(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-06
(45)【発行日】2024-11-14
(54)【発明の名称】光送信装置及び光送信方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/03 20130101AFI20241107BHJP
H04B 10/50 20130101ALI20241107BHJP
【FI】
H04B10/03
H04B10/50
(21)【出願番号】P 2023510116
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2021014175
(87)【国際公開番号】W WO2022208847
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮武 遼
(72)【発明者】
【氏名】深田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】下羽 利明
(72)【発明者】
【氏名】田邉 暁弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智暁
【審査官】鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-214436(JP,A)
【文献】特開2010-062619(JP,A)
【文献】特開2018-037991(JP,A)
【文献】下羽 利明 他,FM一括変換方式を用いた光映像配信技術,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2019年11月28日,Vol.119, No.324,pp.97-101,<URL:https://www.ieice.org/ken/user/index.php?cmd=download&p=8Ewk&t=IEICE-IE&l=57df8fa478d645fb26045e2762d2ba89277851794f79f693de48961f1887ea26&lang=>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/03
H04B 10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発振周波数のレーザー光を出力する第1レーザー発振器と、
第2発振周波数のレーザー光を出力する第2レーザー発振器と、
第1伝送路と第2伝送路とのうちの一方に第1電気信号を出力する第1切替部と、
前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第1光信号を出力し、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1発振周波数のレーザー光を前記第1光信号として出力する第1光位相変調器と、
前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第2発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第2光信号を出力し、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第2発振周波数のレーザー光を前記第2光信号として出力する第2光位相変調器と、
前記第1光信号と前記第2光信号とを合波し、合波の結果を分配することによって第3光信号と第4光信号とを出力する光合分配器と、
前記第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する第1検波部と、
前記第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する第2検波部と、
前記第1ヘテロダイン検波信号と前記第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方に応じて第3発振周波数のレーザー光を強度変調する第1光強度変調器と
を備える光送信装置。
【請求項2】
前記第2ヘテロダイン検波信号に応じて第4発振周波数のレーザー光を強度変調する第2光強度変調器を備え、
前記第1光強度変調器は、前記第1ヘテロダイン検波信号に応じて前記第3発振周波数のレーザー光を強度変調する、
請求項1に記載の光送信装置。
【請求項3】
強度変調された前記第3発振周波数のレーザー光と強度変調された前記第4発振周波数のレーザー光とのうちの一方を出力する第2切替部を備える、
請求項2に記載の光送信装置。
【請求項4】
前記第1レーザー発振器は、前記第1電気信号又は第2電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を直接変調し、直接変調された前記第1発振周波数のレーザー光を前記第1光位相変調器に出力し、
前記第2レーザー発振器は、位相が反転された前記第1電気信号又は前記第2電気信号に応じて前記第2発振周波数のレーザー光を直接変調し、直接変調された前記第2発振周波数のレーザー光を前記第2光位相変調器に出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光送信装置。
【請求項5】
前記第1レーザー発振器は、前記第1伝送路に前記第1切替部が第1電気信号を出力する場合には前記第2電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を直接変調し、前記第2伝送路に前記第1切替部が前記第2電気信号を出力する場合には前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を直接変調し、
前記第2レーザー発振器は、前記第1伝送路に前記第1切替部が第1電気信号を出力する場合には、位相が判定された前記第2電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を直接変調し、前記第2伝送路に前記第1切替部が前記第2電気信号を出力する場合には、位相が判定された前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を直接変調する、
請求項4に記載の光送信装置。
【請求項6】
光送信装置が実行する光送信方法であって、
第1発振周波数のレーザー光を出力する第1レーザー発振ステップと、
第2発振周波数のレーザー光を出力する第2レーザー発振ステップと、
第1伝送路と第2伝送路とのうちの一方に第1電気信号を出力する第1切替ステップと、
前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第1光信号を出力し、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1発振周波数のレーザー光を前記第1光信号として出力する第1光位相変調ステップと、
前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第2発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第2光信号を出力し、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第2発振周波数のレーザー光を前記第2光信号として出力する第2光位相変調ステップと、
前記第1光信号と前記第2光信号とを合波し、合波の結果を分配することによって第3光信号と第4光信号とを出力する光合分配ステップと、
前記第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する第1検波ステップと、
前記第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する第2検波ステップと、
前記第1ヘテロダイン検波信号と前記第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方に応じて第3発振周波数のレーザー光を強度変調する第1光強度変調ステップと
を含む光送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信装置及び光送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加入者宅に映像データを配信するネットワークシステムとして、FTTH(Fiber to the Home)型CATV(Cable Television)システムが知られている。FTTH型CATVシステムでは、光伝送方式として、周波数変調(Frequency Modulation : FM)一括変換方式が用いられる場合がある(非特許文献1参照)。以下、周波数変調一括変換を「FM一括変換」という。FTTH型CATVシステムは、光送信装置を備える。
【0003】
図13は、信号系統が冗長化された2個の光送信装置10の構成例を示す図である。光送信装置10-1(現用系)と光送信装置10-2(予備系)とは、同構成を備える。光送信装置10は、入力端子11と、第1レーザー発振器12と、第2レーザー発振器13と、光位相変調器14と、光合分配器15と、検波部16と、第3レーザー発振器17と、光強度変調器18と、出力端子19とを備える。
【0004】
切替部20-1には、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号が、ヘッドエンド装置2から入力される。光送信装置10-1が故障していない場合、切替部20-1は、ヘッドエンド装置2から入力された電気信号を、光送信装置10-1に出力する。光送信装置10-1が故障している場合、切替部20-1は、ヘッドエンド装置2から入力された電気信号を、光送信装置10-2に出力する。
【0005】
入力端子11には、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号が、切替部20-1から入力される。入力端子31は、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を、光位相変調器14に出力する。第1レーザー発振器12は、レーザーダイオードを用いて、第1発振周波数のレーザー光を光位相変調器14に出力する。第2レーザー発振器13は、レーザーダイオードを用いて、第2発振周波数のレーザー光を光合分配器15に出力する。第1発振周波数と第2発振周波数とは互いに異なる。
【0006】
光位相変調器14は、入力端子11から入力された電気信号に応じて、第1発振周波数のレーザー光を位相変調する。光位相変調器14は、第1発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である光信号を、光合分配器15に出力する。光合分配器15は、第1発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である光信号と第2発振周波数のレーザー光とを合波する。光合分配器15は、合波の結果である光信号を、2個の出力ポートのうちの1個の出力ポートから検波部16に出力する。
【0007】
検波部16は、フォトダイオードを用いて、合波の結果である光信号をヘテロダイン検波信号に変換する。検波部16は、ヘテロダイン検波信号を光強度変調器18に出力する。第3レーザー発振器17は、レーザーダイオードを用いて、第3発振周波数のレーザー光を光強度変調器18に出力する。光強度変調器18は、第3発振周波数のレーザー光を、ヘテロダイン検波信号に応じて強度変調する。出力端子19は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6を用いて切替部20-2に出力する。切替部20-2には、強度変調された第3発振周波数のレーザー光が、光送信装置10-1又は光送信装置10-2から入力される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】下羽利明、外2名、「FM一括変換方式を用いた光映像配信技術」、電子情報通信学会、信学技報、CS2019-84、IE2019-64(2019-12)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来では、信号系統が冗長化される場合、単純に2個の光送信装置が並列に接続される。このため、部品の数は倍増する。例えば
図13では、ヘテロダイン検波を実行するために、2個の第1レーザー発振器12と、2個の第2レーザー発振器13と、2個の光合分配器15とを、2個の光送信装置10が備えることになる。このように、部品の数の増加が抑制された場合には、信号系統を冗長化することができない場合がある。
【0010】
上記事情に鑑み、本発明は、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である光送信装置及び光送信方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、第1発振周波数のレーザー光を出力する第1レーザー発振器と、第2発振周波数のレーザー光を出力する第2レーザー発振器と、第1伝送路と第2伝送路とのうちの一方に第1電気信号を出力する第1切替部と、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第1光信号を出力し、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1発振周波数のレーザー光を前記第1光信号として出力する第1光位相変調器と、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第2発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第2光信号を出力し、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第2発振周波数のレーザー光を前記第2光信号として出力する第2光位相変調器と、前記第1光信号と前記第2光信号とを合波し、合波の結果を分配することによって第3光信号と第4光信号とを出力する光合分配器と、前記第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する第1検波部と、前記第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する第2検波部と、前記第1ヘテロダイン検波信号と前記第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方に応じて第3発振周波数のレーザー光を強度変調する第1光強度変調器とを備える光送信装置である。
【0012】
本発明の一態様は、光送信装置が実行する光送信方法であって、第1発振周波数のレーザー光を出力する第1レーザー発振ステップと、第2発振周波数のレーザー光を出力する第2レーザー発振ステップと、第1伝送路と第2伝送路とのうちの一方に第1電気信号を出力する第1切替ステップと、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第1発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第1光信号を出力し、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1発振周波数のレーザー光を前記第1光信号として出力する第1光位相変調ステップと、前記第2伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第1電気信号に応じて前記第2発振周波数のレーザー光を位相変調することによって第2光信号を出力し、前記第1伝送路に前記第1電気信号が出力された場合には前記第2発振周波数のレーザー光を前記第2光信号として出力する第2光位相変調ステップと、前記第1光信号と前記第2光信号とを合波し、合波の結果を分配することによって第3光信号と第4光信号とを出力する光合分配ステップと、前記第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する第1検波ステップと、前記第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する第2検波ステップと、前記第1ヘテロダイン検波信号と前記第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方に応じて第3発振周波数のレーザー光を強度変調する第1光強度変調ステップとを含む光送信方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】各実施形態における、FTTH型CATVシステムのネットワーク構成の例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における、光送信装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態の第1変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の第2変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図6】第2実施形態における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図7】第2実施形態の第1変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図8】第2実施形態の第2変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図9】第3実施形態における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図10】第3実施形態の第1変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図11】第3実施形態の第2変形例における、光送信装置の構成例を示す図である。
【
図12】各実施形態における、光送信装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図13】信号系統が冗長化された2個の光送信装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、各実施形態における、FTTH型CATVシステム1のネットワーク構成の例を示す図である。FTTH型CATVシステム1では、光伝送方式として、FM一括変換方式が用いられる。FTTH型CATVシステム1は、ヘッドエンド装置2と、光送信装置3と、1以上のV-OLT4(Video-Optical Line Terminal)と、1以上のV-ONU5(Video-Optical Network Unit)とを備える。
【0016】
FTTH型CATVシステム1は、中継ネットワーク6とアクセスネットワーク7とを、光伝送路として備える。光送信装置3とV-OLT4-1とは、中継ネットワーク6-1を用いて、通信可能に接続されている。V-OLT4-n(nは、1以上の整数。)とV-OLT4-(n+1)とは、中継ネットワーク6-(n+1)を用いて、通信可能に接続されている。V-OLT4-nとV-ONU5-nとは、アクセスネットワーク7-nを用いて、通信可能に接続されている。
【0017】
ヘッドエンド装置2は、放送局(不図示)から送信された映像信号を表す電波を、送信塔及び人工衛星等(不図示)を介して受信する。ヘッドエンド装置2は、受信した電波に対して、増幅等の調整処理を実行する。ヘッドエンド装置2は、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を、映像信号に応じた電気信号として光送信装置3に出力する。
【0018】
光送信装置3は、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を、帯域ごとにヘッドエンド装置2から取得する。光送信装置3は、取得された電気信号を、光信号に変換する。光送信装置3は、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を、1チャンネルの広帯域な周波数変調(FM)信号に一括変換する。光送信装置3は、1チャンネルの広帯域な周波数変調信号を、強度変調された光信号に変換する。光送信装置3は、強度変調された光信号を、光伝送路に出力する。
【0019】
V-OLT4は、局側映像配信装置(光加入者線端局装置)である。V-OLT4は、光信号の増幅器(中継器)として機能する。V-OLT4は、強度が増幅された光信号を、アクセスネットワーク7のV-ONU5に送信する。V-OLT4は、強度が増幅された光信号を、光カプラを用いて分岐してもよい。V-OLT4は、アクセスネットワーク7に接続されたV-ONU5と、後段の他のV-OLT4とに、増幅された光信号を中継してもよい。
【0020】
V-ONU5は、宅内映像受信装置(光回線終端装置)等の光受信装置である。V-ONU5は、アクセスネットワーク7を介して、光信号をV-OLT4から受光する。V-ONU5は、受光された光信号を、周波数変調信号(電気信号)に変換する。V-ONU5は、周波数変調信号に対して、復調処理を実行する。これによって、V-ONU5は、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号を、光信号から取り出すことができる。
【0021】
中継ネットワーク6は、光送信装置3とアクセスネットワーク7との間の光信号を中継する通信ネットワークである。アクセスネットワーク7は、中継ネットワーク6と光信号を終端する各光受信装置400との間をつなぐ通信ネットワークである。アクセスネットワーク7は、例えば、受動光ネットワーク(Passive Optical Network : PON)である。アクセスネットワーク7-nは、増幅器を備えてもよい。アクセスネットワーク7-nは、中継ネットワーク6-nから出力された光信号を、1以上のV-ONU5-nに分配する。
【0022】
次に、光送信装置の構成例を説明する。
図2は、光送信装置3aの構成例を示す図である。光送信装置3aは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3aは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、切替部40と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45とを備える。
【0023】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3aにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40とが追加されている。
【0024】
切替部32は、第1伝送路100と、第2伝送路101とを備える。切替部32と光位相変調器35とは、第1伝送路100を介して接続されている。切替部32と光位相変調器36とは、第2伝送路101を介して接続されている。
【0025】
光合分配器37(1:1カプラ)は、第1出力ポート370と、第2出力ポート371とを備える。光合分配器37と検波部38とは、第1出力ポート370を介して接続されている。光合分配器37と検波部39とは、第2出力ポート371を介して接続されている。
【0026】
光送信装置3aでは、光位相変調器35と光位相変調器36とのうちの一方が故障した場合に他方が使用されることで、信号系統の冗長化が可能である。
【0027】
入力端子31には、周波数多重された多チャンネル映像の電気信号が、ヘッドエンド装置2から入力される。入力端子31は、電気信号を切替部32に出力する。切替部32は、制御部45による制御に応じて、第1伝送路100と第2伝送路101とのうちの一方に電気信号を出力する。
【0028】
第1レーザー発振器33は、レーザーダイオードを用いて、第1発振周波数のレーザー光を光位相変調器35に出力する。第2レーザー発振器34は、レーザーダイオードを用いて、第2発振周波数のレーザー光を光位相変調器36に出力する。第1発振周波数と第2発振周波数とは互いに異なる。
【0029】
光位相変調器35は、第1伝送路100に電気信号が切替部32から出力された場合には、その電気信号に応じて、第1発振周波数のレーザー光を位相変調する。光位相変調器35は、第1発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である第1光信号を、光合分配器37の第1入力ポートに入力する。光位相変調器35は、第2伝送路101に電気信号が切替部32から出力された場合には、第1発振周波数のレーザー光を第1光信号として、光合分配器37の第1入力ポートに入力する。
【0030】
光位相変調器36は、第2伝送路101に電気信号が切替部32から出力された場合には、その電気信号に応じて、第2発振周波数のレーザー光を位相変調する。光位相変調器36は、第2発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である第2光信号を、光合分配器37の第2入力ポートに入力する。光位相変調器36は、第1伝送路100に電気信号が切替部32から出力された場合には、第2発振周波数のレーザー光を第2光信号として、光合分配器37の第2入力ポートに入力する。
【0031】
光合分配器37は、第1光信号と第2光信号とを合波する。光合分配器37は、合波の結果を分配することによって、第1出力ポート370から、合波の結果である第3光信号を検波部38に出力する。光合分配器37は、合波の結果を分配することによって、第2出力ポート371から、合波の結果である第4光信号を検波部39に出力する。
【0032】
検波部38は、フォトダイオードを用いて、第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する。検波部38は、第1ヘテロダイン検波信号を、切替部40に出力する。検波部39は、フォトダイオードを用いて、第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する。検波部39は、第2ヘテロダイン検波信号を、切替部40に出力する。切替部40は、制御部45による制御に応じて、第1ヘテロダイン検波信号と第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方を、光強度変調器42に出力する。
【0033】
第3レーザー発振器41は、レーザーダイオードを用いて、所定の第3発振周波数のレーザー光を光強度変調器42に出力する。光強度変調器42は、第1ヘテロダイン検波信号が切替部40から出力された場合には、第1ヘテロダイン検波信号に応じて、第3発振周波数のレーザー光を強度変調する。光強度変調器42は、第2ヘテロダイン検波信号が切替部40から出力された場合には、第2ヘテロダイン検波信号に応じて、第3発振周波数のレーザー光を強度変調する。出力端子43は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6-1を用いてV-OLT4-1に出力する。
【0034】
監視部44は、位相変調されていない信号が第1光信号として光位相変調器35から出力されているか否かに基づいて、光位相変調器35に故障が発生したか否かを判定する。ここで、監視部44は、位相変調されていない信号が第1光信号として光位相変調器35(現用系)から出力されている場合には、光位相変調器35に故障が発生したと判定する。監視部44は、光位相変調器35(現用系)の故障に関する判定結果を、制御部45に出力する。
【0035】
監視部44は、位相変調されていない信号が第2光信号として光位相変調器36(予備系)から出力されているか否かに基づいて、光位相変調器36に故障が発生したか否かを判定してもよい。ここで、監視部44は、位相変調されていない信号が第2光信号として光位相変調器36から出力されている場合には、光位相変調器36に故障が発生したと判定する。監視部44は、光位相変調器36(予備系)の故障に関する判定結果を、制御部45に出力してもよい。
【0036】
制御部45は、光位相変調器35に故障が発生していないと監視部44によって判定された場合、切替部32が第1伝送路100に電気信号を出力するように、制御信号を切替部32に出力する。制御部45は、光位相変調器35に故障が発生したと監視部44によって判定された場合、切替部32が第2伝送路101に電気信号を出力するように、制御信号を切替部32に出力する。
【0037】
なお、制御部45は、切替部40の動作を制御してもよい。制御部45は、光位相変調器35(現用系)に故障が発生していないと監視部44によって判定された場合、検波部38(現用系)の第1ヘテロダイン検波信号を切替部40が光強度変調器42に出力するように、制御信号を切替部40に出力してもよい。制御部45は、光位相変調器35(現用系)に故障が発生したと監視部44によって判定された場合、検波部39(予備系)の第2ヘテロダイン検波信号を切替部40が光強度変調器42に出力するように、制御信号を切替部40に出力してもよい。
【0038】
制御部45は、光位相変調器36(予備系)に故障が発生していないと監視部44によって判定された場合、切替部32が第2伝送路101に電気信号を出力するように、制御信号を切替部32に出力してもよい。制御部45は、光位相変調器36(予備系)に故障が発生したと監視部44によって判定された場合には、切替部32が第1伝送路100に電気信号を出力するように、制御信号を切替部32に出力してもよい。
【0039】
なお、制御部45は、切替部40の動作を制御してもよい。制御部45は、光位相変調器36(予備系)に故障が発生していないと監視部44によって判定された場合、検波部39(予備系)の第2ヘテロダイン検波信号を切替部40が光強度変調器42に出力するように、制御信号を切替部40に出力してもよい。制御部45は、光位相変調器36(予備系)に故障が発生したと監視部44によって判定された場合、検波部38(現用系)の第1ヘテロダイン検波信号を切替部40が光強度変調器42に出力するように、制御信号を切替部40に出力してもよい。
【0040】
次に、光送信装置3aの動作例を説明する。
図3は、光送信装置3aの動作例を示すフローチャートである。第1レーザー発振器33は、第1発振周波数のレーザー光を出力する。第2レーザー発振器34は、第2発振周波数のレーザー光を出力する。第3レーザー発振器41は、第3発振周波数のレーザー光を出力する。監視部44は、光位相変調器35に故障が発生したか否かを判定する(ステップS101)。
【0041】
光位相変調器35に故障が発生していないと判定された場合(ステップS101:NO)、切替部32(第1切替部)は、制御部45による制御に応じて、入力端子31に入力された電気信号を第1伝送路100に出力する(ステップS102)。
【0042】
光位相変調器35(第1光位相変調器)は、電気信号に応じて第1発振周波数のレーザー光を位相変調することによって、第1光信号を光合分配器37に出力する。光位相変調器36(第2光位相変調器)は、第2発振周波数のレーザー光を、第2光信号として光合分配器37に出力する(ステップS103)。
【0043】
光位相変調器35に故障が発生したと判定された場合(ステップS101:YES)、切替部32は、制御部45による制御に応じて、入力端子31に入力された電気信号を第2伝送路101に出力する(ステップS104)。
【0044】
光位相変調器35(第1光位相変調器)は、第1発振周波数のレーザー光を、第1光信号として光合分配器37に出力する。光位相変調器36(第2光位相変調器)は、電気信号に応じて第2発振周波数のレーザー光を位相変調することによって、第2光信号を光合分配器37に出力する(ステップS105)。
【0045】
光合分配器37は、第1光信号と第2光信号とを合波する(ステップS106)。光合分配器37は、合波の結果を分配することによって、第3光信号を検波部38に出力する。光合分配器37は、合波の結果を分配することによって、第4光信号を検波部39に出力する(ステップS107)。
【0046】
検波部38(第1検波部)は、第3光信号を第1ヘテロダイン検波信号に変換する。検波部39(第2検波部)は、第4光信号を第2ヘテロダイン検波信号に変換する(ステップS108)。光強度変調器42(第1光強度変調器)は、第1ヘテロダイン検波信号と第2ヘテロダイン検波信号とのうちの一方に応じて、第3レーザー発振器41の第3発振周波数のレーザー光を強度変調する(ステップS109)。
【0047】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。第1実施形態では、必要最小限の素子を用いて、入力端子から光位相変調器までの信号系統を二重化することが可能である。
【0048】
例えば
図13では、信号系統が冗長化されるように、単純に、2個の光送信装置10が並列に接続される。
図13に例示された2個の光送信装置10は、ヘテロダイン検波のために、4個のレーザー発振器と、2個の光合分配器15(1:1カプラ)とを備える。
【0049】
これに対して、光送信装置3aは、ヘテロダイン検波のために、2個のレーザー発振器と、1個の合分配器とを備える。第1実施形態では、必要最小限の素子(切替部32、光位相変調器36、検波部39及び切替部40)が光送信装置3aに追加されただけで、光送信装置3aは、入力端子から光位相変調器までの信号系統を二重化することが可能である。
【0050】
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例では、第1電気信号と第2電気信号とが光送信装置に入力される点が、第1実施形態との差分である。第1実施形態の第1変形例では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0051】
図4は、光送信装置3bの構成例を示す図である。光送信装置3bは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3bは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、切替部40と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45とを備える。また、光送信装置3bは、入力端子46と、分配器47と、移相器48とを備える。
【0052】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3bにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48とが追加されている。
【0053】
入力端子31には、周波数多重された多チャンネル映像の第1電気信号(優先度の高い信号)が、ヘッドエンド装置2から入力される。入力端子31は、第1電気信号を切替部32に出力する。このように、入力端子31は、第1電気信号を予備系に入力可能である。入力端子46には、周波数多重された多チャンネル映像の第2電気信号(優先度の低い信号)が、ヘッドエンド装置2から入力される。ここで、第1電気信号の波形の周波数と第2電気信号の波形の周波数とは互いに異なる。入力端子46は、第2電気信号を分配器47に出力する。分配器47は、第1レーザー発振器33と移相器48とに第2電気信号を分配する。移相器48は、第2電気信号の位相を反転させる。
【0054】
第1レーザー発振器33は、第2電気信号に応じて直接変調された第1発振周波数のレーザー光を、光位相変調器35に出力する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第2電気信号に応じて直接変調された第2発振周波数のレーザー光を、光位相変調器36に出力する。
【0055】
光位相変調器35は、第1伝送路100に第1電気信号が切替部32から出力された場合には、第2電気信号に応じて直接変調された第1発振周波数のレーザー光を、第1電気信号に応じて位相変調する。光位相変調器35は、第1発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である第1光信号を、光合分配器37の第1入力ポートに入力する。光位相変調器35は、第2伝送路101に第1電気信号が切替部32から出力された場合には、第2電気信号に応じて直接変調された第1発振周波数のレーザー光を第1光信号として、光合分配器37の第1入力ポートに入力する。
【0056】
光位相変調器36は、第2伝送路101に第1電気信号が切替部32から出力された場合には、位相が反転された第2電気信号に応じて直接変調された第2発振周波数のレーザー光を、第1電気信号に応じて位相変調する。光位相変調器36は、第2発振周波数のレーザー光が位相変調された結果である第2光信号を、光合分配器37の第2入力ポートに入力する。光位相変調器36は、第1伝送路100に第1電気信号が切替部32から出力された場合には、位相が反転された第2電気信号に応じて直接変調された第2発振周波数のレーザー光を第2光信号として、光合分配器37の第2入力ポートに入力する。
【0057】
以上のように、第1レーザー発振器33は、入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第1レーザー発振器33は、直接変調された第1発振周波数のレーザー光を、光位相変調器35(第1光位相変調器)に出力する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第2電気信号に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、直接変調された第2発振周波数のレーザー光を、光位相変調器36(第2光位相変調器)に出力する。
【0058】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第2電気信号よりも優先度の高い第1電気信号を、冗長化された信号系統で送信することが可能である。
【0059】
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態の第2変形例では、第1電気信号の伝送路と第2電気信号の伝送路とが入れ替え可能である点が、第1実施形態の第1変形例との差分である。第1実施形態の第2変形例では、第1実施形態の第1変形例との差分を中心に説明する。
【0060】
図5は、光送信装置3cの構成例を示す図である。光送信装置3cは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3cは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、切替部40と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45と、入力端子46と、分配器47と、移相器48とを備える。また、光送信装置3cは、切替部49を備える。
【0061】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3cにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、切替部49とが追加されている。
【0062】
制御部45は、第1電気信号と第2電気信号とのうちのいずれの信号系統を冗長化するかを表す優先順位情報を、所定の外部装置(不図示)から取得する。第1電気信号の信号系統を冗長化することを優先順位情報が表している場合、制御部45は、入力端子31から入力された第1電気信号を切替部32に入力するように、切替部49に制御信号を出力する。また、制御部45は、入力端子46から入力された第2電気信号を分配器47に入力するように、切替部49に制御信号を出力する。
【0063】
第2電気信号の信号系統を冗長化することを優先順位情報が表している場合、制御部45は、入力端子46から入力された第2電気信号を切替部32に入力するように、切替部49に制御信号を出力する。また、制御部45は、入力端子31から入力された第1電気信号を分配器47に入力するように、切替部49に制御信号を出力する。
【0064】
切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの一方を、切替部32に入力する。切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの他方を、分配器47に入力する。これらのように、切替部49は、第1電気信号又は第2電気信号を冗長系に入力可能である。
【0065】
第1電気信号の信号系統を冗長化することを制御信号が表している場合、切替部49は、入力端子31から入力された第1電気信号を、切替部32に入力する。また、切替部49は、入力端子46から入力された第2電気信号を、分配器47に入力する。
【0066】
第2電気信号の信号系統を冗長化することを制御信号が表している場合、切替部49は、入力端子46から入力された第2電気信号を、切替部32に入力する。また、切替部49は、入力端子31から入力された第1電気信号を、分配器47に入力する。
【0067】
以上のように、切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの一方を、切替部32に入力する。切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの他方を、分配器47に入力する。第1レーザー発振器33は、入力端子31に入力された電気信号(第1電気信号)又は入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第1電気信号と位相が反転された第2電気信号とのうちの一方に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。
【0068】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第1電気信号と第2電気信号とのうちのいずれの信号系統を冗長化するかを、優先順位情報を基づいて動的に切り替えることが可能である。
【0069】
(第2実施形態)
第2実施形態では、入力端子から光強度変調器までの信号系統が二重化されている点が、第1実施形態との差分である。第2実施形態では、第1実施形態との差分を中心に説明する。
【0070】
図6は、光送信装置3dの構成例を示す図である。光送信装置3dは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3dは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、監視部44と、制御部45とを備える。また、光送信装置3dは、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52と、出力端子53とを備える。
【0071】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3dにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52とが追加されている。
【0072】
第3レーザー発振器41は、レーザーダイオードを用いて、第3発振周波数のレーザー光を光強度変調器42に出力する。光強度変調器42は、第3発振周波数のレーザー光を、第1ヘテロダイン検波信号に応じて強度変調する。光強度変調器42は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、切替部52に出力する。
【0073】
第4レーザー発振器50は、レーザーダイオードを用いて、第4発振周波数のレーザー光を光強度変調器51に出力する。第3発振周波数と第4発振周波数とは、例えば同じ周波数である。光強度変調器51は、第4発振周波数のレーザー光を、第2ヘテロダイン検波信号に応じて強度変調する。光強度変調器51は、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、切替部52に出力する。
【0074】
切替部52は、制御部45から取得された制御信号に応じて、強度変調された第3発振周波数のレーザー光と強度変調された第4発振周波数のレーザー光とのうちの一方を、出力端子53に出力する。切替部52は、第3発振周波数のレーザー光を制御信号が表している場合、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、出力端子53に出力する。切替部52は、第4発振周波数のレーザー光を制御信号が表している場合、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、出力端子53に出力する。
【0075】
出力端子53は、第3発振周波数のレーザー光を制御信号が表している場合、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6を用いてV-OLT4に出力する。出力端子53は、第4発振周波数のレーザー光を制御信号が表している場合、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6を用いてV-OLT4に出力する。
【0076】
以上のように、光強度変調器42(第1光強度変調器)は、第1ヘテロダイン検波信号に応じて、第3発振周波数のレーザー光を強度変調する。光強度変調器51(第2光強度変調器)は、第2ヘテロダイン検波信号に応じて、第4発振周波数のレーザー光を強度変調する。切替部52(第2切替部)は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光と強度変調された第4発振周波数のレーザー光とのうちの一方を、出力端子53に出力する。
【0077】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。第2実施形態では、必要最小限の素子を用いて、入力端子から光強度変調器までの信号系統を二重化することが可能である。
【0078】
(第2実施形態の第1変形例)
第2実施形態の第1変形例では、第1電気信号と第2電気信号とが光送信装置に入力される点が、第2実施形態との差分である。第2実施形態の第1変形例では、第2実施形態との差分を中心に説明する。
【0079】
図7は、光送信装置3eの構成例を示す図である。光送信装置3eは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3eは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52と、出力端子53とを備える。また、光送信装置3eは、入力端子46と、分配器47と、移相器48とを備える。
【0080】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3eにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52とが追加されている。
【0081】
第2実施形態の第1変形例における、入力端子31と入力端子46と分配器47と移相器48と第1レーザー発振器33と第2レーザー発振器34との各動作は、第1実施形態の第1変形例における、入力端子31と入力端子46と分配器47と移相器48と第1レーザー発振器33と第2レーザー発振器34との各動作と同様である。
【0082】
以上のように、第1レーザー発振器33は、入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第1レーザー発振器33は、直接変調された第1発振周波数のレーザー光を、光位相変調器35(第1光位相変調器)に出力する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第2電気信号に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、直接変調された第2発振周波数のレーザー光を、光位相変調器36(第2光位相変調器)に出力する。
【0083】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第2電気信号よりも優先度の高い第1電気信号を、冗長化された信号系統で送信することが可能である。
【0084】
(第2実施形態の第2変形例)
第2実施形態の第2変形例では、第1電気信号の伝送路と第2電気信号の伝送路とが入れ替え可能である点が、第2実施形態の第1変形例との差分である。第2実施形態の第2変形例では、第2実施形態の第1変形例との差分を中心に説明する。
【0085】
図8は、光送信装置3fの構成例を示す図である。光送信装置3fは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3fは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52と、出力端子53とを備える。また、光送信装置3cは、切替部49を備える。
【0086】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3fにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、切替部49と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、切替部52とが追加されている。
【0087】
第2実施形態の第2変形例における、制御部45と切替部49との各動作は、第1実施形態の第2変形例における、制御部45と切替部49との各動作と同様である。
【0088】
以上のように、切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの一方を、切替部32に入力する。切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの他方を、分配器47に入力する。第1レーザー発振器33は、入力端子31に入力された電気信号(第1電気信号)又は入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第1電気信号と位相が反転された第2電気信号とのうちの一方に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。
【0089】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第1電気信号と第2電気信号とのうちのいずれの信号系統を冗長化するかを、優先順位情報を基づいて動的に切り替えることが可能である。
【0090】
(第3実施形態)
第3実施形態では、入力端子から出力端子までの信号系統が二重化されている点が、第2実施形態との差分である。第3実施形態では、第2実施形態との差分を中心に説明する。
【0091】
図9は、光送信装置3gの構成例を示す図である。光送信装置3gは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3gは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45とを備える。また、光送信装置3gは、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とを備える。
【0092】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3gにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とが追加されている。
【0093】
第3レーザー発振器41は、レーザーダイオードを用いて、第3発振周波数のレーザー光を光強度変調器42に出力する。光強度変調器42は、第3発振周波数のレーザー光を、第1ヘテロダイン検波信号に応じて強度変調する。光強度変調器42は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、出力端子43に出力する。出力端子43は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6に出力する。
【0094】
第4レーザー発振器50は、レーザーダイオードを用いて、第4発振周波数のレーザー光を光強度変調器51に出力する。光強度変調器51は、第4発振周波数のレーザー光を、第2ヘテロダイン検波信号に応じて強度変調する。光強度変調器51は、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、出力端子53に出力する。出力端子53は、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6に出力する。
【0095】
以上のように、光強度変調器42(第1光強度変調器)は、第1ヘテロダイン検波信号に応じて、第3発振周波数のレーザー光を強度変調する。出力端子43は、強度変調された第3発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6に出力する。光強度変調器51(第2光強度変調器)は、第2ヘテロダイン検波信号に応じて、第4発振周波数のレーザー光を強度変調する。出力端子53は、強度変調された第4発振周波数のレーザー光を、中継ネットワーク6に出力する。
【0096】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。第3実施形態では、必要最小限の素子を用いて、入力端子から出力端子までの信号系統を二重化することが可能である。
【0097】
(第3実施形態の第1変形例)
第3実施形態の第1変形例では、第1電気信号と第2電気信号とが光送信装置に入力される点が、第3実施形態との差分である。第3実施形態の第1変形例では、第3実施形態との差分を中心に説明する。
【0098】
図10は、光送信装置3hの構成例を示す図である。光送信装置3hは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3hは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とを備える。また、光送信装置3hは、入力端子46と、分配器47と、移相器48とを備える。
【0099】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3hにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とが追加されている。
【0100】
第3実施形態の第1変形例における、入力端子31と入力端子46と分配器47と移相器48と第1レーザー発振器33と第2レーザー発振器34との各動作は、第1実施形態の第1変形例における、入力端子31と入力端子46と分配器47と移相器48と第1レーザー発振器33と第2レーザー発振器34との各動作と同様である。
【0101】
以上のように、第1レーザー発振器33は、入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第1レーザー発振器33は、直接変調された第1発振周波数のレーザー光を、光位相変調器35(第1光位相変調器)に出力する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第2電気信号に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、直接変調された第2発振周波数のレーザー光を、光位相変調器36(第2光位相変調器)に出力する。
【0102】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第2電気信号よりも優先度の高い第1電気信号を、冗長化された信号系統で送信することが可能である。
【0103】
(第3実施形態の第2変形例)
第3実施形態の第2変形例では、第1電気信号の伝送路と第2電気信号の伝送路とが入れ替え可能である点が、第3実施形態の第1変形例との差分である。第3実施形態の第2変形例では、第3実施形態の第1変形例との差分を中心に説明する。
【0104】
図11は、光送信装置3iの構成例を示す図である。光送信装置3iは、
図1に示された光送信装置3に相当する。光送信装置3iは、入力端子31と、切替部32と、第1レーザー発振器33と、第2レーザー発振器34と、光位相変調器35と、光位相変調器36と、光合分配器37と、検波部38と、検波部39と、第3レーザー発振器41と、光強度変調器42と、出力端子43と、監視部44と、制御部45と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とを備える。また、光送信装置3cは、切替部49を備える。
【0105】
このように、
図13に示された光送信装置10における信号系統と比較して、光送信装置3iにおける信号系統には、切替部32と、光位相変調器36と、検波部39と、切替部40と、入力端子46と、分配器47と、移相器48と、切替部49と、第4レーザー発振器50と、光強度変調器51と、出力端子53とが追加されている。
【0106】
第3実施形態の第2変形例における、制御部45と切替部49との各動作は、第1実施形態の第2変形例における、制御部45と切替部49との各動作と同様である。
【0107】
以上のように、切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの一方を、切替部32に入力する。切替部49は、制御部45による制御に応じて、第1電気信号と第2電気信号とのうちの他方を、分配器47に入力する。第1レーザー発振器33は、入力端子31に入力された電気信号(第1電気信号)又は入力端子46に入力された電気信号(第2電気信号)に応じて、第1発振周波数のレーザー光を直接変調する。第2レーザー発振器34は、位相が反転された第1電気信号と位相が反転された第2電気信号とのうちの一方に応じて、第2発振周波数のレーザー光を直接変調する。
【0108】
これによって、部品の数の増加を抑制し、かつ、信号系統を冗長化することが可能である。また、第1電気信号と第2電気信号とのうちのいずれの信号系統を冗長化するかを、優先順位情報を基づいて動的に切り替えることが可能である。
【0109】
(ハードウェア構成例)
図12は、各実施形態における、光送信装置3のハードウェア構成例を示す図である。光送信装置3の各機能部のうちの一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ300が、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)を有する記憶装置302とメモリ301とに記憶されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。
【0110】
光送信装置3の各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0111】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、映像配信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1…FTTH型CATVシステム、2…ヘッドエンド装置、3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i…光送信装置、4…V-OLT、5…V-ONU、6…中継ネットワーク、7…アクセスネットワーク、10…光送信装置、11…入力端子、12…第1レーザー発振器、13…第2レーザー発振器、14…光位相変調器、15…光合分配器、16…検波部、17…第3レーザー発振器、18…光強度変調器、19…出力端子、20…切替部、31…入力端子、32…切替部、33…第1レーザー発振器、34…第2レーザー発振器、35…光位相変調器、36…光位相変調器、37…光合分配器、38…検波部、39…検波部、40…切替部、41…第3レーザー発振器、42…光強度変調器、43…出力端子、44…監視部、45…制御部、46…入力端子、47…分配器、48…移相器、49…切替部、50…第4レーザー発振器、51…光強度変調器、52…切替部、53…出力端子、100…第1伝送路、101…第2伝送路、300…プロセッサ、301…メモリ、302…記憶装置、370…第1出力ポート、371…第2出力ポート