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特許7584537バッチ熱処理チャンバにおけるウエハエッジ温度補正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】バッチ熱処理チャンバにおけるウエハエッジ温度補正
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241108BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241108BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241108BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20241108BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20241108BHJP
   H01L 21/302 20060101ALN20241108BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/205
H01L21/304 645Z
C23C16/44 B
H01L21/302 102
H01L21/302 201A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022563143
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021042065
(87)【国際公開番号】W WO2022031422
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】202041033207
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティク ブペンドラ
(72)【発明者】
【氏名】チュー, シューベルト エス.
(72)【発明者】
【氏名】タヌス, アデル ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】モラディアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】ミオ, ニィ オー.
(72)【発明者】
【氏名】クマール, スラジット
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ツウォミン
(72)【発明者】
【氏名】バローズ, ブライアン ヘイズ
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, シュー-クワン
(72)【発明者】
【氏名】ランガッパ, スリニバサ
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-532871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/205
H01L 21/304
C23C 16/44
H01L 21/3065
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内で使用するための処理キットであって、
内側ライナであって、
前記内側ライナの注入側に配置され、処理チャンバのガス注入アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の入口孔、および
前記内側ライナの排気側に配置され、前記処理チャンバのガス排気アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の出口孔
を有する、内側ライナと、
前記内側ライナの内面に取り付けられた天板および底板であって、前記内側ライナとともにエンクロージャを形成する、天板および底板と、
前記エンクロージャ内に配置されたカセットであって、複数の基板を保持するように構成された複数の棚を備える、カセットと、
前記内側ライナの外側に配置された第1のリングリフレクタと、
前記内側ライナと前記第1のリングリフレクタとの間に配置されたエッジ温度補正要素と
中空構造体として形成され、前記第1のリングリフレクタの外側に配置された外側ライナと、
を備え
前記外側ライナは、不透明石英および炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含む、処理キット。
【請求項2】
前記内側ライナは、透明石英および炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含み、
前記天板および前記底板は、透明石英、不透明石英、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含む、請求項1に記載の処理キット。
【請求項3】
前記第1のリングリフレクタは、不透明石英または炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含み、
前記複数の棚は、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトを含む、請求項1に記載の処理キット。
【請求項4】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを囲む2つのグラファイトヒータを備える、請求項1に記載の処理キット。
【請求項5】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナと前記第1のリングリフレクタとの間にランプを備える、請求項1に記載の処理キット。
【請求項6】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを周回するトロイダルランプを備える、請求項1に記載の処理キット。
【請求項7】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを囲む第2のリングリフレクタを備え、
前記第2のリングリフレクタは、不透明石英または炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含む、請求項1に記載の処理キット。
【請求項8】
第1の側壁、および第1の方向で前記第1の側壁と対向する第2の側壁を有するハウジング構造体と、
前記第1の側壁に結合されたガス注入アセンブリと、
前記第2の側壁に結合されたガス排気アセンブリと、
前記ハウジング構造体内に配置された石英チャンバと、
前記石英チャンバ内に配置された処理キットであって、複数の基板を保持するように構成された複数の棚を有するカセットを備える、処理キットと、
前記石英チャンバの第1の側に配置され、前記複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の上部ランプモジュールと、
前記第1の方向に垂直な第2の方向で前記第1の側に対向する前記石英チャンバの第2の側に配置され、前記複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の下部ランプモジュールと、
前記ハウジング構造体の下部に配置され、鉛直方向に延びるシャフトを含むリフト回転機構と、
を備える処理チャンバであって、
前記リフト回転機構は、前記シャフトを鉛直方向に移動させることで鉛直方向に前記カセットを移動させ、かつ前記シャフトを該シャフトの回転軸周りに回転させることで前記カセットを回転させるように構成されており、
前記処理キットは、
内側ライナであって、
前記内側ライナの注入側に配置され、前記ガス注入アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の入口孔、および
前記内側ライナの排気側に配置され、前記ガス排気アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の出口孔
を有する、内側ライナと、
前記内側ライナの内面に取り付けられた天板および底板であって、前記天板および前記底板は前記内側ライナとともにエンクロージャを形成し、前記カセットは前記エンクロージャ内に配置される、天板および底板と、
前記内側ライナの外側に配置された第1のリングリフレクタと、
前記内側ライナと前記第1のリングリフレクタとの間に配置されたエッジ温度補正要素と
をさらに備える、処理チャンバ。
【請求項9】
前記処理キットは外側ライナをさらに備え、
前記外側ライナは、不透明石英および炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項10】
前記内側ライナは、透明石英および炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含み、
前記天板および前記底板は、透明石英、不透明石英、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含み、
前記第1のリングリフレクタは、不透明石英または炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含み、
前記複数の棚は、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトを含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを囲む2つのグラファイトヒータを備える、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナと前記第1のリングリフレクタとの間にランプを備える、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを周回するトロイダルランプを備える、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項14】
前記エッジ温度補正要素は、前記内側ライナを囲む第2のリングリフレクタを備え、
前記第2のリングリフレクタは、不透明石英または炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから選択される材料を含む、請求項に記載の処理チャンバ。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一項に記載の処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された前記処理キットとの間で前記複数の基板を移送するように構成された移送ロボットと
を備える、処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される例は一般的に半導体処理の分野に関し、より詳細には、ウエハのプレエピタキシャルベーキングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体製造において、ウエハは、エピタキシャル処理によるその上での薄膜成長の前に、酸化物などの汚染物質を除去するために前洗浄される。ウエハの前洗浄は、単一ウエハエピタキシャル(エピ)チャンバ内または炉内のいずれかで水素雰囲気中でウエハをベーキングすることによって実行される。単一ウエハエピチャンバは、処理空間内に配置されたウエハ上の均一な温度分布およびウエハ上のガス流の正確な制御を提供するように設計されている。しかし、単一ウエハエピチャンバは一度に1つのウエハを処理するため、製造プロセスにおいて要求されるスループットを提供しないことがある。炉は、複数のウエハのバッチ処理を可能にする。しかし、処理空間内に配置された各ウエハ上および/またはウエハ間で均一な温度分布を提供しないため、製造されるデバイスにおいて要求される品質を提供しないことがある。特に、ウエハエッジの近くでの熱損失は、各ウエハ上の高度に不均一な温度分布を引き起こす。
【0003】
したがって、ウエハ上の均一な温度分布を提供するためにウエハエッジの近くでの熱損失を低減しながらバッチマルチウエハプロセスを実行することができるプロセスおよび処理装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、処理チャンバ内で使用するための処理キットを含む。処理キットは、外側ライナと、内側ライナであって、内側ライナの注入側に配置され処理チャンバのガス注入アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の入口孔、および内側ライナの排気側に配置され処理チャンバのガス排気アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の出口孔を有する、内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間に配置された第1のリングリフレクタと、内側ライナの内面に取り付けられた天板および底板であって、内側ライナとともにエンクロージャを形成する、天板および底板と、エンクロージャ内に配置されたカセットであって、その上に複数の基板を保持するように構成された複数の棚を備える、カセットと、内側ライナと第1のリングリフレクタとの間に配置されたエッジ温度補正要素とを含む。
【0005】
本開示の実施形態はまた、処理チャンバを含む。処理チャンバは、第1の側壁、および第1の方向で第1の側壁と対向する第2の側壁を有するハウジング構造体と、第1の側壁に結合されたガス注入アセンブリと、第2の側壁に結合されたガス排気アセンブリと、ハウジング構造体内に配置された石英チャンバと、石英チャンバ内に配置された処理キットであって、その上に複数の基板を保持するように構成された複数の棚を有するカセットを備える、処理キットと、石英チャンバの第1の側に配置され複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の上部ランプモジュールと、第1の方向に垂直な第2の方向で第1の側に対向する石英チャンバの第2の側に配置され複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の下部ランプモジュールと、第2の方向にカセットを移動させ第2の方向の周りにカセットを回転させるように構成されたリフト回転機構とを含む。処理キットは、外側ライナと、内側ライナであって、内側ライナの注入側に配置されガス注入アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の入口孔、および内側ライナの排気側に配置されガス排気アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の出口孔を有する、内側ライナと、外側ライナと内側ライナとの間に配置された第1のリングリフレクタと、内側ライナの内面に取り付けられた天板および底板であって、天板および底板は内側ライナとともにエンクロージャを形成し、カセットはエンクロージャ内に配置される、天板および底板と、内側ライナと第1のリングリフレクタとの間に配置されたエッジ温度補正要素とをさらに含む。
【0006】
本開示の実施形態は、処理システムをさらに含む。処理システムは、第1の側壁、および第1の方向で第1の側壁と対向する第2の側壁を有するハウジング構造体と、第1の側壁に結合されたガス注入アセンブリと、第2の側壁に結合されたガス排気アセンブリと、ハウジング構造体内に配置された石英チャンバと、石英チャンバ内に配置された処理キットであって、その上に複数の基板を保持するように構成された複数の棚を有するカセット、外側ライナ、内側ライナであって、内側ライナの注入側に配置されガス注入アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の入口孔、および内側ライナの排気側に配置されガス排気アセンブリと流体連結するように構成された複数の第1の出口孔を有する、内側ライナ、外側ライナと内側ライナとの間に配置された第1のリングリフレクタ、内側ライナの内面に取り付けられた天板および底板であって、天板および底板は内側ライナとともにエンクロージャを形成し、カセットはエンクロージャ内に配置される、天板および底板、ならびに内側ライナと第1のリングリフレクタとの間に配置されたエッジ温度補正要素を備える、処理キットと、石英チャンバの第1の側に配置され複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の上部ランプモジュールと、第1の方向に垂直な第2の方向で第1の側に対向する石英チャンバの第2の側に配置され複数の基板に放射熱を提供するように構成された複数の下部ランプモジュールと、第2の方向にカセットを移動させ第2の方向の周りにカセットを回転させるように構成されたリフト回転機構とを備える処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された処理キットとの間で複数の基板を移送するように構成された移送ロボットとを含む。
【0007】
本開示の上記の特徴が詳細に理解され得るような方法で、上記で簡潔に要約されたことのより詳細な説明が、例を参照することによって行われることができ、例のうちのいくつかは添付の図面に示される。なお、添付の図面はいくつかの例のみを示しており、したがって本開示の範囲を限定するものとみなされてはならない。本開示は他の同等に有効な例の余地があり得るからである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つまたは複数の実施形態によるバッチマルチチャンバ処理システムの一例の概略上面図である。
図2】1つまたは複数の実施形態によるバッチマルチウエハ洗浄プロセスを実行するために使用され得る例示的な処理チャンバの概略断面図である。
図3】一実施形態による処理キットの概略断面図である。
図4】一実施形態による処理キットの概略断面図である。
図5】一実施形態による処理キットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通である同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。
【0010】
一般的に、本明細書に記載される例は一般的に半導体処理の分野に関し、より詳細には、ウエハのプレエピタキシャルベーキングに関する。
【0011】
本明細書に記載されるいくつかの例はマルチウエハバッチ処理システムを提供し、処理空間内に配置された基板上および基板間に均一な温度分布を維持しながら、エピタキシャル(エピ)チャンバ内で水素雰囲気中で基板をベーキングすることによるエピタキシャルプロセスによるその上での薄膜成長の前に、複数の基板は、酸化物などの汚染物質を除去するために前洗浄される。したがって、マルチウエハバッチ処理システムは、製造されるデバイスにおける改善された品質およびスループットを提供し得る。
【0012】
さまざまな異なる例が以下に記載される。異なる例の複数の特徴が、プロセスフローまたはシステムにおいてともに記載されることがあるが、複数の特徴は別々に、もしくは個別に、および/または異なるプロセスフローもしくは異なるシステムで各々実施され得る。
【0013】
図1は、1つまたは複数の実施形態による処理システム100の一例の概略上面図である。処理システム100は一般的に、ファクトリインターフェース102と、ロードロックチャンバ104、106と、それぞれの移送ロボット110、118を有する移送チャンバ108、116と、保持チャンバ112、114と、処理チャンバ120、122、124、126、128、130とを含む。本明細書で詳細に説明されるように、処理システム100内の基板は、処理システム100の外部の周囲環境に曝されることなくさまざまなチャンバで処理されチャンバ間で移送されることができる。例えば、基板は、処理システム100内の基板に対して実行されるさまざまなプロセス間で、低圧または真空環境を破ることなく低圧(例えば約300トル以下)または真空環境においてさまざまなチャンバで処理されチャンバ間で移送されることができる。したがって、処理システム100は、基板の何らかの処理に対する統合された解決法を提供し得る。
【0014】
本明細書で提供される教示によって好適に変更され得る処理システムの例は、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から市販されているEndura(登録商標)、Producer(登録商標)もしくはCentura(登録商標)統合処理システムまたは他の好適な処理システムを含む。他の処理システム(他の製造元からのものを含む)が、本明細書に記載された態様から利益を受けるように適応し得ることが考えられる。
【0015】
図1の図示された例では、ファクトリインターフェース102は、基板の移送を容易にするためにドッキングステーション140およびファクトリインターフェースロボット142を含む。ドッキングステーション140は、1つまたは複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)144を収容するように構成される。いくつかの例では、各ファクトリインターフェースロボット142は一般的に、ファクトリインターフェース102からロードロックチャンバ104、106に基板を移送するように構成されたそれぞれのファクトリインターフェースロボット142の一端に配置されたブレード148を備える。
【0016】
ロードロックチャンバ104、106は、ファクトリインターフェース102に結合されたそれぞれのポート150、152と、移送チャンバ108に結合されたそれぞれのポート154、156とを有する。移送チャンバ108は、保持チャンバ112、114に結合されたそれぞれのポート158、160と、処理チャンバ120、122に結合されたそれぞれのポート162、164とをさらに有する。同様に、移送チャンバ116は、保持チャンバ112、114に結合されたそれぞれのポート166、168と、処理チャンバ124、126、128、130に結合されたそれぞれのポート170、172、174、176とを有する。ポート154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176は、例えば、移送ロボット110、118によって基板を通過させるため、および、それぞれのチャンバ間でガスが通過することを防止するためのそれぞれのチャンバ間のシールを提供するためのスリットバルブを有するスリット開口部であり得る。一般的に、任意のポートは基板を移送するために開き、そうでない場合にポートは閉じる。
【0017】
ロードロックチャンバ104、106、移送チャンバ108、116、保持チャンバ112、114、および処理チャンバ120、122、124、126、128、130は、ガスおよび圧力制御システム(図示せず)に流体結合され得る。ガスおよび圧力制御システムは、さまざまなチャンバに流体結合された1つまたは複数のガスポンプ(例えば、ターボポンプ、クライオポンプ、粗引きポンプなど)、ガス源、さまざまなバルブ、および導管を含み得る。動作時に、ファクトリインターフェースロボット142は、FOUP144からポート150または152を通ってロードロックチャンバ104または106に基板を移送する。その後、ガスおよび圧力制御システムは、ロードロックチャンバ104または106を減圧する。ガスおよび圧力制御システムはさらに、内部の低圧または真空環境(これは不活性ガスを含み得る)で移送チャンバ108、116および保持チャンバ112、114を維持する。したがって、ロードロックチャンバ104または106の減圧は、例えば、ファクトリインターフェース102の大気環境と移送チャンバ108の低圧または真空環境との間で基板を受け渡すことを容易にする。
【0018】
減圧されたロードロックチャンバ104または106に基板がある状態で、移送ロボット110は、ロードロックチャンバ104または106からポート154または156を通って移送チャンバ108に基板を移送する。その後、移送ロボット110は、処理のためにそれぞれのポート162、164を通って処理チャンバ120、122のいずれかに、およびさらなる移送を待機するための保持のためにそれぞれのポート158、160を通って保持チャンバ112、114に、ならびに/またはこれらのチャンバ間で、基板を移送することができる。同様に、移送ロボット118は、ポート166または168を通って保持チャンバ112または114内の基板にアクセスすることができ、処理のためにそれぞれのポート170、172、174、176を通って処理チャンバ124、126、128、130のいずれかに、およびさらなる移送を待機するための保持のためにそれぞれのポート166、168を通って保持チャンバ112、114に、ならびに/またはこれらのチャンバ間で、基板を移送することができる。さまざまなチャンバ内およびチャンバ間での基板の移送および保持は、ガスおよび圧力制御システムによって提供される低圧または真空環境でなされ得る。
【0019】
処理チャンバ120、122、124、126、128、130は、基板を処理するための任意の適切なチャンバであり得る。いくつかの例では、処理チャンバ122は洗浄プロセスを実行可能であってもよく、処理チャンバ120はエッチングプロセスを実行可能であってもよく、処理チャンバ124、126、128、130はそれぞれのエピタキシャル成長プロセスを実行可能であってもよい。処理チャンバ122は、米国カリフォルニア州サンタクララのApplied Materialsから入手可能なSiCoNi(商標)前洗浄チャンバであり得る。処理チャンバ120は、米国カリフォルニア州サンタクララのApplied Materialsから入手可能なSelectra(商標)エッチングチャンバであり得る。
【0020】
システムコントローラ190が、処理システム100またはその構成要素を制御するために処理システム100に結合される。例えば、システムコントローラ190は、処理システム100のチャンバ104、106、108、112、114、116、120、122、124、126、128、130の直接制御を使用して、またはチャンバ104、106、108、112、114、116、120、122、124、126、128、130に関連づけられたコントローラを制御することによって、処理システム100の動作を制御し得る。動作時に、システムコントローラ190は、それぞれのチャンバからのデータ収集およびフィードバックが処理システム100の性能を調整することを可能にする。
【0021】
システムコントローラ190は一般的に、中央処理装置(CPU)192、メモリ194、およびサポート回路196を含む。CPU192は、工業的設定で使用され得る任意の形態の汎用プロセッサのうちの1つであり得る。メモリ194、または非一過性コンピュータ可読媒体は、CPU192によってアクセス可能であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ、フロッピーディスク、ハードディスク、または任意の他の形態の、ローカルもしくはリモートのデジタルストレージのうちの1つまたは複数であり得る。サポート回路196は、CPU192に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などを備え得る。本明細書に開示されるさまざまな方法は一般的に、メモリ194に(または特定の処理チャンバのメモリに)記憶されたコンピュータ命令コードをCPU192が、例えばソフトウェアルーチンとして実行することによって、CPU192の制御下で実施され得る。コンピュータ命令コードがCPU192によって実行されると、CPU192はさまざまな方法に従ってプロセスを実行するようにチャンバを制御する。
【0022】
他の処理システムは他の構成であり得る。例えば、より多い、またはより少ない処理チャンバが移送装置に結合され得る。図示された例では、移送装置は移送チャンバ108、116および保持チャンバ112、114を含む。他の例では、より多い、もしくはより少ない移送チャンバ(例えば1つの移送チャンバ)および/またはより多い、もしくはより少ない保持チャンバ(例えば保持チャンバはなし)が、処理システム内の移送装置として実装され得る。
【0023】
図2は、約800℃の温度で水素雰囲気中でのベーキングプロセスなどのバッチマルチウエハ洗浄プロセスを実行するために使用され得る例示的な処理チャンバ200の概略断面図である。処理チャンバ200は、図1の処理チャンバ120、122、124、126、128、130のうちのいずれか1つであり得る。本明細書に開示される実施形態によって変更され得る好適な処理チャンバの非限定的な例は、RP EPIリアクタ、Elvisチャンバ、およびLennonチャンバを含むことができ、これらはすべて米国カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から市販されている。処理チャンバ200は、米国カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能なCENTURA(登録商標)統合処理システムに追加され得る。処理チャンバ200は、本明細書に記載されるさまざまな実施形態を実施するために利用されるように以下で説明されるが、異なる製造元からの他の半導体処理チャンバもまた、本開示に記載される実施形態を実施するために使用され得る。
【0024】
処理チャンバ200は、ハウジング構造体202と、サポートシステム204と、コントローラ206とを含む。ハウジング構造体202は、アルミニウムまたはステンレススチールなどのプロセス耐性のある材料からなる。ハウジング構造体202は、石英チャンバ208などの処理チャンバ200のさまざまな機能要素を包囲し、石英チャンバ208は上部210および下部212を含む。処理キット214は、石英チャンバ208内に複数の基板Wを収容するように適応し、石英チャンバ208には処理空間216が含まれる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の処理操作のための基礎として働き、その上に薄膜を形成するために配置される表面を含む材料の層を指す。基板は、シリコンウエハ、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた、またはドープされていないポリシリコン、ドープされた、またはドープされていないシリコンウエハ、パターン形成された、またはパターン形成されていないウエハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、リン化インジウム、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、石英、溶融シリカ、ガラス、またはサファイアであり得る。さらに、基板はいかなる特定のサイズまたは形状にも限定されない。基板は、直径200mm、直径300mm、またはとりわけ450mmなどの他の直径を有する円形ウエハであり得る。基板Wはまた、任意の多角形、正方形、矩形、曲線、または多角形ガラス基板などの他の非円形素材であり得る。
【0026】
基板Wの加熱は、Z方向で石英チャンバ208の上方にある1つまたは複数の上部ランプモジュール218A、218BおよびZ方向で石英チャンバ208の下方にある1つまたは複数の下部ランプモジュール220A、220Bなどの放射源によって提供され得る。一実施形態では、上部ランプモジュール218A、218Bおよび下部ランプモジュール220A、220Bは赤外線ランプである。上部ランプモジュール218A、218Bおよび下部ランプモジュール220A、220Bからの放射は、上部210の上部石英窓222を通って、および下部212の下部石英窓224を通って伝わる。いくつかの実施形態では、上部210のための冷却ガスが、入口226を通って入り、出口228を通って出ることができる。
【0027】
1種または複数種のガスが、ガス注入アセンブリ230によって石英チャンバ208の処理空間216に提供され、処理副生成物がガス排気アセンブリ232によって処理空間216から除去され、ガス排気アセンブリ232は一般に真空源(図示せず)と連通する。
【0028】
処理キット214は、ハウジング構造体202の側壁242から処理空間216を遮蔽する複数の円筒形ライナ、すなわち内側ライナ234および外側ライナ236をさらに含む。内側ライナ234は、-X方向でガス注入アセンブリ230に面する側(以下「注入側」という)における1つまたは複数の入口孔264と、+X方向でガス排気アセンブリ232に面する側(以下「排気側」という)における1つまたは複数の出口孔270とを含む。外側ライナ236は、注入側における1つまたは複数の入口孔260と、排気側における1つまたは複数の出口孔272とを含む。内側ライナ234と外側ライナ236との間に、リングリフレクタ238が配置される。リングリフレクタ238は、注入側における1つまたは複数の入口孔262と、排気側における1つまたは複数の出口孔274とを含む。リングリフレクタ238は一般的に、内側ライナ234に面する反射面を有する円筒形管状構造である。リングリフレクタ238の反射面は、内側ライナ234からの放射熱を反射し、さもなければ内側ライナ234から逃げ得る熱を内側ライナ234内に閉じ込める。リングリフレクタ238は、不透明石英または炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから形成される。いくつかの実施形態では、内側ライナ234に面するリングリフレクタ238の内面は、熱損失を防止するために金などの高反射性材料で被覆される。いくつかの他の実施形態では、内側ライナ234に面するリングリフレクタ238の内面は、シリカ、例えばHeraeus反射コーティング、HRC(登録商標)、などの反射性材料で被覆される。内側ライナ234は、バッチマルチウエハプロセスのために複数の基板Wを保持するための複数の棚248(例えば、5つの棚が図2に示されている)を有するカセット246を収納する処理空間216に対する円筒壁として作用する。棚248への、および棚248からの基板Wの効率的な機械的移送を可能にするために棚248と基板Wとの間に間隙が存在するように、棚248は、カセット246に保持された基板Wの間に交互配置される。基板Wは、-Y方向に面する前方側で外側ライナ236に形成されたスリップ開口部(図示せず)を介して、図1に示す移送ロボット110、118などの移送ロボットによって処理空間216との間で移送され得る。いくつかの実施形態では、基板Wは、カセット246との間で1つずつ移送される。いくつかの実施形態では、外側ライナ236のスリット開口部は、スリットバルブ(図示せず)を使用することによって開閉可能である。
【0029】
処理キット214は、内側ライナ234の内面に取り付けられ処理キット214内の円筒形処理空間216を包囲する天板250および底板252をさらに含む。天板250および底板252は、棚248に保持された基板W上のガス流を可能にするために棚248から十分な距離だけ離れて配置される。
【0030】
内側ライナ234は、透明石英、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイト、グラファイト、または炭化ケイ素(SiC)から形成される。天板250および底板252は、処理空間216から天板250および/または底板252を通る熱損失が低減されるように、透明石英、不透明石英、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイト、グラファイト、炭化ケイ素(SiC)、またはシリコン(Si)から形成される。処理空間216内に配置されたカセット246の棚248もまた、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイト、グラファイト、または炭化ケイ素(SiC)などの材料から形成される。外側ライナ236は、不透明石英などの高い反射率を有する材料から形成され、処理キット214内の処理空間216からの熱損失をさらに低減する。いくつかの実施形態では、外側ライナ236は中空構造体として形成され、内側ライナ234に面する外側ライナ236の内面とハウジング構造体202の側壁242に面する外側ライナ236の外面との間の真空が、外側ライナ236を通る熱伝導を低減する。
【0031】
ガスは、内側ライナ234に形成された入口孔264を通るガス注入アセンブリ230の第2のガス源256とともに、または第2のガス源256なしで、水素(H)、窒素(N)、または任意のキャリアガスなどの第1のガス源254から、処理空間216に注入され得る。内側ライナ234の入口孔264は、側壁242に形成された注入プレナム258と、外側ライナ236に形成された入口孔260と、リングリフレクタ238に形成された入口孔262とを介して第1のガス源254および第2のガス源256と流体連結する。注入されるガスは、層流路266に沿ったガス流を形成する。入口孔260、262、264は、速度、密度、または組成などの変化するパラメータをガス流に提供するように構成され得る。
【0032】
流路266に沿ったガスは、処理空間216からガス排気アセンブリ232によって排気されるために、側壁242に形成された排気プレナム268に処理空間216を横切って流れるように構成される。ガス排気アセンブリ232は、外側ライナ236に形成された出口孔272、リングリフレクタ238に形成された出口孔274、および排気プレナム268を介して、内側ライナ234に形成された出口孔270と流体連結し、ガスは排気流路278に達する。排気プレナム268は、排気または真空ポンプ(図示せず)に結合される。少なくとも注入プレナム258は、注入キャップ280によって支持され得る。いくつかの実施形態では、処理チャンバ200は、堆積およびエッチングプロセスなどのプロセスのための1種または複数種の液体を供給するように適応する。さらに、2つのガス源254、256のみが図2に示されているが、処理チャンバ200は、処理チャンバ200で実行されるプロセスに必要な数だけの流体接続を収容するように適応し得る。
【0033】
サポートシステム204は、処理チャンバ200における所定のプロセスを実行および監視するために使用される構成要素を含む。コントローラ206は、サポートシステム204に結合され、処理チャンバ200およびサポートシステム204を制御するように適応する。
【0034】
処理チャンバ200は、ハウジング構造体202の下部212に配置されたリフト回転機構282を含む。リフト回転機構282は、シュラウド286内に配置されたシャフト284を含み、シュラウド286には、処理キット214の棚248に形成された開口部(ラベル付けしていない)を通して配置されたリフトピン(図示せず)が結合される。シャフト284は、図1に示す移送ロボット110、118などの移送ロボットによって、内側ライナ234のスリット開口部(図示せず)および外側ライナ236の図示しないスリット開口部を通って基板Wを棚248にロードすること、および基板Wを棚248からアンロードすることを可能にするために、Z方向で鉛直に移動可能である。シャフト284は、処理中にX-Y平面で処理キット214内に配置された基板Wの回転を容易にするために、回転可能でもある。シャフト284の回転は、シャフト284に結合されたアクチュエータ288によって容易にされる。シュラウド286は一般的に位置が固定され、したがって、処理中に回転しない。
【0035】
石英チャンバ208は、Oリング294を使用してハウジング構造体202の側壁242に取り付けられ真空シールされた周辺フランジ290、292を含む。周辺フランジ290、292は、熱放射に直接曝されることからOリング294を保護するために、不透明な石英からすべて形成され得る。周辺フランジ290は、石英などの光学的に透明な材料から形成されてもよい。
【0036】
本明細書に記載される例示的実施形態では、処理キット214は、内側ライナ234とリングリフレクタ238との間に配置されたエッジ温度補正要素を含み、エッジ温度補正要素は、基板Wのエッジの近くで処理空間216からの熱損失を補償または低減することによって、処理空間216内の棚248に保持された各基板W上の温度均一性を向上させる。
【0037】
図3は、一実施形態による処理キット214の概略断面図である。図3に示す例示的実施形態では、エッジ温度補正要素は、内側ライナ234を囲む2つのヒータ302である。一方のヒータ302は注入側に配置され、他方のヒータ302は排気側に配置される。ヒータ302は、上部ランプモジュール218A、218Bおよび下部ランプモジュール220A、220Bに追加して、棚248に保持された基板Wを加熱し、内側ライナ234の近くで処理空間216からの熱損失を補償するように適応し得る。
【0038】
ヒータ302は、円筒形状のグラファイトヒータであり得る。いくつかの実施形態では、ヒータ302は、炭化ケイ素(SiC)被覆グラファイトから形成される。1つまたは複数の端子(図示せず)が、ヒータ302を支持するために設けられる。ヒータ302は、Z方向に延在する複数のスリットをそれぞれ含み、発熱および内側ライナ234を通るガスの流れの効率的な生成を可能にする。複数のスリットの空間的配置およびサイズは、Z方向に所望の温度勾配を提供するように調節され得る。一例では、ヒータ302は、約1,000mm~約3,500mmのZ方向の長さと、約25mm~約125mmの高さと、約4mm~約8mmの厚さと、約4mm~約12mmの幅とをそれぞれ有する。ヒータ302は、棚248に保持された基板Wを約1200℃まで加熱し得る。いくつかの実施形態では、内側ライナ234の近くでの基板Wの温度は、ヒータ302に配送されるパワーの調節によって所望の温度に調整され得る。
【0039】
図4は、一実施形態による処理キット214の概略断面図である。図4に示す例示的実施形態では、エッジ温度補正要素は、内側ライナ234を周回するヒータ402である。ヒータ402は、上部ランプモジュール218A、218Bおよび下部ランプモジュール220A、220Bに追加して、棚248に保持された基板Wを加熱し、内側ライナ234の近くで処理空間216からの熱損失を補償するように適応し得る。
【0040】
ヒータ402は、内側ライナ234とリングリフレクタ238との間に配置されたランプ、例えばトロイダル形状のランプであり、棚248に保持された基板Wに放射エネルギーを提供することができ、短い増大および減少時間により効率的な加熱を行う。内側ライナ234を周回するランプのトロイダル形状により、ヒータ402は、外側ライナ236の入口孔260と外側ライナの出口孔272との間で妨害のないガスの流れを可能にする。いくつかの実施形態では、ヒータ402は、内部にフィラメントが配置されたトロイダル電球である。
【0041】
いくつかの実施形態では、リングリフレクタ238は、内側ライナ234とリングリフレクタ238との間にトロイダル形状のヒータ402を収容するための十分な空間を生成するように湾曲する。
【0042】
図5は、一実施形態による処理キット214の概略断面図である。図5に示す例示的実施形態では、エッジ温度補正要素は、内側ライナ234を囲む1つまたは複数の追加的なリングリフレクタ502である。1つまたは複数の追加的なリングリフレクタ502は、リングリフレクタ238と同じ材料または異なる材料から形成されることができ、内側ライナ234内の放射/伝導熱シールドとして作用するように適応することにより、内側ライナ234の近くで処理空間216からの熱損失を低減する。追加的なリングリフレクタ506もまた、注入側における1つまたは複数の入口孔(ラベル付けしていない)と、1つまたは複数の出口孔(ラベル付けしていない)とを含み、内側ライナ234を通るガスの流れを可能にする。
【0043】
本明細書に記載される例では、マルチウエハバッチ処理システムが示され、処理空間内に配置された基板上で、特に基板のエッジの近くで、均一な温度分布を維持しながら、エピタキシャル(エピ)チャンバ内で水素雰囲気中で基板をベーキングすることによるエピタキシャルプロセスによるその上での薄膜成長の前に、複数の基板は、酸化物などの汚染物質を除去するために前洗浄される。したがって、マルチウエハバッチ処理システムは、製造されるデバイスにおける要求された品質およびスループットを提供し得る。
【0044】
上記は本開示のさまざまな例に向けられているが、他の、およびさらなる例がその基本範囲から逸脱することなく考案されることができ、その範囲は後続の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5