(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/06 20060101AFI20241112BHJP
B65H 5/38 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
B41J11/06
B65H5/38
(21)【出願番号】P 2021058757
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】雜賀 聡一
(72)【発明者】
【氏名】矢仲 厚志
(72)【発明者】
【氏名】塚村 清
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-67104(JP,A)
【文献】特開2008-201107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/06
B65H 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、
前記板状の印刷媒体を挟持した状態で、回転駆動し、前記板状の印刷媒体を前記印刷部へ送る回転体と、
前記回転体よりも搬送方向上流側で前記板状の印刷媒体を支持する上流側支持台と、を備える画像形成装置であって、
前記上流側支持台は取付け部を有し、
前記取付け部は前記回転体に対して取り外し可能で、前記回転体に取り付けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回転体よりも搬送方向下流側で前記板状の印刷媒体を支持する下流側支持台を備えており、
前記下流側支持台は取付け部を有し、
前記取付け部は前記回転体に対して取り外し可能で、前記回転体に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記上流側支持台は鉛直方向において、上流搬送側のほうが高くなっていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記下流側支持台は鉛直方向において、下流搬送側のほうが低くなっていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転体は対となっており、
前記上流側支持台の前記取付け部は鉛直方向上側の回転体に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記回転体は対となっており、
前記上流側支持台の前記取付け部は鉛直方向下側の回転体に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転体は対となっており、
前記下流側支持台の前記取付け部は鉛直方向上側の回転体に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転体は対となっており、
前記下流側支持台の前記取付け部は鉛直方向下側の回転体に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記取付け部の下面に配置され、搬送方向に移動可能な補助部材を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記取付け部は軸受けを介して前記回転体に取付けられることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記上流側支持台を支持する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記上流側支持台が鉛直方向に沿って移動可能に、前記上流側支持台を支持する請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
少なくとも前記回転体を覆う外装部材を有し、
前記外装部材は、前記外装部材の外側から前記取付け部を挿入させる挿入孔を有し、
前記挿入孔は、閉鎖部材を取り付けることで閉鎖可能であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
板状の印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、
前記板状の印刷媒体を挟持した状態で回転駆動し、前記板状の印刷媒体を前記印刷部へ送る回転体と、
前記回転体よりも搬送方向上流側で前記板状の印刷媒体を支持する上流側支持台と、を備える画像形成装置であって、
前記上流側支持台は取付け部を有し、
前記取付け部は前記回転体に対して取り外し可能で、前記回転体に接触して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、シート状の記録媒体以外の記録媒体である建材又はプラスチック板等の板状の印刷媒体を搬送するために、画像形成装置に搬送補助部材を取り外し可能に設ける構成が知られている。
【0003】
また、板状の印刷媒体の搬送を補助するために、挟持ローラに対して搬送方向上流側に、板状の印刷媒体のうち未印刷の部分を支持する上流側支持台と、媒体支持手段に対して搬送方向下流側に、板状の印刷媒体のうち印刷が施された部分を支持する下流側支持台とを設ける構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、プリンタ装置に対して上流側支持台及び下流側支持台が取り付けられているが、具体的な取り付け方法に関して開示されていない。したがって、搬送前の上流側支持台の取り付け方によっては、上流側支持台が板状の印刷媒体を正しい位置に支持できず、板状の印刷媒体が斜行するなどの搬送不具合が発生する場合がある。
【0005】
本発明は、上流側支持台が板状の印刷媒体を正しい位置に支持することで、搬送不具合を抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、板状の印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記板状の印刷媒体を挟持した状態で回転駆動し、前記板状の印刷媒体を前記印刷部へ送る回転体と、前記回転体よりも搬送方向上流側で前記板状の印刷媒体を支持する上流側支持台と、を備える画像形成装置であって、前記上流側支持台は取付け部を有し、前記取付け部は前記回転体に対して取り外し可能で、前記挟持回転体に取り付けられる。
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、板状の印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記板状の印刷媒体を挟持した状態で回転駆動し、前記板状の印刷媒体を前記印刷部へ送る回転体と、前記回転体よりも搬送方向上流側で前記板状の印刷媒体を支持する上流側支持台と、を備える画像形成装置であって、前記上流側支持台は取付け部を有し、前記取付け部は前記回転体に対して取り外し可能で、前記回転体に接触して位置決めされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上流側支持台が板状の印刷媒体を正しい位置に支持することができ、搬送不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の印刷部周辺を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る上流側支持台及び下流側支持台の構成例の図であり、
図2(a)は上面図、
図2(b)は
図2(a)のC-C矢視断面図である。
【
図3】第1変形例に係る上流側支持台及び下流側支持台の構成例の図である。
【
図4】上流側取付け部の構成例の図であり、
図4(a)は上側ローラへの取付の図、
図4(b)は下側ローラへの取付の図である。
【
図5】変形例に係る上流側取付け部の構成例を示す図であり、
図5(a)はロック前を示す図、
図5(b)はロック後を示す図である。
【
図6】比較例に係る上流側支持台及び下流側支持台の構成例の図である。
【
図7】第2変形例に係る上流側支持台及び下流側支持台の構成例の図である。
【
図8】軸受けを介して上流側取付け部を取り付ける構成例の図である。
【
図9】コロが設けられた上流側支持台の一部を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る画像形成装置の構成例の図である。
【
図11】外装部材に設けられた挿入孔を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0011】
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための画像形成装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0012】
実施形態に係る画像形成装置は、板状の印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、板状の印刷媒体を挟持した状態で回転駆動し、板状の印刷媒体を印刷部へ送る回転体と、回転体よりも搬送方向上流側で板状の印刷媒体を支持する上流側支持台と、を備えるものである。
【0013】
板状の印刷媒体は、建材又はプラスチック板等の板状部材であり、用紙等のシート状の印刷媒体に比較して厚みがあり重量が重い印刷媒体である。そのため、板状の印刷媒体は、媒体自身の形状が変わることなくそのままの状態で搬送される。なお、建材とは建築用の資材をいう。例えば建材は、建築物の壁又は天井に用いられる木製の板状部材等である。またプラスチック板とはプラスチック材料を含んで構成された板状部材をいう。例えばプラスチック板は、看板の基材となる板状部材等である。その他、タイル、瀬戸物、キャンパスボード、襖、ドアのようなものでも良い。
【0014】
板状の印刷媒体は搬送される際、その後ろ側を支えられていないとバタつき等が発生する。その結果、正しく搬送されず、搬送不具合に繋がる。搬送不具合が起きると、最終的には正しい位置に画像形成ができなくなり、画像品質が悪化する。
【0015】
実施形態では、このような板状の印刷媒体を印刷部へ送る際に、上流側支持台で板状の印刷媒体を支持することで、搬送不具合を抑制する。
【0016】
また実施形態では、上流側支持台は取付け部を有し、該取付け部は回転体に対して取り外し可能で、回転体に取り付けることによって上流側支持台が回転体に位置決めされる。
【0017】
これにより、上流側支持台が傾いて取り付けられることを抑制し、板状の印刷媒体を正しい位置に支持することができる。その結果、板状の印刷媒体の搬送不具合を抑制することが可能となる。
【0018】
ここで、斜行とは、斜めに進むことをいう。斜めは、板状の印刷媒体が面内で傾いて搬送方向に対して斜めに進むことと、板状の印刷媒体が面外(煽り方向)に傾いて搬送方向に対して斜めに進むことの両方を含む。
【0019】
以下、板状の印刷媒体に液体吐出ヘッドから液体を吐出して画像を形成する液体吐出方式の画像形成装置を一例として実施形態を説明する。なお、実施形態の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷は何れも同義語とする。
【0020】
また、液体は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料等を含む溶液、懸濁液、エマルジョン等である。これらは例えば、インクジェット用インク等の用途で用いることができる。
【0021】
また液体吐出ヘッドは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータ等を使用するものが含まれる。
【0022】
以下に示す図でX軸、Y軸及びZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、画像形成装置に含まれるキャリッジが往復移動する方向である主走査方向を示す。Y軸に沿うY方向は、板状の印刷媒体が送られる搬送方向に沿った副走査方向を示す。Z軸に沿うZ方向は、X軸及びY軸の両方に直交する方向を示す。
【0023】
また、X方向で矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記し、Z方向で矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。画像形成装置は+Y方向に板状の印刷媒体を送るものとする。但し、これらは画像形成装置の向きを制限するものではなく、画像形成装置は任意の向きで配置可能である。
【0024】
[第1実施形態]
(印刷部2周辺の構成例)
図1は、実施形態に係る画像形成装置100における印刷部2周辺の構成の一例を示す図である。
図1に示すように画像形成装置100は、プラテン1と、印刷部2と、レジストローラ3と、副走査モータ4と、維持回復機構5とを有する。
【0025】
プラテン1は、板状の印刷媒体Pを支持する媒体支持手段である。プラテン1は、高い平面度で形成された支持面を備え、支持面により板状の印刷媒体Pを支持することで、板状の印刷媒体Pと印刷部2が備えるキャリッジ26との位置関係を精度よく維持する。
【0026】
印刷部2は、ガイドロッド21と、主走査モータ22と、駆動プーリ23と、従動プーリ24と、タイミングベルト25と、キャリッジ26と、リニアエンコーダ27とを備える。
【0027】
印刷部2は、ガイドロッド21、主走査モータ22、駆動プーリ23、従動プーリ24及びタイミングベルト25により、主走査方向Aに沿ってキャリッジ26を往復移動させながら、プラテン1上で画像を印刷する。
【0028】
ガイドロッド21は、X軸方向における画像形成装置100の両側板に、ガイドステーとともに掛け渡されたガイド部材である。ガイドロッド21は、キャリッジ26を主走査方向Aに移動可能に支持する。
【0029】
主走査モータ22は、主走査方向の一方側である+X方向側に配置されたキャリッジ26を往復移動させるための駆動源である。主走査モータ22によって回転駆動される駆動プーリ23と、主走査方向の他方側である-X方向側に配置された従動プーリ24と、の間にタイミングベルト25が掛け回されている。タイミングベルト25にキャリッジ26のベルト保持部が固定され、主走査モータ22が駆動することで、キャリッジ26が主走査方向Aに沿って往復移動される。
【0030】
キャリッジ26は、液体吐出ヘッド及びヘッドに液体を供給するヘッドタンクを一体にした4個の記録ヘッド261a、261b、261c及び261dを備える。但し、記録ヘッドの個数は4個に限定されるものではなく、画像形成装置100の用途に応じて適宜選択可能である。
【0031】
4個の記録ヘッド261a、261b、261c及び261dのそれぞれは、搬送方向Bに沿って複数のノズルが配列されたノズル列を備える。ノズル列における各ノズルは、-Z方向側に向けてそれぞれ液体を吐出する。また記録ヘッド261aと、記録ヘッド261b、261c及び261dとは、搬送方向Bに沿って1ノズル列分だけ位置をずらして配置されている。
【0032】
記録ヘッド261a、261b、261c及び261dのそれぞれは、何れも2列のノズル列を備える。記録ヘッド261a及び261bは、何れのノズル列からも同色である黒色の液滴を吐出する。記録ヘッド261cは、一方のノズル列からシアンの液滴を吐出し、他方のノズル列は未使用ノズル列としている。また、記録ヘッド261dは、一方のノズル列からイエローの液滴を、他方のノズル列からマゼンタの液滴を吐出する。
【0033】
これにより、画像形成装置100は、モノクロ画像については記録ヘッド261a及び261bを使用して1回の主走査方向Aの移動で2個の記録ヘッド分の幅の印刷を行える。また画像形成装置100は、カラー画像については例えば記録ヘッド261b、261c及び261dを使用して印刷を行える。但し、記録ヘッドの構成はこれに限定されるものではなく、画像形成装置100の用途に応じて適宜選択可能である。
【0034】
リニアエンコーダ27は、エンコーダシート271と、エンコーダセンサ272とを備える。エンコーダシート271は、主走査方向Aに沿って配置されている。エンコーダセンサ272は、キャリッジ26に設けられ、キャリッジ26の移動に伴って移動しながらエンコーダシート271を読み取る。画像形成装置100は、リニアエンコーダ27の出力からキャリッジ26の位置及び速度を検出できる。
【0035】
レジストローラ3は、板状の印刷媒体Pを挟持する、対となった回転体の一例である。副走査モータ4は、レジストローラ3を回転駆動させて板状の印刷媒体Pを搬送方向Bに送り、プラテン1上に位置させる媒体搬送機構の一例である。
【0036】
レジストローラ3は、対となった2つのローラで板状の印刷媒体Pを挟持し、副走査モータ4により回転駆動されることで、板状の印刷媒体Pを搬送方向Bに沿って送ることができる。なお、媒体搬送機構は、副走査モータ4の他にギア、ベルト又はプーリ等の機構を備えてもよい。また、レジストローラ3に含まれる対となった2つのローラの少なくとも1つは駆動ローラであり、2つのローラのうちの駆動ローラ以外のローラは従動ローラである。
【0037】
維持回復機構5は、画像形成装置100におけるプラテン1の-X方向側に配置され、記録ヘッド261a、261b、261c及び261dの維持回復を行う。
【0038】
キャリッジ26が主走査方向Aに沿って移動される主走査移動領域のうち、板状の印刷媒体Pへの印刷が行われる印刷領域では、レジストローラ3により板状の印刷媒体Pが給送される。その後、レジストローラ3によって搬送方向Bに間欠的に板状の印刷媒体Pが送られる。
【0039】
記録ヘッド261a、261b、261c及び261dのそれぞれが備えるヘッドタンクには、画像形成装置100に対して交換可能に装着されるメインタンクであるインクカートリッジから供給チューブを介して各色インクが供給される。
【0040】
(上流側支持台、下流側支持台の構成例)
図2は、画像形成装置100における上流側支持台6及び下流側支持台7の構成の一例を示す図である。
図2(a)は上面図、
図2(b)は
図2(a)のC-C矢視断面図である。
図2に示すように、画像形成装置100は、上流側支持台6と、下流側支持台7と、台部10とを備える。台部10はプラテン1を載置する構成部である。
【0041】
図2(b)に示すように、レジストローラ3は、対となった2つのローラとして上側ローラ31及び下側ローラ32を備える。レジストローラ3は、上側ローラ31と下側ローラ32との間に板状の印刷媒体Pを挟んで、板状の印刷媒体Pを搬送方向Bに沿って搬送する。
【0042】
上流側支持台6は、レジストローラ3で板状の印刷媒体Pを送る際に、板状の印刷媒体Pの上流側を支持する。上流側支持台6は、搬送方向Bに沿ったプラテン1の上流側に配置され、板状の印刷媒体Pを鉛直方向下方側(-Z方向側)から支持する。
【0043】
図2に示すように、上流側支持台6は、上流側取付け部61a及び61bと、上流側外枠部材62と、上流側支持体63と、上流側補強材64とを備える。これらの材質は特段の制限はなく、例えば金属又は樹脂等の材料を含んで構成できる。
【0044】
上流側取付け部61a及び61bは、それぞれ上流側支持台6が有する取付け部の一例である。上流側取付け部61a及び61bは、レジストローラ3に対して取り外し可能で、レジストローラ3に突き当てることによって上流側支持台6がレジストローラ3に位置決めされる。
【0045】
上流側取付け部61a及び61bは、それぞれ柱状の部材である。上流側取付け部61a及び61bは、主走査方向Aに沿ったプラテン1の両側に配置され、それぞれがレジストローラ3に突き当てられる。
【0046】
上流側取付け部61a及び61bをレジストローラ3に突き当てることで、上流側支持台6がレジストローラ3に位置決めされた状態で、上流側支持台6が取り付けられる。また上流側取付け部61a及び61bをレジストローラ3から取り外すことで、上流側支持台6が取り外される。
【0047】
なお、上流側取付け部61a及び61bは、配置される位置以外は同じ構成であるため、以下ではこれらを特に区別しない場合には、上流側取付け部61と総称する。
【0048】
上流側外枠部材62は、矩形枠状の部材であり、矩形の各辺となる4つの柱状部材がネジ等により結合されたものである。
【0049】
上流側支持体63は、上流側外枠部材62における柱状部材間に架けられ、搬送方向Bに沿って延伸する梁部材である。上流側支持体63は4つの梁部材を含み、これらが上流側外枠部材62における主走査方向Aに沿って延伸する2つの柱状部材間に架けられている。
【0050】
4つの上流側支持体63のそれぞれは、+Z方向側面で板状の印刷媒体Pに接触し、板状の印刷媒体Pを-Z方向側から支持する。また上流側支持体63は、上流側外枠部材62における柱状部材間に架けられることで、上流側支持台6の機械強度を補強する機能も有する。
【0051】
上流側補強材64は、上流側外枠部材62における柱状部材間に架けられ、主走査方向Aに沿って延伸する梁部材である。上流側補強材64は1つの梁部材を含み、これが上流側外枠部材62における搬送方向Bに沿って延伸する2つの柱状部材間に架けられている。
【0052】
上流側支持台6は、枠状部材である上流側外枠部材62を備えることで軽量化される。また上流側支持台6は、上流側支持体63と、上流側補強材64とを備えることで、上流側外枠部材62の機械強度が補強され、撓み等が防止される。
【0053】
下流側支持台7は、レジストローラ3で板状の印刷媒体Pを送る際に、板状の印刷媒体Pの下流側を支持する。下流側支持台7は、搬送方向Bに沿ったプラテン1の下流側に配置され、板状の印刷媒体Pを-Z方向側から支持する。
【0054】
図2に示すように、下流側支持台7は、下流側取付け部71a及び71bと、下流側外枠部材72と、下流側支持体73と、下流側補強材74とを備える。これらの材質は特段の制限はなく、例えば金属又は樹脂等の材料を含んで構成できる。
【0055】
下流側取付け部71a及び71bは、それぞれ下流側支持台7が有する取付け部の一例である。下流側取付け部71a及び71bは、レジストローラ3に対して取り外し可能で、レジストローラ3に突き当てることによって下流側支持台7がレジストローラ3に位置決めされる。
【0056】
下流側取付け部71a及び71bをレジストローラ3に突き当てることで、下流側支持台7がレジストローラ3に位置決めされた状態で、下流側支持台7が取り付けられる。また下流側取付け部71a及び71bをレジストローラ3から取り外すことで、下流側支持台7が取り外される。
【0057】
下流側取付け部71a及び71bは、それぞれ柱状の部材である。下流側取付け部71a及び71bは、主走査方向Aに沿ったプラテン1の両側に配置され、それぞれがレジストローラ3に突き当てられる。
【0058】
但し、下流側取付け部71a及び71bは、必ずしもレジストローラ3に取付けられるものに限定しない。例えば、プラテン1の下流側にレジストローラ3とは別の第二ローラを設けて、この第二ローラに下流側取付け部71a及び71bが取り付けられても良い。なお、この場合は下流側支持台7が第二ローラに位置決めされる。
【0059】
なお、下流側取付け部71a及び71bは、配置される位置以外は同じ構成であるため、以下ではこれらを特に区別しない場合には、下流側取付け部71と総称する。
【0060】
下流側外枠部材72は矩形枠状の部材であり、矩形の各辺となる4つの柱状部材がネジ等により結合されたものである。
【0061】
下流側支持体73は、下流側外枠部材72における柱状部材間に架けられ、搬送方向Bに沿って延伸する梁部材である。下流側支持体73は4つの梁部材を含み、これらが下流側外枠部材72における主走査方向Aに沿って延伸する2つの柱状部材間に架けられている。
【0062】
4つの下流側支持体73のそれぞれは、+Z方向側面で板状の印刷媒体Pに接触し、板状の印刷媒体Pを-Z方向側から支持する。また下流側支持体73は、下流側外枠部材72における柱状部材間に架けられることで、下流側支持台7の機械強度を補強する機能も有する。
【0063】
下流側補強材74は、下流側外枠部材72における柱状部材間に架けられ、主走査方向Aに沿って延伸する梁部材である。下流側補強材74は1つの梁部材を含み、これが下流側外枠部材72における搬送方向Bに沿って延伸する2つの柱状部材間に架けられている。
【0064】
下流側支持台7は、枠状部材である下流側外枠部材72を備えることで軽量化される。また下流側支持台7は、下流側支持体73と、下流側補強材74とを備えることで、下流側外枠部材72の機械強度が補強され、撓み等が防止される。
【0065】
但し、上流側支持台6及び下流側支持台7の構成は、
図2に示したものに限定されるものではなく、板状の印刷媒体Pの大きさや重量等に応じて適宜変更できる。
【0066】
例えば、上流側支持台6及び下流側支持台7を傾斜させた方が搬送の際のガタつきを防止することができる。
図3は、このような第1変形例に係る上流側支持台6'及び下流側支持台7'の構成例の断面図である。
【0067】
図3に示すように上流側支持台6'は鉛直方向において、上流搬送側のほうが高くなっている。また下流側支持台7'は鉛直方向において、下流搬送側のほうが低くなっている。このように上流側支持台6及び下流側支持台7が傾斜した構成にすることもできる。但し、上流側支持台6'又は下流側支持台7'の何れか一方のみが傾斜した構成であってもよい。
【0068】
(上流側取付け部61の構成例)
次に、
図4は上流側取付け部61の構成例の図である。
図4(a)は上流側取付け部61を上側ローラ31に取り付けた場合を示す図、
図4(b)は上流側取付け部61を下側ローラ32に取り付けた場合を示す図である。
【0069】
図4(a)に示すように、上流側取付け部61は、一方の端部に凹部611を含む。凹部611は、レジストローラ3の軸方向に略直交する断面形状が略V字状の凹部である。また凹部611では、略V字状の凹部がレジストローラ3の軸方向に沿って上流側取付け部61を貫通している。
【0070】
凹部611に含まれる2つの面のSとQがレジストローラ3のうちの上側ローラ31に含まれる軸心部材31aの円周面に接触することによって、上流側支持台6がレジストローラ3に位置決めされる。つまり、レジストローラ3は対となっており、上流側支持台6の上流側取付け部61は鉛直方向上側の上側ローラ31に取り付けられる。
【0071】
凹部611の形状は必ずしも略V字状の断面形状のものでなくてもよく、例えば矩形状の断面形状のものであってもよいが、位置決めの安定性の観点では、円周面に安定して突き当て可能な略V字状の断面形状のものが好ましい。
【0072】
また、
図4(b)に示した搬送面66は、板状の印刷媒体Pを搬送する際に、上流側取付け部61が板状の印刷媒体Pと接触する面を示している。本実施形態では、搬送面66は、上流側支持体63の+Z方向側の面に対応する。
【0073】
上流側取付け部61を介して、上流側支持台6を下側ローラ32に取り付けることで、板状の印刷媒体Pを搬送する際に板状の印刷媒体Pが接触する下側ローラ32の円周面と、搬送面66と、のZ方向に沿った高さを一致させやすくなる。つまり、レジストローラ3は対となっており、上流側支持台6の上流側取付け部61は鉛直方向下側の下側ローラ32に取り付けられる。これにより、板状の印刷媒体Pを送る際に板状の印刷媒体Pの斜行をより好適に抑制できる。
【0074】
なお、
図4(b)では、上流側支持台6を例示したが、下流側支持台7も同様に下側ローラ32に取り付け可能であり、上記と同様の作用効果が得られる。つまり、下流側支持台7の下流側取付け部71は、鉛直方向上側の上側ローラ31に取り付けられてもよいし、鉛直方向下側の下側ローラ32に取り付けられてもよい。また、上流側支持台6を上側ローラ31に取り付け、下流側支持台7を下側ローラ32に取り付ける等して、取付けるローラが上流側支持台6と下流側支持台7との間で異なってもよい。
【0075】
ここで、
図5は、変形例に係る上流側取付け部61'の構成の一例を示す図である。
図5(a)は補助部材によるロック前を示す図、
図5(b)は補助部材によるロック後を示す図である。
【0076】
図5に示すように、画像形成装置100は、補助部材65を備える。補助部材65は、上流側取付け部61'の下面に配置されており、搬送方向Bに移動可能である。上流側取付け部61'が軸心部材31aから外れるのを補助する部材である。
【0077】
補助部材65は斜面部651を含み、移動方向Dに沿って移動可能に設けられている。
図5(a)に示すように、ロック前には、補助部材65は軸心部材31aに接触していない。ロックする際には、補助部材65は移動方向Dに沿って移動し、斜面部651が軸心部材31aの円周面に接触する。
【0078】
凹部611を軸心部材31aに突き当てるだけでは、凹部611の開放側を通して軸心部材31aと上流側取付け部61'とが外れる場合がある。補助部材65の斜面部651が軸心部材31aの円周面に接触することで、軸心部材31aに突き当てられた上流側取付け部61'が軸心部材31aから外れる脱離を防止できる。
【0079】
上流側取付け部61'を軸心部材31aから取り外す際には、補助部材65は移動方向Dとは反対方向に移動される。これにより、凹部611の一方の側が開放されるため、軸心部材31aが凹部611の開放された側を通るようにして、上流側取付け部61'を取り外すことができる。
【0080】
また、
図5では、上流側取付け部61'による上流側支持台6の位置決めを説明したが、下流側支持台7の位置決めにおいても同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0081】
(画像形成装置100の作用効果)
次に画像形成装置100の作用効果について説明する。
【0082】
板状の印刷媒体は、用紙等のシート状の印刷媒体と比較して印刷媒体自体の重量が重いため、搬送抵抗が大きくなり板状の印刷媒体が斜行する場合がある。そのため、画像形成装置に上流側支持台又は下流側支持台等の搬送補助部材を取り外し可能に設ける構成が知られている。
【0083】
しかし、搬送補助部材が搬送方向に対して傾いて取り付けられると、レジストローラ等の搬送手段に対して斜め方向への力が加わることで、板状の印刷媒体が斜行する場合がある。
【0084】
ここで
図6は、比較例に係る画像形成装置100Xの構成を説明する図である。なお、実施形態に係る画像形成装置100と同等の機能を有する構成部には、便宜的に同じ部品番号を付し、重複する説明を省略する。
【0085】
図6に示すように、画像形成装置100Xは、上流側支持台6Xと、下流側支持台7Xとを備える。また上流側支持台6Xは上流側取付け部61Xa及び61Xb(以下、単に61Xという)を備え、下流側支持台7Xは下流側取付け部71Xa及び71Xb(以下、単に71Xという)を備える。
【0086】
上流側取付け部61Xは台部10に対して取り付けられて、下流側取付け部71Xも同様に台部10に対して取り付けられている。
【0087】
このように、上流側取付け部61X及び下流側取付け部71Xが台部10に対して取り付けられると、台部10とレジストローラ3との間に介在する複数の部品の寸法誤差及び形状誤差等が積み上がる。その結果、上流側取付け部61X及び下流側取付け部71Xのそれぞれが板状の印刷媒体Pを支持する面と、レジストローラ3が板状の印刷媒体Pに接触する面との間で位置ずれが生じる。つまり、板状の印刷媒体Pは正しい位置に支持されていない状態となる。そしてレジストローラ3に対して斜め方向への力が加わることで、板状の印刷媒体Pが斜行する場合がある。
【0088】
なお、上流側取付け部61X及び下流側取付け部71Xを画像形成装置100Xの外装部材等に取り付ける場合においても同様であり、板状の印刷媒体Pが正しい位置に支持されず、斜行する場合がある。
【0089】
その結果、板状の印刷媒体Pは正しく搬送されず、搬送不具合に繋がる。搬送不具合が起きると、最終的には正しい位置に画像形成ができなくなり、画像品質が悪化する。
【0090】
本実施形態では、上流側支持台6は上流側取付け部61(取付け部)を有し、上流側取付け部61はレジストローラ3(回転体)に対して取り外し可能で、レジストローラ3に取り付けられる。
【0091】
レジストローラ3に対して上流側支持台6を直接位置決めするため、上流側取付け部61が板状の印刷媒体Pを支持する面と、レジストローラ3が板状の印刷媒体Pに接触する面との間における位置ずれを抑制できる。これにより、台部10又は外装部材等のレジストローラ3以外の構成部に対して上流側支持台を位置決めする場合と比較して、上流側支持台6が傾いて取り付けられることを抑え、板状の印刷媒体を正しい位置に支持することができる。その結果、搬送不具合を抑制できる。
【0092】
また、本実施形態では、上流側取付け部61が軸心部材31aから外れるのを補助する補助部材65を有する。補助部材65により、斜面部651が軸心部材31aの円周面に接触することで、レジストローラ3に突き当てられた上流側取付け部61がレジストローラ3から外れる脱離を防止できる。なお、下流側取付け部71補助部材65を設ける場合にも同様の効果が得られる。
【0093】
(変形例)
図7は、変形例に係る画像形成装置100aが備える上流側支持台6及び下流側支持台7aの構成の一例を示す図である。
図7に示すように、下流側支持台7aは下流側外枠部材72aと、下流側取付け部71aa及び71abとを備える。
【0094】
下流側外枠部材72aは、レジストローラ3に向き合う側に延伸部75a及び75bを備える。延伸部75a及び75bは、下流側外枠部材72aに含まれる4辺の柱状部材のうち、搬送方向Bに沿う柱状部材がレジストローラ3に向き合う側に延伸した部分である。延伸部75a及び75bは、それぞれレジストローラ3に向き合う側の先端に下流側取付け部71a及び71bを備えている。
【0095】
第1実施形態に係る画像形成装置100では、下流側支持台7をレジストローラ3に取り付けるために、下流側取付け部71は、上流側取付け部61と比較して搬送方向Bに沿って長くなっている。
【0096】
これに対し、本変形例では、下流側外枠部材72aが延伸部75a及び75bを備えることで、下流側取付け部71aa及び71abの搬送方向Bに沿う長さは、上流側取付け部61の長さと略等しくなっている。このような構成においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0097】
また延伸部75a及び75bを、下流側取付け部71aa及び71abと比較して高い剛性で構成することで、より安定して下流側支持台7aをレジストローラ3に取り付け可能になる。
【0098】
次に、
図8は、軸受けを介して上流側取付け部をレジストローラ3に取り付ける構成の一例を示す図である。
図8に示すように、レジストローラ3に含まれる上側ローラ31の軸心部材31aには軸受け33aが設けられている。
【0099】
軸受け33aは、軸心部材31aが回転可能に、軸心部材31aの外周面に接触して設けられている。軸受け33aは、内部にボール又はニードル等の軸受け部材を含み、軸受け部材を介して軸心部材31aの外周面と接触するため、軸心部材31aが回転した際の摺動抵抗が抑制され、軸心部材31aが円滑に回転可能になっている。上流側支持台6における上流側取付け部61aは、この軸受け33aに対して取り付けられる。なお、軸心部材31aに沿った軸受け33aの長さ(幅)は、上流側取付け部61aが軸心部材31aと接触する範囲に少なくとも亘っていればよい。
【0100】
図8に示す変形例では、上流側取付け部61とレジストローラ3とを直接接触させず、軸受け33aを介して上流側取付け部61をレジストローラ3に取り付ける。これにより、レジストローラ3が回転した際に、レジストローラ3の回転を円滑にするとともに、レジストローラ3の摩耗を低減できる。
【0101】
なお、軸心部材31aが回転した際の摺動抵抗が抑制可能であれば、軸受け33a以外の部材を介して上流側取付け部がレジストローラ3に取り付けられるようにしてもよい。このような軸受け33a以外の部材は、例えば回転カラー部材等である。
【0102】
また、
図8では、上流側取付け部61aを例示したが上流側取付け部61bにおいても同様に、軸受け33aを介してレジストローラ3に取り付け可能である。また下流側支持台7も同様に軸受け33aを介してレジストローラ3に取り付け可能である。何れも上記と同様の作用効果が得られる。
【0103】
また、
図9は、コロ101が設けられた上流側支持台6の一部を示す図である。
図9に示すように、搬送方向に並んでコロ101が設けられた上流側支持台6とレジストローラ3を備える本体との位置決めをすることにより、コロ101による板状の印刷媒体の搬送の向きとレジストローラ3による搬送の向きを一致させることができる。
図9の102はコロ支持体であり、62は支持台外枠であり、63は補強材である。
【0104】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置100bについて説明する。なお、第1実施形態で説明したものと同一の構成部には同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0105】
図10は、画像形成装置100bの構成の一例を示す図である。
図10に示すように、画像形成装置100bは、外装部材8と、本体支持部材9と、上流側支持部材67と、下流側支持部材77とを備える。
【0106】
外装部材8は、プラテン1と、レジストローラ3と、キャリッジ26とを覆う外装として機能する部材である。但し、外装部材8は少なくともレジストローラ3を覆うものであればよい。
【0107】
本体支持部材9は、プラテン1、レジストローラ3、外装部材8及びキャリッジ26等を支持する部材である。上流側支持部材67は、上流側支持台6を支持する支持部材の一例である。下流側支持部材77は下流側支持台7を支持する部材である。
【0108】
本体支持部材9、上流側支持部材67及び下流側支持部材77は、それぞれ底面部にキャスター11が設けられており、床200上を移動可能になっている。
【0109】
上流側支持部材67は、上流側支持台取付け長孔671が設けられている。上流側支持台取付け長孔671に締結用のネジを通すようにして、上流側支持台6におけるレジストローラ3側とは反対側の端部近傍が上流側支持部材67に固定される。上流側支持部材67は、上流側支持台6がZ軸に沿う方向である鉛直方向に沿って移動可能に上流側支持台6を支持できる。
【0110】
下流側支持部材77も同様に、下流側支持台取付け長孔771が設けられている。下流側支持台取付け長孔771に締結用のネジを通すようにして、下流側支持台7におけるレジストローラ3側とは反対側の端部近傍が下流側支持部材77に固定される。下流側支持部材77は、下流側支持台7がZ軸に沿う方向である鉛直方向に沿って移動可能に下流側支持台7を支持できる。
【0111】
上流側支持台6におけるレジストローラ3側とは反対側の端部近傍を鉛直方向に沿って移動させることで、上流側支持台6の煽り方向の傾きを調整できる。これにより、上流側支持台6が傾いて取り付けられることを抑え、板状の印刷媒体Pを送る際に板状の印刷媒体Pの斜行をより好適に抑制できる。
【0112】
また下流側支持台7におけるレジストローラ3側とは反対側の端部近傍を鉛直方向に沿って移動させることで、下流側支持台7の煽り方向の傾きを調整できる。これにより、下流側支持台7が傾いて取り付けられることを抑え、板状の印刷媒体Pを送る際に板状の印刷媒体Pの斜行をより好適に抑制できる。
【0113】
図11は、外装部材8における挿入孔81を示す図である。挿入孔81は、外装部材8の外側から上流側取付け部61及び下流側取付け部71を挿入させる孔である。外装部材8は、上流側取付け部61a及び61bを挿入させるために2つの挿入孔81を備え、下流側取付け部71a及び71bを挿入させるために2つの挿入孔81を備える。なお、挿入孔81は複数の挿入孔の総称表記である。
【0114】
挿入孔81を通して外装部材8の内部に、上流側取付け部61及び下流側取付け部71のそれぞれの端部が挿入され、上流側取付け部61及び下流側取付け部71がそれぞれレジストローラ3に取り付けられる。
【0115】
挿入孔81に挿入された上流側取付け部61及び下流側取付け部71がZ方向又はX方向に移動することを、挿入孔81が規制することで、上流側取付け部61及び下流側取付け部71は、安定してレジストローラ3に取り付けられる。
【0116】
また
図11に示すように、挿入孔81は、閉鎖部材82を取り付けることで閉鎖可能である。換言すると、閉鎖部材82は、挿入孔81を塞ぐ蓋として機能する。
【0117】
上流側支持台6又は下流側支持台7が取り付けられていない場合には、挿入孔81は開放された状態になり、ゴミ等が外装部材8の内部に混入してプラテン1等に付着することで、画像形成の品質が低下する場合がある。また挿入孔81は開放された状態であると、画像形成装置100の美観が損なわれる場合もある。
【0118】
閉鎖部材82により挿入孔81を閉鎖可能にすることで、上流側支持台6又は下流側支持台7が取り付けられていない場合に、ゴミ等が外装部材8の内部に混入してプラテン1等に付着することを防止できる。また画像形成装置100の美観が損なわれることを防止できる。
【0119】
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0120】
また、実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
【符号の説明】
【0121】
1 プラテン
2 印刷部
21 ガイドロッド
22 主走査モータ
23 駆動プーリ
24 従動プーリ
25 タイミングベルト
26 キャリッジ
261a、261b、261c、261d 記録ヘッド
27 リニアエンコーダ
271 エンコーダシート
272 エンコーダセンサ
3 レジストローラ(回転体)
31 上側ローラ
32 下側ローラ
31a、32a 軸心部材
33a 軸受け
4 副走査モータ
5 維持回復機構
6 上流側支持台
61 上流側取付け部(取付け部の一例)
611 凹部
612 側面部
62 上流側外枠部材
63 上流側支持体
64 上流側補強材
65 補助部材
651 斜面部
652 平面部
66 搬送面
67 上流側支持部材
671 上流側支持台取付け長孔
7 下流側支持台
71 下流取付け部(取付け部の一例)
72 下流側外枠部材
73 下流側支持体
74 下流側補強材
75a、75b 延伸部
77 下流側支持部材
771 下流側支持台取付け長孔
8 外装部材
81 挿入孔
82 閉鎖部材
9 本体支持部材
10 台部
11 キャスター
100 画像形成装置
200 床
A 主走査方向
B 搬送方向
P 板状の印刷媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】