IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンの特許一覧

特許75829382パートシアノアクリレート/フリーラジカル硬化性接着剤系
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】2パートシアノアクリレート/フリーラジカル硬化性接着剤系
(51)【国際特許分類】
   C08F 222/32 20060101AFI20241106BHJP
   C08F 220/10 20060101ALI20241106BHJP
   C08F 290/02 20060101ALI20241106BHJP
   C09J 4/04 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C08F222/32
C08F220/10
C08F290/02
C09J4/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021521126
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019056631
(87)【国際公開番号】W WO2020081750
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】62/747,283
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】アッターワラ、 シャビー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ハイア、 チェータン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、 ジェシー
【審査官】佐藤 のぞみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-229020(JP,A)
【文献】特表2015-509126(JP,A)
【文献】特開昭56-127609(JP,A)
【文献】特開昭57-165470(JP,A)
【文献】特開2007-217484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
C08F 290/00-290/14
C08F 220/00-222/40
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シアノアクリレート成分および酸性成分を含む第1パートおよび
(b)フリーラジカル硬化性成分およびペルオキシアセタールおよび/またはケタールを含む第2パートを含む2パート硬化性組成物であって、
酸性成分が、全組成物の500ppm~5重量%の量で存在し、スルホン酸およびその誘導体、硫酸、リン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテラート、硝酸、トリハロ酢酸、酢酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムからなる群から選択され、
ペルオキシアセタールおよび/またはケタールが、全組成物の0.50重量パーセント~5.00重量パーセントの量で存在し、
【化1】

(式中、
A.R1およびR4は、tert-ブチル、R2およびR3は、一緒になってシクロヘキサン環を形成し
.R1およびR4は、tert-ブチル、R2は、エチル、R3は、メチルであり、
D.R1およびR4は、tert-ブチル、R2は、フェニル、R3は、エチルであり、
E.R1およびR4は、tert-ブチル、R2は、フェニル、R3は、1-フェニルメチルであり、
F.R1およびR4は、tert-ブチル、R2は、水素、R3は、1-フェニルメチルである)
の1以上である組成物。
【請求項2】
シアノアクリレート成分が、HC=C(CN)-COOR(式中、Rは、アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、アリルおよびハロアルキル基から選択される)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
フリーラジカル硬化性成分が、(メタ)アクリレート成分、マレイミド、イタコナミド、またはナジミド含有化合物、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
フリーラジカル硬化性成分が、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフランジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ベンジルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ-(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレンジグリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノール-Aモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノール-Aジ(メタ)アクリレート、およびメタクリレート官能性ウレタンからなる群から選択される(メタ)アクリレート成分である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
第1パートが、デュアルチャンバーシリンジの第1のチャンバーに収容され、第2パートが、デュアルチャンバーシリンジの第2のチャンバーに収容される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
第1パートまたは第2パートの少なくとも一つが、可塑剤、充填剤および強化剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
強化剤が、(a)エチレン、アクリル酸メチルおよびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物、(b)エチレンとアクリル酸メチルのジポリマー、(c)(a)と(b)の組み合わせ、(d)塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、(e)塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、(f)ポリエチレンとポリ酢酸ビニルの共重合体、およびその組み合わせからなる群から選択されるメンバーである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
第1パートおよび第2パートが、体積で1:1の比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2パートシアノアクリレート/フリーラジカル硬化性接着剤系を提供する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
シアノアクリレート接着剤などの硬化性組成物は、一般に数分で、特定の基材に応じて、多くの場合数秒で、広範囲の基材を迅速に接着する優れた能力でよく認識されている。
【0003】
シアノアクリレートの重合は、ほとんどの表面で通常の大気条件下で見られる求核試薬によって開始される。表面化学による開始は、2つの表面が2つの表面間のシアノアクリレートの小さな層と密接に接触しているときに十分な開始種が利用可能であることを意味する。これらの条件下では、短時間で強い結合が得られる。したがって、本質的に、シアノアクリレートはしばしば瞬間接着剤として機能する。
【0004】
シアノアクリレート接着剤の性能、特に耐久性は、高温条件および/または高相対湿度条件にさらされると疑わしいことがよくある。これらの用途に依存する欠点に対抗するために、シアノアクリレート接着剤配合物に含めるための多くの添加剤が確認されている。改善は依然として有益であると見なされる。
【0005】
物理的特性を変更するために、さまざまな添加剤と充填剤がシアノアクリレート組成物に添加されている。
【0006】
例えば、米国特許第3,183,217号(Serniuk)は、メタクリル酸またはメタクリル酸メチルモノマーと非極性または低極性オレフィンとのフリーラジカル重合を開示し、モノマーはフリーデルクラフツハロゲン化物と錯体を形成している。
【0007】
米国特許第3,963,772号(Takeshita)はポリマー鎖の一端でより反応性の高いアルキレン単位で実質的に末端化された短鎖交互コポリマーをもたらすアルキレンおよびアクリルモノマーの液体テロマーを開示する。液体テロマーは、その液相のために、充填剤、添加剤などを容易に組み込むことを可能にする高分子量ゴム用のエラストマーポリマーを製造するのに有用である。
【0008】
米国特許第4,440,910号(O’Connor)は、エラストマー、すなわちアクリルゴムの添加によって達成される、靭性が改善されたシアノアクリレート組成物を対象としている。これらのゴムは、(i)アクリル酸のアルキルエステルのホモポリマー、(ii)アクリル酸のアルキルエステルまたはアクリル酸のアルコキシエステルとの、低級アルケンなどの別の重合可能なモノマーのコポリマー、(iii)アクリル酸のアルキルエステルの共重合体、(iv)アクリル酸のアルコキシエステルの共重合体および(v)それらの混合物のいずれかである。
【0009】
米国特許第4,560,723号(Millet)は、コアシェルポリマーを含む強化剤と、1以上の非置換または置換アリール基を含む有機化合物を含むサステナ(sustainer)を含むシアノアクリレート接着剤組成物を開示する。サステナは、接着剤の硬化した結合の熱エージング後の靭性の保持を改善すると報告されている。コアシェルポリマーを酸洗浄で処理して、コアシェルポリマーの製造プロセスから残った塩、石鹸、またはその他の求核種などの重合の原因となる不純物をすべて除去する。
【0010】
米国特許第5,340,873号(Mitry)は、二塩基性脂肪族または芳香族カルボン酸およびグリコールから誘導されたポリエステルポリマーを有効強化量含むことにより、改善された強靭性を有するシアノアクリレート接着剤組成物を開示する。
【0011】
米国特許第5,994,464号(Ohsawa)は、シアノアクリレートモノマーとシアノアクリレートモノマーと混和性または相溶性のあるエラストマーおよびシアノアクリレートモノマーと相溶性があるが、混和性はないコアシェルポリマーを含むシアノアクリレート接着剤組成物を開示している。
【0012】
米国特許第6,833,196号(Wojciak)は、鋼とEPDMゴム基材との間のシアノアクリレート組成物の靭性を高める方法を開示している。開示される方法は、以下のステップによって定義される。シアノアクリレート成分を提供する、メチルメタクリルモノマーと、ブチルアクリルモノマーおよびイソボルニルアクリルモノマーのうちの少なくとも1つを含む強化剤を提供し、それにより、アクリルモノマー強化剤は、シアノアクリレート組成物の靭性を増強し、硬化すると、シアノアクリレート組成物は、室温硬化で72時間、121℃で2時間後硬化後に約4400psi以上の平均引張せん断強度を有する。
【0013】
(メタ)アクリル酸エステル(すなわち、アクリレート)のフリーラジカル重合によって硬化する反応性アクリル接着剤は知られているが、特定の欠点を抱えている。商業的に重要なアクリル接着剤、特にメタクリル酸メチルから作られた接着剤は不快な臭いがする傾向がある。メタクリル酸メチルベースのアクリル接着剤も引火点が低い(約59°F)。低引火点は、接着剤の保管および輸送中に特に問題になる。引火点が141°F以下の場合、米国運輸省は、製品を「可燃性」に分類し、マーキングと特別な保管と輸送条件が必要である。
【0014】
米国特許第6,562,181号(Righettini)は、それぞれが(a)オレフィン基の不飽和炭素原子に直接結合している少なくとも3つの官能基を有するオレフィン基を含む3官能性オレフィン第1のモノマー、(b)第1のモノマーと共重合可能なオレフィン性の第2のモノマー、(c)レドックス開始剤系、および(d)反応性希釈剤を含む接着剤組成物であって、組成物が室温で液体であり、100%反応性であり、揮発性有機溶媒を実質的に含まず、室温で硬化可能である接着剤組成物を記載することにより、前段落で取り組む問題の解決策を提供することを意図した。
【0015】
最近、米国特許第9,372,470号(Burns)は、(a)シアノアクリレート成分およびシアノアクリレート成分の約0.01重量%~約10重量%の量で存在する、過酸化物触媒としてのt-ブチルペルベンゾエートを含む第1パートと、(b)フリーラジカル硬化性成分および遷移金属を含む第2パートを含む2パート硬化性組成物に関する特許請求の範囲で発行された。一緒に混合されると、過酸化物触媒はフリーラジカル硬化性成分の硬化を開始し、遷移金属はシアノアクリレート成分の硬化を開始する。
【0016】
接着剤系とは関係のない技術では、2パート接着剤系は言うまでもなく、特にその一部がシアノアクリレート化学に基づいている場合、B.Schweitzer-Chaputらによる、「Acid-Catalyzed Activation of Peroxyketals:Tunable Radical Initiation at Ambient Temperature and Below(酸触媒によるペルオキシケタールの活性化:周囲温度以下での調整可能なラジカル開始)」、Org.Lett.、18、4944-47(2016)は、ラジカル開始のための酸触媒ペルオキシケタールの使用について報告している。
【0017】
最先端技術にもかかわらず、シアノアクリレートで見られる速い固定時間および金属やプラスチックなどの広範囲の基材を接着する能力などの瞬間接着剤の両方の特徴を(メタ)アクリレート組成物で見られる、より多くの種類および/または基材の選択での改善された接着強度とともに有する代替の接着剤系を提供することが望ましいであろう。そうすることで、エンドユーザーには、直面している問題に適した選択を行うための、より多様な可能な解決策が与えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
一態様では、
(a)シアノアクリレート成分および酸性成分を含む第1パートおよび
(b)フリーラジカル硬化性成分およびペルオキシアセタールおよび/またはケタールを含む第2パートを含む2パートシアノアクリレート/フリーラジカル硬化性組成物を提供する。
混合されると、第1パートの酸性成分は、第2パートのペルオキシアセタールおよび/またはケタールと反応し、第2パートのフリーラジカル硬化性成分の硬化を開始する。
【0019】
第1パートおよび第2パートが混合時に使用する前に相互作用しないため、室温で安定な組成物は、多種多様な材料から構築された基板全体で良好な性能を提供し、従来のシアノアクリレート組成物よりも優れた耐久性性能、従来のフリーラジカル硬化性組成物よりも改善された固定時間および改善された結合強度を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<詳細な説明>
<パートA>
シアノアクリレート成分には、HC=C(CN)-COOR(式中、Rは、C1~15アルキル、C2~15アルコキシアルキル、C3~15シクロアルキル、C2~15アルケニル、C7~15アラルキル、C6~15アリール、C3~15アリルおよびC1~15ハロアルキル基から選択される)で表されるものなどのシアノアクリレートモノマーが含まれる。望ましくは、シアノアクリレートモノマーは、メチルシアノアクリレート、エチル-2-シアノアクリレート(「ECA」)、プロピルシアノアクリレート、ブチルシアノアクリレート(n-ブチル-2-シアノアクリレートなど)、オクチルシアノアクリレート、アリルシアノアクリレート、β-メトキシエチルシアノアクリレート、およびそれらの組み合わせから選択される。特に望ましいものは、エチル-2-シアノアクリレートである。
【0021】
シアノアクリレート成分は、パートA組成物に約50重量%~約99.98重量%の範囲内の量で含まれるべきであり、例えば、パートA組成物の約90重量%~約99重量%が望ましく、約92重量%~約97重量%が特に望ましい。
【0022】
2パート接着剤系のパートA組成物に含まれる酸性成分としては、多くの材料を使用することができる。例えば、酸性成分はシアノアクリレートに安定化効果をもたらすため、パートAとパートBが混合されたときに、反応性またはより反応性の種をペルオキシアセタールおよび/またはケタールから遊離する役割も果たす。適切な酸性成分の例には、スルホン酸およびその誘導体(3-ヒドロキシプロパンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸など)、硫酸、リン酸、三フッ化ホウ素および三フッ化ホウ素エーテラート、硝酸、トリハロ酢酸(トリフルオロ酢酸およびトリクロロ酢酸)、酢酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウムが含まれる。酸性成分は、シアノアクリレートを安定化させるために通常よりも多く使用する必要がある。例えば、通常、酸性成分は、シアノアクリレートを時期尚早の望ましくない重合に対して安定化させるために、約500ppmまでの量で使用することができる。それを超えて酸性成分の量を増やすと、(硬化促進剤などの追加の添加剤は含むことなしでの)シアノアクリレートの硬化する能力が低下する傾向がある。しかし、この場合、量を増やすと、安定化効果が実現されるだけでなく、パートAとパートBが混合されたとき、酸性成分がペルオキシアセタールおよび/またはケタールに対してラジカルを生成して、パートBのフリーラジカル硬化性成分の硬化を開始する活性化効果が実現される。
【0023】
したがって、酸性成分は、約100ppm~約10重量パーセント、例えば、約500ppm~約5重量パーセントの量で使用されるべきである。
【0024】
接着剤系のパートA組成物に添加剤を含めて、固定速度の向上、貯蔵寿命の安定性の向上、柔軟性、チキソトロピー、粘度の増加、色、靭性の向上などの物理的特性を付与することができる。したがって、そのような添加剤は、促進剤、フリーラジカル安定剤、アニオン安定剤、ゲル化剤、増粘剤(PMMAなど)、チキソトロピー付与剤(ヒュームドシリカなど)、染料、強化剤、可塑剤、およびそれらの組み合わせから選択することができる。。
【0025】
シアノアクリレート成分の硬化を促進するために、1以上の促進剤を接着剤系、特にパートA組成物に使用することもできる。そのような促進剤は、カリックスアレーンおよびオキサカリックスアレーン、シラクラウン、クラウンエーテル、シクロデキストリン、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化水和化合物およびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0026】
カリックスアレーンおよびオキサカリックスアレーンのうち、多くが知られており、特許文献に報告されている。例えば、米国特許第4,556,700号、第4,622,414号、第4,636,539号、第4,695,615号、第4,718,966号、および第4,855,461号に記載されており、これらの各々の開示は参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0027】
例えば、カリックスアレーンに関しては、以下の構造内のものが本明細書で有用である。
【0028】
【化1】
式中、
は、アルキル、アルコキシ、置換アルキルまたは置換アルコキシであり;RはHまたはアルキルであり;nは4,6または8である。
【0029】
1つの特に望ましいカリックスアレーンはテトラブチルテトラ[2-エトキシ-2-オキソエトキシ]カリックス-4-アレーンである。
【0030】
多くのクラウンエーテルが知られている。例えば、本明細書において、単独で、または組み合わせて、使用できる例として、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6、ベンゾ-15-クラウン-5-ジベンゾ-24-クラウン-8、ジベンゾ-30-クラウン-10、トリベンゾ-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ22-クラウン-6、ジベンゾ-14-クラウン-4、ジシクロヘキシル-18-クラウン-6、ジシクロヘキシル-24-クラウン-8、シクロヘキシル-12-クラウン-4、1,2-デカリル-15-クラウン-5、1,2-ナフト-15-クラウン-5、3,4,5-ナフチル-16-クラウン-5、1,2-メチル-ベンゾ-18-クラウン-6、1,2-メチルベンゾ-5、6-メチレンベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチル-18-クラウン-6、1,2-ビニルベンゾ-15-クラウン-5、1,2-ビニルベンゾ-18-クラウン-6、1,2-t-ブチルシクロヘキシル-18-クラウン-6、asym-ジベンゾ-22-クラウン-6および1,2-ベンゾ-1,4-ベンゾ-5-オキシジェン-20-クラウン-7が挙げられる。米国特許第4,837,260号(Sato)を参照し、これにより、その開示が参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0031】
シラクラウンのうち、この場合も先と同様に多くは知られており、文献に報告されている。例えば、典型的なシラクラウンは、以下の構造の範囲内に表すことができる。
【0032】
【化2】


式中、
およびRはそれ自体がシアノアクリレートモノマーの重合を引き起こさない有機基であり、RはHまたはCHであり、nは1~4の整数である。適切なRおよびR基の例は、R基、メトキシなどのアルコキシ基、およびフェノキシなどのアリールオキシ基である。RおよびR基は、ハロゲンまたは他の置換基を含んでいてもよく、その例はトリフルオロプロピルである。しかしながら、RおよびR基として適していない基は、アミノ、置換アミノおよびアルキルアミノなどの塩基性基である。
【0033】
本発明の組成物に有用なシラクラウン化合物の具体的な例には、
【0034】
【化3】

ジメチルシラ-11-クラウン-4、
【0035】
【化4】

ジメチルシラ-14-クラウン-5、
【0036】
【化5】

およびジメチルシラ-17-クラウン-6が挙げられる。
【0037】
例えば、米国特許第4,906,317号(Liu)などを参照し、これにより、その開示が参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0038】
本発明に関して多くのシクロデキストリンを使用できる。例えば、その開示がこれにより参照によって本明細書に明確に組み込まれる米国特許第5,312,864号(Wenz)に、シアノアクリレートに部分的に溶解可能な、α、β又はγ-シクロデキストリンの水酸基誘導体として記載され、その権利が主張されるシクロデキストリンは、促進剤成分として適切な選択である。
【0039】
さらに、本明細書での使用に適したポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレートには、以下の構造内のものが含まれる。
【0040】
【化6】
【0041】
式中、
nは3より大きく、例えば3~12の範囲内であり、nは9であることが特に望ましい。 より具体的な例として、PEG 200 DMA(nは約4)、PEG 400 DMA(nは約9)、PEG 600 DMA(nは約14)、PEG 800 DMA(nは約19)挙げられる。ここで、数値(例えば400)は、二つのメタクリレート基を除外した当該分子のグリコール部分の平均分子量を、グラム/モル(すなわち、400g/mol)で表記したものである。特に望ましいPEG DMAはPEG 400 DMAである。
【0042】
そしてエトキシル化された水素の(hydric)化合物(または使用され得るエトキシル化脂肪アルコール)のうち、適切なものは、以下の構造内のものから選択され得る。
【0043】
【化7】

式中、Cは、直鎖または分枝アルキルまたはアルケニル鎖であることができ、mは1~30の整数であり、例えば5~20であり、nは2~30の整数であり、例えば5~15であり、RはHまたはアルキル、例えばC1-6アルキルであってもよい。
【0044】
さらに、以下の構造に含まれる促進剤が含まれる。:
【化8】

式中、Rは水素、C1~6アルキル、C1~6アルキルオキシ、アルキルチオエーテル、ハロアルキル、カルボン酸およびそれらのエステル、スルフィン酸、スルホン酸および亜硫酸およびエステル、ホスフィン酸、ホスホン酸および亜リン酸およびそれらのエステルであり、Zは、ポリエーテル結合、nは、1~12、pは、1~3であり、上記で定義したとおりであり、R’は、Rと同じであり、gはnと同じである。
【0045】
促進剤成分としてこのクラス内で特に望ましい化学物質は以下である。
【化9】

式中、nとmの合計は12以上である。
【0046】
促進剤は、全組成物の約0.01重量%~約10重量%の範囲内の量で組成物に含まれるべきであり、約0.1~約0.5重量%の範囲が望ましく、約0.4重量%が特に望ましい。
【0047】
接着剤系のパートA組成物に有用な安定剤には、フリーラジカル安定剤、アニオン安定剤、およびそれらの組み合わせを含む安定剤パッケージが含まれる。そのような安定剤の正体および量は、当業者によく知られている。米国特許第5,530,037号および第6,607,632号を参照し、これらのそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。一般的に使用されるフリーラジカル安定剤にはヒドロキノンが含まれ、一般的に使用されるアニオン安定剤には、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素-エーテラート、三酸化硫黄(およびそれらの加水分解生成物)およびメタンスルホン酸が含まれる。
【0048】
<パートB>
接着剤系のパートB組成物に使用するためのフリーラジカル硬化性成分には、(メタ)アクリレートモノマーおよびオリゴマー、およびマレイミド、イタコナミド、またはナジミド含有化合物、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0049】
接着剤系の組成物のパートBで使用するための(メタ)アクリレートモノマーには、多くの(メタ)アクリレートモノマーが含まれ、いくつかの(メタ)アクリレートモノマーは芳香族であり、他は脂肪族であり、さらに他は脂環式である。そのような(メタ)アクリレートモノマーの例には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(「HPMA」)、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(「TMPTMA」)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)、ベンジルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ-(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレンジグリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびビスフェノール--Aモノおよびジ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシル化ビスフェノール-A(メタ)アクリレート(「EBIPMA」)、ビスフェノール-Fモノおよびジ(メタ)アクリレート、例えばエトキシル化ビスフェノール-F(メタ)アクリレート、およびメタクリレート官能性ウレタンのような二官能性または三官能性(メタ)アクリレートが含まれる。
【0050】
マレイミド、ナジイミド、およびイタコンイミド含有化合物には、それぞれ、以下の構造I、IIおよびIIIを有する化合物が含まれる。
【化10】
式中、mは、1~15であり、
Pは、0~15であり、
各Rは、水素または低級アルキルから独立して選択され、
Jは、有機またはオルガノシロキサン基、およびそれらの2つ以上の組み合わせを含む一価または多価部分である。
【0051】
マレイミド、イタコンイミドおよびナジイミドのより具体的な表されるものには、構造I、IIまたはIIIに対応するものが含まれ、式中、m=1~6、p=0、Rは、水素または低級アルキルから独立して選択され、Jは、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビレン、ポリシロキサン、ポリシロキサン-ポリウレタンブロックコポリマー、およびそれらの2つ以上の組み合わせから選択される一価または多価基であり、任意に、共有結合、-O-、-S-、-NR-、-O-C(O)-、-O-C(O)-O-、-O-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-S(O)-、-S(O)-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O-、-O-NR-C(O)-NR-、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)-、-S-S(O)-O-、-S-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-P(O)R-、-S-P(O)R-、-NR-P(O)R-(式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、又は置換アルキルである)から選択される1以上のリンカーを含む。
【0052】
上記の一価または多価基の1以上が、当業者によって容易に認識されるように、マレイミド、ナジミドまたはイタコンイミド基の「J」付加物を形成するための上記のリンカーの1以上を含む場合、例えば、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシルアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、複素環式、オキシ複素環式、チオ複素環式、アミノ複素環式、カルボキシ複素環式、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリールまたはカルボキシアルキニルアリール、オキシアルキレン、チオアルキレン、アミノアルキレン、カルボキシアルキレン、オキシアルケニレン、チオアルケニレン、アミノアルケニレン、カルボキシアルケニレン、オキシアルキニレン、チオアルキニレン、アミノアルキニレン、カルボキシアルキニレン、オキシシクロアルキレン、チオシクロアルキレン、アミノシクロアルキレン、カルボキシシクロアルキレン、オキシシクロアルケニレン、チオシクロアルケニルアミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシヘテロアリーレン、チオヘテロアリーレン、アミノヘテロアリーレン、カルボキシヘテロアリーレン、ヘテロ原子含有二価または多価環状部分、オキシヘテロ原子含有二価または多価環状部分、チオヘテロ原子含有二価または多価環状部分、アミノヘテロ原子含有二価または多価環状部分、カルボキシヘテロ原子含有二価または多価環状部分、ジスルフィド、スルホンアミド、アミノシクロアルケニレン、カルボキシシクロアルケニレン、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレンなどの様々なリンカーを製造することができる。
【0053】
別の実施形態において、本発明の実施において使用が企図されるマレイミド、ナジイミド、およびイタコンイミドは、構造I、II、およびIIIを有し、式中、m=1~6、p=0~6であり、Jは、
アルキル鎖上の置換基として、またはアルキル鎖の主鎖の一部として任意の置換アリール部分を有し、アルキル鎖が最大約20個の炭素原子を有する飽和直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキル:
【0054】
構造-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-、-(C(R-C(R)-C(O)O-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-O(O)C-(C(R-または-(C(R-C(R)-O(O)C-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-C(O)O-(C(R-(式中、各Rは、独立して水素、アルキル、または置換アルキルであり、
各Rは、独立して水素、低級アルキルまたはアリールであり、
d=1-10、
e=1-10、およびf=1-50である)を有するシロキサン:
【0055】
構造[(CR-O-]-(CR-(式中、
各Rは、独立して水素、アルキル、または置換アルキルであり、
r=1-10、
s=1-10、および
fは上記で定義されたとおりである。)を有するポリアルキレンオキサイド:
【0056】
構造
【化11】

(式中、
各Arは、3~10個の炭素原子の範囲を有する一置換、二置換または三置換芳香族またはヘテロ芳香族環であり、
Zは、任意にアルキレン鎖上の置換基として、またはアルキレン鎖の骨格の一部として飽和環状部分を含む飽和直鎖アルキレンまたは分岐鎖アルキレンである。)を有する芳香族基:または
【0057】
構造-[(CR-O-]-(CR
(式中、
各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換アルキルであり、rおよびsはそれぞれ上記のように定義され、
qは1~50の範囲にある。)を有するポリアルキレンオキサイド:
【0058】
構造
【化12】

(式中、
各Rは、独立して水素、アルキル、または置換アルキルであり、
tは、2~10の範囲にあり、
uは、2~10の範囲にあり、
Arは、上記で定義されたとおりである。)を有する二置換または三置換芳香族部分:
【0059】
構造
【化13】
【0060】
式中、
各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換アルキルであり、
t=2-10、
k=1、2または3、
g=1~約50、
各Arは、上記で定義されたとおりであり、
Eは、-O-または-NR-であり、Rは水素または低級アルキルであり、
Wは、直鎖または分岐鎖のアルキル、アルキレン、オキシアルキレン、アルケニル、アルケニレン、オキシアルケニレン、エステル、またはポリエステル、-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-、-(C(R-C(R)-C(O)O-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-O(O)C-(C(R-または-(C(R-C(R)-O(O)C-(C(R-[Si(R-O]-Si(R-(C(R-C(O)O-(C(R-(式中、各Rは、独立して水素、アルキル、または置換アルキルであり、
各Rは、独立して水素、低級アルキルまたはアリールであり、
d=1-10、
e=1-10、およびf=1-50である)を有するシロキサン構造である)を有する芳香族基:
【0061】
構造-[(CR-O-]-(CR
(式中、
各Rは、独立して水素、アルキル、または置換アルキルであり、
r=1-10、
s=1-10、および
fは上記で定義されたとおりであり、任意にヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、ニトリル、シクロアルキルまたはシクロアルケニルから選択される置換基を含む。)を有するポリアルキレンオキサイド:
【0062】
構造R-U-C(O)-NR-R-NR-C(O)-(O-R-O-C(O)-NR-R-NR-C(O))-U-R
(式中、
各Rは、独立して水素または低級アルキルであり、
各Rは、独立して、1~18個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアリールアルキル基であり、
各Rは、鎖内に最大約100個の原子を持ち、必要に応じてArで置換されたアルキルまたはアルキルオキシ鎖であり、
Uは、-O-、-S-、-N(R)-または-P(L)1,2-であり、
式中、Rは上記で定義されており、各Lは独立して=O、=S、-ORまたは-Rであり、
v=0-50である。)を有するウレタン基:
【0063】
多環式アルケニル;またはそれらの任意の2つ以上の混合物から選択される。
【0064】
それぞれ構造I、II、およびIIIのそのようなマレイミド、ナジミド、およびイタコンイミド含有化合物のより具体的な説明では、各Rは独立して水素または低級アルキル(C1~4など)であり、-J-は、マレイミド、ナジミドおよび/またはイタコンイミド化合物を液体にするのに十分な長さおよび分岐を有する分岐鎖アルキル、アルキレン、アルキレンオキシド、アルキレンカルボキシルまたはアルキレンアミド種を含み、mは1、2または3である。
【0065】
特に望ましいマレイミド含有化合物には、フェニル、ビフェニル、ビスフェニルまたはナフチル結合などの、間に芳香族基を有する2つのマレイミド基を有するものが含まれる。
【0066】
フリーラジカル硬化性成分に加えて、パートBはペルオキシアセタールおよび/またはケタールも含む。
【0067】
ペルオキシアセタールおよび/またはケタールは、
【化14】
に含まれてもよい。
式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して、水素、C1~6アルキル、C5~7シクロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ペルオキシアルキル、C5~7アリール、およびC6~10アルカリールである。およびR1およびR4が一緒になって、環の一部として少なくとも2つ、時には少なくとも3つのペルオキシ結合で環式環を形成してもよい。より具体的には、R1およびR4は、tert-ブチルであってもよく、R2およびR3は、シクロヘキサンであってもよい。R1はtert-ブチルであってもよく、R2およびR3はシクロヘキサンであってもよく、R4はメトキシであってもよい。R1およびR4はtert-ブチルであってもよく、R2はエチルであってもよく、R3はメチルであってもよい。R1およびR4はtert-ブチルであってもよく、R2はフェニルであってもよく、R3はエチルであってもよい。R1およびR4はtert-ブチルであってもよく、R2はフェニルであってもよく、R3は1-フェニルメチルであってもよい。R1およびR4はtert-ブチルであってもよく、R2は水素であってもよく、R3は1-フェニルメチルであってもよい。さらに具体的には、構造Aは以下から選択することができる。
【0068】
【化15】
【0069】
ペルオキシアセタールおよび/またはケタールの例には、Arkema,Philadelphia,Pennsylvaniaから市販されている以下のものも含まれる:
【化16】

Luperox(登録商標)231(Luperox(登録商標)231M90/231M50)およびLuperox(登録商標)231XL40、それぞれが1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン
【0070】
【化17】

Luperox(登録商標)331ポリマー開始剤(Luperox(登録商標)331M80/331M50)、1,1-ジ (t-ブチルペルオキシ)-シクロヘキサン;
【0071】
【化18】

Luperox(登録商標)531ポリマー開始剤(Luperox(登録商標)531M60/531M80)、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)-シクロヘキサン;
【0072】
【化19】


Luperox(登録商標)533M65ポリマー開始剤、エチル3,3-ジ-(t-アミルペルオキシ)ブチレート。
【0073】
典型的には、ペルオキシアセタールおよび/またはケタールの量は、組成物の約0.001重量パーセント~約10.00重量パーセント、望ましくは組成物の約0.01重量パーセント~約7.50重量パーセント、たとえば、組成物の約0.50~約5.00重量パーセントの範囲であるべきである。
【0074】
上記のように、添加剤は、種々の性能特性に影響を与えるためにパートAまたはパートB組成物のいずれかまたは両方に含まれる。
【0075】
使用が考えられる充填剤には、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラファイト、酸化ベリリウム、マグネシア、ヒュームドシリカまたは溶融シリカなどのシリカ、アルミナ、過フッ素化炭化水素ポリマー(すなわち、TEFLON(登録商標))、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、マイカ、ガラス粉末などが含まれる。好ましくは、これらの充填剤の粒子サイズは、約20ミクロン以下であろう。
【0076】
シリカに関し、シリカはナノ粒子サイズに平均粒子径を有してもよく、つまり、10-9メートルのオーダーの平均粒子径を有する。シリカナノ粒子はエポキシ樹脂に事前に分散させることができ、Nanoresins、Germanyから商品名NANOPOCRYLで入手可能なものから選択することができる。NANOCRYLは、シリカナノ粒子強化(メタ)アクリレートの製品ファミリーの商品名である。シリカ相は、直径50nm未満で、粒度分布が非常に狭い、表面修飾された合成SiOナノスフェアで構成されている。SiOナノスフェアは、(メタ)アクリレートマトリックス中の凝集物を含まない分散液であり、最大50重量%のシリカを含む樹脂の粘度が低くなる。
【0077】
シリカ成分は、組成物の総重量に基づいて、約1~約60重量パーセント、例えば、約3~約30重量パーセント、望ましくは約5~約20重量パーセントの範囲の量で存在するべきである。
【0078】
特にパートA組成物での使用が企図される強化剤には、低級アルケンモノマーと(i)アクリル酸エステル、(ii)メタクリル酸エステルまたは(iii)酢酸ビニルとのエラストマーコポリマー(アクリルゴム;ポリエステルウレタン;エチレン酢酸ビニル;フッ素化ゴム;イソプレン-アクリロニトリルポリマー;クロロ硫酸化ポリエチレンなど)から選択されるエラストマーポリマーが含まれ、ポリ酢酸ビニルのホモポリマーが特に有用であることがわかった。米国特許第4,440,910号(O’Connor)を参照し、その開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。エラストマーポリマーは’910特許にアクリル酸のアルキルエステルのホモポリマー、アクリル酸のアルキルまたはアルコキシエステルと、低級アルケンなどの別の重合性モノマーとのコポリマーおよびアクリル酸のアルキルまたはアルコキシエステルのコポリマーのいずれかとして記載されている。アクリルのアルキルおよびアルコキシエステルと共重合し得る他の不飽和モノマーには、ジエン、反応性ハロゲン含有不飽和化合物、およびアクリルアミドなどの他のアクリルモノマーが含まれる。
【0079】
例えば、そのようなエラストマーポリマーの1つのグループは、VAMAC N123およびVAMAC B-124などのVAMACの名前でDuPontによって製造されたアクリル酸メチルとエチレンのコポリマーであり、VAMAC N123およびVAMAC B-124は、DuPontからエチレン/アクリルエラストマーのマスターバッチであると報告されている。DuPontの材料VAMAC Gも同様の共重合体であるが、着色剤や安定剤を提供する充填剤は含まれていない。VAMAC VCSゴムは、VAMAC製品ラインの残りのメンバーが配合されているベースゴムのようである。VAMAC VCS(VAMAC MRとしても知られている)は、エチレン、アクリル酸メチル、およびカルボン酸硬化部位を有するモノマーの組み合わせの反応生成物であり、一度形成されると、離型剤オクタデシルアミン、複合有機リン酸エステルおよび/またはステアリン酸などの処理助剤、および置換ジフェニルアミンなどの酸化防止剤が実質的に含まれない。
【0080】
DuPontは、エチレンとアクリル酸メチルから作られたゴムである、商品名VAMAC VMX1012およびVCD6200を市場に提供している。VAMAC VMX 1012ゴムは、ポリマー主鎖にカルボン酸をほとんどまたはまったく含まないと考えられている。VAMAC VCSゴムと同様に、上述のようにVAMAC VMX1012およびVCD6200ゴムには、離型剤オクタデシルアミン、複合有機リン酸エステルおよび/またはステアリン酸などの処理剤、および置換ジフェニルアミンなどの酸化防止剤が実質的に含まれない。これらのVAMACエラストマーポリマーはすべて、本明細書で有用である。
【0081】
さらに、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体(米国特許第4,102,945号(Gleave)を参照)および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(米国特許第4,444,933号(Columbus)を参照)をパートA組成物に含めることができる。もちろん、これらの各米国特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0082】
LANXESS LimitedからLEVAMELTの商品名で市販されているポリエチレンとポリ酢酸ビニルのコポリマーが有用である。
【0083】
LEVAMELTブランドのコポリマーの範囲が入手でき、たとえば、LEVAMELT400、LEVAMELT600、およびLEVAMELT900が含まれる。LEVAMELTの製品は、存在する酢酸ビニルの量が異なる。例えば、LEVAMELT400は、40重量%の酢酸ビニルを含むエチレン-酢酸ビニルコポリマーを含む。LEVAMELT製品は、粒状の形で提供される。顆粒はほとんど無色で、シリカとタルクがまぶされている。LEVAMELTは、ペンダントアセテート基を持つ飽和主鎖を形成するメチレン単位で構成される。完全に飽和した主鎖の存在は、LEVAMELTブランドのコポリマーが特に安定したポリマーであることを示し、従来のゴムをエージング反応、オゾン、紫外線にさらしやすい反応性二重結合を含んでいない。飽和主鎖は、ポリマーが堅牢になると報告されている。
【0084】
興味深いことに、ポリエチレン/ポリ酢酸ビニルの比率に応じて、これらのLEVAMELTエラストマーの溶解度は、異なるモノマーで変化し、溶解性の結果として強靭化能力も変化する。
【0085】
LEVAMELT エラストマーは、ペレットの形で入手でき、他の既知のエラストマー強化剤よりも配合が容易である。
【0086】
同じくLanxessのLEVAPRENブランドのコポリマーも使用できる。
【0087】
Wacker Chemie AG,Munich,Germanyから市販されているVINNOLブランドの表面コーティング樹脂は、さまざまな産業用途での使用が促進されている、さまざまな塩化ビニル由来のコポリマーおよびターポリマーを示している。これらのポリマーの主成分は、塩化ビニルと酢酸ビニルの異なる組成である。VINNOL製品ラインのターポリマーには、さらにカルボキシル基またはヒドロキシル基が含まれている。これらの塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーおよびターポリマーも使用できる。
【0088】
カルボキシル基を有するVINNOL表面コーティング樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニル、およびジカルボン酸のターポリマーであり、モル組成、重合度、および重合プロセスが異なる。これらのターポリマーは、特に金属基板上で優れた接着性を示すことが報告されている。
【0089】
ヒドロキシル基を有するVINNOL表面コーティング樹脂は、塩化ビニル、ヒドロキシアクリレート、およびジカルボキシレートのコポリマーおよびターポリマーであり、それらの組成および重合度が異なる。
【0090】
官能基のないVINNOLブランドの表面コーティング樹脂は、さまざまなモル組成と重合度の塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマーである。
【0091】
ゴム粒子、特に比較的小さい平均粒子サイズ(例えば、約500nm未満または約200nm未満)を有するゴム粒子もまた、特にパートB組成物に含まれ得る。ゴム粒子は、既知のコアシェル構造に共通のシェルを持っている場合と持っていない場合がある。
【0092】
コアシェル構造を有するゴム粒子の場合、そのような粒子は、非エラストマーポリマー材料(すなわち、周囲温度よりも高い、たとえば約50℃よりも高いガラス転移温度を有する熱可塑性または熱硬化性/架橋ポリマー)で構成されるシェルに囲まれ、一般に、エラストマーまたはゴム状の特性(すなわち、約0℃未満、例えば、約-30℃未満のガラス転移温度)を有するポリマー材料からなるコアを有する。例えば、コアは、ジエンホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ブタジエンまたはイソプレンと、ビニル芳香族モノマー、(メタ)アクリロニトリル、メタアクリレートなどの1以上のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー)から構成され得る。シェルは、適切に高いガラス転移温度を有する(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート)、ビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン)、ビニルシアニド(例えば、アクリロニトリル)、不飽和酸および無水物(例えば、アクリル酸)、(メタ)アクリルアミドなどから構成され得る。ポリブチルアクリレートまたはポリシロキサンエラストマー(例えば、ポリジメチルシロキサン、特に架橋ポリジメチルシロキサン)を含む他のゴム状ポリマーもコアに適切に使用することができる。
【0093】
典型的には、コアは、約50~約95重量パーセントのゴム粒子を含み、シェルは、約5~約50重量パーセントのゴム粒子を含む。
【0094】
好ましくは、ゴム粒子は比較的小さいサイズである。例えば、平均粒子サイズは、約0.03~約2ミクロン、または約0.05~約1ミクロンであり得る。ゴム粒子は、約200nm未満など、約500nm未満の平均直径を有し得る。例えば、コアシェルゴム粒子は、約25~約200nmの範囲内の平均直径を有し得る。
【0095】
これらのコアシェルゴム粒子を使用すると、商業的に販売されているコアシェルゴム粒子で通常観察される実質的に均一な分散のために、組成物に、そしてしばしば予測可能な方法で(硬化に対する温度中性の観点から)強化を発生することが可能になる。
【0096】
そのようなシェルを持たないそれらのゴム粒子の場合、ゴム粒子はそのような構造のコアに基づいていてもよい。
【0097】
好ましくは、ゴム粒子は比較的小さいサイズである。例えば、平均粒子サイズは、約0.03~約2μ、または約0.05~約1μであり得る。本発明の特定の実施形態では、ゴム粒子は、約500nm未満の平均直径を有する。その他の実施形態では、平均粒子サイズは約200nm未満である。例えば、ゴム粒子は、約25~約200nmまたは約50~約150nmの範囲内の平均直径を有し得る。
【0098】
上記のように、ゴム粒子は、乾燥形態で使用することも、マトリックスに分散させることもできる。
【0099】
典型的には、組成物は、約5~約35重量パーセントのゴム粒子を含み得る。
【0100】
本発明では、異なるゴム粒子の組み合わせを有利に使用することができる。ゴム粒子は、例えば、粒子サイズ、それぞれの材料のガラス転移温度、材料が機能化されているかどうか、どの程度、どのように機能化されているか、およびそれらの表面が処理されているかどうか、およびどのように処理されているかが異なる場合がある。
【0101】
本発明での使用に適したゴム粒子は、商業的供給源から入手可能である。例えば、NEP R0401およびNEP R401S(両方ともアクリロニトリル/ブタジエンコポリマーに基づく)、NEP R0501(カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーに基づく、CAS No.9010-81-5)、NEP R0601A(ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンに基づく、CAS No.70131-67-8)およびNEP R0701およびNEP 0701S(ブタジエン/スチレン/2-ビニルピリジン共重合体に基づく、CAS No.25053-48-9)などの、Eliokem、Inc.によって供給されるゴム粒子を使用することができる。また、Dow Chemical Co.,Philadelphia,PA.からのPARALOID2314、PARALOID2300およびPARALOID2600のPARALOIDの商品名で入手可能なもの、ならびに、Ganz Chemical Co.Ltd.,Osaka,日本からのSTAPHYLOID AC-3832などのSTAPHYLOID商品名で入手可能なものがある。
【0102】
反応性ガスまたは他の試薬で処理されて、例えば、粒子表面に極性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボン酸基)を生成することによって粒子の外面を修飾されたゴム粒子もまた、本明細書の使用に適している。例示的な反応性ガスには、例えば、オゾン、Cl、F、O、SO、および酸化性ガスが含まれる。そのような試薬を使用してゴム粒子を表面修飾する方法は当技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,382,635号、第5,506,283号、第5,693,714号、第5,969,053号に記載され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。適切な表面修飾ゴム粒子は、Exousia Corporationによって商品名VISTAMERで販売されているゴムなどの商業的供給源からも入手可能である。
【0103】
ゴム粒子が最初に乾燥形態で提供される場合、接着剤組成物を硬化する前に、そのような粒子が接着剤組成物中に十分に分散されることを確実にすることが有利であり得る。すなわち、ゴム粒子の凝集体は、好ましくは、個別の個々のゴム粒子を提供するように分解され、これは、乾燥ゴム粒子を接着剤組成物の他の成分と密接かつ完全に混合することによって達成され得る。
【0104】
増粘剤も有用である。
【0105】
安定剤および阻害剤を使用して、過酸化物の早期分解を制御および重合を防止することもできる。阻害剤は、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナントロキノン、アントラキノン、およびそれらの置換化合物から選択することができる。2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールなどの様々なフェノールも阻害剤として使用することができる。阻害剤は、重合性接着剤組成物の硬化速度に悪影響を与えることなく、全組成物の約0.1重量%~約1.0重量%の量で使用することができる。
【0106】
第1パートまたは第2パートの少なくとも1つはまた、スルフィミド、スルホンアミド、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、ジカルボン酸、無水マレイン酸、マレイン酸二無水物、無水コハク酸、および無水フタル酸などの約12以下のpKaを有する有機酸を含み得る。
【0107】
実際には、パートAおよびパートBの組成物のそれぞれは、使用前にデバイス内の別個の封じ込め容器に収容され、使用時、2パートは、容器から現れ、混合されて基板表面に適用される。容器は、デュアルチャンバーカートリッジのチャンバーであり得、そこでは、別個のパートが、プランジャーを備えたチャンバーを通って、オリフィス(共通のものまたは隣接するものであり得る)を通り、次に混合ディスペンスノズルを通って進められる。または、容器は、同軸または並んだパウチであり得、これは、切断または引き裂かれ、その内容物が混合され、基板表面に適用され得る。
【0108】
本発明は、以下の実施例を検討することにより、より容易に理解されるであろう。
【実施例
【0109】
ECAへの言及は、エチル-2-シアノアクリレートを意味する。表1に関し、パートA組成物は、ECAに基づき、t-BPBと酸性成分としての三フッ化ホウ素/メタンスルホン酸/硫酸の組み合わせと共に、エチレン/酢酸ビニルコポリマーと混合した接着剤系を調製した。パートB組成物は、市販のペルオキシケタールとともに、アクリレートウレタンエステル、HPMA、および製造業者Sartomerによって報告されたエポキシアクリレートに基づいていた。各成分の具体的な量を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
表1に示した接着剤系を混合し、その間に配置した接着剤系で重ね合わせてオフセット方法で、接合した1対の基板に塗布し、室温で約24時間硬化させた。接着剤系は、基板間に接着剤結合を形成した。