(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/75 20230101AFI20241112BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20241112BHJP
G03B 7/095 20210101ALI20241112BHJP
【FI】
H04N23/75
H04N23/63
G03B7/095
(21)【出願番号】P 2023131014
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2021196155の分割
【原出願日】2019-07-18
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2018135197
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】河津 鉄人
(72)【発明者】
【氏名】木下 朗
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-192991(JP,A)
【文献】特開平10-020358(JP,A)
【文献】特開2004-056699(JP,A)
【文献】特開2017-143423(JP,A)
【文献】特開平02-151843(JP,A)
【文献】特開2013-064834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/75
H04N 23/63
G03B 7/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞りを有する光学系を介して入射した光を
光電変換して信号を出力する撮像部と、
前記信号に基づく画像データを記録するために前記撮像部が撮像を行う間の第1絞り値が、前記信号に基づく画像を表示部に表示するために前記撮像部が撮像を行う間の第2絞り
値との差が第1の値より大きくなると、前記第2絞り値を前記第1絞り値に基づいて変更する第1制御を行
い、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が前記第1の値以下であると、前記第2絞り値を変更しない第2制御を行う制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第1絞り値が前記第2絞り値より大きく、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が前記第1の値より大きくなると、前記第1制御を行う撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第1絞り値が前記第2絞り値より大きく、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が前記第1の値以下であると、前記第2制御とを行う撮像装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第1制御において、前記第2絞り値を前記第1絞り値以下にする撮像装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第2絞り値が前記第1絞り値より大きく、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が前記第1の値より大きくなると、前記第1制御を行う撮像装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記制御部は、前記第2絞り値が前記第1絞り値より大きく、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が前記第1の値以下であると、前記第2制御を行う撮像装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号に基づく画像データを記録する記録部を備え、
前記制御部は、前記信号に基づく画像データを前記記録部に記録するために前記撮像部が撮像を行う間、前記光学系の絞りを前記第1絞り値に制御する撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の撮像装置において、
前記撮像部に撮像を指示するための操作部を備え、
前記記録部は、前記操作部への操作に基づいて、前記信号に基づく画像データを記録する撮像装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号に基づいて生成された画像を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記信号に基づくライブビュー画像を前記表示部に表示するために前記撮像部が撮像を行う間、前記光学系の絞りを前記第2絞り値に制御する撮像装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号に基づいて前記光学系の焦点位置と前記撮像部とのずれ量を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部によりずれ量を検出するために前記撮像部が撮像を行う間、前記光学系の絞りを前記第2絞り値に制御する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ライブビュー画像と称されるモニタ用の画像を表示するカメラが知られている。また、被写体の明るさが変化すると、露出補正のために撮影レンズの絞りが頻繁に駆動される(特許文献1参照)。そのため、絞りが頻繁に駆動されることで、ライブビュー画像の画面の明るさが変化する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によると、撮像装置は、絞りを有する光学系を介して入射した光を撮像して信号を出力する撮像部と、前記信号に基づく画像データを記録するために前記撮像部が撮像を行う間の第1絞り値が、前記信号に基づく画像を表示部に表示するために前記撮像部が撮像を行う間の第2絞り値よりも大きく、前記第1絞り値と前記第2絞り値との差が第1の値より大きくなると、前記第2絞り値を前記第1絞り値に基づいて変更する第1制御を行う制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】
図1のカメラの要部構成を説明するブロック図である。
【
図3】
図3(a)から
図3(d)は、第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【
図4】
図4(a)から
図4(d)は、第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【
図5】
図5(a)から
図5(c)は、第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【
図6】ボディ側制御部がライブビューモード時に実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、発明の一実施の形態によるカメラボディ2に交換レンズ3が装着される前のカメラシステム1の斜視図である。カメラボディ2と交換レンズ3の結合は、ボディ側マウント210とレンズ側マウント310のバヨネット構造により行われる。カメラボディ2と交換レンズ3が結合すると、各マウントに設けられた端子同士が物理的に接触し、カメラボディ2と交換レンズ3とが電気的に接続される。
図2を使って後述するが、カメラボディ2はレリーズボタンなどの操作部材280および撮像素子260を備える。
図1にはレンズ交換式のカメラシステム1を例示するが、カメラシステム1は、カメラボディとレンズとが一体型のカメラ及びビデオカメラでもよい。
【0007】
図2は、第1の実施形態によるカメラシステム1の要部構成を説明するブロック図である。
<交換レンズ>
交換レンズ3は、レンズ側マウント310、レンズ側制御部330、レンズ側通信部340、レンズ側記憶部350、撮影レンズ360、レンズ駆動部370、および絞り駆動部380を有する。
【0008】
円環状のレンズ側マウント310には、レンズ側端子保持部320が設けられる。レンズ側端子保持部320は、光軸Oを中心とした円弧状に複数のレンズ側端子を有する。複数のレンズ側端子には、例えば、交換レンズ3がカメラボディ2に装着されたことを示すことをカメラボディ2に伝える装着検出用端子、交換レンズ3とカメラボディ2との間の通信で使用する複数の通信用端子、カメラボディ2から交換レンズ3へ電力が供給される給電用端子、および接地用(グラウンド)端子などが含まれる。
【0009】
レンズ側制御部330は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ側制御部330は、レンズ側記憶部350に記憶されている制御プログラムを実行して交換レンズ3の各部を制御する。レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340、レンズ側記憶部350、レンズ駆動部370および絞り駆動部380と接続される。
【0010】
レンズ側通信部340は、交換レンズ3がカメラボディ2に装着された状態でボディ側通信部240との間で所定の通信を行う。レンズ側通信部340は、レンズ側制御部330および上述したレンズ側端子と接続される。接触しているレンズ側端子とボディ側端子を介してレンズ側通信部340とボディ側通信部240との間で行われる通信により、レンズ制御部330による後述するレンズ361などの移動等の指示が行われる。またカメラボディ2から交換レンズ3のレンズ制御部330へはレンズ駆動部370の状態を示す情報などの交換レンズ3内の情報をカメラボディ2へ送信する送信要求が送られる。
【0011】
前述のレンズ駆動部370の状態を示す情報とは、例えば、上記レンズ駆動部370がレンズ361を駆動中である状態を示す情報である。一方、移動後のレンズ361の位置や交換レンズ3における駆動部の状態などを示すデータ、レンズ側記憶部350から読み出されたデータ、撮影距離や撮影倍率に関する情報などが、交換レンズ3内の情報としてカメラボディ2へ送信される。
【0012】
レンズ側記憶部350は、不揮発性の記憶媒体によって構成される。レンズ側記憶部350は、レンズ側制御部330によってデータの記録と読み出しが制御される。レンズ側記憶部350は、レンズ側制御部330が実行する制御プログラム等を記憶する他に、交換レンズ3の機種名を示すデータ(機種名情報とも称する)や、撮影レンズ360の焦点距離や収差情報などの光学特性を示すデータ等を記憶する。なお、レンズ記憶部350に記憶されているデータには、後に詳述する第1の絞り値と第2の絞り値との間の光学特性の差に基づく誤差許容値を含めてもよい。
【0013】
撮影レンズ360は、カメラボディ2の撮像素子260の撮像面に被写体光を導く。撮影レンズ360の光軸Oは、レンズ側マウント310およびボディ側マウント210の中心と一致する。撮影レンズ360は、フォーカシングレンズやズームレンズを含む複数のレンズ361と、絞り362とによって構成される。なおレンズ361は複数のレンズを有するが
図2では簡略化して1つのレンズとして図示している。撮影レンズ360の少なくとも一部は、レンズ駆動部370や手動操作により、光軸O方向に進退移動が可能に構成されている。
例えばフォーカシングレンズは、レンズ駆動部370により、光軸O方向に進退移動が可能に構成されている。フォーカシングレンズが移動することにより、撮影レンズ360の焦点位置が調節される。
【0014】
絞り362は、複数枚の絞り羽根を有するいわゆる開口絞りであり、絞り羽根を駆動することで撮影レンズ360の開口径(絞り値)を変化させて撮像素子260へ入射する光量を調節する。絞り駆動部380が絞り羽根を駆動し開口径(絞り値)を変化させる。 絞り駆動部380は、ステッピングモータおよび絞り駆動機構によって構成される。絞り駆動部380は、レンズ側制御部330からの指示に基づき、絞り362の絞り羽根を駆動して開口径を変化させる。また、絞り駆動部380は、絞り羽根近傍に設けたエンコーダ、または、パルスカウンタを用いて絞り羽根の駆動量を計測することで絞り362の開口値を検出する。
【0015】
レンズ駆動部370は、ステッピングモータを含むレンズ駆動機構によって構成される。レンズ駆動部370は、レンズ側制御部330から出力される駆動信号により、レンズ361を構成するフォーカシングレンズを光軸Oの方向に沿って移動させる。フォーカシングレンズの移動方向や移動量、移動速度などは、例えば、ボディ側制御部230から指示される。レンズ駆動部370はレンズ近傍に設けたエンコーダまたはステッピングモータの駆動ステップ等によってフォーカシングレンズの位置を検出する。
【0016】
<カメラボディ>
カメラボディ2は、ボディ側マウント210、ボディ側制御部230、ボディ側通信部240、電源部250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280、および表示部290を有する。また、記録ユニット100がカメラボディ2に対して着脱可能に構成される。
【0017】
円環状のボディ側マウント210には、ボディ側端子保持部220が設けられる。ボディ側端子保持部220は、複数のボディ側端子を有する。複数のボディ側端子には、例えば、交換レンズ3が装着されたことが伝えられる装着検出端子、カメラボディ2と交換レンズ3との間の通信で使用される複数の通信用端子、カメラボディ2から交換レンズ3へ電力が供給される給電用端子、および接地用(グラウンド)端子が含まれる。
【0018】
ボディ側制御部230は、記憶部235を有し、マイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。ボディ側制御部230は、記憶部235に記憶されている制御プログラムを実行してカメラボディ2内の各部を制御する。ボディ側制御部230は、ボディ側通信部240、電源部250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280、表示部290、記録ユニット100および上述した装着検出端子と接続される。
【0019】
ボディ側制御部230に備えられた記憶部235は、ボディ側制御部230によってデータの記録と読み出しが制御される。記憶部235は、ボディ側制御部230が実行する制御プログラム等を記憶する他に、ボディ側通信部240で受信された交換レンズ3の機種名情報、交換レンズ3の光学特性を示すデータ等を記憶することができる。
【0020】
ボディ側通信部240は、カメラボディ2に交換レンズ3が装着された状態で、レンズ側通信部340との間で上述した通信を行う。ボディ側通信部240は、ボディ側制御部230および上述した通信用端子と接続される。
電源部250は、不図示の電池の電圧をカメラシステム1の各部で使用される電圧に変換し、カメラボディ2の各部、および、交換レンズ3へ供給する。電源部250は、ボディ側制御部230の指示により、給電先ごとに給電のオンとオフとを切換え可能である。電源部250は、ボディ側制御部230および上述した給電用端子と接続される。
【0021】
撮像素子260は、行方向および列方向に2次元状に画素が配置された、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子である。撮像素子260は、ボディ側制御部230からの制御信号により、撮像面の被写体像を撮像して撮像信号を出力する。撮像素子260は、ボディ側制御部230および信号処理部270と接続される。
【0022】
撮像素子260は、撮像面に配置された画像生成用の画素(撮像用画素と称する)と焦点検出用の画素(焦点検出用画素と称する)とを有する。撮像用画素で生成される信号(以下、撮像用画素信号と呼ぶ)は、後述する信号処理部270によって画像データの生成に用いられる。また、焦点検出用画素で生成される信号(以下、焦点検出用画素信号と呼ぶ)は、後述する信号処理部270によって撮像素子260撮像面における交換レンズ3による像の結像状態、換言すると後述するデフォーカス量を検出する焦点検出処理に用いられる。
なお、複数の光電変換部を有し、撮像用にも焦点検出用にも使用可能な信号を出力する画素を撮像素子260に設ける構成にしてもよい。
【0023】
信号処理部270は、撮像素子260の撮像用画素から出力された撮像用画素信号に対して所定の画像処理を行って画像データを生成する。生成された画像データは、記録ユニット100に所定のファイル形式で記録されたり、表示部290による画像表示に用いられたりする。信号処理部270は、ボディ側制御部230、撮像素子260、および表示部290と接続される。
【0024】
また、信号処理部270は、撮像素子260の焦点検出用画素から出力された焦点検出用画素信号を用いて、位相差検出方式によって交換レンズ3のデフォーカス量を算出する。デフォーカス量は、交換レンズ3が形成した被写体の像の位置(結像面)と撮像素子260の撮像面位置とのずれ量である。信号処理部270は、算出したデフォーカス量に基づいて、特定の被写体の像が交換レンズ3によって撮像素子260の撮像面に形成されるときのフォーカシングレンズの位置である合焦位置までのフォーカシングレンズの移動量を算出する。
【0025】
ボディ側制御部230は、測光演算部としても機能する。ボディ側制御部230は、撮像素子260から信号処理部270に入力された撮像用画素信号に基づいて被写体の明るさ情報(Bv値)を検出する。ボディ側制御部230は、Bv値と、記憶部235に格納されているプログラム線図の情報とに基づいて、絞り値(Av値)、シャッタ速度(Tv値)、および撮影感度(Sv値)を決定する。撮影感度は、ISO感度とも呼ばれ、撮像素子260における光電変換時のゲインである。なお、Av値、Tv値およびSv値は、撮影モードに応じてそれぞれアペックス演算によって算出される値である。
【0026】
記録ユニット100は、不揮発性の記憶媒体のメモリーカードである。記録ユニット100は、カメラボディ2の外装面から内側に設けられた不図示の差し込み部に装着される。記録ユニット100は、ボディ側制御部230によって画像データの記録と読み出しが制御される。
【0027】
レリーズボタンや種々の操作スイッチ等を含む操作部材280は、カメラボディ2の外装面に設けられる。ユーザは、操作部材280を操作することにより、撮影モードなどの設定や後述するライブビューモードの設定等を行う。
撮影モードの設定とは、撮影する画像を静止画とするか動画とするかの設定や、上述したAv値、Tv値およびSv値をすべてカメラ自動で決定するか、または、上述したAv値、Tv値およびSv値の一部若しくは全てをユーザ自身が決定するか、などの設定である。
レリーズボタンには半押しと全押しの2段階の押下操作が加わる。全押し操作が行われると、ボディ側制御部230に撮像の指示が与えられ、撮像素子260で撮像し信号処理部270で生成された画像が記録ユニット100に記憶される。半押し操作は、全押し時の押し下げ量の半分程度までの押し下げ操作であり、撮影準備動作が行われる。
【0028】
表示部290は、例えば有機ELや液晶表示パネルを備える。表示部290は、ボディ側制御部230からの指示により、信号処理部270によって処理された画像データに基づく画像や、操作メニュー画面等を表示する。表示部290は、ボディ側制御部230および信号処理部270と接続される。
また、表示部290は、撮像素子260により繰り返し撮像された信号に基づく画像データを、動的に逐次表示するいわゆるライブビュー画像表示することも可能である。このライブビュー画像表示は、レリーズボタンの全押し操作による撮像により生成される画像よりも低画質でもよい。
ライブビュー画像表示は、再生モードや設定モード以外の撮影モードでカメラシステム1の電源がオンの状態で行われる。
本実施の形態では、ライブビュー画像の表示に以下に示す3つのライブビューモードを有し、いずれかのライブビューモードが選択可能に構成されている。
【0029】
第1のライブビューモードは、ユーザ設定による撮影時の各種設定を反映せずに表示画像の見やすさを重視したライブビュー画像の表示である。第1のライブビューモードは、撮像用画素信号を基にライブビュー画像の生成や露出演算などを行い、焦点検出用画素信号を基に焦点検出処理などを行うモードである。
ユーザ設定による撮影時の各種設定とは、ユーザの所望の画像効果を得るための、シャッタースピード、絞り値及び露出などの設定である。絞り値を大きく設定(絞り開口を絞る)した場合、第1のライブビューモードでは絞りを設定した絞り値まで絞り込むことなくライブビュー画像の見やすさを重視するため明るい画像を表示する。つまり第1のライブビューモードでは、ライブビュー画像を生成する撮像信号から精度の良い測距演算が可能な所定の値(後述する第2の絞り値であるライブビュー用絞り値)までしか絞りを絞らない。この第1のライブビューモードは、表示するライブビュー画像を光学ファインダ(いわゆるOVF)にできるだけ近い状態で表示するモードである。そのため第1のライブビューモードでは、仮にユーザが露出補正を設定していても、ライブビュー画像はそのユーザが設定している露出補正を考慮せずに表示する。より具体的に述べると、ユーザが-1/3段の露出補正を設定していても、ライブビュー表示される画像は暗い画像とはならない。
【0030】
第2のライブビューモードは、ユーザ設定による本撮影時の各種設定を反映したライブビュー画像の表示である。第1のライブビューモードと同様に、撮像用画素信号を基にライブビュー画像の生成や露出演算などを行い、焦点検出用画素信号を基に焦点検出処理などを行うモードである。第2のライブビューモードでは本撮影時の設定に基づいて本撮影時の露出をシミュレートして表示部290に画像を表示する。ただし、ライブビュー画像を生成した撮像信号から測距演算を可能とするため絞り値を測距可能な所定の値(後述する第2の絞り値であるライブビュー用絞り値)までしか絞らない。ライブビュー画像として表示する画像は、画像処理により暗い画像とする。前述したように第1のライブビューモードではユーザの設定を必ずしも反映させないが、第2のライブビューモードでは、例えば、ユーザが露出補正を設定している場合には、ライブビュー画像はそのユーザが設定している露出補正を反映して表示する。より具体的に述べると、ユーザが-1/3段の露出補正を設定している場合は、ライブビュー表示される画像は1/3段暗い画像となる。
【0031】
第3のライブビューモードは、表示するライブビュー画像にユーザ設定による撮影設定を全て反映させるモードである。第3のライブビューモードでは、本撮影のための各種演算を行わない。第3のライブビューモードでは本撮影時の設定として絞り値を大きく設定した場合は、設定した絞り値まで絞り込んで撮像する。そのためライブビュー表示される画像は暗くなるが、設定絞り値の被写界深度が確認でき、本撮影のプレビューが行える。
【0032】
本実施の形態では、上述したカメラシステム1において、ライブビューモードが第1および第2のいずれかのライブビューモードであると、表示部290にライブビュー画像を表示するとともに、撮像用画素信号や焦点検出用画素信号によりボディ側制御部230は露出演算及びデフォーカス量の算出などを行う。この露出演算及びデフォーカス量の算出は、ライブビュー表示の間、繰り返し行われる。演算された露出演算結果は以降のライブビュー画像のための撮像及びレリーズボタン押下操作による撮影のための各種設定に使用される。ライブビュー画像の表示中に算出されたデフォーカス量はレリーズボタンの半押し操作があった場合にフォーカシングレンズの駆動の指示に使用される。以下では、操作部の設定により、撮影時の絞り値が露出演算結果からボディ側制御部230により自動で決定される場合の説明を行う。すなわち、撮影モードとしてプログラム自動露出演算モードまたはシャッタ速度優先露出演算モード、あるいは感度設定も演算で行うフルオートモードが設定されている。
【0033】
<2つの絞り値>
ボディ側制御部230は、2つの絞り値を設定する。1つ目の絞り値は、操作部材280を構成するレリーズボタンが押下操作(全押し)され撮像(本撮影)時に適用する第1の絞り値(撮影用絞り値とも称する)であり、上述したアペックス露出演算に基づく値である。
【0034】
2つ目の絞り値は、詳しくは
図3~5を用いて後述するが、表示部290にライブビュー画像を表示するための撮像時、つまり露出演算及びデフォーカス量の算出に適用する第2の絞り値(ライブビュー用絞り値とも称する)である。
第2の絞り値は第1の絞り値よりも小さい(絞りが開いている)方が良い。なぜならば撮影レンズ360の絞り362の絞り値が変わると被写体像の焦点深度(測距の許容幅)が変化するからである。絞り362の絞り値が小さい(絞りを開ける)場合の焦点深度は浅く、絞り値が大きい(絞りを絞る)場合の焦点深度は深くなる。このため、本撮影で設定されている絞り値よりも大きい絞り値(絞りを絞る)でデフォーカス量の演算をすると、正確な値を算出できない。また、絞り値により撮影レンズ360の収差に起因する最良像面が変化することから、デフォーカス量の演算時の絞り(第2の絞り値)は撮影時の絞り値(第1の絞り値)と同じであるとなお良い。
被写体の明るさの変化に追従して第1の絞り値は露出演算により変化する。しかし頻繁に被写体の明るさが変化する場合に、第1の絞り値の変化に合わせてライブビュー表示中の第2の絞り値を頻繁に変化させて絞り羽根を駆動してしまうと、絞り駆動部380が発する音(駆動音)が問題になりやすくなる。また、表示部290に表示される画像の明るさの急な変化によるライブビュー画像のちらつきも問題になりやすくなる。
【0035】
本実施の形態によるボディ側制御部230は、ライブビューモード時において、測光値に基づいて上記第1の絞り値を含む制御値を算出し、算出した各値を記憶部235に記憶させておく。ボディ側制御部230は、レリーズボタンが全押し操作された場合に、記憶部235に記憶されている第1の絞り値となるように絞り362を駆動させるように絞り駆動部380へ指示して撮影を行って記録用の画像を取得する。
【0036】
また、本実施の形態では、被写体の明るさが頻繁に変化しても、ライブビュー画像の撮像時に絞り362の駆動が頻繁に行われないように、ボディ側制御部230が第1の絞り値の変化に比べて変化が少ない第2の絞り値を算出する。ライブビュー表示中は、第2の絞り値となるように絞り362を駆動させて、ライブビュー画像を取得させる。
【0037】
ボディ側制御部230は、ライブビュー画像を取得すると新たな測光値に基づいて上記第1の絞り値を含む制御値を算出し直し、算出した各値を記憶部235に更新記憶させておく。また、ボディ側制御部230は、第2の絞り値についても算出し直し、算出した値を記憶部235に更新記憶させておく。ボディ側制御部230は、レリーズボタンが押下(全押し)操作されない場合には、絞り362の絞り値が記憶部235に記憶されている第2の絞り値となるように絞り362を駆動させて、ライブビュー画像を取得させる。
【0038】
<第1および第2の絞り値の演算>
ライブビューモード時の第1の絞り値および第2の絞り値の演算について、さらに詳細に説明する。
図3(a)~(d)は、第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。上段の線が第1の絞り値(撮影用絞り値)を示し、下段の線が第2の絞り値(ライブビュー用絞り値)を示す。第1の絞り値および第2の絞り値の単位は、それぞれ露出演算値(アペックス演算値)であり、開放側絞り値をAv1とし、小径側絞り値をAv6まで表示している。絞り362の開放値や最小値は、例えば交換レンズ3の機種ごとに適宜変更して構わない。ボディ側制御部230によって演算された第1の絞り値および第2の絞り値は、各線上における三角形(▽)の位置によって表される。
図3(a)の例では演算された第1の絞り値(撮影用絞り値)がAv4、第2の絞り値(ライブビュー用絞り値)がAv3.5である。
【0039】
ボディ側制御部230は、例えばライブビュー表示のフレームレートに同期して撮像素子260を蓄積制御する。そして、上述したように、蓄積によって撮像素子260の撮像用画素で生成された撮像用画素信号の信号値(測光値とも称する)に基づいてBv値を求める。そしてさらに、Bv値と記憶部235に格納されているプログラム線図の情報とに基づき、第1の絞り値(Av値)、シャッタ速度(Tv値)、および感度(Sv値)を決定する。第1の絞り値(Av値)、シャッタ速度(Tv値)、および感度(Sv値)は、制御値として記憶部235に記憶させておく。
ボディ側制御部230は、このような第1の絞り値(Av値)を含む制御値の演算を、撮像素子260の撮像用画素信号が信号処理部270に入力される毎に行い、算出した制御値を記憶部235に更新記録する。
【0040】
ボディ側制御部230は、ライブビューモード時に初回の第1の絞り値(Av値)を演算すると、第1の絞り値(Av値)より開放側に、例えばアペックス値で1段分の許容範囲(破線の四角形で表示)を設定する。上述したように、ライブビュー画像の焦点検出用画素信号により制御部230はデフォーカス量の算出などを行うため、撮影用に設定された第1の絞り値よりも、被写体像の焦点深度の浅い絞り値を第2絞り値として設定する。本実施の形態では、第1の絞り値そのものと第1の絞り値よりも1段開放側との間の範囲を第2の絞り値を設定する範囲としてとしており、これを許容範囲と称している。そして、初回の第2の絞り値(Av値)として、その許容範囲の中間値(開放側から1/2段の絞り値)に決定する。
図3(a)の例では第1の絞り値(撮影用絞り値)がAv4であるので、第2の絞り値(ライブビュー用絞り値)はAv4の1段分開放側のAv3との中間値であるAv3.5に決定される。
なお、許容範囲としてアペックス値で開放側に1段分を例示するが、1段分に限られず、開放側に2段分でも0.5段分でもよい。あるいは許容範囲の上限(小径側)と下限(開放側)を、交換レンズ3の情報(焦点距離、開放絞り値等)によって異ならせてもよい。
また、許容範囲の中間値を第2の絞り値(Av値)に決定する例を説明するが、範囲のちょうど中間値ではない値(例えば開放側から1/3段、あるいは5/6段など)を第2の絞り値(Av値)としてもよい。
【0041】
図3(b)は、
図3(a)の状態よりも被写体の明るさが明るくなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
図3(a)で説明したように、ボディ側制御部230は、第1の絞り値(Av値)を決定する。
【0042】
図3(b)の状態では、
図3(a)の状態よりも第1の絞り値(撮影用絞り値)が小径側(Av値が大きく)へ変更され、第1の絞り値はAv4.4であり、これに合わせて第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(破線の四角形で表示)も小径側へ移動する。ボディ側制御部230は、前回
図3(a)の状態で決定した第2の絞り値(Av値)が、今回演算した第1の絞り値に基づく許容範囲(
図3(b)の破線四角形で表示)に含まれるか判定する。前回(
図3(a))で設定したAv3.5が、今回の一段分の許容範囲(Av3.4~4.4)の中にあるので
図3(a)の第2の絞り値(Av値)を変更しないでAv3.5のまま維持する。第2の絞り値(Av値)を維持することによって、ライブビューモード時の絞り362の駆動の頻度を抑えることができる。
【0043】
図3(c)は、
図3(b)の状態よりも被写体の明るさがさらに明るくなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。ボディ側制御部230は、第1の絞り値(Av値)を決定する。
【0044】
図3(c)の状態では、
図3(b)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が小径側へ変更され、第1の絞り値はAv4.8であり、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲範囲(破線四角形で表示)も小径側へ移動する。ボディ側制御部230は、維持している
図3(a)の第2の絞り値(点線の三角形Av3.5)が、今回演算した第1の絞り値(Av4.8)に基づく第2絞り値の許容範囲(
図3(c)の破線の四角形で表示したAv3.8~4.8)から外れるため、第2の絞り値(Av値)を小径側へ変更する。今回演算した第2絞り値の許容範囲(Av3.8~4.8)の中間値であるAv4.3(実線の三角形で示す)を第2の絞り値(Av値)として決定する。
【0045】
図3(d)は、
図3(c)の状態よりも被写体の明るさがさらに明るくなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。ボディ側制御部230は、第1の絞り値(Av値)を決定する。
【0046】
図3(d)の状態では、
図3(c)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が小径側へ変更され、第1の絞り値はAv5.8であり、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲範囲(破線四角形で表示)も小径側へ移動する。ボディ側制御部230は、前回の演算時に決定した
図3(c)の第2の絞り値(Av値)が、今回演算した第1の絞り値(Av4.8)に基づく第2絞り値の許容範囲(
図3(d)の破線四角形で表示)Av4.8~5.8から外れるため、第2の絞り値(Av値)を小径側へ変更し、新たに仮想した範囲の中間値を第2の絞り値(Av値)に決定しようとする。
【0047】
しかしながら、本実施の形態では、第2の絞り値(Av値)の小径側をAv5までに制限する。第2の絞り値(Av値)の小径側に制限値を設けるのは、絞り362の開口径が小さくなるほど、上述した像ずれ量(位相差)の検出精度が低下するからである。位相差の検出精度の低下は焦点検出精度の低下につながるため、本実施の形態では、第2の絞り値(Av値)の小径側に制限値を設ける(本例ではAv5)ことによって、ライブビューモード時の焦点検出精度の低下を抑えている。
よって、
図3(c)の状態よりも被写体の明るさがさらに明るくなった
図3(d)において、第2の絞り値の許容範囲は破線四角形で示すようにAv4.8~5.8であり、その中間値はAv5.3であるが、実際に設定される第2の絞り値は黒塗の三角形(▼)で示す小径側の制限値Av5となる。
なお、第2の絞り値(Av値)の小径側の制限値は、例えば交換レンズ3の機種ごとに適宜変更して構わない。
【0048】
図4(a)は、
図3(d)の状態よりも被写体の明るさがさらに明るくなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。ボディ側制御部230は、第1の絞り値(Av値)を決定する。
【0049】
図4(a)の状態は、
図3(d)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が小径側へ変更され、第1の絞り値はAv6.8であり、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(破線四角形で表示)も小径側へ移動する。ボディ側制御部230は、維持されている第2の絞り値(Av5)は、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(
図4(a)の破線四角形で表示)Av5.8~6.8から第2の絞り値(Av値)が外れているが、第2の絞り値(Av値)の小径側の制限値であるAv5に維持する。
図3(d)の状態よりも被写体の明るさがさらに明るくなった場合であっても、
図4(a)で第2の絞り値は黒塗の三角形(▼)で示す小径側の制限値Av5のままである。
【0050】
ところで、第2の絞り値(Av値)の小径側を制限すると、表示部290に表示されるライブビュー画像が明るくなる(露出オーバーな状態)おそれが生じる。前述した第1のライブビューモードでは、このような表示画面の明るさの変化を抑えるため、ボディ側制御部230は、撮像素子260の露光時間(蓄積時間、Tv値)を短くしたり、感度(Sv値)を下げたりするとよい。このような制御により、表示部290に表示されるライブビュー画像の明るさの変化を抑えることができる。なお前述したように、第1のライブビューモードでは、このような表示画面の明るさの変化を抑える処理でユーザの設定(露出補正など)は反映しないが、第2のライブビューモードでは、ユーザの設定(露出補正など)も考慮して露光時間(蓄積時間、Tv値)や感度(Sv値)を決定する。
【0051】
図4(b)は、
図4(a)の状態よりも被写体の明るさが暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【0052】
図4(b)の状態では、
図4(a)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更され、第1の絞り値はAv6である。これに合わせて、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(破線四角形で表示)も開放側へ移動する。ボディ側制御部230は、前回、
図4(a)で設定維持したAv5が、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(
図4(b)の破線四角形で表示)Av5~6)の中にあり、かつ、許容範囲の中間値Av5.5が制限値(Av5)よりも小径側にあるため、第2の絞り値(Av値)を制限値であるAv5に維持する。
図4(b)で小径側の制限値Av5に第2の絞り値が維持されていることを黒塗の三角形(▼)で示す。
【0053】
図4(c)は、
図4(b)の状態よりも被写体の明るさがさらに暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【0054】
図4(c)の状態は、
図4(b)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更され、第1の絞り値はAv4.8である。第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更されたので、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(破線四角形で表示)も開放側へ移動する。ボディ側制御部230は、点線の三角形で示す小径側の制限値Av5で維持している
図4(a)および
図4(b)の第2の絞り値(Av値)が、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(
図4(c)の破線四角形で表示)Av3.8~4.8から外れる場合には、第2の絞り値(Av値)を開放側へ変更する。
図4(c)の状態では、今回演算した第1の絞り値Av5に基づく第2絞り値の許容範囲(Av3.8~4.8)の中間値Av4.3(
図4(c)の実線の三角形)を第2の絞り値(Av値)に決定する。
【0055】
図4(d)は、
図4(c)の状態よりも被写体の明るさがさらに暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【0056】
図4(d)の状態では、
図4(c)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更されたAv4.5であり、第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容(破線四角形で表示)も開放側へ移動する。ボディ側制御部230は、前回の演算時に決定した
図4(c)の第2の絞り値Av4.3が、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(
図4(d)の破線四角形で表示)Av3.5~4.5に含まれているため、前回の演算時に決定した
図4(c)の第2の絞り値Av4.3を変更しないで維持する。第2の絞り値(Av値)を維持することによって、ライブビューモード時の絞り362の駆動の頻度を抑えることができる。
【0057】
図5(a)は、
図4(d)の状態よりも被写体の明るさがさらに暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【0058】
図5(a)の状態は、
図4(b)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更され、第1の絞り値はAv2.5である。ボディ側制御部230は、現在の第2の絞り値(
図5(a)に破線の三角形で示すAv4.3)が、演算された第1の絞り値(
図5(a)ではAv2.5よりも大きい場合は、現在の第2の絞り値(Av値)と第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲との比較を行なうことなく、第2の絞り値を第1の絞り値よりも小さくなるように設定する。上述の繰り返しとなるが、ライブビュー画像の焦点検出用画素信号により制御部230はデフォーカス量の算出などを行うため、撮影用に設定された第1の絞り値よりも、被写体像の焦点深度の浅い絞り値を第2絞り値として設定する。そこで今回新たに演算した第1の絞り値Av2.5が、維持している第2の絞り値Av4.3よりも開放側に位置するため、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(Av1.5~2.5)の中間値(Av2)を第2の絞り値(Av値)に決定する。
【0059】
図5(b)は、
図5(a)の状態よりも被写体の明るさがさらに暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
【0060】
図5(b)の状態は、
図5(a)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側へ変更され、第1の絞り値はAv2.2である。これに合わせて第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲(破線四角形で表示)も開放側へ移動する。ボディ側制御部230は、前回の演算時に決定した
図5(a)の第2の絞り値Av2が、今回演算した第1の絞り値に基づく第2絞り値の許容範囲Av1.2~2.2(
図5(b)の破線四角形で表示)に含まれるため、前回の演算時に決定した
図5(a)の第2の絞り値Av2を変更しないで維持する。第2の絞り値(Av値)を維持することによって、ライブビューモード時の絞り362の駆動の頻度を抑えることができる。
【0061】
図5(c)は、
図5(b)の状態よりも被写体の明るさがさらに暗くなった場合の第1の絞り値および第2の絞り値を説明する図である。
図5(c)の状態では、
図5(b)の状態よりも第1の絞り値(Av値)が開放側のAv2へ変更され、仮想される範囲(破線四角形で表示)も開放側へ移動しAv1~2となる。
【0062】
ここで、本実施の形態では、絞り362の開放上限値はAv2であるものとする。つまり交換レンズ3の開放絞り値がAv2(F値が2)である。ボディ側制御部230は、Bv値と記憶部235に格納されているプログラム線図の情報に基づいて算出される第1の絞り値(Av値)が開放上限値よりも開放側である場合には、第1の絞り値(Av値)を開放値に維持する。また、第1の絞り値(Av値)を開放値にする場合は、第2の絞り値(Av値)も第1の絞り値(Av値)と同じ開放値にする。
図5(c)において、黒塗の三角形(▼)は、開放値であることを示す。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態では、ライブビューモード時の絞り362の駆動の頻度を抑えるために、ライブビュー用絞り値である第2の絞り値を撮影用絞り値である第1の絞り値よりも常に開放側に設定し、被写体の明るさが変化しても第2の絞り値(Av値)の変更を極力行わないように制御する。
【0064】
<フローチャートの説明>
上述したライブビューモードが第1および第2のいずれかのライブビューモードである時にボディ側制御部230が実行する処理の一例について、
図6のフローチャートを参照して説明する。ボディ側制御部230は、例えばメインスイッチのオン操作に伴って起動する、または、所定の時間で無操作状態が続いくとスリープ動作に移行するが、そのスリープ動作が操作部材280の操作により解除されると、
図6のフローチャートによる処理を開始させる。スリープ動作の解除(通常状態への復帰)は、操作部材280を構成するスイッチ等が操作された場合に行う。操作は、例えばレリーズボタンに対する半押し操作でもよい。
図6は電源オンもしくはスリープ動作の解除によりライブビュー表示を行う処理を説明するが、ライブビュー表示はレリーズボタンの全押しが行われるまで繰り返し行われる。
【0065】
ステップS10において、ボディ側制御部230は、ライブビューモード時の露出設定を所定値(初期値)に制御し、撮像素子260に対する蓄積制御を行う。例えば、交換レンズ3へ絞り362を所定の初期値(上記第2の絞り値に対応)に駆動するように指示し、ライブビュー用の撮像における撮像素子260の蓄積時間および感度を所定の初期値に制御して、1コマ目のライブビュー画像を撮像するための蓄積動作を行わせる。
【0066】
ステップS20において、ボディ側制御部230は、撮像素子260から信号処理部270へ信号を読み出させてステップS30へ進む。ボディ側制御部230は、ステップS30において露出演算を行うことにより、上述したように第1の絞り値(撮影用絞り値)および第2の絞り値(ライブビュー用絞り値)を算出する。すなわち、ボディ側制御部230は、信号処理部270に入力された撮像用画素信号に基づいて被写体の明るさ情報(Bv値)を検出し、Bv値と、記憶部235に格納されているプログラム線図の情報とに基づいて、撮影用絞り値(第1の絞り値、Av値)、シャッタ速度(Tv値)、および感度(Sv値)を決定する。さらに、ボディ側制御部230は、第1の絞り値とは別に第2の絞り値の許容範囲を算出する。算出した第1の絞り値、第2の絞り値の許容範囲を含む各制御値は、記憶部235に記憶させておく。
【0067】
また、ステップS30において、ボディ側制御部230はデフォーカス量も算出する。ボディ側制御部230は、信号処理部270に対し、撮像素子260の焦点検出用画素から出力された信号を用いて、上述したようにデフォーカス量を算出させる。
本実施の形態では、ステップS30でデフォーカス量を算出するが、この時点ではフォーカシングレンズの駆動はまだ行わない。
【0068】
ステップS40において、ボディ側制御部230は
図3~5を用いて説明したように第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)に絞り362を設定したうえで、ライブビュー表示を行う。ボディ側制御部230は、信号処理部270に対し、撮像素子260から出力された撮像用画素信号を用いてライブビュー画像を生成させ、生成されたライブビュー画像を表示部290に表示させる。
【0069】
ステップS50において、ボディ側制御部230はレリーズボタンが半押し操作されたか否かを判定する。ボディ側制御部230は、レリーズボタンが半押し操作された場合にステップS50を肯定判定してステップS60へ進み、半押し操作されない場合にはステップS10へ戻る。
【0070】
ステップS60において、ボディ側制御部230は、信号処理部270によってステップS30で算出されたデフォーカス量に基づき、交換レンズ3に対してレンズ361を構成するフォーカシングレンズを光軸Oの方向に沿って移動させる。すなわち、レンズ側制御部330からレンズ駆動部370へフォーカシングレンズの駆動指示を行わせ、合焦駆動動作を行う。その後ステップS70へ進む。
【0071】
ステップS70において、ボディ側制御部230はレリーズボタンが全押し操作されたか否かを判定する。ボディ側制御部230は、レリーズボタンが全押し操作された場合にステップS70を肯定判定してステップS80へ進み、全押し操作されない場合にはステップS70を否定判定してステップS10へ戻る。
【0072】
ステップS10へ戻ったボディ側制御部230は、再びステップS10以降の処理を行う。ライブビューモード時の2コマ目以降の露出設定は、記憶部235に記憶されている第2の絞り値と、記憶部235に記憶されているシャッタ速度(Tv値)および感度(Sv値)とを用いる。ここで、記憶部235に記憶されているシャッタ速度(Tv値)および感度(Sv値)は、少なくとも一方を補正してよいものとする。この理由は、上述した通り、被写体の明るさの変化に伴って表示部290に表示されるライブビュー画像の明るさが変化する場合が生じるので、シャッタ速度(Tv値)や感度(Sv値)を補正することによって、表示されるライブビュー画像の明るさを調節するためである。
【0073】
レリーズボタンが全押し操作された場合に進む(ステップS70を肯定判定)ステップS80において、ボディ側制御部230は、記録用の画像を撮像するための蓄積動作を行わせる。その際に、記憶部235に記憶されている絞り362を第1の絞り値(撮影用の絞り値、Av値)に設定し、アペックス演算で算出し記憶部235に記憶されているシャッタ速度(Tv値)で撮像素子260の蓄積制御を行い、同じくアペックス演算で算出し記憶部235に記憶されている感度(Sv値)処理を行う。
【0074】
ステップS90において、ボディ側制御部230は、撮像素子260から信号処理部270へ信号を読み出してステップS100へ進む。ステップS100において、ボディ側制御部230は、信号処理部270に対し、撮像素子260から出力された撮像用画素信号に所定の画像処理を行わせ、記録用の画像を生成させる。これにより、信号処理部270が所定の画像処理を行って記録用の画像を生成する。
【0075】
ステップS110において、ボディ側制御部230は画像表示を行う。すなわち、ボディ側制御部230は、ステップS100において信号処理部270で処理された画像を表示部290に表示させる。
ステップS120において、ボディ側制御部230は、信号処理部270で処理された画像のファイルを記録ユニット100に記録させる。
【0076】
ステップS130において、ボディ側制御部230はライブビューモードが終了したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、ライブビューモードが終了した場合にステップS130を肯定判定して
図6による処理を終了する。ライブビューモードが終了しない場合にはステップS130を否定判定してステップS10へ戻る。
ここで、ライブビューモードが終了するとは、電源OFFされた状態、ユーザの操作により表示部290にメニューの表示をされた状態、スリープ動作に移行などでライブビューを表示する必要がない状態になることである。
【0077】
なお、
図6の表示処理(S100)と記録処理(S110)は、処理の順番を入れ替えてもよいし、並行して行ってもよい。
また、本実施の形態ではステップS30でデフォーカス量を算出し、ステップS50で半押し操作がなされた後にステップS60でフォーカシングレンズの駆動を行っているが、ステップS30でデフォーカス量を算出するとともにフォーカシングレンズを駆動しても良い。
【0078】
上述した実施の形態の第1および第2のいずれかのライブビューモードでは、次の作用効果が得られる。
(1)カメラボディ2と、絞り362を備える交換レンズ3とで構成されるカメラシステム(カメラシステム1)は、測光値に基づいて撮影用の絞り値である第1の絞り値を演算するボディ側制御部230と、第1の絞り値とに基づいて、ライブビュー用絞り値である第2の絞り値を絞り値許容範囲内で設定するボディ側制御部230とを備える。このように構成したので、被写体の明るさが変化して第1の絞り値が変化したとしても、第2の絞り値が絞り値許容範囲内に設定されていれば、変化した第1の絞り値に直ちに連動して変化することなく設定されている第2の絞り値を維持する。これにより、ライブビューモード時において頻繁に絞り362が駆動されることが抑えられ、駆動音を減らすことができる。また絞り変更頻度が下がるため、レンズの絞り機構の耐久性を向上させることができる(耐久摩耗を抑えることができる)。ライブビューモード時の絞り362の駆動を抑えることは、ライブビュー画像を表示する表示部290の画面のちらつきを抑える点においても好適である。さらにまた、絞り362の駆動を繰り返すことによって生じる測光時のハンチング現象を避ける点においても好適である。
【0079】
(2)上記の第2の絞り値の絞り値許容範囲は、第1の絞り値に基づいて設定されるようにしたので、被写体の明るさに対応させた適切な範囲で絞り値制限範囲を設定することができる。
【0080】
(3)上記の第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)の絞り値許容範囲は、第1の絞り値(撮影用の絞り値)よりも常に開放側に設けるようにした。一般に、絞り362の開口径が大きい(大径側)ほど、上述したように被写体像の焦点深度が浅くなるので像ずれ量(位相差)の検出精度が向上する。本実施の形態では、第1の絞り値よりも絞り362の開口径を大きくする側(開放側)に絞り値制限範囲を設定したことにより、位相差検出の精度、ひいては焦点検出精度の低下を抑制できる。
【0081】
(4)ボディ側制御部230は、被写体の明るさが変化して第1の絞り値が更新される(新たに算出される)と上記の第2の絞り値の絞り値許容範囲を更新する。また、ボディ側制御部230は、設定されている(前回算出した)第2の絞り値が更新された絞り制限範囲内の場合、第2の絞り値を変更しない。このように構成したので、ライブビューモード時における絞り362の駆動の頻度を抑えることができる。
【0082】
(5)ボディ側制御部230は、被写体の明るさが変化して新たに算出した第1の絞り値(撮影用の絞り値)が、前回の算出結果によって設定されている第2の絞り値より開放側である場合、第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)を算出した第1の絞り値よりも開放側に設定する。そして第2の絞り値の絞り許容範囲を更新し、更新された絞り制限範囲で第2の絞り値を再設定(更新)する。このように構成したので、第1の絞り値よりも絞り362の開放側に絞り値制限範囲を設定し、焦点検出精度の精度を低下させることなく、ライブビューモード時の絞り362の駆動を抑えることができる。
【0083】
(6)上記の第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)の絞り値許容範囲は、第1の絞り値よりも開放側(本実施の形態では第1の絞り値よりも1段開放側)に設定した。そしてボディ側制御部230は、新たに設定される第2の絞り値を絞り値許容範囲の略中央に設定した。そのため、本実施の形態では、被写体の明るさ情報がアペックス値で0.5段以上増減しない限り、第2の絞り値を再設定(更新)しなくてよい。このように構成したので、絞り362を駆動する頻度を適切に抑えることができる。
【0084】
(7)ボディ側制御部230は、第2の絞り値の絞り値許容範囲の上限下限を交換レンズ3の情報によって変化させるようにした。このように構成したので、例えばレンズ361の光学特性に合わせて、適切な値を設定することができる。
【0085】
(8)交換レンズ3の情報は、第1の絞り値と第2の絞り値との間の光学特性の差に基づく誤差許容値、撮影距離、および撮影倍率の少なくとも1つである。このように構成したので、絞り値制限範囲の上限下限を、適切に設定することができる。
【0086】
(9)カメラシステム1のカメラボディ2は、ボディ側制御部230によって第1の絞り値(撮影用の絞り値)および第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)を算出し、第2の絞り値への絞り362の駆動を交換レンズ3へ指示するボディ側制御部230を備える。このように構成したので、カメラボディ2側で演算を行って、絞り362を第2の絞り値へ駆動する指示をカメラボディ2が交換レンズ3へ送信することができる。(10)ボディ側制御部230は、第2の絞り値の絞り値許容範囲をオートフォーカスのモード(例えばシャッターボタンを半押しして一度合焦させると半押し中は焦点位置を固定するモードや半押し中は合焦動作を繰り返し行うモード)によって変更しても構わない。なおマニュアルモードにおいても第2の絞り値の絞り値許容範囲で絞りの制御を行ってもよい。
【0087】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1) 上述した実施の形態のカメラシステム(カメラシステム1)で実行する処理は、カメラボディ2側のボディ側制御部230と、交換レンズ3側のレンズ側制御部330とで適宜分担する構成にしてもよい。
例えば、カメラボディ側において第1の絞り値および第2の絞り値を算出し、交換レンズ側の絞り362を駆動するための駆動力をカメラボディから交換レンズへ伝達してもよい。すなわち、カメラボディ2Aは、第1の絞り値および第2の絞り値を演算するボディ側制御部230と、交換レンズ3Aに備わる絞り362の駆動機構が絞り362を第2の絞り値へ駆動するための動力を発生するアクチュエータと、交換レンズ3Aへ動力を伝達する伝達部材を備える。このように構成することにより、カメラシステムにおいて、ライブビューモード時における絞り362の駆動を抑えることができる。
【0088】
(変形例2) また、カメラボディ側において第1の絞り値および第2の絞り値を算出し、第2の絞り値をカメラボディから交換レンズへ送信する構成にしてもよい。交換レンズは、第2の絞り値を受信すると、絞り駆動部380によって第2の絞り値へ絞り362を駆動する。すなわち、交換レンズ3Bは、カメラボディ2のボディ側制御部230によって設定された第2の絞り値を受信するレンズ側通信部340と、絞り362を駆動する絞り駆動部380と、絞り駆動部380に、レンズ側通信部340で受信した第2の絞り値へ絞り362の駆動を指示するレンズ側制御部330とを備える。このように構成することにより、カメラシステムにおいて、ライブビューモード時における絞り362を駆動する頻度を適切に抑えることができる。
【0089】
なお、上記ではレンズ制御部330は、絞り362の制御をアペックス演算に基づく絞り値の値(Av値)で制御をする例を説明したが、レンズ制御部330は、絞り値を交換レンズ3の開放絞り値からの絞り込み段数の値を用いて制御してもよい。
【0090】
(変形例3) 上述した実施の形態のカメラシステム(カメラシステム1)ではカメラボディ2のボディ側制御部230において第1の絞り値および第2の絞り値の2つの絞り値を算出し、通信部を介して交換レンズ3のレンズ側制御部330へ第1の絞り値および第2の絞り値の2つの絞り値を送信する構成とした。しかしこれに限らず、ボディ側制御部230において第1の絞り値だけを算出し、通信部を介してレンズ側制御部330へ第1の絞り値だけを送信しても良い。その場合はレンズ側制御部330で自律的に第2の絞り値を設定する。すなわち、交換レンズ3のレンズ側制御部330において、カメラボディ2から受信した第1の絞り値に基づいてライブビュー用絞り値である第2の絞り値を絞り値許容範囲内で設定する。
上記の実施形態と同様に、レンズ側制御部330で設定する第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)の絞り値許容範囲は、第1の絞り値(撮影用の絞り値)よりも常に開放側とする。そして交換レンズ3のレンズ側制御部330で、カメラボディ2から送信される第1の絞り値と現在設定されている第2の絞り値とを比較する。上述した実施形態と同様に、レンズ側制御部330は、カメラボディ2から受信した第1の絞り値が変化したとしても、第2の絞り値が絞り値許容範囲内に設定でいれば、受信した第1の絞り値に直ちに連動して変化することなく設定されている第2の絞り値を維持する構成とする。上述の実施形態と同様に、交換レンズ3のレンズ側制御部330は、第2の絞り値(ライブビュー用の絞り値)の絞り値許容範囲を第1の絞り値(撮影用絞り値)よりも1段開放側に設定し、新たに設定される第2の絞り値を絞り値許容範囲の略中央に設定すれば、被写体の明るさ情報がアペックス値で0.5段以上増減しない限り、第2の絞り値を再設定(更新)しなくてよい。このように構成すれば、絞り362を駆動する頻度を適切に抑えることができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0091】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特願2018-135197号(2018年7月18日出願)
【符号の説明】
【0092】
1…カメラシステム、2…カメラボディ、3…交換レンズ、230…ボディ側制御部、235…記憶部、240…ボディ側通信部、270…信号処理部、290…表示部、330…レンズ側制御部、340…レンズ側通信部、350…レンズ側記憶部、360…撮影レンズ、362…絞り、370…レンズ駆動部、380…絞り駆動部