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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241101BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241101BHJP
【FI】
F21S2/00 411
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022107154
(22)【出願日】2022-07-01
(65)【公開番号】P2024006348
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】笠井 大輔
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021695(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0100696(US,A1)
【文献】特開2022-056369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の側面に接する第1透光性部材と、
前記光源の上及び前記第1透光性部材の上に配置され、複数の凹部を有する光調整部材と、
断面視において、前記光源と前記光調整部材との間、及び前記第1透光性部材と前記光調整部材との間に配置された第2透光性部材と、
を備え
前記光調整部材は、複数の貫通孔をさらに有し、
前記複数の貫通孔のうちの平面視において隣り合う貫通孔の間に、前記複数の凹部の少なくとも1つが位置する発光モジュール。
【請求項2】
光源と、
前記光源の側面に接する第1透光性部材と、
前記光源の上及び前記第1透光性部材の上に配置され、複数の凹部を有する光調整部材と、
断面視において、前記光源と前記光調整部材との間、及び前記第1透光性部材と前記光調整部材との間に配置された第2透光性部材と、
を備え
前記複数の凹部は、平面視における前記光源との最短距離が第1距離である第1凹部と、平面視における前記光源との最短距離が前記第1距離よりも長い第2距離である第2凹部と、を有し、
前記第2凹部の第2深さは、前記第1凹部の第1深さよりも深い発光モジュール。
【請求項3】
前記複数の凹部の少なくとも1つは、前記第2透光性部材側に開口を有し、
前記複数の凹部の少なくとも1つの底面と前記第2透光性部材との間に位置し、前記光調整部材の屈折率及び前記第2透光性部材の屈折率よりも低い屈折率を有する反射体をさらに備える請求項1または2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記反射体は、気体である請求項に記載の発光モジュール。
【請求項5】
断面視において、前記反射体の横方向の最大長さが、縦方向の最大長さの2倍以上である請求項またはに記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記複数の凹部の少なくとも1つは、平面視において前記光源から離れた位置にある請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記複数の凹部の少なくとも1つは、平面視において前記光源に重なる位置にある請求項1または2に記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記光調整部材は、複数の貫通孔をさらに有し、
前記複数の貫通孔のうちの平面視において隣り合う貫通孔の間に、前記複数の凹部の少なくとも1つが位置する請求項に記載の発光モジュール。
【請求項9】
平面視において、前記複数の凹部の少なくとも1つは前記光源を連続して囲む請求項1または2に記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記第1透光性部材の側面に接する導光部材をさらに備え、
前記第2透光性部材及び前記光調整部材は、前記第1透光性部材の前記側面と前記導光部材との界面の上端を覆う請求項1または2に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光部材とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。例えば、特許文献1には、反射シート及び複数の発光ダイオードが設けられたLED基板と、LED基板と対向する拡散板とを備えたバックライト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-61929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、輝度むらを低減できる発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、光源と、前記光源の側面に接する第1透光性部材と、前記光源の上及び前記第1透光性部材の上に配置され、複数の凹部を有する光調整部材と、断面視において、前記光源と前記光調整部材との間、及び前記第1透光性部材と前記光調整部材との間に配置された第2透光性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、輝度むらを低減できる発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
図2図1における1つの光源の上方の領域の拡大平面図である。
図3図2のIII-III線における模式断面図である。
図4A図2のIV-IV線における模式断面図である。
図4B】凹部の第1の変形例を示す模式断面図である。
図5】凹部の第2の変形例を示す模式平面図である。
図6】凹部の他の配置例を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態の発光モジュールについて説明する。実施形態に記載されている構成部の寸法、材料、形状、相対的配置などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「上(又は下)」と表現する位置関係は、例えば、2つの部材があると仮定した場合に、2つの部材が接している場合と、2つの部材が接しておらず一方の部材が他方の部材の上方(又は下方)に位置している場合を含む。また、特定的な記載がない限り、部材が被覆対象を覆うとは、部材が被覆対象に接して被覆対象を直接覆う場合と、部材が被覆対象に非接触で被覆対象を間接的に覆う場合を含む。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸、及びZ軸により方向を示す場合がある。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。発光モジュールの発光面はXY平面に平行であり、Z軸はXY平面に直交する。また、Z軸の矢印方向を上方とし、Z軸の矢印方向と反対側の方向を下方とする。また、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向とする。例えば、本明細書において、X軸に沿う方向を第1方向X、Y軸に沿う方向を第2方向Y、Z軸に沿う方向を第3方向Zとする。第3方向Zは、実施形態の発光モジュール及び面状光源の厚さ方向である。また、本明細書において、特に他の言及がない限り、各部材の厚さとは、第3方向Zにおける各部材の上面から各部材の下面までの距離が最大になるときの値とする。
【0011】
実施形態の発光モジュール100及び面状光源300について、図1から図6を参照して説明する。
【0012】
図3に示すように、面状光源300は、発光モジュール100を備える。発光モジュール100は、光源10と、第1透光性部材21と、光調整部材30と、第2透光性部材22とを備える。
【0013】
<光源>
実施形態の発光モジュール100は、複数の光源10を備える。また、発光モジュール100は、1つの光源10を備えてもよい。光源10は、発光素子11を含む。発光素子11は、半導体構造体を含む。半導体構造体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層とを含む。また、発光素子11は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。n側電極及びp側電極は、発光素子11の下面の一部を構成する。さらに、光源10は、正負の一対の電極12を含む。正負の一対の電極12は、光源10の下面の一部を構成する。一対の電極12のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。尚、光源10は電極12を含んでいなくてもよい。光源10が電極12を含んでいない場合には、発光素子11のn側電極とp側電極が、光源10の下面の一部を構成する。また、光源10はサファイア又は窒化ガリウム等の基板を備えていなくてもよい。これにより、第3方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0014】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体構造体としては、例えばInAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体構造体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体構造体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体構造体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体構造体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0015】
1つの光源10は、1つの発光素子11を含んでいる。1つの光源10は、複数の発光素子11を含んでいてもよい。1つの光源10が含む複数の発光素子の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。例えば、1つの光源10が2つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。例えば、1つの光源10が3つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。
【0016】
図3に示す例では、光源10は、さらに透光性部材13(以下、光源透光性部材という)を含むことができる。光源透光性部材13は、発光素子11の上面及び側面を覆っている。光源透光性部材13によって発光素子11を保護することができる。光源透光性部材13は、発光素子11の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。これにより、第3方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0017】
光源透光性部材13は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。例えば、光源透光性部材13は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。光源透光性部材13に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0018】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、発光モジュール100上に配置してもよい。波長変換シートは、光源10からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、面状光源300としては白色光を出射することができる。例えば、青色の発光が可能な光源10と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源10と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源10と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子11と赤色の発光が可能な蛍光体を含有する光源透光性部材13とを有する光源10と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせてもよい。
【0019】
波長変換シートに用いられる黄色の発光が可能な蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の発光が可能な蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する量子ドット、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の発光が可能な蛍光体としては、緑色の発光が可能な蛍光体と同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。
【0020】
光源10は、さらに被覆部材15を含むことができる。被覆部材15は、発光素子11の下面に配置される。被覆部材15は、光源10の電極12の下面が被覆部材15から露出するように配置される。被覆部材15は、発光素子11の側面を覆う光源透光性部材13の下面にも配置される。
【0021】
被覆部材15は、発光素子11が発する光に対する反射性を有する。被覆部材15には、例えば、窒素や酸素等の気体を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材等を用いることができる。被覆部材15の樹脂部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。被覆部材15の光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。被覆部材15は、気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0022】
光源10は光調整部材14(以下、光源光調整部材という)を含むことができる。光源光調整部材14は、光源10の上面の少なくとも一部を構成する。光源光調整部材14は、発光素子11の上側に配置される。平面視において光源光調整部材14と発光素子11とが重なり、その重なる部分において光源光調整部材14が発光素子11の上側に位置する。光源光調整部材14は、光源透光性部材13の上側に配置され、光源透光性部材13の上面から出射する光の量や出射方向を調整する。光源光調整部材14は、発光素子11が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源透光性部材13の上面から出射した光の一部は光源光調整部材14により反射し、他の一部は光源光調整部材14を透過する。発光素子11のピーク波長に対する光源光調整部材14の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光源10が光源光調整部材14を含むことにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。これにより、発光モジュール100の輝度むらが低減される。
【0023】
光源光調整部材14は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。光源光調整部材14の樹脂部材としては、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材14の光散乱粒子としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。また、光源光調整部材14は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0024】
光源10は、図3に示す形態に限らない。以下に、光源10の他の形態について説明する。
【0025】
光源10は、光源光調整部材14を含まなくてもよい。これにより、光源10が発光素子11の上側に配置される光源光調整部材14を含む場合よりも、第3方向Zにおいて光源10を小型化しやすくなる。
【0026】
光源10は、被覆部材15を含まなくてもよい。例えば、発光素子11の下面、一対の電極12の下面、及び、光源透光性部材13の下面によって光源10の下面が構成されていてもよい。
【0027】
光源10は、発光素子11の単体のみであってもよい。
【0028】
光源10は、被覆部材15及び光源透光性部材13を含まず、発光素子11の上面に光源光調整部材14が配置された形態であってもよい。
【0029】
光源10は、光源透光性部材13を含まず、発光素子11の上面に光源光調整部材14が配置され、発光素子11の下面に被覆部材15が配置された形態であってもよい。
【0030】
平面視における光源10の形状は特に限定されない。平面視における光源10の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。平面視における光源10の形状が四角形の場合には、光源10の互いに平行な一対の外縁が第1方向Xと平行でもよく、第1方向Xに対して傾斜していてもよい。本実施形態では、図2に示すように、光源10の互いに平行な一対の外縁が第1方向Xに対して45°傾斜している。
【0031】
<第1透光性部材>
第1透光性部材21は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第1透光性部材21の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0032】
第1透光性部材21は、光源10の側面と接している。これにより、光源10からの光が第1透光性部材21に入射しやすくなる。第1透光性部材21に入射した光源10からの光は、第1透光性部材21内を横方向に伝搬する。
【0033】
平面視において、第1透光性部材21は光源10の周囲を連続して囲む。これにより、光源10の周囲の360°の方向において、光源10からの光が第1透光性部材21に入射しやすくなる。
【0034】
第1透光性部材21は、光源10の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていることが好ましい。これにより、第1透光性部材21が光源10の上面の全てを覆う場合よりも、第3方向Zにおいて発光モジュール100を小型化しやすくなる。第1透光性部材21は、光源10の上面の全てを露出させるように配置されていてもよい。
【0035】
第1透光性部材21は、光源10の上面の全てを覆っていてもよい。第1透光性部材21が光源10の上面の全てを覆うことによって、光源10の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、第1透光性部材21における光源10の上面を覆う部分の厚さを変更することにより、光源10の直上領域における輝度を調整できる。光源10の直上領域における輝度の調整が容易になることで、発光モジュール100の輝度むらを低減させやすくなる。
【0036】
第1透光性部材21は、第3方向Zにおいて、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光性部材21は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光性部材21が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光性部材21が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。第1透光性部材21の材料として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。
【0037】
<第2透光性部材>
第2透光性部材22は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第2透光性部材22の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0038】
図3に示すように、第2透光性部材22は、断面視において、光源10と光調整部材30との間、及び第1透光性部材21と光調整部材30との間に配置される。第2透光性部材22は、光源10と光調整部材30とを接着し、第1透光性部材21と光調整部材30とを接着する。第2透光性部材22は、光源10の上面、第1透光性部材21の上面、及び光調整部材30の下面に接する。
【0039】
第2透光性部材22の第3方向Zにおける最大厚さは、第1透光性部材21の第3方向Zにおける最大厚さよりも薄い。
【0040】
第1透光性部材21を形成するとき、樹脂の収縮によって第1透光性部材21の上面が凹面になる場合がある。この場合に、第2透光性部材22によって、光調整部材30の配置面(第2透光性部材22の上面)を平坦にしやすくできる。これにより、光調整部材30を形成しやすくなる。
【0041】
第2透光性部材22の材料としては、例えば、第1透光性部材21の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。この場合、第1透光性部材21と第2透光性部材22との屈折率差を小さくできる。これにより、第1透光性部材21と第2透光性部材22との界面における光の反射を低減でき、上方への光取り出し量を向上させやすくなる。第2透光性部材22は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0042】
<光調整部材>
発光モジュール100の発光面は、光調整部材30の上面を含む。光調整部材30は、光源10が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源10から出射した光の一部は光調整部材30により反射し、他の一部は光調整部材30を透過する。光源10のピーク波長に対する光調整部材30の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。尚、光調整部材30の透過率とは、後述する凹部31が形成されていない光調整部材30の厚さが厚い部分における値とする。
【0043】
光調整部材30は、例えば、樹脂部材(以下、光調整樹脂部材という)と、光調整樹脂部材に含まれる反射体(以下、光調整反射体という)によって構成することができる。光調整樹脂部材の材料としては、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光調整反射体の材料としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光調整反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。光調整部材30は、光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。光調整部材30は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0044】
光調整部材30は、光源10の上に配置される。図2に示すように、平面視において、光調整部材30と光源10とが重なる。光調整部材30が光源10の上に位置することにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0045】
光調整部材30は、第1透光性部材21の上に、第2透光性部材22を介して配置される。平面視において、光調整部材30と、第2透光性部材22と、第1透光性部材21とが重なる。光調整部材30が第1透光性部材21の上に位置することにより、第1透光性部材21の直上領域(光源10の周辺領域)が明るくなりすぎることを低減することができ、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0046】
光調整部材30は、複数の凹部31を有する。凹部31が配置された部分の光調整部材30の厚さは、凹部31が配置されていない部分の光調整部材30の厚さよりも薄い。光調整部材30において、凹部31は、凹部31が配置されていない部分よりも光が透過しやすい。
【0047】
光調整部材30に複数の凹部31を配置することで、光調整部材30の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、凹部31の第3方向Zの深さ、横方向の大きさ(直径又は最大幅)、位置、及び数の少なくともいずれかを変更することにより、光調整部材30によって遮られる光源10からの光を調整できる。これにより、光調整部材30の直上領域における輝度の調整が容易になるので、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減させやすくなる。
【0048】
図2に示すように、複数の凹部31の少なくとも1つは、平面視において光源10から離れた位置にある。本実施形態では、平面視において、凹部31は光源10に重なる位置にない。これにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができ、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0049】
例えば、複数の凹部31は、平面視における光源10との最短距離が第1距離である第1凹部31aと、平面視における光源10との最短距離が第1距離よりも長い第2距離である第2凹部31bとを有する。図3は第1凹部31aが配置された部分の断面図であり、図4Aは第2凹部31bが配置された部分の断面図である。
【0050】
例えば、平面視において、複数の第1凹部31aが、第1透光性部材21に重なる領域において光源10の周囲に所定間隔で配置されている。複数の第2凹部31bは、平面視において、第1透光性部材21の外側の領域において所定間隔で配置されている。これにより、凹部31の近傍において輝度が高い部分と輝度が低い部分とが混在しやすくなり、平面視において、凹部31の外縁の内側に位置する部分の輝度と、凹部31の外縁の外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。
【0051】
第1凹部31aよりも光源10からの距離が遠い第2凹部31bの第3方向Zにおける第2深さは、第2凹部31bよりも光源10からの距離が近い第1凹部31aの第3方向Zにおける第1深さよりも深いことが好ましい。第2深さを第1深さよりも深くすることで、光源10に近い第1凹部31aにおける光調整部材30の厚さを、第2凹部31bにおける光調整部材30の厚さよりも厚くすることができる。これにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができ、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0052】
凹部31は、例えば、光調整部材30に対するレーザー光の照射により形成することができる。図2に示すように、平面視における凹部31の形状は、例えば円形状である。平面視における凹部31の形状は、楕円形、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形であってもよい。
【0053】
平面視において、複数の凹部31の少なくとも1つは光源10を連続して囲んでもよい。図5に示す例では、複数の凹部31は、平面視における光源10との最短距離が第1距離である第1凹部31dと、平面視における光源10との最短距離が第1距離よりも長い第2距離である第2凹部31eとを有する。平面視において、第1凹部31dは光源10を線状に連続して囲み、第2凹部31eは第1凹部31dの外側において光源10及び第1凹部31dを線状に連続して囲んでいる。これにより、XY平面に平行な全方向において、発光モジュール100の輝度を調整しやすくなる。
【0054】
第1凹部31d及び第2凹部31eのそれぞれは、平面視において、直線状及び/又は曲線状に延びる線状部分を有している。線状部分は、直線状に延びる部分と曲線状に延びる部分とを組み合わせてもよい。平面視において、線状部分は、光源10を連続して囲む。
【0055】
図5に示す例においても、第1凹部31dよりも光源10からの距離が遠い第2凹部31eの第3方向Zにおける第2深さは、第2凹部31eよりも光源10からの距離が近い第1凹部31dの第3方向Zにおける第1深さよりも深いことが好ましい。これにより、光源10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができ、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくできる。
【0056】
例えば、複数の凹部31の少なくとも1つは、第2透光性部材22側に開口を有する。換言すると、複数の凹部31の少なくとも1つは、第2透光性部材22に対向する光調整部材30の表面に開口する。図4Aに示すように、凹部31を画定する底面35と、光調整部材30の上面30aとの間の光調整部材30の厚さは、凹部31が配置されていない部分の光調整部材30の厚さよりも薄い。本実施形態では、複数の凹部31のすべてが、第2透光性部材22側に開口を有する。本明細書において、凹部31を画定する底面35を、凹部の底面35と称することがある。
【0057】
また、第2透光性部材22側に開口を有する凹部31の底面35と、第2透光性部材22との間に位置する反射体40をさらに備えてもよい。反射体40は、光調整部材30の屈折率及び第2透光性部材22の屈折率よりも低い屈折率を有する。反射体40は、例えば、窒素や酸素等を含む気体である。気体は、例えば、空気である。本明細書において、屈折率とは光源10の発光ピーク波長における屈折率とする。
【0058】
反射体40の屈折率が第2透光性部材22の屈折率よりも低いことで、第2透光性部材22から反射体40に進む光源10からの光の一部は、反射体40と第2透光性部材22との界面において全反射しやすくなる。これにより、光調整部材30の直上領域が明るくなりすぎることを低減しやすくできる。
【0059】
また、反射体40の屈折率が光調整部材30の屈折率よりも低いことで、反射体40から光調整部材30に進む光源10からの光の一部は、反射体40と光調整部材30との界面において全反射しにくくなる。これにより、反射体40に入射した光を反射体40の外部に取り出しやすくでき、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0060】
図4Aに示すように、例えば、反射体40の下面(第2透光性部材22と反射体40との界面)40aは、第3方向Zにおいて、凹部31の開口部と凹部31の底面35との間に位置する。凹部31の第3方向Zにおける大きさの最大値(凹部31の開口部と凹部31の底面35との間の第3方向Zの最大距離)は、反射体40の第3方向Zにおける大きさの最大値(第2透光性部材22と反射体40の界面と凹部31の底面35との間の第3方向Zの最大距離)よりも大きい。
【0061】
例えば、反射体40の下面40aは下に凸状の曲面である。この場合、曲面である下面40aの曲率が大きくなると、光源10から下面40aに向かった光が、反射体40の下面40aで反射して光源10に戻ってきやすくなる。
【0062】
そのため、断面視において、反射体40の横方向(第1方向Xまたは第2方向Y)の最大長さが、縦方向(第3方向Z)の最大長さの2倍以上であることが好ましい。このようにすることで、反射体40の下面40aを平らな面に近づけやすくなる。これにより、光源10から反射体40の下面40aに向かった光が、下面40aにおいて光源10から離れる方向に反射されやすくなり、光源10に戻ってくることを低減することができる。光源10に戻ってくることを低減することで、光源10から出射された光が光源10に吸収されることを低減でき、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0063】
また、凹部31の側面に、横方向にくぼんだ第3凹部が配置されてもよい。第3凹部内に反射体40が位置してもよい。第3凹部の開口部が、第2透光性部材22に覆われて、第3凹部内に反射体40が位置していなくてもよい。
【0064】
図4Bに示すように、凹部31は、光調整部材30における第2透光性部材22と接する下面30bの反対側に位置する上面30a側に開口を有してもよい。例えば、凹部31を形成していない光調整部材30を第2透光性部材22上に配置した後に、光調整部材30の上面30a側からレーザー光を照射することで、上面30a側に開口を有する凹部31を光調整部材30に形成することができる。この場合、光調整部材30を第2透光性部材22上に配置した後、光調整部材30の上方の輝度分布の測定を行い、その測定結果に応じて、深さ、大きさ、位置、数などを調整して凹部31を配置することができる。これにより、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減させやすくなる。
【0065】
光調整部材30は、複数の貫通孔32をさらに有してもよい。貫通孔32は、光調整部材30の上面30aから下面30bまで貫通する。貫通孔32において、第2透光性部材22が露出する。貫通孔32においては、凹部31に比べて、光源10からの光が透過しやすい。
【0066】
図2に示すように、複数の凹部31の少なくとも1つは、複数の貫通孔32のうちの平面視において隣り合う貫通孔32の間に位置することが好ましい。これにより、凹部31及び貫通孔32による輝度調整部分において、輝度が高い部分(貫通孔32)と、輝度が低い部分(凹部31)とが混在しやすくなり、発光モジュール100の発光面における輝度の急激な変化を低減しやすくできる。
【0067】
また、図6に示すように、複数の凹部31の少なくとも1つの凹部31cは、平面視において光源10に重なる位置にあってもよい。これにより、光源10の直上領域が暗くなりすぎるのを低減しやすくできる。
【0068】
<導光部材>
実施形態の発光モジュール100は、導光部材50をさらに備える。導光部材50は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する導光部材50の透過率は、光源10の発光ピーク波長に対する光調整部材30の透過率よりも高い。光源10の発光ピーク波長に対する導光部材50の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0069】
図3に示すように、導光部材50は、第1面51と、第3方向Zにおいて第1面51の反対側に位置する第2面52とを有する。第1面51は、光調整部材30の上面とともに、発光モジュール100の発光面を構成する。また、導光部材50は、第1面51から第2面52まで貫通する収容部53を有する。収容部53に、光源10及び第1透光性部材21が配置される。
【0070】
断面視において、第1透光性部材21は、光源10の側面と、導光部材50との間に位置する。導光部材50によって、光源10からの光を横方向においてさらに広い領域に伝搬しやすくできる。導光部材50は、第1透光性部材21の側面に接することが好ましい。これにより、光源10からの光が、第1透光性部材21内を伝搬して、導光部材50に入射しやすくなる。
【0071】
図1に示すように、平面視において、導光部材50は、光源10の周囲を連続して囲む。収容部53は、例えば、平面視において円形状である。収容部53は、平面視において、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。尚、収容部53は、導光部材50の第2面52側のみにおいて開口する凹部であってもよい。収容部53が凹部の場合には、収容部53は導光部材50により画定される底面を有する。収容部53が凹部の場合、第1透光性部材21は、凹部内において、少なくとも光源10の側面を覆う。
【0072】
導光部材50の材料としては、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、導光部材50の材料として、ガラス等を用いてもよい。導光部材50は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0073】
導光部材50の第3方向Zにおける厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。導光部材50は、第3方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材50が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。尚、各層の間に接着剤を配置しなくてもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよく、同じ種類の主材を用いてもよい。
【0074】
実施形態の発光モジュール100では、図1に示すように、導光部材50は、第1方向Z及び第2方向Yに延びる区画溝54によって、複数の発光領域50Aに区画されている。1つの発光領域50Aは、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。図1には、発光モジュール100の発光面において、例えば4つの発光領域50Aが配置された部分を示す。なお、発光モジュール100は、複数の発光領域50Aに限らず、1つの発光領域50Aを備えた構成であってもよい。また、導光部材50の区画溝54を有することにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラスト比を向上させやすくなる。例えば、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光の一部は、区画溝54を画定する導光部材50の表面によって反射又は屈折する。このため、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光が、隣りに位置する発光領域の導光部材50に入射することを低減しやすくなる。これにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラスト比を向上させやすくなる。
【0075】
区画溝54は、導光部材50の第1面51から第2面52まで貫通することが好ましい。これにより、導光部材50を複数に分離することができるので、例えば導光部材50と、導光部材50を支持する後述の支持部材200との熱膨張係数の違いから生じる支持部材200の反りを低減することができる。支持部材200の反りの低減により、後述する導電部材67に亀裂が生じることを低減できる。また、区画溝54は、導光部材50の第1面51側のみにおいて開口する凹部であってもよく、導光部材50の第2面52側のみにおいて開口する凹部であってもよい。区画溝54が凹部の場合には、区画溝54は導光部材50により画定される底面を備えている。
【0076】
区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていてもよい。これにより、発光状態の発光領域50Aと、非発光状態の発光領域50Aとのコントラスト比を向上させることができる。尚、区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されなくてもよい。
【0077】
第1透光性部材21の側面と導光部材50との界面70においては、屈折や反射により、上方に光が向かいやすい。そのため、発光モジュール100の発光面において、界面70の上端70aの近傍は明るくなりやすい場合がある。その場合、第2透光性部材22及び光調整部材30は、第1透光性部材21の側面と導光部材50との界面70の上端70aを覆うことが好ましい。これにより、界面70の上端70aの近傍が明るくなりすぎることを低減でき、発光モジュール100の発光面における輝度むらを低減しやすくなる。
【0078】
図3に示す例では、第2透光性部材22及び光調整部材30は、導光部材50の収容部53に配置された第1透光性部材21の上面から、界面70の上端70aを越えて、導光部材50の第1面51まで延びている。
【0079】
また、平面視において、光調整部材30の外縁が、界面70の上端70aよりも内側に位置してもよい。この場合、発光モジュール100の発光面において、光調整部材30から露出する第1透光性部材21の面積を増加しやすくなり、光調整部材30を介さずに第1透光性部材21から上方に取り出される光の量を増やすことができる。
【0080】
実施形態の面状光源300は、支持部材200をさらに備える。発光モジュール100は支持部材200上に配置され、支持部材200は発光モジュール100を支持する。導光部材50は、第2面52を支持部材200の上面に対向させて、支持部材200上に配置される。
【0081】
支持部材200は、配線基板60を有する。配線基板60は、絶縁基材61と、絶縁基材61の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層62とを有する。絶縁基材61は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源300の薄型化のため、絶縁基材61はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材61は、第3方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材61は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材61の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層62は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0082】
支持部材200は、配線基板60上に配置された第1接着層63と、第1接着層63上に配置された反射部材64と、反射部材64上に配置された第2接着層65と、をさらに有する。
【0083】
第1接着層63は、配線基板60と反射部材64との間に配置され、配線基板60と反射部材64を接着している。第1接着層63は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層63の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第1接着層63の光散乱粒子として、例えば、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第1接着層63として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0084】
第1接着層63の樹脂部材の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。第1接着層63の樹脂部材の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64から第1接着層63に進む光の一部が、反射部材64と第1接着層63との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0085】
反射部材64は、導光部材50の下方、光源10の下方、第1透光性部材21の下方、及び区画溝54の下方に配置されている。反射部材64は、光源10が発する光に対する反射性を有する。反射部材64は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材64の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体の材料としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材64は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0086】
反射部材64の反射体の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。反射部材64の反射体の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。これにより、反射部材64から下方へ光が抜ける低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0087】
反射部材64の反射体の屈折率が反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低い場合には、反射部材64の樹脂部材の屈折率は導光部材50の屈折率よりも高いことが好ましい。これにより、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体の屈折率差を大きくしやすくなり、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。
【0088】
第2接着層65は、反射部材64と導光部材50の第2面52との間に配置され、反射部材64と導光部材50を接着している。光源10は、導光部材50の収容部53内において第2接着層65上に配置される。第2接着層65は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層65の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第2接着層65の光散乱粒子として、例えば、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層65として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0089】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、導光部材50の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、導光部材50の屈折率よりも低くすることで、導光部材50から第2接着層65に進む光の一部が、導光部材50と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0090】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、第1透光性部材21の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、第1透光性部材21の屈折率よりも低くすることで、第1透光性部材21から第2接着層65に進む光の一部が、第1透光性部材21と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0091】
支持部材200は、導電部材67をさらに有する。導電部材67は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材67の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。導電部材67の金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0092】
導電部材67は、接続部67aと配線部67bとを有する。接続部67aは、第2接着層65、反射部材64、第1接着層63、及び絶縁基材61を、第3方向Zにおいて貫通している。配線部67bは、配線基板60における配線層62が配置された面に配置され、接続部67aと接続している。接続部67aと配線部67bは、同じ材料で一体に形成することができる。配線部67bの一部は、配線層62と接続している。
【0093】
光源10の正負の一対の電極12に対応して、一対の導電部材67が互いに離れて配置されている。一対の導電部材67のうち、一方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において正側の電極12と接続され、他方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において負側の電極12と接続されている。光源10の電極12は、導電部材67を介して、配線層62と電気的に接続されている。
【0094】
支持部材200は、絶縁層66をさらに有する。絶縁層66は、配線基板60の下面に配置され、配線層62を覆っている。絶縁層66の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0095】
本発明の実施形態は、以下の発光モジュールを含む。
【0096】
[項1]
光源と、
前記光源の側面に接する第1透光性部材と、
前記光源の上及び前記第1透光性部材の上に配置され、複数の凹部を有する光調整部材と、
断面視において、前記光源と前記光調整部材との間、及び前記第1透光性部材と前記光調整部材との間に配置された第2透光性部材と、
を備える発光モジュール。
[項2]
前記複数の凹部の少なくとも1つは、前記第2透光性部材側に開口を有し、
前記複数の凹部の少なくとも1つの底面と前記第2透光性部材との間に位置し、前記光調整部材の屈折率及び前記第2透光性部材の屈折率よりも低い屈折率を有する反射体をさらに備える項1に記載の発光モジュール。
[項3]
前記反射体は、気体である項2に記載の発光モジュール。
[項4]
断面視において、前記反射体の横方向の最大長さが、縦方向の最大長さの2倍以上である項2または3に記載の発光モジュール。
[項5]
前記複数の凹部の少なくとも1つは、平面視において前記光源から離れた位置にある項1~4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項6]
前記複数の凹部の少なくとも1つは、平面視において前記光源に重なる位置にある項1~5のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項7]
記光調整部材は、複数の貫通孔をさらに有し、
前記複数の貫通孔のうちの平面視において隣り合う貫通孔の間に、前記複数の凹部の少なくとも1つが位置する項1~6のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項8]
平面視において、前記複数の凹部の少なくとも1つは前記光源を連続して囲む項1~7のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項9]
前記複数の凹部は、平面視における前記光源との最短距離が第1距離である第1凹部と、平面視における前記光源との最短距離が前記第1距離よりも長い第2距離である第2凹部と、を有し、
前記第2凹部の第2深さは、前記第1凹部の第1深さよりも深い項1~8のいずれか1つに記載の発光モジュール。
[項10]
前記第1透光性部材の側面に接する導光部材をさらに備え、
前記第2透光性部材及び前記光調整部材は、前記第1透光性部材の前記側面と前記導光部材との界面の上端を覆う項1~9のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【0097】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0098】
10…光源、11…発光素子、12…電極、13…光源透光性部材、14…光源光調整部材、15…被覆部材、21…第1透光性部材、22…第2透光性部材、30…光調整部材、31…凹部、31a…第1凹部、31b…第2凹部、32…貫通孔、35…凹部の底面、40…反射体、50…導光部材、50A…発光領域、51…第1面、52…第2面、53…収容部、54…区画溝、60…配線基板、61…絶縁基材、62…配線層、63…第1接着層、64…反射部材、65…第2接着層、66…絶縁層、67…導電部材、70…境界、70a…境界の上端、100…発光モジュール、200…支持部材、300…面状光源
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6