(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】底部パージガス流の均一性を改善するためのバッフルの実装
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2021572000
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020035764
(87)【国際公開番号】W WO2020247397
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】201941022440
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パサック, ニティン
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティーク
(72)【発明者】
【氏名】バンサル, アミット クマール
(72)【発明者】
【氏名】グエン, トゥン アイン
(72)【発明者】
【氏名】ロチャ, フアン カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ブラニク, デーヴィット
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0198754(US,A1)
【文献】国際公開第2015/146362(WO,A2)
【文献】特開2009-041111(JP,A)
【文献】特開平05-166734(JP,A)
【文献】特開平11-036076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバであって、
処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体、
パージ容積を集合的に画成する、底部ボウル、チャンバベース、及び前記チャンバベースと前記底部ボウルとに結合された壁であって、前記パージ容積が前記処理容積の下に位置づけられ、前記底部ボウルがそれを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含み、通路が前記第1のイコライザ孔及び入り口を介して前記処理容積を前記パージ容積に結合し、かつ前記通路が前記第1のイコライザ孔の上に位置づけられ、前記チャンバベースがパージポートを介して前記パージ容積にパージガスを供給するためのパージガスラインに結合可能なパージポートを有している、底部ボウル、チャンバベース、及び壁;並びに
前記パージポートの上のある高さで前記パージ容積内に配置されたバッフルであって、前記パージ容積に入る前記パージガスの軌道を偏向させるように構成され
、前記バッフルの高さが前記基板支持体の高さに基づいて変化するように構成される、バッフル
を含む、処理チャンバ。
【請求項2】
前記バッフルが、前記パージポートの上に前記バッフルの厚さの1倍から3倍に等しい高さで配置される、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項3】
前記バッフルが、前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの速度を、前記パージポートにおける前記パージガスの速度の10パーセント未満から20パーセント未満の間に低下させるように構成される、請求項2に記載の処理チャンバ。
【請求項4】
前記バッフルの水平位置が、前記バッフルの幅が前記パージポートの中心から延びる垂直線によって実質的に二等分されるように配置され、前記幅が前記垂直線によって略等しい長さの2つの辺へと二等分される、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項5】
前記バッフルの水平位置が、前記バッフルの幅が前記パージポートの中心から延びる垂直線によって分割されるように配置され、前記幅が前記垂直線によって異なる長さを有する2つの辺へと分割される、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項6】
前記バッフルが、
パージガスジェットの方向に実質的に平行に位置づけられた第1の脚部;
前記第1の脚部に直交して位置づけられた第2の脚部であって、前記パージガスジェットの速度を低下させるように構成された、第2の脚部
を含む、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項7】
前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの第1の平均質量流量が、前記底部ボウルに配置された第2のイコライザ孔における第2の平均質量流量の1標準偏差以内であり、前記第1のイコライザ孔が前記第2のイコライザ孔に直接隣接している、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項8】
前記底部ボウルに配置された第3のイコライザ孔における前記パージガスの第3の平均質量流量が、前記第2のイコライザ孔における前記第2の平均質量流量の1標準偏差以内であり、かつ前記第1のイコライザ孔における前記第1の平均質量流量の1標準偏差以内であり、前記第1のイコライザ孔が前記第2のイコライザ孔に直接隣接しており、前記第2のイコライザ孔が前記第3のイコライザ孔に直接隣接している、
請求項
7に記載の処理チャンバ。
【請求項9】
処理チャンバであって、
処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体、
パージ容積を集合的に画成する、底部ボウル、チャンバベース、及び前記チャンバベースと前記底部ボウルとに結合された壁であって、前記パージ容積が前記処理容積の下に位置づけられ、前記底部ボウルがそれを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含む、底部ボウル、チャンバベース、及び壁
を含み、ここで、
通路が前記第1のイコライザ孔及び入り口を介して前記処理容積を前記パージ容積に結合し、かつ前記通路が前記第1のイコライザ孔の上に位置づけられ、前記チャンバベースが
第1のパージポートを介して前記パージ容積にパージガスを供給するための第1のパージガスラインに結合可能な
前記第1のパージポートを有し、前記チャンバベースが
第2のパージポートを介して前記パージ容積に前記パージガスを供給するための第2のパージガスラインに結合可能な
前記第2のパージポートを有しており、
前記第1のパージポート及び前記第2のパージポートの上のある高さで前記パージ容積内に配置されたバッフル
であって、前記バッフルの高さが前記基板支持体の高さに基づいて変化するように構成される、バッフル
をさらに含む、処理チャンバ。
【請求項10】
前記バッフルが、前記第1のパージポート又は前記第2のパージポートの上に前記バッフルの厚さの1倍から3倍に等しい高さで配置される、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記バッフルが、前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの速度を前記第1のパージポート又は前記第2のパージポートにおける前記パージガスの速度の10パーセント未満から20パーセント未満の間に低下させるように構成される、請求項
10に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記バッフルが複数のセクションを含み、前記複数のセクションの各セクションが前記第1のパージポート又は第2のパージポートのうちの一方の上に配置され、各セクションがさらに前記処理容積の中心軸から等距離に配置される、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
前記バッフルが連続セクションを含み、前記連続セクションが前記第1のパージポート及び第2のパージポートの上に配置され、前記連続セクションが前記処理容積の中心軸から等距離に配置される、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項14】
前記バッフルが、
パージガスジェットの方向に実質的に平行に位置づけられた第1の脚部;
前記第1の脚部に直交して位置づけられた第2の脚部であって、前記パージガスジェットの速度を低下させるように構成された、第2の脚部
を含む、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項15】
前記バッフルが、前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの速度を前記第1のパージポート又は前記第2のパージポートにおけるパージガスジェットの速度の20パーセント未満に低下させるように構成される、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項16】
前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの第1の平均質量流量が、前記底部ボウルに配置された第2のイコライザ孔における第2の平均質量流量の1標準偏差以内であり、前記第1のイコライザ孔が前記第2のイコライザ孔に直接隣接している、請求項
9に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記底部ボウルに配置された第3のイコライザ孔における前記パージガスの第3の平均質量流量が、前記第2のイコライザ孔における前記第2の平均質量流量の1標準偏差以内であり、かつ前記第1のイコライザ孔における前記第1の平均質量流量の1標準偏差以内であり、前記第1のイコライザ孔が前記第2のイコライザ孔に直接隣接しており、前記第2のイコライザ孔が前記第3のイコライザ孔に直接隣接している、請求項
16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
処理チャンバであって、
処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体、
パージ容積を集合的に画成する、底部ボウル、チャンバベース、及び前記チャンバベースと前記底部ボウルとに結合された壁であって、前記パージ容積が前記処理容積の下に位置づけられる、底部ボウル、チャンバベース、及び壁
を含み、ここで、
前記底部ボウルがそれを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含み、通路が前記第1のイコライザ孔及び入り口を介して前記処理容積を前記パージ容積に結合し、かつ前記通路が前記第1のイコライザ孔の上に位置づけられ、前記チャンバベースがパージポートを介して前記パージ容積にパージガスを供給するためのパージガスラインに結合可能なパージポートを有しており、
前記パージポートの上のある高さで前記パージ容積内に配置されたバッフルであって、前記パージ容積に入る前記パージガスの軌道を偏向させるように構成され、かつ前記第1のイコライザ孔における前記パージガスの速度を前記パージポートにおけるパージガスジェットの速度の20パーセント未満に低下させるように構成され
、前記バッフルの高さが前記基板支持体の高さに基づいて変化するように構成される、バッフル
をさらに含む、処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される例は、概して、基板処理装置に関し、より詳細には、基板処理装置における基板の処理均一性を改善するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学気相堆積(CVD)プロセス及びプラズマCVD(PECVD)プロセスなどの堆積プロセスは、半導体デバイスの製造において一般的に使用されている。半導体デバイスの製造中、材料は、処理チャンバの処理容積内で1つ以上のガス状前駆体を反応させて、基板表面上に材料の層を形成することによって、基板表面上に層状に堆積される。ガス状前駆体は、ガス相前駆体及び蒸気相前駆体の一方又は両方を含みうる。
【0003】
ガス状前駆体及びそれらの反応副生成物などの残留材料は、処理チャンバの処理容積内の1つ以上の内面に材料を望ましくなく堆積させる可能性がある。堆積物の厚さは、処理されるすべての基板とともに増加する可能性がある。残留材料の堆積物の厚さが増大するにつれて、堆積物は最終的に処理チャンバの表面から剥がれ落ち、処理容積内の望ましくない微粒子汚染につながる。微粒子汚染は、基板上に堆積した材料層の品質に悪影響を与える可能性がある。したがって、CVD及びPECVD処理チャンバは、そこから残留材料を除去するために、定期的に洗浄する必要がある。プロセスチャンバの洗浄には、基板処理動作の合間の周期的な洗浄サイクル、並びに洗浄及び定期保守のためのチャンバの開放のうちの一方又は両方が含まれる。このような洗浄及び保守は、結果的に、基板のスループットの低下及びチャンバのダウンタイムの増加をもたらす。このように、この洗浄及び保守により、処理チャンバの生産能力が失われる可能性がある。
【0004】
したがって、当技術分野では、処理チャンバの処理容積の内面への望ましくない堆積を防止するための装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
プラズマ処理チャンバのパージガス容積のためのバッフルが、本明細書に開示される。処理チャンバは、処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体を含む。底部ボウル、チャンバベース、及び該チャンバベースと底部ボウルとに結合された壁は、パージ容積を集合的に画成する。パージ容積は、処理容積の下に位置づけられる。底部ボウルは、それを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含む。通路は、第1のイコライザ孔及び入り口を介して、処理容積をパージ容積に結合する。該通路は、第1のイコライザ孔の上に位置づけられる。チャンバベースは、パージポートを介してパージ容積にパージガスを供給するためのパージガスラインに結合可能なパージポートを有する。バッフルは、パージポートの上のある高さでパージ容積内に配置される。バッフルは、パージ容積に入るパージガスの軌道を偏向させるように構成される。
【0006】
別の例では、処理チャンバは、処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体を含む。底部ボウル、チャンバベース、及び該チャンバベースと底部ボウルとに結合された壁は、パージ容積を集合的に画成する。パージ容積は、処理容積の下に位置づけられる。底部ボウルは、それを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含む。通路は、第1のイコライザ孔及び入り口を介して、処理容積をパージ容積に結合する。通路は、第1のイコライザ孔の上に位置づけられる。チャンバベースは、パージポートを介してパージ容積にパージガスを供給するための第1のパージガスラインに結合可能な第1のパージポートを有する。チャンバベースは、第2のパージポートを介してパージ容積にパージガスを供給するための第2のパージガスラインに結合可能な第2のパージポートを有する。バッフルは、第1のパージポート及び第2のパージポートの上のある高さでパージ容積内に配置される。
【0007】
さらに別の例では、処理チャンバは、処理容積を集合的に画成する、リッド、側壁、及び基板支持体を含む。底部ボウル、チャンバベース、及び該チャンバベースと底部ボウルとに結合された壁は、パージ容積を集合的に画成する。パージ容積は、処理容積の下に位置づけられる。底部ボウルは、それを貫通して配置された第1のイコライザ孔を有する第1の表面を含む。通路は、第1のイコライザ孔及び入り口を介して、処理容積をパージ容積に結合する。該通路は、第1のイコライザ孔の上に位置づけられる。チャンバベースは、パージポートを介してパージ容積にパージガスを供給するためのパージガスラインに結合可能なパージポートを有する。バッフルは、パージポートの上のある高さでパージ容積内に配置される。バッフルは、パージ容積に入るパージガスの軌道を偏向させるように構成される。バッフルは、第1のイコライザ孔におけるパージガスの速度をパージポートにおけるパージガスジェットの速度の20パーセント未満に低下させるように構成される。
【0008】
本開示の上記特徴部を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている本明細書の例を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は単なる例を示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。したがって、添付の図面は、他の同様に効果的な例を認めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一例による、例示的な処理チャンバ100の概略的な断面図
【
図2】
図1の処理チャンバのパージ容積内に配置されたバッフルの一例を示す断面平面図
【
図3】
図1の処理チャンバのパージ容積内に配置されたバッフルの別の例を示す断面平面図
【
図4】
図1の処理チャンバのパージ容積内に配置されたバッフルのさらに別の例を示す断面平面図
【
図5】
図1の処理チャンバのパージ容積内に配置されたバッフルのさらに別の例を示す断面平面図
【
図6】
図1に示される処理チャンバ100のパージ容積の別の構成の断面平面図
【
図7】
図1の処理チャンバの複数のパージライン及びバッフルの位置を示す概略的な上面平面図
【
図8】複数のイコライザ孔において示された質量流量の均一性のグラフ
【
図9】
図1の処理チャンバのパージ容積内に配置されたバッフルの別の例を示す断面平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一例の要素及び特徴部は、さらなる記述がなくとも、他の例に有益に組み込まれうることが想定されている。
【0011】
本明細書に開示される例は、概して、パージガス容積内のパージガスのジェットを遮断する流れ偏向装置に関する。有利なことに、パージガスのジェットの遮断は、(一又は複数の)イコライザ孔におけるパージガスの平均質量流量に影響を与える。イコライザ孔は、通路を介してパージガス容積を処理容積に結合する。イコライザ孔におけるパージガスの質量流量は、入り口における処理容積に入る処理ガスの質量流量に対応する。別の言い方をすれば、パージガス容積内のパージガスの質量流量は、入り口における質量流量、すなわち、処理容積がパージガス容積に結合する領域におけるパージガスの質量流量に比例する。通路の入り口における処理ガスの速度は、処理容積内の基板全体にわたるプラズマの方位角圧力プロファイル及び質量流量均一性に影響を与える。同様に、通路の入り口における処理ガスの運動量は、処理容積内の基板全体にわたるプラズマの方位角圧力プロファイル及び質量流量均一性に影響を与える。
【0012】
基板上の堆積の均一性は、基板の周りの質量流量均一性及び圧力プロファイルに対応する。流量及び圧力プロファイルの均一性は、処理ガスの個々の均一性レベル、及び(一又は複数の)パージガスの質量流量均一性と相関する。有利なことに、バッフルをパージ容積内に配置すると、パージガスがパージ容積と処理容積とを結合する入り口において処理ガスと相互作用するときのパージガスの質量流量の均一性が大幅に改善される。したがって、基板の周りの非常に均一な圧力及び流量プロファイルが提供される。このように、パージ容積内の流量の均一性を高めると、処理チャンバの内壁への材料の不要な堆積が減少し、それにより、処理チャンバの洗浄頻度が減少し、処理チャンバのダウンタイムが減少する。
【0013】
本明細書の例は、基板をエッチングするように構成されたシステムにおける使用に関して、以下に例示的に説明される。しかしながら、開示される主題は、化学気相堆積システム、物理的気相堆積システム、及びパージガスがプラズマ処理チャンバの内部容積に導入される他のシステムなど、他のシステム構成に有用であることに留意すべきである。本明細書に開示される例は、さまざまな寸法の基板を処理するように構成されている他のプロセスチャンバでの実施に適合させることができることもまた理解されるべきである。
【0014】
図1は、一例による、例示的な処理チャンバ100の概略的な断面図である。処理チャンバ100は、1つ以上の側壁104、チャンバベース106、及びチャンバリッドアセンブリ108を有するチャンバ本体102を含む。内部容積103は、チャンバ本体102、側壁104、チャンバベース106、及びチャンバリッドアセンブリ108によって画成される。基板支持体111は、内部容積103内に配置される。内部容積103は、処理容積116及びパージ容積118を含む。処理容積116は、側壁104の内面、チャンバリッドアセンブリ108の内面、及び基板支持体111の第1の表面112によって画成される。パージ容積118は、側壁104、チャンバベース106、ベローズ130、及び底部ボウル166によって画成される。
【0015】
本明細書では、チャンバリッドアセンブリ108は、側壁104から電気的に分離されている。シャワーヘッド109は、チャンバリッドアセンブリ108内に配置され、それに結合される。シャワーヘッド109は、それを貫通して配置された複数の開口部110を有する。複数の開口部110は、1つ以上の処理ガス117を処理ガス源150から処理容積116内へと均一に分散する。本明細書では、シャワーヘッド109は、導電性材料で形成されている。シャワーヘッド109は、RF電源などの第1の電源132にも結合される。第1の電源132は、それとの容量結合を通じて処理ガスのプラズマを点火し、維持するための電力を提供する。
【0016】
基板支持体111は内部容積103内に位置づけられる。支持シャフト126は、該支持シャフト126を上下させるリフトアクチュエータ128に結合される。基板支持体111は支持シャフト126に結合される。リフトアクチュエータ128は、基板支持体111を下降位置と上昇位置との間で移動させるように構成される。上昇位置又は下降位置は、内部容積103の内外への基板114の移送を容易にすることができる。基板支持体111の高さは、支持シャフト126の垂直位置に関連して決定される。
【0017】
ベローズ130もまた支持シャフト126を取り囲んでいる。ベローズ130はまた、リフトアクチュエータ128に結合されて、それらの間にフレキシブルシールを提供することができる。ベローズ130は、内部容積103の真空完全性を維持する。
【0018】
基板支持体111はまた、処理容積116内に部分的に位置づけられる。基板支持体111は、パージ容積118の上に位置づけられる。基板支持体111は、基板114を受け入れるためのチャンバリッドアセンブリ108に面する第1の表面112を含む。第2の表面113は、第1の表面112とは反対側であり、チャンバベース106に面している。基板処理中、基板114は、静電チャック(ESC)によって基板支持体111の第1の表面112に固定される。基板支持体111は、1つ以上のヒータを含みうる。基板支持体111はまた、1つ以上の冷却チャネル(図示せず)も含みうる。基板支持体111は、その上に配置された基板114の温度の制御を可能にする。
【0019】
基板処理中、処理ガス117がシャワーヘッド109によって内部容積103に提供される。処理ガス117はまた、基板支持体111上に配置された基板114の中心の上の領域から半径方向外側に向かって処理容積116内に引き込まれる。処理ガス117は、基板支持体111の第1の表面112の円周方向のエッジを越えて下方へと引き込まれうる。このような場合、処理ガス117は、第1の通路120の第1の入り口121を通って排気ライナアセンブリ134に引き込まれる。
【0020】
排気ライナアセンブリ134は、内部容積103に配置される。排気ライナアセンブリ134は、円周方向のCチャネル形状のセクションを含みうる。排気ライナアセンブリ134は、チャンバ本体102の内壁への望ましくない残留材料の堆積を低減するように構成される。排気ライナアセンブリ134は、処理容積116からの処理ガス117の除去を容易にする。排気ライナアセンブリ134は、処理容積116内の処理ガス117がパージ容積118内へと流入することを防止するのに役立つ。排気ライナアセンブリ134はまた、パージガス119がパージ容積118から処理容積116内へと流入することを防止する。排気ライナアセンブリ134はまた、パージ容積118内に配置されたチャンバ構成要素の表面への残留材料の堆積を低減するように構成される。
【0021】
排気ライナアセンブリ134はライナ136を含む。ライナ136は内部空間138を有する。本明細書では、ライナ136は、酸化アルミニウムなどのセラミック材料から作ることができる。ライナ136はまた、NF3をベースとしたプラズマなどのハロゲン含有洗浄プラズマからの熱及び腐食に対して適切に耐性がある他の材料から作られてもよい。ライナ136は、定期的な洗浄又は交換のために処理チャンバ100から取り外すことができる。
【0022】
パージガス119は、パージポート144と流体連結したパージガス源146によって供給される。パージライン148は、パージガス源146をパージポート144に結合する。本明細書では、パージガス119は、基板処理中又はチャンバ洗浄動作中にパージ容積118に供給することができる。パージガス119は、パージポート144を通ってパージ容積118内へと流れる。パージポート144はチャンバベース106を貫通して配置される。パージポート144は、円形の断面形状など、対称断面形状を有しうる。他の例では、パージポート144は、非対称の断面形状を有しうる。
【0023】
パージガス源146は、パージ容積118内にパージガス119を供給する。パージガス119はまた、第1の通路120に流体的に結合された排気導管123を通じて、ライナ136の内部空間138内へと引き込まれる。内部空間138は排気チャネル140に結合される。排気チャネル140は排気口142に結合される。次に、処理ガス117及びパージガス119の両方が、ライナ136の内部空間138から排気チャネル140を通じて引き出され、排気口142を通じて排気される。
【0024】
図2は、
図1の処理チャンバ100のパージ容積118内に配置されたバッフル200の一例を示す断面平面図である。パージ容積118は、ベローズ130、チャンバベース106、底部ボウル204、及び側壁104によって画成される。ベローズ130はチャンバベース106に結合される。ベローズ130はまた、底部ボウル204にも結合される。パージポート208がチャンバベース106に配置される。パージガス源146は、パージポート208を通じてパージガス119をパージ容積118に供給する。パージライン148は、パージポート208を通じてパージガス源146をパージ容積118に結合する。
【0025】
バッフル200がパージポート208の上に位置づけられる。バッフル200は、セラミック、金属、又はパージ容積118の内面248に堅固に取り付けることができる不活性ガス環境に適した他の任意の材料で作ることができる。例えば、バッフル200は、窒化アルミニウムなどのアルミニウムを含む材料で作ることができる。バッフル200は、任意の幾何学形状を有することができる。バッフル200の1つの幾何学形状の非限定的な例は、長さ30mm、幅28mm、及び厚さ5mmの四辺形の形状である。バッフル200は、パージポート208の上に高さ228で位置づけられる。バッフル200の高さ228は、パージポート208の5mmから13mm上でありうる。しかしながら、これらの寸法は、バッフル200がパージガス119のジェット212の軌道244を変更するように構成されている限り、さらに小さくてもさらに大きくてもよい。底部ボウル204とバッフル200の底面232との間の垂直距離240は、底部ボウル204が垂直方向に移動するにつれて変化しうる。高さ228及び垂直距離240は、パージポート208と(一又は複数の)イコライザ孔216との間の垂直長さ250と実質的に同様である。バッフル200の底面232は、チャンバベース106の内面248に実質的に平行である。
【0026】
イコライザ孔216は底部ボウル204に配置される。イコライザ孔216は、パージ容積118を第1の通路120に結合する。単一のイコライザ孔216が示されているが、一連のイコライザ孔216が底部ボウル204に沿って放射状に配置される。一連のイコライザ孔216は、底部ボウル204に沿って等距離に位置づけられる。パージガス119がパージ容積118に入る際に、パージガス119のジェット212が、パージポート208において生成される。パージポート208におけるパージガス119のジェット212の速度は、50m/秒を超えうる。バッフル200は、パージ容積118内へと移動するパージガス119のジェット212の流れを制限する。ジェット212の速度は、バッフル200によってパージポート208の上方付近で大幅に低減される。
【0027】
このように、パージガス119の速度は、それが底部ボウル204内のイコライザ孔216に入る時までに散逸する。したがって、イコライザ孔216の近くの領域におけるパージガス119の速度及びエネルギーは、パージポート208におけるパージガス119の速度及びエネルギーよりも実質的に小さい。エネルギーの散逸は、初期形態及び初期エネルギーを有する流体の機械的仕事を行う能力が、流体の最終形態において機械的仕事を行う流体の能力よりも小さい場合に起こる。ジェット212はバッフル200の底面232に接触する。ジェット212の軌道244は、バッフル200によって変更される。ジェット212の運動量は、パージガス119がバッフル200に接触すると減少し、バッフル200はジェット212の軌道244を変更する。それに対応して、パージガス119の運動エネルギーもまた減少する。ガスがバッフル200に接触するときにパージガス119の運動量が減少するため、パージガス119の速度もまた減少する。このような場合、パージガス119は、第1の通路120を通過する際に、より少ない運動量を有する。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、第1の通路120を通って移動するパージガス119が第1の入り口121に到達すると、パージガス119は、処理容積116内の処理ガス117との背圧を生成する。したがって、処理ガス117は処理容積116内で加圧される。したがって、第1の入り口121におけるパージガス119の圧力は、基板114全体にわたる処理ガス117の方位角圧力プロファイルに影響を与える。したがって、処理ガス117の圧力プロファイルの方位角均一性は、バッフル200によって改善される。
【0029】
有利には、バッフル200がパージポート208の上に位置づけられると、イコライザ孔216におけるパージガス219の速度が低下する。このように、第1の通路120内のパージガス119は、したがって、処理容積116に入ることを妨げられる。したがって、パージガス119の低減された速度を使用して、基板114全体にわたる処理ガス117の方位角プラズマプロファイルを制御することができる。バッフル200がパージポート208における速度ジェット212を低減するように位置づけられると、基板114上の処理ガス117の圧力プロファイルの方位角均一性は、処理容積116内において大幅に改善される。
【0030】
図3は、
図1の処理チャンバ100のパージ容積118内に配置されたバッフル300のさらに別の例を示す断面平面図である。バッフル300は脚部304によって支持されうる。脚部304は、バッフル300の底面312からチャンバベース106まで延在しうる。脚部304は、バッフル300又はその一部の回転を防止するように構成することができる。複数の締め具302は、バッフル300を所定の高さ228でパージ容積118内に固定するように構成される。締め具302は、ボルト、ピン、溶接ロッド、又は任意の他の適切な接続デバイスでありうる。締め具302はバッフル300の上面308を通過しうる。あるいは、締め具302は、バッフル300に取り付けられるか、又はバッフル300にねじ込まれてもよい。締め具302は、チャンバベース106の内面248に固定される。例えば、締め具302は、チャンバベース106に溶接、ねじ込み、ピン留め、又は他の適切な技法によって取り付けることができる。バッフル300をパージ容積118内に固定することにより、バッフル300がチャンバベース106から外れることを防止する。バッフル300を固定することはまた、パージガスジェット212の力に起因するバッフル300の望ましくない回転又は傾斜を防止するのに役立つ。
【0031】
バッフル300は、該バッフル300の長さ324がパージポート208の中心線328によって二分割されるように、パージポート208の上に位置づけられる。第1の幅316及び第2の幅320を合わせると、バッフル300の長さ324に実質的に等しくなりうる。したがって、バッフル300の第1の幅316は、バッフル300の第2の幅320と実質的に同じである。バッフル300の下面312は、チャンバベース106の内面248と実質的に平行である。
【0032】
イコライザ孔216とバッフル300の下面312との間の垂直距離332は、基板支持体111がリフトアクチュエータ128(
図1に示される)によって上下される際に、底部ボウル204の位置が垂直方向に移動するにつれて変化する。この例では、バッフル300の下面312は、イコライザ孔216の下に垂直距離332で位置づけられている。垂直距離332は、5mmから13mmの間でありうる。
【0033】
図4は、
図1の処理チャンバ100のパージ容積118内に配置されたバッフル400のさらに別の例を示す断面平面図である。バッフル400もまた脚部304によって支持される。バッフル400はまた、複数の締め具302によってチャンバベース106に固定することができる。本明細書で論じられるバッフル400は、バッフル300に関して上で論じられたバッフルと実質的に同様の寸法を有しうる。バッフル400は、第1の幅404と第2の幅408とを有する。第1の幅404及び第2の幅408を合わせると、バッフル400の長さ420に実質的に等しくなりうる。第1の幅404及び第2の幅408は、幅が異なる、すなわち、少なくとも1つの寸法が等しくない。この例では、バッフル400の長さ420は、パージポート208の中心線328によって二分割されていない。バッフル400は、上記バッフル200と同様に、パージポート208の上に高さ228で位置づけられる。
【0034】
イコライザ孔216とバッフル400の下面412との間の垂直距離416は、基板支持体111(
図1に示される)の上昇及び下降に伴って垂直方向に移動するにつれて変化しうる。バッフル400の下面412は、イコライザ孔216の上に垂直距離416で位置づけられている。垂直距離416は5mmから13mmの間でありうる。バッフル400の下面412は、チャンバベース106の内面248に実質的に平行である。
【0035】
有利なことに、バッフル400は、増加した表面積を有しており、これによりジェット212の運動量をさらに減少させることができる。ジェット212の運動量又は速度の減少は、処理容積116(
図1に示される)内の基板全体にわたるプラズマの方位角圧力プロファイルを改善する。
【0036】
図5は、
図1の処理チャンバ100のパージ容積118内に配置されたバッフル500のさらに別の例を示す断面平面図である。この例では、バッフル500はベローズ130の一部に取り付けられている。バッフル500の底面512は、チャンバベース106の内面248に実質的に平行である。バッフル500は、締め具302又は脚部304、若しくは両方の組合せ(
図5には示されていない)を用いて、ベローズ130の一部に取り付けることができる。バッフル500は、チャンバベース106の内面248に実質的に平行のままであることを確保する任意の適切な配置を利用してベローズに取り付けることができる。この例では、バッフル500は、基板支持体111(
図1に示される)が上下する際に、チャンバベース106の内面248に対して底面512の高さ504を変化させる方法で垂直に移動することができる。底部ボウル204が垂直方向に移動すると、ベローズ130も移動する。したがって、ベローズ130に取り付けられたバッフル500もまた移動する。よって、バッフル500の底面512とイコライザ孔216との間の垂直距離508は、基板支持体111の動きとともに変化する。別の言い方をすれば、バッフル500の高さ504は、基板支持体111の高さに基づいて変化するように構成される。先に論じたように、高さ504又は垂直距離508を変化させると、速度を低下させること及びパージガスがパージ容積118に入る方向を変えることにより、イコライザ孔216の近くのパージガス119の平均質量流量に影響を与える。
【0037】
図6は、
図1に示される処理チャンバ100のパージ容積118の別の構成の断面平面図である。
図6に示されるバッフル600は、第1の脚部604及び第2の脚部608を含む。第2の脚部608は第1の脚部604に結合される。例えば、第1の脚部604は、第2の脚部608に溶接、ねじ込み、ボルト締め、ろう付け、又は接着することができる。第1の脚部604及び第2の脚部608はまた、材料の単一のブロックから均一に製造することができる。第1の脚部604の表面は、第1の内面624に実質的に平行である。例えば、第1の内面624は、チャンバベース106の内面248など、パージ容積118の表面に平行である。第2の脚部608は、チャンバベース106の側壁616に実質的に平行である。第1の脚部604と第2の脚部608との間に角度620が形成される。この例では、角度620は、約90度など、約60度から約120度の間の範囲でありうる。
【0038】
バッフル600は第2の内面628に取り付けられうる。例えば、バッフル600は、チャンバベース106など、パージ容積118の側壁に取り付けることができる。バッフル600は、第1の脚部604がチャンバベース106の第1の内面624と実質的に平行のままであることを確保する任意の適切な配置を利用して、チャンバベース106に取り付けられる。この例では、バッフル600はまた、第2の脚部608がチャンバベース106の第2の内面628に実質的に平行のままであることを確保する任意の適切な配置を利用して取り付けられる。
【0039】
バッフル600は、チャンバベース106の第1の内面624とバッフル600の一部との間に間隙632が存在するように、パージ容積118内に位置づけられる。パージライン612は、パージポート636を介してパージガス119をパージ容積118に供給する。パージガス119のジェット212は、チャンバベース106の側壁616にあるパージポート636を通ってパージ容積118に入る。別の言い方をすれば、パージガスは、パージ容積118の底部にある第1の内面624から直交して、パージ容積118の側面にあるパージポート636から入る。パージガス119の軌道244は、バッフル600に接触することによって変更される。したがって、イコライザ孔216におけるパージガス119の平均質量流量は、パージポート636におけるジェット212の質量流量に対して減少する。
【0040】
図7は、
図1の処理チャンバ100の複数のパージライン714及びバッフルの位置700を示す概略的な上面平面図である。バッフルの位置700には、複数のバッフル732が含まれる。各バッフル732は、パージポート712に隣接して配置される。したがって、2つ以上のパージポート712が存在してよく、各パージポート712はパージライン714に接続される。各バッフル732は、パージガス119のジェット212がパージ容積118に入る際に、パージガス119のジェット212を混乱させるように構成される。各バッフル732は、内部容積103の中心軸704から同じ距離716に位置づけられる。1つのバッフル732と隣接するバッフル732との間の角度728は、同じ角度でありうる。角度728はまた、異なっていてもよい。示される例では、4つのバッフル位置が存在し、各バッフル位置700はバッフル732を有している。示される例では、各バッフル732間の角度728は約90度である。別の非限定的な例では、各バッフル位置700間の角度は約60度から約180度の間の任意の角度であってよく、複数のバッフル732が存在する。他の例と同様の方法で、バッフル732は、金属又はセラミック材料で作ることができる。
【0041】
さらに、破線で表される代替となる円形バッフル800が
図7に示されている。バッフル732の代わりに円形バッフル800を利用することができる。この例では、円形バッフル800は、パージ容積118を通って延在する連続セクション808を有している。連続セクション808は、環状又はトロイダル形状をしている。連続セクション808は、各パージポート712に隣接するように、パージ容積118内に配置される。
【0042】
バッフル732と円形バッフル800とが同じ図に示されているが、バッフル732と円形バッフル800とはパージ容積118に同時に配置されない。円形バッフル800は、約5mmから約13mmの間の幅804を有しうる。円形バッフル800は、上述のバッフル200、300、400、500と一致する、約5mmの厚さを有しうる。
図3のバッフル300の説明と同様に、円形バッフル800は、脚部304で支持されるか、締め具302でチャンバベース106の底面に固定されるか、又は両方の組合せでありうる。
【0043】
円形バッフル800の断面形状は、
図7の線A-Aに沿って取られる。円形バッフル800は、バッフル300又はバッフル400と同じ断面形状を有することができる。
図5に示されるバッフル500に関して論じたように、円形バッフル800は、交互にベローズ130に取り付けることができる。円形バッフル800は、バッフル500と同じ断面形状を有することができる。
図6に示されるように、円形バッフル800はまた、チャンバベース106の第2の内面628に取り付けることもできる。円形バッフル800は、バッフル600と同じ断面形状を有することができる。円形バッフル800は、該円形バッフル800を支持する第1の脚部604及び第2の脚部608を有することができる。他の例と同様の方法で、円形バッフル800は、金属又はセラミック材料で作ることができる。
【0044】
図8は、複数のイコライザ孔において示された質量流量均一性のグラフである。各イコライザ孔216における平均質量流量を観察した。本明細書に示される例では、70を超えるイコライザ孔216が存在する。この例では、x軸に沿った識別子に示されている変数xは、グラフ内の孔の数の乗数であり、4より大きく10より小さくなりうる。例えば、x=4の場合、x軸上の識別子は4、8、12、16などとなる。
【0045】
パージ容積118内にバッフル200が配置されていない従来のシステムでは、イコライザ孔216における平均質量流量は、他のイコライザ孔216において取られた平均質量流量に対して、±3%もの大きさで逸脱する。例えば、約-3%の標準偏差を有する、位置8xと10xとの間に位置づけられたイコライザ孔999は、バッフル200が存在しない場合、パージポート208の最も近くに位置づけられる。所与のイコライザ孔216はパージポート208から放射状に離れて位置づけられているため、質量流量の標準偏差は大きく変動する。パージポート208の近くにない(例えば、位置xと4xとの間)イコライザ孔998では、質量流量は±2%の大きさで逸脱しうる。複数のイコライザ孔216における質量流量のこの変動は、処理容積116の第1の入り口121におけるパージガス119の運動量に影響を与える。質量流量の変動は運動量に影響を与え、したがってパージガス119が処理容積116に入る際の速度にも影響を与える。結果として生じる第1の入り口121における速度の変動は、基板114上の処理ガス117の圧力プロファイルの方位角均一性をさらに混乱させる。
【0046】
有利なことに、バッフル200などのバッフルがパージポート208の上に位置づけられると、イコライザ孔216の各々を横切る質量流量の標準偏差は大幅に減少する。バッフル200がパージ容積118内に配置されている場合、複数のイコライザ孔816の各々を横切る質量流量の標準偏差は±1%未満である。したがって、第1のイコライザ孔におけるパージガスの第1の平均質量流量は、第2のイコライザ孔における平均質量流量の1標準偏差以内であり、第1のイコライザ孔は第2のイコライザ孔に直接隣接している。これは、従来のシステムに対し、質量流量の標準偏差が約60%減少するという改善である。イコライザ孔216における平均質量流量が減少するため、バッフルが存在しない従来のシステムと比較して、処理容積116に入るパージガス119を実質的に減少させる。したがって、第1の通路120に入るパージガス119の速度の低下は、基板114上の処理ガス117の圧力プロファイルの方位角均一性に寄与する。
【0047】
図9は、
図1の処理チャンバ100のパージ容積118内に配置されたバッフルの別の例を示す断面平面図である。バッフル900は脚部304によって支持されうる。脚部304は、バッフル900の底面920から底部ボウル204の内面916まで延在する。脚部304は、バッフル900又はその一部の回転を防止するように構成することができる。複数の締め具302(
図3に示される)は、チャンバベース106の内面248の上に高さ912でパージ容積118内にバッフル900を固定するように構成される。バッフル900もまた、パージポート208の上に実質的に同じ高さ912で位置づけられる。チャンバベース106の内面248とバッフル900の上面904との間の高さ912は、基板支持体111がリフトアクチュエータ128(
図1に示される)によって上下される際に、底部ボウル204の位置が垂直方向に移動するにつれて変化しうる。脚部304は、ボルト、ピン、溶接ロッド、又は任意の他の適切な接続デバイスでありうる締め具302で固定することができる。締め具302は、バッフル900の上面904を通過しうる。あるいは、締め具302は、バッフル900の底面920に取り付けられるか、又はバッフル900にねじ込まれてもよい。締め具302は、底部ボウル204の内面916に固定される。上で論じた例と同様に、締め具302は、底部ボウル204に溶接、ねじ込み、ピン留め、又は他の適切な技法によって取り付けることができる。
【0048】
イコライザ孔216とバッフル900の上面904との間の垂直距離908は、底部ボウル204が垂直方向に移動するにつれて変化しない。バッフル900の上面904は、イコライザ孔216の下に垂直距離908で位置づけられている。垂直距離908は、高さ912が約5mmから約13mmの間になるように調整することができる。バッフル900の上面904は、チャンバベース106の内面248に実質的に平行である。
【0049】
上記は特定の例を対象としているが、他の例は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。