(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】半導体発光装置と成長基板の間の角部での分離層の除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/44 20100101AFI20241113BHJP
H01L 33/32 20100101ALI20241113BHJP
H01L 33/30 20100101ALI20241113BHJP
【FI】
H01L33/44
H01L33/32
H01L33/30
(21)【出願番号】P 2023205242
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2022057762の分割
【原出願日】2022-03-31
【審査請求日】2023-12-05
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522078347
【氏名又は名称】セミエルイーディーズ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】SEMILEDS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1F, No. 11, Ke Jung Rd., Chu-Nan Site, Hsinchu Science Park Chu-Nan 350, Miao-li County(TW)
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】朱振甫
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼士凱
(72)【発明者】
【氏名】施逸豊
(72)【発明者】
【氏名】チュング トゥリ ドォアン
(72)【発明者】
【氏名】デビッド チュング ドォアン
(72)【発明者】
【氏名】小川 敬典
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和紀
(72)【発明者】
【氏名】小材 利之
(72)【発明者】
【氏名】松本 展明
(72)【発明者】
【氏名】北川 太一
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-324586(JP,A)
【文献】特開2014-175362(JP,A)
【文献】特開2012-069680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長基板に、
サラウンドメサ構造が形成されている側壁P-N接合を有する側
壁を備えるエピタキシャル構造を有する複数の発光ダイオード(LED)構造を形成することと、
前記エピタキシャル構造の前記側壁P-N接合上を含み前記発光ダイオード(LED)構造上に、前記エピタキシャル構造と前記成長基板との交差点に角部を含む分離層を形成することと、
前記分離層上に、前記発光ダイオード(LED)構造を覆うようにパターン化され、前記分離層の前記角部と整列した複数の開口部を有するパターニング保護層を形成することと、
前記側壁P-N接合を覆う分離層を残したまま、エッチングプロセスを用いて前記分離層の前記角部を除去し、そのうち、
前記サラウンドメサ構造上の前記分離層は、第一方向から第二方向へのエッチング方向の
変化を有することと、
を含
み、
エッチング液は前記パターニング保護層の前記開口部を通過し、前記エピタキシャル構造の前記サラウンドメサ構造は、前記サラウンドメサ構造上の前記分離層が異なる方向で異なるエッチング速度/レートを有するように構成されることを特徴とする、半導体発光装置(LEDs)の製造方法。
【請求項2】
前記エピタキシャル構造が、アンドープ層、n型層、活性層及びp型層を含み、前記分離層の前記角部を除去した後、前記分離層が前記p型層の側壁、前記活性層の側壁、及び前記n型層の側壁の一部を覆うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レーザリフトオフプロセスを用いて前記成長基板を前記発光ダイオード(LED)構造から分離することをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サラウンドメサ構造上の前記分離層の前記第一方向は垂直方向で、
前記サラウンドメサ構造上の前記分離層の前記第二方向は水平方向であ
ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成長基板が、前記発光ダイオード(LED)構造を分離する複数のストリートを含み、前記分離層を形成した後、前記分離層が前記ストリートを覆うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記成長基板が、前記発光ダイオード(LED)構造を分離する複数のストリートを含み、前記分離層を形成した後、前記分離層が前記ストリートを部分的にのみ覆うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記発光ダイオード(LED)構造が、デュアルパッド(LED)構造または垂直発光ダイオード(VLED)構造を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エッチングプロセスが、第1エッチングプロセス及び第2エッチングプロセスを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成長基板に、
サラウンドメサ構造が形成されている側壁P-N接合を有する側
壁を備えるエピタキシャル構造を含み、前記成長基板上のストリート領域によって分離された複数の発光ダイオード(LED)構造を形成することと、
前記エピタキシャル構造の前記側壁P-N接合上を含み前記発光ダイオード(LED)構造上に、前記ストリート領域を覆い、前記エピタキシャル構造と前記成長基板との交差点に角部を含む分離層を形成
することと、
前記分離層上に、
前記発光ダイオード(LED)構造を覆うようにパターン化され、前記分離層の前記角部及び前記成長基板の前記ストリート領域と整列した複数の開口部を有するパターニング保護層を形成することと、
第1エッチングプロセスを用いて前記ストリート領域内の分離層の一部を除去することと、
前記分離層が前記側壁P-N接合を覆うまま、第2エッチングプロセスを用いて前記分離層の前記角部を除去し、前記エピタキシャル構造の側壁上に前記分離層の側壁アンダーカット構造を形成することと、
を含
み、
前記サラウンドメサ構造上の前記分離層は、第一方向から第二方向へのエッチング方向の変化を有し、エッチング液は前記パターニング保護層の前記開口部を通過し、前記エピタキシャル構造の前記サラウンドメサ構造は、前記サラウンドメサ構造上の前記分離層が異なる方向で異なるエッチング速度/レートを有するように構成されることを特徴とする、半導体発光装置(LEDs)の製造方法。
【請求項10】
前記第1エッチングプロセスがドライエッチングプロセスを含み、前記第2エッチングプロセスがウェットエッチングプロセスを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記エピタキシャル構造がアンドープ層、n型層、活性層及びp型層を含み、前記分離層の前記角部を除去した後、前記分離層が前記p型層の側壁、前記活性層の側壁、及び前記n型層の側壁の一部を覆うことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
レーザリフトオフプロセスを用いて、前記成長基板を前記発光ダイオード(LED)構造から分離することをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記サラウンドメサ構造
上の前記分離層の前記第一方向は垂直方向で、前記サラウンドメサ構造上の前記分離層の前記第二方向は水平方向であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記発光ダイオード(LED)構造が、デュアルパッド(LED)構造または垂直発光ダイオード(VLED)構造を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
側壁を有し、アンドープ層、n型層、活性層、p型層及び側壁P-N接合を含むエピタキシャル構造を含む発光ダイオード(LED)構造と、
前記側壁P-N接合、前記p型層の側壁、前記活性層の側壁、及び前記n型層の側壁の一部を覆う分離層と、
分離層の一部を除去して、前記エピタキシャル構造の側壁上に形成された側壁アンダーカット構造とを含み
、
前記エピタキシャル構造は、前記側壁P-N接合
に位置するサラウンドメサ構造を含み、前記n型層の側壁は前記分離層内に位置
し、
前記サラウンドメサ構造上の前記分離層は、第一方向から第二方向への変化を有し、前記エピタキシャル構造の前記サラウンドメサ構造は、分離層の一部を除去する際に、前記サラウンドメサ構造上の前記分離層が異なる方向で異なるエッチング速度/レートを有するように構成されることを特徴とする、半導体発光装置(LED)。
【請求項16】
前記発光ダイオード(LED)構造が、デュアルパッド(LED)構造を含むことを特徴とする、請求項15に記載の半導体発光装置(LED)。
【請求項17】
前記発光ダイオード(LED)構造が、垂直発光ダイオード(VLED)構造を含むことを特徴とする、請求項15に記載の半導体発光装置(LED)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年3月31日に出願された米国特許仮出願第63/168,341号の優先権を主張するものであり、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、半導体発光装置(LEDs)の製造、特に成長基板上に角部分離層が形成・除去される半導体発光装置(LEDs)の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体発光装置(LEDs)の製造において、エピタキシャル構造は、サファイア基板で構成されるウェハなどの成長基板を使用して形成することができる。典型的な(LED)エピタキシャル構造は、ウェハ上に形成されたアンドープGaN層、n型GaN層、単一または複数の量子井戸層、及びp型GaN層を含むことができる。発光装置(LED)チップは、(LED)エピタキシャル構造の層を選択的に除去し、サファイア基板を露出させることにより、ウェハ上に形成することができる。例えば、サファイア基板は、各発光装置(LED)を分離するように、選択されたパターンでウェハのストリート領域内に露出することができる。多角形の輪郭を有する半導体発光装置(LED)チップの場合、各(LED)チップは、十字パターンを有するストリート領域によって隣接する(LED)チップから空間的に分離することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、分離層がエピタキシャル構造上に形成され、かつ成長基板に近接するエピタキシャル構造の角部で選択的に除去される、半導体発光装置(LEDs)の製造方法に関する。本開示はまた、本方法で製造された新規の半導体発光装置(LEDs)を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
成長基板上に複数の発光ダイオード(LED)構造を形成する工程を含む、半導体発光装置(LEDs)の製造方法である。前記発光ダイオード(LED)構造は、側壁P-N接合を有する側壁を備えるエピタキシャル構造を含む。例示的な実施形態では、発光ダイオード(LED)構造は、チップ形態のデュアルパッド発光ダイオード(LED)構造及び垂直発光ダイオード(VLED)構造を含む。さらに、エピタキシャル構造は、アンドープ層(例えば、u-GaN)、n型層(例えば、n-GaN)、活性層(例えば、SQWまたはMQW)、及びp型層(例えば、p-GaN)を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記エピタキシャル構造は、側壁P-N接合をはめ込むためのサラウンドメサ構造を含むことができる。
【0006】
本方法はまた、側壁P-N接合上を含み発光ダイオード(LED)構造上に分離層を形成する工程を含む。前記分離層は、エピタキシャル構造と成長基板との交差点に角部を含む。例示的な実施形態では、前記成長基板は、複数の発光ダイオード(LED)構造を含み、個々の発光ダイオード(LED)構造を分離するストリートを有するウェハを含む。前記分離層は、発光ダイオード(LED)構造上に、適合的な堆積プロセスを用いて均一な厚さに形成することができ、ストリートを覆うまたはストリートを露出させたままにすることができる。
【0007】
前記分離層の形成に続いて、前記分離層上にエッチング可能な被覆チャネル層を形成することができる。前記被覆チャネル層は、金属または酸化物などのエッチング可能な材料を含むことができる。
【0008】
前記被覆チャネル層の形成に続いて、前記被覆チャネル層上にパターニング保護層を形成することができる。前記パターニング保護層は、フォトレジストなどのパターニング可能な材料を含むことができ、前記分離層の角部と整列した開口部を有する。
【0009】
前記パターニング保護層の形成に続いて、エッチング液が前記パターニング保護層の開口部を通過して前記被覆チャネル層の一部をエッチング除去する第1エッチングプロセスを用いて、前記被覆チャネル層内にエッチングチャネルを形成することができる。前記エッチングチャネルは角部上に位置し、第2化学エッチング工程によって除去されるために、前記角部を取り囲むように成形及びサイズ決定されることができる。一例として、前記被覆チャネル層は金属を含むことができ、前記第1エッチングプロセスは湿式化学エッチングプロセスを含む。
【0010】
前記エッチングチャネルの形成に続いて、第2エッチングプロセスを用いて前記分離層をエッチングすることにより、前記分離層の角部を除去することができる。一例として、前記分離層は、酸化物(例えば、SiO2)を含むことができ、前記第2エッチングプロセスはBOEエッチングを含む。この工程では、角部での分離層のみが除去され、側壁P-N接合での分離層はそのまま残される。例示的な実施形態では、前記エッチングチャネルは、分離層がp型層の側壁、活性層の側壁、及びn型層の側壁の一部のみを分離するように形成される。
【0011】
前記分離層のエッチングに続いて、前記被覆チャネル層及び前記パターニング保護層を除去することができる。材料によって、これらの層は当技術分野で知られている技術で除去することができる。
【0012】
本方法はまた、前記成長基板を、その上に弾性高分子材料を有するキャリアに接合する工程を含むことができる。例示的な実施形態では、前記接合工程は、発光ダイオード(LED)構造をキャリアにフリップチップ接合することによって実行することができる。本方法はまた、レーザリフトオフ(LLO)プロセスを用いて前記成長基板を前記発光ダイオード(LED)構造から分離する、レーザリフトオフ(LLO)工程を含むことができる。
【0013】
本方法の代替実施形態では、前記分離層上に被覆チャネル層が形成されていない。それにかえて、前記分離層上にパターニング保護層が直接形成される。その後、第1エッチングプロセスで前記成長基板のストリートにおける分離層を除去し、第2エッチングプロセスで前記分離層の角部を除去し、前記エピタキシャル構造の側壁上に側壁アンダーカット構造を形成する。
【0014】
側壁P-N接合、p型層の側壁、活性層の側壁、及びn型層の側壁の一部を覆い、アンドープ層を露出させたままにする分離層を含む、本方法または代替実施形態の方法で製造された半導体発光装置(LED)である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本方法のレーザリフトオフ(LLO)工程の前に角部を有する分離層を形成した後のデュアルパッド付き半導体発光装置(LED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図2】成長基板上に分離層がそのストリート領域内に伸びていない複数のデュアルパッド付き半導体発光装置(LED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図2A】成長基板上に分離層がそのストリート領域内に伸びている複数のデュアルパッド付き半導体発光装置(LED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図3】本方法のレーザリフトオフ(LLO)工程の前に角部を有する分離層を形成した後の垂直発光ダイオード(VLED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図3A】本方法のレーザリフトオフ(LLO)工程の前に角部を有する分離層を形成した後のサラウンドメサ構造を有する垂直発光ダイオード(VLED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図4】成長基板上に分離層がそのストリート領域内に伸びていない複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造を示す拡大概略断面図である。
【
図5】本方法の成長基板上の複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造上に分離層を形成する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図5A】本方法の成長基板上のサラウンドメサ構造を有する複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造上に分離層を形成する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図6】本方法の分離層上に被覆チャネル層を形成する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図7】本方法の被覆チャネル層上にパターニング保護層を形成する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図8】本方法の第1化学エッチングプロセスを用いてエッチングチャネルを形成する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図9】本方法の第2化学エッチングプロセスを用いて分離層をエッチングする工程を示す拡大概略断面図である。
【
図10】本方法の被覆チャネル層及びパターニング保護層を除去する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図11】本方法の成長基板をその上に弾性高分子材料を有するキャリアに接合する工程を示す拡大概略断面図である。
【
図12】本方法の成長基板をデュアルパッド付き半導体発光装置(LED)構造から分離するレーザリフトオフ(LLO)工程を示す拡大概略断面図である。
【
図13】本方法で製造された半導体発光装置(LED)を示す拡大概略断面図である。
【
図14】パターニング保護層を分離層上に直接堆積することができ、第1エッチングプロセスを用いて分離層をエッチングすることによりストリート領域内の材料を除去し、第2エッチングプロセスを用いて側壁アンダーカット構造を形成することができる、代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法を示す拡大概略断面図である。
【
図15】パターニング保護層を分離層上に直接堆積することができ、第1エッチングプロセスを用いて分離層をエッチングすることによりストリート領域内の材料を除去し、第2エッチングプロセスを用いて側壁アンダーカット構造を形成することができる、代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法を示す拡大概略断面図である。
【
図16】パターニング保護層を分離層上に直接堆積することができ、第1エッチングプロセスを用いて分離層をエッチングすることによりストリート領域内の材料を除去し、第2エッチングプロセスを用いて側壁アンダーカット構造を形成することができる、代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法を示す拡大概略断面図である。
【
図17】パターニング保護層を分離層上に直接堆積することができ、第1エッチングプロセスを用いて分離層をエッチングすることによりストリート領域内の材料を除去し、第2エッチングプロセスを用いて側壁アンダーカット構造を形成することができる、代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法を示す拡大概略断面図である。
【
図18】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図19】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図20】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図21】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図22】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図23】半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図24】代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図25】代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図26】代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図27】代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法の工程を示す拡大概略断面図である。
【
図28】本方法または代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法のレーザリフトオフ(LLO)工程を示す拡大概略断面図である。
【
図29】本方法または代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法のレーザリフトオフ(LLO)工程を示す拡大概略断面図である。
【
図30】本方法または代替実施形態の半導体発光装置(LEDs)の製造方法のレーザリフトオフ(LLO)工程を示す拡大概略断面図である。
【
図31】その上に本方法または代替実施形態の方法で製造された複数の半導体発光装置(LED)構造を有するキャリアの平面図である。
【
図31A】
図31の断面線31A-31Aに沿って取られた、単一の半導体発光装置(LED)構造を示す断面図である。
【
図32】先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスの態様を示す拡大概略断面図である。
【
図33】先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスの態様を示す拡大概略断面図である。
【
図34】先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスの態様を示す拡大概略断面図である。
【
図35】先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスの態様を示す拡大概略断面図である。
【
図36】その上に先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスを用いて製造された複数の半導体発光装置(LED)構造を有するキャリアの平面図である。
【
図36A】
図36の断面線36A-36Aに沿って取られた、キャリア上の単一の半導体発光装置(LED)構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ある要素が他の要素上にあると表現される場合、他の要素上に直接存在するか、または介在要素も存在することができることを理解されたい。ただし、「直接」という用語とは、介在要素がないことを意味する。さらに、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、様々な要素を説明するために使用されるが、これらの要素は用語によって限定されるべきではない。また、特に定義がない限り、すべての用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することを意図している。
【0017】
図1を参照し、半導体発光装置(LEDs)の製造方法の初期工程が示される。本方法は、成長基板102上に複数の発光ダイオード(LED)構造100を形成する工程と、前記発光ダイオード(LED)構造100上に成長基板102に近接する角部111を有する分離層101を形成する工程とを含む。角部111は直角であることが理想的であるが、堆積プロセスによって、角部111の角度は90度超えてもよく、90度未満であってもよい。
【0018】
例示的な実施形態では、前記成長基板102はサファイアを含むことができ、前記発光ダイオード(LED)構造100は、デュアルパッド付き(LED)チップを含むことができる。各発光ダイオード(LED)構造100は、u-GaNなどのアンドープ層120、n-GaNなどのn型層122、SQWまたはMQWなどの活性層124、p-GaNなどのp型層126、金属などのn型導電層128、金属などのp型導電層130、金属などのpパッド132、及び金属などのnパッド134を含む。
【0019】
各発光ダイオード(LED)構造100は、半導体製造プロセスを用いて形成された直接バンドギャップ化合物半導体発光ダイオード(LED)構造として構成されることができる。例えば、エピタキシャル構造112は、アンドープ層120(例えば、u-GaN層)、n型層122(例えば、SiドープGaN層)、活性層124(例えば、複数の量子井戸)、及びp型層126(例えば、MgドープGaN層)の成長を含む半導体プロセスを用いて、成長基板102上に成長させることができる。ただし、これらの材料は単なる例示であり、エピタキシャル構造112は、成長基板102に成長した他の直接バンドギャップ化合物半導体発光ダイオード材料で形成することができる。例えば、半導体光の発光波長は、直接バンドギャップ半導体化合物のエネルギーバンドギャップによって決定されることができる。半導体発光材料の様々な直接エネルギーバンドギャップは、InxGa1-xN、GaN、AlxGa1-xN、InxGa1-xAs、InGaP、GaAs、GaAsP、InP、(AlxGa1-x)yIn1-yP、GaPなどのIII-V化合物半導体から選択することができる。
【0020】
分離層101は、SiO
2、Si
3N
4、Al
2O
3またはTiO
2などの誘電体材料で形成され、CVD、PECVD、スピンオンまたはノズルによる堆積などの適切な堆積プロセスを用いて均一な厚さに形成された連続層を含むことができる。分離層101の代表的な厚さは2000Å~500μmであり得る。
図1に示すように、分離層101は、p型層126の上部、及びp型層126の側壁に堆積されることができる。さらに、分離層101は、活性層124の側壁、n型層122の側壁、アンドープ層120の側壁、及びストリート領域136における露出した成長基板102の一部に堆積されることができる。また、分離層101の角部111は、発光ダイオード(LED)構造100の側壁140のアンドープ層120と成長基板102の表面との間に位置することに留意されたい。さらに、分離層101は、角部111に直角にかつコンフォーマルに堆積され、ストリート領域136の一部またはストリート領域136全体に堆積されることができる。
【0021】
図1にも示すように、側壁P-N接合138が発光ダイオード(LED)構造100の側壁140から離れる間隔を提供するように、サラウンドメサ構造201を形成することができる。この間隔は分離層101の長さを延長するように機能する。サラウンドメサ構造201によって、分離層101は、発光ダイオード(LED)構造100の側壁140での垂直接続部から、サラウンドメサ構造201での水平接続部まで延び、次に、側壁P-N接合138での垂直接続部に曲がる。分離層101の異なる方向は、異なる速度/レートの化学エッチングによって提供することができる。
【0022】
図2に示すように、成長基板102は、ストリート領域136によって分離された複数の発光ダイオード(LED)構造100を含むことができる。
図2及び2Aに、成長基板102上の分離層101の二つの異なる構成が示される。
図2において、分離層101は、ストリート領域136内に続いていない。
図2Aにおいて、分離層101は、ストリート領域136内に続いている。
【0023】
図1、
図2及び
図2Aに示される発光ダイオード(LED)構造100は、従来のフリップチップ発光ダイオード(FCLEDs)の構成を有する。各発光ダイオード(LED)構造100において、p型導電層130は、p型オーミック接触層などの複数の導電層でp型層126に結合することができ、その後、必要に応じてp-金属層を追加する。例えば、p型オーミック接触層は、ITO、Ni、Ag、Au、Pt、Pdまたはこれらの金属の合金を含むことができる。p型導電層130は、Cr、Ni、A1、Au、Cu、Ti、W、TiNまたはこれらの金属の合金を含むことができる。n型導電層128は、Cr、Al、Ti、Ni、Auまたはこれらの金属の合金を含むことができる。pパッド132は、p型層126に電気的に伝導することができ、nパッド134は、n型層122に電気的に伝導することができる。
【0024】
図3を参照し、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Aは、垂直発光ダイオード(VLED)チップの構成を有する。垂直発光ダイオード(VLED)構造100Aは、実質的に示されるように配置されたアンドープ層120A、n型層122A、活性層124A、及びp型層126Aを含む。従来と同様に、本発明の方法によれば、角部111Aを有する分離層101Aは、実質的に上記に説明したように、p型層126A及び成長基板102Aの一部上に形成される。
図3の垂直発光ダイオード(VLED)構造100Aにおいて、分離層101は、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Aの側壁140A及びP-N接合138Aの側壁にも形成することができる。
【0025】
図3Aを参照し、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Bは、実質的に垂直発光ダイオード(VLED)構造100A(
図3)について上記に説明したように構築された、成長基板102B上の垂直発光ダイオード(VLED)チップの構成を有する。しかし、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Bは、実質的にサラウンドメサ構造201(
図1)について上記に説明したように構築されたサラウンドメサ構造201Bも含む。サラウンドメサ構造201(
図1)及び201B(
図3A)により、側壁P-N接合138Bは、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Bの側壁140Bから離間される。前記と同様に、角部111Bを有する分離層101Bは、VLEDチップの側壁140B、サラウンドメサ構造201B及び側壁P-N接合138B上に形成されている。
図3及び
図3Aにおいて、p型導電層130A(
図3)、130B(
図3A)は、ITO、Ni、Ag、Au、Pt、Pdまたはこれらの金属の合金を含むことができる。
図4において、成長基板102A上に複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造100Aが形成されており、分離層101Aはストリート領域136A内に続いていない。
【0026】
図5-10を参照し、半導体発光装置(LEDs)の製造方法のさらなる工程が示される。
図5において、分離層101Cは、実質的に上記に説明したように、成長基板102C上の複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造100Cに形成されており、垂直発光ダイオード(VLED)構造100Cと成長基板102Cとの交差点に角部111Cを含む。
図5Aは、分離層101Dが、成長基板102D上のサラウンドメサ構造201Dを有する複数の垂直発光ダイオード(VLED)構造100上に形成されている別の実施形態である。分離層101C(
図5)または分離層101D(
図5A)は、CVD、PECVD、スピンオンまたはノズルによる堆積などの適切な堆積プロセスを用いて均一な厚さに垂直発光ダイオード(VLED)構造100C上に整合的に形成することができる。
図5に示すように、分離層101Cは、P-N側壁接合138Cを含む側壁140Cを覆い、成長基板102C上で垂直発光ダイオード(VLED)構造100D同士の分離を維持する。
【0027】
図6を参照し、分離層101Cの形成に続いて、分離層101C上にエッチング可能な被覆チャネル層142Cを形成することができる。被覆チャネル層142Cは、Tiなどの金属、またはSiO
2などの酸化物を含むエッチング可能な材料を含むことができる。
【0028】
図7を参照し、被覆チャネル層142Cの形成に続いて、被覆チャネル層142C上にパターニング保護層144Cを形成することができる。パターニング保護層144Cは、フォトレジストなどのパターニング可能な材料を含むことができる。
【0029】
図8を参照し、パターニング保護層144Cの形成に続いて、第1化学エッチングプロセスを用いて、被覆チャネル層142C内にエッチングチャネル146Cを形成することができる。エッチングチャネル146Cは角部111Cに位置し、第2化学エッチング工程によって除去されるために、角部111Cを取り囲むように成長基板102C上に高さzなどの寸法で成形及びサイズ決定されることができる。パターニング保護層144Cは、エッチングチャネル146Cの位置、形状及びサイズを決定する、フォトリソグラフィーで形成された開口部を含む。例示的な実施形態では、第1化学エッチングプロセスは、金属(例えば、Ti)からなる被覆チャネル層142Cの一部を除去するための選択的ウェットエッチングを提供するように、金属用のエッチャー化学溶液を使用して実行することができる。
【0030】
図9を参照し、エッチングチャネル146Cの形成に続いて、第2化学エッチングプロセスを用いて分離層101Cをエッチングすることにより、分離層101Cの角部111Cを除去することができる。例示的な実施形態では、分離層101CはSiO
2を含むことができ、第2化学エッチングプロセスはBOEエッチングで実行することができる。この工程では、角部111Cでの分離層101Cのみが除去され、側壁P-N接合138Cを覆う分離層101Cが残されることに留意されたい。
【0031】
別の実施形態では、分離層101CはSi3N4を含むことができ、被覆チャネル層142CはSiO2を含むことができる。BOE化学エッチングの場合、Si3N4のエッチング速度はSiO2のエッチング速度よりも遅い(例えば、BOEでSiO2500nmをエッチングするのに数秒しかかからないが、BOEでSi3N4500nmをエッチングするには数分かかる)。したがって、初回のエッチングプロセスの場合、SiO2被覆チャネル層142Cは、Si3N4分離層101Cよりも速く除去することができるため、エッチングチャネル146Cを形成する。同じBOE溶液でより長時間エッチングすることにより、角部111CでのSi3N4分離層101Cを除去することができる。本方法では、角部111Cでの分離層101Cのみを除去し、側壁P-N接合138Cでの分離層101Cが保護されてエッチングされないままにするように機能することに留意されたい。
【0032】
実施形態では、例えば、サラウンドメサ構造201B(
図3A)を有する垂直発光ダイオード(VLED)構造100B(
図3A)、及びサラウンドメサ構造201D(
図5A)を有する垂直発光ダイオード(VLED)構造100D(
図5A)では、サラウンドメサ構造201B(
図3A)または201D(
図5A)は、エッチング速度/レートを遅くする構造として機能する。これらの実施形態では、被覆チャネル層142C(
図7)及び分離層101B(
図3A)または101D(
図5A)は、垂直方向から水平方向へのエッチング方向のターンを有する。サラウンドメサ構造201B(
図3A)または201D(
図5A)は、エッチング対象層のエッチング速度が、異なる方向で異なるエッチング速度/レートを有する概念を利用するものである。いくつかの用途において、サラウンドメサ構造201B(
図3A)または201D(
図5A)は、エッチング条件の幾何学的制御として、必要に応じて複数のメサ構造(階段に類似する)として製造することができる。
【0033】
図10を参照し、分離層101Cのエッチングに続いて、被覆チャネル層142C及びパターニング保護層144Cを除去することができる。材料によって、これらの層は当技術分野で知られている技術で除去することができる。
【0034】
図11を参照し、本方法はまた、成長基板102を、その上に弾性高分子材料150を有するキャリア148に接合する工程を含むことができる。接合工程は、さらに説明するレーザリフトオフ(LLO)プロセスの一部である。接合工程は、発光ダイオード(LED)構造100をキャリア148にフリップチップ接合することによって実行することができる。
【0035】
図12を参照し、本方法はまた、レーザリフトオフプロセスを用いて成長基板102を発光ダイオード(LED)構造100から分離するレーザリフトオフ(LLO)工程を含むことができる。Chuらの米国公開番号US2021/0066541は、レーザリフトオフプロセス(LLO)、及び上記の接合工程を開示し、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、分離層101の角部111はすでに除去されている。角部領域152上の元の分離層101を損傷して、成長基板102上に部分的な分離層のピール(図示せず)を残すことにはなれない。さらに、本発明の(LLO)工程では、側壁P-N接合138上の分離層101を損傷することなく、発光ダイオード(LED)構造100をキャリア148に伝送する(
図1)。これにより、さまざまな用途向けの堅牢な発光ダイオード(LED)構造100が形成される。さらに、キャリア148のストリート領域136はきれいに維持する(分離残留物がない)。
【0036】
図13を参照し、本方法で製造された半導体発光装置(LED)154が示される。半導体発光装置(LED)154は、側壁P-N接合138を覆う分離層101を含む。さらに、分離層101は、p型層126の側壁(
図1)、活性層124の側壁(
図1)、及びn型層122の側壁の一部(
図1)を覆い、アンドープ層120(
図1)を露出させたままにする。場合によって、分離層101は、p型層126の側壁、活性層124の側壁、n型層122の側壁及びアンドープ層120の一部を覆い、アンドープ層120の他の部分を露出させたままにする。
【0037】
図14-17を参照し、成長基板102Eのストリート領域内の分離層101Eを除去し、側壁アンダーカット構造311Eを形成するための代替実施形態の方法が示される。
図14において、パターニング保護層156Eは、発光ダイオード(LED)構造100E及び成長基板102Eのストリート領域136E上の分離層101Eの一部を覆うように、堆積・パターン化されている。
図15に、ストリート領域136E上の分離層101Eの一部がすでに、ドライエッチングプロセスまたは化学エッチングプロセスによって除去されていることが示される。異方性構造を必要とする用途の場合、ドライエッチングプロセスを用いてストリート領域136E上の分離層101Eを除去することができる。
図16及び17には、ストリート領域136E上の分離層101Eの一部を除去するように、ウェットエッチングによって形成された側壁アンダーカット構造311Eが示される。BOEなどの湿式化学溶液を適用して、発光ダイオード(LED)構造100Eの露出した側壁上の分離層101Eの一部にウェットエッチングを開始することができる。エッチング時間を制御し、分離層101Eの活性層124(
図1)へのオーバーエッチングを防止することにより、側壁アンダーカット構造311を形成することができる。
図16には、側壁アンダーカット構造311が示される。さらに、角部111Eでの分離層101Eがエッチングされるが、分離層101Eは依然として、n型層122Eの一部、活性層124E及びp型層126Eを覆っている。この特徴により、信頼性を高め、発光ダイオード(LED)構造100Eにおける電流漏れを防ぐ。
図17において、パターニング保護層156Eはすでに除去されている。
【実施例】
【0038】
実施例(本方法)
図18-23を参照し、本方法のさらなる態様が一例に示される。
図18において、被覆チャネル層142はすでに、発光ダイオード(LED)構造100(
図1)上にコンフォーマルに堆積されている。分離層101はSiO
2(5000Å)を含み、被覆チャネル層142はTi(2000Å)を含む。
図19に、発光ダイオード(LED)構造100を覆うようにパターン化されたフォトレジストで形成されたパターニング保護層144が示される。
図20に、被覆チャネル層142の一部を除去し、エッチングチャネル146を形成するための第1エッチングプロセス(例えば、希釈BOE)が示される。角部111でのSiO
2分離層101は、初回のエッチング(例えば、希釈BOE)によって部分的に除去されることに留意されたい。
図21に、同じ希釈BOE溶液における第2エッチングプロセスが示され、Ti被覆チャネル層142はさらにエッチングされ、角部111での分離層101はすでに除去されている。
図22に、パターニング保護層144がすでに除去されていることが示される。
図23に、Ti被覆チャネル層142がすでに、Tiエッチャーで除去/エッチングされている(すなわち、SiO
2がエッチングされない)ことが示される。発光ダイオード(LED)構造の角部111には、分離層101がないことに留意されたい。
【0039】
実施例(代替実施形態の方法)
図24-27を参照し、代替実施形態の方法のさらなる態様が一例に示される。
図24において、パターニング保護層144は、発光ダイオード(LED)構造100及び成長基板102のストリート領域136上の分離層101の一部を覆う。分離層101は、露出したストリート領域136EXで露出している。
図25において、露出したストリート領域136EXでの露出した分離層101を、ドライエッチングプロセスによってエッチングすることができる。
図26に、BOEなどの湿式化学溶液を適用して、露出した側壁分離層101aからウェットエッチングを開始することができることが示される。湿式化学溶液は、パターニング保護層144の下の分離層101をエッチングするように構成される。分離層101の活性層124へのオーバーエッチングを防ぐように、エッチング時間を制御する。
図26にはまた、角部111での分離層101が除去された、アンダーカット側壁エッチング構造311が示される。しかし、分離層101は依然として、n型層122の一部、活性層124、及びp型層126を覆っている。
図27において、パターニング保護層144はすでに除去されている。
【0040】
実施例(レーザリフトオフ(LLO)プロセスの一実施形態)
図28-30を参照し、レーザリフトオフ(LLO)プロセスのさらなる態様が示される。
図28に示すように、分離層101の角部111はすでに、本方法または代替実施形態の方法で発光ダイオード(LED)構造100から除去されている。
図29に、LLOプロセスを実行するために使用されるレーザビーム158が示される。
図30に、分離残留物がない(すなわち、ストリート領域136内の成長基板102上にSiO
2残留物がなく、ストリート領域136内の弾性高分子材料150上にSiO
2剥離残留物がない)ことが示される。
図31及び
図31Aにはまた、キャリア148にSiO
2残留物がないことが示される。
【0041】
実施例(先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセス)
図32-36を参照し、先行技術の発光ダイオード(LED)構造100PAを製造するための先行技術のレーザリフトオフ(LLO)プロセスの態様が示される。
図32に、サファイア成長基板102PA上の従来のフリップチップ発光ダイオード(LED)構造100PAが示される。従来のチップ製造プロセスの後、分離層101PAの一部は、ストリート領域136PA及び角部111PA上に残る。
図33に、弾性高分子材料150を有するキャリア148にフリップ・接合された成長基板102PA上の従来のフリップチップ発光ダイオード(LED)構造100PAのウェハ形態が示される。分離層101PAの角部111PAは、成長基板102PAのストリート領域136PA上に残る。
図34に、上記に説明したように、(LLO)プロセスを実行するために使用されるレーザビーム158、キャリア148及び弾性高分子材料150が示される。
図35に、ストリート領域136PA内の成長基板102PA上に分離残留物101PA(例えば、SiO
2残留物)が存在し、ストリート領域136PA内の弾性高分子材料150上に剥離された分離残留物101PA(例えば、SiO
2残留物)が存在しうることが示される。
図36及び
図36Aにはまた、キャリア148の弾性高分子材料150上の分離残留物101PA(例えば、SiO
2残留物)が示される。本発明の方法は、分離残留物101PAを排除して、より信頼性が高く堅牢な発光ダイオード(LED)構造100(
図2)を提供する。
【0042】
上記でいくつかの例示的な態様及び実施形態について説明されたが、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、及びサブコンビネーションを認識すべきである。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下に導入される請求項は、それらの真の精神及び範囲内にあるようなすべての修正、置換、追加及びサブコンビネーションを含むと解釈されることが意図される。