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特許7582086フィルタ保持装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】フィルタ保持装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241106BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G21/18 114
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021097129
(22)【出願日】2021-06-10
(65)【公開番号】P2022188872
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】星 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】與五澤 一樹
(72)【発明者】
【氏名】久保 達哉
(72)【発明者】
【氏名】薮田 裕太
(72)【発明者】
【氏名】橋川 ほたる
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 卓也
(72)【発明者】
【氏名】関根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山田 達巳
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-346035(JP,A)
【文献】実開昭61-139715(JP,U)
【文献】特開平10-161490(JP,A)
【文献】米国特許第5379506(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内と装置外とを連通させる開口部にフィルタが設置されたフィルタ保持装置であって、
前記フィルタは、
一端側の単位体積当たりの重量密度に比べて他端側の単位体積当たりの重量密度が大きくなるように形成されるとともに、前記他端側の連通方向に交差する面の面積が前記一端側のものよりも大きくなるように形成されて、
前記一端側が装置内の側に位置して前記他端側が装置外の側に位置するように前記開口部に設置されることを特徴とするフィルタ保持装置。
【請求項2】
前記フィルタは、単位体積当たりの重量密度が低い低密度部が前記一端側に形成されて、単位体積当たりの重量密度が高い高密度部が前記他端側に形成された2層構造体であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ保持装置。
【請求項3】
前記フィルタは、前記他端側の端部であって前記高密度部の一部又は全部に、その他の部分に対して前記連通方向に交差する方向に突出するツバ部が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ保持装置。
【請求項4】
前記フィルタは、前記他端側の端部に、その他の部分に対して前記連通方向に交差する方向に突出するツバ部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ保持装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記連通方向に延びる縁部を具備し、
前記フィルタは、少なくとも前記ツバ部が前記縁部に密着するように前記開口部に設置されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のフィルタ保持装置。
【請求項6】
前記ツバ部は、前記フィルタが前記開口部から装置内に脱落するのを制限することを特徴とする請求項3~請求項5のいずれかに記載のフィルタ保持装置。
【請求項7】
前記フィルタが前記開口部から装置外に外れないように前記フィルタに当接可能なストッパ部が設けられたことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載のフィルタ保持装置。
【請求項8】
前記フィルタは、装置外から着脱されることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載のフィルタ保持装置。
【請求項9】
装置内にトナーが収容されて、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
請求項1~請求項8のいずれかに記載のフィルタ保持装置であることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項9に記載の現像装置と前記像担持体とを一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1~請求項8のいずれかに記載のフィルタ保持装置、請求項9に記載の現像装置、請求項10に記載のプロセスカートリッジ、のうち少なくとも1つを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開口部にフィルタが設置されたフィルタ保持装置と、トナーが収容された現像装置と、プロセスカートリッジと、画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、装置内の内圧上昇によるトナー飛散を防止することを目的として、現像ケースの上部に形成した開口部にフィルタを設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における現像装置は、装置内の内圧が上昇しそうになっても、装置内の空気が、フィルタが設置された開口部を介して装置外に排出されるため、内圧上昇が抑止される。そして、そのように装置内の空気が装置外に排出されるときに、装置内で浮遊していたトナーが空気とともに装置外に排出されそうになっても、そのトナーがフィルタによって捕集されるため、装置外へのトナー飛散が抑止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、フィルタの側方から装置内のトナー(捕集対象体)が空気(排出対象体)とともに漏出してしまう可能性があった。そのような場合には、フィルタの機能が充分に発揮されずに、装置外にトナー(捕集対象体)が飛散しまうことになる。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、装置内の排出対象体が捕集対象体とともに装置外に排出されてしまう不具合が軽減される、フィルタ保持装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるフィルタ保持装置は、装置内と装置外とを連通させる開口部にフィルタが設置されたフィルタ保持装置であって、前記フィルタは、一端側の単位体積当たりの重量密度に比べて他端側の単位体積当たりの重量密度が大きくなるように形成されるとともに、前記他端側の連通方向に交差する面の面積が前記一端側のものよりも大きくなるように形成されて、前記一端側が装置内の側に位置して前記他端側が装置外の側に位置するように前記開口部に設置されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置内の排出対象体が捕集対象体とともに装置外に排出されてしまう不具合が軽減される、フィルタ保持装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部を示す断面図である。
図3】現像装置を長手方向に示す図である。
図4】(A)現像装置の開口部にフィルタが設置された状態を示す拡大断面図と、(B)現像装置の開口部にフィルタが設置される前の状態を示す拡大断面図と、である。
図5】フィルタを示す斜視図である。
図6】別形態としてのフィルタを示す断面図である。
図7】変形例1としての、現像装置の開口部にフィルタが設置された状態を示す拡大図である。
図8】変形例2としての、現像装置の開口部にフィルタが設置された状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKが中間転写ベルト40に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。また、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21に対向するようにフィルタ保持装置(フィルタ付き装置)としての現像装置26(図2参照)が設置されている。
【0011】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は原稿を原稿読込部3に搬送する原稿搬送部、3は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、4は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、40は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、を示す。
また、61は用紙等のシートPが収納される給紙装置、65は中間転写ベルト40上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、66はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、を示す。
また、70は複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKに対応した各現像装置26に各色のトナーを補給するためのトナー容器、80はクリーニング装置23(図2参照)や中間転写ベルトクリーニング装置81で回収された未転写トナーが廃トナーとして回収される廃トナー回収容器、を示す。
【0012】
ここで、図2をも参照して、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム21、帯電装置22、クリーニング装置23、が一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、寿命に達したときに画像形成装置本体1から取り外されて、新品のものに交換される。
また、各現像装置26は、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21にそれぞれ対向するように設置されている。そして、現像装置26は、寿命に達したときに画像形成装置本体1から取り外されて、新品のものに交換される。なお、画像形成装置本体1に対する現像装置26の着脱操作と、画像形成装置本体1に対するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの着脱操作と、はそれぞれ別々に独立しておこなうことができる。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0013】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部2の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部3のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部3で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信される。そして、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(図2参照)の表面に向けて照射される。
【0014】
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、図1図2の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電装置22(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面は、それぞれの書込み部4によるレーザ光の照射位置に達して、その位置で画像情報に基づいた静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0016】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、各現像装置26から感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、中間転写ベルト40との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト40の内周面に当接するように1次転写ローラ24が設置されている。そして、1次転写ローラ24の位置で、中間転写ベルト40上に、感光体ドラム21上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0017】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、クリーニング装置23との対向位置に達する。そして、クリーニング装置23で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。なお、クリーニング装置23で回収された未転写トナーは、不図示の廃トナー搬送経路を通過して、廃トナー回収容器80内に回収される。
その後、感光体ドラム21の表面は、除電装置の位置で残留電位が除電されて、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0018】
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト40の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ65の位置に達する。そして、2次転写ローラ65の位置で、シートP上に中間転写ベルト40上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト40の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置81の位置に達する。そして、中間転写ベルト40上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置81に回収されて、中間転写ベルト40上の一連の転写プロセスが完了する。
なお、中間転写ベルトクリーニング装置81で回収された未転写トナーは、不図示の廃トナー搬送経路を通過して、廃トナー回収容器80内に回収される。
【0019】
ここで、2次転写ローラ65の位置に搬送されるシートPは、給紙装置61からレジストローラ64等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置61から、給紙ローラ62により給送されたシートPが、搬送路を通過した後に、レジストローラ64の位置に導かれる。レジストローラ64の位置に達したシートPは、中間転写ベルト40上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ65の位置に向けて搬送される。
【0020】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置66の位置に導かれる。そして、定着装置66において、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ69によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0021】
次に、図2及び図3にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、画像形成装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジや現像装置などの構成部材における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を除して図示する。
【0022】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電装置22と、クリーニング装置23と、がケースに一体的に収納されている。
感光体ドラム21は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
帯電装置22は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置22(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。
クリーニング装置23には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。クリーニングブレード25aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム21表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。クリーニングローラ25bは、芯金上にブラシ毛が周設されたブラシローラである。
【0023】
図2図3に示すように、現像装置26は、主として、現像剤担持体としての現像ローラ26a、現像ローラ26aに対向する第1搬送スクリュ26b1(第1搬送部材)、仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1に対向する第2搬送スクリュ26b2(第2搬送部材)、現像ローラ26aに対向して現像ローラ26a上に担持された現像剤の量を規制するドクターブレード26c(現像剤規制部材)、等で構成される。
なお、本実施の形態における現像装置26は、フィルタ26t(トナーフィルタ)を保持するフィルタ保持装置としても機能するが、これについては後で詳しく説明する。
【0024】
現像装置26内には、キャリアとトナーとからなる現像剤(2成分現像剤)が収容されている。
現像ローラ26aは、感光体ドラム21に対して微小なギャップをあけて対向して現像領域を形成するように構成されている。現像ローラ26aは、図3に示すように、内部に固設されてローラ外周面上に複数の極(磁極)を形成するマグネット26a1と、マグネット26a1の周囲を回転するスリーブ26a2と、で構成される。
【0025】
搬送部材としての搬送スクリュ26b1、26b2は、現像装置26の内部に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路(図3にて破線矢印で示す循環経路である。)を形成する。すなわち、第1搬送スクリュ26b1による第1搬送経路B1と、第2搬送スクリュ26b2による第2搬送経路B2と、による現像剤の循環経路が形成されている。
第1搬送経路B1と第2搬送経路B2とは仕切部材26e(壁部)によって隔絶されていて、2つの搬送経路B1、B2の長手方向両端部は互いに連通口26f、26gを介して連通している。具体的に、図3を参照して、第1搬送経路B1の搬送方向上流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向下流側の端部と、が第1連通口26fを介して連通している。また、第1搬送経路B1の搬送方向下流側の端部と、第2搬送経路B2の搬送方向上流側の端部と、が第2連通口26gを介して連通している。すなわち、仕切部材26eは、長手方向両端部を除く位置に配設されている。
第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)は現像ローラ26aに対向するように配設され、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)は仕切部材26eを介して第1搬送スクリュ26b1(第1搬送経路B1)に対向するように配設されている。第1搬送スクリュ26b1は、現像剤を長手方向に搬送しながら、現像ローラ26aに向けて現像剤を供給するとともに、現像ローラ26aから離脱した現像工程後の現像剤を回収する。第2搬送スクリュ26b2は、第1搬送経路B1から搬送された現像工程後の現像剤と、補給口26dから補給されたフレッシュなトナーと、を長手方向に搬送しながら撹拌・混合する。
本実施の形態において、2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、水平方向に並設されている。2つの搬送スクリュ26b1、26b2は、いずれも、回転軸にスクリュ部が巻装されたものである。
【0026】
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にしてさらに詳しく説明する。
現像ローラ26aは、図2中の矢印方向に回転している。現像装置26内の現像剤は、図3に示すように、間に仕切部材26eを介在するように配設された第1搬送スクリュ26b1及び第2搬送スクリュ26b2の矢印方向の回転によって、トナー容器70からトナー補給経路を経て補給口26dから補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
そして、摩擦帯電してキャリアに吸着したトナーは、現像ローラ26a上に形成された剤汲上げ極によって、キャリアとともに現像ローラ26a上に汲み上げられる。現像ローラ26a上に担持された現像剤は、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード26cとの対向位置に達する。そして、現像ローラ26a上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム21との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム21上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ26a上に残った現像剤はスリーブの回転にともない第1搬送経路B1の上方に達して、この位置で現像ローラ26aから離脱される。ここで、現像領域における電界は、現像用の電源によって現像ローラ26aに印加される所定の電圧(現像バイアス)と、帯電工程と露光工程とによって感光体ドラム21の表面に形成される表面電位(潜像電位)と、によって形成されるものである。
【0027】
なお、トナー容器70内のトナーは、現像装置26内のトナーの消費にともない、トナー補給経路(不図示)を経由して補給口26dから現像装置26内に適宜に補給されるものである。現像装置26内のトナーの消費は、現像装置26内の現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を磁気的に検知するトナー濃度センサ(不図示)によって検知される。
また、補給口26dは、第2搬送スクリュ26b2の長手方向(図3の左右方向である。)の一端であって、第2搬送スクリュ26b2(第2搬送経路B2)の上方に設けられている。
【0028】
以下、本実施の形態において特徴的な、フィルタ保持装置としての現像装置26の構成・動作について詳しく説明する。
図2図4(A)等を参照して、本実施の形態における現像装置26は、装置内と装置外とを連通させる開口部26k1にフィルタ26tが設置されたフィルタ保持装置としても機能している。
詳しくは、現像装置26の現像ケース26k(筐体)の天井部には、内外に貫通する開口部26k1(通気路)が形成されている。そして、その開口部26k1を塞ぐようにフィルタ26tが設けられている。フィルタ26tは、粉体としてのトナーを捕集して通気するためのものである。
換言すると、現像装置26の内部から外部に向けて空気を送出するための開口部26k1(通気路)が、現像ケース26kに形成されている。そして、その開口部26kを取付け部として、フィルタ26tが設置されている。
なお、本実施の形態では、開口部26k1は略矩形に開口しており、フィルタ26t(単体の状態のものである。)は略長方体状(ただし、上側にツバ部26t11が形成されている。)に形成されている。
【0029】
ここで、現像領域の下流側における現像ローラ26aと現像ケース26kとのギャップH(ケーシングギャップ)は、0.6~1.0mmの範囲内になるように設定されている。
ケーシングギャップHが0.6mmより小さくなってしまうと、現像ローラ26aに担持された現像工程後の現像剤が、現像ローラ26aと現像ケース26kとのギャップHにスムーズに搬送されずに、そこから溢れて現像装置26の外部に漏出してしまいやすくなる。
これに対して、ケーシングギャップHが1.0mmより大きくなってしまうと、現像ローラ26aに担持された現像剤が現像ケース26kの内周面に摺接しにくくなって、ポンプ作用による現像装置26の内部に向けての吸込み気流が形成されにくくなり、現像装置26からのトナー飛散(現像領域の周囲へのトナー飛散である。)が生じやすくなってしまう。
ケーシングギャップHを適正な範囲に維持することで、現像剤の漏出やトナー飛散を軽減することができる。
さらに、上述したケーシングギャップHにおける吸込み気流によって、現像装置26の内圧は高まる傾向にあり、内圧が高まってしまうと現像装置26の隙間からトナー飛散が生じてしまうことになる。これに対して、本実施の形態では、フィルタ26tが設置された開口部26k1が設けられているため、トナーを捕集して外部への飛散を防止しながら通気のみをおこなって、現像装置26の内圧の上昇を抑えている。すなわち、現像装置26の内圧の上昇によるトナー飛散を防止している。
【0030】
ここで、図4図5に示すように、本実施の形態において、フィルタ26tは、一端側(図4の下方である。)の単位体積当たりの重量密度に比べて、他端側の単位体積当たりの重量密度(図4の上方である。)が大きくなるように形成されている。また、フィルタ26tは、他端側(図4の上方である。)の連通方向に交差する面(本実施の形態では、連通方向に直交する面である。)の面積が、一端側のものよりも大きくなるように形成されている。
すなわち、フィルタ26tは、単位体積当たりの重量密度が、均一ではなくて、通気方向(連通方向)に重量密度が低い部分と高い部分とが形成されている。さらに換言すると、フィルタ26tは、単位体積当たりの重量密度の勾配を有している。
また、フィルタ26tは、他端側の部分(ツバ部26t11である。)の面積が、他の部分26t2、26t10の面積よりも大きくなる部分が形成されている。さらに換言すると、フィルタ26tは、通気方向(連通方向)に直交する断面積が、通気方向にわたって一定ではなくて、他端側に断面積が大きな部分が形成されている。
【0031】
特に、本実施の形態では、そのようなフィルタ26tの特徴的な構成が、開口部26k1に設置されていない単体の状態(図4(B)の状態である。)であっても、開口部26k1に設置されている単体の状態(図4(A)の状態である。)であっても、維持されている。
【0032】
さらに具体的に、本実施の形態において、フィルタ26tは、図4(A)、(B)、図5に示すように、単位体積当たりの重量密度が低い低密度部26t2が一端側に形成されて、単位体積当たりの重量密度が高い高密度部26t1が他端側に形成された2層構造体である。
すなわち、フィルタ26tにおいて、一端側の低密度部26t2は、目が粗くて比較的ふわふわした状態で、他端側の高密度部26t1は、目が詰まった状態になっている。したがって、本実施の形態におけるフィルタ26tは、単体の状態では、低密度部26t2のトナー捕集力に比べて高密度部26t1のトナー捕集力が高くなる。
【0033】
また、フィルタ26tは、他端側の端部(図4の上端である。)に、その他の部分26t2、26t10に対して連通方向に交差する方向(本実施の形態では、連通方向に直交する方向である。)に突出するツバ部26t11が形成されている。
詳しくは、フィルタ26tは、他端側の端部であって高密度部26t1の一部に、その他の部分(低密度部26t2と、高密度部26t1の非ツバ部26t10と、である。)に対して連通方向に直交する方向に突出するツバ部26t11が形成されている。高密度部26t1はツバ部26t11と非ツバ部26t10とで構成され、低密度部26t2と高密度部26t1の非ツバ部26t10とは連通方向にわたって一定の断面積になるように略長方体状に形成されている。そして、その略長方体状の部分26t2、26t10にかぶさるように、略矩形板状のツバ部26t11が形成されている。
【0034】
ここで、本実施の形態における現像装置26において、開口部26k1には、装置内から装置外に向かう連通方向(通気方向であって、図2図4(A)の上下方向である。)に延びる縁部26k10(壁部)が形成されている。
そして、フィルタ26tは、一端側(重量密度が低い側である。)が装置内の側(図4(A)の下方である。)に位置して、他端側(重量密度が高い側である。)が装置外の側(図4(A)の上方である。)に位置するように、開口部26k1に設置される。
【0035】
また、フィルタ26tは、少なくともツバ部26t11が縁部26k10に密着するように開口部26k1に設置される。
具体的に、図4(B)に示すように、開口部26k1の縁部26k10は、その上部に、その他の部分に比べて開口面積が大きな段部26k10aが形成されている。この段部26k10aは、フィルタ26tが開口部26k1にセットされた状態で、ツバ部26t11が密着するように形成されている。すなわち、開口部26k1に装着されたフィルタ26tは、ツバ部26t11が段部26k10aとの接触によって四方(図4(A)の左右方向と紙面垂直方向とである。)から圧縮された状態になる。
【0036】
さらに詳しくは、図4(B)に示すように、フィルタ26tのツバ部26t11は、単体の状態では交差方向(連通方向に直交する方向であって、図4の左右方向である。)の長さN1が、開口部26k1の段部26k10aの開口幅M1(交差方向の長さ)よりも大きく設定されている(N1>M1)。なお、このようなツバ部26t11と段部26k10aとの寸法関係は、図4の紙面垂直方向の長さについても同様に設定されている。
そして、図4(A)に示すように、フィルタ26tのツバ部26t11は、段部26k10aの形状に合わせて圧縮された状態で、段部26k10aに密着して設置されることになる。
【0037】
なお、本実施の形態では、図4(B)に示すように、フィルタ26tの非ツバ部26t10と低密度部26t2とは、単体の状態では交差方向の長さN2が、開口部26k1における段部26k10a以外の部分の開口幅M2(交差方向の長さ)よりも僅かに大きく設定されている(M1>N2>M2)。なお、このようなツバ部26t11以外の部分と段部26k10a以外の部分との寸法関係は、図4の紙面垂直方向の長さについても同様に設定されている。
そして、図4(A)に示すように、非ツバ部26t10と低密度部26t2とは、その部分(開口幅M2の部分である、)の形状に合わせて僅かに圧縮された状態で密着して設置されることになる。このとき、低密度部26t2は少なからず圧縮されることになるが、高密度部26t1との重量密度の大小関係は維持される。
【0038】
このように、本実施の形態における現像装置26では、フィルタ26tにおいて重量密度が大きい部分(特に、高密度部26t1のツバ部26t11である。)が開口部26k1(段部26k10a)に密着して設置されるため、フィルタ26tの側方(開口部26k1との間である。)から現像装置26内の空気(排出対象体)がトナー(捕集対象体)とともに漏出してしまう不具合が軽減される。したがって、先に説明したフィルタ26tの機能が充分に発揮されて、現像装置26の外部にトナー(捕集対象体)が飛散しまう不具合などが軽減される。
特に、フィルタ26tには単位体積当たりの重量密度が低い低密度部26t2が設けられていて、この低密度部26t2と開口部26k1との間から現像装置26内の空気(排出対象体)がトナー(捕集対象体)とともに漏出してしまう不具合が生じやすい。しかし、本実施の形態では、高密度部26t1のツバ部26t11が開口部26k1(段部26k10a)に密着して設置されるため、低密度部26t2と開口部26k1との間から空気がトナーとともに漏出してしまっても、空気のみを通過させてトナーを捕集することができる。
また、ツバ部26t11は、段部26k10aとの接触によって重量密度がさらに高くなるように圧縮されるため、トナーを捕集する効果がさらに高められることになる。
また、通気方向(連通方向)の上流側から下流側にかけて重量密度が高くなるようにフィルタ26tを形成することで、現像装置26の内部から外部に向けての空気の流れが形成されやすくなる。そのため、現像装置26の内圧上昇が効率的に抑止されることになるとともに、フィルタ26tの全体的なトナー捕集性を高めることができて、さらにフィルタ26tの目詰まりが生じにくくなる。
【0039】
ここで、本実施の形態において、フィルタ26tのツバ部26t11(及び、段部26k10a)は、フィルタ26tが開口部26k1から装置内に脱落するのを制限するように機能している。
詳しくは、フィルタ26tのツバ部26t11が、開口部26k1の段部26k10aに引っ掛かるように構成されているため、フィルタ26tが現像装置26内に脱落する不具合が防止される。
【0040】
また、本実施の形態において、フィルタ26tは、現像装置26の外部(装置外)から着脱されるように構成されている。
また、本実施の形態における現像装置26は、フィルタ26tが開口部26k1(縁部26k10)から装置外に外れないようにフィルタ26tの装置外側(重量密度が高い部分であって、高密度部26t1(ツバ部26t11)である。)に当接可能なストッパ部26rが、着脱可能に設けられている。
【0041】
具体的に、フィルタ26tの装着時には、図4(B)に示すように、現像装置26(開口部26k1)の上方からフィルタ26t(ツバ部26t11が上方に位置した状態である。)を白矢印方向に移動させて、図4(A)に示すように、開口部26k1にフィルタ26tを嵌め込むことになる。そして、フィルタ26tが上方に外れてしまう不具合を防止するために、フィルタ26tを上方から押えるようにストッパ部26rが現像ケース26kにネジ90によって固定される(ネジ締結される)。
なお、本実施の形態では、ストッパ部26rとして、内側に開口を有する環状の板状部材を用いたが、ストッパ部26rはフィルタ26の機能を損なわないものであればこれに限定されることなく、例えば、ストッパ部26rとして、網目の粗い網状部材を用いることもできる。
【0042】
なお、本実施の形態では、フィルタ26tとして、高密度部26t1と低密度部26t2とからなる2層構造のものを用いた。
これに対して、図6に示すように、フィルタ26tとして、単位体積当たりの重量密度が一端側(装置内の側)から他端側(装置外の側)に向けて図6の矢印方向に漸増するように形成されたものを用いることもできる。
すなわち、このようなフィルタ26tは、通気方向(排気方向)に沿って、単位体積当たりの重量密度が徐々に高くなるように形成されたものとなる。具体的に、図6に示すフィルタ26tは、一端側の目が粗くて比較的ふわふわした状態で、他端側に向かうにつれて目が詰まった状態になる。
このようなフィルタ26tは、例えば、単位体積当たりの重量密度が異なる複数の層を積層することで製造することができる。
【0043】
<変形例1>
図7に示すように、変形例1における現像装置26は、開口部26k1の縁部26k10に、フィルタ26tのツバ部26t11が嵌合する凹部26k10b(溝部)が設けられている。
詳しくは、凹部26k10bは、縁部26k10において上端に近い位置において、その他の部分に比べて開口幅が周方向にわたって大きくなるように溝状に形成されている。そして、この凹部26k10bにツバ部26t11が嵌合(密着)するように、フィルタ26tを一時的に弾性変形させて、開口部26k1にフィルタ26tが装着されることになる。
このような場合であっても、フィルタ26tのツバ部26t11が縁部26k10(凹部26k10b)に密着するように開口部26k1に設置されているため、現像装置26内の空気がトナーとともに装置外に排出されてしまう不具合を軽減することができる。
また、このように凹部26k10b嵌合したツバ部26t11は、フィルタ26tが開口部26k1から現像装置26内に脱落するのを制限する制限部としても機能することになる。
また、凹部26k10bは、フィルタ26tが開口部26k1から現像装置26外に外れないようにフィルタ26tに当接可能なストッパ部としても機能することになる。
ここで、図7に示すように、変形例1における現像装置26において、フィルタ26tは、他端側の端部であって高密度部26t1の全部に、その他の部分に対して連通方向に交差する方向(変形例1では、連通方向に直交する方向である。)に突出するツバ部が形成されている。すなわち、変形例1におけるフィルタ26tは、高密度部26t1の全部がツバ部となっていて、それ以外の部分が低密度部26t2となっている。
そして、このように構成した場合であっても、現像装置26内の空気がトナーとともに装置外に排出されてしまう不具合を軽減することができる。
【0044】
<変形例2>
図8に示すように、変形例2における現像装置26は、フィルタ26tのツバ部26t11以外の部分(低密度部26t2と、高密度部26t1の非ツバ部26t10と、である。)と、開口部26k1(縁部26k10)と、に隙間が設けられている。
このような場合であっても、フィルタ26tのツバ部26t11が縁部26k10(凹部26k10b)に密着するように開口部26k1に設置されているため、現像装置26内の空気がトナーとともに装置外に排出されてしまう不具合を軽減することができる。
特に、変形例2では、ツバ部26t11以外の部分を圧縮させることなく、開口部26k1にフィルタ26tを装着することができるため、その装着作業が容易になる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置26は、装置内と装置外とを連通させる開口部26k1にフィルタ26tが設置されたフィルタ保持装置である。そして、フィルタ26tは、一端側の単位体積当たりの重量密度に比べて他端側の単位体積当たりの重量密度が大きくなるように形成されるとともに、他端側の連通方向に交差(直交)する面の面積が一端側のものよりも大きくなるように形成されている。また、フィルタ26tは、一端側が装置内の側に位置して他端側が装置外の側に位置するように開口部26k1に設置されている。
これにより、現像装置26内の空気(排出対象体)がトナー(捕集対象体)とともに装置外に排出されてしまう不具合を軽減することができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材とせずに、画像形成装置本体1に対して単独で着脱できるユニットとした。これに対して、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材の1つとして、画像形成装置本体1に対してプロセスカートリッジとして一体的に着脱されるように構成することもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0047】
また、本実施の形態では、2つの搬送スクリュ26b1、26b2(搬送部材)が水平方向に並設されていて、ドクターブレード26cが現像ローラ26aの下方に配置された現像装置26に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用される現像装置の構成はこれに限定されることなく、例えば、3つ以上の搬送部材が水平方向に並設された現像装置や、複数の搬送部材が上下方向に並設されている現像装置や、ドクターブレードが現像ローラの上方に配置された現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた現像装置26に対して、本発明を適用した。これに対して、トナー(外添剤等も含む。)のみからなる1成分現像剤を用いた現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、他端側の連通方向に直交する面の面積が一端側のものよりも大きくなるように、フィルタ26tを形成した。しかし、フィルタの形状は、他端側の連通方向に交差する面の面積が一端側のものよりも大きくなるように形成されたものであれば、その交差する方向が直交する方向であるものに限定されない。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施の形態では、フィルタ保持装置としての現像装置26に対して本発明を適用したが、本発明が適用されるフィルタ保持装置はこれに限定されることなく、例えば、トナー容器70、廃トナー回収容器80、クリーニング装置23、中間転写ベルトクリーニング装置81、トナー補給装置、トナー搬送装置、など、内部にトナーなどの粉体が収容されたもののすべてに適用することができる。
また、本実施の形態では、捕集対象体としてのトナーを捕集して、排出対象体としての空気を装置外に排出するように構成されたフィルタ保持装置としての現像装置26に対して本発明を適用したが、本発明が適用されるフィルタ保持装置(排出対象体と捕集対象体との組み合わせ)は、これに限定されることはない。例えば、捕集対象体としてのオゾンを捕集して、排出対象体としての空気(オゾンを含まない空気)を装置外に排出するように構成されたフィルタ保持装置としての画像形成装置本体1に対しても、本発明を適用することができる。さらには、画像形成装置1とは異なる、フィルタ保持装置としての機器に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0049】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
26 現像装置(フィルタ保持装置)、
26a 現像ローラ(現像剤担持体)、
26k 現像ケース、
26k1 開口部(通気路)、
26k10 縁部(壁部)、
26k10a 段部、
26k10b 凹部(ストッパ部)、
26t フィルタ、
26t1 高密度部、 26t2 低密度部、
26t10 非ツバ部、 26t11 ツバ部、
26r ストッパ部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【文献】特開2014-178347号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8