(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】撮影システム、サーバ、撮影機器、撮影方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 5/92 20060101AFI20241111BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20241111BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20241111BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20241111BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241111BHJP
H04N 23/62 20230101ALI20241111BHJP
【FI】
H04N5/92 010
G03B17/18
H04N5/77
H04N5/93
H04N23/60 100
H04N23/60 300
H04N23/60 500
H04N23/62
(21)【出願番号】P 2020209319
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】永井 一成
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-033345(JP,A)
【文献】特開2009-187109(JP,A)
【文献】特開2014-127997(JP,A)
【文献】特開2014-192888(JP,A)
【文献】特開2016-092430(JP,A)
【文献】特開2017-108276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0156122(US,A1)
【文献】国際公開第2017/047012(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/91 - 5/956
H04N 5/76 - 5/775
H04N 23/40 -23/76
G03B 17/18 -17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影し、前記画像をディスプレイに表示する撮影機器と、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記画像を解析して、前記画像のシーンを認識し、
前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
前記ディスプレイにおいて前記画像が再生されたときの再生情報を取得し、
前記シーン毎に、同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
前記シーン毎に、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
前記嗜好パラメータテーブルの中から、前記ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択し、
前記プロセッサにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影する、撮影システム。
【請求項2】
前記再生情報は、前記撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生時間を含み、
前記プロセッサは、前記同じシーンの画像の中から、前記再生時間が最も長い画像を前記ユーザの嗜好に合致した画像に決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記再生情報は、前記撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生回数を含み、
前記プロセッサは、前記同じシーンの画像の中から、前記再生回数が最も多い画像を前記ユーザの嗜好に合致した画像に決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記再生情報は、前記撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生時間および再生回数を含み、
前記プロセッサは、前記同じシーンの画像の中から、前記再生時間と前記再生回数とを重み付けして加算した結果に基づいて前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記撮影情報は、前記画像が撮影されたときの前記撮影機器の撮影に関する設定値を含み、
前記プロセッサは、
前記設定値を前記撮影機器に設定し、
前記プロセッサにより設定された設定値を用いて画像を撮影する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記撮影情報は、さらに、前記画像が撮影されたときの前記ユーザによる前記撮影機器の操作情報を含み、
前記プロセッサは、前記操作情報を前記撮影機器のディスプレイに表示させる、請求項5に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記撮影機器は、カメラを含み、
前記カメラは、前記ディスプレイと、前記プロセッサと、を有し、
前記カメラのプロセッサは、前記カメラの操作情報を前記カメラのディスプレイに表示させる、請求項6に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記カメラのプロセッサは、前記設定値を、前記カメラに設定するか否かを前記ユーザに選択させるためのメッセージを前記カメラのディスプレイに表示させる、請求項7に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記カメラのプロセッサは、さらに、前記ユーザが次の画像を撮影する際に、前記カメラの操作情報を前記カメラのディスプレイに表示させる、請求項8に記載の撮影システム。
【請求項10】
前記撮影機器は、通信機能を有するカメラと、通信機能を有する情報端末と、を含み、
前記カメラと前記情報端末とは、前記通信機能により相互に接続可能であり、
前記情報端末は、前記ディスプレイと、前記プロセッサと、を有し、
前記情報端末のプロセッサは、前記カメラの操作情報を前記情報端末のディスプレイに表示させる、請求項6に記載の撮影システム。
【請求項11】
前記情報端末のプロセッサは、前記設定値を、前記カメラに設定するか否か前記ユーザに選択させるためのメッセージを前記情報端末のディスプレイに表示させる、請求項10に記載の撮影システム。
【請求項12】
前記情報端末のプロセッサは、前記ユーザが次の画像を撮影する際に、前記カメラの操作情報を前記情報端末のディスプレイに表示させる、請求項11に記載の撮影システム。
【請求項13】
前記操作情報は、前記画像が撮影されたときの、前記カメラの向きが縦向きなのか横向きなのかを表す情報、前記カメラの水平状態からの傾きを表す情報、および、前記カメラの部材のオン/オフの状態を表す情報含む、請求項7ないし12のいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記設定値を前記撮影機器に設定するか否かを前記ユーザに選択させることなく、前記設定値を前記撮影機器に自動的に設定する、請求項5または6に記載の撮影システム。
【請求項15】
前記シーンは、複数の異なる天候のシーンを含み、
前記プロセッサは、前記天候のシーン毎に、同じ天候のシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項16】
前記シーンは、複数の異なる時間帯のシーンを含み、
前記プロセッサは、前記時間帯のシーン毎に、同じ時間帯のシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項17】
前記シーンは、被写体が複数の異なる移動速度帯で移動するシーンを含み、
前記プロセッサは、前記移動速度帯のシーン毎に、同じ移動速度帯のシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項18】
前記シーンは、縦向きおよび横向きを含む前記画像の向きのシーンを含み、
前記プロセッサは、前記画像の向きのシーン毎に、同じ画像の向きのシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項19】
さらに、前記撮影機器にネットワークを介して接続されるサーバを備え、
前記撮影機器は、第1プロセッサを備え、
前記サーバは、第2プロセッサを備え、
前記第1プロセッサは、
前記画像を解析して、前記画像のシーンを認識し、
前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
前記ディスプレイにおいて前記画像が再生されたときの再生情報を取得し、
前記画像、前記シーン、前記撮影情報および前記再生情報を前記サーバへ送信し、
前記第2プロセッサは、
前記撮影機器から、前記画像、前記シーン、前記撮影情報および前記再生情報を受信し、
前記シーン毎に、前記同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
前記シーン毎に、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
前記嗜好パラメータテーブルを前記撮影機器へ送信し、
前記第1プロセッサは、さらに、前記サーバから前記嗜好パラメータテーブルを受信する、請求項1ないし
6または請求項14ないし18のいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項20】
さらに、前記撮影機器にネットワークを介して接続されるサーバを備え、
前記撮影機器は、第1プロセッサを備え、
前記サーバは、第2プロセッサを備え、
前記第1プロセッサは、
前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
前記ディスプレイにおいて前記画像が再生されたときの再生情報を取得し、
前記画像、前記撮影情報および前記再生情報を前記サーバへ送信し、
前記第2プロセッサは、
前記撮影機器から、前記画像、前記撮影情報および前記再生情報を受信し、
前記第2プロセッサにより受信された画像を解析して、前記画像のシーンを認識し、
前記シーン毎に、前記同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記ユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
前記シーン毎に、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
前記嗜好パラメータテーブルを前記撮影機器へ送信し、
前記第1プロセッサは、さらに、前記サーバから前記嗜好パラメータテーブルを受信する、請求項1ないし
6または請求項14ないし18のいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項21】
前記撮影機器は、前記ディスプレイと、前記プロセッサと、を備える、請求項1ないし18のいずれか一項に記載の撮影システム。
【請求項22】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
撮影機器から、画像、前記画像のシーン、前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報および前記撮影機器において前記画像が再生されたときの再生情報を受信し、
前記シーン毎に、同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
前記シーン毎に、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、を関連付けて嗜好パラメータテーブルを作成し、
前記嗜好パラメータテーブルを前記撮影機器へ送信する、サーバ。
【請求項23】
画像を撮影し、前記画像をディスプレイに表示する撮影機器であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
前記画像を解析して、前記画像のシーンを認識し、
前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
前記ディスプレイにおいて前記画像が再生されたときの再生情報を取得し、
前記画像、前記シーン、前記撮影情報および前記再生情報をサーバへ送信し、
前記シーン毎に、同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、を関連付けて作成された嗜好パラメータテーブルを、前記サーバから受信し、
前記嗜好パラメータテーブルの中から、前記ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択し、
前記プロセッサにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影する、撮影機器。
【請求項24】
シーン認識部が
、撮影機器の撮影部により撮影された画像を解析して、前記画像のシーンを認識するステップと、
撮影情報取得部が、前記画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得するステップと、
再生情報取得部が、前記撮影機器のディスプレイにおいて前記画像が再生されたときの再生情報を取得するステップと、
画像決定部が、前記シーン毎に、同じシーンの画像の中から、前記再生情報に基づいて、前記撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定するステップと、
テーブル作成部が、前記シーン毎に、前記シーンと、前記ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成するステップと、
撮影情報選択部が、前記嗜好パラメータテーブルの中から、前記ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択するステップと、
前記撮影部が、前記撮影情報を選択するステップにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影するステップと、を含む、撮影方法。
【請求項25】
請求項24に記載の撮影方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項26】
請求項24に記載の撮影方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影するためのアシストを行う機能を有する撮影システム、サーバ、撮影機器、撮影方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが好ましいと感じる画像と、このような画像を撮影するための撮影手法と、が結びついていないために、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影することが困難な場合がある。また、多大な撮影シーンが存在する中、それぞれのシーンについて、ユーザが好ましいと感じる画像を具体化できていないために、ユーザにとって質の良い画像を明確に把握できていない場合がある。
【0003】
ここで、本発明の参考となる先行技術文献として、例えば特許文献1,2がある。
【0004】
特許文献1には、画像が表示された表示時間又は表示回数に基づいて画像に対するユーザの注目度を判断し、ユーザの注目度が高いと判断された注目画像から画像の属性を示す注目識別子を検出し、画像表示部に表示する対象の画像の中から注目識別子を有する表示対象画像を検出し、表示対象画像が表示される頻度がより高くなるように表示制御を実行する画像表示装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、撮影シーンの判別に使用される情報を撮像装置からサーバへ送信し、サーバにおいて、撮影シーンの判別に使用される情報に基づき、記憶部に記憶された撮影用の設定に関する設定情報の中から撮影シーンに対応した設定情報を抽出し、抽出した設定情報をサーバから撮像装置へ送信し、撮像装置において、受信した設定情報を選択するためのアイコンを表示部に表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-187109号公報
【文献】国際公開第2017/047012号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、特許文献1には、画像の表示時間又は表示回数に基づいて画像に対するユーザの注目度を判断することが記載され、特許文献2には、撮影シーンに対応した設定情報を撮像装置に送信することは記載されている
しかし、特許文献1,2には、撮影シーン毎に、ユーザの画像の嗜好を分析し、ユーザの画像の嗜好に合致した画像を撮影するためのアシストを行うことは記載されていない。
【0008】
ユーザの画像の嗜好を分析する方法としてレーティング機能が存在するが、全てのユーザが全ての画像の好ましさを判定し、点数を付けるような使い方がされていないため、得られる情報が不足している。また、ユーザの画像の嗜好のような感性の分析は、ユーザの無意識下で行われると考えられており、ユーザに画像の嗜好を尋ねるという従来の手法では、分析することができない傾向の嗜好が存在する。
【0009】
そのため、従来の手法では、ユーザの画像の嗜好を十分に分析することができず、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影するためのアシストを行うことが困難であるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、シーン毎に、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影するためのアシストを行うことができる撮影システム、サーバ、撮影機器、撮影方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、画像を撮影し、画像をディスプレイに表示する撮影機器と、プロセッサと、を備え、
プロセッサは、
画像を解析して、画像のシーンを認識し、
画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
ディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生情報を取得し、
シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
シーン毎に、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択し、
プロセッサにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影する、撮影システムを提供する。
【0012】
ここで、再生情報は、撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生時間を含み、
プロセッサは、同じシーンの画像の中から、再生時間が最も長い画像をユーザの嗜好に合致した画像に決定することが好ましい。
【0013】
また、再生情報は、撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生回数を含み、
プロセッサは、同じシーンの画像の中から、再生回数が最も多い画像をユーザの嗜好に合致した画像に決定することが好ましい。
【0014】
また、再生情報は、撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生時間および再生回数を含み、
プロセッサは、同じシーンの画像の中から、再生時間と再生回数とを重み付けして加算した結果に基づいてユーザの嗜好に合致した画像を決定することが好ましい。
【0015】
また、撮影情報は、画像が撮影されたときの撮影機器の撮影に関する設定値を含み、
プロセッサは、
設定値を撮影機器に設定し、
プロセッサにより設定された設定値を用いて画像を撮影することが好ましい。
【0016】
撮影情報は、さらに、画像が撮影されたときのユーザによる撮影機器の操作情報を含み、
プロセッサは、操作情報を撮影機器のディスプレイに表示させることが好ましい。
【0017】
また、撮影機器は、カメラを含み、
カメラは、ディスプレイと、プロセッサと、を有し、
カメラのプロセッサは、カメラの操作情報をカメラのディスプレイに表示させることが好ましい。
【0018】
また、カメラのプロセッサは、設定値を、カメラに設定するか否かをユーザに選択させるためのメッセージをカメラのディスプレイに表示させることが好ましい。
【0019】
カメラのプロセッサは、さらに、ユーザが次の画像を撮影する際に、カメラの操作情報をカメラのディスプレイに表示させることが好ましい。
【0020】
また、撮影機器は、通信機能を有するカメラと、通信機能を有する情報端末と、を含み、
カメラと情報端末とは、通信機能により相互に接続可能であり、
情報端末は、ディスプレイと、プロセッサと、を有し、
情報端末のプロセッサは、カメラの操作情報を情報端末のディスプレイに表示させることが好ましい。
【0021】
また、情報端末のプロセッサは、設定値を、カメラに設定するか否かユーザに選択させるためのメッセージを情報端末のディスプレイに表示させることが好ましい。
【0022】
また、情報端末のプロセッサは、ユーザが次の画像を撮影する際に、カメラの操作情報を情報端末のディスプレイに表示させることが好ましい。
【0023】
また、操作情報は、画像が撮影されたときの、カメラの向きが縦向きなのか横向きなのかを表す情報、カメラの水平状態からの傾きを表す情報、および、カメラの部材のオン/オフの状態を表す情報含むことが好ましい。
【0024】
また、プロセッサは、設定値を撮影機器に設定するか否かをユーザに選択させることなく、設定値を撮影機器に自動的に設定することが好ましい。
【0025】
また、シーンは、複数の異なる天候のシーンを含み、
プロセッサは、天候のシーン毎に、同じ天候のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定することが好ましい。
【0026】
また、シーンは、複数の異なる時間帯のシーンを含み、
プロセッサは、時間帯のシーン毎に、同じ時間帯のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定することが好ましい。
【0027】
また、シーンは、被写体が複数の異なる移動速度帯で移動するシーンを含み、
プロセッサは、移動速度帯のシーン毎に、同じ移動速度帯のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定することが好ましい。
【0028】
また、シーンは、縦向きおよび横向きを含む画像の向きのシーンを含み、
プロセッサは、画像の向きのシーン毎に、同じ画像の向きのシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定することが好ましい。
【0029】
さらに、撮影機器にネットワークを介して接続されるサーバを備え、
撮影機器は、第1プロセッサを備え、
サーバは、第2プロセッサを備え、
第1プロセッサは、
画像を解析して、画像のシーンを認識し、
画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
ディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生情報を取得し、
画像、シーン、撮影情報および再生情報をサーバへ送信し、
第2プロセッサは、
撮影機器から、画像、シーン、撮影情報および再生情報を受信し、
シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
シーン毎に、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
嗜好パラメータテーブルを撮影機器へ送信し、
第1プロセッサは、さらに、サーバから嗜好パラメータテーブルを受信することが好ましい。
【0030】
さらに、撮影機器にネットワークを介して接続されるサーバを備え、
撮影機器は、第1プロセッサを備え、
サーバは、第2プロセッサを備え、
第1プロセッサは、
画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
ディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生情報を取得し、
画像、撮影情報および再生情報をサーバへ送信し、
第2プロセッサは、
撮影機器から、画像、撮影情報および再生情報を受信し、
第2プロセッサにより受信された画像を解析して、画像のシーンを認識し、
シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
シーン毎に、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成し、
嗜好パラメータテーブルを撮影機器へ送信し、
第1プロセッサは、さらに、サーバから嗜好パラメータテーブルを受信することが好ましい。
【0031】
また、撮影機器は、ディスプレイと、プロセッサと、を備えることが好ましい。
【0032】
また、本発明は、プロセッサを備え、プロセッサは、
撮影機器から、画像、画像のシーン、画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報および撮影機器において画像が再生されたときの再生情報を受信し、
シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、
シーン毎に、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、を関連付けて嗜好パラメータテーブルを作成し、
嗜好パラメータテーブルを撮影機器へ送信する、サーバを提供する。
【0033】
また、本発明は、画像を撮影し、画像をディスプレイに表示する撮影機器であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
画像を解析して、画像のシーンを認識し、
画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得し、
ディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生情報を取得し、
画像、シーン、撮影情報および再生情報をサーバへ送信し、
シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定し、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、を関連付けて作成された嗜好パラメータテーブルを、サーバから受信し、
嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択し、
プロセッサにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影する、撮影機器を提供する。
【0034】
また、本発明は、シーン認識部が、撮影機器の撮影部により撮影された画像を解析して、画像のシーンを認識するステップと、
撮影情報取得部が、画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得するステップと、
再生情報取得部が、撮影機器のディスプレイにおいて画像が再生されたときの再生情報を取得するステップと、
画像決定部が、シーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、撮影機器のユーザの嗜好に合致した画像を決定するステップと、
テーブル作成部が、シーン毎に、シーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成するステップと、
撮影情報選択部が、嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択するステップと、
撮影部が、撮影情報を選択するステップにより選択された撮影情報を用いて画像を撮影するステップと、を含む、撮影方法を提供する。
【0035】
また、本発明は、前述の撮影方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0036】
また、本発明は、前述の撮影方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、画像のシーン毎に、画像の再生情報に基づいてユーザの画像の嗜好に合致した画像が決定され、ユーザの画像の嗜好に合致したシーンの画像をユーザが過去に撮影したときの撮影情報を用いて画像を撮影するためのアシストが行われる。従って、ユーザは、普段通りに画像を撮影するだけで、ユーザの画像の嗜好に合致したシーンの画像を撮影することができるため、ユーザにとって質の良い画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の撮影システムの構成を表す一実施形態のブロック図である。
【
図2】サーバの構成を表す一実施形態のブロック図である。
【
図3】撮影機器の構成を表す一実施形態のブロック図である。
【
図4】撮影システムの動作を表す一実施形態のフローチャートである。
【
図5】撮影システムの全体的な動作の流れを表す一実施形態の概念図である。
【
図6】画像と、シーンと、再生情報と、を関連付ける際の撮影システムの動作の流れを表す一実施形態の概念図である。
【
図7】嗜好パラメータテーブルを作成する際の撮影システムの動作を表す一実施形態の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の撮影システム、サーバ、撮影機器、撮影方法、プログラムおよび記録媒体を詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の撮影システムの構成を表す一実施形態のブロック図である。
図1に示す撮影システム10は、複数のユーザが有する複数の撮影機器14と、サーバ12と、を備えている。サーバ12と複数の撮影機器14の各々とは、インターネット、電話回線およびWi-Fi(Wireless Fidelity:ワイファイ)等のネットワーク16を介して相互に接続される。これにより、サーバ12と各々の撮影機器14とは、相互にデータの送受信が可能である。
【0041】
サーバ12は、撮影機器14から、画像毎に、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーン、撮影機器14の設定値および画像の再生情報を受信し、これらに基づいて嗜好パラメータテーブルを作成し、この嗜好パラメータテーブルを撮影機器14へ送信する。サーバ12は、
図2に示すように、第1受信部18と、画像決定部20と、設定値抽出部22と、テーブル作成部24と、第1送信部26と、を備えている。
【0042】
第1受信部18は、撮影機器14から各種のデータを受信する。例えば、第1受信部18は、撮影機器14から、画像毎に、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーン、撮影機器14の設定値および画像の再生情報と、を受信する。なお、本実施形態の場合、撮影機器14の設定値は、例えば画像が有するExif(Exchangeable Image File Format:イグジフ)等のヘッダ情報の中に含まれた状態で受信される。
【0043】
撮影機器14の設定値は、画像が撮影されたときの撮影機器14の撮影に関する各種の設定項目の値(撮影条件)であり、特に限定されないが、例えば、ボケ味、色味、質感等、画質に影響のある設定項目の値として、画像が撮影されたときの撮影機器14のF値(絞り値)、露出補正値、フィルムシミュレーション設定値、ホワイトバランス設定値、ダイナミックレンジ設定値の他、シャッタスピード、焦点距離およびISO感度の少なくとも1つの値を含む。また、これ以外の設定項目の値を含んでいてもよい。撮影機器14の設定値は、画像のヘッダ情報の中から抽出することができる。
画像の再生情報は、撮影機器14の表示部において画像が再生されたときの再生に関する情報であり、画像の再生時間および再生回数を含む。
【0044】
画像決定部20は、画像のシーン毎に、同じシーンの画像の中から、画像の再生情報に基づいて、撮影機器14のユーザの嗜好に合致した1枚の画像を決定する。
【0045】
ユーザの画像の嗜好は、このユーザが好んで撮影または再生している画像の傾向を表す。従って、例えば再生時間が長い画像、あるいは、再生回数が多い画像は、そのユーザの嗜好に合致した画像であると考えることができる。本実施形態の場合、画像決定部20は、同じシーンの画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定する。
【0046】
設定値抽出部22は、第1受信部18により受信された画像のヘッダ情報の中から、撮影機器14の設定値を抽出する。
【0047】
テーブル作成部24は、画像のシーン毎に、画像のシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの撮影機器14の設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルを作成する。つまり、嗜好パラメータテーブルには、画像のシーン毎に、画像のシーンと、このシーンと同じシーンの画像のうち、ユーザの嗜好に合致した画像、言い換えると、最も再生時間が長い画像が撮影されたときのカメラ28の設定値が関連付けて記憶されている。
【0048】
第1送信部26は、各種のデータを撮影機器14へ送信する。例えば、第1送信部26は、嗜好パラメータテーブルを撮影機器14へ送信する。
【0049】
撮影機器14は、画像毎に、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーン、撮影機器14の設定値および画像の再生情報と、をサーバ12へ送信し、サーバ12から、嗜好パラメータテーブルを受信する。撮影機器14は、ユーザが画像を撮影する際に、嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた設定値を選択し、この設定値を用いて画像を撮影する。
【0050】
撮影機器14は、本実施形態の場合、通信機能を有するカメラ28と、通信機能を有する携帯情報端末30と、を含む。カメラ28は、デジタルカメラ等であって、
図3の左部に示すように、入力部32と、撮影部34と、シーン認識部36と、再生情報取得部38と、表示制御部40と、表示部42と、テーブル記憶部44と、設定値選択部46と、設定部48と、を有する。また、携帯情報端末30は、スマートフォン等であって、
図3の右部に示すように、第2送信部50と、第2受信部52と、を有する。
なお、カメラ28および携帯情報端末30は、上記以外の構成要素も備えているが、ここではその説明は省略する。
【0051】
カメラ28と携帯情報端末30とは、例えばUSB(Universal Serial Bus:ユニバーサル・シリアル・バス)ケーブル等による有線によって、あるいは、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)またはWi-Fi等による無線によって相互に接続可能であり、互いの通信機能により、相互にデータの送受信が可能である。カメラ28および携帯情報端末30の通信機能は、公知の送信部による送信機能および受信部による受信機能を含む。なお、カメラ28と携帯情報端末30との接続およびデータの送受信についての詳細な説明は省略する。
【0052】
カメラ28において、撮影部34は、ユーザによりシャッタボタンが押された場合に画像を撮影する。例えば、撮影部34は、嗜好パラメータテーブルの中から選択されたカメラ28の設定値を用いて画像を撮影する。
【0053】
入力部32は、撮影機器14のユーザから入力された各種の指示等を取得する。入力部32は、特に限定されないが、カメラ28のシャッタボタンの半押しまたは全押し、および、各種のセンサのオン/オフを制御するスイッチ等のように、撮影機器14が有する各種の物理的な部材を用いてユーザから入力された各種の指示の他、表示部42に表示された操作画面において、表示部42に設けられたタッチパネルを用いてタッチ操作によりユーザから入力された各種の指示等を取得する。
例えば、入力部32は、撮影の指示、画像の閲覧の指示および画像の送信の指示の他、嗜好パラメータテーブルの中から選択されたカメラ28の設定値を用いて画像を撮影するか否かの指示等を取得する。
【0054】
表示制御部40は、ユーザからの指示等に応じて、各種の情報を表示部42に表示させる。例えば、表示制御部40は、撮影部34により撮影された画像、および、各種の操作画面等を表示部42に表示させる。
【0055】
表示部42は、表示制御部40の制御により、各種の情報を表示するディスプレイである。表示部42は、特に限定されないが、液晶ディスプレイおよび有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等の画像表示装置である。
【0056】
シーン認識部36は、撮影部34により撮影された画像毎に、画像を1以上の解析項目について解析して、この画像のシーン、例えば運動会のシーンである、屋内のシーンである、または、屋外のシーンである等を認識する。
【0057】
解析項目は、特に限定されないが、画像の明るさ(輝度)、色合い(彩度)、シャープネス、コントラスト、および、ボケブレ度合い等のように、画像の画質の解析を含んでいてもよい。
解析項目は、画像に写っている被写体(人物および人物以外のオブジェクト)の検出、人物の数の検出、人物の顔の検出、人物の表情の検出、人物の行動の検出、および、天候の検出等のように、画像の内容の解析を含んでいてもよい。
解析項目は、画像が有するヘッダ情報に含まれる撮影日時および撮影場所のように、画像の属性の解析を含んでいてもよい。
【0058】
シーン認識部36は、画像解析により1以上の解析項目の解析を行うことにより画像のシーンを認識してもよいし、判定モデルを用いて画像のシーンを推定してもよい。
ここで、判定モデルは、学習用画像と、この学習用画像のシーンと、を教師データとして、学習用画像と、この学習用画像のシーンと、の関係を、複数の教師データについて学習した学習済みモデルである。
判定モデルは、画像を入力として、この画像のシーンを推定する。
【0059】
再生情報取得部38は、画像毎に、カメラ28の表示部において画像が再生されたときの再生情報、すなわち、画像の再生時間および再生回数を取得する。より詳しくは、再生情報取得部38は、画像毎に、画像の再生時間および再生回数を集計したログデータを再生情報としてカメラ28内に保持する。再生情報取得部38は、表示制御部40の制御により画像がカメラ28の表示部に表示された場合に、表示制御部40から再生情報を取得することができる。
【0060】
テーブル記憶部44は、携帯情報端末30の第2受信部52によりサーバ12から受信され、さらに、通信機能により携帯情報端末30から受信された嗜好パラメータテーブルを記憶するメモリである。テーブル記憶部44は、特に限定されないが、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)またはSSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記憶装置である。
【0061】
設定値選択部46は、ユーザが画像を撮影する際に、テーブル記憶部44に記憶された嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられたカメラ28の設定値を選択する。
【0062】
設定部48は、設定値選択部46により選択された設定値をカメラ28に設定する。
【0063】
携帯情報端末30において、第2送信部50は、各種のデータをサーバ12へ送信する。例えば、第2送信部50は、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーン、カメラ28の設定値および画像の再生情報と、をサーバ12へ送信する。
【0064】
第2受信部52は、サーバ12から各種のデータを受信する。例えば、撮影機器14の第2受信部52は、サーバ12から、嗜好パラメータテーブルを受信する。
【0065】
なお、携帯情報端末30の代わりに、通信機能を有するデスクトップ型PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)、ノート型PC、または、タブレット型PC等の情報端末を使用してもよい。
【0066】
次に、
図4に示すフローチャートを参照しながら、撮影システムの動作を説明する。
【0067】
まず、撮影機器14において、ユーザは、カメラ28を用いて画像を撮影する。この場合、ユーザがカメラ28のシャッタボタンを押すと、入力部32により、シャッタボタンによる撮影の指示が取得され、これに応じて、撮影部34により、画像が撮影される(ステップS1)。この画像が撮影されたときのカメラ28の設定値は、この画像のヘッダ情報の中に格納される。
【0068】
図6の左上部に示すように、撮影部34により画像が撮影されるたびに、シーン認識部36により画像が解析されて、画像に写っている被写体と、天候、撮影日時および撮影位置等の撮影環境と、に基づいて、この画像のシーンが認識される(ステップS2)。そして、
図6の中央部に示すように、画像ID(Identification:識別番号)で表される画像と、この画像のシーンと、が関連付けられる。
【0069】
撮影の終了後、
図5の左上部および
図6の下部に示すように、ユーザは、撮影部34により撮影された画像を、カメラ28の表示部において表示させて閲覧する(ステップS3)。この場合、ユーザが、閲覧したい画像を指定する指示を入力すると、入力部32により、この画像の閲覧の指示が取得され、これに応じて、ユーザにより指定された画像が、表示制御部40の制御によりカメラ28の表示部42に表示される。
【0070】
画像が表示部42に表示されるたびに、再生情報取得部38により、カメラ28の表示部42において画像が再生されたときの再生情報として、画像の再生時間および再生回数が取得される(ステップS4)。そして、
図6の下部に示すように、前述の画像IDで表される画像と、この画像のシーンと、さらに、この画像の再生情報として、画像の再生時間および再生回数と、が関連付けられる。
【0071】
続いて、ユーザは、
図5の中央部に示すように、カメラ28と携帯情報端末30とを接続し、カメラ28から携帯情報端末30へ画像を送信する。この場合、ユーザが画像の送信を指示すると、入力部32により、この画像の送信の指示が取得され、これに応じて、画像の他、この画像に関連付けられた画像のシーンおよび画像の再生情報が、通信機能より、カメラ28から携帯情報端末30へ送信される。
続いて、
図5の右中央部に示すように、通信機能によりカメラ28から受信された画像と、この画像に関連付けられた画像のシーンおよび画像の再生情報が、携帯情報端末30の第2送信部50により、携帯情報端末30からサーバ12へ送信される。
【0072】
続いて、サーバ12において、第1受信部18により、撮影機器14から、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーンおよび画像の再生情報が受信される。カメラ28の設定値は、画像のヘッダ情報の中に含まれた状態で取得される。
続いて、第1受信部18により受信された画像のシーン毎に、画像決定部20により、同じシーンの画像の中から、これらの画像の再生情報に基づいて、撮影機器14のユーザの嗜好に合致した画像が決定される。本実施形態の場合、画像のシーン毎に、同じシーンの画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定される(ステップS5)。
続いて、
図7の中央部に示すように、設定値抽出部22により、画像のシーン毎に、画像決定部20により決定された画像のヘッダ情報の中からカメラ28の設定値が抽出される(ステップS6)。例えば、画像のシーンAについて、カメラ28の設定値A、B、C、…が抽出される。画像のシーンB、C、…についても同様である。
続いて、
図7の下部に示すように、テーブル作成部24により、画像のシーン毎に、画像のシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときのカメラ28の設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される(ステップS7)。
続いて、
図5の右下部に示すように、テーブル作成部24により作成された嗜好パラメータテーブルが、第1送信部26により撮影機器14へ送信される。
【0073】
例えば、
図7の中央部に示すように、シーン毎に、かつ、設定項目毎に、再生時間と設定値との関係を表す折れ線グラフが生成される。なお、折れ線グラフに限らず、棒グラフ等でもよい。各々のグラフにおいて、縦軸は、画像の再生情報、本実施形態の場合、画像の再生時間を表し、横軸は、カメラ28の設定項目の値、すなわち、カメラ28の設定値を表す。例えば、設定項目がF値である場合、カメラ28の設定値は、1.4~32までの不連続な値となる。
例えば、シーンAの画像の設定項目Pの場合、シーンAの画像の再生時間、および、シーンAの画像のヘッダ情報から抽出されたカメラ28の設定値に基づいて、シーンAの画像の設定項目Pのグラフが生成される。このシーンAの画像の設定項目Pのグラフにおいて、画像の再生時間が最も長い設定値が、シーンAの画像のカメラ28の設定値となる。シーンAの他の設定項目Q、R、他のシーンB、Cの画像の設定項目P、Q、Rについても同様である。
【0074】
ここで、カメラ28の設定項目P、Q、Rの値は、互いに独立して変更される場合もあるし、関連性を持って変更される場合もある。例えば、ISO感度とシャッタスピードとは、互いに独立して変更される場合もあるが、反比例させて変更される場合もある。従って、ISO感度およびシャッタスピード等のように、画質と直接的に関連性のない設定項目を除外し、カメラ28の設定項目として、画質と直接的に関連性がり、互いに独立して変更される設定項目を用いることが望ましい。
【0075】
なお、本実施形態の場合のように、サーバ12において、サーバ12の設定値抽出部22により、画像のシーン毎に、画像のヘッダ情報の中からカメラ28の設定値を抽出してもよいし、あるいは、撮影機器14において、設定値抽出部を設けておき、撮影機器14の設定値抽出部により、画像のヘッダ情報の中からカメラ28の設定値を抽出して、撮影機器14からサーバ12へ送信してもよい。
【0076】
続いて、撮影機器14において、携帯情報端末30の第2受信部52により、サーバ12から嗜好パラメータテーブルが受信される。
続いて、
図5の右下部に示すように、第2受信部52により受信された嗜好パラメータテーブルが、通信機能により、携帯情報端末30からカメラ28へ送信され、カメラ28のテーブル記憶部44に記憶される。
【0077】
なお、上記の画像の撮影から、嗜好パラメータテーブルの記憶までの動作は、画像と、この画像に関連付けられた画像のシーンおよび画像の再生情報が撮影機器14からサーバ12へ送信されるたびに行われる。
従って、同じシーンの画像が撮影機器14からサーバ12へ送信される数が多くなると、サーバ12において、撮影機器14から受信された同じシーンの画像の数が次第に多くなる。また、カメラ28において、同じシーンの画像の再生時間が長くなる、または、再生回数が多くなると、サーバ12において、この同じシーンの画像の再生時間が集計されて次第に長くなる、または、再生回数が集計されて次第に多くなる。
なお、画像、画像のシーンおよび画像の再生情報を、例えば、1日などの一定期間記録しておき、一定期間ごとに、記録しておいた画像、画像のシーンおよび画像の再生情報を撮影機器14からサーバ12へ送信してもよい。
【0078】
続いて、ユーザは、次の画像を撮影する。この場合、ユーザが、次に撮影する画像のシーンに合致したシーンを入力すると、入力部32により、画像のシーンの指示が取得される。あるいは、ユーザが、次に撮影する被写体に対してカメラ28を向けると、撮影部34により被写体のスルー画像がキャプチャされ、シーン認識部36により、このスルー画像のシーンが認識される。
【0079】
これに応じて、設定値選択部46により、テーブル記憶部44に記憶された嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられたカメラ28の設定値が選択される(ステップS8)。
【0080】
続いて、設定値選択部46により選択されたカメラ28の設定値、および、例えば「この設定にしますか? はい/いいえ」等のように、この設定値をカメラ28に設定するか否かをユーザに選択させるためのメッセージが、表示制御部40の制御により表示部42に表示される(ステップS9)。
これにより、ユーザは、カメラ28の表示部42において、自分の嗜好に合致したシーンの画像が撮影されたときのカメラ28の設定値を確認することができるため、迷わずに適切な設定値をカメラ28に設定するか否かを判断することができる。
【0081】
ここで、ユーザが、「いいえ」を選択した場合(ステップS9でNo)、処理は終了する。この場合、ユーザは、例えば画像のシーンを変えて再度上記の動作を実行することができる。
一方、ユーザが、「はい」を選択した場合(ステップS9でYes)、設定値選択部46により選択されたカメラ28の設定値が、設定部48によりカメラ28に設定される(ステップS10)。
【0082】
なお、設定部48は、設定値をカメラ28に設定するか否かをユーザに選択させることなく、設定値をカメラ28に自動的に設定してもよい。
これにより、ユーザは、何も操作しなくても、自分が撮影したいと考えている通りの画像を撮影することができる。
【0083】
設定値の設定が完了した後、表示制御部40の制御により、例えば「設定が完了しました」等のメッセージが表示部42に表示される。
これに応じて、ユーザは、設定部48により設定値が設定されたカメラ28を用いて、次の画像を撮影する(ステップS11)。
【0084】
撮影システム10においては、画像のシーン毎に、画像の再生情報に基づいてユーザの画像の嗜好に合致した画像が決定され、ユーザの画像の嗜好に合致したシーンの画像をユーザが過去に撮影したときのカメラ28の設定値を用いて画像を撮影するためのアシストが行われる。従って、ユーザは、普段通りに画像を撮影するだけで、ユーザの画像の嗜好に合致したシーンの画像を撮影することができるため、ユーザにとって質の良い画像を撮影することができる。
【0085】
なお、画像のシーンは、特に限定されないが、複数の異なる天候のシーン、例えば、晴れ、曇り、雨および雪等のシーンを含んでいてもよい。
この場合、画像決定部20により、天候のシーン毎に、同じ天候のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像が決定される。
例えば、晴れのシーンにおいて、ある被写体が撮影された画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定され、晴れのシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときのホワイトバランスの設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される。
ユーザが、晴れのシーンにおいて、ある被写体の画像を撮影する場合、嗜好パラメータテーブルの中から、晴れのシーンに関連付けられたホワイトバランスの設定値が選択され、このホワイトバランスの設定値が自動でカメラ28に設定される。
晴れのシーン以外の他の天候のシーンについても同様である。
これにより、ユーザは、様々な天候のシーンにおいて、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影することができる。
【0086】
画像のシーンは、複数の異なる時間帯のシーン、例えば、朝、昼および夜のシーンを含んでいてもよい。
この場合、画像決定部20により、時間帯のシーン毎に、同じ時間帯のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像が決定される。
例えば、朝のシーンにおいて、ある被写体が撮影された画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定され、朝のシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときのホワイトバランスの設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される。
ユーザが、朝のシーンにおいて、ある被写体の画像を撮影する場合、嗜好パラメータテーブルの中から、朝のシーンに関連付けられたホワイトバランスの設定値が選択され、このホワイトバランスの設定値が自動でカメラ28に設定される。
朝のシーン以外の他の時間帯のシーンについても同様である。
これにより、ユーザは、様々な時間帯のシーンにおいて、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影することができる。
【0087】
画像のシーンは、被写体が複数の異なる移動速度帯で移動するシーン、例えば、静止状態、低速度帯、中速度帯および高速度帯のシーンを含んでいてもよい。
この場合、画像決定部20により、移動速度帯のシーン毎に、同じ移動速度帯のシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像が決定される。
例えば、中速度帯のシーンにおいて、ある被写体が撮影された画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定され、中速度帯のシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときのシャッタスピードの設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される。
ユーザが、中速度帯のシーンにおいて、ある被写体の画像を撮影する場合、嗜好パラメータテーブルの中から、中速度帯のシーンに関連付けられたシャッタスピードの設定値が選択され、このシャッタスピードの設定値が自動でカメラ28に設定される。
中速度帯のシーン以外の他の移動速度帯のシーンについても同様である。
これにより、ユーザは、被写体の様々な移動速度のシーンにおいて、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影することができる。
【0088】
画像のシーンは、縦向きまたは横向きを含む画像の向きのシーンを含んでいてもよい。
この場合、画像決定部20により、画像の向きのシーン毎に、同じ画像の向きのシーンの画像の中から、再生情報に基づいて、ユーザの嗜好に合致した画像が決定される。
例えば、縦向きのシーンにおいて、建物が撮影された画像の中から、再生時間が最も長い画像が、ユーザの嗜好に合致した画像であると決定され、縦向きのシーンと、ユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときの設定値と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される。
ユーザが、縦向きのシーンの建物の画像を撮影する場合、嗜好パラメータテーブルの中から、縦向きのシーンに関連付けられた設定値が選択されて、この設定値が、おすすめの設定値としてカメラ28の表示部に表示される。
横向きのシーンについても同様である。
これにより、ユーザは、カメラ28において、自分の嗜好に合致した向きの画像が撮影されたときのカメラ28の設定値を確認することができ、自分の画像の嗜好を認識することができ、自分の嗜好に合致した画像を撮影することができる機会が増える。
【0089】
また、画像決定部20は、同じシーンの画像の中から、再生回数が最も多い画像をユーザの嗜好に合致した画像に決定してもよい。あるいは、画像決定部20は、同じシーンの画像の中から、再生時間と再生回数とを重み付けして加算した結果に基づいてユーザの嗜好に合致した画像を決定してもよい。例えば、再生時間と再生回数とを重み付けして加算した結果の値が最も大きい画像をユーザの嗜好に合致した画像に決定する。この場合、再生時間および再生回数に対する重みは任意に設定することができる。
【0090】
さらに、操作情報取得部および操作情報選択部を設けておき、操作情報取得部により、撮影機器14の操作情報を取得し、操作情報選択部により、嗜好パラメータテーブルの中から、画像が撮影されたときのユーザによる撮影機器14の操作情報を選択してもよい。
【0091】
撮影機器14の操作情報は、画像が撮影されたときのユーザによるカメラ28の操作に関する情報であり、シャッタボタンおよびセンサ等のカメラ28が有する各種の物理的な部材に対して行われたユーザの操作の他、カメラ28の表示部に表示された操作画面において、表示部に設けられたタッチパネルを用いて行われたユーザのタッチ操作等を含む。例えば、操作情報は、画像が撮影されたときの、カメラ28の回転の情報、すなわち、カメラ28が縦向きなのか横向きなのかを表す情報、カメラ28の水平状態からの傾きを表す情報、および、カメラ28の部材のオン/オフの状態を表す情報含む。
【0092】
カメラ28の設定値およびカメラ28の操作情報は、本発明の撮影情報を構成する。撮影情報は、撮影機器14において画像が撮影されたときの撮影機器14の撮影に関する情報である。また、設定値抽出部22および操作情報取得部は、本発明の撮影情報取得部を構成する。撮影情報取得部は、画像が撮影されたときの撮影に関する撮影情報を取得する。さらに、設定値選択部46および操作情報選択部は、本発明の撮影情報選択部を構成する。撮影情報選択部は、嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられた撮影情報を選択する。
【0093】
この場合、前述の画像IDで表される画像と、この画像のシーンと、画像の再生情報と、カメラ28の設定値およびカメラ28の操作情報を含む撮影情報と、が関連付けられる。
続いて、テーブル作成部24により、画像のシーン毎に、画像のシーンと、このシーンのユーザの嗜好に合致した画像が撮影されたときのカメラ28の撮影情報と、が関連付けて記憶された嗜好パラメータテーブルが作成される。
そして、撮影情報選択部により、テーブル記憶部44に記憶された嗜好パラメータテーブルの中から、ユーザが次に撮影する画像のシーンに合致したシーンに関連付けられたカメラ28の撮影情報が選択される。
設定値選択部46により選択された撮影情報のうち、カメラ28の設定値の設定が完了した後、ユーザが画像を撮影する際に、表示制御部40の制御により、カメラ28の操作情報がカメラ28の表示部に表示される。ユーザは、カメラ28の表示部に表示された操作情報に従ってカメラ28を操作しつつ、設定部48により設定値が設定されたカメラ28を用いて、次の画像を撮影する。
【0094】
これにより、ユーザは、次に撮影する画像のシーンに合致したシーンの画像が過去に撮影されたときのカメラ28の操作情報と同じ操作情報に従って画像を撮影することができるため、より確実に、ユーザの嗜好に合致した画像を撮影することができる。
【0095】
また、撮影機器14が、携帯情報端末30等の情報端末を含むことは必須ではなく、カメラ28のみを含んでいてもよい。この場合、カメラ28において、さらに、第2送信部50および第2受信部52を設けておく。
撮影機器14がカメラ28のみを含む場合の動作は、通信機能により、カメラ28と携帯情報端末30との間でデータの送受信が行われないこと以外、撮影機器14がカメラ28および携帯情報端末30を含む場合と同様である。
【0096】
撮影機器14が、カメラ28のみを含む場合、カメラ28の設定値、この設定値を、カメラ28に設定するか否かをユーザに選択させるためのメッセージ、および、カメラ28の操作情報等は、カメラ28の表示制御部40の制御により、カメラ28の表示部42に表示される。
一方、撮影機器14が、カメラ28および携帯情報端末30を含む場合、カメラ28の設定値、この設定値を、カメラ28に設定するか否かをユーザに選択させるためのメッセージ、および、カメラ28の操作情報等は、カメラ28の表示部42に表示されるようにしてもよい。
あるいは、携帯情報端末30において、さらに、表示部および表示制御部を設けておき、カメラ28の設定値、この設定値を、カメラ28に設定するか否かをユーザに選択させるためのメッセージ、および、カメラ28の操作情報等は、携帯情報端末30の表示制御部の制御により、携帯情報端末30の表示部に表示されるようにしてもよい。この場合、ユーザは、携帯情報端末30の表示部においても、自分の嗜好に合致した画像が撮影されたときのカメラ28の設定値を確認することができ、無意識下における自分の画像の嗜好を認識して、次回以降の画像の撮影時に活かすことができる。
【0097】
また、シーン認識部36は、撮影機器14が有していてもよいし、サーバ12が有していてもよい。さらに、シーン認識部36は、カメラ28が備えていてもよいし、携帯情報端末30が備えていてもよい。
携帯情報端末30がシーン認識部36を有する場合、カメラ28から携帯情報端末30へ画像が送信され、携帯情報端末30において、画像毎に、シーン認識部36により画像が解析されて、この画像のシーンが認識される。
サーバ12がシーン認識部36を有する場合、撮影機器14からサーバ12へ画像が送信され、サーバ12において、画像毎に、シーン認識部36により画像が解析されて、この画像のシーンが認識される。
【0098】
また、撮影システム10が、サーバ12を備えることは必須ではなく、撮影機器14のみを備えていてもよい。この場合、撮影機器14は、さらに、画像決定部20、設定値抽出部22およびテーブル作成部24を有する。
撮影システム10が撮影機器14のみを含む場合の動作は、撮影機器14とサーバ12との間でデータの送受信が行われないこと以外、撮影システム10が撮影機器14およびサーバ12を含む場合と同様である。
【0099】
本発明の装置において、例えば、第1受信部18、画像決定部20、設定値抽出部22、テーブル作成部24、第1送信部26、入力部32、撮影部34、シーン認識部36、再生情報取得部38、表示制御部40、設定値選択部46、設定部48、第2送信部50および第2受信部52等の各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構成は、専用のハードウェアであってもよいし、プログラムを実行する各種のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。
【0100】
各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0101】
1つの処理部を、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、または、FPGAおよびCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。また、複数の処理部を、各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、複数の処理部のうちの2以上をまとめて1つのプロセッサを用いて構成してもよい。
【0102】
例えば、サーバおよびクライアント等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。また、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。
【0103】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構成は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)である。
【0104】
また、本発明の方法は、例えば、その各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにより実施することができる。また、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。
【0105】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0106】
10 撮影システム
12 サーバ
14 撮影機器
16 ネットワーク
18 第1受信部
20 画像決定部
22 設定値抽出部
24 テーブル作成部
26 第1送信部
28 カメラ
30 携帯情報端末
32 入力部
34 撮影部
36 シーン認識部
38 再生情報取得部
40 表示制御部
42 表示部
44 テーブル記憶部
46 設定値選択部
48 設定部
50 第2送信部
52 第2受信部