(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20241111BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241111BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241111BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/041 595
B41J29/42 F
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2020200492
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】廣谷 唯
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0070455(US,A1)
【文献】特開2017-116141(JP,A)
【文献】国際公開第2019/150591(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/039046(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
G06F 3/041
B41J 29/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われ、かつ、前記移動操作の軌跡が前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域を含む指示部の外側に到達した場合に、前記操作部を前記移動可能領域の内側で前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が、前記移動可能領域に含まれる、予め定められた操作を実行しない領域である開始領域から、前記予め定められた操作を実行する領域である実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了した場合に、前記予め定められた操作を実行し、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止
し、
前記プロセッサは、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達した場合に、前記予め定められた操作の実行が中止されることを通知する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了し、かつ、前記内側で完了したときの前記操作部の位置が前記実行領域内である場合に、前記予め定められた操作を実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了し、かつ、前記内側で完了したときの前記操作部の位置が前記開始領域内である場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止することに代えて、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了し、かつ、前記外側で完了したときの前記移動操作の軌跡の終端が前記移動可能領域における前記操作部の移動方向に位置する領域に含まれる場合に、前記予め定められた操作を実行し、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了し、かつ、前記外側で完了したときの前記移動操作の軌跡の終端が前記移動可能領域における前記操作部の移動方向に位置する領域に含まれない場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記移動可能領域の背景色は、前記操作部が前記開始領域内に位置する場合と、前記操作部が前記実行領域内に位置する場合とで異なり、
前記プロセッサは、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達した場合に、前記移動可能領域の背景色を、前記操作部が前記開始領域内に位置する場合の背景色と同一に制御する
請求項
1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われ、かつ、前記移動操作の軌跡が前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域を含む指示部の外側に到達した場合に、前記操作部を前記移動可能領域の内側で前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が、前記移動可能領域に含まれる、予め定められた操作を実行しない領域である開始領域から、前記予め定められた操作を実行する領域である実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了した場合に、前記予め定められた操作を実行し、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止
し、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達した場合に、前記予め定められた操作の実行が中止されることを通知する制御を行うことを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ゲーム媒体に対する様々な処理を実行するユーザインターフェースを備えた情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザがゲーム媒体を選択する第1の入力操作および第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、制御部と、を備える。この制御部は、第1の入力操作データに基づいて、選択されたゲーム媒体を特定し、記憶部から情報を取得し、第2の入力操作データに基づいて、第2の入力操作の始点から終点への向きを特定し、情報で第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた位置の処理を、選択されたゲーム媒体に対して実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネル方式のUI(User Interface)画面では、タッチ式のボタンを用いたスライドスタート機能が操作の実行を指示する指示部として実装される場合がある。
【0005】
この指示部では、ユーザが操作部に対してドラッグ又はスライド等の移動操作を行い、操作部が開始領域を超えて実行領域内まで移動した場合に、所定の操作が実行される。
【0006】
本開示は、ユーザによる移動操作によって操作部が実行領域内に到達し、かつ、移動操作が操作部の移動可能な領域を含む指示部の外側で完了した場合に、意図しない操作の実行を防止することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われ、かつ、前記移動操作の軌跡が前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域を含む指示部の外側に到達した場合に、前記操作部を前記移動可能領域の内側で前記移動操作に追従するように移動させ、前記移動操作によって前記操作部が、前記移動可能領域に含まれる、予め定められた操作を実行しない領域である開始領域から、前記予め定められた操作を実行する領域である実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了した場合に、前記予め定められた操作を実行し、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了し、かつ、前記内側で完了したときの前記操作部の位置が前記実行領域内である場合に、前記予め定められた操作を実行する。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了し、かつ、前記内側で完了したときの前記操作部の位置が前記開始領域内である場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止することに代えて、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了し、かつ、前記外側で完了したときの前記移動操作の軌跡の終端が前記移動可能領域における前記操作部の移動方向に位置する領域に含まれる場合に、前記予め定められた操作を実行し、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了し、かつ、前記外側で完了したときの前記移動操作の軌跡の終端が前記移動可能領域における前記操作部の移動方向に位置する領域に含まれない場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達した場合に、前記予め定められた操作の実行が中止されることを通知する制御を行う。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記移動可能領域の背景色が、前記操作部が前記開始領域内に位置する場合と、前記操作部が前記実行領域内に位置する場合とで異なり、前記プロセッサが、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作の軌跡が前記指示部の外側に到達した場合に、前記移動可能領域の背景色を、前記操作部が前記開始領域内に位置する場合の背景色と同一に制御する。
【0013】
更に、上記目的を達成するために、第7態様に係る情報処理プログラムは、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われ、かつ、前記移動操作の軌跡が前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域を含む指示部の外側に到達した場合に、前記操作部を前記移動可能領域の内側で前記移動操作に追従するように移動させ、前記移動操作によって前記操作部が、前記移動可能領域に含まれる、予め定められた操作を実行しない領域である開始領域から、前記予め定められた操作を実行する領域である実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の内側で完了した場合に、前記予め定められた操作を実行し、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が前記指示部の外側で完了した場合に、前記予め定められた操作の実行を中止することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1態様及び第7態様によれば、ユーザによる移動操作によって操作部が実行領域内に到達し、かつ、移動操作が操作部の移動可能な領域を含む指示部の外側で完了した場合に、意図しない操作の実行を防止することができる、という効果を有する。
【0015】
第2態様によれば、移動操作の軌跡が指示部の外側に到達してから、移動操作が指示部の内側で完了した場合に、予め定められた操作を実行することができる、という効果を有する。
【0016】
第3態様によれば、移動操作の軌跡が指示部の外側に到達してから、移動操作が指示部の内側で完了した場合であっても、予め定められた操作の実行を中止することができる、という効果を有する。
【0017】
第4態様によれば、ユーザが予め定められた操作を実行しようとして、ユーザによる移動操作の軌跡の終端が実行領域からはみ出した場合であっても、予め定められた操作を実行することができる、という効果を有する。
【0018】
第5態様によれば、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、ユーザが予め定められた操作の実行が中止されることを、通知によって把握することができる、という効果を有する。
【0019】
第6態様によれば、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、ユーザが予め定められた操作の実行が中止されることを、移動可能領域の背景色の変更によって把握することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】CPUの処理によって表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】指示部に対して予め定められた移動可能領域の一例を示す図である。
【
図5】表示部に表示される指示部におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマークの位置との関係の一例を示す模式図である。
【
図6】第1の実施形態に係る第1操作実行処理の説明に供する図である。
【
図7】第1の実施形態に係る第1操作中止処理の説明に供する図である。
【
図8】第1の実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る第2操作実行処理の説明に供する図である。
【
図10】第2の実施形態に係る第2操作中止処理の説明に供する図である。
【
図11】第3の実施形態に係る指示部の周囲領域の一例を示す図である。
【
図12】第4の実施形態に係る第1通知処理の説明に供する図である。
【
図13】第5の実施形態に係る第2通知処理の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0022】
実施形態では、ディスプレイ等の表示部上に表示されたマーク等の操作部に対するユーザの手動操作(以下、ユーザ操作という。)によって、その操作部に対して予め定められた操作を実行する情報処理装置の一例を説明する。
【0023】
本開示において「操作部」とは、ディスプレイ等の表示部に表示される画像を含む概念である。「移動操作」とは、ユーザ操作による指示位置が逐次移動されつつ変更されることを含む概念である。移動操作の一例には、ディスプレイ等の表示部に接触されつつ移動するユーザ操作、例えば開始点から終了点までの間でユーザによる接触操作が継続されるドラッグ、及びスライド等のユーザ操作が挙げられる。「移動操作の開始」は、ユーザによる指示の開始として、ディスプレイ等の表示部への接触開始によるユーザ操作が挙げられる。また、「移動操作の完了」は、ユーザによる指示の終了として、接触解除によるユーザ操作が挙げられる。「予め定められた操作」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)及び当該指示を示す情報を含む概念である。予め定められた操作の一例には、自己又は他のプロセッサにより実行される処理が挙げられる。「操作の実行」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力及び当該指示を示す情報の出力を含む概念である。「操作の実行の中止」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力の中止及び当該指示を示す情報の出力の中止を含む概念である。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、スピーカ17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を備えている。
【0026】
なお、画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。本実施形態に係る情報処理装置は、画像形成装置10以外に、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器等、タッチパネル方式を採用したUI画面を持つ情報処理装置全般が対象とされる。
【0027】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14の各部は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、スピーカ17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0028】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、画像形成装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像形成装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0029】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0030】
情報処理プログラム15Aは、例えば、画像形成装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0031】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有し、タッチパネルを介してユーザによる各種の入力操作を受け付ける。タッチパネルには、例えば、静電容量方式が採用される。タッチパネルには、静電容量方式以外の方式を採用してもよい。また、スピーカ17は、各種の入力操作に応じて、予め設定されている効果音等を出力する。
【0032】
原稿読取部18は、画像形成装置10の上部に設けられた自動原稿送り装置(図示省略)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部18は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0033】
画像形成部19は、原稿読取部18による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークを介して接続された外部のPC(Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。なお、本実施形態においては、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0034】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部19は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、及び定着部を含む。帯電部は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光部は、帯電部で帯電された感光体ドラムを画像情報に応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写部は、感光体ドラムに形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着部は、記録媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0035】
通信部20は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、外部のPC等との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0036】
本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図2に示す各部として機能する。
【0037】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、表示制御部11Aとして機能する。表示制御部11Aは、追従制御部11B及び操作制御部11Cを含む。
【0039】
表示制御部11Aは、表示部16への画像の表示を制御する制御機能及び表示部16上に画像として表示された操作部の表示位置に応じて操作の実行と操作の実行の中止を制御する制御機能を有する。
【0040】
追従制御部11Bは、表示部16に画像を表示する制御、及び画像として表示された操作部を、ユーザによる移動操作に追従するように表示する制御を行う。すなわち、追従制御部11Bは、表示部16上に操作部を表示させつつ、ユーザによって操作部に対する移動操作が行われると、移動操作に追従された表示部16上の位置に操作部を表示する。
【0041】
操作制御部11Cは、ユーザによる移動操作に追従するように表示された操作部について、移動操作が完了すると、当該操作部の位置に対応して、操作の未実行または操作の実行を制御する。操作の未実行とは、操作を実行するまでに至ることがない移動操作により、操作の実行が開始されない状態(例えば初期状態)を維持する制御である。また、操作の実行の制御は、予め定められた操作を実行する制御または予め定められた操作の実行を中止する制御を含む。
【0042】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11による操作の実行について説明する。以後の説明では、CPU11による操作の実行として、原稿の複写の実行を一例として説明する。操作の実行は、原稿の複写の実行に限定されるものではなく、画像形成装置10において実行される他の処理であってもよい。
【0043】
図3は、CPU11の処理によって表示部16に表示される画面30の一例を示す図である。
【0044】
図3では、CPU11によって実行される原稿関連機能のうちの画像複写機能における複写条件を一例として、原稿の複写時における色に関する設定を行う設定画面の一例が示されている。また、以後の説明では、ユーザが画面を目視した状態における画面の水平方向の右方向をX方向、上下方向の上方向をY方向と称する。
【0045】
画面30の例では、原稿を複写するときの色に関する複写条件の設定を指示するための選択指示ボタン30Aが表示されている。複写条件は、複写対象(例えば原稿)を複写する場合に設定可能な画像形成装置10が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。
図3に示す例では、「自動」、「フル」、「2色」、「単色」、及び「その他」の何れかの色に関する設定を指示するための選択指示ボタンが表示されている。選択指示ボタンの「自動」ボタンは原稿の色を自動的に検出して原稿に沿った色により複写することを選択指示するためのボタンである。「フル」ボタンは、原稿を画像形成装置10が有する多色により複写することを選択指示するためのボタンである。「2色」ボタンは、予め定められた2色により複写することを選択指示するためのボタンである。「単色」ボタンは、予め定めた単色により複写することを選択指示するためのボタンである。「その他」ボタンはその他の色の設定により複写することを選択指示するためのボタンである。複写条件のパラメータは、公知の技術のため、説明を省略する。
【0046】
なお、
図3では、複写条件の設定を指示した状態として、ユーザ操作によって「フル」ボタンが押下されたときに、「フル」ボタンが反転表示された画面を示している。
【0047】
また、
図3に示す画面30には、複写条件が指示されたときに、複写の実行を指示するための指示部31に画像が表示される。指示部31は、メッセージを表示するためのメッセージ領域32、複写の実行を指示するための移動可能な画像を示すスライドマーク33、及び複写条件のうち部数を表示する表示領域34を含む。メッセージ領域32には、複写の実行を指示する場合のユーザ操作を示すメッセージが表示される。
図3に示す例では、スライドマーク33を移動(すなわちスライド)させることで複写が実行(すなわち開始)されることを示す「スライドしてスタート」のメッセージが表示されている。また、スライドマーク33は、X方向(及び逆方向)に移動された位置にも表示可能になっている。スライドマーク33は、操作部の一例である。
【0048】
図3の例において、メッセージ領域32は、操作方法の説明を表示する領域で、表示内容は変化しない。スライドマーク33は、ユーザUの指で接触されると色が変化し、ドラッグ又はスライド等の移動操作が可能となる。表示領域34には、例えば、部数、送信件数等のように、画像形成装置10の機能(例えば、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等)に依存した情報が表示される。なお、指示部31は、メッセージ領域32を含まない構成としてもよい。
【0049】
図4は、指示部31に対して予め定められた移動可能領域35の一例を示す図である。
【0050】
指示部31は、スライドマーク33の移動可能な領域である移動可能領域35を含む。移動可能領域35は、移動可能に表示されたスライドマーク33の位置に応じて複写の未実行、複写の実行、及び複写の実行の中止を判定するための領域の一例である。移動可能領域35は、開始領域36及び実行領域37を含む。開始領域36は、予め定められた操作を実行しない領域であり、実行領域37は、予め定められた操作を実行する領域である。ここでいう予め定められた操作とは、例えば、複写の実行を指示する操作である。
図4の例では、指示部31を表す領域内にメッセージ領域32及び移動可能領域35が含まれている。指示部31を表す領域内にメッセージ領域32を含まない場合、指示部31の領域全体が移動可能領域35となる。
【0051】
具体的に、実行領域37は、移動操作が完了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行うことを特定するための領域である。また、開始領域36は、移動操作が完了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行わないこと(未実行)を特定するための領域である。
【0052】
図5は、表示部16に表示される指示部31におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマーク33の位置との関係の一例を示す模式図である。
【0053】
ユーザUは、表示部16の指示部31に表示されているスライドマーク33にユーザUの指を接触させ、スライドマーク33にユーザUの指を接触させつつ複写の実行を指示する。スライドマーク33は、開始領域36及び実行領域37のY方向の中心位置を結ぶ線CL上を、開始領域36及び実行領域37のX方向の範囲内で移動する。より具体的には、スライドマーク33は、始点である初期位置Psと、終点である実行位置Peとが予め定められており、初期位置Psと実行位置Peとの間に表示可能とされる。
【0054】
すなわち、ユーザUの指の動きは、X方向及びY方向の2次元的な動きとされる。つまり、ユーザUの指は、斜め方向に動く場合もある。一方、スライドマーク33の動きは、ユーザUによる移動操作に応じて移動可能領域35内のみを移動し、移動方向はX方向(又は逆方向)に限定される。スライドマーク33の動きは、1次元的な動きとされる。ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合、スライドマーク33は移動可能領域35の内側でユーザによる移動操作に追従して移動する。つまり、ユーザUの指の位置とスライドマーク33の位置とは、射影の関係にある。
【0055】
なお、例えば、スライドマーク33のX方向における中心が開始領域36の側に位置すれば、開始領域36に位置すると判定され、スライドマーク33のX方向における中心が実行領域37の側に位置すれば、実行領域37に位置すると判定される。なお、開始領域36と実行領域37との境界は、ユーザにより適宜設定可能とする。
【0056】
また、
図3~
図5の例では、指示部31を横向きに配置しているが、配置方向はこれに限定されない。指示部31は、例えば、縦向きに配置してもよい。この場合、スライドマーク33の移動方向はY方向(又は逆方向)に限定される。
【0057】
ところで、指示部31では、ユーザがスライドマーク33に対して移動操作を行い、スライドマーク33が開始領域36を超えて実行領域37内まで移動した場合に、予め定められた操作(例えば、複写の実行の指示)が実行される。
【0058】
しかしながら、ユーザが移動操作中に操作の実行を中止したいと思い、移動操作をスライドマーク33の指示部31の外側で完了させることが起こり得る。このとき、スライドマーク33が実行領域37内に位置していると、操作は中止されずに実行されてしまう。つまり、ユーザの意図しない操作が実行されてしまう。
【0059】
これに対して、本実施形態に係る画像形成装置10は、上述の
図2に示す追従制御部11B及び操作制御部11Cを備えている。
【0060】
追従制御部11Bは、一例として、上述の
図3に示す画面30において、ユーザUの指で接触された操作位置(例えば、座標)を検出する。なお、ユーザUの指に代えて、スタイラスペン等を用いてもよい。ここでいう移動操作とは、上述したように、例えば、ドラッグ又はスライド等の操作である。この移動操作によって連続的に検出される複数の位置によって移動操作の軌跡が導出される。また、追従制御部11Bは、ユーザUの指によるスライドマーク33の接触を検出した場合に、ユーザUの指による移動操作に追従させるスライドマーク33の位置を導出する。
【0061】
操作制御部11Cは、ユーザUによる操作位置及びスライドマーク33の位置に基づいて、予め定められた操作(以下、一例として「複写指示操作」という。)の制御を行う。具体的に、操作制御部11Cは、スライドマーク33に対して、ユーザUによる移動操作が行われ、かつ、移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合に、スライドマーク33を移動可能領域35の内側で移動操作に追従するように移動させる。操作制御部11Cは、移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作が指示部31の内側で完了した場合に、複写指示操作を実行し(以下、「第1操作実行処理」という。)、移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作が指示部31の外側で完了した場合に、複写指示操作の実行を中止する(以下、「第1操作中止処理」という。)。なお、指示部31内にメッセージ領域32を含まない構成の場合、指示部31の外側と、移動可能領域35の外側とは同義である。
【0062】
次に、
図6を参照して、第1の実施形態に係る第1操作実行処理について具体的に説明する。
【0063】
図6は、第1の実施形態に係る第1操作実行処理の説明に供する図である。
【0064】
(ステップS1)では、CPU11が、ユーザUの指によりスライドマーク33が接触されると、その位置を検出し、スライドマーク33の色を操作の実行予約を表す色に変更する。そして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を矢印方向(X方向)に移動させる。なお、初期状態において、スライドマーク33は、開始領域36の開始端(ここでは左端)に位置している。また、スライドマーク33が開始端から離れ、かつ、開始領域36に位置する状態で、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定し、スライドマーク33を開始端に戻し、つまり、開始端に吸着させ、複写指示操作は実行しない。
【0065】
(ステップS2)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が開始領域36を超えて実行領域37内に到達したことを検出する。このとき、スライドマーク33が通過する部分のテキスト(例えば、999部)を非表示にする。
【0066】
(ステップS3)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が実行領域37の終了端(ここでは右端)に到達したことを検出する。ここで、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定する。なお、スライドマーク33が実行領域37内に位置し、かつ、終了端に到達していない状態で、ユーザUの指が離れると、上記と同様に、移動操作の完了と判定し、スライドマーク33を終了端に移動させる、つまり、終了端に吸着させる。
【0067】
(ステップS4)では、CPU11が、複写指示操作を実行し、実行領域37の終了端に移動したスライドマーク33の色を操作の実行を表す色に変更する。なお、複写指示操作の実行は、実行領域37の終了端にスライドマーク33が移動した時点で開始される。
【0068】
この場合、CPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を開始領域36から実行領域37内に移動させ、更に、移動操作が指示部31の内側で完了したことを検出した場合、複写指示操作を実行する。
【0069】
次に、
図7を参照して、第1の実施形態に係る第1操作中止処理について具体的に説明する。
【0070】
図7は、第1の実施形態に係る第1操作中止処理の説明に供する図である。
【0071】
(ステップS11)では、CPU11が、ユーザUの指を点線の矢印方向(斜め上方向)に移動させる移動操作に追従して、スライドマーク33をX方向に移動させる。
【0072】
(ステップS12)では、CPU11が、ユーザUによる斜め上方向への移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が開始領域36を超えて実行領域37内に到達したことを検出する。
【0073】
(ステップS13)では、CPU11が、スライドマーク33が実行領域37内に位置する状態で、ユーザUの指が指示部31の外側で離れた場合、移動操作の完了と判定し、複写指示操作の実行を中止する。このとき、スライドマーク33を開始領域36の開始端に移動させる、つまり、開始端に吸着させる。
【0074】
この場合、CPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を開始領域36から実行領域37内に移動させ、更に、移動操作が指示部31の外側で完了したことを検出した場合、複写指示操作の実行を中止する。このため、ユーザの意図しない操作の実行が防止される。
【0075】
次に、
図8を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
【0076】
図8は、第1の実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、画像形成装置10に対して、一例として、上述の
図3に示す画面30の表示の実行が指示されると、情報処理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0078】
図8のステップS101では、CPU11が、一例として、上述の
図3に示す画面30において、ユーザUの指によって接触された操作位置を検出する。
【0079】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で検出した操作位置が開始領域36内にあるか否かを判定する。操作位置が開始領域36内にあると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS103に移行し、操作位置が開始領域36内にないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101に戻り待機となる。
【0080】
ステップS103では、CPU11が、開始領域36内のスライドマーク33の表示形態を、操作の実行予約を表す表示形態に変更する(例えば、色を変更する)。
【0081】
ステップS104では、CPU11が、ユーザUの指による操作位置を検出しながら、操作位置に追従させるスライドマーク33の位置を導出し、導出結果を表示、記憶する。
【0082】
ステップS105では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が完了したか否かを判定する。移動操作の完了の判定は、ユーザUの指がスライドマーク33から離れたこと(ユーザUの指とスライドマーク33との追従関係が解除されることを含む。)をもって完了と判定する。移動操作が完了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS106に移行し、移動操作が完了しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105で待機となる。
【0083】
ステップS106では、CPU11が、ステップS105でユーザUによる移動操作が完了したときのスライドマーク33の位置が実行領域37内に到達したか否かを判定する。スライドマーク33の位置が実行領域37内に到達したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS107に移行し、スライドマーク33の位置が実行領域37内に到達していないと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0084】
ステップS107では、CPU11が、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達したか否か、つまり、ステップS105で完了と判定したユーザUによる移動操作が指示部31の外側で完了したか否かを判定する。ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS108に移行し、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS110に移行する。
【0085】
ステップS108では、CPU11が、予め定められた操作の一例である複写指示操作の実行を中止する。
【0086】
ステップS109では、CPU11が、複写指示操作の実行が中止されたことを通知するために、例えば、スライドマーク33の表示形態を変更(例えば、色を変更)し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0087】
一方、ステップS110では、CPU11が、複写指示操作を実行する。
【0088】
ステップS111では、CPU11が、実行領域37内のスライドマーク33の表示形態を、操作の実行を表す表示形態に変更(例えば、色を変更)し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0089】
このように本実施形態によれば、ユーザによる移動操作によってスライドマークが実行領域内に到達し、かつ、移動操作が指示部の外側で完了した場合に、意図しない操作の実行が防止される。
【0090】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達してから、移動操作を指示部の内側で完了したときに、スライドマークの位置が実行領域内にある場合に、予め定められた操作を実行する形態について説明する。
【0091】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の
図1及び
図2に示した画像形成装置10が有する構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0092】
本実施形態に係るCPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達してから、移動操作が指示部31の内側で完了し、かつ、内側で完了したときのスライドマーク33の位置が実行領域37内である場合に、予め定められた操作の一例である複写指示操作を実行する(以下、「第2操作実行処理」という。)。
【0093】
図9は、第2の実施形態に係る第2操作実行処理の説明に供する図である。
【0094】
(ステップS21)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達してから、移動操作が指示部31の内側で完了したことを検出する。
【0095】
(ステップS22)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が指示部31の内側で完了したときのスライドマーク33の位置が実行領域37内であることを検出する。この場合、CPU11は、複写指示操作を実行する。
【0096】
また、本実施形態に係るCPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達してから、移動操作が指示部31の内側で完了し、かつ、内側で完了したときのスライドマーク33の位置が開始領域36内である場合に、予め定められた操作の一例である複写指示操作の実行を中止する(以下、「第2操作中止処理」という。)。
【0097】
図10は、第2の実施形態に係る第2操作中止処理の説明に供する図である。
【0098】
(ステップS31)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達してから、移動操作が指示部31の内側で完了したことを検出する。
【0099】
(ステップS32)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が指示部31の内側で完了したときのスライドマーク33の位置が開始領域36内であることを検出する。この場合、CPU11は、複写指示操作の実行を中止する。
【0100】
このように本実施形態によれば、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合であっても、移動操作を実行領域内で完了させることで操作が実行され、移動操作を開始領域内で完了させることで操作の実行が中止される。
【0101】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、ユーザによる移動操作が指示部の外側で完了したときの移動操作の軌跡の終端がスライドマークの移動方向に位置する領域に含まれる場合に、予め定められた操作を実行する形態について説明する。
【0102】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の
図1及び
図2に示した画像形成装置10が有する構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0103】
図11は、第3の実施形態に係る指示部31の周囲領域の一例を示す図である。
【0104】
図11に示すように、指示部31の周囲には、第1領域40、第2領域41、及び第3領域42が定義されている。
【0105】
第1領域40は、スライドマーク33の移動可能領域35におけるスライドマーク33の移動方向(X方向)に位置する領域であり、予め定められた操作を実行する領域である。また、第2領域41は、指示部31及び第1領域40の上方に位置する領域であり、第3領域42は、指示部31及び第1領域40の下方に位置する領域である。
【0106】
本実施形態に係るCPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作が指示部31の外側で完了し、かつ、外側で完了したときの移動操作の軌跡の終端が第1領域40に含まれる場合に、予め定められた操作の一例である複写指示操作を実行する。なお、ここでいう軌跡の終端は、点線の矢印の終端によって表される。
【0107】
また、CPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作が指示部31の外側で完了し、かつ、外側で完了したときの移動操作の軌跡の終端が第1領域40に含まれない、つまり、第2領域41又は第3領域42に含まれる場合に、複写指示操作の実行を中止する。
【0108】
このように本実施形態によれば、ユーザが予め定められた操作を実行しようとして、ユーザの指を離した位置が実行領域からはみ出した場合であっても、予め定められた操作が実行される。
【0109】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、予め定められた操作の実行が中止されることを通知する形態について説明する。
【0110】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の
図1及び
図2に示した画像形成装置10が有する構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0111】
本実施形態に係るCPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合に、予め定められた操作の一例である複写指示操作の実行が中止されることを通知する制御を行う(以下、「第1通知処理」という。)。
【0112】
図12は、第4の実施形態に係る第1通知処理の説明に供する図である。
【0113】
(ステップS41)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従させて、スライドマーク33を開始領域36から実行領域37内に移動させる。
【0114】
(ステップS42)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達したことを検出し、複写指示操作の実行が中止されることを通知する制御を行う。通知の方法としては、例えば、スライドマーク33の色を変更する、操作の実行が中止されることを示すメッセージ50を表示させる等の方法により行う。なお、この通知は、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した時点で行われ、ユーザUの指が指示部31の外側で離れ、移動操作が完了した場合でも、通知は一定時間継続される。
【0115】
このように本実施形態によれば、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、予め定められた操作の実行が中止されることが通知される。このため、ユーザによって操作の中止が把握される。
【0116】
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、予め定められた操作の実行が中止されることを移動可能領域の背景色の変更によって通知する形態について説明する。
【0117】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の
図1及び
図2に示した画像形成装置10が有する構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0118】
移動可能領域35の背景色は、スライドマーク33が開始領域36内に位置する場合と、スライドマーク33が実行領域37内に位置する場合とで異なっている。本実施形態に係るCPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内に移動してから、移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合に、移動可能領域35の背景色を、スライドマーク33が開始領域36内に位置する場合の背景色と同一に制御する(以下、「第2通知処理」という。)。
【0119】
図13は、第5の実施形態に係る第2通知処理の説明に供する図である。
【0120】
(ステップS51)では、CPU11が、ユーザUの指を点線の矢印方向(斜め上方向)に移動させる移動操作に追従して、スライドマーク33をX方向に移動させる。このとき、スライドマーク33は開始領域36内に位置するため、移動可能領域35の背景色を第1色とする。
【0121】
(ステップS52)では、CPU11が、ユーザUによる斜め上方向への移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が開始領域36を超えて実行領域37内に到達したことを検出する。このとき、スライドマーク33は実行領域37内に位置するため、移動可能領域35の背景色を第1色と異なる第2色とする。
【0122】
(ステップS53)では、CPU11が、スライドマーク33が実行領域37内に位置する状態で、ユーザUの指が指示部31の外側に到達した場合、移動可能領域35の背景色を変更し、第1色とする。つまり、ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達し、かつ、スライドマーク33が実行領域37内に位置するため、予め定められた操作の一例である複写指示操作が中止されることを通知するために、移動可能領域35の背景色を第1色とする。
【0123】
このように本実施形態によれば、ユーザによる移動操作の軌跡が指示部の外側に到達した場合に、予め定められた操作の実行が中止されることが移動可能領域の背景色の変更によって通知される。このため、ユーザによって操作の中止が把握される。
【0124】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0125】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0126】
以上、実施形態に係る情報処理装置の一例として画像形成装置を例示して説明した。実施形態は、画像形成装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0127】
その他、上記実施形態で説明した画像形成装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0128】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0130】
10 画像形成装置
11 CPU
11A 表示制御部
11B 追従制御部
11C 操作制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
16 表示部
17 スピーカ
18 原稿読取部
19 画像形成部
20 通信部
30 画面
30A 選択指示ボタン
31 指示部
32 メッセージ領域
33 スライドマーク
34 表示領域
35 移動可能領域
36 開始領域
37 実行領域