IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本製粉株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図1
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図2
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図3
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図4
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図5
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図6
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図7
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図8
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図9
  • 特許-自立袋入りホットケーキミックス粉 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-01
(45)【発行日】2024-11-12
(54)【発明の名称】自立袋入りホットケーキミックス粉
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20241105BHJP
【FI】
B65D85/50 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020145404
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040614
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100215670
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 直毅
(72)【発明者】
【氏名】永野 篤
(72)【発明者】
【氏名】上垣外 雪絵
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-218127(JP,A)
【文献】特開2003-104388(JP,A)
【文献】特開2010-000069(JP,A)
【文献】特開平09-084512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
A21D 2/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体原料を加えて自立袋内で撹拌手段により撹拌することによりホットケーキ生地を製造するための前記自立袋入りホットケーキミックス粉であって、
前記自立袋が、底部にマチ部を有し、
液体原料を加えた状態で、前記マチ部の少なくとも一部が接地面に接することにより、前記自立袋が接地面に対して自立する構造を有し、
前記ホットケーキミックス粉が、小麦粉及び大豆粉を含み、前記大豆粉含有量が、小麦粉100質量部に対して0.5~10質量部である、
上記自立袋入りホットケーキミックス粉。
【請求項2】
前記マチ部の面積の3分の1以上が接地面に接する、請求項1に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【請求項3】
前記自立袋が、上部両端に袋を開口させるためのノッチを有する、請求項1又は2に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【請求項4】
前記自立袋が、(a)両側シール部と、(b)底部シール部と、(c)前記両側シール部と前記底部シール部との間の傾斜シール部とを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【請求項5】
前記ホットケーキミックス粉の体積が前記自立袋の収容部の体積の4分の1以上、2分の1以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【請求項6】
前記撹拌手段が、スプーン又は箸である、請求項1~5のいずれか1項に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立袋入りホットケーキミックス粉に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットケーキは、消費者の間で広く親しまれている焼き菓子の一種であり、小麦粉及び膨張剤を含むホットケーキミックス粉に、牛乳及び卵を加えてホットケーキ生地を焼成してホットケーキを製造することが一般的である。しかしながら、ホットケーキを製造する際には、別途ボウル等の調理器具を使用する必要があり、準備及び洗浄する手間が生じる。また、アウトドアや災害時等のように、調理器具が十分に揃っていない状態では、ホットケーキを作ることは困難である。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、最内層にシーラント層が積層された積層フィルムで形成され、胴部を形成する四角形からなる前面と後面の底部に、底面を逆V字状に折り畳んで挿入して折り襞部を形成し、前記の前面と前記の後面と前記の底面は、それぞれの周縁でヒートシールして天部ヒートシール部、胴部ヒートシール部、および底部ヒートシール部を形成し、充填する粉体を主体とする内容物により前記の底部が前後に拡張して自立できる袋体であり、かつ、前記袋体の口部となる開口端近傍の内面に開閉自在なチャックテープが熱接着される袋体であり、かつ、前記の充填する粉体を主体とする内容物の容積が、前記の前面と、前記の後面と、折り襞部を最大限伸ばした状態の底面とで囲まれる形状の袋体の容積の3分の2以下であり、かつ、粉体と液体の2成分を混合するための袋体であることを特徴とするチャックテープ付き自立袋が開示されている。また、特許文献2には、前面を形成する前面フィルム及び背面を形成する背面フィルムを少なくとも備え、前記前面フィルムと前記背面フィルムとの間に収容部が形成されるパウチ本体と、前記前面フィルム及び前記背面フィルムを備え、前記前面フィルムと前記背面フィルムとの間に、前記収容部に収容されている内容物が注出されるときに内容物が流通する流通路が形成される注出口部と、前記パウチ本体に設けられ、前記収容部の一端から他端に亘って延びるチャックテープと、を備え、前記注出口部の注出方向は、前記チャックテープが延びる方向に実質的に平行である、調理用パウチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-231693号公報
【文献】特開2019-218127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のホットケーキミックス粉のパッケージでは、液体原料を加えて混合する際に、ダマが生じたり、チャックテープ部分に粉がたまったりすることがあった。また、従来のホットケーキミックス粉は、液体原料に対する分散性が不十分で、生地を得るまでの撹拌時間に長時間を要することがあった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、液体原料を加えて撹拌する際にダマの発生を抑制することができ、生地を得るまでの撹拌時間を短縮することができる、自立袋入りホットケーキミックス粉を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ホットケーキミックス粉を収容する袋を特定の構造とし、かつホットケーキミックス粉を特定の組成とすることにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
[1]液体原料を加えて撹拌することによりホットケーキ生地を製造するための自立袋入りホットケーキミックス粉であって、
前記自立袋が、底部にマチ部を有し、
液体原料を加えた状態で、前記マチ部の少なくとも一部が接地面に接することにより、前記自立袋が接地面に対して自立する構造を有し、
前記ホットケーキミックス粉が、小麦粉及び大豆粉又はおから粉末を含み、前記大豆粉末又はおから粉末の含有量が、小麦粉100質量部に対して0.5~10質量部である、
上記自立袋入りホットケーキミックス粉。
[2]前記マチ部の面積の3分の1以上が接地面に接する、[1]に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
[3]前記自立袋が、上部両端に袋を開口させるためのノッチを有する、[1]又は[2]に記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
[4]前記自立袋が、(a) 両側シール部と、(b) 底部シール部と、(c) 前記両側シール部と前記底部シール部との間の傾斜シール部とを有する、[1]~[3]のいずれかに記載の自立袋入りホットケーキミックス粉。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液体原料を加えて撹拌する際にダマの発生を抑制することができ、生地を得るまでの撹拌時間を短縮することができる、自立袋入りホットケーキミックス粉を提供することができる。
また、本発明により、家庭などにおいて特別な調理器具を用意することなく、ダマのないホットケーキを簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉を自立させた状態の斜視図である。
図2】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉の底面のマチ部を折りたたんだ状態の正面図である。
図3】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉の底面のマチ部を折りたたんだ状態の側面図である。
図4】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉の底面のマチ部を折りたたんだ状態の底面のマチ部の図である。
図5】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉を自立させるように底部のマチ部を広げた状態の側面図である。
図6】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉を自立させるように底部のマチ部を広げた状態の底面のマチ部の図である。
図7】本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉の使用例を表した図である。
図8】従来の自立袋入りホットケーキミックス粉の正面図である。
図9】従来の自立袋入りホットケーキミックス粉の側面図である。
図10】従来の自立袋入りホットケーキミックス粉の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳述する。
図1は、本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉1を自立させた状態の斜視図である。自立袋入りホットケーキミックス粉1は、自立袋2にホットケーキミックス粉4を収容している。本発明の自立袋入りホットケーキミックス粉1は、液体原料を加えて撹拌することによりホットケーキ生地を製造するために使用される。ホットケーキミックス粉4が自立袋2に収容されていることで、ホットケーキミックス粉4の自重により自立袋2が自立し、袋を接地面に置いたまま液体原料を加えて生地を製造することが容易になり、別途ボウル等の調理器具を使用する手間を省くことができる。
上記液体原料は、水を含むことが好ましく、水からなることがより好ましい。
【0011】
図2、3及び4は、それぞれ本発明の一実施形態の自立袋入りホットケーキミックス粉の底面を折りたたんだ状態の正面図、側面図及び底面図である。自立袋2は、ホットケーキミックス粉4を収容するための収容部27と、それを取り囲む各シール部(上部シール部23、両側シール部22、底部シール部24)を有している。本発明の自立袋は、自立袋2の底部にマチ部21を有しており、図3及び4に示すように、保管時にはマチ部21が折りたたまれ、袋の厚みを小さくすることができる。
【0012】
図5及び6は、それぞれ本発明の一実施形態の自立袋入りホットケーキミックス粉を自立させた状態の側面図及び底面図である。図5及び6に示すように、液体原料を加えて作業する際には、このマチ部21の少なくとも一部が接地面に接することによって、図1に示すように自立袋が接地面に対して自立する。このように構成することで、ホットケーキ生地を製造する際に自立袋の側面と底部の継ぎ目の角度を大きくして、ホットケーキミックス粉を前記継ぎ目に溜まりにくくすることができ、生地を得るまでの撹拌時間が短縮される。この時、接地面に接するマチ部21の面積は、生地を得るまでの撹拌時間を短縮する観点から、自立袋2の底面の面積の3分の1以上であることが好ましく、2分の1以上であることがより好ましい。また、自立袋2の幅方向中央付近において、マチ部21が接地面に接するように構成されていることが好ましい。なお本発明において「生地を得るまでの撹拌時間」とは、自立袋中でホットケーキ生地を製造する際に、撹拌を開始してから、底部付近に溶け残りの粉がない生地が得られるまでの撹拌時間を意味する。
【0013】
このように自立袋が接地面に対して自立するような構造とするために、本発明の一実施形態では、図2に示すように、両側シール部22と底部シール部24との間に、傾斜されたシール部25を備えており、図3に示すように、両側シール部22は、上部から接地面の途中までに延びており、接地面までには至っていない。これにより、マチ部21の折り返し部20の一方側及び他方側の底部(図4の21A及び21B)が接地面に対して略平行となるように広がることが可能となる。この時、自立袋2の底端縁の延長線と上記傾斜されたシール部25とがなす角度A(図2)は、30~60°であることが好ましく、40~50°であることがより好ましい。このように構成することで、ホットケーキ生地を製造する際に、自立袋の側面と底部の継ぎ目にホットケーキミックス粉が溜まりにくくなり、溶け残りの粉がない生地を得るまでの撹拌時間が短縮される。
【0014】
再度図2を参照して、本発明における一実施形態の自立袋は、上部両端に袋を開口させて液体原料を加える開口部を形成するためのノッチ26を備えている。上記ノッチは、混合時に中身をこぼれにくくする観点、汎用の撹拌手段の長さに適用しやすくする観点、混合のしやすさの観点、また袋の上部を折り曲げて生地を注出しやすくする観点から、収容部27の上端から20~40mm下に位置していることが好ましい。使用者は、開口部から液体原料を加えることができる。ホットケーキミックス粉と液体原料とを混合するための手段は特に限定されず、箸、スプーン等の汎用の撹拌手段を使用することができる。本発明の一実施形態では、得られたホットケーキ生地は、図7に示すように、上記開口部を折り曲げて形成された注出口から注出される。このように、本発明では、液体原料を注ぎ入れるための開口部が生地の注出口の機能も有しており、別途生地用の注出口を設けなくてもよいため、ホットケーキを製造する際の工程を簡素化できる。また、本発明では、袋の開口部を閉じるためのチャックテープを設ける必要がないため、チャックテープ部分にホットケーキミックス粉が溜まることもない。
【0015】
本発明の自立袋の材質は、特に限定なく使用することができ、例えば、左側を袋の表面側、右側を袋の収容部側として、以下に示すような積層構造が挙げられる:
NY/PE/LLDPE、OPP/DL/LLDPE、OPP/DL/LLDPE、OPP/PE/LLDPE、PET/DL/AL/DL/LLDPE、PET/DL/LLDPE、NY/DL/LLDPE(ここで、NYはナイロン、PEはポリエチレン、LLDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、OPPは二軸延伸ポリプロピレン、DLは接着剤ドライラミネート、ALはアルミニウムを意味する)。
【0016】
上記自立袋に収容されるホットケーキミックス粉の体積は、液体原料を加えた際の袋の安定性や混合のしやすさの観点から、マチ部21の折り返し部20の一方側及び他方側の底部が接地面に対して略平行となるように広げ、袋の上部を両端のノッチ26を繋げるように除去した後の収容部27の体積の4分の1以上、2分の1以下であることが好ましい。
【0017】
図8~10は、従来の自立袋入りホットケーキミックス粉の正面図、側面図及び底面図である。従来の自立袋入りホットケーキミックス粉3は、本発明の自立袋と同様に、底部にマチ部31を有している。しかし、図8~10に示すように、従来の自立袋は液体原料を加えて作業する際であっても、自立袋は底部シール部34によって支えられて自立しており、マチ部31は常に底部シール部34よりも接地面に対して浮いた状態となるため、マチ部31が接地面に接することはない。そのため、従来の自立袋入りホットケーキミックス粉3では、自立袋の前面部38(又は背面部39)と、底部のマチ部31との間の継ぎ目の角度が鋭角となってホットケーキミックス粉が溜まりやすく、均一なホットケーキ生地を得るまでの撹拌時間が長くなる。
また、さらに従来の自立袋は傾斜されたシール部を備えておらず、両側シール部32が、上部から接地面まで延びて底部シール部34と接続している。そのため、自立袋内部に液体原料を加えたとき、シール部32及び34によって底部付近の広がりが抑制され、両端付近における側面と底部のマチ部との継ぎ目の角度が小さいままで粉が溜まる原因となり、その結果、液体原料を加えて撹拌した時に、溶け残りの粉が存在しやすくなる。
【0018】
次に、本発明のホットケーキミックス粉について説明する。
本発明の自立袋に収容されたホットケーキミックス粉は、小麦粉及び大豆粉又はおから粉末を含み、前記大豆粉又はおから粉末の含有量が、小麦粉100質量部に対して0.5~10質量部である。大豆粉又はおから粉末の含有量が0.05質量部未満であると、ホットケーキミックス粉の液体原料に対する分散性が悪くなって生地を得るまでの撹拌時間が長くなり、10質量部を超えると、生地の流動性が悪くなってダマができやすくなる。上記含有量は、0.1~9質量部であることがより好ましく、1~8質量部であることが更に好ましい。
【0019】
上記小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等の公知の小麦粉であれば何れも使用することができ、それらの混合物を使用することもできる。
【0020】
上記大豆粉としては、特に限定されず、全脂大豆粉末であっても脱脂大豆粉末であってもよいが、吸水性の観点から、大豆を焙煎等の加熱工程を経て粉末状にしたものや、粉末化した大豆を加熱したものではないことが好ましい。上記おから粉末としては、特に限定なく使用することができる。
【0021】
本発明のホットケーキミックス粉は、上記の材料以外に、通常ホットケーキミックス粉に配合することができる材料を適宜加えてもよい。そのような材料としては、小麦粉以外の穀粉類(米粉、大麦粉、ライ麦粉、ひえ粉、コーンフラワー、そば粉等);澱粉類(小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、これらの澱粉に化学的処理、酵素的処理、物理的処理を施したもの等);糖類(グルコースやフルクトース等の単糖類、スクロースやガラクトースのような二糖類、オリゴ糖等);油脂(ショートニング、サラダ油、粉末油脂等);粉乳(全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、クリーミングパウダー等);卵粉(全卵粉、卵黄粉、卵白粉等);膨張剤(ベーキングパウダー、重曹、イーストパウダー等);食塩;香料;色素;乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等);増粘剤(カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、メチルセルロース、ペクチン、カードラン、ローカストビーンガム等)等が挙げられる。
【0022】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例
【0023】
〔試験例1:ホットケーキミックス粉の検討〕
下記表1に示す配合で、水以外の原料を混ぜてホットケーキミックス粉を調製し、得られたホットケーキミックス粉を本発明の自立袋(角度A:45°、ノッチが収容部上端から25mm下に位置)に投入し、開口部をヒートシーラーで密封し、自立袋入りホットケーキミックス粉を得た(ホットケーキミックス粉の体積:マチ部を接地面と平行になるように広げ、ノッチによって袋上部を除去した後の袋の収容部の体積に対して3分の1)。その後、ノッチを水平方向に切って袋を開封し、マチ部の面積の2分の1以上が接地面に接するようにマチ部を広げ、表1に記載の量の水を加え、スプーンを用いて十分に混合し、生地を調製した。このとき、脱脂大豆粉末1質量部に対して加水が2質量部増えるように水の量を調節して、ホットケーキ生地の粘度が同程度となるようにした。撹拌を開始してから均一なホットケーキ生地が得られるまでの時間(撹拌時間)及びダマの発生の有無を目視で確認した。このホットケーキ生地80gを自立袋の上部から160℃の表面温度のフライパンに注ぎ、片面3分間、反転後2分間焼成しホットケーキを得た。
ここで、撹拌時間は、撹拌を始めてから自立袋の底面に粉が残らない状態となるまでに要した時間であり、ダマとは、底面に粉が残らない状態まで撹拌した後、生地内に目視で確認できる塊のことをいう。
得られたホットケーキについて、下記評価基準で10名のパネラーにより評価を行い、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
【0024】
評価基準表
【0025】
【表1】
【0026】
表1より、大豆粉末を適正量加えた実施例1~4では、大豆粉末を含まない比較例1と比較して、撹拌時間が短くなり、ホットケーキの歯切れや口溶けが良好となった。一方、大豆粉末の量が多い比較例2では、撹拌時間は短くなったものの、生地にダマの発生が見受けられ、得られたホットケーキの口溶けも劣っていた。
【0027】
〔試験例2:自立袋の検討〕
ホットケーキミックス粉を収容する自立袋を、図8~10で示される従来の袋を使用した以外は、実施例3と同様にしてホットケーキ生地を製造し、ホットケーキを得た。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2より、ホットケーキミックス粉が適正量の大豆粉末を含んでいたとしても、本発明の自立袋を使用しない場合は、撹拌時間が長くなった。
【符号の説明】
【0030】
1 自立袋入りホットケーキミックス粉
2 自立袋
21,31 マチ部
22,32 両側シール部
23 上部シール部
24,34 底部シール部
25 傾斜シール部
26,36 ノッチ
27 収容部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10