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特許7583148裏側ビア露出処理のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】裏側ビア露出処理のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H01L21/304 622R
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023506120
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021043598
(87)【国際公開番号】W WO2022026640
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】16/944,285
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リアント, プラユディ
(72)【発明者】
【氏名】チー, シク ヒン
(72)【発明者】
【氏名】フン, シー-チャオ
(72)【発明者】
【氏名】カン, ピン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンルアン, リカルド フジー
(72)【発明者】
【氏名】メタ, ガウラフ
(72)【発明者】
【氏名】チダムバラム, ラメーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シー, グァン フアイ
(72)【発明者】
【氏名】スンダラジャン, アービン
(72)【発明者】
【氏名】ウメタラ, ウペンドラ ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】キュー, ウェイ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】アブドッラー, ムハンマド アドリ ダニシュ ビン
(72)【発明者】
【氏名】カットニー, マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー, マーク マクタガート
(72)【発明者】
【氏名】アタイデ, アムルヤ リゴーリオ
(72)【発明者】
【氏名】モリ, グレン ティー.
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0013085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の工程を含む裏側ビア露出プロセスを実施するための方法であって、
前記複数の工程は、
ビアが形成された基板を一時的にボンディングし、前記基板の裏側をバックグラインディングする工程と、
前記基板の前記裏側をエッチングして、前記ビアの周りに凹みを作成する工程と、
前記基板の前記裏側にパッシベーション層を堆積させる工程と、
化学機械研磨(CMP)プロセスを実施して、前記パッシベーション層の一部を除去し、前記基板の前記裏側に前記ビアを露出させる工程と
を含み、
前記方法は、
中央コントローラにより、前記裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールから、最小処理時間、最大処理時間、最小エッチング速度、最大エッチング速度、最小堆積速度、最大堆積速度、最小除去速度、最大除去速度、最小チャンバ圧力、最大チャンバ圧力、最小チャンバ温度、最大チャンバ温度、またはスラリタイプのうちの少なくとも1つを含む、プロセスツール動作パラメータを受信することと、
前記中央コントローラにより、前記裏側ビア露出プロセスに関係する前記プロセスツールのうちの少なくとも1つまたは複数からセンサ計測データを受信することと、
前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データに基づいて、前記化学機械研磨(CMP)プロセス中における裏側ビア破損を防止するように、前記裏側ビア露出プロセスの前記複数の工程のうちの少なくとも2つの工程を変更することと
を含む方法。
【請求項2】
前記裏側ビア露出プロセスに関係する前記プロセスツールが、CMPチャンバ、エッチングチャンバ、および化学気相堆積(CVD)チャンバを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データをデータベース内に記憶することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データに基づく機械学習モデルを使用することによって、前記少なくとも2つの工程の変更を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中央コントローラにより、基板が処理されるときに前記裏側ビア露出プロセスに関係する前記プロセスツールのうちの2つ以上の間でセンサ計測データを送信および受信して、後続の基板が前記プロセスツールのうちの前記2つ以上で処理される前に、前記プロセスツールのうちの前記2つ以上を自動的に調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記裏側ビア露出プロセスの前記複数の工程が、前記基板の前記裏側をバックグラインディングする前記工程の後、かつ前記ビアの周りに前記凹みを作成する前記工程の前に、前記基板の前記裏側に対して化学機械研磨(CMP)プロセスを実施する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ボンディングおよびバックグラインディングについての前記センサ計測データが、一時的ボンディングボイド、反りの量、合計厚さ変動(TTV)、および表面粗さデータを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記化学機械研磨(CMPプロセスについての前記センサ計測データが、合計厚さ変動(TTV)、埋め込まれたビアのプロファイル、表面粗さ、およびビア破損データを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
エッチングについての前記センサ計測データが、凹み深さおよびビア高さ、ビア破損、ならびに表面粗さデータを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
堆積についての前記センサ計測データが、ビアネイル高さ分布および厚さ均一性、層剥離、ならびにシームデータを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
実行されると複数の工程を含む裏側ビア露出プロセスを実施するための方法を実施させる命令を記憶した、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記複数の工程は、
ビアが形成された基板を一時的にボンディングし、前記基板の裏側をバックグラインディングする工程と、
前記基板の前記裏側をエッチングして、前記ビアの周りに凹みを作成する工程と、
前記基板の前記裏側にパッシベーション層を堆積させる工程と、
化学機械研磨(CMP)プロセスを実施して、前記パッシベーション層の一部を除去し、前記基板の前記裏側に前記ビアを露出させる工程と
を含み、
前記方法
中央コントローラにより、前記裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールから、最小処理時間、最大処理時間、最小エッチング速度、最大エッチング速度、最小堆積速度、最大堆積速度、最小除去速度、最大除去速度、最小チャンバ圧力、最大チャンバ圧力、最小チャンバ温度、最大チャンバ温度、またはスラリタイプのうちの少なくとも1つを含む、プロセスツール動作パラメータを受信することと、
前記中央コントローラにより、前記裏側ビア露出プロセスに関係する前記プロセスツールのうちの少なくとも1つまたは複数からセンサ計測データを受信することと、
前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データに基づいて、前記化学機械研磨(CMP)プロセス中における裏側ビア破損を防止するように、前記裏側ビア露出プロセスの前記複数の工程のうちの少なくとも2つの工程を変更することと
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記方法が、前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データをデータベース内に記憶することをさらに含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記方法が、前記中央コントローラにより、前記プロセスツール動作パラメータおよび前記センサ計測データに基づく機械学習モデルを使用することによって、前記少なくとも2つの工程の変更を決定することを含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記方法が、前記中央コントローラにより、基板が処理されるときに前記裏側ビア露出プロセスに関係する前記プロセスツールのうちの2つ以上の間でセンサ計測データを送信および受信して、後続の基板が前記プロセスツールのうちの前記2つ以上で処理される前に、前記プロセスツールのうちの前記2つ以上を自動的に調節することをさらに含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記裏側ビア露出プロセスの前記複数の工程が、前記基板の前記裏側をバックグラインディングする前記工程の後、かつ前記ビアの周りに前記凹みを作成する前記工程の前に、前記基板の前記裏側に対して化学機械研磨(CMP)プロセスを実施する工程をさらに含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ボンディングおよびバックグラインディングについての前記センサ計測データが、一時的ボンディングボイド、反りの量、合計厚さ変動(TTV)、および表面粗さデータを含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記化学機械研磨(CMP)プロセスについての前記センサ計測データが、合計厚さ変動(TTV)、埋め込まれたビアのプロファイル、表面粗さ、およびビア破損データを含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
エッチングについての前記センサ計測データが、凹み深さおよびビア高さ、ビア破損、ならびに表面粗さデータを含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
堆積についての前記センサ計測データが、ビアネイル高さ分布および厚さ均一性、層剥離、ならびにシームデータを含む、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本原理の実施形態は、一般には半導体基板の半導体処理に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の形成中に、3Dパッケージングなどのマルチパッケージングが使用され得る。そのようなケースでは、パッケージングされる回路の異なるレベルで見出される集積回路を接続するために、垂直接続またはビアが使用され得る。ビアは本質的に、基板を貫通する垂直な導体である。基板の裏側からビアにアクセスしてさらに接続を行うために、化学機械研磨すなわちCMPプロセスが使用されてビアの表面が露出し得る。裏側ビア露出(BVR)プロセスは、ビアが裏側表面の上に延びるようにビアを曝露し、または露出させるための、裏側の研削、研磨、およびエッチングを含み得る。次いで、誘電体フィルムがビアの上に堆積され得、堆積後に裏側表面上のビアの接続表面を曝露するために別のCMPプロセスが使用され得る。最終CMPプロセスの間に、ビアが屈曲し、または折れて取れ、ビアおよび裏側表面に損傷を引き起こし得ることに本発明者らは気付いた。
【0003】
したがって、裏側ビア露出プロセスの制御を高めるための改良型の方法および装置を本発明者らは提供した。
【発明の概要】
【0004】
裏側ビア露出プロセスの制御を高めるための方法および装置が本明細書で提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、裏側ビア露出プロセスを実施するための方法が、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールからプロセスツール動作パラメータを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの少なくとも1つまたは複数から計測センサデータを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの2つ以上のプロファイルパラメータを調節することによって、プロセスツール動作パラメータおよび計測センサデータに少なくとも部分的に基づいて裏側露出プロセスを変更することであって、プロファイルパラメータが、化学機械研磨(CMP)プロセス中に裏側ビア破損を防止するように構成される、こととを含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法はまた、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールが、CMPチャンバ、エッチングチャンバ、および化学気相堆積(CVD)チャンバを含み、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータおよび計測センサデータをデータベース内に記憶することと、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータおよび計測センサデータに少なくとも部分的に基づく機械学習モデルを使用することによって、プロセスツールのうちの2つ以上についての調節を決定することと、中央コントローラにより、基板が処理されるときに裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの2つ以上の間で計測センサデータを送信および受信して、後続の基板がプロセスツールのうちの2つ以上で処理される前に、プロセスツールのうちの2つ以上を自動的に調節することであって、裏側ビア露出プロセスが基板を一時的にボンディングし、基板の裏側をバックグラインディングすることを含む、ことと、基板の裏側に対して第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実施することと、基板の裏側をエッチングして、ビアの周りに凹みを作成することと、基板の裏側にパッシベーション層を堆積させることと、第2のCMPプロセスを実施して、基板の裏側にビアを露出させることとを含み得、ボンディングおよびバックグラインディングについてのセンサ計測データが、一時的ボンディングボイド、反りの量、合計厚さ変動(TTV)、および表面粗さデータを含み、CMPプロセスについてのセンサ計測データが、合計厚さ変動(TTV)、埋め込まれたビアのプロファイル、表面粗さ、およびビア破損データを含み、エッチングについてのセンサ計測データが、凹み深さおよびビア高さ、ビア破損、ならびに表面粗さデータを含み、かつ/または堆積についてのセンサ計測データが、ビアネイル高さ分布および厚さ均一性、層剥離、ならびにシームデータを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、裏側ビア露出プロセスを実施するための方法が、中央コントローラによって、裏側ビア露出プロセスについての基板の初期プロファイルおよび基板の完成後プロファイルを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールからプロセスツール動作パラメータを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの少なくとも1つからセンサ計測データを受信することと、中央コントローラにより、初期プロファイル、完成後プロファイル、プロセスツール動作パラメータ、およびセンサ計測データに基づいて、2つ以上の個々のプロセスツールレシピを決定することであって、個々のプロセスツールレシピが、初期プロファイルを分散的に変更して、完成後プロファイルを生成するように構成される、ことと、中央コントローラにより、裏側露出プロセスに関係する関連プロセスツールに、2つ以上の個々のプロセスツールレシピを送信し、結果として基板に対するプロファイル変更が行われることとを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法はまた、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータおよび計測センサデータをデータベース内に記憶することと、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータに少なくとも部分的に基づく機械学習モデルを使用することによって、個々のプロセスツールレシピを決定することと、中央コントローラにより、基板が処理されるときに裏側露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの2つ以上の間で計測センサデータを送信および受信して、後続の基板がプロセスツールのうちの2つ以上で処理される前に、変更をもたらすことによって個々のプロセスツールレシピを自動的に調節することであって、かつ/または裏側露出プロセスが基板を一時的にボンディングし、基板の裏側をバックグラインディングすることを含む、ことと、基板の裏側に対して第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実施することと、基板の裏側をエッチングして、ビアの周りに凹みを作成することと、基板の裏側にパッシベーション層を堆積させることと、第2のCMPプロセスを実施して、基板の裏側にビアを露出させることとを含み得、かつ/またはボンディングおよびバックグラインディングについてのセンサ計測データが、一時的ボンディングボイド、反りの量、合計厚さ変動(TTV)、および表面粗さデータを含み、CMPプロセスについてのセンサ計測データが、合計厚さ変動(TTV)、埋め込まれたビアのプロファイル、表面粗さ、およびビア破損データを含み、エッチングについてのセンサ計測データが、凹み深さおよびビア高さ、ビア破損、ならびに表面粗さデータを含み、堆積についてのセンサ計測データが、ビアネイル高さ分布および厚さ均一性、層剥離、ならびにシームデータを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、実行されると裏側露出プロセスを実施するための方法を実施させる命令を記憶した、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、方法が、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールからプロセスツール動作パラメータを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの少なくとも1つまたは複数からセンサ計測データを受信することと、中央コントローラにより、裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの2つ以上のプロファイルパラメータを調節することによって、プロセスツール動作パラメータおよびセンサ計測データに少なくとも部分的に基づいて裏側露出プロセスを変更することであって、プロファイルパラメータが、化学機械研磨(CMP)プロセス中に裏側ビア破損を防止するように構成される、こととを含み得る、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0010】
いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータおよびセンサ計測データをデータベース内に記憶することと、中央コントローラにより、プロセスツール動作パラメータおよびセンサ計測データに基づく機械学習モデルを使用することによって、プロセスツールのうちの2つ以上についての調節を決定すること、もしくは中央コントローラにより、基板が処理されるときに裏側ビア露出プロセスに関係するプロセスツールのうちの2つ以上の間でセンサ計測データを送信および受信して、後続の基板がプロセスツールのうちの2つ以上で処理される前に、プロセスツールのうちの2つ以上を自動的に調節することと、基板を一時的にボンディングし、基板の裏側をバックグラインディングすることと、基板の裏側をエッチングして、ビアの周りに凹みを作成することと、基板の裏側にパッシベーション層を堆積させることと、CMPプロセスを実施して、基板の裏側にビアを露出させることとをさらに含む方法を含み得、かつ/またはボンディングおよびバックグラインディングについてのセンサ計測データが、一時的ボンディングボイド、反りの量、合計厚さ変動(TTV)、および表面粗さデータを含み、CMPプロセスについてのセンサ計測データが、合計厚さ変動(TTV)、埋め込まれたビアのプロファイル、表面粗さ、およびビア破損データを含み、エッチングについてのセンサ計測データが、凹み深さおよびビア高さ、ビア破損、ならびに表面粗さデータを含み、堆積についてのセンサ計測データが、ビアネイル高さ分布および厚さ均一性、層剥離、ならびにシームデータを含む。
【0011】
他の実施形態およびさらなる実施形態が以下で開示される。
【0012】
添付の図面に示される原理の例示的実施形態を参照することにより、上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に論じられる本原理の実施形態を理解することができる。しかしながら、添付の図面は原理の典型的な実施形態のみを例示し、したがって範囲の限定と見なされるべきではない。原理は他の等しく有効な実施形態を認め得るからである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本原理のいくつかの実施形態による、裏側ビア露出プロセスを実施する方法を示す図である。
図2】本原理のいくつかの実施形態による、裏側ビア露出プロセス中の基板の断面図である。
図3】本原理のいくつかの実施形態による、第2の化学機械プロセスの後の基板の断面図である。
図4】本原理のいくつかの実施形態による、裏側ビア露出プロセスを実施して、BVRプロセスの制御を高める方法を示す図である。
図5】本原理のいくつかの実施形態による、BVRプロセスフローを統合するためのフレームワークの断面図である。
図6】本原理のいくつかの実施形態による、裏側ビア露出プロセスを実施するためのフレームワークの断面図である。
図7】本原理のいくつかの実施形態による、完成後プロファイルに適合する裏側ビア露出プロセスを実施する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
理解を容易にするために、可能な場合には、各図に共通の同一の要素を指定するために同一の参照番号が使用されている。図は原寸に比例せず、明快さのために簡略化されることがある。有利には、一実施形態の要素および特徴が、さらに詳しく説明することなく、他の実施形態に組み込まれ得る。
【0015】
方法および装置は、裏側ビア露出(BVR)プロセスの最終化学機械研磨(CMP)手順の間に生じ得るビア屈曲または破壊に対する解決策を提供する。多くの場合、BVRプロセスは、基板プロファイルを補正するためにもっぱら最終CMPに依拠し、抜本的な補正は必然的にビア損傷につながる。BVRプロセスは、プロセス中のいくつかの手順の間の複雑な相互作用であり、プロセスは、たとえば、ボンディングプロセス、バックグラインディングプロセス、エッチングプロセス、堆積プロセス、および2つ以上の研磨プロセスを含み得る。BVRプロセスを統合し、BVRプロセスフローにわたって基板プロファイル変更を分散させることにより、ビア屈曲または破壊が防止され得る。
【0016】
入来する基板のプロファイル、ならびにBVRプロセスフローに沿った、およびBVRプロセスが完了した後の、基板のプロファイルに対する変更を決定するために、計測データが活用され得る。計測データを受信するためのセンサが、BVRプロセスで使用されるプロセスツール、および/または統合プロセスツールプラットフォームのファクトリインターフェースもしくはロードロックなどに配置され得る。計測データは、中央コントローラによって取得され、リアルタイムでBVRプロセスの各プロセスツールでプロファイル設定を調節するために使用され、かつ/またはさらなる処理のためにデータベース内に記憶され得る。いくつかの実施形態では、BVRプロセスで使用されるプロセスツールについてのプロファイルおよび/または動作変更を決定するために、機械学習に基づくモデルが使用され得る。本原理のフレームワークは、BVRプロセスだけに限定されず、限定はしないが、ビアミドル(via middle)、ビアラスト(via last)、再配線層(RDL)、銅ピラー、および/またはダマシンプロセスフローなどの他のプロセスフロー内にも組み込まれ得る。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態による、BVRプロセスを実施する方法100である。いくつかの実施形態では、ブロック104は任意選択のプロセスである。図2は、いくつかの実施形態による、BVRプロセス中の基板の断面図を示し、図1の方法100と共に論じられる。ブロック102では、基板218が、接着層204を介してキャリア202に一時的にボンディングされ、図200Aおよび200Bに示されるようにバックグラインディングプロセスを受ける。基板218には、バリア/ライナ層206がビア210と基板218のバルク材料208との間に置かれたビア210が、あらかじめ形成されていてもよい。キャリア202は、処理中に基板218に剛性を与え、処理の後の段階で除去される。基板218の裏側表面216Aは不均一であり得、基板218の裏側表面216Aを裏側表面216Bに均一化するためにバックグラインディング手順を必要とし得る。バックグラインディングはまた、基板218の何らかの反りを低減または解消し得る。いくつかのケースでは、キャリア202は基板218に対して適切にセンタリングされないことがあり、かつ/またはバックグラインディングプロセスが、裏側表面216Bのゴージ(gouge)または他の欠陥を適切に除去していないことがあり、基板218がBVRプロセスフローを通じて進むときに他の問題が生じる。いくつかのケースでは、高レベルの反りがバックグラインディングプロセス中に完全に除去されないことがあり、場合によっては、基板218上で低い中心プロファイルと高いエッジプロファイルが生じる。
【0018】
ブロック104では、任意選択の第1のCMPプロセスが、裏側表面216Bに対して実施される。任意選択の第1のCMPプロセスは、BVRプロセスフロー中の後続のプロセスがプロセスのそれぞれで所望のプロファイルを達成し得るように、基板218の裏側表面216Bを研磨する。任意選択の第1のCMPプロセスによる研磨の程度は、後続のエッチングプロセスの成功に直接的に影響を及ぼし得る。少なすぎる研磨およびエッチングプロセスでは、ビア210を露出させるのに十分な誘電体層が十分に除去されないことになる。多すぎる研磨およびエッチングプロセスでは、ビアの露出が多すぎて、後続のCMPプロセス中にビアが屈曲または破壊され得る。いくつかの実施形態では、ブロック104の任意選択の第1のCMPプロセスがスキップされ、基板がブロック102のバックグラインディングプロセスから直接的にブロック106のエッチングプロセスに進む。ブロック106では、基板218の裏側がエッチングされ、図200Cに示されるようにビア210の周りに凹みが作成される。バルク材料208の部分がエッチング除去されて、ビア210が露出する。バリア/ライナ層206は依然としてビア210を覆う。バルク材料208がエッチングされ、パッシベーション層212がビア210上に堆積することが可能となる。エッチング速度が遅すぎる場合、ビア210が曝露されず、パッシベーション層212がバルク材料208上に堆積し、ビア210を覆わない。エッチング速度が積極的すぎる場合、後続のパッシベーション層は、ビア210を完全に包含するのに十分な厚さではないことがあり、性能が不十分となり、後続のCMPプロセスでビア210の屈曲および破壊も生じる。
【0019】
ブロック108では、図200Dに示されるように、パッシベーション層212が基板218上に堆積する。いくつかの実施形態では、堆積プロセスはCVD処理チャンバなどで実施される。前述のように、パッシベーション層堆積プロセスの成功は、任意選択の第1のCMPプロセスやエッチングプロセスなどの前のプロセスの影響を受ける。ブロック110では、図200Eに示されるように、第2のCMPプロセスが実施され、ビア210の頂面214が露出し、または曝露される。ビア210の頂面214は、他の回路に対する後続の電気的接続のために、かつ/または基板218上の既存の回路に対する入力/出力として使用される。上記で論じたように、第2のCMPプロセスの成功は、BVRプロセスフロー中の前のプロセスに大きく依存する。
【0020】
図3は、いくつかの実施形態による、第2のCMPプロセスの後の基板の断面図300を示す。BVRプロセスフロー中の前のプロセスが、第2のCMPプロセスプロファイルが十分に補償することができない状況(バックグラインディングが反りを除去することができない、誤った任意選択の第1のCMPプロセスプロファイル、エッチングが深すぎる/浅すぎる、パッシベーション層が薄すぎるなど)を生み出すとき、ビア210の屈曲および/または破壊が生じ得る。図3の断面図300では、基板218の裏側のゴージ302が生じており、基板218が損なわれる。第2のCMPプロセスは、前のプロセスツールのそれぞれでの小さいプロセス公差を補償することができ得るが、第2のCMPプロセスが補償することのできない基板表面を生成するプロファイルを2つ以上のプロセスが有するときに生じ得る累積効果によって大きな相違が引き起こされ、第2のCMPプロセス中の基板の損傷につながることに本発明者らは気付いた。
【0021】
BVRプロセスフローにわたって統合された手法を使用することにより、第2のCMPプロセス中のビアの屈曲または破壊が解消され得、製造される基板の歩留まりが向上し、性能パラメータが改善されることを本発明者らは発見した。図4は、いくつかの実施形態による、BVRプロセスを実施して、BVRプロセスの制御を高める方法400である。図5は、いくつかの実施形態による、BVRプロセスフローを統合するためのフレームワーク500の断面図であり、方法400を論じる際に使用される。ブロック402では、中央コントローラ502が、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールからプロセスツール動作パラメータを受信する。プロセスツール動作パラメータは、限定はしないが、最小および/または最大処理時間、最小および/または最大エッチング速度、最小および/または最大堆積速度、最小および/または最大除去速度、最小および/または最大チャンバ圧力、最小および/または最大チャンバ温度、および/またはスラリタイプなどを含み得る。
【0022】
ブロック404では、いくつかの実施形態では、中央コントローラ502は、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールのうちの少なくとも1つまたは複数からセンサ計測データを受信する。いくつかの実施形態では、中央コントローラ502は、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールのうちの少なくとも2つ以上からセンサ計測データを受信する。異なるタイプの計測データの例が、以下でより詳細に論じられる。中央コントローラ502は、第1のプロセスツール504の第1のコントローラ508および第2のプロセスツール506の第2のコントローラ512と通信している。いくつかの実施形態では、第1のプロセスツール504は、計測データを第1のコントローラ508に通信する(522)第1の計測センサ510を有し得る。第1のコントローラ508は、利用可能な場合は、第1のプロセスツール動作パラメータおよび/または計測データを中央コントローラ502に通信する(526)。同様に、第2のプロセスツール506は、計測データを第2のコントローラ512に通信する(524)第2の計測センサ514を有し得る。第2のコントローラ512は、利用可能な場合は、第2のプロセスツール動作パラメータおよび/または計測データを中央コントローラ502に通信する(528)。上記で論じたように、いくつかの実施形態では、中央コントローラ502はまた、ファクトリインターフェースおよび/またはロードロックなどのプロセスツーリングに埋め込まれていない計測センサと通信状態にあり得る。ブロック406では、中央コントローラ502は、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールのうちの2つ以上のプロファイルパラメータを調節することによって、プロセスツール動作パラメータおよび/またはセンサ計測データに少なくとも部分的に基づいてBVRプロセスを変更し得る。プロファイルパラメータは、化学機械研磨(CMP)プロセス中に裏側ビア破損を防止するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、中央コントローラ502は、中央コントローラ502が計測データおよび/またはプロセスツール動作パラメータをその中に記憶し得るデータストア516と通信534状態にあり得る。いくつかの実施形態では、中央コントローラ502は、データストア516と通信(536)しているモデル518と通信(538)状態にあり得る。モデルは機械学習技法などに基づき得、履歴計測データ、リアルタイムデータ、および/またはプロセスツール動作パラメータなどを活用し得る。いくつかの実施形態では、中央コントローラ502はまた、他のプロセスツール520と通信(540、542)状態にあり得る。中央コントローラ502は、第1のプロセスツール504および第2のプロセスツール506のプロセスプロファイルがCMPプロセス中の破損を防止するためにどのように変更され得るかを決定するのを容易にするために、モデル518および/またはデータストア516内に記憶された履歴データを使用し得る。中央コントローラ502は、プロセスツールのプロセス出力のそれぞれに関連するプロセスツール動作パラメータおよび/または計測データを認識しているので、中央コントローラ502は、組み合わせたプロセスツールプロセスがCMPプロセスによって補償することのできない基板プロファイルを生成することになるかどうかに関して判定を行い得、基板がBVRプロセスフローを通じて進むときに、基板に対する損傷を防止する。判定の後、中央コントローラ502は、第1のプロセスツール504に対する任意のプロファイル調節を通信し(530)、かつ/または第2のプロセスツール506に対する任意のプロファイル調節を通信する(532)。プロファイル調節は、基板実行前に(たとえば、履歴計測データに基づいて、かつ/または初期プロファイルに基づいて-たとえば、ねじれていない、またはねじれの少ない基板についてのプロファイルとは異なる、プロファイル変更を必要とする重大な反りを有する基板など)、かつ/または基板実行後にリアルタイムで行われ得る。いくつかの実施形態では、中央コントローラ502は、たとえば、基板についての初期プロファイルおよび/または完成後プロファイルなどのプロファイルの入力を可能にするインターフェース556を有し得る。いくつかの実施形態では、インターフェース556は、基板プロファイルサブミットのためのユーザインターフェース、ならびに/あるいは基板プロファイルサブミットのために他のコンピューティングデバイスと共に使用するためのデジタルインターフェースおよび/またはアナログインターフェースなどであり得る。
【0024】
本明細書では、第1のコントローラ508および第2のコントローラ512は、プロセスツールの直接的および/または間接的制御を使用して、それぞれ第1のプロセスツール504および第2のプロセスツール506またはチャンバの動作を制御する。動作の際に、第1のコントローラ508および第2のコントローラ512は、性能を最適化するために、それぞれのプロセスツールおよびシステムからのデータ収集を可能にする。第1のコントローラ508および第2のコントローラ512は一般に、中央演算処理装置(CPU)550、メモリ552、およびサポート回路554をそれぞれ含む。CPU550は、工業環境で使用され得る任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであり得る。サポート回路554は、通常通りCPU550に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを備え得る。上記または以下で説明される方法などのソフトウェアルーチンがメモリ内に記憶され、CPU550によって実行されるとき、CPU550を専用コンピュータ(コントローラ508、512)に変換し得る。
【0025】
メモリ552は、CPU550によって実行されるとき、半導体プロセスおよび機器の動作を容易にするための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ552内の命令は、本原理の方法を実装するプログラムなどのプログラム製品の形態である。プログラムコードは、いくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに準拠し得る。一例として、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラムは、態様(本明細書で説明される方法を含む)の機能を定義する。例示的コンピュータ可読記憶媒体は、限定はしないが、情報が永続的に記憶される書込み不能記憶媒体(たとえば、CD-ROMドライブによって読取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意のタイプのソリッドステート不揮発性半導体メモリなどのコンピュータ内の読取り専用メモリデバイス)、および変更可能な情報が記憶される書込み可能記憶媒体(たとえば、ディスケットドライブ内のフロッピィディスク、またはハードディスクドライブ、または任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含む。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で説明される方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持するとき、本原理の態様である。
【0026】
本明細書では、中央コントローラ502は、プロセスツールの直接的制御を使用して、かつ/または代替として、プロセスツールに関連するコンピュータ(またはコントローラ)を制御することによって間接的にプロセスツールの動作を制御する。動作の際に、中央コントローラ502は、BVRプロセスフローの性能を最適化するために、それぞれのプロセスツールからのデータ収集を可能にする。中央コントローラ502は一般に、中央演算処理装置(CPU)544、メモリ546、およびサポート回路548を含む。CPU544は、工業環境で使用され得る任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであり得る。サポート回路548は、通常通りCPU544に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを備え得る。前述の方法などのソフトウェアルーチンがメモリ内に記憶され、CPU544によって実行されるとき、CPU544を専用コンピュータ(中央コントローラ502)に変換し得る。
【0027】
中央コントローラ502のメモリ546は、CPU544によって実行されるとき、半導体プロセスおよび機器の動作を容易にするための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ546内の命令は、本原理の方法を実装するプログラムなどのプログラム製品の形態である。プログラムコードは、いくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに準拠し得る。一例として、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラムは、態様(本明細書で説明される方法を含む)の機能を定義する。例示的コンピュータ可読記憶媒体は、限定はしないが、情報が永続的に記憶される書込み不能記憶媒体(たとえば、CD-ROMドライブによって読取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意のタイプのソリッドステート不揮発性半導体メモリなどのコンピュータ内の読取り専用メモリデバイス)、および変更可能な情報が記憶される書込み可能記憶媒体(たとえば、ディスケットドライブ内のフロッピィディスク、またはハードディスクドライブ、あるいは任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含む。そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で説明される方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持するとき、本原理の態様である。
【0028】
図6は、いくつかの実施形態による、BVRプロセスを実施するためのフレームワークの断面図600である。例示したフレームワークでは、中央コントローラ502は、後続のBVRプロセスに備えてキャリアに基板をボンディングし、基板をバックグラインディングするボンディングおよびバックグラインディングプロセスツール602と通信(610)している。いくつかの実施形態では、キャリアはガラス材料で形成される。中央コントローラ502は、たとえば、基板の一時的ボンディングボイド、反り、合計厚さ変動(TTV)、および/または表面粗さなどに関する計測データをボンディングおよびバックグラインディングプロセスツール602から受信し得る。中央コントローラ502は、一時的なボンディング品質保証およびゾーン基板CMP制御のために、ボンディングおよびバックグラインディングプロセスツール602からの計測データを組み込み得る。
【0029】
中央コントローラ502はまた、基板の裏側表面を平滑化するための初期研磨プロセスを実現し、基板の裏側表面にビアを露出させる最終研磨プロセスを実現するCMPプロセスツール604と通信(612)している。中央コントローラ502は、TTV、埋め込まれたビアのプロファイル、および/または表面粗さなどに関する初期研磨プロセスについての計測データをCMPプロセスツール604から受信し得る。いくつかの実施形態では、たとえば、CMPプロセスツール604は、基板全体にわたって厚さをマッピングし、TTV計測データなどを提供し得る近赤外線センサを組み込み得る。中央コントローラ502は、入来するSi貫通ビア(TSV)エッチング均一性および/または基板凹みエッチングなどについてのCMPプロセスツール604からの計測データを組み込み得る。中央コントローラ502はまた、中心-エッジTTV制御などについてBVRプロセスフローおよびプロセスツールプロファイルを調整するのを容易にするために、計測データを使用し得る。中央コントローラ502は、ビア屈曲および/または破損などに関する最終研磨プロセスについての計測データをCMPプロセスツール604から受信し得る。中央コントローラ502は、エッチングプロセスツール606による基板凹みエッチングおよび/またはCVDプロセスツール608によるパッシベーション層堆積などのために、CMPプロセスツール604からの計測データを組み込み得る。中央コントローラ502はまた、中心-エッジダウンフォース制御などについてBVRプロセスフローおよびプロセスツールプロファイルを調整するのを容易にするために、計測データを使用し得る。
【0030】
中央コントローラ502はまた、ビアの周りの基板をエッチングするためのエッチングプロセスツール606と通信(614)している。中央コントローラ502は、凹み深さ/ビア高さ、ビア屈曲、および/または破壊、ならびに/あるいは表面粗さなどに関する計測データをエッチングプロセスツール606から受信し得る。中央コントローラ502は、基板のパッシベーション層堆積および/または初期CMP研磨などのために、エッチングプロセスツール606からの計測データを組み込み得る。中央コントローラ502はまた、中心-エッジ堆積厚さ補償のためにMまたはW形状プラズマプロファイルについてBVRプロセスフローおよびプロセスツールプロファイルを調整するのを容易にするために、計測データを使用し得る。
【0031】
中央コントローラ502はまた、基板上にパッシベーション層を堆積させるためのCVDプロセスツール608と通信(616)している。中央コントローラ502は、TSVネイル高さ分布/厚さ均一性、層剥離、シームなどに関する計測データをCVDプロセスツール608から受信し得る。中央コントローラ502は、基板の最終CMP研磨および/または基板凹みエッチングなどのために、CVDプロセスツール608からの計測データを組み込み得る。中央コントローラ502はまた、フィルム厚さ制御についてBVRプロセスフローおよびプロセスツールプロファイルを調整するのを容易にするために、計測データを使用し得る。
【0032】
計測データ、プロセスツールレシピ、および/または他のプロセスツール動作パラメータにアクセスできることにより、中央コントローラ502は、基板に対するすべての必要な補正についてフローの終わりに補償するために、たとえばCMPツールなどの単一のプロセスツールを必要とすることなく、BVRプロセスフローにわたって基板の処理を分散させることができる。中央コントローラ502はまた、プロセスツールの所与のプロファイルについてのレシピ調整を容易にするために、プロセスツールのうちの2つ以上の間で計測データおよびプロファイル情報を使用し、かつ/または分散させことができる。中央コントローラ502はまた、計測データを使用して、それぞれの処理される基板の前、間、および/または後に、BVRプロセスフローを較正し、BVRプロセスフローを微調整し得る。たとえば、任意選択の第1のCMPプロセスで使用されるスラリ混合物が、過度に積極的であり、予想されるよりも多くの材料を基板から除去させることが判明し得る。中央コントローラ502は、CMPプロセスツールから計測データを受信し、2つ以上の後続のプロセスツールにわたって分散する補正プロファイル調整を決定し、2つ以上の後続のプロセスツールに分散的変更をリアルタイムで通信し得、任意選択の第1のCMPプロセス中の予期しない結果を調節する。別の例では、エッチングプロセスが過度に積極的であることが判明し得る。中央コントローラ502は、エッチングプロセスツールから各深さ/ビア高さ計測データを受信し、変更を修正後プロファイル調整に組み込み得、修正後プロファイル調整は、たとえば、堆積プロセスに増大した堆積速度として分散し、第2のCMPプロセスに減少した研磨速度として分散し、以下同様である。同様に、中央コントローラ502は、より高いエッジ厚さを有する基板について、(たとえば、エッチングプロセスツールによる)より高いエッジエッチング速度、および/または(たとえば、CVD堆積プロセスツールによる)より高い中心堆積速度を伴う調節を行い得る。
【0033】
本原理の統合された手法が、初期基板プロファイルおよび最終基板プロファイルに基づいて個々のプロセスツールレシピまたは基板プロファイルを決定することを可能にすることも本発明者らは発見した。本明細書では、「プロファイル」または「基板プロファイル」とは基板の物理パラメータを指し、「レシピ」または「プロセスツールレシピ」とは、プロセスツールが基板のプロファイルを変更することを可能にするツール動作パラメータ設定を指す。BVRプロセスフロー中のそれぞれの個々のプロセスツールは、入来する基板の入来プロファイルまたは物理パラメータと、出来する基板の出来プロファイルまたは物理パラメータとを利用し得る。入来プロファイルまたは出来プロファイルが変化したとき、プロファイル変更を補償するようにプロセスツールレシピが変更される。BVRプロセスフロー中のプロセスツールのうちの1つが、予期せずに出来基板プロファイルを変更する(誤ったレシピ、または場合によっては入来基板プロファイルが範囲外であり、または予期されるものではない(たとえば、ねじれた基板など))場合、そのプロセスツールからの変更後基板プロファイルは、基板がBVRプロセスフローを進むにつれて累積効果を有することになる。
【0034】
図7は、いくつかの実施形態による、初期基板プロファイルを完成後基板プロファイルに適合させるBVRプロセスを実施する方法700である。ブロック702では、中央コントローラが、BVRプロセスについての基板の初期プロファイルおよび基板の完成後プロファイルを受信する。初期プロファイルは、基板の実際の計測測定値からのもの、および/または(誤差の何らかのマージンなどを伴う)予期されるプロファイルからのものであり得る。ブロック704では、中央コントローラは、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールからプロセスツール動作パラメータを受信する。前述のように、プロセスツール動作パラメータは、限定はしないが、最小および/または最大処理時間、最小および/または最大エッチング速度、最小および/または最大堆積速度、最小および/または最大除去速度、最小および/または最大チャンバ圧力、最小および/または最大チャンバ温度、および/またはスラリタイプなどを含み得る。
【0035】
ブロック706では、中央コントローラは、BVRプロセスフローに関係するプロセスツールのうちの少なくとも1つからセンサ計測データを受信する。センサ計測データは、前の基板実行からの履歴計測データを含み得る。ブロック708では、中央コントローラは、初期プロファイル、完成後プロファイル、プロセスツール動作パラメータ、およびセンサ計測データに基づいて、2つ以上の個々のプロセスツールレシピを決定し、個々のプロセスツールレシピは、基板を分散的に変更して、完成後プロファイルを生成するように構成される。基板の初期プロファイルが不正確である(実際の計測データに基づかない)場合であっても、BVRプロセスフローは、プロセスツールから計測センサによって検出された違いを補償するように調節可能である。次いで、計測データは、プロセスツールによって使用されるレシピを更新するのを容易するために使用され得、結果として予期しない初期プロファイル計測を補償する助けとなるプロファイル変更が得られる。いくつかの実施形態では、個々のツールレシピおよびプロファイルを決定するのを援助するために、機械学習に基づくモデルが使用され得る。ブロック710では、中央コントローラは、BVRプロセスフローに関係する関連プロセスツールに2つ以上の個々のプロセスツールレシピを送信し、結果として基板に対するプロファイル変更が処理される。
【0036】
本原理による実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。実施形態はまた、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を使用して記憶された命令として実装され得、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって読み取られ、実行され得る。コンピュータ可読媒体は、マシン(たとえば、コンピューティングプラットフォーム、または1つまたは複数のコンピューティングプラットフォーム上で実行中の「仮想マシン」)によって読取り可能な形態で情報を記憶または送信するための任意の機構を含み得る。たとえば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切な形態の揮発性または不揮発性メモリを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0037】
上記は本原理の実施形態を対象とするが、本原理の基本的範囲から逸脱することなく、本原理の他の実施形態およびさらなる実施形態が考案され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7