(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】入力バイアス電流低減回路
(51)【国際特許分類】
H03F 3/34 20060101AFI20241112BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H03F3/34 210
H03F3/45
(21)【出願番号】P 2020182861
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 衛
(72)【発明者】
【氏名】高鳥 和宏
(72)【発明者】
【氏名】江刺家 健司
(72)【発明者】
【氏名】新井 義明
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-082925(JP,A)
【文献】特表2007-526693(JP,A)
【文献】特開昭63-306705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/34
H03F 3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、
前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より
前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるよう
な前記調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項2】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1端子と前記第2端子とに一端が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流を出力する第1の調整電流源を有する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項3】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1端子と前記第2端子とにベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第1のPNPトランジスタを有する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項4】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第3のNPNトランジスタを有する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項5】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタを有し、
前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、
前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項6】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第3のNPNトランジスタと、
前記第1端子と前記第2端子との間にベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタと、を有する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項7】
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、
第1のPNPトランジスタと、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタと、を有し、
前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、
前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1のPNPトランジスタのベース端子が接続され、
前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力し、前記第1のPNPトランジスタが前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する、
請求項1に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項8】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、
前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、
第
3端子に調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックより出力される前記調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より
前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるよう
な前記調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項9】
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第
3端子に一端が接続され、前記第
3端子に前記調整電流を出力する第2の調整電流源を有する、
請求項8に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項10】
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第
3端子にベース端子が接続され、前記第
3端子に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有する、
請求項8に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項11】
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第
3端子にベース端子が接続され、前記第
3端子に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第5のNPNトランジスタを有する、
請求項8に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項12】
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第
3端子にベース端子が接続され、前記第
3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタと、
前記第
3端子にベース端子が接続され、前記第
3端子にベース電流を出力する第5のNPNトランジスタと、を有する、
請求項8に記載の入力バイアス電流低減回路。
【請求項13】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、
前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、
第
3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックより出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より
前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子と前記第2端子とにベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタを有し、
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタと、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第5のNPNトランジスタと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるよう
な前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項14】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、
第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第3のNPNトランジスタと、
前記第1端子と前記第2端子との間にベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタと、を有し、
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有し、
前記前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項15】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、
第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、第1のPNPトランジスタと、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタと、を有し、
前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、
前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1のPNPトランジスタのベース端子が接続され、
前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力し、前記第1のPNPトランジスタが前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力し、
前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に調整されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項16】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第6のNPNトランジスタと、
第2の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第2の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第7のNPNトランジスタと、
第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、
前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力し、第2出力端子より前記第2の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、請求項13~請求項15の何れか1項に記載された構成で実現され、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第6及び第7のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【請求項17】
基準電流を出力する第1の定電流源と、
前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子並びに第3出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、
第1の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第6のNPNトランジスタと、
第2の入力端子と、
前記第2のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第2の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第7のNPNトランジスタと、
第4端子に第3の調整電流を出力する第3のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第3のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第4端子より出力される前記第3の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第8のNPNトランジスタと、
第5端子に第4の調整電流を出力する第4のコレクタ電流調整回路ブロックと、
前記第1のカレントミラーブロックの第3出力端子の出力電流と前記第4のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第5端子より出力される前記第4の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第9のNPNトランジスタと、
前記第8のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第4のカレントミラーブロックと、
前記第9のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第2の入力端子に電流を出力する第5のカレントミラーブロックと、を有し、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、請求項13~請求項15の何れか1項に記載された構成で実現され、その選択した請求項に記載される第2のコレクタ電流調整回路ブロックと同じ構成で前記第3のコレクタ電流調整回路ブロック及び第4のコレクタ電流調整回路ブロックは実現され、
前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第3のコレクタ電流調整回路ブロック並びに前記第4のコレクタ電流調整回路ブロックは、
前記第6及び第7のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第8及び第9のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流、前記第3の調整電流及び前記第4の調整電流に設定されている、
入力バイアス電流低減回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算増幅回路、コンパレータ、計装アンプ等の増幅回路に関し、詳しくは増幅回路の入力バイアス電流低減回路に関する。
【背景技術】
【0002】
演算増幅回路(以下、「オペアンプ」と称する)又はコンパレータ、或いは計装アンプ等の増幅回路の特性に入力バイアス電流がある。入力バイアス電流は入力端子より外部から流入又は流出する電流である。この入力バイアス電流は入力した電流信号に重畳して増幅され、出力電圧に誤差を与える。
【0003】
一般的に上記のオペアンプ等の増幅回路の入力端子は、差動増幅回路を構成する入力トランジスタのベース端子に接続される。特にバイポーラ型半導体装置の場合、入力トランジスタはバイポーラトランジスタで実現される。この入力トランジスタが発生するベース電流IBが増幅回路の入力バイアス電流の主要因となる。入力トランジスタのベース電流IBは、入力トランジスタに流れるコレクタ電流ICと電流増幅率βにより決定され、IB=IC/βで与えられる。この入力バイアス電流を低減する手段として、例えば特許文献1に記載される方法がある。
【0004】
図20は、従来例の差動増幅回路における入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
図20の従来例は特許文献1に記載の構成を示している。
【0005】
従来例の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ51A、Q51Bと、トラッキング用のNPNトランジスタQ52と、入力バイアス電流コピー回路50とを有する。NPNトランジスタQ51AとNPNトランジスタQ51Bとが差動増幅回路を構成しており、入力端子IN+にNPNトランジスタQ51Aのベース端子が接続され、入力端子IN-にNPNトランジスタQ51Bのベース端子が接続される。NPNトランジスタQ51A及びQ51Bのエミッタ端子には電流源I51が接続される。また、NPNトランジスタQ52のエミッタ端子には電流源I52が接続される。ここで、電流源I52の電流値をIとすると、電流源I51の電流値は2Iと設定される。
【0006】
入力バイアス電流コピー回路50は、NPNトランジスタQ52のベース端子及び入力端子IN+、IN-に接続される。入力バイアス電流コピー回路50は、トラッキング用のNPNトランジスタQ52のベース電流Itrkを供給し、ベース電流Itrkと同量のキャンセル電流Icncl1、Icncl2を出力する。
【0007】
入力端子IN+において、NPNトランジスタQ51Aのベース電流IBが入力バイアス電流コピー回路50のキャンセル電流Icncl1によって打ち消され、入力端子IN+より外部から供給される入力バイアス電流を低減することができる。また、入力端子IN-において、NPNトランジスタQ51Bのベース電流IBが入力バイアス電流コピー回路50のキャンセル電流Icncl2によって打ち消され、入力端子IN-より外部から供給される入力バイアス電流を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来例では、NPNトランジスタQ51A、Q51B、Q52のコレクタ電流IC51A、IC51B、IC52がエミッタ端子に接続した電流源I51、I52によって決定される回路構成となっている。この構成は、例えばNPNトランジスタのコレクタ電流がコレクタ端子に接続された電流源によって決定される回路構成には適用できないため、入力バイアス電流を十分に低減できない問題点があった。
【0010】
本発明は、増幅回路における入力バイアス電流を十分に低減することが可能な入力バイアス電流低減回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0012】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子と前記第2端子とに一端が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流を出力する第1の調整電流源を有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0013】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子と前記第2端子とにベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第1のPNPトランジスタを有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第3のNPNトランジスタを有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0015】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタを有し、前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0016】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第3のNPNトランジスタと、前記第1端子と前記第2端子との間にベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタと、を有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0017】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、第1のPNPトランジスタと、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタと、を有し、前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1のPNPトランジスタのベース端子が接続され、前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力し、前記第1のPNPトランジスタが前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0018】
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、第3端子に調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックより出力される前記調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0019】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子に一端が接続され、前記第3端子に前記調整電流を出力する第2の調整電流源を有する、入力バイアス電流低減回路路を提供する。
【0020】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0021】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子に前記調整電流に対応するベース電流を出力する第5のNPNトランジスタを有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0022】
また、本発明は、上記の入力バイアス電流低減回路であって、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタと、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第5のNPNトランジスタと、を有する、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0023】
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックより出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子と前記第2端子とにベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタを有し、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタと、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第5のNPNトランジスタと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1端子にエミッタ端子が接続され、前記第2端子にコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第3のNPNトランジスタと、前記第1端子と前記第2端子との間にベース端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力する第1のPNPトランジスタと、を有し、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有し、前記前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第1のNPNトランジスタと、第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、第1のPNPトランジスタと、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続された第3のNPNトランジスタ及び第4のNPNトランジスタと、を有し、前記第1端子に前記第3のNPNトランジスタのエミッタ端子が接続され、前記第2端子に前記第4のNPNトランジスタのコレクタ端子が接続され、前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1のPNPトランジスタのベース端子が接続され、前記第3のNPNトランジスタが前記第1端子と前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点との間にベース電流を出力し、前記第4のNPNトランジスタが前記第3及び第4のNPNトランジスタの接続点と前記第2端子との間にベース電流を出力し、前記第1のPNPトランジスタが前記第1端子と前記第2端子との間にベース電流を出力し、前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第3端子にベース端子が接続され、前記第3端子にベース電流を出力する第2のPNPトランジスタを有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第1のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0025】
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第6のNPNトランジスタと、第2の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第2の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第7のNPNトランジスタと、第3端子に第2の調整電流を出力する第2のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第3端子より出力される前記第2の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第2のNPNトランジスタと、前記第2のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力し、第2出力端子より前記第2の入力端子に電流を出力する第3のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、請求項13~請求項15の何れか1項に記載された構成で実現され、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第2のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第6及び第7のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第2のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流及び前記第2の調整電流に調整されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【0027】
本発明は、基準電流を出力する第1の定電流源と、前記第1の定電流源の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子並びに第3出力端子より電流を出力する第1のカレントミラーブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流が第1端子に入力され、第2端子より第1の調整電流を合成して出力する第1のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子の出力電流が入力され、第1出力端子及び第2出力端子より電流を出力する第2のカレントミラーブロックと、第1の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第1出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第1の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第6のNPNトランジスタと、第2の入力端子と、前記第2のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流がコレクタ端子に入力され、前記第2の入力端子に印加された入力信号がベース端子に入力される第7のNPNトランジスタと、第4端子に第3の調整電流を出力する第3のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第2出力端子の出力電流と前記第3のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第4端子より出力される前記第3の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第8のNPNトランジスタと、第5端子に第4の調整電流を出力する第4のコレクタ電流調整回路ブロックと、前記第1のカレントミラーブロックの第3出力端子の出力電流と前記第4のコレクタ電流調整回路ブロックの前記第4端子より出力される前記第4の調整電流とが合成された電流がエミッタ端子に入力される第9のNPNトランジスタと、前記第8のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第1の入力端子に電流を出力する第4のカレントミラーブロックと、前記第9のNPNトランジスタのベース電流が入力され、第1出力端子より前記第2の入力端子に電流を出力する第5のカレントミラーブロックと、を有し、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロックは、請求項13~請求項15の何れか1項に記載された構成で実現され、その選択した請求項に記載される第2のコレクタ電流調整回路ブロックと同じ構成で前記第3のコレクタ電流調整回路ブロック及び第4のコレクタ電流調整回路ブロックは実現され、前記第1のコレクタ電流調整回路ブロック及び前記第3のコレクタ電流調整回路ブロック並びに前記第4のコレクタ電流調整回路ブロックは、前記第6及び第7のNPNトランジスタのコレクタ電流と前記第8及び第9のNPNトランジスタのコレクタ電流とが所定誤差範囲内で等しい値になるような前記第1の調整電流、前記第3の調整電流及び前記第4の調整電流に設定されている、入力バイアス電流低減回路を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、増幅回路における入力バイアス電流を十分に低減することが可能な入力バイアス電流低減回路を提供できる。そして、本発明の入力バイアス電流低減回路を用いた増幅回路は、出力電圧に発生する誤差電圧を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図2】第2の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図3】第3の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図4】第4の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図5】第5の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図6】第6の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図7】第7の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図8】第8の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図9】第9の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図10】第10の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図11】第11の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図12】第12の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図13】第13の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図14】第14の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図15】第15の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図16】第16の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図17】本実施形態における入力バイアス電流の特性の一例を示すグラフである。
【
図18】第17の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図19】第18の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図20】従来例の差動増幅回路における入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【
図21】比較例の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る入力バイアス電流低減回路を具体的に開示した実施形態(以下、「本実施形態」という)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
(本実施形態に至る背景)
図21は、比較例の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
図21の比較例は、入力端子INに接続されるNPNトランジスタQ1のコレクタ電流がコレクタ端子に接続された電流源によって決定される回路構成を示している。
【0033】
入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2と、PNPトランジスタQ9、Q11と、カレントミラーブロックCM1、CM3と、定電流源I1とを有する。
図21において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0034】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、PNPトランジスタQ9のコレクタ端子とベース端子及びPNPトランジスタQ11のベース端子に接続される。PNPトランジスタQ9、Q11のエミッタ端子は電源端子VCCに接続される。PNPトランジスタQ11のコレクタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)に接続される。
【0035】
図21の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INは、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合う。なお、カレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2は入力側のNPNトランジスタQ2のベース電流I
B2と同値となる。よって、入力バイアス電流I
INの値は次のように表される。
【0036】
IIN=IB1-IB2=(IC1-IC2)/β …(A1)
【0037】
上式において、IC1:NPNトランジスタQ1のコレクタ電流、IC2:NPNトランジスタQ2のコレクタ電流、β:電流増幅率である。ここでは、バイポーラトランジスタのコレクタ電流ICとベース電流IBと電流増幅率βの関係式IB=IC/βを用いている。
【0038】
NPNトランジスタQ1に流れるコレクタ電流IC1は以下のようになる。
IC1=Iref-IB9-IB11 …(A2)
【0039】
上式において、Iref:基準電流、IB9:PNPトランジスタQ9のベース電流、IB11:PNPトランジスタQ11のベース電流である。ここで、基準電流Irefは定電流源I1の電流値に対応している。
【0040】
NPNトランジスタQ2に流れるコレクタ電流IC2は以下のようになる。
IC2=Iref-IB2 …(A3)
【0041】
上記の式(A1)~(A3)より、入力バイアス電流IINは以下のようになる。
IIN=(-IB9-IB11+IB2)/β …(A4)
【0042】
式(A4)において、入力バイアス電流IINの値が0でないことは、入力バイアス電流が完全に打消されていないことを示している。比較例では、入力端子INに接続されるNPNトランジスタQ1のコレクタ電流がコレクタ端子に接続された電流源によって決定される回路構成において、入力バイアス電流を十分に低減できない課題がある。
【0043】
本実施形態では、上記事情に鑑み、入力部のNPNトランジスタのコレクタ電流がコレクタ端子に接続された電流源によって決定される回路構成において、入力バイアス電流を十分に低減することが可能な入力バイアス電流低減回路の構成例を示す。本実施形態は、入力部のNPNトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流IC1、IC2を一致させてベース電流IB1、IB2の誤差を削減し、入力バイアス電流IINを低減可能とするものである。
【0044】
以下の実施形態では、オペアンプ、コンパレータ、計装アンプ等の増幅回路の入力部に設けられる入力バイアス電流低減回路の構成例を例示する。
【0045】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0046】
第1の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、コレクタ電流調整回路ブロック11と、定電流源I1とを有する。
図1において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第1の定電流源としての定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端が第1のカレントミラーブロックとしてのカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0047】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、第1のコレクタ電流調整回路ブロックとしてのコレクタ電流調整回路ブロック11の第1端子Aに接続され、コレクタ電流調整回路ブロック11の第2端子Bは第2のカレントミラーブロックとしてのカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子は第1のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0048】
なお、NPNトランジスタQ1のコレクタ端子に直列接続されるNPNトランジスタQ3を省略してよい。NPNトランジスタQ3は、NPNトランジスタQ1のコレクタ-エミッタ間電圧を一定にし、ゲインを増加させるために設けているが、これを設けずにNPNトランジスタQ1のみの構成としてもよい。
【0049】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、第2のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子は第3のカレントミラーブロックとしてのカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。この入力端子INに印加された入力信号がNPNトランジスタQ1のベース端子に入力される。
【0050】
図1の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。カレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2は、NPNトランジスタQ2のベース電流I
B2と同値である。ここで、入力バイアス電流I
INが0になる条件式を以下に示す。
【0051】
NPNトランジスタQ1のベース電流IB1=NPNトランジスタQ2のベース電流IB2 …(1)
【0052】
なお、トランジスタのベース電流IBとコレクタ電流ICとの関係は、電流増幅率βを用いて、IC=IB×βで表される。
【0053】
ここで、NPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2とが同一構造で同値の電流増幅率βを持つ時、上記の条件式(1)は次のように変換される。
【0054】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1=NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2 …(2)
【0055】
なお、本実施形態では、上記条件式(2)のように両者の電流が等しい(“=”である)状態となるように、電流値の調整を行う構成を有しているが、両者の電流が所定誤差範囲内で等しい値となる(ほぼ等しくなる)場合も等しい状態に含めるものとする。以下の式においても同様である。
【0056】
第1の実施形態は、上記の条件式(2)を満たすようにコレクタ電流調整回路ブロック11がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。コレクタ電流調整回路ブロック11の具体的な動作を以下に示す。
【0057】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref-Ix+IB3 …(3)
【0058】
上式において、Iref:基準電流、Ix:コレクタ電流調整回路ブロック11による調整電流、IB3:NPNトランジスタQ3のベース電流である。
【0059】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB2 …(4)
【0060】
条件式(2)を満たす調整電流Ixの電流値は、式(3)、(4)より以下のように求められる。
Ix=IB2+IB3 …(5)
【0061】
コレクタ電流調整回路ブロック11によって、上記の式(5)に示した調整電流Ixを合成し、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1とNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2とを一致させ、入力バイアス電流IINを低減することができる。
【0062】
オペアンプ、コンパレータ、計装アンプ等の増幅回路が持つ入力バイアス電流IINは、増幅した出力電圧に誤差を発生させる。一例として、オペアンプを用いたI-V変換回路の例を説明する。I-V変換回路において、オペアンプの反転入力端子-出力端子間に抵抗Rを接続し、また反転入力端子に信号電流源を接続する。非反転入力端子は電圧源に接続する。この場合、信号電流ISIGを入力した時のオペアンプの出力電圧VOUTは、|VOUT|=(ISIG+IIN)×Rで表される。ここで示したIIN×Rは誤差電圧であり、入力バイアス電流IINに比例した大きさとなる。
【0063】
本実施形態は、上記のように入力バイアス電流IINを低減する回路構成となっている。したがって、本実施形態によれば入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減することが可能となる。
【0064】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0065】
第2の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1と、調整電流源I2とを有する。
図2において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第2の実施形態は、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11を第1の調整電流源としての調整電流源I2によって構成した例である。調整電流源I2に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0066】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。調整電流源I2は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)とカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)とに接続される。すなわち、調整電流源I2は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aと第2端子Bとに一方の端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間に調整電流を出力する。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0067】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0068】
図2の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図2において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、Ixは調整電流源I2による調整電流である。
【0069】
第2の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように調整電流源I2がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、調整電流源I2において第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixを出力することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0070】
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0071】
第3の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、PNPトランジスタQ4と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図3において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第3の実施形態は、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11を第1のPNPトランジスタとしてのPNPトランジスタQ4によって構成した例である。PNPトランジスタQ4に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0072】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。PNPトランジスタQ4のベース端子は、カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)とカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)とに接続される。すなわち、PNPトランジスタQ4は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aと第2端子Bとにベース端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間に調整電流に対応するベース電流を出力する。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0073】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0074】
図3の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図3において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流であり、調整電流に対応する。
【0075】
第3の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにPNPトランジスタQ4のベース電流IB4がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、PNPトランジスタQ4のベース電流IB4が第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0076】
(第4の実施形態)
図4は、第4の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0077】
第4の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q5と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図4において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第4の実施形態は、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11を第3のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ5によって構成した例である。NPNトランジスタQ5に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0078】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。すなわち、NPNトランジスタQ5は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aにエミッタ端子が接続され、第2端子Bにコレクタ端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間に調整電流に対応するベース電流を出力する。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0079】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0080】
図4の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図4において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流であり、調整電流に対応する。
【0081】
第4の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにNPNトランジスタQ5のベース電流IB5がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、NPNトランジスタQ5のベース電流IB5が第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0082】
(第5の実施形態)
図5は、第5の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0083】
第5の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q5、Q6と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図5において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第5の実施形態は、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11を第3のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ5、及び第4のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ6によって構成した例である。NPNトランジスタQ5、Q6に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0084】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はNPNトランジスタQ6のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ6のコレクタ端子はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。すなわち、NPNトランジスタQ5、Q6は、一方のエミッタ端子と他方のコレクタ端子とが互いに接続され、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子AにNPNトランジスタQ5のエミッタ端子が接続され、第2端子BにNPNトランジスタQ6のコレクタ端子が接続される。NPNトランジスタQ5は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子AとNPNトランジスタQ5、Q6の接続点との間にベース電流を出力する。NPNトランジスタQ6は、NPNトランジスタQ5、Q6の接続点とコレクタ電流調整回路ブロックの第2端子Bとの間にベース電流を出力する。
【0085】
カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0086】
図5の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図5において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流であり、I
B6はNPNトランジスタQ6のベース電流であり、これらが調整電流に対応する。
【0087】
第5の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、NPNトランジスタQ5のベース電流IB5とNPNトランジスタQ6のベース電流IB6がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、NPNトランジスタQ5のベース電流IB5とNPNトランジスタQ6のベース電流IB6の合計値が第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0088】
(第6の実施形態)
図6は、第6の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0089】
第6実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q5と、PNPトランジスタQ4と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図6において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第6の実施形態は、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11をPNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5によって構成した例である。PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0090】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はPNPトランジスタQ4のベース端子とカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)とに接続される。すなわち、NPNトランジスタQ5は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aにエミッタ端子が接続され、第2端子Bにコレクタ端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間にベース電流を出力する。また、PNPトランジスタQ4は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aと第2端子Bとの間にベース端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間にベース電流を出力する。
【0091】
カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0092】
図6の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図6において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流であり、I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流であり、これらが調整電流に対応する。
【0093】
第6の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、PNPトランジスタQ4のベース電流IB4とNPNトランジスタQ5のベース電流IB5がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、PNPトランジスタQ4のベース電流IB4とNPNトランジスタQ5のベース電流IB5の合計値が第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0094】
(第7の実施形態)
図7は、第7の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0095】
第7実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q5、Q6と、PNPトランジスタQ4と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図7において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第7の実施形態は、第5及び第6の実施形態の組合せであり、
図1の第1の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック11をPNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5、Q6によって構成した例である。PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5、Q6に関する構成以外は第1の実施形態の構成と同様である。
【0096】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はNPNトランジスタQ6のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ6のコレクタ端子はPNPトランジスタQ4のベース端子とカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)とに接続される。すなわち、NPNトランジスタQ5は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aにエミッタ端子が接続され、第1端子AとNPNトランジスタQ5、Q6の接続点との間にベース電流を出力する。また、NPNトランジスタQ6は、コレクタ電流調整回路ブロックの第2端子Bにコレクタ端子が接続され、NPNトランジスタQ5、Q6の接続点と第2端子Bとの間にベース電流を出力する。また、PNPトランジスタQ4は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Aと第2端子Bとの間にベース端子が接続され、第1端子Aと第2端子Bとの間にベース電流を出力する。
【0097】
カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ2のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0098】
図7の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第1の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図7において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流であり、I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流であり、I
B6はNPNトランジスタQ6のベース電流であり、これらが調整電流に対応する。
【0099】
第7の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、PNPトランジスタQ4のベース電流IB4とNPNトランジスタQ5のベース電流IB5とNPNトランジスタQ6のベース電流IB6がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する構成になっている。この場合、PNPトランジスタQ4のベース電流IB4とNPNトランジスタQ5のベース電流IB5とNPNトランジスタQ6のベース電流IB6の合計値が第1の実施形態で示した式(5)の調整電流Ixと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整する。このコレクタ電流IC1を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0100】
(第8の実施形態)
図8は、第8の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0101】
第8の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、コレクタ電流調整回路ブロック12と、定電流源I1とを有する。
図8において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0102】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0103】
なお、NPNトランジスタQ1のコレクタ端子に直列接続されるNPNトランジスタQ3を省略してよい。NPNトランジスタQ3は、NPNトランジスタQ1のコレクタ-エミッタ間電圧を一定にし、ゲインを増加させるために設けているが、これを設けずにNPNトランジスタQ1のみの構成としてもよい。
【0104】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、第2のコレクタ電流調整回路ブロックとしてのコレクタ電流調整回路ブロック12の第1端子CとNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。この入力端子INに印加された入力信号がNPNトランジスタQ1のベース端子に入力される。
【0105】
図8の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
【0106】
第8の実施形態は、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにコレクタ電流調整回路ブロック12がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。コレクタ電流調整回路ブロック12の具体的な動作を以下に示す。
【0107】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref+IB3 …(6)
【0108】
上式において、Iref:基準電流、IB3:NPNトランジスタQ3のベース電流である。
【0109】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB2-Iy …(7)
【0110】
上式において、IB2:NPNトランジスタQ2のベース電流、Iy:コレクタ電流調整回路ブロック12による調整電流である。
【0111】
条件式(2)を満たす調整電流Iyの電流値は、式(6)、(7)より以下のように求められる。
Iy=-IB2-IB3 …(8)
【0112】
コレクタ電流調整回路ブロック12によって、上記の式(8)に示した調整電流Iyを合成し、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC2を調整する効果として、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1とNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2とを一致させ、入力バイアス電流IINを低減することができる。したがって、本実施形態によれば入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減することが可能となる。
【0113】
(第9の実施形態)
図9は、第9の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0114】
第9の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1と、調整電流源I3とを有する。
図9において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第9の実施形態は、
図8の第8の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック12を第2の調整電流源としての調整電流源I3によって構成した例である。調整電流源I3に関する構成以外は第8の実施形態の構成と同様である。
【0115】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0116】
調整電流源I3は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。すなわち、調整電流源I3は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Cに一端が接続され、第1端子Cに調整電流を出力する。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0117】
図9の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第8の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図9において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、Iyは調整電流源I3による調整電流である。
【0118】
第9の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように調整電流源I3がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。この場合、調整電流源I3において第8の実施形態で示した式(8)の調整電流Iyを出力することにより、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0119】
(第10の実施形態)
図10は、第10の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0120】
第10の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、PNPトランジスタQ7と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図10において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第10の実施形態は、
図8の第8の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック12を第2のPNPトランジスタとしてのPNPトランジスタQ7によって構成した例である。PNPトランジスタQ7に関する構成以外は第8の実施形態の構成と同様である。
【0121】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0122】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、PNPトランジスタQ7のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。すなわち、PNPトランジスタQ7は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Cにベース端子が接続され、第1端子Cに調整電流に対応するベース電流を出力する。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0123】
図10の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第8の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図10において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、I
B7はPNPトランジスタQ7のベース電流であり、調整電流に対応する。
【0124】
第10の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにPNPトランジスタQ7のベース電流IB7がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。この場合、PNPトランジスタQ7のベース電流IB7が第8の実施形態で示した式(8)の調整電流Iyと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0125】
(第11の実施形態)
図11は、第11の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0126】
第11の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q8と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図11において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第11の実施形態は、
図8の第8の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック12を第5のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ8によって構成した例である。NPNトランジスタQ8に関する構成以外は第8の実施形態の構成と同様である。
【0127】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0128】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、NPNトランジスタQ8のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。すなわち、NPNトランジスタQ8は、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Cにベース端子が接続され、第1端子Cに調整電流に対応するベース電流を出力する。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0129】
図11の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第8の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図11において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、I
B8はNPNトランジスタQ8のベース電流であり、調整電流に対応する。
【0130】
第11の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにNPNトランジスタQ8のベース電流IB8がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。この場合、NPNトランジスタQ8のベース電流IB8が第8の実施形態で示した式(8)の調整電流Iyと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0131】
(第12の実施形態)
図12は、第12の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0132】
第12実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q8と、PNPトランジスタQ7と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、定電流源I1とを有する。
図12において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。第12の実施形態は、第10及び第11の実施形態の組合せであり、
図8の第8の実施形態の構成においてコレクタ電流調整回路ブロック12をPNPトランジスタQ7及びNPNトランジスタQ8によって構成した例である。PNPトランジスタQ7及びNPNトランジスタQ8に関する構成以外は第8の実施形態の構成と同様である。
【0133】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)はカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0134】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、PNPトランジスタQ7のベース端子とNPNトランジスタQ8のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。すなわち、PNPトランジスタQ7とNPNトランジスタQ8とは、コレクタ電流調整回路ブロックの第1端子Cにベース端子が接続され、第1端子Cに調整電流に対応するベース電流をそれぞれ出力する。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0135】
図12の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、第8の実施形態で示した動作原理と同様に、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図12において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流である。I
B7はPNPトランジスタQ7のベース電流であり、I
B8はNPNトランジスタQ8のベース電流であり、これらが調整電流に対応する。
【0136】
第12の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすようにPNPトランジスタQ7のベース電流IB7とNPNトランジスタQ8のベース電流IB8がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。この場合、PNPトランジスタQ7のベース電流IB7とNPNトランジスタQ8のベース電流IB8の合計値が第8の実施形態で示した式(8)の調整電流Iyと等しくなるように設定することにより、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0137】
(第13の実施形態)
図13は、第13の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。
【0138】
第13の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、コレクタ電流調整回路ブロック11、12と、定電流源I1とを有する。
図13において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0139】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、コレクタ電流調整回路ブロック11の第1端子Aに接続され、コレクタ電流調整回路ブロック11の第2端子BはカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0140】
なお、NPNトランジスタQ1のコレクタ端子に直列接続されるNPNトランジスタQ3を省略してよい。NPNトランジスタQ3は、NPNトランジスタQ1のコレクタ-エミッタ間電圧を一定にし、ゲインを増加させるために設けているが、これを設けずにNPNトランジスタQ1のみの構成としてもよい。
【0141】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、コレクタ電流調整回路ブロック12の第1端子CとNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。この入力端子INに印加された入力信号がNPNトランジスタQ1のベース端子に入力される。
【0142】
図13の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
【0143】
第13の実施形態は、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、コレクタ電流調整回路ブロック11がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック12がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。コレクタ電流調整回路ブロック11及びコレクタ電流調整回路ブロック12の具体的な動作を以下に示す。
【0144】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref-Ix+IB3 …(9)
【0145】
上式において、Iref:基準電流、Ix:コレクタ電流調整回路ブロック11による調整電流、IB3:NPNトランジスタQ3のベース電流である。
【0146】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB2-Iy …(10)
【0147】
上式において、IB2:NPNトランジスタQ2のベース電流、Iy:コレクタ電流調整回路ブロック12による調整電流である。
【0148】
ここで、条件式(2)を満たすような上記の式(9)、(10)の調整電流Ix、Iyを設定する。このとき、コレクタ電流調整回路ブロック11によって生成される調整電流IxがNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック12によって生成される調整電流IyがNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC1及びIC2を調整する効果として、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1とNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2とを一致させ、入力バイアス電流IINを低減することができる。
【0149】
(第14の実施形態)
図14は、第14の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。第14の実施形態は、第13の実施形態をより具体的に示した第1構成例である。
【0150】
第14の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q8と、PNPトランジスタQ4、Q7、Q9、Q10、Q11と、カレントミラーブロックCM1、CM3と、定電流源I1とを有する。
図14において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。
【0151】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、PNPトランジスタQ4のベース端子とPNPトランジスタQ9のコレクタ端子とに接続される。
【0152】
PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のエミッタ端子は、電源端子VCCに接続され、PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のベース端子が互いに接続される。PNPトランジスタQ10のベース端子とコレクタ端子は、PNPトランジスタQ4のエミッタ端子に接続される。PNPトランジスタQ11のコレクタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0153】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、PNPトランジスタQ7のベース端子とNPNトランジスタQ8のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0154】
図14の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図14において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、I
B2はNPNトランジスタQ2のベース電流、I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流、I
B7はPNPトランジスタQ7のベース電流、I
B8はNPNトランジスタQ8のベース電流である。
【0155】
第14の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、PNPトランジスタQ4がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、PNPトランジスタQ7及びNPNトランジスタQ8がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。PNPトランジスタQ4、PNPトランジスタQ7、及びNPNトランジスタQ8の具体的な動作を以下に示す。
【0156】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref-IB4 …(11)
【0157】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB2+IB8-IB7 …(12)
【0158】
NPNトランジスタQ2のベース電流IB2=NPNトランジスタQ8のベース電流IB8の時、式(12)は以下の式に変換される。
IC2=Iref-IB7 …(13)
【0159】
式(11)、(13)を比較して、PNPトランジスタQ4のベース電流I
B4=PNPトランジスタQ7のベース電流I
B7の時、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすことを示している。また、
図14の構成において、各NPNトランジスタ及び各PNPトランジスタは同一プロセスで作成されるため、式(12)のNPNトランジスタQ2、Q8のベース電流I
B2、I
B8や式(11)、(13)のPNPトランジスタQ4、Q7のベース電流I
B4、I
B7は製造ばらつきや温度特性がほぼ同一の特性を有する。したがって、製造ばらつきや温度変動の影響を受けにくい構成として好適である。
【0160】
以上のことから、PNPトランジスタQ4がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、PNPトランジスタQ7及びNPNトランジスタQ8がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC1及びIC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0161】
(第15の実施形態)
図15は、第15の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。第15の実施形態は、第13の実施形態をより具体的に示した第2構成例である。
【0162】
第15の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q5と、PNPトランジスタQ4、Q7、Q9、Q10、Q11と、カレントミラーブロックCM1、CM3と、定電流源I1とを有する。
図15において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。
【0163】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はPNPトランジスタQ4のベース端子とPNPトランジスタQ9のコレクタ端子とに接続される。
【0164】
PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のエミッタ端子は、電源端子VCCに接続され、PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のベース端子が互いに接続される。PNPトランジスタQ10のベース端子とコレクタ端子は、PNPトランジスタQ4のエミッタ端子に接続される。PNPトランジスタQ11のコレクタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0165】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、PNPトランジスタQ7のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0166】
図15の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図15において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、I
B2はNPNトランジスタQ2のベース電流、I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流、I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流、I
B7はPNPトランジスタQ7のベース電流である。
【0167】
第15の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、PNPトランジスタQ7がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。PNPトランジスタQ4、NPNトランジスタQ5、及びPNPトランジスタQ7の具体的な動作を以下に示す。
【0168】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref-IB4-IB5 …(14)
【0169】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB7-IB2 …(15)
【0170】
式(14)、(15)を比較して、PNPトランジスタQ4のベース電流I
B4=PNPトランジスタQ7のベース電流I
B7の時、かつNPNトランジスタQ2のベース電流I
B2=NPNトランジスタQ5のベース電流I
B5の時、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすことを示している。また、
図15の構成においても
図14と同様に製造ばらつきや温度変動の影響を受けにくい構成として好適である。
【0171】
以上のことから、PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、PNPトランジスタQ7がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC1及びIC2を調整する効果として、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0172】
(第16の実施形態)
図16は、第16の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。第16の実施形態は、第13の実施形態をより具体的に示した第3構成例である。
【0173】
第16の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ1、Q2、Q3、Q5、Q6と、PNPトランジスタQ4、Q7、Q9、Q10、Q11と、カレントミラーブロックCM1、CM3と、定電流源I1とを有する。
図16において、V
CC、V
EEは電源端子、INは増幅回路の入力端子を示している。
【0174】
定電流源I1は、一端が電源端子VCCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、NPNトランジスタQ5のエミッタ端子に接続される。NPNトランジスタQ5のコレクタ端子はNPNトランジスタQ6のエミッタ端子に接続され、NPNトランジスタQ6のコレクタ端子はPNPトランジスタQ4のベース端子とPNPトランジスタQ9のコレクタ端子とに接続される。
【0175】
PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のエミッタ端子は、電源端子VCCに接続され、PNPトランジスタQ9、PNPトランジスタQ10及びPNPトランジスタQ11のベース端子が互いに接続される。PNPトランジスタQ10のベース端子とコレクタ端子は、PNPトランジスタQ4のエミッタ端子に接続される。PNPトランジスタQ11のコレクタ端子はNPNトランジスタQ3のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ3のエミッタ端子はNPNトランジスタQ1のコレクタ端子に接続される。
【0176】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、PNPトランジスタQ7のベース端子とNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の入力端子INは、NPNトランジスタQ1のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。
【0177】
図16の構成において、入力端子INの入力バイアス電流I
INを低減するように動作させるには、NPNトランジスタQ1のベース電流I
B1とカレントミラーブロックCM3の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
図16において、I
C1はNPNトランジスタQ1のコレクタ電流、I
C2はNPNトランジスタQ2のコレクタ電流、I
refは基準電流、I
B2はNPNトランジスタQ2のベース電流、I
B3はNPNトランジスタQ3のベース電流、I
B4はPNPトランジスタQ4のベース電流、I
B5はNPNトランジスタQ5のベース電流、I
B6はNPNトランジスタQ6のベース電流、I
B7はPNPトランジスタQ7のベース電流である。
【0178】
第16の実施形態では、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5及びNPNトランジスタQ6がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整し、PNPトランジスタQ7がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。PNPトランジスタQ4、NPNトランジスタQ5、NPNトランジスタQ6及びPNPトランジスタQ7の具体的な動作を以下に示す。
【0179】
NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1は以下の式で表される。
IC1=Iref+IB3-IB4-IB5-IB6 …(16)
【0180】
NPNトランジスタQ5のベース電流IB5又はNPNトランジスタQ6のベース電流IB6の値がNPNトランジスタQ3のベース電流IB3と等しい時、式(16)は以下の式に変換される。
IC1=Iref-IB4-IB5 …(17)
【0181】
ここで、式(17)はNPNトランジスタQ6のベース電流IB6=NPNトランジスタQ3のベース電流IB3となる場合を示している。
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB7-IB2 …(18)
【0182】
式(17)、(18)を比較して、PNPトランジスタQ4のベース電流I
B4=PNPトランジスタQ7のベース電流I
B7の時、かつNPNトランジスタQ2のベース電流I
B2=NPNトランジスタQ5のベース電流I
B5の時、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすことを示している。また、
図16の構成においても
図14、
図15と同様に製造ばらつきや温度変動の影響を受けにくい構成として好適である。
【0183】
図14、
図15、
図16の構成例では、カレントミラーブロックCM2として、カレントミラーの精度向上のためにPNPトランジスタQ9、Q10、Q11によるウィルソン型のカレントミラー回路を備えている。この場合、PNPトランジスタQ10のベース端子及びコレクタ端子にエミッタ端子を接続したPNPトランジスタQ4のベース電流I
B4が、PNPトランジスタQ9のコレクタ端子側に流れ込む。このため、PNPトランジスタQ4と対になるように、ベース電流I
B4と等しいベース電流I
B7を出力するPNPトランジスタQ7を設けている。このPNPトランジスタQ7が第2のコレクタ電流調整回路ブロックとして機能する。また、上記のように
図16の構成例ではNPNトランジスタQ5及びQ6が第1のコレクタ電流調整回路ブロックとして機能する。
【0184】
以上のことから、PNPトランジスタQ4及びNPNトランジスタQ5及びNPNトランジスタQ6がNPNトランジスタQ1のコレクタ電流I
C1を調整し、PNPトランジスタQ7がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流I
C2を調整する。このコレクタ電流I
C1及びI
C2を調整する効果として、入力バイアス電流I
INを低減することができる。なお、
図14、
図15、
図16の構成例では、カレントミラーブロックCM2の一例として、PNPトランジスタQ9、Q10、Q11によるウィルソン型のカレントミラー回路を示したが、カレントミラーブロックCM2にウィルソン型以外のカレントミラー回路を用いても、第1および/または第2のコレクタ電流調整回路ブロックによりNPNトランジスタQ1のコレクタ電流I
C1とNPNトランジスタQ2のコレクタ電流I
C2とを一致させ、入力バイアス電流I
INを低減することができる。
【0185】
図17は、本実施形態における入力バイアス電流の特性の一例を示すグラフである。
図17では、第16の実施形態の構成における入力バイアス電流の温度特性のシミュレーション結果を表している。
図17において、破線は本実施形態の入力バイアス電流の特性を、一点鎖線はコレクタ電流調整回路ブロックが無い比較例の特性をそれぞれ示している。本実施形態の構成では、入力バイアス電流をほぼゼロに削減でき、周囲温度の影響を受けずに低減できる結果が得られた。
【0186】
本実施形態によれば、入力バイアス電流IINを低減することができ、入力バイアス電流によって増幅回路の出力電圧に発生する誤差電圧を低減できる。
【0187】
(第17の実施形態)
図18は、第17の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。第17の実施形態は差動入力の増幅回路に用いる場合の構成例である。
【0188】
第17の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ2、Q12、Q13、Q14、Q15と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM3と、コレクタ電流調整回路ブロック11、12と、定電流源I1とを有する。
図18において、V
CC、V
EEは電源端子、IN1、IN2は増幅回路の入力端子を示している。定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0189】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、コレクタ電流調整回路ブロック11の第1端子Aに接続され、コレクタ電流調整回路ブロック11の第2端子BはカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ14のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ14のエミッタ端子は第6のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ12のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM2の第2出力端子(OUT2)はNPNトランジスタQ15のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ15のエミッタ端子は第7のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ13のコレクタ端子に接続される。
【0190】
なお、NPNトランジスタQ12、Q13のコレクタ端子に直列接続されるNPNトランジスタQ14、Q15を省略してよい。NPNトランジスタQ14、Q15は、NPNトランジスタQ12、Q13のコレクタ-エミッタ間電圧を一定にし、ゲインを増加させるために設けているが、これを設けずにNPNトランジスタQ12、Q13のみの構成としてもよい。
【0191】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、コレクタ電流調整回路ブロック12の第1端子CとNPNトランジスタQ2のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ2のベース端子はカレントミラーブロックCM3の入力端子(IN)に接続される。増幅回路の差動入力における第1の入力端子IN1は、NPNトランジスタQ12のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)とに接続される。増幅回路の差動入力における第2の入力端子IN2は、NPNトランジスタQ13のベース端子とカレントミラーブロックCM3の第2出力端子(OUT2)とに接続される。
【0192】
図18の構成において、入力端子IN1の入力バイアス電流I
IN1及び入力端子IN2の入力バイアス電流I
IN2を低減するために、以下のように動作させる。すなわち、NPNトランジスタQ12のベース電流I
B12とカレントミラーブロックCM3の第1出力端子(OUT1)の出力電流I
B2とが打消し合い、また、NPNトランジスタQ13のベース電流I
B13とカレントミラーブロックCM3の第2出力端子(OUT2)の出力電流I
B2とが打消し合うように動作させる。
【0193】
第17の実施形態は、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、コレクタ電流調整回路ブロック11がNPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12及びNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック12がNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する構成になっている。コレクタ電流調整回路ブロック11及びコレクタ電流調整回路ブロック12の具体的な動作を以下に示す。
【0194】
NPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12及びNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13は以下の式で表される。
IC12=Iref-Ix+IB14 …(19)
IC13=Iref-Ix+IB15 …(20)
【0195】
上式において、Iref:基準電流、Ix:コレクタ電流調整回路ブロック11による調整電流、IB14:NPNトランジスタQ14のベース電流、IB15:NPNトランジスタQ15のベース電流である。
【0196】
NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2は以下の式で表される。
IC2=Iref-IB2-Iy …(21)
【0197】
上式において、IB2:NPNトランジスタQ2のベース電流、Iy:コレクタ電流調整回路ブロック12による調整電流である。
【0198】
ここで、条件式(2)を満たすような上記の式(19)、(20)、(21)の調整電流Ix、Iyを設定する。このとき、コレクタ電流調整回路ブロック11によって生成される調整電流IxがNPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12及びNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック12によって生成される調整電流IyがNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整する。このコレクタ電流IC12、IC13、及びIC2を調整する効果として、NPNトランジスタQ12、Q13のコレクタ電流IC12及びIC13とNPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2とを一致させ、入力端子IN1、IN2の入力バイアス電流IIN1及びIIN2を低減することができる。
【0199】
(第18の実施形態)
図19は、第18の実施形態の入力バイアス電流低減回路の構成を示す図である。第18の実施形態は差動入力の各入力端子に対応させてコレクタ電流調整回路ブロックを設けた構成例である。
【0200】
第18の実施形態の入力バイアス電流低減回路は、NPNトランジスタQ12、Q13、Q14、Q15、Q16,Q17と、カレントミラーブロックCM1、CM2、CM4、CM5と、コレクタ電流調整回路ブロック11、13a、13bと、定電流源I1とを有する。
図19において、V
CC、V
EEは電源端子、IN1、IN2は増幅回路の入力端子を示している。定電流源I1は、一端が電源端子V
CCに接続され、他端がカレントミラーブロックCM1の入力端子(IN)に接続される。
【0201】
カレントミラーブロックCM1の第1出力端子(OUT1)は、コレクタ電流調整回路ブロック11の第1端子Aに接続され、コレクタ電流調整回路ブロック11の第2端子BはカレントミラーブロックCM2の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM2の第1出力端子(OUT1)はNPNトランジスタQ14のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ14のエミッタ端子はNPNトランジスタQ12のコレクタ端子に接続される。カレントミラーブロックCM2の第2出力端子(OUT2)はNPNトランジスタQ15のコレクタ端子に接続され、NPNトランジスタQ15のエミッタ端子はNPNトランジスタQ13のコレクタ端子に接続される。
【0202】
なお、NPNトランジスタQ12、Q13のコレクタ端子に直列接続されるNPNトランジスタQ14、Q15を省略してよい。NPNトランジスタQ14、Q15は、NPNトランジスタQ12、Q13のコレクタ-エミッタ間電圧を一定にし、ゲインを増加させるために設けているが、これを設けずにNPNトランジスタQ12、Q13のみの構成としてもよい。
【0203】
カレントミラーブロックCM1の第2出力端子(OUT2)は、第3のコレクタ電流調整回路ブロックとしてのコレクタ電流調整回路ブロック13aの第1端子Cと第8のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ16のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ16のベース端子は第4のカレントミラーブロックとしてのカレントミラーブロックCM4の入力端子(IN)に接続される。カレントミラーブロックCM1の第3出力端子(OUT3)は、第4のコレクタ電流調整回路ブロックとしてのコレクタ電流調整回路ブロック13bの第1端子Dと第9のNPNトランジスタとしてのNPNトランジスタQ17のエミッタ端子とに接続される。NPNトランジスタQ17のベース端子は第5のカレントミラーブロックとしてのカレントミラーブロックCM5の入力端子(IN)に接続される。
【0204】
増幅回路の差動入力における第1の入力端子IN1は、NPNトランジスタQ12のベース端子とカレントミラーブロックCM4の第1出力端子(OUT1)とに接続される。増幅回路の差動入力における第2の入力端子IN2は、NPNトランジスタQ13のベース端子とカレントミラーブロックCM5の第1出力端子(OUT1)とに接続される。入力端子IN1に印加された入力信号がNPNトランジスタQ12のベース端子に入力され、入力端子IN2に印加された入力信号がNPNトランジスタQ13のベース端子に入力される。
【0205】
図19の構成において、入力端子IN1の入力バイアス電流I
IN1及び入力端子IN2の入力バイアス電流I
IN2を低減するために、以下のように動作させる。すなわち、NPNトランジスタQ12のベース電流I
B12とカレントミラーブロックCM4の第1出力端子(OUT1)の出力電流I
B16とが打消し合い、また、NPNトランジスタQ13のベース電流I
B13とカレントミラーブロックCM5の第1出力端子(OUT1)の出力電流I
B17とが打消し合うように動作させる。
【0206】
第18の実施形態は、第1の実施形態で示した条件式(2)を満たすように、各コレクタ電流調整回路ブロックによってコレクタ電流を調整する。すなわち、コレクタ電流調整回路ブロック11がNPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12及びNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13を調整する。また、コレクタ電流調整回路ブロック13aがNPNトランジスタQ16のコレクタ電流IC16を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック13bがNPNトランジスタQ17のコレクタ電流IC17を調整する構成になっている。コレクタ電流調整回路ブロック11、コレクタ電流調整回路ブロック13a及びコレクタ電流調整回路ブロック13bの具体的な動作を以下に示す。
【0207】
NPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12及びNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13は以下の式で表される。
IC12=Iref-Ix+IB14 …(22)
IC13=Iref-Ix+IB15 …(23)
上式において、Iref:基準電流、Ix:コレクタ電流調整回路ブロック11による調整電流、IB14:NPNトランジスタQ14のベース電流、IB15:NPNトランジスタQ15のベース電流である。
【0208】
NPNトランジスタQ16のコレクタ電流IC16は以下の式で表される。
IC16=Iref-IB16-Iz1 …(24)
【0209】
上式において、IB16:NPNトランジスタQ16のベース電流、Iz1:コレクタ電流調整回路ブロック13aによる調整電流である。
【0210】
NPNトランジスタQ17のコレクタ電流IC17は以下の式で表される。
IC17=Iref-IB17-Iz2 …(25)
【0211】
上式において、IB17:NPNトランジスタQ17のベース電流、Iz2:コレクタ電流調整回路ブロック13bによる調整電流である。
【0212】
ここで、式(22)、(24)を比較し、条件式(2)を満たすような調整電流Ix、Iz1を設定するとともに、式(23)、(25)を比較し、条件式(2)を満たすような調整電流Ix、Iz2を設定する。このとき、コレクタ電流調整回路ブロック11によって生成される調整電流IxがNPNトランジスタQ12のコレクタ電流IC12を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック13aによって生成される調整電流Iz1がNPNトランジスタQ16のコレクタ電流IC16を調整する。また、コレクタ電流調整回路ブロック11によって生成される調整電流IxがNPNトランジスタQ13のコレクタ電流IC13を調整し、コレクタ電流調整回路ブロック13bによって生成される調整電流Iz2がNPNトランジスタQ17のコレクタ電流IC17を調整する。
【0213】
このコレクタ電流IC12及びIC16、並びにIC13及びIC17を調整する効果として、NPNトランジスタQ12、Q16のコレクタ電流IC12及びIC16とを一致させ、並びにNPNトランジスタQ13、Q17のコレクタ電流IC13及びIC17とを一致させ、入力端子IN1、IN2の入力バイアス電流IIN1及びIIN2を低減することができる。
【0214】
以上説明したように、本実施形態では、NPNトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流IC1、IC2を一致させるために、NPNトランジスタQ1のコレクタ電流IC1を調整するコレクタ電流調整回路ブロック11を備えている。また、NPNトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流IC1、IC2を一致させるために、NPNトランジスタQ2のコレクタ電流IC2を調整するコレクタ電流調整回路ブロック12を備えている。この構成により、入力端子INにおいてNPNトランジスタQ1のベース電流IB1とカレントミラーブロックCM3の出力電流(すなわちNPNトランジスタQ2のベース電流IB2)が打消し合い、入力バイアス電流を低減することができる。
【0215】
また、差動入力の場合も同様に構成可能である。第1の入力端子IN1においてNPNトランジスタQ12のベース電流IB12とカレントミラーブロックCM4の出力電流(すなわちNPNトランジスタQ16のベース電流IB16)が打消し合い、入力バイアス電流を低減することができる。また、第2の入力端子IN2においてNPNトランジスタQ13のベース電流IB13とカレントミラーブロックCM5の出力電流(すなわちNPNトランジスタQ17のベース電流IB17)が打消し合い、入力バイアス電流を低減することができる。
【0216】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0217】
本発明は、増幅回路における入力バイアス電流を十分に低減することが可能となる効果を有し、例えば、演算増幅回路、コンパレータ、計装アンプ等の増幅回路における入力バイアス電流低減回路として有用である。
【符号の説明】
【0218】
11、12、13a、13b:コレクタ電流調整回路ブロック
CM1、CM2、CM3、CM4、CM5:カレントミラーブロック
I1:定電流源
I2、I3:調整電流源
IN、IN1、IN2:入力端子
Q1、Q2、Q3、Q5、Q6、Q8、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16、Q17:NPNトランジスタ
Q4、Q7、Q9、Q10、Q11:PNPトランジスタ