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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241031BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241031BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20241031BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20241031BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20241031BHJP
   G02B 1/02 20060101ALI20241031BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20241031BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20241031BHJP
   G02B 27/09 20060101ALI20241031BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241031BHJP
【FI】
G02B13/00
F21S2/00 100
F21V5/04 200
F21V9/32
G02B13/18
G02B1/02
G02B3/00 A
G02B5/20
G02B27/09
F21Y115:30
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020102260
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021081701
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2019209373
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】有賀 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】長橋 輝
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-294187(JP,A)
【文献】国際公開第2019/092833(WO,A1)
【文献】特開2008-300095(JP,A)
【文献】特開平01-293311(JP,A)
【文献】特開2000-089161(JP,A)
【文献】特開2015-045843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G02B 5/20 - 5/28
G02B 27/00 - 30/60
G02B 1/00 - 1/08
G02B 3/00 - 3/14
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 1/00 - 15/04
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を出射する第1光源と、
第1面及び第2面を含む第1レンズと、
を備え、
前記第1面に前記第1光が入射し、前記第2面から第2光が出射し、
前記第1光の強度は、前記第1光の第1光軸上において第1値であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第1角度の方向において前記第1値の0.7倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第2角度の方向において前記第1値の0.5倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第3角度の方向において前記第1値の0.3倍であり、
前記第2光の強度は、前記第2光の第2光軸上において第2値であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第4角度の方向において前記第2値の0.7倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第5角度の方向において前記第2値の0.5倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第6角度の方向において前記第2値の0.3倍であり、
前記第1角度の前記方向、前記第2角度の前記方向、前記第4角度の前記方向、前記第5角度の前記方向、及び、前記第6角度の前記方向は、前記第3角度の前記方向と、前記第1光軸と、を含む第1平面に沿い、
前記第1光の前記強度が前記第1値の0.135倍となる、前記第1光軸からの前記第1平面に沿う角度は、3度以上であり、
前記第1レンズは、第2比を第1比よりも低くし、
前記第1比は、前記第1角度と前記第3角度との差の絶対値の、前記第2角度に対する比であり、
前記第2比は、前記第4角度と前記第6角度との差の絶対値の、前記第5角度に対する比であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第7角度の方向において前記第1値の0.7倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第8角度の方向において前記第1値の0.5倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第9角度の方向において前記第1値の0.3倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第10角度の方向において前記第2値の0.7倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第11角度の方向において前記第2値の0.5倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第12角度の方向において前記第2値の0.3倍であり、
前記第7角度の前記方向、前記第8角度の前記方向は、前記第10角度の前記方向、前記第11角度の前記方向、及び、前記第12角度の前記方向は、第2平面に沿い、前記第2平面は、前記第9角度の前記方向と、前記第1光軸と、を含み、前記第1平面と交差し、
前記第1光の前記強度が前記第1値の0.135倍となる、前記第1光軸からの前記第2平面に沿う前記角度は、3度以上であり、
前記第1レンズは、第6比を第5比よりも低くし、
前記第5比は、前記第7角度と前記第9角度との差の絶対値の、前記第8角度に対する比であり、
前記第6比は、前記第10角度と前記第12角度との差の絶対値の、前記第11角度に対する比であり、
前記第1光は、第1レーザ光であり、
前記第1平面は、前記第1レーザ光の速軸に沿い、
前記第2平面は、前記第1レーザ光の遅軸に沿う、光源装置。
【請求項2】
前記第1光の前記強度は、前記第1平面に沿う第1軸上の第1位置において前記第1値の0.7倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1軸上の第2位置において前記第1値の0.5倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第1軸上の第3位置において前記第1値の0.3倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第1平面に沿う第2軸上の第4位置において前記第2値の0.7倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2軸上の第5位置において前記第2値の0.5倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2軸上の第6位置において前記第2値の0.3倍であり、
前記第1レンズは、前記第1比と前記第2比との差の絶対値を、第3比と第4比との差の絶対値よりも大きくし、
前記第3比は、前記第1光軸と前記第1位置との間の前記第1軸に沿う第1距離と、前記第1光軸と前記第3位置との間の前記第1軸に沿う第3距離と、の差の絶対値の、前記第1光軸と前記第2位置との間の前記第1軸に沿う第2距離に対する比であり、
前記第4比は、前記第2光軸と前記第4位置との間の前記第2軸に沿う第4距離と、前記第2光軸と前記第6位置との間の前記第2軸に沿う第6距離と、の差の絶対値の、前記第2光軸と前記第5位置との間の前記第2軸に沿う第5距離に対する比である、請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1比と前記第2比との差の絶対値は、0.3よりも大きい、請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2比は、0.297以下である、請求項1~3のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1光の前記強度が前記第1値の0.135倍となる、前記第1光軸からの前記第1平面に沿う前記角度は、15度以上である、請求項1~4のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1光の前記強度は、前記第2平面に沿う第3軸上の第7位置において前記第1値の0.7倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第3軸上の第8位置において前記第1値の0.5倍であり、
前記第1光の前記強度は、前記第3軸上の第9位置において前記第1値の0.3倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第2平面に沿う第4軸上の第10位置において前記第2値の0.7倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第4軸上の第11位置において前記第2値の0.5倍であり、
前記第2光の前記強度は、前記第4軸上の第12位置において前記第2値の0.3倍であり、
前記第1レンズは、前記第5比と前記第6比との差の絶対値を第7比と第8比との差の絶対値よりも大きくし、
前記第7比は、前記第1光軸と前記第7位置との間の前記第3軸に沿う第7距離と、前記第1光軸と前記第9位置との間の前記第3軸に沿う第9距離と、の差の絶対値の、前記第1光軸と前記第8位置との間の前記第3軸に沿う第8距離に対する比であり、
前記第8比は、前記第2光軸と前記第10位置との間の前記第4軸に沿う第10距離と、前記第2光軸と前記第12位置との間の前記第4軸に沿う第12距離と、の差の絶対値の、前記第2光軸と前記第11位置との間の前記第4軸に沿う第11距離に対する比である、請求項1~5のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項7】
前記第5比と前記第6比との差の絶対値は、0.3以上である、請求項1~6のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項8】
前記第1光の前記強度が前記第1値の0.135倍となる、前記第1光軸からの前記第2平面に沿う前記角度は、3度以上40度以下である、請求項のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項9】
前記第6比は、0.297以下である、請求項のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項10】
前記第2光の前記第2平面に沿う角度分布幅は、arctan(y/fL)の1.5倍よりも大きく、
前記fLは前記第1レンズの焦点距離であり、
前記yは、前記第1光源の前記第2平面に沿う長さの1/2である、請求項のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項11】
前記第1面の曲率は、前記第2面の曲率よりも低い、請求項1~1のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項12】
複数の前記第1光源と、
複数の前記第1レンズと、
を備え、
前記複数の第1光源の1つから出射した前記第1光は、前記複数の第1レンズの1つに入射し、
前記複数の第1光源の別の1つから出射した前記第1光は、前記複数の第1レンズの別の1つに入射し、
前記複数の第1光源の前記1つから前記複数の第1光源の前記別の1つへの方向は、前記第1平面に沿い、
前記複数の第1光源の前記1つから出射した前記第1光は、前記第1平面に沿う第1発散角を有し、
前記複数の第1光源の前記1つの中心と、前記複数の第1光源の前記別の1つの中心と、との間の前記第1平面に沿う距離は、前記複数の第1レンズの前記1つの焦点距離と、前記第1発散角の正接と、の積の2倍よりも大きい、請求項1~1のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項13】
複数の前記第1光源と、
複数の前記第1レンズと、
を備え、
前記複数の第1光源の1つから出射した前記第1光は、前記複数の第1レンズの1つに入射し、
前記複数の第1光源の別の1つから出射した前記第1光は、前記複数の第1レンズの別の1つに入射し、
前記複数の第1光源の前記1つから前記複数の第1光源の前記別の1つへの方向は、前記第1平面と交差する平面に沿い、
前記複数の第1光源の前記1つから出射した前記第1光は、前記第1平面と交差する前記平面に沿う第1発散角を有し、
前記複数の第1光源の前記1つの中心と、前記複数の第1光源の前記別の1つの中心と、との間の前記第1平面と交差する前記平面に沿う距離は、前記複数の第1レンズの前記1つの焦点距離と、前記第1発散角の正接と、の積の2倍よりも大きい、請求項1~1のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項14】
光学素子をさらに備え、
前記第2光が前記光学素子に入射し、
前記光学素子は、前記第2光を集光する、請求項1~1のいずれか1つに記載の光源装置。
【請求項15】
波長変換部材をさらに備え、
前記光学素子で集光された前記第2光が前記波長変換部材に入射し、
前記波長変換部材から出射する光のドミナント波長は、前記第2光のドミナント波長とは異なる、請求項1記載の光源装置。
【請求項16】
前記第1光のピーク波長は、300nm以上800nm以下である、請求項1~1のいずれか1つに記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、レーザダイオードなどを用いた光源装置がある。光源装置において、光の強度分布の均一性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-252275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、光源装置は、第1光を出射する第1光源と、第1面及び第2面を含む第1レンズと、を含む。前記第1面に前記第1光が入射し、前記第2面から第2光が出射する。前記第1光の強度は、前記第1光の第1光軸上において第1値である。前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第1角度の方向において前記第1値の0.7倍である。前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第2角度の方向において前記第1値の0.5倍である。前記第1光の前記強度は、前記第1光軸からの第3角度の方向において前記第1値の0.3倍である。前記第2光の強度は、前記第2光の第2光軸上において第2値である。前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第4角度の方向において前記第2値の0.7倍である。前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第5角度の方向において前記第2値の0.5倍である。前記第2光の前記強度は、前記第2光軸からの第6角度の方向において前記第2値の0.3倍である。前記第1角度の前記方向、前記第2角度の前記方向、前記第4角度の前記方向、前記第5角度の前記方向、及び、前記第6角度の前記方向は、前記第3角度の前記方向と、前記第1光軸と、を含む第1平面に沿う。前記第1光の前記強度が前記第1値の0.135倍となる、前記第1光軸からの前記第1平面に沿う前記角度は、3度以上である。前記第1レンズは、第2比を第1比よりも低くする。前記第1比は、前記第1角度と前記第3角度との差の絶対値の、前記第2角度に対する比である。前記第2比は、前記第4角度と前記第6角度との差の絶対値の、前記第5角度に対する比である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図5A図5Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図5B図5Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図6A図6Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図6B図6Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図7A図7Aは、光源装置の特性を例示する模式図である。
図7B図7Bは、光源装置の特性を例示する模式図である。
図8図8は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図9図9は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図10A図10Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図10B図10Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図11A図11Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図11B図11Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図12図12は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図13A図13Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図13B図13Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図14A図14Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図14B図14Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図15A図15Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図15B図15Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図16A図16Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図16B図16Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図17A図17Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図17B図17Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図18A図18Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図18B図18Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図19A図19Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図19B図19Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図20A図20Aは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図20B図20Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図21図21は、第2実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図22図22は、第2実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図23A図23Aは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図23B図23Bは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図24A図24Aは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図24B図24Bは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図25図25は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図26図26は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図27図27は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式的斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る光源装置110は、第1光源11及び第1レンズ21を含む。第1光源11は、第1光L1を出射する。第1光L1は、第1レンズ21に入射する。第1光源11は、例えば、レーザを含む。レーザは例えば、半導体レーザである。第1光L1は、例えば、レーザ光である。1つの例において、第1光L1のピーク波長は、300nm以上800nm以下である。
【0010】
第1レンズ21は、第1面21a及び第2面21bを含む。第1面21aに第1光L1が入射する。第2面21bから、第2光L2が出射する。第1面21aは、第1レンズ21の入射面である。第2面21bは、第1レンズ21の出射面である。第1面21aに入射した第1光L1が、第2光L2となって第2面21bから出射する。
【0011】
第1レンズ21は、例えば、樹脂、ガラス、または、石英などを含んでも良い。
【0012】
第1レンズ21の第1面21aから第1レンズ21の第2面21bに向かう方向をZ軸方向とする。例えば、Z軸方向は、第1面21aに入射するときの第1光L1の進行に対応する。
【0013】
Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0014】
例えば、第1光L1がレーザ光である場合において、速軸Af及び遅軸Asは、Z軸方向に対して垂直である。例えば、速軸AfはY軸方向に沿っても良い。例えば、遅軸AsはX軸方向に沿っても良い。
【0015】
実施形態において、第1光源11から出射した第1光L1は、第1面21aに直接入射しても良い。第1光源11から出射した第1光L1は、光学素子(例えば反射面)などを介して第1面21aに入射しても良い。以下では、第1光源11から出射した第1光L1が第1面21aに直接入射する例について説明する。
【0016】
第1面21aに入射する第1光L1は、第1光軸La1に沿っている。第2面21bから出射する第2光L2は、第2光軸La2に沿って進行する。
【0017】
図1に示すように、1つの例において、第2光L2は、光学素子31に入射する。光学素子31は、第2光L2を集光する。この例では、光学素子31は、レンズである。光学素子31から出射した第3光L3は、集光位置31Pで集光される。集光位置31Pにおいて、例えば、第3光L3の入射領域31Sが形成される。入射領域31Sは、例えば、矩形である。例えば、入射領域31Sに波長変換部材などが設けられ、第3光L3の波長が変換されても良い。1つの例において、入射領域31Sに照射された光(第3光L3)が、光源装置110から得られる光として用いられても良い。光源装置110は、光学素子31を含んでも良い。光源装置110は、上記の波長変換部材を含んでも良い。
【0018】
光源装置110が第1光源11及び第1レンズ21を含む場合、第2光L2が、光源装置110から得られる光として用いられても良い。
【0019】
図2に示すように、例えば、第1面21aが実質的に平面で、第2面21bが凸面である。第1面21aが凸面で、第2面21bが実質的に平面でも良い。第1面21aは、凹面または凸面でも良い。第2面21bは、凹面または凸面でも良い。
【0020】
図1に示すように、第1平面PL1及び第2平面PL2を定義することが可能である。第1平面PL1は、第1光L1の第1光軸La1と、第1光軸La1と交差する1つの方向と、を含む。図1の例では、第1平面PL1は、第1光軸La1(例えば、Z軸方向)と、Y軸方向と、を含む。例えば、第1平面PL1は、速軸Afに沿っている。
【0021】
第2平面PL2は、第1平面PL1に対して垂直である。第2平面PL2は、第1光L1の第1光軸La1を含む。図1の例では、第2平面PL2は、第1光軸La1(例えば、Z軸方向)と、X軸方向と、を含む。例えば、第2平面PL2は、遅軸Asに沿っている。
【0022】
以下、第1レンズ21の特性の例について説明する。例えば、第1レンズ21は、第1面21aに入射する第1光L1の分布を、第2面21bから出射する第2光L2の分布に変換する。
【0023】
図3及び図4は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図3及び図4は、第1平面PL1に沿う模式図である。第1平面PL1は、例えば、Y-Z平面に沿う。
【0024】
図3及び図4には、第1光L1の強度Ls1の分布が模式的に例示されている。図3及び図4に例示されている左右方向の1つの軸Lv1は、第1光L1の強度Ls1に対応する。図3及び図4に示すように、第1光L1の強度Ls1は、第1光L1の第1光軸La1上において第1値v1である。第1値v1は、第1光L1の強度Ls1のピーク値に実質的に対応しても良い。第1光L1の強度Ls1の分布において、振幅が小さい増減を示す場合がある。このような場合において、例えば、第1値v1は、振幅が小さい増減を平均した値に対応しても良い。
【0025】
図3及び図4には、第2光L2の強度Ls2の分布が模式的に例示されている。図3及び図4に例示されている左右方向の1つの軸Lv2は、第2光L2の強度Ls2に対応する。図3及び図4に示すように、第2光L2の強度Ls2は、第2光L2の第2光軸La2上において第2値v2である。第2値v2は、第2光L2の強度Ls2のピーク値に実質的に対応しても良い。第2光L2の強度Ls2の分布において、振幅が小さい増減を示す場合がある。このような場合において、例えば、第2値v2は、振幅が小さい増減を平均した値に対応しても良い。
【0026】
第1光L1の強度Ls1の角度分布に関して、図3に示す角度θ01が定義できる。角度θ01は、第1平面PL1に沿い、第1光軸La1を基準にした角度である。角度θ01は、例えば、後述する第1~第3角度θ1~θ3などを含む。
【0027】
第2光L2の強度Ls2の角度分布に関して、図3に示す角度θ02が定義できる。角度θ02は、第1平面PL1に沿い、第2光軸La2を基準にした角度である。角度θ02は、例えば、後述する第4~第6角度θ4~θ6などを含む。
【0028】
第1光L1の強度Ls1の距離分布に関して、図4に示す距離d01が定義できる。距離d01は、第1光軸La1を基準にした、第1軸Ax1に沿う距離である。第1軸Ax1は、第1平面PL1に沿う。第1軸Ax1は、第1光軸La1と交差する。例えば、第1軸Ax1は、第1光軸La1に対して垂直である。第1軸Ax1の第1光軸La1上の位置は、例えば、第1面21aの第1光軸La1上の位置でも良い。第1軸Ax1上に第1~第3位置py1~py3がある。第1距離d1は、第1光軸La1と第1位置py1との間の第1軸Ax1に沿う距離に対応する。第2距離d2は、第1光軸La1と第2位置py2との間の第1軸Ax1に沿う距離に対応する。第3距離d3は、第1光軸La1と第3位置py3との間の第1軸Ax1に沿う距離に対応する。
【0029】
第2光L2の強度Ls2の距離分布に関して、図4に示す距離d02が定義できる。距離d02は、第2光軸La2を基準にした、第2軸Ax2に沿う距離である。第2軸Ax2は、第1平面PL1に沿う。第2軸Ax2は、第2光軸La2と交差する。例えば、第2軸Ax2は、第2光軸La2に対して垂直である。第2軸Ax2の第2光軸La2上の位置は、例えば、第2面21bの頂部の第2光軸La2上の位置でも良い。第2軸Ax2上に第4~第6位置py4~py6がある。第4距離d4は、第2光軸La2と第4位置py4との間の第2軸Ax2に沿う距離に対応する。第5距離d5は、第2光軸La2と第5位置py5との間の第2軸Ax2に沿う距離に対応する。第6距離d6は、第2光軸La2と第6位置py6との間の第2軸Ax2に沿う距離に対応する。
【0030】
図5A及び図5Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。 図5Aの横軸は、角度θ01(度)である。図5Bの横軸は、角度θ02(度)である。図5Aの縦軸は、第1光L1の強度Ls1である。図5Bの縦軸は、第2光L2の強度Ls2である。強度Ls1及び強度Ls2は、規格化された値である。
【0031】
図5Aに示すように、角度θ01が0のときの第1光L1の強度Ls1は、実質的に「1」である。角度θ01が0のときの第1光L1の強度Ls1は、第1光L1の第1光軸La1上における値(第1値v1)に対応する。図5Bに示すように、角度θ02が0のときの第2光L2の強度Ls2は、実質的に「1」である。角度θ02が0のときの第2光L2の強度Ls2は、第2光L2の第2光軸La2上における値(第2値v2)に対応する。
【0032】
図5Aに示すように、第1面21aに入射する第1光L1の強度Ls1の角度分布は、「ガウス分布状」である。図5Bに示すように、第2面21bから出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布において、「ガウス分布状」と比べて、強度が均一である角度が広い。強度Ls2の角度分布は、例えば、「トップハット状」である。
【0033】
第1レンズ21は、図5Aに例示する第1光L1の強度Ls1の角度分布を、図5Bに例示する第2光L2の強度Ls2の角度分布に変換する。以下、強度Ls1及び強度Ls2の角度分布に関するパラメータの例について説明する。
【0034】
図5Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第1角度θ1の方向において、第1値v1の0.7倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第2角度θ2の方向において、第1値v1の0.5倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第3角度θ3の方向において、第1値v1の0.3倍である。
【0035】
図5Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第4角度θ4の方向において、第2値v2の0.7倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第5角度θ5の方向において、第2値v2の0.5倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第6角度θ6の方向において、第2値v2の0.3倍である。
【0036】
第1角度θ1の方向、第2角度θ2の方向、第4角度θ4の方向、第5角度θ5の方向、及び、第6角度θ6の方向は、第3角度θ3の方向と、第1光軸La1と、を含む第1平面PL1に沿う。例えば、第1~第6角度θ1~θ6及び第1光軸La1は、第1平面PL1に沿う。
【0037】
パラメータとして、第1比α1及び第2比α2が導入される。第1比α1は、第1角度θ1と第3角度θ3との差の絶対値の、第2角度θ2に対する比である。第2比α2は、第4角度θ4と第6角度θ6との差の絶対値の、第5角度θ5に対する比である。
【0038】
第1比α1及び第2比α2は、
α1=|θ1-θ3|/θ2
α2=|θ4-θ6|/θ5
で表される。
【0039】
例えば、これらの比が高いと、光の強度の角度分布は、「ガウス分布状」に近い。これらの比が低いと、光の強度の角度分布は、「トップハット状」に近い。
【0040】
実施形態においては、第1レンズ21は、第2比α2を第1比α1よりも低くする。例えば、第1レンズ21から出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布は、第1レンズ21に入射する第1光L1の強度Ls1の角度分布よりも、「トップハット状」に近い。例えば、第1レンズ21は、第1光L1の強度Ls1の、ガウス分布状の角度分布を、第2光L2の強度Ls2の、トップハット状の角度分布に変換する。
【0041】
例えば、図5Aの例では、第1比α1は、0.617である。図5Bの例では、第2比α2は、0.297である。
【0042】
このような第2光L2においては、第1光L1と比べて、強度の角度分布が狭い。例えば、このような第2光L2を光学素子31などで集光すると、入射領域31Sにおいて、より均一な光の強度分布(輝度分布)が得られる。例えば、矩形状の入射領域31Sにおいて、光の強度分布の均一性が高い。実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供できる。
【0043】
実施形態において、第1光L1は、完全な平行光ではない。例えば、第1光L1の強度Ls1の角度分布は、ガウス分布状である。例えば、第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの角度θ01が大きくなると、低くなる。第1光L1の強度Ls1が第1値v1の0.135倍となる、第1光軸La1からの第1平面PL1に沿う角度θ01は、3度以上である。「0.135倍」は、「e」をネイピア数としたときに、「1/e倍」に対応する。「e」は、約2.7182812814である。
【0044】
以下、第1レンズ21に関して、第1光L1の強度Ls1及び第2光L2の強度Ls2の距離分布の例について説明する。
【0045】
図6A及び図6Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。 図6Aの横軸は、距離d01(任意単位)である。既に説明したように、距離d01は、第1光軸La1を基準にした、第1平面PL1に沿う距離である。図6Bの横軸は、距離d02(任意単位)である。既に説明したように、距離d02は、第2光軸La2を基準にした、第1平面PL1に沿う距離である。図6Aの縦軸は、第1光L1の強度Ls1である。図6Bの縦軸は、第2光L2の強度Ls2である。強度Ls1及び強度Ls2は、規格化された値である。
【0046】
図6Aに示すように、距離d01が0のときの第1光L1の強度Ls1は、実質的に「1」である。距離d01が0のときの第1光L1の強度Ls1は、第1光L1の第1光軸La1上における値(第1値v1)に対応する。図6Bに示すように、距離d02が0のときの第2光L2の強度Ls2は、実質的に「1」である。距離d02が0のときの第2光L2の強度Ls2は、第2光L2の第2光軸La2上における値(第2値v2)に対応する。
【0047】
図6Aに示すように、第1面21aに入射する第1光L1の強度Ls1の距離分布は、「ガウス分布状」である。図6Bに示すように、第2面21bから出射する第2光L2の強度Ls2の距離分布も、「ガウス分布状」である。以下、強度Ls1及び強度Ls2の距離分布(位置分布)に関するパラメータの例について説明する。
【0048】
図6Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第1距離d1の位置において、第1値v1の0.7倍である。既に説明したように、第1距離d1は、第1光軸La1と第1位置py1との間の第1軸Ax1に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第1軸Ax1上の第1位置py1において第1値v1の0.7倍である。
【0049】
図6Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第2距離d2の位置において、第1値v1の0.5倍である。既に説明したように、第2距離d2は、第1光軸La1と第2位置py2との間の第1軸Ax1に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第1軸Ax1上の第2位置py2において第1値v1の0.5倍である。
【0050】
図6Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第3距離d3の位置において、第1値v1の0.3倍である。既に説明したように、第3距離d3は、第1光軸La1と第3位置py3との間の第1軸Ax1に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第1軸Ax1上の第3位置py3において第1値v1の0.3倍である。
【0051】
図6Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第4距離d4の位置において、第2値v2の0.7倍である。既に説明したように、第4距離d4は、第2光軸La2と第4位置py4との間の第2軸Ax2に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第2軸Ax2上の第4位置py4において第2値v2の0.7倍である。
【0052】
図6Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第5距離d5の位置において、第2値v2の0.5倍である。既に説明したように、第5距離d5は、第2光軸La2と第5位置py5との間の第2軸Ax2に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第2軸Ax2上の第5位置py5において、第2値v2の0.5倍である。
【0053】
図6Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第6距離d6の位置において、第2値v2の0.3倍である。既に説明したように、第6距離d6は、第2光軸La2と第6位置py6との間の第2軸Ax2に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第2軸Ax2上の第6位置py6において、第2値v2の0.3倍である。
【0054】
例えば、パラメータとして、第3比α3及び第4比α4が導入される。第3比α3は、第1距離d1と第3距離d3との差の絶対値の、第2距離d2に対する比である。第4比α4は、第4距離d4と第6距離d6との差の絶対値の、第5距離d5に対する比である。
【0055】
第3比α3及び第4比α4は、
α3=|d1-d3|/d2
α4=|d4-d6|/d5
で表される。
【0056】
例えば、これらの比が高いと、光の強度の距離分布(または位置分布)は、「ガウス分布状」に近い。これらの比が低いと、光の強度の距離分布(または位置分布)は、「トップハット状」に近い。
【0057】
実施形態においては、距離分布に関する第3比α3と第4比α4との差の程度は、角度分布に関する第1比α1と第2比α2との差の程度よりも小さい。例えば、図6Aの例では、第3比α3は、0.576である。図6Bの例では、第4比α4は、0.573である。
【0058】
例えば、第1レンズ21は、第1比α1と第2比α2との差の絶対値を、第3比α3と第4比α4との差の絶対値よりも大きくする。例えば、図5A及び図5Bの例では、第1比α1と第2比α2との差は、0.32である。例えば、図6A及び図6Bの例では、第3比α3と第4比α4との差は、0.003である。
【0059】
このように、実施形態においては、角度分布に関する第1比α1と第2比α2との差は、距離分布に関する第3比α3と第4比α4との差よりも大きい。第2光L2の強度Ls2において、角度分布の均一性が高い。実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供できる。
【0060】
例えば、コリメートレンズなどを用いた参考例の光学系が考えられる。このような参考例においては、一般に、光の強度の距離分布を「トップハット状」にする思想が用いられる。この場合には、光の強度の角度分布については考慮されないのが普通である。
【0061】
これに対して、実施形態においては、光の強度の角度分布の均一性を向上させる。例えば、出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布に関する第2比α2を、入射する第1光L1の強度Ls1の角度分布に関する第1比α1よりも低くする。
【0062】
実施形態においては、第2比α2を低くすることで、例えば、第2光L2を光学素子31などで集光したときに、入射領域31Sにおいて、より均一な光の強度分布が得られる。例えば、矩形状の入射領域31Sにおいて、光の強度分布の均一性が高い。実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供できる。
【0063】
例えば、第1比α1と第2比α2との差の絶対値は、0.3よりも大きい。例えば、第2比α2は、0.297以下である。
【0064】
上記の第1~第6角度θ1~θ6は、第1平面PL1に沿う角度である。上記の第1~第6距離d1~d6は、第1平面PL1に沿う距離である。第1光L1が第1レーザ光である場合、第1平面PL1は、例えば、第1レーザ光の速軸Afに沿っても良い。第1平面PL1は、例えば、第1レーザ光の遅軸Asに沿っても良い。
【0065】
例えば、第1光L1の強度Ls1が第1値v1の0.135倍となる、第1光軸La1からの第1平面PL1に沿う角度θ01は、例えば、15度以上である。速軸Afにおいては、例えば、角度θ01が15度以上となる。実施形態において、第1光L1の強度Ls1が第1値v1の0.135倍となる、第1光軸La1からの第1平面PL1に沿う角度θ01は、例えば、3度以上40度以下でも良い。
【0066】
図7A及び図7Bは、光源装置の特性を例示する模式図である。
図7Aは、実施形態に係る光源装置110に対応する。図7Bは、参考例の光源装置119に対応する。光源装置119においては、コリメート光学系が用いられる。図7A及び図7Bは、第1光L1の強度Ls1の角度分布と、第2光L2の強度Ls2の角度分布と、を例示している。
【0067】
図7Bに示すように、参考例の光源装置119においては、第1光源11から出射した第1光L1は、第1光学部品91に入射し、さらに第2光学部品92に入射する。第1光学部品91及び第2光学部品92は、コリメートレンズとして機能する。光源装置119において、第1光L1の強度Ls1の角度分布が「ガウス分布状」である場合に、第2光学部品92から出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布も「ガウス分布状」である。このような第2光L2が光学素子31により、集光位置31Pに集光される。集光位置31Pの入射領域31Sにおける強度Ls3はガウス分布状になる。光源装置119においては、光の強度分布の均一性が低い。
【0068】
図7Aに示すように、実施形態に係る光源装置110においては、第1光L1の強度Ls1の角度分布が「ガウス分布状」である場合において、第1レンズ21から出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布は、「トップハット状」である。このような第2光L2が光学素子31により、集光位置31Pに集光されると、集光位置31Pの入射領域31Sにおける強度Ls3が、「トップハット状」になる。実施形態においては、光の強度分布の均一性が高い。
【0069】
上記の1つの例において、第1平面PL1は、第1光L1の速軸Afに沿う。この場合における遅軸Asに沿う光学特性の例について、以下に説明する。
【0070】
図8及び図9は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図8及び図9は、第2平面PL2に沿う模式図である。第2平面PL2は、例えば、X-Z平面に沿う。
【0071】
図8及び図9には、X軸方向における、第1光L1の強度Ls1の分布が模式的に例示されている。図8及び図9に例示されている左右方向の1つの軸Lv1は、第1光L1の強度Ls1に対応する。図8及び図9に示すように、第1光L1の強度Ls1は、第1光L1の第1光軸La1上において第1値v1である。
【0072】
図8及び図9には、X軸方向における、第2光L2の強度Ls2の分布が模式的に例示されている。図8及び図9に例示されている左右方向の1つの軸Lv2は、第2光L2の強度Ls2に対応する。図8及び図9に示すように、第2光L2の強度Ls2は、第2光L2の第2光軸La2上において第2値v2である。
【0073】
第1光L1の強度Ls1の角度分布に関して、図8に示す角度θ03が定義できる。角度θ03は、第2平面PL2に沿い、第1光軸La1を基準にした角度である。角度θ03は、例えば、後述する第7~第9角度θ7~θ9などを含む。
【0074】
第2光L2の強度Ls2の角度分布に関して、図8に示す角度θ04が定義できる。角度θ04は、第2平面PL2に沿い、第2光軸La2を基準にした角度である。角度θ04は、例えば、後述する第10~第12角度θ10~θ12などを含む。
【0075】
第1光L1の強度Ls1の距離分布に関して、図9に示す距離d03が定義できる。距離d03は、第1光軸La1を基準にした、第3軸Ax3に沿う距離である。第3軸Ax3は、第2平面PL2に沿う。第3軸Ax3は、第1光軸La1と交差する。例えば、第3軸Ax3は、第1光軸La1に対して垂直であり、第1軸Ax1と交差する。例えば、第3軸Ax3は、第1軸Ax1に対して垂直である。第3軸Ax3の第1光軸La1上の位置は、例えば、第1面21aの第1光軸La1上の位置でも良い。第3軸Ax3上に第7~第9位置py7~py9がある。第7距離d7は、第1光軸La1と第7位置py7との間の第3軸Ax3に沿う距離に対応する。第8距離d8は、第1光軸La1と第8位置py8との間の第3軸Ax3に沿う距離に対応する。第9距離d9は、第1光軸La1と第9位置py9との間の第3軸Ax3に沿う距離に対応する。
【0076】
第2光L2の強度Ls2の距離分布に関して、図9に示す距離d04が定義できる。距離d04は、第2光軸La2を基準にした、第4軸Ax4に沿う距離である。第4軸Ax4は、第2平面PL2に沿う。第4軸Ax4は、第2光軸La2と交差する。例えば、第4軸Ax4は、第1光軸La1に対して垂直であり、第2軸Ax2と交差する。例えば、第4軸Ax4は、第2軸Ax2に対して垂直である。第4軸Ax4の第2光軸La2上の位置は、例えば、第2面21bの頂部の第2光軸La2上の位置でも良い。第4軸Ax4上に第10~第12位置py10~py12がある。第10距離d10は、第2光軸La2と第10位置py10との間の第4軸Ax4に沿う距離に対応する。第11距離d11は、第2光軸La2と第11位置py11との間の第4軸Ax4に沿う距離に対応する。第12距離d12は、第2光軸La2と第12位置py12との間の第4軸Ax4に沿う距離に対応する。
【0077】
図10A及び図10Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図10Aの横軸は、角度θ03(度)である。図10Bの横軸は、角度θ04(度)である。図10Aの縦軸は、第1光L1の強度Ls1である。図10Bの縦軸は、第2光L2の強度Ls2である。強度Ls1及び強度Ls2は、規格化された値である。
【0078】
図10Aに示すように、角度θ01が0のときの第1光L1の強度Ls1は、実質的に「1」であり、第1光L1の第1光軸La1上における値(第1値v1)に対応する。図10Bに示すように、角度θ02が0のときの第2光L2の強度Ls2は、実質的に「1」であり、第2光L2の第2光軸La2上における値(第2値v2)に対応する。
【0079】
以下、第2平面PL2に沿う方向における、強度Ls1及び強度Ls2の角度分布に関するパラメータの例について説明する。
【0080】
図10Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第7角度θ7の方向において、第1値v1の0.7倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第8角度θ8の方向において、第1値v1の0.5倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第9角度θ9の方向において、第1値v1の0.3倍である。
【0081】
図10Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第10角度θ10の方向において、第2値v2の0.7倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第11角度θ11の方向において、第2値v2の0.5倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第12角度θ12の方向において、第2値v2の0.3倍である。
【0082】
第7角度θ7の方向、第8角度θ8の方向は、第10角度θ10の方向、第11角度θ11の方向、及び、第12角度θ12の方向は、第2平面PL2に沿う。第2平面PL2は、第9角度θ9の方向と、第1光軸La1と、を含み、第1平面PL1と交差する。例えば、第2平面PL2は、第1平面PL1に対して垂直である。
【0083】
パラメータとして、第5比α5及び第6比α6が導入される。第5比α5は、第7角度θ7と第9角度θ9との差の絶対値の、第8角度θ8に対する比である。第6比α6は、第10角度θ10と第12角度θ12との差の絶対値の、第11角度θ11に対する比である。
【0084】
第5比α5及び第6比α6は、
α5=|θ7-θ9|/θ8
α6=|θ10-θ12|/θ11
で表される。
【0085】
例えば、これらの比が高いと、光の強度の角度分布は、「ガウス分布状」に近い。これらの比が低いと、光の強度の角度分布は、「トップハット状」に近い。
【0086】
実施形態においては、第1レンズ21は、第6比α6を第5比α5よりも低くする。図10A及び図10Bの例においては、第5比α5は0.595であり、第6比α6は、0.297である。
【0087】
実施形態においては、第2平面PL2に沿う方向において、第6比α6は第5比α5よりも低い。第2平面PL2に沿う方向において、第1光L1の強度Ls1の角度分布が「ガウス分布状」である場合において、第2光学部品92から出射する第2光L2の強度Ls2の角度分布は、「トップハット状」である。例えば、このような第2光L2が光学素子31により、集光位置31Pに集光されると、集光位置31Pの入射領域31Sにおける強度Ls3が、「トップハット状」になる。実施形態においては、光の強度分布の均一性が高い。
【0088】
例えば、上記の第7~第9角度θ7~θ9に関して、第1光L1の強度Ls1が第1値v1の0.135倍となる、第1光軸La1からの第2平面PL2に沿う角度θ03は、例えば、3度以上である。この角度θ03は、例えば、40度以下である。
【0089】
図11A及び図11Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
図11Aの横軸は、距離d03(任意単位)である。距離d03は、第1光軸La1を基準にした、第2平面PL2に沿う距離である。図11Bの横軸は、距離d04(任意単位)である。距離d04は、第2光軸La2を基準にした、第2平面PL2に沿う距離である。図11Aの縦軸は、第1光L1の強度Ls1である。図11Bの縦軸は、第2光L2の強度Ls2である。強度Ls1及び強度Ls2は、規格化された値である。
【0090】
図11Aに示すように、距離d03が0のときの第1光L1の強度Ls1は、実質的に「1」であり、第1光L1の第1光軸La1上における値(第1値v1)に対応する。図11Bに示すように、距離d04が0のときの第2光L2の強度Ls2は、実質的に「1」であり、第2光L2の第2光軸La2上における値(第2値v2)に対応する。
【0091】
以下、第2平面PL2に沿う方向における、強度Ls1及び強度Ls2の距離分布(位置分布)に関するパラメータの例について説明する。
【0092】
図11Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第7距離d7の位置において、第1値v1の0.7倍である。既に説明したように、第7距離d7は、第1光軸La1と第7位置py7との間の第3軸Ax3に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第3軸Ax3上の第7位置py7において第1値v1の0.7倍である。
【0093】
図11Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第8距離d8の位置において、第1値v1の0.5倍である。既に説明したように、第8距離d8は、第1光軸La1と第8位置py8との間の第3軸Ax3に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第3軸Ax3上の第8位置py8において第1値v1の0.5倍である。
【0094】
図11Aに示すように、第1光L1の強度Ls1は、第9距離d9の位置において、第1値v1の0.3倍である。既に説明したように、第9距離d9は、第1光軸La1と第9位置py9との間の第3軸Ax3に沿う距離である。第1光L1の強度Ls1は、第3軸Ax3上の第9位置py9において第1値v1の0.3倍である。
【0095】
図11Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第10距離d10の位置において、第2値v2の0.7倍である。既に説明したように、第10距離d10は、第2光軸La2と第10位置py10との間の第4軸Ax4に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第4軸Ax4上の第10位置py10において第2値v2の0.7倍である。
【0096】
図11Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第11距離d11の位置において、第2値v2の0.5倍である。既に説明したように、第11距離d11は、第2光軸La2と第11位置py11との間の第4軸Ax4に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第4軸Ax4上の第11位置py11において、第2値v2の0.5倍である。
【0097】
図11Bに示すように、第2光L2の強度Ls2は、第12距離d12の位置において、第2値v2の0.3倍である。既に説明したように、第12距離d12は、第2光軸La2と第12位置py12との間の第4軸Ax4に沿う距離である。第2光L2の強度Ls2は、第4軸Ax4上の第12位置py12において、第2値v2の0.3倍である。
【0098】
例えば、パラメータとして、第7比α7及び第8比α8が導入される。第7比α7は、第7距離d7と第9距離d9との差の絶対値の、第8距離d8に対する比である。第8比α8は、第10距離d10と第12距離d12との差の、第11距離d11に対する比である。
【0099】
第7比α7及び第8比α8は、
α7=|d7-d9|/d8
α8=|d10-d12|/d11
で表される。
【0100】
例えば、これらの比が高いと、光の強度の距離分布(または位置分布)は、「ガウス分布状」に近い。これらの比が低いと、光の強度の距離分布(または位置分布)は、「トップハット状」に近い。
【0101】
実施形態においては、第1レンズ21は、第5比α5と第6比α6との差の絶対値を第7比α7と第8比α8との差の絶対値よりも大きくする。図11A及び図11Bの例では、第7比α7は、0.61であり、第8比α8は、0.552である。従って、図10A図10B図11A及び図11Bの例では、第5比と第6比との差(絶対値)は、0.298であり、第7比と第8比との差(絶対値)は、0.058である。
【0102】
第2平面PL2に沿う方向においても、角度分布に関する第5比α5と第6比α6との差の程度は、距離分布に関する第7比α7と第8比α8との差の程度よりも大きい。第2平面PL2に沿う方向においても、光の強度の角度分布は、トップハット状であるこのような第2光L2が光学素子31により、集光位置31Pに集光されると、集光位置31Pの入射領域31Sにおける強度Ls3が、第2平面PL2に対応する方向において、「トップハット状」になる。実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置が提供できる。
【0103】
1つの例において、例えば、第5比α5と第6比α6との差の絶対値は、0.3以上である。例えば、第6比α6は、0.297以下である。
【0104】
例えば、第1光L1の強度Ls1が第1値v1の0.135倍となる、第1光軸La1からの第2平面PL2に沿う角度θ03は、例えば、3度以上40度以下である。
【0105】
例えば、第1光L1が第1レーザ光である場合、第1平面PL1は、第1レーザ光の速軸Afに沿い、第2平面PL2は、第1レーザ光の遅軸Asに沿う。
【0106】
図12は、第1実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
実施形態に係る光源装置110において、第1レンズ21の焦点距離を焦点距離fLとする。第1光源11の第2平面PL2に沿う長さの1/2を長さyとする。このとき、第1レンズ21から出射する第2光L2の第2平面PL2に沿う角度分布幅Wsは、例えば、arctan(y/fL)の1.5倍よりも大きい。角度分布幅Wsは、例えば、第2光L2の強度Ls2が、第2光軸La2における第2光L2の強度Ls2の第2値v2の0.135倍となる角度θ04に対応する。
【0107】
例えば、コリメート光学系を用いる参考例が考えられる。この参考例において、例えば、デフォーカスすることで、第1光L1の遅軸Asに沿った「ガウス分布状」の成分を、「トップハット状」に変形する場合がある。デフォーカスにより「トップハット状」を得る場合には、角度分布幅Wsはarctan(y/fL)の1.3倍以下になる。このような参考例においては、角度分布幅Wsはarctan(y/fL)の1.5倍以上にすることは実用困難である。
【0108】
実施形態においては、コリメート光学系を用いる技術思想ではなく、角度分布を制御する技術思想が用いられる。実施形態によれば、角度分布幅Wsをarctan(y/fL)の1.5倍以上に大きくすることができる。
【0109】
実施形態においては、例えば、光の角度を広げながら、「トップハット状」の分布を得ることができる。
【0110】
図13A図13B図14A図14B図15A図15B図16A及び図16Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、実施形態に係る光源装置111(図1参照)の特性を例示している。光源装置111は、実施形態に係る光源装置の1つの例である。図13A図13B図14A及び図14Bは、第1平面PL1に沿う特性に対応し、例えば、第1光L1の速軸Afに沿う特性に対応する。図15A図15B図16A及び図16Bは、第2平面PL2に沿う特性に対応し、例えば、第1光L1の遅軸Asに沿う特性に対応する。図13Aの横軸は、角度θ01(度)である。図13Bの横軸は、角度θ02(度)である。図14Aの横軸は、距離d01(任意単位)である。図14Bの横軸は、距離d02(任意単位)である。図15Aの横軸は、角度θ03(度)である。図15Bの横軸は、角度θ04(度)である。図16Aの横軸は、距離d03(任意単位)である。図16Bの横軸は、距離d04(任意単位)である。これらの図の縦軸は、第1光L1の強度Ls1または第1光L2の強度Ls2である。
【0111】
光源装置111において、第1比α1は、0.617であり、第2比α2は、0.042である。第3比α3は、0.576であり、第4比α4は、0.573である。第5比α5は、0.595であり、第6比α6は、0.057である。第7比α7は、0.610であり、第8比α8は、0.552である。
【0112】
図17A図17B図18A図18B図19A図19B図20A及び図20Bは、第1実施形態に係る光源装置の特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、実施形態に係る光源装置112(図1参照)の特性を例示している。光源装置112は、実施形態に係る光源装置の1つの例である。図17A図17B図18A及び図18Bは、第1平面PL1に沿う特性に対応し、例えば、第1光L1の速軸Afに沿う特性に対応する。図19A図19B図20A及び図20Bは、第2平面PL2に沿う特性に対応し、例えば、第1光L1の遅軸Asに沿う特性に対応する。図17Aの横軸は、角度θ01(度)である。図17Bの横軸は、角度θ02(度)である。図18Aの横軸は、距離d01(任意単位)である。図18Bの横軸は、距離d02(任意単位)である。図19Aの横軸は、角度θ03(度)である。図19Bの横軸は、角度θ04(度)である。図20Aの横軸は、距離d03(任意単位)である。図20Bの横軸は、距離d04(任意単位)である。これらの図の縦軸は、第1光L1の強度Ls1または第1光L2の強度Ls2である。
【0113】
光源装置112において、第1比α1は、0.617であり、第2比α2は、0.16である。第3比α3は、0.576であり、第4比α4は、0.573である。第5比α5は、0.595であり、第6比α6は、0.192である。第7比α7は、0.610であり、第8比α8は、0.552である。
【0114】
光源装置111及び112においても、第2光L2の強度Ls2の角度分布は「トップハット状」である。例えば、角度分布の均一性を向上した第2光L2が、光学素子31などで集光したときに、入射領域31Sにおいて、より均一な、光の強度分布が得られる。例えば、矩形状の入射領域31Sにおいて、光の強度分布の均一性が高い。実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供できる。
【0115】
実施形態に係る光源装置は、例えば、第1光L1を出射する第1光源11と、第1面21a及び第2面21bを含む第1レンズ21と、を含む。既に説明したように、第1面21aに第1光L1が入射し、第2面21bから第2光L2が出射する。第1光L1の強度Ls1は、第1光L1の第1光軸La1上において第1値v1を有する。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第1角度θ1の方向において第1値v1の0.7倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第2角度θ2の方向において第1値v1の0.5倍である。第1光L1の強度Ls1は、第1光軸La1からの第3角度θ3の方向において第1値v1の0.3倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光L2の第2光軸La2上において第2値v2である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第4角度θ4の方向において第2値v2の0.7倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第5角度θ5の方向において第2値v2の0.5倍である。第2光L2の強度Ls2は、第2光軸La2からの第6角度θ6の方向において第2値v2の0.3倍である。第1角度θ1の方向、及び、第2角度θ2の方向、第4角度θ4の方向、第5角度θ5の方向、及び、第6角度θ6の方向は、第3角度θ3の方向と、第1光軸La1と、を含む第1平面PL1に沿う。第1レンズ21は、第2比α2を第1比α1よりも低くする。第1比α1は、第1角度θ1と第3角度θ3との差の絶対値の、第2角度θ2に対する比である。第2比α2は、第4角度θ4と第6角度θ6との差の絶対値の、第5角度θ5に対する比である。第2光L2の第1平面PL1に沿う角度分布幅Ws(図12参照)は、arctan(y/fL)の1.5倍よりも大きい。「fL」は、第1レンズ21の焦点距離である。「y」は、第1光源11の第1平面PL1に沿う長さの1/2である。角度分布幅Wsは、例えば、第2光L2の強度Ls2が、第2光軸La2における第2光L2の強度Ls2の第2値v2の0.135倍となる角度θ02に対応する。
【0116】
例えば、実施形態に係る光源装置において、第1レンズ21の第2面21bの形状は、以下の第1式で近似的に表されることが可能である。
【0117】
【数1】
【0118】
第1式において、「z」は、ザグ量である。「k」は、コーニック係数である。「r」は、曲率半径である。「h」は中心距離である。第1式において、「A」、「B」、「C」及び「D」は、係数である。
【0119】
例えば、上記の光源装置111において、第1面21aは、実質的に平面とする。このとき、第2面21bの第1平面PL1に沿う形状(例えば、速軸Afに沿う形状)において、係数は、以下である。「r」は、-2.237であり、「k」は、-0.035であり、「A」は、8.4702×10-3であり、「B」は、3.0393×10-3であり、「C」は、-8.9688×10-4であり、「D」は、3.499910-4である。
【0120】
上記の光源装置111において、第1面21aが実質的に平面である場合、第2面21bの第2平面PL2に沿う形状(例えば、遅軸Asに沿う形状)において、係数は、以下である。「r」は、-7.284であり、「k」は、26.305であり、「A」は、-6.5943×10-1であり、「B」は、1.6014であり、「C」は、-1.2907であり、「D」は、0である。
【0121】
このような形状を有する第1レンズ21において、焦点距離fLは、例えば、4.76mmである。一方、第1光源11から出射し第1レンズ21の第1面21aに入射する第1光L1において、速軸Af方向の発散角は51度であり、遅軸As方向の発散角は9.5度である。発散角は、第1光L1の強度Ls1が、第1光軸La1における強度Ls1の第1値v1の0.135倍になる角度の方向と、第1光軸La1と、の間の角度に対応する。発散角は、例えば、角度分布幅Wsに対応する。
【0122】
実施形態において、第1光L1の強度Ls1の角度分布は、例えば、「ガウス分布状」である。ガウス分布は、例えば、以下の第2式で表される。
【0123】
【数2】
【0124】
第2式において、スーパーガウシアン係数Nが1のときに、分布は、一般的なガウス分布となる。スーパーガウシアン係数Nが大きくなると、分布は、「トップハット形状」に移行する。実施形態において、第2光L2の強度Ls2の角度分布のスーパーガウシアン係数Nは、例えば、2以上である。実施形態において、第2光L2の強度Ls2の角度分布のスーパーガウシアン係数Nは、例えば、4以上でも良い。
【0125】
例えば、第1レンズ21において、第1面21aの少なくとも一部の曲率は、第2面21bの少なくとも一部の曲率よりも低い。例えば、第1面21aは、実質的に平面であり、第2面21bが凸面でも良い。
【0126】
(第2実施形態)
図21は、第2実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図21に示すように、実施形態に係る光源装置120は、複数の第1光源11、及び、複数の第1レンズ21を含む。
【0127】
複数の第1光源11の1つから出射した第1光L1は、複数の第1レンズ21の1つに入射する。複数の第1光源11の別の1つから出射した第1光L1は、複数の第1レンズ21の別の1つに入射する。複数の第1光源11の上記の1つから複数の第1光源11の上記の別の1つへの方向は、例えば、第1平面PL1に沿う。
【0128】
このように、複数の第1光源11と、複数の第1レンズ21と、が組み合わされても良い。複数の第1レンズ21のそれぞれから、第2光L2が出射する。複数の第2光L2の1つは、複数の第1レンズ21の1つの第2面21bから出射する。複数の第2光L2が、光学素子31に入射する。複数の第2光L2に基づく複数の第3光L3が、光学素子31から出射する。複数の第3光L3は、集光位置31Pで集光される。集光位置31Pにおいて、例えば、第3光L3の入射領域31Sが形成される。入射領域31Sは、例えば、矩形である。
【0129】
例えば、複数の第1光源11、及び、複数の第1レンズ21は、入射領域31Sに対応して並べられても良い。
【0130】
実施形態において、複数の第1光源11の上記の1つから出射した第1光L1は、第1平面PL1に沿う第1発散角を有する。複数の第1光源11の1つの中心と、複数の第1光源11の別の1つの中心と、との間の第1平面PL1に沿う距離は、複数の第1レンズ21の1つの焦点距離fLと、第1発散角の正接と、の積の2倍よりも大きい。これにより、第1平面PL1において、複数の第1光源11から出射する光が、複数の第1光源11の別の1つに対応する第1レンズ21に入射することが抑制できる。複数の第1光L1が、対応する第1レンズ21に入射する。
【0131】
複数の第1光源11の1つから複数の第1光源11の別の1つへの方向は、第1平面PL1と交差する平面に沿っても良い。第1平面PL1と交差する平面は、例えば、第2平面PL2でも良い。複数の第1光源11の上記の1つから出射した第1光L1は、第1平面PL1と交差する上記の平面(例えば第2平面)に沿う第1発散角を有する。複数の第1光源11の上記の1つの中心と、複数の第1光源11の上記の別の1つの中心と、との間の第1平面PL1と交差する前記平面に沿う距離は、複数の第1レンズ21の上記の1つの焦点距離fLと、第1発散角の正接と、の積の2倍よりも大きい。これにより、第1平面PL1と交差する平面において、複数の第1光源11から出射する光が、複数の第1光源11の別の1つに対応する第1レンズ21に入射することが抑制できる。複数の第1光L1が、対応する第1レンズ21に入射する。
【0132】
図22は、第2実施形態に係る光源装置を例示する模式図である。
図22に示すように、実施形態に係る光源装置130は、複数の第1レンズ21を含む。複数の第1レンズ21は、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ。これらの複数の第1レンズ21に対応するように、複数の第1光源11(図21参照)が設けられる。この例では、複数の第1光源11も、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ。
【0133】
光源装置130は、光学素子31及び波長変換部材32をさらに含んでも良い。第2光L2が光学素子31に入射する。光学素子31から出射した第3光L3が、波長変換部材32に入射する。このように、光学素子31で集光された第2光L2が、第3光L3として、波長変換部材32に入射する。波長変換部材32から出射する光のドミナント波長は、第2光L2(または第3光L3)のドミナント波長とは異なる。第2光L2は、例えば、青色であり、波長変換部材32から出射する光のドミナント波長は、青色と黄色とを含む白色である。
【0134】
この例では、波長変換部材32は、第1部材33に設けられる。第1部材33は、軸34を軸として、駆動部35により回転される。波長変換部材32は、軸34の周りの第1部材33に設けられている。第1部材33が回転することで、波長変換部材32において、第第3光L3が入射する位置が変化する。これにより、過度に高い強度の光が連続して1つの位置に入射し続けることが抑制できる。例えば、波長変換部材32などの劣化が抑制できる。
【0135】
以下、実施形態に係る光源装置の例について説明する。
図23A及び図23Bは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図23A及び図23Bは、複数の第1光源11の1つ、及び、複数の第1レンズ21の1つを例示している。図23Aは、X軸方向に沿ってみたときの側面図である。図23Bは、Y軸方向に沿ってみたときの側面図である。図23A及び図23Bに示すように実施形態に係る光源装置140は、光学部品15を含んでも良い。光学部品15は、少なくとも、複数の第1光源11の1つと、複数の第1レンズ21の1つと、の間に設けられる。光学部品15は、複数の第1光源11と複数の第1レンズ21との間に設けられて良い。光学部品15は、例えば、サファイアガラスである。光学部品15のZ軸方向に沿う長さLz15(厚さ)は、例えば、約0.5mmである。
【0136】
複数の第1レンズ21の1つのZ軸方向に沿う長さLz21(厚さ)は、例えば、約2.0mmである。複数の第1光源11の1つと、光学部品15と、の間のZ軸方向に沿う距離Dz1は、例えば、約1.3mmである。光学部品15と、複数の第1レンズ21の1つと、の間のZ軸方向に沿う距離Dz2は、約0.3mmである。
【0137】
1つの例において、複数の第1光源11(レーザ)のそれぞれにおいて、ピーク波長は、約455nmである。Y軸方向(速軸Af)において、出射光の幅は約60nmであり、発散角は22.75度であり、スーパーガウシアン係数は2である。X軸方向(遅軸As)において、出射光の幅は約45μmであり、発散角は4.75度であり、スーパーガウシアン係数は2である。発散角は、出射光の強度がピーク値の1/e倍(eはネイピア数)になる角度(全幅)である。
【0138】
図24A及び図24Bは、実施形態に係る光源装置を例示する模式的側面図である。
図24Aは、X軸方向に沿ってみたときの側面図である。図24B、Y軸方向に沿ってみたときの側面図である。図24Aに示すように、光源装置140において、Y軸方向において、2つの第1光源11が並ぶ。図24Bに示すように、X軸方向において、7つの第1光源11が並ぶ。Y軸方向(速軸Af)における複数の光源11のピッチpYは、約6.0mmである。X軸方向(遅軸As)における複数の光源11のピッチpXは、約2.4mmである。
複数の光源11のそれぞれに対応して、第1レンズ21が設けられる。光源装置140において、第1レンズ21と光学素子31との間のZ軸方向に沿う距離Dz3は、約2.5mmである。距離Dz3は、例えば、光学素子31の有効径に応じて定められて良い。1つの例において、光学素子31のNA(開口数)は、約0.65である。光学素子31として、例えば、エドモンドオプティクス社の商品コード#49-101が用いられて良い。
【0139】
図25は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図25は、複数の第1レンズ21の1つの形状を例示している。図25に示すように、複数の第1レンズ21の1つのY軸方向に沿う長さは、複数の第1レンズ21の1つのX軸方向に沿う長さよりも長い。
【0140】
複数の第1レンズ21の1つの第2面21bの形状は、以下の第3式で実質的に表される。
【0141】
【数3】
【0142】
第3式において、「αi」、及び、「βi」は、x方向(X軸方向)、及び、y方向(Y軸方向)における高次非球面係数である。
【0143】
1つの例において、Y軸方向(速軸Af)において、「r」は、-2.237であり、「k」は、-0.035であり、4次の非球面係数は、-8.4702×10-3であり、6次の非球面係数は、3.0393×10-3であり、8次の非球面係数は、-8.9688×10-4であり、10次の非球面係数は、3.499910×10-4である。X軸方向X軸方向(遅軸As)において、「r」は、-7.284であり、「k」は、26.305であり、4次の非球面係数は、-6.594×10-1であり、6次の非球面係数は、1.601であり、8次の非球面係数は、-1.2907であり、10次の非球面係数は、0である。
【0144】
複数の第1レンズ21の1つは、例えば、非球面のトロイダルレンズである。複数の第1レンズ21の1つは、例えば、バイコーニックゼルニケレンズである。複数の第1レンズ21の材料として、例えば、K-PBK40(例えばオハラ社)が用いられても良い。
【0145】
図26は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図26に示すように、複数の第1レンズ21は、ベース部25に設けられて良い。複数の第1レンズ21、及び、ベース部25は、レンズ素子26に含まれる。ベース部25が設けられる場合、第1面21a(入射面)は、ベース部25の裏面に対応する。第2面21b(出射面)は、第1レンズ21の表面に対応する。複数の第1レンズ21、及び、ベース部25は、一体に形成されてよい。ベース部25の材料は、複数の第1レンズ21の材料と同じでよい。複数の第1レンズ21は、X軸方向及びY軸方向に沿って、マトリクス状に設けられている。
【0146】
ベース部25のX軸方向に沿う長さLxは、例えば、約21.4mmである。ベース部25のY軸方向に沿う長さLyは、例えば、約21.4mmである。
【0147】
図27は、実施形態に係る光源装置の一部を例示する模式的側面図である。
ベース部25の厚さ(Z軸方向に沿う長さLz25)は、例えば、1.5mmである。第1レンズ21のZ軸方向に沿う長さと、ベース部25のZ軸方向に沿う長さLz25と、の和の長さLzは、例えば、2.85mmである。
【0148】
上記の長さ(厚さ)及び距離などに関する値は、例であり、実施形態において変形可能である。
【0149】
実施形態によれば、光の強度分布の均一性を向上できる光源装置を提供できる。
【0150】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0151】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、光源装置に含まれる光源、レンズ、光学素子、及び、波長変換部材などのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0152】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0153】
その他、本発明の実施の形態として上述した光源装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての光源装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0154】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0155】
11…第1光源、 15…光学部品、 21…第1レンズ、 21a、21b…第1、第2面、 25…ベース部、 26…レンズ素子、 31…光学素子、 31P…集光位置、 31S…入射領域、 32…波長変換部材、 33…第1部材、 34…軸、 35…駆動部、 91…第1光学部品、 92…第2光学部品、 θ01~θ04…角度、 θ1~θ12…第1~第12角度、 110、111、112、119、120、130、140…光源装置、 Af…速軸、 As…遅軸、 Ax1~Ax4…第1~第4軸、 Dz1~Dz3…距離、 L1~L3…第1~第3光、 La1、La2…第1、第2光軸、 Ls1~Ls3…強度、 Lv1、Lv2…軸、 Lx~Lz…長さ、 Lz15、Lz21、Lz25…長さ、 PL1、PL2…第1、第2平面、 d01~d04…距離、 d1~d12…第1~第12距離、 fL…焦点距離、 pX、pY…ピッチ、 py1~py12…第1~第12位置、 v1、v2…第1、第2値、 y…長さ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図25
図26
図27