IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図1
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図2
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図3
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図4
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図5
  • 特許-無線通信装置及び無線通信方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】無線通信装置及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0452 20170101AFI20241107BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241107BHJP
【FI】
H04B7/0452 100
H04W16/28 130
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022579168
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2021003665
(87)【国際公開番号】W WO2022168143
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 拓人
(72)【発明者】
【氏名】内田 大誠
(72)【発明者】
【氏名】岩國 辰彦
(72)【発明者】
【氏名】和井 秀樹
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/040001(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/066143(WO,A1)
【文献】特開2018-011249(JP,A)
【文献】特表2019-513317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02-7/12
H04L 1/02-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のユーザ端末を選択する端末選択部と、
選択された前記1以上のユーザ端末について、複数のアンテナから送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する予測部と、
前記干渉量の予測値が閾値未満である場合、前記ストリーム群に含まれるストリームのビームの受信電力値を、選択された前記1以上のユーザ端末から収集する収集部と、
前記受信電力値が大きい順に複数の前記ストリームを選択し、選択された複数の前記ストリームに対応付けられた複数の前記アンテナを選択するアンテナ選択部と、
選択された複数の前記ストリームを、選択された複数の前記アンテナを用いてビームフォーミングによって送信する送信部と
を備え
前記端末選択部は、ユーザ端末同士の間において前記ストリーム同士の干渉量が低減するように、所定距離以上に互いに離れている前記ユーザ端末同士を選択する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記予測部は、複数の前記アンテナと送信される複数の前記ストリームとの組み合わせに基づいて、前記ストリーム同士の干渉量の予測値を導出する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記予測部は、複数の前記アンテナの位置関係と前記アンテナごとのアンテナ素子の個数に応じたビーム幅とに基づいて、前記ストリーム同士の干渉量の予測値を導出する、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記端末選択部は、ランク指標と所定のスケジューリング処理とに基づいて、前記1以上のユーザ端末を選択する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記端末選択部は、比例公平性と所定のスケジューリング処理とに基づいて、前記1以上のユーザ端末を選択する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記端末選択部は、前記アンテナから送信された前記ストリームの受信電力が高いユーザ端末から順に、前記1以上のユーザ端末を選択する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記端末選択部は、前記アンテナから送信された前記ストリームのビームの受信電力値が類似する前記1以上のユーザ端末を選択する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項8】
無線通信装置が実行する無線通信方法であって、
1以上のユーザ端末を選択する端末選択ステップと、
選択された前記1以上のユーザ端末について、複数のアンテナから送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する予測ステップと、
前記干渉量の予測値が閾値未満である場合、前記ストリーム群に含まれるストリームのビームの受信電力値を、選択された前記1以上のユーザ端末から収集する収集ステップと、
前記受信電力値が大きい順に複数の前記ストリームを選択し、選択された複数の前記ストリームに対応付けられた複数の前記アンテナを選択するアンテナ選択ステップと、
選択された複数の前記ストリームを、選択された複数の前記アンテナを用いてビームフォーミングによって送信する送信ステップと
を含み、
前記端末選択ステップは、ユーザ端末同士の間において前記ストリーム同士の干渉量が低減するように、所定距離以上に互いに離れている前記ユーザ端末同士を選択することを含む、
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)では、高周波数帯(ミリ波帯)の電波が通信に使用されている。将来の無線システム(例えば、第6世代移動通信システム)では、通信容量が向上するように、より広い帯域幅を確保可能な更に高い周波数帯の電波の使用が想定されている。
【0003】
一般に、高周波数帯の電波の伝搬損失は大きい。また、高周波数帯の電波の直進性は高い。そこで、通信エリアをカバーするために、分散配置された複数のアンテナを用いて通信する無線通信システム(分散アンテナシステム)が検討されている(非特許文献1参照)。
【0004】
分散アンテナシステムは、分散配置された複数のアンテナを用いて、シングルユーザMIMO(Single User - Multi-Input Multi-Output : SU-MIMO)とマルチユーザMIMO(Multi User - Multi-Input Multi-Output : MU-MIMO)とを実行する。これらによって、分散アンテナシステムは、通信容量を向上させることが可能である。
【0005】
特許文献1では、マルチユーザMIMOを用いる基地局(無線通信装置)と複数の移動局(ユーザ端末)とを備える無線通信システムにおいて、基地局と各移動局との間の各チャネル推定値に基づいて、各移動局に送信されるストリームの本数及びパラメータを決定する基地局が提案されている。特許文献1では、基地局は、各チャネル推定値に対してGreedy法等を適用することによって、アンテナから移動局に送信されるストリームの本数を移動局ごとに割り当てる。これによって、通信容量を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-163497号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】株式会社NTTドコモ, “ドコモ6Gホワイトペーパー2.0版”, 2020年7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高周波数帯の電波を通信に使用する無線通信システムでは、処理遅延の抑制とデバイス制御の簡易化との観点から、処理負荷の増大を抑制することが求められている。しかしながら、分散配置された全てのアンテナと各ユーザ端末との間の複数のチャネル推定値を基地局が収集することは、処理負荷の増大を抑制する観点から望ましくない。また、これら複数のチャネル推定値に基づいてユーザ端末に割り当てるストリームを制御することは、処理負荷の増大を抑制する観点から望ましくない。これらのように、処理負荷が増大した場合には、通信容量を向上させることができない場合がある。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量を向上させることが可能である無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、1以上のユーザ端末を選択する端末選択部と、選択された前記1以上のユーザ端末について、複数のアンテナから送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する予測部と、前記干渉量の予測値が閾値未満である場合、前記ストリーム群に含まれるストリームのビームの受信電力値を、選択された前記1以上のユーザ端末から収集する収集部と、前記受信電力値が大きい順に複数の前記ストリームを選択し、選択された複数の前記ストリームに対応付けられた複数の前記アンテナを選択するアンテナ選択部と、選択された複数の前記ストリームを、選択された複数の前記アンテナを用いてビームフォーミングによって送信する送信部とを備える無線通信装置である。
【0011】
本発明の一態様は、無線通信装置が実行する無線通信方法であって、1以上のユーザ端末を選択する端末選択ステップと、選択された前記1以上のユーザ端末について、複数のアンテナから送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する予測ステップと、前記干渉量の予測値が閾値未満である場合、前記ストリーム群に含まれるストリームのビームの受信電力値を、選択された前記1以上のユーザ端末から収集する収集ステップと、前記受信電力値が大きい順に複数の前記ストリームを選択し、選択された複数の前記ストリームに対応付けられた複数の前記アンテナを選択するアンテナ選択ステップと、選択された複数の前記ストリームを、選択された複数の前記アンテナを用いてビームフォーミングによって送信する送信ステップとを含む無線通信方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における、無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態における、空間多重されるストリーム群へのストリームの追加例を示す図である。
図3】実施形態における、無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
図4】実施形態における、無線通信システムの動作例を示すフローチャートである。
図5】実施形態の変形例における、無線通信システムの動作例を示すフローチャートである。
図6】実施形態における、無線通信装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(概要)
実施形態の無線通信システムは、分散配置された全てのアンテナのうちの少なくとも一部のアンテナを用いてストリーム(データ系列)を無線通信するシステム(分散アンテナシステム)である。無線通信システムでは、アンテナごとに1本のストリームが、そのアンテナごとに1本のビームを用いて、ユーザ端末に送信される。したがって、複数のストリーム(ストリーム群)がユーザ端末に割り当てられた場合には、そのユーザ端末に向けて、割り当てられた複数のストリーム(ビーム)が複数のアンテナから送信される。
【0015】
ここで、無線通信システムの基地局は、分散配置された全てのアンテナのうちから、割り当てられた複数のストリームを送信する複数のアンテナを選択する。基地局は、選択された複数のアンテナから送信されるストリーム同士の干渉量の予測値を、選択された複数のアンテナの組み合わせに基づく所定の統計手法を用いて導出する。また、基地局は、導出された予測値が所定の閾値未満であるか否かを、ストリームの送信前に判定する。
【0016】
ストリーム同士の干渉量の予測値が所定の閾値未満であると判定された場合、基地局は、各ユーザ端末がストリームのビームの受信電力値を測定できるように、分散配置されたアンテナごとにビームサーチを実行する。ここで、基地局は、通信エリアにおける各ユーザ端末に、各アンテナを用いて、電力測定用信号のビームを送信する。各ユーザ端末は、アンテナごとに送信された電力測定用信号のビームの最大受信電力値を、基地局にフィードバックする。基地局は、送信された電力測定用信号のビームの最大受信電力値を、通信エリアにおける各ユーザ端末から収集する。すなわち、基地局は、電力測定用信号のビームを送信したアンテナごとの最大受信電力値を、通信エリアにおける各ユーザ端末から収集する。アンテナから送信された電力測定用信号のビームの受信電力値は、その同じアンテナから送信されたストリームのビームの受信電力値に相当する。なお、受信電力値は、チャネル推定値よりも簡易な指標(処理負荷が高くない指標)である。
【0017】
基地局は、上位装置から送信された割り当て要求に応じて、ダウンリンクについて、基地局が同時送信可能なストリームの本数の範囲で、選択された1以上のユーザ端末に1以上のストリームを割り当てる。ここで、基地局は、収集された受信電力値に基づいて、選択された1以上のユーザ端末にストリームの本数を割り当てる。なお、基地局は、アップリンクについて、収集された受信電力値に基づいて、選択された1以上のユーザ端末にストリームの本数を割り当ててもよい。
【0018】
基地局は、ストリームの信号対雑音比(signal-to-noise ratio)が高くなるアンテナを優先して、分散配置された全てのアンテナのうちから複数のアンテナを選択する。ここで、分散配置された全てのアンテナが選択されてもよいし、分散配置された全てのアンテナのうちの一部が選択されてもよい。
【0019】
基地局は、ストリーム同士の干渉量の予測値が所定の閾値未満であると判定された場合、選択された複数のアンテナから送信される高周波数帯の電波(無線信号)を用いて、選択された1以上のユーザ端末にストリーム群を送信する。ここで、無線通信システムがビームフォーミングを実行することによって、ストリーム同士の干渉量が低減される。これらによって、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量を向上させることが可能である。
【0020】
(実施形態)
図1は、無線通信システム1の構成例を示す図である。無線通信システム1は、分散配置された全てのアンテナのうちの少なくとも一部のアンテナを用いてストリームを無線通信するシステム(分散アンテナシステム)である。無線通信システム1は、上位装置2と、基地局3と、複数のアンテナ4と、1以上のユーザ端末5とを備える。
【0021】
複数のアンテナ4(超分散アンテナ)は、基地局3から張り出して、通信エリアに分散配置される。基地局3と各アンテナ4との間は、例えば光ファイバ又は同軸ケーブルを用いて接続される。基地局3と各アンテナ4との間では、アナログRoF(Radio-over-Fiber)を用いて、光ファイバが光信号を伝送してもよい。図1では、無線通信システム1は、一例として16個のアンテナ4を備える。アンテナ4は、複数のアンテナ素子を備える。また、ユーザ端末5は、1以上のアンテナ素子を備える。
【0022】
上位装置2は、情報処理装置であり、例えばサーバ装置である。上位装置2は、アンテナ4から送信されるストリーム(データ系列)の候補を、基地局3に送信する。
【0023】
基地局3は、分散配置された各アンテナ4の動作を集中制御する。基地局3は、分散配置された全てのアンテナ4のうちから、複数のアンテナ4を選択する。基地局3は、選択された複数のアンテナ4を用いて、空間多重されたストリーム群8を1以上のユーザ端末5に送信する。ここで、基地局3は、アンテナ4に備えられた複数のアンテナ素子を用いて、ビームフォーミングを実行する。これによって、高周波数帯における利得が確保される。
【0024】
なお、基地局3とユーザ端末5との両方が、ビームフォーミングを実行してもよい。また、上位装置2は、上り送信によって、複数のストリームを基地局3から取得してもよい。
【0025】
基地局3は、シングルユーザMIMOとマルチユーザMIMOとのうちの少なくとも一方を実行する。複数のアンテナ4は、空間多重されたストリーム群8(複数のストリーム)を、複数のユーザ端末5に向けて同時送信する。このようにして、基地局3は、ダウンリンクについて、マルチユーザMIMOを実行する。同様に、複数のユーザ端末5は、空間多重されたストリーム群を、複数のアンテナ4に向けて同時送信してもよい。このようにして、基地局3は、アップリンクについて、マルチユーザMIMOを実行してもよい。
【0026】
複数のアンテナ4は、空間多重されたストリーム群9(複数のストリーム)を、単一のユーザ端末5に向けて同時送信する。図1では、アンテナ4-1は、ビーム6-1を用いて、ストリーム7-1をユーザ端末5-1に向けて送信する。アンテナ4-3は、ビーム6-3を用いて、ストリーム7-3をユーザ端末5-1に向けて送信する。このようにして、基地局3は、ダウンリンクについて、シングルユーザMIMOを実行する。同様に、単一のユーザ端末5は、空間多重されたストリーム群を、複数のアンテナ4に向けて同時送信してもよい。このようにして、基地局3は、アップリンクについて、シングルユーザMIMOを実行してもよい。
【0027】
ストリーム群8は、マルチユーザMIMOのストリーム群である。なお、マルチユーザMIMOにおいて同時に通信可能なストリーム7の本数の上限は、マルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値を表すパラメータに基づいて定められる。
【0028】
ストリーム群9は、シングルユーザMIMOのストリーム群である。なお、シングルユーザMIMOにおいて同時に通信可能なストリーム7の本数の上限は、シングルユーザMIMOのレイヤ数の最大値を表すパラメータに基づいて定められる。
【0029】
次に、基地局3の構成例について説明する。
基地局3は、端末選択部30と、予測部31と、収集部32と、アンテナ選択部33と、通信部34(送信部、受信部)とを備える。
【0030】
端末選択部30は、ダウンリンクのストリームの割り当て要求として、複数のストリームの識別子を上位装置2から取得する。端末選択部30は、取得された複数のストリームの識別子について、ユーザ端末5に割り当てられるストリームの候補を管理する。すなわち、端末選択部30は、ストリームの識別子に基づいて、通信エリアにおける複数のユーザ端末5のうちから、1以上のユーザ端末5を選択する。
【0031】
例えば、端末選択部30は、ランク指標(Rank Indicator : RI)等の所定指標と所定のスケジューリング処理とに基づいて、ユーザ端末5を選択する。例えば、端末選択部30は、比例公平性(Proportional fairness : PF)と所定のスケジューリング処理とに基づいて、ユーザ端末5を選択してもよい。
【0032】
例えば、端末選択部30は、アンテナ4から送信されたストリームの受信電力が高いユーザ端末5から順に、ユーザ端末5を選択してもよい。例えば、端末選択部30は、アンテナ4から送信されたストリームのビームの受信電力値が類似するユーザ端末5同士を選択してもよい。
【0033】
例えば、端末選択部30は、ユーザ端末5同士の間においてストリーム同士の干渉量が低減するように、ユーザ端末5同士の位置関係等に基づいて、複数のユーザ端末5を選択してもよい。例えば、端末選択部30は、ユーザ端末5同士の間においてストリーム同士の干渉量が低減するように、所定距離以上に互いに離れているユーザ端末5同士を選択してもよい。
【0034】
例えば、端末選択部30は、マルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値以上の個数のユーザ端末5を選択してもよい。例えば、端末選択部30は、マルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値未満の個数のユーザ端末5を選択してもよい。
【0035】
予測部31は、選択された1以上のユーザ端末5を表すデータ(例えば、端末の識別子)を、端末選択部30から取得する。予測部31は、選択された1以上のユーザ端末5について、複数のアンテナ4から送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する。例えば、予測部31は、選択された単一のユーザ端末5について、そのユーザ端末5のストリーム同士の干渉量の予測値を導出する。例えば、予測部31は、選択された複数のユーザ端末5について、それら複数のユーザ端末5のストリーム同士の干渉量の予測値を導出する。
【0036】
予測部31は、ストリーム群の干渉量の予測値が所定の閾値未満であるか否かを判定する。なお、ストリーム群の干渉量の予測値が所定の閾値以上であると判定された場合、端末選択部30は、ストリーム群の干渉量の予測値が所定の閾値未満であると判定されるまで、ユーザ端末5を選択する処理をやり直してもよい。
【0037】
予測部31は、複数のアンテナ4と送信される複数のストリーム(ビーム)との組み合わせに基づく所定の統計手法を用いて、ストリーム同士の干渉量の予測値を導出する。予測部31は、複数のアンテナ4の位置関係とアンテナ4ごとのアンテナ素子の個数に応じたビーム幅とに基づく所定の統計手法を用いて、ストリーム同士の干渉量の予測値を導出してもよい。
【0038】
なお、端末選択部30は、これらの導出された予測値に基づいて、ストリーム同士の干渉量が少なくなるようにユーザ端末5を選択してもよい。
【0039】
干渉量の予測値が所定閾値未満であると判定された場合、収集部32は、選択された各ユーザ端末5にストリームを送信する可能性のある各アンテナ4から送信された電力測定用信号のビームの受信電力値を、選択された各ユーザ端末5からのフィードバック等によって収集する。ストリームを送信する可能性のあるアンテナ4とは、取得されたストリームの識別子に予め対応付けられたアンテナ4である。なお、上述したように、アンテナ4から送信された電力測定用信号のビームの受信電力値は、その同じアンテナ4から送信されたストリームのビームの受信電力値に相当する。
【0040】
アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちから、ストリームのビームの受信電力値が大きい順に、複数のストリームを選択する。すなわち、アンテナ選択部33は、上位装置2から取得された複数のストリームの識別子により定まるストリームの候補のうちから、アンテナ4とストリーム7との対応付けに基づいて、最大の受信電力値を示すストリームを優先して選択する。
【0041】
アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7に対応付けられたアンテナ4を選択する。ここで、アンテナ選択部33は、アンテナ4(リソース)を重複して選択しないようにする。アンテナ選択部33は、アンテナ4が重複して選択された場合には、後から選択されたストリーム7を、空間多重されるストリーム群8に追加されるストリーム7の候補から除外する。
【0042】
アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム群8におけるストリーム7の本数がマルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値に達するまで、又は、ストリームの候補の残りが無くなるまで、ストリーム7を送信するアンテナ4を選択する。このようにして、アンテナ選択部33は、各ユーザ端末5へのストリーム7の割り当て(配分)を決定する。
【0043】
なお、空間多重されるストリーム群におけるストリームの本数がマルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値に達しておらず、かつ、ストリームの候補の残りが無くなった場合には、端末選択部30がユーザ端末5を追加で選択し、そのユーザ端末5宛のストリームの候補をアンテナ選択部33がストリーム群8に追加してもよい。
【0044】
通信部34(送信部、受信部)は、選択された複数のストリームの下り送信を、上位装置2に要求する。通信部34は、選択された複数のストリームを、上位装置2から取得する。通信部34は、選択された複数のストリームを、選択された複数のアンテナ4を用いて、ビームフォーミングによって送信する。
【0045】
次に、アンテナ選択部33の詳細について説明する。
図2は、空間多重されるストリーム群8へのストリーム7の追加例(ユーザ端末へのストリームの割り当て例)を示す図である。図2では、選択されたユーザ端末5は、一例として、ユーザ端末5-1と、ユーザ端末5-2と、ユーザ端末5-3とである。
【0046】
アンテナ選択部33は、各ユーザ端末5に向けてストリームを送信する可能性のあるアンテナ4の番号(アンテナ番号)を、検索処理によって、分散配置された全てのアンテナ4の番号のうちから抽出する。すなわち、アンテナ選択部33は、ストリームの候補に対応付けられたアンテナ4の番号を、分散配置された全てのアンテナ4の番号のうちから抽出する。
【0047】
図2に示されたデータテーブルでは、各アンテナ4から送信された電力測定用信号のビームを用いて予め実行されたビームサーチの結果に基づいて、受信電力値とアンテナ番号とが対応付けられている。また、ストリームの候補とアンテナ番号とが、例えば、ストリームの宛先となっているユーザ端末5とアンテナ4との間の位置関係に基づいて対応付けられている。これによって、アンテナ番号に基づいて、ストリームの候補と受信電力値とが対応付けられている。
【0048】
アンテナ選択部33は、ユーザ端末5-1について、一例として、ストリーム7-3に対応付けられたアンテナ4-3と、ストリーム7-7に対応付けられたアンテナ4-7と、ストリーム7-5に対応付けられたアンテナ4-5と、ストリーム7-1に対応付けられたアンテナ4-1とを、分散配置された複数のアンテナ4のうちから抽出する。
【0049】
アンテナ選択部33は、ユーザ端末5-2について、一例として、ストリーム7-6に対応付けられたアンテナ4-6と、ストリーム7-5に対応付けられたアンテナ4-5と、ストリーム7-7に対応付けられたアンテナ4-7と、ストリーム7-4に対応付けられたアンテナ4-4とを、分散配置された複数のアンテナ4のうちから抽出する。
【0050】
アンテナ選択部33は、ユーザ端末5-3について、一例として、ストリーム7-12に対応付けられたアンテナ4-12と、ストリーム7-9に対応付けられたアンテナ4-9と、ストリーム7-5に対応付けられたアンテナ4-5と、ストリーム7-8に対応付けられたアンテナ4-8とを、分散配置された複数のアンテナ4のうちから抽出する。
【0051】
アンテナ選択部33は、選択された各ユーザ端末5の受信電力値を、複数のユーザ端末5から収集された複数の受信電力値のうちから抽出する。ここで、シングルユーザMIMOのレイヤ数の最大値が4であることから、アンテナ選択部33は、ユーザ端末5ごとに4本以下のストリームの候補について、ストリームの受信電力値を抽出する。
【0052】
このようにして図2では、データテーブルの形式で、「ストリームの候補」と「受信電力値」と「アンテナ番号」と「追加順」とが、選択されたユーザ端末5ごとに対応付けられている。
【0053】
図2では、シングルユーザMIMOのレイヤ数の最大値は、4である。このため、ストリームの候補の数は、ユーザ端末5ごとに4個である。また、マルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値は、8である。このため、アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちから選択された8本以下のストリームを、ストリーム群8に追加する。
【0054】
アンテナ選択部33は、対応付けられた受信電力値が大きい順に、空間多重されるストリーム群8にストリームの候補を追加する。ここで、同じ受信電力値を示すストリームの候補が複数存在する場合には、アンテナ選択部33は、それらのストリームの候補のうちから、ストリームをランダムに選択してもよい。また、アンテナ選択部33は、それらのストリームの候補のうちから、割り当てられたストリーム7の本数が少ないユーザ端末5のストリームの候補を優先して選択してもよい。
【0055】
アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちで1番目に大きい受信電力値「-73dB」を示すストリーム7-6を、空間多重されるストリーム群8に追加する。また、アンテナ選択部33は、追加されたストリーム7-6を、ストリームの候補から除外する。
【0056】
アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちで2番目に大きい受信電力値「-74dB」を示すストリーム7-3を、空間多重されるストリーム群8に追加する。アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちで3番目に大きい受信電力値「-75dB」を示すストリーム7-5を、空間多重されるストリーム群8に追加する。アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちで4番目に大きい受信電力値「-76dB」を示すストリーム7-7を、空間多重されるストリーム群8に追加する。
【0057】
アンテナ選択部33は、選択された複数のストリーム7を送信する複数のアンテナ4を、通信エリアにおける全てのアンテナ4のうちから重複しないように選択する。例えば、アンテナ選択部33は、ストリームの候補のうちで5番目に大きい受信電力値「-77dB」を示すストリーム7-7を、空間多重されるストリーム群8に追加しない。なぜなら、5番目に大きい受信電力値「-77dB」を示すストリーム7-7に対応付けられたアンテナ4-7は、ストリームの候補のうちで4番目に大きい受信電力値「-76dB」を示すストリーム7-7に対応付けられたアンテナ4-7として選択済だからである。選択済のアンテナ4に対応付けられたストリームの候補が選択された場合には、アンテナ選択部33は、そのストリームの候補をストリーム群8に追加せずに、ストリーム群8への追加対象から除外する。
【0058】
図2では、受信電力値「-83dB」を示すストリーム7-1がストリーム群8に追加された時点で、空間多重されるストリームの本数が、マルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値「8」に達する。このため、ストリームの候補のうちで残っている候補が今回選択されることなく、選択されたユーザ端末5へのストリーム7の割り当て処理は終了する。
【0059】
次に、無線通信システム1の動作例を説明する。
図3は、無線通信システム1の動作例を示すシーケンス図である。上位装置2は、ユーザ端末5-n(nは1以上の整数)宛てのストリームの識別子を、ストリームの割り当て要求として基地局3に送信する(ステップS101)。基地局3は、ストリームの識別子に基づいて、ストリームが割り当てられる1以上のユーザ端末5-nを選択する(ステップS102)。基地局3は、選択された1以上のユーザ端末5-nについて、ストリーム同士の干渉量の予測値を導出する(ステップS103)。
【0060】
ストリーム同士の干渉量の予測値が閾値未満である場合、基地局3は、最大受信電力値の送信を、選択された1以上のユーザ端末5-nに要求する。各ユーザ端末5-nは、各アンテナ4から送信されたビームの受信電力値を、基地局3に送信する(ステップS104)。基地局3は、各アンテナ4から送信されたビームの最大受信電力値を、各ユーザ端末5-nから収集する(ステップS105)。
【0061】
基地局3は、空間多重されるストリーム7の候補に対応付けられたアンテナ4を検索する(ステップS106)。基地局3は、受信電力値が大きいストリームを優先し、複数のストリーム7に対応付けられた複数のアンテナ4を選択する(ステップS107)。
【0062】
基地局3は、複数のストリームの送信を要求する(ステップS108)。上位装置2は、複数のストリームの送信要求を取得する(ステップS109)。上位装置2は、要求された複数のストリームを、空間多重される複数のストリームとして、基地局3に送信する(ステップS110)。基地局3は、空間多重される複数のストリームを取得する(ステップS111)。
【0063】
基地局3は、選択された複数のアンテナ4を用いて、空間多重されたストリーム群(複数のストリーム7)を各ユーザ端末5-nに送信する(ステップS112)。各ユーザ端末5-nは、自端末宛てのストリーム7を、そのストリーム7に対応付けられたアンテナ4から取得する(ステップS113)。
【0064】
ユーザ端末5-nは、アップリンクのストリームを、そのアップリンクのストリームに対応付けられたアンテナ4に送信してもよい(ステップS114)。基地局3は、選択された複数のアンテナ4を用いて、そのアップリンクのストリームを取得する。基地局3は、アップリンクのストリームを、上位装置2に送信する(ステップS115)。上位装置2は、アップリンクのストリームを、基地局3から取得する(ステップS116)。
【0065】
図4は、無線通信システム1の動作例(各ユーザ端末5へのストリームの割り当て方法)を示すフローチャートである。端末選択部30は、通信エリアにおける複数のユーザ端末5のうちから、1以上のユーザ端末5を選択する(ステップS201)。予測部31は、選択された1以上のユーザ端末5について、複数のアンテナ4から送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する。収集部32は、ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS202a)。
【0066】
ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値以上であると判定された場合(ステップS202a:NO)、収集部32は、ステップS201に処理を戻す。ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値未満であると判定された場合(ステップS202a:YES)、収集部32は、分散配置された全てのアンテナ4に含まれている各アンテナ4から送信されたビームの受信電力値を、選択された1以上のユーザ端末5から収集する(ステップS203)。
【0067】
アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム7の候補に対応付けられたアンテナ4を検索する(ステップS204)。アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム7の候補のうちから、受信電力値が大きい順にストリーム7を選択する(ステップS205)。アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-m(mは1以上の整数)に対応付けられたアンテナ4-mが既に選択されているか否かを判定する。すなわち、アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-mに対応付けられたアンテナ4-mが他のストリームの送信のために割り当てられているか否かを判定する(ステップS206)。
【0068】
選択されたストリーム7-mに対応付けられたアンテナ4-mが選択されていないと判定された場合(ステップS206:NO)、アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-mに対応付けられたアンテナ4-mを、ビームフォーミングを実行するアンテナ4として選択する(ステップS207)。アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-mを、空間多重されるストリーム群8に追加する。例えば、アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-mを、空間多重されるストリーム群8に追加する(ステップS208)。
【0069】
アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム群8に追加されたストリーム7-mを、空間多重されるストリーム7の候補から除外する。例えば、アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム群8に追加されたストリーム7-mを、空間多重されるストリーム7の候補から除外する(ステップS209)。
【0070】
アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム群8に追加されたストリーム7の本数がマルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値(例えば、8)未満であるか否かを判定する。すなわち、アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム群8にストリーム7を更に追加することが可能であるか否かを判定する(ステップS210)。
【0071】
空間多重されるストリーム群8に追加されたストリーム7の本数とマルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値とが等しいと判定された場合(ステップS210:YES)、アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム7の候補が残っているか否かを判定する。すなわち、アンテナ選択部33は、空間多重されるストリーム7の候補の個数が0であるか否かを判定する(ステップS211)。
【0072】
空間多重されるストリーム群8に追加されたストリーム7の本数がマルチユーザMIMOのレイヤ数の最大値未満であると判定された場合(ステップS210:NO)、アンテナ選択部33は、処理を終了する。
【0073】
空間多重されるストリーム7の候補が残っていると判定された場合(ステップS211:YES)、アンテナ選択部33は、ステップS205に処理を戻す。空間多重されるストリーム7の候補が残っていないと判定された場合(ステップS211:NO)、アンテナ選択部33は、処理を終了する。
【0074】
ステップS206において、選択されたストリーム7-mに対応付けられたアンテナ4-mが既に選択されていると判定された場合(ステップS206:YES)、アンテナ選択部33は、選択されたストリーム7-mを、空間多重されるストリーム7の候補から除外する(ステップS212)。また、アンテナ選択部33は、ステップS205に処理を戻す。
【0075】
以上のように、端末選択部30は、1以上のユーザ端末5を選択する。予測部31は、選択された1以上のユーザ端末5について、複数のアンテナ4から送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する。収集部32は、ストリーム群の干渉量の予測値が閾値未満である場合、ストリーム群8に含まれるストリーム7のビーム6の受信電力値を、選択された1以上のユーザ端末5から収集する。アンテナ選択部33は、ストリームのビームの受信電力値が大きい順に、複数のストリーム7を選択する。アンテナ選択部33は、選択された複数のストリーム7に対応付けられた複数のアンテナ4を選択する。通信部34(送信部)は、選択された複数のストリーム7を、選択された複数のアンテナ4を用いてビームフォーミングによって送信する。
【0076】
これによって、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量(スループット)を向上させることが可能である。すなわち、無線通信システムは、各アンテナと各ユーザ端末との間のチャネル推定値を収集することなく、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量を向上させることが可能である。なお、受信電力値は、チャネル推定値よりも簡易な指標(処理負荷が高くない指標)である。
【0077】
(変形例)
図5は、実施形態の変形例における、無線通信システム1の動作例を示すフローチャートである。図5に示されたステップS201は、図4に示されたステップS201と同様である。
【0078】
予測部31は、選択された1以上のユーザ端末5について、複数のアンテナ4から送信されるストリーム群の干渉量の予測値を導出する。収集部32は、ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS202b)。ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値未満であると判定された場合(ステップS202b:YES)、収集部32は、ステップS203に処理を進める。
【0079】
ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値以上であると判定された場合(ステップS202b:NO)、アンテナ選択部33は、ストリーム同士の干渉量が考慮された割り当て方法であって、第1実施形態に示された割り当て方法とは異なる所定の方法によって、ユーザ端末5へのストリームの割り当て(配分)を実行する。すなわち、アンテナ選択部33は、ストリーム同士の干渉量が低減されるように、所定条件に基づいて、空間多重されるストリーム群8を複数のアンテナ4に割り当てる(ステップS213)。アンテナ選択部33は、処理を終了する。所定条件とは、ストリーム同士の干渉量が低減されるようになる条件であれば、どのような条件でもよい。
【0080】
以上のように、ストリーム群の干渉量の予測値が所定閾値以上であると判定された場合、アンテナ選択部33は、ストリーム同士の干渉量が低減されるように、所定条件に基づいて、空間多重されるストリーム群8を複数のアンテナ4に割り当てる。これによって、処理負荷の増大を抑制した上で、通信容量を向上させることが可能である。
【0081】
(ハードウェア構成)
図6は、実施形態における、無線通信装置のハードウェア構成例を示す図である。基地局3(無線通信装置)の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ100が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置102とメモリ101とに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。
【0082】
無線通信システム1の各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0083】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、シングルユーザMIMO(SU-MIMO)及びマルチユーザMIMO(MU-MIMO)を実行する分散アンテナシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…無線通信システム、2…上位装置、3…基地局、4…アンテナ、5…ユーザ端末、6…ビーム、7…ストリーム、8…ストリーム群、9…ストリーム群、30…端末選択部、31…予測部、32…収集部、33…アンテナ選択部、34…通信部、100…プロセッサ、101…メモリ、102…記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6