(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】通信端末、通信システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20241106BHJP
H04M 3/51 20060101ALI20241106BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241106BHJP
【FI】
H04M1/00 S
H04M3/51
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020163509
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2019192537
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 尭志
(72)【発明者】
【氏名】計田 真夕
(72)【発明者】
【氏名】堀内 岳志
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-213045(JP,A)
【文献】特開2002-297900(JP,A)
【文献】特開2004-312192(JP,A)
【文献】特開平09-247636(JP,A)
【文献】特開平10-097571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04N7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の顧客に説明する説明者が利用する説明者端末と通信ネットワークを介して通信可能な通信端末であって、
無人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第1の
サブグループの説明者端末に第1回目の接続要求を示す第1回目の接続要求情報を送信するか、有人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第2のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信するか、を判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断されたサブグループの説明者端末に、
前記第1回目
の接続要求情報を送信する送信手段と、
前記
送信手段により前記第1回目の接続要求情報が送信されたサブグループの説明者端末から接続可否の応答を示す応答情報を受信可能な受信手段と、
を有し、
前記判断手段は、自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づいて、前記第1回目の接続要求情報を送信する説明者端末が属するサブグループを判断し、
前記判断手段が、前記第1のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断し、前記受信手段が、前記第1の
サブグループの説明者端末から、接続不可能の応答を示す応答情報を受信したか又は前記
第1回目の接続要求情報を送信してから所定時間内に接続可否を示す応答情報を受信しなかった場合には、前記送信手段は、前記
第2のサブグループの説明者端末に、
第2回目の接続要求を示す第2回目
の接続要求情報を送信することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記第1の
サブグループの説明者端末を利用する第1の説明者と前記第2の
サブグループの説明者端末を利用する第
2の説明者は、説明に関して同じ種類のスキルを有することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
店舗の顧客に説明する説明者が利用する複数の説明者端末と通信ネットワークを介して通話可能な通信端末であって、
無人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する
第1のサブグループの複数の説明者端末に第1回目の接続要求を示す第1回目の接続要求情報を送信するか、有人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第2のサブグループの複数の説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信するか、を判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断されたサブグループの複数
の説明者端末に対して、
前記第1回目
の接続要求情報を送信する送信手段と、
前記
送信手段により前記第1回目の接続要求情報が送信されたサブグループの複数
の説明者端末から接続可否の応答を示す応答情報を受信可能な受信手段と、
を有し、
前記判断手段は、自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づいて、前記第1回目の接続要求情報を送信する説明者端末が属するサブグループを判断し、
前記判断手段が、前記第1のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断し、前記受信手段が、前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末のそれぞれから、接続不可能の応答を示す応答情報を受信したか又は前記
第1回目の接続要求情報を送信してから所定時間内に接続可否を示す応答情報を受信しなかった場合、前記送信手段は、
前記第2のサブグループの複数
の説明者端末に対して、
第2回目の接続要求を示す第2回目
の接続要求情報を送信することを特徴とする通信端末。
【請求項4】
前記送信手段は、前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末に対して、前記第1回目の接続要求情報を一斉送信することを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記送信手段は、前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末のうち、通話可能な所定
の説明者端末に対して、前記第1回目の接続要求情報を送信することを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
前記送信手段は、前記
第2のサブグループの複数
の説明者端末に対して、前記第2回目の接続要求情報を一斉送信することを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項7】
前記送信手段は、前記
第2のサブグループの複数
の説明者端末のうち、通話可能な所定の第2の説明者端末に対して、前記第2回目の接続要求情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末のそれぞれを利用する各第1の説明者と前記
第2のサブグループの複数
の説明者端末のそれぞれを利用する各第2の説明者は、説明に関して同じ種類のスキルを有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項9】
請求項3乃至8のいずれか一項に記載の通信端末であって、
前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末のそれぞれを利用する各第1の説明者及び前記
第2のサブグループの複数
の説明者端末のそれぞれを利用する各第2の説明者のうち、特定の説明者の指名を受け付ける受付手段を有し、
前記受付手段によって特定の説明者の指名を受け付けられた場合には、前記送信手段は、前記
判断手段の判断によらず、前記特定の説明者が利用する特定の説明者端末に対して前記第1回目の接続要求情報を送信することを特徴とする通信端末。
【請求項10】
請求項3乃至9のいずれか一項に記載の通信端末と、
前記
第1のサブグループの複数
の説明者端末と、
前記
第2のサブグループの複数
の説明者端末と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項11】
通信ネットワークを介して店舗の顧客に説明する説明者が利用する説明者端末と通信ネットワークを介して通信可能な通信端末が実行する通信方法であって、
前記通信端末は、
無人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第1の
サブグループの説明者端末に第1回目の接続要求を示す第1回目の接続要求情報を送信するか、有人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第2のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信するか、を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断されたサブグループの説明者端末に、
前記第1回目
の接続要求情報を送信する送信ステップと、
前記
送信ステップにより前記第1回目の接続要求情報が送信されたサブグループの説明者端末から接続可否の応答を示す応答情報を受信可能な受信ステップと、
を実行し、
前記判断ステップは、自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づいて、前記第1回目の接続要求情報を送信する説明者端末が属するサブグループを判断し、
前記判断ステップが、前記第1のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断し、前記受信ステップによって、前記第1の
サブグループの説明者端末から、接続不可能の応答を示す応答情報を受信したか又は前記
第1回目の接続要求情報を送信してから所定時間内に接続可否を示す応答情報を受信しなかった場合には、前記送
信ステップは、前記
第2のサブグループの説明者端末に、
第2回目の接続要求を示す第2回目
の接続要求情報を送信する処理を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、通信端末、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗業務のスリム化及び効率化の観点から、リモートコンシェルジュ(遠隔接客)のサービスが行われるようになった。これにより、例えば、店舗内の従業員が接客中のため、顧客が接客応対の順番待ちをしなければならない場合であっても、顧客は店舗端末からインターネット等を介して遠隔のサービスセンタの専門的なスキルを有する説明者(コンシェルジュ)の説明者端末にアクセスし、説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる(特許文献1参照)。
【0003】
また、最近は、接客応対する従業員が在籍する有人店舗以外に、従業員が在籍していない無人店舗が運営されるようになった。このような無人店舗にも店舗端末が設置されており、顧客は無人店舗に赴き、店舗端末を利用してサービスセンタの説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる。
【0004】
ところが、サービスセンタの説明者にも専門のスキルが必要な場合があり、説明者であれば誰でも顧客に接客応答できるわけではない。例えば、旅行会社の場合、国内旅行に詳しい説明者、海外旅行に詳しい説明者、又はウェディングに詳しい説明者などがサービスセンタに在籍する必要がある。そのため、顧客が店舗の店舗端末からサービスセンタに通話開始要求を行っても、所望のスキルを有する説明者の全員が遠隔接客中等によって応答できない場合がある。このような状況であっても、有人店舗の場合には従業員が在籍しているため、顧客に声を掛ける等によって退店を引き留めることで、顧客の喪失を防ぐことができる。これに対して、無人店舗の場合には、顧客の退店を引き留める従業員がいないため、顧客の喪失につながってしまう。そこで、サービスセンタでは、無人店舗の店舗端末からの通話開始要求に対して優先的に応答できる説明者端末を設置することで、無人店舗に来店した顧客の喪失を防ぐ取り組みが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、無人店舗の数が増えつつあるため、顧客が無人店舗の店舗端末からサービスセンタの無人店舗優先の説明者端末に対して通話開始要求を行っても、対応できるスキルを有する説明者の全員が遠隔接客中等によって応答できない事態が生じる可能性がある。そのため、依然として顧客の喪失につながってしまうという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、店舗の顧客に説明する説明者が利用する説明者端末と通信ネットワークを介して通信可能な通信端末であって、無人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第1のサブグループの説明者端末に第1回目の接続要求を示す第1回目の接続要求情報を送信するか、有人店舗の通信端末からの接続要求に対して優先的に応答する第2のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信するか、を判断する判断手段と、前記判断手段により前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断されたサブグループの説明者端末に、前記第1回目の接続要求情報を送信する送信手段と、前記送信手段により前記第1回目の接続要求情報が送信されたサブグループの説明者端末から接続可否の応答を示す応答情報を受信可能な受信手段と、を有し、前記判断手段は、自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づいて、前記第1回目の接続要求情報を送信する説明者端末が属するサブグループを判断し、前記判断手段が、前記第1のサブグループの説明者端末に前記第1回目の接続要求情報を送信すると判断し、前記受信手段が、前記第1のサブグループの説明者端末から、接続不可能の応答を示す応答情報を受信したか又は前記第1回目の接続要求情報を送信してから所定時間内に接続可否を示す応答情報を受信しなかった場合には、前記送信手段は、前記第2のサブグループの説明者端末に、第2回目の接続要求を示す第2回目の接続要求情報を送信することを特徴とする通信端末である。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、顧客の喪失を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
【
図2】店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。
【
図3】本実施形態の通信システムを構築する各端末及び各装置のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【
図6】(A)は説明者管理テーブルを示す概念図、(B)はスキルグループ管理テーブルを示す概念図である。
【
図7】(A)は認証管理テーブルを示す概念図、(B)は端末状態管理テーブルを示す概念図である。
【
図8】(A)は宛先リスト管理テーブルを示す概念図、(B)はセッション管理テーブルを示す概念図、(C)は通信情報管理テーブルを示す概念図である。
【
図9】(A)はシステムアップデート情報管理テーブルの概念図、(B)は事業者管理テーブルの概念図、(C)エリア管理テーブルの概念図である。
【
図10】(A)は端末管理テーブルの概念図、(B)はスキル管理テーブルの概念図である。
【
図11】(A)はログイン情報管理テーブルの概念図、(B)はサブグループ管理テーブルの概念図、(C)はユーザアップデート情報管理テーブルの概念図である。
【
図12】サービス情報の登録処理を示したシーケンス図である。
【
図13】管理者端末で表示されるログイン画面を示す図である。
【
図14】管理者端末で表示される店舗一覧画面を示す図である。
【
図15】管理者端末で表示される説明者一覧画面を示す図である。
【
図16】管理者端末で表示されるグループ一覧画面を示す図である。
【
図17】管理者端末で表示される説明者情報編集画面を示す図である。
【
図18】管理者端末で表示されるグループ情報編集画面を示す図である。
【
図19】管理者端末で表示される店舗情報編集画面を示す図である。
【
図20】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にサービス情報を取得する処理を示すシーケンス図である。
【
図21】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特に各端末の稼働状態を取得する処理を示すシーケンス図である。
【
図22】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判定する処理を示すフローチャートである。
【
図23】店舗端末で表示される画面を示す図である。
【
図24】映像通話を開始する処理を示すシーケンス図である。
【
図25】通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
【
図26】通話開始の各種処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔通信システムの全体構成〕
図1を用いて、通信システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。ここでは、顧客、この顧客に旅行商品を販売する旅行会社、及びこの旅行会社にリモートコンシェルジュ(遠隔接客)を行うためのシステムを提供するシステム提供者が登場する。
【0010】
旅行会社は、関東や関西等の複数のエリア毎に、有人店舗、無人店舗、及びサービスセンタを運営している。
図1では、旅行会社は、エリアE1において、有人店舗MS、無人店舗US、サービスセンタSC1を運営していることが示されている。有人店舗MSは、接客応対する従業員が在籍する店舗である。無人店舗は、接客応対する従業員が在籍しない店舗である。なお、
図1では、有人店舗MS、及び無人店舗USは一店舗ずつしか示されていないが、それぞれ複数あってもよい。
【0011】
有人店舗MSでは、通常、来店した顧客に対して従業員が旅行商品の案内を行うが、従業員が接客中のため、新たに来店した顧客に接客応対できない場合がある。また、無人店舗USには、そもそも接客対応する従業員がいない。このような場合、顧客は、有人店舗MS内の店舗端末1c1、又は無人店舗US内の店舗端末1c2を利用し、インターネット等の通信ネットワーク100を介してサービスセンタSC1の任意の説明者の説明者端末にアクセスして、説明者から旅行商品に関する遠隔接客を受けることができる。説明者は、例えば、上述のリモートコンシェルジュである。説明者は、基本的に自分専用の説明者端末を使用するため、特定の説明者と特定の説明者端末は紐づいている。
【0012】
店舗端末1c1,1c2は、それぞれ、PC(personal computer)によって構成されている。有人店舗MS及び無人店舗USには、複数の店舗端末が設置されていてもよい。なお、以降、店舗端末1c1,1c2等の複数の店舗端末の総称を示す場合には「店舗端末1」と記す。
【0013】
サービスセンタSC1には、有人店舗MSの店舗端末1c1からの遠隔接客を開始するための通話開始要求を優先的に受けるための有人店舗優先対応組織MG1、及び、無人店舗USの店舗端末1c2からの遠隔接客を開始するための通話開始要求を優先的に受けるための無人店舗優先対応組織UG1が存在している。なお、3つ以上の優先対応組織が存在してもよい。
【0014】
更に、有人店舗優先対応組織MG1には、スキル(技能)SK1の担当組織SR11、及びスキル(技能)SK2の担当組織SR12が含まれている。例えば、スキルSK1はクルーズに関する提案ができる説明者の能力、スキルSK2はウェディングに関する提案ができる説明者の能力である。同様に、無人店舗優先対応組織UG1には、スキルSK1の担当組織SR21、及びスキルSK2の担当組織SR22が含まれている。即ち、有人店舗優先対応組織MG1と無人店舗優先対応組織UG1には、同じスキルを有する説明者が在籍する組織SR11,SR21(又は、組織SR12,SR22)が存在する。なお、スキル及びスキル担当組織は3つ以上存在してもよい。
【0015】
更に、有人店舗優先対応組織MG1において、スキルSK1の担当組織SR11には、スキルSK1を有する説明者mg11,mg12が在籍している。説明者mg11は説明者端末9mg11を利用し、説明者mg12は説明者端末9mg12を利用する。
【0016】
また、スキルSK2の担当組織SR12には、スキルSK2を有する説明者mg21,mg22が在籍している。説明者mg21は説明者端末9mg21を利用し、説明者mg22は説明者端末9mg22を利用する。
【0017】
同様に、無人店舗優先対応組織UG1において、スキルSK1の担当組織SR21には、スキルSK1を有する説明者ug11,ug12が在籍している。説明者ug11は説明者端末9ug11を利用し、説明者ug12は説明者端末9ug12を利用する。また、スキルSK2の担当組織SR22には、スキルSK2を有する説明者ug21,ug22が在籍している。説明者ug21は説明者端末9ug21を利用し、説明者ug22は説明者端末9ug22を利用する。
【0018】
なお、説明者は各担当組織(SR11,SR12,SR21,SR22)に、3人以上在籍していてもよい。この場合は、3人以上の説明者のそれぞれに説明者端末が割り当てられる。また、以降、説明者端末9mg11,9mg12,9mg21,9mg22,9ug12,9ug12,9ug21,9ug22等の複数の説明者端末の総称を示す場合には「説明者端末9」と記す。
【0019】
また、旅行会社には、各サービスエリアの端末を管理する管理者ad1が存在する。管理者ad1は、管理者端末4を利用し、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7にサクセスし、各種のサービス情報の設定を行う。このサービス情報は、旅行会社の各端末の処理や設定に関する情報であり、
管理者端末4は、PCによって構成されている。
【0020】
顧客c1及び顧客c2は、それぞれ有人店舗MS及び無人店舗USに来店した者である。
【0021】
システム提供者は、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7を管理及び運用している。中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7は、サーバ等のコンピュータである。中継装置3は、店舗端末1のいずれかと説明者端末9のいずれかとの間で映像通話をする場合の画像データ及び音データを中継する。通信管理装置5は、店舗端末1及び説明者端末9からのログイン認証、店舗端末1及び説明者端末9の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。サービス情報管理装置7は、設定された各種サービス情報の管理を行う。中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7に関しては、後ほど詳細に説明する。
【0022】
また、店舗端末1、管理者端末4、説明者端末9、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7は、インターネット等の通信ネットワーク100に接続することが可能である。
【0023】
なお、中継装置3、通信管理装置5、及びサービス情報管理装置7、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0024】
図2は、店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。
図2では、無人店舗USに来店した顧客c2が店舗端末1c2を利用すると共に、無人店舗優先対応組織UG1の説明者ug11が説明者端末9ug11を利用している状態が示されている。このように、顧客c2は、遠隔接客によって旅行商品の説明を受けることができる。
【0025】
〔通信システムの各ハードウェア構成〕
続いて、
図3を用いて、
図1に示される通信システムを構築している各端末(店舗端末1、管理者端末4、説明者端末9及び各装置(中継装置3、通信管理装置5、サービス情報管理装置7)のハードウェア構成について説明する。なお、本実施形態では、各端末及び各装置は全て同じ構成であるとして、店舗端末1のハードウェア構成を説明し、他の端末及び装置のハードウェア構成の説明を省略する。
【0026】
図3に示されているように、店舗端末1は、コンピュータにより構成されており、CPU101、ROM102、RAM103、HD104、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ105、ディスプレイ106、外部機器接続I/F(Interface)108、ネットワークI/F109、データバス110、キーボード111、ポインティングデバイス112、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ114、メディアI/F116を備えている。
【0027】
これらのうち、CPU101は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HD104は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ105は、CPU101の制御にしたがってHD104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ106は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F108は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F109は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン110は、
図3に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0028】
また、キーボード111は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス112は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ114は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW113に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F116は、フラッシュメモリ等の記録メディア115に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0029】
また、外部機器接続I/Fには、集音装置の一例としてのマイク121、音出力装置の一例としてのスピーカ122、及び撮像装置の一例としてのカメラ123が接続されている。なお、
図3では、マイク121、スピーカ122、及びカメラ123は、外付けの装置として示されているが、外部機器接続I/Fを介さずに内蔵装置としても良い。
【0030】
〔通信システムの各機能構成〕
次に、
図3乃至
図11を用いて、本実施形態の通信システムの各機能構成について説明する。
図4及び
図5は、本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【0031】
<店舗端末の機能構成>
まず、
図3及び
図4を用いて、店舗端末1の機能構成について説明する。
図4に示されているように、店舗端末1は、送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、ハードディスク104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、店舗端末1は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部1000を有している。記憶部1000には、説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002が構築されている。説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002で管理されている各情報は、後述のステップS19によって、サービス情報管理装置7から送られて来たクライアント情報に含まれている。そして、店舗端末1は説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002で管理されている各情報を、後述の
図23に示される画面を表示する場合に利用する。
【0032】
(説明者管理テーブル)
図6(A)は説明者管理テーブルの概念図である。記憶部1000には、
図6(A)に示されているような説明者管理テーブルによって構成されている説明者管理管理DB1001が構築されている。この説明者管理テーブルでは、店舗端末1の宛先候補(ここでは、説明者端末9)の各種情報(通信ID、説明者名、宛先候補の稼働状態(プレゼンス)、及び説明者端末を専有する説明者のスキルを示すスキル名が関連付けられて管理される。
【0033】
通信IDは、通信システム1において、通信先を特定するための識別情報である。通信IDとしては、特に限定されないが、例えば、説明者端末9を利用する説明者を識別するための利用者ID、店舗端末を識別するための通信ID等である。
図6(A)の説明者名は、後述の
図23(C)に示されている説明者名である。稼働状態は、映像通話の相手側の端末の稼働状態を示す。稼働状態には、Online(通話可能)、Chat(通話中)、及びOffline(通話不可能)の3種類がある。稼働状態は、
図23(A),(C)の表示に反映される。スキルは、上述のように、説明者が有するスキルの名称を示している。
図6(A)に示されているように、一人の説明者が複数のスキル(専門1、専門2)を有している場合もある。
【0034】
(スキルグループ管理テーブル)
図6の(B)はスキルグループ管理テーブルを示す概念図である。記憶部1000には
図6の(B)で示されているようなスキルグループ管理テーブルによってスキルグループ管理DB1002が構築されている。このスキルグループ管理テーブルでは、スキル名、スキルグループの稼働状態(プレゼンス)、店舗端末が通話可能な説明者端末の通信ID、及び通話中の説明者端末の通信IDが関連付けられて管理される。
【0035】
スキルグループの稼働状態は、専門1等の同じスキルを有する説明者群の各説明者端末の全体としての稼働状態を示す。例えば、複数の同じスキルを有する説明者群の各説明者端末がある場合、これらの説明者端末うちの1つでも稼働状態がOnlineであれば、専門1のスキルグループの稼働状態はOnlineとして管理される。また、複数の説明者端末うちの全ての稼働状態がOnlineでない場合であっても、これらの説明者端末うちの1つでも稼働状態がChatであれば、専門1のスキルグループの稼働状態はChatとして管理される。更に、複数の説明者端末うちの全ての稼働状態がOnlineでもなくChatでもない場合、即ち、全ての稼働状態がOfflineの場合、専門1のスキルグループの稼働状態はOfflineとして管理される。
【0036】
(店舗端末の各機能構成)
次に、店舗端末1の各構成要素について説明する。送受信部11は、
図3に示されているCPU101からの命令、並びに外部機器接続I/F108及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0037】
受付部12は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令、並びにキーボード111及びポインティングデバイス112によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0038】
通信制御部13は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、外部機器接続I/F108に接続された外付けのカメラから、このカメラが被写体を撮像して得た画像データを入力する。また、通信制御部13は、外部機器接続I/F108に接続された外付けのマイクから、このマイクが集音して得た音データを入力する。更に、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した画像データ及び自端末で得た画像データを表示制御部14に出力する。また、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した音データ及び自端末で得た音データを、外部機器接続I/F108に接続された外付けのスピーカに出力する。
【0039】
表示制御部14は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、ディスプレイ106又は外部機器接続I/Fに接続された外付けのディスプレイに対して画像データを出力することで、画像を表示させる。
【0040】
判断部15は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行う。判断内容については後述する。
【0041】
記憶・読出処理部19は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0042】
更に、記憶部1000には、他の端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ106又は外付けのディスプレイに画像が表示され、上書きされる前の音データによって外付けのスピーカから音声が出力される。
【0043】
<管理者端末>
続いて、
図3及び
図4を用いて、管理者端末4の機能構成について説明する。
図4に示されているように、管理者端末4は、送受信部41、受付部42、表示制御部44、及び記憶・読出処理部49を有している。また、管理者端末9は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部4000を有している。
【0044】
なお、管理者端末4の送受信部41、受付部42、表示制御部44、及び記憶・読出処理部49は、それぞれ、店舗端末1の送受信部11、受付部12、表示制御部14、及び記憶・読出処理部49と同様の機能を有するため、これらの説明を省略する。
【0045】
<説明者端末の機能構成>
続いて、
図3及び
図4を用いて、説明者端末9の機能構成について説明する。
図4に示されているように、説明者端末9は、送受信部91、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、及び記憶・読出処理部99を有している。また、説明者端末9は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部9000を有している。記憶部9000には、説明者管理DB9001及びスキルグループ管理DB9002が構築されている。
【0046】
なお、説明者端末9の送受信部91、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、及び記憶・読出処理部99は、それぞれ、店舗端末1の送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、及び記憶・読出処理部19と同様の機能を有するため、これらの説明を省略する。また、説明者端末9の説明者管理DB9001及びスキルグループ管理DB9002は、店舗端末1の説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002と同様のデータ構造であるため、これらの説明を省略する。
【0047】
<中継装置の機能構成>
続いて、
図3及び
図5を用いて、中継装置3の機能構成について説明する。
図5に示されているように、中継装置3は、転送部を兼ねた送受信部31、判断部32、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置3は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部3000を有している。
【0048】
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置3の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されている中継装置3の送受信部31は、
図3に示されているCPU101からの命令、及び
図3に示されているネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、所定の端末ら送信されて来た画像データ及び音データを、他の端末に転送する。
【0049】
判断部32は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
【0050】
記憶・読出処理部39は、
図3に示されているCPU101からの命令、及び
図3に示されているHDD105によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0051】
<通信管理装置の機能構成>
続いて、
図3及び
図5を用いて、通信管理装置5の機能構成について説明する。
図5に示されているように、通信管理装置5は、送受信部51、選択部53、作成部54、判断部55、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理装置5は、
図3に示されているRAM103及びHD104により構築される記憶部5000を有している。
【0052】
(認証管理テーブル)
図6(A)は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図6(A)に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理装置5によって管理される全ての端末1,9の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。なお、パスワードは認証情報の一例であり、認証情報にはアクセストークンも含まれる。
【0053】
(端末状態管理テーブル)
図7(B)は、端末状態管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図7(B)に示されているような端末状態管理テーブルによって構成されている端末状態管理DB5002が構築されている。この端末状態管理テーブルでは、各端末1,9の通信ID毎に、各端末1,9を宛先とした場合の宛先名、各端末1,9の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理装置5で受信された受信日時、及び店舗端末1,9のIPアドレスが関連付けられて管理される。なお、通信ID、宛先名、及び端末のIPアドレスは、各端末1,9が、通信管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
【0054】
(宛先リスト管理テーブル)
図8(A)は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図8(A)に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通話の開始を要求する開始端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信IDが全て関連付けられて管理される。この宛先端末の候補は、管理者端末4から通信管理装置5に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
【0055】
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、通信ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
【0056】
(セッション管理テーブル)
図8(B)は、セッション管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図8(B)に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5004が構築されている。このセッション管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で相互通信を行なうためのセッションを識別するための通信セッションID毎に、使用される中継装置3の中継装置ID、開始端末の通信ID、宛先端末の通信ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て通信管理装置5で受信された受信日時が関連付けられて管理される。
【0057】
(通信情報管理テーブル)
図8(C)は、通信情報管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図8(C)に示されているような通信情報管理テーブルによって構成されている通信情報管理DB5005が構築されている。この通信情報管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で行なわれる相互通信を識別するための通信ID毎に、この使用される中継装置3の中継装置のIPアドレス、及び相互通信する端末の通信IDが関連付けられて管理される。
【0058】
(通信管理装置の各機能構成)
次に、通信管理装置5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理装置5の各機能構成を説明するにあたって、
図3に示されている各構成要素のうち、通信管理装置5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0059】
図5に示されている通信管理装置5の送受信部51は、
図3に示されているCPU101からの命令及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0060】
選択部53は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末のIPアドレスに基づいて、相互通信に最適な中継装置を選択する。
【0061】
作成部54は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末からの相互通信の開始要求に応じて、通信情報を作成する。この通信情報は、選択部53によって選択された中継装置のIPアドレス、及び上述の通信ID等を含んでいる。
【0062】
判断部55は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
【0063】
記憶・読出処理部59は、
図3に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0064】
<サービス情報管理装置>
続いて、
図3及び
図5を用いて、サービス情報管理装置7の機能構成について説明する。
図5に示されているように、サービス情報管理装置7は、送受信部71、判断部75、及び記憶・読出処理部79を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、サービス情報管理装置5は、
図3に示されているRAM103及びHD104により構築される記憶部7000を有している。この記憶部7000には、サービス情報管理DB7001が構築されている。サービス情報管理DB7001には、
図9乃至
図11に示されている各テーブルが構築されている。
【0065】
(システムアップデート情報管理テーブル)
図9(A)は、システムアップデート情報管理テーブルを示す概念図である。このシステムアップデート情報管理テーブルでは、クライアントID毎に、クライアント名、最新バージョン、アップデート適用日時、及びダウンロードURL(Uniform Resource Locator)が関連付けられて管理される。クライアント名欄において、店舗端末アプリは店舗端末1用のアプリケーションであり、説明者端末アプリは説明者端末9用のアプリケーションである。各アプリケーションは、各ダウンロードURLで管理されている。
【0066】
(事業者管理テーブル)
図9(B)は、事業者管理テーブルを示す概念図である。この事業者管理テーブルでは、事業者ID及び事業者名が関連付けられて管理される。事業者は、例えば、旅行会社、リース会社等である。
【0067】
(グループ管理テーブル)
図9(C)は、グループ管理テーブルを示す概念図である。このグループ管理テーブルでは、グループID(エリアID)毎に、グループ名(エリア名)、及び事業者IDが関連付けられて管理される。グループは、
図1におけるエリアE1等を示している。
【0068】
(端末管理テーブル)
図10(A)は、端末管理テーブルを示す概念図である。この端末管理テーブルでは、アカウントID毎に、宛先名、ロール、ログインID、パスワード、事業者ID、グループID、及び通信IDが関連付けられて管理される。アカウントIDは、店舗、説明者、及び管理者を識別するための識別情報である。店舗の場合は、顧客ではなく、店舗自体のアカウントが管理されている。宛先名は、
図7(B)の端末状態管理テーブルでも管理されているが、
図23(C)に示されるように店舗端末1で表示される宛先選択画面に示される表示名である。ロールは、端末の利用者の役割等を示す。ログインID及びパスワードは、管理者ad1が管理者端末4からサービス情報管理装置7にアクセスする際の認証に利用される。なお、この端末管理テーブルの「パスワード」は、
図7(A)の認証管理テーブルの「パスワード」と同じであるが、別のパスワードであってもよい。通信IDは、通信管理装置5における端末状態管理テーブル(
図7(A)参照)においても管理される。
【0069】
(スキル管理テーブル)
図10(B)は、スキル管理テーブルを示す概念図である。このスキル管理テーブルでは、スキルID毎に、スキル名、及びこのスキルを保有する説明者のアカウントIDが関連付けられて管理される。
図10(B)に示されているように、同じ説明者(001)が専門1及び専門2等の複数のスキルを保有していることも管理することができる。
【0070】
(ログイン情報管理テーブル)
図11(A)は、ログイン情報管理テーブルを示す概念図である。このログイン情報管理テーブルでは、整理番号のID毎に、バージョン、アカウントID、及び最終ログイン日時が関連付けられて管理される。なお、バージョンは、ログイン時のクライアントアプリケーション(店舗端末1及び説明者端末9の各アプリケーション)のバージョンである。これによって、アプリケーションのアップデートがあった際に、どのアカウントがどのバージョンを使っているかを把握することができる。
【0071】
(サブグループ管理テーブル)
図11(B)は、サブグループ管理テーブルを示す概念図である。このサブグループ管理テーブルでは、サブグループID毎に、サブグループ名、グループID、サブグループに所属する説明者のアカウントIDが関連付けられて管理される。
図10(B)に示されているように、同じ説明者(アカウントID「001」)が専門1及び専門2等の複数のスキルを保有していることも管理することができる。店舗端末のアカウントIDの場合は、
図1に示されているように、サブグループは、有人店舗、無人店舗を示す。また、説明者のアカウントIDの場合は、サブグループは有人店舗優先対応組織又は無人店舗優先対応組織を示す。
【0072】
サブグループ管理テーブルによって、例えば、アカウントID「003」の店舗端末(東京本店1号機)は、優先的に、アカウントID「001」,「002」の説明者が利用する説明者端末に対して、映像通話の開始要求(
図25のS101参照)の前段階として、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を一斉に送信(第1回目の送信)することになる(後述の
図24のS84-1,S85-1参照)。そして、アカウントID「001」,「002」の説明者の説明者端末から一定時間内に応答がなければ(後述の
図25のS204参照)、アカウントID「003」の店舗端末(東京本店1号機)は、アカウントID「001」,「002」以外で、同じスキルを有する説明者の説明者端末のうちOnline(通話可能)である所定の説明者端末に対して、通話開始要求を一斉送信(第2回目の送信)することになる(後述の
図25のS206参照)。
【0073】
(ユーザアップデート情報管理テーブル)
図11(C)は、ユーザアップデート情報管理テーブルを示す概念図である。このユーザアップデート情報管理テーブルでは、アップデートID毎に、アップデート対象のアカウントID、アップデート予定バージョン、アップデート適用日時、ダウンロードURLが関連付けられて管理される。
【0074】
(サービス情報管理装置の各機能構成)
次に、サービス情報管理装置7の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、サービス情報管理装置7の各機能構成を説明するにあたって、
図3に示されている各構成要素のうち、サービス情報管理装置7の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0075】
図5に示されているサービス情報管理装置7の送受信部11は、
図3に示されているCPU101からの命令及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0076】
判断部75は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
【0077】
記憶・読出処理部79は、
図3に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実現され、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0078】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図12乃至26を用いて、本実施形態に係る通信システムにおける処理または動作を説明する。なお、以下、映像通話の開始を要求する要求元としての店舗端末1は「開始端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての説明者端末9は「宛先端末」と表される場合もある。
【0079】
<サービス情報の登録処理>
まず、
図12乃至
図19を用いて、管理者端末4からサービス情報管理装置7に各種サービス情報を登録する処理について説明する。サービス情報は、
図9乃至
図11の各テーブルで管理される。
【0080】
図12は、サービス情報の登録処理を示したシーケンス図である。
図13は、管理者端末で表示されるログイン画面を示す図である。
図14は、管理者端末で表示される店舗一覧画面を示す図である。
図15は、管理者端末で表示される説明者一覧画面を示す図である。
図16は、管理者端末で表示されるグループ一覧画面を示す図である。
図17は、管理者端末で表示される説明者情報編集画面を示す図である。
図18は、管理者端末で表示されるグループ情報編集画面を示す図である。
図19は、管理者端末で表示される店舗情報編集画面を示す図である。
【0081】
図12に示されているように、管理者ad1は管理者端末4を利用し、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7にアクセスすることで、管理者端末4のウェブブラウザ(表示制御部44)が、ディスプレイ106上に
図13乃至
図19の各画面を表示させると共に、送受信部41が、管理者ad1によって各画面で入力又は選択された各サービス情報をサービス情報管理装置7に送信する(S1)。そして、サービス情報管理装置7では、送受信部71が各サービス情報を受信し、記憶・読出処理部79が各サービス情報をサービス情報管理DB7001に記憶する。これにより、
図9乃至
図11に示される各テーブルで各情報が管理される。
【0082】
図13乃至
図19の順に画面が表示される。例えば、
図18に示されるグループ情報編集画面において、管理者ad1は、優先して通話開始要求を送信したい説明者端末9の説明者のアカウントIDを、サブグループ(無人店舗用)の「説明者」欄に入力する。更に、
図19に示されている店舗情報編集画面において、「優先して呼び出すサブグループ」欄に、サブグループ名(ここでは、無人店舗用))を入力する。これにより、店舗端末1は、サービス情報管理装置7からサービス情報を取得することで(後述の
図20のS19参照)、店舗端末1が優先して通話開始要求を送信すべき説明者端末9を管理することができる(S20参照)。
【0083】
<映像通話の準備処理>
続いて、
図20乃至
図23を用いて、遠隔接客のための映像通話の準備の処理について説明する。
図20は、店舗端末の通話準備の処理を示すシーケンス図である。
【0084】
まず、店舗に来店した顧客が店舗端末1の電源スイッチをONにすると、受付部12が電源ONを受け付けて、店舗端末1を起動させる(S11)。店舗端末1が起動すると、店舗端末1にインストールされている通信アプリが起動する(S12)。以下、店舗端末1における処理は、通信アプリの命令により実行される。そして、記憶・読出処理部19は、記憶部1000からローカル設定情報の読み込みを行う(S13)。これにより、店舗端末1は、表示画面の背景画像の設定、ログインID及びパスワード等の準備が完了する。
【0085】
次に、店舗端末1の送受信部11は、通信ネットワーク100を介してサービス情報管理装置7に、ログイン要求を送信する(S14)。このログイン要求には、ステップS13で読み込まれたログインID及びパスワードが含まれている。これにより、サービス情報管理装置7の送受信部71は、ログイン要求を受信する。店舗端末1からサービス情報管理装置7へログイン要求が送信されることで、受信側であるサービス情報管理装置7は、送信側である店舗端末1のIPアドレスを取得することができる。
【0086】
次に、サービス情報管理装置7の判断部75は、ログイン要求に含まれているログインID及びパスワードを検索キーとして、サービス情報管理DB7001の端末管理テーブル(
図10(A))を検索し、この端末管理テーブルに同一のログインID及びパスワードが管理されているかを判断することによって認証を行う(S15)。
【0087】
そして、サービス情報管理装置7の送受信部71は、店舗端末1に対して、認証結果を示す認証結果情報を送信する(S16)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、認証結果情報を受信する。
【0088】
次に、店舗端末1の送受信部11は、サービス情報管理装置7に対してサービス情報の要求を送信する(S17)。これにより、サービス情報管理装置7の送受信部71は、サービス情報の要求を受信する。
【0089】
次に、サービス情報管理装置7では、記憶・読出処理部79が、サービス情報管理DB7001からサービス情報を読み出す(S18)。そして、送受信部71は、店舗端末1に対して、サービス情報を送信する(S19)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、サービス情報を受信する。次に、店舗端末1では、記憶・読出処理部19が、サービス情報を設定する(S20)。
【0090】
<映像通話の開始処理>
まず、店舗端末1の作成部54は、自ら通信セッションを識別するためのセッションIDを作成する(S22)。次に、送受信部11は、通信ネットワーク100を介して通信管理装置5に、ログイン要求を示すログイン要求情報を送信する(S23)。このログイン要求情報には、ステップS22で作成されたセッションID、ステップS19で取得されたサービス情報における自端末の通信ID及びパスワードが含まれている。なお、ここでは、通信IDは、ステップS23でログイン要求を送信した店舗端末1を識別するための開始端末IDである。
【0091】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(
図7(A)参照)を検索し、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(S24)。ここでは、記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、続けて説明する。
【0092】
記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、正当な利用権限を有する端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)において、上記ステップS23で受信された通信IDのレコードの稼動状態のフィールド部分を「Online(通話可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS23によってログイン要求が受信された受信日時を記憶する(S25)。これにより、例えば、端末状態管理テーブルには、通信ID「01aa」に、稼動状態「Online(通話可能)」、受信日時「2019.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.4」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で店舗端末1から送信されるようにしてもよい。
【0093】
次に、記憶・読出処理部59は、上記ステップS23によって受信された店舗端末1の通信ID及びパスワードを含む新しいレコードを、セッション管理テーブル(
図8(B)参照)で追加して管理する(S26)。そして、通信管理装置5の送受信部51は、上記ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク100を介して、上記ログイン要求してきた店舗端末1に送信する(S27)。
【0094】
ログイン要求端末(店舗端末1)の送受信部11が、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク100を介して通信管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(S28)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0095】
次に、記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(
図8(A)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補の通信IDを読み出すと共に、この通信IDに対応する宛先名を端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)から読み出す(S29)。ここでは、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」に対応する宛先候補のそれぞれの通信IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0096】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、記憶部5000から宛先リスト枠のデータを読み出す(S30)。そして、送受信部51は、この宛先リスト枠及び上記記憶・読出処理部59によって読み出された通信ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、通信ID、宛先名)」を、ログイン要求端末(店舗端末1)に送信する(S31)。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が記憶部1000へ宛先リスト情報を記憶する(S32)。
【0097】
このように、本実施形態では、各端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システムに新たな端末が含まれるようになったり、既に含まれている端末に替えて新機種の端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理装置5側で一括して対応するため、各端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0098】
また、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、上述の読み出した宛先候補の通信IDを検索キーとして、端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)を検索し、上記通信ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての通信端末の各稼動状態を取得する(S33)。
【0099】
次に、送受信部51は、上記ステップS26で使用された検索キーとしての各通信IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク100を介して開始端末(店舗端末1)に送信する(S34)。
【0100】
次に、開始端末(店舗端末1)の記憶・読出処理部19は、順次、通信管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1000に記憶する(S35)。よって、開始端末(店舗端末1)は、上記各端末の状態情報を受信することで、開始端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補である説明者端末9等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
【0101】
次に、ログイン要求端末(店舗端末1)の表示制御部14は、記憶部1000に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成する(S36)。この宛先リストは、後ほど
図23(C)に示すように、店舗端末1で表示される。
【0102】
一方、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて宛先リスト管理テーブル(
図8(A)参照)を検索することにより、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDを宛先候補として登録している他の端末の通信IDを抽出する(S37)。
【0103】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)の稼動状態を取得する(S38)。
【0104】
そして、送受信部51は、上記ステップS37で抽出された通信IDに係る端末のうち、端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)で稼動状態が「Online」となっている端末に、上記ステップS38で取得されたログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDと稼動状態が含まれる「端末の状態情報」を送信する(S39)。なお、送受信部51が説明者端末9に端末の状態情報を送信する際に、各通信IDに基づいて、端末状態管理テーブル(
図7(B)参照)で管理されている通信端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)を宛先候補として通信することができる他の宛先端末のそれぞれに、上記ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID、及び稼動状態を伝えることができる。これにより、宛先候補(説明者端末9)においても、
図23(C)に示されているような宛先候補の状態を表示させることができる(S40)。
【0105】
<説明者端末群の稼働状態の判定処理>
次に、
図22を用いて、店舗端末1がスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判定する処理について説明する。
図22は、店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特にスキル毎の説明者端末群の稼働状態を判定する処理を示すフローチャートである。なお、スキルグループの稼働状態「Online」は、このスキルグループの宛先候補のうち、少なくとも1つの宛先候補が通話可能なプレゼンス[Online」であることを表す。スキルグループの稼働状態「Chat」は、このスキルグループの宛先候補のいずれの稼働状態も「Online」の状態ではなく、通話中のプレゼンス「Chat」の宛先候補が少なくとも1つ含まれていることを表す。更に、スキルグループの稼働状態「Offline」は、このスキルグループの宛先候補のいずれも稼働状態「Offline」であることを表す。以下、スキルグループの稼働状態を決定する処理の一例について説明する。
【0106】
店舗端末1の記憶・読出処理部19は、
図21のステップS34で、宛先管理テーブルの稼働状態が更新される度、更新されたレコードに記録されている情報を取得する(S51)。取得される情報には、説明者端末9ug11の通信ID、宛先候補である説明者端末9ug11の最新の状態を示す稼働状態、及び宛先候補である説明者端末9ug11を利用する説明者のスキルを示すスキル名が含まれている。
【0107】
店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002における、ステップS51で取得されるスキル名が含まれる各レコードを更新する。すなわち、取得されるスキル名が「専門1,専門2」である場合、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002における、スキル名「専門1,専門2」が含まれる各レコードを更新する。
【0108】
以下、一例として、説明者端末9ug11から店舗端末1へ、稼働状態情報(稼働状態「Online」、スキル名(専門1,専門2)、通信ID「01ba」)が送信され、ステップS51でこれらの情報が取得されたときの処理について説明する(S52;Online)。
【0109】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(
図6の(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能の通信IDのフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話可能のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S53)。
【0110】
スキルグループ管理DB1002における通話可能のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていないと判断された場合(S53;NO)、記憶・読出処理部19は、通話可能のフィールドに、取得された通信ID「01ba」を追加する(S54)。
【0111】
ステップS54の処理が完了した場合、又は、ステップS53においてYESの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(
図6の(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S55)。
【0112】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていると判断された場合(S55;YES)、記憶・読出処理部19は、通話中のフィールドから、取得された通信IDを削除する(S56)。ここまでの処理により、説明者端末9ug11側の稼働状態が、「Chat」から「Online」へ遷移する場合も、「Offline」から「Online」へ遷移する場合も、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードには、通話可のフィールドにのみ説明者端末9ug11の通信IDが記録されるようになる。
【0113】
ステップS56の処理が完了した場合、又は、ステップS55においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002(
図6の(B)参照)のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を参照する。これにより、判断部15は、グループの稼働状態が「Online」であるか判断する(S57)。
【0114】
スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態が「Online」ではないと判断された場合(S57;NO)、記憶・読出処理部19は、この稼働状態を「Online」に更新する(S58)。これにより、表示制御部14は、
図23(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「クルーズ」のように明確に見える通常表示を行う。一方、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態が「Online」であると判断された場合(S57;YES)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を更新しない。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態は「Online」になる。
【0115】
ステップS51ではスキル名「専門1,専門2」が取得されているので、記憶・読出処理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門2」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0116】
続いて、説明者端末9ug11から店舗端末1へ、稼働状態情報(稼働状態「Chat」、スキル名(専門1,専門2)、通信ID「01ba」)が送信され、ステップS51でこれらの稼働状態情報が取得されたときの処理について説明する(S52;Chat)。
【0117】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話可のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S63)
スキルグループ管理DB1002における通話可のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていると判断された場合(S63;YES)、記憶・読出処理部19は、通話可能のフィールドから、取得された通信ID「01ba」を削除する(S64)。
【0118】
ステップS64の処理が完了した場合、又は、ステップS63においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ba」が含まれているか判断する(S65)。
【0119】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ba」が含まれていないと判断された場合(S65;NO)、記憶・読出処理部19は、通話中のフィールドに、取得された通信ID「01ba」を追加する(S66)。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門1」が記録されたレコードには、通話中のフィールドにのみ説明者端末9ug11の通信IDが記録されるようになる。
【0120】
ステップS66の処理が完了した場合、又は、ステップS65においてYESの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であるか判断する(S67)。
【0121】
スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合(S67;YES)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Chat」に更新する(S68)。これにより、表示制御部14は、
図23(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「ウェディング」のように半透明表示を行う。一方、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合(S67;NO)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を更新しない。すなわち、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに通信IDが記録されている場合、対応する稼働状態は「Online」のまま更新されない。
【0122】
ステップS51ではスキル名「専門1,専門2」が取得されているので、記憶・読出処理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門2」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0123】
続いて、説明者端末9ug21ら店舗端末1へ稼働状態情報(稼働状態「Offline」、スキル名「専門3,専門4」,通信ID「01ca」)が送信され、ステップS51でこれらの稼働状態情報が取得される場合について説明する(S52;Offline)。
【0124】
まず、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードを更新する処理について説明する。店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話可のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ca」が含まれているか判断する(S73)。
【0125】
スキルグループ管理DB1002における通話可のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ca」が含まれていると判断された場合(S63;YES)、記憶・読出処理部19は、通話可のフィールドから、取得された通信ID「01ca」を削除する(S74)。
【0126】
ステップS74の処理が完了した場合、又は、ステップS73においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブルのうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話中のフィールドを参照する。これにより、判断部15は、通話中のフィールドに、ステップS51で取得される通信ID「01ca」が含まれているか判断する(S75)。
【0127】
スキルグループ管理DB1002における通話中のフィールドに、ステップS51で取得された通信ID「01ca」が含まれている判断された場合(S75;YES)、記憶・読出処理部19は、通話中のフィールドから、取得された通信ID「01ca」を削除する(S76)。ここまでの処理により、スキルグループ管理DB1002におけるスキル名「専門3」が記録されたレコードから説明者端末9ug21の通信IDが削除される。
【0128】
ステップS76の処理が完了した場合、又は、ステップS75においてNOの場合、店舗端末1の記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のうち、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可及び通話中のフィールドを参照する。これにより、記憶・読出処理部19は、条件IF1,IF2に該当するか判断する(S77)。条件IF1は、スキル名「専門1」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合である。条件IF2は、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合である。
【0129】
スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可能のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)ではない場合(S77;IF1)、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Chat」に更新する(S78)。スキル名「専門3」が記録されたレコードにおける通話可のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)であり、通話中のフィールドに記録されている通信IDの数が0(ゼロ)である場合(S77;IF2)、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のスキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Offline」に更新する(S79)。これにより、表示制御部14は、
図23(A)に示されている画面を表示する場合、例えば、「ウェディング」のように半透明表示を行う。一方、ステップS77でIF1にもIF2にも該当しない場合(S77;NO)、記憶・読出処理部19は、スキル名「専門3」が記録されたレコードにおけるグループの稼働状態を「Online」のまま更新しない。
【0130】
ステップS51ではスキル名「専門3,専門4」が取得されているので、記憶・読出処理部19は、ループ処理で、スキルグループ管理DB1002において、スキル名「専門4」が記録された各レコードについても、同様に更新する。
【0131】
<映像通信の開始処理>
続いて、
図23及び
図24を用いて、遠隔接客のための映像通信を開始する処理について説明する。
図23は、店舗端末で表示される画面を示す図である。
図24は、映像通信を開始する処理を示すシーケンス図である。
【0132】
店舗端末1では、表示制御部14が店舗端末1のディスプレイ106上に、
図23(A)乃至
図23(D)のいずれかの画面を表示し、受付部12が顧客から、スキルグループの選択又は説明者の指名を受け付ける(S82)。
【0133】
具体的には、記憶・読出処理部19は、スキルグループ管理DB1002のテーブル(
図6(B)参照)に記憶されている各スキル名、及びこのスキル名に対応するスキルグループの稼働状態の組を取得する。これにより、表示制御部14は、店舗端末1のディスプレイ106上に、
図23(A)に示されるスキル選択画面を表示させる。
【0134】
スキル選択画面の右側には、スキルを選択するためのスキル表示ボタン(クルーズ、ウェディング等)、及び説明者の全ての宛先リストを表示させるための説明者一覧表示ボタンが表示されている。ここでは、「クルーズ」のスキル表示ボタンは通常表示されており、顧客が選択可能な状態になっている。これに対して、「ウェディング」のスキル表示ボタンは半透明表示されており、顧客が選択不可能な状態になっている。そして、例えば、顧客が「クルーズ」スキル表示ボタンを選択すると、受付部12が選択を受け付けることにより、表示制御部14がディスプレイ106上に、
図23(B)に示される確認画面を表示する。そして、顧客が「OK」ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、送受信部11が通信管理装置5を介して所望の説明者端末9に、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を送信する(後述のS84-1,S85-1参照)。
【0135】
一方、
図23(A)に示されるスキル選択画面において、顧客が説明者一覧表示ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、表示制御部14は、説明者管理DB1001のテーブル(
図6(A)参照)に記憶されてる説明者名、説明者端末の稼働状態、及びスキル名に基づいて、ディスプレイ106上に
図23(C)に示されているような説明者の宛先リストを表示させる。ここで、顧客は、通話可能な説明者端末のうち、所望の説明者端末を利用する説明者の名称を選択し、「OK」ボタンを押下すると、受付部12が説明者の指名を受け付けることにより、表示制御部14がディスプレイ106上に、
図23(D)に示される確認画面を表示する。そして、顧客が「OK」ボタンを押下すると、受付部12が押下を受け付けることにより、送受信部11が通信管理装置5を介して指名した説明者端末9に映像通話の開始要求を送信する(後述のS90,
図25の処理参照)。
【0136】
続いて、店舗端末1では、
図23(A)のスキル選択画面において、顧客が所望のスキルグループ(例えば、クルーズについて説明できる担当組織)を選択した場合に、判断部15が、無人店舗優先対応組織UG1の特定のスキルグループ(例えばクルーズ)でOnline(通話可能)の説明者端末に映像通話の開始要求を送信するのか、又は有人店舗優先対応組織MG1の同じ特定のスキルグループ(例えばクルーズ)でOnline(通話可能)の説明者端末に映像通話の開始要求を送信するのかを判断する(S83)。この場合、店舗端末1は、上記ステップS19で受信されたサービス情報内のサブグループ管理テーブル(
図11(B)参照)における自端末のアカウントIDが属するサブグループ名に基づき判断する。自端末(店舗端末1)が無人店舗に所属している場合には、判断部15は開始要求の宛先を無人店舗優先対応組織UG1の特定のスキルグループと定める。一方、自端末(店舗端末1)が有人店舗に所属している場合には、判断部15は開始要求の宛先を有人店舗優先対応組織MG1の特定のスキルグループと定める。
【0137】
続いて、以下、
図1において、店舗端末1が無人店舗USに設置された店舗端末1c2である場合に、優先して、無人店舗優先対応組織UG1のスキルSK1の担当組織SR21のOnline(通話可能)の説明者端末9ug11,9ug12に、映像通話の開始要求を送信する場合(第1回目)について説明する。
【0138】
まず、店舗端末1c2の送受信部11は、映像通話の開始要求(
図25のS101参照)の前段階として、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を第1回目として一斉に送信する(S84-1)。この接続要求情報には、ステップS83で読み出された通信IDのうち対応する稼働状態が「Online」である通信ID、開始要求元の店舗端末1c2の通信ID、及びステップS82で選択されたスキルを示すスキル名が含まれている。
【0139】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、店舗端末1c2によって送信された接続要求情報を受信すると、受信した接続要求情報に含まれる通信IDによって特定される説明者端末9ug11へ、この接続要求情報を送信する(S84-2)。
【0140】
店舗端末1c2が接続要求情報を送信してから応答を受信するまでの間に、ステップS34(
図21参照)で稼働状態が更新された場合、店舗端末1c2は、ステップS82,S83の処理を繰り返す。これにより、説明者端末9側の稼働状態が「Online」に更新されることで、対応する稼働状態が「Online」である通信IDとして、通信IDが抽出された場合、店舗端末1c2の送受信部11は、通信IDを含む接続要求情報を通信管理装置5へ送信する(S85-1)。なお、ここで送信される接続要求情報にも、ステップS82で選択されたスキルを示すスキル名及び自端末の通信IDが含まれている。
【0141】
通信管理装置5の送受信部51は、店舗端末1によって送信される接続要求情報を受信すると、受信した接続要求情報に含まれる通信IDによって特定される説明者端末9ug12へ、この接続要求情報を送信する(S85-2)。
【0142】
説明者端末9ug11,9ug12の各送受信部91は、店舗端末1c2から通信管理装置5を介して送信される接続要求情報を受信する。この接続要求情報が受信されると、説明者端末9ug11,9ug12の各表示制御部94は、接続要求情報に含まれる通信IDに対応する要求元の情報、及び通話の開始要求に含まれるスキル名に対応するスキル名(スキル情報)を含むメッセージを各説明者端末9ug11,9ug12のディスプレイ104へ表示させる。メッセージにスキルを示すことにより、各説明者端末9ug11,9ug12の説明者は、顧客がどのような旅行商品を望んでいるかを事前に把握することができる。
【0143】
次に、各説明者端末9ug11,9ug12において、各説明者ug11,ug12が応答許可の操作入力を行うと、各説明者端末9ug11,9ug12の受付部92は、応答の許可の操作入力を受け付ける(S86-1,S86-2)。応答の許可の操作入力が受け付けられると、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部91は、接続可を示す応答情報を通信管理装置5へ送信する(S87-1,S87-2)。この応答情報には、送信元(店舗端末1c2)の通信ID、自端末(9ug11,9ug12)の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、各説明者端末9ug11,9ug12によって送信される応答情報を受信する。なお、上記の処理は一例であって、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部91は、店舗端末1c2からの接続要求情報を受信した場合に、自動的に店舗端末1c2へ接続要求に対するの応答情報を送信しても良い。また、各説明者端末9ug11,9ug12の送受信部11は、複数の店舗端末1による複数の接続要求情報を受信した場合に、最先に受信した接続要求情報の送信元の店舗端末1へ応答情報を送信してもよい。
【0144】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、受信した応答情報を、この応答情報に含まれる通信IDによって特定される店舗端末1c2へ送信する(S87-2,S88-2)。
【0145】
店舗端末1c2の送受信部11は、複数の応答情報を受信した場合、判断部15は、最先の応答情報の送信元の説明者端末9を判断する(S89)。以降、本実施形態では、説明者端末9ug11が最初に応答対応した場合について説明する。
【0146】
通信管理装置5の送受信部51は、通信確立要求に含まれる通信ID「店舗端末の通信ID,説明者の通信ID」により特定される説明者端末9ug11及び店舗端末1の間で中継装置30を介して画像データ及び音データのコンテンツデータを送信して映像通話を行うための通信セッションを確立する制御を行う(S90)。このステップS90については、後ほど
図25を用いて詳細に説明する。なお、通信セッションは、上記に限られず、説明者端末9ug11及び店舗端末1c2の間で通信ネットワーク100を介して直接コンテンツデータを送信するためのセッションであっても良い。店舗端末1c2及び説明者端末9ug11の間の通信が確立すると、各店舗端末1c2及び説明者端末9ug11は、自端末側で撮像された画像の画像データ、及び自端末側で集音された音データを中継装置3を介して相手側の端末へ送信する。これにより、
図2に示されているように、顧客と説明者の間で映像通話を開始することができる。
【0147】
なお、ステップS90によって通信が確立すると、説明者端末9ug11の送受信部91は、稼働状態「Chat」、スキル名「専門1」、及び説明者端末9ug11の通信IDが含まれる状態情報を通信管理装置5へ送信する。
【0148】
また、ステップS90によって通信が確立すると、店舗端末1c2の送受信部11は、最先に受信した応答の送信元以外の応答の送信元に対して通話の開始要求をキャンセルするため、キャンセル情報を通信管理装置5へ送信する(S91-1)。キャンセル情報には、自端末(店舗端末1c2)の通信ID及び最先に受信した応答の送信元以外の応答の送信元の説明者端末9(ここでは、説明者端末9ug12)の通信IDが含まれている。
【0149】
通信管理装置5の送受信部51が、キャンセル情報を受信すると、キャンセル情報に含まれている通信IDにより特定される説明者端末9ug12へ、キャンセル情報を送信する(S91-2)。説明者端末9ug12の送受信部11は、通信管理装置5によって送信されるキャンセル情報を受信する。これにより、説明者端末9ug12側では店舗端末1側の通話の開始要求に対する応答が不要になったことを把握することができる
<通信確立制御の処理>
続いて、
図25を用いて、
図24の通信確立制御の処理(S90参照)について詳細に説明する。
図25は、通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
【0150】
まず、店舗端末1c2は、通信管理装置5に対して、映像通信を開始する要求を示す開始要求情報を送信する(S101)。この開始要求情報には、開始端末(ここでは、店舗端末1c2)の通信ID、及び、宛先端末(ここでは、案内人端末9ug11)の説明者ug11の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5は、開始要求情報を受信する。
【0151】
次に、通信管理装置5では、選択部53が、開始端末及び宛先端末の各IPアドレスに基づいて、最寄の中継装置を選択する(S102)。各端末のIPアドレスは端末管理テーブルで管理されており、各中継装置のIPアドレスは記憶部5000に予め記憶されている。次に、作成部54は、中継装置のIPアドレス、及び上述の通信IDを含む通信情報を作成する(S103)。そして、記憶・読出処理部59は、通信情報管理DB5005(
図8(C)参照)に、通信情報の内容である通信ID及び中継装置のIPアドレス、並びに、ステップS101で受信された開始端末及び宛先端末の説明者の各通信IDを関連付けて記憶することにより管理する。その後、送受信部51は、宛先端末(ここでは、案内人端末9ug11)に対して、開始要求情報を送信する(S105)。この開始要求情報には、上記ステップS101で開始端末から送られて来た各通信IDに加え、通信情報が含まれている。これにより、宛先端末の送受信部91aは、開始要求情報を受信する。
【0152】
次に、宛先端末では、説明者端末9ug11の判断部95が、ステップS105で受信された開始端末(店舗端末1c2)の通信IDが、
図24のステップS84-2の処理で既に受信している店舗端末1c2の通信ID同じであるかを判断する(S106)。この場合、基本的に同じであるため、送受信部91aは、通信管理装置5に対して応答可情報を送信する(S107)。この場合の応答可情報は応答可である旨を示し、開始端末の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、応答可情報を受信する。
【0153】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ステップS107で受信された開始端末の通信IDを検索キーとして、通信情報管理DB5005を検索することにより、対応する通信情報(通信ID、中継装置IPアドレス)を読み出す(S108)。そして、送受信部51は、開始端末に対して、応答可情報を送信する。この場合の応答可情報には、ステップS108で読み出された通信情報が含まれている。これにより、開始端末の送受信部11は、応答可情報を受信する。
【0154】
次に、宛先端末の送受信部91は、ステップS105で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(S110)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である宛先端末のIPアドレスも送信される。一方、開始端末の送受信部11は、ステップS109で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(S111)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である開始端末のIPアドレスも送信される。これにより、中継装置3と開始端末との間で、画像及び音を相互通信するための通信セッションが確立すると共に(S112-1)、中継装置3と宛先端末との間で、画像及び音を相互通信するための通信セッションが確立する(S112-2)。
【0155】
次に、開始端末の送受信部11は、通信管理装置5に対して自端末(開始端末)の状態情報を送信する(S113-1)。この状態情報には、開始端末の通信ID、及び稼動状態情報(ここでは「通信中」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、開始端末の状態情報を受信する。一方、宛先端末の送受信部91は、通信管理装置5に対して自端末(宛先端末)の状態情報を送信する(S113-2)。この状態情報には、宛先端末の通信ID、及び稼動状態情報(ここでは「Chat(通信中)」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先端末の状態情報を受信する。このように、各端末は、通信管理装置5に対して、自ら自端末の稼動状態を通知する。そして、通信管理装置5では、記憶・読出処理部59が、端末管理テーブル(
図10参照)において、開始端末の通信IDに関連付けられている稼動状態を「Chat(通信中)」に変更すると共に、宛先端末の通信IDに関連付けられている稼動状態を「Chat(通信中)」に変更する(S114)。以上より、開始端末(店舗端末1c2)及び宛先端末(説明者端末9ug11)では、
図2に示されているように、相互通信により映像通話をすることができる。以上が、ステップS82において、
図23(A)で「クルーズ」等のスキルグループが選択された場合の処理である。
【0156】
<説明者が指名された場合の映像通話の開始要求>
続いて、ステップS82において、
図23(C)で説明者が指名された場合に映像通話を開始する処理について説明する。この場合、
図24において、ステップS84以降のうち、ステップS90の処理のみが実行される。
【0157】
また、説明者が指名された場合には、
図24のステップS84-2,S85-2の処理が行われないため、
図25のステップS106では、表示制御部94が開始端末の通信IDを表示することで、指名された説明者に手動で応答の可否を選択させる。そして、指名された説明者が応答の可否を選択すると、受付部92が応答の可否の選択を受け付ける。
【0158】
そして、ステップS107,S109では、応答可情報に代えて応答可否情報が送信される。この場合も、開始端末の通信IDが含まれている。これら以外の処理は、スキルグループが選択された場合と同様であるため、説明を省略する。
【0159】
<映像通話の開始要求の送信先の変更処理>
続いて、
図26を用いて、
図24のステップS86-1,S86-2において、全ての説明者端末が開始要求に対して応答しない場合に、映像通話の開始要求の送信先を変更する処理について説明する。
図26は、通話開始の各種処理を示すフローチャートである。具体的には、
図26は、スキルグループの選択後の開始要求、開始要求の送信先の変更、及び説明者が指名された場合の開始要求の3つのパターンが示されたフローチャートである。
【0160】
なお、以下に示す判断部15の判断は、記憶部1000の説明者管理DB1001及びスキルグループ管理DB1002に管理されてる各情報に基づいて行われる。
【0161】
まず、無人店舗USの店舗端末1c2では、
図24に示されるステップS82の処理の結果、判断部15は、スキルグループの選択か説明者の指名かを判断する(S201)。そして、スキルグループの選択の場合には(S201;スキル)、判断部15は、同じエリアE1内で、受け付けられたスキルグループに対して、Online(通話可能)である無人店舗優先対応組織の説明者端末があるかを判断する(S202)。そして、Online(通話可能)である無人店舗優先対応組織の説明者端末がある場合には(S202;YES)、店舗端末1c2の送受信部11は、Online(通話可能)の無人店舗優先対応の組織の各説明者端末に、第1回目として一斉に映像通話の開始要求(
図25のS101参照)の前段階として、映像通話のための通信セッションの接続要求を示す接続要求情報を送信する(S203)。このステップS203の処理は、
図24において、ステップS84-1,S85-1の処理に相当する。
【0162】
次に、ステップS84-1,S85-1の処理後、判断部15は、一定時間内(例えば、30秒)に説明者端末9ug11,9ug12からそれぞれ応答情報を受信した(S87-2,S88-2)か否かを判断する(S204)。そして、一定時間内に応答情報の受信があった場合(S204;YES)、店舗端末1c2は、最先に応答した説明者端末(ここでは、説明者端末9ug11)に対する通信確立制御を行う(S205)。このステップS205の処理は、
図24において、ステップS89,S90の処理に相当する。この場合、
図26の処理は終了する。
【0163】
一方、上記ステップS202において、接続不可能の応答を示す応答情報を受信した場合(NO)、又は上記ステップS204において接続要求情報を送信してから所定時間内(例えば、30秒)に接続可否を示す応答情報を受信しなかった場合(NO)、店舗端末1c2の送受信部11は、Online(通話可能)の有人店舗優先対応の組織の各説明者端末9mg11,9mg12に送信先を変更することで、第2回目として一斉に接続要求情報を送信する(S206)。そして、第2回目によるステップS84-1,S85-1の処理後、判断部15は、所定時間内に説明者端末9mg11,9mg12からそれぞれ応答情報(S87-2,S88-2)を受信したか否かを判断する(S207)。そして、所定時間内に応答情報が受信された場合(S207;YES)、ステップS205において、店舗端末1c2は、最先に応答した説明者端末(ここでは、説明者端末9mg11)に対する通信確立制御を行う。また、所定時間内に応答情報が受信されなかった(S207;NO)、表示制御部14は、自端末のディスプレイ106上に、応答がない旨のエラーダイアログを表示させる(S208)。その後、上記ステップS201の処理に戻る。
【0164】
ところで、上記ステップS201において、説明者の指名の場合には(S201;指名)、表示制御部14は、自端末のディスプレイ106上に、
図23(C)に示す説明者の宛先リストを表示させる(S209)。そして、受付部12は、顧客c2から説明者の指名(選択)を受け付ける(S210)。このステップS209,S210の処理は、
図24において、ステップS82の処理に相当する。
【0165】
また、これにより、店舗端末1c2は、指名された説明者端末(ここでは、説明者端末9ug11)にのみ通信確立制御の処理を実行する(S211)。このステップS211の処理は、
図24において、ステップS90の処理に相当する。
【0166】
〔本実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、無人店舗の店舗端末USから無人店舗優先対応組織UG1の所望のスキルSK1の担当組織SK12の各説明者端末9ug11,9ug12に対して通話開始要求(第1回目)を行ったにも拘わらず、いずれの説明者端末からも応答がない場合であっても、有人店舗優先対応組織MG1の同じスキルSK1の担当組織SR11の各説明者端末9mg11,9mg12に対して通話開始要求(第2回目)を行うことができる。これにより、店舗業務のスリム化及び効率化という無人店舗の利点を活かしつつも、無人店舗優先対応の説明者端末9ug11,9ug12を設置して、無人店舗からの顧客の退店を少なくした上で、更に、無人店舗優先対応の説明者端末9ug11,9ug12が応答できない場合であっても、店舗端末から有人店舗優先対応の説明者端末9mg11,9mg12に対して通話開始要求を行うことができるようにすることで、顧客の喪失を更に抑制することができるという効果を奏する。
【0167】
〔補足〕
なお、店舗端末1は、通信端末の一例である。店舗端末1には、PCだけでなく、スマートウォッチ、ゲーム機、映像通話専用機なども含まれる。
【符号の説明】
【0168】
1 店舗端末(通信端末の一例)
3 中継装置
4 管理者端末
5 通信管理装置
7 サービス情報管理装置
9 説明者端末
11 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
12 受付部(受付手段の一例)
13 通信制御部
14 表示制御部(表示制御手段の一例)
15 判断部(判断手段の一例)
100 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0169】