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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
G03G15/16
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020147405
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2022042144
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】永田 春樹
(72)【発明者】
【氏名】桑原 延雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
(72)【発明者】
【氏名】本城 賢二
(72)【発明者】
【氏名】畔柳 雄太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道治
(72)【発明者】
【氏名】川田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】山本 祥太
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 陽平
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-246152(JP,A)
【文献】特開2005-189493(JP,A)
【文献】特開2003-207974(JP,A)
【文献】特開2019-070862(JP,A)
【文献】特開2015-172671(JP,A)
【文献】特開2000-284606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0378283(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0328604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/02
13/14-13/16
13/34
15/00
15/02
15/14-15/16
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体上のトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写体と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体から前記二次転写体に向かう前記中間転写体の表面移動領域で前記中間転写体に対向配置され、測定用トナー像が転写される測定用転写体と、
前記測定用転写体に対向配置され、前記測定用トナー像を検知する像検知手段と
前記中間転写体と前記測定用転写体との間に、電界を形成する電界形成手段とを設け、
前記電界形成手段は、記録媒体に二次転写するトナー像が、前記測定用転写体が前記中間転写体に当接して転写ニップを形成する位置を通過する間は、前記中間転写体のトナー像が前記中間転写体に向かう向きの電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記二次転写体は、前記中間転写体に対して接離自在に設けられ、前記中間転写体に当接して二次転写ニップを形成しており、
前記二次転写ニップに前記記録媒体が進入するのに先立って前記二次転写体を前記中間転写体から離間させ、前記記録媒体が前記二次転写ニップに進入した後は、前記二次転写体を前記中間転写体に当接させ、前記記録媒体が前記二次転写ニップを抜けるときに、前記二次転写体を前記中間転写体から離間させる制御を行う制御手段を有し、
紙間に測定用トナー像を形成することを特徴とする画像形成装置
【請求項3】
求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体は、前記中間転写体に従動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体が、ローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体が、ゴムローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記ゴムローラは、表面をコートするコート層を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体が、ベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
前記ベルト部材の材質が、ポリイミドまたはポリアミドイミドであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至4、7いずれかに記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体の表面を、前記像担持体の表面と同一の材質で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体は、ベルト部材であり、
前記中間転写体を介して前記測定用転写体に対向する対向部材を有し、
前記中間転写体の前記測定用転写体と前記対向部材とに挟まれた領域よりも前記中間転写体の移動方向上流側に、前記測定用転写体に巻き付く巻き付き領域を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記挟まれた領域よりも前記中間転写体の表面移動方向上流側に、前記中間転写体の表面移動の軌跡を規制して前記巻き付き領域を形成する巻き付き領域形成部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、
前記巻き付き領域形成部材は、ローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10乃至12いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記巻き付き領域は、1[mm]以上、3[mm]以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1乃至13いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング手段は、ブレード部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成装置において、
前記クリーニング手段は、前記測定用転写体の表面の付着物を静電的に除去することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項1乃至16いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記測定用転写体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項17に記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、中間転写体上のトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写体と、を有する画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記画像形成装置として、中間転写体上のトナーパターン(測定用トナー像)を検知する第一像検知手段と、二次転写体に転写されたトナーパターンを検知する第二像検知手段とを備えたものが記載されている。この画像形成装置は、記録媒体が厚紙のときは、二次転写ニップに記録媒体が進入するのに先立って、二次転写体を中間転写体から離間させ、二次転写ニップに記録媒体が進入したら、二次転写体を中間転写体に当接する当接位置へ移動させるショックジター抑制制御を実施している。この画像形成装置においては、トナーパッチの検知結果に基づいて画像形成条件を補正する画像補正制御を連続印刷動作中に行うときは、ショックジター抑制制御の実施の有無により動作を異ならせている。具体的には、ショックジター抑制制御が実施されているときは、紙間に形成したトナーパターンを第一像検知手段で検知し、その検知結果を補正し、補正したデータに基づいて画像形成条件を補正する。一方、ショックジター抑制制御が実施されていないときは、紙間に形成した中間転写体上のトナーパターンを二次転写体に転写し、第二像検知手段の検知結果に基づいて画像形成条件を補正する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次転写ユニットが大型化し、かつ、測定用トナー像を精度よく検知できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、像担持体上のトナー像が転写される中間転写体と、前記中間転写体上のトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写体と、を有する画像形成装置において、前記像担持体から前記二次転写体に向かう前記中間転写体の表面移動領域で前記中間転写体に対向配置され、測定用トナー像が転写される測定用転写体と、前記測定用転写体に対向配置され、前記測定用トナー像を検知する像検知手段と、前記中間転写体と前記測定用転写体との間に、電界を形成する電界形成手段とを設け、前記電界形成手段は、記録媒体に二次転写するトナー像が、前記測定用転写体が前記中間転写体に当接して転写ニップを形成する位置を通過する間は、前記中間転写体のトナー像が前記中間転写体に向かう向きの電界を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、二次転写ユニットの大型化を抑制し、かつ、測定用トナー像を精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
図2】接離機構の一例を示す斜視図。
図3】ショックジター抑制制御について説明する図。
図4】従来例の画像形成装置の要部の構成を示す概略構成図。
図5】別の従来例の画像形成装置の要部の構成を示す概略構成図。
図6】測定ユニットと、中間転写ユニットと、二次転写ユニットとを示す概略構成図。
図7】測定ユニット付近の拡大図。
図8】測定ユニット付近の斜視図。
図9】(a)は、測定用転写ローラが中間転写ベルトに当接している状態を示す概略図であり、(b)は、測定用転写ローラが、中間転写ベルトから離間した状態を示す概略図。
図10】実施形態に係る画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図。
図11】本実施形態の連続印刷動作について説明する図。
図12】中間転写ベルトの感光体と測定ユニットとの間の領域に、中間転写ベルトを測定用転写ローラに巻き付かせる押上ローラを追加した例を示す測定ユニット付近の拡大図。
図13】変形例1の測定ユニットと、中間転写ユニットと、二次転写ユニットとを示す概略構成図。
図14】変形例1の測定ユニット付近の拡大図。
図15】変形例1の測定ユニット付近の斜視図。
図16】変形例2の測定ユニットを示す斜視図。
図17】変形例3の測定ユニットの概略構成図。
図18】変形例の画像形成装置の要部を示す概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。
この画像形成装置は画像形成手段としての画像形成部400、これを載せる給送部500、画像形成部400の上に固定されたスキャナ350などを備えている。また、このスキャナ350の上に固定された原稿自動搬送装置600(以下、ADFという)、タッチパネルや各種キーから構成される操作表示部700なども備えている。
【0009】
画像形成部400は、特殊色(S),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の各色のトナー像を作像するための5つの作像ユニット18S,18Y,18M,18C,18Kを具備する画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたS,Y,M,C,Kという添字は、特殊色,イエロー,シアン,マゼンタ,黒用の部材であることを示している(以下同様)。特殊色は、Y,M,C,Kの何れとも異なる色の総称であり、例えば、白色、透明などが挙げられる。
【0010】
画像形成部400内には、作像ユニット18S,18Y,18M,18C,18Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写ユニット22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
【0011】
光書込ユニット21は、光源、ポリゴンミラー、f-θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて感光体1S,1Y,1M,1C,1Kの表面にレーザー光を照射する。
【0012】
作像ユニット18S,18Y,18M,18C,18Kは,ドラム状の感光体1S,1Y,1M,1C,1Kの他に、帯電器、現像装置、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
【0013】
S,Y,M,C,K用の作像ユニット18S,18Y,18M,18C,18Kは、使用するトナーの色が異なる点の他は、互いにほぼ同様の構成になっている。以下、各色のうち、S(特殊色)用の作像ユニット18Sについて説明する。
【0014】
感光体1Sの表面は、帯電手段たる帯電器によって一様に帯電せしめられる。帯電処理が施された感光体1Sの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザー光が照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Sの表面にS用の静電潜像が形成される。形成されたS用の静電潜像は現像手段たる現像装置によって現像されてSトナー像となる。
【0015】
S用の感光体1S上に形成されたSトナー像は、中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Sの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
【0016】
S用の作像ユニット18Sにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Sは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他の作像ユニット(18Y,18M,18C,18K)についても同様である。
【0017】
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110、および、ベルトクリーニング装置90などを有している。無端状の中間転写ベルト110は、そのループ内側に配設された駆動ローラ15、および、二次転写対向ローラ16など、複数の張架ローラによってテンション張架されている。そして、ベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
【0018】
S,Y,M,C,K用の一次転写バイアスローラ62S,62Y,62M,62C,62Kは、中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、電源から出力される一次転写バイアスが印加される。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1S,1Y,1M,1C,1Kに向けて押圧する。この押圧により、中間転写ベルト110のおもて面と、S,Y,M,C,K用の感光体1S,1Y,1M,1C,1Kとが当接するS,Y,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。
【0019】
S,Y,M,C,K用の一次転写ニップにおいては、一次転写バイアスの影響により、感光体1S,1Y,1M,1C,1Kと、一次転写バイアスローラ62S,62Y,62M,62C,62Kとの間に一次転写電界が形成される。
【0020】
S用の感光体1S上に形成されたSトナー像は、S用の一次転写ニップにおいて、一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このSトナー像の上には、Y,M,C,K用の感光体1Y,1M,1C,1K上に形成されたYトナー像,Mトナー像,Cトナー像,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多色トナー像が形成される。
【0021】
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された多色トナー像は、後述の二次転写ニップでシート材Pに二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
【0022】
中間転写ユニット17の図中下方に配設された二次転写ユニット22は、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110における二次転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。二次転写対向ローラ16には、トナーと同極性の二次転写バイアスが印加されているのに対し、二次転写ローラ23は接地されている。これにより、二次転写ニップには中間転写ベルト110上の多色トナー像をベルト側から二次転写ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。レジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の多色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれたシート材Pには、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた多色トナー像が二次転写せしめられる。
【0023】
画像形成部400が載せられた給送部500には、内部に複数のシート材Pをシート束の状態で複数枚重ねて収容する給送カセット501やシートバンク502が設けられている。給送カセット501やシートバンク502は、シート束の一番上のシート材Pに給送ローラ503を押し当てている。そして、給送ローラ503を回転させることにより、一番上のシート材Pを給送路504に向けて送り出す。
【0024】
給送カセット501やシートバンク502から送り出されたシート材Pを受け入れる給送路504は、複数の搬送ローラ対505を有している。給送部500の給送路504は、画像形成部400の給送路41に連通している。画像形成部400の給送路41の末端付近には、レジストローラ対49が設けられている。給送部500の給送路504から複写機の給送路41に受け渡されたシート材Pは、その先端をレジストローラ対49のローラ間に挟まれる。
【0025】
一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された多色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだシート材Pを二次転写ニップにて多色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の多色トナー像がシート材Pに密着する。そして、シート材Pの表面に二次転写されて、白色のシート材P上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成されたシート材Pは、二次転写ローラ23の回転駆動に伴って二次転写ニップを出た後、搬送ベルトを具備するシート搬送ユニットを経由して定着装置25に送られる。
【0026】
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、シート搬送ユニットから受け取ったシート材を定着ニップに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれたシート材を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像がシート材Pに定着せしめられる。
【0027】
定着装置25内で定着処理が施されたシート材Pは、画像形成部400から排出されるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために二次転写ニップに戻されるかする。
【0028】
原稿のコピーがとられるときには、例えばシート原稿の束がADF600の原稿台601上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、スキャナ350のコンタクトガラス351上にセットされる。このセットに先立ち、画像形成部400本体に対してADF600が開かれ、スキャナ350のコンタクトガラス351が露出される。この後、閉じられたADF600によって片綴じ原稿が押さえられる。
【0029】
このようにして原稿がセットされた後、操作表示部700のコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ350による原稿読取動作がスタートする。但し、ADF600にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、ADF600がシート原稿をコンタクトガラス351上まで自動搬送する。
【0030】
原稿読取動作では、まず、スキャナ350の第1走行体352と第2走行体353とがともに走行を開始し、第1走行体352に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体353内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ354を通過した後、読取センサー355に入射される。読取センサー355は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
【0031】
このような原稿読取動作と並行して、各作像ユニット(18S,18Y,18M,18C,18K)内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写ユニット22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサー355によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、感光体1S,1Y,1M,1C,1K上に静電潜像が形成される。S,Y,M,C,K用の静電潜像は、現像によってSトナー像,Yトナー像,Mトナー像,Cトナー像,Kトナー像になった後、中間転写ベルト110上に重ね合わせ一次転写されて多色トナー像となる。
【0032】
原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給送部500内では給送動作が開始される。この給送動作では、給送ローラ503の一つが選択回転せしめられ、シートバンク502又は給送カセット501からシート材Pが送り出される。送り出されたシート材Pは、分離ローラ506で一枚ずつ分離されて給送路504に進入した後、搬送ローラ対505によって画像形成部400の給送路41に向けて搬送される。
【0033】
画像形成部400の筐体内には、画像形成部400内の各機器の制御を司るCPU等から構成される制御部200(図10参照)が配設されている。操作者は、操作表示部700に対するキー入力操作により、制御部200に対して命令を送ることで、シート材Pの片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードや、両面に画像を形成する両面プリントモードなどを指定することができる。
【0034】
近年、シート材Pとして従来広く用いられてきた普通紙に加え、デザインとして表面に凹凸を有する特殊紙やアイロンプリントなどの熱転写に用いる特殊なシート材Pが用いられることが増えている。このような特殊紙を用いると、従来の普通紙の場合よりもカラートナーを重ね合わせた中間転写ベルト110上のトナー像を紙に二次転写する際に転写不良が発生し易くなる。
【0035】
そこで、本実施形態では、中間転写ベルト110を、樹脂からなる基層と弾性ゴムやエラストマー等の弾性部材からなる弾性層とを有する構成としている。中間転写ベルト110に硬度の低い弾性層を設けることで、二次転写ニップでトナー層や平滑性の悪いシート材に対して変形できる。これにより、中間転写ベルト110表面が局部的な凸凹に追従して変形できる。よって、過度にトナー層に対して二次転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の転写中抜けがなく、また、平滑性の悪いシート材Pに対しても転写ムラのない均一性に優れた転写画像を得ることができる。
【0036】
中間転写ベルト110の基層は、中間転写ベルト110の伸びを防止するために設けられるものであり、伸びの少ない樹脂を用いるのが好ましい。
【0037】
次に、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110に対して接離させる離間手段としての接離機構について説明する。
図2は、接離機構160の一例を示す斜視図である。
二次転写ローラ23と二次転写対向ローラ16とは、中間転写ベルト110を挟んで二次転写ローラ23が下側で二次転写対向ローラ16が上側に位置するように対向配置されている。二次転写ローラ23には、付勢手段であるバネ167によって二次転写対向ローラ16に向かうような付勢力が加わっている。
【0038】
中間転写ベルト110と二次転写ローラ23とは、接離モータ163や偏心カム161などを具備する接離機構160によって一定範囲内で自由に接離させることができる。二次転写対向ローラ16に対してその軸方向両側には、二次転写対向ローラ16と同軸上に偏心カム161が設置されている。
【0039】
二つの偏心カム161は、自らが固定されたカム軸161aによって連結されている。このカム軸161aは、二次転写対向ローラ16の回転中心に設けられた貫通穴を貫通している。一方の偏心カム161は、二次転写対向ローラ16の回転軸線方向の一端よりも外側で、他方の偏心カム161は、二次転写対向ローラ16の回転軸線方向の他端よりも外側で、それぞれカム軸161aを中心にして回転する。
【0040】
二次転写対向ローラ16は、カム軸161aによってカム軸周面上で空転可能に支持されている。そして、自らの周面の一部に掛け回している中間転写ベルト110が無端移動するに伴って、中間転写ベルト110に対して従動回転する。
【0041】
二次転写ローラ23のローラ部における回転軸線方向の両端面のそれぞれからは、回転軸23aが回転中心位置で突出している。この回転軸23aは、軸受け168によって回転可能に受けられた状態で、二次転写ローラ23のローラ部と一体となって回転する。
【0042】
二次転写ローラ23のローラ部よりも回転軸線方向の両側のそれぞれにおいては、回転軸23aを貫通せしめられた玉軸受け162が回転軸23aと連れ回らないように配設されている。上述したカム軸161aの回転停止姿勢によっては、偏心カム161の径の比較的大きな箇所が玉軸受け162に突き当たることで、中間転写ベルト110と二次転写ローラ23との間にギャップを形成する。
【0043】
カム軸161aには、カムギヤ165が固定されている。また、接離モータ163のモーター軸には、モーターギヤ164が固定されている。そして、カムギヤ165とモーターギヤ164とには、タイミングベルト166が掛け回されている。接離モータ163は、所定のステップ角で回転制御が可能なステッピングモータである。
【0044】
接離モータ163が回転すると、その回転駆動力がタイミングベルト166を介してカムギヤ165に伝わることで、カム軸161aに固定された二つの偏心カム161のそれぞれが同位相で回転する。互いに必ず同位相で回転するように、それら偏心カム161がカム軸161aに対してDカット溝などによって嵌め合わされて取り付けられている。
【0045】
偏心カム161における回転中心と外形部とを結んだ距離が最も短い箇所は、二次転写対向ローラ16の直径よりも短くなっている。その箇所を玉軸受け162に向ける姿勢で偏心カム161の回転が停止した場合には、偏心カム161が玉軸受け162に突き当たらない。よって、偏心カム161によって二次転写ローラ23に対して中間転写ベルト110から遠ざけようとする力を付与することがない。このため、バネ167の付勢力によって二次転写ローラ23が中間転写ベルト110に押し当てられて二次転写ニップを形成する。
【0046】
偏心カム161の回転中心と外形部とを結んだ距離が最も長い箇所は、二次転写対向ローラ16の直径よりも長くなっている。同図に示されるように、その箇所を玉軸受け162に向ける姿勢で偏心カム161の回転が停止した場合には、偏心カム161が玉軸受け162に突き当たって玉軸受け162に対して中間転写ベルト110から遠ざける方向の力を付与する。これにより、二次転写ローラ23が中間転写ベルト110から離間して、二次転写ニップを形成しない状態になる。
【0047】
カムギヤ165の周方向における所定位置には、ギヤ側面から突出する基準位置突起165aが設けられている。また、カムギヤ165の側方には、透過型光学センサーからなる回転姿勢検知センサー169が設けられている。カムギヤ165が所定の回転姿勢である基準回転姿勢になると、カムギヤ165の基準位置突起165aが回転姿勢検知センサー169の発光素子と受光素子との間に進入する。カムギヤ165と偏心カム161とは一体となって回転することから、回転姿勢検知センサー169は基準位置突起165aを検知することで、偏心カムについて所定の基準回転姿勢になったことを検知することになる。そして、検知したタイミングで、基準検知信号を後述の制御部200(図10参照)に出力する。
【0048】
本実施形態では、表面に凹凸を有する等の特殊紙でも良好にトナー像が二次転写されるよう、二次転写圧を240[N]程度の強い圧としている。そのため、二次転写ニップへのシート材突入時、強い圧力で中間転写ベルト110に接触している二次転写ローラ23を押しのけてシート材は、二次転写ニップに進入する必要がある。このシート材が二次転写ローラ23を押しのけて二次転写ニップに進入するときに、負荷が急激に高まり、中間転写ベルト110の速度が一瞬だけ大きく低下する。このように、中間転写ベルト110の速度が一瞬低下することで、ショックジターと呼ばれる横すじ状の異常画像が発生してしまう。
【0049】
また、二次転写ニップをシート材が抜ける際は、二次転写ローラ23と中間転写ベルト110の間に隙間が生じて中間転写ベルト110にかかる負荷が一瞬だけ大きく低下する。その後、二次転写ローラ23が中間転写ベルト110に衝突し、中間転写ベルトにかかる負荷が急上昇する。その結果、二次転写ニップをシート材が抜ける際も、中間転写ベルト110の速度変動によるショックジターが発生する。そのため、本実施形態では、このようなショックジターの発生を抑制するために、ショックジター抑制制御を実行している。
【0050】
図3は、ショックジター抑制制御について説明する図である。
図3(a)に示すように、シート材Pが二次転写ニップに突入する前は、接離モータ163を駆動し偏心カム161を回転させ、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させ、二次転写ニップを形成しない状態にしておく。これにより、二次転写ニップへのシート材突入による衝撃を、中間転写ベルト110と二次転写ローラ23とを離間させない場合よりも低減でき、ショックジターを低減させることができる。
【0051】
その後、シート材Pが二次転写ニップに突入したら、接離モータ163を駆動し偏心カム161を回転させ、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110に接触させる接触位置へ移動させる。そして、シート材Pの先端余白部が二次転写ニップを通過している間に、図3(b)のように、二次転写ローラ23をシート材Pに中間転写ベルト110に接触させる。これにより、二次転写ニップが形成され、中間転写ベルト110からシート材へトナー像を転写させるのに十分な転写圧が与えられる。このとき、二次転写ローラ23は、偏心カム161により徐々に中間転写ベルト110へ近づいていくため、急激な負荷変動が生じるのを抑制でき、ショックジターが生じるのを抑制している。
【0052】
その後、シート材Pの後端余白部が二次転写ニップを通過している間に、接離モータ163を駆動し偏心カム161を回転させて、図3(c)のように、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させる。このとき、二次転写ローラ23は、偏心カム161により徐々に中間転写ベルト110から離間していくため、二次転写圧が徐々に弱まっていき、中間転写ベルト110に急激な負荷変動が生じることがない。また、シート材Pの後端が二次転写ニップを抜けるときは、二次転写ローラ23は、中間転写ベルト110から離間した位置にあるため、シート材が二次転写ニップを抜ける際に、二次転写ローラ23が中間転写ベルト110に衝突することがない。その結果、シート材が二次転写ニップを抜ける際の中間転写ベルトの急激な負荷変動の発生を抑制でき、ショックジターを低減させることができる。
【0053】
その後、二次転写ローラ23が中間転写ベルト110から離間した状態で、次のシート材の先端が、二次転写ニップに突入するのを待つ。
【0054】
図4は、従来の画像形成装置の要部の構成を示す概略構成図である。
従来から、測定用トナー像としての検知パターンを中間転写ベルト110に形成し、このテストパターンを中間転写ベルト110のおもて面に対向配置した像検知手段たる光学センサ120で検出し、その検出結果に基づいて画像濃度補正や色ずれ補正を行っている。
【0055】
しかし、本実施形態においては、上述したように、中間転写ベルト110として、弾性層を有する中間転写ベルトを用いている。このような弾性層を有する中間転写ベルトは、光沢度が低いため、中間転写ベルト上に形成した検知パターンの濃度を光学センサ120で検出してトナー画像の濃度制御を行う場合、十分なトナー濃度検出精度が得られない。
【0056】
そのため、図5に示すように、光学センサ120により良好に検知パターンの濃度を検知できる光沢性を有する二次転写ベルト123を設ける。そして、検知パターンPtを二次転写ベルト123に転写し、二次転写ベルト123上の検知パターンPtを光学センサ120により検知するものも知られている。
【0057】
しかし、二次転写ベルト123上の検知パターンPtを光学センサ120により検知する場合は、図5に示すように、二次転写ユニット22に二次転写ベルト123、光学センサ120および二次転写ベルト上の検知パターンを除去するクリーニング部材124を設ける必要がある。その結果、二次転写ユニット22の大型化、部品増による二次転写ユニット22のコストアップにつながってしまう。二次転写ユニット22は、ユニットごと交換させることも多く、交換の容易性、装置のランニングコスト等考慮すると、なるべく小型で、部品点数の少ないものが好ましい。
【0058】
また、連続印刷中での画質安定のために、紙間に検知パターンを形成し、この検知パターンを光学センサ120で検知し、検知結果に基づいて、露光条件などの作像条件を調整することが一般的に行われている。
図5に示すように、二次転写ベルト123上で検知パターンを検知する構成においては、紙間に形成された検知パターンを二次転写ベルト123に転写するために、紙間において二次転写ローラ23を中間転写ベルト110に当接させておく必要がある。一方、ショックジター抑制制御においては、上述したように、紙間において二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させておく必要がある。そのため、ショックジター抑制制御と、連続印刷中での画質安定のための制御の両立を図るのが困難となる。
【0059】
ショックジター抑制制御と、連続印刷中での画質安定のための制御の両立を図ろうとすると、シート材が二次転写ニップを抜けた後に、二次転写ローラ23を中間転写ベルトに当接させ、二次転写ニップを形成する。そして、検知パターンを二次転写ベルト123に転写した後に、次のシート材のために二次転写ローラ23を離間させることになる。その結果、紙間に検知パターンを形成する場合は、紙間に検知パターンを形成しない場合に比べて、検知パターンを二次転写ベルトに転写する分だけ紙間が長くする必要があり生産性が低下してしまう。
【0060】
そこで、本実施形態では、二次転写ニップよりも中間転写ベルト110の表面移動方向上流側に、測定用転写体たる測定用転写ローラを備えた測定ユニットを設け、この測定用転写体に検知パターンを転写し、測定用転写体上の検知パターンを検知するようにした。以下、図面を用いて、具体的説明する。
【0061】
図6は、測定ユニット70と、中間転写ユニット17と、二次転写ユニット22とを示す概略構成図であり、図7は、測定ユニット70付近の拡大図であり、図8は、測定ユニット70付近の斜視図である。
【0062】
測定ユニット70は、測定用転写体たる測定用転写ローラ71と、像検知手段たる光学センサ72と、クリーニング部材73とを備えている。測定用転写ローラ71は、光学センサ72が、検知パターンを良好に検出するのに必要な十分な光沢性と、検知パターンが良好に転写される電気抵抗と、クリーニング部材73が良好に検知パターンをクリーニング可能なクリーニング性とを有している。
【0063】
本実施形態では、測定用転写ローラ71を、二次転写ローラ23と同一の構成としている。具体的には、金属筒の表面に5[mm]厚程度のEPゴム層を巻き、そのゴム層の表面にフッ素加工を施しコート層を設けたハードコートローラとしている。かかる構成とすることで、上述した光沢性と、上述した電気抵抗と、上述したクリーニング性とを有することができる。
【0064】
また、測定用転写ローラ71を、像担持体たる感光体1と同一の構成としてもよい。また、測定用転写ローラ71を、二次転写ベルトとして一般的に使用されるPIベルトとし、複数のローラで張架する構成としてもよい。これらに限らず、測定用転写ローラ71の材質としては、上述した光沢性と、上述した電気抵抗と、上述したクリーニング性とを有する材質であればよい。
【0065】
測定用転写ローラ71は、中間転写ベルト110を挟んで中間転写ベルトを張架する張架ローラである測定用対向ローラ14に対向配置されている。測定用転写ローラ71は、付勢手段であるバネ75によって中間転写ベルト110に向かうような付勢力が加わっており、20[N]程度の当接圧で中間転写ベルト110に当接して、測定用転写ニップを形成している。
【0066】
また、測定用転写ローラ71には、検知パターンを測定用転写ローラに転写するための測定用転写バイアスを測定用転写ローラ71に印加する電界形成手段としての測定用転写バイアス印加基板78が接続されている。測定用転写バイアス印加基板78は、トナーの正規帯電極性(負極性)と逆極性(正極性)のバイアスを測定用転写ローラに印加する。トナーの正規帯電極性と逆極性のバイアスを印加することで、測定用転写ニップにおいて、中間転写ベルト110上のトナーを測定用転写ローラ側への引力が働く。これにより、中間転写ベルト上のトナー像が測定用転写ローラ71に転写される。
測定用対向ローラ14にトナーの正規帯電極性と同極性のバイアスを印加し、斥力により中間転写ベルト110上のトナーを測定用転写ローラへ転写するようにしてもよい。
【0067】
測定用転写ローラ71は、カム軸77aに回転自在に支持されており、測定用転写ローラ71の軸方向一端(図8の左端)に、測定用モータ74のモーターギヤ74aと噛み合う入力ギヤ71aが設けられている。測定用モータ74の駆動力が、モーターギヤ74aから入力ギヤ71aに伝達されることで、測定用転写ローラ71が回転駆動する。
【0068】
光学センサ72は、反射型のフォトセンサであり、測定用転写ローラの軸方向に等間隔で3つ配置されている。これら光学センサ72は、測定用転写ローラに転写された検知パターンからの反射光を受光し、検知パターンのトナー付着量(画像濃度)に応じた電圧を出力する。制御部200(図10参照)は、これら光学センサ72の出力電圧に基づいて、検知パターンのトナー付着量(画像濃度)を検知し、その検知結果に基づいて、所定の画像濃度となるように露光条件などの作像条件を調整する。本実施形態では、各光学センサ72の出力電圧の平均値に基づいて、検知パターンのトナー付着量(画像濃度)を検知している。
【0069】
また、各光学センサ72による検知パターンの検知タイミングの差により、画像スキューを検出し、光書込ユニット21が備えるスキュー補正機構を制御し、画像スキューを補正する。
【0070】
クリーニング部材73は、ブレード部材であり、光学センサ72よりも測定用転写ローラ71の表面移動方向下流側に配置され、先端部が測定用転写ローラに当接している。光学センサ72により検知された検知パターンは、クリーニング部材73により除去される。クリーニング部材73により除去されたトナーは、測定用トナー回収コイル79により、測定ユニット70から排出され、廃トナー容器へと搬送される。
【0071】
測定用トナー回収コイル79は、ギヤやタイミングベルトなどの駆動伝達部材により測定用転写ローラ71と駆動連結しており、測定用転写ローラ71から駆動力が伝達されて回転駆動する。
【0072】
本実施形態では、クリーニング部材として、ゴムブレードを用いているが、トナーをクリーニングする部材であればこれに限るものではない。例えば、クリーニング部材として、トナーの正規帯電極性とは逆極性のクリーニングバイアスが印加されたブラシローラを用い、静電的に測定用転写ローラ上のトナーを除去する静電クリーニング方式を用いてもよい。
【0073】
また、測定ユニット70には、測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110に対して接離させる接離機構80を備えている。接離機構80は、測定用接離モータ76と、測定用偏心カム77とを有している。測定用偏心カム77は、測定用転写ローラ71の軸方向両側にそれぞれ設けられており、測定用転写ローラ71を貫通するカム軸77aに固定されている。
【0074】
これら測定用偏心カム77は、測定用対向ローラ14を回転自在に支持する測定用対向ローラ14の軸方向両側に設けられた軸受14aに対向している。
【0075】
測定用接離モータ76と、カム軸77aとは、タイミングベルト76aにより駆動連結されている。このタイミングベルト76aを介して、測定用接離モータ76の駆動力がカム軸77aに伝達され、カム軸77aが回転駆動することで、測定用偏心カム77が回転する。
【0076】
図9(a)は、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に当接している状態を示す概略図であり、図9(b)は、測定用転写ローラ71が、中間転写ベルト110から離間した状態を示す概略図である。
【0077】
測定ユニット70は、装置本体に設けられた支持軸70aに回転自在に支持されている。
図9(a)に示すように、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に当接しているときは、測定用偏心カム77は、軸受14aから離間している。そのため、このときは、測定用転写ローラ71は、バネ75の付勢力により規定の測定用転写圧で中間転写ベルト110に当接している。
【0078】
測定用接離モータ76を駆動させて、測定用偏心カム77を回転させると、測定用偏心カム77が、測定用対向ローラ14を回転自在に支持する軸受14aに当接する。この状態からさらに測定用偏心カム77が回転すると、測定用偏心カム77により測定ユニット70が押し込まれ、測定ユニット70が支持軸70aを支点にして図9(b)の矢印X方向に回転する。その結果、図9(b)に示すように測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110から離間する。
【0079】
また、アクチュエータにより測定ユニット70の筐体を押し込み、測定ユニット70を支持軸70aを支点に回転させて測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110から離間させるようにしてもよい。
【0080】
また、測定ユニット70は、装置本体に対して移動不能に取り付け、測定用転写ローラ71を、測定ユニット70の筐体に対して中間転写ベルト110に対して接離する方向に所定の範囲に移動可能に構成してもよい。かかる構成においては、測定用偏心カム77が軸受14aに当接して測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110に対して離間する方向に押し込むと、測定用転写ローラ71のみが中間転写ベルト110から離間する方向に移動する。これにより、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110から離間する。
【0081】
また、測定用対向ローラ14側に接離機構を設けてもよい。具体的には、測定用対向ローラ14をカム軸に対して回転自在に支持する構成とし、そのカム軸に固定された測定用偏心カムを、測定用転写ローラの回転軸を回転自在に支持する軸受けに対向配置する。そして、偏心カムにより測定用転写ローラの回転軸を回転自在に支持する軸受けを、中間転写ベルトから離間する方向に押し込むことで、測定用転写ローラを中間転写ベルト110から離間させる構成である。
【0082】
図10は、実施形態に係る画像形成装置の電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部200は、プリンタ内における各機器の駆動を制御したり、各種の演算処理を実施したりするものである。制御部200には、様々な電気機器が接続されているが、同図には、それら電機機器のうち、主要なものだけを示している。
【0083】
制御部200は、接離モータ163を制御して、上述したショックジター抑制制御を実行する。また、制御部200は、光学センサ72が受光した検知パターンからの反射光に対応する出力電圧に基づいて、検知パターンの状態としてのトナー付着量(画像濃度)を検知する。すなわち、本実施形態では、光学センサ72と制御部200とで検知パターンの状態を検知する状態検知手段を構成している。
【0084】
また、制御部200は、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行う度といった所定のタイミングで画像濃度調整や位置ずれ補正の制御を実施する。画像濃度調整制御が実行されると、制御部200は、作像ユニット18、光書込ユニット21等を制御して、中間転写ベルト110に検知パターンとしての画像濃度が互いに異なる複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成する。次に、制御部200は、測定用転写バイアス印加基板を制御し、測定用印加バイアスを測定用転写ローラ71に印加して、中間転写ベルト110上の階調パターンを測定用転写ローラに転写する。次に、制御部200は、光学センサ72の階調パターンの検知結果(出力電圧)に基づいて、各トナーパッチのトナー付着量を求める。各トナーパッチのトナー付着量に基づいて、現像特性を把握し、把握した現像特性に基づいて、現像バイアス、露光量および帯電バイアスを調整して、画像濃度調整を行う。
【0085】
また、画像濃度調整制御が実行されると、制御部200は、作像ユニット18、光書込ユニット21等を制御して、中間転写ベルト110にY,M,C,Kの複数のトナーパッチからなる検知パターンとしての位置ずれ補正パターンを形成する。そして、上述同様に、制御部200は、測定用転写バイアス印加基板を制御し、位置ずれ補正パターンを測定用転写ローラ71に転写する。制御部200は、光学センサ72が位置ずれ補正パターンの各トナーパッチを検知するタイミングを測定し、その測定した結果から、例えば、K色に対する各色の位置ずれ量を把握する。制御部200は、この把握した位置ずれ量に基づいて、光書込ユニット21の露光開始タイミング等を調整し、位置ずれ補正を行う。
【0086】
本実施形態では、階調パターンおよび位置ずれパターンを、光沢性が十分になる測定用転写ローラ71に転写し、測定用転写ローラ上のこれらパターンを光学センサ72で検知するようにしている。従って、光沢性のない中間転写ベルト上で階調パターンおよび位置ずれパターンを検知する場合に比べて、精度の高い検知を行うことができる。これにより、精度よく画像濃度を調整や、位置ずれ補正を行うことができる。
【0087】
また、制御部200は、連続印刷動作において、紙間に検知パターンを検知して画質安定を図る画質安定制御を実施する。
【0088】
図11は、本実施形態の連続印刷動作について説明する図である。
連続印刷が実施されると、まず、図11(a)に示すように、シート材に転写する印刷トナー像Tが中間転写ベルト110に形成された後、印刷トナー像Tに対して一定の間隔を開けて検知パターンPtが中間転写ベルト110に形成される。そのとき、図11(a)に示すように、測定用転写ローラ71および二次転写ローラ23は、中間転写ベルト110から離間している。また、測定用転写ローラ71へのバイアス印加はオフ状態である。
【0089】
検知パターンPtとしては、例えば、図8に示したように、中間転写ベルト110の幅方向に等間隔で3個のトナーパッチからなるものである。検知パターンPtは、S、Y,M,C,Kのいずれかのトナーで形成されており、例えば、S→Y→M→C→Kの順に、検知パターンPtを形成するトナーを変更する。
【0090】
印刷トナー像Tが測定用転写ニップを通過するまで、測定用転写ローラ71は、中間転写ベルト110から離間している。そのため、印刷トナー像Tが測定用転写ニップを通過する時に印刷トナー像Tが測定用転写ローラ71に乱されるのを防止できる。さらに、測定用転写ローラへのバイアス印加もオフ状態であるので、印刷トナー像Tが測定用転写ニップを通過する時に印刷トナー像Tのトナーが、静電的に測定用転写ローラ71へ引き寄せられることもない。よって、印刷トナー像Tが測定用転写ニップを通過する時に印刷トナー像Tが、測定用転写ニップにおける電界で乱されることもない。
【0091】
印刷トナー像Tが測定用転写ニップの位置(測定用転写ローラが中間転写ベルトに当接する領域)を通過したら、制御部200は、測定用接離モータ76の駆動を開始し、測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110に当接する当接位置への移動を開始する。測定用接離モータ76の駆動は、検知パターンPtが測定用転写ニップに到達する前に測定用転写ローラ71の当接位置への移動が完了するような任意のタイミングで開始される。
【0092】
また、測定用転写バイアス印加基板78により測定用転写ローラ71に測定用転写バイアスを印加する。測定用転写ローラ71に測定用転写バイアスを印加するタイミングも、印刷トナー像Tが測定用転写ニップを通過後から検知パターンPtが測定用転写ニップに到達するまでの任意なタイミングでよい。測定用転写ローラ71に測定用転写バイアスを印加するタイミングをなるべく遅くした方が、消費電力の低減につながり好ましい。本実施形態では、測定用転写ローラ71が当接位置への移動完了と同時に測定用転写ローラ71に測定用転写バイアスを印加している。
【0093】
さらに、制御部200は、測定用モータ74の駆動を開始して測定用転写ローラ71の回転駆動を開始する。なお、連続印刷開始時に測定用モータ74の駆動を開始して測定用転写ローラ71の回転駆動を開始してもよい。
【0094】
測定用転写ローラ71の中間転写ベルト110への当接圧は20[N]程度であり、二次転写ローラの中間転写ベルト110への当接圧(240[N]程度)に比べて低い。そのため、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に当接したときの中間転写ベルト110の負荷変動が小さく、中間転写ベルト110の速度変動はほとんどない。よって、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に当接した際にショックジターが発生することはない。
【0095】
図11(b)に示すように、中間転写ベルト上の検知パターンPtが、測定用転写ニップ(測定用転写ローラが中間転写ベルトに当接する領域)に到達する前に、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に当接し測定用転写ニップが形成される。そして、検知パターンPtが、測定用転写ニップに進入すると、測定用転写ローラに印加された測定用転写バイアスにより検知パターンPtが測定用転写ローラ71に転写される。
【0096】
検知パターンPtが測定用転写ローラ71に転写されたら、制御部200は、測定用接離モータ76を駆動して、次の印刷トナー像Tが、測定用転写ニップの位置に到達する前に、測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110から離間させる。上述したように、測定用転写ローラ71の中間転写ベルト110への当接圧は、二次転写ローラ23に比べて十分低いため、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110から離間したときの中間転写ベルト110の負荷変動は小さい。従って、中間転写ベルト110の速度変動は、ほとんど生じず、ショックジターが発生することはほぼない。
【0097】
測定用転写ローラ71に転写された検知パターンPtは、図11(c)に示すように、測定用転写ローラ71の回転により光学センサ72の対向位置へ搬送され、光学センサ72により検知される。測定用転写ローラ71は、表面の光沢度が高いため、測定用転写ローラ71の表面を検知したときと、検知パターンPtを検知したときの出力差が大きく、検知パターンPtを精度よく検知することができる。
【0098】
制御部200は、検知パターンPtを検知したときの光学センサ72の出力電圧に基づいて、検知パターンPtのトナー付着量(画像濃度)を求める。検知パターンPtのトナー付着量(画像濃度)が規定の値でないときは、検知パターンPtのトナー付着量(画像濃度)が規定値となるように、光書込ユニットの露光量などの露光条件を補正する。
【0099】
本実施形態では、図8に示す検知パターンPtを構成するS、Y,M,C,Kのいずれのトナーで形成された3つのトナーパッチをそれぞれ光学センサ72で検知する。制御部200は、トナーパッチを検知したときの光学センサ72の出力電圧の平均値に基づいて、トナー付着量を算出する。
【0100】
光学センサ72により検知された検知パターンPtは、クリーニング部材73により除去される。また、検知パターンPtが測定用転写ニップに転写されてから、次の印刷トナー像が測定用転写ニップの位置に到達するまでの任意のタイミングで、測定用転写ローラ71への測定用転写バイアスの印加をオフにする。測定用転写ローラ71への測定用転写バイアスの印加をオフにするタイミングは、なるべく早い方が消費電力の低減につながり好ましい。
【0101】
本実施形態では、連続印刷動作において、図3を用いて説明したショックジター抑制制御を行っている。すなわち、図11(a)、図11(b)に示すように、シート材Pの先端が二次転写ニップの位置に到達する前は、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させておく。次に、図11(c)に示すように、シート材Pの先端が二次転写ニップの位置に到達したら、接離モータ163を駆動し、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110に当接する当接位置へ移動させ、二次転写ニップを形成する。次に、図11(d)に示すように、シート材の後端余白部が二次転写ニップに進入したら、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させる。そして、次のシート材の先端が二次転写ニップの位置に到達するまで二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間した離間位置で待機させる。
【0102】
本実施形態では、紙間に形成された検知パターンPtを二次転写ユニット22側に転写する必要がない。従って、シート材の後端余白部が二次転写ニップに進入したら、二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間させ、紙間において二次転写ローラ23を中間転写ベルト110から離間した状態で待機させることができる。その結果、紙間に形成された検知パターンPtを精度よく検知でき、かつ、ショックジター抑制制御を実行することができる。また、検知パターンを二次転写ユニット側に転写する分だけ紙間長くする必要もないため、特許文献1と同様、生産性の低下も防止できる。
【0103】
また、本実施形態では、二次転写ユニット22に光学センサ、二次転写ベルトおよびクリーニング部材などを不要できる。よって、二次転写ユニット22の部品点数を削減でき、二次転写ユニット22の小型化および二次転写ユニット22のコストダウンを図ることができる。これにより、二次転写ユニット22の交換を容易に行うことができ、かつ、装置のランニングコストの低減を図ることができる。
【0104】
図12は、中間転写ベルト110の感光体1Kと測定ユニット70との間の領域に、中間転写ベルト110を測定用転写ローラ71に巻き付かせる押上ローラ81を追加した例を示す測定ユニット70付近の拡大図である。
【0105】
測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110に対して巻き付きが無く、入り口角度が広いと、中間転写ベルト110のバタツキなどにより測定用転写ニップNの入り口部で電界の乱れるおそれがある。このような測定用転写ニップNの入り口部での電界の乱れにより放電などが発生し、測定用転写ローラ71に転写した検知パターンPtに白抜け状の異常画像が発生することがある。
【0106】
そこで、図12に示すように、測定用転写ニップの上流側に中間転写ベルト110が測定用転写ローラ71に巻き付く巻き付き領域たる測定用プレニップ部NPを形成するのが好ましい。図12に示す構成では、中間転写ベルト110の感光体1Kと測定ユニット70との間の領域に巻き付き領域形成部材たる押上ローラ81を設け、この押上ローラ81で中間転写ベルト110の表面移動の軌跡を規制する。この規制によりほぼ無圧状態で中間転写ベルト110を測定用転写ローラ71に巻き付かせて測定用プレニップ部NPを形成している。測定用プレニップ部NPのニップ幅(測定用転写ローラ71への中間転写ベルト110の巻き付き量)としては、1[mm]以上、3[mm]以下が好ましい。1[mm]未満の場合は、測定用転写ニップNの入り口部で電界の乱れを抑制できないおそれがある。3[mm]を超えると、ほぼ無圧状態で中間転写ベルト110を測定用転写ローラ71に巻き付かせることが困難となり、中間転写ベルト110の無端移動の負荷上昇につながるおそれがる。
【0107】
このように、測定用プレニップ部NPを形成することで、測定用対向ローラ14と測定用転写ローラ71とに挟み込まれた領域である測定用転写ニップNにおける、入り口部での中間転写ベルト110のバタツキを防止できる。これにより、測定用転写ニップNの入り口部での電界の乱れを抑制でき、測定用転写ローラ71に転写した検知パターンPtに白抜け状の異常画像の発生を抑制できる。その結果、光学センサ72で検知パターンPtを検知した結果から、精度よく現在の画像状態の把握することができる。
【0108】
次に、測定ユニットの変形例について説明する。
【0109】
[変形例1]
図13は、変形例1の測定ユニット170と、中間転写ユニット17と、二次転写ユニット22とを示す概略構成図であり、図14は、変形例1の測定ユニット170付近の拡大図であり、図15は、変形例1の測定ユニット170付近の斜視図である。
この変形例1においては、測定用転写体をベルト部材としたものである。
測定用転写体たる測定用転写ベルト171は、2つの張架ローラ171a,171bに張架されている。2つの張架ローラのうち一方の張架ローラは、測定用転写ベルト171を挟んで中間転写ベルト110に対向し、中間転写ベルト上の検知ローラを測定用転写ベルト171に転写させる転写用張架ローラ171aである。2つの張架ローラのうち他方の張架ローラは、光学センサ72およびクリーニング部材73が対向する検知用張架ローラ171bである。
転写用張架ローラ171aは、両側に測定用偏心カム77が固定されたカム軸77aに回転自在に支持されており、検知用張架ローラ171bには、測定用モータ74が駆動連結されている。
【0110】
測定用転写ベルト171の材質としては、検知パターンPtを転写するのに十分な電気抵抗、機械的強度および光学センサ72が精度よく検知パターンPtを検知可能な十分な光沢性を有するものが好ましい。具体的には、ベルト転写方式の転写部材として広く知られているPI(ポリイミド)およびPAI(ポリアミドイミド)が好ましい。なお、測定用転写ベルト171の材質は、検知パターンPtを転写するのに十分な電気抵抗、機械的強度および光学センサ72が精度よく検知パターンPtを検知可能な十分な光沢性を有するものであればよく、PI、PAIに限られるものではない。
【0111】
転写用張架ローラ171aは、金属筒の表面に電気抵抗を持たせたゴム、またはスポンジを巻いたローラであり、測定用転写バイアスが印加されることで十分なトナー転写性を有す構成となっている。
【0112】
検知用張架ローラ171bは、金属ローラまたは金属シャフトに摩擦係数の高く、変形の少ない高硬度なEPゴムを巻き付けたゴムローラなど高硬度のローラを用いるのが好ましい。このように、検知用張架ローラ171bを高硬度のローラとすることで、光学センサ72が検知パターンPtを検出する際にベルトの張力などにより検知用張架ローラ171bが変形するの防止できる。その結果、検知用張架ローラ171bの変形による検知不良を起こさないようにできる。
【0113】
実施形態の測定用転写ローラにおいては、上述した十分な光沢性、十分な電気抵抗およびトナーのクリーニング性を有するために、金属筒に巻き付けたEPゴム層の表面にフッ素コーテイングを施したハードコートローラを用いる。しかし、かかるハードコートローラにおいては、ゴム層の表面のフッ素コーテイングが早期にクラックして、クリーニング不良、検知不良を発生させるおそれがある。
【0114】
一方、変形例1のように測定用転写体をベルト部材とすることで、PIベルトなど、フッ素コーテイングを施さずに、上述した十分な光沢性、十分な電気抵抗およびトナーのクリーニング性を得ることができるベルト素材を用いることができる。また、PIベルトなど、機械強度の高いベルト素材を用いることができる。これにより、測定用転写体をローラとした場合に比べて、測定ユニットの長寿命化を図ることができる。
【0115】
一方、測定用転写体をローラとした場合は、ベルト部材とした場合に比べて、部品点数の削減を図ることができ、測定ユニットの小型化および測定ユニットのコストダウンを図ることができるというメリットがある。
【0116】
この変形例1においても、測定用偏心カム77が軸受14aに当接して測定ユニット170を押し込む。これにより、測定ユニット170が支持軸70aを支点にして図14の矢印Z方向に回動し、測定用転写ベルト171が中間転写ベルト110から離間する。また、測定用モータ74の駆動力が検知用張架ローラ171bに伝達されることで、検知用張架ローラ171bとともに、測定用転写ベルト171が回転駆動する。これにより、測定用転写ベルト171に転写された検知パターンPtを光学センサ72との対向位置へ搬送することができ、光学センサ72で検知パターンPtを検知することができる。
【0117】
[変形例2]
図16は、変形例2の測定ユニット270を示す斜視図である。
この変形例2の測定ユニット270は、接離機構80を無くし、測定用転写ローラ71が中間転写ベルト110から離間不能な構成にしている。また、この変形例2の測定ユニット270は、測定用モータ74などの測定用転写ローラ71を回転駆動させる駆動機構を無くし、測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110に従動回動させる構成にしている。
【0118】
さらに、この変形例2においては、測定用転写バイアス印加基板78を測定用対向ローラ14に接続し、測定用対向ローラ14に測定用転写バイアスを印加する構成にしている。この測定用対向ローラ14に印加する測定用転写バイアスは、トナーの正規帯電極と同極性のバイアスであり、斥力により中間転写ベルト110上の検知パターンPtを測定用転写ローラ71に転写する。
【0119】
この変形例2においては、シート材に転写する印刷トナー像Tが、測定用転写ニップを通過するときは、測定用対向ローラ14にトナーの正規帯電極と逆極性のバイアスを印加する。これにより、中間転写ベルト上の印刷トナー像Tは中間転写ベルト側に静電的に引き付けられる。よって、印刷トナー像Tが、測定用転写ニップの位置を通過するときに、測定用転写ローラ71を中間転写ベルト110から離間させなくても、印刷トナー像Tが測定用転写ローラ71に転写されることがない。
【0120】
また、この変形例2では、測定用転写ローラ71に検知パターンPtが転写された後も、測定用転写ローラ71は離間しない。よって、測定用転写ローラ71に検知パターンPtが転写された後も、中間転写ベルト110に連れ回り、測定用転写ローラ71上の検知パターンPtを光学センサ72の検知範囲へ搬送することができる。これにより、光学センサ72で検知パターンPtを検知することができる。
【0121】
なお、測定用対向ローラ14と、測定用転写ローラ71とをギヤやタイミングベルトなどの駆動伝達部材により駆動連結し、測定用対向ローラ14から駆動力をもらい測定用転写ローラ71を回転させてもよい。
【0122】
この変形例2では、接離機構80および測定用転写ローラ71を駆動するための駆動機構を有さないため、それらを有する場合よりも、画像形成装置の小型化およびコストダウンを図ることができる。また、測定用転写バイアス印加基板78を中間転写ユニット17側の測定用対向ローラ14に接続することで、測定ユニットにおける装置側との電気的な接続を光学センサ72のみにすることができる。これにより、測定ユニットの小型化、低コスト化を図ることができ、かつ、測定ユニットの交換性を大きく向上させることができる。
【0123】
[変形例3]
図17は、変形例3の測定ユニット370の概略構成図である。
この変形例3の測定ユニット370は、測定用転写ローラ71に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構371を設けている。
【0124】
潤滑剤塗布機構371は、クリーニング部材73よりも測定用転写ローラ71の表面移動方向下流側に配置されており、固形潤滑剤371bと塗布ブラシ371aとを有している。
【0125】
固形潤滑剤371bは、ステアリン酸亜鉛の粉末を成形したものであり、塗布ブラシ371aの回転で潤滑剤を削り、削り取った潤滑剤を測定用転写ローラ71へ塗布している。なお、潤滑剤を測定用転写ローラ71へ塗布できる構成であればよく、かかる構成に限定されるものはない。
【0126】
この変形例3においては、潤滑剤塗布機構371により測定用転写ローラ71の表面に潤滑剤を塗布することで、測定用転写ローラ71のフィルミングを防止することができる。これにより、経時にわたり測定用転写ローラ71表面の光沢性を維持でき、経時にわたり良好に検知パターンPtを検知することができる。また、測定用転写ローラ71のフィルミングを防止することで、クリーニング不良、クリーニング部材73めくれ防止などを防止でき、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
【0127】
本発明は、ロール紙等の連続紙に画像を形成する画像形成装置についても有効である。
図18は、ロール紙Rに画像を形成する変形例の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。
図18に示す画像形成装置においては、記録媒体として、巻き取り可能或いは無端移動可能に張架されたロール紙Rが装置内に装着されている。また、この画像形成装置は、特殊色(S)の作像ユニット18Sを有していないが、実施形態の画像形成装置と同様、特殊色Sの作像ユニット18Sを備える構成でもよい。
【0128】
ロール紙等の連続紙に、画像を形成する場合は、紙間が存在せず、常に二次転写ニップに紙が存在している。そのため、中間転写ベルト110に形成した検知パターンPtを、二次転写ローラ23には転写することができない。よって、本実施形態の画像形成装置と同様に、測定ユニット170を設け、中間転写ベルト110に形成した検知パターンPtを測定用転写ローラ71に転写する。そして、測定用転写ローラ71に転写した検知パターンPtを光学センサ72で検知するようにすることで、精度よく検知パターンPtを検知することができる。
【0129】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
感光体1などの像担持体上のトナー像が転写される中間転写ベルト110などの中間転写体と、中間転写体上のトナー像をシート材Pなどの記録媒体に二次転写する二次転写ローラ23などの二次転写体とを有する画像形成装置において、像担持体から二次転写体に向かう中間転写体の表面移動領域で中間転写体に対向配置され、検知パターンPtなどの測定用トナー像が転写される測定用転写ローラ71などの測定用転写体と、測定用転写体に対向配置され、測定用トナー像を検知する光学センサ72などの像検知手段とを設けた。
上述した特許文献1に記載の画像形成装置においては、ショックジター抑制制御を実施しているときは、紙間に形成した測定用トナー像を二次転写体に転写しないため、紙間において、二次転写体を中間転写体から離間させておくことができ、生産性の低下を抑えることができると記載されている。ショックジター抑制制御を実施しているときは、紙間に形成した測定用トナー像は、中間転写体上のトナー像を検知する第一像検知手段で検知される。しかし、中間転写体の光沢性が十分にない場合、測定用トナー像の検知精度が悪い。特許文献1では、その検知精度の悪さを補うために、検知結果を補正しているが、補正による検知精度の向上には限界がある。
また、特許文献1では、ショックジター抑制制御を行わないときは、紙間に形成した中間転写体上のトナーパターンを光沢性が十分にある二次転写体に転写し、二次転写体上の測定用トナー像を検知するため、精度よくの測定用トナー像を検知することができる。しかし、二次転写体を備える二次転写ユニットに、第二像検知手段および二次転写体に転写した測定用トナー像を除去するためのクリーニング手段等を設ける必要があり、二次転写ユニットが大型化するおそれがあった。
これに対し、態様1においては、像担持体から二次転写体に向かう中間転写体の表面移動領域に測定用転写ローラ71などの測定用転写体を設け、この測定用転写体に測定用トナー像を転写して、像検知手段で検知するようにした。これにより、測定転写体を、中間転写体上の測定用トナー像を検知する場合に比べて像検知手段が精度よく測定用トナー像を検知できる特性を有するものにできる。よって、中間転写体上の測定用トナー像を検知する場合に比べて、精度よく測定用トナー像を検知することが可能となる。また、精度よく測定用トナー像を検知できるため、二次転写体上の測定用トナー像を検知するための像検知手段、二次転写体上の測定用トナー像を除去するためのクリーニング手段を不要にでき、二次転写ユニットの小型化を図ることができる。
【0130】
(態様2)
態様1において、二次転写ローラ23などの二次転写体は、中間転写ベルト110などの中間転写体に対して接離自在に設けられ、中間転写体に当接して二次転写ニップを形成しており、二次転写ニップにシート材Pなどの記録媒体が進入するのに先立って二次転写体を中間転写体から離間させ、記録媒体が二次転写ニップに進入した後は、二次転写体を前記像担持体に当接させ、前記記録媒体が二次転写ニップを抜けるときに、二次転写体を中間転写体から離間させるショックジター抑制制御などの制御を行う制御部200などの制御手段を有し、紙間に検知パターンPtなどの測定用トナー像を形成する。
これによれば、実施形態で説明したように、紙間に形成された検知パターンPtなどの測定用トナー像を、中間転写体上で検知する場合に比べて、精度よく検知することができる。また、紙間に検知パターンPtを形成した場合でも、紙間を広げることなく、ショックジター抑制制御を行うことができる。
【0131】
(態様3)
態様1または2において、測定用転写ローラ71などの測定用転写体は、中間転写ベルト110などの中間転写体に対して接離自在に設けられており、シート材Pなどの記録媒体に二次転写する印刷トナー像Tなどのトナー像が、測定用転写体が中間転写体に当接して測定用転写ニップなどの転写ニップを形成する位置を通過する間は、測定用転写体を中間転写体から離間させる。
これによれば、実施形態で説明したように、二次転写する印刷トナー像Tなどのトナー像が、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に乱されるのを防止できる。
【0132】
(態様4)
態様3において、測定用転写ローラ71などの測定用転写体は、中間転写ベルト110などの中間転写体とは独立で駆動する。
これによれば、実施形態で説明したように、測定用転写ローラ71などの測定用転写体を、中間転写ベルト110から離間させた後も測定用転写体を回転駆動させて、測定用転写体に転写された検知パターンPtなどの測定用トナー像を光学センサ72などの像検知手段へ搬送することができる。
【0133】
(態様5)
態様1または2において、中間転写ベルト110などの中間転写体と測定用転写ローラ71などの測定用転写体との間に電界を形成する測定用転写バイアス印加基板78などの電界形成手段を有し、電界形成手段は、シート材Pなどの記録媒体に二次転写する印刷トナー像Tなどのトナー像が、測定用転写体が中間転写体に当接して測定用転写ニップなどの転写ニップを形成する位置を通過する間は、中間転写体のトナー像が中間転写体に向かう向きの電界を形成する。
これによれば、変形例2で説明したように、シート材Pなどの記録媒体に二次転写する印刷トナー像Tなどのトナー像が、測定用転写ローラ71に転写されるのを防止することができる。また、測定用転写体を中間転写体から離間させる離間機構を不要でき、装置のコストダウン、装置の小型化を図ることができる。
【0134】
(態様6)
態様5において、測定用転写ローラ71などの測定用転写体は、中間転写ベルト110などの中間転写体に従動する。
これによれば、変形例2で説明したように、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に転写された検知パターンPtなどの測定用トナー像を中間転写ベルト110になどの中間転写体との連れ回りで光学センサ72などの像検知手段へ搬送することができる。また、測定用転写体を駆動する駆動機構を不要にでき、装置のコストダウン、装置の小型化を図ることができる。
【0135】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、測定用転写体がローラである。
これによれば、実施形態で説明したように、測定用転写体がベルト部材に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンおよび装置の小型化を図ることができる。
【0136】
(態様8)
態様7において、測定用転写体が、ゴムローラである。
これによれば、実施形態で説明したように、光学センサ72などの像検知手段が検知パターンなどの測定用トナー像を良好に検出するのに必要な十分な光沢性と、測定用トナー像が良好に転写される電気抵抗と、クリーニング部材73が良好に測定用トナー像をクリーニング可能なクリーニング性とを容易に満足することが可能となる。
【0137】
(態様9)
態様8において、ゴムローラは、表面をコートするコート層を有する。
これによれば、光学センサ72などの像検知手段が検知パターンなどの測定用トナー像を良好に検出するのに必要な十分な光沢性を有することができる。
【0138】
(態様10)
態様1乃至6いずれかにおいて、測定用転写体が、ベルト部材である。
これによれば、変形例1で説明したように、測定用転写体をローラとした場合に比べて、光学センサ72などの像検知手段が検知パターンなどの測定用トナー像を良好に検出するのに必要な十分な光沢性と、測定用トナー像が良好に転写される電気抵抗と、クリーニング部材73が良好に測定用トナー像をクリーニング可能なクリーニング性とを満足し、かつ、測定用転写体の高寿命化を図ることができる。
【0139】
(態様11)
態様10において、ベルト部材の材質が、ポリイミドまたはポリアミドイミドである。
これによれば、変形例1で説明したように、測定用転写体をローラとした場合に比べて、光学センサ72などの像検知手段が検知パターンなどの測定用トナー像を良好に検出するのに必要な十分な光沢性と、測定用トナー像が良好に転写される電気抵抗と、クリーニング部材73が良好に測定用トナー像をクリーニング可能なクリーニング性とを満足し、かつ、測定用転写体の高寿命化を図ることができる。
【0140】
(態様12)
態様1乃至7、10いずれかにおいて、測定用転写体を、感光体1などの像担持体と同一の材質で構成した。
感光体1などの像担持体は、十分な光沢性と、測定用トナー像が良好に転写される電気抵抗と、クリーニング部材73が良好にトナー像をクリーニング可能なクリーニング性とを有している。従って、測定用転写体と同一の材質で構成することで、検知パターンなどの測定用トナー像を良好に測定用転写体に転写でき、かつ、良好に測定用トナー像を像検知手段により検知することができる。
【0141】
(態様13)
態様1乃至12いずれかにおいて、中間転写体は、ベルト部材であり、中間転写体を介して測定用転写ローラ71などの測定用転写体に対向する測定用対向ローラ14などの対向部材を有し、測定用転写ニップなどの中間転写体の測定用転写体と対向部材とに挟まれた領域よりも、中間転写体移動方向上流側に、測定用転写体に巻き付く測定用プレニップ部NPなどの巻き付き領域を設けた。
これによれば、図12を用いて説明したように、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に転写した検知パターンPtなどの測定用トナー像に白抜け状の異常画像が発生するのを抑制することができる。
【0142】
(態様14)
態様13において、測定用ニップ部などの挟まれた領域よりも中間転写体移動方向上流側に、中間転写体の表面移動の軌跡を規制して測定用プレニップ部NPなどの巻き付き領域を形成する押上ローラ81などの巻き付き領域形成部材を有する。
これによれば、図12を用いて説明したように、ほぼ無圧状態で中間転写ベルト110などの中間転写体を測定用転写ローラ71などの測定用転写体に巻き付かせることができる。
【0143】
(態様15)
態様14において、押上ローラ81などの巻き付き領域形成部材は、ローラである。
これによれば、中間転写体に対して連れ回り可能となり、中間転写体の表面移動時の負荷を低減することができる。
【0144】
(態様16)
態様13乃至15いずれかにおいて、巻き付き領域は、1[mm]以上、3[mm]以下である。
これによれば、図12を用いて説明したように、測定用ニップ部などの挟まれた領域の入り口部での中間転写体のばらつきを抑制し、かつ、巻き付き領域における中間転写体と測定用転写体との当接圧の上昇を抑えることができる。
【0145】
(態様17)
態様1乃至16いずれかにおいて、測定用転写ローラ71などの測定用転写体の表面をクリーニングするクリーニング部材73などのクリーニング手段を設けた。
これによれば、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に転写された検知パターンPtなどの測定用トナー像を測定用転写体から除去することができる。
【0146】
(態様18)
態様17において、クリーニング手段は、ブレード部材である。
これによれば、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に転写された検知パターンPtなどの測定用トナー像を機械的に測定用転写体から除去することができる。
【0147】
(態様19)
態様17において、クリーニング手段は、測定用転写体の表面の付着物を静電的に除去する。
これによれば、測定用転写ローラ71などの測定用転写体に転写された検知パターンPtなどの測定用トナー像を静電的に測定用転写体から除去することができる。
【0148】
(態様20)
態様1乃至19いずれかにおいて、測定用転写ローラ71などの測定用転写体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構371などの潤滑剤塗布手段を設けた。
これによれば、変形例3で説明したように、測定用転写ローラ71などの測定用転写体のフィルミングを抑制することができる。これにより、経時にわたり測定用転写体表面の光沢性を維持でき、経時にわたり良好に検知パターンPtなどの測定用トナー像を検知することができる。また、測定用転写体のフィルミングを防止することで、経時にわたり良好なクリーニング性を維持することができる。
【0149】
(態様21)
態様20において、潤滑剤がステアリン酸亜鉛である。
これによれば、測定用転写ローラ71などの測定用転写体のフィルミングを良好に抑制することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 :感光体
14 :測定用対向ローラ
14a :軸受
15 :駆動ローラ
16 :二次転写対向ローラ
17 :中間転写ユニット
18 :作像ユニット
20 :画像形成ユニット
21 :光書込ユニット
22 :二次転写ユニット
23 :二次転写ローラ
70 :測定ユニット
70a :支持軸
71 :測定用転写ローラ
71a :入力ギヤ
72 :光学センサ
73 :クリーニング部材
74 :測定用モータ
75 :バネ
76 :測定用接離モータ
76a :タイミングベルト
77 :測定用偏心カム
77a :カム軸
78 :測定用転写バイアス印加基板
79 :測定用トナー回収コイル
80 :接離機構
81 :押上ローラ
90 :ベルトクリーニング装置
100 :画像形成装置
110 :中間転写ベルト
170 :変形例1の測定ユニット
171 :測定用転写ベルト
171a :転写用張架ローラ
171b :検知用張架ローラ
200 :制御部
270 :変形例2の測定ユニット
370 :変形例3の測定ユニット
371 :潤滑剤塗布機構
371a :塗布ブラシ
371b :固形潤滑剤
400 :画像形成部
N :測定用転写ニップ
NP :測定用プレニップ部
P :シート材
Pt :検知パターン
T :印刷トナー像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0151】
【文献】特許第6213834号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18