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特許7581721通信システム、通信端末、画面共有方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】通信システム、通信端末、画面共有方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20241106BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20241106BHJP
   G06F 15/00 20060101ALI20241106BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F3/0488
G06F15/00 440B
H04N7/15
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020155740
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049507
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 大樹
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220131(JP,A)
【文献】特開2017-033291(JP,A)
【文献】特開平09-085481(JP,A)
【文献】特開2018-050285(JP,A)
【文献】特開2016-036143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 3/0488
G06F 15/00
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信端末、及び、前記第1の通信端末と画面を共有する第2の通信端末、を含む通信システムであって、
前記第1の通信端末は、
前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の選択を受け付ける受付部、を有し、
前記第2の通信端末は、
前記受付部で受け付けた複数の画面に関する情報と、前記受付部で受け付けた複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、前記受付部で受け付けた複数の画面を前記第2の通信端末の表示部に表示させる表示制御部、を有
前記第1の通信端末は、前記第1の通信端末が表示した画面の表示履歴に基づいて、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の組み合わせを選択可能に表示する提案画面を表示する操作画面表示部をさらに有する、通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信端末は、
前記受付部で受け付けた複数の画面に関する情報を、前記第2の通信端末に送信する情報送信部、をさらに有する請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数の画面は、前記第1の通信端末及び前記第2の通信端末の利用者が描画したストローク画像を共有する1つ以上の共有画面を含む、請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数の画面は、前記第1の通信端末又は前記第2の通信端末に、外部装置から入力される外部入力画像を共有する外部入力画面を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記受付部で選択された前記複数の画面に、予め定められた共有対象外の画面が含まれる場合、
前記情報送信部は、前記共有対象外の画面を除外して、前記複数の画面に関する情報を前記第2の通信端末に送信する、請求項2に記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信システムは、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信を管理する通信管理装置をさらに含み、
前記情報送信部は、前記第1の通信端末の前記受付部で選択された前記複数の画面に関する情報を、前記通信管理装置を介して、前記第2の通信端末に送信し、
前記通信管理装置は、
前記第1の通信端末が送信する前記複数の画面に関する情報を受信し、受信した前記複数の画面に関する情報を、前記第1の通信端末と通信する1つ以上の前記第2の通信端末に転送する通信部と、
前記第1の通信端末から受信した前記複数の画面に関する情報を、前記通信を識別する識別情報と対応付けて管理する共有データ管理部と、
を有する、請求項2又は5に記載の通信システム。
【請求項7】
他の通信端末と通信する通信端末であって、
当該通信端末の表示部に表示する複数の画面の選択を受け付ける受付部と、
前記他の通信端末の受付部で受け付けた複数の画面に関する情報と、前記他の通信端末の受付部で受け付けた複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、前記他の通信端末の受付部で受け付けた複数の画面を表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
当該通信端末が表示した画面の表示履歴に基づいて、当該通信端末の表示部に表示する複数の画面の組み合わせを選択可能に表示する提案画面を表示する操作画面表示部をさらに有する、通信端末。
【請求項8】
第1の通信端末、及び、前記第1の通信端末と画面を共有する第2の通信端末、を含む通信システムにおける画面共有方法であって、
前記第1の通信端末の受付部が、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の選択を受け付ける処理を実行し、
前記第2の通信端末の表示制御部が、前記受付部で受け付けた複数の画面に関する情報と、前記受付部で受け付けた複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、前記受付部で受け付けた複数の画面を前記第2の通信端末の表示部に表示させる処理を実行し、
前記第1の通信端末の操作画面表示部が、前記第1の通信端末が表示した画面の表示履歴に基づいて、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の組み合わせを選択可能に表示する提案画面を表示する処理をさらに実行する、画面共有方法。
【請求項9】
第1の通信端末、及び、前記第1の通信端末と画面を共有する第2の通信端末、を含む通信システムにおいて、
前記第1の通信端末を、
前記第1の通信端末に表示する複数の画面の選択を受け付ける受付部、として機能させ、
前記第2の通信端末を、
前記受付部で受け付けた複数の画面に関する情報と、前記受付部で受け付けた複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、前記受付部で受け付けた複数の画面を前記第2の通信端末の表示部に表示させる表示制御部、として機能させ
前記第1の通信端末を、前記第1の通信端末が表示した画面の表示履歴に基づいて、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の組み合わせを選択可能に表示する提案画面を表示する操作画面表示部としてさらに機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信端末、画面共有方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して、複数の通信端末の間で会議を行う会議システムが普及している。また、このような会議システムにおいて、複数の通信端末の間で表示画面を共有し、ユーザが電子ペンや手等で描画したストローク画像を再生するためのストロークデータを、通信端末の間で送受信することにより、ストローク画像を共有することが行われている。
【0003】
また、このような会議システムにおいて、会議に参加中の各通信端末の会議データの表示状態に基づいて会議データの注目度を算出し、注目度の順位に沿って途中参加の通信端末に表示させる画面を作成する会議システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような会議システムにおいて、ある通信端末で選択して表示している複数の画面を他の通信端末と共有したいという要求がある。
【0005】
しかし、例えば、特許文献1に示されるような従来の会議システムでは、会議データの注目度の順位に従って共有画面に表示される内容が決定されてしまうため、ある通信端末で選択して表示している複数の画面を他の通信端末と共有することはできないという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の通信端末の間で画面を共有する通信システムにおいて、ある通信端末で選択して表示している複数の画面を他の通信端末と共有できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る通信システムは、第1の通信端末、及び、前記第1の通信端末と画面を共有する第2の通信端末、を含む通信システムであって、前記第1の通信端末は、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の選択を受け付ける受付部、を有し、前記第2の通信端末は、前記受付部で受け付けた複数の画面に関する情報と、前記受付部で受け付けた複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、前記受付部で受け付けた複数の画面を前記第2の通信端末の表示部に表示させる表示制御部、を有前記第1の通信端末は、前記第1の通信端末が表示した画面の表示履歴に基づいて、前記第1の通信端末の表示部に表示する複数の画面の組み合わせを選択可能に表示する提案画面を表示する操作画面表示部をさらに有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、複数の通信端末の間で画面を共有する通信システムにおいて、ある通信端末で選択して表示している複数の画面を他の通信端末と共有できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る通信システムにおける通信ルートの例を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。
図6】一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。
図7】一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。
図8】一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。
図9】一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。
図10】一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。
図11】一実施形態に係る共有データ管理テーブルの例を示す図である。
図12】一実施形態に係る画面情報について説明するための図である。
図13】一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。
図14】一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。
図15】一実施形態に係るストローク画像の共有処理の例を示すシーケンス図である。
図16】第1の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示すシーケンス図である。
図17】第1の実施形態に係るページ一覧画面の例を示す図である。
図18】第1の実施形態に係る配置情報のイメージを示す図である。
図19】第1の実施形態に係る電子黒板の表示画面の例を示す図(1)である。
図20】第1の実施形態に係る電子黒板の表示画面の例を示す図(2)である。
図21】第2の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示す図(1)である。
図22】第2の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示す図(2)である。
図23】第3の実施形態に係る表示する複数の画面の選択画面の例を示す図である。
図24】第3の実施形態に係る電子黒板の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
〔通信システムの概略〕
まず、図1を用いて、複数の電子黒板1a、1b間で描画しながらビデオ会議を行うための通信システム100の概要について説明する。図1は、本実施形態の通信ルートの例を示す概略図である。なお、「ビデオ会議」は、「テレビ会議」、「遠隔会議」等と呼ばれる場合がある。
【0012】
なお、「ビデオ会議」、「テレビ会議」、「遠隔会議」の会議は、複数の通信端末の間でストローク画像を共有するセッションの一例である。例えば、ストローク画像を共有するセッションは、遠隔授業、遠隔診療、打ち合わせ、単なる会話等を行う、会議以外のセッションであっても良い。
【0013】
通信システム100は、例えば、複数の電子黒板1a、1b、中継装置3、通信管理装置5、及び画像保存装置7等によって構築されている。
【0014】
電子黒板(通信端末)1a、1bは、ビデオ会議用の拠点画像データ及び音データ、背景画像データ、及びストローク画像のストロークデータ等のコンテンツデータの相互通信を行う通信端末であり、IWB(Interactive White Board)とも呼ばれる。
【0015】
なお、通信システム100は、2つの電子黒板1a、1bに限らず、3つ以上の電子黒板を有していても良い。また、以下の説明の中で、通信システム100に含まれる複数の電子黒板のうち、任意の電子黒板を示す場合、「電子黒板1」を用いる。
【0016】
なお、電子黒板1は、本実施形態に係る通信端末の一例である。通信端末は、通信機能、描画機能、表示機能等を備える他の通信端末であっても良い。例えば、通信端末は、通信システム100に対応するアプリケーションプログラムがインストールされた、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末であっても良い。
【0017】
ストロークデータは、ストローク画像を再生(再現)するために必要なデータであり、座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等が含まれる。また、電子黒板1a、1bは、ビデオ会議用の映像データである拠点画像データ及び音データの送受信により、相手側の映像及び音を再生することで、ビデオ通話が可能となる。
【0018】
また、電子黒板1a、1bは、例えば、共有用の資料画像の画像データを送受信することにより、通信システム100を利用する利用者が、同じ資料画像を共有することができる。資料画像は、電子黒板1のディスプレイに表示される画像であり、例えば、会議の資料、ディスプレイに表示される背景画像、ディスプレイ画面をキャプチャされた場合のキャプチャ画面等の画像等が含まれ得る。
【0019】
また、電子黒板1a、1bは、共有用のストローク画像のストロークデータを送受信することにより、通信システムを利用する参加者が、同じストローク画像を共有することができる。ストローク画像は、利用者によって電子ペン等で手書きストロークにより描画された線等を示す画像である。ストローク画像は、ディスプレイ上の座標を特定する点を示すストロークデータによって表示される。
【0020】
図1では、電子黒板1a、1bの一例としてビデオ会議機能が搭載された電子黒板が示されている。なお、映像データの画像は、動画であっても良いし、静止画であっても良い。
【0021】
また、以下の説明において、ビデオ会議の開始を要求する要求元の電子黒板1を「開始端末」と呼び、要求先である宛先(中継先)の電子黒板1を「宛先端末」と呼ぶ。例えば、図1において、電子黒板1aから電子黒板1bにビデオ会議の開始を要求する場合、電子黒板1aが開始端末となり、電子黒板1bが宛先端末となる。なお、各電子黒板1a、1bは、複数の事業所間での通信や、同じ事業所内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われても良い。
【0022】
中継装置3は、コンピュータによって構成され、複数の電子黒板1a、1b間で、通話用のコンテンツデータを中継する処理を行う。
【0023】
通信管理装置5は、コンピュータによって構成され、例えば、電子黒板1aと電子黒板1bとの間の通信(セッション)を管理する。例えば、通信管理装置5は、電子黒板1a、1bからのログインの認証、電子黒板1a、1bの通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置3の通信状況等を一元的に管理する。また、通信管理装置5は、複数の電子黒板1a、1b間で、共有用のストロークデータを中継する。
【0024】
画像保存装置7は、コンピュータによって構成され、電子黒板1aからアップロードされた共有用の資料画像の画像データを保存して、電子黒板1bにダウンロードする。また、この逆も実行される。即ち、画像保存装置7は、電子黒板1bからアップロードされた画像データを保存して、電子黒板1aにダウンロードする。
【0025】
なお、中継装置3、通信管理装置5及び画像保存装置7は、単一のコンピュータによって構築されても良いし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていても良い。
【0026】
また、通信システム100において、電子黒板1a、1bとの間では、通信管理装置5を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションsei(以下、「セッションsei」と呼ぶ)が確立される。また、電子黒板1a、1bとの間では、中継装置3を介して、例えば、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。図1では、これら4つのセッションをまとめて、画像・音データ用セッションsed(以下、単に「セッション」と呼ぶ)として示している。なお、セッションは、必ずしも4つのセッションである必要はなく、4つのセッション数より少ない又は多いセッション数であっても良い。また、開始端末と宛先端末との間で、中継装置3を介さずに、直接、セッションを確立しても良い。
【0027】
さらに、通信システム100において、電子黒板1a、1bとの間では、セッションseiを利用して、ストロークデータの送受信を行うことができる。
【0028】
ここで、本実施形態で扱われる映像データの映像の解像度について説明する。低解像度の映像データは、例えば、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる。中解像度の映像データは、横が320画素、縦が240画素から成る。高解像度の映像データは、例えば、横が640画素、縦が480画素から成る。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の映像データのみから成る低画質の映像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、及び中解像度の映像データから成る中画質の映像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、中解像度の映像データ、及び高解像度の映像データから成る高画質の映像データが中継される。音データは、映像データに比べてデータ量が少ないため、狭帯域経路であっても中継される。
【0029】
<システム構成>
図2は、一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【0030】
図2において、電子黒板1aは拠点A、電子黒板1bは拠点Bに設置されている。例えば、拠点Aは日本の東京事業所で、拠点Bは日本の大阪事業所等である。拠点Aでは利用者A1が電子黒板1aを利用し、拠点Bでは利用者B1、利用者B2が電子黒板1bを利用しているものとする。なお、電子黒板1aは、第1の通信端末の一例であり、電子黒板1bは、第2の通信端末の一例である。
【0031】
また、電子黒板1a、1b、中継装置3、通信管理装置5、及び画像保存装置7は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク200を介して、相互にデータを送受信することができる。なお、通信ネットワーク200には、無線通信部分が含まれていても良い。なお、図2において、電子黒板1a、1bは、ビデオ会議用の拠点画像データ、及び音データを含む会議映像データを送受信可能な電子黒板であるものとする。
【0032】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成について説明する。
【0033】
(電子黒板のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。図3に示されているように、電子黒板1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、SSD(Solid State Drive)104、ネットワークI/F(Interface)105、及び、外部機器接続I/F106等を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU101は、電子黒板1全体の動作を制御する演算装置である。ROM102は、例えば、CPU101やIPL(Initial Program Loader)等のCPU101の起動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、例えば、CPU101のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。SSD104は、例えば、電子黒板1用のプログラム等の各種データを記憶する大容量の記憶装置である。
【0035】
ネットワークI/F105は、電子黒板1を通信ネットワーク200に接続し、通信を行うための通信インタフェースである。外部機器接続I/F106は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器には、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ130、マイク140、スピーカ150、カメラ160)、及びPC(Personal Computer)170等が含まれる。
【0036】
また、電子黒板1は、キャプチャデバイス111、GPU(Graphics Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ113、接触センサ114、センサコントローラ115、電子ペンコントローラ116、近距離通信回路119、及び近距離通信回路119のアンテナ119a、電源スイッチ122及び選択スイッチ類123等を備えている。
【0037】
これらのうち、キャプチャデバイス111は、外付けのPC170のディスプレイ等に表示されている表示画面等を、静止画、又は動画としてキャプチャ(取得)する。GPU112は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップ(プロセッサ)である。ディスプレイコントローラ113は、GPU112からの出力画像をディスプレイ180等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ114は、ディスプレイ180上に電子ペン190やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ115は、接触センサ114の処理を制御する。
【0038】
接触センサ114は、例えば、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ180の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ180に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ180の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ114は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ115に出力し、センサコントローラ115が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ116は、電子ペン190と通信することで、ディスプレイ180へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路119は、近距離無線通信を行うための通信回路である。
【0039】
電源スイッチ122は、電子黒板1の電源のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類123は、例えば、ディスプレイ180の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0040】
さらに、電子黒板1は、バスライン110を備えている。バスライン110は、図3に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0041】
なお、接触センサ114は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル等を用いても良い。また、接触センサ114は、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネル等の種々の検出手段を用いても良い。さらに、電子ペンコントローラ116が、電子ペン190のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン190のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分におけるタッチの有無を判断するようにしても良い。
【0042】
(管理装置、中継装置、画像保存装置、及びPC等のハードウェア構成)
通信管理装置5、中継装置3、画像保存装置7、及びPC170等は、例えば、図4に示すようなコンピュータ400のハードウェア構成を備えている。或いは、通信管理装置5、中継装置3、及び画像保存装置7は、複数のコンピュータ400によって実現されるものであっても良い。
【0043】
図4は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、CPU401、ROM402、RAM403、HD(Hard Disk)404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、ディスプレイ406、外部機器接続I/F407、ネットワークI/F408、キーボード409、ポインティングデバイス410、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ412、メディアI/F414、及び、バスライン415等を備えている。
【0044】
これらのうち、CPU401は、コンピュータ400の全体の動作を制御する演算装置である。ROM402は、例えば、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM403は、例えば、CPU401のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。HD404は、例えば、OS(Operating System)やアプリケーション等のプログラムや、各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0045】
ディスプレイ406は、例えば、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F407は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F408は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするための通信インタフェースである。キーボード409は、例えば、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス410は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0046】
DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411とは異なるディスクに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御しても良い。メディアI/F414は、フラッシュメモリ等のメディア413に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン415は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0047】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る通信システム100の機能構成について説明する。図5は、一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。なお、図5において、電子黒板1bは、電子黒板1aと同じ機能構成を有しているものとする。
【0048】
<電子黒板の機能構成>
各電子黒板1は、例えば、図3のCPU101で所定のプログラムを実行することにより、通信部11、受付部12、映像・音処理部13、表示制御部14、画像処理部15、情報送信部16、操作画面表示部17、近距離通信部18、及び記憶・読出処理部19等を実現している。また、電子黒板1は、例えば、図3のRAM103、SSD104等によって実現される記憶部1000を有している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0049】
通信部11は、通信ネットワーク200を介して他の端末、装置又はシステムと各種のデータや情報の送受信を行う。また、通信部11は、開始部としての役割も果たし、通信管理装置5等へのログイン処理や、他の通信端末と通信を開始する処理を行う。
【0050】
受付部12は、利用者から電子ペン190等による各種入力操作を受け付ける。例えば、受付部12は、ストローク画像の描画操作、各種の設定操作、選択操作等を受け付ける。また、本実施形態に係る受付部12は、ディスプレイ180等の表示部に表示する複数の画面の選択を受け付ける機能等も有している。なお、受付部12の具体的な処理内容については後述する。
【0051】
映像・音処理部13は、ビデオ会議機能の主な処理を行う。例えば、映像・音処理部13は、マイク140の出力信号及びカメラ160の出力信号に共づき、映像データ及び音データのエンコード等のデジタル処理を行う。また、映像・音処理部13は、通信部11で受信された映像データ及び音データに基づき、映像信号の生成、音信号の生成等を行う。さらに、映像・音処理部13は、解像度の異なる映像データを組み合わせる処理等も行う。
【0052】
表示制御部14は、ディスプレイ180等の表示部に映像信号(画像信号)等を出力して、表示画面を表示させるための制御を行う。また、本実施形態に係る表示制御部14は、他の電子黒板1で選択された複数の画面に関する情報と、当該複数の画面の画面数に基づく配置情報とを用いて、ディスプレイ180等の表示部に、当該複数の画面を表示させる機能等も有している。なお、表示制御部14の具体的な処理内容については後述する。
【0053】
画像処理部15は、電子黒板機能の主な処理を行う。例えば、画像処理部15は、受付部12によって受け付けられた電子ペン190等のストロークに基づいてストローク画像及びストロークデータを作成する処理や、通信部11によって受信されたストロークデータに基づいてストローク画像を作成する処理等を行う。また、画像処理部15は、通信部11で受信された資料画像の画像データに基づき、画像信号を生成する処理等も行う。
【0054】
情報送信部16は、画像処理部15が作成したストロークデータを、通信管理装置5に送信する。また、本実施形態に係る情報送信部16は、受付部12が受け付けた複数の画面に関する情報を含む操作情報を、通信管理装置5を介して、電子黒板1と通信している他の電子黒板1に送信する機能等も有している。
【0055】
なお、情報送信部16は、操作情報を、通信管理装置5を介さずに、他の電子黒板1に送信するものであっても良い。また、情報送信部16は、操作情報を通信管理装置5宛てに送信し、通信管理装置5が、操作情報を他の電子黒板1に送信する機能を有していても良い。要するに、通信システム100は、電子黒板1の情報送信部16が送信した操作情報が、当該電子黒板と通信している他の電子黒板1に送信されるものであれば良い。なお、情報送信部16の具体的な処理については後述する。
【0056】
操作画面表示部17は、後述するページ一覧画面1700、又は選択画面2300等の操作画面を、ディスプレイ180等の表示部に表示する。
【0057】
近距離通信部18は、近距離通信部を有する各端末との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行う。
【0058】
記憶・読出処理部19は、記憶部1000に各種データを記憶する処理、及び記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0059】
記憶部1000には、例えば、他の端末との通信を行う際に受信される映像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の映像データによってディスプレイ180に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ150から音声が出力される。
【0060】
また、本実施形態に係る記憶部1000は、後述する操作情報1001、配置情報1002等の情報も記憶する。
【0061】
<通信管理装置の機能構成>
通信管理装置5は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、通信部51、認証部52、端末管理部53、セッション管理部54、中継装置管理部55、共有データ管理部56、及び記憶・読出処理部57等を実現している。なお、上記の各機能構成は、複数のコンピュータ400で実行されるプログラムによって実現されるものであっても良い。また、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0062】
また、通信管理装置5は、図4のHD504、及びHDDコントローラ405等によって実現される記憶部5000を有している。記憶部5000には、例えば、認証管理DB(Database)5001、端末管理DB5002、宛先リスト管理DB5003、セッション管理DB5004、中継装置管理DB5005、及び共有データ管理DB5006等が記憶されている。
【0063】
(認証管理テーブル)
図6は、一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図6に示されるような認証管理テーブル600によって構成される認証管理DB5001が記憶されている。この認証管理テーブル600では、通信管理装置5によって管理される複数の電子黒板1の端末IDと、各端末IDに対応するパスワードとが関連付けられて管理される。例えば、図6に示されている認証管理テーブル600において、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応するパスワードは、「aaaa」であることが示されている。
【0064】
なお、端末IDは、電子黒板(通信端末)1を識別する識別情報であり、通信管理装置5が電子黒板1等の通信端末を管理するための識別情報の一例である。例えば、通信管理装置5は、端末IDに代えて、利用者を識別する利用者ID、契約者を識別する契約ID、通信元を特定する通信ID等を用いて、電子黒板1を管理するものであっても良い。
【0065】
また、パスワードは、電子黒板1等の通信端末を認証するための認証情報の一例である。認証情報は、例えば、アクセストークンや電子証明書等のパスワード以外の認証情報であっても良い。
【0066】
(端末管理テーブル)
図7は、一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図7に示されるような端末管理テーブル700によって構成されている端末管理DB5002が記憶されている。この端末管理テーブル700では、各電子黒板1を識別するための端末ID毎に、各電子黒板1を宛先とした場合の宛先名、各電子黒板1の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理装置5で受信された受信日時、及び各電子黒板1のIPアドレス等が関連付けられて管理される。
【0067】
例えば、図7に示されている端末管理テーブル700において、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(通信可能)」であることが示されている。また、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、通信管理装置5でログイン要求情報が受信された日時が「20xx年4月10日の13時40分」で、IPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、端末ID、宛先名、及び端末のIPアドレス等は、例えば、各電子黒板1が、通信管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際等に記憶される。
【0068】
(宛先リスト管理テーブル)
図8は、一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図8に示されるような宛先リスト管理テーブル800によって構成されている宛先リスト管理DB5003が記憶されている。この宛先リスト管理テーブル800では、通信の開始を要求する電子黒板1(開始端末)の端末IDに対して、宛先となる電子黒板1(宛先端末)の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図8に示されている宛先リスト管理テーブル800において、端末IDが「01aa」である開始端末(電子黒板1a)から通信の開始を要求することができる宛先端末の候補には、端末IDが「01ba」の電子黒板1b等が含まれていることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の開始端末から通信管理装置5に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
【0069】
(セッション管理テーブル)
図9は、一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図9に示されているようなセッション管理テーブル900によって構成されているセッション管理DB5004が記憶されている。このセッション管理テーブル900では、セッション(通信)を識別するための識別情報であるセッションID毎に、使用する中継装置3の装置ID、開始端末の端末ID、宛先端末の端末ID等が関連付けて管理される。また、セッション管理テーブル900では、例えば、宛先端末において映像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から受信した受信日時等の情報が、さらに関連付けられて管理される。例えば、図9に示すセッション管理テーブル900において、セッションID「se01」のセッションは、中継装置ID「111a」の中継装置3が、端末ID「01aa」の開始端末と端末ID「01ba」の宛先端末との間の通信を中継している。また、セッションID「se01」のセッションにおいて、「20xx年4月10日の13時41分」時点における映像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。
【0070】
(中継装置管理テーブル)
図10は、一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図10に示されるような中継装置管理テーブル1010によって構成される中継装置管理DB5005が記憶されている。この中継装置管理テーブル1010では、複数の中継装置3を識別する中継装置ID毎に、各中継装置3の稼動状態、稼動状態が示される状態情報を受信した受信日時、中継装置3のIPアドレス、及び、最大データ伝送速度(Mbps)等が関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている中継装置管理テーブル1010において、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、稼動状態が「オンライン」で、通信管理装置5で状態情報が受信された日時が「20xx年4月10日の12時00分」であることが示されている。また、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、この中継装置3のIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置3における最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
【0071】
(共有データ管理テーブル)
図11は、一実施形態に係る共有データ管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、図11に示されるような共有データ管理テーブル1100によって構成される共有データ管理DB5006が構築されている。この共有データ管理テーブル1100には、各電子黒板(通信端末)1と中継装置3との間で相互通信を行なうためのセッション(通信)を識別するためのセッションID毎に、電子黒板1の間で共有する複数の画面に関する各種のデータが記憶されている。
【0072】
共有データ管理テーブル1100に記憶されているデータには、例えば、各データを識別するためのID、各データの発生順序を示すシーケンス番号、データの内容を示す情報であるbody、及び親となるデータを特定するための情報であるparentが含まれている。例えば、図11において、共有データ管理テーブル1100には、セッションID「se01」に対応付けて、セッションで生成されたページを示す情報(children)、現在表示されているページを示す情報(current page)が記憶されている。
【0073】
また、共有データ管理テーブル1100には、電子黒板1が表示する1つ以上の表示画面を表示するための表示画面情報が記憶されている。
【0074】
(表示画面情報)
図12は、一実施形態に係る表示画面情報について説明するための図である。電子黒板1に表示される表示画面は、例えば、図12の表示画面情報1200に示されるように、「会議」、「ページ(ページ1~4)」、「ストローク(ストローク1~5)」等の階層構造を有している。「ストローク」は、本実施形態に係るストロークデータに対応しており、「ページ」毎に管理されている。また、「ページ」とは、ディスプレイ180に表示された1ページの画面(表示画面)に係る画像データが記憶された状態を示す。さらに、「会議」とは、電子黒板1によって実行されている会議(セッション)の情報を示す。
電子黒板1は、ページの切り替えが可能であり、「ページ」は、電子黒板1の各ページに対応している。例えば、ページ1には、ページ1を識別するページID(id=pag01)、電子黒板1で実行されている「会議」を特定するための情報(parent=se01)、ページ(ページデータ)を識別するgid「g01」、および画像データ1等が含まれている。
【0075】
(通信管理装置の各機能構成)
ここで、図5に戻り、通信管理装置5の各機能構成について説明する。
【0076】
通信部51は、通信ネットワーク200を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。例えば、通信部51は、電子黒板1aから送信される、複数の画面に関する情報を含む操作情報を受信し、受信した操作情報を、電子黒板1aと通信している(同じ会議に参加している)他の電子黒板1bに転送(送信)する機能を有している。同様に、通信部51は、電子黒板1bから送信される、共有する複数の画面に関する情報を含む操作情報を受信し、受信した操作情報を、電子黒板1bと通信している(同じ会議に参加している)他の電子黒板1aに転送することができる。
【0077】
なお、電子黒板1が送信する操作情報には、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100のうち、電子黒板1が現在表示している画面を示す「current page」の情報が、少なくとも含まれる。
【0078】
認証部52は、通信部51を介して受信されたログイン要求の認証を行う。例えば、認証部52は、電子黒板1から受信したログイン要求に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、図6に示すような認証管理テーブル600に記憶されている場合、電子黒板1のログインを許可する。
【0079】
端末管理部53は、端末管理DB5002を管理し、例えば、電子黒板1の状態に応じて、図7に示すような端末管理テーブル700における稼動状態、受信日時、端末のIPアドレス等の情報を更新する。
【0080】
また、端末管理部53は、宛先リスト管理テーブル800を管理し、例えば、電子黒板1からの要求に応じて、図8に示すような宛先リスト管理テーブル800における宛先端末の端末IDを含む宛先リスト情報を提供する。
【0081】
セッション管理部54は、通信システム100で開催されるセッション(通信、会議等)を管理する。例えば、セッション管理部54は、電子黒板1から通信の開始を要求する開始要求情報に応じて、セッションを識別するためのセッションIDを生成する。また、セッション管理部54は、セッションIDに対応付けて、セッションに関する様々な情報を、例えば、図9に示すようなセッション管理テーブル900に記憶して管理する。
【0082】
中継装置管理部55は、中継装置管理DB5005を管理し、例えば、図10に示すような中継装置管理テーブル1010を用いて、セッションの中継に用いる中継装置3を選択する。例えば、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1010に記憶されている各中継装置3のIPアドレスと、開始端末のIPアドレスとから、開始端末の近くにある中継装置3を選択するものであっても良い。或いは、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1010に記憶されている各中継装置3の最大データ伝送速度等に基づいて、中継装置3を選択するものであっても良い。
【0083】
なお、本実施形態では、セッションの中継に用いる中継装置3の選択方法は任意の方法であって良い。また、通信システム100は、1つの中継装置3を有し、各セッションで同じ中継装置3を利用するものであっても良い。
【0084】
共有データ管理部56は、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100を管理する。例えば、共有データ管理部56は、会議(セッション)に参加している
電子黒板1から、セッションseiで送信されるストロークデータを、セッションIDと対応付けて、共有データ管理テーブル1100に記憶して管理する。
【0085】
記憶・読出処理部57は、記憶部5000に各種データを記憶する処理、及び記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0086】
<画像保存装置の機能構成>
画像保存装置7は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、通信部71、記憶・読出処理部72等を実現している。また、画像保存装置7は、例えば、図4のRAM403、HD404、HDDコントローラ405等によって実現される記憶部7000を有している。
【0087】
通信部71は、通信ネットワーク200を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データや情報等の送受信を行う。記憶・読出処理部72は、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0088】
上記の構成により、画像保存装置7は、例えば、電子黒板1からアップロードされる画像データを、指定されたURL(Uniform Resource Locator)に記憶するとともに、電子黒板1からの要求に応じて、指定されたURLに記憶された画像データを提供する。
【0089】
<中継装置の機能構成>
中継装置3は、例えば、図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、通信部(転送部)31、判断部32、及び記憶・読出処理部33等を実現している。また、中継装置3は、例えば、図4のRAM403、HD404、HDDコントローラ405等によって実現される記憶部3000を有している。
【0090】
通信部(転送部)31は、通信ネットワーク200を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データや情報等の送受信を行う。また、通信部31は、転送部としての役割も果たし、例えば、電子黒板1から受信した映像データ及び音データ等を、電子黒板1と同じセッションに参加している他の電子黒板1に転送する。判断部32は、データの遅延状態等の判断等、各種の判断を行う。
【0091】
記憶・読出処理部33は、記憶部3000に各種データを記憶する処理、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0092】
なお、図5に例示した通信システム100の機能構成は一例であり、様々な変形や応用が可能である。例えば、通信管理装置5に含まれる各機能構成は、複数のコンピュータ400によって実現されるものであっても良い。また、通信管理装置5に含まれる各機能構成のうち、少なくとも一部は、電子黒板(通信端末)1が有していても良い。同様に、電子黒板1に含まれる各機能構成のうち、少なくとも一部は、通信管理装置5が有していても良い。
【0093】
また、画像保存装置7の機能は、通信システム100の外部(又は内部)のストレージサーバ等によって実現されるものであっても良い。さらに画像保存装置7、及び中継装置3の各機能構成のうち、少なくとも一部は、通信管理装置5に含まれていても良い。さらにまた、電子黒板1は、通信端末の一例であり、通信端末は、通信システム100に対応するアプリケーションを実行する情報端末等であっても良い。
【0094】
〔処理の流れ〕
続いて、本実施形態に係る通信管理方法、及び画面共有方法の処理の流れについて説明する。
【0095】
<準備段階の処理>
図13は、一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、通信システム100において、電子黒板1が遠隔会議等のセッション(通信)に参加する前に実行される準備段階の処理の例を示している。
【0096】
まず、電子黒板1aで電源スイッチ122がオンされると、受付部12が、電源オンを受け付ける(ステップS22)。
【0097】
次に、通信部11は、通信ネットワーク200を介して通信管理装置5に、ログインを要求するログイン要求情報を送信する(ステップS23)。このログイン要求情報には、例えば、電子黒板1aの端末ID及びパスワード等が含まれる。
【0098】
次に、通信管理装置5の認証部52は、通信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、図6に示すような認証管理テーブル600を検索する。また、認証部52は、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル600で管理されている場合、電子黒板1aのログインを許可する(ステップS24)。ここで、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル600で管理されている場合、ステップS25以降の処理が実行される。
【0099】
電子黒板1aのログインが許可された場合、端末管理部53は、図7に示すような端末管理テーブル700において、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する情報を更新する。例えば、端末管理部53は、端末ID「01aa」に対応する「稼動状態」の情報を「オンライン(通信可能)」に変更するとともに、「受信日時」の情報を、ログイン要求情報を受信した日時に更新する(ステップS25)。なお、端末管理テーブル700の端末のIPアドレスの情報は、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で電子黒板1aから送信されたIPアドレスを用いるようにしても良い。この処理により、端末管理テーブル700には、例えば、図7に示すように、端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「20xx.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.3」等が関連付けて管理される。
【0100】
次に、セッション管理部54は、上記のステップS23で受信した電子黒板1aの端末ID「01aa」を、「開始端末の端末ID」とする新しいレコードを、図9に示すようなセッション管理テーブル900に追加して管理する(ステップS26)。そして、通信管理装置5の通信部51は、ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク200を介して、上記ログイン要求してきた電子黒板1aに送信する(ステップS27)。
【0101】
電子黒板1aの通信部11は、ログインが許可されたことを示す認証結果情報を受信すると、通信ネットワーク200を介して通信管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS28)。これにより、通信管理装置5の通信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0102】
次に、端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」を検索キーとして、図8に示すような宛先リスト管理テーブル800を検索し、電子黒板1aと通信することができる宛先候補の端末IDを読み出す。また、端末管理部53は、図7に示すような端末管理テーブル700から、宛先候補の端末IDに対応する宛先名を読み出す(ステップS29)。これにより、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する宛先候補のそれぞれの端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0103】
次に、通信管理装置5の通信部51は、記憶・読出処理部57を介して、例えば、記憶部5000に記憶されている宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータ等を読み出す(ステップS30)。また、通信管理装置5の通信部51は、読み出した宛先リスト枠及びアイコン、ステップS29で抽出した端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、端末ID、宛先名)」を、電子黒板1aに送信する(ステップS31)。これにより、電子黒板1aは、通信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が記憶部1000に、受信した宛先リスト情報を記憶する(ステップS32)。
【0104】
このように、本実施形態では、各電子黒板1で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信管理装置5に新たな電子黒板1が登録された場合、既に含まれている電子黒板1に替えて新機種の通信端末が登録された場合、宛先リスト枠の見栄え等を変更する場合等でも、各電子黒板1側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0105】
また、通信管理装置5の端末管理部53は、ステップS29で抽出した宛先候補の端末IDを検索キーとして、図7に示すような端末管理テーブル700を検索し、宛先候補の端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出す。これにより、端末管理部53は、宛先候補の端末IDに対応する各電子黒板1の稼動状態を取得する(ステップS33)。
【0106】
次に、通信管理装置5の通信部51は、ステップS33で検索キーとして使用された端末IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク200を介して、電子黒板1aに送信する(ステップS34)。
【0107】
次に、電子黒板1aの記憶・読出処理部19は、順次、通信管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1000に記憶する(ステップS35)。よって、電子黒板1aは、上記各電子黒板1状態情報を受信することで、電子黒板1aと通信することができる宛先候補である電子黒板1b、1c等の現時点における稼動状態を取得することができる。
【0108】
次に、電子黒板1aの表示制御部14は、記憶部1000に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成する。また、表示制御部14は、作成した宛先リストを用いて、宛先リスト画面を、電子黒板1aのディスプレイ180に表示させる(ステップS36)。
【0109】
一方、通信管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、図8に示すような宛先リスト管理テーブル800を検索することにより、電子黒板1aを宛先候補として登録している他の端末の端末IDを抽出する(ステップS37)。
【0110】
次に、通信管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、図7に示すような端末管理テーブル700を検索し、電子黒板1aの稼動状態を取得する(ステップS38)。
【0111】
そして、通信部51は、ステップS37で抽出した端末IDのうち、端末管理テーブル700で稼動状態が「オンライン」となっている端末IDの電子黒板1に、電子黒板1aの端末IDと稼動状態とを含む「端末の状態情報」を送信する(ステップS39)。なお、通信部51は、各電子黒板1に端末の状態情報を送信する際に、各端末IDに基づいて、端末管理テーブル700で管理されている各電子黒板1のIPアドレスを参照する。これにより、電子黒板1aを宛先候補として通信することができる各電子黒板1に、電子黒板1aの端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補となる各電子黒板1においても、電子黒板1aの状態を表示させることができる(ステップS40)。
【0112】
<セッションの開始処理>
図14は、一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、電子黒板1aが電子黒板1bに対して、セッション(通信)の開始を要求したときに通信システム100で実行されるセッションの開始処理の例を示している。
【0113】
ステップS1401において、開始端末である電子黒板1aが、利用者A1による宛先選択を受け付けると、ステップS1402以降の処理が実行される。ここでは、利用者A1により、宛先端末として電子黒板1bが選択されたものとする。
【0114】
ステップS1402において、電子黒板1aが、利用者A1による宛先選択を受け付けると、電子黒板1aの通信部11は、セッションの開始を要求する開始要求情報を通信管理装置5に送信する。この開始要求情報には、例えば、開始端末である電子黒板1aの端末ID「01aa」、宛先端末である電子黒板1bの端末ID等「01ba」、及び開始端末である電子黒板1aのIPアドレス等が含まれる。これにより、通信管理装置5の通信部51は、開始要求情報を受信するとともに、送信元である開始端末(電子黒板1a)のIPアドレスを受信する。
【0115】
ステップS1403において、通信管理装置5の端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末IDと宛先端末の端末IDとに基づいて、端末管理DB5002を更新する。例えば、端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」に基づき、端末管理テーブル700において、端末ID「01aa」、「01ba」に対応する「稼動状態」を「オンライン(通信中)」に更新する。なお、この状態では、開始端末である電子黒板1a、及び宛先端末である電子黒板1bは、セッションに参加していないが、通信中状態として管理する。
【0116】
ステップS1404において、通信管理装置5のセッション管理部54は、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。ここでは、セッション管理部54が、セッションID「se01」を生成するものとする。
【0117】
ステップS1405において、セッション管理部54は、図10に示すようなセッション管理テーブル900に、生成したセッションID、開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」等を、対応付けて記憶して管理する。
【0118】
ステップS1406において、通信管理装置5の中継装置管理部55は、開始端末(電子黒板1a)と宛先端末(電子黒板1b)との間のセッションを中継する中継装置3を選択する。例えば、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1010において稼動状態が「オンライン」の中継装置3に係る装置IDのうち、端末管理テーブル700において開始端末(電子黒板1a)のIPアドレスに近いIPアドレスの中継装置3を選択する。ここでは、装置ID「111a」の中継装置3が選択されるものとする。
【0119】
ステップS1407a、S1407bにおいて、通信管理装置5のセッション管理部54は、通信部51を介して、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)に、中継装置選択情報を送信する。この中継装置選択情報には、例えば、ステップS1406で選択された中継装置3のIPアドレス、ステップS1404で生成されたセッションID、及び通信管理装置5のIPアドレス等が含まれる。
【0120】
ステップS1408a、S1408bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の通信部11は、中継装置選択情報を受信すると、中継装置選択情報を受信したことを示す受信完了情報を、通信管理装置5に送信する。この受信完了情報には、例えば、中継装置選択情報に含まれていたセッションID「se01」等が含まれる。
【0121】
ステップS1409a、S1409bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の通信部11は、中継装置選択情報に含まれている、中継装置3の装置ID、及びセッションIDを用いて、中継装置3とセッションを確立する。これにより、電子黒板1a、電子黒板1bは、同じセッションID「se01」のセッションに参加し、会議映像等の映像データ、音データ等を、中継装置3を介して相互に送受信することができるようになる。
【0122】
上記の処理により、電子黒板1aの利用者A1と、電子黒板1bの利用者Bとの間で、会議映像等を送受信することができる。
【0123】
<ストローク画像の共有処理>
通信システム100では、会議(セッション)に参加している電子黒板1aの利用者A1、及び電子黒板1bの利用者B1、B2は、各電子黒板1に電子ペン190等で描画したストローク画像を共有画像として、他の電子黒板1に表示させることができる。ここでは、同じセッションに参加している電子黒板1aと電子黒板1bとの間で、ストローク画像を共有する処理の例について説明する。
【0124】
図15は、一実施形態に係るストローク画像の共有処理の例を示すシーケンス図である。なお、図15に示す処理の開始時点において、電子黒板1aと電子黒板1bは、例えば、図14に示すセッションの開始処理により、同じセッションに参加しているものとする。また、電子黒板1aと電子黒板1bは、必要に応じて、画像保存装置7を介して、資料画像を共有し、ディスプレイ180に資料画像を表示しているものとする。
【0125】
ステップS1501において、利用者A1が、電子ペン190や手Hを、電子黒板1aのディスプレイ180上に接触させて描画(移動)することにより、受付部12は、描画されたストローク(軌跡)の入力を受け付ける。
【0126】
ステップ1502において、電子黒板1aの画像処理部15は、受付部12が受け付けたストロークに応じたストローク画像を表示するためのストロークデータを作成する。このストロークデータには、例えば、前述したように、ストローク画像を再生するための座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等が含まれる。
【0127】
ステップS1503において、電子黒板1aの表示制御部14は、画像処理部15が作成したストロークデータに基づいて、ディスプレイ180等の表示部にストローク画像を表示させる。これにより、利用者A1が、ディスプレイ180に電子ペン190等で描画したストローク画像が、電子黒板1aのディスプレイ180に表示される。
【0128】
ステップS1504において、電子黒板1aの情報送信部16は、通信部11を介して、利用者A1によって描画されたストローク画像を再生するためのストロークデータを、例えば、セッションseiで通信管理装置5に送信する。これにより、通信管理装置5の通信部51は、電子黒板1aから送信されたストロークデータを受信する。
【0129】
ステップS1505において、通信管理装置5の共有データ管理部56は、電子黒板1aから受信したストロークデータを、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100に登録する。
【0130】
ステップS1506において、通信管理装置5の通信部11(又は共有データ管理部56)は、例えば、ステップS1505の処理と並行して、電子黒板1aと同じセッションに参加している電子黒板1bに、電子黒板1aから受信したストロークデータを転送する。これにより、電子黒板1bの通信部11は、電子黒板1aが送信したストロークデータを受信する。
【0131】
ステップS1507において、電子黒板1bの画像処理部15は、通信部11が受信したストロークデータに基づいて、ストローク画像を作成する。
【0132】
ステップS1508において、電子黒板1bの表示制御部14は、画像処理部15が作成したストローク画像、すなわち、ステップS1501でユーザAが描画したストローク画像を、ディスプレイ180等の表示部に表示させる。
【0133】
なお、電子黒板1bに対して、利用者B1、又は利用者B2が電子ペン190等で描画を行った場合も、同様にして、ストローク画像を電子黒板1aに表示させることができる。
【0134】
このように、通信システム100において、同じセッションに参加している電子黒板1aと電子黒板1bの間で、ストローク画像を共有することができる。
【0135】
<複数の画面の共有処理>
上記の各処理により、通信システム100は、会議(セッション)に参加している複数の電子黒板1a、1bが共有する複数の画像(ページ)の情報を、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100に記憶して管理することができる。これにより、例えば、電子黒板1a、1bが参加している会議に、他の電子黒板1cが新たに参加した場合、電子黒板1cは、共有データ管理テーブル1100に記憶されている情報に基づいて、電子黒板1a、1bと同じ共有画面を表示することができる。
【0136】
ただし、従来の技術では、例えば、電子黒板1aで選択した表示している複数の画面(ページ)を、他の電子黒板1bと共有することができないという問題がある。従って、例えば、電子黒板1aの利用者A1が、複数の画面を見比べながら議論を進めようとした場合、電子黒板1bの利用者B1、B2に、複数の画面の表示を依頼しなければならない場合がある。
【0137】
ここでは、通信システム100において、電子黒板1aが表示する複数の画面を他の電子黒板1bと共有する(他の電子黒板1bに表示させる)画面共有方法について説明する。
【0138】
[第1の実施形態]
図16は、第1の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示すシーケンス図である。なお、図16に示す処理の開始時点において、電子黒板1aと電子黒板1bは同じ会議(セッション)に参加しており、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100に、複数の画面(ページ)のデータや情報が、既に記憶されているものとする。
【0139】
また、電子黒板1a、1bは、例えば、セッションID「se01」の会議に参加している場合、共有データ管理テーブル1100のうち、セッションID「se01」に対応する複数の画面の情報1101を操作情報1001として記憶部1000に記憶しているものとする。
【0140】
ステップS1601において、電子黒板1aは、利用者A1によるページ一覧画面の表示操作等に応じて、例えば、図17に示すようなページ一覧画面1700を、ディスプレイ180等の表示部に表示させる。
【0141】
図17は、第1の実施形態に係るページ一覧画面の例を示す図である。ページ一覧画面1700には、電子黒板1aで表示可能な複数のページ(画面)1701が、選択可能に表示される。このページ一覧画面1700は、例えば、電子黒板1aの操作画面表示部17が、記憶部1000に記憶した操作情報1001を参照してディスプレイ180等の表示部に表示させる。なお、記憶部1000に記憶した操作情報1001には、例えば、図11に示すような、電子黒板1aが参加している会議のセッションID「se01」に対応する複数の画面の情報1101が含まれる。
【0142】
ここで、図16に戻り、シーケンス図の説明を続ける。
【0143】
ステップS1602において、電子黒板1aの受付部12は、利用者A1による、表示する複数のページの選択を受け付ける。例えば、利用者A1は、ページ一覧画面1700の各ページ1701に設けられているチェックボックス1702を選択して、「表示」ボタン1703を選択すること等により、表示する複数の画面を選択することができる。
【0144】
ステップS1603において、電子黒板1aの表示制御部14は、記憶部1000に記憶した操作情報1001と配置情報1002とを用いて、選択された複数の画面をディスプレイ180等の表示部に表示する。
【0145】
なお、電子黒板1a、1bの記憶部1000に記憶した配置情報1002には、例えば、図18(A)~(C)に示すような、複数の画面の数に対応する配置情報(レイアウト)が予め記憶されている。
【0146】
図18は、第1の実施形態に係る配置情報のイメージを示す図である。図18(A)は、表示する複数の画面の数が「2」である場合の配置情報の一例のイメージを示している。図18(A)の例では、1番目に選択された画面(例えば「ページ1」)を左側に配置し、2番目に選択された画面(例えば「ページ2」)を右側に配置する配置情報の一例が示されている。同様に、図18(B)は、表示する複数の画面の数が「3」である場合の配置情報の一例を示しており、図18(C)は、表示する複数の画面の数が「4」である場合のレイアウトの例を示している。
【0147】
なお、図18(A)~(C)に示す配置情報は一例である。例えば、各配置情報における各画面の位置、大きさ等は、他の位置や大きさであっても良い。また、記憶部1000に記憶した配置情報1002には、表示する複数の画面の数が5つ以上の場合の配置情報が含まれていても良い。
【0148】
例えば、図14に示すようなページ一覧画面1700から、ページ1とページ2が選択された場合、電子黒板1aの表示制御部14は、図18(A)に示すような、表示する複数の画面の数「2」に対応する配置情報を取得する。また、電子黒板1aの表示制御部14は、ページ1とページ2を表示するための情報を、記憶部1000に記憶した操作情報1001から取得して、図18(A)に示すようなレイアウトで、ページ1とページ2をディスプレイ180等の表示部に表示させる。
【0149】
ステップS1604において、電子黒板1aの情報送信部16は、選択された複数のページに関する情報を含む操作情報を、通信管理装置5を介して、電子黒板1bに送信する。これにより、通信管理装置5の通信部51は、電子黒板1aから送信された操作情報を受信する。
【0150】
この操作情報には、電子黒板1aが現在表示している複数の画面を示す情報(例えば、「current page:pag01、pag02」等)が含まれる。また、この情報は、電子黒板1aの記憶部1000に記憶した操作情報1001にも、シーケンス番号を付けて記憶される。
【0151】
ステップS1605において、通信管理装置5の共有データ管理部56は、電子黒板1aから受信した操作情報を、例えば、図11に示すような共有データ管理テーブル1100に登録する。
【0152】
ステップS1606において、通信管理装置5の通信部11は、例えば、ステップS1605の処理と並行して、電子黒板1aと同じセッションに参加している電子黒板1bに、電子黒板1aから受信した操作情報を転送する。これにより、電子黒板1bの通信部11は、電子黒板1aが送信した操作情報を、通信管理装置5を介して受信する。なお、受信した操作情報は、電子黒板1bの記憶部1000に記憶した操作情報1001にも記憶される。
【0153】
ステップS1607において、電子黒板1bの表示制御部14は、受信した操作情報に含まれる複数の画面に関する情報と、当該複数の画面の数に基づく配置情報とを用いて、電子黒板1bのディスプレイ180等の表示部に、当該複数の画面を表示させる。
【0154】
例えば、電子黒板1bの表示制御部14は、表示する複数の画面の数(例えば「2」)に対応する、図18(A)に示すようなレイアウトを示す配置情報を、電子黒板1bの記憶部1000に記憶した配置情報1002から取得する。また、電子黒板1bの表示制御部14は、受信した操作情報に含まれる複数の画面に関する情報に基づいて、電子黒板1aで選択されたページ1とページ2を表示するための情報を、電子黒板1bの記憶部1000に記憶した操作情報1001から取得する。さらに、電子黒板1bの表示制御部14は、例えば、図18(A)に示すようなレイアウトで、ページ1とページ2を電子黒板1bのディスプレイ180等の表示部に表示させる。
【0155】
上記の処理により、例えば、図19に示すように、電子黒板1aのディスプレイ180と、電子黒板1bのディスプレイ180には、複数の画面(ページ1、ページ2)が、同じレイアウトで表示される。なお、このように複数の画面を共有している場合でも、例えば、電子黒板1aが表示しているページ1に書き込まれたストローク画像は、電子黒板1bが表示しているページ1に表示される。
【0156】
なお、電子黒板1aが、他の電子黒板1bと共有する複数の画面には、例えば、図20に示すように、電子黒板1の外部機器接続I/F106等に接続された外部装置(例えば、PC170等)から入力される外部入力画面2001が含まれていても良い。
【0157】
例えば、電子黒板1aは、PC170から入力される外部入力画面2001を、中継装置3を介して、電子黒板1bに送信することにより、外部入力画面2001を電子黒板1bと共有することができる。また、電子黒板1aは、例えば、図17に示すようなページ一覧画面1700で外部入力画面2001を選択することにより、図20に示すように、外部入力画面2001を含む複数の画面を、電子黒板1bと共有することができる。
【0158】
このように、第1の実施形態によれば、複数の通信端末(電子黒板1a、1b)の間で画面を共有する通信システム100において、ある通信端末(電子黒板1a)で選択して表示している複数の画面を他の通信端末(電子黒板1b)と共有できるようになる。
【0159】
なお、本実施形態及び以下の実施形態において、「複数の画面に関する情報」とは、操作者が通信端末にて表示させる複数の画面に関する情報である。この情報には、一例として、通信端末の一画面内にて同時に表示させる複数の画面又はページ、或いは、会議に参加する他の通信端末と共有させる複数の画面又はページ等を、利用者が通信端末にて画面操作を行って選択した情報等が含まれる。
【0160】
また、「複数の画面数に基づく配置情報」とは、利用者が通信端末にて表示させる画面の配置に関する情報である。この情報には、一例として、通信端末に表示させる画面の大きさ、位置、及びレイアウトのうちの1つ以上の情報、或いは、会議に参加する他の通信端末と共有する画面の大きさ、位置、及びレイアウトのうちの1つ以上の情報等が含まれる。
【0161】
これにより、電子黒板1aと電子黒板1bにおいて複数の画面の見え方が同じになるため、電子黒板1bを利用する利用者B1、B2は、電子黒板1aを利用する利用者A1が、どのページに対する説明をしているのかを容易に把握することができるようになる。
【0162】
なお、図16に示した複数の画面の共有処理は一例であり、様々な変形や応用が可能である。例えば、上記の説明では、電子黒板1aの情報送信部16が、受付部12で選択された複数の画面に関する情報を含む操作情報を、通信管理装置5を介して、電子黒板1bに送信するものとして説明を行った。ただし、これに限られず、電子黒板1の情報送信部16が、操作情報を送信する宛先は、通信管理装置5であっても良い。この場合、通信管理装置5の共有データ管理部56は、電子黒板1aから受信した操作情報を共有データ管理DB5006に記憶する機能に加えて、操作情報を電子黒板1bに送信する機能を有する。この場合、通信管理装置5の共有データ管理部56が、電子黒板1aの受付部12で選択された複数の画面に関する情報を含む操作情報を、電子黒板1bに送信する「情報送信部」となる。
【0163】
[第2の実施形態]
電子黒板1aは、前述したように、ビデオ会議用の拠点画像データ及び音データを送受信することにより、電子黒板1bとビデオ会議を行う機能を有している。このビデオ会議で表示する画面は電子黒板1ごとに異なり、例えば、電子黒板1aが表示するビデオ会議の画面には、主に電子黒板1bのカメラ160で撮影した利用者B1、B2の画像(例えば動画像)が表示される。
【0164】
電子黒板1aの利用者A1は、このビデオ会議の画面2101を含む複数の画面を、例えば、図17に示すようなページ一覧画面から選択して、図21に示すように、電子黒板1aのディスプレイ180に表示させることができる。
【0165】
しかし、この電子黒板1aのビデオ会議の画面2101は、多くの場合、電子黒板1bでは不要である。これは、電子黒板1bは、ビデオ会議の画面として、主に電子黒板1aのカメラ160で撮影した利用者A1の画像を表示するためである。
【0166】
このような問題に対応するため、第2の実施形態に係る電子黒板1は、例えば、ビデオ会議用のアプリケーション(以下、アプリと呼ぶ)等の所定のアプリの画面を、他の電子黒板1と共有する複数の画面から除外する機能を有している。
【0167】
(複数の画面の共有処理1)
図21は、第2の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示す図(1)である。なお、基本的な処理の流れは第1の実施形態と同様なので、ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
【0168】
図21の[1]において、電子黒板1aの表示制御部14は、例えば、図17に示すようなページ一覧画面1700で選択された複数の画面を、ディスプレイ180に表示させる。
【0169】
このとき、電子黒板1aの表示制御部14がディスプレイ180に表示させる複数の画面に所定のアプリの画面2101が含まれる場合、表示制御部14は、ダミーとなるページを用意し、例えば、「ExApp」等の特別なPageType属性を持たせる。このダミーページは、ストローク等の子要素を持つことができず、複数の画面の分割表示が終了した時点で削除される。また、電子黒板1aの表示制御部14は、選択された複数の画面を表示するときに、ダミー画面を表示する領域を確保して、その領域内に所定のアプリの画面(ウインドウ)を表示する。
【0170】
図21の[2]において、電子黒板1aの情報送信部16は、電子黒板1aが表示している複数の画面に、所定のアプリの画面2101が含まれている場合、所定のアプリの画面2101を除外した操作情報を、通信管理装置5を介して、他の電子黒板1bに送信する。
【0171】
例えば、電子黒板1aの情報送信部16は、電子黒板1aが表示している複数の画面に、PageType属性「ExApp」を持つ画面が含まれている場合(「current page:pag01、pag02、pag03、ExApp」等)、送信する操作情報から、PageType属性「ExApp」を持つ画面を除外する。
【0172】
図21の[3]において、通信管理装置5の通信部51は、電子黒板1aから受信した、所定のアプリの画面2101を除外した操作情報(例えば「current page:pag01、pag02、pag03」等)を、電子黒板1aと同じ会議に参加している他の電子黒板1bに転送する。なお、上記の説明では、電子黒板1aが操作情報の中からPageType属性「ExApp」を削除したうえで送信しているが、通信管理装置5が電子黒板1aから受信した操作情報の中からPageType属性「ExApp」を削除したうえで送信しても良い。
【0173】
これにより、図21の[4]において、電子黒板1bの表示制御部14は、電子黒板1aで選択された複数の画面のうち、所定のアプリの画面2101を除外した複数の画面を、電子黒板1bのディスプレイ180に表示することができる。
【0174】
(複数の画面の共有処理2)
図21で説明した、ビデオ会議等の所定のアプリの画面は、予め定められた共有対象外の画面の一例である。予め定められた共有対象外の画面は、例えば、ローカルで一時的に表示するメモ画面2201等であっても良い。
【0175】
図22は、第2の実施形態に係る複数の画面の共有処理の例を示す図(2)である。なお、基本的な処理の流れは第1の実施形態と同様なので、ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
【0176】
図22の[1]において、電子黒板1aの表示制御部14は、例えば、図17に示すようなページ一覧画面1700で選択された複数の画面を、ディスプレイ180に表示させる。
【0177】
このとき、電子黒板1aの表示制御部14がディスプレイ180に表示させる複数の画面にメモ画面2201が含まれる場合、表示制御部14は、メモ画面2201に、例えば、「Memo」等の特別なPageType属性を持たせる。
【0178】
図22の[2]において、電子黒板1aの情報送信部16は、電子黒板1aが表示している複数の画面にメモ画面2201が含まれている場合、メモ画面2201を除外した操作情報を、通信管理装置5を介して、他の電子黒板1bに送信する。
【0179】
例えば、電子黒板1aの情報送信部16は、電子黒板1aが表示している複数の画面に、PageType属性「Memo」を持つ画面が含まれている場合(「current page:pag01、pag02、pag03、Memo」等)、送信する操作情報から、PageType属性「Memo」を持つ画面を除外する。
【0180】
図22の[3]において、通信管理装置5の通信部51は、電子黒板1aから受信した、メモ画面2201を除外した操作情報(例えば「current page:pag01、pag02、pag03」等)を、電子黒板1aと同じ会議に参加している他の電子黒板1bに転送する。なお、上記の説明では、電子黒板1aが操作情報の中からPageType属性「Memo」を削除したうえで送信しているが、通信管理装置5が電子黒板1aから受信した操作情報の中からPageType属性「Memo」を削除したうえで送信しても良い。
【0181】
これにより、図22の[4]において、電子黒板1bの表示制御部14は、電子黒板1aで選択された複数の画面のうち、メモ画面2201を除外した複数の画面を、電子黒板1bのディスプレイ180等の表示部に表示することができる。
【0182】
このように、第2の実施形態によれば、電子黒板1aが表示する複数の画面に、予め定められた共有対象外の画面が含まれる場合、電子黒板1a、1bは、共有対象外の画面を除外した複数の画面を共有することができる。
【0183】
[第3の実施形態]
図23は、第3の実施形態に係る表示する複数の画面の選択画面の例を示す図である。電子黒板1aは、図17に示すようなページ一覧画面1700に代えて、例えば、図23に示すような、表示する複数の画面を選択するための選択画面2300を表示して、電子黒板1aが表示する複数の画面の選択を受け付けるものであっても良い。
【0184】
図23の例では、選択画面2300には、選択可能な画面の一覧2301に加えて、複数の画面の表示パターンを提案(サジェスト)する提案画面2302が表示されている。
【0185】
この提案画面2302には、電子黒板1aの操作画面表示部17が、例えば、下記の方法A~F等により決定した1つ以上の表示パターン等が表示される。
【0186】
(方法A)
電子黒板1aの操作画面表示部17は、例えば、「現在表示している画面」と、「直前に表示していた画面」を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。なお、直前に表示していた画面は、例えば、記憶部1000に記憶した操作情報1001の「current page」等の表示履歴から特定することができる。
【0187】
また、操作画面表示部17は、さらにその前の画面まで遡って、直近の3画面、又は直近の4画面を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。
【0188】
(方法B)
電子黒板1aの操作画面表示部17は、各画面を表示した表示回数を集計しておき、表示回数が多い画面から順に、所定の数の画面を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。
【0189】
(方法C)
電子黒板1aの操作画面表示部17は、各画面を表示した表示時間を集計しておき、表示時間が長い画面から順に、所定の数の画面を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。
【0190】
(方法D)
電子黒板1aの操作画面表示部17は、例えば、書き込みが多い画面(例えば、ストローク画像のストローク数が多い画面)から順に、所定の数の画面を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。例えば、図12に示すように、各ページ(画面)には、ストロークデータが関連付けられているため、表示制御部14は、各ページに関連付けられているストロークデータの数等から、書き込みが多い画面を特定することができる。
【0191】
(方法E)
記憶部1000に記憶した操作情報1001には、例えば、各画面(ページ)に背景画像が追加される等の変更が加えられた変更情報等も記憶されている。電子黒板1aの操作画面表示部17は、このような変更情報が新しい画面から順に、所定の数の画面を表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。
【0192】
(方法F)
例えば、利用者A1のPC170等から入力される外部入力画像は、議題の中心となるような資料が含まれていることが多い。従って、電子黒板1aの操作画面表示部17は、外部入力画像と、方法A~Eのいずれかの方法で選ばれた1つ以上の画像とを表示する表示パターンを提案画面2302に表示しても良い。
【0193】
なお、電子黒板1aの操作画面表示部17は、上記の方法A~Fを組み合わせて、提案画面2302に表示する表示パターンを決定しても良い。
【0194】
例えば、図23に示すような選択画面2300により、電子黒板1aの利用者A1は、電子黒板1aに表示させる複数の画面を容易に選択することができるようなる。なお、第3の実施形態は、第1、2の実施形態と組み合わせて実行することができる。
【0195】
<処理の流れ>
図24は、第3の実施形態に係る電子黒板の処理の例を示すフローチャートである。なお、図24(A)、(B)に示す処理の開始時点において、電子黒板1aと電子黒板1bは同じ会議(セッション)に参加しているものとする。
【0196】
(電子黒板1aの処理)
図24(A)は、第3の実施形態に係る電子黒板1aが実行する処理の一例を示している。
【0197】
ステップS2401において、電子黒板1aは、例えば、図23に示すような選択画面2300の表示操作を受け付けると、ステップS2402以降の処理を実行する。
【0198】
ステップS2402において、電子黒板1aの表示制御部14は、例えば、ビデオ会議用のアプリ等の所定のアプリの画面があるか否かを判断する。例えば、表示制御部14は、所定のアプリを実行中である場合、所定のアプリの画面があると判断する。
【0199】
所定のアプリの画面がある場合、電子黒板1aの表示制御部14は、ステップS2403において、所定のアプリのウインドウ(画面)を取得する。一方、所定のアプリの画面がない場合、電子黒板1aの表示制御部14は、ステップS2403の処理を実行せずに、処理をステップS2404に移行させる。
【0200】
ステップS2404において、電子黒板1aの操作画面表示部17は、例えば、図23に示すような選択画面2300の提案画面2302に表示する1つ以上の表示パターンを作成する。例えば、電子黒板1aの表示制御部14は、上述した方法A~F、又はその組み合わせにより、表示パターンを作成する。
【0201】
ステップS2405において、電子黒板1aの操作画面表示部17は、作成した1つ以上の表示パターンを選択可能に表示する提案画面2302を含む、例えば、図23に示すような選択画面2300を、ディスプレイ180等の表示部に表示する。また、電子黒板1aの受付部12は、選択画面2300に対する利用者A1による選択操作を受け付ける。
【0202】
ステップS2406において、電子黒板1aの表示制御部14は、利用者A1によって選択された複数の画面を表示する表示画面を、電子黒板1aのディスプレイ180等の表示部に表示させる。例えば、図23に示すような選択画面2300において、提案画面2302から、1つの表示パターンが選択された場合、電子黒板1aの表示制御部14は、選択された表示パターンで、複数の画面を、電子黒板1aのディスプレイ180に表示する。
【0203】
ステップS2407において、電子黒板1aの情報送信部16は、表示制御部14が表示している複数の画面に、予め定められた共有対象外の画面が含まれるか否かを判断する。共有対象外の画像が含まれない場合、情報送信部16は、処理をステップS2408に移行させる。一方、共有対象外の画像が含まれる場合、情報送信部16は、処理をステップS2409に移行させる。
【0204】
ステップS2408に移行すると、電子黒板1aの情報送信部16は、選択された複数の画面に関する情報を含む操作情報を作成し、通信管理装置5を介して、電子黒板1bに送信する。
【0205】
一方、ステップS2409に移行すると、電子黒板1aの情報送信部16は、選択された複数の画面から、共有対象外の画像を除外した操作情報を作成し、通信管理装置5を介して、電子黒板1bに送信する。
【0206】
(電子黒板1bの処理)
図24(B)は、第3の実施形態に係る電子黒板1bが実行する処理の一例を示している。
【0207】
ステップS2411において、電子黒板1bの通信部11が、電子黒板1aが送信した操作情報を、例えば、通信管理装置5を介して受信すると、ステップS2412以降の処理が実行される。
【0208】
ステップS2412において、電子黒板1bの表示制御部14は、例えば、電子黒板1bの記憶部1000に予め記憶した配置情報1002から、操作情報に含まれる複数の画面の数に応じた配置情報を取得する。例えば、操作情報に4つの画面に関する情報が含まれている場合、電子黒板1bの表示制御部14は、図18(A)~(C)に示されるような複数の配置情報の中から、4つの画面に対応する図18(C)の配置情報を取得する。
【0209】
ステップS2413において、電子黒板1bの表示制御部14は、操作情報に含まれる複数の画面に関する情報に基づいて、当該複数の画面を、取得した配置情報に従って配置した表示画面を作成し、電子黒板1bのディスプレイ180等の表示部に表示させる。
【0210】
なお、上記の説明では、電子黒板1aは、通信管理装置5を介して、操作情報を電子黒板1bに送信するものとして説明を行ったが、電子黒板1aは、通信管理装置5を介さずに、操作情報を電子黒板1bに送信しても良い。
【0211】
また、電子黒板1a、1bが共有する複数の画面は、電子黒板1b側で選択しても良い。この場合、電子黒板1bが図24(A)の処理を実行し、電子黒板1aが図24(B)の処理を実行すれば良い。
【0212】
以上、本発明の各実施形態によれば、複数の通信端末(電子黒板1)の間で画面を共有する通信システム100において、ある通信端末(電子黒板1a)で選択して表示している複数の画面を他の通信端末(電子黒板1b)と共有できるようになる。
【0213】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0214】
また、上記の各実施形態では、通信端末が電子黒板1であるものとして説明を行ったが、通信端末は、例えば、通信システム100に対応するアプリケーションを実行するPC、スマートフォン、タブレット端末等の通信機能を有する情報端末であっても良い。また、通信端末は、通信システム100に対応するプロジェクタ、テレビ会議装置、デジタルサイネージ、医療機器、カーナビゲーション装置等の通信機能と表示機能とを有する様々な電子機器であっても良い。
【0215】
なお、上記の通信端末用のプログラムは、例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしても良い。また、通信端末用のプログラムは、記録媒体だけではなく、例えば、サーバ(クラウドやオンプレミス)からダウンロードして、通信端末にインストール可能なもの等であっても良い。
【0216】
また、通信管理装置5は、図4に示すようなコンピュータ400に限られず、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、PDA(Personal data assistant)、及び、画像形成装置等の電子機器で実現しても良い。
【符号の説明】
【0217】
1a 電子黒板(第1の通信端末)
1b 電子黒板(第2の通信端末)
5 通信管理装置
12 受付部
14 表示制御部
16 情報送信部
17 操作画面表示部
51 通信部
56 共有データ管理部
100 通信システム
180 ディスプレイ(表示部)
2001 外部入力画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0218】
【文献】特開2012-129626号公報
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