(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】要素画像群生成装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20241101BHJP
G02B 30/33 20200101ALI20241101BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G02B30/33
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2020156877
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 恭孝
(72)【発明者】
【氏名】久富 健介
(72)【発明者】
【氏名】小出 大一
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149777(JP,A)
【文献】特表2020-510241(JP,A)
【文献】特開2020-024438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06T 15/06
G02B 27/00 - 27/64
G02B 30/00 - 30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ及び光学素子アレイを備えるライトフィールドHMDに表示する要素画像群を生成する要素画像群生成装置であって、
前記ディスプレイの各画素から光学素子を通過して所定の瞳面に到達する光線の光路計算を予め行い、前記瞳面に到達した光線の方向ベクトルを反転させた追跡ベクトルを算出する光路計算手段と、
前記ライトフィールドHMDの装着者の頭部運動情報に基づいて、前記追跡ベクトルの延長線が仮想空間内の物体に接触する個所の色情報を取得する光線追跡処理を行い、前記要素画像群を生成する光線追跡計算手段と、
を備え
、
前記光路計算手段は、
前記ディスプレイの各画素から前記光学素子の中心を通過する光線の光学素子後ベクトルを算出する光学素子対応手段と、
前記瞳面において、前記光学素子後ベクトルの方向を反転させた前記追跡ベクトルを算出する瞳面再帰反射手段と、
を備え、
前記ライトフィールドHMDは、接眼レンズをさらに備え、
前記光路計算手段は、前記光学素子後ベクトルを延長し、前記光学素子の中心を通過して前記接眼レンズで屈折した光線の接眼レンズ後ベクトルを算出する接眼レンズ屈折手段、をさらに備え、
前記瞳面再帰反射手段は、前記瞳面において、前記接眼レンズ後ベクトルの方向を反転させた前記追跡ベクトルを算出することを特徴とする要素画像群生成装置。
【請求項2】
前記光線追跡計算手段は、
予め設定した眼球間距離だけ前記追跡ベクトルを水平方向にシフトさせて、両眼の前記追跡ベクトルを算出する二眼表示手段と、
前記装着者の頭部重心位置を基準として、両眼の前記追跡ベクトルに前記頭部運動情報から定まる頭部の回転行列を適用する頭部運動手段と、
前記回転行列を適用した両眼の追跡ベクトルで前記光線追跡処理を行い、前記光線が前記物体に接触する個所の色情報を取得する光線追跡手段と、
前記光線追跡手段で取得した色情報を要素画像の各画素に格納し、前記要素画像群を生成する要素画像群生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項
1に記載の要素画像群生成装置。
【請求項3】
前記光線追跡手段は、前記装着者の視線方向に最も近い方向の前記追跡ベクトルで前記光線追跡処理を行い、前記光線が前記物体に接触する個所の前記色情報を取得することを特徴とする請求項
2に記載の要素画像群生成装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1から請求項
3の何れか一項に記載の要素画像群生成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライトフィールドHMDが表示する要素画像群を生成する要素画像群生成装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、教育、医療、娯楽などの様々な分野でバーチャルリアリティー(VR:Virtual Reality)の活用が広がりつつある。VR表示装置であるヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)の光学系は、接眼レンズによりディスプレイの映像を拡大する単純な構造である。このHMDは、左眼用と右眼用の2枚のディスプレイに視差のある映像を表示することにより、立体感を感じる仕組みとなっている。
【0003】
このHMDが解決できていない問題の一つに、焦点距離と輻輳距離の不一致に起因する眼精疲労がある。この問題は、調整機能によって眼が焦点を合わせる位置と、輻輳機能によって両眼の視線方向が交差する位置が一致しないことに起因する。そして、この問題は、仮想的に3Dオブジェクトの光源を再生するライトフィールドHMDを用いることで解決できる。
【0004】
ライトフィールドHMDは、ディスプレイ、マイクロレンズアレイ、及び、接眼レンズを備えている(非特許文献1,2)。なお、ライトフィールドHMDは、接眼レンズが必須ではなく、ディスプレイ及びマイクロレンズアレイだけを備えてもよい(特許文献1)。そして、ライトフィールドHMDは、3Dオブジェクトの光源を生成するための要素画像群をディスプレイに表示する。
【0005】
ライトフィールドHMDにおいて、要素画像群の生成は、ディスプレイの各画素から光学素子を通過し瞳面に到達するまでの光路計算処理と、瞳面から仮想空間に配置した3Dオブジェクトに到達して色情報を取得するまでの光線追跡処理とに分類される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】H. Huang and H. Hua, “Generalized methods and strategies for modeling and optimizing the optics of 3D head-mounted light field displays,” Opt. Express, 27(18), 25154, (2019).
【文献】D. Lanman and D. Luebke, “Near-Eye Light Field Displays,” ACM Trans. Graph. 32(6), 1-10 (2013).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ライトフィールドHMDでは、要素画素群を生成するまでに必要な計算量が多く、その生成に時間を要するという問題がある。
【0009】
そこで、要素画像群を高速に生成できる要素画像群生成装置及びそのプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る要素画像群生成装置は、ディスプレイ及び光学素子で構成された光学素子アレイを備えるライトフィールドHMDに表示する要素画像群を生成する要素画像群生成装置であって、光路計算手段と、光線追跡計算手段と、を備える構成とした。
【0011】
かかる構成によれば、光路計算手段は、ディスプレイの各画素から光学素子を通過して所定の瞳面に到達する光線の光路計算を予め行い、瞳面に到達した光線の方向ベクトルを反転させた追跡ベクトルを算出する。
光線追跡計算手段は、ライトフィールドHMDの装着者の頭部運動情報に基づいて、追跡ベクトルの延長線が仮想空間内の物体に接触する個所の色情報を取得する光線追跡処理を行い、要素画像群を生成する。
光路計算手段は、ディスプレイの各画素から光学素子の中心を通過する光線の光学素子後ベクトルを算出する光学素子対応手段と、瞳面において、光学素子後ベクトルの方向を反転させた前記追跡ベクトルを算出する瞳面再帰反射手段と、を備える。
ライトフィールドHMDは、接眼レンズをさらに備える。
光路計算手段は、光学素子後ベクトルを延長し、光学素子の中心を通過して接眼レンズで屈折した光線の接眼レンズ後ベクトルを算出する接眼レンズ屈折手段、をさらに備える。
瞳面再帰反射手段は、瞳面において、接眼レンズ後ベクトルの方向を反転させた追跡ベクトルを算出する。
【0012】
このように、要素画像群生成装置は、ディスプレイの各画素から光学素子を通過して瞳面に到達するまでの光路計算を事前に行っておく。そして、要素画像群生成装置は、光路計算の結果に基づいて、ライトフィールドHMDの装着者の頭部運動に応じた光線追跡処理を行うことで、要素画像群を高速に生成できる。すなわち、要素画像群生成装置は、光路計算を事前に行っておき、装着者の頭部運動に応じた光線追跡処理を適宜行うことで、要素画像群の生成時間を短縮できる。
【0013】
なお、本発明は、コンピュータを、前記した要素画像群生成装置として機能させるためのプログラムで実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、要素画像群を高速に生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る要素画像群生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態において、光路計算を説明する説明図である。
【
図3】第1実施形態において、光線追跡処理を説明する説明図である。
【
図4】第1実施形態に係る光路計算装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る光線追跡計算装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る要素画像群生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態において、要素画像の固有番号と中心位置フラグの設定を説明する説明図であり、(a)はディスプレイの正面図であり、(b)はディスプレイの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に説明する各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、同一の手段には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0017】
(第1実施形態)
図1を参照し、第1実施形態に係る要素画像群生成装置1の構成について説明する。
要素画像群生成装置1は、ライトフィールド方式のHMD2に表示する要素画像群を生成して表示するものであり、
図1に示すように、光路計算装置(光路計算手段)3と、光線追跡計算装置(光線追跡計算手段)4とを備える。本実施形態では、光路計算装置3がワークステーションに実装され、光線追跡計算装置4がHMD2に内蔵されていることとする。また、HMD2及び光路計算装置3は、無線通信を行うこととする。
【0018】
[HMDの構成]
図1及び
図2を参照し、HMD2の構成について説明する。
HMD2は、一般的なライトフィールド方式のHMDであり、
図1及び
図2に示すように、ディスプレイ20と、マイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)22と、接眼レンズ24と、記憶手段25とを備える。
【0019】
ディスプレイ20は、一般的なスマートフォンと同様、画素21を2次元状に配列した平面ディスプレイである。また、ディスプレイ20は、右眼用のディスプレイ20Rと左眼用のディスプレイ20Lで構成され、右眼用と左眼用の要素画像群を表示する。ここで、1枚のディスプレイ20の左右それぞれで、右眼用と左眼用の要素画像群を表示してもよい。
【0020】
マイクロレンズアレイ22は、マイクロレンズ(光学素子)23を2次元状に配列したものである。また、マイクロレンズアレイ22は、右眼用のマイクロレンズアレイ22
Rと左眼用のマイクロレンズアレイ22
Lで構成されている(
図3参照)。例えば、マイクロレンズ23は、微小な両凸レンズである。
接眼レンズ24は、ディスプレイ20が表示する要素画像からの光線がマイクロレンズアレイ22を通過した後に形成する中間像を拡大するレンズである。また、接眼レンズ24は、右眼用の接眼レンズ24
Rと左眼用の接眼レンズ24
Lで構成されている(
図3参照)。ここで、接眼レンズ24は、HMD2の装着者の側に位置する。
【0021】
なお、瞳面αとは、HMD2の装着者の両眼が位置する仮想的な平面である。
また、像面βとは、3Dオブジェクト(物体)Aの像が形成される仮想的な平面である。
【0022】
記憶手段25は、要素画像群の生成に必要な各種情報を記憶するメモリやSDカードなどの記憶装置である。例えば、記憶手段25は、情報テーブルI、頭部運動情報H、仮想環境情報Kを記憶する。なお、記憶手段25が記憶する各種情報の詳細は、後記する。
【0023】
[光路計算装置の構成]
光路計算装置3は、光路計算を予め行い、
図2に示すように、瞳面αに到達した光線の方向ベクトルを反転させた追跡ベクトルV
3を算出するものである。光路計算とは、ディスプレイ20の各画素21からマイクロレンズ23と接眼レンズ24とを通過して瞳面αに到達する光線の光路を計算することである。
【0024】
図1に示すように、光路計算装置3は、マイクロレンズアレイ対応手段(光学素子対応手段)30と、接眼レンズ屈折手段31と、瞳面再帰反射手段32と、情報テーブル生成手段33とを備える。
【0025】
<マイクロレンズアレイ対応手段>
マイクロレンズアレイ対応手段30は、マイクロレンズアレイ対応処理を行うものである。マイクロレンズアレイ対応処理とは、
図2に示すように、画素21とマイクロレンズ23とを対応付けて、その画素21からマイクロレンズ23の中心を通過する光線のマイクロレンズ後ベクトル(光学素子後ベクトル)V
1を算出する処理である。なお、
図2では、1個の画素21のみをマイクロレンズ23に対応付けているが、全ての画素21をマイクロレンズ23に対応づける。また、
図2では、右眼又は左眼の一方のみを表しているが、両眼とも同様の構成である。
【0026】
ここで、マイクロレンズアレイ対応手段30には、ディスプレイ画素配置、マイクロレンズアレイ配置、マイクロレンズアレイ焦点距離、マイクロレンズアレイピッチ、及び、接眼レンズ焦点距離からなるパラメータを入力する。
【0027】
ディスプレイ画素配置は、ディスプレイ20を構成する画素21の配置(i,j)を表す。
マイクロレンズアレイ配置は、マイクロレンズアレイ22を構成するマイクロレンズ23の配置(k,l)を表す。
マイクロレンズアレイ焦点距離は、マイクロレンズアレイ22を構成するマイクロレンズ23の焦点距離を表す。
マイクロレンズアレイピッチは、マイクロレンズアレイ22を構成するマイクロレンズ23のピッチ(間隔)を表す。
接眼レンズ焦点距離は、接眼レンズ24の焦点距離を表す。
【0028】
具体的には、マイクロレンズアレイ対応手段30は、ディスプレイ20の画素21を光源とし、画素21に対応付けたマイクロレンズ23を通過する光線のベクトルを算出する。
図2に示すように、光線の始点位置は、ディスプレイ20を構成する各画素21の画素位置O
Dijである。また、マイクロレンズ後ベクトルV
1は、画素21の画素位置O
Dijから、その画素21に対応付けたマイクロレンズ23の中心位置O
LAklへ向かう単位ベクトルである。
【0029】
ここで、画素21とマイクロレンズ23とを対応付ける手法は、幾つかある。例えば、一番簡易な手法として、ディスプレイ20の画素21毎に、その画素21に最も近いマイクロレンズ23を対応付けるものがある。この手法では、前記したパラメータのうち、ディスプレイ画素配置及びマイクロレンズアレイ配置を用いる。
【0030】
また、別の手法として、ディスプレイ20の画素21からの光線がマイクロレンズ23を通過し、装着者の眼球に入射することを確認してから、マイクロレンズ23を対応付けるものがある。この手法では、瞳面αの中心を始点として接眼レンズ24で屈折されマイクロレンズ23の中心を通る直線がディスプレイ20に接する点を中心として、その中心からマイクロレンズ23の半径内に位置する画素21を対応付ける。この手法では、前記したパラメータのうち、ディスプレイ画素配置、マイクロレンズアレイ配置、マイクロレンズアレイ焦点距離、マイクロレンズアレイピッチ、及び、接眼レンズ焦点距離を用いる。
【0031】
その後、マイクロレンズアレイ対応手段30は、ディスプレイ画素配置と、マイクロレンズ後ベクトルV1とを接眼レンズ屈折手段31に出力する。
【0032】
<接眼レンズ屈折手段>
接眼レンズ屈折手段31は、マイクロレンズアレイ対応手段30からディスプレイ画素配置及びマイクロレンズ後方向ベクトルV1を入力し、接眼レンズ屈折処理を行うものである。
【0033】
接眼レンズ屈折処理とは、
図2に示すように、マイクロレンズ後ベクトルV
1を延長することで、マイクロレンズ23の中心を通過して接眼レンズ24で屈折した光線の接眼レンズ後ベクトルV
2を算出する処理である。すなわち、接眼レンズ屈折処理では、画素21から出射してマイクロレンズ23を通過した光線を入射光とし、接眼レンズ24により屈折された光線の光路計算を行う。この接眼レンズ屈折処理では、前記したパラメータのうち、接眼レンズ焦点距離を用いる。
【0034】
接眼レンズ後ベクトルV2の始点位置は、マイクロレンズ後ベクトルV1と接眼レンズ24との接触位置OEPである。また、接眼レンズ後ベクトルV2は、接眼レンズ24で屈折された方向へ向かう単位ベクトルである。
【0035】
その後、接眼レンズ屈折手段31は、接眼レンズ後ベクトルV2を瞳面再帰反射手段32に出力する。
【0036】
<瞳面再帰反射手段>
瞳面再帰反射手段32は、接眼レンズ屈折手段31から接眼レンズ後ベクトルV2を入力し、瞳面再帰反射処理を行うものである。
【0037】
瞳面再帰反射処理とは、
図2に示すように、瞳面αにおいて、接眼レンズ後ベクトルV
2の方向を反転させた追跡ベクトルV
3を算出する処理である。すなわち、瞳面再帰反射処理では、接眼レンズ24を通過した光線(接眼レンズ後ベクトルV
2)が瞳面αに到達する位置を、瞳面αに対応する平面との接触判定から算出する。ここでは、接眼レンズ後ベクトルV
2の符号を反転させて、光線追跡処理を行うための追跡ベクトルV
3=(u,v,w)とする。また、接眼レンズ後ベクトルV
2が瞳面αに到達する位置を瞳面位置O
Eye=(x,y,z)とする。
【0038】
その後、瞳面再帰反射手段32は、ディスプレイ画素配置、瞳面位置OEye及び追跡ベクトルV3を情報テーブル生成手段33に出力する。
【0039】
<情報テーブル生成手段>
情報テーブル生成手段33は、情報テーブル生成処理を行うものである。この情報テーブル生成処理とは、瞳面再帰反射手段32から入力したディスプレイ画素配置、瞳面位置OEye及び追跡ベクトルV3を、情報テーブルIという一つのファイルとして生成する処理である。そして、情報テーブル生成手段33は、情報テーブルIを記憶手段25に書き込む。
【0040】
[光線追跡計算装置の構成]
光線追跡計算装置4は、装着者の頭部運動情報Hに基づいて光線追跡処理を行い、要素画像群を生成するものである。光線追跡処理とは、追跡ベクトルV
3の延長線が仮想空間内の3DオブジェクトAに接触する個所の色情報を取得する処理のことである(
図3)。
図1に示すように、光線追跡計算装置4は、二眼表示手段40と、頭部運動手段41と、光線追跡手段42と、要素画像群生成手段43とを備える。
【0041】
<二眼表示手段>
二眼表示手段40は、記憶手段25が記憶している情報テーブルIを参照し、二眼表示処理を行うものである。二眼表示処理とは、予め設定した眼球間距離dだけ追跡ベクトルV
3を水平方向にシフトさせて、右眼及び左眼の追跡ベクトルV
3R,V
3Lを生成する処理である。また、眼球間距離dとは、装着者の両眼の距離を表し、任意に設定できる。つまり、二眼表示処理では、片眼から両眼の情報テーブルIを複製するために、眼球間距離dに応じて瞳面位置O
Eyeをそれぞれx方向に±d/2シフトさせる。なお、二眼表示処理は、初回のみ行えばよい。
図3には、右眼の瞳面位置O
EyeR1,O
EyeR2、左眼の瞳面位置O
EyeL1,O
EyeL2、右眼の追跡ベクトルV
3R1,V
3R2、及び、左眼の追跡ベクトルV
3L1,V
3L2を図示した。
その後、二眼表示手段40は、右眼及び左眼の情報テーブルIを頭部運動手段41に出力する。
【0042】
以下、頭部運動手段41を説明する前に、記憶手段25が記憶している頭部運動情報H及び仮想環境情報Kを説明する。
頭部運動情報Hは、装着者の頭部運動を表す情報である。頭部運動情報Hには、フレームごとの頭部の位置差分および角速度の積分値が含まれている。ここでは、HMD2に備えられた加速度センサ(不図示)が頭部運動情報Hを計測し、記憶手段25に書き込むこととする。
【0043】
仮想環境情報Kは、仮想空間内の3DオブジェクトAを描画するのに必要な情報である。この仮想環境情報Kには、仮想空間内の3DオブジェクトAのメッシュ情報(頂点座標、法線ベクトル、色情報)と、仮想空間内の光源情報(例えば、光源Bの位置、色、明るさ)とが含まれている。例えば、仮想環境情報Kとしては、OBJ形式のファイルをあげることができる。ここでは、要素画像群生成装置1の管理者が、仮想環境情報Kを記憶手段25に手動で書き込むこととする。
【0044】
<頭部運動手段>
頭部運動手段41は、二眼表示手段40から右眼及び左眼の情報テーブルIを入力し、頭部運動処理を行うものである。この頭部運動処理とは、装着者の頭部重心位置を基準として、両眼の追跡ベクトルV3及び瞳面位置OEyeに頭部運動情報Hから定まる頭部の回転行列を適用する処理である。
【0045】
具体的には、頭部運動手段41は、右眼及び左眼の情報テーブルIから瞳面位置OEyeR,OEyeL及び追跡ベクトルV3R,V3Lを抽出する。また、頭部運動手段41は、記憶手段25から頭部運動情報Hを読み出す。前記したように、頭部運動情報Hには、フレームごとの頭部の位置差分および角速度の積分値が含まれている。従って、頭部運動手段41は、位置差分の平行移動行列TH及び角速度の積分値から、x軸、y軸、z軸のそれぞれで頭部の回転行列R=[Rx,Ry,Rz]を算出する。そして、頭部運動手段41は、頭部重心位置OH=(x0,y0,z0)を基準として、瞳面位置OEyeR,OEyeL及び追跡ベクトルV3R,V3Lに回転行列Rを適用する。
【0046】
その後、頭部運動手段41は、回転行列Rを適用した瞳面位置OEyeR,OEyeL及び追跡ベクトルV3R,V3Lを右眼及び左眼の情報テーブルIに格納し、この情報テーブルIを光線追跡手段42に出力する。
【0047】
<光線追跡手段>
光線追跡手段42は、回転行列Rを適用した追跡ベクトルV3R,V3Lで光線追跡処理を行い、光線が3DオブジェクトAに接触する個所の色情報を取得するものである。
【0048】
具体的には、光線追跡手段42は、頭部運動手段41から入力した情報テーブルIより、ディスプレイ画素配置、瞳面位置O
EyeR,O
EyeL及び追跡ベクトルV
3R,V
3Lを抽出する。また、光線追跡手段42は、記憶手段25から仮想環境情報Kを読み出す。前記したように、仮想環境情報Kには、仮想空間内の3DオブジェクトAのメッシュ情報と、仮想空間内の光源情報とが含まれている(
図3参照)。そこで、光線追跡手段42は、瞳面位置O
EyeR,O
EyeLを始点とする追跡ベクトルV
3R,V
3Lで光線追跡処理を行い、3DオブジェクトAの表面に接触する箇所を求める。さらに、光線追跡手段42は、3DオブジェクトAに接触した個所の色情報をディスプレイ画素配置に割り当てることで、ディスプレイ20の各画素21の画素値(例えば、RGB値)を算出する。なお、
図3では、3DオブジェクトAの色をハッチングの種類で表現した。
【0049】
その後、光線追跡手段42は、ディスプレイ20の各画素21の色情報(画素値)を要素画像群生成手段43に出力する。
【0050】
<要素画像群生成手段>
要素画像群生成手段43は、光線追跡手段42からディスプレイ20の各画素21の色情報を入力し、要素画像群生成処理を行うものである。この要素画像群生成処理とは、光線追跡手段42で取得したディスプレイ20の各画素21の画素値を要素画像の各画素に格納し、両眼の要素画像群を生成する処理である。
【0051】
その後、要素画像群生成手段43は、全ての要素画像の画素について画素値を格納したら、右眼及び左眼の要素画像群をディスプレイ20に出力する。すなわち、要素画像群生成手段43は、右眼の要素画像群を右眼用のディスプレイ20Rに出力し、左眼の要素画像群を左眼用のディスプレイ20Lに出力する。
【0052】
なお、光線追跡処理及び要素画像群生成処理は、以下の参考文献1,2に説明されているため、詳細な説明を省略する。
【0053】
参考文献1:片山、3Dモデルからインテグラル立体像への変換手法、NHK技研 R&D/No.128、2011年7月、[online]、[令和2年7月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd128/PDF/P04-10.pdf/〉
参考文献2:3次元モデルからインテグラル立体像の生成技術、NHK技研 R&D/No.123、2010年9月、[online]、[令和2年7月9日検索]、インターネット〈URL:https://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd123/PDF/P64.pdf/〉
【0054】
[光路計算装置の動作]
図4を参照し、光路計算装置3の動作について説明する。
図4に示すように、ステップS1において、マイクロレンズアレイ対応手段30は、画素21とマイクロレンズ23とを対応付けて、その画素21からマイクロレンズ23の中心を通過する光線のマイクロレンズ後ベクトルV
1を算出する。
【0055】
ステップS2において、接眼レンズ屈折手段31は、マイクロレンズ後ベクトルV1を延長することで、マイクロレンズ23の中心を通過して接眼レンズ24で屈折した光線の接眼レンズ後ベクトルV2を算出する。
ステップS3において、瞳面再帰反射手段32は、瞳面αにおいて、接眼レンズ後ベクトルV2の方向を反転させた追跡ベクトルV3を算出する。
ステップS4において、情報テーブル生成手段33は、情報テーブルIを生成する。
【0056】
[光線追跡計算装置の動作]
図5を参照し、光線追跡計算装置4の動作について説明する。
図5に示すように、ステップS10において、二眼表示手段40は、予め設定した眼球間距離dだけ追跡ベクトルV
3を水平方向にシフトさせて、右眼及び左眼の追跡ベクトルV
3R,V
3Lを生成する。
ステップS11において、頭部運動手段41は、装着者の頭部重心位置を基準として、両眼の追跡ベクトルV
3R,V
3L及び瞳面位置O
EyeR,O
EyeLに頭部運動情報Hから定まる頭部の回転行列Rを適用する。
【0057】
ステップS12において、光線追跡手段42は、回転行列Rを適用した追跡ベクトルV3R,V3Lで光線追跡処理を行い、光線が3DオブジェクトAに接触する個所の色情報を取得する。
ステップS13において、要素画像群生成手段43は、ステップS12で取得した画素値を要素画像の各画素に格納し、両眼の要素画像群を生成する。
ステップS14において、要素画像群生成手段43は、ステップS13で生成した要素画像群をディスプレイ20に出力する。
【0058】
ステップS15において、要素画像群生成手段43は、全フレームで要素画像群の生成を終了したか否かを判定する。
終了しない場合(ステップS15でNo)、光線追跡計算装置4は、ステップS11の処理に戻る。
終了した場合(ステップS15でYes)、光線追跡計算装置4は、処理を終了する。
【0059】
このように、光線追跡計算装置4は、ステップS11~S14の処理をフレームごとに繰り返し実施することで、動画像を生成する。
【0060】
[作用・効果]
以上のように、第1実施形態に係る要素画像群生成装置1は、ディスプレイ20の各画素21からマイクロレンズ23と接眼レンズ24とを通過して瞳面αに到達するまでの光路計算を事前に行い、情報テーブルIを生成しておく。そして、要素画像群生成装置1は、この情報テーブルIに基づいて、装着者の頭部運動に応じて光線追跡処理を行うことで、要素画像群を高速に生成できる。これにより、要素画像群生成装置1は、ライトフィールド方式のHMD2における映像生成プロセスを大幅に短縮することが可能となり、毎フレームごとの要素画像群を生成する時間を短縮できる。さらに、要素画像群生成装置1は、HMD2の構成が同様であれば情報テーブルIを流用し、光路計算を省略することが可能である。
【0061】
ここで、ライトフィールド方式は、インテグラル方式と類似しているので、インテグラル方式と対比した際の利点を説明する。
インテグラル方式の場合、様々な視点から見える立体像がディスプレイによって表示されているので、視点位置が変わっても要素画像群を生成し直す必要がなく、光路計算を事前に行っておく必要性がない。一方、ライトフィールド方式の場合、眼球位置から見える立体像のみがHMD2に表示されている。このため、ライトフィールド方式では、視点位置が変わると、その視点位置に応じた要素画像群を生成する必要があり、光路計算を事前に行っておく利点がある。
【0062】
(第2実施形態)
図6を参照し、第2実施形態に係る要素画像群生成装置1Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
要素画像群生成装置1Bは、装着者の中心視野付近のみ光線追跡処理を事前に行い、要素画像群を部分的に生成することで、光線追跡処理を高速化する。
図6に示すように、要素画像群生成装置1Bは、光路計算装置(光路計算手段)3Bと、光線追跡計算装置(光線追跡手段)4Bと、を備える。
【0063】
[HMDの構成]
図6を参照し、HMD2の構成について説明する。
HMD2Bは、
図6に示すように、ディスプレイ20と、マイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)22と、接眼レンズ24と、記憶手段25と、視線検出装置26とを備える。また、HMD2Bは、光線追跡計算装置4Bを内蔵する。
なお、視線検出装置26以外の構成は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0064】
視線検出装置26は、装着者の視線方向を検出し、視線方向ベクトルGとして光線追跡計算装置4Bに出力するものである。ここで、視線検出装置26は、一般的な視線方向の検出手法を用いることができる。
【0065】
[光路計算装置の構成]
図6に示すように、光路計算装置3Bは、マイクロレンズアレイ対応手段(光学素子対応手段)30Bと、接眼レンズ屈折手段31と、瞳面再帰反射手段32と、情報テーブル生成手段33Bとを備える。
なお、接眼レンズ屈折手段31及び瞳面再帰反射手段32は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0066】
<マイクロレンズアレイ対応手段>
マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、第1実施形態と同様、マイクロレンズアレイ対応処理を行うものである。
さらに、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、マイクロレンズ後ベクトルV1を算出する際、ディスプレイ画素配置のそれぞれに、要素画像の固有番号を割り当てる。具体的には、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、同一のマイクロレンズ23の中心位置OLAklに対応する画素21に対し、同一の固有番号を割り当てる。つまり、同一の固有番号を割り当てられた画素21は、同一の要素画像に属する。さらに、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、同一の固有番号を割り当てた画素21の中で、中心に位置する画素21に中心画素フラグを設定する。
【0067】
図7(a)及び(b)に示すように、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、左上の16個の画素21が同一の要素画像に属するので、固有番号‘1’を割り当てている。また、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、固有番号‘1’の画素21のうち、上から2列目、左から2行目の画素21が中心に位置するので、この画素21に中心画素フラグを設定する。なお、
図7では、中心画素フラグを設定した画素21をハッチングで図示した。
【0068】
また、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、右隣りの要素画像を構成する16個の画素に固有番号‘2’を割り当てている。また、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、固有番号‘2’の画素21のうち中心に位置する画素21に対し、中心画素フラグを設定する(固有番号‘3’~‘16’も同様)。
【0069】
その後、マイクロレンズアレイ対応手段30Bは、ディスプレイ画素配置と、マイクロレンズ後ベクトルV1と、要素画像の固有番号と、中心画素フラグとを接眼レンズ屈折手段31に出力する。
【0070】
<情報テーブル生成手段>
情報テーブル生成手段33Bは、ディスプレイ画素配置、瞳面位置OEye及び追跡ベクトルV3に加えて、要素画像の固有番号及び中心画素フラグからなる情報テーブルIを生成する。そして、情報テーブル生成手段33Bは、情報テーブルIを記憶手段25に書き込む。
【0071】
[光線追跡計算装置の構成]
図6に示すように、光線追跡計算装置4Bは、二眼表示手段40と、頭部運動手段41と、光線追跡手段42Bと、要素画像群生成手段43とを備える。
なお、光線追跡手段42B以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0072】
<光線追跡手段>
光線追跡手段42Bは、装着者の視線方向に最も近い方向の追跡ベクトルV3で光線追跡処理を行い、光線が3DオブジェクトAに接触する個所の色情報を取得するものである。
【0073】
具体的には、光線追跡手段42Bは、頭部運動手段41から入力した情報テーブルIより、ディスプレイ画素配置、瞳面位置OEyeR,OEyeL及び追跡ベクトルV3R,V3Lを抽出する。また、光線追跡手段42Bは、記憶手段25から仮想環境情報Kを読み出す。また、光線追跡手段42Bは、視線検出装置26から視線方向ベクトルGを入力する。
【0074】
次に、光線追跡手段42Bは、中心画素フラグを有する画素21の追跡ベクトルV3と視線方向ベクトルGとを比較し、視線方向ベクトルGに最も平行な追跡ベクトルV3R,V3Lを求める。そして、光線追跡手段42Bは、最も平行な追跡ベクトルV3R,V3Lの固有番号を基準として、中心視野に含まれる要素画像の固有番号を抽出する。さらに、光線追跡手段42Bは、抽出した固有番号を有する画素21の追跡ベクトルV3R,V3Lで光線追跡処理を行う。
【0075】
この中心視野のサイズは、任意に設定できる。例えば、中心視野のサイズは、表示可能な全視野の1/2である。要素画像群の描画速度に余裕がある場合、中心視野のサイズを拡大するなど、計算処理の速度に応じて中心視野のサイズを変化させてもよい。
【0076】
図7の例では、視線方向ベクトルGに最も平行な追跡ベクトルV
3R,V
3Lの固有番号が‘6’であることとする。また、中心視野のサイズが、3×3の要素画像であることとする。この場合、光線追跡手段42Bは、固有番号‘6’を基準とした周囲の1要素画像の固有番号‘1~3、5、7、9~11’を抽出する。そして、光線追跡手段42Bは、固有番号‘1~3、5~7、9~11’を有する画素21の追跡ベクトルV
3R,V
3Lで光線追跡処理を行う。
【0077】
[作用・効果]
以上のように、第2実施形態に係る要素画像群生成装置1Bは、情報テーブルI及び視線方向ベクトルGを用いて、視線方向に対応する要素画像のみを生成する。これにより、要素画像群生成装置1Bは、計算量を低減し、要素画像群をより高速に生成できる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
前記した各実施形態では、光学素子アレイがマイクロレンズアレイ22であることとして説明したが、これに限定されない。
【0079】
前記した各実施形態では、光路計算装置3がワークステーションに実装され、光線追跡計算装置4がHMD2に内蔵されていることとして説明したが、これに限定されない。例えば、光路計算装置3及び光線追跡計算装置4の両方をワークステーションに実装してもよい。この場合、光線追跡計算装置4が生成した要素画像群をHMD2に出力する。また、光路計算装置3及び光線追跡計算装置4の両方をHMD2に内蔵してもよい。
【0080】
前記した各実施形態では、HMD2,2Bが接眼レンズ24を備えることとして説明したが、接眼レンズ24を備えなくてもよい。この場合、接眼レンズ屈折手段31は、接眼レンズ屈折処理を行わない。そして、瞳面再帰反射手段32は、接眼レンズ後ベクトルV2の代わりにマイクロレンズ後ベクトルV1を用いて、瞳面再帰反射処理を行う。この場合、瞳面再帰反射処理では、瞳面αにおいて、マイクロレンズ後ベクトルV1の方向を反転させた追跡ベクトルV3を算出することになる。
【0081】
本発明は、コンピュータが備えるCPU、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を、前記した要素画像群生成装置として動作させるプログラムで実現することもできる。これらのプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD-ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1,1B 要素画像群生成装置
2,2B HMD
20 ディスプレイ
21 画素
22 マイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)
23 マイクロレンズ(光学素子)
24 接眼レンズ
25 記憶手段
26 視線検出装置
3,3B 光路計算装置(光路計算手段)
30,30B マイクロレンズアレイ対応手段(光学素子対応手段)
31 接眼レンズ屈折手段
32 瞳面再帰反射手段
33,33B 情報テーブル生成手段
4,4B 光線追跡計算装置(光線追跡計算手段)
40 二眼表示手段
41 頭部運動手段
42,42B 光線追跡手段
43 要素画像群生成手段