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特許7585814部材管理方法、部材管理システム、及び部材管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】部材管理方法、部材管理システム、及び部材管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021011052
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114668
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】大部 由佳
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 博之
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-076773(JP,A)
【文献】特開2017-024823(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016965(WO,A1)
【文献】特開2014-142722(JP,A)
【文献】特開2018-160011(JP,A)
【文献】特開2017-102651(JP,A)
【文献】特開2007-254032(JP,A)
【文献】特開2004-206617(JP,A)
【文献】特開2006-240823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材管理方法であって、
前記コンピュータが、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成段階と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付段階と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定段階と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得段階と、
前記受付段階にて受け付けた前記部材識別情報と相関関係が強く、次の工程で用いる可能性が高い部材を推定する推定段階と、を少なくとも行う、部材管理方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、取得した前記部材位置情報に基づいて、ユーザの位置を基準として、前記格納容器が保管されている位置までの距離及び/又は該位置の方向をリアルタイムに取得して画面に表示する表示段階をさらに行う、
請求項1に記載の部材管理方法。
【請求項3】
前記建築物が水処理プラントである、
請求項1又は2に記載の部材管理方法。
【請求項4】
前記部材及び/又は前記部材が格納されている前記格納容器には、前記部材位置情報を送信する第1のタグが取り付けられている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の部材管理方法。
【請求項5】
前記第1のタグは、着脱自在に備えられている、
請求項4に記載の部材管理方法。
【請求項6】
前記第1のタグは、ユーザまでの距離に基づいて、前記第1のタグの所在を報知する報知部を備える、
請求項5に記載の部材管理方法。
【請求項7】
前記部材には、前記部材識別情報が読み取り可能な第2のタグが取り付けられている、
請求項1~6のいずれか一項に記載の部材管理方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、
前記部材から前記格納容器への加重を検知するセンサから得られる加重データに基づいて、前記部材に関する情報を更新する更新段階をさらに行う、
請求項1~のいずれか一項に記載の部材管理方法。
【請求項9】
前記部材識別情報には、前記部材の移動における重機の必要有無に関する情報が関連付けられている、
請求項1~のいずれか一項に記載の部材管理方法。
【請求項10】
コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理システムであって、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、
前記受付部にて受け付けた前記部材識別情報と相関関係が強く、次の工程で用いる可能性が高い部材を推定する推定部と、を少なくとも含む、部材管理システム。
【請求項11】
建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理装置であって、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、
前記受付部にて受け付けた前記部材識別情報と相関関係が強く、次の工程で用いる可能性が高い部材を推定する推定部と、を少なくとも備えている、部材管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材管理方法、部材管理システム、及び部材管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場では、多種多様な部材や設備等が搬入され、設置や組み立て等が行われる。例えば配管について、用途に応じた様々な形状の配管が用いられる。建築現場の作業員は、建築現場に搬入されている多種多様な部材等の中から適切な部材を捜索し、その部材等を用いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
建築作業の進捗に応じて、部材等を一時的に取り付ける場合や、部材等の仕様変更などが生じることがある。また、運搬するために重機を必要とする部材等もある。さらには、先に搬入された部材等と後から搬入された部材等が混在することもある。そのため、建築現場の作業員は部材等の捜索に多くの時間を費やしている。
【0004】
そこで本発明は、作業員が部材等を捜索する時間を削減し、建築現場における作業効率を向上させる部材管理方法、部材管理システム、及び部材管理装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材管理方法であって、前記コンピュータが、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成段階と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付段階と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定段階と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得段階と、を少なくとも行う、部材管理方法を提供する。
前記コンピュータが、取得した前記部材位置情報に基づいて、ユーザの位置を基準として、前記格納容器が保管されている位置までの距離及び/又は該位置の方向をリアルタイムに取得して画面に表示する表示段階をさらに行ってよい。
前記建築物が水処理プラントであってよい。
前記部材及び/又は前記部材が格納されている前記格納容器には、前記部材位置情報を送信する第1のタグが取り付けられていてよい。
前記第1のタグは、着脱自在に備えられていてよい。
前記第1のタグは、ユーザまでの距離に基づいて、前記第1のタグの所在を報知する報知部を備えていてよい。
前記部材には、前記部材識別情報が読み取り可能な第2のタグが取り付けられていてよい。
前記コンピュータが、前記受付段階にて受け付けた前記部材識別情報と相関関係が強い部材を推定する推定段階をさらに行ってよい。
前記コンピュータが、前記部材から前記格納容器への加重を検知するセンサから得られる加重データに基づいて、前記部材に関する情報を更新する更新段階をさらに行ってよい。
前記部材識別情報には、前記部材の移動における重機の必要有無に関する情報が関連付けられていてよい。
また、本発明は、コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理システムであって、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも含む、部材管理システムを提供する。
また、本発明は、建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理装置であって、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも備えている、部材管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業員が部材等を捜索する時間を削減し、建築現場における作業効率を向上させる部材管理方法、部材管理システム、及び部材管理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態に係るコンピュータが生成する部材管理情報の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る第1のタグ11を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る第2のタグ21を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る第1のタグ11を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係るコンピュータが生成する部材管理情報の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係るコンピュータ3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
図11】本発明の一実施形態に係る部材管理システム100の構成を示すブロック図である。
図12】本発明の一実施形態に係る部材管理装置7の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付した図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されることはない。なお、本発明の説明は以下の順序で行う。
1.本発明に係る第1の実施形態(部材管理方法の例1)
2.本発明に係る第2の実施形態(部材管理方法の例2)
3.本発明に係る第3の実施形態(部材管理方法の例3)
4.本発明に係る第4の実施形態(部材管理方法の例4)
5.本発明に係る第5の実施形態(部材管理方法の例5)
6.ハードウェア構成
7.本発明に係る第6の実施形態(部材管理システム)
8.本発明に係る第7の実施形態(部材管理装置)
【0009】
<1.本発明に係る第1の実施形態(部材管理方法の例1)>
本発明の一実施形態に係る部材管理方法は、コンピュータを利用して、建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材管理方法である。前記部材には、例えば、配管やバルブなどが含まれる。さらには、前記部材には、装置が含まれてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る部材管理方法は、いわゆるPC、サーバ、ワークステーション、タブレット端末等のスタンドアロンのコンピュータ装置を利用することによって実現されることができる。あるいは、本発明の一実施形態に係る部材管理方法は、ネットワークを介して協働する複数のコンピュータ装置から成るコンピュータシステムを利用することによって実現されてよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順について図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。図1に示されるとおり、コンピュータは、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成段階S11と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付段階S12と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定段階S13と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得段階S14と、を少なくとも行う。
【0012】
生成段階S11において、コンピュータは、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する。
【0013】
一つの格納容器に、一又は複数の部材が格納されている。前記部材には、前記部材を識別する部材識別情報が割り当てられている。前記格納容器には、前記格納容器を識別する容器識別情報が割り当てられている。コンピュータが生成する部材管理情報は、前記部材管理情報と前記容器識別情報を関連付けることができる。
【0014】
部材管理情報について図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るコンピュータが生成する部材管理情報の一例を示す図である。図2に示されるとおり、部材識別情報と、容器識別情報と、が関連付けられている。部材管理情報は、例えばコンピュータに記憶されることができる。
【0015】
部材管理情報は、例えばテーブルファイルでありうる。あるいは、部材管理情報は、例えば建築現場などに設置されているセンサから得られることができる。さらには、部材管理情報は、前記テーブルファイルや前記センサなどから得られるデータに基づいて演算される情報であってもよい。コンピュータは、情報通信ネットワークを介して、これらの情報を取得できる。
【0016】
あるいは、部材管理情報は、データベースにより保有されることができる。前記データベースは、データベース管理システム(DBMS:database management system)を利用することにより構築されることができる。前記データベース及びデータベース管理システムは、コンピュータが内蔵する又は外付けされるハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の記憶装置に格納されることができる。コンピュータが内蔵するCPU等の演算部が、このデータベース管理システムを動作させることができる。
【0017】
なお、一つの格納容器に、同種の部材が複数格納されていてもよいし、あるいは、建築物毎及び/又は系統毎の格納容器に、組み立てに必要な異なる複数種の部材が混在して格納されていてもよい。
【0018】
図1の説明に戻る。受付段階S12において、コンピュータは、前記部材識別情報の入力を受け付ける。受け付ける手段は特に限定されないが、例えば、コンピュータが備えるタッチパネルやキーボードを介して、ユーザの操作を受け付けることができる。
【0019】
選定段階S13において、コンピュータは、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する。コンピュータは、前記部材管理情報を参照することにより、部材識別情報に関連付けられている容器識別情報を選定することができる。これにより、入力を受け付けた部材識別情報に関する部材が格納されている格納容器の特定が可能となる。
【0020】
位置取得段階S14において、コンピュータは、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する。これにより、ユーザは、捜索対象の部材が格納されている格納容器を容易に特定できる。
【0021】
従来、建築物の施工に用いられる部材は、部材単体で管理されている。例えば同種の部材でも、メーカーの供給体制等の事情により、複数のメーカーに発注している。また、同種の部材でも、建築現場において用いられるエリアやフロアが異なっている。
【0022】
さらには、同種の部材でも、詳細な仕様が異なっている。具体的には、配管の中を流れる水の種類(酸性、アルカリ性、又は酸化剤などの有無など)により、配管の接液部の材質などが異なっている。
【0023】
このような背景により、建築現場では部材単位で管理されており、一又は複数の前記部材を格納容器に格納してまとめて管理するという発想になっていなかった。そのため、作業員は部材の捜索に多くの時間を費やしていた。
【0024】
本発明によれば、部材識別情報及び容器識別情報を関連付けることにより、作業員が部材を捜索する時間を削減できる。その結果、建築現場における作業効率が向上する。さらには、削減された時間を品質向上に費やすことができるため、施工品質が向上する。なお、これらの効果は、後述する他の実施形態においても同様に生じる。そのため、他の実施形態の説明においては、再度の記載を省略することがある。
【0025】
前記部材及び/又は前記部材が格納されている格納容器には、前記部材位置情報を送信する第1のタグが取り付けられている。このことについて図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る第1のタグ11を示す概略図である。図3に示されるとおり、部材位置情報を送信する第1のタグ11が、部材2及び/又は部材2が格納されている格納容器1に取り付けられている。第1のタグ11は、部材2に取り付けられていてもよいし、部材2が格納されている格納容器1に取り付けられていてもよい。あるいは、第1のタグ11は、建築現場内の例えば床面や柱などに取り付けられていてもよい。
【0026】
第1のタグ11は、部材位置情報を送信するものであれば特に限定されないが、例えば、ICタグであってよく、特に、RFID(radio frequency identifier)タグであってよい。また、第1のタグ11は、パッシブタグ、アクティブタグ、又はセミアクティブタグであってよい。さらに、第1のタグ11は、電磁誘導方式又は電波方式であってよい。
【0027】
第1のタグ11は、着脱自在に備えられていることが好ましい。この実現手段は特に限定されないが、例えば、磁石、面ファスナー、両面テープ、吸盤などが用いられることができる。
【0028】
第1のタグ11が着脱自在に備えられていることにより、ユーザは、例えば、格納容器1に取り付けられている第1のタグ11を、部材2や、建築現場内の床面などに取り付けることができる。その結果、施工の工程に応じて変化する部材2の数量に、柔軟に対応できる。例えば、格納容器1に格納されている部材2の数が1つであるとき、ユーザは、格納容器1に取り付けられている第1のタグ11を部材2に取り付けて、格納容器1を撤去することができる。
【0029】
部材2には、部材識別情報が読み取り可能な第2のタグが取り付けられている。このことについて図4を参照しつつ説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る第2のタグ21を示す概略図である。図4に示されるとおり、部材2には、部材識別情報が読み取り可能な第2のタグ21が取り付けられている。第2のタグ21は、部材2に取り付けられていてもよいし、部材2が格納されている格納容器1に取り付けられていてもよい。あるいは、第2のタグ21は、建築現場内の例えば床面や柱などに取り付けられていてもよい。
【0030】
コンピュータは、第2のタグ21に近距離接触されることにより、部材2に関する部材識別情報を読み取ることができる。この実現手段は特に限定されないが、例えば、第2のタグ21は二次元コードであってよい。コンピュータは、この二次元コードをカメラなどで認識することで、部材識別情報を読み取る。そして、コンピュータは、読み取った部材識別情報に基づいて、部材管理情報を参照することにより、第2のタグ21が取り付けられている部材2に関する情報を得ることができる。
【0031】
あるいは、第2のタグ21は、例えば、ICタグであってよく、特に、RFIDタグであってよい。また、第2のタグ21は、パッシブタグ、アクティブタグ、又はセミアクティブタグであってよい。さらに、第2のタグ21は、電磁誘導方式又は電波方式であってよい。
【0032】
第2のタグ21により、ユーザは、建築現場内の部材2に関する情報を得ることができて、部材2を容易に識別できる。
【0033】
ところで、前記建築物は、例えば水処理プラントであってよい。水処理プラントの施工では、他の建築物よりも部材の種類及び数が圧倒的に多いため、他の建築物よりも部材の捜索に時間を要する。
【0034】
また、水処理プラントにおいては、純水製造装置の品質が特に重要視される。本発明により、削減された時間を品質向上に費やすことができるため、純水製造装置の品質が向上する。
【0035】
<2.本発明に係る第2の実施形態(部材管理方法の例2)>
本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順について図5を参照しつつ説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。図5に示されるとおり、コンピュータは、生成段階S21と、受付段階S22と、選定段階S23と、位置取得段階S24と、を行った後に、取得した前記部材位置情報に基づいて、ユーザの位置を基準として、前記格納容器が保管されている位置までの距離及び/又は該位置の方向をリアルタイムに取得して画面に表示する表示段階S25をさらに行う。
【0036】
この表示段階S25を行うときのコンピュータは、例えばモバイル端末やレーダー探知機などの端末でありうる。ユーザは、この端末を持って建築現場を捜索することにより、目的の部材が格納されている格納容器を容易に特定できる。
【0037】
第1のタグ11は、ユーザまでの距離に基づいて、第1のタグ11の所在を報知する報知部を備えていてよい。このことについて図6を参照しつつ説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る第1のタグ11を示す概略図である。図6に示されるとおり、第1のタグ11は、報知部111を備えている。
【0038】
報知部111による報知手段は特に限定されないが、例えば、スピーカーなどを介して音を発してもよいし、ライトなどを介して光を発してもよい。
【0039】
報知部111は、第1のタグ11からユーザまでの距離が所定の範囲内であるとき、第1のタグ11の所在を音や光などで報知することができる。音の大きさや光の輝度は、ユーザまでの距離に応じて変動してよい。例えば、ユーザまでの距離が近くなるほど、音が大きくなってよい。
【0040】
なお、報知部111はコンピュータに備えられていてもよい。例えば、ユーザが持っている端末が報知部111を備えていてよい。
【0041】
あるいは、表示段階S25を行うときのコンピュータは、例えばサーバやPCなどの装置でありうる。前記装置は建築現場内の例えば監視室などに設置されることができる。前記装置は建築現場内に保管されている複数の格納容器の位置を一元的に管理できる。
【0042】
<3.本発明に係る第3の実施形態(部材管理方法の例3)>
本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順について図7を参照しつつ説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。図7に示されるとおり、コンピュータは、生成段階S31と、受付段階S32と、選定段階S33と、位置取得段階S34と、を行った後に、受付段階S32にて受け付けた部材識別情報と相関関係が強い部材を推定する推定段階S35をさらに行う。
【0043】
これにより、コンピュータは、受け付けた部材識別情報と相関関係が強い部材をユーザに提案できる。例えば、コンピュータは、ある部材の探索が完了した後に、次の工程で用いる可能性が高い部材をユーザに提案できる。その結果、ユーザは部材識別情報をその都度入力する手間が省ける。そのため、作業効率が向上する。
【0044】
コンピュータが推定する手段は特に限定されないが、例えば機械学習によりコンピュータは受け付けた部材識別情報と相関関係が強い部材を推定することができる。「機械学習」とは、あるデータの中から一定の規則を発見し、その規則に基づいて未知のデータに対する推測及び予測等を実現する学習手法の一つである。機械学習については公知の技術を用いることができ、その機能を備えたコンピュータ及び学習モデルなどを用いることにより実現できる。
【0045】
学習モデルは特に限定されないが、例えば、ID3やランダムフォレストなどの決定木学習、相関ルール学習などが用いられてよい。あるいは、人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)など、各種のニューラルネットワークが用いられてよい。あるいは、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programming)、帰納論理プログラミング(ILP:Inductive Logic Programming)、ファジィアルゴリズム、進化的アルゴリズム(EA:Evolutionary Algorithm)、強化学習(Reinforcement Learning)、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、クラスタリング(Clustering)、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)などが用いられてよい。さらには、これらの手法を組み合わせたものや、これらを深層学習(Deep Learning)の技術を用いて発展させたものであってもよい。
【0046】
本発明においては、相関関係が高い複数の部材に関する部材識別情報を教師データとして学習モデルに教師あり学習をさせることができる。
【0047】
あるいは、例えば強化学習が用いられてもよい。強化学習とは、ソフトウェアが現在の状態を観測して取るべき行動(本発明における部材の推定)を決定する問題を扱う機械学習の一種である。エージェント(本発明における学習モデル)は、行動を試行錯誤して強化学習することにより、価値が最も高くなるときの行動を決定できる。
【0048】
強化学習を実現するための手法として、例えばモンテカルロ法、動的計画法、SARSA(state-action-reward-state-action)、あるいはQ学習(Q-learning)などが用いられることができる。
【0049】
本発明においては、コンピュータが部材を推定した後に、その部材が適切か否かの応答情報を受け付けることにより、コンピュータは部材同士の相関関係を強化学習できる。
【0050】
<4.本発明に係る第4の実施形態(部材管理方法の例4)>
本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順について図8を参照しつつ説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る部材管理方法の手順の一例を示すフローチャートである。図8に示されるとおり、コンピュータは、生成段階S41と、受付段階S42と、選定段階S43と、位置取得段階S44と、を行った後に、部材2から前記格納容器1への加重を検知するセンサから得られる加重データに基づいて、前記部材に関する情報を更新する更新段階S45をさらに行う。
【0051】
格納容器1の底面に、例えば圧力センサや重量センサなどのセンサ(図示省略)が配置される。このセンサが、格納容器1に格納されている部材の加重を検知する。そして、コンピュータが、センサから得られる加重データに基づいて、部材2に関する情報、つまり部材管理情報を更新する。
【0052】
これにより、例えば格納容器1から部材2が取り出されたときに、部材管理情報に含まれる部材2の数量が自動的に更新されることができる。その結果、部材管理情報の更新の手間が省略される。
【0053】
なお、格納容器1に格納されている部材2の数量を検知する手段は、センサに限られない。例えば部材2に例えばICタグが取り付けられていてもよい。
【0054】
<5.本発明に係る第5の実施形態(部材管理方法の例5)>
部材識別情報には、部材2の移動における重機の必要有無に関する情報が関連付けられていることが好ましい。このことについて図9を参照しつつ説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るコンピュータが生成する部材管理情報の一例を示す図である。図9に示されるとおり、部材識別情報には、重機の必要有無に関する情報が関連付けられている。
【0055】
これにより、ユーザは、部材2がある場所まで移動する前に、部材2を移動するためにフォークリフトなどの重機が必要であるか否かが把握できる。その結果、作業効率が向上する。
【0056】
<6.ハードウェア構成>
本発明に係る部材管理方法は、プログラム及びハードウェアを利用することによって実現できる。本発明に係る部材管理方法が利用するコンピュータ3のハードウェア構成について図10を参照しつつ説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るコンピュータ3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。図10に示されるとおり、コンピュータ3は、構成要素として、CPU301、RAM302、記憶部303、表示部304、及び通信部305などを備えることができる。それぞれの構成要素は、例えばデータの伝送路としてのバスで接続されている。
【0057】
CPU301は、例えばマイクロコンピュータにより実現され、コンピュータ3のそれぞれの構成要素を制御する。あるいは、CPU301は、例えば、生成段階、受付段階、選定段階、及び位置取得段階などを行うことができる。生成段階、受付段階、選定段階、及び位置取得段階は、例えばプログラムにより実現される。CPU101はこのプログラムを読み込むことにより機能する。
【0058】
RAM302は、例えば、CPU301により実行されるプログラム等を一時的に記憶する。
【0059】
記憶部303は、CPU301の処理に必要な様々なデータを記憶する。記憶部303は、例えばストレージデバイス等を利用することにより実現されうる。
【0060】
表示部304は、ユーザに対して情報を表示する。表示部304は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)またはOLED(Organic Light-Emitting Diode)等により実現される。
【0061】
通信部305は、例えばWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)等の通信技術を利用して、情報通信ネットワークを介して通信する機能を有する。
【0062】
コンピュータ3は、例えばスマートフォン端末、タブレット端末、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、サーバ、またはウェアラブル端末(HMD:Head Mounted Display、メガネ型HMD、時計型端末、バンド型端末等)でありうる。
【0063】
本発明に係る部材管理方法を実現するプログラムは、コンピュータ3のほかのコンピュータ装置又はコンピュータシステムに格納されてもよい。この場合、コンピュータ3は、このプログラムが有する機能を提供するクラウドサービスを利用することができる。このクラウドサービスとして、例えばSaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)等が挙げられる。
【0064】
さらにこのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、上記プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、上記プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
<7.本発明に係る第6の実施形態(部材管理システム)>
本発明の一実施形態に係る部材管理システムは、コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理システムである。部材位置管理システムは、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも含む。
【0066】
本発明の一実施形態に係る部材管理システムについて図11を参照しつつ説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る部材管理システム100の構成を示すブロック図である。図11に示されるとおり、部材管理システム100は、コンピュータであるサーバ4とクライアント端末5とが情報通信ネットワーク6を介して接続されている。
【0067】
サーバ4は、生成部41と、受付部42と、選定部43と、を少なくとも備える。生成部41は、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する。受付部42は、前記部材識別情報の入力を受け付ける。選定部43は、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する。なお、サーバ4は、前記部材管理情報などを記憶する記憶部44を備えていてもよい。
【0068】
クライアント端末5は、例えば建築現場において作業員が持つモバイル端末でありうる。クライアント端末5は、位置取得部51を少なくとも備える。位置取得部51は、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する。
【0069】
なお、クライアント端末5は、サーバ4が有する一部又は全部の機能を備えることができる。同様に、サーバ4は、クライアント端末5が有する一部又は全部の機能を備えることができる。例えば、クライアント端末5が選定部43を備えており、サーバ4が位置取得部51を備えていてもよい。
【0070】
サーバ4は、一台でもよいし、複数台でもよい。同様に、クライアント端末5は、一台でもよいし、複数台でもよい。また、全てのサーバ4が情報通信ネットワークに接続されていなくてもよいし、全てのクライアント端末5がネットワークに接続されていなくてもよい。
【0071】
情報通信ネットワーク6は、例えば、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等の有線ネットワーク、無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)又は基地局を介した無線WAN(WWAN:Wireless Wide Area Network)等の無線ネットワーク、あるいはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いたインターネット等により実現できる。
【0072】
部材管理システム100は、上述した他の実施形態に係る技術を利用できる。例えば、サーバ4は、部材管理方法が用いるコンピュータであってよい。このとき、サーバ4が備える生成部41が生成段階を行い、受付部42が受付段階を行い、選定部43が選定段階を行ってよい。同様に、クライアント端末5が備える位置取得部51が位置取得段階を行ってよい。よって、部材管理システム100についての詳細な説明を省略する。
【0073】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。なお、この部材管理システムは、第1の実施形態において説明した技術を利用することができる。第1の実施形態において説明した技術については、再度の説明を割愛する。
【0074】
<8.本発明に係る第7の実施形態(部材管理装置)>
本発明の一実施形態に係る部材管理装置は、建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理装置である。前記部材管理装置は、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも備えている。
【0075】
本発明の一実施形態に係る部材管理装置について図12を参照しつつ説明する。図12は、本発明の一実施形態に係る部材管理装置7の構成を示すブロック図である。
【0076】
図12に示される通り、本発明の一実施形態に係る部材管理装置7は、生成部71と、受付部72と、選定部73と、位置取得部74と、を少なくとも備える。
【0077】
生成部71は、前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する。受付部72は、前記部材識別情報の入力を受け付ける。選定部73は、受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する。位置取得部74は、前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する。なお、部材管理装置7は、前記部材管理情報などを記憶する記憶部75を備えていてもよい。
【0078】
部材管理装置7は、上述した部材管理方法に係る技術を利用できる。例えば、部材管理装置7は、部材管理方法が用いるコンピュータであってよい。このとき、部材管理装置7が備える生成部71が生成段階を行い、受付部72が受付段階を行い、選定部73が選定段階を行い、位置取得部74が位置取得段階を行ってよい。よって、部材管理装置7についての詳細な説明を省略する。
【0079】
なお、図示を省略するが、部材管理装置7は、生成部71、受付部72、選定部73、及び位置取得部74などの構成要素の動作を制御する制御部を備えていてよい。これらの構成要素は、例えばCPUが用いられることにより実現されうる。
【0080】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりできる。
【0081】
なお、本明細書中に記載した効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0082】
なお、本発明は、以下のような構成をとることもできる。
[1]
コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材管理方法であって、
前記コンピュータが、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成段階と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付段階と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定段階と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得段階と、を少なくとも行う、部材管理方法。
[2]
前記コンピュータが、取得した前記部材位置情報に基づいて、ユーザの位置を基準として、前記格納容器が保管されている位置までの距離及び/又は該位置の方向をリアルタイムに取得して画面に表示する表示段階をさらに行う、
[1]に記載の部材管理方法。
[3]
前記建築物が水処理プラントである、
[1]又は[2]に記載の部材管理方法。
[4]
前記部材及び/又は前記部材が格納されている前記格納容器には、前記部材位置情報を送信する第1のタグが取り付けられている、
[1]~[3]のいずれか一つに記載の部材管理方法。
[5]
前記第1のタグは、着脱自在に備えられている、
[4]に記載の部材管理方法。
[6]
前記第1のタグは、ユーザまでの距離に基づいて、前記第1のタグの所在を報知する報知部を備える、
[4]又は[5]に記載の部材管理方法。
[7]
前記部材には、前記部材識別情報が読み取り可能な第2のタグが取り付けられている、
[1]~[6]のいずれか一つに記載の部材管理方法。
[8]
前記コンピュータが、
前記受付段階にて受け付けた前記部材識別情報と相関関係が強い部材を推定する推定段階をさらに行う、
[1]~[7]のいずれか一つに記載の部材管理方法。
[9]
前記コンピュータが、
前記部材から前記格納容器への加重を検知するセンサから得られる加重データに基づいて、前記部材に関する情報を更新する更新段階をさらに行う、
[1]~[8]のいずれか一つに記載の部材管理方法。
[10]
前記部材識別情報には、前記部材の移動における重機の必要有無に関する情報が関連付けられている、
[1]~[9]のいずれか一つに記載の部材管理方法。
[11]
コンピュータを利用して建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理システムであって、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも含む、部材管理システム。
[12]
建築物の施工に用いられる部材の位置を管理する部材位置管理装置であって、
前記部材を識別する部材識別情報と、一又は複数の前記部材が格納されている格納容器を識別する容器識別情報と、が関連付けられている部材管理情報を生成する生成部と、
前記部材識別情報の入力を受け付ける受付部と、
受け付けた前記部材識別情報に基づいて、前記部材識別情報に関連付けられている前記容器識別情報を選定する選定部と、
前記容器識別情報に基づいて、無線通信により、前記格納容器が保管されている位置に関する部材位置情報を取得する位置取得部と、を少なくとも備えている、部材管理装置。
【符号の説明】
【0083】
S11 生成段階
S12 受付段階
S13 選定段階
S14 位置取得段階
1 格納容器
11 第1のタグ
111 報知部
2 部材
21 第2のタグ
100 部材管理システム
4 サーバ
41 生成部
42 受付部
43 選定部
5 クライアント端末
51 位置取得部
6 情報通信ネットワーク
7 部材管理装置


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12