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特許7584543セラミックボール用素材およびそれを用いたセラミックボールの製造方法並びにセラミックボール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-07
(45)【発行日】2024-11-15
(54)【発明の名称】セラミックボール用素材およびそれを用いたセラミックボールの製造方法並びにセラミックボール
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/587 20060101AFI20241108BHJP
   B24B 11/00 20060101ALI20241108BHJP
   B24B 37/02 20120101ALI20241108BHJP
   B24B 37/025 20120101ALI20241108BHJP
   F16C 33/32 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
C04B35/587
B24B11/00
B24B37/02
B24B37/025
F16C33/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022571460
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2021047068
(87)【国際公開番号】W WO2022138579
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2020214951
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】303058328
【氏名又は名称】東芝マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船木 開
(72)【発明者】
【氏名】佐野 翔哉
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-137640(JP,A)
【文献】特開2011-093789(JP,A)
【文献】特開平06-229422(JP,A)
【文献】特開平08-109959(JP,A)
【文献】特開2000-337386(JP,A)
【文献】特開平02-129056(JP,A)
【文献】市川 茂樹ら,CIP成形したセラミックスボールのラッピング,1997年度精密工学会学術講演会講演論文集,社団法人精密工学会,1997年,P.631-632
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84
B24B 11/00
B24B 37/02
B24B 37/025
F16C 33/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球面部と、
前記球面部の表面の円周に亘って形成された帯状部と、
を備え、
前記帯状部の幅が0.5[mm]以上4.0[mm]以下の範囲内であり、前記帯状部の両肩部に曲率半径が0.02[mm]以上のR部を具備し、前記帯状部の外周部が凹形状をなし、前記帯状部の外周部がなす凹形状の曲率半径が5[mm]以上、30[mm]以下であることを特徴とするセラミックボール用素材。
【請求項2】
前記帯状部は、前記外周部がなす凹形状の曲率半径と幅Wとの比が次式
外周部がなす凹形状の曲率半径 / w1 ≦ 10
を満たすことを特徴とする請求項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項3】
球面部と、
前記球面部の表面の円周に亘って形成された帯状部と、
を備え、
前記帯状部の幅が0.5[mm]以上4.0[mm]以下の範囲内であり、前記帯状部の両肩部に曲率半径が0.02[mm]以上のR部を具備し、前記帯状部の外周部が凹形状をなし、前記帯状部の外周部がなす凹形状の曲率半径が5[mm]以上であり、
前記帯状部は、前記外周部がなす凹形状の曲率半径と幅Wとの比が次式
外周部がなす凹形状の曲率半径 / W ≦ 10
を満たすことを特徴とするセラミックボール用素材。
【請求項4】
前記帯状部の高さが前記帯状部の任意の直径の2.5[%]以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項5】
前記球面部の任意の直径が0.5[mm]以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項6】
前記球面部の任意の直径が8[mm]以上70[mm]以下の範囲内にあり、かつ前記帯状部の高さが前記球面部の直径の1[%]以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項7】
前記帯状部の外周部の直径の、前記球面部の直径に対する比が0.9以上1.1以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項8】
前記セラミックボール用素材が酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ほう素、酸化ジルコニウムのいずれか1つを85質量[%]以上含有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項9】
前記セラミックボール用素材が窒化ケイ素を85質量[%]以上含むセラミックの焼結体であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材。
【請求項10】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のセラミックボール用素材を研磨加工することを特徴とするセラミックボールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、セラミックボール用素材およびセラミックボールの製造方法並びにセラミックボールに関する。
【背景技術】
【0002】
種々のセラミック材料は高硬度、絶縁性、耐摩耗性などの特性を有し、特に純度を高め粒子径を均一化させたファインセラミックスは、コンデンサ、アクチュエータ材料、耐火材など様々な分野に用いられる特性を発現させる。その中で、耐摩耗性、絶縁性を生かした製品としてベアリングボール用途があり、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウムなどの材料が用いられている。例えば、特開平6-48813号公報(特許文献1)、特許第2764589号公報(特許文献2)において窒化ケイ素材料、特開昭60-18620号公報(特許文献3)において酸化ジルコニウム材料を用いたベアリングボールが開示されている。
【0003】
これらのベアリングボール用材料を製造するプロセスにおいては、成形体を焼結する方法が用いられている。また、成型方法は金型を用いたプレス成型が用いられている。プレス成型は、一般的に図1に示されるように、上部金型1と下部金型2の間に粉体を挿入し、圧力をかける方法である。プレス成型時に、金型を保護するために上部金型1の先端部分3と下部金型2の先端部分4の間に隙間を設けてプレス成形しなければならない。このため、成形体には球面部と帯状部が形成される。例えば、特許第4761613号公報(特許文献4)には、球面部と帯状部を有するベアリングボール用素材が開示されている。図2に従来のセラミックボール用素材を示した。図2中、5Aはセラミックボール用素材、6Aは球面部、7Aは帯状部、WAは帯状部7Aの幅、HAは帯状部7Aの高さ、である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-48813号公報
【文献】特許第2764589号公報
【文献】特開昭60-18620号公報
【文献】特許第4761613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図2に示す球面部6Aと帯状部7Aを有するセラミックボール用素材5Aを研磨加工することによりセラミックボールになる。球面部6Aと帯状部7Aを有するセラミックボール用素材5Aの素球と呼ぶこともある。例えば、セラミックボール用素材5Aに対して表面粗さRaが0.1[μm]以下の鏡面加工が行われる。鏡面加工には定盤加工が用いられている。
【0006】
一般的に、セラミック材料は耐摩耗性に優れるが、脆性材料であるため強い衝撃が加わった際に欠けが生じ易い。曲面は衝撃を逃がしやすいが、角部は衝撃による欠けが生じやすい。そのため、帯状部7Aを有したセラミックボール用素材5Aに盤加工を行う場合、帯状部7Aの角部である両肩部が選択的に定盤に接触し、欠けが生じる原因となっていた。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであり、定盤加工時におけるセラミック材料の損傷を抑制するセラミックボール用素材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係るセラミックボール用素材は、球面部と、球面部の表面の円周に亘って形成された帯状部とを備える。帯状部の幅が0.5[mm]以上4.0[mm]以下の範囲内である。帯状部の両肩部に曲率半径が0.02[mm]以上のR部を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一般的な金型プレス成型装置の一例を示す断面図。
図2】従来のセラミックスボール用素材の一例を示す外観図。
図3】実施形態に係るセラミックスボール用素材の一例を示す外観図。
図4】帯状部の一例を示す外観図。
図5】帯状部の他の一例を示す外観図。
図6】帯状部のさらに別の一例を示す外観図。
図7】実施形態に係るセラミックスボール用素材を成型する金型プレス成型の一例を示す図。
【実施形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、セラミックボール用素材およびそれを用いたセラミックボールの製造方法並びにセラミックボールの実施形態について詳細に説明する。
【0011】
実施形態に係るセラミックボール用素材は、球面部と、球面部の表面の円周に亘って形成された帯状部とを備える。帯状部の幅が0.5[mm]以上4.0[mm]以下の範囲内である。帯状部の両肩部に曲率半径が0.02[mm]以上のR部を具備することを特徴とするものである。
【0012】
図3に実施形態に係るセラミックボール用素材の模式図を示した。図3中、5は実施形態に係るセラミックボール用素材、6が球面部、7が帯状部、8がR部、9が側周部、10が外周部、である。また、帯状部7の外周部10の直径をr1とする。また、球面部6の直径をr2とする。例えば、球面部6の直径r2を、帯状部7の円周が形成する面に直交する方向であり球面部6の中心を通る線分の長さとする。また、Wは帯状部7の幅、Hは帯状部7の高さである。帯状部7の幅Wのことを単に「幅W」ということもある。また、帯状部7の高さHのことを単に「高さH」ということもある。なお、図3において、球面部6に対する帯状部7の高さHおよび幅Wの大きさは、説明上の便宜を考慮して図示されている。
【0013】
セラミックボール用素材5は、球面部6と帯状部7を有している。帯状部7は球面部6表面の円周に亘って形成されている。球面部6表面の円周とは、球面部6表面の複数の円周のいずれか1つであればよい。球面部6表面は、二次曲面であれば良い。そのため、球面部6としては、真球や楕円体が挙げられる。球面部6の円周上に帯状部7が設けられている。帯状部7の幅Wは、例えば、帯状部7の最も大きな幅であるが、複数箇所の平均値であってもよい。また、帯状部7の高さHは、例えば、帯状部7の最大高さであるが、複数箇所の平均値であってもよい。
【0014】
帯状部7の幅Wは0.5[mm]以上4.0[mm]以下の範囲内である。幅Wが、この範囲内であると金型の破損を抑制することができる。また、セラミックボール用素材5の真球度を上げることができる。セラミックボール用素材5の真球度が上がると、研磨加工時の加工時間を短くすることができる。
【0015】
幅Wが0.5[mm]未満だと、図1に示す上部金型1の先端部分3と下部金型2の先端部分4に係る圧縮力が非常に大きくなる。これにより、金型の破損の原因となる可能性がある。また、得られた焼結体の帯状部周辺にて密度の不均一性が発生する可能性がある。密度が不均一であると焼結体に欠陥が生じやすく、耐摩耗性に悪影響が生じる恐れがある。
【0016】
また、幅Wが4.0[mm]を超えると、セラミックボール用素材5の真球度が低下する。真球度が低下すると球面部6の割合が低下する。セラミックボール用素材5の真球度が低下すると、研磨加工時の削り代が多くなり加工工程の時間が長くなる。
このため、幅Wは0.5[mm]以上4[mm]以下、さらには0.8[mm]以上3.5[mm]以下が好ましい。
【0017】
また、帯状部7は、帯状部7の円周に亘る両肩部と、帯状部7の円周方向に延びる側周部9と、帯状部7の円周に亘る外周部10とを備える。そして、帯状部7の両肩部に曲率半径0.02[mm]以上のR部8を具備するものである。R部8は、帯状部7の両肩部に存在している。R部とは、丸みのついた形状のことである。また、帯状部7の両肩部に曲率半径0.02[mm]以上のR部8を具備することにより、研磨加工の砥石と面接触のようにすることができる。R部8が曲率半径0.02[mm]未満であったり、角ばった形状であると、砥石との接触が点接触のようになる。角ばった形状とは、帯状部7の断面において両肩部が90°以下になった形状のことである。点接触になるとセラミックボール用素材5と砥石の接触で脆性破壊が発生しやすくなる。特に、定盤加工の定盤との接触で脆性破壊が起き易い。このため、R部8の曲率半径は0.02[mm]以上、さらには0.2[mm]以上が好ましい。
【0018】
ここで、セラミックボール用素材5の帯状部7のR部8の曲率半径の測定方法について説明する。
【0019】
形状測定は光学的な3次元形状測定装置を用いるものとする。3次元形状測定装置は、KEYENCE社製VR-5000を使用し、同装置の解析ソフトを用いて行うものとする。測定装置は、これと同等の機能を有するものであればよい。
【0020】
測定エリアは、帯状部7の高さHが1/4以上、かつ幅Wがすべて入る範囲とする。測定エリアが入るような倍率で画面設定するものとする。図4に帯状部7のR部8の一例を示した。図4中、6は球面部、7は帯状部、8はR部、である。図4は、球面部6から突起する帯状部7の部分を含む側面図である。
【0021】
光学的な3次元形状測定装置を用いたR部8の曲率半径の測定方法についての概念を説明する。以下に曲率半径の測定方法の概念を示すが、測定自体は3次元形状測定装置に備わった解析ソフトを用いて自動計算するものとする。
【0022】
R部8の曲率半径の測定は、3次元形状測定装置の曲率半径測定機能を用いるものとする。一方のR部8の点p1、p2、p3の3点を選択して得られる仮想円C1を用いて計算する。このとき、点p1は帯状部7の側周部9とR部8との境界点であり、点p3は帯状部7のR部8と外周部10との境界点であり、点p2は点p1と点p3との間の点である。計算結果をR部8の曲率半径とする。同様に、反対側のR部8についても点p4、p5、p6の3点を選択して得られる仮想円C2を用いて計算する。このとき、点p6は帯状部7の側周部9とR部8との境界点であり、点p4は帯状部7のR部8と外周部10との境界点であり、点p5は点p6と点p4との間の点である。そして、両肩部の計算結果の平均値をR部8の曲率半径とする。なお、仮想円C1、C2はそれぞれの点を通るのであれば楕円であってもよい。この点に関しては解析ソフトの自動計算を優先する。
【0023】
また、仮想円C1、C2がそれぞれ点p1~p6を通らない場合は、曲率半径が正確に測定できていないと判定する。同様に、点p1~p6のなす実際の曲線と仮想円C1、C2のなす当該部に沿った曲線部を比較した時、10[μm]以上離れた点が存在した場合は、曲率半径が正確に測定できていないと判定する。これらのように曲率半径が正確に測定できていないと判定されたときは、改めて点p1~p6、特に間の点p2,p5を選択して曲率半径を測定するものとする。改めて測定するとは、同じ視野内で点p1~p6、特に間の点p2,p5を選択し直すことを示す。このとき、点p1~p6の一部は前の測定点を選択してもよいものとする。なお、点p1~p6の選択方法は前段落に基づくものとする。
【0024】
また、後述する帯状部7の両肩部に挟まれる外周部10の凹形状の曲率半径の測定方法について説明する。ここで、外周部10の凹形状は、円周に沿う帯状部7において、両肩部より外周部10が円周に沿って連続して凹んでいることを意味する。外周部10の凹形状の曲率半径の測定にも3次元形状測定装置を用いるものとする。以下に曲率半径の測定方法の概念を示すが、凹形状の曲率半径の測定自体は3次元形状測定装置に備わった解析ソフトを用いて自動計算するものとする。
【0025】
図5に帯状部7の凹部形状の一例を示した。図5は、球面部6から突起する帯状部7の部分を含む側面図である。図5に示すように、帯状部7の外周部10の点p7、p8、p9の3点を選択して曲率を測定する。このとき、点p7~p9がなす実際の曲線と仮想円C3のなす当該点p7~p9に沿った曲線を比較した時、10[μm]以上離れた点が存在した場合は曲率が正確に測定出来ていないと判定する。この場合は、改めて点p7、p8、p9の3点を選択して曲率を測定するものとする。
【0026】
また、帯状部7の高さHを測定する場合を説明する。図6は、球面部6から突起する帯状部7の部分を含む側面図である。まず、図6に示したように、帯状部7の背後の球面部6と一致する位置に仮想円C4を作図する。次に、帯状部7の側周部9に沿った延長仮想線L1、L2を引き、延長仮想線L1、L2と球面部6との交点をそれぞれ点p10、p11とする。帯状部7の側周部9と延長仮想線L1、L2を比較したとき、5[μm]以上離れた点が存在した場合は正確に延長仮想線が作図できていないと判断し、再作図する。最高点抽出エリアの中から帯状部7の両肩部のそれぞれにて最大高さの点を抽出し、点p12、p13とする。点p10とp11を結んだ線分L3に対して、点p12、p13からの最短距離H1、H2をそれぞれ測定し、その平均値を帯状部7の高さH(図3に図示)とする。また、点p10、p11の最短距離を測定し、それを帯状部7の幅W(図3に図示)とするものとする。
【0027】
また、後述する帯状部7の直径r1と球面部6の直径r2の測定方法について説明する。図3に直径r1、r2を例示した。直径r1は帯状部7の外周部10の中心(両端の側周部9間の中心)から反対側の外周部10の中心に向けて伸ばした長さ、すなわち、外周部10の直径である。また、直径r1は、帯状部7の外周部10が凹形状を有しているときは、凹形状とその反対側の凹形状までの直径である。また、球面部6の直径r2は、例えば、帯状部7の円周が形成する面に直交する方向であり球面部6の中心を通る球面部6の直径である。
【0028】
直径r1およびr2の測定は、非接触式画像寸法測定器を用いるものとする。非接触式画像寸法測定器としては、KEYENCE社製のIM-7000またはこれと同等の性能を有するものを使用するものとする。非接触式画像寸法測定器は対象物に光を直上から投射し、その影から寸法を測定する画像寸法測定器である。測定方法を以下で説明する。ステージ上にセラミックボール用素材5を設置する。このとき、セラミックボール用素材5は帯状部7を投射方向に水平に設置する。帯状部7が投射方向から5°以上の角度を為す場合、帯状部7の外周部10の凹部が見えなくなるめである。対角上の帯状部7の外周部10の凹形状の中心間距離を測定できるように測定エリアを設定し、測定することで直径r1を評価できる。また、球面部6の直径r2として、帯状部7の円周が形成する面に直交する方向であり球面部6の中心を通る線分の長さを測定する。
【0029】
帯状部7の外周部10は平坦、もしくは凹形状を為すことが好ましい。また、帯状部7の外周部10は凹形状であることが好ましい。凹形状とは、帯状部7の外周部10が両端の両肩部に対して凹んだ形状を示す。外周部10が平坦または凹形状であると、帯状部7の両肩部にR部8を形成し易くなる。一方で、帯状部7の外周部10が凸形状の場合、その部分が突出することで定盤加工時の接触による脆性破壊が発生しやすくなる。
【0030】
また、帯状部7の外周部10の凹形状は曲率半径が5[mm]以上であることが好ましい。セラミックボール用素材5を研磨加工してセラミックボールにするとき、帯状部7は研削される。外周部10の凹形状の曲率半径を大きくすることにより、研削される帯状部7の体積を小さくすることができる。これにより、研磨代を小さくすることができる。なお、帯状部7の外周部10の凹形状の曲率半径の上限は特に限定されるものではないが、30[mm]以下であることが好ましい。あまり、凹形状の曲率半径が大きくなると、R部8の曲率半径を制御し難くなる可能性がある。また、帯状部7の外周部10の凹形状は、その表面に微少な凹凸を有していてもよいものとする。図4図6の外周部10に凸部(突起部)を示しているが、凸部は必須の構成ではない。また、外周部10に凸部(突起部)がある場合、凸部の高さは両肩部よりも低いものする。
【0031】
また、帯状部7の外周部10の凹形状は曲率半径/帯状部の幅Wの比が10以下であることが好ましい。帯状部7の外周部10の凹形状は曲率半径/帯状部の幅Wが10を超えると、凹形状の曲率が大きすぎて帯状部7の両肩部の曲率半径を制御するのが困難となる恐れがある。
【0032】
帯状部7の高さHは帯状部7の直径r1に対し、2.5[%]以下であることが好ましい。(帯状部7の高さH/帯状部の直径r1)×100≦2.5を満たすことを示している。前述のように帯状部7は研磨加工により除去される。帯状部7の高さHが直径r1に対し2.5%より大きくなった場合、研磨加工の負荷が増える。また、定盤加工時の接触による脆性破壊が発生しやすくなる可能性がある。なお、帯状部7の高さHの下限は帯状部7の直径r1に対し0.1[%]以上であることが好ましい。帯状部7の高さHがあまりに小さいと、帯状部7周辺の緻密化が困難となる可能性がある。このため、0.1≦(帯状部7の高さH/帯状部の直径r1)×100≦2.5、を満たすことが好ましい。
【0033】
また、球面部6の直径r2が0.5[mm]以上であることが好ましい。また、球面部6の任意の直径r2が8[mm]以上70[mm]以下の範囲内にあり、かつ前記帯状部7の高さHが球面部の直径r2の1[%]以下であることが好ましい。これは、(帯状部7の高さH/球面部6の直径r2)×100≦1、であることを示している。
また、帯状部7の直径r1の、球面部6の直径r2に対する比(r1/r2)は、0.9≦r1/r2≦1.1の範囲内にあることが好ましい。
球面部6の任意の直径r2が0.5[mm]未満であるとR部8の曲率半径を制御するのが難しくなる。球面部6の直径r2は8[mm]以上70[mm]以下であることがさらに好ましい。
【0034】
また、0.9≦r1/r2≦1.1であるということは、帯状部7の直径r1と球面部6の直径r2が近似していることを示している。これにより、加工定盤への初期接触を均一にすることで応力集中を抑制し、加工時の損傷を抑制できる。
【0035】
また、セラミックボール用素材5は、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(Si)、窒化ほう素(BN)、酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれか1種または2種以上を85[質量%]以上含有することが好ましい。セラミックボール用素材5は、セラミック焼結体からなっている。酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ほう素、酸化ジルコニウムのいずれか1種または2種以上を85[質量%]以上含有するということは、セラミック焼結体中の含有量である。言い換えると、セラミック焼結体は、上記以外の物質を15[質量%]以下含有していてもよい。なお、セラミックボール用素材5は窒化ケイ素を85[質量%]以上含有するものであることが好ましい。
【0036】
例えば、ベアリングボールとして、酸化アルミニウム焼結体、窒化ケイ素焼結体、窒化ほう素焼結体、酸化ジルコニウム焼結体、アルジル焼結体が使われている。なお、アルジル焼結体とは、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムを混合した焼結体である。この中で窒化ケイ素焼結体からなるベアリングボールは最も耐摩耗性に優れている。例として、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、アルジルはビッカース硬度が1200~1700程度であるが、破壊靭性値が3~6[MPa・m1/2]程度と低い。対して窒化ケイ素焼結体は、ビッカース硬度が1400~1800、破壊靭性値が5~10[MPa・m1/2]と高い。窒化ケイ素焼結体は、高い靭性値とビッカース硬度を両立しており、その点から耐摩耗性に優れる。窒化ケイ素焼結体は、β型窒化ケイ素結晶粒子が主体となった組織である。β型窒化ケイ素結晶粒子は長細い形状を有しており、長細い結晶粒子が複雑に絡み合うことにより高い靭性値を達成している。ただし窒化ケイ素焼結体は高い機械的強度のために研磨効率が非常に悪いという面もあるが、前述のように、帯状部7にR部を具備させることにより、窒化ケイ素焼結体のように強度の高いセラミック焼結体からなるセラミックボール用素材5であっても研磨効率を向上させることができるのである。
【0037】
次に、セラミックボール用素材5の製造方法について説明する。実施形態に係るセラミックボール用素材5は上記構成を満たしていれば、特にその製造方法は限定されるものではないが、効率よく製造するための方法として次の製造方法が挙げられる。セラミックボール用素材5の製造方法について、窒化ケイ素焼結体の場合を例に挙げて説明する。
【0038】
まず、原料となる窒化ケイ素に適当量の焼結助剤、添加剤、溶媒及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行う。この工程により、原料粉末の造粒粉を調製した。また、窒化ケイ素粉末と焼結助剤粉末の合計を100[質量%]としたとき、窒化ケイ素粉末を85[質量%]以上にすることが好ましい。また、添加物は可塑剤である。溶媒は、水または有機溶媒である。有機溶媒としてはアルコール、ケトン、ベンゼンなどがある。また、バインダーは有機物である。バインダーの添加量は、窒化ケイ素粉末と焼結助剤粉末の合計を100質量部としたとき、3~20質量部の範囲内とする。バインダー量を調整することにより、後述する工程で帯状部7の外周部10に凹形状を付与し易くなる。
【0039】
次に、造粒粉を使ってプレス成型を行う。プレス成型は、図1に示す金型プレス成型装置の上部金型1と下部金型2を用いた成型方法が挙げられる。上部金型1と下部金型2の内側の球面形状がセラミックボール用素材5の球面部6となる。プレス成型したときの上部金型1の先端部分3と下部金型2の先端部分4の形状および粉末の充填量を調整することにより、セラミックボール用素材5の帯状部7の幅Wや高さHを調整することができる。同様に、直径r1および直径r2の調整を行うことができる。例えば、プレス成型したときの上部金型1の先端部分3と下部金型2の先端部分4の間を0.5[mm]以上4[mm]とし、その隙間に造粒粉を充填するようにプレス成型する。これにより、帯状部7の幅Wを0.5[mm]以上4[mm]以下の範囲内に制御することができる。
【0040】
プレス成型により得られた成形体は、球面部と帯状部を有する成形体となる。なお、成形体の球面部と帯状部は、前述のセラミックボール用素材5の球面部6と帯状部7にそれぞれ対応する。成形体の帯状部の直径をr1-1、球面部の直径をr2-1とする。成形体の直径r1-1と直径2-1の測定方法は前述のセラミックボール用素材5の直径r1、r2の測定方法と同じである。成形体の段階では、0.85≦(r1-1)/(r2-1)≦1.05であることが好ましい。この範囲内にすることにより、後述する焼結工程で得られる焼結体を0.9≦r1/r2≦1.1にすることができる。これは焼結工程による成形体の収縮を考慮したものである。
【0041】
また、成形体に等方圧成型を行うことが好ましい。等方圧成型を行うことにより、成形体中の造粒粉に均一に圧縮を掛けることができる。これにより、成形体中でつぶれ残った造粒粉を低減することができる。つぶれ残った造粒粉を低減することにより、焼結工程での収縮割合を制御することができる。
【0042】
等方圧成型の一例としてゴム型を用いた等方圧成型方法を説明する。図7に円盤状のゴム型の一例を示した。図7中、11および12は円盤状ゴム型、13は空間である。また、図7(a)は、円盤状ゴム型11と12を重ねた状態の側面図である。図7(b)は、円盤状ゴム型11および12内の空間13内に成形体を配置した一例を示した断面図である。
【0043】
円盤状ゴム型11および12は成形体の直径r1よりも1[%]以上35[%]以下程度大きな半球状の穴を両面に敷設している。その穴に成形体を設置してゴム型を重ねることで、成形体をゴム型に囲まれた空間13に密閉する。そのゴム型に、成形時の圧力よりも高い静水圧を掛けるものとする。これにより、成形体に対して均一に圧縮をかけることができる。この工程により造粒粉のつぶれ残りを低減することができる。また、図7に示したようにゴム型の円筒方向に対し、成形体の帯状部7が垂直になるように配置することが好ましい。また、ゴム型11およびゴム型12はショア硬さHsが30以上50以下のものを用いることが好ましい。ゴム型の硬度をこの範囲内にすることにより、成形体表面とゴム型を均一に接触できる変形能を具備することができる。また、ゴム型の耐久性も良好である。この工程により、成形体の帯状部7の両肩部に曲率半径0.02[mm]以上のR部8を形成することができる。また、成形体の直径r1-1と空間13のサイズ比を調整することにより、成形体の帯状部7の外周部10の凹形状の曲率半径や帯状部7の高さHを調整することができる。
【0044】
次に、成形体を脱脂する脱脂工程を行う。脱脂工程は、バインダー等の有機成分の分解温度以上で加熱し、有機成分を飛ばす工程である。脱脂工程は、窒素雰囲気、大気雰囲気中で行ってもよい。脱脂工程により脱脂体を得ることができる。
【0045】
次に脱脂体を焼結する焼結工程を行う。焼結工程は、1600[℃]以上2000[℃]以下が好ましい。また、焼結工程は窒素雰囲気中で行うことが好ましい。また、焼結時の圧力は大気圧以上300[MPa]以下の範囲内で行うことが好ましい。なお、大気圧は0.10133[MPa](=1atm)である。また、焼結工程により得られた焼結体に対し、HIP(熱間静水圧プレス)処理を行ってもよいものとする。この工程により、セラミックボール用素材5を得ることができる。また、セラミックボール用素材5は、理論密度98[%]以上のセラミック焼結体とする。
【0046】
なお、帯状部7の両肩部のR部8の曲率半径の調整には、出来上がったセラミックボール用素材5を研磨する方法もある。しかしながら、この方法では研磨工程が増えるため望ましい方法とは言えない。上記のような製造方法が望ましい。
【0047】
セラミックボール用素材5を研磨加工することによりセラミックボールを製造することができる。球の研磨加工は、代表的なものとして定盤加工が挙げられる。例えば、セラミックボール用素材5を、上下に平行に設けられた定盤間に挿入する。研磨定盤の運動により、セラミックボール用素材5を真球状に加工することが挙げられる。ベアリングボールの表面粗さはASTM F2094に定められている。ベアリングボールは、用途に応じてASTM F2094に準じたグレードが採用される。そのグレードに準じた表面粗さRaに研磨される。グレードが上がると表面粗さRaが0.01[μm]以下の鏡面加工が施されるものもある。なお、ASTMとはASTM Internationalの発行する標準規格である。ASTM Internationalの旧名称は米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials: ASTM)である。
【0048】
実施形態に係るセラミックボール用素材5は帯状部7の両肩部に曲率半径0.02[mm]以上のR部8を有している。そのため、研磨定盤などの砥石への接触を面接触にすることができる。これにより、研磨工程でのセラミックボール用素材5が破損することを抑制することができる。また、研磨定盤の耐久性も向上させることができる。また、帯状部7の形状等を制御することにより、研磨代を低減させた上で加工性を向上させることができる。
【0049】
(実施例、比較例、参考例)
原料となるセラミック粉末に焼結助剤、添加剤、溶剤及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行った。実施例1~3、5~6は窒化ケイ素焼結体、参考例1は酸化アルミニウム焼結体、実施例7はアルジル焼結体である。窒化ケイ素焼結体は窒化ケイ素を85[質量%]以上含有したものである。酸化アルミニウム焼結体は酸化アルミニウムを85[質量%]以上含有したものである。また、アルジル焼結体は酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの合計を85[質量%]以上含有したものである。それぞれ主成分と焼結助剤の合計を100質量部としたとき、バインダの添加量を3~20質量部の範囲内とした。
【0050】
次に造粒粉を用いてプレス成型を行った。プレス成型は、図1に示す金型プレス成型装置の上下の金型を使った金型成形である。金型成形後に、等方圧成型を行った。等方圧成型はショア硬さHs30以上50以下の円盤状ゴム型を用いた。また、等方圧成型は、円盤状ゴム型11および12は成形体の直径r1よりも1[%]以上35[%]以下大きな半球状の穴を両面に設けたものとした。また、ゴム型の円筒方向に対し、成形体の帯状部が垂直になるように配置した。この状態で等方圧成型工程は、成形時の圧力よりも高い静水圧を掛けた。
【0051】
次に焼結工程を行った。焼結工程は、1600~2000[℃]、窒素雰囲気中、大気圧で行った。その後、1600~2000[℃]、窒素雰囲気中、圧力200[MPa]でHIP処理を行った。
【0052】
この工程により、実施例および参考例に係るセラミックボール用素材を作製した。また、比較例は主成分と焼結助剤の合計を100質量部としたとき、バインダの添加量を3質量部とした。また、成型工程後の等方圧成型は行わなかった。
【0053】
実施例に係るセラミックボール用素材5の形状と、比較例および参考例に係るセラミックボール用素材の形状を測定した。それぞれの測定方法は前述した通りである。なお、H/r1[%]とは、(H/r1)×100[%]のことである。その結果を表1に示す。
【0054】
【0055】
実施例1は、研磨加工後に3/8インチ(9.525[mm])となるセラミックボールのためのセラミックボール用素材5である。また、実施例2および参考例1は5/16インチ(7.9375[mm])のセラミックボールのためのセラミックボール用素材5である。実施例3,5~7は7/8インチ(22.225[mm])のセラミックボールのためのセラミックボール用素材5である。比較例2,3は、実施例2および参考例1と同様に、5/16インチ(7.9375[mm])のセラミックボールのためのセラミックボール用素材である。比較例1は、実施例3,5~7と同様に、7/8インチ(22.225[mm])のセラミックボールのためのセラミックボール用素材である。実施例セラミックボール用素材5と、比較例および参考例のセラミックボール用素材とは、いずれもベアリングボールとして使用できるものである。
【0056】
また、比較例1および比較例3は帯状部の幅Wが範囲外のものである。また、比較例2は帯状部の両肩部のR部の曲率半径が範囲外のものである。比較例2は帯状部の両肩部が90°未満の鋭角であったものである。
【0057】
実施例のセラミックボール用素材5と、比較例および参考例のセラミックスボール用素材を用いて、研磨効率について評価した。評価は、各セラミックスボール用素材を番数#180の定盤砥石を用いて加工する際、セラミックスボール用素材のサイズに則った個数を1バッチとし、定盤砥石が何バッチに耐えうるかを調べた。研磨加工はセラミックボールの表面粗さRaが0.01[μm]になるように研磨した。
【0058】
また、上記研磨加工時にセラミックボール用素材を欠けるといった不良の発生する割合を調べた。不良発生率は定盤砥石の耐久回数以前(例えば、実施例1では1回目から15回目まで)の1バッチ分を外観検査し、カケの発生した割合を素材カケ不良率[%]として示した。なお、素材カケ不良率[%]は小数点2桁目を四捨五入したものである。
【0059】
また、目的とする研磨加工後のセラミックボールの直径のずれである直径不同を調べた。直径不同は球面全周を測定した時の最小直径と最大直径の差とした。直径不同は1バッチの中から任意の10個を抜き出して測定した結果の平均値である。その結果を表2に示す。
【0060】
【0061】
表2から分かる通り、実施例に係るセラミックボール用素材5では、同じ処理個数である比較例に係るセラミックボール用素材と比較して、砥石の耐久性が向上した。また、実施例に係るセラミックボール用素材5では、同じ処理個数である比較例に係るセラミックボール用素材と比較して、セラミックボール用素材5の不良の発生率が低下した。さらに実施例に係るセラミックボール用素材5では、同じ処理個数である比較例に係るセラミックボール用素材と比較して、目的とする直径からのずれも低減できた。このため、実施形態に係るセラミックボール用素材5は研磨効率が良いことが分かる。
【0062】
以上説明したように、セラミックボール用素材5によれば、定盤加工時におけるセラミック材料の損傷を抑制することができる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態はその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7