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特許7579748レーザ加工装置、レーザ加工方法、及び、データ生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-30
(45)【発行日】2024-11-08
(54)【発明の名称】レーザ加工装置、レーザ加工方法、及び、データ生成方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/53 20140101AFI20241031BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20241031BHJP
   H01L 21/304 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
B23K26/53
B23K26/00 P
B23K26/00 M
H01L21/304 611Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021082445
(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公開番号】P2022175767
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2024-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】杉本 陽
(72)【発明者】
【氏名】山下 陽平
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/54353(WO,A1)
【文献】特開2001-47270(JP,A)
【文献】特表2019-527383(JP,A)
【文献】特表平9-511688(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134868(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/53
B23K 26/00
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び前記第1主面の反対側の第2主面を含む基板に対して、加工用レーザ光を照射するレーザ加工装置であって、
前記加工用レーザ光を前記第2主面側から前記基板に照射する加工用照射部と、
前記基板に観察用透過光を前記第2主面側から照射する観察用照射部と、
前記基板からの前記観察用透過光を撮像する撮像素子と、
前記加工用照射部を制御することによって、前記基板に前記加工用レーザ光を照射する加工処理と、前記観察用照射部及び前記撮像素子を制御することによって、前記基板に前記観察用透過光を照射すると共に前記基板からの前記観察用透過光を撮像し、前記加工処理での前記基板への加工特性を取得する特性取得処理と、前記加工特性に応じて前記加工用レーザ光のパルス幅の調整を行う調整処理と、を実行する制御部と、
を備え、
前記調整処理では、前記制御部は、基準パルス幅と前記基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データに基づいて、前記特性取得処理において取得された前記加工特性が前記基準加工特性に一致しない場合に、前記加工特性が前記基準加工特性に一致するように前記加工用レーザ光のパルス幅を調整する、
レーザ加工装置。
【請求項2】
前記加工用レーザ光を検出して前記加工用レーザ光のパルス波形を取得するパルス波形センサを備え、
前記制御部は、前記加工用照射部から出射された前記加工用レーザ光を前記パルス波形センサにより検出して前記パルス波形を取得することによって、前記加工用レーザ光のパルス幅の設定値と当該設定値における前記加工用レーザ光のパルス幅の実測値とを取得するパルス幅取得処理を、前記設定値を変更しながら複数回実行することにより、前記加工用レーザ光のパルス幅の複数の前記設定値のそれぞれに対応付けられた複数の前記実測値を取得すると共に、前記基準データに基づいて、複数の前記実測値のうち前記基準パルス幅に最も近い前記実測値となる前記設定値を仮設定値として決定し、
前記加工処理では、前記制御部は、前記加工用レーザ光のパルス幅の前記設定値を前記仮設定値とする、
請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記基準データは、前記基準加工特性として、前記加工用レーザ光が照射された基準対象物の画像である基準画像を含み、
前記特性取得処理では、前記制御部は、前記加工用レーザ光が照射された前記基板を、前記観察用透過光を用いて撮像することにより、当該基板の画像である加工画像を前記加工特性として取得し、
前記調整処理では、前記制御部は、画像処理により前記基準画像と前記加工画像とが一致しない場合に、前記基準画像と前記加工画像とが一致するように前記加工用レーザ光のパルス幅を調整する、
請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
画像を表示する表示部と、
入力を受け付ける入力受付部と、
を備え、
前記基準データは、前記基準加工特性として、前記加工用レーザ光が照射された基準対象物の画像である基準画像を含み、
前記特性取得処理では、前記制御部は、前記加工用レーザ光の照射がされた前記基板を、前記観察用透過光を用いて撮像することにより、当該基板の画像である加工画像を前記加工特性として取得し、
前記調整処理では、前記制御部は、前記表示部に前記基準画像及び前記加工画像を表示させると共に、前記加工用レーザ光のパルス幅が、前記入力受付部が入力を受け付けた値となるように当該パルス幅を調整する、
請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
第1主面及び前記第1主面の反対側の第2主面を含む基板に対して、加工用レーザ光を照射するレーザ加工装置であって、
前記加工用レーザ光を前記第2主面側から前記基板に照射する加工用照射部と、
前記基板に観察用透過光を前記第2主面側から照射する観察用照射部と、
前記基板からの前記観察用透過光を撮像する撮像素子と、
前記加工用照射部を制御することによって、前記基板に前記加工用レーザ光を照射する加工処理と、前記観察用照射部及び前記撮像素子を制御することによって、前記基板に前記観察用透過光を照射すると共に前記基板からの前記観察用透過光を撮像し、前記加工処理での前記基板の加工特性を取得する特性取得処理と、を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、基準パルス幅と前記基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データと前記特性取得処理において取得された前記加工特性との比較に係る情報を提示する、
レーザ加工装置。
【請求項6】
第1主面及び前記第1主面の反対側の第2主面を含む基板に対して、加工用レーザ光を照射するレーザ加工方法であって、
前記第2主面側から前記基板に加工用レーザ光を照射する加工工程と、
前記第2主面側から前記基板に観察用透過光を照射すると共に前記基板からの前記観察用透過光を撮像し、前記加工工程での前記基板への加工特性を取得する特性取得工程と、
前記加工特性に応じて前記加工用レーザ光のパルス幅の調整を行う調整工程と、
を備え、
前記調整工程では、基準パルス幅と前記基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データに基づいて、前記特性取得工程で取得された前記加工特性が前記基準加工特性に一致しない場合に、前記加工特性が前記基準加工特性に一致するように前記加工用レーザ光のパルス幅を調整する、
レーザ加工方法。
【請求項7】
基板に対して、加工用レーザ光を照射するレーザ加工において、前記加工用レーザ光のパルス幅の調整の基準となる基準データを生成するデータ生成方法であって、
基準対象物に前記加工用レーザ光を照射する基準加工工程と、
前記基準対象物に観察用透過光を照射すると共に前記基準対象物からの前記観察用透過光を撮像することによって、前記基準加工工程での前記基準対象物への加工特性である基準加工特性を取得する基準特性取得工程と、
前記基準特性取得工程で得られた前記基準加工特性に対して、当該基準加工特性が得られたときの前記加工用レーザ光のパルス幅を基準パルス幅として対応付けることにより、基準加工特性と当該基準加工特性に対応付けられた前記基準パルス幅とを含む前記基準データを生成する生成工程と、
を備えるデータ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ加工装置、レーザ加工方法、及び、データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザ加工方法の一例として、レーザリフトオフ法が記載されている。この方法では、エピウェハと支持基板とが接合されて構成される対象物の加工が行われる。エピウェハは、サファイア基板と、サファイア基板の第1主面に形成されたGaN系エピタキシャル結晶層と、を含む。支持基板としては、p型シリコン基板に対して、Ti/Ptの積層構造を形成したオーミック電極、及び、オーミック電極側からAu/AuSnを積層した接合金属を成膜したものが用いられる。エピウェハと支持基板とは、接合金属層を介して接合される。特許文献1に記載の方法では、サファイア基板の第1主面の反対側の第2主面側からレーザ光を照射する。レーザ光は、サファイア基板の内部の所定位置に集光され、第1主面に対して平行な方向に移動(走査)されて剥離界面を形成する。レーザ光は、尖頭出力の高いパルスレーザであることが望ましいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-040564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のレーザリフトオフやその他のレーザ光の加工であって、所定の剥離界面を形成して対象物の剥離を行う場合がある。その場合、その加工装置において、レーザ光を対象物に向けて集光するための対物レンズの種類や、対物レンズに入射するレーザ光のビーム径等の各種の仕様や設定が変更されると、対象物の加工閾値(レーザ光のエネルギ)も変化する。したがって、複数の加工装置を併用してレーザ加工を行う場合には、それぞれの加工装置での加工特性に機差が生じるおそれがある。このように、上記技術分野にあっては、機差を抑制する要求がある。
【0005】
本開示は、加工特性の機差を抑制可能なレーザ加工装置、レーザ加工方法、及び、データ生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るレーザ加工装置は、第1主面及び第1主面の反対側の第2主面を含む基板に対して、加工用レーザ光を照射するレーザ加工装置であって、加工用レーザ光を第2主面側から基板に照射する加工用照射部と、基板に観察用透過光を第2主面側から照射する観察用照射部と、基板からの観察用透過光を撮像する撮像素子と、加工用照射部を制御することによって、基板に加工用レーザ光を照射する加工処理と、観察用照射部及び撮像素子を制御することによって、基板に観察用透過光を照射すると共に基板からの観察用透過光を撮像し、加工処理での基板への加工特性を取得する特性取得処理と、加工特性に応じて加工用レーザ光のパルス幅の調整を行う調整処理と、を実行する制御部と、を備え、調整処理では、制御部は、基準パルス幅と基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データに基づいて、特性取得処理において取得された加工特性が基準加工特性に一致しない場合に、加工特性が基準加工特性に一致するように加工用レーザ光のパルス幅を調整する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、加工特性の機差を抑制可能なレーザ加工装置、レーザ加工方法、及び、データ生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るレーザ加工装置を示す模式図である。
図2図2は、図1に示されたレーザ加工装置でのレーザ加工の対象物を示す模式図である。
図3図1に示されたレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
図4図3に示されたレーザ加工方法の一工程を示す模式図である。
図5図5は、複数のレーザ加工装置で剥離加工を行った場合の加工特性(加工結果)を示す表である。
図6図6は、加工後の機能素子層をZ方向からみた状態を示す模式図である。
図7図7は、一実施形態に係るレーザ加工方法の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、パルス波形を示すグラフである。
図9】一実施形態に係るレーザ加工方法の一工程を示す図である。
図10図10は、パルス幅の調整結果を示す表である。
図11図11は、第1変形例に係るレーザ加工装置を示す模式図である。
図12図12は、第2変形例に係るレーザ加工装置を示す模式図である。
図13図13は、第2変形例に係る観察用ヘッドの変形例を示す模式図である。
図14図14は、第3変形例に係るレーザ加工装置を示す模式図である。
図15図15の(a)は、機能素子層の一部領域に改質領域を形成する第1例を説明するための対象物の平面図及び断面図である。図15の(b)は、機能素子層の一部領域に改質領域を形成する第2例を説明するための対象物の平面図及び断面図である。
図16図16の(a)は、機能素子層の一部領域に改質領域を形成する第3例を説明するための対象物の平面図及び断面図である。図16の(b)は、機能素子層の一部領域に改質領域を形成する第4例を説明するための対象物の平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0010】
図1に示すように、レーザ加工装置1は、基板10にレーザ光(加工用レーザ光)Lを照射することで基板10に改質領域を形成するための装置である。なお、以下の説明では、互いに直交する3方向を、それぞれ、X方向、Y方向、及び、Z方向という場合がある。一例として、X方向は第1水平方向であり、Y方向は第1水平方向に直交する第2水平方向であり、Z方向は鉛直方向であって基板10の厚さ方向である。
【0011】
図2に示すように、基板10は、第1基板11と機能素子層12と第2基板13とを有する。第1基板11、機能素子層12、及び第2基板13は、Z方向に沿ってこの順で積層するように配置されている。第1基板11及び第2基板13は、例えば、円板状に形成されたウェハである。第1基板11及び第2基板13は、一例として、シリコン基板等の半導体基板、圧電材料で形成された圧電材料基板、及び、ガラスで形成されたガラス基板等である。
【0012】
第1基板11及び第2基板13には、結晶方位を示すノッチ又はオリエンテーションフラットが設けられていてもよい。第1基板11は、表面(第1主面)11a、及び、表面11aの反対側の裏面(第2主面)11bを含む。第2基板13は、表面13a、及び、表面13aの反対側の裏面13bを含む。第1基板11及び第2基板13は、互いの表面11a,13aが互いに対向するように配置されている。
【0013】
機能素子層12は、第1基板11の表面11a側に設けられている。機能素子層12は、第2基板13の表面13a側に設けられている。すなわち、機能素子層12は、第1基板11と第2基板13との間に介在されている。機能素子層12は、複数の機能素子を含む。機能素子は、例えば、配線用素子、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、メモリ等の回路素子等である。機能素子は、複数の層12aがスタックされて3次元的に構成される場合、及び、マトリックス状に配列される場合がある。
【0014】
機能素子層12を構成する複数の層12aは、例えば、Z方向に沿って積層された複数の金属層及び複数の非金属層を含む場合がある。金属層は、例えば、Ti(チタン)層及びSn(すず)層等である。非金属層は、例えば、酸化膜層及び窒化膜層等である。一例として、非金属層は、SiO(一酸化シリコン)等のシリコン酸化膜を含む酸化膜層、及び、SiCN(シリコンカーボンナイトライド)等の層を含むことができる。金属層及び非金属層は、例えば、成膜処理(スパッタリング、蒸着、及び/又は、CVD等)、エッチング処理(ドライエッチング、及び/又は、ウェットエッチング)、並びに、研磨処理等によって、表面11a,13a上に形成され得る。
【0015】
基板10には、剥離予定面としての仮想面M1が設定されている。仮想面M1は、改質領域の形成を予定する面である。仮想面M1は、基板10のレーザ光Lの入射面である裏面11bに対向する面である。仮想面M1は、裏面11bに平行な面であり、例えば円形状を呈している。仮想面M1は、仮想的な領域であり、平面に限定されず、曲面ないし3次元状の面であってもよい。仮想面M1の設定は、例えば、ユーザが入力部を介して行ってもよい。仮想面M1は、座標指定されてものであってもよい。
【0016】
レーザ加工装置1は、基板10の集光点(少なくとも集光領域の一部)を合わせてレーザ光Lを照射することにより、基板10の機能素子層12の内部において、仮想面M1に沿って改質領域を形成する。レーザ加工装置1は、基板10に対して、剥離加工を含むレーザ加工を施す。剥離加工は、基板10の一部分を剥離するための加工である。レーザ加工装置1は、レーザデボンディング装置としての機能を有する。
【0017】
レーザ加工装置1は、支持部2、レーザ加工ヘッド(加工用照射部、観察用照射部)3、移動機構4、制御部5、及び、表示部6を備えている。支持部2は、例えば吸着等により基板10を支持する。支持部2は、X方向、Y方向、及び、Z方向のそれぞれに沿って移動可能とされ得る。支持部2には、裏面11bがレーザ加工ヘッド3側になるように基板10が支持される。支持部2は、Z方向に沿った回転軸を中心として回転可能とされ得る。
【0018】
レーザ加工ヘッド3は、加工用光源31、観察用光源32、集光部33、第1撮像素子34、パルス波形センサ41、及び、ミラー42を有する。加工用光源31は、例えばパルス発振方式によって、加工用のレーザ光Lを出射する。レーザ光Lは、機能素子層12に吸収性を有する波長域のレーザ光である。加工用光源31としては、例えば、固体パルスレーザ装置が用いられ、レーザ光Lの波長は、第1基板11に透過性を有する波長であり、第1基板11がサファイヤやガラスからなる場合には、例えば355nmである。観察用光源32は、観察用透過光L0を出射する。観察用透過光L0は、第1基板11に透過性を有する波長域の光である。観察用光源32としては、特に限定されず、観察用透過光L0を出射可能な種々の光源が用いられ得る。
【0019】
集光部33は、レーザ光L及び観察用透過光L0を、支持部2に支持された基板10に向けて集光する。ここでは、加工用光源31から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラーH1によって反射され、集光部33に入射する。また、観察用光源32から出射された観察用透過光L0は、ダイクロイックミラーH2によって反射されてダイクロイックミラーH1を透過し、集光部33に入射する。集光部33は、そのように入射したレーザ光L及び観察用透過光L0を基板10に向けて集光する。
【0020】
集光部33は、例えば複数の集光用レンズからなるレンズユニットを含んで構成される(ただし、単レンズであってもよい)。集光部33のレンズユニットとしては、例えば、低NA(numerical aperture)のレンズユニットを利用することができる。なお、集光部33は、レンズユニットをZ方向に沿って駆動する圧電素子等の駆動機構を有していてもよい。低NAとしては、例えば0.1~0.6が挙げられる。
【0021】
第1撮像素子34は、観察用透過光L0に感度を有する撮像素子である。第1撮像素子34は、基板10(機能素子層12)からの観察用透過光L0を撮像する。より具体的には、第1撮像素子34は、観察用透過光L0の照射(集光部33による観察用透過光L0の基板10への集光)に応じた反射光を受光する。ここでは、基板10に照射されて機能素子層12で反射された観察用透過光L0の反射光が、集光部33及びダイクロイックミラーH1,H2を介して第1撮像素子34で検出(撮像)される。これにより、第1撮像素子34は、観察用透過光L0による機能素子層12の画像を取得する。第1撮像素子34は、取得した画像を制御部5に出力する。
【0022】
また、第1撮像素子34は、レーザ光Lに感度を有する。第1撮像素子34は、レーザ光Lの照射(集光部33によるレーザ光Lの基板10への集光)に応じた反射光を受光する。ここでは、基板10に照射されて反射されたレーザ光Lの反射光が、集光部33及びダイクロイックミラーH1,H2を介して第1撮像素子34で検出(撮像)される。これにより、第1撮像素子34は、レーザ光Lのビーム形状に係る画像を取得する。第1撮像素子34は、得られた画像に関する情報を制御部5に出力する。
【0023】
ミラー42は、加工用光源31から集光部33に向かうレーザ光Lの一部を分岐する。パルス波形センサ41は、ミラー42により分岐されたレーザ光Lの一部の入射を受けることによって、レーザ光Lのパルス波形を取得する。パルス波形センサ41は、得られたパルス波形に関する情報を制御部5に出力する。パルス波形センサ41としては、例えば、フォトダイオードタイプやオートコリレータータイプのものが使用され得る。なお、パルス波形センサ41は、レーザ光LのうちのダイクロイックミラーH1を透過した一部の入射を受けるように構成されていてもよい。この場合、ミラー42は不要となる。
【0024】
以上のようなレーザ加工ヘッド3は、レーザ光Lと観察用透過光L0とを同軸で出射するように構成されている。したがって、レーザ加工ヘッド3は、加工用のレーザ光Lを裏面11b側から機能素子層12に照射する加工用照射部と、第1基板11を透過する観察用透過光L0を裏面11b側から機能素子層12に照射する観察用照射部と、を構成している。レーザ加工ヘッド3は、レーザ光Lを変調するための空間光変調器を備えていてもよい。
【0025】
移動機構4は、支持部2及びレーザ加工ヘッド3の少なくとも一方を、X方向、Y方向、及び、Z方向に沿って移動させる機構を含む。移動機構4は、レーザ光Lの集光点がX方向、Y方向、及び、Z方向に沿って移動するように、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により支持部2及びレーザ加工ヘッド3の少なくとも一方を駆動することができる。移動機構4は、観察用透過光L0の集光点(焦点)がZ方向に沿って移動するように、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により支持部2及びレーザ加工ヘッド3の少なくとも一方を駆動することができる。さらに、移動機構4は、レーザ光Lの集光点が回転軸周りのθ方向に沿って移動するように、モータ等の公知の駆動装置の駆動力により支持部2を回転駆動することができる。
【0026】
制御部5は、レーザ加工装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部5では、プロセッサが、メモリ等に読み込まれたソフトウェア(プログラム)を実行し、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信を制御することにより。後述する各処理を実行することができる。
【0027】
表示部6は、例えばモニタ等である。表示部6は、制御部5により制御され、第1撮像素子34からの情報(例えば撮像結果)を表示する。より具体的には、表示部6は、観察用透過光L0による機能素子層12の画像を表示することができる。また、表示部6は、レーザ光Lのビーム形状やパルス幅を示す情報を表示することができる。表示部6としては特に限定されず、公知の種々の表示装置を用いることができる。
【0028】
引き続いて、レーザ加工装置1によるレーザ加工方法の一例について説明する。ここでは、レーザ加工装置1を用いて、基板10を機能素子層12において剥離する剥離加工の例を説明する。
【0029】
図3に示されるように、この方法では、まず、基板10を支持部2に取り付け、基板10を支持部2にて支持する(工程S11)。工程S11では、第1基板11の裏面11bをレーザ光Lの入射面とするため、裏面11bがレーザ加工ヘッド3側に臨むように支持部2上に基板10を支持する。続いて、レーザ加工位置を設定する(工程S12)。ここでは、レーザ加工位置として、基板10の厚さ方向(表面11a及び裏面11bに交差する方向)であるZ方向に関するレーザ光Lの集光点の位置を設定する。
【0030】
続いて、図4に示されるように、レーザ加工を実施する(工程S13)。この工程S13では、第1基板11の裏面11b側から、レーザ加工ヘッド3によりレーザ光Lを基板10に照射する。より具体的には、制御部5が移動機構4を制御することにより、工程S12で設定されたレーザ加工位置にレーザ光Lの集光点が位置するようにレーザ加工ヘッド3をZ方向に沿って移動させる。その状態において、制御部5がレーザ加工ヘッド3を制御することにより、基板10にレーザ光Lを照射し、機能素子層12にレーザ光Lを集光させる。
【0031】
これと共に、制御部5が移動機構4を制御することにより、支持部2を回転させながらレーザ加工ヘッド3をX方向及び/又はY方向に沿って移動させ、レーザ光Lの集光点を仮想面M1に沿って移動させる。これにより、機能素子層12の内部に、仮想面M1に沿って改質領域が形成される。ここでは、改質領域は、Z方向からみて機能素子層12の全体にわたって広がるように形成される。その後、基板10を支持部2から取り外す(工程S14)。以上により、剥離加工が終了される。
【0032】
ここで、剥離加工時における問題点に関する本発明者の知見について説明する。図5では、1号機、2号機、及び、3号機の3台のレーザ加工装置1を用いて剥離加工を行った例が挙げられている。
【0033】
図5の表中の「B」は、図6の(a)に示されるように、機能素子層12に改質領域15Aが形成されるものの、改質領域15Aの周囲に剥離部分が生じていないという加工結果を示す。図5の表中の「A」は、図6の(b)に示されるように、機能素子層12に改質領域15Aが形成され、且つ、改質領域15Aの周囲に剥離部分15Bが生じているという加工結果を示す。さらに、図5の表中の「C」は、図6の(c)に示されるように、機能素子層12に改質領域15A及び剥離部分15Bが形成されるものの、ダメージ15Cが生じている加工結果を示す。剥離加工に望ましい加工結果は、「A」である。
【0034】
図5に示されるように、1号機では、レーザ光Lのエネルギーが230μJ~250μJである場合に望ましい加工結果「A」が得られている。2号機では、レーザ光Lのエネルギーが200μJ~230μJである場合に望ましい加工結果「A」が得られている。3号機では、レーザ光Lのエネルギーが240μJ~260μJである場合に望ましい加工結果「A」が得られている。このように、1号機~3号機の間で加工特性に機差が生じていることが理解される。
【0035】
このような機差は、1号機~3号機の間で、レーザ光Lを基板10に向けて集光するための対物レンズの種類や、対物レンズに入射するレーザ光Lのビーム径等の各種の仕様や設定が異なるためであると考えられる。したがって、剥離加工時には、このような機差を抑制することによって、レーザ加工装置1の仕様や設定を問わずに均一な加工特性が得られるようにすることが望ましい。そこで、レーザ加工装置1では、当該機差を抑制するために次のようなレーザ加工方法を実施する。
【0036】
以下のレーザ加工方法は、基準データを作成するためのデータ作成方法を含む。図7に示されるように、この方法では、まず、基準パルス幅を計測する(工程S21)。基準パルス幅は、複数のレーザ加工装置1のうちの基準となる1つのレーザ加工装置1(以下、「基準加工装置」という場合がある)のレーザ加工ヘッド3からのレーザ光Lのパルス幅の実測値である。基準加工装置は、例えば上記の1号機~3号機のうちの1つ(例えば1号機)であってもよい。
【0037】
この工程S21では、制御部5が基準加工装置の加工用光源31を制御することによって加工用光源31からレーザ光Lを出射させる。これと共に、この工程S21では、制御部5が基準加工装置のパルス波形センサ41を制御することによって、図8の(a)に示されるようなレーザ光Lのパルス波形を取得する。そして、制御部5が、得られたパルス波形に基づいて、レーザ光Lのパルス幅(実測値)を取得する。ここで取得されたパルス幅の実測値が基準パルス幅である。パルス幅は、パルス波形の半値幅であってもよい。しかし、ここでは、パルス幅は、パルス波形の0V-0V間の全幅である。また、取得されたパルス幅(実測値)を出力するパルス幅の設定値は、一例として、パルス幅の設定可能な範囲の下限を0%とし上限を100%とした場合、当該上限の80%とされている。制御部5は、取得されたパルス幅を記憶する(工程S22)。
【0038】
続いて、基準加工特性を取得する(工程S23)。より具体的には、ここでは、まず、支持部2に基板10(以下、「基準対象物」という場合がある)が支持された状態とされる。その状態において、基準加工装置の制御部5が基準加工装置の加工用光源31(加工用照射部)を制御することによって加工用光源31からレーザ光Lを出射させる。これにより、裏面11b側から基準対象物の機能素子層12である基準層にレーザ光Lを照射し、当該基準層に改質領域を形成する(基準加工工程)。
【0039】
その後、この工程S23では、制御部5が観察用光源32(観察用照射部)を制御することによって観察用光源32から観察用透過光L0を出射させる。これにより、裏面11b側から基準層に観察用透過光L0を照射する。これと共に、制御部5が第1撮像素子34を制御することによって、基準層からの観察用透過光L0(反射光)を撮像する。これにより、基準層の加工特性である基準加工特性を取得する(基準特性取得工程)。基準加工特性は、例えば加工後の基準層の画像である。そして、制御部5は、取得された基準加工特性を記憶する(工程S24)。制御部5は、基準加工特性と基準パルス幅とを対応付けて記憶する。
【0040】
このとき、制御部5は、加工用のレーザ光Lのパルス幅を一定に維持しつつパルスエネルギーを変更しながら、複数回にわたって工程S23,S24を実行する。これにより、複数のパルスエネルギーでの基準加工特性を取得することができる。これにより、例えば図5の表のうちの1つのレーザ加工装置1(例えば1号機)の欄に示されるような一連の基準加工特性が得られることとなる。得られた基準加工特性のうち、望ましい加工結果「A」が得られる最も低いエネルギーの加工特性が、加工閾値となる。
【0041】
以上により、制御部5は、特性取得工程で得られた基準加工特性に対して、当該基準加工特性が得られたときの加工用のレーザ光Lのパルス幅の実測値を基準パルス幅として対応付けることにより、基準加工特性と当該基準加工特性に対応付けられた基準パルス幅とを含む基準データを生成することとなる(生成工程)。特に、基準データは、基準加工特性として、改質領域15Aが形成された状態の機能素子層12(基準層)の画像である基準画像を含む。
【0042】
以上が、レーザ加工装置1が実行するデータ生成方法である。なお、生成された基準データは、基準加工装置の制御部5のみが保持していてもよい。或いは、生成された基準データは、他のレーザ加工装置1の制御部5に提供されてそれぞれの制御部5が保持していてもよい。さらには、生成された基準データは、複数のレーザ加工装置1の制御部5がネットワークを介してアクセス可能な別途の記憶装置に保持されていてもよい。すなわち、基準データは、後述する調整対象加工装置の制御部5がアクセス可能な任意の記憶装置に保持され得る。また、基準加工装置は、調整対象加工装置とは異なる環境下に設置されていてもよい。
【0043】
引き続いて、複数のレーザ加工装置1のうちの基準加工装置と異なるレーザ加工装置1のパルス幅の調整が行われる。以下、パルス幅の調整の対象となるレーザ加工装置1を「調整対象加工装置」という場合がある。調整対象加工装置は、一例として上記の2号機又は3号機である。
【0044】
ここでは、まず、調整対象加工装置の制御部5が、調整対象加工装置の加工用光源31(加工用照射部)を制御することによって、加工用光源31でのレーザ光Lのパルス幅を所定の設定値に設定する(工程S25)。ここでは、制御部5は、レーザ光Lのパルス幅を自動的に所定の設定値に調整してもよい。或いは、制御部5は、パルス幅の設定値の入力を促す情報を表示部6に表示させると共に、当該情報に基づいて表示部6に入力された値に設定してもよい。このように、表示部6は、画像を表示するための表示部であると共に、入力を受け付けるための入力受付部でもある。
【0045】
続いて制御部5がパルス幅を計測することにより、レーザ光Lのパルス幅の実測値を取得する(工程S26)。より具体的には、この工程S26では、まず、制御部5が加工用光源31を制御することによって加工用光源31からレーザ光Lを出射させる。これと共に、制御部5が調整対象加工装置のパルス波形センサ41を制御することによって、図8の(b)に示されるようにレーザ光Lのパルス波形を取得する。そして、制御部5が、得られたパルス波形に基づいて、レーザ光Lのパルス幅(実測値)を取得する。
【0046】
制御部5は、レーザ光Lのパルス幅の設定値を変更しながら複数回のレーザ光Lの出射及びパルス波形の取得を行う。これにより、制御部5は、複数のパルス幅の設定値と実測値との組み合わせを取得する。図8の(b)の例では、一例として、パルス幅の設定可能な範囲の下限を0%とし上限を100%とした場合、当該上限の30%から60%の範囲で10%ごとに設定値を変更している。
【0047】
このように、この工程S26では、制御部5は、加工用光源31から出射された加工用のレーザ光Lをパルス波形センサにより検出してパルス波形を取得することによって、レーザ光Lのパルス幅の設定値と当該設定値におけるレーザ光Lのパルス幅の実測値とを取得するパルス幅取得処理を、当該設定値を変更しながら複数回実行することにより、レーザ光Lのパルス幅の複数の設定値のそれぞれに対応付けられた複数の実測値を取得することとなる。そして、制御部5は、得られたパルス幅の設定値・実測値を記憶する(工程S27)。
【0048】
続く工程では、制御部5が、パルス幅を仮決定する(工程S28)。より具体的には、この工程S28では、制御部5が、基準データに基づいて、工程S26,S27で取得・記憶された複数の実測値のうち、工程S21,S22で取得・記憶された基準パルス幅に最も近い実測値となる設定値を仮決定値として決定する(仮決定する)。一例として、パルス幅の複数の実測値のうちの基準パルス幅に最も近い実測値となる仮設定値の取得は、制御部5が自動的に行うことができる。図8の(b)の例では、基準パルス幅(実測値)に最も近いのは、設定値40%で出力される実測値であった。このため、ここでは40%が仮設定値として決定される。なお、以下では、「基準パルス幅に最も近いパルス幅を出力する仮設定値40%」との表記を省略し、単に、「40%」等の表記とする。
【0049】
続いて、実際にレーザ加工を行う(工程S29)。より具体的には、ここでは、まず、調整対象加工装置の支持部2に基板10が支持された状態とされる。その状態において、制御部5が、調整対象加工装置の移動機構4を制御することにより、工程S12で設定されたレーザ加工位置にレーザ光Lの集光点が位置するように、調整対象加工装置のレーザ加工ヘッド3をZ方向に沿って移動させる。その状態において、図9の(a)に示されるように、制御部5がレーザ加工ヘッド3(加工用照射部)を制御することによって、裏面11b側から基板10にレーザ光Lを照射し、機能素子層12にレーザ光Lを集光させる。このとき、レーザ光Lのパルス幅は、工程S28で決定された仮設定値とされる。
【0050】
これと共に、制御部5が移動機構4を制御することにより、支持部2を回転させながらレーザ加工ヘッド3をX方向及び/又はY方向に沿って移動させ、レーザ光Lの集光点を仮想面M1に沿って移動させる。これにより、機能素子層12の内部に、仮想面M1に沿って改質領域15Aが形成される(さらに、剥離部分15B及びダメージ15Cが形成される場合もある)。
【0051】
すなわち、この工程S29では、制御部5は、レーザ加工ヘッド3(加工用照射部)及び移動機構4を制御することによって、機能素子層12に加工用のレーザ光Lを照射し、仮想面M1に沿って機能素子層12に改質領域15Aを形成する加工処理を実行することとなる。このとき、制御部5は、レーザ光Lのパルス幅の設定値を上記の仮設定値とする。
【0052】
続く工程では、加工特性の取得を行う(工程S30)。より具体的には、制御部5が移動機構4を制御することによって、観察用透過光L0がレーザ加工位置(機能素子層12における改質領域15Aが形成されたZ方向の位置)に照射されるように、調整対象加工装置のレーザ加工ヘッド3をZ方向に沿って移動させる。その状態において、図9の(b)に示されるように、制御部5がレーザ加工ヘッド3(観察用照射部)を制御することによって、裏面11b側から基板10に観察用透過光L0を照射する。
【0053】
これと共に、制御部5が第1撮像素子34を制御することにより、観察用透過光L0(機能素子層12からの反射光)を撮像する。これにより、制御部5は、工程S29においてレーザ光Lが照射されて加工された機能素子層12の画像を加工特性として取得する。その後、制御部5は、取得された加工特性を記憶する(工程S31)。
【0054】
このように、制御部5は、レーザ加工ヘッド3及び第1撮像素子34を制御することによって、機能素子層12に観察用透過光L0を照射すると共に機能素子層12からの観察用透過光L0を撮像し、加工処理での機能素子層12の加工特性を取得する特性取得処理を実行することとなる。特に、制御部5は、特性取得処理において、改質領域15Aが形成された状態の機能素子層12を、観察用透過光L0を用いて撮像することにより、当該機能素子層12の画像である加工画像を加工特性として取得することとなる。
【0055】
このとき、制御部5は、加工用のレーザ光Lのパルスエネルギーを(パルス幅を一定に維持しつつ)変更しながら、複数回にわたって工程S29~S31を実行することにより、複数のパルスエネルギーでの加工特性を取得することができる。これにより、例えば図5の表のうちの基準加工装置と異なるレーザ加工装置1(例えば2号機)の欄に示されるような一連の加工特性が得られることとなる。得られた加工特性のうち、望ましい加工結果「A」が得られる最も低いパルスエネルギーが、ここでの加工閾値となる。
【0056】
続く工程では、工程S30で取得された加工特性が基準加工特性に一致するか否かの判定が行われる(工程S32)。ここでは、一例として、当該判定を制御部5が自動的に行うことができる。この場合、制御部5は、まず、基準データに含まれる基準加工特性としての基準画像の画像認識を行うことにより、異なるパルスエネルギーで得られた複数の基準画像のそれぞれに対して、「A」、「B」、及び「C」のいずれの加工結果であるかを判別する。そして、制御部5は、「A」と判別された基準画像が得られる最も低いパルスエネルギーを、基準加工装置の加工閾値(基準加工閾値)として認識する。
【0057】
一方、制御部5は、工程S30で取得された加工特性としての画像の画像認識を行うことにより、異なるパルスエネルギーで得られた複数の加工画像のそれぞれに対して、「A」、「B」、及び「C」のいずれの加工結果であるかを判別する。そして、制御部5は、「A」と判別された画像が得られる最も低いパルスエネルギーを、調整加工装置の加工閾値として認識する。そして、制御部5は、基準加工装置の加工閾値である基準加工閾値と、調整加工装置の加工閾値とが一致するか否かの判定を行う。このように、制御部5は、画像処理により基準画像(基準加工閾値)と調整対象加工装置による加工画像(加工閾値)とを比較して基準画像と加工画像とが一致するか否かを判定することとなる。
【0058】
この判定の結果、調整加工装置の加工閾値が、基準加工閾値を含む所定範囲(例えば基準加工閾値±5μJ)に含まれる場合、制御部5は、基準加工閾値と調整加工装置の加工閾値とが一致する、すなわち、基準加工特性と調整加工装置の加工特性とが一致すると判定することができる。(工程S32:YES)。一方、制御部5は、調整加工装置の加工閾値が、基準加工閾値を含む所定範囲(例えば基準加工閾値±5μJ)に含まれない場合、基準加工閾値と調整加工装置の加工閾値とが一致しない、すなわち、基準加工特性と調整加工装置の加工特性とが一致しないと判定することができる。(工程S32:NO)。
【0059】
工程S32の判定の結果、工程S30で取得された加工特性が基準加工特性に一致する場合(工程S32:YES)、制御部5が、工程S29で機能素子層12に照射されたレーザ光Lのパルス幅の設定値(工程S28で仮決定された設定値)を最終的な設定値として決定し(工程S33)、処理を終了する。
【0060】
一方、工程S32の判定の結果、工程S30で取得された加工特性が基準加工特性に一致しない場合(工程S32:NO)、制御部5は、レーザ光Lのパルス幅の設定値を調整する(工程S34、調整工程)。ここでは、パルス幅の仮設定値を決定するために工程S26でパルス幅を変更しながらレーザ光Lの照射・撮像を行った場合よりも、細かい調整幅での微調整が行われる。工程S26では、10%分の刻み幅でパルス幅を変更する例を挙げている。このため、基準加工特性に一致する加工特性が得られる真のパルス幅の値が、仮設定値から±10%の範囲に存在すると推定される。よって、この工程S34での調整幅を、一例として5%分とすることができる。
【0061】
この後、制御部5は、微調整後のパルス幅により、工程S29~工程S31を繰り返し実施する。そして、制御部5は、再度、工程S32において判定を行う。すなわち、制御部5は、基準加工特性に一致する加工特性となるパルス幅が得られるまで、工程S29~工程S32を繰り返し実施することとなる。結果的に、制御部5は、加工特性に応じて加工用のレーザ光Lのパルス幅の調整を行う調整処理を実行するものであり、特に、調整処理では、基準パルス幅と基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データに基づいて、特性取得処理において取得された加工特性が基準加工特性に一致しない場合に、当該加工特性が基準加工特性に一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整することとなる。
【0062】
図10に示されるように、パルス幅の当初の仮設定値が40%であり、調整対象加工装置(2号機)の加工特性(加工閾値)が基準データの加工特性である基準加工特性(基準加工閾値)と相違している場合であっても、5%分のパルス幅の調整を行ってパルス幅を45%とすることにより、調整対象加工装置の加工特性(加工閾値)を基準加工特性(基準加工閾値)に一致させることができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工装置1及びレーザ加工方法では、基板10にレーザ光Lを照射するレーザ加工と、当該基板10を、観察用透過光L0を用いて撮像することにより、当該基板10の加工特性を取得する特性取得と、が行われる。そして、取得された加工特性が所定の基準データに含まれる基準加工特性と一致しない場合に、加工特性が基準加工特性に一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整する。この結果、加工特性が所定の基準に一致するようにレーザ光Lのパルス幅が調整されることとなる。したがって、複数のレーザ加工装置1で基準データを共通させることにより、加工特性の機差の抑制が可能となる。なお、加工特性は、例えば、基板10における改質領域15Aの形成状態や、改質領域15Aの周囲における剥離部分15Bの形成状態や、ダメージ15Cの有無等である。
【0064】
また、レーザ加工装置1は、レーザ光Lを検出してレーザ光Lのパルス波形を取得するパルス波形センサ41を備える。制御部5は、加工用光源31から出射されたレーザ光Lをパルス波形センサ41により検出してパルス波形を取得することによって、レーザ光Lのパルス幅の設定値と当該設定値におけるレーザ光Lのパルス幅の実測値とを取得するパルス幅取得処理を、設定値を変更しながら複数回実行することにより、レーザ光Lのパルス幅の複数の設定値のそれぞれに対応付けられた複数の実測値を取得すると共に、基準データに基づいて、複数の実測値のうち基準パルス幅に最も近い実測値となる設定値を仮設定値として決定する。さらに、加工処理では、制御部5は、レーザ光Lのパルス幅の設定値を仮設定値とする。このため、加工特性が基準加工特性に一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整する際の調整幅を限定することが可能となる。
【0065】
また、レーザ加工装置1では、基準データは、基準加工特性として、レーザ光Lが照射された基準対象物の画像である基準画像を含む。特性取得処理では、制御部5は、レーザ光Lが照射された基板10を、観察用透過光L0を用いて撮像することにより、当該基板10の画像である加工画像を加工特性として取得する。そして、調整処理では、制御部5は、画像処理により基準画像と加工画像とが一致しない場合に、基準画像と加工画像とが一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整する。このように一連の処理を自動化することが可能となる。
【0066】
ここで、レーザ加工装置1は、制御部5が調整処理を行わずに、基準パルス幅と基準パルス幅に対応付けられた基準加工特性とを含む基準データと特性取得処理において取得された加工特性との比較に係る情報を提示してもよい。この場合、ユーザによって、提示された情報に基づいて、加工特性が基準加工特性と一致するか否かの判定を行い、加工特性が基準加工特性に一致しない場合には、加工特性が基準加工特性に一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整することが可能となる。したがって、複数のレーザ加工装置1で基準データを共通させることにより、加工特性の機差の抑制が可能となる。
【0067】
以上の実施形態は、本発明の一態様を説明したのものである。したがって、本発明は、上記の一態様に限定されることなく任意に変形され得る。引き続いて、変形例について説明する。
【0068】
図11に示されるように、第1変形例に係るレーザ加工装置101は、レーザ加工ヘッド3が第2撮像素子35を更に有する点で、上記実施形態と異なる。第2撮像素子35は、レーザ光Lに感度を更に有し、レーザ光Lの照射に応じて反射した反射光を更に受光する。本実施形態では、基板10に照射されて反射されたレーザ光Lの反射光が、集光部33及びダイクロイックミラーH1,H2,H3を介して第2撮像素子35で検出される。例えば第2撮像素子35は、レーザ光Lのビーム形状に係る像を画像として取得する。第2撮像素子35は、撮像結果を制御部5へ出力する。なお、本実施形態の第1撮像素子34は、レーザ光Lに感度を有していなくてもよい。表示部6は、第2撮像素子35の撮像結果を更に表示してもよい。
【0069】
このようなレーザ加工装置101であっても、実施形態に係るレーザ加工装置1と同様の効果を奏することが可能である。さらに、レーザ加工装置101によれば、第2撮像素子35をさらに備えているため、第2撮像素子35の撮像結果を利用して、レーザ光Lのビーム形状等を把握することができる。
【0070】
図12に示されるように、第2変形例に係るレーザ加工装置201は、レーザ加工ヘッド3(図1参照)に代えてレーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bを備える点で、上記実施形態と異なる。
【0071】
レーザ加工ヘッド3Aは、加工用光源31、集光部33A及び第2撮像素子35を有する。集光部33Aは、レーザ光Lを支持部2によって支持された基板10に集光する。ここでは、加工用光源31から出射されたレーザ光LがダイクロイックミラーH1によって反射され、集光部33Aに入射する。集光部33Aは、そのように入射したレーザ光Lを基板10に向けて集光する。集光部33Aは、例えば複数の集光用レンズから成るレンズユニットを含んで構成されている(ただし、単レンズであってもよい)。集光部33Aのレンズユニットとしては、低NAのレンズユニットを利用することができる。第2撮像素子35は、レーザ光Lに感度を更に有し、レーザ光Lの照射に応じて反射した反射光を更に受光する。例えば第2撮像素子35は、レーザ光Lのビーム形状に係る像を画像として取得する。第2撮像素子35は、撮像結果を制御部5へ出力する。
【0072】
観察用ヘッド3Bは、観察用光源32、集光部33B及び第1撮像素子34を有する。集光部33Bは、観察用透過光L0を支持部2によって支持された基板10に向けて集光する。本実施形態では、観察用光源32から出射された観察用透過光L0がダイクロイックミラーH2によって反射され、集光部33Bに入射する。集光部33Bは、そのように入射した観察用透過光L0を基板10に集光する。集光部33Bは、集光部33Aと同様に、例えば複数の集光用レンズから成るレンズユニットを含んで構成されている(ただし、単レンズであってもよい)。
【0073】
このようにレーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bは、互いに別体で構成されており、レーザ光Lと観察用透過光L0とをそれぞれ出射する。レーザ加工ヘッド3Aは、レーザ光Lを基板10に裏面11b側から照射する加工用照射部を構成し、観察用ヘッド3Bは、観察用透過光L0を基板10に裏面11bから照射する観察用照射部を構成する。レーザ加工ヘッド3Aは、レーザ光Lを変調する空間光変調器を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、ここでは、移動機構4は、レーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bを独立してZ方向に移動可能であってもよいし、レーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bを一体的にZ方向に移動可能であってもよい。
【0074】
このようなレーザ加工装置201であっても、実施形態に係るレーザ加工装置1と同様の効果を奏することが可能である。さらに、レーザ加工装置201によれば、加工用照射部及び観察用照射部をそれぞれレーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bとして別体で構成しつつ、レーザ光L及び観察用透過光L0のそれぞれをレーザ加工ヘッド3A及び観察用ヘッド3Bのそれぞれから別軸で出射することができる。
【0075】
図13に示されるように、観察用ヘッド3Bは、複数の集光部33B及び複数の第1撮像素子34を有していてもよい。複数の集光部33Bに含まれる各レンズユニットの倍率は、互いに異なっていてもよい。この場合、複数の集光部33Bのうち最も倍率が高いレンズユニットを含む集光部33Bを用いて、基板10に観察用透過光L0を集光させてもよい。
【0076】
図14に示されるように、第3変形例に係るレーザ加工装置301は、レーザ加工ヘッド3(図1参照)に代えてレーザ加工ヘッド303を備える点で、実施形態に係るレーザ加工装置1と異なる。
【0077】
レーザ加工ヘッド303は、加工用光源31、集光部333A、第1撮像素子34、観察用光源32、集光部333B及び第2撮像素子35を有する。集光部333Aは、レーザ光Lを支持部2によって支持された基板10に向けて集光する。ここでは、加工用光源31から出射されたレーザ光LがダイクロイックミラーH1によって反射され、集光部333Aに入射する。集光部333Aは、そのように入射したレーザ光Lを基板10に向けて集光する。集光部333Aは、例えば複数の集光用レンズから成るレンズユニットを含んで構成されている(ただし、単レンズであってもよい)。集光部333Aのレンズユニットとしては、低NAのレンズユニットを利用することができる。
【0078】
集光部333Bは、観察用透過光L0を支持部2によって支持された基板10に向けて集光する。ここでは、観察用光源32から出射された観察用透過光L0がダイクロイックミラーH2によって反射され、集光部333Bに入射する。集光部333Bは、そのように入射した観察用透過光L0を基板10に向けて集光する。集光部333Bは、集光部333Aと同様に、例えば複数の集光用レンズから成るレンズユニットを含んで構成されている(ただし、単レンズであってもよい)。第2撮像素子35は、レーザ光Lに感度を更に有し、レーザ光Lの照射に応じて反射した反射光を更に受光する。例えば第2撮像素子35は、レーザ光Lのビーム形状に係る像を画像として取得する。第2撮像素子35は、撮像結果を制御部5へ出力する。
【0079】
このようなレーザ加工ヘッド303は、レーザ光Lと観察用透過光L0とを別軸で出射する。レーザ加工ヘッド303は、レーザ光Lを基板10に裏面11b側から照射する加工用照射部と観察用透過光L0を基板10に裏面11bから照射する観察用照射部とを構成する。レーザ加工ヘッド303は、レーザ光Lを変調する空間光変調器を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0080】
このようなレーザ加工装置301であっても、上記実施形態に係るレーザ加工装置1と同様の効果を奏することができる。また、レーザ加工装置301によれば、加工用照射部及び観察用照射部をレーザ加工ヘッド303として一体で構成しつつ、当該レーザ加工ヘッド303からレーザ光Lと観察用透過光L0とを別軸で出射することができる。
【0081】
ここで、上記実施形態では、Z方向から見て、機能素子層12の全領域に広がる仮想面M1を設定し、改質領域を機能素子層12の全領域に広がるように形成(全面層間剥離加工)を例示したが、これに限定されない。Z方向から見て、機能素子層12の一部領域に広がる仮想面を設定し、改質領域を機能素子層12の一部領域に広がるように形成してもよい。この場合、機能素子層12の一部領域に形成された改質領域を利用して、基板10(機能素子層12)を部分的に剥離することができる。
【0082】
例えば図15(a)に示されるように、Z方向から見て、機能素子層12の外周部分に広がる仮想面M2を設定し、改質領域を機能素子層12の外周部分に広がるように形成してもよい(外周部層間剥離加工)。また例えば図15(b)に示されるように、Z方向から見て、機能素子層12の内周部分に広がる仮想面M3を設定し、改質領域を機能素子層12の内周部分に広がるように形成してもよい(内周部層間剥離加工)。
【0083】
また例えば図16(a)に示されるように、Z方向から見て、弓形の仮想面M4を設定し、改質領域を機能素子層12における弓形の一部分に広がるように形成してもよい(部分層間剥離加工)。また例えば図16(b)に示されるように、Z方向から見て、円形のうち一対の弓形に挟まれた一部分に広がる仮想面M5を設定し、改質領域を機能素子層12における当該一部分に広がるように形成してもよい(部分層間剥離加工)。
【0084】
上記実施形態では、基板10の種類、基板10の形状、基板10のサイズ、基板10が有する結晶方位の数及び方向、並びに、基板10の主面の面方位は特に限定されない。上記実施形態では、基板10は、結晶構造を有する結晶材料を含んで形成されていてもよいし、これに代えてもしくは加えて、非結晶構造(非晶質構造)を有する非結晶材料を含んで形成されていてもよい。結晶材料は、異方性結晶及び等方性結晶の何れであってもよい。例えば基板10は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、LiTaO、ダイアモンド、GaOx、サファイア(Al)、ガリウム砒素、リン化インジウム、ガラス、及び無アルカリガラスの少なくとも何れかで形成された基板を含んでいてもよい。
【0085】
上記実施形態では、改質領域は、例えば基板10の内部に形成された結晶領域、再結晶領域、又は、ゲッタリング領域であってもよい。結晶領域は、基板10の加工前の構造を維持している領域である。再結晶領域は、一旦は蒸発、プラズマ化あるいは溶融した後、再凝固する際に単結晶あるいは多結晶として凝固した領域である。ゲッタリング領域は、重金属等の不純物を集めて捕獲するゲッタリング効果を発揮する領域であり、連続的に形成されていてもよいし、断続的に形成されていてもよい。上記実施形態は、アブレーション等の加工へ適用されてもよい。
【0086】
さらに、上記実施形態では、制御部5が、調整対象加工装置でのレーザ光Lのパルス幅と基準パルス幅との比較や、調整対象加工装置の加工特性を示す加工画像と基準加工装置の加工特性を示す基準画像とが一致しているか否かの判定を行うと共に、加工画像と基準画像とが一致していない場合にレーザ光のパルス幅を調整する場合について例示した。しかし、これらの比較、判定及び調整に係る処理は、制御部5が自動で行う場合に限定されない。
【0087】
すなわち、制御部5は、比較や判定に係る情報をユーザに提示、ユーザによる比較や判定の結果に応じた入力を受け付けるようにされてもよい。より具体的には、制御部5は、調整処理において、表示部6に基準画像及び加工画像を表示させてユーザに提示すると共に、レーザ光Lのパルス幅が、表示部6がユーザより入力を受け付けた値となるように当該パルス幅を調整するようにしてもよい。
【0088】
同様に、制御部5は、基準パルス幅の算出の基となるパルス波形と、調整対象加工装置でのレーザ光Lのパルス波形と、を表示部6に表示させてユーザに提示すると共に、表示部6がユーザにより入力を受け付けたパルス幅の値を仮設定値として決定してもよい。これらの場合、制御部5の処理負荷が低減される。
【0089】
また、上記の例では、パルス波形センサ41を用いてレーザ光Lのパルス波形を取得し、そのパルス波形に基づいてレーザ光Lのパルス幅の実測値を取得する場合について例示した。しかし、パルス幅の実測値の取得は必須ではない。例えば、調整処理では、制御部5は、レーザ光Lのパルス幅の実測値を取得することなく、特性取得処理において取得された加工特性が基準加工特性に一致しない場合に、加工特性の比較に基づいて、加工特性が基準加工特性に一致するようにレーザ光Lのパルス幅を調整することも可能である。
【0090】
さらに、上記実施形態では、基板10が第1基板11及び第2基板13を有するが、これに限定されない。基板10は、例えば第2基板13を有していなくてもよい。
【0091】
上述した実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。また、上述した実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1…レーザ加工装置、2…支持部、3…レーザ加工ヘッド(加工用照射部、観察用照射部)、5…制御部、6…表示部(表示部、入力受付部)、10…基板、11…第1基板、11a…表面(第1主面)、11b…裏面(第2主面)、12…機能素子層、13…第2基板、L…レーザ光(加工用レーザ光)、L0…観察用透過光。
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