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特許7585334設定装置、設定方法、及び設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】設定装置、設定方法、及び設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241111BHJP
【FI】
A61B6/00 520M
A61B6/00 590B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022551170
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028492
(87)【国際公開番号】W WO2022064844
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2020161413
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 哲矢
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051752(JP,A)
【文献】特開2010-102877(JP,A)
【文献】特開2006-218142(JP,A)
【文献】特開2017-023487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、
前記被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、
取得した前記体厚情報が表す体厚と、取得した前記撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、前記撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための前記放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、
目標値のmAs値を得るための前記放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び前記放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、前記管電流の設定値の導出方法を変更する
設定装置。
【請求項2】
前記照射時間の上限値は、撮影部位、被写体の年齢、及び被写体の性別の少なくとも1つに応じて定められる
請求項1に記載の設定装置。
【請求項3】
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、
前記プロセッサは、
前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値以内の場合、
前記管電流の上限値を、前記管電流の設定値として導出し、
前記管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間を、前記照射時間の設定値として導出する
請求項1または請求項2に記載の設定装置。
【請求項4】
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、
前記プロセッサは、
前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値を越える場合、
前記照射時間の上限値を前記照射時間の設定値として導出し、
前記照射時間の設定値により前記目標値のmAs値が得られる管電流値を、前記管電流の設定値として導出する
請求項1または請求項2に記載の設定装置。
【請求項5】
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、
前記プロセッサは、
前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値を越える場合、
前記焦点サイズが前記大焦点である場合の管電流の管電流値を前記管電流の設定値として導出し、
前記管電流の設定値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間を、前記照射時間の設定値として導出する
請求項1または請求項2に記載の設定装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記撮影部位情報を撮影メニューから取得する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の設定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
STDからSSDを減算して前記体厚を導出することで前記体厚情報を取得する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の設定装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
SIDからSSD及びTIDを減算して前記体厚を導出することで前記体厚情報を取得する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の設定装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記管電圧の目標値、前記管電流の設定値、及び前記照射時間の設定値を前記放射線照射装置に出力する
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の設定装置。
【請求項10】
放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、
前記被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、
取得した前記体厚情報が表す体厚と、取得した前記撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、前記撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための前記放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、
目標値のmAs値を得るための前記放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び前記放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、前記管電流の設定値の導出方法を変更する
処理をプロセッサが実行する設定方法。
【請求項11】
放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、
前記被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、
取得した前記体厚情報が表す体厚と、取得した前記撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、前記撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための前記放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、
目標値のmAs値を得るための前記放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び前記放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、
前記焦点サイズには、小焦点と、前記小焦点よりも大きな大焦点があり、前記焦点サイズが前記小焦点である場合の管電流の上限値により前記目標値のmAs値が得られる前記放射線の照射時間が、前記照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、前記管電流の設定値の導出方法を変更する
処理をプロセッサに実行させるための設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設定装置、設定方法、及び設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、放射線照射装置から照射された放射線により被写体の放射線画像を撮影する場合、放射線照射装置に対して、放射線を照射する線源の管電圧及びmAs値に関する撮影条件の設定が行われる。例えば、特開2006-218142号公報には、被写体の撮影部位及び体厚に応じた撮影条件を設定する技術が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特開2006-218142号公報に記載の技術では、撮影条件の設定を行い難い場合があった。例えば、放射線照射装置に目標となるmAs値を設定する場合、どのように管電流値及び放射線の照射時間に振り分けて設定するか判断しにくい場合があった。
【0004】
本開示は、上記事情を考慮して成されたものであり、被写体の撮影部位及び体厚に応じた撮影条件を容易に設定することができる設定装置、設定方法、及び設定プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様の設定装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、取得した体厚情報が表す体厚と、取得した撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、目標値のmAs値を得るための放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、管電流の設定値の導出方法を変更する
【0006】
本開示の第2の態様の設定装置は、第1の態様の設定装置において、照射時間の上限値は、撮影部位、被写体の年齢、及び被写体の性別の少なくとも1つに応じて定められる。
【0007】
本開示の第3の態様の設定装置は、第1の態様または第2の態様の設定装置において、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、プロセッサは、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値以内の場合、管電流の上限値を、管電流の設定値として導出し、管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間を、照射時間の設定値として導出する。
【0008】
本開示の第4の態様の設定装置は、第1の態様または第2の態様の設定装置において、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、プロセッサは、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値を越える場合、照射時間の上限値を照射時間の設定値として導出し、照射時間の設定値により目標値のmAs値が得られる管電流値を、管電流の設定値として導出する。
【0009】
本開示の第5の態様の設定装置は、第1の態様または第2の態様の設定装置において、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、プロセッサは、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値を越える場合、焦点サイズが大焦点である場合の管電流の管電流値を管電流の設定値として導出し、管電流の設定値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間を、照射時間の設定値として導出する。
【0010】
本開示の第6の態様の設定装置は、第1の態様から第5の態様のいずれか1態様の設定装置において、プロセッサは、撮影部位情報を撮影メニューから取得する。
【0011】
本開示の第7の態様の設定装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか1態様の設定理装置において、プロセッサは、STDからSSDを減算して体厚を導出することで体厚情報を取得する。
【0012】
本開示の第8の態様の設定装置は、第1の態様から第6の態様のいずれか1態様の設定装置において、プロセッサは、SIDからSSD及びTIDを減算して体厚を導出することで体厚情報を取得する。
【0013】
本開示の第9の態様の設定装置は、第1の態様から第8の態様のいずれか1態様の設定装置において、プロセッサは、管電圧の目標値、管電流の設定値、及び照射時間の設定値を放射線照射装置に出力する。
【0014】
また、本開示の第10の態様の設定処理方法は、放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、取得した体厚情報が表す体厚と、取得した撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、目標値のmAs値を得るための放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、管電流の設定値の導出方法を変更する処理をプロセッサが実行するための方法である。
【0015】
また、本開示の第11の態様の設定プログラムは、放射線照射装置から照射された放射線により放射線画像を撮影する被写体の撮影部位を表す撮影部位情報を取得し、被写体の放射線が透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得し、取得した体厚情報が表す体厚と、取得した撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線を照射するための放射線照射装置の管電圧及びmAs値の目標値を導出し、目標値のmAs値を得るための放射線照射装置の管電流の設定値、及び放射線の照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出し、焦点サイズには、小焦点と、小焦点よりも大きな大焦点があり、焦点サイズが小焦点である場合の管電流の上限値により目標値のmAs値が得られる放射線の照射時間が、照射時間の上限値を越えるか否かに応じて、管電流の設定値の導出方法を変更する処理をプロセッサに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、被写体の撮影部位及び体厚に応じた撮影条件を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の放射線画像撮影システムにおける全体の構成の一例を概略的に表した構成図である。
図2】実施形態のコンソールの構成の一例を表したブロック図である。
図3】実施形態のコンソールの機能的な構成の一例を表す機能ブロック図である。
図4】体厚の取得方法を説明するための図である。
図5】撮影部位と照射時間の上限値との対応関係を表す照射時間上限値情報の一例を示す図である。
図6】実施形態のコンソールにおける設定処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図7】設定処理において実行される振り分け処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図8】実施形態のコンソールの機能的な構成の一例を表す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態は本発明を限定するものではない。
【0019】
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。図1には、本実施形態の放射線画像撮影システム1における、全体の構成の一例を表す構成図が示されている。図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム1は、コンソール10、放射線照射装置12、TOF(Time of Flight)カメラ14、及び放射線画像撮影装置16を備える。本実施形態のコンソール10が、本開示の設定装置の一例である。なお、図1では、被写体Wが起立している状態(立位状態)において、放射線画像を撮影する形態を示しているが、被写体Wの状態は限定されず、例えば、被写体Wが車椅子を含む椅子等に座った状態(座位状態)や、撮影台32に横たわった状態(臥位状態)等であってもよい。
【0020】
本実施形態の放射線照射装置12は、例えばエックス線(X線)等の放射線Rを撮影対象の一例である被写体Wに照射する放射線源20、及び放射線源20から照射された放射線Rの照射野を制限するためのコリメータ24を備える。また、放射線照射装置12は、制御部21A、記憶部21B、及びI/F(Interface)部21Cを備える。
【0021】
制御部21Aは、コンソール10の制御に応じて、放射線源20及びコリメータ24を制御する。制御部21Aは、いずれも図示を省略した、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備える。ROMには、CPUで実行される、放射線画像の撮影において放射線源20から被写体Wに放射線Rを照射させるための照射処理プログラムを含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する。
【0022】
記憶部21Bには、各種情報等が記憶される。記憶部21Bの具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。I/F部21Cは、無線通信または有線通信により、コンソール10との間で各種情報の通信を行う。放射線照射装置12は、コンソール10で導出された撮影条件(詳細後述)を、I/F部21Cを介して受信する。
【0023】
医師及び技師等のユーザが放射線照射装置12に対して放射線Rの照射を指示する方法は、限定されない。例えば、放射線照射装置12が照射ボタン等を備えている場合は、放射線技師等のユーザが照射ボタンにより放射線Rの照射の指示を行うことで、放射線照射装置12から放射線Rを照射してもよい。また、例えば、放射線技師等のユーザが、コンソール10を操作して放射線Rの照射の指示を行うことで、放射線照射装置12から放射線Rを照射してもよい。
【0024】
放射線照射装置12では、放射線Rの照射の指示を受け付けると、コンソール10によって設定された管電圧、管電流、及び照射時間等の撮影条件に従って制御部21Aが、放射線源20の放射線管の焦点22から放射線Rを照射させる。一例として本実施形態では、照射野の形状を矩形状としている。そのため、焦点22から照射された放射線Rは、焦点22を頂点、照射野を底面とした四角錐状の領域に照射される。
【0025】
また、図1に示すように、放射線照射装置12の放射線Rが出射される出射口の近傍には、TOFカメラ14が設けられている。TOFカメラ14は、TOF方式を用いて、撮影対象との間の距離を表す距離画像を撮像素子28によって撮影するカメラである。具体的には、TOFカメラ14は、撮影対象に赤外線等の光を照射し、その反射光を受光するまでの時間、または出射光と受光光との位相変化に基づいて、TOFカメラ14と撮影対象との間の距離を測定する。TOFカメラ14によって撮影される距離画像は、画素毎に、TOFカメラ14と撮影対象との間の距離を表す距離情報を有する。なお、本実施形態のTOFカメラ14では、TOFカメラ14と撮影対象との間の距離として、撮像素子28と撮影対象との間の距離を適用している。また、距離画像とは、その画像から、撮影対象までの距離を導出することが可能な画像のことをいう。
【0026】
放射線画像撮影装置16は、放射線検出器30、制御部31A、記憶部31B、及びI/F部31Cを備える。
【0027】
放射線検出器30は、放射線画像を生成する機能を有する。図1に示すように、放射線検出器30は、撮影台32の内部に配置されている。本実施形態の放射線画像撮影装置16では、撮影を行う場合、撮影台32の撮影面32Aには、被写体Wがユーザによってポジショニングされる。
【0028】
放射線検出器30は、被写体W及び撮影台32を透過した放射線Rを検出し、検出した放射線Rに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を表す画像データを出力する。本実施形態の放射線検出器30の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0029】
制御部31Aは、コンソール10の制御に応じて、放射線画像撮影装置16の全体の動作を制御する。制御部31Aは、いずれも図示を省略した、CPU、ROM、及びRAMを備える。ROMには、CPUで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うための撮影処理プログラムを含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する。
【0030】
記憶部31Bには、放射線検出器30により撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部31Bの具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。I/F部31Cは、無線通信または有線通信により、コンソール10との間で各種情報の通信を行う。放射線検出器30により撮影された放射線画像の画像データは、I/F部31Cを介してコンソール10に無線通信または有線通信によって送信される。
【0031】
一方、本実施形態のコンソール10は、無線通信LAN(Local Area Network)等を介してRIS(Radiology Information System、図示省略)等から取得した撮影オーダ及び各種情報等を用いて、放射線照射装置12、TOFカメラ14、及び放射線画像撮影装置16の制御を行う機能を有している。
【0032】
本実施形態のコンソール10は、一例として、サーバーコンピュータである。図2に示すように、コンソール10は、制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58を備えている。制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58はシステムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0033】
本実施形態の制御部50は、コンソール10の全体の動作を制御する。制御部50は、CPU50A、ROM50B、及びRAM50Cを備える。ROM50Bには、CPU50Aで実行される、設定プログラム51を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM50Cは、各種データを一時的に記憶する。本実施形態のCPU50Aが、本開示のプロセッサの一例である。また、本実施形態の設定プログラム51が、本開示の設定プログラムの一例である。
【0034】
記憶部52には、放射線画像撮影装置16で撮影された放射線画像の画像データや、RISから取得した撮影オーダ等の各種情報が記憶される。記憶部52の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。
【0035】
操作部56は、撮影オーダに応じた撮影メニューの指定、及び放射線Rの照射指示を含む放射線画像の撮影等に関する指示、及び各種情報等をユーザが入力するために用いられる。操作部56は特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部58は、各種情報を表示するために用いられる。なお、操作部56と表示部58とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0036】
コンソール10は、予め用意された複数種の撮影メニューを、択一的に選択可能な形態で表示部58に表示する。ユーザは、操作部56を介して、撮影オーダの内容と一致する1つの撮影メニューを選択する。本実施形態では、頭部、胸部、腹部、及び脊椎等の撮影部位毎に、撮影メニューが予め定められており、ユーザは、撮影部位を選択することにより、撮影メニューの選択を行う。これにより、コンソール10は撮影メニューの指定を受け付ける。
【0037】
I/F部54は、無線通信または有線通信により、放射線画像撮影装置16及びRIS(図示省略)との間で各種情報の通信を行う。本実施形態の放射線画像撮影システム1では、放射線画像撮影装置16で撮影された放射線画像の画像データは、コンソール10が、I/F部54を介して無線通信または有線通信により放射線画像撮影装置16から受信する。
【0038】
さらに、図3には、本実施形態のコンソール10の機能的な構成の一例の機能ブロック図を示す。図3に示すようにコンソール10は、第1取得部60、第2取得部62、目標値導出部64、及び設定値導出部66を備える。一例として本実施形態のコンソール10は、制御部50のCPU50AがROM50Bに記憶されている設定プログラム51を実行することにより、CPU50Aが、第1取得部60、第2取得部62、目標値導出部64、及び設定値導出部66として機能する。
【0039】
第1取得部60は、被写体Wの撮影部位を表す撮影部位情報を取得する機能を有する。一例として本実施形態では、受け付けた撮影メニューから撮影部位情報を取得する。なお、第1取得部60が撮影部位情報を取得する方法は特に限定されず、例えば、撮影オーダに撮影部位情報が含まれている場合は、撮影オーダから取得する形態としてもよい。第1取得部60が取得した撮影部位情報は、目標値導出部64に出力される。
【0040】
第2取得部62は、被写体Wの放射線Rが透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得する機能を有する。なお、本実施形態において「体厚」という場合は、被写体Wの放射線Rが透過する方向の体厚のことをいう。一例として、本実施形態の第2取得部62は、TOFカメラ14により撮影された距離画像を取得し、取得した距離画像から体厚を導出することで体厚情報を取得する。具体的には、第2取得部62は、TOFカメラ14により撮影された距離画像を表す画像データを、I/F部31C及びI/F部54を介して、TOFカメラ14から取得する。そして第2取得部62は、取得した距離画像に基づいて体厚を導出することで体厚情報を取得する。第2取得部62が取得した体厚情報は、目標値導出部64に出力される。
【0041】
図4を参照して体厚の導出方法の例について説明する。
【0042】
上述したように本実施形態ではTOFカメラ14により撮影された距離画像から体厚を導出する。TOFカメラ14は、TOFカメラ14と測定対象との間の距離を測定するものである。図1及び図4に示すように本実施形態では、TOFカメラ14の撮像素子28の位置と、放射線源20の焦点22の位置とが異なるため、TOFカメラ14により測定した測定対象までの距離は、放射線源20と測定対象までの距離と異なる。本実施形態の放射線画像撮影システム1では、TOFカメラ14と放射線源20との相対的な位置関係は予め定められている。そこで、コンソール10の記憶部52には、TOFカメラ14により測定した測定対象までの距離を、放射線源20と測定対象までの距離に変換するための変換係数が予め記憶されている。
【0043】
図4に示すように本実施形態の第2取得部62は、STD(Source Target Distance)及びSSD(Source to skin distance)を用いて、以下の(1)式により体厚tを導出する。
t=STD-SSD ・・・(1)
【0044】
STDとは、放射線源20とターゲット(撮影対象)との間の距離である。本実施形態においてSTDとは、図4に示すように、放射線源20の焦点22と、撮影台32の撮影面32Aとの距離をいう。具体的には、放射線源20の焦点22から、撮影台32の撮影面32Aに下ろした垂線の長さをいう。
【0045】
より具体的には、STDの導出のために、被写体Wにより隠されない撮影台32の撮影面32Aの位置が測定位置として予め定められている。第2取得部62は、距離画像における測定位置に対応する画素が有する距離情報から、TOFカメラ14と測定位置との間の距離を導出する。また、測定位置が、TOFカメラ14から撮影台32の撮影面32Aに下ろした垂線の足と異なる位置である場合、第2取得部62は、導出したTOFカメラ14と測定位置との間の距離を、TOFカメラ14から撮影台32の撮影面32Aに下ろした垂線の長さに変換する。さらに、第2取得部62は、上述した記憶部52に記憶されている変換係数のうちSTD導出用の変換係数を用いて、TOFカメラ14と撮影台32の撮影面32Aとの距離を、放射線源20と撮影台32の撮影面32Aとの距離に変換することでSTDを導出する。
【0046】
なお、STDが予め定められている場合、例えば、撮影部位に応じた固定値である場合、STDを記憶部52に予め記憶させておくことで、第2取得部62は、記憶部52からSTDを取得する形態としてもよい。
【0047】
また、SSDとは、放射線源20と被写体Wの表面(皮膚)との間の距離であり、換言すると、放射線源20から被写体Wまでの距離である。本実施形態においてSSDとは、図4に示すように、放射線源20の焦点22から、焦点22に対向する被写体Wの体表までの距離をいう。具体的には、放射線源20の焦点22から、被写体Wに下ろした垂線の長さをいう。
【0048】
より具体的には第2取得部62は、TOFカメラ14により撮影された距離画像における、被写体Wに対応する画素が有する距離情報から、TOFカメラ14と被写体Wとの間の距離を導出する。さらに、第2取得部62は、上述した記憶部52に記憶されている変換係数のうちSSD導出用の変換係数を用いて、TOFカメラ14と被写体Wとの距離を、放射線源20と被写体Wとの距離に変換することでSSDを導出する。
【0049】
なお、第2取得部62が体厚tを導出する方法は、上述した方法に限定されない。例えば、第2取得部62は、SID(Source to Image receptor Distance)、SSD、及びTID(Target to Image receptor Distance)を用いて、以下の(2)式により体厚tを導出してもよい。
t=SID-SSD-TID ・・・(2)
【0050】
SIDとは、放射線源20と放射線検出器30との間の距離である。本実施形態においてSIDとは、図4に示すように、放射線源20の焦点22から、放射線検出器30の検出面30Aに下ろした垂線の長さをいう。一例として本実施形態では、SIDは、撮影部位に応じた固定値であり予め定められており、記憶部52に予め記憶されている。そのため第2取得部62は、記憶部52からSIDを取得する。
【0051】
なお、本実施形態と異なり、放射線画像の撮影を行う毎にSIDを測定する形態としてもよい。この場合、例えば、リニアエンコーダ等の測定装置によりSIDを測定した測定結果を第2取得部62が取得する形態とすればよい。
【0052】
また、TIDとは、ターゲット(撮影対象)と放射線検出器30との間の距離である。本実施形態においてTIDは、放射線検出器30の検出面30Aから、撮影台32の撮影面32Aまでの距離をいう。一例として本実施形態では、TIDは、固定値であり撮影台32の設計値として予め定められており、記憶部52に予め記憶されている。そのため第2取得部62は、記憶部52からTIDを取得する。
【0053】
目標値導出部64は、第1取得部60から入力された撮影部位情報が表す撮影部位と、第2取得部62から入力された体厚情報が表す体厚とに基づいて、被写体Wの撮影部位を透過後の放射線Rの線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線Rを照射するための放射線照射装置12の管電圧の目標値及びmAs値の目標値を導出する。なお、ここで「同一」とは、完全に一致することに限定されず、許容範囲の誤差等を有していてもよい。また、本実施形態において基準体厚とは、複数の被写体Wの体厚の平均値である。
【0054】
一例として、本実施形態では、撮影部位毎に、体厚と管電圧の目標値とmAs値の目標値との対応関係を表す対応関係情報(図示省略)が予め記憶部52に記憶されている。目標値導出部64は、第1取得部60が取得した撮影部位情報が表す撮影部位に応じた対応関係情報から管電圧の目標値及びmAs値の目標値を導出する。
【0055】
なお、対応関係情報は、SIDの基準値に基づいて定められている。そのため、現在の被写体Wの測定におけるSIDがSIDの基準値と異なる場合、対応関係情報から導出されたmAs値を、下記(3)式を用いて補正することが好ましい。
補正後のmAs値=対応関係情報のmAs値×(現在のSID/SIDの基準値)2 ・・・(3)
【0056】
設定値導出部66は、目標値導出部64で導出した目標のmAs値を得るための放射線照射装置12の管電流の設定値、及び放射線Rの照射時間の設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線源20の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出する。設定値導出部66は、導出した管電流の設定値、及び放射線Rの照射時間の設定値を放射線照射装置12に出力する。
【0057】
照射時間の上限値は、被写体の体動に応じて定められる。被写体、具体的には関心領域に体動が生じると、放射線画像における関心領域の画像がぶれるため、照射時間の上限値は、関心領域の画像のぶれを抑制する観点から定められる。例えば、照射時間の上限値は、撮影部位、被写体の年齢、及び被写体の性別の少なくとも1つに応じて定められる。一例として本実施形態のコンソール10では、照射時間の上限値に関する照射時間上限値情報が予め記憶部52に記憶されている(図2では図示省略)。図5には、撮影部位と照射時間の上限値との対応関係を表す照射時間上限値情報53の一例を示す。
【0058】
撮影部位により、心拍や内臓の動きに応じて体動量が異なる。例えば、心臓は他の内臓に比べて頻繁に動く。そのため、本実施形態では、図5に示した照射時間上限値情報53のように、撮影部位に心臓が含まれる場合、他の撮影部位を撮影する場合よりも照射時間の上限値を短くする。
【0059】
また例えば、被写体の年齢が新生児や老人の場合、動き易くなる傾向がある。そのため、被写体の年齢が新生児や老人に該当する場合、青少年及び成人に該当する場合に比べて、照射時間の上限値を短くする。また例えば、被写体の性別が女性の場合、男性の場合に比べて動き易くなる傾向がある。そのため、被写体の性別が女性の場合、男性の場合に比べて、照射時間の上限値を短くする。
【0060】
一方、焦点サイズは、管電流及び管電圧に依存し、焦点サイズが大きくなるほど、管電流は大きくなる。例えば、焦点サイズが小焦点の場合、管電流は、10mA以上、200mA以下であり、焦点サイズが大焦点の場合、管電流は、250mA以上、500mA以下である。焦点サイズが大きくなると放射線画像がぼけ易くなる。そのため、本実施形態では、焦点サイズを小焦点とすることを優先とし、小焦点に対応した管電流値を設定することを優先とする。一例として本実施形態のコンソール10では、焦点サイズが小焦点である場合の管電流値の範囲と、大焦点である場合の管電流値の範囲との対応関係を表す情報(図示省略)が予め記憶部52に記憶されている。
【0061】
また、管電圧と管電流との積(管電圧値kV×管電流値mA)により定まる放射線源20の管球の最大出力値は、放射線照射装置12に応じて予め定められている。そのため、本実施形態では、放射線源20の管球の最大出力値を超えない管電圧及び管電流を設定する。
【0062】
一例として本実施形態のコンソール10では、焦点サイズが小焦点である場合の管電流値の範囲と、大焦点である場合の管電流値の範囲との対応関係を表す情報(図示省略)が予め記憶部52に記憶されている。一例として本実施形態のコンソール10では、放射線源20の管球の最大出力値を表す情報(図示省略)が予め記憶部52に記憶されている。
【0063】
本実施形態の設定値導出部66は、上述した照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線源20の管球の最大出力値の優先順位が予め定められている。放射線源20の管球の最大出力値の優先順位が最も高い。換言すると、放射線源20の管球の最大出力値を越えない管電圧及び管電流を設定値とすることの優先順位が最も高い。また、焦点サイズに応じた管電流の優先順位が最も低い。換言すると、焦点サイズに応じた管電流の管電流を設定値とすることの優先順位が最も低い。なお、これらの優先順位は本実施形態に限定されない。また、これらの優先順位について、ユーザによる設定が可能であってもよい。
【0064】
次に、本実施形態のコンソール10の作用について図面を参照して説明する。
本実施形態のコンソール10は、制御部50のCPU50Aが、ROM50Bに記憶されている設定プログラム51を実行することにより、図6に一例を示した設定処理を実行する。図6には、本実施形態のコンソール10において実行される設定処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、CPU50Aが、設定処理を実行するタイミングは、限定されず、任意のタイミングとすることができる。例えば、被写体Wのポジショニングの終了後に操作部56の操作によって指示が行われたユーザの指示を受け付けたタイミングであってもよいし、ユーザによる放射線Rの照射指示を受け付けたタイミング等であってもよい。
【0065】
図6のステップS100で第2取得部62は、上述したように体厚情報を取得する。具体的には、第2取得部62は、TOFカメラ14に距離画像の撮影を指示し、指示に基づいてTOFカメラ14によって撮影された距離画像をI/F部54を介して取得する。第2取得部62は、取得した距離画像から、上記(1)式または(2)式を用いて、体厚情報を取得する。
【0066】
なお、TOFカメラ14が距離画像を撮影するタイミング及び第2取得部62が体厚情報を取得するタイミングは、本実施形態に限定されない。例えば、ユーザによる体厚測定指示を受け付けたことをトリガーとしてTOFカメラ14が距離画像を撮影し、撮影された距離画像を第2取得部62が取得する形態としてもよい。この場合、ユーザが体厚測定指示に用いる操作部は特に限定されず、例えば、コンソール10の操作部56であってもよいし、また例えば、TOFカメラ14に設けられた測定ボタン等であってもよい。
【0067】
また、撮影メニューがコンソール10に登録されたことをトリガーとしてTOFカメラ14が距離画像を撮影し、撮影された距離画像を第2取得部62が取得する形態としてもよい。この場合、ユーザが被写体Wのポジショニングを行っている間に、距離画像の撮影等が行われるため、ポジショニングの状態に合わせてリアルタイムで、体厚の測定値をユーザに提示することができる。また、体厚の測定値に加えて、体厚の測定値に応じた撮影条件を導出してユーザに提示することができる。また、このように撮影メニューがコンソール10に登録されたことをトリガーとすることにより、ユーザによる操作の手間を要せずに体厚の測定及び第2取得部62による体厚情報の取得を行うことができる。
【0068】
また、体厚の測定値に加えて、測定した体厚と撮影部位の情報とから定まる被写体の体格を表示部58に表示する形態としてもよい。体格としては、例えば、「細」、「標準」、及び「太い」の順に太くなる3段階、「極細」、「細い」、「標準」、「太い」、及び「極太」の順に太くなる5段階等、段階で表す形態としてもよい。推定した体格をコンソール10の表示部58に表示することで、ユーザはより直感的に測定値の妥当性を判断することができる。
【0069】
次のステップS102で第1取得部60は、上述したように撮影メニューから撮影部位情報を取得する。
【0070】
次のステップS104で目標値導出部64は、上述したように上記ステップS100で取得した体厚情報が表す体厚と、ステップS102で取得した撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、管電圧kVの目標値及びmAs値の目標値を導出する。具体的には、目標値導出部64は、記憶部52に記憶されている対応関係情報のうち、撮影部位情報が表す撮影部位に応じた対応関係情報を参照し、体厚情報に応じた体厚に対応する管電圧値及びmAs値の各々を目標値として導出する。
【0071】
次のステップS106で目標値導出部64は、上記ステップS104で導出した管電圧kVの目標値を放射線照射装置12に、I/F部54を介して出力する。これにより、放射線照射装置12では、放射線Rを照射するための管電圧値が設定される。
【0072】
次のステップS108で設定値導出部66は、上記ステップS104で導出したmAs値の目標値を得るための管電流mAの設定値、及び放射線Rの照射時間msec(以下、単に「照射時間msec」という)の設定値を導出する振り分け処理を実行する。図7には、設定値導出部66により実行される振り分け処理の一例を表すフローチャートを示す。
【0073】
図7のステップS150で設定値導出部66は、焦点サイズが小焦点である場合の管電流mAの上限値を、管電流mAの初期値とする。
【0074】
次のステップS152で設定値導出部66は、mAs値の目標値から、照射時間msecの暫定値を導出する。具体的には、mAs値の目標値を管電流mAの初期値で割ることで照射時間msecの暫定値を導出する(mAs値の目標値/管電流mAの初期値=照射時間msecの暫定値)。
【0075】
次のステップS154で設定値導出部66は、照射時間msecの暫定値が閾値A以下(照射時間msecの暫定値≦閾値A)であるか否かを判定する。閾値Aは、上述した照射時間の上限値である。すなわち、設定値導出部66は、照射時間msecの暫定値が、照射時間の上限値以下であるか否かを判定する。照射時間msecの暫定値が照射時間の上限値以下である場合、ステップS154の判定が肯定判定となり、ステップS156へ移行する。
【0076】
ステップS156で設定値導出部66は、照射時間msecの暫定値を照射時間msecの設定値として放射線照射装置12に出力する。次のステップS158で設定値導出部66は、管電流mAの初期値を管電流mAの設定値として放射線照射装置12に出力した後、本振り分け処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS154において照射時間msecの暫定値が照射時間の上限値を越える場合、判定が否定判定となり、ステップS160へ移行する。ステップS160で設定値導出部66は、閾値Aを照射時間msecの暫定値とする。次のステップS162で設定値導出部66は、照射時間msecの暫定値から管電流mAの暫定値を導出する。ここで導出される管電流mAの暫定値は、焦点サイズが大焦点である場合の管電流の管電流値に対応する。
【0078】
次のステップS164で設定値導出部66は、管電流mAの暫定値が閾値B以下(管電流mAの暫定値≦閾値B)であるか否かを判定する。閾値Bは、放射線源20の管球の最大出力値を、上記ステップS104(図6参照)で導出した管電圧kVの目標値で割った値(閾値B=管球の最大出力値/管電圧kVの目標値)である。管電流mAの暫定値が閾値B以下である場合、ステップS164の判定が肯定判定となり、ステップS166へ移行する。
【0079】
ステップS166で設定値導出部66は、管電流mAの暫定値を管電流mAの設定値として、放射線照射装置12にI/F部54を介して出力する。これにより、放射線照射装置12では、放射線Rを照射するための管電流値が設定される。
【0080】
次のステップS168で設定値導出部66は、照射時間msecの暫定値を照射時間msecの設定値として、放射線照射装置12にI/F部54を介して出力した後、本振り分け処理を終了する。これにより、放射線照射装置12では、放射線Rを照射する照射時間が設定される。
【0081】
一方、ステップS164において管電流mAの暫定値が閾値Bを越える場合、ステップS164の判定が否定判定となり、ステップS170へ移行する。ステップS170で設定値導出部66は、閾値Bを管電流mAの設定値として、放射線照射装置12にI/F部54を介して出力する。これにより、放射線照射装置12では、放射線Rを照射するための管電流値が設定される。
【0082】
次のステップS172で設定値導出部66は、管電流mAの設定値から照射時間msecの設定値を導出する。具体的には、mAs値の目標値を管電流mAの設定値で割ることで照射時間msecの設定値を導出する(mAs値の目標値/管電流mAの設定値=照射時間msecの設定値)。
【0083】
次のステップS174で設定値導出部66は、上記ステップS172で導出した照射時間msecの設定値を、放射線照射装置12にI/F部54を介して出力する。これにより、放射線照射装置12では、放射線Rを照射する照射時間が設定される。
【0084】
次のステップS176で設定値導出部66は、予め定められた警告を表す情報を出力する。上記ステップS174で出力した照射時間msecの設定値は、照射時間msecの上限値を越えている。上述したように、照射時間msecの設定値は被写体の体動に応じて定められているため、上限値を超えて長時間に亘って放射線Rを照射した場合、被写体Wの体動により放射線画像がぼける可能性が高くなる。そこで、本ステップでは、被写体Wの体動により放射線画像にぼけが生じる懸念があることを警告する警告情報を出力する。なお、警告の具体的な内容、警告の出力先、及び警告方法は特に限定されない。例えば、放射線画像にぼけが生じる可能性高いことを表示部58に、可視表示及び可聴表示の少なくとも一方で表示する形態としてもよい。
【0085】
ステップS176の警告を行ったことによりユーザは、例えば、そのまま放射線画像の撮影を行ってもよい。また例えば、被写体Wの体動を懸念するのであれば、放射線照射装置12に設定されている管電圧kVを、ステップS174で出力された設定値よりも高くし、放射線Rの透過性を上げることで、必要となるmAs値、換言するとmAs値の目標値を下げてもよい。このようにしたmAs値の目標値を当初の目標値よりも下げることにより照射時間msecを、照射時間の上限値内に納めることができる。なお、この場合、管電圧kVを高くしたため、管電流mAを下げなければ、上述した放射線源20の管球の最大出力値を越えてしまう。そのため、エラーが生じる場合があるため、ユーザは、適宜、管電流mAを下げる。
【0086】
次のステップS178で設定値導出部66は、照射時間msecの設定値が閾値C以下(照射時間msecの設定値≦閾値C)であるか否かを判定する。閾値Cは、放射線照射装置12に設定されている照射時間の最大値であり、放射線検出器30において電荷を蓄積する時間の最大値である。照射時間msecの設定値が閾値C以下である場合、ステップS178の判定が肯定判定となり、図7に示した振り分け処理を終了する。
【0087】
一方、照射時間msecの設定値が閾値Cを越える場合、ステップS178の判定が否定判定となり、ステップS180へ移行する。ステップS180で設定値導出部66は、予め定められた警告を表す情報を出力した後、図7に示した振り分け処理を終了する。この場合、照射時間msecの設定値が、放射線照射装置12に設定されている照射時間の最大値を越えるため、放射線照射装置12の設定を変更する必要がある。そのため、放射線照射装置12の設定を変更する必要があることを警告する警告情報を出力する。なお、警告の具体的な内容、警告の出力先、及び警告方法は特に限定されない。例えば、放射線照射装置12の設定を変更するのに必要な情報を表示部58に、可視表示及び可聴表示の少なくとも一方で表示する形態としてもよい。
【0088】
このようにして図7に示した振り分け処理が終了すると、図6に示した設定処理が終了する。
【0089】
以上説明したように、上記各実施形態のコンソール10は、少なくとも1つのプロセッサとしてCPU50Aを備える。CPU50Aは、放射線照射装置12から照射された放射線Rにより放射線画像を撮影する被写体Wの撮影部位を表す撮影部位情報を取得する。また、CPU50Aは、被写体Wの放射線Rが透過する方向の体厚を表す体厚情報を取得する。また、CPU50Aは、取得した体厚情報が表す体厚と、取得した撮影部位情報が表す撮影部位とに基づいて、撮影部位を透過後の線量が、基準体厚における線量と同一となる放射線Rを照射するための放射線照射装置12の管電圧kV及びmAs値の目標値を導出する。また、CPU50Aは、目標値のmAs値を得るための放射線照射装置12の管電流mAの設定値、及び放射線Rの照射時間msecの設定値を、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置12の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出する。
【0090】
このように本実施形態のコンソール10の目標値導出部64は、被写体Wの体厚と撮影部位とに基づいて、撮影部位を透過後の線量が基準体厚における線量と同一となる放射線Rを照射するための管電圧kVの目標値及びmAs値の目標値を導出する。また、設定値導出部66は、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置12の管球の最大出力値に基づいて、目標値のmAs値を得るための放射線照射装置12の管電流mAの設定値、及び放射線Rの照射時間msecの設定値を導出する。
【0091】
従って本実施形態のコンソール10によれば、被写体Wの撮影部位及び体厚に応じた撮影条件を容易に設定することができる。また、本実施形態のコンソール10によれば、被写体Wの撮影部位及び体厚に応じた適切な管電圧kV及びmAs値が自動的に設定されるため、設定にかかるユーザの負荷を低減することができる。
【0092】
なお、本実施形態では、管電圧kV、管電流mA、及び照射時間msec等の撮影条件を自動的に設定する形態について説明したが、本実施形態と異なり、撮影条件の設定をユーザにより行う形態としてもよい。例えば、推定された体厚情報(あるいは体格情報)、あるいはそれから計算された撮影条件に基づいて、ユーザが妥当かを判断し、妥当であると判断した場合、ユーザがコンソール10の操作部56に含まれる設定送信ボタンを操作することにより、表示された撮影条件が放射線照射装置12にI/F部54を介して出力される。放射線照射装置12では、コンソール10から入力された、コンソール10が導出した撮影条件が設定される。一方、表示された体厚情報(あるいは体格情報)、あるいは撮影条件の変更を行う場合、例えば、ユーザは、表示された撮影条件を参考にし、所望の体厚(あるいは体格)、あるいは操作部56を用いて撮影条件を入力した後、設定送信ボタンを操作することにより、撮影条件が放射線照射装置12にI/F部54を介して出力される。放射線照射装置12では、コンソール10から入力された、ユーザにより入力された撮影条件が設定される。
【0093】
このように、コンソール10が導出した撮影条件をユーザが調整することができるようにすることで、取得した体厚情報に誤りがあった場合でも適切な撮影条件を放射線照射装置12に容易に設定することができる。
【0094】
測定した体厚値に基づいて自動的に撮影条件を設定する場合は、被写体Wの体厚または体格の推定が間違っていた場合、ユーザは手動で放射線照射装置12に設定された撮影条件を修正しなければならない。一方、体厚または体格の推定が正しいか否かをユーザが判断する場合は、推定が間違っていた場合でも、放射線照射装置12に設定された撮影条件の修正が不要であり、適切な体厚または体格をコンソール10においてユーザが指定して設定送信ボタンを操作するだけでよい。
【0095】
また、被写体Wの体厚あるいは体格が標準的な体格である場合、既に放射線照射装置12に設定されているデフォルトの撮影条件、例えば、体厚を基準体厚とした撮影部位のデフォルトの撮影条件を適用することができるため、撮影条件を変更する必要がない。そのため、上記設定送信ボタンの操作は不要である。例えば、コンソール10が撮影条件を表示部58に表示した後、所定の時間が経過してもユーザにより設定送信ボタンが操作されなかった場合、放射線照射装置12は、設定されているデフォルトの撮影条件を適用すればよい。
【0096】
なお、本実施形態では、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置12の管球の最大出力値の全てに基づいて管電流mAの設定値及び照射時間msecの設定値を導出する形態について説明したが、本実施形態に限定されない。管電流mAの設定値及び照射時間msecの設定値は、照射時間の上限値、焦点サイズに応じた管電流、及び放射線照射装置12の管球の最大出力値の少なくとも1つに基づいて導出すればよく、例えば、これらのうちから最も優先順位が高いものに基づいて導出する形態としてもよい。
【0097】
なお、本実施形態では、コンソール10が被写体Wの体厚を取得する方法としてTOFカメラ14により撮影された距離画像を用いる方法について説明したが、本方法に限定されない。例えば、図8に示すように、TOFカメラ14に代えて体厚測定器15を用いて体厚を取得してもよい。
【0098】
例えば、体厚測定器15が、TOFカメラ以外の距離画像を撮影する撮影装置であってもよい。このような距離画像を撮影する撮影装置としては、例えば、パターンがついた赤外光を撮影対象に照射し、撮影対象からの反射光に応じた距離画像を撮影する撮影装置を用い、Structured Light方式を適用して距離画像を撮影する形態としてもよい。また、例えば、距離画像に写り込んでいるエッジ領域のボケ具合を基に距離を復元するDFD(Depth from Defocus)方式を適用した形態としてもよい。この形態の場合、例えば、カラー開口フィルタを用いて単眼のカメラで撮影した距離画像を用いる形態が知られている。
【0099】
また、体厚測定器15としては、例えば、測定対象物に出射した超音波またはレーザ光等により測定対象物までの距離を測定する測定器が挙げられる。この場合、第2取得部62は、体厚測定器15からSTD及びSSDの測定結果を取得し、上記(1)式により体厚tを導出する。もしくは、第2取得部62は、体厚測定器15から取得したSSDの測定結果とSID及びTIDとを用いて、上記(2)式により体厚tを導出する。
【0100】
また例えば、体厚測定器15としては、ノギスや物差し等であってもよい。この場合、例えば、ユーザが被写体Wの体厚の測定を行い、測定結果をコンソール10の操作部56を用いて入力する形態としてもよい。またこの場合のノギスや物差し等が、測定結果を無線または有線により送信する送信機能を有する場合、送信機能によりユーザが測定した測定結果を、体厚測定器15からコンソール10に送信する形態としてもよい。
【0101】
また例えば、体厚測定器15としては、可視光カメラであってもよい。可視光カメラとは、いわゆる一般的なカメラであり、可視光画像を撮影するカメラである。具体的には、可視光カメラとは、撮影対象によって反射した可視光を撮像素子が受光し、受光した可視光に基づいて可視光画像を撮影するカメラである。この場合、体厚測定器15である可視光カメラは、例えば、被写体W及び撮影台32の側面(図4のx方向)から被写体W及び撮影台32の可視光画像を撮影する。第2取得部62は、体厚測定器15から取得した可視光画像を画像解析し、被写体Wの体厚を導出する形態としてもよい。
【0102】
なお、上記各実施形態では、放射線画像撮影システム1として、コンソール10、放射線照射装置12、及び放射線画像撮影装置16が据置型のシステムである形態について説明したが、放射線画像撮影システム1のシステムは本形態に限定されない。例えば、放射線画像撮影システム1として、モバイルカート、すなわち回診車を用いた形態であってもよい。
【0103】
また、上記各実施形態では、コンソール10が本開示の設定装置の一例である形態について説明したが、コンソール10以外の装置が本開示の設定装置の機能を備えていてもよい。換言すると、第1取得部60、第2取得部62、目標値導出部64、及び設定値導出部66の機能の一部または全部をコンソール10以外の、例えば放射線照射装置12または放射線画像撮影装置16や、外部の装置が備えていてもよい。
【0104】
また、上記各実施形態において、例えば、第1取得部60、第2取得部62、目標値導出部64、及び設定値導出部66といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0105】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0106】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0107】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0108】
また、上記各実施形態では、設定プログラム51が記憶部52に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。設定プログラム51は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、設定プログラム51は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
2020年9月25日出願の日本国特許出願2020-161413号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 放射線画像撮影システム
10 コンソール
12 放射線照射装置
14 TOFカメラ
15 体厚測定器
16 放射線画像撮影装置
20 放射線源
21A、31A 制御部、21B、31B 記憶部、21C、31C I/F部
22 焦点
24 コリメータ
28 撮像素子
30 放射線検出器、30A 検出面
32 撮影台、32A 撮影面
36 基台
50 制御部、50A CPU、50B ROM、50C RAM
51 設定プログラム
52 記憶部
53 照射時間上限値情報
54 I/F部
56 操作部
58 表示部
59 バス
60 第1取得部
62 第2取得部
64 目標値導出部
66 設定値導出部
R 放射線
t 体厚
W 被写体
図1
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図3
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図8