(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241108BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/01 Y
(21)【出願番号】P 2020043754
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】林 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】国見 敬二
(72)【発明者】
【氏名】田中 正人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慶
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-077932(JP,A)
【文献】特開2019-117372(JP,A)
【文献】特開2006-194961(JP,A)
【文献】特開2009-086334(JP,A)
【文献】特開2013-235260(JP,A)
【文献】特開2015-031732(JP,A)
【文献】特開2015-210462(JP,A)
【文献】特開2001-134153(JP,A)
【文献】米国特許第09488932(US,B1)
【文献】特開2019-101156(JP,A)
【文献】特開2010-244049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーで現像処理を行う第一交換ユニットと前記第一交換ユニットのトナーとは異なる色のトナーで現像処理を行う第二交換ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部を備えた画像形成装置において、
前記第一交換ユニットを用いて画像形成動作を行う第一画像形成モードと、前記第二交換ユニットを用いて画像形成動作を行う第二画像形成モードとをユーザーが選択可能であり、
前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間の開閉カバーの開閉の有無、および、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間の画像形成モードの変更の有無に基づいて、画像形成モードに対応した交換ユニットが前記ユニット保持部に保持されている否かの判定を行う判定手段を有し、
前記第一交換ユニットへ補給するトナーを収容した第一トナー収容器と、前記第二交換ユニットへ補給するトナーを収容した第二トナー収容器とを選択的に保持するトナー収容器保持部を備え、
前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別する交換ユニット判別処理と、前記トナー収容器保持部が前記第一トナー収容器を保持しているか又は前記第二トナー収容器を保持しているかを判別するトナー収容器判別処理とを実行し、これらの判別処理の判別結果に基づき、保持されている交換ユニットとトナー収容器とが同じトナーに対応するものでないと判断した場合には、トナー補給動作を禁止する処理を行い、
保持されている交換ユニットとトナー収容器とが同じトナーに対応するものでなく、かつ、保持されている交換ユニットが、対応する画像形成モードであるときは、画像形成動作後にトナー収容器の誤装着を通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の画像形成装置において、
前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に開閉カバーの開閉があったときは、前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別する交換ユニット判別処理を実行し、
前記交換ユニット判別処理により判別した交換ユニットが、対応する画像形成モードでないときは、画像形成動作を中止し、ユーザーに誤装着を通知することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第一交換ユニットおよび前記第二交換ユニットとは異なる色のトナーで現像する第三交換ユニットと、前記第三交換ユニットへ補給するトナーを収容した第三トナー収容器とを保持しており、
前回の画像形成動作終了時に、前記第三交換ユニットの交換指示があったとき、または、前回の画像形成動作終了時に、前記第三トナー収容器の交換指示があったときは、前記交換ユニット判別処理を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置において、
テストトナー像を検知する検知手段を有し、
前記交換ユニット判別処理は、前記ユニット保持部に保持された交換ユニットを用いて前記テストトナー像を形成し、前記検知手段による前記テストトナー像の検知結果に基づいて、前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検知手段は、テストトナー像へ光を照射して該テストトナー像からの正反射光を受光する光学センサであり、
前記交換ユニット判別処理は、前記光学センサが受光するテストトナー像からの正反射光量に基づいて、前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記検知手段は、テストトナー像へ光を照射して該テストトナー像からの反射光を受光する光学センサであり、
前記交換ユニット判別処理は、前記光学センサが受光するテストトナー像からの反射光に基づいて算出された現像感度に基づいて、前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の画像形成装置において、
前記第二交換ユニットのトナーが、透明トナーであり、
前記光学センサは、前記透明トナーの透過率が20%未満になる波長領域に相対発光強度のピークを持つ光源を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか一項に記載の画像形成装置において、
各交換ユニットの使用に関する情報を記憶する記憶手段を有し、
前記記憶手段から、前記ユニット保持部に保持されている交換ユニットの使用に関する情報を読み出し、読み出した前記ユニット保持部に保持されている交換ユニットの使用に関する情報に基づいて作像条件を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記交換ユニットの使用に関する情報が、交換ユニットの走行距離であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第一交換ユニットが、黒トナーで現像処理を行う黒用交換ユニットであり、前記第二交換ユニットが、特殊トナーで現像処理を行う特殊用交換ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーで現像処理を行う第一交換ユニットと第一交換ユニットのトナーとは異なる色のトナーで現像処理を行う第二交換ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記画像形成装置として、第一交換ユニットたる黒用交換ユニットおよび第二交換ユニットたる特殊用交換ユニットにIDチップを設け、装置本体に情報読取装置を設けたものが記載されている。情報読取装置によりIDチップに記憶されている情報を読み出して、ユニット保持部に保持されている交換ユニットを判別する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、ユニット保持部に保持されている交換ユニットを判別するために、各交換ユニットにIDチップを設け、装置本体に情報読取装置を設ける必要があり、交換ユニットおよび装置本体の高コスト化を招くおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、トナーで現像処理を行う第一交換ユニットと前記第一交換ユニットのトナーとは異なる色のトナーで現像処理を行う第二交換ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部を備えた画像形成装置において、前記第一交換ユニットを用いて画像形成動作を行う第一画像形成モードと、前記第二交換ユニットを用いて画像形成動作を行う第二画像形成モードとをユーザーが選択可能であり、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間の開閉カバーの開閉の有無、および、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間の画像形成モードの変更の有無に基づいて、画像形成モードに対応した交換ユニットが前記ユニット保持部に保持されている否かの判定を行う判定手段を有し、前記第一交換ユニットへ補給するトナーを収容した第一トナー収容器と、前記第二交換ユニットへ補給するトナーを収容した第二トナー収容器とを選択的に保持するトナー収容器保持部を備え、前記ユニット保持部が前記第一交換ユニットを保持しているか又は前記第二交換ユニットを保持しているかを判別する交換ユニット判別処理と、前記トナー収容器保持部が前記第一トナー収容器を保持しているか又は前記第二トナー収容器を保持しているかを判別するトナー収容器判別処理とを実行し、これらの判別処理の判別結果に基づき、保持されている交換ユニットとトナー収容器とが同じトナーに対応するものでないと判断した場合には、トナー補給動作を禁止する処理を行い、保持されている交換ユニットとトナー収容器とが同じトナーに対応するものでなく、かつ、保持されている交換ユニットが、対応する画像形成モードであるときは、画像形成動作後にトナー収容器の誤装着を通知するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、交換ユニット、装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図。
【
図5】プリンタ本体に設けられるIDチップ読取部やバーコード読取部を示す説明図。
【
図6】(a)は、プロセスユニットの斜視図であり、(b)は、プロセスユニットの側面カバーの内部構成を示す図。
【
図7】本実施形態のプリンタにおけるプロセスユニット誤装着検知制御に関わる制御ブロック図。
【
図8】プロセスユニット誤装着検知制御の制御フロー図。
【
図9】現像バイアスと、トナー付着量センサの正反射型受光素子の出力電圧に基づいて求めたトナー付着量との関係を示す図。
【
図11】Kトナー付着量と、IRトナー付着量と、閾値との関係を示す図。
【
図12】(a)は、画像濃度調整時に形成されるテストトナー像を示す図であり、(b)は、K色の現像感度と、IR色の現像感度と、閾値とを示す図である。
【
図13】プロセスユニット誤装着検知制御の変形例を示す制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、画像形成装置であるカラープリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、一例として、本発明を4ステーション以下の画像形成装置に適用している。また、画像形成装置としては、黒(K)トナーで現像処理を行うK用現像装置を含むK用プロセスユニット(黒用交換ユニットであり第一交換ユニットである)を着脱可能に保持するユニット保持部を備え、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のうちの少なくとも1つのカラートナーからなるカラートナー像とKトナーからなるKトナー像とで構成されるカラー黒可視画像を記録媒体上に形成するものであれば、特に制限はない。したがって、プリンタ以外にも、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
【0009】
本実施形態のプリンタは、前記ユニット保持部に、K用プロセスユニットに代えて、記録媒体上で視認困難な視認困難画像を形成する特殊トナーで現像処理を行う特殊用現像装置を含む特殊用交換ユニット(第二交換ユニット)を交換して保持させることにより、視認困難画像を形成できるものである。このような特殊トナーは、画像中に付加情報を埋め込む場合に使用される。例えば、不正コピー防止等の目的で、カラートナーによる可視画像とともに、不可視パターン、地紋などと呼ばれる目視で認識しにくい視認困難画像(人間が一見しても視認できない「COPY」等の文字画像)を記録媒体に形成する場合に使用される。また、例えば、QRコード(登録商標)等のコード画像の情報量を増やす目的で、可視画像によるコード画像と視認困難画像によるコード画像とを重ねて記録媒体に形成する場合に使用される。
【0010】
視認困難画像とは、後述するように、可視光下で通常のカラートナーよりも透明性が高いトナーによって形成される画像であって、本実施形態ではさらに赤外光等を照射するなどの処理によって、発光、発色等が行われ、視認が容易になるようにされている。
【0011】
特殊トナーとしては、透明性を有する赤外光吸収トナーや、紫外線を当てると蛍光する透明性の蛍光トナーなど、可視光領域外の光を吸収したり、可視光領域外の光によって可視光領域の光を発光したりするものが挙げられる。本実施形態は、特殊トナーとして、赤外光吸収トナーを用いる例で説明する。以下の説明において、各部材のトナー別符号として、イエロートナー(Yトナー)は「Y」、マゼンタトナー(Mトナー)は「M」、シアントナー(Cトナー)は「C」、黒トナー(Kトナー)は「K」、赤外光吸収トナー(IRトナー)は「IR」を用いる。上述のとおり、特殊トナーは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色、もしくは透明なトナーである。白、メタリックも含む。ただし、特殊トナーとしては、可視光下で発色を抑制されているような透明トナー(透明性トナー)が望ましい。また、通常のカラートナーよりも色素含有量が少ない。
【0012】
まず、本実施形態に係るプリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図である。
本実施形態のプリンタは、画像形成部1と、転写部2と、記録媒体供給部3と、定着部4と、記録媒体排出部5と、制御部30と、画像形成制御部40とから、主に構成されている。
【0013】
画像形成部1には、交換ユニットとしての作像ユニットである4つのプロセスユニット6を保持するための4つのユニット保持部が設けられている。そのうちの3つのユニット保持部は、カラートナーに対応する第三交換ユニットたる3つのプロセスユニット6Y,6M,6Cにそれぞれ対応したものである。残りの1つのユニット保持部は、第一交換ユニットたるK用プロセスユニット6K及び第二交換ユニットたるIR用プロセスユニット6IRに対応したものであり、いずれかのプロセスユニット6K,6IRが選択的に装着されて保持する。なお、
図1には、ユニット保持部に対し、K用プロセスユニット6Kではなく、IR用プロセスユニット6IRを装着して保持させた例が図示されている。各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、使用するトナーの種類が異なる以外は同様の構成となっている。
【0014】
本実施形態のプリンタは、ユニット保持部が4つであるため、上述した5つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRに対応する5つのユニット保持部を備えたプリンタよりも、小型化が実現される。すなわち、4つのユニット保持部をもつ小型のプリンタで、Y、M、C、Kのトナーによるフルカラー画像(カラー黒可視画像)の形成と、Y、M、C、IRのトナーによるフルカラー画像(カラー可視画像)及びIR画像(視認困難画像)の形成とを、両立することができる。
【0015】
また、すべてのプロセスユニットを着脱可能とし、プロセスユニットを装着する位置(ユニット保持部)を互いに入れ替えができるようにしてもよい。この場合、IRのプロセスユニットの位置を入れ替えることで、記録媒体上におけるIRトナー像と各カラートナー像との位置関係(トナー像積層方向における位置関係)を適宜入れ替えることが可能となる。
【0016】
本実施形態において、各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、潜像を担持する潜像担持体としての感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7上の潜像を現像する現像手段としての現像装置9と、感光体7の表面をクリーニングする潜像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置10などで構成されている。各感光体7に対向した位置には、それぞれ、感光体7の表面に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置11が設けられている。本実施形態では、露光装置11としてLEDユニットを用いているが、レーザダイオードを用いたレーザビームスキャン方式のものを用いてもよい。
【0017】
転写部2には、感光体7上のトナー像が転写される中間転写体としての無端状の中間転写ベルト12と、感光体7上の画像を中間転写ベルト12に一次転写する一次転写手段としての複数の一次転写ローラ13と、中間転写ベルト12に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段としての二次転写ローラ14と、中間転写ベルト12の表面(外周面)をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置17とが配置されている。
【0018】
中間転写ベルト12は、駆動ローラ15と従動ローラ16とに張架されており、駆動ローラ15が回転することで周回走行(回転)する。各一次転写ローラ13は、中間転写ベルト12を各感光体7に押し当てるように配置されている。これにより、中間転写ベルト12と各感光体7との接触箇所には、各感光体7上の画像が中間転写ベルト12に転写される一次転写ニップが形成される。一方、二次転写ローラ14は、駆動ローラ15に巻き付いた中間転写ベルト12の部分に接触するように配置されている。この二次転写ローラ14と中間転写ベルト12とが接触する箇所には、中間転写ベルト12上の画像が記録媒体に転写される二次転写ニップが形成される。
【0019】
記録媒体供給部3には、記録媒体としての用紙Pを収容する記録媒体収容部としての給紙カセット18と、給紙カセット18から用紙Pを給送する記録媒体給送手段としての給紙ローラ19と、給紙ローラ19によって給送された用紙Pを所定のタイミングで前記二次転写ニップへ搬送する記録媒体搬送手段としてのタイミングローラ20が配置されている。なお、記録媒体としては、用紙以外に、OHPシートやOHPフィルム、布等であってもよい。また、用紙には、普通紙のほか、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、和紙等の凹凸紙、トレーシングペーパ等が含まれる。
【0020】
定着部4には、用紙Pに画像を定着する定着手段としての定着装置21が配置されている。定着装置21は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22に対して所定の圧力で接触して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とから主に構成されている。
【0021】
記録媒体排出部5には、定着装置21から送り出された用紙Pを装置外に排出する記録媒体排出手段としての排紙ローラ24と、排紙ローラ24によって排出された用紙Pを載置する記録媒体載置部としての排紙トレイ25とが配置されている。
【0022】
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に対する画像処理を行い、また、プリンタ全体の制御を担うものである。
また、画像形成制御部40は、制御部30の制御の下、プリンタの各部(画像形成部1、転写部2、記録媒体供給部3、定着部4、記録媒体排出部5等)における画像形成動作を制御するものである。
【0023】
また、本実施形態のプリンタには、上述の各構成要素に加え、画像形成に用いられる粉体であるトナーを収容するトナー収容器としての複数のトナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRを着脱可能に保持する容器保持部材102が設けられている。この容器保持部材102には、4つのトナー収容器保持部が設けられ、各トナー収容器保持部にそれぞれ対応するトナーカートリッジが装着され保持される。4つのトナー収容器保持部のうちの3つのトナー収容器保持部は、カラートナーに対応する第三トナー収容器たる3つのトナーカートリッジ26Y,26M,26Cにそれぞれ対応したものである。残りの1つのトナー収容器保持部は、第一トナー収容器たるK用トナーカートリッジ26K及び第二トナー収容器たるIR用トナーカートリッジ26IRに対応したものであり、いずれかのトナーカートリッジ26K,26IRが選択的に装着されて保持する。なお、
図1には、トナー収容器保持部に対し、K用トナーカートリッジ26Kではなく、IR用トナーカートリッジ26IRを装着して保持させた例が図示されている。
【0024】
各トナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRは、上述した各6Y,6M,6C,6K,6IRの現像装置9内のトナーと同じ種類(色)のトナーが、それぞれに収容されている。容器保持部材102の4つのトナー収容器保持部には、それぞれ、4つのユニット保持部に装着されているプロセスユニット6のトナーに対応するトナーカートリッジ26が装着され、装着されているプロセスユニット6の現像装置9内のトナーが所定量を下回ると、対応するトナー収容器保持部に装着されたトナーカートリッジ26から同じ種類のトナーが補給される。
【0025】
また、本実施形態のプリンタには、廃トナー収容容器27が装着されている。この廃トナー収容容器27には、ベルトクリーニング装置17あるいは感光体クリーニング装置10によって回収された廃トナーが収容される。
【0026】
また、
図1に示すように、本実施形態のプリンタは、装置本体(画像形成装置本体)100の上部を開閉するための開閉カバーとしてのカバー部材101を備える。カバー部材101は、装置本体100に設けられた回動軸103を中心に上下に回動可能となっている。また、カバー部材101の下方には、4つのトナーカートリッジ26を着脱可能にトナー収容器保持部に保持する容器保持部材102が配置されている。容器保持部材102は、装置本体100に設けられた別の回動軸104を中心に上下に回動可能となっている。
【0027】
容器保持部材102は、カバー部材101が開かれた状態で、開閉可能となっており、容器保持部材102を開くことでプロセスユニットを、ユニット毎に交換することが可能となっている。カバー部材101の回動軸103近傍には検知突起103aが形成されており、カバー部材101を開閉すると、検知突起103aによって、カバー開閉検知手段としての開閉検知スイッチ110がオン/オフされる。これにより、カバー部材101の開閉が検知される。なお、カバー部材101の開閉検知は、これに限らず、例えば、カバー開閉検知手段として、光学センサを用いるなど、公知の手法を用いることができる。
【0028】
図1に示すように、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRトナーからなるIRトナー像(特殊トナー像)が、用紙P上で、Y、M、Cのカラートナーからなるカラートナー像よりも用紙側に形成されるように、IRのプロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側に配置され、その上流側にカラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cが配置される。つまり、中間転写ベルト12上では、ベルト側から順に、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、IRトナー像が積層されるが、これを二次転写した後の用紙上においては、用紙側から順に、IRトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の順となる。
【0029】
IRトナー像をカラートナー像よりも用紙側に形成することで、IRトナー像がカラートナー像に隠れ、IRトナー像による視認困難画像の不視認性を高めやすい。ただし、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cに対してIRのプロセスユニット6IRをどこに配置するかは、適宜変更可能である。また、上述したように、プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRの装着位置を互いに入れ替えることができる構成とした場合には、IRのプロセスユニットの位置を自由に入れ替えることができる。
【0030】
また、本実施形態のプリンタでは、Y、M、C、K、IRの各トナーの付着量(単位面積当たりのトナー付着量)を調整して各トナーによる画像濃度の調整を行う。詳しくは、中間転写ベルト12上に形成されるY、M、C、K、IRの各トナーのテストトナー像(異なる目標濃度となるように作像された複数のトナーパッチ)のトナー付着量を検知するためのトナー付着量検知センサ70が設けられている。このトナー付着量検知センサ70で検知した結果から、所望の濃度に対して所望のトナーが付着するように、Y、M、C、K、IRの各プロセスユニットにおける作像条件(画像形成条件)等が調整される。
【0031】
本実施形態のトナー付着量検知センサ70は、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して共通に使用されるものでもよいし、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して個別に使用されるものでもよい。
【0032】
図2は、トナー付着量検知センサ70を示す拡大構成図である。
トナー付着量検知センサ70は、反射型フォトセンサーであり、テストトナー像へ光を照射する光源としてのLED71と、正反射光を受光する正反射型受光素子72と、拡散反射光を受光する拡散反射型受光素子73とを具備している。正反射型受光素子72は、テストトナー像の表面で得られる正反射光の光量に応じた電圧を出力する。また、正反射型受光素子72は、テストトナー像の表面で得られる拡散反射光の光量に応じた電圧を出力する。
【0033】
Y、M、Cのカラートナーについては、正反射型受光素子72および正反射型受光素子72の両方の受光量に応じた出力電圧に基づいてテストトナー像Tのトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)を検出するが、Kトナーについては、正反射型受光素子72の受光量に応じた出力電圧のみに基づいてテストトナー像のトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)を検出する。
【0034】
一方、本実施形態のIRトナーは、定着処理後は不可視画像(目視しにくい画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持たない画像)となるが、定着処理前の中間転写ベルト12上では、可視画像(目視できる画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持つ画像)であるため、C、M、Y、Kと同様のトナー付着量検知センサを用いることができる。トナー付着量検知センサ70のLED71としては、透明トナーたるIRトナーに対する透過率が20%未満になる波長領域に相対発光強度のピークを持つLEDを用いるのが好ましい。このような相対発光強度のピークを持つLEDを用いることで、IRのテストトナー像のトナー付着量を良好に検知することができる。
【0035】
本実施形態においては、Kのテストトナー像とIRのテストトナー像については、共通のトナー付着量検知センサ70が用いられる。ただし、IRトナーのテストトナー像については、正反射型受光素子72の出力電圧のみでテストトナー像のトナー付着量を検知するよりも、正反射型受光素子72および拡散反射型受光素子73の両方の出力電圧に基づいてテスト像のトナー付着量を検知する方が、高精度のトナー付着量検知を実現できる。
【0036】
図3は、現像装置9の概略構成図である。
現像装置9は、内部に収容されているトナーの種類が異なる以外は、基本的な構成は、Y、C、M、K、IRで同様である。
現像装置9は、内部にトナー等を収容する現像ケース9aと、トナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ9bと、現像ローラ9bにトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ9cとを有している。また、現像装置9は、現像ローラ9b上に担持されたトナーの厚さを規制する規制部材としての規制ブレード9dと、トナーを搬送する搬送部材としての搬送スクリュー9eと、トナーを撹拌する撹拌部材としてのアジテータ9fを有している。
【0037】
現像ローラ9bは、現像ケース9aの感光体7と対向する開口部に回転可能に設けられている。現像ローラ9bは、金属製の芯金と、芯金の外周に配設された弾性部材又は発泡弾性部材から成る弾性層と、弾性層の外周に配設されたアクリル樹脂又はシリコーン樹脂等から成る表面層(樹脂コート層)とを有する。なお、表面層を有しない現像ローラ9bであってもよい。現像ローラ9bには、現像バイアスが印加されている。
【0038】
供給ローラ9cは、金属製の芯金の外周に、発泡弾性部材から成る弾性層を配設したスポンジローラで構成されている。発泡弾性部材の材料としては、例えば、軟質ウレタンフォーム、シリコーン、発泡ポリマーなどがある。また、これらの材料に導電材を加えるなどして、抵抗値を調整したものを用いてもよい。供給ローラ9cは、現像ローラ9bに接触しており、両ローラ9b,9c間にニップ(以下、「供給ニップ」という)が形成されている。また、供給ローラ9cには、供給バイアスが印加されており、現像ローラ9bに対して一定の電位差(現像バイアス-供給バイアス)が形成されている。この供給バイアスの設定値は、トナー色によって異なる値となっている。
【0039】
規制ブレード9dは、例えば、厚さ0.1mm程度のSUSなどの金属板で構成される。規制ブレード9dは、その先端が現像ローラ9bの表面に接触し、ニップ(以下、「規制ニップ」という)を形成している。
【0040】
作像動作開始の指示があると、現像ケース9a内のトナーは、アジテータ9fにより攪拌され、搬送スクリュー9eによって供給ローラ9cに供給される。供給ローラ9cに供給されたトナーは、供給ニップで供給ローラ9cと現像ローラ9bとの摺擦により摩擦帯電されるとともに、供給ローラ9cに印加される供給バイアスにより現像ローラ9bに対して所定の電位差によって現像ローラ9bの表面に静電的に転移し、現像ローラ9bに供給される。
【0041】
現像ローラ9b上に担持されたトナーは、規制ブレード9dの規制ニップを通過することにより、トナー層の厚さが規制されると同時に摩擦荷電させられる。そして、現像ローラ9b上のトナーが感光体7との対向位置(現像領域)に搬送されると、現像ローラ9bに印加された現像バイアスと感光体7の潜像との電位差によって形成される現像電界に応じて、現像ローラ9bの表面上のトナーが感光体7の潜像へ転移し、トナー画像が形成されるようになっている。
【0042】
続いて、本実施形態のプリンタの基本的な動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体7が回転駆動され、帯電ローラ8によって各感光体7の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に基づき、露光装置11が各感光体7の帯電面にレーザ光を照射し、潜像(静電潜像)を形成する。
【0043】
各感光体7上に形成される潜像は、所望のフルカラー画像をY、M、Cの色情報に分解した単色の画像情報に基づく潜像である。詳しくは、入力画像情報の色情報(RGB、YCM等)を、当該プリンタ用の色情報(YMC)へ変換・分解するための色変換分解テーブルを用い、入力画像情報を、Y、M、Cの色情報に変換、分解した単色の画像情報を生成し、Y、M、C用の各露光装置11は、Y、M、Cの各色の画像情報に基づいてそれぞれの感光体7上に各色の潜像を形成する。
【0044】
なお、K用プロセスユニット6Kが装着されている場合には、Y、M、Cの単色の画像情報を生成した後、更に、Kの色情報を抽出した単色の画像情報を生成するとともに、Y、M、Cの単色の画像情報の修正を行う。この処理は、UCR(Under Color Removal)等のようにKの画像情報を生成する処理であり、Y、M、Cのトナーが重ね合わさって表現される黒色あるいはグレー色の画像情報を、Kの画像情報に置き換えるものである。Kに対応する露光装置11(IRに対応する露光装置11と共用)は、Kの画像情報に基づいてK用プロセスユニット6Kの感光体7上にKの潜像を形成する。
【0045】
また、本実施形態では、入力画像情報に含まれる付加情報や当該プリンタによって付加される付加情報等に基づいて視認困難画像を形成する場合、その付加情報からIRの画像情報を生成する。入力画像情報に含まれる付加情報は、パソコン上のアプリケーションによって付加される情報でもよいし、パソコン上のプリントドライバによって付加される情報でもよい。IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRに対応する露光装置11(Kに対応する露光装置11と共用)は、IRの画像情報に基づいてIR用プロセスユニット6IRの感光体7上にIRの潜像を形成する。
【0046】
K用プロセスユニット6Kが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、Kの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、Kのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。詳しくは、感光体7上のトナー像が一次転写ニップの位置に達すると、一次転写ローラ13に所定の電圧が印加されて形成される転写電界によって、感光体7上のトナー像が中間転写ベルト12上に順次転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、M、Kトナーからなるフルカラートナー像(可視像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、感光体クリーニング装置10によって除去される。
【0047】
一方、IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、IRの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、IRのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、上述と同様に、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、Mからなるフルカラートナー像(可視像)及びIRトナーからなるIRトナー像(特殊トナー像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、上述と同様、感光体クリーニング装置10によって除去される。
【0048】
また、画像形成動作が開始されると、給紙ローラ19が回転して、給紙カセット18から用紙Pが給送される。給送された用紙Pは、タイミングローラ20によって搬送が一旦停止される。その後、所定のタイミングでタイミングローラ20の回転駆動が開始され、中間転写ベルト12上のトナー像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pが二次転写ニップへ搬送される。
【0049】
用紙Pが二次転写ニップに搬送された際、二次転写ローラ14には所定の電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト12上のトナー像が用紙Pに一括して転写される。また、このとき、中間転写ベルト12上に残ったトナーはベルトクリーニング装置17によって除去される。
【0050】
その後、用紙Pは定着装置21へと搬送され、定着ローラ22と加圧ローラ23によってトナー像が加熱されつつ加圧されて用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙ローラ24によって装置外に排出され、排紙トレイ25上に載置される。
【0051】
以上の説明は、フルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IR(又は6K)のいずれか1つを使用して画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを使用して画像を形成したりすることも可能である。
【0052】
本実施形態は、IR画像(視認困難画像)を形成せずに可視画像を形成する通常画像形成動作を実行する第一画像形成モードたる通常動作モードと、IR画像(視認困難画像)及び可視画像の両方を形成する特殊画像形成動作を実行する第二画像形成モードたる特殊動作モードの少なくとも2つの画像形成モードを有している。これら画像形成モードは、プリンタが備える操作表示部35(
図7参照)や、パソコンにインストールされたアプリケーションソフトから設定できるようになっている。通常動作モードで実行されるK用プロセスユニット6Kを用いる通常画像形成動作は、K用プロセスユニットに対応する作像条件が設定され、特殊動作モードで実行されるIR用プロセスユニット6IRを用いる特色画像形成動作は、IR用プロセスユニットに対応する作像条件が設定される。また、特色画像形成動作のときは、Y、M、Cトナーの重ね合わせでK色を形成する。
【0053】
図4は、トナーカートリッジ26の一例を示す概略図である。
各トナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRは、内部に収容されているトナーの種類が異なる以外は、基本的な構成が同様である。すなわち、いずれのトナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRも、内部にトナーを収容し、トナー排出口26aからトナーを排出する構成となっている。
トナーカートリッジ26は、トナーカートリッジの種類(トナーの種類)を判別するための識別情報を記録した情報記録部を有している。
情報記録部としては、例えば、
図4に示すように、IDチップ41Aや、識別情報をコード化したコード画像であるバーコード画像42Aなどが利用可能である。プリンタ本体には、
図5に示すように、トナーカートリッジ26上のIDチップ41Aやバーコード画像42Aから識別情報を読み取る情報読取部として、IDチップ読取部43Aやバーコード読取部44Aが設けられている。
【0054】
IDチップ読取部43Aは、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26上のIDチップ41Aから識別情報を読み出し、これを制御部30(
図7参照)へ送る。バーコード読取部44Aは、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26上のバーコード画像42Aから識別情報を読み取り、これを制御部30へ送る。制御部30は、送られてくる識別情報に基づいて、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の使用トナーの種類を判別することができる。
【0055】
なお、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の種類(トナーの種類)を判別する方法は、これに限られない。例えば、トナーカートリッジ26に設ける情報記録部として、識別情報に対応する外形形状をもったメカニカルキーを用いてもよい。この場合、プリンタ本体側に当該メカニカルキーから識別情報を読み取るキー読取部を設けることで、同様の結果を得ることができる。
【0056】
図6(a)は、プロセスユニット6の斜視図であり、
図6(b)は、プロセスユニット6の側面カバー6aの内部構成を示す図である。
プロセスユニット6の側面カバー6aには、使用品検知機構120が設けられている。使用品検知機構120は、第一電極121と、第二電極122と、第一電極121と第二電極122とに電気的に接続されたヒューズとを有している。ヒューズは、側面カバー6aの外周面に設けられている。
【0057】
装置の電源ON/OFF時、カバー部材101の開閉時、省電力モードからの復帰時に、制御部30(
図7参照)は、新品検知動作を実行し、使用品検知機構120に電圧を印加する。装置本体に新品のプロセスユニット6がセットされたときは、第一電極121と第二電極122との間に電流が流れ、ヒューズ123が溶断する。そのため、装置本体に新品のプロセスユニット6がセットされたときは、通電状態から非通電状に変化する。一方、使用済みのプロセスユニットがセットされたときは、既にヒューズが溶断状態であるため、第一電極121と第二電極122との間に電流が流れることがなく、非通電状態のままである。制御部30は、使用品検知機構120が、通電状態から非通電状に変化したときは、新品のプロセスユニットが装着されたと判定し、使用品検知機構120が非通電状態のままのときは、使用済みのプロセスユニットが装着されていると判定する。
【0058】
本実施形態においては、各色のプロセスユニット駆動用モーターの駆動時間から算出した使用に関する情報としての各色のプロセスユニット走行距離を、メモリなどの記憶部32(
図7参照)に記憶しており、新品検知動作により新品のプロセスユニットが装着されたと判定した場合は、この記憶部32に記憶されているプロセスユニット走行距離をリセットする(走行距離=0として上書きされる)。
【0059】
なお、走行距離はモーター駆動時間[s]×プロセス線速(感光体の周速度)[mm/s]にて算出される。そして、印刷ジョブ毎に走行距離は算出され、その値を記憶部32に記憶されている前回までの走行距離の累積値に加算する。
【0060】
本実施形態では、Y,M,C用プロセスユニットを駆動するカラー用モータと、K用もしくはIR用プロセスユニットを駆動するK/IR用モータとを有している。Y、M、C用プロセスユニット走行距離については、カラー用モータの駆動時間を用いて算出する。一方、K、IR用プロセスユニット走行距離については、K/IR用モータの駆動時間を用いて算出する。通常動作モードで画像形成動作を行ったとき(ユニット保持部にK用プロセスユニットが保持されているとき)は、K/IR用モータの駆動時間を用いて算出した走行距離を、記憶部32に記憶されているK用プロセスユニット走行距離の累計値に加算する。一方、特殊動作モードで画像形成動作を行ったとき(ユニット保持部にIR用プロセスユニットが保持されているとき)は、K/IR用モータの駆動時間を用いて算出した走行距離を、記憶部32に記憶されているIR用プロセスユニット走行距離の累計値に加算する。
【0061】
本実施形態では、安定した画像品質を得るために、プロセスユニットの走行距離に応じて、作像条件としての現像装置9の供給ローラ9cに印加する供給バイアスを変更する制御を行っている。プロセスユニットの走行距離が増えるにつれて、現像装置内のトナー劣化、現像ローラ9bおよび供給ローラ9cの表面性が悪化し、規制ブレード9d通過後の現像ローラ9b上トナー量は低下していく。その為、プロセスユニット走行距離の増加に応じて、現像ローラ9bと供給ローラ9cとの間の電位差(現像バイアス-供給バイアス)を増やす制御を行い、現像ローラ上のトナー量低下を防止している。また、この供給バイアス設定値はトナー色によって異なる値を設定してる。下記表1は、プロセスユニット走行距離に応じた供給バイアスの変更の一例を示したものである。なお、表1では、K色とIR色のみ示している。
【0062】
【0063】
表1に示すように、本実施形態では、プロセスユニットの走行距離区分毎に、走行距離に応じて現像ローラ9bと供給ローラ9cとの間の電位差(現像バイアス-供給バイアス)を直線的に変化させている。記憶部32(
図7参照)には、走行距離区分毎に、縦軸を現像ローラ9bと供給ローラ9cとの間の電位差、横軸を走行距離としたときの、走行距離と電位差との関係を示す直線近似式の切片及び傾きが記憶されている。制御部30は、通常動作モードのときは、記憶部32に記憶されているK用プロセスユニットの走行距離を読み出す。また、上述の画像濃度の調整で設定されたK色現像装置に対応する現像バイアスおよび、表1の走行距離に応じたK色の傾き、切片に基づいて求められた直線近似式から供給ローラ9cに印加する供給バイアスを決定する。一方、特殊動作モードのときは、記憶部32に記憶されているIR用プロセスユニットの走行距離を読み出す。また、上述の画像濃度の調整で設定されたIR色現像装置に対応する現像バイアスおよび、表1の走行距離に応じたIR色の傾き、切片に基づいて求められた直線近似式から供給ローラ9cに印加する供給バイアスを決定する。これにより、プロセスユニットの走行距離に応じた適切な供給バイアスが設定される。その結果、現像ローラ上のトナー量の低下を抑制でき、画像濃度低下や、高画像面積率の画像を連続通紙した場合のカスレなどの異常画像の発生を抑制することができる。なお、Y,M,C色についても、同様である。
【0064】
なお、上述では作像条件として供給バイアスをプロセスユニットの走行距離に基づいて、変更しているが、経時使用による感光体の劣化によって感光特性が変化する場合は、作像条件として、現像ローラ9bに印加する現像バイアスや露光装置11のレザーパワーを、プロセスユニットの走行距離に応じて変更してもよい。これにより、感光特性に対応した最適な潜像ポテンシャルや現像ポテンシャルにすることができ、画像品質の低下を抑制できる。
【0065】
また、本実施形態では各プロセスユニットの使用に関する情報として走行距離を用いているが、プロセスユニットを駆動するモータの駆動時間や印刷枚数などでもよい。
【0066】
本実施形態では、上述したように、IR画像(視認困難画像)を形成せずに可視画像を形成する通常動作モードと、IR画像(視認困難画像)及び可視画像の両方を形成する特殊動作モードの少なくとも2つの画像形成モードを有している。
【0067】
本実施形態では、通常動作モードのときは、
図1の左端のユニット保持部に、K用プロセスユニット6Kをセットして、Y、M、Cのうち少なくとも1つのカラートナーからなるカラートナー像とKトナーからなる黒トナー像とで構成されるカラー黒画像を用紙上に形成する通常の画像形成動作を行う。一方、特殊動作モードのときは、IR用プロセスユニット6IRをセットして、カラートナー像とIRトナーからなるIRトナー像とで構成されるカラー特殊画像を用紙上に形成する特殊画像形成動作を行う。
【0068】
しかし、通常動作モードのときに、IR用プロセスユニット6IRがセットされていたり、特殊動作モードのときに、K用プロセスユニット6Kがセットされていたりするおそれがある。このように、画像形成モードと、ユニット保持部にセットされているプロセスユニットとが対応していない所謂プロセスユニット誤装着状態で、画像形成動作を行うと、所望の画像が得られない。プロセスユニットが画像形成モードに対応しない状態で画像形成動作が実行されないように、トナーカートリッジ同様、プロセスユニットにIDチップやバーコード画像42Aなどを設けることが考えられる。プロセスユニットにIDチップやバーコード画像42Aなどを設けることで、画像形成動作前に、情報読取部でIDチップやバーコード画像から識別情報を読み取り、ユニット保持部にセットされているプロセスユニットが、画像形成モードに対応しているか否かを判定できる。そして、ユニット保持部にセットされているプロセスユニットが、画像形成モードに対応してないときは、プロセスユニット誤装着として画像形成動作を中止することで、所望の画像が得られないことを防止できる。これにより、紙の無駄な消費やトナーの無駄な消費を抑えることができる。
【0069】
しかし、かかる構成においては、プロセスユニットにIDチップなどの識別情報部を設け、装置本体に情報読取部を設ける必要があり、プロセスユニットおよび装置本体の高コスト化を招くおそれがあった。
【0070】
そこで、本実施形態では、プロセスユニットにIDチップなどの識別情報を設けず、かつ、装置本体に情報読取部を設けずに、プロセスユニット誤装着状態を検知できるようにした。
【0071】
図7は、本実施形態のプリンタにおけるプロセスユニット誤装着検知制御に関わる制御ブロック図である。
制御部30は、CPU、RAM、ROMなどから構成され、各種プログラムを実行することにより、画像処理やプリンタの全体的な制御を実行する。記憶部32は、制御部30で用いる各種データを記憶している。トナーカートリッジに設けられた識別情報部(IDチップ41Aやバーコード画像42A)に記録された識別情報を読み取る情報読取部(IDチップ読取部43Aやバーコード読取部44A)が制御部30に接続されている。また、タッチパネルや複数のボタンなどから構成される操作表示部35、中間転写ベルト状のテストトナー像のトナー付着量を検知するためのトナー付着量検知センサ70が制御部30に接続されている。また、パソコン(PC)34などの外部装置と通信するための外部通信部33や、カバー部材101の開閉を検知する開閉検知スイッチ110が制御部30に接続されている。また、装着されたプロセスユニットが使用済みか否かを検知するための使用品検知機構120や、定着装置、プロセスユニットの各装置を制御して画像を形成する画像形成制御部40なども制御部30に接続されている。
【0072】
制御部30は、画像形成動作が終了してから、次の画像出力指令を受信するまでの間、開閉検知スイッチ110のON/OFFを監視しており、開閉検知スイッチ110のONからOFFの切り替え、または、OFFからONの切り替えが発生したら開閉情報として開閉フラグを立てる制御を行っている。
【0073】
制御部30は、操作表示部35や外部通信を介してパソコン(PC)34から受信した画像形成モード(通常動作モード、特殊動作モード)、開閉情報としての開閉フラグの有り/なしに基づいて、ユニット保持部に保持されたプロセスユニットが、画像形成モードに対応しているか否かの判定を行う判定手段として機能する。また、制御部30は、トナー付着量検知センサの検知結果に基づいて、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用プロセスユニット6KかIR用プロセスユニット6IRか判別する交換ユニット判別手段としての機能を有している。
【0074】
図8は、プロセスユニット誤装着検知制御の制御フロー図である。
制御部30は、パソコン(PC)34や操作表示部35からの画像出力命令を受信したら、プロセスユニット誤装着検知制御を開始する。
【0075】
制御部30は、パソコン34や操作表示部35からの画像出力命令を受信したら、前回の画像形成動作終了から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101の開閉が行われたか否かをチェックする(S1)。具体的には、制御部30は、開閉フラグが立っているか否かをチェックし、開閉フラグが立っている場合は、前回の画像形成動作終了から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101の開閉が行われた(開閉有り)と判定する。
【0076】
開閉フラグが立っておらず、カバー部材101の開閉が行われていない(開閉無しの)とき(S1のNo)は、前回の画像形成動作終了から今回の画像形成動作までの間にK用プロセスユニット6KとIR用プロセスユニット6IRとの間で交換が行われておらず、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットは、前回の画像形成動作時と同じ色のプロセスユニットである。従って、今回の画像形成動作において、通常動作モードと特殊動作モードとの間で画像形成モードの変更が行われている(変更有りの)場合(S11のYes)は、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットは、画像形成モードと対応していない誤ったプロセスユニットが装着されていると判定する。
【0077】
このように、制御部30は、プロセスユニットが画像形成モードに対応していないと判定した場合は、画像形成動作を停止する(S12)とともに、ユーザーに対してプロセスユニットの誤装着の通知を行う(S13)。例えば、操作表示部35や、パソコン(PC)34に、ユニット保持部に画像形成モードに対応していないプロセスユニットが装着されている旨や、正しいプロセスユニットを装着するように促す旨の表示を行い、ユーザーに対してプロセスユニットの誤装着を通知する。
【0078】
一方、通常動作モードと特殊動作モードとの間で画像形成モードの変更が行われていない(変更なしの)場合(S11のNo)は、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットは、画像形成モードに対応した正しいプロセスユニットであると判定し、画像形成を開始する(S7)。
【0079】
なお、カバー部材の開閉が行われていないとき(S1のNo)は、トナーカートリッジ26の交換も行われておらず、前回の画像形成動作時と同じトナーカートリッジある。従って、トナーカートリッジ26の判別は、行わない。
【0080】
このように、カバー部材101が開閉されていないときは、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがK用かIR用かの判別を行わずに、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応しているか否かの判定を行うことができる。
【0081】
一方、開閉情報としての開閉フラグが立っており、前回の画像形成動作終了から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101の開閉が行われている場合(S1のYes)は、K用プロセスユニット6KとIR用プロセスユニット6IRとの間で交換が行われている可能性がある。従って、この場合は、ユニット保持部に保持されたプロセスユニットが、K用プロセスユニット6KかIR用プロセスユニット6IRかの判別を行うプロセスユニット判別処理を実行する(S2)。
【0082】
プロセスユニット判別処理は、テストトナー像を中間転写ベルト12に形成し、テストトナー像を、トナー付着量検知センサ70で検知し、その検知結果に基づいて、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがK用かIR用かを判別する。
【0083】
図9は、現像バイアスと、トナー付着量検知センサ70の正反射型受光素子72の出力電圧に基づいて求めたトナー付着量との関係を示す図であり、(a)は、テストトナー像のトナーがIRトナーの場合を示しており、(b)は、テストトナー像のトナーがK色トナーの場合を示している。
【0084】
現像バイアスを増加させることで、感光体7と現像ローラ9bとの間の電位差が大きくなり、より多くのトナーが感光体7に付着することになる。トナー付着量検知センサ70の正反射型受光素子72の出力電圧に基づくトナー付着量の算出は、K色トナー検知用に最適化されたものである。そのため、
図9(b)に示すように、K色トナーに関しては、正反射型受光素子72の出力電圧に基づいて求めたトナー付着量が、ほぼ実際のトナー付着量として算出される。しかし、
図9(a)に示すようにIRトナーに関しては、正反射型受光素子72の出力電圧に基づくトナー付着量の算出を正しく行うことができず、実際のトナー付着量よりも少ないトナー付着量が算出されてしまう。これは、IRテストトナー像に対して正反射する正反射光の光量が、Kテストトナー像に対して正反射する正反射光の光量に比べて少ないからである。また、KトナーとIRトナーとで特性が異なり、同一の現像バイアスであってもトナー付着量が異なる。従って、IRトナーについては正反射型受光素子72の出力電圧に基づいて算出されるトナー付着量がK色に比べて少ない結果となる。
【0085】
このように、KトナーとIRトナーとで正反射光量が異なり、正反射型受光素子72の出力電圧が異なる。この性質を利用して、K色とIR色とで同一の現像バイアス、同一のトナー付着量算出式(本実施形態では、K色用のトナー付着量算出式)を用いて、トナー付着量を算出することで、算出されたトナー付着量から、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用か、IR用かの判別を行うことができる。
【0086】
なお、本実施形態では、正反射型受光素子72の出力電圧から算出されるトナー付着量に基づいて、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットの判別を行っているが、トナー付着量検知センサ70の正反射型受光素子72の出力電圧(トナー付着量検知センサ70の検知結果)に基づいて、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用かIR用かの判別を行ってもよい。
【0087】
図10は、プロセスユニット判別の処理フロー図である。
まず、規定の現像バイアスでひとつのトナーパッチからなるテストトナー像を形成する(S21)。次に、トナー付着量検知センサ70でテストトナー像を検知し、正反射型受光素子72の出力電圧に基づいて、付着量を算出する(S22)。次に、算出した付着量が閾値以上か否かをチェックする。
図11に示すように、Kトナーであれば、算出した付着量が設定した閾値を上回り、IRトナーであれば、算出した付着量が設定した閾値を下回る。従って、算出した付着量が閾値以上のとき(S23のYes)は、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用プロセスユニット6Kと判別する(S24)。一方、算出した付着量が閾値未満のとき(S23のNo)は、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、IR用プロセスユニット6IRと判別する。
【0088】
また、
図9からわかるように、現像バイアスの増加に対する算出されるトナー付着量の増加量が、Kトナーに比べて、IRトナーの方が少ない。これは、テストトナー像のトナー付着量の変化に対する正反射光量の変化が、Kトナーに比べて、IRトナーの方が少ないからである。従って、テストトナー像のトナー付着量の変化に対する正反射光量の変化に基づいて、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用かIR用かの判別を行うことができる。
【0089】
また、K用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別は上記に限られず、上述した画像濃度調整の際に求められる現像感度に基づいてK用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別を行ってもよい。
図12(a)に示すように、画像濃度調整は、まず、互いに異なる現像バイアスを印加して段階的に付着量を変化させた複数のトナーパッチからなるテストトナー像を形成する。次に、トナー付着量検知センサ70でテストトナー像の複数のトナーパッチを検知し、各色に対応した算出式に基づいて、各トナーパッチのトナー付着量を算出する。算出した各トナーパッチの付着量と、各トナーパッチの現像バイアスとに基づいて、直線近似式を算出し、現像感度としての直線近似式の傾きを求める。そして、求めた現像感度に基づいて、現像ポテンシャル(現像バイアス-感光体上の潜像電位)が規定の現像ポテンシャルとなるように、現像バイアスなどを調整して、所望の画像濃度に調整する。
【0090】
図12(b)に示すように、IRトナーにおける現像感度(直線近似式の傾き)は、Kトナーにおける現像感度(直線近似式の傾き)よりも低くなる。なお、
図12(b)に示すIRトナーの付着量とKトナー付着量は、各トナーについて最適化した互いに異なる算出方法でトナー付着量を算出したときのトナー付着量である。すなわち、Kトナーについては、上述したように、正反射型受光素子72の出力電圧とKトナーに対して最適化された算出式とに基づいて算出したトナー付着量であり、IRトナーについては、正反射型受光素子72および拡散反射型受光素子73の両方の出力電圧と、IRトナーに対して最適化された算出式とに基づいて算出したトナー付着量である。
【0091】
図12(b)からわかるように、現像感度(直線近似式の傾き)が、設定された閾値以上であれば、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用プロセスユニット6Kと判別できる。一方、現像感度(直線近似式の傾き)が、設定された閾値未満であれば、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、IR用プロセスユニット6IRと判定できる。
【0092】
画像濃度調整の際に求められる現像感度に基づいてK用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別を行うことで、画像濃度の調整と、K用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別とを同時に行うことができるというメリットがある。また、画像濃度調整に用いる既存のシステムで、K用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別とを同時に行うことができ、IDチップなどの識別情報や情報読取部を設けて、K用プロセスユニットかIR用プロセスユニットかの判別を行う場合に比べて、安価な構成で、プロセスユニットの判別を行うことができる。
【0093】
上述したプロセスユニットの判別処理が終了したら、制御部30は、
図8に示すように、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、画像形成モードに対応しているか否かをチェックする(S4)。
【0094】
ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがK用プロセスユニットで、画像形成モードが特殊動作モードのとき、あるいは、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがIR用プロセスユニットで、画像形成モードが通常動作モードのときは、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応していないと判断する(S3のNo)。ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応していないと判断したときは、上述同様、画像形成動作を中止(S12)し、ユーザーに対してプロセスユニットの誤装着の通知を行う(S13)。
【0095】
一方、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがK用プロセスユニットで、画像形成モードが通常動作モードのとき、あるいは、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがIR用プロセスユニットで、画像形成モードが特殊動作モードのときは、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応していると判定する(S3のYes)。ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応しているときは、容器保持部材102に保持されているトナーカートリッジが、K用トナーカートリッジ26Kか、IR用トナーカートリッジ26IRかの判別を行うトナーカートリッジ判別処理を行う(S4)。
【0096】
前回の画像形成動作終了時点から今回の画像形成動作までの間で、カバー部材101の開閉が行われいるので、その間でK用とIR用との間でトナーカートリッジの交換が行われている可能性がある。そのため、プロセスユニットの判別処理で、K用とIR用との間でプロセスユニットの交換されておらず、前回の画像形成動作時と同じプロセスユニットであったとしても、トナーカートリッジのみK用とIR用との間で交換されているおそれがある。また、プロセスユニットの判別処理で、K用とIR用との間でプロセスユニットが交換されたことがわかっても、K用とIR用との間でトナーカートリッジの交換はされていないおそれがある。その結果、容器保持部材102に保持されているトナーカートリッジが、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットに対応していないおそれがある。そのため、容器保持部材102に保持されているトナーカートリッジがK用なのかIR用なのかを判別するトナーカートリッジ判別処理を行って、容器保持部材102の保持されているトナーカートリッジが、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットに対応しているか否かを判断する必要がある。
【0097】
トナーカートリッジ判別処理は、
図4、
図5を用いて説明したように、トナーカートリッジに設けられたIDチップまたはバーコード画像を情報読取部で読み取り、識別情報を取得する。そして、制御部30は、取得した識別情報に基づいて、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26がK用なのかIR用なのかを判別する。
【0098】
次に、制御部30は、トナーカートリッジの判別結果に基づき、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジが、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6に対応しているか否かをチェックする(S5)。
【0099】
容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジが、ユニット保持部に保持されたプロセスユニットに対応していない(トナーカートリッジ内のトナー色と、プロセスユニットのトナー色とが一致していない)とき(S5のNo)はトナーカートリッジ26からプロセスユニット6の現像装置へのトナー補給動作を禁止して(S6)、用紙Pに画像形成する画像形成動作を開始する(S7)。これにより、ユニット保持部に装着されているプロセスユニット6に対応しないトナーカートリッジ26が装着された場合でも、そのプロセスユニット6に対し、使用トナーとは異なるトナーが補給されて当該プロセスユニット6の現像装置内でトナーの混色が発生してしまうのを防止することができる。
【0100】
本実施形態では、プロセスユニットが選択された画像形成モードに対応し、プロセスユニットが正しく装着されているときのみ、画像形成動作が実行される。これにより、本来IRトナー画像となる箇所がKトナー像となったり、Kトナー像となる箇所が、IRトナー像となったりすることがなく、所望の画像を得ることができる。
【0101】
そして、画像形成動作終了後(S8のYes)、トナー補給動作が禁止されているとき(S9のYes)は、操作表示部や、パソコンの画面にトナーカートリッジが誤装着されている旨をユーザーに通知し、トナーカートリッジの交換を促す(S10)。
【0102】
トナーカートリッジが誤装着されている旨をユーザーに通知することで、ユーザーにユニット保持部に保持されているプロセスユニットが使用するトナーと同一のトナーが収容されたトナーカートリッジへの交換を促すことができる。また、画像形成動作後に、トナーカートリッジが誤装着されている旨をユーザーに通知することで、トナーカートリッジの交換による画像出力の遅延が生じるの防止することができる。
【0103】
このように、本実施形態では、IDチップなどの識別情報や情報読取部を設けずに、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、画像形成モードに対応しているか否かの判定を行うことができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0104】
また、本実施形態では、カバー部材101が開閉されていないとき(S1のNo)は、上述したように、画像形成モードの変更の有無のみで、プロセスユニットの誤装着判定を行っている。これにより、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットがK用かIR用かの判別を行わずに、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが画像形成モードに対応しているか否かの判定を行うことができる。これにより、
図10に示すようなプロセスユニット判別処理をして、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットを判別してプロセスユニットの誤装着判定を行う場合に比べて、プロセスユニットの誤装着判定を短時間で行うことができ、画像形成動作の開始の遅延を低減することができる。また、無駄なトナー消費を防止することができる。
【0105】
図13は、プロセスユニット誤装着検知制御の変形例を示す制御フロー図である。
図13に示すように、この変形例では、Y、M、Cのカラー用のトナーカートリッジ26Y,26M,26Cまたはカラー用プロセスユニット6Y,6M,6Cの交換指示があったとき(S1AのYes)は、カバー部材101開閉時における誤装着判定(S2~S6までの処理)を行わずに、画像形成を開始するようにしたものである。
【0106】
本実施形態では、トナーカートリッジ内のトナー残量を検知する公知のトナー残量検知手段を備えている。このトナー残量検知手段が、トナーカートリッジが空となったこと(トナーエンド)を検知すると、操作表示部35や、パソコン(PC)34の画面に空のトナーカートリッジの交換を指示する表示を行う。ユーザーは、この表示に基づいて、カバー部材101を開閉して、空のトナーカートリッジに対して交換を行う。従って、このようなトナーカートリッジの交換指示がされているときのカバー部材101の開閉は、空のトナーカートリッジを交換するための開閉である。よって、カラートナーカートリッジの交換が指示されているときは、K用とIR用との間で交換が行われることはほとんどない。
【0107】
同様にプロセスユニットが故障するなどして、制御部30が、操作表示部35やパソコン(PC)34に故障したプロセスユニットの交換を指示しているときのカバー部材101の開閉も、故障したプロセスユニットを新品のプロセスユニットに交換するための開閉である。よって、プロセスユニット6Y,6M,6Cのいずれかの交換指示がされているときは、K用とIR用との間でプロセスユニットの交換が行われることはほとんどない。
【0108】
従って、Y、M、Cのカラーのトナーカートリッジ26Y,26M,26Cまたはカラー用プロセスユニット6Y,6M,6Cの交換指示があったとき(S1AのYes)は、K色とIR色との間のプロセスユニットの誤装着の発生や、トナーカートリッジの誤装着が発生することがほとんどない。よって、カバー部材101開閉時における誤装着判定処理(S2~S6までの処理)を行わずに、画像形成を開始しても、用紙Pに所望の画像を形成することができる。また、カバー部材101開閉時における誤装着判定処理(S2~S6までの処理)を行わずに、画像形成を開始するため、画像出力の遅れを低減することができる。
【0109】
なお、
図13に示す変形例では、Y、M、Cのカラー用のトナーカートリッジ26Y,26M,26Cまたはカラー用プロセスユニット6Y,6M,6Cの交換指示があったとき(S1AのYes)は、そのまま画像形成を開始しているが、
図13に示すS11以降の処理を行うようにしてもよい。すなわち、画像形成モードの変更の有無を確認(S11)し、画像形成モードの変更があったとき(S11のYes)は、画像形成動作を中止(S12)し、プロセスユニットの誤装着を通知する(S13)制御である。これにより、Y、M、Cのカラー用のトナーカートリッジ26Y,26M,26Cまたはカラー用プロセスユニット6Y,6M,6Cの交換後の画像形成動作において、ユーザーが誤って画像形成モードを変更したことによるプロセスユニットの誤装着の発生を防止できる。
【0110】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
トナーで現像処理を行うK用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットと第一交換ユニットのトナーとは異なる色のトナーで現像処理を行うIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部備えた画像形成装置において、第一交換ユニットを用いて画像形成動作を行う通常動作モードなどの第一画像形成モードと、第二交換ユニットを用いて画像形成動作を行う特殊動作モードなどの第二画像形成モードとをユーザーが選択可能であり、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間のカバー部材101などの開閉カバーの開閉の有無、および、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に画像形成モードの変更の有無に基づいて、画像形成モードに対応した交換ユニットがユニット保持部に保持されている否かの判定を行う制御部30などの判定手段を有する。
これによれば、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101などの開閉カバーが開かれていない場合は、その間でユニット保持部に保持されている交換ユニットが交換されていない。この場合に、仮に前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に画像形成モードが変更されているならば、画像形成モードに対応しない誤った交換ユニットがユニット保持部に保持されていると判定できる。これとは異なり、上記場合において、仮に前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に画像形成モードが変更されていなければ、画像形成モードに対応する正しい交換ユニットがユニット保持部に保持されていると判定できる。
このように、開閉カバーの開閉が行われていないときは、交換ユニットの判別を行うことなく、画像形成モードの変更の有無から、画像形成モードに対応した交換ユニットがユニット保持部に保持されているか否かがわかる。よって、交換ユニットの判別を行うためのIDチップや、IDチップの情報を読み取る情報読取装置を無くすことが可能となり、交換ユニットおよび装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【0111】
(態様2)
態様1において、制御部30などの判定手段は、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101などの開閉カバーの開閉がなく、かつ、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に画像形成モードの変更が有ったときは、ユニット保持部に保持されている交換ユニットが画像形成モードに対応していないと判定し、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に開閉カバーの開閉がなく、かつ、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間に画像形成モードの変更が無かったときは、ユニット保持部に保持されている交換ユニットが画像形成モードに対応していると判定する。
これによれば、実施形態で説明したように、画像形成モードに対応した交換ユニットがユニット保持部に保持されている否かの判定ができる。
【0112】
(態様3)
画像形成動作開始前に判定手段を実行し、ユニット保持部に保持されている交換ユニットが画像形成モードに対応していないと判定したときは、画像形成動作を中止し、ユーザーに交換ユニットの誤装着を通知し、ユニット保持部に保持されている交換ユニットが画像形成モードに対応していると判定したときは、画像形成動作を開始する。
これによれば、実施形態で説明したように、本来第二交換ユニットのトナーで形成される画像が、第一交換ユニットのトナーで形成されたり、本来第一交換ユニットのトナーで形成される画像が、第二交換ユニットのトナーで形成されたりするのを防止できる。これにより、無駄な紙の消費やトナー消費を抑えることができる。また、画像形成モードに対応した正しいプロセスユニットを装着するように、ユーザーに促すことができる。
【0113】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、K用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットへ補給するトナーを収容したK用トナーカートリッジ26Kなどの第一トナー収容器と、IR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットへ補給するトナーを収容したIR用トナーカートリッジ26IRなどの第二トナー収容器とを選択的に保持する容器保持部材102などのトナー収容器保持部を備え、ユニット保持部が第一交換ユニットを保持しているか又は第二交換ユニットを保持しているかを判別する交換ユニット判別処理を実行するとともに、トナー収容器保持部が第一トナー収容器を保持しているか又は第二トナー収容器を保持しているかを判別するトナー収容器判別処理を実行し、これらの判別処理の判別結果に基づき、保持されている交換ユニットとトナー収容器とが同じトナーに対応するものでないと判断した場合には、トナー補給動作を禁止する処理を行う。
これによれば、実施形態で説明したように、ユニット保持部に装着されているプロセスユニット6などの交換ユニットに対応しないトナーカートリッジ26などのトナー収容器が装着された場合でも、その交換ユニットに対し、使用トナーとは異なるトナーが補給されて交換ユニットの現像装置内でトナーの混色が発生してしまうのを防止することができる。
【0114】
(態様5)
態様4において、保持されている交換ユニットとトナーカートリッジなどのトナー収容器とが同じトナーに対応するものでなく、かつ、保持されている交換ユニットが、対応する画像形成モードであるときは、画像形成動作後にトナー収容器の誤装着を通知する。
これによれば、トナーカートリッジ26などのトナー収容器が誤装着されている旨をユーザーに通知することで、ユーザーにユニット保持部に保持されているプロセスユニット6などの交換ユニットが使用するトナーと同一のトナーが収容されたトナー収容器への交換を促すことができる。また、画像形成動作後に、トナー収容器が誤装着されている旨をユーザーに通知することで、トナー収容器の交換による画像出力の遅延が生じるの防止することができる。
【0115】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、前回の画像形成動作から今回の画像形成動作までの間にカバー部材101などの開閉カバーの開閉があっときは、ユニット保持部がK用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットを保持しているか又はIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットを保持しているかを判別する交換ユニット判別処理を実行し、判別処理により判別した交換ユニットが、対応する画像形成モードでないときは、画像形成動作を中止し、ユーザーに誤装着を通知する。
これによれば、カバー部材101などの開閉カバーの開閉があった後の画像形成動作において、本来第二交換ユニットのトナーで形成される画像が、第一交換ユニットのトナーで形成されたり、本来第一交換ユニットのトナーで形成される画像が、第二交換ユニットのトナーで形成されたりするのを防止できる。また、ユーザーに画像形成モードに対応する交換ユニットへの交換を促すことができる。
【0116】
(態様7)
態様6において、K用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットおよびIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットとは異なる色のトナーで現像する第三交換ユニット(本実施形態では、カラー用プロセスユニット(Y用プロセスユニット、M用プロセスユニットおよびC用プロセスユニット))と、第三交換ユニットへ補給するトナーを収容した第三トナー収容器(本実施形態では、カラートナーカートリッジ(Y用トナーカートリッジ、M用トナーカートリッジおよびC用トナーカートリッジ))とを保持しており、前回の画像形成動作終了時に、第三交換ユニットの交換指示があったとき、または、前回の画像形成動作終了時に、第三トナー収容器の交換指示があったときは、交換ユニット判別処理を実行しない。
これによれば、実施形態で説明したように、交換ユニット判別処理を実行しないので、画像形成開始の遅延を低減できる。また、カラートナーカートリッジなどの第三トナー収容器の交換指示や第三交換ユニットの交換指示があったときのカバー部材101などの開閉カバーの開閉は、第三トナー収容器の交換や第三交換ユニットの交換を行うための開閉であり、このときに、第一と第二との間で交換ユニットが交換されることはまずなく、ユニット保持部に保持されている交換ユニットは、前回の画像形成時と同じ交換ユニットである。従って、交換ユニット判別処理を実行せずとも、ユニット保持部に保持されている交換ユニットが、第一なのか第二なのかの判別はできる。
【0117】
(態様8)
態様5乃至7いずれかにおいて、テストトナー像を検知するトナー付着量検知センサ70などの検知手段を有し、交換ユニット判別処理は、ユニット保持部に保持された交換ユニットを用いてテストトナー像を形成し、検知手段によるテストトナー像の検知結果に基づいて、ユニット保持部がK用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットを保持しているか又はIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットを保持しているかを判別する。
これによれば、Kトナーなどの第一交換ユニットのトナーとIRトナーなどの第二交換ユニットのトナーとは、性質が互いに異なる。よって、同様のテストトナー像を検知手段で検知した検知結果が互いに異なる。これにより、テストトナー像の検知結果に基づいて、ユニット保持部が第一交換ユニットを保持しているか又は第二交換ユニットを保持しているかを良好に判別することができる。
また、プロセスユニットにIDチップなどの情報識別部を設け、その情報識別部に記録された識別情報を読み出す情報読出部を設けずとも、プロセスユニットの判別を行うことができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0118】
(態様9)
態様8において、トナー付着量検知センサ70などの検知手段は、テストトナー像へ光を照射してテストトナー像からの正反射光を受光する光学センサであり、交換ユニット判別処理は、光学センサが受光したテストトナー像からの正反射光量に基づいて、ユニット保持部がK用プロセスユニットなどの第一交換ユニットを保持しているか又はIR用プロセスユニットなどの第二交換ユニットを保持しているかを判別する。
これによれば、実施形態で説明したように、テストトナー像のトナー付着量に対する正反射光量が、Kトナーなどの第一交換ユニットのトナーとIRトナーなどの第二交換ユニットのトナーとで互いにことなる。よって、光学センサが受光したテストトナー像からの正反射光量に基づいて、ユニット保持部が第一交換ユニットを保持しているか又は第二交換ユニットを保持しているかを判別することができる。
【0119】
(態様10)
態様8において、トナー付着量検知センサ70などの検知手段は、テストトナー像へ光を照射して該テストトナー像からの反射光を受光する光学センサであり、交換ユニット判別処理は、光学センサがテストトナー像からの受光した反射光に基づいて算出された現像感度に基づいて、ユニット保持部がK用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットを保持しているか又はIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットを保持しているかを判別する。
これによれば、実施形態で説明したように、算出した現像感度に基づいて画像濃度の調整と、ユニット保持部がK用プロセスユニット6Kなどの第一交換ユニットを保持しているか又はIR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットを保持しているかの判別とを行うことができる。
【0120】
(態様11)
態様9または10において、IR用プロセスユニット6IRなどの第二交換ユニットのトナーが、IRトナーなどの透明トナーであり、トナー付着量検知センサ70などの光学センサは、IRトナーなどの透明トナーの透過率が20%未満になる波長領域に相対発光強度のピークを持つLED71などの光源を備えている。
これによれば、実施形態で説明したように、IRトナーなどの透明トナーからなるテストトナー像に対して80%以上、光源からの光を反射させることができ、テストトナー像からの受光した反射光に基づいて、透明トナーからなるテストトナー像の付着量を良好に検知することができる。
【0121】
(態様12)
態様1乃至11いずれかにおいて、各交換ユニットの使用に関する情報を記憶する記憶部32などの記憶手段を有し、記憶手段から、ユニット保持部に保持されているプロセスユニット走行距離などの交換ユニットの使用に関する情報を読み出し、読み出したユニット保持部に保持されている交換ユニットの使用に関する情報に基づいて供給バイアスなどの作像条件を変更する。
これによれば、交換ユニットの部材の使用状態に応じた最適な作像条件で画像を形成することができ、良好な画像を得ることができる。
【0122】
(態様13)
態様12において、交換ユニットの使用に関する情報が、交換ユニットの走行距離である。
これによれば、交換ユニットの部材の劣化状態に応じた最適な作像条件で画像を形成することができ、良好な画像を経時にわたり維持することができる。
【0123】
(態様14)
態様1乃至13いずれかにおいて、第一交換ユニットが、黒トナーで現像処理を行うK用プロセスユニット6などの黒用交換ユニットであり、第二交換ユニットが、IRトナーなどの特殊トナーで現像処理を行うIR用プロセスユニット6IRなどの特殊用交換ユニットである。
【符号の説明】
【0124】
1 :画像形成部
6 :プロセスユニット
6a :側面カバー
7 :感光体
8 :帯電ローラ
9 :現像装置
9a :現像ケース
9b :現像ローラ
9c :供給ローラ
9d :規制ブレード
9e :搬送スクリュー
9f :アジテータ
11 :露光装置
12 :中間転写ベルト
26 :トナーカートリッジ
30 :制御部
32 :記憶部
33 :外部通信部
34 :パソコン
35 :操作表示部
41A :IDチップ
42A :バーコード画像
43A :IDチップ読取部
44A :バーコード読取部
70 :トナー付着量検知センサ
71 :LED
72 :正反射型受光素子
73 :拡散反射型受光素子
100 :装置本体
101 :カバー部材
102 :容器保持部材
103 :回動軸
103a :検知突起
110 :開閉検知スイッチ
120 :使用品検知機構
121 :第一電極
122 :第二電極
P :用紙
T :テストトナー像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】