(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/847 20140101AFI20241106BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20241106BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241106BHJP
【FI】
A63F13/847
A63F13/69
A63F13/55
A63F13/53
A63F13/69 520
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/35
(21)【出願番号】P 2020214071
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】富山 勇也
(72)【発明者】
【氏名】吉村 広
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-153655(JP,A)
【文献】特開2001-353359(JP,A)
【文献】[ダークソウルリマスタード]弓種のみ縛り Part1(ゆっくり実況),YouTube [online] [video],2020年08月26日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=IK8XWxedh7E>,[令和6年8月29日検索日]
【文献】弓・クロスボウ,DARK SOULS 攻略wiki [online],2013年06月13日,URL: <https://w.atwiki.jp/darksouls/pages/271.html>,[令和6年8月29日検索日]
【文献】モンスターハンターポータブル 2nd,電撃PlayStation,株式会社メディアワークス,第13巻第19号,第131頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段と、
第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段と、
前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに特典を付与する制御を行う付与制御手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項2】
前記付与制御手段は、前記利用評価の結果に基づく所与の特典付与条件に従って、付与する特典を可変に制御する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段と、
第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段と、
前記第1のプレーヤに対し、前記利用評価の結果に基づく通知制御を行う通知制御手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項4】
前記アイテムは、前記敵キャラクタにダメージを与える武器アイテムであり、
前記付随制御手段は、前記第1のプレーヤが前記敵キャラクタに命中させた武器アイテムを前記残留アイテムとして命中位置に基づく位置に付随させる制御を行う、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記利用評価手段は、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムを使用して前記敵キャラクタにダメージを与えたこと、を前記残留アイテムの第1の利用態様として判定して前記利用評価を行う、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記第2のプレーヤが武器アイテムを前記敵キャラクタに命中させた命中位置を基準とした所定範囲内に前記残留アイテムがある場合に、当該第2のプレーヤの攻撃を、当該残留アイテムと連携した連携攻撃として判定する連携攻撃判定手段を備え、
前記利用評価手段は、前記連携攻撃が成立したこと、を前記残留アイテムの第2の利用態様として判定して前記利用評価を行う、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記残留アイテムは、前記プレーヤキャラクタが移動する際の掛かり部として利用可能であり、
前記利用評価手段は、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムを前記掛かり部として利用したこと、を前記残留アイテムの第3の利用態様として判定して前記利用評価を行う、
請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記アイテムは、アイテム同士の合成又は合体(以下「合成等」という)が可能であり、
前記利用評価手段は、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムに対して前記第2のプレーヤのアイテムを合成等したこと、を前記残留アイテムの第4の利用態様として判定して前記利用評価を行う、
請求項1~7の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第2のプレーヤとして前記残留アイテムを利用した回数、利用態様、および当該利用に係る攻撃行動で前記敵キャラクタに与えたダメージ量のうちの少なくとも何れか1つを用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの利用を合計評価する第1の利用合計評価手段、
を備えた請求項1~8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記付随制御手段は、前記残留アイテムに設定された消滅条件を満たした場合に当該残留アイテムを消滅させる制御を行う消滅制御手段を有し、
前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第1のプレーヤとして使用した前記残留アイテムが消滅するまでの残留時間を用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの利用を合計評価する第2の利用合計評価手段、
を備えた請求項1~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第1のプレーヤとして前記敵キャラクタに付随させた前記残留アイテムが、前記第2のプレーヤとしての他のプレーヤに利用された回数、利用態様、および当該利用に係る攻撃行動で前記敵キャラクタに与えたダメージ量のうちの少なくとも何れか1つを用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの被利用を合計評価する被利用合計評価手段、
を備えた請求項1~10の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記アイテムには、属性が定められており、
前記残留アイテムの表示態様を、当該残留アイテムの属性に応じて可変に制御する表示態様変更制御手段、
を備えた請求項1~11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記表示態様変更制御手段は、前記残留アイテムの属性と、前記第2のプレーヤが用いる前記第2のプレーヤのアイテムの属性とに基づく所与の属性相性に従って、前記残留アイテムの表示態様を可変に制御し、
前記利用評価手段は、前記残留アイテムと、前記第2のプレーヤが用いた前記第2のプレーヤのアイテムとを用いて、前記残留アイテムの利用評価を行う、
請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
プレーヤ間の親密度を設定する設定手段を備え、
前記利用評価手段は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの間の親密度に基づいて前記利用評価を行う、
請求項1~13の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記設定手段は、前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの間の親密度を更新する、
請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
各プレーヤのプレーヤ端末と、
請求項1~15の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
が通信可能に接続されたゲームシステム。
【請求項17】
コンピュータシステムに、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、
前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段、
第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段、
前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに特典を付与する制御を行う付与制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータシステムに、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、
前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段、
第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段、
前記第1のプレーヤに対し、前記利用評価の結果に基づく通知制御を行う通知制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの実行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレーヤが協力してプレイするゲームが知られている。例えば、特許文献1には、互いに協力して街づくりを進めていくゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プレーヤが協力し合うゲームには、種々の課題がある。例えば、複数のプレーヤが1つのチーム(グループやギルド等とも呼ばれる)となって進めていくようなゲームでは、チーム内のプレーヤにプレイレベルの差がある場合がある。このような場合、プレイレベルの低いプレーヤがゲームになかなか貢献できず、面白味を感じにくいという問題が生じ得た。また、プレイレベルの高いプレーヤにとっても、味方の援護や協力が少なく感じたりしてゲームの醍醐味を味わえないという問題が生じ得た。
【0005】
本発明の課題は、複数のプレーヤが協力してプレイするゲームにおいて、どのようなプレーヤであってもゲームに貢献できる仕組みを実現して、プレーヤのゲーム意欲をかき立てることを可能とする技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段(例えば、
図13の付随制御部231)と、第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段(例えば、
図13の利用評価部235)と、前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに特典を付与する制御を行う付与制御手段(例えば、
図13の付与制御部241)と、を備えたコンピュータシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)である。
【0007】
第1の発明によれば、第1のプレーヤが敵キャラクタに対してアイテムを使用すると、当該アイテムが残留アイテムとなって敵キャラクタに付随して表示される。そして、第2のプレーヤが敵キャラクタの攻撃行動において残留アイテムを利用したのかの判定・評価がなされる。したがって、例えば、協力プレイを行っている複数のプレーヤのうち、プレイレベルの低いプレーヤであっても、ゲーム中に敵キャラクタに対してアイテムを使用すれば、当該アイテムが残留アイテムとなって残る場合があり、この残留アイテムの利用が評価の対象となる。そして、プレーヤは、そのようにして自分が残した残留アイテムの利用評価の結果に応じて特典を獲得できる。また、プレイレベルの高いプレーヤであっても、自身が使用した残留アイテムを他のプレーヤに利用して貰うことで特典を獲得できる。或いは、プレーヤは、残留アイテムを利用することで特典を獲得できる。したがって、どのようなプレーヤであってもゲームに貢献できる仕組みを実現して、プレーヤのゲーム意欲をかき立てることが可能となる。
【0008】
また、第2の発明は、前記付与制御手段が、前記利用評価の結果に基づく所与の特典付与条件に従って、付与する特典を可変に制御する、第1の発明のコンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、利用評価の結果に基づいて、プレーヤに付与する特典を変更することができる。
【0010】
また、第3の発明は、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段と、第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段と、前記第1のプレーヤに対し、前記利用評価の結果に基づく通知制御を行う通知制御手段(例えば、
図13の通知制御部243)と、を備えたコンピュータシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、第1のプレーヤが敵キャラクタに対してアイテムを使用すると、当該アイテムが残留アイテムとなって敵キャラクタに付随して表示される。そして、第2のプレーヤが敵キャラクタの攻撃行動において残留アイテムを利用したのかの判定・評価がなされる。そして、第1のプレーヤに対し、当該利用評価の結果に応じた通知がなされる。これによれば、第1の発明と同様に、どのようなプレーヤであってもゲームに貢献できる仕組みを実現して、プレーヤのゲーム意欲をかき立てることが可能となる。
【0012】
また、第4の発明は、前記アイテムが、前記敵キャラクタにダメージを与える武器アイテムであり、前記付随制御手段は、前記第1のプレーヤが前記敵キャラクタに命中させた武器アイテムを前記残留アイテムとして命中位置に基づく位置に付随させる制御を行う、第1~第3の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、第1のプレーヤが武器アイテムを敵キャラクタに命中させた場合に、その命中位置に基づく位置に当該武器アイテムを残留アイテムとして付随させることができる。したがって、第2のプレーヤが残留アイテムである武器アイテムを利用すると、第1のプレーヤがその評価結果に応じた特典を獲得し、或いはその評価結果に応じた通知を受け取ることが可能となる。
【0014】
また、第5の発明は、前記利用評価手段が、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムを使用して前記敵キャラクタにダメージを与えたこと、を前記残留アイテムの第1の利用態様として判定して前記利用評価を行う、第4の発明のコンピュータシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、プレーヤが残留アイテムを使用して敵キャラクタにダメージを与えた場合に、当該残留アイテムを利用したとしてその利用評価を行うことができる。
【0016】
また、第6の発明は、前記第2のプレーヤが武器アイテムを前記敵キャラクタに命中させた命中位置を基準とした所定範囲内に前記残留アイテムがある場合に、当該第2のプレーヤの攻撃を、当該残留アイテムと連携した連携攻撃として判定する連携攻撃判定手段(例えば、
図13の連携攻撃判定部249)を備え、
前記利用評価手段は、前記連携攻撃が成立したこと、を前記残留アイテムの第2の利用態様として判定して前記利用評価を行う、第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、プレーヤが残留アイテムと連携した連携攻撃を行った場合に、当該残留アイテムを利用したとしてその利用評価を行うことができる。
【0018】
また、第7の発明は、前記残留アイテムが、前記プレーヤキャラクタが移動する際の掛かり部として利用可能であり、前記利用評価手段は、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムを前記掛かり部として利用したこと、を前記残留アイテムの第3の利用態様として判定して前記利用評価を行う、第1~第6の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、プレーヤキャラクタの移動の際に残留アイテムを掛かり部として利用した場合に、当該残留アイテムを利用したとしてその利用評価を行うことができる。
【0020】
また、第8の発明は、前記アイテムが、アイテム同士の合成又は合体(以下「合成等」という)が可能であり、前記利用評価手段は、前記第2のプレーヤが前記残留アイテムに対して前記第2のプレーヤのアイテムを合成等したこと、を前記残留アイテムの第4の利用態様として判定して前記利用評価を行う、第1~第7の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、プレーヤが所有するアイテムを残留アイテムに合成し、又は合体させた場合に、当該残留アイテムを利用したとしてその利用評価を行うことができる。
【0022】
また、第9の発明は、前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第2のプレーヤとして前記残留アイテムを利用した回数、利用態様、および当該利用に係る攻撃行動で前記敵キャラクタに与えたダメージ量のうちの少なくとも何れか1つを用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの利用を合計評価する第1の利用合計評価手段(例えば、
図13の利用合計評価部237)、を備えた第1~第8の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0023】
また、第10の発明は、前記付随制御手段が、前記残留アイテムに設定された消滅条件を満たした場合に当該残留アイテムを消滅させる制御を行う消滅制御手段を有し、前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第1のプレーヤとして使用した前記残留アイテムが消滅するまでの残留時間を用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの利用を合計評価する第2の利用合計評価手段、を備えた第1~第9の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0024】
第9又は第10の発明によれば、プレーヤ毎に、第2のプレーヤとしての残留アイテムの利用を総合的に評価することができる。
【0025】
また、第11の発明は、前記複数のプレーヤそれぞれについて、当該プレーヤが前記第1のプレーヤとして前記敵キャラクタに付随させた前記残留アイテムが、前記第2のプレーヤとしての他のプレーヤに利用された回数、利用態様、および当該利用に係る攻撃行動で前記敵キャラクタに与えたダメージ量のうちの少なくとも何れか1つを用いて、当該プレーヤに係る前記残留アイテムの被利用を合計評価する被利用合計評価手段(例えば、
図13の被利用合計評価部239)、を備えた第1~第10の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0026】
第11の発明によれば、第1のプレーヤとして使用したアイテムである残留アイテムの被利用を、プレーヤ毎に総合的に評価することができる。
【0027】
また、第12の発明は、前記アイテムには、属性が定められており、前記残留アイテムの表示態様を、当該残留アイテムの属性に応じて可変に制御する表示態様変更制御手段(例えば、
図13の表示態様変更制御部247)、を備えた第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0028】
第12の発明によれば、残留アイテムの表示態様を、当該残留アイテムの属性に応じて変更することが可能となる。
【0029】
また、第13の発明は、前記表示態様変更制御手段が、前記残留アイテムの属性と、前記第2のプレーヤが用いる前記第2のプレーヤのアイテムの属性とに基づく所与の属性相性に従って、前記残留アイテムの表示態様を可変に制御し、前記利用評価手段は、前記残留アイテムと、前記第2のプレーヤが用いた前記第2のプレーヤのアイテムとを用いて、前記残留アイテムの利用評価を行う、第12の発明のコンピュータシステムである。
【0030】
第13の発明によれば、残留アイテムの属性と第2のプレーヤが用いるアイテムの属性との間でその属性同士が例えば好相性であれば、その残留アイテムについて表示態様を変更するといったことが可能となる。該当する残留アイテムを他と識別可能に表示して目立たせるといった具合である。また、残留アイテムと、第2のプレーヤのアイテムとを用いて、残留アイテムの利用評価を行うことができる。例えば、前述の例であれば、残留アイテムの属性が第2のプレーヤのアイテムの属性と好相性かどうかを、当該残留アイテムの利用評価に反映させるといったことが可能となる。
【0031】
また、第14の発明は、プレーヤ間の親密度を設定する設定手段(例えば、
図13の親密度設定部245)を備え、前記利用評価手段は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの間の親密度に基づいて前記利用評価を行う、第1~第13の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0032】
第14の発明によれば、第2のプレーヤによる残留アイテムの利用に対する評価に、第1のプレーヤと当該第2のプレーヤとの間の親密度を反映させることができる。例えば、親密度の高いプレーヤが残した残留アイテムの利用を高く評価することが可能となる。勿論、逆に、親密度の低いプレーヤが残した残留アイテムの利用を高く評価することとしてもよい。
【0033】
また、第15の発明は、前記設定手段が、前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの間の親密度を更新する、第14の発明のコンピュータシステムである。
【0034】
第15の発明によれば、互いに残留アイテムとして残したアイテムを利用し合うことで、プレーヤ間の親密度を上げていくことが可能となる。
【0035】
また、第16の発明は、各プレーヤのプレーヤ端末(例えば、
図1のプレーヤ端末1500)と、第1~第15の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)と、が通信可能に接続されたゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)である。
【0036】
第16の発明によれば、第1~第15の何れかの発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【0037】
また、第17の発明は、コンピュータシステムに、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段、第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段、前記利用評価の結果に基づいて、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに特典を付与する制御を行う付与制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム(例えば、
図19のゲームプログラム504)である。
【0038】
第17の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現できる。
【0039】
また、第18の発明は、コンピュータシステムに、複数のプレーヤが各自のプレーヤキャラクタを操作して敵キャラクタと対戦するゲームの実行を制御させるためのプログラムであって、前記敵キャラクタに対して第1のプレーヤが使用したアイテムを、残留アイテムとして前記敵キャラクタに付随させる表示制御を行う付随制御手段、第2のプレーヤによる前記敵キャラクタへの攻撃行動において前記残留アイテムを利用したか否かを判定し、前記残留アイテムの利用評価を行う利用評価手段、前記第1のプレーヤに対し、前記利用評価の結果に基づく通知制御を行う通知制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム(例えば、
図19のゲームプログラム504)である。
【0040】
第18の発明によれば、第3の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図5】パラメータ設定データのデータ構成例を示す図。
【
図7】第2の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図。
【
図8】第1の利用態様の利用と第3の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図。
【
図9】第1の利用態様の利用と第3の利用態様の利用を説明するための他のゲーム画面例を示す図。
【
図10】第4の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図。
【
図11】第4の利用態様の利用を説明するための他のゲーム画面例を示す図。
【
図13】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図14】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図16】残留アイテムデータのデータ構成例を示す図。
【
図17】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図18】サーバシステムにおける処理の流れを示すフローチャート。
【
図19】変形例1におけるプレーヤ端末の機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0043】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所有するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成されるコンピュータシステムである。
【0044】
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0045】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備えるコンピュータシステムである。本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0046】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0047】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額に相当するゲームコインをプレーヤ2に付与する。
【0048】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0049】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0050】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0051】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線通信基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。インターフェース回路1557には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路等が含まれる。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0052】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0053】
[ゲームについて]
図3は、ゲーム画面の一例を示す図である。本実施形態のゲームは、複数のプレーヤがチームを組んで敵キャラクタ5と対戦するゲームである。プレーヤは、各自のプレーヤキャラクタ(自キャラクタ)3を操作して攻撃行動を行わせ、協力して敵キャラクタ5を倒す。
【0054】
具体的には、プレーヤキャラクタ3や敵キャラクタ5には、例えば、レベルや属性、攻撃力、体力値、毒ダメージ値等の各種パラメータ値が定められる。体力値は、ダメージを受けると減っていく。毒ダメージ値は、毒ダメージを受けると増えていき、その値が大きいほどダメージを受け易くなる。プレーヤは、敵キャラクタ5の攻撃を避けながら、アイテムを適宜使用して敵キャラクタ5の体力値を削っていく。例えば、プレーヤキャラクタ3に装備させた武器アイテム7を命中させることで、敵キャラクタ5にダメージや毒ダメージを与えることができる。プレーヤキャラクタ3が全滅せずに敵キャラクタ5を倒すことができれば、ゲームクリアとなる。
図3に示すように、ゲーム画面には、敵キャラクタ5の体力値の残数を示す体力ゲージGが表示される。
【0055】
武器アイテム7としては、例えば、槍や剣、ハンマー等が用意され、敵キャラクタ5に向けて投てきし、或いは刺突して敵キャラクタ5を攻撃することができる。
【0056】
図4は、武器アイテム(槍A)の一例を示す図であり、
図5は、
図4の武器アイテムに係るパラメータの設定例を示す図である。
図5に示すように、武器アイテムには、予めその種類(
図4では槍A)毎に、属性610と、敵キャラクタに与えるダメージ設定620と、残留時消滅条件設定660と、を含むパラメータ設定データ600が定められている。より詳細には、本実施形態では、武器アイテムの先端部が複数の部位(例えば、
図4の槍Aの先端部71のように根元部位、中間部位、および先端部位の3つ)に区画されており、攻撃時において先端部のどの部位までが敵キャラクタに刺さったのかを示す3段階のステータス「深」「中」「浅」毎に、ダメージ設定620(620a,620b,620c)が用意される。「深」は武器アイテムが根元部位まで刺さったことを示し、「中」は中間部位まで、「浅」は先端部位までを示している。
【0057】
これにより、武器アイテムが敵キャラクタに命中した場合には、ステータスがどの段階なのかによって、発動する攻撃の種類や敵キャラクタに与えるダメージや毒ダメージ(以下、包括して単に「ダメージ」ともいう)等が変化する。基本的には、先端部が深く刺さるほど大きなダメージを与えることができるような設定となっている。そのため、サーバシステム1100は、プレーヤが武器アイテムを使用し、それが敵キャラクタに命中したときには、例えば、そのプレーヤキャラクタの攻撃力やレベル等を用いてステータスを決定する。攻撃力等が高ければ深くまで刺さるし、低ければ刺さりは浅くなる。
【0058】
属性610は、例えば、水属性、火属性、雷属性、無属性等として設定され、各属性には、敵キャラクタの属性との関係で有利な属性や不利な属性、連携攻撃で組み合わせた場合に好相性な属性といった、他の属性との間の各種相性が定義される。例えば、有利属性の武器アイテムを使用して攻撃を行ったり、好相性属性の武器アイテム等を使用して連携攻撃を行うと、攻撃力を上げることができる。
【0059】
ダメージ設定620は、基本効果630、連携攻撃時効果640、および残留時効果650の各設定を含む。
【0060】
基本効果630は、基本種類631と、該当する種類の攻撃で敵キャラクタに与えることができる与ダメージ633と、を格納する。与ダメージ633は、例えば、対応する基本種類631に応じて敵キャラクタに与えるダメージの値が固定値として設定される。敵キャラクタにダメージ又は毒ダメージを与える設定の他、その両方を与える設定を含めることも可能である。ステータスが示す深さが深いほど敵キャラクタに与えるダメージが大きくなるように設定しておくとよい。
【0061】
連携攻撃時効果640には、連携時種類641と、連携成立属性643と、追加ダメージ645と、が設定される。連携時種類641は、連携攻撃が成立した際に発動する攻撃の種類である。連携成立属性643は、当該武器アイテムとの間で連携攻撃が成立する属性を定めたものであり、例えば、属性610と好相性の属性(例えば同属性)を含む設定とされる。追加ダメージ645は、連携攻撃が成立した残留アイテムの数Mに応じて追加のダメージおよび/又は毒ダメージを与えるための関数として設定される。ステータスが示す深さが深いほど敵キャラクタに与える追加のダメージが大きくなるように設定しておくとよい。
【0062】
つまり、プレーヤが武器アイテムを敵キャラクタに命中させると、決定したステータスに応じた基本効果630の設定を選択的に用いて基本種類631の攻撃を発動し、与ダメージ633の分のダメージを敵キャラクタに与えることとなる。ただし、詳細を後述するように、命中位置を基準とした連携範囲内に連携成立属性643として設定された起源属性の残留アイテムが存在しており連携攻撃が成立したときには、基本種類631にかえて連携時種類641の攻撃を発動する。そして、与ダメージ633に追加ダメージ645の分(該当する残留アイテムの数Mに応じたダメージおよび/又は毒ダメージの値)を上乗せして、敵キャラクタにダメージを与える。
【0063】
残留時効果650は、当該武器アイテムが残留アイテムとなったときに敵キャラクタに与えることができる与ダメージ651を格納する。与ダメージ651は、例えば、残留アイテムとなってからの経過時間tに応じてダメージおよび/又は毒ダメージを継続的に与えるための関数として設定される。与ダメージ633と同様に、ステータスが示す深さが深いほど敵キャラクタに与えるダメージが大きくなるように設定しておくとよい。
【0064】
したがって、詳細を後述するように、当該武器アイテムが残留アイテムとなって敵キャラクタに付随している間は、時間経過とともに敵キャラクタの体力値が減少したり、毒ダメージ値が増加することとなる。
【0065】
残留時消滅条件設定660は、当該武器アイテムが残留アイテムとなったときの消滅条件の設定である。例えば、残留時間や利用判定回数、それらの組み合わせ等として設定される。
【0066】
武器アイテム以外のアイテムとしては、例えば、敵キャラクタに対して混乱状態、麻痺状態、眠り状態、毒状態等の各種状態異常を付与することができるアイテム、プレーヤキャラクタに定められるパラメータの強化アイテムや回復アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、プレーヤキャラクタが移動する際の掛かり部アイテム等が適宜用意される。掛かり部アイテムは、敵キャラクタがプレーヤキャラクタと比べて大きい場合に敵キャラクタに付着させることで、その上部(高所)に登るための足場や手すりにすることができる。例えば、敵キャラクタの上部に急所ポイントが存在する等の場合に使用することで、当該急所ポイントに近づくことが可能となる。
【0067】
[詳細]
本実施形態では、サーバシステム1100は、以上説明したゲームの実行中、プレーヤが武器アイテムを敵キャラクタに命中させた場合に、当該武器アイテムを残留アイテムとして、敵キャラクタに付随させる表示制御を行う(付随制御処理)。また、サーバシステム1100は、消滅条件を満たした残留アイテムがあれば、それを消滅させる制御を行う(消滅制御処理)。
【0068】
1.付随制御処理
付随制御処理では、「プレーヤが武器アイテムを敵キャラクタに命中させて、敵キャラクタにダメージを与えたこと」を武器アイテムの使用として判定する。そして、武器アイテムが使用されたならば、当該武器アイテムを残留アイテムとし、攻撃主体のプレーヤ(第1のプレーヤ)を当該残留アイテムに係る起源プレーヤとし、当該残留アイテム(武器アイテム)の属性を起源属性とする。そして、命中位置を付随位置として、当該残留アイテムを付随位置に付随させる表示制御を行う。またその際に、当該残留アイテムの消滅条件を設定する。
【0069】
消滅条件は、当該残留アイテムとした武器アイテムの残留時消滅条件設定660に基づき設定する。残留時消滅条件設定660に残留時間が設定されている武器アイテムであれば、「残留時間経過のタイミングが到来したこと」を消滅条件として設定する。利用判定回数が設定されている武器アイテムの場合には、「該当する回数の利用がされたこと」を消滅条件として設定する。「利用」には、複数の利用態様(本実施形態では第1~第4の利用態様の4つ)があり、詳細は後述する。
【0070】
また、付随制御処理では、当該残留アイテムに係る残留アイテムデータ560(
図16を参照)を生成・管理する。具体的には、現在のステータスである現ステータス563と、その使用に係る使用データ580と、後述する各種利用態様の利用に係る利用データ590と、を残留アイテムデータ560に含めて管理し、ステータスやダメージ履歴等の表示制御に用いる。
【0071】
使用データ580には、使用時に敵キャラクタに与えたダメージ内容(ダメージおよび/又は毒ダメージの値)が、起源プレーヤや起源属性等の情報とともに設定される。一方、利用データ590は、当該残留アイテムが利用されるたびに生成され、その利用態様の種類や利用プレーヤ、当該利用について算出された単位利用ポイント、当該利用時に敵キャラクタに与えたダメージの内容等が設定される。本実施形態では、後述する第1の利用態様で残留アイテムを利用すると敵キャラクタに直接ダメージを与えることができ、その内容が利用データ590に含められる。
【0072】
図6は、残留アイテムの付随制御例を示す図である。
図6に示すように、付随制御処理によって、敵キャラクタ5には、残留アイテム9が付随して表示されるようになる。すなわち、プレーヤは、武器アイテム7を敵キャラクタ5に向けて投げ、或いは敵キャラクタ5に刺して敵キャラクタ5を攻撃するが、敵キャラクタ5には、当該攻撃を受けるたびにその武器アイテム7が残留アイテム9となって、命中位置に刺さった状態で付随表示される。残留アイテム9の近傍には、当該残留アイテム9のステータス(「深」「中」「浅」)の表示11がそれぞれ付される。
【0073】
また、個々の残留アイテム9を選択すると、当該残留アイテム9による敵キャラクタ5へのダメージ履歴が表示される。例えば、図示しないが、ダメージ履歴には、使用時に敵キャラクタ5に与えたダメージの内容が起源プレーヤや起源属性等の情報とともに表示される。また、当該残留アイテム9が後述する第1や第2の利用態様で利用されている場合には、当該利用に係る攻撃で敵キャラクタ5に与えたダメージの内容が利用プレーヤの情報等とともに表示される。これにより、プレーヤは、当該残留アイテム9である武器アイテムによって敵キャラクタ5に与えたダメージの履歴を確認することが可能となる。
【0074】
なお、第1や第2の利用態様だけでなく、当該残留アイテムの全ての利用状況を含めて表示するようにしてもよい。例えば、第3の利用態様での掛かり部としての利用回数や、第4の利用態様で利用されたことによる合体前後でのパラメータの変化等を併せて表示し、プレーヤに提示する構成としてもよい。
【0075】
2.消滅制御処理
消滅制御処理では、残留アイテム毎に付随開始からの経過時間を計時し、或いは、利用回数を計数する。そして、計時している経過時間がその消滅条件に係る残留時間に達した残留アイテムや、計数している利用回数がその消滅条件に係る利用判定回数となった残留アイテムを消滅させる制御を行う。
【0076】
そして、残留アイテムは、消滅制御処理によって消滅するまでの間、その残留時効果650に基づくダメージを敵キャラクタに与え続けることとなる。
【0077】
また、サーバシステム1100は、残留アイテムの利用評価処理、利用合計評価処理、被利用合計評価処理、利用評価や利用合計評価、被利用合計評価の結果に基づく特典付与制御処理、利用評価結果等の通知制御処理を行う。
【0078】
3.利用評価処理
利用評価処理では、プレーヤ(第2のプレーヤ)による敵キャラクタの攻撃行動において残留アイテムを利用したか否かを判定し、残留アイテムの利用評価を行う。残留アイテムを利用したか否かの判定は、第1~第4の4つの利用態様のうちの何れかの態様の利用に該当するのかを判定することで行う。
【0079】
3-1.利用態様の種類
具体的には、サーバシステム1100は、「プレーヤが残留アイテムを武器アイテムとして使用して敵キャラクタにダメージを与えたこと」を残留アイテムの第1の利用態様として判定する。ここで、本実施形態では、付随位置に刺さった状態で敵キャラクタに付随している残留アイテムのうち、先端部の刺さりが浅いもの(具体的には、ステータスが「浅」又は「中」のもの)については、当該残留アイテムをさらに深くまで刺し込む攻撃行動を行うことで再度の使用(利用)が可能になっている。再度の使用(利用)をした場合は、当該残留アイテムのステータスを新たに敵キャラクタに刺さった部位に基づき更新した上で、その基本効果630に従って基本種類631の攻撃を発動し、与ダメージ633の分のダメージを敵キャラクタに与える(ダメージ処理)。刺さりが深いものについては、一度抜いて刺し直す攻撃行動を行うことで再度の使用(利用)が可能である。刺し直しの攻撃行動を行った場合は、当該攻撃行動で刺さった部位に応じてステータスを変更して、当該利用に係るダメージ処理を行う。なお、ここでの利用時に与えるダメージについては、与ダメージ633に所定値を加算する等してそれより高く調整してもよい。すなわち、同じ武器アイテムでも、第1のプレーヤが武器アイテムとして使用した場合より、その結果残留アイテムとなった当該武器アイテムを第2のプレーヤが使用した場合の方が高いダメージを与える構成とすることもできる。そして、サーバシステム1100は、プレーヤが当該攻撃行動を行った場合に、当該残留アイテムを第1の利用態様で利用したと判定する。
【0080】
また、本実施形態では、サーバシステム1100は、プレーヤが敵キャラクタを攻撃して武器アイテムを命中させた際に、その命中位置を基準とした所定範囲内に残留アイテムがあるときは、当該プレーヤによる攻撃を、当該残留アイテムと連携した連携攻撃として判定する。そして、サーバシステム1100は、「連携攻撃が成立したこと」を第2の利用態様として判定する。
【0081】
また、サーバシステム1100は、「プレーヤが残留アイテムを掛かり部として利用したこと」を第3の利用態様として判定する。本実施形態では、残留アイテムは、掛かり部アイテムとしても機能する。例えば、残留アイテムを手掛かりとしてプレーヤキャラクタ3を登らせたり、プレーヤキャラクタ3を残留アイテムの上に飛び乗らせて足掛かりとする、といったことが該当する。サーバシステム1100は、プレーヤが残留アイテムを掛かり部アイテムとして使用した場合に、当該残留アイテムを第3の利用態様で利用したと判定する。
【0082】
また、本実施形態のゲームでは、ベースとするアイテムに素材とするアイテムを合成する「合成」や、対象のアイテム同士を合体させる「合体」の仕様を有する。この合成又は合体(合成等)によれば、対象のアイテムを強化したり、進化させることができる。そして、残留アイテムに対しては合体の仕様が採用され、武器アイテムを投げて残留アイテムに命中させることにより、残留アイテムに当該武器アイテムを合体させることができる。そうすると、残留アイテムのパラメータ設定データ600の一部又は全部の項目が武器アイテムのパラメータ設定データ600の対応する項目に基づいて変更されて、残留アイテムの強化や進化が図られる。例えば、与ダメージ633,651や追加ダメージ645を合算する等の変更の他、残留時消滅条件設定660に係る残留時間や利用判定回数を合算して消滅時期を遅らせる(寿命をのばす)変更を行うこともできる。合体後の新たなパラメータの設定は、合成データ599(
図16を参照)として残留アイテムデータ560に含めて管理する。そして、サーバシステム1100は、「プレーヤが残留アイテムに対して武器アイテムを合体させたこと」を第4の利用態様として判定する。なお、残留アイテムに武器アイテムやその他のアイテムを命中させた場合に当該残留アイテムに当該武器アイテムを合成する構成とし、これを第4の利用態様の利用と判定してもよい。
【0083】
3-2.各利用態様の具体例
図7は、第2の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図である。先ず、ゲーム画面には、
図7に示すように、自キャラクタ(
図7ではプレーヤキャラクタ3a)が装備している武器アイテム7aの射程範囲内に敵キャラクタ5が入ると、照準カーソル13が表示される。本実施形態では、武器アイテム7aの命中位置を中心とした所定サイズの円形領域が連携領域とされる。そのため、照準カーソル13は、中央の照準位置と、当該照準位置を中心とした円形の連携範囲と、を示す形態とされる。
【0084】
そして、プレーヤは、連携攻撃をしようとするときには、照準カーソル13が示す連携範囲内に残留アイテム9が入るように狙いを定めて、敵キャラクタ5を攻撃する。より詳細には、連携攻撃は、連携範囲内に属性の条件を満たす残留アイテムがあると成立する。そのため、ゲーム中、サーバシステム1100は、連携攻撃判定処理を行い、武器アイテムの命中位置を基準とした連携範囲内に当該武器アイテムの連携成立属性643と合致する起源属性の残留アイテムがあれば、当該残留アイテムと連携した連携攻撃として判定する。この連携攻撃で敵キャラクタに与えるダメージは、連携範囲内の当該属性の条件を満たす残留アイテムの数が多いほど大きくなる。そのため、該当する残留アイテムを連携範囲内に多く含めることで、より効率よく敵キャラクタにダメージを与えることができる。
【0085】
図7の例では、照準カーソル13が示す連携範囲内には3つの残留アイテム9a,9b,9cが含まれているが、そのうちの2つの残留アイテム9b,9cが武器アイテム7aとの関係で属性の条件を満たしている。この場合は、実際に照準位置に武器アイテム7aが命中すれば、残留アイテム9b,9cと連携した連携攻撃が成立することとなる。そうすると、プレーヤキャラクタ3aのプレーヤが、残留アイテム9b,9cを第2の利用態様で利用したと判定される。このように、第2の利用態様で残留アイテムを利用することによれば、敵キャラクタに与えるダメージを増大させることができる。
【0086】
ここで、サーバシステム1100は、
図7中に各残留アイテム9a,9b,9cに吹き出しを付して示すように、照準カーソル13内の残留アイテム9a,9b,9cについては、例えば、それが属性の条件を満たし連携攻撃が成立する残留アイテムなのかを示す表示(成立する:○/成立しない:×)を付す。また、サーバシステム1100は、併せて表示態様変更制御処理を行い、属性の条件を満たす残留アイテム9b,9cの表示態様を可変に制御する。これにより、連携攻撃が成立する残留アイテム9b,9cをプレーヤに対して識別可能に表示することができる。変更制御の態様は特に限定されないが、例えば、該当する残留アイテムの周辺を光らせたり、当該残留アイテムの表示を点滅させる等の態様とすることができる。なお、照準カーソル13内の残留アイテム9だけでなく、敵キャラクタ5に付随している全ての残留アイテム9を対象として、属性の条件を満たす残留アイテムの表示態様を変更することとしてもよい。
【0087】
なお、連携範囲の形状は例示した円形状に限らず、楕円形状や矩形状等であってもよく、適宜設定してよい。
【0088】
次に、
図8および
図9は、第1の利用態様の利用と第3の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図である。先ず、プレーヤは、自キャラクタ(
図8等ではプレーヤキャラクタ3b)が装備している武器アイテム7bを使用して残留アイテム9として残すことで、それを掛かり部アイテムとして代用できる。つまり、敵キャラクタ5の上部に登りたいときには、目的の場所に近づくために適した位置に残留アイテムがあればそれを掛かり部として利用することができる。そこに残留アイテムがなくても、武器アイテムを命中させて残留アイテムとすれば利用できる。
図8および
図9では後者の例を示している。
【0089】
すなわち、例えば、
図8の状況において、プレーヤキャラクタ3bのプレーヤが残留アイテム9dに注目し、そのステータスが「浅」であるため攻撃に使用すること(つまり、第1の利用態様で利用すること)を考えたとする。その場合、現状のままでは残留アイテム9dが高所にあって届かないため、先ず、プレーヤキャラクタ3bが飛び乗れる高さを狙って武器アイテム7bを使用し、
図9に示すように残留アイテム9eとする。続いて、残留アイテム9eを掛かり部(足場)にしてその上に乗り、残留アイテム9dを深くまで刺し込む攻撃行動を行う。そうすると、プレーヤキャラクタ3bのプレーヤが、先ず残留アイテム9eを第3の利用態様で利用し、続いて残留アイテム9dを第1の利用態様で利用したと判定される。
【0090】
このように、第1の利用態様で残留アイテムを利用することによれば、敵キャラクタに直接ダメージを与えることができる。また、適宜残留アイテムを第3の利用態様で利用することにより、当該第1の利用態様に係る攻撃が実現できる。
【0091】
次に、
図10および
図11は、第4の利用態様の利用を説明するためのゲーム画面例を示す図である。上記したように、本実施形態では、残留アイテムに武器アイテムを合体させることができる。例えば、
図10の状況において、プレーヤキャラクタ3bのプレーヤが残留アイテム9fに注目し、その強化等(つまり、第4の利用態様で利用すること)を考えたとする。その場合は、投擲する武器アイテム7bを当該残留アイテム9fに命中させる。これにより、残留アイテム9fは、
図11に示すように、武器アイテム7bが合体した残留アイテム9gとなる。そうすると、プレーヤキャラクタ3bのプレーヤが、残留アイテム9f(9g)を第4の利用態様で利用したと判定される。
【0092】
このように、第4の利用態様で残留アイテムを利用することによれば、狙った残留アイテムの強化等が実現でき、次回以降に当該残留アイテムが第1の利用態様や第2の利用態様で利用された場合により効率よく敵キャラクタにダメージを与えたり、或いは、当該残留アイテムの寿命を延ばすといったことが可能となる。
【0093】
3-2.単位利用ポイントについて
サーバシステム1100は、プレーヤ(第2のプレーヤ)が第1~第4の何れかの利用態様で残留アイテムを利用したと判定した場合には、当該プレーヤを利用プレーヤとし、当該利用について単位利用ポイントを算出する。本実施形態では、判定した利用態様の基準ポイントに、親密度レベルに応じた係数を乗じて当該利用の単位利用ポイントを求める。
【0094】
先ず、基準ポイントは、その利用が敵キャラクタに与える影響を考慮して、第1~第4の利用態様毎に予め設定しておく。具体的には、第1の利用態様の利用では敵キャラクタに直接ダメージを与えることができ、第2の利用態様の利用では敵キャラクタに与えるダメージが増大する。また、第4の利用態様の利用には、その後の利用時に敵キャラクタに与えるダメージを増大させたり、その残留アイテムの寿命を延ばす効果が生じ得る。これらを考慮して設定しておくとよい。本実施形態では、例えば、第2の利用態様の基準ポイントが最も大きく、第1の利用態様、第4の利用態様、第3の利用態様の順に小さくなるように設定される。
【0095】
なお、第1や第2の利用態様の利用の場合には、実際に敵キャラクタに与えたダメージ(ダメージや毒ダメージの値)に応じた加点をすることで、その基準ポイントを調整する構成としてもよい。与えたダメージが大きいほど加点を増やして調整するといった具合である。或いは、基準ポイントは、敵キャラクタにダメージを与えたか否かに基づく値や、当該ダメージに応じた値等として利用の都度設定するようにしてもよい。つまり、第1や第2の利用態様の場合は基準ポイントを設定して単位利用ポイントを求め、その利用を評価する一方で、第3や第4の利用態様については、敵キャラクタにダメージを与えていないため基準ポイントは設定せず(単位利用ポイントは求めず)、その利用は評価しない構成とすることもできる。
【0096】
次に、親密度レベルは、起源プレーヤとの間の親密度の高低を示す値である。本実施形態では、現在の親密度の値に応じて、例えば「1」~「5」の5段階で親密度レベルが判定されるようになっている。この親密度レベルを判定するため、サーバシステム1100は、他のプレーヤとの親密度をプレーヤ毎に管理する(
図14の親密度データ518)。基本的には、プレーヤ毎に、他のプレーヤのそれぞれについて、プレイ中にやり取りしたチャットの回数や頻度、キャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトを譲渡および/又は譲受した回数や頻度、当該他のプレーヤと一緒にゲームをプレイした回数や頻度等をもとに、親密度を随時更新して管理する。また、本実施形態では、サーバシステム1100は、残留アイテムの利用があった場合に、その起源プレーヤと利用プレーヤとの間の親密度を更新する。予め設定された値を加えることで更新するのでもよいし、単位利用ポイントに応じた値を加える構成でもよい。そのため、本実施形態では、特定のプレーヤと繰り返し同じゲームをプレイしたり、頻繁にチャットをすること等に加えて、互いが起源プレーヤである残留アイテムを利用し合うことでも親密度は上がっていく。
【0097】
これによれば、利用評価処理の結果最終的に得られる単位利用ポイントには、起源プレーヤと利用プレーヤとの間の親密度が反映される。親密度は、残留アイテムの利用によっても上がっていく。そして、後述するように、プレーヤが残留アイテムを利用した場合には、単位利用ポイントに基づく特典が付与される。したがって、プレーヤに対し、自分と親密度の高いプレーヤが起源プレーヤである残留アイテムの利用を促すことが可能となる。
【0098】
なお、親密度レベルの段階は、2段階以上であればよい。また、親密度レベルに限らず、フレンド登録されているか否かを単位利用ポイントの算出に用いることもできる。例えば、フレンド登録されている場合に基準ポイントの加点を行うといった具合である。また、複数のチームに分かれて対戦する場合であれば、同じチームのプレーヤが起源プレーヤである残留アイテムを利用した場合に加点するのでもよい。その場合は、プレーヤに対し、チームメイトが起源プレーヤである残留アイテムの利用を促すことが可能となる。
【0099】
4.利用合計評価処理
サーバシステム1100は、ゲームを終了したら、利用合計評価処理を行う。この利用合計評価処理では、当該ゲームに参加したプレーヤを順次処理プレーヤとし、処理プレーヤのゲームプレイについての評価の1つとして、残留アイテムの利用を合計評価する。
【0100】
具体的には、先ず、当該ゲームで生成した残留アイテムデータ560の全ての利用データ590を参照して、利用プレーヤとして処理プレーヤが設定されている利用データ590を抽出する。そして、抽出した利用データ590の単位利用ポイントを合計し、利用合計評価ポイントとする。
【0101】
上記したように、残留アイテムを利用することによれば、直接的又は間接的に敵キャラクタにダメージが与えられる。よって、残留アイテムをたくさん利用すれば、その分ゲームに貢献したということができる。ここで、単位利用ポイントは、当該残留アイテムの利用がされた場合に、その利用態様が第1~第4の利用態様のうちのどれなのかを基準にして、起源プレーヤと利用プレーヤとの間の親密度、当該利用に係る攻撃で敵キャラクタに与えたダメージ等を反映した値として算出される。そして、利用合計評価ポイントは、プレーヤ毎に、残留アイテムの利用であって、当該プレーヤの利用に係る単位利用ポイントを集計したものである。したがって、利用合計評価処理での残留アイテムの利用合計評価によれば、プレーヤ毎に、「当該プレーヤが残留アイテムを利用したことによるゲームへの貢献度」を評価することができる。
【0102】
なお、抽出した利用データ590の単位利用ポイントを合計するのではなく、抽出した利用データ590の数(つまり、処理プレーヤが残留アイテムを利用した回数)を利用合計評価ポイントとするのでもよい。
【0103】
5.被利用合計評価処理
また、サーバシステム1100は、ゲームを終了したら、被利用合計評価処理を行う。この被利用合計評価処理では、当該ゲームに参加したプレーヤを順次処理プレーヤとし、処理プレーヤのゲームプレイについての評価の1つとして、残留アイテムの被利用を合計評価する。
【0104】
具体的には、先ず、当該ゲームで生成した残留アイテムデータ560の中からその使用データ580において起源プレーヤとして処理プレーヤが設定されている残留アイテムデータ560を抽出する。そして、抽出した残留アイテムデータ560に設定されている全ての利用データ590の単位利用ポイントを合計し、被利用合計評価ポイントとする。
【0105】
ここで、本実施形態のゲームでは、初心者である等、プレーヤの熟練度が低いために武器アイテムを上手く使いこなせず、プレーヤが敵キャラクタを効率よく攻撃できない等の場合であっても、武器アイテムを使用さえすればそれが残留アイテムとなって残り、敵キャラクタに付随することとなる。そして、残留アイテムが利用されれば、当該残留アイテムによって直接的又は間接的に敵キャラクタにダメージが与えられる。また、残留アイテムがたくさん存在する状況では、初心者等のプレーヤであっても、連携範囲内に残留アイテムを含め易くなる。したがって、利用する側にとって連携攻撃が成立し易くなり、成立すれば、より高いダメージが敵キャラクタに与えられる。つまり、残量アイテムをたくさん残せばその分利用の機会は増えるし、実際に利用されれば、ゲームに貢献したといえる。初心者等のプレーヤであっても、武器アイテムを使用して残留アイテムとして残すこと自体は、比較的容易に行える。
【0106】
そして、被利用合計評価ポイントは、プレーヤ毎に、当該プレーヤが起源プレーヤである残留アイテムの利用に係る単位利用ポイントを集計したものである。よって、被利用合計評価処理での残留アイテムの被利用合計評価によれば、プレーヤ毎に、「当該プレーヤが起源プレーヤである残留アイテムが利用されたことによるゲームへの貢献度」を評価することができる。
【0107】
なお、利用合計評価ポイントと同様に、抽出した利用データ590の数(つまり、処理プレーヤが起源プレーヤである残留アイテムの利用回数)を被利用合計評価ポイントとするのでもよい。
【0108】
6.付与制御処理
付与制御処理では、サーバシステム1100は、利用評価処理での利用評価、利用合計評価処理での利用合計評価、被利用合計評価処理での被利用合計評価の各評価の結果に基づいて、プレーヤに特典を付与する制御を行う。
【0109】
すなわち、ゲーム中は、残留アイテムの利用を判定するたびに、当該残留アイテムの起源プレーヤ(第1のプレーヤ)に対して単位利用ポイントに応じた特典(以下、「単位利用特典」という)を付与する制御を行う。利用プレーヤが起源プレーヤと異なる利用については特典付与の対象とするが、両者が同じ場合(自分が残した残留アイテムを自分で利用した場合)については、特典を付与する構成でもよいし、付与しない構成でもよい。また、当該利用の時点で起源プレーヤがゲームオーバーとなっている場合でも、特典の付与は行う。
【0110】
一方、ゲームの終了時には、プレーヤ毎に利用合計評価ポイントと被利用合計評価ポイントとを合算して合計利用評価ポイントを求め、合計利用評価ポイントに応じた特典(以下、「合計利用特典」という)を各プレーヤに付与する制御を行う。
【0111】
単位利用ポイントと単位利用特典の内容との関係(
図13の単位利用特典データ531を参照)や、合計利用評価ポイントと合計利用特典の内容との関係(
図13の合計利用特典データ533を参照)については、予め設定しておく。例えば、単位利用特典データ531は、単位利用ポイントの取り得る値を複数の値幅に分けて、それら値幅毎に単位利用特典の内容を定めたデータテーブルとして用意しておく。単位利用特典の内容については、単位利用ポイントが大きいほど豪華な設定とする。合計利用特典データ533についても同様に、合計利用評価ポイントの値幅毎に合計利用特典の内容を定めたデータテーブルとして用意しておく。
【0112】
各特典内容の具体的な中身は特に限定されないが、例えば、ゲームで使用可能なオブジェクト(ゲームオブジェクト)、ゲームプレイの過程で貯めることができるゲームポイント、ゲームコイン等が挙げられる。ゲームオブジェクトには、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、武器アイテム等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、アイテムやキャラクタ等を抽選する抽選権(ガシャを引くことができる抽選チケット)等が含まれる。
【0113】
また、単位利用特典については、所定数のライフを付与する、プレーヤキャラクタの体力値を回復させる、攻撃力を上げる等プレーヤキャラクタを強化する、スコアをブーストするといった特典を含めることもできる。
【0114】
したがって、付与制御処理によれば、プレーヤは、自分で武器アイテムを使用することで残した残留アイテムが利用されるたびに、当該利用の評価結果に応じた特典(単位利用特典)を獲得することができる。また、ゲームの終了時には、当該ゲーム中の残留アイテムの利用の合計評価結果と、当該ゲーム中に自分が残した残留アイテムの被利用の合計評価結果とに応じた特典(合計利用特典)を獲得できる。
【0115】
なお、合計利用評価ポイントを求めることはせずに、利用合計評価ポイントに応じた特典(利用特典)と、被利用合計評価ポイントに応じた特典(被利用特典)と、をそれぞれ付与する構成としてもよい。その場合は、利用合計評価ポイントの値幅毎に利用特典の内容を定めたデータテーブル(利用評価特典データ)と、被利用合計評価ポイントの値幅毎に被利用特典の内容を定めたデータテーブル(被利用特典データ)と、を用意しておけばよい。
【0116】
また、単位利用特典は、起源プレーヤ(第1のプレーヤ)ではなく、残留アイテムを利用した利用プレーヤ(第2のプレーヤ)に付与する構成としてもよいし、起源プレーヤと利用プレーヤの両方に付与する構成としてもよい。例えば、残留アイテムの利用を判定した際に、起源プレーヤのチームと利用プレーヤのチームの異同を判別する。そして、チームが同じ場合(つまり、プレーヤがチームメイトの残した残留アイテムを利用した場合)は、チームプレイが行われたとして、利用プレーヤに単位利用特典を付与するとか、起源プレーヤと利用プレーヤの両方に単位利用特典を付与する等としてもよい。
【0117】
7.通知制御処理
通知制御処理では、サーバシステム1100は、第1のプレーヤに対し、利用評価処理での利用評価の結果に基づく通知制御を行う。
図12は、利用評価の通知画面例を示す図である。本実施形態では、利用評価処理において残留アイテムの利用を判定するたびに、その起源プレーヤのプレーヤ端末1500に対して、当該残留アイテムが利用された旨を通知する制御を行う。
【0118】
ここでの制御により、例えば、プレーヤが第1~第4の何れかの利用態様で残留アイテムを利用すると、
図12に示すように、その起源プレーヤのプレーヤ端末1500において、当該残留アイテムが使用された旨の通知画面W1が表示される。この通知画面W1では、残留アイテムが利用された旨のメッセージとともに、当該利用されたことで当該起源プレーヤに付与される単位利用特典の内容が併せて通知される。その他、利用プレーヤのプレーヤ名、利用態様の種類、当該利用によって敵キャラクタに与えたダメージ等を通知内容に含めることもできる。
【0119】
なお、第1のプレーヤ(起源プレーヤ)ではなく、第2のプレーヤ(利用プレーヤ)に対する通知を制御する構成としてもよい。本変形例では、サーバシステム1100は、ゲーム中にプレーヤが残留アイテムを利用した場合に、当該プレーヤである利用プレーヤのプレーヤ端末1500に対して通知画面を表示させることで、当該利用プレーヤに対する通知制御を行う。図示しないが、その場合の通知画面では、残留アイテムを利用した旨のメッセージとともに、当該残留アイテムの起源プレーヤのプレーヤ名、利用態様種類、敵キャラクタに与えたダメージ等が適宜通知される。
【0120】
或いは、起源プレーヤに対する通知制御と、利用プレーヤに対する通知制御の両方を行うとしてもよい。
【0121】
また、ここでの起源プレーヤへの通知や利用プレーヤへの通知は、起源プレーヤと利用プレーヤとの間の親密度が所定値以上の場合に行うとか、起源プレーヤと利用プレーヤとがフレンドの場合に行う等としてもよい。或いは、起源プレーヤへの通知内容に、利用プレーヤとの間の親密度(親密度レベルでもよい)を含める構成としてもよい。同様に、利用プレーヤへの通知内容に、起源プレーヤとの間の親密度(又は親密度レベル)を含めてもよい。
【0122】
[機能構成]
1.サーバシステム
図13は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0123】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0124】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0125】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0126】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびアカウント(プレーヤID)に紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0127】
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
【0128】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームであるので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。そして、データの提供にあたり、ゲームの進行制御やプレイ結果の反映に関する処理として、1)仮想3次元空間に舞台となるステージや背景等のオブジェクトを配置してゲーム空間を形成する処理、2)ゲーム空間にプレーヤキャラクタを配置し、プレーヤ端末1500における操作入力に応じてプレーヤキャラクタを制御する処理、3)仮想カメラや敵キャラクタの自動制御処理、4)アイテムの使用判定とその反映に関する処理、5)武器アイテムのヒット判定とダメージ付与に関する処理、6)残留アイテムによるダメージ付与に関する処理、7)仮想カメラから見たゲーム空間の画像(ゲーム画像)を生成する処理、8)ゲームの終了条件を満たしたかの判定処理、9)ゲーム成績の算出処理等を行うことができる。また、これらに伴ってゲームプレイの制御に必要な各種データをサーバ記憶部500sに記憶させることができる。
【0129】
このゲーム管理部230は、付随制御部231と、消滅制御部233と、利用評価部235と、利用合計評価部237と、被利用合計評価部239と、付与制御部241と、通知制御部243と、親密度設定部245と、表示態様変更制御部247と、連携攻撃判定部249と、合成等制御部251と、を含む。
【0130】
付随制御部231は、付随制御処理を行う機能部であり、プレーヤが敵キャラクタに命中させた武器アイテムを、残留アイテムとして命中位置に付随させる表示制御を行う。また、残留アイテム毎に消滅条件を設定し、残留アイテムデータ560の記録およびステータスやダメージ履歴の表示を制御する。
【0131】
消滅制御部233は、消滅制御処理を行う機能部であり、残留アイテム毎に設定される消滅条件を監視して、消滅条件を満たした残留アイテムを消滅させる制御を行う。
【0132】
利用評価部235は、利用評価処理を行う機能部であり、プレーヤが残留アイテムを利用したか否かを判定して、残留アイテムの利用評価を行う。本実施形態では、第1~第4の各利用態様の利用を判定して、単位利用ポイントを算出する。
【0133】
利用合計評価部237は、利用合計評価処理を行う機能部であり、プレーヤ毎に、第2のプレーヤとしての残留アイテムの利用を合計評価する。
【0134】
被利用合計評価部239は、被利用合計評価処理を行う機能部であり、プレーヤ毎に、第1のプレーヤとして使用したことで残留アイテムとなったアイテム(本実施形態では武器アイテム)の被利用を合計評価する。
【0135】
付与制御部241は、付与制御処理を行う機能部である。本実施形態では、付与制御部241は、ゲーム中は、利用評価の結果に基づいて単位利用特典を付与する制御を行い、ゲーム終了時には、利用合計評価および被利用合計評価の各評価結果に基づいて合計利用特典を付与する制御を行う。付与制御部241は、付与する特典を、利用評価の結果に基づく所与の特典付与条件に従って可変に制御する。例えば、単位利用ポイントに応じた特典の付与や、合計利用評価ポイントに応じた特典の付与が、付与特典の可変制御に当たる。その他として、付与制御部241は、利用評価の際に判定された利用態様の種類に応じて、異なる特典を付与することとしてもよい。この場合も、利用評価の結果に基づく特典付与条件に従って、付与する特典を決定することに該当する。
【0136】
通知制御部243は、通知制御処理を行う機能部である。本実施形態では、通知制御部243は、第2のプレーヤが残留アイテムを利用した場合に、第1のプレーヤに対して、その利用評価の結果に基づく通知制御を行う。
【0137】
親密度設定部245は、プレーヤ毎に、他のプレーヤのそれぞれとの間の親密度を随時更新して、親密度データ518として管理する。
【0138】
表示態様変更制御部247は、表示態様変更制御処理を行い、プレーヤ毎に、そのプレーヤキャラクタが装備している武器アイテムとの関係で属性の条件を満たす残留アイテムの表示態様を可変に制御する。
【0139】
連携攻撃判定部249は、連携攻撃判定処理を行う機能部であり、プレーヤが武器アイテムを使用し、当該武器アイテムが敵キャラクタに命中した場合に、連携攻撃の成否を判定する。具体的には、当該武器アイテムの命中位置を基準とした連携範囲内に当該武器アイテムの連携成立属性643と合致する起源属性の残留アイテムがあれば、当該残留アイテムと連携した連携攻撃として判定する。
【0140】
合成等制御部251は、アイテム同士の合成等(合成又は合体)を制御する。本実施形態では、合成等制御部251は、敵キャラクタに付随している残留アイテムに武器アイテムが命中した場合に、当該残留アイテムに当該武器アイテムを合体させる制御を行う。
【0141】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0142】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0143】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0144】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0145】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0146】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0147】
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0148】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0149】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ530と、プレイデータ550と、が格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
【0150】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0151】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図17を参照)の原本である。
【0152】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、
図14に示すように、該当するプレーヤのプレーヤID511と、プレーヤ名513と、プレーヤレベル515と、決済媒体帳簿データ517と、親密度データ518と、フレンドリスト519と、を含む。また、その他にも、プレイ日時やプレイ時間等のプレイ履歴、年齢や性別、誕生日等の個人情報、プレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で所有しているゲームオブジェクトのデータ、プレイ状況に係るセーブデータ、等を含む。
【0153】
決済媒体帳簿データ517は、該当するプレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲーム内通貨であるゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0154】
親密度データ518は、当該プレーヤと他のプレーヤそれぞれとの間の親密度を格納する。フレンドリスト519は、当該プレーヤがフレンド登録した他のプレーヤのプレーヤIDを格納する。
【0155】
ゲーム設定データ530は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、プレーヤキャラクタの種類、各種パラメータ、モデルデータや動作制御に用いるモーションデータ等を定義するプレーヤキャラクタ設定データ、敵キャラクタの種類や各種パラメータ、モデルデータや行動パターン等を定義する敵キャラクタに係る敵キャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し、使用することができる各種アイテムに係るアイテム定義データ、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ等を格納する。武器アイテムのアイテム定義データは、
図4および
図5を参照して説明したパラメータ設定データ600を含む。
【0156】
また、ゲーム設定データ530は、単位利用ポイントに応じた単位利用特典の内容を定めた単位利用特典データ531と、合計利用評価ポイントに応じた合計利用特典の内容を定めた合計利用特典データ533とを格納する。
【0157】
プレイデータ550は、実行中のゲーム毎に用意され、当該ゲームに参加するプレーヤや、当該ゲーム進行状況を記述する各種データを格納する。例えば、
図15に示すように、1つのプレイデータ550は、ゲームプレイID551と、マッチングデータ553と、プレイ中のゲームステージを示すステージID555と、プレーヤキャラクタ制御データ557と、敵キャラクタ制御データ559と、残留アイテムデータ560とを含む。
【0158】
マッチングデータ553は、当該ゲームに1つのチームとして参加するプレーヤに関する各種データを格納する。例えば、各プレーヤのプレーヤID、プレーヤ名、プレーヤ端末1500の装置ID等を格納する。
【0159】
プレーヤキャラクタ制御データ557と敵キャラクタ制御データ559は、それぞれプレーヤキャラクタや敵キャラクタ毎に用意され、当該キャラクタのゲーム空間内での最新状態を記述する各種データを格納する。例えば、各キャラクタの種類、現在の位置、姿勢、体力値や毒ダメージ値の現在値、操作主体のプレーヤのプレーヤID等を含む。
【0160】
残留アイテムデータ560は、プレーヤが使用したことで残留アイテムとされたアイテムに関する各種データを格納する。本実施形態では、何れかのプレーヤが敵キャラクタに武器アイテムを命中させるたびに、当該武器アイテムが残留アイテムとされてその残留アイテムデータ560が生成される。
【0161】
例えば、
図16に示すように、1つの残留アイテムデータ560は、該当する残留アイテムを識別するための残留アイテムID561と、当該残留アイテムの現ステータス563と、当該残留アイテムの付随位置(命中位置)565と、当該残留アイテムの付随表示の開始タイミング567と、当該残留アイテムの消滅条件569と、当該残留アイテムが消滅済みか否かを示す消滅フラグ571と、当該残留アイテムの実績残留時間572と、当該残留アイテムが合体によって強化等がされているか否か(第4の利用態様で利用されているか否か)を示す強化フラグ573と、当該残留アイテムの現在の利用回数575と、使用データ580と、利用データ590と、合成データ599と、含む。
【0162】
実績残留時間572は、付随表示開始タイミング567から、消滅条件569を満たしたとして当該残留アイテムを消滅させたタイミングまでの時間を格納する。
【0163】
使用データ580は、第1のプレーヤとして当該残留アイテムである武器アイテムを使用した起源プレーヤの起源プレーヤID581と、当該武器アイテムの属性である起源属性583と、その使用に係る攻撃で敵キャラクタに与えた使用時与ダメージ585と、を含む。
【0164】
また、利用データ590は、当該残留アイテムが利用されるたびに追加される。そして、1つの利用データ590は、第2のプレーヤとして当該残留アイテムを利用した利用プレーヤの利用プレーヤID591と、その利用について判定された利用態様が第1~第4の何れの利用態様なのかを示す利用態様種類593と、当該利用に係る攻撃で敵キャラクタに与えた利用時与ダメージ595と、当該利用の単位評価ポイント597と、が設定される。
【0165】
合成データ599は、当該残留アイテムが第4の利用態様で利用されると生成され、合体に伴うパラメータ設定データの変更内容を格納する。
【0166】
2.プレーヤ端末
図17は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0167】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0168】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0169】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0170】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0171】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0172】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0173】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0174】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0175】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0176】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0177】
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0178】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0179】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図13を参照)のコピーとする。
【0180】
[処理の流れ]
図18は、1つのゲームの実行に際し、当該ゲームに参加する1人の注目プレーヤについて行うゲーム処理の流れを示したフローチャートである。ゲームの実行にあたっては、
図18の処理をゲームに参加しているプレーヤ毎に行う。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、プレーヤ端末1500では別途ログイン手続きがなされ、マッチング処理を経てチームの編成を終えているものとする。
【0181】
チームの編成を終えると、ゲームが開始される(ステップS1)。すなわち、ゲーム管理部230が背景等のオブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、ゲームに参加する各プレーヤのプレーヤキャラクタや敵キャラクタを配置する。そして、ゲーム管理部230は、敵キャラクタの自動制御を開始するとともに、各プレーヤの操作入力に応じてそのプレーヤキャラクタを動作させる。その他、ゲームの進行制御として基本的に必要とされる制御も適宜開始する。また、表示態様変更制御部247が表示態様変更制御処理を開始し、連携攻撃判定部249が連携攻撃判定処理を開始する。
【0182】
そして、ゲーム中は、付随制御部231が付随制御処理を開始し、利用評価部235が利用評価処理を開始して、各プレーヤについてステップS3~ステップS17の処理を行う。すなわち、注目プレーヤに着目すると、先ず、付随制御部231が、付随制御処理の過程において武器アイテムの使用を監視する。そして、注目プレーヤが武器アイテムを敵キャラクタに命中させた場合に武器アイテムが使用されたとして(ステップS3:YES)、ステップS5に移行する。その場合は、付随制御部231は、使用された武器アイテムを残留アイテムとし、命中位置を付随位置として、残留アイテムを敵キャラクタに付随させる制御を行う(ステップS5)。またその際に、付随制御部231は、当該残留アイテムの消滅条件を設定する(ステップS6)。
【0183】
なお、武器アイテムが使用された場合には、連携攻撃判定部249が、残留アイテムと連携した連携攻撃の成否を判定することとなる。そして、連携攻撃が成立した場合は、続くステップS7において、利用評価部235が、注目プレーヤによって当該残留アイテムが第2の利用態様で利用されたと判定することとなる。また、武器アイテムが残留アイテムに命中したときには、合成等制御部251が、当該残留アイテムに当該武器アイテムを合体させる制御を行う。そしてその場合は、利用評価部235は、ステップS7において、注目プレーヤによって当該残留アイテムが第4の利用態様で利用されたと判定することとなる。その他、利用評価部235は、ステップS7において、残留アイテムが武器アイテムとして使用された場合は第1の利用態様で利用されたと判定し、残留アイテムが掛かり部として利用された場合は第3の利用態様で利用されたと判定する。
【0184】
すなわち、ステップS7では、利用評価部235は、利用評価処理の過程において注目プレーヤによる残留アイテムの利用を監視する。そして、注目プレーヤが第1~第4の何れかの利用態様で残留アイテムを利用したと判定した場合には(ステップS7:YES)、利用評価部235は、当該利用に係る単位利用ポイントを算出する(ステップS9)。そして、付与制御部241が、付与制御処理として、利用された残留アイテムの起源プレーヤに対し、単位利用ポイントに応じた単位利用特典を付与する制御を行う(ステップS11)。
【0185】
また、通知制御部243が通知制御処理を行い、当該起源プレーヤに対し、利用プレーヤ(ここでは注目プレーヤ)によって残留アイテムが利用された旨の通知を制御する(ステップS13)。例えば、
図12を参照して説明したように、起源プレーヤのプレーヤ端末1500にその旨のメッセージ等を表示した通知画面を表示させる制御を行う。
【0186】
続いて、消滅制御部233が、当該残留アイテムについて消滅制御処理を開始する(ステップS15)。ここでの処理により当該残留アイテムの消滅条件が監視の対象に追加され、当該残留アイテムについてステップS6で設定された消滅条件が監視されることとなる。そして、残留アイテムの中に消滅条件を満たしたものがあれば、その付随制御が終了して消滅する。
【0187】
その後は、ゲームを終了するまではステップS3に戻って(ステップS17:NO)、上記した処理を繰り返す。そして、ゲームを終了した場合には(ステップS17:YES)、利用合計評価部237が利用合計評価処理を行い、注目プレーヤについて利用合計評価ポイントを求めて、その残留アイテムの利用を合計評価する(ステップS19)。また、被利用合計評価部239が被利用合計評価を行い、注目プレーヤについて被利用合計評価ポイントを求めて、その残留アイテムの被利用を合計評価する(ステップS21)。そして、付与制御部241が、付与制御処理として、注目プレーヤに対し、ステップS19で求めた利用合計評価ポイントとステップS21で求めた被利用合計評価ポイントとの合計利用評価ポイントを算出し(ステップS23)、合計利用評価ポイントに応じた合計利用特典を付与する制御を行う(ステップS25)。
【0188】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のプレーヤが参加するゲームにおいて、当該複数のプレーヤのうち、プレイレベルの低いプレーヤであってもゲームに貢献できる仕組みを実現でき、プレーヤのゲーム意欲をかき立てることが可能となる。また、プレイレベルの高いプレーヤであっても、自身が使用した残留アイテムを他のプレーヤが利用する機会が得られるため、当該プレーヤに対しても同様に、ゲーム意欲がかき立てることが可能となる。
【0189】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0190】
[変形例1]
上記実施形態では、本発明の適用例として、クライアント・サーバ型のゲームシステム1000のサーバシステム1100を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、複数のプレーヤ端末1500をピアツーピア接続して実現することもできる。その場合は、何れかのプレーヤ端末1500に、上記実施形態のサーバシステム1100の機能を担わせる。或いは、複数のプレーヤ端末1500でゲーム管理部230が有する機能を分担する構成としてもよい。このようにして複数のプレーヤ端末1500が接続されることで、コンピュータシステムが構成される。
【0191】
具体的には、上記実施形態のサーバシステム1100が有する機能を分担して担うプレーヤ端末1500Aの機能構成例は、一例として
図19のようになる。
図19では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。なお、この場合のサーバシステム1100は、ユーザ登録とその情報の管理およびマッチングを主に行い、プレーヤ端末1500Aからのリクエストに応じてそれらの情報を提供する。
【0192】
図19に示すように、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このプレーヤ端末1500Aの端末記憶部500には、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270およびゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該プレーヤ端末1500Aのプレーヤに係るユーザ管理データ510および参加するゲームプレイに係るプレイデータ550と、ゲーム設定データ530とが格納される。
【0193】
そして、本変形例のプレーヤ端末1500Aの処理の流れは
図18に示したフローチャートと基本的には同じで、プレーヤ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0194】
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、プレーヤ端末1500がゲーム管理部230の全ての機能を担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
【0195】
[変形例2]
また、上記実施形態では、プレーヤが武器アイテムを使用した場合に、その連携範囲内に残留アイテムがあり、且つ、その起源属性が使用した武器アイテムの連携成立属性643と合致する場合に、連携攻撃が成立することとした。これに対し、攻撃主体のプレーヤと起源プレーヤとの間の親密度が所定値以上(親密度レベルが所定レベル以上)であることを連携攻撃の成立条件に含めてもよい。すなわち、連携範囲内にその起源プレーヤとの間で当該親密度の条件を満たす残留アイテムがあれば、当該残留アイテムと連携した連携攻撃と判定するとしてもよい。本変形例によれば、親密度の高いプレーヤが残した残留アイテムを連携範囲内に含めることで連携攻撃を成立させて、効率よく敵キャラクタにダメージを与えることができる。
【0196】
またその場合は、残留アイテムに対してそれが親密度の条件を満たし連携攻撃が成立する残留アイテムなのかを示す表示を付したり、当該親密度の条件を満たす残留アイテムの表示態様を可変に制御する構成としてもよい。変更制御の態様は、例えば、上記実施形態と同様に、該当する残留アイテムの周辺を光らせたり、当該残留アイテムの表示を点滅させる等の態様とすることができる。
【0197】
[変形例3]
また、連携範囲内に存在する残留アイテムであれば、無条件に連携攻撃が成立する構成としてもよい。その場合は、プレーヤは、残留アイテムの属性を意識する必要がなく、連携範囲内に残留アイテムが入るように(できればより多く入るように)武器アイテムを使用することで(当該武器アイテムを敵キャラクタに命中させることで)、残留アイテムと連携した連携攻撃が行える。
【0198】
また、本変形例の場合には、利用評価に際し、属性の相性を考慮した評価を行う構成としてもよい。すなわち、残留アイテムと連携した連携攻撃は残留アイテムの第2の利用態様として判定されるが、当該利用の判定がされた場合は、先ず、当該連携攻撃に係る武器アイテムと、連携範囲内の個々の残留アイテムとの属性相性を判定する。そして、例えば、両者が同属性であり属性同士が好相性の残留アイテムが含まれるときには、その数に応じて単位利用ポイントを高く調整する等としてもよい。
【0199】
[変形例4]
また、上記実施形態では、連携攻撃が成立する残留アイテムの表示態様を変更する制御について説明したが、それとは別に、消滅時期が近づいている残留アイテムの表示態様を変更する制御を行うとしてもよい。例えば、残留時間後のタイミングが消滅条件とされている残留アイテムであれば、それよりも所定時間前のタイミングが到来した時点で消滅時期が近づいていると判定し、その表示態様を変更する制御を行う。利用回数が消滅条件とされている残留アイテムの場合は、例えば、それよりも1つ少ない回数の利用がされた時点で消滅時期が近づいていると判定し、その表示態様を変更する制御を行う。これによれば、残留アイテムのうちの消滅時期が近い残留アイテムを、それ以外のものと識別可能に表示してプレーヤに提示することが可能となる。変更制御の態様は特に限定されないが、例えば、当該残留アイテムの周囲を光らせるとか、残留アイテムの表示を点滅させる等の態様としてもよいし、その近傍に消滅時期が近づいていることを示すマークを付す態様でもよい。
【0200】
[変形例5]
また、残留アイテムの利用評価の結果に基づく所与の特典付与条件に従って、付与する特典を可変に制御する内容は、上述した実施形態に限られない。例えば、利用後のステータス(現ステータス563;
図16を参照)が示す深さに応じた特典を付与することとしてもよいし、残留アイテムの残留時間の長さに応じた特典を付与する構成としてもよい。残留時間の長さは、例えば、消滅条件569の設定や合成データ599における寿命をのばす設定に基づいて定めることができる。また、その他にも、例えば、急所ポイント等のダメージを受け易い敵キャラクタの部位や、足場や手すり等の掛かり部として利用し易い敵キャラクタの部位等を予め設定しておき、利用された残留アイテムの付随位置が該当する部位にあるか否かに応じた特典を付与するようにしてもよい。
【0201】
その場合は、例えば、当該深さ(ステータス)、残留時間の長さ、付随位置といった残留アイテムの残留状況に応じて単位利用ポイントを加点する等、それらを加味した利用評価を行う。そして、当該利用評価の結果に基づいて、単位利用特典を付与することとしてもよい。勿論、単位利用特典とは別の特典を付与することで実現してもよい。
【0202】
これによれば、残留アイテムの残留状況に基づく利用のし易さに応じて、それが利用された場合に起源プレーヤに付与する特典を可変に設定することができる。すなわち、残留時間が長いため長く利用が可能な残留アイテムや、先端部の刺さりが浅くさらに深くまで刺し込む追加の攻撃が行い易い残留アイテム、利用し易い位置に付随している残留アイテム等について、それが実際に利用された場合に、より豪華な特典を起源アイテムに付与するといったことが可能となる。
【0203】
また、ここで説明した深さ、残留時間の長さ、付随位置といった残留アイテムの残留状況に基づいて、通知制御処理における第1のプレーヤに対する通知制御の内容を可変に設定するとしてもよい。例えば、所定の深さ以上に深く刺さった場合や、残留時間が所定時間以上であった場合、付随位置が急所等の特定の部位であった場合に、その旨を特別に説明する内容で通知して、残留アイテムに係る上手なゲームプレイであったことを称える通知内容としてもよい。
【0204】
[変形例6]
また、利用合計評価処理で行う利用合計評価とは別に、或いは当該利用合計評価にかえて、残留時間を用いた第2の利用合計評価を行うとしてもよい。その場合は、ゲーム管理部230は、第2の利用合計評価手段として、ゲームに参加したプレーヤ毎に、当該プレーヤが利用プレーヤとして利用した残留アイテムの実績残留時間572(
図16を参照)を読み出す。そして、読み出した残留時間の合計値や最大値、平均値を求めて、残留アイテムの第2の利用合計評価を行う構成としてもよい。例えば、何れかの値を第2の利用合計評価ポイントとして求めるのでもよいし、各値を合算して第2の利用合計評価ポイントを求める構成でもよい。
【0205】
そしてその場合は、第2の利用合計評価ポイントの値幅毎に第2の利用特典の内容を定めたデータテーブルを用意しておき、第2の利用合計評価ポイントに応じた第2の利用特典をプレーヤに付与する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0206】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
230…ゲーム管理部
231…付随制御部
233…消滅制御部
235…利用評価部
237…利用合計評価部
239…被利用合計評価部
241…付与制御部
243…通知制御部
245…親密度設定部
247…表示形態変更制御部
249…連携攻撃判定部
251…合成等制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
518…親密度データ
519…フレンドリスト
530…ゲーム設定データ
531…単位利用特典データ
533…合計利用特典データ
550…プレイデータ
560…残留アイテムデータ
563…現ステータス
565…付随位置(命中位置)
567…付随表示開始タイミング
569…消滅条件
572…実績残留時間
575…現利用回数
580…使用データ
581…起源プレーヤID
583…起源属性
585…使用時与ダメージ
590…利用データ
591…利用プレーヤID
593…利用態様種類
595…利用時与ダメージ
597…単位評価ポイント
599…合成データ
600…パラメータ設定データ
610…属性
620…ダメージ設定
630…基本効果
631…基本種類
633…与ダメージ
640…連携攻撃時効果
641…連携時種類
643…連携成立属性
645…追加ダメージ
650…残留時効果
651…与ダメージ
660…残留時消滅条件設定
1500,1500A…ユーザ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
N…ネットワーク
2…ユーザ
3…プレーヤキャラクタ
5…敵キャラクタ
7…武器アイテム
9…残留アイテム
11…ステータス表示
13…照準カーソル