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特許7578811容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G01N35/04 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023522247
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2022008854
(87)【国際公開番号】W WO2022244380
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2021085520
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】塩田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】野田 和広
(72)【発明者】
【氏名】横山 洸幾
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128420(JP,A)
【文献】特開2014-062791(JP,A)
【文献】特開2008-134152(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021625(WO,A1)
【文献】特開平08-101211(JP,A)
【文献】特開2020-101465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分析装置で用いられた反応容器を廃棄する容器廃棄ユニットであって、
前記自動分析装置の背面側に配置され、使用済みの前記反応容器が廃棄される容器廃棄孔と、
前記自動分析装置の前面側に配置され、使用済みの前記反応容器を一時的に保管する容器廃棄部と、
前記反応容器を前記容器廃棄部に導入する斜面を有するスロープと、
前記スロープの上方に位置し、前記容器廃棄孔へ廃棄された前記反応容器を前記スロープに導入するシュータと、を備え、
前記シュータは、前記容器廃棄孔から鉛直方向下側に向かって延伸する第1部位と、該第1部位の下端から第1角度曲げられて前記スロープに向かって延伸する第2部位と、を有し、
前記スロープの前記斜面は、前記第1角度より水平に近い第2角度を有する
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の容器廃棄ユニットにおいて、
前記スロープの前記斜面は、加工処理済みの面である
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の容器廃棄ユニットにおいて、
前記加工処理は、シボ加工、撥水加工、または親水加工のうちいずれかである
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【請求項5】
請求項1に記載の容器廃棄ユニットにおいて、
前記シュータと前記スロープとが連続した一体型である
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【請求項6】
自動分析装置で用いられた反応容器を廃棄する容器廃棄ユニットであって、
前記自動分析装置の背面側に配置され、使用済みの前記反応容器が廃棄される容器廃棄孔と、
前記自動分析装置の前面側に配置され、使用済みの前記反応容器を一時的に保管する容器廃棄部と、
前記背面側の前記容器廃棄孔と前記前面側の前記容器廃棄部の上方とを接続し、前記反応容器を前記容器廃棄部に導入するように構成された傾斜部と、
前記傾斜部の様子をうかがう観察窓と、を備えた
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の容器廃棄ユニットを備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項7に記載の自動分析装置において、
装置前面側に配置されており、前記反応容器で反応させるサンプルが収容されるサンプル容器を複数保持し、ユーザが自ら架設するサンプル架設ディスクを更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項8に記載の自動分析装置において、
前記サンプルの生化学項目の測定に用いる生化学検出ユニットと、
前記サンプルの免疫項目の測定に用いる免疫検出ユニットと、を更に備え、
前記反応容器は、前記免疫項目の分析用である
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
請求項9に記載の自動分析装置において、
装置前面側に配置されており、前記生化学検出ユニットによる分析用の反応液を保持する反応ディスクを更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
請求項10に記載の自動分析装置において、
前記生化学検出ユニットが装置前面側に配置されている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
請求項8に記載の自動分析装置において、
装置前面側に配置されており、前記反応容器で反応させる試薬が収容される試薬容器を複数保持する試薬ディスクを更に備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項13】
自動分析装置で用いられた反応容器の廃棄方法であって、
前記自動分析装置の背面側に配置された容器廃棄孔と、
前記自動分析装置の前面側に配置され、使用済みの前記反応容器を一時的に保管する容器廃棄部と、を備え、
前記反応容器を前記容器廃棄部に導入する斜面を有するスロープと、前記スロープの上方に位置し、前記容器廃棄孔へ廃棄された前記反応容器を前記スロープに導入するシュータを介して前記容器廃棄部へ使用済みの前記反応容器を廃棄し、
前記シュータは、前記容器廃棄孔から鉛直方向下側に向かって延伸する第1部位と、該第1部位の下端から第1角度曲げられて前記スロープに向かって延伸する第2部位と、を有し、
前記スロープの前記斜面は、前記第1角度より水平に近い第2角度を有するものとする
ことを特徴とする反応容器の廃棄方法。
【請求項14】
請求項1に記載の容器廃棄ユニットにおいて、
前記スロープの様子をうかがう観察窓を更に備えた
ことを特徴とする容器廃棄ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿といった生物学的サンプルの定性的ないし定量的分析を行う自動分析装置に好適な容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法に係る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、廃棄ボックスを載置する容器を、引出しの開閉方向と同じ前後方向に移動する駆動機構を容器の底面より下部に設け、操作部の移動方向に延伸した第一のレールと、引出しに設けた容器の移動方向に延伸した第二のレールと、歯付ベルトを水平面内で回転するように歯付プーリを配置して、第一のレールと第二のレールと歯付ベルトとは、互いに上下方向に重なることなく併置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2019/092949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動分析装置は、血液その他の生物学的サンプルを自動的に分析して結果を出力する装置であり、病院や医療検査施設では必須の装置となっている。このような自動分析装置では、近年、より多種多用の検査をより短時間で行うことが求められている。
【0005】
ここで、自動分析装置には、使用済となった消耗品の一つである反応容器を、分析部より所定の位置に設けられた廃棄ボックスに投入して、一定量が溜まったら装置外に取り出して廃棄し、空の廃棄ボックスを装置内の所定の位置に再セットするものがある。
【0006】
オペレータの交換作業を鑑みると、廃棄ボックスの取り出し、および再セット時には、廃棄ボックスが装置前面に位置することが作業を容易に行うために望まれることから、廃棄ボックスを前面に配置する、あるいは装置前面側に移動可能に構成されていることが望ましい。このような技術の一例として、特許文献1に記載の技術がある。
【0007】
しかしながら、廃棄ボックスを前面に配置する構成では、以下のような制約がある。例えば、廃棄ボックスを前面に配置するためには廃棄孔を装置前面側に設ける必要があり、廃棄孔まで使用済みの反応容器を移送する機構の移動距離が長くなる、あるいは廃棄孔を装置前面側に配置しなければならないというレイアウト上の制約が生じる、との課題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された構成では、装置後面側に配置される廃棄ボックスを装置前面側へ繰り出すための空間を確保する必要があり、この空間がデッドスペースとなる。更に、廃棄ボックスを前後動作させるための機構自体を載せる必要があり、そのため、装置の小型化のために更なる改良が必要である。
【0009】
本発明は、反応容器を詰まることなく廃棄できるとともに、構造が簡単でデッドスペースの少ない廃棄ユニットを備えた容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、動分析装置で用いられた反応容器を廃棄する容器廃棄ユニットであって、前記自動分析装置の背面側に配置され、使用済みの前記反応容器が廃棄される容器廃棄孔と、前記自動分析装置の前面側に配置され、使用済みの前記反応容器を一時的に保管する容器廃棄部と、前記反応容器を前記容器廃棄部に導入する斜面を有するスロープと、前記スロープの上方に位置し、前記容器廃棄孔へ廃棄された前記反応容器を前記スロープに導入するシュータと、を備え、前記シュータは、前記容器廃棄孔から鉛直方向下側に向かって延伸する第1部位と、該第1部位の下端から第1角度曲げられて前記スロープに向かって延伸する第2部位と、を有し、前記スロープの前記斜面は、前記第1角度より水平に近い第2角度を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、反応容器を詰まることなく廃棄できるとともに、構造が簡単でデッドスペースの少ない廃棄ユニットを得ることができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る自動分析装置の構成図。
図2】第1実施形態に係る自動分析装置の斜視図。
図3】第1実施形態に係る自動分析装置での案内ユニットとしてシュータとスロープを備える廃棄ユニットの分解図。
図4】第1実施形態に係る自動分析装置での案内ユニットとしてシュータとスロープを備える廃棄ユニットの斜視図。
図5】第1実施形態に係る自動分析装置での案内ユニットとしてシュータとスロープを備える廃棄ユニットのA-A’断面図。
図6】本発明の第2実施形態に係る自動分析装置でのシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットの分解図。
図7】第2実施形態に係る自動分析装置でのシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットの斜視図。
図8】第2実施形態に係る自動分析装置でのシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットのB-B’断面図。
図9】本発明の第3実施形態に係る自動分析装置での円断面のシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットの分解図。
図10】第3実施形態に係る自動分析装置での円断面のシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットの斜視図。
図11】第3実施形態に係る自動分析装置での円断面のシュータ一体型スロープを案内ユニットとした廃棄ユニットのC-C’断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0014】
<第1実施形態>
本発明の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法の第1実施形態について図1乃至図5を用いて説明する。
【0015】
最初に、自動分析装置の全体構成について図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明の自動分析装置の構成図の一例、図2は自動分析装置の斜視図である。
【0016】
図1において、自動分析装置101は、サンプルを所定の分析項目に応じた試薬を用いて分析するための装置であり、サンプル架設ディスク102、サンプル分注機構104、試薬保管庫105、試薬分注機構108、109、インキュベータディスク110、磁性粒子撹拌アーム112、第一反応容器輸送ユニット117、反応容器廃棄孔113、インキュベータブロック114、反応液撹拌ユニット115、反応容器トレイ116、第二反応容器輸送ユニット119、免疫検出ユニット120、撹拌ユニット122、生化学検出ユニット123、反応セル洗浄機構124、反応容器廃棄ユニット201(図2参照)、制御装置125、操作部126等を備えている。
【0017】
サンプル架設ディスク102は、環状にサンプル容器103を複数保持可能な構造となっている。サンプル分注の際にサンプル架設ディスク102が回転し、サンプル分注機構104のアクセスポジションへサンプル容器103を輸送する。
【0018】
本実施形態では、サンプル架設ディスク102は装置前面側に配置されており、また、反応容器116aで反応させるサンプルが収容されるサンプル容器103をユーザが自ら架設する形態であることが望ましい。なお、本明細書における「装置前面」とは、図1中Y方向マイナス方向側のこととする。
【0019】
なお、サンプル架設ディスク102は物理的に2つのサンプル架設ディスク102を入れ替えて使用可能に構成されているものとすることができる。運用としては2つのサンプル架設ディスク102を交互に入れ替える運用であったり、サンプル架設ディスク102に設けられた小窓を介して検体の途中追加・交換などもできる。但し、ユーザが自ら架設する形態である必要は無く、搬送機構などを用いて搬送する形式としてもよい。
【0020】
サンプル分注機構104は回転駆動機構、上下駆動機構、および分注プローブから構成されており、回転駆動機構および上下駆動機構によりサンプル吸引位置とサンプル吐出位置との間を移動して、サンプルを分注する。
【0021】
試薬保管庫105は、反応容器116aで反応させる試薬が収容された試薬ボトル(図示省略)を複数保持するための機構であり、試薬ディスク106および試薬ボトル保持部107を有する。試薬保管庫105は、試薬性状のオンボード安定性を高めるための保冷機能を備えている。本実施形態では、この試薬ディスク106も、装置前面側に配置されている。
【0022】
試薬ディスク106上には試薬ボトル保持部107が二重環状に並んでおり、複数の試薬ボトルを保持できるように構成されている。試薬ディスク106は回転駆動機構を有し、回転運動によって各々の試薬ボトルを円周部上の所定位置へ移動させる。
【0023】
本実施形態の自動分析装置101では、生化学分析用の試薬分注機構108と免疫分析用の試薬分注機構109とをそれぞれ個別に備えている。試薬分注機構108,109の各々の構成は共通しており、回転駆動機構、上下駆動機構、および分注プローブから構成されている。試薬ディスク106上の所定の種類の試薬ボトル位置へ試薬分注機構108,109が回転および下降し、所定の量の試薬を吸引する。試薬吸引後、試薬分注機構108、109は上昇する。次に試薬吐出先、例えば、生化学分析用の試薬分注機構108であればインキュベータディスク110上の所定の反応セル、免疫分析用の試薬分注機構109であれば試薬吐出ポジション111に設置された免疫項目の分析用である反応容器116aへ回転および下降し、各々の試薬を吐出する。
【0024】
試薬ディスク106上には、撹拌手段としての磁性粒子撹拌アーム112(スティラーとも称される)がセットされている。この磁性粒子撹拌アーム112は、撹拌するべき磁性粒子溶液が入っている試薬ボトルの上部領域へ移動し、磁性粒子撹拌アーム112の磁性粒子撹拌要素を下げ、この撹拌要素を回転させることによって磁性粒子溶液を撹拌する。溶液内の磁性粒子が自然沈殿しないように、磁性粒子撹拌アーム112は、試薬が分注される直前に磁性粒子を撹拌する。
【0025】
以下、免疫分析フローを処理の順に説明する。
【0026】
第一反応容器輸送ユニット117は、X軸、Y軸およびZ軸方向の駆動機構、および反応容器把持機構を有しており、反応容器廃棄孔113、インキュベータブロック114、反応液撹拌ユニット115、および反応容器トレイ116の上方を移動する。
【0027】
第二反応容器輸送ユニット119は、回転駆動機構、上下駆動機構、および反応容器把持機構を有しており、回転軌道上に設けられた反応液撹拌ユニット115やサンプル吐出ポジション118等の各反応容器設置ポジションに反応容器116aを移動させる機能を備えている。
【0028】
第一反応容器輸送ユニット117は、反応容器116aを反応容器トレイ116からサンプル吐出ポジション118へ移動させる。サンプル分注機構104は、サンプル吐出ポジションに設置された反応容器116aに対し、所定の量のサンプルを分注する。その後、サンプルが吐出された反応容器116aは、第二反応容器輸送ユニット119によって試薬吐出ポジション111に移動される。
【0029】
試薬分注機構109は、試薬吐出ポジション111に設置された反応容器116aに対し、所定の量の試薬を分注する。その後、反応容器116aは第二反応容器輸送ユニット119によって反応液撹拌ユニット115に移動され、サンプルと試薬とが撹拌される。
【0030】
反応液撹拌後、反応容器116aは第一反応容器輸送ユニット117によってインキュベータブロック114に移動される。インキュベータブロック114はサンプルと試薬の反応を促進する目的で適温に温調されており、インキュベータブロック114上でのサンプルと試薬の反応プロセスが完了すると、反応容器116aは第一反応容器輸送ユニット117によってサンプル吐出ポジション118に移動される。
【0031】
その後、反応容器116aは第二反応容器輸送ユニット119によって、サンプルの免疫項目を分析する免疫検出ユニット120の下方に設けられた反応液吸引ポジション121に移動される。その後、反応液は免疫検出ユニット120内の検出部に吸引され、反応シグナルの測定が実施される。
【0032】
シグナル測定後、反応容器116aは第二反応容器輸送ユニット119によってサンプル吐出ポジション118に移動され、続けて第一反応容器輸送ユニット117によって反応容器廃棄孔113に廃棄される。
【0033】
反応容器廃棄ユニット201は、自動分析装置101で用いられた使用済みの反応容器116aを蓄積するための容器であり、図2に示すように、反応容器廃棄孔113の下方の空間における所定の位置に設けられる。廃棄された反応容器116aは、案内ユニット203によって装置前面にある廃棄物貯蔵ユニット202へと案内され、廃棄物貯蔵ユニット202に備えられた廃棄ボックス301へと蓄積される。その詳細は後述する。
【0034】
次に、生化学分析フローを処理の順に説明する。
【0035】
インキュベータディスク110は、生化学検出ユニット123による分析用の反応液を保持する機構であり、インキュベータブロック114と同様にサンプルと試薬の反応を促進する目的で適温に温調されている。本実施形態では、このインキュベータディスク110も装置前面側に配置されている。
【0036】
最初に、サンプル分注機構104は、インキュベータディスク110上の所定の反応セルに対して所定の量のサンプルを分注する。その後、インキュベータディスク110が回転し、サンプルが吐出された反応セルを試薬分注機構108のアクセスポジションに移動させ、試薬分注機構108はサンプルが吐出された反応セルに対して所定の量の試薬を分注する。
【0037】
次いで、インキュベータディスク110が回転し、サンプルおよび試薬が吐出された反応セルを撹拌ユニット122設置ポジションに移動させ、サンプルおよび試薬は撹拌ユニット122によって撹拌される。
【0038】
インキュベータディスク110上でのサンプルと試薬の反応プロセスが完了すると、インキュベータディスク110が回転し、反応完了後の反応液が入った反応セルをサンプルの生化学項目を分析する生化学検出ユニット123の設置ポジションに移動させる。なお、生化学検出ユニット123についても装置前面側に配置されている。
【0039】
その後、生化学検出ユニット123内の検出部により反応シグナルの測定が実施される。シグナル測定後、反応液は反応セル洗浄機構124により反応セルから排出される。
【0040】
自動分析装置101のうち、以上説明した機構を分析動作部と称する。
【0041】
さらに、自動分析装置101は、分析動作部に加えて、サンプル架設ディスク102やサンプル分注機構104を始めとした自動分析装置101内の各機器の動作を制御する制御装置125や、操作部126を備えている。
【0042】
制御装置125は、例えばハードウェア基板とコンピュータとで構成され、ハードディスクなどの記憶部127や制御部128を内蔵している。
【0043】
記憶部127には例えば各ユニットに対応した制御パラメータや各種サンプルに関するサンプル情報などが記憶されている。
【0044】
制御部128は、専用の回路基板によってハードウェアとして構成されていてもよいし、コンピュータで実行されるソフトウェアによって構成されてもよい。ハードウェアにより構成する場合には、処理を実行する複数の演算器を配線基板上、または半導体チップまたはパッケージ内に集積することにより実現できる。ソフトウェアにより構成する場合には、コンピュータに高速な汎用CPUを搭載して、所望の演算処理を実行するプログラムを実行することで実現できる。このプログラムが記録された記録媒体により、既存の装置をアップグレードすることも可能である。また、これらの装置や回路、コンピュータ間は、有線または無線のネットワークで接続され、適宜データが送受信される。
【0045】
操作部126は、ディスプレイである表示部126aや、マウス、キーボードなどの入力部126bから構成されている。表示部126aでは、記憶部127に記憶された情報が表示される。
【0046】
以上が本実施形態の自動分析装置101の構成である。
【0047】
なお、自動分析装置の構成は図1に示すような免疫検出ユニット120および生化学検出ユニット123のいずれも搭載している場合を挙げたが、本発明が適用される自動分析装置の構成はこれに限定されず、例えば、免疫検出ユニット、あるいは生化学検出ユニットのいずれか一方の検出ユニット、あらには他の分析項目用の検出ユニットを更に、あるいは換えて備えている自動分析装置に対しても適用可能である。
【0048】
また、自動分析装置は図1に示すような単一の分析モジュール構成とする形態に限られず、様々な同一あるいは異なる分析項目を測定可能な分析モジュールや前処理を行う前処理モジュールを搬送装置で2つ以上接続する構成とすることができる。
【0049】
次いで、本実施形態の自動分析装置101における反応容器廃棄ユニット201の詳細について図2乃至図5以降を用いて説明する。図3は、廃棄ユニットの分解図、図4は廃棄ユニットの斜視図、図5は廃棄ユニットの断面図である。
【0050】
図2に示すように、反応容器廃棄ユニット201は、反応容器116aを蓄積する廃棄物貯蔵ユニット202と、反応容器116aを廃棄物貯蔵ユニット202に導入する案内ユニット203と、を備える。
【0051】
自動分析装置101では、使用済となった消耗品である反応容器116aを、分析部近くに配置された反応容器廃棄孔113より所定の位置に設けられた廃棄ボックス301に投入して、一定量が溜まったら装置外に取り出して廃棄し、空の廃棄ボックスを装置内の所定の位置に再セットする。
【0052】
廃棄ボックス301の取り出しおよび再セット時には、オペレータが作業する都合上、廃棄ボックス301が装置前面に位置する必要性が高い。このため、廃棄ボックス301を前面に配置することが望ましい。
【0053】
分析装置では、サンプル架設ディスク102、試薬ディスク106、各分注機構104,108,109、光学系(生化学検出ユニット123、免疫検出ユニット120)等の複数のユニットを、各々の動作範囲や分析への影響も考慮しながら限られたスペースの中で配置する必要がある。
【0054】
このようなレイアウトの最適化の結果、例えば図1のように、ユーザのアクセス頻度の高いサンプル架設ディスク102や、試薬ディスク106、インキュベータディスク110、生化学検出ユニット123等を手前側に優先して配置することが望まれるため、使用済みとなった反応容器116aの廃棄系の構成を装置背面に配置する要求が高くならざるを得ない。
【0055】
すなわち、他の機構との兼ね合いにより、反応容器廃棄孔113も背面に配置する要求が非常に高く、廃棄ボックスを前面に配置することが困難となる。この場合、特許文献1のように、廃棄ボックスを背面に配置し、廃棄ボックスを取り出せるよう、前面に廃棄ボックスを繰り出す機構が必要となる。しかし、この機構では、廃棄ボックス交換時に廃棄ボックスが通過する空間がデッドスペースとなり、装置の小型化が困難である。
【0056】
そこで、本実施形態では、反応容器廃棄ユニット201を、図3に示すように、使用済みの反応容器116aが廃棄される反応容器廃棄孔113を自動分析装置101の背面側に配置するとともに、使用済みの反応容器116aを一時的に保管する廃棄ボックス301を自動分析装置101の前面側に配置して、更に、背面側の反応容器廃棄孔113と前面側の廃棄ボックス301の上方とを接続し、反応容器116aを廃棄ボックス301に導入するように構成された傾斜部と、を設けることとする。
【0057】
この傾斜部は、好適には、図3に示すように、反応容器116aを廃棄ボックス301に導入する斜面を有するスロープ306と、スロープ306の上方に位置し、反応容器116aを通過させてスロープ306に導入するシュータ305と、を有するものとする。
【0058】
廃棄物貯蔵ユニット202は、図3に示すように、廃棄ボックス301、廃棄ボックスホルダ302、筐体303、観察窓304等を備えている。
【0059】
廃棄ボックスホルダ302は、筐体303上にヒンジ401を介して接続されており、廃棄ボックスホルダ302に備えられた把手307を手で引くことで廃棄ボックス301を取り出すための取り出し位置402まで展開することができる。本実施形態ではヒンジ401を中心軸とした回転による展開方法としているが、水平に引き出す展開方法とすることができる。
【0060】
廃棄ボックス301は、装置前面に配置された筐体303に組付けられた廃棄ボックスホルダ302にセットされており、廃棄ボックスホルダ302からの取り出しが可能となっている。この廃棄ボックス301は上面が開放された略直方体であって、例えばビニールで内貼りされた有底の紙筒である。一例として、廃棄ボックス301は左右方向の幅が87[mm]程度、前後方向の奥行きが157[mm]、高さ215[mm]の縦長の箱とすることができる。
【0061】
観察窓304は、反応容器廃棄孔113から廃棄された反応容器116aが反応容器廃棄ユニット201の外に飛び出すことを防止するとともに、スロープ306の表面の汚れの状況を目視で確認するための窓である。この観察窓304は、例えば透明なプラスチックの板で構成されるが、小さな穴が多数空いた板や、金属メッシュなどのメッシュ構造のものであってもよい。
【0062】
案内ユニット203は、図3に示すように、反応容器116aを廃棄ボックス301に案内するスロープ306と、反応容器廃棄孔113に投入された反応容器116aをスロープ306に案内するシュータ305を備える。この案内ユニット203では、廃棄ボックス301の上端にスロープ306の下端が位置するように配置され、反応容器廃棄孔113の直下にシュータ305が位置するように配置される。
【0063】
シュータ305は円断面から長円断面へと連続的に曲線軌道に沿って変化する断面を持つ例えばプラスチックからなる円筒形状の部材であり、反応容器廃棄孔113とスロープ306とを接続する部分である。
【0064】
シュータ305の断面形状は、楕円断面を含む円筒とすることができる。一例として、外径21[mm]、肉厚1[mm]の円断面が上方向から下方向に130[mm]続き、それより先は66度の傾斜を持つ長円断面が、円断面から連続的に縦30[mm]、幅20[mm]の長円断面に変化しながら上端から277[mm]下がった位置まで続き、66度の傾斜となる過程では、半径150[mm]のエルボとなっているものとする。
【0065】
スロープ306は、シュータ305を介して反応容器廃棄孔113から落下してきた廃棄された反応容器116aを減速したうえで廃棄ボックス301に導くための部材であり、斜面308や減速面309等の構成を有している。
【0066】
このスロープ306を反応容器廃棄ユニット201に追加することによって、廃棄ボックス301を前面に配置しつつ、デッドスペースの低減を可能としている。デッドスペースの低減により、ポンプや脱気モジュールといったユニットの1つ以上の機構をスロープ306の下方に配置することができるようになる。これにより、測定結果やユーザのメンテナンス操作等に影響を及ぼすことなく、装置のさらなる小型化を実現できる。
【0067】
スロープ306は、その面上を反応容器116aが転がるように、かつ内容物が跳ねないように構成することが望ましく、斜面308と減速面309、囲い310を備える例えばプラスチックの部品である。
【0068】
減速面309は、反応容器廃棄孔113から落下してきた反応容器116a、主には後方に跳ねた反応容器116aの減速に用いるための部材であり、斜面308より傾斜が小さい面である。この減速面309は、スロープ306のシュータ305との接続部分を構成しており、斜面308の上部に形成されている。
【0069】
斜面308は、一定の傾斜角度(1°~89°)を持つ平面である。斜面308は傾斜角度が場所によって変化する平面であってもよいし、傾斜角度が変化しない平面であってもよいが、装置の後方側に配置されることになる減速面309と装置の前面側に配置される廃棄ボックス301とを接続可能な傾斜角度とする必要がある。その断面は、半円、半楕円、若しくはV字とすることができ、またそれらの曲線軌道に沿って連続的に変化する面とすることができる。
【0070】
このスロープ306の斜面308の表面に対しては、表面上へ反応容器116a内の残留物である反応液を付着しにくくするために、表面に加工処理を施すことができる。加工処理としては、例えば、シボ加工、撥水加工、または親水加工とすることができる。
【0071】
囲い310は、斜面308、減速面309および反応容器廃棄ユニット201の上部空間側面を覆うように形成された板である。
【0072】
一例として、減速面309は、奥行き29[mm]、幅63[mm]の平面であり、斜面308は減速面309から連続した角度29°の坂として減速面309の上面から100[mm]下がった高さまで形成される。囲い310は減速面309から35[mm]の高さより、斜面308、減速面309、反応容器廃棄ユニット201の上部空間側面を覆うように形成している。囲い310は反応容器116aが案内ユニット203の外側へと飛び出すことを防止する。
【0073】
なお、斜面308や減速面309の上方側は解放されていてもいなくてもよい。すなわち、囲い310は図3等に示すよう鉛直方向側面側のみであってもよく、特に限定されないが、解放されている場合は反応容器116aの詰まりが生じる可能性をより低減することができ、解放されていない場合は反応容器116aの内容物の案内ユニット203の外側への飛散をより確実に抑制できる、との効果が得られる。
【0074】
案内ユニット203において、スロープ306は、例えば、シュータ305下部端点から下方に27[mm]、前方に6[mm]に斜面308の開始点が配置される位置とする。この配置により、反応容器116aのスロープ306への入射角を抑えることができ、スロープ306上で反応容器116aが跳ねることを抑制する。
【0075】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0076】
上述した本発明の第1実施形態の自動分析装置101で用いられた反応容器116aを廃棄する反応容器廃棄ユニット201は、自動分析装置101の背面側に配置され、使用済みの反応容器116aが廃棄される反応容器廃棄孔113と、自動分析装置101の前面側に配置され、使用済みの反応容器116aを一時的に保管する廃棄ボックス301と、背面側の反応容器廃棄孔113と前面側の廃棄ボックス301の上方とを接続し、反応容器116aを廃棄ボックス301に導入するように構成された傾斜部と、を備えている。
【0077】
これによって、前面に繰り出す機構とその移動のための空間が不要となるため、傾斜部の直下を他の機構を配置することができる使用可能なスペースとすることができ、デッドスペースの少ない廃棄ユニットとすることができる。また、傾斜部により構成されるため、反応容器116aを詰まることなく廃棄できるとともに、構造が簡単なものとなる。これにより、構造が簡単で小型な自動分析装置に好適なものとなる。
【0078】
また、傾斜部は、反応容器116aを廃棄ボックス301に導入する斜面を有するスロープ306と、スロープ306の上方に位置し、反応容器116aを通過させてスロープ306に導入するシュータ305と、を有するため、反応容器116aを安定して廃棄ボックス301へ導くことができる。
【0079】
更に、スロープ306の斜面は、加工処理済みの面である。特に、加工処理は、シボ加工、撥水加工、または親水加工のうちいずれかであることで、廃棄された反応容器116a内に反応液が残留することをより抑制することができ、オペレータによるふき取り作業等が生じることを抑制して、負担の軽減を図ることができる。
【0080】
また、傾斜部の様子をうかがう観察窓304を更に備えたことにより、反応容器116aの詰まりや傾斜部の汚れの付着状況を廃棄ボックス301を引き出すことなく確認できるため、オペレータによる内部の清掃や詰まり解消作業の要否を容易に把握でき、オペレータの負担を軽減することができる。
【0081】
更に、装置前面側に配置されており、反応容器116aで反応させるサンプルが収容されるサンプル容器103を複数保持し、ユーザが自ら架設するサンプル架設ディスク102を更に備えたことや、サンプルの生化学項目を分析する生化学検出ユニット123と、サンプルの免疫項目を分析する免疫検出ユニット120と、を更に備え、反応容器116aは、免疫項目の分析用であること、装置前面側に配置されており、生化学検出ユニット123による分析用の反応液を保持するインキュベータディスク110を更に備えたこと、生化学検出ユニット123が装置前面側に配置されていること置前面側に配置されており、反応容器116aで反応させる試薬が収容される試薬ボトル107aを複数保持する試薬ディスク106を更に備えたことで、オペレータによるアクセス頻度の高い機構が装置前面側に配置した構造とすることができる。
【0082】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法について図6乃至図8を用いて説明する。図6は本実施形態での廃棄ユニットの分解図、図7は廃棄ユニットの斜視図、図8は廃棄ユニットの断面図である。
【0083】
図6乃至図8に示すように、本実施形態が第1実施形態と異なるところは、案内ユニット203を、スロープ部604とシュータ部602とが連続した一体型したシュータ一体型スロープとしたことである。
【0084】
図6乃至図8に示すように、シュータ一体型スロープ601は、シュータ部602、拡大部603、およびスロープ部604からなる。シュータ部602はシュータ305と同様の形状を有している。
【0085】
拡大部603は、シュータ部602下端とスロープ部604上端を接続している斜面であり、シュータ部602と異なり上面が解放されている。この拡大部603では、半円断面から平面へと連続的に曲線軌道に沿って変化する断面を持つものとすることができる。拡大部603の断面は、途中にV字断面を有していてもよい。一例として、直径20[mm]の半円から幅63[mm]の平面へと、半径95[mm]の弧の軌道に沿って連続的に変化する曲面である。この弧は、スロープ部604の上端と正接に接続される。
【0086】
スロープ部604は、断面形状と傾斜角度が第1実施形態の斜面308と同様とすることができるが、減速面309を無くし、スロープ部604上端を拡大部603と接続している。スロープ部604は、一定の傾斜角度1°~89°を持つ平面である。スロープ部604は傾斜が場所によって変化する傾斜を持った平面であってもよいし、半円、半楕円、ないしはV字断面に曲線軌道に沿って連続的に変化する曲面であってもよい。一例として、第1実施形態と同様に角度29°の坂としてスロープ部604の上端から74[mm]下がった高さまで形成される。
【0087】
また、拡大部603およびスロープ部604の表面上への反応液が付着しにくい手法として、第1実施形態と同様に、表面に加工処理を施すことができる。加工処理は例えば、シボ加工あるいは、撥水加工、または親水加工とすることができる。
【0088】
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0089】
本発明の第2実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法においても、前述した第1実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法とほぼ同様な効果が得られる。
【0090】
また、シュータ部602とスロープ部604とが連続した一体型であることにより、一体化したことにより、反応容器116aが案内ユニット203上で跳ねることをさらに抑制することが可能となる。
【0091】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法について図9乃至図11を用いて説明する。図9は本実施形態での廃棄ユニットの分解図、図10は廃棄ユニットの斜視図、図11は廃棄ユニットの断面図である。
【0092】
図9乃至図11に示すように、第3実施形態では、第2実施形態と同様に、案内ユニット203を、スロープ部604Aとシュータ部602Aとが連続した一体型したシュータ一体型スロープ601Aとしたことである。
【0093】
第2実施形態との相違点としては、拡大部603Aおよびスロープ部604Aをシュータ部602Aと同様の円筒の断面形状とした点である。拡大部603Aおよびスロープ部604Aの円筒の断面形状は、長円断面もしくは楕円断面であってもよい。拡大部603Aおよびスロープ部604Aを閉じた断面形状とすることで、案内ユニット203内での反応容器116aの不規則な動きを抑制する効果が得られる。
【0094】
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0095】
本発明の第3実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法においても、前述した第1実施形態の容器廃棄ユニット、およびそれを備えた自動分析装置、並びに自動分析装置での使用済み反応容器の廃棄方法とほぼ同様な効果が得られる。
【0096】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0097】
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0098】
101…自動分析装置
102…サンプル架設ディスク
103…サンプル容器
104…サンプル分注機構
105…試薬保管庫
106…試薬ディスク
107…試薬ボトル保持部
107a…試薬ボトル
108…生化学用試薬分注機構
109…免疫分析用試薬分注機構
110…インキュベータディスク(反応ディスク)
111…試薬吐出ポジション
112…磁性粒子撹拌アーム
113…反応容器廃棄孔
114…インキュベータブロック
115…反応液撹拌ユニット
116…反応容器トレイ
116a…反応容器
117…第一反応容器輸送ユニット
118…サンプル吐出ポジション
119…第二反応容器輸送ユニット
120…免疫検出ユニット
121…反応液吸引ポジション
122…撹拌ユニット
123…生化学検出ユニット
124…反応セル洗浄機構
125…制御装置
126…操作部
126a…表示部
126b…入力部
127…記憶部
128…制御部
201…反応容器廃棄ユニット(容器廃棄ユニット)
202…廃棄物貯蔵ユニット
203…案内ユニット
301…廃棄ボックス(容器廃棄部)
302…廃棄ボックスホルダ
303…筐体
304…観察窓
305…シュータ
306…スロープ
307…把手
308…斜面
309…減速面
310…囲い
401…ヒンジ
402…取り出し位置
601,601A…シュータ一体型スロープ
602,602A…シュータ部
603,603A…拡大部
604,604A…スロープ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11