(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】トナー容器、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
G03G15/08 348B
G03G15/08 341
(21)【出願番号】P 2020191227
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】大久保 泰秀
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-068823(JP,A)
【文献】特開2012-018377(JP,A)
【文献】特開2008-298879(JP,A)
【文献】特開2014-048541(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0257912(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を水平方向とした状態で画像形成装置本体に対して前記長手方向に装着されるトナー容器であって、
前記画像形成装置本体に装着された状態で、当該トナー容器に収容されたトナーを鉛直方向下方に排出するためのトナー排出口と、
前記トナー排出口を開閉するシャッタ部材と、
を備え、
前記シャッタ部材は、
前記長手方向に延びるレール部に係合して当該レール部に沿って移動することで前記トナー排出口を開閉するシャッタ主部と、
前記シャッタ主部にそれぞれ一体的に形成されるとともに、それぞれ前記シャッタ主部との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成された複数のシャッタ変形部と、
を具備し、
前記複数のシャッタ変形部は、それぞれ、
前記シャッタ主部に対して、当該トナー容器が前記画像形成装置本体に装着される装着方向の上流側に延びるように形成されて、
当該トナー容器に形成された当接部に当接することで前記トナー排出口を閉鎖した状態から前記トナー排出口を開放する方向への前記シャッタ部材の移動を規制するストッパ部と、
下方から外力を受けることにより当該シャッタ変形部の上方への弾性変形にともない前記ストッパ部を上方に変位させて前記当接部との当接状態を解除するストッパ解除部と、
を具備して、対応する前記
ストッパ部と前記当接部との当接状態の解除が他の前記シャッタ変形部に対して独立しておこなわれるように構成され、
前記複数のシャッタ変形部のすべてに対する前記当接状態の解除がおこなわれたときに、前記開放する方向への前記シャッタ部材の移動の規制が解除されることを特徴とするトナー容器。
【請求項2】
長手方向を水平方向とした状態で画像形成装置本体に対して前記長手方向に装着されるトナー容器であって、
前記画像形成装置本体に装着された状態で、当該トナー容器に収容されたトナーを鉛直方向下方に排出するためのトナー排出口と、
前記トナー排出口を開閉するシャッタ部材と、
を備え、
前記シャッタ部材は、
前記長手方向に延びるレール部に係合して当該レール部に沿って移動することで前記トナー排出口を開閉するシャッタ主部と、
前記シャッタ主部にそれぞれ一体的に形成されるとともに、それぞれ前記シャッタ主部との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成された複数のシャッタ変形部と、
を具備し、
前記複数のシャッタ変形部は、それぞれ、
当該トナー容器に形成された当接部に当接することで前記トナー排出口を閉鎖した状態から前記トナー排出口を開放する方向への前記シャッタ部材の移動を規制するストッパ部と、
下方から外力を受けることにより当該シャッタ変形部の上方への弾性変形にともない前記ストッパ部を上方に変位させて前記当接部との当接状態を解除するストッパ解除部と、
を具備して、対応する前記ストッパ部と前記当接部との当接状態の解除が他の前記シャッタ変形部に対して独立しておこなわれるように構成され、
前記複数のシャッタ変形部のすべてに対する前記当接状態の解除がおこなわれたときに、前記開放する方向への前記シャッタ部材の移動の規制が解除され、
前記複数のシャッタ変形部に形成された複数の前記ストッパ部は、それぞれ、前記シャッタ主部に対して、当該トナー容器が前記画像形成装置本体に装着される装着方向の上流側に形成されたことを特徴とするトナー容器。
【請求項3】
トナーを収容する容器本体と、前記容器本体に連通するキャップ部と、を備え、
前記キャップ部に、前記トナー排出口と前記レール部と前記シャッタ部材と前記当接部とが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー容器。
【請求項4】
複数の前記ストッパ解除部は、それぞれ、当該トナー容器が前記画像形成装置本体に装着された状態で、鉛直方向下方に突出するように形成されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項5】
複数の前記ストッパ解除部は、それぞれ、当該トナー容器が前記画像形成装置本体に装着される動作にともない、前記画像形成装置本体において上方に突起するように形成されたストッパ解除付勢部に接触することで、前記ストッパ部を上方に変位させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項6】
前記ストッパ解除付勢部は、複数の前記ストッパ解除部にそれぞれ対応するように形成された複数のストッパ解除付勢部であることを特徴とする請求項5に記載のトナー容器。
【請求項7】
前記複数のシャッタ変形部は、それぞれ、他の前記シャッタ変形部に繋がることなく、前記シャッタ主部に繋がることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項8】
前記シャッタ主部と前記複数のシャッタ変形部とは、弾性を有する樹脂材料で一体的に成型されたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項9】
前記複数のシャッタ変形部は、前記長手方向に対して略直交する方向に間隔をあけて並設された2つのシャッタ変形部であって、
前記2つのシャッタ変形部にそれぞれ形成された2つのストッパ解除部は、前記長手方向の位置が略一致するように形成されたことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項10】
前記トナーが収容されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれかに記載のトナー容器が前記画像形成装置本体に設置されたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に設置されるトナー容器と、それを備えた画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置においては、画像形成装置本体に着脱可能に設置されるトナー容器が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1におけるトナー容器は、画像形成装置本体に装着されることにより、トナー排出口を閉鎖していたシャッタ部材が、トナー排出口を開放するように相対的に移動して、トナー容器のトナー排出口からのトナー排出が可能になる。
ここで、トナー容器のシャッタ部材は、トナー容器が画像形成装置本体に装着されていない状態では、シャッタ部材のシャッタ変形部に形成されたストッパ部によって、トナー排出口を開放しないように移動が規制される。そして、シャッタ部材は、トナー容器が画像形成装置本体に装着される動作にともない、シャッタ部材のシャッタ変形部に形成されたストッパ解除部が押動されて、ストッパ部による移動制限が解除されて、トナー排出口を開放するように移動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のトナー容器は、画像形成装置本体に装着されていない状態で、ユーザーが誤ってストッパ解除部に触れてしまって、ストッパ部によるシャッタ部材の移動制限が解除されてしまう可能性があった。
そして、そのような場合には、シャッタ部材がトナー排出口を開放するように移動してしまって、トナー排出口からトナーが漏出してしまう不具合が生じやすくなってしまう。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、画像形成装置本体に装着されていない状態で、ストッパ部によるシャッタ部材の移動制限が解除されてしまう不具合が生じにくい、トナー容器、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるトナー容器は、長手方向を水平方向とした状態で画像形成装置本体に対して前記長手方向に装着されるトナー容器であって、前記画像形成装置本体に装着された状態で、当該トナー容器に収容されたトナーを鉛直方向下方に排出するためのトナー排出口と、前記トナー排出口を開閉するシャッタ部材と、を備え、前記シャッタ部材は、前記長手方向に延びるレール部に係合して当該レール部に沿って移動することで前記トナー排出口を開閉するシャッタ主部と、前記シャッタ主部にそれぞれ一体的に形成されるとともに、それぞれ前記シャッタ主部との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成された複数のシャッタ変形部と、を具備し、前記複数のシャッタ変形部は、それぞれ、前記シャッタ主部に対して、当該トナー容器が前記画像形成装置本体に装着される装着方向の上流側に延びるように形成されて、当該トナー容器に形成された当接部に当接することで前記トナー排出口を閉鎖した状態から前記トナー排出口を開放する方向への前記シャッタ部材の移動を規制するストッパ部と、下方から外力を受けることにより当該シャッタ変形部の上方への弾性変形にともない前記ストッパ部を上方に変位させて前記当接部との当接状態を解除するストッパ解除部と、を具備して、対応する前記ストッパ部と前記当接部との当接状態の解除が他の前記シャッタ変形部に対して独立しておこなわれるように構成され、前記複数のシャッタ変形部のすべてに対する前記当接状態の解除がおこなわれたときに、前記開放する方向への前記シャッタ部材の移動の規制が解除されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置本体に装着されていない状態で、ストッパ部によるシャッタ部材の移動制限が解除されてしまう不具合が生じにくい、トナー容器、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】トナー補給装置にトナー容器が設置された状態を示す模式図である。
【
図4】トナー容器収容部にトナー容器が設置される状態を示す概略斜視図である。
【
図5】トナー容器を斜め上方から示す斜視図である。
【
図6】トナー容器を斜め下方から示す斜視図である。
【
図7】トナー容器の容器本体における頭部側を示す斜視図である。
【
図8】トナー容器のキャップ部を示す斜視図である。
【
図9】トナー容器のキャップ部を示す下面図である。
【
図10】トナー容器のキャップ部の近傍を示す断面図である。
【
図13】トナー容器のシャッタ部材がトナー排出口を開放する動作を示す斜視図である。
【
図14】トナー容器の装着にともない、シャッタ部材のストッパ解除部がストッパ解除付勢部に押し上げられる動作を示す側面図である。
【
図15】トナー容器収容部におけるボトル受部の近傍を示す斜視図である。
【
図16】トナー容器収容部における、トナー容器の装着にともなうシャッタ部材の動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1を用いて、画像形成装置100の全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0011】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0012】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0013】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって
図2の時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(
図1参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0014】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0016】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
ここで、
図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写対向ローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって
図1中の矢印方向に無端移動される。
【0018】
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0019】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0020】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置(不図示である。)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙装置26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0022】
レジストローラ対28に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0023】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される。
その後、シートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0024】
次に、
図2を用いて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー搬送管64Y(トナー搬送経路)に連通している。
【0025】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、
図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0026】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置60Y(
図3参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0027】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(
図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0028】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、
図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0029】
次に、
図3及び
図4にて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて詳述する。
図3を参照して、装置本体100のトナー容器収容部70に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって適宜に各現像装置内に補給される。
なお、4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kやトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置60Yやトナー容器32Yのみの説明をおこない、他の3つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0030】
図4に示すように、トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装置本体100のトナー容器収容部70に装着(矢印Qに沿った移動である。)されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Y、32M、32C、32Kのシャッタ部材34dが移動してトナー排出口Wが開放されるとともに、トナー容器収容部70(トナー補給装置60Y、60M、60C、60K)のトナー補給口72w(
図3、
図16等を参照できる。)とトナー排出口Wとが連通する。これにより、トナー容器32Y、32M、32C、32K内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー容器収容部70(トナー補給装置60Y、60M、60C、60K)のトナー補給口72wからトナータンク部61Y内に貯溜されることになる。
ここで、
図3を参照して、トナー容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、主として、トナー容器収容部70に非回転で保持されるキャップ部34Yと、ギア33cが一体的に形成された容器本体33Y(ボトル本体)と、で構成される。容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に保持されていて、駆動部(駆動モータ91、駆動ギア81等で構成されている。)によって
図3の矢印方向に回転駆動される。そして、容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された突起33bによって、トナー容器32Y(容器本体33Y)の内部に収容されたトナーが長手方向に搬送されて(
図3の左方から右方への搬送である。)、キャップ部34Yのトナー排出口Wからトナーが排出される。すなわち、駆動部によってトナー容器32Yの容器本体33Yが適宜に回転駆動されることで、トナータンク部61Yにトナーが適宜に供給される。なお、トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときである。)に新品のものに交換される。
【0031】
図3を参照して、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、トナー容器収容部70、トナータンク部61Y、トナー搬送コイル62Y、トナーエンドセンサ66Y、駆動部81、91、等で構成されている。
トナータンク部61Yは、トナー容器32Yのトナー排出口Wの下方に配設されていて、トナー容器32Yのトナー排出口Wから排出されたトナーが貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送管64Yの上流部に接続されている。
また、トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサ66Yが設置されている。トナーエンドセンサ66Yとしては、圧電センサ等を用いることができる。そして、トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが制御部90にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部90の制御により駆動部(駆動モータ91)によってトナー容器32Yの容器本体33Yを所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給をおこなう。さらに、このような制御を繰り返してもトナーエンドセンサ66Yによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー容器32Y内にトナーがないものとして、装置本体100の表示パネル(不図示)にトナー容器32Yの交換を促す旨の表示をおこなう。
【0032】
トナー搬送コイル62Yは、トナー搬送管64Yに内設されていて、トナータンク部61Yに貯留されたトナーをトナー搬送管64Yを介して現像装置5Yに向けて搬送するものである。詳しくは、トナー搬送コイル62Yは、トナータンク部61Yの底部(最下点)から現像装置5Yの上方に向けてトナーをトナー搬送管64Yに沿って搬送する。そして、トナー搬送コイル62Yによって搬送されたトナーは、現像装置5Y(現像剤収容部54Y)内に補給される。
【0033】
また、
図4を参照して、トナー容器収容部70は、主として、トナー容器32Yのキャップ部34Yを保持するためのキャップ受部73と、トナー容器32Yの容器本体33Yを保持するためのボトル受部72(容器本体受部)と、で構成されている。なお、トナー容器収容部70(ボトル受部72、キャップ受部73)の構成・動作については、
図15等を用いて後で詳しく説明する。
【0034】
ここで、
図1を参照して、装置本体100の手前側(
図1の紙面垂直方向手前側である。)の上方に設置された本体カバー(不図示である。)を開放すると、トナー容器収容部70が露呈される。そして、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの長手方向を水平方向とした状態で、装置本体100の手前側上方からの各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作である。)がおこなわれる。
詳しくは、装置本体100への装着時には、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、本体カバーが開放された状態の装置本体100の上方からトナー容器収容部70上に載置されて、その後にキャップ部34Yを先頭にして水平方向に押し込まれることになる(
図4の矢印Qに沿った移動である。)。これに対して、装置本体100からの離脱時には、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、装着時と逆の操作がおこなわれることになる。
【0035】
次に、
図5~
図14等を用いて、トナー容器32Y、32M、32C、32Kについて詳述する。
図5、
図6に示すように、トナー容器32Yは、主として、容器本体33Yと、その頭部に設けられたキャップ部34Y(容器本体33Yに連通する部材である。)と、で構成される。
【0036】
容器本体33Yの頭部には、容器本体33Yとともに一体的に回転するギア33cと、開口部Aと、が長手方向(容器本体33Yの回転軸方向に一致する方向である。)の一端側に設けられている(
図7参照)。開口部Aは、容器本体33Yの頭部(装着動作において先方となる位置である。)に設けられていて、容器本体33Y内に収容されたトナーをキャップ部34Y内のスペース(空洞Bであって、
図10参照)に向けて排出するためのものである。
なお、容器本体33Y内からキャップ部34Y内の空洞Bへのトナー搬送(容器本体33Yの回転駆動)は、キャップ部34Y内におけるトナーが所定の喫水線を下回らない程度に適宜におこなわれる。
【0037】
ギア33cは、装置本体100のトナー容器収容部70に設けられた駆動ギア81と噛合して、容器本体33Yを回転軸Xを中心に回転駆動させるためのものである。
詳しくは、ギア33cは、その一部が、キャップ部34Yに形成された切欠部(
図6参照)から露呈して、その位置で装置本体100の駆動ギア81と噛合する。そして、駆動ギア81からギア33cに駆動力が伝達されて、容器本体33Yが回転することになる。
【0038】
図5及び
図6を参照して、容器本体33Yの長手方向他端側(装着方向の後方の端部である。)には、トナー容器32Yの着脱作業をおこなう際にユーザーが把持するための把持部33dが設けられている。ユーザーは把持部33dを把持しながら、画像形成装置本体100に対してトナー容器32Yの装着をおこなうことになる(
図5の矢印方向へのトナー容器32Yの移動である。)。
【0039】
また、容器本体33Yの内周面には、螺旋状の突起33bが設けられている(外周面側から見ると螺旋状の溝となっている。)。この螺旋状の突起33bは、容器本体33Yを所定方向に回転駆動して開口部Aからトナーを排出するためのものである。このように構成された容器本体33Yは、その周面上に配設されるギア33cや把持部33dとともにブロー成形にて製造することができる。
【0040】
なお、
図7を参照して、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、容器本体33Yとともに回転する撹拌部材33fがボトル口部33a(開口部A)に嵌合されている。撹拌部材33fは、キャップ部34Y内の空洞Bから容器本体33Y内に向けて延設された1対の板状部材である。この撹拌部材33fは、1対の板状部材がそれぞれ互い違いになるように傾斜している。また、撹拌部材33fは、キャップ部34Yと容器本体33Yとを組み付けたときに、その先端がキャップ部34Y内の排出口Wの上方に届くように構成されるとともに、その後端(反対側の端部)が汲み上げ部(
図7の破線で囲んだ部分である。)に届くように構成されている。容器本体33Yの開口部Aとともに撹拌部材33fが回転することで、開口部Aからのトナー排出性が向上する。
【0041】
また、容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に嵌合されている。したがって、ギア33cは、キャップ部34Yに対して相対的に回転することになる。
また、容器本体33Yの頭部(ギア33cが形成された位置近傍である。)の内径は、トナーが収容された収容部(螺旋状の突起33bが形成された位置である。)の内径よりも小さくなるように形成されている。そして、容器本体33Yの頭部には、その内周面が内部に向かってせり出すように形成された汲み上げ部(
図7の破線で囲んだ部分である。)が設けられている。そして、容器本体33Yの回転にともない螺旋状の突起33bによって開口部Aに向けて搬送されたトナーは、汲み上げ部(
図7の破線で囲んだ部分である。)によって頭部の小径部に汲み上げられる。その後、頭部の小径部に汲み上げられたトナーは、撹拌部材33fに撹拌されながら、開口部Aからキャップ部34Yの空洞Bに向けて排出される。
【0042】
図8~
図10等を参照して、キャップ部34Yは、空洞Bよりも大きな内径を有するように形成された内挿部に、容器本体33Yの開口部Aが内挿される。
図10、
図13(C)等を参照して、キャップ部34Y(画像形成装置本体100に装着された状態のものである。)には、トナー容器32Yに収容されたトナー(容器本体33Yの開口部Aから排出されたトナーである。)を容器外であって鉛直方向下方に排出(自重落下)するためのトナー排出口Wが形成されている。そして、キャップ部34Yには、トナー排出口Wを開閉するシャッタ部材34dが、スライド移動可能に保持されている。
【0043】
具体的に、シャッタ部材34dは、キャップ部34Yの側から容器本体33Yの側への長手方向の相対的な移動(
図9の下方への移動である。)によりトナー排出口Wを開放して、容器本体33Yの側からキャップ部34Yの側への長手方向の相対的な移動(
図9の上方への移動である。)によりトナー排出口Wを閉鎖する。シャッタ部材34dの開閉動作(トナー排出口Wの開閉動作である。)は、トナー容器収容部70(画像形成装置本体100)へのトナー容器32Yの長手方向の着脱動作に連動しておこなわれる。
なお、
図13は、シャッタ部材34dがトナー排出口Wの開放を開始してから開放が完了するまでの動作を示すものである。また、
図14は、そのときのシャッタ部材34d(シャッタ変形部34d2)の動作を示す図である。
【0044】
図8等を参照して、キャップ部34Yの底部には、シャッタ部材34dがトナー排出口Wを開放するときにシャッタ部材34dの一部(シャッタ変形部34d2である。)を内部に収納するシャッタ収納部34n(収納部)が形成されている。
シャッタ収納部34n(収納部)は、シャッタ部材34dがトナー排出口Wを開放した後のシャッタ変形部34d2(
図11、
図12等参照)を、内部に保持して収納する。ここで、
図8を参照して、シャッタ収納部34nの内側面には、シャッタ部材34dの開閉動作を案内するレール部として機能するスライド溝34n1が形成されている。レール部としてのスライド溝34n1は、キャップ部34Yの長手方向に平行に延びる溝部であり、シャッタ収納部34nの前面側(
図10の右方である。)から延設されている。
【0045】
このように構成されたキャップ部34Yは、開口部Aを介して容器本体33Yに連通していて、開口部Aから排出されたトナーをトナー排出口Wから排出する(
図3中の破線矢印方向の移動である。)。
ここで、本実施の形態では、
図10を参照して、キャップ部34Yの内部に、長手方向(
図10の左右方向である。)に延在するように略円柱状の空洞B(スペース)が形成されている。さらに、キャップ部34Yの内部には、略円柱状の空洞Bの下方の周面からトナー排出口Wに向けて一定の流路面積(流路断面積)にて柱状に形成されたトナー落下経路Cが設けられている。これによって、容器本体33Yの開口部Aからキャップ部34Yの空洞Bに排出されたトナーは、柱状のトナー落下経路Cを自重落下してトナー排出口Wから容器外(トナータンク部61Y)にスムーズに排出されることになる。
【0046】
このように構成されたキャップ部34Yの底部には、トナー排出口Wとの対向面上にシャッタシール36が貼着されたシャッタ部材34dが、設置されている。このシャッタ部材34dは、
図13(A)~(C)に示すように、トナー容器収容部70へのトナー容器32Yの着脱動作に連動してトナー排出口Bを開閉するためのものである。
詳しくは、
図11及び
図12を参照して、シャッタ部材34dは、板状のシャッタ主部34d1と、シャッタ主部34d1から容器本体33Y側(キャップ部34Yと容器本体33Yとが組み付けられた状態における、容器本体側である。)に向けて突出してシャッタ主部34d1より厚さが薄くて弾性をもたせた2つのシャッタ変形部34d2と、で構成されている。シャッタ主部34d1は、その両外側に1対のシャッタスライダ34d12が形成され、その両内側に1対のシャッタレール係合部34d15が形成されている。シャッタスライダ34d12は、シャッタ主部34d1の側部に、トナー容器32Yの挿入方向に対して平行に延設されている突起である。シャッタレール係合部34d15は、シャッタ主部34d1の内側(シャッタスライダ34d12が突出している側の反対側)に、シャッタシール36と所定の間隔をもって突出している突起である。
そして、シャッタ主部34d1のシャッタスライダ34d12がキャップ部34Yのスライド溝34n1(第1のレール部)に係合するとともに、シャッタ主部34d1のシャッタレール係合部34d15とシャッタシール36との間でキャップ部34Yのシャッタレール(第2のレール部)が挟み込むように係合して、これらのスライド溝34n1(レール部)に沿ってシャッタ部材34dが移動することで、シャッタ主部34d1がトナー排出口Wを開閉する。
ここで、シャッタ主部34d1の上面(トナー排出口Wに対向する面である。)には、シール部材としてのシャッタシール36が貼着されている。シャッタシール36は、シャッタ主部34d1(シャッタ部材34d)がトナー排出口Wを閉鎖した状態において、シャッタ主部34d1とトナー排出口Wとの間からトナーが漏出するのを防止するためのものであって、発泡樹脂材料等で形成することができる。
本実施の形態におけるシャッタシール36は、
図11及び
図12に示すように、シャッタ部材34dの閉鎖方向の端部から長手方向(装着方向)に突出するように配設されている。このシャッタシール36の先端部(突出した部分)は、キャップ部34Yがキャップ受部73に装着されるときに、トナー補給口72w(
図15、
図16参照)の周囲に形成された壁部に当接して、トナー容器32Y内のトナーがトナー補給口72wの周囲に漏出するのを防止するシール材として機能することになる。
【0047】
図11及び
図12を参照して、シャッタ部材34dの2つのシャッタ変形部34d2は、それぞれ、シャッタ主部34d1に一体的に形成されていて、シャッタ主部34d1との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成されている。2つのシャッタ変形部34d2は、それぞれ、シャッタ主部34d1に対して長手方向であって容器本体33Yの側に配設されている。この2つのシャッタ変形部34d2には、それぞれ、ストッパ部34d22とストッパ解除部34d21とが形成されている。また、2つのシャッタ変形部34d2は、それぞれ、シャッタ主部34d1から下方(
図10の下方である。)に向かって傾斜を有するように延設されている。
シャッタ変形部34d2の2つのストッパ部34d22は、シャッタ変形部34d2の開放方向(
図14の左方向である。)の最端部(シャッタ主部34d1から離れたシャッタ変形部34d2の先端である。)に形成された壁部であって、これがキャップ部34Yの収納部34nに形成された当接部34n5(
図9、
図13等参照)に当接することで、トナー排出口Wを閉鎖した状態からトナー排出口Wを開放する方向へのシャッタ部材34dの移動を規制する。すなわち、トナー容器32Yは、単独の状態(装置本体100にセットされていない状態である。)で、シャッタ部材34dの2つのストッパ部34d22が当接部34n5に当接しているために、シャッタ部材34dが独自に開放方向に移動してトナー排出口Wを開放してしまうようなことは生じない。
【0048】
シャッタ変形部34d2のストッパ解除部34d21(ストッパ解除用突起部)は、鉛直方向下方に突出するように形成されていて、下方から外力を受けることによりシャッタ変形部34d2の上方への弾性変形にともないストッパ部34d22を上方に変位させて当接部34n5との当接状態を解除するためのものである。ストッパ解除部34d21は、ストッパ部34d22と、接続位置(シャッタ主部34d1とシャッタ変形部34d2との接続位置である。)と、の間に形成されていて、長手方向の両側にスロープが形成された山形の突起である。そして、このストッパ解除部34d21が、トナー容器収容部70へのトナー容器32Yの装着動作に連動して、ボトル受部72に形成されたストッパ解除付勢部72b(
図15等を参照できる。)に当接して、ストッパ解除付勢部72bによって上方に押し上げられることによって(下方から外力を受けることによって)、シャッタ変形部34d2が上方に弾性変形されてストッパ部34d22も上方に変位される。こうして、ストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態が解除されて、シャッタ部材34dの開放方向の移動が可能になる。
また、本実施の形態において、シャッタ変形部34d2は、上述したように下方に向かって傾斜しているため、ストッパ解除付勢部72bによって上方に押し上げられて弾性変形することによりその傾斜が相殺されて、シャッタ主部34d1に対して直線的になる。そのため、シャッタ収納部34n内でシャッタ変形部34d2がシャッタ主部34d1に対して上方に反り返る量が少なくなる(又は、反り返る量がゼロになる。)。したがって、シャッタ収納部34n内に収容されたシャッタ変形部34d2が、容器本体33Yに接触する等の不具合が抑止され、シャッタ収納部34nのスペースが有効に活用されることになる。
なお、このような特徴的なシャッタ部材34dについては、後でさらに詳しく説明する。
【0049】
以下、
図13(A)~(C)、
図14(A)、(B)を用いて、トナー容器収容部70へのトナー容器32Yの装着動作に連動したシャッタ部材34dの動作について詳述する。なお、
図13(B)、(C)におけるシャッタ部材34dの位置は、それぞれ、
図14(A)、(B)おけるシャッタ部材34dの位置に対応する。
図13(A)に示すように、トナー容器収容部70へのトナー容器32Yの装着動作が開始されて、ボトル受部72に形成されたストッパ解除付勢部72b(
図14、
図15参照)の位置にシャッタ部材34dのストッパ解除部34d21(2つのストッパ解除部である。)が達していないとき、シャッタ部材34dの2つのストッパ部34d22がそれぞれ当接部34n5に当接していて、シャッタ部材34dの開放方向の移動が規制されている。
その後、トナー容器32Yの装着動作が進むと、
図13(B)、
図14(A)に示すように、ストッパ解除付勢部72bの位置にシャッタ部材34dのストッパ解除部34d21が達する。そして、トナー容器32Yの装着動作がさらに進むと、
図13(C)、
図14(B)に示すように、2つのストッパ解除付勢部72bによって2つのストッパ解除部34d21がそれぞれ押し上げられて、2つのシャッタ変形部34d2がそれぞれシャッタ主部34d1との接続位置を基点として弾性変形する。これにより、ストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態が解除されて、シャッタ部材34dの開放方向の相対的な移動が可能になる。
その後、シャッタ部材34dは、キャップ受部73のトナー補給口72wの周囲に形成された壁部(
図15、
図16参照)に当接して、トナー容器収容部70(キャップ受部73)における移動が規制される(シャッタ部材34dは長手方向に絶対的に移動しないことになる。)。しかし、トナー容器32Yの装着方向の移動は進められるために、シャッタ部材34dの開放方向の相対的な移動がおこなわれる。すなわち、
図13(C)に示すように、シャッタ部材34dは、容器本体33Yの側に相対的に移動して、そのシャッタ変形部34d2がシャッタ収納部34n(収納部)内に収納される。こうして、シャッタ部材34dの開放方向の移動によるトナー排出口Wの開放が完全に終了する。
【0050】
次に、
図15、
図16等を用いて、画像形成装置本体100のトナー容器収容部70について詳述する。
先に
図4を用いて説明したように、トナー容器収容部70には、ボトル受部72やキャップ受部73が設けられている。そして、トナー容器32Yは、ユーザーによって、長手方向を水平方向とした状態でボトル受部72のボトル受面72a上に上方から載置された後に、容器本体33Yに対してキャップ部34Yを先頭にして長手方向を装着方向としてボトル受面72a上を滑動しながらキャップ受部73に向けて押し込まれる。
ここで、
図15を参照して、ボトル受部72には各色ごとにボトル受面72aが形成されていて、それらのボトル受面72aの端部にそれぞれキャップ受部73が形成されている。そして、それぞれに対応するトナー容器32Y、32M,32C、32Kが挿入されて(白矢印方向の挿入である。)、ボトル受部72でそれぞれのキャップ部34Yが非回転で保持される。
なお、
図15では、ボトル受部72の構成を図示するために、4つのキャップ受部73のうち一部のキャップ受部の図示を省略している。
また、
図16では、トナー容器収容部70におけるトナー容器32Yの装着にともなうシャッタ部材34dの動作を示すために、トナー容器収容部70やトナー容器32Yの主要部品以外の図示を省略している。
【0051】
図15、
図16を参照して、トナー容器収容部70のボトル受部72には、ボトル受面72a、ストッパ解除付勢部72b(各ボトル受面72aごとに2つのストッパ解除付勢部72bである。)、シャッタ挟持機構としてのシャッタ閉機構72d、トナー補給口72w、等が設けられている。
ボトル受面72aは、トナー容器32Yの着脱動作時にはトナー容器32Yの滑動面として機能し、トナー容器32Yのセットが完了した後には回転駆動する容器本体33Yの保持部として機能する。
2つのストッパ解除付勢部72bは、ボトル受面72aにおいてキャップ受部73の側(トナー容器32Yの装着方向下流側である。)に形成された台形状のリブである。先に
図13、
図14等を用いて説明したように、2つのストッパ解除付勢部72bは、トナー容器32Yの装着動作に連動して、シャッタ部材34dの2つのストッパ解除部34d21をそれぞれ押し上げて、2つのストッパ部34d22と2つの当接部34n5との当接状態をそれぞれ解除するためのものである(シャッタ部材34dの開放動作を可能にするためのものである。)。
【0052】
シャッタ閉機構72d(シャッタ挟持機構)は、キャップ受部73に覆われたボトル受部72上の位置であって、トナー補給口72wに対してトナー容器32Yの装着方向上流側に配設されている。シャッタ閉機構72dは、シャッタ部材34dを挟むように対向する1対の略馬蹄形の部材であって、ねじりコイルスプリングが設置された支軸を中心にして回動可能に構成されている。そして、シャッタ閉機構72dは、トナー容器32Yにおけるシャッタ部材34dの開閉動作時に、シャッタ部材34dの被挟持部34d11(
図11、
図12参照)を挟持して、シャッタ部材34dの開閉動作時におけるキャップ受部73でのシャッタ部材34d及びキャップ部34Yの姿勢が定める。これにより、シャッタ部材34dのスムーズな開閉動作が可能になる。
【0053】
なお、
図16(A)~(C)は、シャッタ部材34dの開閉動作にともなうシャッタ閉機構72d(シャッタ挟持機構)の動作と、シャッタ部材34dの動作と、を示す図である。
シャッタ閉機構72dは、トナー容器32Yが装着されていない状態では、
図16(A)に示すような状態である。
そして、シャッタ部材34dの開放動作時には、
図16(B)に示すように、白矢印方向のトナー容器32Yの装着動作にともない、シャッタ部材34dがシャッタ閉機構72dに近づいてくる。
そして、
図16(C)を参照して、トナー容器32Yの装着動作が進むと、シャッタ閉機構72dが、シャッタ部材34dの被挟持部34d11(
図11、
図12参照)を挟持した状態で、支軸を中心に回転する。その後、シャッタ部材34dは、キャップ受部73のトナー補給口72wの周囲に形成された壁部に当接して、キャップ受部73におけるシャッタ部材34dの移動が規制される(シャッタ部材34dは長手方向に絶対的に移動しないことになる。)。しかし、トナー容器32Yの装着方向の移動は進められるために、シャッタ部材34dの開放方向の相対的な移動がおこなわれる。こうして、
図16(C)に示すように、シャッタ部材34dは、容器本体33Yの側に相対的に移動して、トナー排出口Wの開放がおこなわれる。
他方、トナー容器32Yをトナー容器収容部70(キャップ受部73)から取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で操作がおこなわれる。
【0054】
以下、本実施の形態において特徴的な、トナー容器32Yの構成・動作をまとめて説明する。
先に
図13等を用いて説明したように、本実施の形態におけるトナー容器32Yには、トナー排出口Wを開閉するシャッタ部材34dが設けられている。
そして、シャッタ部材34dには、
図11、
図12等に示すように、シャッタ主部34d1と複数のシャッタ変形部34d2とが設けられている。
シャッタ主部34d1は、長手方向(
図3の回転軸Xが延びる方向である。)に延びるレール部としてのスライド溝34n1(
図8参照)に係合して、スライド溝34n1(レール部)に沿って移動することでトナー排出口Wを開閉するものである。
複数のシャッタ変形部34d2は、シャッタ主部34d1にそれぞれ一体的に形成されるとともに、それぞれシャッタ主部34d1との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成されている。特に、本実施の形態では、複数のシャッタ変形部として、2つのシャッタ変形部34d2が、長手方向に対して略直交する方向(
図9の左右方向である。)に間隔をあけて並設されている。
【0055】
そして、
図11~
図13等に示すように、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、ストッパ部34d22とストッパ解除部34d21とが形成されている。
ストッパ部34d22は、トナー容器32Yに形成された当接部34n5に当接することでトナー排出口Wを閉鎖した状態からトナー排出口Wを開放する方向へのシャッタ部材の移動を規制するものである。
ストッパ解除部34d21は、下方から外力を受けることによりシャッタ変形部34d2の上方への弾性変形にともないストッパ部34d22を上方に変位させて当接部34n5との当接状態を解除するものである。
【0056】
特に、複数のストッパ解除部34d21は、それぞれ、トナー容器32Yが画像形成装置本体100(トナー容器収容部70)に装着される動作にともない、画像形成装置本体100において上方に突起するように形成されたストッパ解除付勢部72b(複数のストッパ解除部34d21にそれぞれ対応するように形成された複数のストッパ解除付勢部72bであって、
図14、
図15等参照)に接触することで、ストッパ部34d22を上方に変位させる。
なお、複数の前記ストッパ解除部34d21は、それぞれ、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に装着された状態で、鉛直方向下方に突出するように形成されている。
【0057】
そして、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、対応する
ストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態の解除が他のシャッタ変形部34d2に対して独立しておこなわれるように構成されている。具体的に、2つのシャッタ変形部34d2は、一方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と一方の当接部34n5との当接状態の解除と、他方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と他方の当接部34n5との当接状態の解除と、が同時のタイミングではあるものの、独立して別々におこなわれる。
そして、複数のシャッタ変形部34d2のすべてに対する当接部34n5との当接状態の解除がおこなわれたときに、開放する方向(
図9の下方である。)へのシャッタ部材34dの移動の規制が解除される。すなわち、2つのシャッタ変形部34d2のうち、一方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態を解除しただけでは、開放方向へのシャッタ部材34dの移動の規制が解除されず、2つのシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態をどちらも解除したときに、開放方向へのシャッタ部材34dの移動の規制が解除されることになる。
【0058】
このように、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、シャッタ部材34dにシャッタ主部34d1との接続位置を基点にして弾性変形するシャッタ変形部34d2を設けて、そのシャッタ変形部34d2にシャッタ部材34dの開放方向の移動を規制するストッパ部34d22とそれを解除するストッパ解除部34d21とを設けているため、トナー容器32Yが単体の状態でシャッタ部材34dが勝手にトナー排出口Wを開放してしまうことがなく、トナー容器32Yが画像形成装置本体100にセットされるときにのみその装着動作に連動してシャッタ部材34dがトナー排出口Wを開放することになる。
そして、本実施の形態では、そのように機能するシャッタ変形部34d2を複数設けているため、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に装着されていない状態で、ユーザーが誤って1つのストッパ解除部34d21に触れてしまって1つのストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態が解除されてしまっても、他のストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態が解除されていないため、シャッタ部材34dの移動制限が解除されにくくなる。したがって、画像形成装置本体100に装着されていないトナー容器32Yのシャッタ部材34dがトナー排出口Wを開放するように移動してしまい、トナー排出口Wからトナーが漏出してしまうような不具合も生じにくくなる。
【0059】
ここで、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、上述したトナー排出口Wとスライド溝34n1(レール部)とシャッタ部材34dと当接部34n5とが、画像形成装置本体100において非回転で保持されるキャップ部34Yに設けられている。
これにより、上述したシャッタ部材34dの開閉動作を、非回転で安定しておこなうことが可能になる。
【0060】
また、
図11、
図12等に示すように、本実施の形態において、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、他のシャッタ変形部34d2に繋がることなく、シャッタ主部34d1に繋がるように形成されている。
このように構成することにより、2つのシャッタ変形部34d2は、一方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と一方の当接部34n5との当接状態の解除と、他方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と他方の当接部34n5との当接状態の解除と、が独立して別々におこなわれることになる。
【0061】
また、本実施の形態において、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、シャッタ主部34d1に対して、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に装着される装着方向の上流側(
図9の下方である。)に延びるように形成されている。
これにより、キャップ部34Yの側を先頭として画像形成装置本体100に装着されるトナー容器32Yの装着動作に連動して、シャッタ部材34dの開放動作をスムーズにおこなうことができる。
【0062】
また、本実施の形態において、複数のシャッタ変形部34d2に形成された複数のストッパ部34d22は、それぞれ、シャッタ主部34d1に対して、トナー容器32Yが画像形成装置本体100に装着される装着方向の上流側(
図9の下方である。)に形成されている。
これにより、キャップ部34Yの側を先頭として画像形成装置本体100に装着されるトナー容器32Yの装着動作に連動して、シャッタ部材34dの開放動作をスムーズにおこなうことができる。
【0063】
また、本実施の形態において、シャッタ主部34d1と複数のシャッタ変形部34d2とは、弾性を有する樹脂材料で一体的に成型されている。
これにより、上述したような弾性変形を利用したシャッタ部材34dの開閉動作が可能になる。
【0064】
また、本実施の形態において、2つのシャッタ変形部34d2にそれぞれ形成された2つのストッパ解除部34d21は、長手方向(
図9の上下方向である。)の位置が略一致するように形成されている。
これにより、2つのシャッタ変形部34d2は、一方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と一方の当接部34n5との当接状態の解除と、他方のシャッタ変形部34d2の
ストッパ部34d22と他方の当接部34n5との当接状態の解除と、が独立して別々におこなわれるものの、その解除のタイミングがほぼ同時になる。そのため、解除のタイミングがずれる場合に比べて、シャッタ部材34dがスムーズに開閉されることになる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、長手方向を水平方向とした状態で画像形成装置本体100に対して長手方向に装着されるトナー容器32Yであって、画像形成装置本体100に装着された状態で、トナー容器32Yに収容されたトナーを鉛直方向下方に排出するためのトナー排出口Wと、トナー排出口Wを開閉するシャッタ部材34dと、が設けられている。そして、シャッタ部材34dは、長手方向に延びるスライド溝34n1(レール部)に係合してスライド溝34n1に沿って移動することでトナー排出口Wを開閉するシャッタ主部34d1と、シャッタ主部34d1にそれぞれ一体的に形成されるとともに、それぞれシャッタ主部34d1との接続位置を基点にして上下方向に弾性変形可能に形成された複数のシャッタ変形部34d2と、が設けられている。そして、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、トナー容器32Yに形成された当接部34n5に当接することでトナー排出口Wを閉鎖した状態からトナー排出口Wを開放する方向へのシャッタ部材34dの移動を規制するストッパ部34d22と、下方から外力を受けることによりシャッタ変形部34d2の上方への弾性変形にともないストッパ部34d22を上方に変位させて当接部34n5との当接状態を解除するストッパ解除部34d21と、が設けられている。さらに、複数のシャッタ変形部34d2は、それぞれ、対応するストッパ部34d22と当接部34n5との当接状態の解除が他のシャッタ変形部34d2に対して独立しておこなわれるように構成されている。そして、複数のシャッタ変形部34d2のすべてに対する当接状態の解除がおこなわれたときに、開放する方向へのシャッタ部材34dの移動の規制が解除される。
これにより、画像形成装置本体100に装着されていない状態で、ストッパ部34d22によるシャッタ部材34dの移動制限が解除されてしまう不具合を生じにくくすることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、トナー容器32Y、32M、32C、32K内にトナーのみを収容したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を現像装置に適宜に供給する画像形成装置に対してはトナー容器32Y、32M、32C、32K内に2成分現像剤を収容することもできる。そのような場合であっても、上述した本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、本実施の形態において、作像部6Y、6M、6C、6Kの一部又は全部をプロセスカートリッジとすることもできる。その場合であっても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、本実施の形態では、容器本体33Yを回転可能に構成することで、容器本体33Yの内部に収容したトナーが開口部Aに向けて搬送されるように構成した。これに対して、容器本体33Yがキャップ部34Yとともに非回転でトナー容器収容部70に保持されるように構成するとともに、容器本体33Y内に開口部Aに向けてトナーを搬送する搬送部材(例えば、軸部状に搬送コイルや複数の搬送羽根が設置されて、容器本体から独立したギアによって所定方向に回転する搬送部材である。)を設置することで、容器本体33Yの内部に収容したトナーが開口部Aに向けて搬送されるように構成してもよい。
【0069】
また、本実施の形態では、シャッタ部材34dに2つのシャッタ変形部34d2を設けたが、シャッタ部材34dに3つ以上のシャッタ変形部34d2を設けることもできる。
そして、そのような場合であっても、上述した本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0070】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0071】
5Y 現像装置、
32Y、32M、32C、32K トナー容器、
33Y 容器本体、
34Y キャップ部、
34d シャッタ部材、
34d1 シャッタ主部、
34d15 シャッタレール係合部、
34d2 シャッタ変形部、
34d21 ストッパ解除部、
34d22 ストッパ部、
34n1 スライド溝(レール部)、
34n5 当接部、
60Y、60M、60C、60K トナー補給装置、
70 トナー容器収容部、
72 ボトル受部、
72a ボトル受面、
72b ストッパ解除付勢部、
72d シャッタ閉機構(シャッタ挟持機構)、
72w トナー補給口、
73 キャップ受部、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
W トナー排出口。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】