(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-08
(45)【発行日】2024-11-18
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバのためのガスボックス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241111BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20241111BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2023524752
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 US2021055459
(87)【国際公開番号】W WO2022086869
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-06-19
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラジーブ, ラフル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ユンチェ
(72)【発明者】
【氏名】カングデ, アビジット エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ, ケダール
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-177428(JP,A)
【文献】特開2008-244140(JP,A)
【文献】特開2007-173848(JP,A)
【文献】国際公開第2019/126198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有する第1のプレートであって、
前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる中央開孔を画定し、
前記第2の表面に環状凹部を画定し、
前記第1の表面から前記第2の表面の環状凹部まで延びる複数の開孔を画定する、前記第1のプレートと、
環状の形状によって特徴付けられる第2のプレートであって、前記環状凹部において前記第1のプレートと連結され、前記第1のプレート内に第1のプレナムを画定する、前記第2のプレートと
を含む、半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項2】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートの前記第1の表面内に凹型チャネルをさらに画定し、前記凹型チャネルは前記中央開孔の周りに延びている、請求項1に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項3】
前記凹型チャネルが、第1の位置から、前記第1のプレートの前記第1の表面から延びる前記複数の開孔に流体的にアクセスする複数の第2の位置まで延びている、請求項2に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項4】
前記凹型チャネルを覆い、前記第1のプレート内に第2のプレナムを形成するカバープレートをさらに含む、請求項3に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項5】
前記第2の表面に画定された前記環状凹部が段付き凹部を含み、前記第2のプレートは前記環状凹部の段付きフィーチャと連結されている、請求項1に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項6】
前記第2のプレートが、前記第1のプレナムからの流体アクセスを提供する複数の出口開孔を画定している、請求項1に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項7】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートを貫通して前記中央開孔の周りに延びる環状チャネルをさらに画定している、請求項1に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項8】
前記第1のプレートが、前記環状チャネルから前記半導体処理チャンバガスボックスの外縁まで延びる複数の横方向チャネルをさらに画定している、請求項7に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項9】
前記
複数の横方向チャネルが、前記第1のプレートを貫通して延びている前記複数の開孔のいずれの開孔とも交差していない、請求項
8に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項10】
前記第1のプレートが、前記
複数の横方向チャネルから前記半導体処理チャンバガスボックスの前記第2の表面を貫通して延びている複数のバイパス開孔をさらに画定している、請求項
8に記載の半導体処理チャンバガスボックス。
【請求項11】
複数の流体の
半導体処理チャンバへの流体アクセスを提供するマニホールドと、
第1の表面と、前記第1の表面の反対側の第2の表面とを有する第1のプレートであって、
前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる中央開孔を画定し、
前記第2の表面に環状凹部を画定し、
前記第1の表面から前記第2の表面の環状凹部まで延びる複数の開孔を画定する
前記第1のプレート、及び
環状の形状によって特徴付けられる第2のプレートであって、前記環状凹部において前記第1のプレートと連結され、前記第1のプレート内に第1のプレナムを画定する、前記第2のプレート
を含むガスボックスと、
を含む、半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記マニホールドが、第1の流体供給チャネルに連結された内部ゾーンを含む、請求項11に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記マニホールドが、前記内部ゾーンの周りに延び、前記内部ゾーンから流体的に隔離された外部ゾーンを含み
、前記外部ゾーンが、第2の流体供給チャネルと連結されている、請求項12に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートを貫通する前記中央開孔の周りに延び、前記マニホールドの前記外部ゾーンと流体的に連結している環状チャネルをさらに画定している、請求項13に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
前記第1のプレートが、前記第1のプレートの前記第1の表面内に凹型チャネルをさらに画定し、前記凹型チャネルは前記中央開孔の周りに延びている、請求項11に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項16】
前記凹型チャネルが、第1の位置から、前記第1のプレートの前記第1の表面から延びる前記複数の開孔に流体的にアクセスする複数の第2の位置まで延びている、請求項15に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項17】
前記凹型チャネルを覆い、前記第1のプレート内に第2のプレナムを形成するカバープレートをさらに含む、請求項16に記載の半導体処理チャン
バ。
【請求項18】
基板支持体、及び
前記ガスボックスと前記基板支持体との間に位置決めされているブロッカプレート
をさらに含む、請求項11に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項19】
第1の領域が、前記ガスボックスと前記ブロッカプレートとの間に画定され、前記第1の領域は前記中央開孔及び複数の周辺開孔から流体的にアクセス可能である、請求項18に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項20】
面板をさらに含み、
前記面板は、前記ブロッカプレートと前記基板支持体との間に位置決めされ、
第2の領域は前記ブロッカプレートと前記面板との間に画定されており、
前記第2の領域は、前記ガスボックスを通って延びる横方向チャネルから流体的にアクセス可能である、請求項19に記載の半導体処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年10月22日に出願され“GASBOX FOR SEMICONDUCTOR PROCESSING CHAMBER”と題された米国非仮出願第17/077,674号の利益及び優先権を主張し、その内容はすべての目的に関し、その全体を参照によりここに援用するものとする。
【0002】
技術分野
[0002]本技術は、半導体製造のための部品及び装置に関する。より詳細には、本技術は、処理チャンバ分配構成要素及び他の半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003]集積回路は、基板表面に複雑にパターン化された材料層を生成する処理によって可能になる。基板上にパターン化された材料を製造するには、材料を形成及び除去するための制御された方法が必要である。チャンバ部品は、多くの場合、膜の堆積や材料の除去のために処理ガスを基板に供給する。対称性と均一性を促進するために、多くのチャンバ構成要素は、均一性を高める方法で材料を提供するために、開孔などのフィーチャの規則的なパターンを含む場合がある。しかしながら、これにより、オン-ウエハ調整用に方策を調整する機能が制限される場合がある。
【0004】
[0004]したがって、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用できる改善されたシステム及び方法が必要である。これら及び他のニーズは、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]例示的な半導体処理チャンバは、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1のプレートを含むガスボックスを含むことができる。ガスボックスの第1のプレートは、第1の表面から第2の表面まで延びる中央開孔を画定することができる。第1のプレートは、第2の表面に環状凹部を画定することができる。第1のプレートは、第1の表面から第2の表面の環状凹部まで延びる複数の開孔を画定することができる。ガスボックスは、環状の形状を特徴とする第2のプレートを含むことができる。第2のプレートは、環状凹部において第1のプレートと連結されて、第1のプレート内に第1のプレナムを画定することができる。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、第1のプレートは、第1のプレートの第1の表面内に凹型チャネルをさらに画定する。凹型チャネルは、中央開孔の周りに延びることができる。凹型チャネルは、第1の位置から、第1のプレートの第1の表面から延びる複数の開孔に流体的にアクセスする複数の第2の位置まで延びることができる。ガスボックスは、凹型チャネルを覆い、第1のプレート内に第2のプレナムを形成するカバープレートをさらに含むことができる。第2の表面に画定される環状凹部は、段付き凹部を含むことができる。第2のプレートは、環状凹部の段付きフィーチャと連結することができる。第2のプレートは、第1のプレナムからの流体アクセスを提供する複数の出口開孔を画定することができる。第1のプレートは、第1のプレートを貫通して中央開孔の周りに延びる環状チャネルを画定することができる。第1のプレートは、環状チャネルから半導体処理チャンバのガスボックスの外縁まで延びる複数の横方向チャネルを画定することができる。横方向チャネルは、第1のプレートを貫通して延びる複数の開孔のいずれの開孔とも交差しなくてもよい。第1のプレートは、横方向チャネルから半導体処理チャンバのガスボックスの第2の表面を貫通して延びる複数のバイパス開孔を画定することができる。
【0007】
[0007]本技術のいくつかの実施形態は、複数の流体のためのチャンバへの流体アクセスを提供するマニホールドを含む半導体処理チャンバを包含し得る。チャンバは、第1の表面及び第1の表面の反対側の第2の表面を有する第1のプレートを含むガスボックスを含むことができる。第1のプレートは、第1の表面から前記第2の表面まで延びる中央開孔を画定することができる。第1のプレートは、第2の表面に環状凹部を画定することができる。第1のプレートは、第1の表面から第2の表面の環状凹部まで延びる複数の開孔を画定することができる。ガスボックスは、環状の形状を特徴とする第2のプレートを含むことができる。第2のプレートは、環状凹部において第1のプレートと結合されて、第1のプレート内に第1のプレナムを画定することができる。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、マニホールドは、第1の流体供給チャネルと連結された内部ゾーンを含むことができる。マニホールドは、内部ゾーンの周囲に延在し、内部ゾーンから流体的に隔離された外部ゾーンを含むことができる。外部ゾーンは、第2の流体供給チャネルと連結され得る。第1のプレートは、第1のプレートを貫通して中央開孔の周りに延びる環状チャネルを画定することができる。環状チャネルは、マニホールドの外部ゾーンと流体的に連結され得る。第1のプレートは、第1のプレートの第1の表面内に凹型チャネルを画定することができる。凹型チャネルは、中央開孔の周りに延びることができる。凹型チャネルは、第1の位置から、第1のプレートの第1の表面から延びる複数の開孔に流体的にアクセスする複数の第2の位置まで延びることができる。チャンバは、凹型チャネルを覆い、第1のプレート内に第2のプレナムを形成するカバープレートを含むことができる。システムは、基板支持体を含むことができる。システムは、ガスボックスと基板支持体との間に位置決めされたブロッカプレートを含むことができる。第1の領域は、ガスボックスとブロッカプレートとの間に画定することができる。第1の領域は、中央開孔及び複数の周辺開孔から流体的にアクセスすることができる。システムは面板を含むことができ、面板は、ブロッカプレートと基板支持体との間に位置決めすることができる。第2の領域は前記ブロッカプレートと前記面板との間に画定することができる。第2の領域は、前記ガスボックスを貫通して延びる横方向チャネルから流体的にアクセスすることができる。
【0009】
[0009]このような技術は、従来のシステムや技術に比べて多くの利点を提供する可能性がある。例えば、本技術の実施形態は、基板の内側領域及び外側領域にわたる前駆体の制御された希釈及び分布を可能にすることができる。さらに、チャンバ及び構成要素は、様々な比率の前駆体及び不活性ガスを基板の内側領域及び外側領域に提供するのを可能にすることができる。これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴の多くと共に、以下の説明及び添付の図と併せてより詳細に説明される。
【0010】
[0010]開示された技術の性質及び利点の更なる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの上面図を示す。
【
図2】[0012]本技術のいくつかの実施形態による例示的なプラズマシステムの概略断面図を示す。
【
図3】[0013]本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理チャンバの概略部分断面図を示している。
【
図4】[0014]本技術のいくつかの実施形態による例示的なガスボックスの概略上面平面図を示している。
【
図5A-5B】[0015]
図5のAとBは、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板の概略部分断面図を示している。
【
図6】[0016]本技術のいくつかの実施形態による例示的なガスボックスプレートの概略図を示している。
【
図7】[0017]本技術のいくつかの実施形態による例示的な出力マニホールド700の概略部分斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0018]図のいくつかは概略図として含まれている。これらの図は説明を目的としたものであり、特に縮尺であると述べられていない限り、縮尺であると見なされるべきではないことを理解されたい。さらに、概略図として、図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含むとは限らず、説明のために誇張された資料を含む場合がある。
【0013】
[0019]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴部には同じ参照ラベルが付いている場合がある。さらに、同種の様々な構成要素は、類似の構成要素を区別する文字で参照符号をたどることによって区別され得る。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合、説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0014】
[0020]プラズマ強化堆積プロセスは、基板上での膜形成を容易にするために、1つ又は複数の構成前駆体にエネルギーを与えることができる。導電性及び誘電性フィルム、並びに材料の移送及び除去を容易にするフィルムを含む、半導体構造を開発するための、任意の数の材料フィルムを製造することができる。例えば、ハードマスクフィルムは、他の方法で維持される下にある材料を保護しながら、基板のパターン化を容易にするために形成することができる。多くの処理チャンバでは、いくつかの前駆体がガスパネル内で混合され、基板が配置され得るチャンバの処理領域に供給され得る。前駆体は、チャンバ内の1つ又は複数の構成要素を通して分配することができ、これは、放射状又は横方向の均一な供給が生じ、基板表面での形成又は除去が増加する可能性がある。
【0015】
[0021]デバイスフィーチャのサイズが縮小すると、基板表面全体の公差が減少する可能性があり、膜全体の材料特性の違いがデバイスの実現と均一性に影響を与える可能性がある。多くのチャンバは、基板全体に不均一性をもたらす可能性のある特徴的な処理シグネチャを含む。温度差、流量パターンの均一性、その他の処理の態様が基板上の膜に影響を与える可能性があり、膜特性の違いだけでなく、生成又は除去される材料の基板全体にわたる違いも生ずる。面内歪みの問題及びその他の膜特性の問題など、基板の様々な領域で処理を調整することは、均一な供給チャンバの構成要素では改善するのが難しい場合があり、従来の技術の多くは利用可能な調整が限られる、又は特殊な構成要素の製造が必要な場合がある。
【0016】
[0022]本技術は、供給調整を容易にすることができる、前駆体や不活性物質を利用した希釈などにより前駆体の供給を増加又は減少させることができるか、又は追加の前駆体の含有又は調整に基づいて膜の材料を調整する手段を提供することができる、1つ又は複数のチャンバ構成要素を利用することによって、これらの課題を克服する。したがって、改善された膜形成及び除去、並びに改善された膜特性をもたらすことができる。
【0017】
[0023]残りの開示は、開示された技術を利用する特定の堆積処理をルーティン的に特定するが、システム及び方法は、他の堆積及び洗浄チャンバ、並びに記載されたチャンバで起こり得る処理に等しく適用可能であることは容易に理解されるであろう。したがって、この技術は、これらの特定の堆積処理又はチャンバのみで使用するために制限されていると見なされるべきではない。本開示は、本技術の実施形態によるこのシステムへの追加の変形及び調整が説明される前に、本技術の実施形態による蓋スタック部品を含み得る1つの可能なシステム及びチャンバについて論じる。
【0018】
[0024]
図1は、実施形態による堆積、エッチング、焼成、及び硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の平面図を示す。図では、一対の前部開孔統合ポッド102は、ロボットアーム104によって受け取られ、基板処理チャンバ108a~fの1つに置かれ、タンデムセクション109a~cに位置決めされる前に低圧の保持領域106に置かれる様々なサイズの基板を供給する。第2のロボットアーム110を使用して、保持領域106から基板処理チャンバ108a~fへ基板ウエハを搬送し、戻すことができる。各基板処理チャンバ108a~fは、プラズマ強化化学気相堆積、原子層堆積、物理的気相堆積、エッチング、前洗浄、脱ガス、配向、及びアニーリング、アッシングなどを含むその他の基板処理に加えて、多数の基板処理操作を実行するよう装備することができる。
【0019】
[0025]基板処理チャンバ108a~fは、基板上の誘電体又は他の膜を堆積、アニーリング、硬化及び/又はエッチングするための1つ又は複数のシステム構成要素を含むことができる。1つの構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~d及び108e~fは、基板上に誘電体材料を堆積するのに使用することができ、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~bは、堆積された誘電体をエッチングするのに使用することができる。別の構成では、チャンバの3つの対すべて、例えば108a~fは、基板上に交互誘電体膜のスタックを堆積するように構成することができる。記載されたプロセスの任意の1つ又は複数は、異なる実施形態に示される製造システムから分離されたチャンバ内で実行され得る。誘電体膜のための堆積、エッチング、アニーリング、及び硬化チャンバの追加の構成が、システム100によって企図されることを理解されたい。
【0020】
[0026]
図2は、本技術のいくつかの実施形態による例示的なプラズマシステム200の概略断面図を示す。プラズマシステム200は、上述のタンデムセクション109の1つ又は複数に適合させることができ、本技術の実施形態による基板支持アセンブリを含むことができる一対の処理チャンバ108を示すことができる。プラズマシステム200は、一般に、一対の処理領域220A及び220Bを画定する側壁212、底壁216、及び内部側壁201を有するチャンバ本体202を含むことができる。処理領域220A~220Bの各々は、同様に構成することができ、同一の構成要素を含むことができる。
【0021】
[0027]例えば、処理領域220Bは、その構成要素が処理領域220Aに含まれてもよく、プラズマシステム200の底壁216に形成された通路222を通って処理領域に配置されたペデスタル228を含んでもよい。ペデスタル228は、本体部分などのペデスタルの露出面上で基板229を支持するように適合されたヒータを提供することができる。ペデスタル228は、所望の処理温度で基板温度を加熱及び制御することができる、例えば抵抗加熱要素などの加熱要素232を含むことができる。ペデスタル228はまた、ランプアセンブリなどの遠隔加熱要素又は任意の他の加熱装置によって加熱されてもよい。
【0022】
[0028]ペデスタル228の本体は、フランジ233によってステム226に結合することができる。ステム226は、ペデスタル228を電力アウトレット又は電力ボックス203と電気的に結合することができる。電力ボックス203は、処理領域220B内のペデスタル228の上昇及び移動を制御する駆動システムを含むことができる。ステム226はまた、ペデスタル228に電力を供給するための電力インターフェースを含んでもよい。電源ボックス203は、熱電対インターフェースなどの電力及び温度インジケータ用のインターフェースを含むこともできる。ステム226は、電源ボックス203と取り外し可能に連結するように適合されたベースアセンブリ238を含み得る。電力ボックス203の上に円周リング235が示されている。いくつかの実施形態では、円周リング235は、ベースアセンブリ238と電力ボックス203の上面との間の機械的インターフェースを提供するように構成された機械的ストップ又はランドとして適合されたショルダーであってもよい。
【0023】
[0029]ロッド230は、処理領域220Bの底壁216に形成された通路224を通って含まれてもよく、ペデスタル228の本体を通って配置された基板リフトピン261を位置決めするのに利用することもできる。基板リフトピン261は、基板229をペデスタルから選択的に離して、基板移送ポート260を通して基板229を処理領域220Bに出し入れするために利用されるロボットとの基板229の交換を容易にすることができる。
【0024】
[0030]チャンバ蓋204は、チャンバ本体202の頂部と連結され得る。蓋204は、それに連結された1つ又は複数の前駆体分配システム208を収容することができる。前駆体分配システム208は、デュアルチャネルシャワーヘッド218を介して処理領域220B内に反応物及び洗浄前駆体を送達することができる前駆体入口通路240を含むことができる。デュアルチャネルシャワーヘッド218は、面板246の中間に配置されたブロッカプレート244を有する環状ベースプレート248を含むことができる。無線周波数(「RF」)源265は、デュアルチャネルシャワーヘッド218と連結することができ、これは、デュアルチャネルシャワーヘッド218の面板246とペデスタル228との間のプラズマ領域の生成を促進するために、デュアルチャネルシャワーヘッド218に電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、RF源は、ペデスタル228などのチャンバ本体202の他の部分と結合して、プラズマ生成を容易にすることができる。蓋204にRF電力が伝導するのを防止するために、蓋204とデュアルチャネルシャワーヘッド218との間に誘電アイソレータ258を配置することができる。シャドウリング206は、ペデスタル228と係合するペデスタル228の周囲に配置することができる。
【0025】
[0031]操作中に環状ベースプレート248を冷却するために、任意選択の冷却チャネル247を前駆体分配システム208の環状ベースプレート248に形成することができる。ベースプレート248を所定の温度に維持できるように、水、エチレングリコール、ガスなどの熱伝達流体を冷却チャネル247を通して循環させることができる。処理領域220B内の処理環境への側壁201、212の露出を防止するために、チャンバ本体202の側壁201、212に近接して処理領域220B内にライナーアセンブリ227を配置することができる。ライナーアセンブリ227は、処理領域220Bからガス及び副生成物を排出し、処理領域220B内の圧力を制御するように構成されたポンピングシステム264に連結され得る円周ポンピングキャビティ225を含み得る。ライナーアセンブリ227上に複数の排気ポート231を形成することができる。排気ポート231は、システム200内での処理を促進する方法で、処理領域220Bから円周ポンピングキャビティ225へのガスの流れを可能にするように構成され得る。
【0026】
[0032]
図3は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な半導体処理チャンバ300の概略部分断面図を示している。
図3は、
図2に関して上で論じられた1つ又は複数の構成要素を含み得、そのチャンバに関連する更なる詳細を示し得る。チャンバ300は、いくつかの実施形態で前述したシステム200の任意のフィーチャ又は態様を含むと理解される。チャンバ300は、前述のハードマスク材料の堆積、並びに他の堆積、除去、及び洗浄操作を含む半導体処理操作を実行するために使用することができる。チャンバ300は、半導体処理システムの処理領域の部分図を示すことができ、前述したような遠隔プラズマユニットなどの構成要素のすべてを含まなくてもよく、チャンバ300のいくつかの実施形態に組み込まれることが理解される。
【0027】
[0033]前述のように、
図3は、処理チャンバ300の一部を示し得る。チャンバ300は、例えば基板306が基板支持体又はペデスタル310上に位置決めすることができる処理領域305への、処理チャンバを通した材料の供給又は分配を容易にすることができる、多数の蓋スタック構成要素を含むことができる。チャンバ蓋プレートは、蓋スタックの1つ又は複数のプレートにわたって延在することができ、システム200について前述した遠隔プラズマユニットなどの構成要素に構造的支持を提供することができる。蓋プレートは、例えば開孔を通って処理チャンバ300の内部領域へのアクセスを提供することができる。出力マニホールド320は、ガスボックス上に位置決めされるか、ガスボックスに関連付けられてもよく、遠隔プラズマユニットとの連結を提供することができ、これは、チャンバの洗浄又は他の処理操作の前駆体又はプラズマ放出物を提供することができる。出力マニホールド320は、チャンバ又は出力マニホールドの中心軸の周りに延びる中央開孔322を画定することができる。さらに、別個のバイパス317が含まれてもよく、いくつかの実施形態では、RPSからの洗浄ガス又は流れへのアクセスを提供し得る。処理チャンバ300はまた、ガスボックス325を含むことができ、その上に1つ又は複数の構成要素を位置決めすることができる。
【0028】
[0034]ガスボックス325は、第1の表面331と、第1の表面の反対側にあってよい第2の表面332とを有する第1のプレート330によって特徴付けることができる。ガスボックスの第1のプレートは、ガスボックスを通って第1の表面から第2の表面まで完全に延びる中央開孔333を画定することができる。中央開孔333は、出力マニホールド320の中央開孔と軸方向に整列させることができ、チャンバへの流体経路を提供する絶縁体又は任意の他の構成要素の中央開孔と軸方向に整列させることができる。開孔は、出力マニホールド上に位置決めされた遠隔プラズマユニットから前駆体又はプラズマ放出物を供給するために少なくとも部分的に使用され得るチャネルを画定し得る。第1のプレート330はまた、ガスボックスの第2の表面に環状凹部335を画定することもできる。いくつかの実施形態では、凹部は、図示されているように段付き凹部であってもよく、これにより、凹部内で画定されたレッジ上に据え付けることができる第2のプレート340の連結を可能にすることができる。この連結は、ガスボックスの第1のプレート内に第1のプレナムを生成することができ、この第1のプレナムは、処理チャンバ内への材料の均一な分配を可能にする環状プレナムとすることができる。
【0029】
[0035]ガスボックスの第1プレートは、第1プレートの第1表面から第1プレートの第2表面の環状凹部まで延びる複数の開孔337を画定することもできる。以下に説明するように、開孔は、チャンバ内に供給される前駆体又は不活性ガスのための追加の流体経路を提供することができる。第1のプレート330は、第1のプレートの第1の表面内に凹型チャネル342を画定することもできる。以下でさらに説明するように、凹型チャネル342は、本技術のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の方法で中央開孔333の周りに延在させることができる。いくつかの実施形態では、ガスボックスは、凹型チャネル342を覆うカバープレート344を含んでもよく、これにより、第1のプレート内に第2のプレナムを作り出すことができる。カバープレート344は、チャネル内に据え付けることができるように形成することができ、凹型チャネルのレッジ又はフィーチャ上に溶接又は接着することができ、これにより、以下でさらに説明するように、単一の入口位置で第2プレナムを密閉するのが可能となり、これは、複数の開孔を通るなど、複数の出口位置を有することができる。第1のプレナムは、プレートを通って延びる開孔337を介して第2のプレナムと流体的にアクセス可能であることができる。第1のプレート330はまた、第1のプレートを通って中央開孔の周りに延びる環状チャネル346を画定することもできる。
【0030】
[0036]半導体処理チャンバ300はまた、いくつかの実施形態では、ブロッカプレート350及び面板355などの追加の構成要素を含んでもよい。ブロッカプレート350は、供給の均一性を改善するために半径方向の拡散を増大させるチョークとして機能し得る多数の開孔を画定することができる。ブロッカプレート350は、ガスボックスの中央開孔に供給される前駆体とガスボックスのプレナムを通して供給される前駆体が混合する蓋スタックを通る第1の位置であってもよい。図示のように、ガスボックス325とブロッカプレート350との間に領域352を形成又は画定することができる。領域352は、中央開孔333と、第2プレート340に画定され、第1プレートのプレナム又は環状凹部335からの流体アクセスを提供し得る複数の出口開孔との両方から流体アクセス可能であり得る。次いで、ゾーン内に供給された前駆体は、蓋スタックを通過し続ける前に、少なくとも部分的に混合又は重なり得る。基板表面に接触させる前にある量の混合を可能にすることにより、ある量の重なりが提供されてもよく、それによって基板でのより滑らかな移行が生じ、膜又は基板表面上に界面が形成されるのを制限することができる。次いで、面板355は、面板によって上から少なくとも部分的に画定することができる処理領域に前駆体を供給することができる。面板355は、ガスボックスと面板との間に外部ゾーンを画定することもでき、これにより、以下に説明するように、ガスボックス内の横方向チャネルが、洗浄作業などのための物質を該ゾーンに供給することができるようになる。
【0031】
[0037]環状チャネルを通る追加の前駆体流路を提供するには、操作を容易にするために追加の構成要素を組み込むこともできる。例えば、接続構成要素をガスボックスから隔離するためにアイソレータを含めることができる。ガスボックス325は、プラズマ発生電極として利用できる面板355と電気的に連結させることができる。いくつかの実施形態では、蓋スタックの構成要素は、高温電極などのプラズマ発生電極として動作することができる。したがって、電気的に接地されている可能性のある供給構成要素は、ガスボックスから関連する構成要素を切り離すアイソレータの恩恵を受けることができる。アイソレーションバルブもシステムに含めることができ、ガスパネルからの配管とチャンバとの間に含めることもできる。バルブは、追加の流体が環状チャネルを通って処理領域に流入しない可能性がある処理操作中に、材料が流体ラインに逆流するのを防止することができる。
【0032】
[0038]
図4を参照すると、本技術のいくつかの実施形態による例示的なガスボックス400の概略上面図が示されている。ガスボックス400は、
図3に示すガスボックス325の一例であり、上述の第1のプレートの上面図を示すなど、そのガスボックスの任意のフィーチャ、構成要素、又は特徴を含み得る。ガスボックス400は、チャンバ内に流体がアクセスできるようにガスボックス全体を通って延びる中央開孔410を画定することができる。第2の供給位置415は、凹型チャネル420への流体アクセスを提供するように画定することができ、これは、プレナムを形成するために上記で説明したカバープレートを含むことができ、ガスボックス上の多数の半径方向外側の位置、又は図示されているガスボックスの第1のプレートへの流体アクセスを提供することができる。開孔412の位置は、ガスボックスを通ってガスボックスの第1のプレートの第2の表面とガスボックスの第2のプレートとの間に形成されたプレナム内に延びる複数の開孔への流体アクセスを提供することができる。前述したように、いくつかの実施形態では、単一の入口開孔を使用して、ガスボックスの第1の表面405内に形成された凹型チャネルに1つ又は複数の前駆体を分配することができる。環状チャネル425も中央開孔の周りに延びるガスボックス内に形成することができ、以下でさらに説明するように追加の流体又は材料をチャンバ内に提供することができる。いくつかの実施形態では、追加のフローフィーチャがガスボックス内に形成されてもよく、これにより、前駆体が環状チャネル内に供給できる場所の数を増加することができる。図示された例示的な構成は、複数の開孔に前駆体を供給する前に1つ又は複数の前駆体を分配するための任意のタイプの再帰流路、あるいは外側に延びる流路に限定することを意図するものではなく、いかなる数の修正も同様に本技術に包含されることを理解されたい。
【0033】
[0039]図示された凹型チャネルは、供給される前駆体のためのコンダクタンス経路の包括的な一例を示すことができ、前述したように、再帰流路を示すことができ、複数の開孔まで半径方向外側に延在してもよいか、又は制御されたパターンで延在して、第1のプレナム内への複数の供給位置に前駆体を放射状に分配することができる。例えば、第1のプレートの第1の表面405上に、第1の凹型チャネル420を画定することができる。マニホールドを通る開孔、及び凹型チャネル上のカバープレートを通る開孔は、位置415でチャネルの中央又は中点付近の凹型チャネル420にアクセスすることができ、これにより、供給された前駆体がチャネルに沿って二方向に移動するのを可能にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、凹型チャネル420は、板又はガスボックス内に画定された双方向チャネルであることができ、これは、前駆体が板に供給される位置から半径方向又は横方向外側の2つの方向に供給される前駆体を分配することができる。
【0034】
[0040]凹型チャネル420は、2つ以上の遠位端まで延びることができ、図示されるように、一実施形態では、それぞれが追加の双方向チャネルにアクセスすることができるが、チャネルは、ガスボックスを通る複数の開孔へのアクセスを提供する第3の双方向チャネルを含む、より多くの又はより少ないチャネルに延在することができる。図示されるように、第1の凹型チャネル420の第1の遠位端における分布は、図示されるように第2の双方向チャネルであってもよい2つの第2の凹型チャネル422へのアクセスを提供し得る。さらに、第2の凹型チャネル422の遠位端における分布は、図示されるような第3の双方向チャネルであってもよい第3の凹型チャネル424のセットへのアクセスを提供することができる。4つのそのような追加チャネルが示されているが、本技術の実施形態では、2、3、4、6、8、又はそれ以上のチャネルなど、任意の数のチャネルが含まれてもよいことを理解されたい。
【0035】
[0041]第2及び第3のチャネルは、同様の又は異なる構成を有してもよく、また、様々な実施形態において放射状又は横方向のチャネルであってもよい。第2の凹型チャネル422及び第3の凹型チャネル424はそれぞれ、前のチャネルがチャネルに接続する、前の凹型チャネルからの供給をチャネルが受け取る中間点から分配することができる。図示されているように、第3の凹型チャネルの2つの遠位端には、開孔412が画定されることができ、これは、前述したようにガスボックスを通して画定された複数の開孔のうちの1つの開孔であってもよく、前述したように、第2の表面でガスボックス内に画定された第1のプレナムへの流体アクセスを提供することができる。より均一な供給を提供するために、任意の数の開孔を画定することができる。開孔は、凹型チャネルの反対側の遠位端の開孔と整列して示されているが、いくつかの実施形態では、開孔412は、異なる半径方向位置でオフセットされていてもよい。本技術の蓋スタック又は構成要素を通る追加の前駆体供給経路を含めることにより、多くの処理の改善が可能になる可能性がある。ウエハの膜厚均一性、材料組成、膜特性をさらに調整して、処理を改善し、面内又はその他の歪みを制限し、基板全体の膜特性を制御することができる。
【0036】
[0042]
図5A及び
図5Bは、本技術のいくつかの実施形態による例示的なガスボックス400の概略部分断面図を示しており、
図4に示すガスボックス400の線A及び線Bに沿った断面図をそれぞれ示すことができる。上で説明したように、ガスボックス400は、前述した任意のチャンバ内に含めることができ、前述した任意のフィーチャ、構成要素、又は特性を含むことができる。例えば、
図5Aに示されるガスボックス400は、前述したように多くのフィーチャを画定することができる第1のプレート505を含むことができる。ガスボックスは、ガスボックスの第1のプレートの第1の表面405から第2の表面507まで延びる中央開孔410を画定することができ、図示のように、第2のプレート510が第1のプレート505内に凹んでいてもよいことから、いくつかの実施形態では、これがガスボックスの全高を画定することができる。第1のプレート505は、中央開孔の周りに延びる環状チャネル425を画定することができ、以下に説明する追加の流路を提供することができる。さらに、凹型チャネル520から第1プレナム525への流体アクセスを提供するために、第1プレートを貫通して複数の開孔515を画定することができる。図示されているように、第1のプレート505は、プレートの第2の表面に段付き凹部を画定することができ、これにより、第2のプレート510がプレート内に凹むことが可能になると同時に、プレナム525の形成を可能にし、これは、ガスボックスの周りに流体を供給するための環状チャネルであってもよい。
【0037】
[0043]
図5Bを参照すると、線Bを通るガスボックス400の別の部分断面図が示されており、これはガスボックスを通って延びる開孔515のいずれとも交差しなくてよい。図示のように、ガスボックスの第1プレート505を貫通して中央開孔410を形成することができ、中央チャネルの周りに環状チャネル425を形成することができる。この図に示されているように、環状チャネル425からガスボックスの外縁まで延びる多数の横方向チャネル530を形成することができ、これにより、上で説明したように、面板の別のゾーンへのアクセスを提供することができる。任意の数の横方向チャネル425をガスボックス内に形成することができ、横方向チャネル425は、ガスボックスを通って垂直に横方向チャネルに直角に延びる複数の開孔の間に形成することができる。横方向チャネルは、いくつかの実施形態では、第1のプレートを通って延びる複数の開孔のいずれの開孔とも交差しなくてもよい。横方向チャネルはまた、第1のプレートの第1の表面と、第1のプレート内に形成されたプレナム525との間に延びることができる。図示のように、多数のバイパス開孔535を形成することもでき、これにより横方向チャネルから第1のプレートの第2の表面507を通る流体アクセスを提供することができる。各横方向チャネルから任意の数のバイパス開孔を形成することができ、バイパス開孔は、中央開孔410と、バイパス開孔の半径方向外側に位置する環状プレナムであるプレナム525との間に形成することができる。
【0038】
[0044]
図6は、本技術のいくつかの実施形態による例示的なガスボックスプレートの概略図を示し、前述した第2のプレートを示すことができる。第2プレート600は環状プレートであってもよく、上述したようにガスボックスの第1プレートの凹部内に設置されてもよい。第2のプレート600は、任意の数の方法で第1のプレートに連結することができ、第1のプレナムからの流体アクセスを提供するいくつかの出口開孔605を画定することができる。図示のように、出口開孔605は、ガスボックス内に形成されたプレナムからの流れを提供又は方向付けるために、任意の数のパターンで第2のプレート600の周りに形成され得る。出口開孔605は均一な分布で同様のサイズで示されているが、出口開孔605は任意の方法で形成できることを理解されたい。例えば、ガスボックスを通って延びる開孔のいずれかに近接するなど、一部の開孔をスキップしたり、さらに間隔を空けたりすることができ、これにより、開孔からガスボックスを通る直接的な流路が制限され、その代わりにプレナムを通る流れが方向付けることができる。さらに、開孔は、第2のプレートの周りで異なるサイズであってもよい。例えば、第1のプレートを通る開孔が流体を供給する位置に近い開孔は、他の開孔よりも小さくてもよく、これにより、本技術の実施形態では、第2のプレートの各出口開孔を通る流れ又はコンダクタンスがより均等になることが保証される。
【0039】
[0045]
図7は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な出力マニホールド700の概略斜視図を示している。出力マニホールド700は、前述したマニホールドの任意のフィーチャ又は特徴を含むことができ、前述した任意の処理チャンバと共に使用することができる。出力マニホールド700は、1つ又は複数の前駆体又は流体をガスボックスに供給することによって、処理チャンバへの流体アクセスを提供することができる。マニホールドは、1つ又は複数の前駆体のための第1の流路を提供するように構成された第1のチャネル705を画定することができる。マニホールドは、出力マニホールドの内部ゾーン715内に延びる第2の流路710を画定し、前駆体又は流体をガスボックスの中央開孔に供給することができる。第1のチャネル705は、マニホールド内で第2のチャネル710と交差することができ、これにより、不活性前駆体又は1つ又は複数の処理前駆体が、内部ゾーン715への供給及び処理チャンバへの供給に先立って混合を開始することが可能になり得る。
【0040】
[0046]ガスボックスの凹型チャネルに1つ又は複数のバイパス前駆体を供給することができる第3のチャネル720が形成され得る。前に説明したように、単一のエントリの場所から、前駆体が再帰パターンで分散され得る。これは、中央位置からオフセットされた単一の位置での供給を提供することができ、基板処理チャンバへの均一な供給を提供するために依然として使用することができる。さらに、遠隔プラズマユニットなどから前駆体を供給するために、出力マニホールドを通して第4のチャネル725を形成することができ、洗浄操作又は他の処理に使用することができる。第4のチャネル725は、材料を外部ゾーン730に供給することができ、ガスボックスの中央開孔の周囲に画定された環状チャネルへの流体アクセスを提供することができる。外部ゾーン730は、内部ゾーン715から流体的に隔離されており、出力マニホールドの他のそれぞれのチャネルのいずれかへの前駆体又はプラズマ放出物の逆流を制限することができる。本技術の実施形態によるチャンバ構成要素を利用することにより、複数の流路を使用して前駆体を処理チャンバ内に供給することができ、これにより、処理される基板の領域の周りの堆積を調節することができる。
【0041】
[0047]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために多くの詳細が示されている。しかしながら、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施できることが明らかであろう。
【0042】
[0048]いくつかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造、及び等価物を使用できることが認識されるであろう。さらに、本発明の技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、多くの周知の処理及び要素については説明していない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0043】
[0049]値の範囲が提示される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限の間の各介在値はまた、下限の単位の最小単位まで具体的に開示されることが理解される。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の狭い範囲、そしてその記載範囲のその他任意の記載された又は介在する値も包含される。これらの小さい範囲の上限と下限は、個別に範囲に含めることも除外することもでき、いずれか、どちらでもない、又は両方の制限がより狭い範囲に含まれている各範囲も本技術に含まれ、指定された範囲で特に除外された制限が適用される。記載された範囲に制限の一方又は両方が含まれる場合、含まれる制限のいずれか又は両方を除く範囲も含まれる。
【0044】
[0050]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。したがって、例えば、「チャネル」への言及は、複数のそのようなチャネルを含み、「開孔」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の開孔及びその等価物への言及などを含む。
【0045】
[0051]また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。