になるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力158での値PrCは、出力136での反射電力の値Pr3から所定の範囲内にあり、値PrCおよびPr3は、反射電力の所定の限度より小さい。所定の範囲および所定の限度は、プロセッサ116によるアクセスに向けてメモリデバイス118に格納される。
【0071】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n-N)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力158での値PrDは、出力136での反射電力の値Pr4から所定の範囲内にあり、出力158での値PrEは、出力136での反射電力の値Pr5から所定の範囲内にある。
【0072】
様々な実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n-N)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n)に対して出力136で削減されるレベルから所定の範囲内にあるレベルへと、出力158での反射電力が状態S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、出力136での反射電力および出力158での反射電力が所定の限度未満になるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、および、シャント回路168の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力158での値PrDは、出力136での反射電力の値Pr4から所定の範囲内にあり、値PrDおよびPr4は、反射電力の所定の限度より小さい。さらに、出力158での値PrEは、出力136での反射電力の値Pr5から所定の範囲内にあり、値PrEおよびPr5は、反射電力の所定の限度より小さい。
【0073】
図1Cは、状態S(n-N)~S(n)でのxMHzRF発生器、yMHzRF発生器、および、zMHzRF発生器への反射電力の削減を説明するためのシステム180の一実施形態の図である。システム180は、xMHzRF発生器、yMHzRF発生器、zMHzRF発生器、ホストコンピュータ111、インピーダンス整合回路182、プラズマチャンバ108、モータM1~M4、ドライバD1~D4、モータM5、モータM6、ドライバD5、および、ドライバD6を備える。インピーダンス整合回路182は、互いに接続された直列回路196およびシャント回路198を備える。
【0074】
zMHRF発生器の出力184は、RFケーブル188を介してインピーダンス整合回路182の入力186に接続されている。zMHzRF発生器は、制御システム190、RF電源192、および、センサ194を備える。センサ194は、zMHzRF発生器の出力184に接続されている。さらに、センサ194は、データケーブルを介してプロセッサ116に接続されており、プロセッサ116は、データケーブルを介して制御システム190に接続されている。
【0075】
プロセッサ116は、ドライバD5に接続されており、ドライバD5は、モータM5に接続されている。モータM5は、1または複数の接続メカニズムを介して直列回路196に接続されている。さらに、プロセッサ116は、ドライバD6に接続されており、ドライバD6は、モータM6に接続されている。モータM6は、1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路198に接続されている。
【0076】
インピーダンス整合回路182は、直列回路102、シャント回路104、直列回路164、シャント回路166、直列回路196、および、シャント回路198を備える。直列回路196の端部は、入力186に接続され、直列回路196の別の端部は、出力134に接続されている。さらに、シャント回路198の端部は、直列回路196とインピーダンス整合回路182の出力134とに接続され、シャント回路198の別の端部は、接地に接続されている。
【0077】
プロセッサ116は、データケーブルを介してzMHzRF発生器の制御システム190へデジタルパルス信号130を送信する。デジタルパルス信号130を受信すると、制御システム190は、xMHzRF発生器の制御システム120が状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルをxMHzRF発生器のRF電源124へ提供する上述の方法で、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルをRF電源192へ提供する。RF電源192は、xMHzRF発生器のRF電源124が状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する方法で、状態S(n-N)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する。RF電源192は、RFケーブル188を介してインピーダンス整合回路182の入力186にRF信号を供給する。
【0078】
同様に、デジタルパルス信号130を受信すると、制御システム190は、xMHzRF発生器の制御システム120が状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルをxMHzRF発生器のRF電源124へ提供する上述の方法で、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルをRF電源192へ提供する。RF電源192は、xMHzRF発生器のRF電源124が状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する方法で、状態S(n)に対する電力レベルおよび周波数レベルを有するRF信号を生成する。RF電源192は、RFケーブル162を介してインピーダンス整合回路182の入力186にRF信号を供給する。
【0079】
xおよびyMHzRF発生器からの状態S(n-N)に対するRF信号に加えて、状態S(n-N)に対するRF信号が、zMHzRF発生器からインピーダンス整合回路182によって受信されると、インピーダンス整合回路182は、インピーダンス整合回路182の出力134に接続された負荷、例えばRF伝送ライン128およびプラズマチャンバ108のインピーダンスを、インピーダンス整合回路182の入力132、160、および、186に接続されたソース、例えば、RFケーブル126、xメガヘルツRF発生器、RFケーブル162、yMHzRF発生器、RFケーブル188、および、zMHzRF発生器と整合する。インピーダンス整合回路182は、インピーダンスを整合し、分岐回路165(図1B)、170、および、199を介して送信されたRF信号を組み合わせることで、状態S(n-N)に対する変調RF信号を生成する。状態S(n-N)に対する変調RF信号は、インピーダンス整合回路182から出力134およびRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される。分岐回路199は、直列回路196およびシャント回路198を備える。
【0080】
同様に、xおよびyMHzRF発生器からの状態S(n)に対するRF信号に加えて、状態S(n)に対するRF信号が、zMHzRF発生器からインピーダンス整合回路182によって受信されると、インピーダンス整合回路182は、インピーダンス整合回路182の出力134に接続された負荷のインピーダンスを、インピーダンス整合回路182の入力132、160、および、186に接続されたソースのインピーダンスと整合する。インピーダンス整合回路182は、インピーダンスを整合し、分岐回路165(図1B)、170、および、199を介して送信されたRF信号を組み合わせることで、状態S(n)に対する変調RF信号を生成する。状態S(n)に対する変調RF信号は、インピーダンス整合回路182からRF伝送ライン128を介してチャック110へ提供される。基板112は、1または複数の処理ガスに加えて変調RF信号がRF伝送ライン128を介してインピーダンス整合回路182から受信された時に処理される。
【0081】
状態S(n-N)中に、zMHzRF発生器の出力184に接続されたセンサ194は、出力184での変数、例えば反射電力の値を検知する。反射電力は、プラズマチャンバ108のプラズマから、RF伝送ライン128、インピーダンス整合回路182の分岐回路199、および、RFケーブル188を介して、zMHzRF発生器の出力184に向かって反射される電力である。同様に、状態S(n)中に、センサ194は、zMHzRF発生器の出力184に向かって反射された変数の値を検知する。
【0082】
状態S(n-N)~S(n)、例えば状態S(n-N)~S(n)の複数回の発生の間に検知された変数の値は、データケーブルを介してセンサ194からプロセッサ116へ連続的に提供される。プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)の内の1つの状態に対しては出力184で削減されるが状態S(n-N)~S(n)の他の状態に対しては削減されない反射電力と比較して、出力184での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して同時に削減されるようになるまで、状態S(n-N)~S(n)中に検知された変数からインピーダンス整合回路182の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値を決定する。例えば、1または複数のパラメータの値は、すべての状態 S(n-N)~S(n)について出力184に反射される電力の量が、状態S(n-N)~S(n)の任意の1状態について削減されるが状態S(n-N)~S(n)の残りの状態については削減されない出力184に反射される電力の量に比べて削減されるように決定される。さらに説明すると、直列回路196の静電容量の値がCaであり、シャント回路198の静電容量の値がCbである場合、電力の量Praが、状態S1中に出力184に向かって反射される。しかしながら、状態S2に対して同じ値のCaおよびCbが用いられる場合、状態S2中に出力184に向かって反射される電力の量はPrbであり、これは、Praよりも実質的に大きい。出力184における反射電力が状態S(n-N)およびS(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路182の1または複数の電気構成要素の1または複数のパラメータの値、例えば直列回路196のパラメータの値Ccおよびシャント回路198のパラメータの値Cdが、状態S(n-N)およびS(n)中にセンサ194によって検知された変数から決定された場合、反射電力は、量Prcの電力である。値Prcは、値Prbより小さいが、値Praよりは大きい。いくつかの実施形態において、値Prcは、値Pra以下である。
【0083】
別の例として、反射電力が状態S(nーN)~S(n)に対して同時に削減されるように、インピーダンス整合回路182の1または複数のパラメータの値、例えば直列回路196のパラメータの値Ccおよび分岐回路198のパラメータの値Cdが、状態S(nーN)~S(n)中に検知された変数から決定された場合、反射電力は、状態S(nーN)に対しては量Prdの電力であり、状態S(n)に対してはPreの量の電力である。値Prdは、状態S(n-N)に対する反射電力の値の中の状態S(n-N)に対する最小値である。状態S(n-N)に対する反射電力の複数の値は、zMHzRF発生器の周波数および/またはzMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n-N)中に変えられた時に達成される。値Prdは、状態S(n)に対する反射電力の値の中の状態S(n)に対する最小値である。状態S(n)に対する反射電力の複数の値は、zMHzRF発生器の周波数および/またはzMHzRF発生器によって供給されるRF信号の電力が状態S(n)中に変えられた時に達成される。様々な実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にある。いくつかの実施形態において、状態S(n-N)に対する最小値は、状態S(n)に対する最小値の所定の閾値内にあり、それらの最小値は共に、反射電力の所定のレベルより小さい。値Prbは所定のレベルより大きく、値Praは所定のレベルより小さい。
【0084】
状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD5に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対してzMHzRF発生器の出力184で減少するまで送信し続ける。 制御信号を受信すると、モータM5は、モータM5を直列回路196に接続する1または複数の接続メカニズムを介して直列回路196のパラメータの値を変更するように回転する。同様に状態S(n-N)~S(n)中に、プロセッサ116は、状態S(n-N)~S(n)に対するパラメータの値を示す制御信号をドライバD6に送信し、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力184で減少するまで送信し続ける。 制御信号を受信すると、モータM6は、モータM6をシャント回路198に接続する1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路198のパラメータの値を変更するように回転する。出力184での反射電力の減少も、zMHzRF発生器の寿命を延ばす。
【0085】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力184での値Prcは、出力136での反射電力の値Pr3と、出力158での反射電力の値PrCとから所定の範囲内にある。
【0086】
様々な実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、出力136での反射電力、出力158での反射電力、および、出力184での反射電力が所定の限度未満になるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力158での値PrCは、出力136での反射電力の値Pr3と、出力184での値Prcとから所定の範囲内にあり、値PrC、Pr3、および、Prcは、反射電力の所定の限度より小さい。
【0087】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n-N)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n-N)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力184での値Prdは、出力136での反射電力の値Pr4と、出力158での反射電力の値PrDとから所定の範囲内にある。また、出力184での値Preは、出力136での反射電力の値Pr5と、出力158での反射電力の値PrEとから所定の範囲内にある。
【0088】
様々な実施形態において、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n-N)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n-N)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n-N)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、反射電力が状態S(n)に対して出力136で削減されるレベルと、反射電力が状態S(n)に対して出力158で削減されるレベルとから所定の範囲内にあるレベルへと、出力184での反射電力が状態S(n)に対して削減されるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。さらに、プロセッサ116は、出力136での反射電力、出力158での反射電力、および、出力184での反射電力が所定の限度未満になるまで、直列回路102、シャント回路104、直列回路166、シャント回路168、直列回路196、および、シャント回路198の内の1または複数の回路の1または複数のパラメータの値を同時に制御する。例えば、出力184での値Prdは、出力136での反射電力の値Pr4と、出力158での反射電力の値PrDとから所定の範囲内にある。また、出力184での値Preは、出力136での反射電力の値Pr5と、出力158での反射電力の値PrEとから所定の範囲内にある。すべての値Prd、Pr4、PrD、Pre、Pr5、および、PrEは、所定の限度より小さい。
【0089】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のインピーダンス整合回路の各回路構成要素、例えば、インダクタ、キャパシタなどは、電子的に制御される。例えば、回路構成要素を制御するために、モータは利用されない。
【0090】
図2Aは、デジタルパルス信号206のグラフ202の一実施形態と、RF発生器、例えば、xMHzRF発生器、またはyMHzRF発生器、またはzMHzRF発生器によって供給されるRF信号208の一実施形態を示すグラフ204とを示す図である。デジタルパルス信号206は、デジタルパルス信号130(図1A図1C)の一例である。グラフ202は、時間に対してロジックレベルをプロットしたものである。さらに、グラフ204は、時間に対してRF信号208の電力レベルをプロットしたものである。一例として、RF信号の電力レベルは、RF信号のエンベロープ(例えば、ゼロからピークまでの振幅など)である。別の例として、RF信号の電力レベルは、RF信号の振幅の二乗平均平方根値である。
【0091】
状態S0中、デジタルパルス信号206のロジックレベルが0である時、RF信号208の電力レベルはP1であり、p1は、ゼロまたは正の量である。さらに、状態S1中、デジタルパルス信号206のロジックレベルが1である時、RF信号208の電力レベルはP2である。電力レベルP2は、電力レベルP1よりも大きい。また、デジタルパルス信号206が状態S0から状態S1へ遷移する時、RF信号208は、電力レベルP1から電力レベルP2に遷移する。デジタルパルス信号206が状態S1から状態S0へ遷移する時、RF信号208は、電力レベルP2から電力レベルP1に遷移する。このように、デジタルパルス信号206は、RF信号208と同期される。
【0092】
デジタルパルス信号206の状態S0は、クロックサイクルの期間t1中に発生することに注意されたい。さらに、デジタルパルス信号206の状態S1は、クロックサイクルの期間t2中に発生する。
【0093】
図2Bは、3つの状態S0、S1、および、S2を有するRF信号212のグラフ210の一実施形態である。RF信号212は、xMHzRF発生器またはyMHzRF発生器またはzMHzRF発生器によって供給されるRF信号の一例である。状態S0中、RF信号212は、電力レベルP1を有する。さらに、状態S1中、RF信号212は、電力レベルP3を有する。また、状態S2中、RF信号212は、電力レベルP2を有する。電力レベルP3は、電力レベルP2よりも低いが、電力レベルP1よりも高い。デジタルパルス信号130(図1A図1C)が状態S0から状態S1へ遷移する時、RF信号212は、電力レベルP1から電力レベルP3へ遷移する。さらに、デジタルパルス信号130が状態S1から状態S2へ遷移する時、RF信号212は、電力レベルP3から電力レベルP2に遷移する。また、デジタルパルス信号130が状態S2から状態S0へ戻る時、RF信号212は、電力レベルP2から電力レベルP1に戻る。RF信号212の状態S0~S2は、期間t1およびt2の合計であるクロックサイクル中に発生する。
【0094】
図2Cは、4つの状態S0、S1、S2、および、S3を有するRF信号216のグラフ214の一実施形態である。RF信号216は、xMHzRF発生器またはyMHzRF発生器またはzMHzRF発生器によって供給されるRF信号の一例である。状態S0中、RF信号216は、電力レベルP1を有する。さらに、状態S1中、RF信号216は、電力レベルP2を有する。また、状態S2中、RF信号216は、電力レベルP3を有する。状態S3中、RF信号216は、電力レベルP4を有する。電力レベルP4は、電力レベルP3よりも低いが、電力レベルP1よりも高い。デジタルパルス信号130(図1A図1C)が状態S0から状態S1へ遷移する時、RF信号216は、電力レベルP1から電力レベルP2へ遷移する。さらに、デジタルパルス信号130が状態S1から状態S2へ遷移する時、RF信号216は、電力レベルP2から電力レベルP3に遷移する。また、デジタルパルス信号130が状態S2から状態S3へ遷移する時、RF信号216は、電力レベルP3から電力レベルP4に遷移する。また、デジタルパルス信号130が状態S3から状態S0へ戻る時、RF信号216は、電力レベルP4から電力レベルP1に戻る。RF信号216の状態S0~S3は、期間t1およびt2の合計であるクロックサイクル中に発生する。
【0095】
図3Aは、状態S(n-N)~S(n)中の直列回路306およびシャント回路308の制御を説明するためのシステム300の一実施形態の図である。直列回路306は、直列回路102、166、または、196(図1C)の一例である。さらに、シャント回路308は、シャント回路104、168、または、198(図1C)の一例である。システム300は、xMHzRF発生器またはyMHzRF発生器またはzMHzRF発生器などのRF発生器302を備える。RF発生器302は、出力370を有しており、出力370は、出力136、出力158、または、出力184(図1C)の一例である。さらに、システム300は、インピーダンス整合回路304を備えており、インピーダンス整合回路304は、インピーダンス整合回路106(図1)、分岐回路170(図1B)、または、分岐回路199(図1C)の一例である。
【0096】
RF発生器302は、RFケーブル310を介してインピーダンス整合回路304に接続されており、RFケーブル310は、RFケーブル126、RFケーブル162、または、RFケーブル188(図1C)の一例である。インピーダンス整合回路304の出力134は、RF伝送ライン128を介してプラズマチャンバ108に接続されている。
【0097】
システム300は、さらに、モータ312およびモータ314を備える。モータ312は、モータM1、モータM3、または、モータM5(図1C)の一例である。さらに、モータ314は、モータM2、モータM4、または、モータM6(図1C)の一例である。
【0098】
直列回路306は、インピーダンス整合回路304の入力316を介してRFケーブル310に接続されている。入力316は、入力132、入力160、または、入力186(図1C)の一例である。直列回路は、可変であるキャパシタC1と直列のインダクタL1を備える。インダクタL1の端部は、入力316に接続され、インダクタL1の別の端部は、キャパシタC1に接続されている。シャント回路308は、これも可変であるキャパシタC2と直列のインダクタL2を備える。インダクタL2の端部は、出力134に接続され、出力134は、キャパシタC1の端部に接続されている。さらに、インダクタL2の別の端部は、キャパシタC2に接続され、キャパシタC2は、他の端部で接地に接続されている。インダクタL1およびL2は、可変ではなく固定である。
【0099】
モータ312は、1または複数の接続メカニズムを介してキャパシタC1に接続されており、キャパシタC1の平行板の間の距離または面積を変化させるように回転する。例えば、キャパシタの平行板は、平行板の間の距離または面積を変化させるように、互いに対して移動、例えば回転する。距離または面積の変化は、キャパシタの静電容量を変化させる、例えば増減させる。同様に、モータ314は、1または複数の接続メカニズムを介してキャパシタC2に接続されており、キャパシタC2の平行板の間の距離または面積を変化させるように回転する。
【0100】
図3Bは、状態S(n-N)~S(n)中の直列回路324およびシャント回路326の制御を説明するためのシステム320の一実施形態の図である。直列回路324は、直列回路102、166、または、196(図1C)の一例である。さらに、シャント回路326は、シャント回路104、168、または、198(図1C)の一例である。システム320は、RF発生器302を備える。さらに、システム320は、インピーダンス整合回路322を備えており、インピーダンス整合回路322は、インピーダンス整合回路106(図1)、分岐回路170(図1B)、または、分岐回路199(図1C)の一例である。
【0101】
RF発生器302は、RFケーブル310を介してインピーダンス整合回路322に接続されている。インピーダンス整合回路322の出力134は、RF伝送ライン128を介してプラズマチャンバ108に接続されている。
【0102】
システム320は、さらに、モータ312、モータ314、モータ328、および、モータ330を備える。モータ328は、モータM1、モータM3、または、モータM5(図1C)の一例である。さらに、モータ330は、モータM2、モータM4、または、モータM6(図1C)の一例である。
【0103】
直列回路324は、インピーダンス整合回路322の入力332を介してRFケーブル310に接続されている。入力332は、入力132、入力160、または、入力186(図1C)の一例である。直列回路は、キャパシタC1と直列のインダクタL3を備える。インダクタL3の端部は、入力332に接続され、別の端部は、キャパシタC1に接続されている。シャント回路326は、キャパシタC2と直列のインダクタL4を備える。インダクタL4の端部は、出力134とキャパシタC1の端部とに接続されている。さらに、インダクタL4の別の端部は、キャパシタC2に接続され、キャパシタC2は、他の端部で接地に接続されている。インダクタL3およびL4は、可変である。
【0104】
モータ328は、1または複数の接続メカニズムを介してインダクタL3に接続されており、インダクタL3のコアとインダクタL3のコイルとの間の重複面積を変化させるように回転する。例えば、インダクタのコイルによって取り巻かれたインダクタのコアは、インダクタのインダクタンスを変化させるために、コイルに対して移動される。重複面積の変化は、インダクタのインダクタンスを、例えば、増減させる。同様に、モータ330は、1または複数の接続メカニズムを介してインダクタL4に接続されており、インダクタL4のコアとインダクタL4のコイルとの間の重複面積を変化させるように回転する。
【0105】
いくつかの実施形態において、インダクタL1およびL2は、インダクタのインダクタンスを変化させるように制御され、キャパシタC1およびC2の代わりに、固定キャパシタが、インピーダンス整合回路322で用いられる。様々な実施形態において、キャパシタC1、キャパシタC2、インダクタL1、および、インダクタL2の内の1または複数は、状態S(n-N)~S(n)に対する出力370での反射電力を減少させるように制御される。
【0106】
図3Cは、任意の数の直列回路および任意の数のシャント回路を備えたインピーダンス整合回路352を説明するためのシステム350の一実施形態の図である。システム350は、RF発生器302、インピーダンス整合回路352、プラズマチャンバ108、モータ312および314、モータ362、ならびに、モータ364を備える。
【0107】
RF発生302は、RFケーブル310を介してインピーダンス整合回路352の入力366に接続されている。インピーダンス整合回路352は、直列回路354、シャント回路356、別の直列回路358、および、別のシャント回路360を備える。直列回路354の端部は、入力366に接続され、直列回路354の別の端部は、シャント回路356の端部に接続されている。さらに、直列回路354の別の端部は、直列回路358の端部に接続されている。シャント回路356の別の端部は、接地に接続されている。さらに、直列回路358の別の端部は、シャント回路360の端部とインピーダンス整合回路352の出力134とに接続されている。シャント回路360の別の端部は、接地に接続されている。
【0108】
モータ312は、1または複数の接続メカニズムを介して直列回路354に接続されている。さらに、またモータ314は、1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路356に接続されている。また、モータ362は、1または複数の接続メカニズムを介して直列回路358に接続されている。モータ364は、1または複数の接続メカニズムを介してシャント回路360に接続されている。
【0109】
モータ312、314、362、および、364に接続されたドライバ(図示せず)からの電流信号を受信すると、モータ312は、直列回路354のパラメータを変更するよう動作し、モータ314は、シャント回路356のパラメータを変更するよう動作し、モータ362は、直列回路358のパラメータを変更するよう動作し、モータ364は、シャント回路360のパラメータを変更するよう動作する。回路354、356、358、および、360のパラメータは、状態S(n-N)~S(n)の内の1つの状態に対しては削減されるが状態S(n-N)~S(n)の他の状態に対しては削減されない反射電力と比較して、RF発生器302の出力370での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減されるように、状態S(n-N)~S(n)に対して制御される。
【0110】
いくつかの実施形態において、インピーダンス整合回路352は、図3Cに示したよりも多い数の直列回路および図3Cに示したよりも多い数のシャント回路を備える。例えば、直列回路358に接続されたシャント回路360の端部が、別の直列回路(図示せず)に接続され、別の直列回路は、別のシャント回路(図示せず)に接続される。シャント回路(図示せず)の端部は、出力134に接続される。別のシャント回路(図示せず)の別の端部は、接地に接続される。
【0111】
図3Dは、Lネットワークであるインピーダンス整合回路382を説明するためのシステム380の一実施形態の図である。インピーダンス整合回路382は、インダクタX1およびキャパシタX2を備える。本明細書に記載するXは、回路構成要素、例えば、インダクタ、キャパシタなどのリアクタンスを表すことに注意されたい。例えば、X1は、インダクタX1のリアクタンスであり、X2は、キャパシタX2のリアクタンスである。インダクタX1は、可変または固定である。同様に、キャパシタX2は、可変または固定である。キャパシタX2の端部は、接地に接続され、キャパシタX2の端部は、インダクタX1の端部とインピーダンス整合回路382の入力384とに接続されている。インダクタX1の別の端部は、インピーダンス整合回路382の出力134に接続されている。
【0112】
インピーダンス整合回路382は、本明細書に記載の任意の他のインピーダンス整合回路の代わりに用いられることに注意されたい。例えば、インピーダンス整合回路382は、インピーダンス整合回路106、分岐回路170、または、分岐回路199(図C)の代わりに用いられる。インピーダンス整合回路382は、入力384を有しており、入力384は、入力132、入力160、または、入力186(図1C)の一例である。
【0113】
RF電源が図3Bに示されており、そのRF電源は、入力384に接続されたソースの抵抗である抵抗器Rsに接続されている様子が図示されていることに注意されたい。さらに、抵抗器Rpが、図3Bに示されている。抵抗器Rpは、出力134に接続された負荷の抵抗を有する。
【0114】
図3Eは、Πネットワークであるインピーダンス整合回路388を説明するためのシステム386の一実施形態の図である。インピーダンス整合回路386は、インダクタX2、キャパシタX3、および、キャパシタX4を備える。インダクタX2は、可変または固定である。同様に、キャパシタX3およびX4の各々は、可変または固定である。キャパシタX3の端部は、接地に接続され、キャパシタX3の別の端部は、インダクタX2の端部とインピーダンス整合回路388の入力390とに接続されている。さらに、インダクタX2の別の端部は、キャパシタX4の端部に接続され、キャパシタX4の別の端部は、接地に接続されている。インダクタX2の別の端部は、インピーダンス整合回路388の出力134に接続されている。さらに、抵抗器RIが、図3Cに示されている。抵抗器RIは、出力134に接続された負荷の抵抗を有する。
【0115】
図3Fは、Πネットワークであるインピーダンス整合回路392の一実施形態の図である。Πネットワークは、2つのLネットワークによって表される。インピーダンス整合回路392は、インダクタX21、キャパシタX3、抵抗器Rx、別のインダクタX22、および、キャパシタX4を備える。キャパシタX21およびX22の各々は、可変または固定である。同様に、キャパシタX3およびX4の各々は、可変または固定である。キャパシタX3の端部は、接地に接続され、キャパシタX3の別の端部は、インダクタX21の端部とインピーダンス整合回路392の入力394とに接続されている。さらに、インダクタX21の別の端部は、抵抗器Rxの端部に接続され、抵抗器Rxの別の端部は、接地に接続されている。また、インダクタX21の別の端部は、インダクタX22の端部に接続され、インダクタX22の別の端部は、キャパシタX4の端部に接続されている。キャパシタX4の別の端部は、接地に接続されている。インダクタX22の別の端部およびキャパシタX4の端部は、インピーダンス整合回路392の出力134に接続されている。
【0116】
インピーダンス整合回路388は、本明細書に記載の任意の他のインピーダンス整合回路の代わりに用いられることに注意されたい。例えば、インピーダンス整合回路388は、インピーダンス整合回路106、分岐回路170、または、分岐回路199(図C)の代わりに用いられる。
【0117】
図4は、RF発生器に向かって反射された電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減される1または複数のパラメータの値の決定を説明するための方法400の一実施形態の図である。方法400は、状態S(n-N)についてRF発生器の出力での反射電力を測定する工程402を備える。例えば、RF発生器によって生成されるRF信号が状態S(n-N)を有する期間中に、反射電力は、RF発生器の出力で測定される。RF発生器のセンサ(例えば、RF発生器の出力に接続されたセンサ)が、反射電力を測定する。センサは、RF発生器の中または外に配置される。センサは、状態S(n-N)中に測定された反射電力の値をプロセッサ116(図1C)に提供する。
【0118】
さらに、方法400の工程404において、状態S(n-N)中に、RF発生器の出力に反射される電力が削減されるように、RFケーブルを介してRF発生器に接続されたインピーダンス整合回路の1または複数のパラメータ、例えば、インダクタンス、静電容量などの値が、プロセッサ116によって変更される。例えば、状態S(n-N)中に測定された反射電力がPRF1である時、インピーダンス整合回路の1または複数のパラメータの値は、CV1およびCV2である。さらに、インピーダンス整合回路の1または複数のパラメータの値が、CV1からCV3へ、かつ、CV2からCV4へ変更されると、状態S(n-N)中に測定される反射電力は、値PRF1よりも小さいPRF2に下がる。
【0119】
方法400の工程406において、反射電力は、状態S(n)中にRF発生器の出力で測定される。例えば、RF発生器によって生成されるRF信号が状態S(n)を有する期間中に、反射電力は、RF発生器の出力でセンサによって測定される。センサは、状態S(n)中に測定された反射電力の値をプロセッサ116に提供する。
【0120】
方法400の工程408において、インピーダンス整合回路の1または複数のパラメータの値は、状態S(n)およびS(n-N)の両方の間にRF発生器の出力で測定される反射電力が削減されるように、状態S(n)中にプロセッサ116によって変更される。例えば、状態S(n)中に、インピーダンスの1または複数のパラメータの値が、プロセッサ116によってCV3からCV5へ、かつ、CV4からCV6へ変更されるよう制御されると、反射電力は、値PRF1よりも小さいPRF3に下がる。値PRF3は、値PRF2よりも大きい。別の例において、値PRF3は、値PRF2以下である。一例として、値PRF2およびPRF3は、互いに所定の閾値内にある。所定の閾値は、プロセッサ116によるアクセスに向けてメモリデバイス118(図1C)に格納される。さらに別の例として、値PRF2およびPRF3は両方とも、所定のレベルより小さく、互いに所定の閾値内にある。所定のレベルは、プロセッサ116によるアクセスに向けてメモリデバイス118に格納される。値PRF1は、所定のレベルより大きい。工程408の後、状態S(n-N)~S(n)に対して、インピーダンス整合回路の1または複数のパラメータの値は、CV5およびCV6に維持される。
【0121】
いくつかの実施形態において、工程408の後、値CV5およびCV6は、RF発生器によって生成されるRF信号の電力および/または周波数が変化した時に、状態S(n-N)~S(n)中にRF発生器の出力での反射電力をさらに減少させるために、プロセッサ116によって調整(例えば、増減)される。
【0122】
様々な実施形態において、本明細書に記載のインピーダンス整合回路が、インピーダンス整合回路に接続されたRF発生器の出力での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減されるように決定される複数のパラメータ値を含む場合、パラメータ値を決定するために、多変量解析法がプロセッサ116によって利用されることに注意されたい。例えば、プロセッサ116は、多変量解析法を利用して、状態S(n-N)~S(n)に対するRF発生器の出力での反射電力の最小値が、所定のレベルより小さく、状態S(n-N)に対するRF発生器の出力での反射電力の最小値が、状態状態S(n)に対するRF発生器の出力での反射電力の最小値の所定の閾値内になるように、インピーダンス整合回路の直列回路およびシャント回路の静電容量および/またはインダクタンスの値を決定する。
【0123】
いくつかの実施形態において、ニューラルネットワーク、例えば、人間の脳をモデルにしたコンピュータシステム、人間の脳をモデルにしたコンピュータのネットワーク、などが、本明細書に記載のインピーダンス整合回路のパラメータの1または複数の値と、インピーダンス整合回路に接続された本明細書に記載のRF発生器の出力での反射電力との間の関係性を決定する。例えば、ニューラルネットワークに入力された1または複数のパラメータの値と、状態S(n-N)~S(n)に対する反射電力の値とに基づいて関係性を決定するために、回帰分析がニューラルネットワークによって利用される。例えば、1または複数のパラメータの値は、ニューラルネットワークの入力ノードでの入力であり、状態S(n-N)~S(n)に対する反射電力は、ニューラルネットワークの出力ノードでの出力である。回帰分析は、入力と出力との間の関係性を決定するために利用される。次いで、関係性は、RF発生器の出力での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減される1または複数のパラメータの値を決定するために、基板112(図1A図1C)の処理中にプロセッサ116またはニューラルネットワークによって利用される。
【0124】
図5Aは、状態S(n-N)~S(n)に対して、本明細書に記載のRF発生器の出力での反射電力を削減するために、本明細書に記載のインピーダンス整合回路の直列回路の静静電容量Cseriesと、インピーダンス整合回路のシャント回路の静電容量Cshuntとを決定する方法を説明するための図である。いくつかの実施形態において、インピーダンス整合回路の直列回路の静電容量は、直列回路内の複数のキャパシタの組みあわせである。例えば、直列回路の静電容量は、直列回路内で直列に互いに接続されたキャパシタの静電容量の積を静電容量の合計で割ったものである。別の例として、インピーダンス整合回路の直列回路の静電容量は、直列回路内で並列に互いに接続されたキャパシタの静電容量の合計である。同様に、インピーダンス整合回路のシャント回路の静電容量は、シャント回路内の複数のキャパシタの組みあわせである。
【0125】
ライン502は、静電容量Cseriesの値を有し、別のライン504は、静電容量Cshuntの値を有する。静電容量Cseriesの値が、値CS1から下げられ、静電容量Cshuntの値が、値CSH1から下げられた時に、RF発生器の出力での反射電力の値が、状態S(n-N)~S(n)中に測定され、グラフ506にプロットされている。グラフ506は、RF発生器の出力での反射電力を時間に対してプロットしている。状態S(n-N)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値510A、値512Aなどは、プロット508Aで示され、状態S(n)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値510B、値512Bなどは、プロット508Bで示されている。例えば、反射電力の値510Aおよび510Bは、静電容量CseriesがCS(-2)であり、静電容量CshuntがCSH(-2)である時に測定される。さらに、反射電力の値512Aおよび512Bは、静電容量CseriesがCS(-3)であり、静電容量CshuntがCSH(-3)である時に測定される。グラフ504に示すように、RF発生器の出力での反射電力の値は、状態S(n-N)~S(n)中に所定のレベルより大きく、したがって、状態S(n-N)~S(n)に対しては削減されない。
【0126】
さらに、静電容量Cseriesの値が、値CS1から下げられ、静電容量Cshuntの値が、値CSH1から上げられた時に、RF発生器の出力での反射電力の値が、状態S(n-N)~S(n)中に測定され、グラフ514にプロットされている。グラフ514は、RF発生器の出力での反射電力を時間に対してプロットしている。状態S(n-N)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値518A、値520A、値522Aなどは、プロット516Aで示され、状態S(n)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値518B、値520B、値522Bなどは、プロット516Bで示されている。例えば、反射電力の値518Aおよび518Bは、静電容量CseriesがCS(-2)であり、静電容量CshuntがCSH(2)である時に測定される。さらに、反射電力の値520Aおよび520Bは、静電容量CseriesがCS(-3)であり、静電容量CshuntがCSH(3)である時に測定される。また、反射電力の値522Aおよび522Bは、静電容量CseriesがCS(-4)であり、静電容量CshuntがCSH(4)である時に測定される。グラフ514に示すように、RF発生器の出力での反射電力の値522Aおよび522Bは、状態S(n-N)~S(n)中に所定のレベルより小さい。さらに、値522Aおよび522Bは、互いに所定の閾値内にある。例えば、値522Aは、プロット516Aの絶対最小値であり、値522Bは、プロット516Bの絶対最小値である。様々な実施形態において、値522Aは、プロット516Aの極小値であり、値522Bは、プロット516Bの極小値である。極小値は、反射電力が測定される所定の期間中、例えば、時間t1と時間t2との間の反射電力の最小値である。対して、絶対最小値は、反射電力が測定される期間全体、例えば、時間t1と時間t3との間の反射電力の最小値である。静電容量の値CS(-4)およびCSH(4)は、状態S(n-N)~S(n)の内の1つの状態に対しては削減されるが状態S(n-N)~S(n)の他の状態に対しては削減されない反射電力と比較して、RF発生器の出力での反射電力が状態S(n-N)~S(n)に対して削減される静電容量の値である。
【0127】
さらに、静電容量Cseriesの値が、値CS1から上げられ、静電容量Cshuntの値が、値CSH1から下げられた時に、RF発生器の出力での反射電力の値が、状態S(n-N)~S(n)中に測定され、グラフ524にプロットされている。グラフ524は、RF発生器の出力での反射電力を時間に対してプロットしている。状態S(n-N)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値528A、値530Aなどは、プロット526Aで示され、状態S(n)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値528B、値530Bなどは、プロット526Bで示されている。例えば、反射電力の値526Aおよび526Bは、静電容量CseriesがCS(2)であり、静電容量CshuntがCSH(-2)である時に測定される。さらに、反射電力の値530Aおよび530Bは、静電容量CseriesがCS(3)であり、静電容量CshuntがCSH(-3)である時に測定される。グラフ524に示すように、RF発生器の出力での反射電力の値は、状態S(n-N)~S(n)中に所定のレベルより大きい。
【0128】
さらに、静電容量Cseriesの値が、値CS1から上げられ、静電容量Cshuntの値が、値CSH1から下げられた時に、RF発生器の出力での反射電力の値が、状態S(n-N)~S(n)中に測定され、グラフ524にプロットされている。グラフ524は、RF発生器の出力での反射電力を時間に対してプロットしている。状態S(n-N)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値528A、値530Aなどは、プロット526Aで示され、状態S(n)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値528B、値530Bなどは、プロット526Bで示されている。例えば、反射電力の値528Aおよび528Bは、静電容量CseriesがCS(2)であり、静電容量CshuntがCSH(-2)である時に測定される。さらに、反射電力の値530Aおよび530Bは、静電容量CseriesがCS(3)であり、静電容量CshuntがCSH(-3)である時に測定される。グラフ524に示すように、RF発生器の出力での反射電力の値は、状態S(n-N)~S(n)中に所定のレベルより大きく、したがって、状態S(n-N)~S(n)に対しては削減されない。
【0129】
静電容量Cseriesの値が、値CS1から上げられ、静電容量Cshuntの値が、値CSH1から上げられた時に、RF発生器の出力での反射電力の値が、状態S(n-N)~S(n)中に測定され、グラフ532にプロットされている。グラフ532は、RF発生器の出力での反射電力を時間に対してプロットしている。状態S(n-N)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値536A、値538Aなどは、プロット534Aで示され、状態S(n)中のRF発生器の出力での反射電力の値、例えば、値536B、値538Bなどは、プロット534Bで示されている。例えば、反射電力の値536Aおよび536Bは、静電容量CseriesがCS(2)であり、静電容量CshuntがCSH(2)である時に測定される。さらに、反射電力の値538Aおよび538Bは、静電容量CseriesがCS(3)であり、静電容量CshuntがCSH(3)である時に測定される。グラフ532に示すように、RF発生器の出力での反射電力の値は、状態S(n-N)~S(n)中に所定のレベルより大きく、したがって、状態S(n-N)~S(n)に対しては削減されない。
【0130】
いくつかの実施形態において、静電容量CseriesおよびCshuntの内の一方は、図5Aに示した方法の間に変更され、静電容量CseriesおよびCshuntの内の他方は変更されない。
【0131】
様々な実施形態において、静電容量CseriesおよびCshuntを変更する代わりに、図5Aを用いて説明された方法は、インピーダンス整合回路の直列回路のインダクタンスの変更に、および、インピーダンス整合回路のシャント回路のインダクタンスの変更に、等しく適用可能である。いくつかの実施形態において、静電容量CseriesおよびCshuntを変更する代わりに、図5Aを用いて説明された方法は、インピーダンス整合回路の直列回路の静電容量かつインダクタンスの変更に、および、インピーダンス整合回路のシャント回路の静電容量かつインダクタンスの変更に、等しく適用可能である。
【0132】
図5Aを用いて説明した方法は、状態S(n-N)~S(n)に対する反射電力の最小値を実現するための経験的なプロセスであることに注意されたい。例えば、図5Aを用いて説明された方法は、値CseriesおよびCshuntが、2つの目標(例えば、状態S(n-N)中の反射電力の最小値および状態S(n)中の反射電力の最小値)を実現するように決定される多変量調整方法である。
【0133】
さらに、値CS(-4)~CS(4)は互いに対して漸進的であることに注意されたい。例えば、値CS(-4)は、値CS(-3)より小さく、値CS(-3)は、値CS(-2)より小さい。値CS(-2)は、値CS(-1)より小さく、値CS(-1)は、値CS(0)より小さい。値CS(0)は、値CS(1)より小さく、値CS(1)は、値CS(2)より小さい。値CS(2)は、値CS(3)より小さく、値CS(3)は、値CS(4)より小さい。さらに説明すると、CS(-4)は、値CS(-3)より小さい単位、例えば、0.1ピコファラッド、0.2ピコファラッドなどであり、値CS(-3)は、値CS(-2)より小さい単位である。値CS(-2)は、値CS(-1)より小さい単位であり、値CS(-1)は、値CS(0)より小さい単位である。値CS(0)は、値CS(1)より小さい単位であり、値CS(1)は、値CS(2)より小さい単位である。値CS(2)は、値CS(3)より小さい単位であり、値CS(3)は、値CS(4)より小さい単位である。
【0134】
同様に、値CSH(-4)~CSH(4)は互いに対して漸進的であることに注意されたい。例えば、値CSH(-4)は、値CSH(-3)より小さく、値CSH(-3)は、値CSH(-2)より小さい。値CSH(-2)は、値CSH(-1)より小さく、値CSH(-1)は、値CSH(0)より小さい。値CSH(0)は、値CSH(1)より小さく、値CSH(1)は、値CSH(2)より小さい。値CSH(2)は、値CSH(3)より小さく、値CSH(3)は、値CSH(4)より小さい。さらに説明すると、CSH(-4)は、値CSH(-3)より小さい単位、例えば、0.1ピコファラッド、0.2ピコファラッドなどであり、値CSH(-3)は、値CS(-2)より小さい単位である。値CSH(-2)は、値CSH(-1)より小さい単位であり、値CSH(-1)は、値CSH(0)より小さい単位である。値CSH(0)は、値CSH(1)より小さい単位であり、値CSH(1)は、値CSH(2)より小さい単位である。値CSH(2)は、値CSH(3)より小さい単位であり、値CSH(3)は、値CSH(4)より小さい単位である。
【0135】
図5Bは、状態S(n-N)~S(n)において反射電力を削減するようにチューニングする方法を適用する技術的利点を説明するためのグラフ550の一実施形態の図である。グラフ550は、反射率をRF発生器の周波数に対してプロットしている。反射率は、RF発生器に向かって反射される電力の尺度である。グラフ550は、プロット552、プロット554、プロット556、および、プロット558を含む。いくつかの実施形態において、反射率は、プラズマチャンバ108(図1C)からRF発生器、例えば、xMHzRF発生器、yMHzRF発生器、または、zMHzRF発生器に向かって反射されるRF信号の量を示す。例えば、反射率は、反射電力の振幅および順電力の振幅の比に等しい。順電力は、インピーダンス整合回路を介してプラズマチャンバ108へRF発生器によって供給される電力である。
【0136】
プロット552は、反射率が、RF発生器のFminの動作の周波数とFmaxの動作の周波数との間にあるf1MHzのRF発生器の動作の周波数に対してゼロまたはゼロに近い時のプロットである。さらに、プロット554は、状態S(n-N)に対する反射率が最小であるパラメータの値が、状態S(n)中に用いられた時のプロットである。例えば、状態S1に対する図1Aのインピーダンス整合回路106の直列回路102およびシャント回路104(図1A)の静電容量値は、CA1およびCA2である。静電容量値CA1およびCA2が状態S2中に用いられると、xMHzRF発生器の出力136での反射率は、プロット554に示すようになる。プロット554の反射率は、符号560で示す所定のレベルよりも大きい。例えば、プロット554の最小値は、所定のレベル560よりも大きい。
【0137】
フローチャート400で説明した方法、図1A図1Cを用いて説明した方法、もしくは、図5Aまたは後述の図6を用いて説明された方法が適用されると、状態S(n-N)に対するRF発生器の出力での反射率は556としてプロットされ、状態S(n)に対しては558としてプロットされる。例えば、直列回路102のパラメータ値がCA3であり、シャント回路104のパラメータ値がCA4である時、状態S(n-N)に対しては、プロット556によって示された反射率が達成され、状態S(n)に対しては、プロット558によって示された反射率が達成される。プロット556は、RF発生器、例えば、xMHzRF発生器の周波数f2で最小値(例えば、絶対最小値など)を有し、プロット558は、RF発生器の周波数f3で最小値(例えば、絶対最小値など)を有することに注意されたい。プロット556および558の最小値は、所定の限度560より小さく、互いから所定の閾値562内にあり、所定の閾値562は、反射率の値の範囲である。周波数値f2およびf3は、周波数値FminおよびFmaxの間にある。
【0138】
いくつかの実施形態において、反射電力を測定する代わりに、順電力および反射電力が、本明細書に記載のセンサによって測定される。順電力および反射電力は、反射率を計算するために、センサによってプロセッサ116に提供される。さらに、反射電力に適用できる上述の任意の情報は、反射率に適用可能である。例えば、反射電力の所定のレベルの代わりに、反射率の所定のレベルが利用される。別の例として、反射電力の所定の閾値の代わりに、反射率の所定の閾値が用いられる。さらに別の例として、反射電力の所定の範囲の代わりに、反射率の所定の範囲が用いられる。別の例として、反射電力の所定の限度の代わりに、反射率の所定の限度が用いられる。
【0139】
図6は、状態S(n-N)~S(n)に対する変数の値が最小値になる1または複数のパラメータの値を決定するための機械学習ネットワーク600の一実施形態の図である。機械学習ネットワーク600の例は、人間の脳をモデルにしたコンピュータシステム、人間の脳をモデルにしたコンピュータのネットワーク、などを含む。本明細書に記載のインピーダンス整合回路のパラメータ(例えば、Cseries、インダクタンスなどの内の1パラメータの値が、入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、ボタン、タッチスクリーンなど)を介して入力として受信され、インピーダンス整合回路のパラメータ、例えばCshunt、または別のパラメータ、例えばインダクタンスなどの値が、機械学習ネットワーク600によって別の入力として受信される。機械学習ネットワーク600は、入力として受信した値を処理して、状態S(n-N)~S(n)に対する変数の値、例えば反射電力値を出力として計算する。さらに、機械学習ネットワーク600は、状態S(n-N)~S(n)に対する変数の値が最小値であるか否かを判定する。状態S(n-N)に対する変数の値が最小値ではない場合、機械学習ネットワーク600は、逆伝搬を実行して、入力として受信したパラメータの値を変更し、その後、状態S(n-N)~S(n)に対する変数の値が最小値であるか否かを再び判定する。機械学習ネットワーク600は、変数の値が最小値になる1または複数のパラメータの値を見つけるために、変数の値が最小値になるまで反復する。
【0140】
本明細書に記載の実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなど、様々なコンピュータシステム構成で実施されてもよい。実施形態は、ネットワークを通して接続された遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施されてもよい。
【0141】
一部の実施形態において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備える。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化される。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、1または複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/またはシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされる。
【0142】
概して、様々な実施形態において、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定義されるチップ、PLD、および/または、1または複数のマイクロプロセッサ、もしくは、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令である。動作パラメータは、一部の実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0143】
コントローラは、一部の実施形態において、コンピュータの一部であるか、または、コンピュータに接続されており、かかるコンピュータは、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、または、それらの組み合わせでシステムに結合されている。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあるか、もしくは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にするファブホストコンピュータシステムの全部または一部である。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べる。
【0144】
一部の実施形態では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含むネットワークを介してシステムに処理レシピを提供する。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備え、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。一部の例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であることを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的、例えば本明細書に記載の処理および制御など、に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散される。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路を含む。
【0145】
限定はしないが、様々な実施形態において、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含む。
【0146】
一部の実施形態において、上述の動作は、いくつかのタイプのプラズマチャンバ、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ、トランス結合プラズマチャンバ、容量結合プラズマリアクタ、導体ツール、誘電体ツールを備えるプラズマチャンバ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを備えるプラズマチャンバなど、に適用されることにも注意されたい。例えば、1または複数のRF発生器が、ICPリアクタ内のインダクタに接続される。インダクタの形状の例は、ソレノイド、ドーム形コイル、平坦形コイルなどを含む。
【0147】
様々な実施形態において、RF伝送ライン128(図1A図1C)は、チャック110の代わりに上側電極114に接続され、チャック110は、接地に接続される。
【0148】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信する。
【0149】
上述の実施形態を念頭に置いて、実施形態の一部は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータによって実行される様々な動作を用いることを理解されたい。これらの動作は、物理量を物理的に扱う動作である。本実施形態の一部を形成する本明細書で説明した動作はいずれも、有用な機械動作である。
【0150】
実施形態の一部は、さらに、これらの動作を実行するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータ向けに特別に構成される。専用コンピュータとして規定された場合、コンピュータは、特定の目的に含まれない他の処理、プログラム実行、または、ルーチンを実行しつつ、特定の目的のために動作することができる。
【0151】
一部の実施形態において、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに格納されたまたはコンピュータネットワークを介して取得された1または複数のコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートまたは構成されたコンピュータで処理されてもよい。データがコンピュータネットワークを介して取得されると、そのデータは、コンピュータネットワーク、例えばコンピューティングリソースのクラウド上の他のコンピュータによって処理されてもよい。
【0152】
1または複数実施形態は、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体上にコンピュータ読み取り可能なコードとして製造されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、データを格納する任意のデータ記憶ハードウェアユニット、例えばメモリデバイスなどであり、データは、その後、コンピュータシステムによって読み出される。非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスク-ROM(CD-ROM)、CD-レコーダブル(CD-R)、CD-リライタブル(CD-RW)、磁気テープ、および、その他の光学式および非光学式のデータ記憶ハードウェアユニットが挙げられる。一部の実施形態において、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードが分散的に格納および実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステム上に分散されたコンピュータ読み取り可能なタンジブル媒体を含む。
【0153】
上述の方法動作は、特定の順序で提示されているが、様々な実施形態において、その他のハウスキーピング処理が動作の合間に実行される、もしくは、方法動作が、若干異なる時間に実行される、様々な間隔で方法動作が起きることを許容するシステムに方法動作が分散される、または、上述したのと異なる順序で実行されるように調整されることを理解されたい。
【0154】
さらに、一実施形態において、本開示に記載された様々な実施形態に記載された範囲を逸脱することなしに、本明細書に記載の任意の実施形態の1または複数の特徴が、任意の他の実施形態の1または複数の特徴と組み合わされることに注意されたい。
【0155】
理解を深めるために、本実施形態について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、実施形態は、本明細書に示した詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内で変形されてよい。
本開示は以下の形態により実現されてもよい。
[形態1]
複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするための方法であって、
インピーダンス整合回路を介したプラズマチャンバへのデジタルパルス信号の第1状態中に、電力を高周波(RF)発生器によって供給する工程と、
前記第1状態中に前記RF発生器の出力に反射される電力の量を測定する工程と、
前記インピーダンス整合回路を介した前記プラズマチャンバへの前記デジタルパルス信号の第2状態中に、電力を前記RF発生器によって供給する工程と、
前記第2状態中に前記RF発生器の前記出力に反射される電力の量を測定する工程と、
前記第1状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減すると共に前記第2状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減するように、前記インピーダンス整合回路のパラメータを制御する工程と、
を備える、方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記第1状態の前記最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、前記第2状態の前記最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、方法。
[形態3]
形態2に記載の方法であって、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、互いから予め定められた閾値内にある、方法。
[形態4]
形態1に記載の方法であって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも小さく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成される、方法。
[形態5]
形態1に記載の方法であって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも大きく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記他の最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、
前記パラメータが前記第1値を有する時に、前記第2状態の別の最小値が達成され、
前記第2状態の前記別の最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、方法。
[形態6]
形態1に記載の方法であって、
前記パラメータを制御する工程は、前記インピーダンス整合回路のキャパシタまたはインダクタを制御する工程を含み、
前記第1および第2状態の前記最小値は、前記第1および第2状態の前記パラメータの一定値に対応する、方法。
[形態7]
形態1に記載の方法であって、
前記パラメータは、前記インピーダンス整合回路の直列回路のパラメータまたは前記インピーダンス整合回路のシャント回路のパラメータであり、
前記制御する工程は、機械学習処理を用いて実行される、方法。
[形態8]
複数の状態で反射電力を低減するようにチューニングするためのシステムであって、
デジタルパルス信号の第1状態中に電力を供給するよう構成された高周波(RF)発生器と、
RFケーブルを介して前記RF発生器に接続されたインピーダンス整合回路と、
RF伝送ラインを介して前記インピーダンス整合回路に接続されたプラズマチャンバと、
前記RF発生器の出力に接続されたセンサであって、前記第1状態中に前記RF発生器の前記出力に反射される電力の量を測定するよう構成された、センサと、
を備え、
前記RF発生器は、前記インピーダンス整合回路を介して前記プラズマチャンバへ前記デジタルパルス信号の第2状態中に電力を供給するよう構成され、
前記センサは、前記第2状態中に前記RF発生器の前記出力に反射される電力の量を測定するよう構成され、
前記システムは、さらに、
前記インピーダンス整合回路のパラメータを制御するために前記インピーダンス整合回路に接続されたプロセッサを備え、
前記パラメータは、前記第1状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減すると共に前記第2状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減するように制御される、システム。
[形態9]
形態8に記載のシステムであって、
前記第1状態の前記最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、
前記第2状態の前記最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、システム。
[形態10]
形態9に記載のシステムであって、前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、互いから予め定められた閾値内にある、システム。
[形態11]
形態8に記載のシステムであって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも小さく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成される、システム。
[形態12]
形態8に記載のシステムであって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも大きく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、
前記パラメータが前記第1値を有する時に、前記第2状態の別の最小値が達成され、
前記第2状態の前記別の最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、システム。
[形態13]
形態8に記載のシステムであって、
前記パラメータは、前記インピーダンス整合回路のキャパシタまたはインダクタのパラメータである、システム。
[形態14]
形態8に記載のシステムであって、
前記パラメータは、前記インピーダンス整合回路の直列回路のパラメータまたは前記インピーダンス整合回路のシャント回路のパラメータである、システム。
[形態15]
コンピュータに方法を実行させるプログラムを格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記方法は、
インピーダンス整合回路を介してプラズマチャンバへデジタルパルス信号の第1状態中に電力を高周波(RF)発生器によって供給する工程と、
前記第1状態中に前記RF発生器の出力に反射される電力の量の測定値を受信する工程と、
前記インピーダンス整合回路を介して前記プラズマチャンバへ前記デジタルパルス信号の第2状態中に電力を前記RF発生器によって供給する工程と、
前記第2状態中に前記RF発生器の前記出力に反射される電力の量の測定値を受信する工程と、
前記第1状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減すると共に前記第2状態中に測定される前記電力の量を最小値に低減するように、前記インピーダンス整合回路のパラメータを制御する工程と、
を備える、媒体。
[形態16]
形態15に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記第1状態の前記最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、
前記第2状態の前記最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、媒体。
[形態17]
形態16に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、互いから予め定められた閾値内にある、媒体。
[形態18]
形態15に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも小さく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成される、媒体。
[形態19]
形態15に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記第1状態の前記最小値は、前記第1状態の別の最小値よりも大きく、
前記第1状態の前記別の最小値は、前記パラメータが第1値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記最小値および前記第2状態の前記最小値は、前記パラメータが第2値を有する時に達成され、
前記第1状態の前記他の最小値は、予め定められたレベルよりも小さく、
前記パラメータが前記第1値を有する時に、前記第2状態の別の最小値が達成され、
前記第2状態の前記別の最小値は、前記予め定められたレベルよりも小さい、媒体。
[形態20]
形態15に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体であって、
前記パラメータを制御する工程は、前記インピーダンス整合回路のキャパシタまたはインダクタを制御する工程を含む、媒体。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5A
図5B
図6