(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】帯域推定装置、帯域推定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 43/0882 20220101AFI20241113BHJP
【FI】
H04L43/0882
(21)【出願番号】P 2023522108
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2021019124
(87)【国際公開番号】W WO2022244174
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】山田 友輝
(72)【発明者】
【氏名】小杉 友哉
(72)【発明者】
【氏名】竹下 絵莉奈
(72)【発明者】
【氏名】森田 章弘
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-136894(JP,A)
【文献】安森 涼 外3名,ISP視点によるサービストラフィックの流量予測手法,電子情報通信学会技術研究報告[online],日本,一般社団法人電子情報通信学会,2020年02月27日,Vol.119 No.461,pp.333-338
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/0882
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定装置であって、
前記通信装置から前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類する分類部と、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとの必要帯域を推定する推定部と、を備え
、 前記推定部は、
前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報とを学習データとした機械学習により学習モデルを作成し、
前記学習モデルに前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報を入力して、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定する帯域推定装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の帯域推定装置において、
前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報に基づき、前記複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する周期性抽出部をさらに備え、
前記推定部は、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報と、前記周期性抽出部により抽出された周期性とを学習データとした機械学習により、前記学習モデルを作成する、帯域推定装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の帯域推定装置において、
前記周期性抽出部により抽出された周期性の特徴を判定する特徴判定部をさらに備え、
前記推定部は、学習に関するパラメータの異なる複数の学習モデルを作成し、前記複数の学習モデルのうち、前記特徴判定部により判定された前記周期性の特徴に応じた学習モデルを用いて、前記必要帯域を推定する、帯域推定装置。
【請求項4】
複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定装置であって、
前記通信装置から前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類する分類部と、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとの必要帯域を推定する推定部と、
前記複数のサービスそれぞれの過去のトラフィック情報に基づき、前記複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する周期性抽出部と、
前記周期性抽出部により抽出された周期性の特徴を判定する特徴判定部と、
を備え、
前記推定部は、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報とに基づき、前記必要帯域を推定する複数のアルゴリズムのうち、前記特徴判定部により判定された前記周期性の特徴に応じたアルゴリズムを用いて、前記必要帯域を推定する、帯域推定装置。
【請求項5】
請求項
3または
4に記載の帯域推定装置において、
前記推定部により推定されたサービスの必要帯域と、前記サービスで実際に必要とされた帯域とを比較する評価部をさらに備え、
前期推定部は、前記評価部による比較の結果に応じて、前記必要帯域の推定に用いるアルゴリズムまたはモデルのパラメータを変更する、帯域推定装置。
【請求項6】
複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定方法であって、
前記通信装置から、前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類し、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定
し、
前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報とを学習データとした機械学習により学習モデルを作成し、
前記学習モデルに前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報を入力して、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定する、帯域推定方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の帯域推定装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、帯域推定装置、帯域推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置間のリンクに複数の回線が収容される通信ネットワークを設計する際に、リンクで必要となる帯域(以下、「必要帯域」と称する。)の情報が必要となる。各回線の通信帯域は、各回線の契約に応じた帯域の上限値(以下、「契約帯域」と称する。)を有するが、リンクに収容される回線数およびその契約帯域は、回線の新規追加、契約変更あるいは削除に伴って時間的に変化する。そのため、通信ネットワークの設計では、各回線の契約帯域に関する情報である契約帯域情報を考慮して、必要帯域を算出することが重要である。ネットワーク設計者は、必要帯域を推定し、必要帯域が既存設備の帯域を超えるか否かにより、新規回線を収容可能か否かの判定(収容判定)を行う。必要帯域が既存設備の帯域を超える場合には、設備の増設が必要となる。そのため、必要帯域を高精度に推定することは設備コストを抑制することにつながる。
【0003】
必要帯域を推定する方法として、通信装置から取得した、リンクを流れる各回線のトラフィックに関する情報を基に帯域推定を行う方法が報告されている。例えば、特許文献1には、既存回線の帯域の変動から将来的な必要帯域を算出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多数のユーザの機器が接続する通信ネットワークでは、モバイル(動画映像、SNS(Social Networking Service))、IoT(Internet of Things)、移動体など様々なサービスに起因したトラフィックが流れており、近年、ますます多様化が進んでいる。特許文献1に記載の方法では、様々なサービスを区別することなくトラフィック情報を取得・解析している。しかしながら、通信の利用帯域、ユーザ数の増加・減少傾向、日内・週内の変動など、様々な要素が異なるサービスをまとめて解析することは、必要帯域の推定の精度の低下を招くおそれがある。このように、必要帯域の推定の精度には改善の余地があった。
【0006】
上記のような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、必要帯域の推定の精度の向上を図ることができる帯域推定装置、帯域推定方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示に係る帯域推定装置は、複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定装置であって、前記通信装置から前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類する分類部と、前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとの必要帯域を推定する推定部と、を備える。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本開示に係る帯域推定方法は、複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定方法であって、前記通信装置から、前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類し、前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定する。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本開示に係るプログラムは、コンピュータを、上述した帯域推定装置として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る帯域推定装置、帯域推定方法およびプログラムによれば、必要帯域の推定の精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る帯域推定装置の構成例を示す図である。
【
図2A】
図1に示す推定部によるサービスごとの必要帯域の推定について説明するための図である。
【
図2B】
図1に示す推定部によるサービスごとの必要帯域の推定について説明するための図である。
【
図2C】
図1に示す推定部によるサービスごとの必要帯域の推定について説明するための図である。
【
図3】
図1に示す帯域推定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の第2の実施形態に係る帯域推定装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図4に示す学習部に入力される学習データの一例を示す図である。
【
図6】
図4に示す推定部の推定結果の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第3の実施形態に係る帯域推定装置の構成例を示す図である。
【
図8】
図7に示す周期性抽出部によるトラフィックの周期性の抽出について説明するための図である。
【
図9】
図7に示す学習部に入力される学習データの一例を示す図である。
【
図10】本開示の第4の実施形態に係る帯域推定装置の構成例を示す図である。
【
図11】
図10に示す特徴判定部による周期性の特徴の有無の判定について説明するための図である。
【
図12】本開示の第4の実施形態に係る帯域推定装置の構成例を示す図である。
【
図13】
図1に示す帯域推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る帯域推定装置10の構成例を示す図である。本開示に係る帯域推定装置10は、複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置20間のリンク21の必要帯域を推定するものである。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る帯域推定装置10は、サービス分類部11と、トラフィック収集部12と、ユーザ情報DB(Database)13と、推定部14とを備える。
【0015】
サービス分類部11は、リンク21を流れるトラフィック(帯域)に関する情報であるトラフィック情報を通信装置20から取得する。サービス分類部11は、取得したトラフィック情報をサービスごとに分類する。すなわち、サービス分類部11は、サービスごとに、当該サービスに起因するトラフィックのトラフィック情報を分類する。例えば、ネットワーク設計時に、タグ、V-LAN(Virtual Local Area Network)、優先度、SID(Segment ID)などで事前にサービスを分類しておくことで、サービス分類部11は、この分類の情報に基づき、トラフィック情報をサービスごとに分類することができる。また、サービス分類部11は、例えば、DPI(Deep Packet Inspection)技術によりパケットの内容を読み取ってサービス内容を検知することで、トラフィック情報をサービスごとに分類することができる。サービス分類部11は、サービスごとに分類したトラフィック情報をトラフィック収集部12に出力する。
【0016】
トラフィック収集部12は、サービス分類部11から出力された、サービスごとのトラフィック情報を収集して、推定部14に出力する。
【0017】
ユーザ情報DB13は、各ユーザの回線の契約に応じた帯域の上限値である契約帯域に関する情報(以下、「契約帯域情報」と称する。)を記憶するデータベースである。ユーザ情報DB13は、記憶している契約帯域情報を推定部14に出力する。
【0018】
推定部14は、トラフィック収集部12から出力された、サービスごとのトラフィック情報と、ユーザ情報DB13から出力された契約帯域情報とに基づき、サービスごとの必要帯域を推定する。
【0019】
推定部14によるサービスごとの必要帯域の推定について、
図2A~2Cを参照して説明する。推定部14は、
図2A~2Cを参照して説明する処理を、サービスごとに行う。
【0020】
推定部14は、契約帯域ごとに、必要帯域の推定対象のサービス(以下、「対象サービス」と称する。)に起因するトラフィックのトラフィック情報を抽出する。すなわち、推定部14は、契約帯域(契約帯域A、契約帯域B、契約帯域C...)ごとに、対象サービスに起因するトラフィックのトラフィック情報を抽出する。次に、推定部14は、
図2Aに示すように、契約帯域ごとに抽出したトラフィック情報に示される帯域(過去の帯域)の分布を評価し、過去の帯域の中央値と分散とを求める。帯域の分布関数としては、例えば、正規分布を用いることができるが、これに限られない。
【0021】
次に、推定部14は、
図2Bに示すように、過去の帯域の中央値と契約帯域との関係を任意の関数で近似する。帯域の中央値と契約帯域との関係の近似としては、例えば、直線近似を用いることができるが、これに限られない。
【0022】
次に、推定部14は、
図2Cに示すように、上述した帯域の中央値と契約帯域との関係と、予め用意された将来の契約帯域情報に基づき、ある契約帯域Xにおける、将来の帯域の中央値を算出する。最後に、推定部14は、過去の帯域の分散と、将来の帯域の中央値とに基づき、推定対象のサービスに起因するトラフィック(帯域)の分布を求め、必要帯域を導出する。例えば、ネットワークのSLA(Service Agreement Level)が99%である場合、推定部14は、求めた分布の99%をカバーできるように必要帯域を定めてよい。また、推定部14は、通信ネットワークにおける故障の発生時の迂回トラフィックなどを考慮したバッファを加えて必要帯域を導出してもよい。サービスごとの必要帯域を推定することで、リンク21の必要帯域も推定することができる。
【0023】
次に、本実施形態に係る帯域推定装置10の動作について説明する。
【0024】
図3は、本実施形態に係る帯域推定装置10の動作の一例を示すフローチャートであり、帯域推定装置10による帯域推定方法を説明するための図である。
【0025】
サービス分類部11は、通信装置20から、リンク21を流れるトラフィックに関するトラフィック情報を取得し、取得したトラフィック情報をサービスごとに分類する(ステップS11)。
【0026】
推定部14は、サービスごとのトラフィック情報と、ユーザ情報DB13に記憶されている契約帯域情報とに基づき、サービスごとに必要な必要帯域を推定する(ステップS12)。
【0027】
このように本実施形態に係る帯域推定装置10は、サービス分類部11と、推定部14とを備える。サービス分類部11は、通信装置20から、リンク21を流れるトラフィックに関するトラフィック情報を取得し、取得したトラフィック情報をサービスごとに分類する。推定部14は、サービスごとのトラフィック情報と、複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、サービスごとに必要な必要帯域を推定する。
【0028】
トラフィック情報をサービスごとに分類し、サービスごとに必要帯域を推定することで、帯域の増加・減少の傾向などが異なる様々なサービスを分類した上で必要帯域を推定することができる。そのため、リンク21に複数の回線が収容され、複数のサービスのトラフィックが流れる通信ネットワークにおける、必要帯域の推定の精度の向上を図ることができる。また、サービスごとに必要帯域を推定することで、サービスごとの収容判定が可能となるので、サービスごとに設備増設の必要性を判断することができ、設備コストの低減を図ることができる。また、短い期間の収集データ(トラフィック情報)でも高い推定精度が得られるので、トラフィック収集部12で記録が必要なデータ量を抑制することができ、設備コストの低減を図ることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、本開示の第2の実施形態に係る帯域推定装置10Aの構成例を示す図である。
図4において、
図1と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0030】
図4に示すように、本実施形態に係る帯域推定装置10Aは、サービス分類部11と、トラフィック収集部12と、ユーザ情報DB13と、推定部14Aとを備える。本実施形態に係る帯域推定装置10Aは、第1の実施形態に係る帯域推定装置10と比較して、推定部14を推定部14Aに変更した点が異なる。
【0031】
推定部14Aは、学習部141を備える。
【0032】
学習部141は、ユーザ情報DB13に記憶されている、複数のユーザそれぞれの過去の契約帯域情報と、トラフィック収集部12から出力された、複数のサービスそれぞれの過去のトラフィック情報とを学習データとした機械学習により、学習モデル142を作成する。具体的には、学習部141は、
図5に示すように、過去の時刻t
1~t
n-1それぞれにおける、各ユーザの契約帯域情報と、各サービスのトラフィック情報とが学習データとして入力される。学習部141は、入力された学習データに基づき、学習モデル142のパラメータを最適化する。すなわち、学習部141は、学習データとして入力された、各ユーザの契約帯域情報と、各サービスのトラフィック情報との相関関係を抽出する。
【0033】
推定部14Aは、学習部141により作成した学習モデル142に、ユーザ情報DBに記憶されている、時刻t
n,t
n+1,・・・それぞれにおける複数のユーザそれぞれの契約帯域情報(現在および将来の契約帯域情報)を入力して、サービスごとに必要な必要帯域を推定する。具体的には、推定部14Aは、
図6に示すように、時刻t
n,t
n+1,・・・それぞれにおける複数のサービスそれぞれの必要帯域を推定する。推定部14Aは、推定した必要帯域と、通信装置20で許容される上限帯域とを比較し、通信装置20が回線を収容可能か否か判定する収容判定を行ってもよい。
【0034】
このように本実施形態においては、帯域推定装置10Aは、推定部14Aを備える。推定部14Aは、複数のユーザそれぞれの過去の契約帯域情報と、複数のサービスそれぞれの過去のトラフィック情報とを学習データとした機械学習により学習モデル142を作成する。そして、推定部14Aは、学習モデル142に複数のユーザそれぞれの契約帯域情報を入力して、サービスごとに必要な必要帯域を推定する。
【0035】
第1の実施形態に係る帯域推定装置10においては、ユーザの契約帯域とトラフィックとの関係から必要帯域を推定しているため、ユーザごとに帯域利用率が異なる場合に、推定の精度が低下する。これを解消するためには、ユーザごとの帯域利用率までパラメータとして考慮する必要があるが、膨大なデータの解析を要する。本実施形態のように、機械学習を用いることで、短時間での解析が可能となり、第1の実施形態と比べて、必要帯域の推定の精度をより向上させることができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、複数のサービスそれぞれのトラフィック情報とを学習データとして学習する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。時刻情報、送信先情報、送信元情報、V-LAN、タグ、優先度ごとのパケット長、パケット数などをさらに学習データに含めてもよい。
【0037】
また、
図6においては、推定部14Aは、サービスごとの必要帯域の数値を推定結果として出力する例を示しているが、これに限られるものではなり、推定部14Aは、必要帯域の数値と、その値をとる確率とをセットで、推定結果として出力してもよい。
【0038】
(第3の実施形態)
図7は、本開示の第3の実施形態に係る帯域推定装置10Bの構成例を示す図である。
図7において、
図4と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0039】
図7に示すように、本実施形態に係る帯域推定装置10Bは、サービス分類部11と、トラフィック収集部12と、ユーザ情報DB13と、推定部14Bと、周期性抽出部15とを備える。本実施形態に係る帯域推定装置10Bは、第2の実施形態に係る帯域推定装置10Aと比較して、推定部14Aを推定部14Bに変更した点と、周期性抽出部15を追加した点とが異なる。
【0040】
周期性抽出部15は、トラフィック収集部12から出力された、サービスごとのトラフィック情報に基づき、複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する。
【0041】
図8は、周期性抽出部15によるトラフィックの周期性の抽出について説明するための図である。
図8に示すように、トラフィック情報から、トラフィック量の時系列的な変化が得られる。周期性抽出部15は、トラフィック量の時系列的な変化に対して、フーリエ変換、離散フーリエ変換、ウェーブレット変換などの周波数解析を行うことで、トラフィックの周期性についての情報(周期性情報)を抽出する。
図8においては、トラフィック量の時系列的な変化を、フーリエ変換により、各周波数(周期の逆数に相当)における振幅(周期性の大きさに相当)に変換した例を示している。周期性抽出部15は、抽出したサービスごとのトラフィックの周期性情報を推定部14Bに出力する。
【0042】
推定部14Bは、推定部14Aと比較して、学習部141を学習部141Bに変更した点が異なる。
【0043】
学習部141Bは、ユーザ情報DB13に記憶されている、複数のユーザそれぞれの過去の契約帯域情報と、トラフィック収集部12から出力された、複数のサービスそれぞれの過去のトラフィック情報と、周期性抽出部15により抽出された、複数のサービスそれぞれのトラフィックの周期性とを学習データとした機械学習により、学習モデル142Bを作成する。具体的には、学習部141Bは、
図9に示すように、過去の時刻t
1~t
n-1それぞれにおける、各ユーザの契約帯域情報と、各サービスのトラフィック情報と、各サービスのトラフィックの周期性情報(トラフィックの周期性を示す周波数および振幅)とが学習データとして入力される。学習部141Bは、入力された学習データに基づき、学習モデル142Bのパラメータを最適化する。すなわち、学習部141Bは、学習データとして入力された、各ユーザの契約帯域情報と、各サービスのトラフィック情報と、各サービスのトラフィックの周期性との相関関係を抽出する。
【0044】
推定部14Bは、学習部141Bにより作成した学習モデル142Bに、ユーザ情報DBに記憶されている、時刻tn,tn+1,・・・それぞれにおける複数のユーザそれぞれの契約帯域情報(現在および将来の契約帯域情報)を入力して、サービスごとに必要な必要帯域を推定する。
【0045】
このように本実施形態においては、帯域推定装置10Bは、周期性抽出部15と、推定部14Bとを備える。周期性抽出部15は、複数のサービスそれぞれのトラフィック情報に基づき、複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する。推定部14Bは、学習部141Bを備える。学習部141Bは、複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、複数のサービスそれぞれのトラフィック情報と、周期性抽出部15により抽出された周期性とを学習データとして機械学習により、学習モデル142Bを作成する。
【0046】
複数のサービスそれぞれのトラフィックの周期性を学習データに加えることで、サービスごとに異なるトラフィックの時間依存性に関する情報も学習することができるので、マルチサービスでの必要帯域の推定のさらなる精度の向上を図ることができる。また、新規のサービスでは、試験から正常運用に至るまでにトラフィックの周期性が変化することも考えられる。この場合、トラフィックの周期性の抽出により、サービスの運用形態に関する情報を考慮した学習が可能になる。
【0047】
(第4の実施形態)
図10は、本開示の第4の実施形態に係る帯域推定装置10Cの構成例を示す図である。
図10において、
図7と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0048】
図10に示すように、本実施形態に係る帯域推定装置10Cは、サービス分類部11と、トラフィック収集部12と、ユーザ情報DB13と、推定部14Cと、周期性抽出部15と、特徴判定部16とを備える。本実施形態に係る帯域推定装置10Cは、第3の実施形態に係る帯域推定装置10Bと比較して、推定部14Bを推定部14Cに変更した点と、特徴判定部16を追加した点とが異なる。
【0049】
特徴判定部16は、周期性抽出部15により抽出された、サービスごとのトラフィックの周期性の特徴の有無あるいは周期性の特徴を判定する。例えば、特徴判定部16は、サービスのトラフィックが特徴的な周期で変化するか、特徴的な周波数でのピークの大きさ、定常的なトラフィックであるかランダムなトラフィックであるかなどを判定する。
【0050】
図11は、特徴判定部16による周期性の特徴の判定の一例を示す図である。
【0051】
上述したように、トラフィックの時系列的な変化は、フーリエ変換により、
図11に示すように、周波数と振幅とのスペクトルに変換される。特徴判定部16は、周波数と振幅とのスペクトルを任意の関数でフィッティングし、フィッティングカーブから任意の割合で外れるピークが存在する場合には、周期性ありと判定し、ピークが存在しない場合には、周期性なしと判定する。また、特徴判定部16は、例えば、周波数と振幅とのスペクトルの部分係数に対して、同様の解析を行ってもよい。
【0052】
図10を再び参照すると、特徴判定部16は、判定結果を推定部14Cに出力する。
【0053】
推定部14Cは、推定部14Bと比較して、学習部141Bを学習部141Cに変更した点が異なる。
【0054】
学習部141Cは、サービスごとのトラフィック情報と、契約帯域情報と、サービスごとのトラフィックの周期性情報とを学習データとした機械学習により、学習モデル142Cを作成する。ここで、学習部141Cは、例えば、学習に用いるパラメータの異なる複数の学習モデル142Cを作成する。
【0055】
推定部14Cは、学習部141Cが作成した複数の学習モデル142Cのうち、特徴判定部16により判定された周期性の特徴に応じた学習モデル142Cを用いて、サービスごとの必要帯域を判定する。
【0056】
例えば、トラフィックに時系列的な周期性が存在する(時刻とトラフィックとの相関が大きい)場合、非定常状態の取り扱いに適したモデルを適用する必要がある。一方、トラフィックに時系列的な周期性が存在しない(時刻とトラフィックとの相関が小さい)場合(定常的なデータあるいはランダムなデータである場合)、非定常状態の取り扱いに適したモデルよりも計算の処理負荷が小さい、定常状態の取り扱いに適したモデルを適用する必要がある。推定部14Cは、特徴判定部16の判定結果に基づき、サービスに起因するトラフィックの特徴に応じて、学習モデル142Cを選択する。このように、サービスに起因するトラフィックの特徴に応じて学習モデル142Cを選択することで、推定精度のさらなる向上および計算の処理負荷の低減を図ることができる。また、どのような学習モデル142Cを用いたらよいのか分からない新規のサービスの必要帯域を推定する場合、トラフィックの周期性が類似する他のサービスの必要帯域の推定に用いた学習モデル142Cを使用することで、新規のサービスに対しても必要帯域の推定の精度の向上を図ることができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、特徴判定部16の判定の結果に基づき、複数の学習モデル142Cから、必要帯域の推定に用いる学習モデル142Cを選択する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。例えば、
図1に示す帯域推定装置10において、必要帯域を推定するための複数のアルゴリズムが用意されている場合、サービスに起因するトラフィックの特徴に応じて、用意された複数のアルゴリズムの中から、必要帯域の推定に用いるアルゴリズムが選択されてもよい。
【0058】
(第5の実施形態)
図12は、本開示の第5の実施形態に係る帯域推定装置10Dの構成例を示す図である。
図12において、
図10と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0059】
図12に示すように、本実施形態に係る帯域推定装置10Dは、サービス分類部11と、トラフィック収集部12と、ユーザ情報DB13と、推定部14Dと、周期性抽出部15と、特徴判定部16と、評価部17とを備える。本実施形態に係る帯域推定装置10Dは、
図10に示す帯域推定装置10Cと比較して、推定部14Cを推定部14Dに変更した点と、評価部17を追加した点とが異なる。
【0060】
評価部17は、推定部14Dにより推定されたサービスの必要帯域と、そのサービスで実際に必要とされた帯域とを比較し、比較の結果を推定部14Dに出力する。評価部17は、例えば、推定部14により推定されたサービスの必要帯域と、実際に必要とされた帯域との差分を、比較の結果として推定部14Dに出力する。
【0061】
推定部14Dは、推定部14Cと同様に、複数の学習モデル142Cから、サービスに起因するトラフィックの周期性の特徴の判定結果に応じた学習モデルC142Cを選択して、サービスの必要帯域を推定する。そして、推定部14Dは、評価部17による比較の結果に応じて、必要帯域の推定に用いる学習モデル142Cのパラメータを変更する。例えば、第1の学習モデル142C-1を用いて推定された必要帯域と、実際に必要とされた帯域との間に、任意の割合以上の誤差が生じた場、推定部14Dは、第2の学習モデル142C-2を用いて再度、必要帯域を推定する。そして、推定部14Dは、例えば、第1の学習モデル142C-1により推定された必要帯域、および第2の学習モデル142C-2により推定された必要帯域のうち、実際に必要とされた帯域との誤差が少ない学習モデル142を、必要帯域を推定するモデルとして用いる。
【0062】
このように本実施形態においては、評価部17により推定部14Dによる必要帯域の推定結果を評価することで、必要帯域の推定のさらなる向上を図ることができる。特に、どのような学習モデル142Cを用いればよいかが分からない新規サービスの必要帯域を推定する際に、顕著な効果が期待される。
【0063】
なお、本実施形態においては、評価部17による比較の結果に応じて、必要帯域の推定に用いる学習モデル142Cのパラメータを変更する例を用いて説明したら、これに限られるものではない。例えば、
図1に示す帯域推定装置10において、評価部17による比較の結果に応じて、必要帯域を推定するためのアルゴリズムのパラメータが変更されてもよい。また、評価部17による比較の結果に応じて、特徴判定部16による判定に関するパラメータが変更されてもよい。
【0064】
次に、本開示に係る帯域推定装置10のハードウェア構成について説明する。なお、以下では、帯域推定装置10を例として説明するが、帯域推定装置10A,10B,10C,10Dも同様である。
【0065】
図13は、本開示の一実施形態に係る帯域推定装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図13においては、帯域推定装置10がプログラム命令を実行可能なコンピュータにより構成される場合の、帯域推定装置10のハードウェア構成の一例を示している。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0066】
図13に示すように、帯域推定装置10は、プロセッサ210、ROM(Read Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)230、ストレージ240、入力部250、表示部260および通信インタフェース(I/F)270を有する。各構成は、バス290を介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ210は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種または異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。
【0067】
プロセッサ210は、各構成の制御および各種の演算処理を実行するコントローラである。すなわち、プロセッサ210は、ROM220またはストレージ240からプログラムを読み出し、RAM230を作業領域としてプログラムを実行する。プロセッサ210は、ROM220あるいはストレージ240に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM220またはストレージ240には、コンピュータを本開示に係る帯域推定装置10として機能させるためのプログラムが格納されている。当該プログラムがプロセッサ210により読み出されて実行されることで、帯域推定装置10の各構成、すなわち、サービス分類部11、トラフィック収集部12および推定部14が実現される。
【0068】
プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0069】
ROM220は、各種プログラムおよび各種データ(例えば、契約帯域情報)を格納する。RAM230は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ240は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラムおよび各種データを格納する。
【0070】
入力部250は、マウスなどのポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0071】
表示部260は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部260は、タッチパネル方式を採用して、入力部250として機能してもよい。
【0072】
通信インタフェース270は、通信装置20などの外部装置と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0073】
上述した帯域推定装置10の各部として機能させるためにコンピュータを好適に用いることが可能である。そのようなコンピュータは、帯域推定装置10の各部の機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのプロセッサによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。すなわち、当該プログラムは、コンピュータを、上述した帯域推定装置10として機能させることができる。また、当該プログラムを非一時的記録媒体に記録することも可能である。また、当該プログラムを、ネットワークを介して提供することも可能である。
【0074】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0075】
(付記項1)
複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定装置であって、
前記通信装置から前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類する分類部と、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとの必要帯域を推定する推定部と、を備える帯域推定装置。
【0076】
(付記項2)
付記項1に記載の帯域推定装置において、
前記推定部は、
前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報とを学習データとした機械学習により学習モデルを作成し、
前記学習モデルに前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報を入力して、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定する、帯域推定装置。
【0077】
(付記項3)
付記項2に記載の帯域推定装置において、
前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報に基づき、前記複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する周期性抽出部をさらに備え、
前記推定部は、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域情報と、前記複数のサービスそれぞれのトラフィック情報と、前記周期性抽出部により抽出された周期性とを学習データとした機械学習により、前記学習モデルを作成する、帯域推定装置。
【0078】
(付記項4)
付記項3に記載の帯域推定装置において、
前記周期性抽出部により抽出された周期性の特徴を判定する特徴判定部をさらに備え、
前記推定部は、学習に関するパラメータの異なる複数の学習モデルを作成し、前記複数の学習モデルのうち、前記特徴判定部により判定された前記周期性の特徴に応じた学習モデルを用いて、前記必要帯域を推定する、帯域推定装置。
【0079】
(付記項5)
付記項1に記載の帯域推定装置において、
前記複数のサービスそれぞれの過去のトラフィック情報に基づき、前記複数のサービスそれぞれに起因するトラフィックの周期性を抽出する周期性抽出部と、
前記周期性抽出部により抽出された周期性の特徴を判定する特徴判定部と、をさらに備え、
前記推定部は、前記必要帯域を推定する複数のアルゴリズムのうち、前記特徴判定部により判定された前記周期性の特徴に応じたアルゴリズムを用いて、前記必要帯域を推定する、帯域推定装置。
【0080】
(付記項6)
付記項4に記載の帯域推定装置において、
前記推定部により推定されたサービスの必要帯域と、前記サービスで実際に必要とされた帯域とを比較する評価部をさらに備え、
前期推定部は、前記評価部による比較の結果に応じて、前記必要帯域の推定に用いるアルゴリズムまたはモデルのパラメータを変更する、帯域推定装置。
【0081】
(付記項7)
複数のユーザの回線を収容し、複数のサービスに起因するトラフィックが流れる、通信装置間のリンクに必要な帯域を推定する帯域推定方法であって、
前記通信装置から、前記トラフィックに関するトラフィック情報を取得し、該取得したトラフィック情報を前記サービスごとに分類し、
前記サービスごとのトラフィック情報と、前記複数のユーザそれぞれの契約帯域に関する契約帯域情報とに基づき、前記サービスごとに必要な必要帯域を推定する、帯域推定方法。
【0082】
(付記項8)
コンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、前記コンピュータを付記項1に記載の制御装置として機能させる、プログラムを記憶した非一時的記憶媒体。
【0083】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形または変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0084】
10,10A,10B,10C 帯域推定装置
11サービス分類部
12 トラフィック収集部
13 ユーザ情報DB
14,14A,14B,14C,14D 推定部
141,141B,141C 学習部
142,142B,142C 学習モデル
15 周期性抽出部
16 特徴判定部
17 評価部
20 通信装置
21 リンク