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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】イメージセンサ構造およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20241113BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L31/10 A
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023020399
(22)【出願日】2023-02-14
(65)【公開番号】P2023160728
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】63/333,440
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/835,049
(32)【優先日】2022-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】陳 祥麟
(72)【発明者】
【氏名】江 欣益
(72)【発明者】
【氏名】黄陳 嵩文
(72)【発明者】
【氏名】廖 英凱
(72)【発明者】
【氏名】林 榮義
(72)【発明者】
【氏名】朱 怡欣
(72)【発明者】
【氏名】黄 冠傑
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0375959(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0139833(US,A1)
【文献】実開平03-050350(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2021/0391370(US,A1)
【文献】特開2021-077805(JP,A)
【文献】特開2021-036568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0057462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
前記シリコン基板内に配置されたゲルマニウム光感知領域であって、前記ゲルマニウム光感知領域がゲルマニウム層を備える、前記ゲルマニウム光感知領域と、
前記ゲルマニウム光感知領域に配置された半導体キャップ層と、
前記シリコン基板と前記ゲルマニウム光感知領域の間に配置されたドープ半導体隔離層と、
前記ゲルマニウム光感知領域に配置された高濃度pドープ領域であって、前記高濃度pドープ領域が前記半導体キャップ層を貫通し、前記ゲルマニウム層内で終了する、前記高濃度pドープ領域と、
前記シリコン基板に配置された高濃度nドープ領域と、
前記ゲルマニウム光感知領域の小さな中心領域の下方にのみ直接配置された第1n型ウェルと、
前記ゲルマニウム光感知領域内に配置され、前記第1n型ウェルに接触する、n型拡散領域と、
前記高濃度nドープ領域の下方に直接配置された第2n型ウェルと、
前記第1n型ウェルおよび前記第2n型ウェルの下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルと、
を含み、
前記ゲルマニウムは、実質的にドーパントがない、イメージセンサ。
【請求項2】
前記ドープ半導体隔離層が、シリコンおよびp型ドーパントを含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記ゲルマニウム光感知領域が、
前記第1n型ウェルに配置された第1p型ウェルと、
前記第1p型ウェルを取り囲む第2p型ウェルと、
を含み、
前記第1p型ウェルおよび前記第2p型ウェルは、p型ドーパントを含み、
前記第1p型ウェルにおける前記p型ドーパントの濃度は、前記第2p型ウェルにおける前記p型ドーパントの濃度よりも低い、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
シリコン基板と、
前記シリコン基板内に配置されたゲルマニウム光感知領域であって、前記ゲルマニウム光感知領域がゲルマニウム層を備える、前記ゲルマニウム光感知領域と、
前記ゲルマニウム光感知領域に配置された半導体キャップ層と、
前記ゲルマニウム光感知領域に配置された高濃度pドープ領域であって、前記高濃度pドープ領域が前記半導体キャップ層を貫通し、前記ゲルマニウム層内で終了する、前記高濃度pドープ領域と、
前記ゲルマニウム光感知領域の小さな中心領域の下方にのみ直接配置されたn型ウェルと、
前記ゲルマニウム光感知領域内に配置され、前記n型ウェルに接触する、n型拡散領域と、
前記シリコン基板に延伸する金属コンタクト特徴と、
前記n型ウェルおよび前記金属コンタクト特徴の両方の下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルと、
を含み、
前記ゲルマニウムは、実質的にドーパントがない、イメージセンサ構造。
【請求項5】
前記シリコン基板と前記ゲルマニウム光感知領域の間に配置されたドープ半導体隔離層をさらに含む請求項に記載のイメージセンサ構造。
【請求項6】
前記ディープn型ウェルの下方に配置された底部隔離p型ウェルをさらに含む請求項に記載のイメージセンサ構造。
【請求項7】
シリコン基板内にディープn型ウェルを形成することと、
前記シリコン基板を通って前記ディープn型ウェルに到達する第1n型ウェルを形成することと、
前記第1n型ウェルに高濃度nドープ領域を形成することと、
キャビティの少なくとも一部が前記ディープn型ウェルの上に直接配置され、且つ前記キャビティが前記第1n型ウェルから間隔を空けるように、前記シリコン基板内に前記キャビティを形成することと、
前記キャビティの小さな中心領域の下方にのみ直接、且つ、前記キャビティの下表面と前記ディープn型ウェルの間に、第2n型ウェルを形成することと、
前記キャビティの表面にp型隔離層を形成することと、
前記p型隔離層を形成した後に、前記キャビティ内にゲルマニウム層を堆積させて、ゲルマニウム光感知領域を形成することと、
前記第2n型ウェル内のn型ドーパントを前記ゲルマニウム層内に拡散させることによって、前記ゲルマニウム層内にn型拡散領域を形成することと、
前記ゲルマニウム層の上表面の上にシリコンキャップを形成することと、
前記シリコンキャップを通って前記ゲルマニウム層内で終了する高濃度pドープ領域を形成することと、
を含み、
前記ゲルマニウム層は、実質的にドーパントがない、
方法。
【請求項8】
前記高濃度pドープ領域および前記高濃度nドープ領域の上に誘電体層を堆積させることと、
前記誘電体層を通って前記高濃度pドープ領域および前記高濃度nドープ領域にそれぞれ接触する第1コンタクト特徴および第2コンタクト特徴を形成することと、
をさらに含む請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
エレクトロニクス産業は、複雑で高度な多くの機能を同時にサポートすることのできる電子機器の小型化・高速化への絶え間ない要求を経験している。そのため、半導体産業には、低コスト、高性能、および低電力の集積回路(integrated circuit, IC)を製造するための継続的な流れが存在する。これまでのところ、これらの目標は、主に、半導体IC寸法(例えば、最小形状)をスケーリングすることによって達成され、それにより、生産効率が向上し、関連コストが削減される。しかしながら、このようなスケーリングによって、半導体製造プロセスに対する複雑性も増大するため、ICにおける継続的な進歩を実現することにより、半導体製造プロセスおよび技術においても同様の進歩を求めることができる。
【0002】
1つの例として、半導体センサは、物理的、化学的、生物学的、および/または環境的パラメータを測定するための様々な応用に幅広く使用される。いくつかの特殊な半導体センサは、ガスセンサ、圧力センサ、温度センサ、およびイメージセンサ等を含む。イメージセンサについては、暗電流が、性能と信頼性に対する重大な問題となっている。暗電流は、光がない時に流れる電流であり、より一般的には、イメージセンサに存在する漏れ電流と言われる。低バンドギャップ半導体材料を使用する少なくともある場合において、低バンドギャップ半導体材料またはその基板との界面は、顕著な暗電流をもたらす可能性がある。現存の光学イメージセンサおよびその製造方法は、通常、それらが意図した目的にとっては十分であるが、あらゆる点において申し分がないと言えるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかのイメージセンサまたは感光デバイスは、第1半導体材料とは異なる第2半導体材料の半導体基板内に配置された第1半導体材料の半導体構造を含む。ほとんどの場合、第1半導体材料は、第2半導体材料よりも小さいバンドギャップを有し、または第2半導体材料よりも入射光に対する感度が高い。その感光性および半導体基板との接合点によって、暗電流レベルがより高くなり、信号雑音比(signal-to-noise ratio, SNR)を減らすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、電場を生成して光子電子を動かす金属接続が異なる半導体領域に配置されたイメージセンサ構造を提供する。1つの構造例において、ゲルマニウム(Ge)光感知領域は、シリコン(Si)基板内に配置される。ディープウェル(deep well)は、シリコン基板内に配置され、ゲルマニウム光感知領域の下方に少なくとも部分的に延伸する。第1金属接続は、ゲルマニウム光感知領域に対して作られるが、第2金属接続は、シリコン基板を通ってディープウェルに対して直接作られる。つまり、第1金属接続と第2金属接続の全てが直接ゲルマニウム光感知領域に対して作られるという訳ではない。2つの金属接続は、異なる半導体領域に対して作られるため、電子伝達経路がゲルマニウム光感知領域からさらに遠くに離れ、暗電流を大幅に減らすことができる。
【0005】
1つの態様において、イメージセンサを提供する。イメージセンサは、シリコン基板、シリコン基板内に配置されたゲルマニウム領域、シリコン基板とゲルマニウム領域の間に配置されたドープ半導体隔離層、ゲルマニウム領域に配置された高濃度pドープ領域、シリコン基板に配置された高濃度nドープ領域、ゲルマニウム領域の下方に直接配置された第1n型ウェル、高濃度nドープ領域の下方に直接配置された第2n型ウェル、および第1n型ウェルおよび第2n型ウェルの下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、ドープ半導体隔離層は、シリコンおよびp型ドーパントを含む。いくつかの実施形態において、イメージセンサは、さらに、ゲルマニウム領域に配置された半導体キャップ層を含む。いくつかの例において、半導体キャップ層とシリコン基板の上表面は、同一平面上にある。いくつかの実施形態において、高濃度pドープ領域は、半導体キャップ層を通って延伸する。いくつかの実装において、ゲルマニウム領域は、第1n型ウェルに配置された第1p型ウェル、および第1p型ウェルを取り囲む第2p型ウェルを含む。いくつかの例において、第1p型ウェルおよび第2p型ウェルは、p型ドーパントを含み、第1p型ウェルにおけるp型ドーパントの濃度は、第2p型ウェルにおけるp型ドーパントの濃度よりも低い。いくつかの実施形態において、高濃度nドープ領域は、シリコン基板の一部によってゲルマニウム領域から間隔を空ける。
【0007】
別の態様において、イメージセンサ構造を提供する。イメージセンサ構造は、シリコン基板、シリコン基板内に配置されたゲルマニウム領域、ゲルマニウム領域に配置された高濃度pドープ領域、ゲルマニウム領域の下方に直接配置されたn型ウェル、シリコン基板に延伸する金属コンタクト特徴、およびn型ウェルおよび金属コンタクト特徴の両方の下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、シリコン基板とゲルマニウム領域の間に配置されたドープ半導体隔離層を含む。いくつかの実装において、ドープ半導体隔離層は、ボロンドープシリコン(boron-doped silicon, Si:B)を含む。いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、ゲルマニウム領域に配置された半導体キャップ層を含む。いくつかの例において、半導体キャップ層は、シリコンを主成分とする。いくつかの実施形態において、高濃度pドープ領域は、半導体キャップ層を通って延伸し、且つゲルマニウム領域の中に部分的に延伸する。いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、ディープn型ウェルの下方に配置された底部隔離p型ウェルを含む。
【0009】
さらに別の態様において、方法を提供する。方法は、シリコン基板内にディープn型ウェルを形成することと、シリコン基板を通ってディープn型ウェルに到達する第1n型ウェルを形成することと、第1n型ウェルに高濃度nドープ領域を形成することと、キャビティの少なくとも一部がディープn型ウェルの上に直接配置され、且つキャビティが第1n型ウェルから間隔を空けるように、シリコン基板内にキャビティを形成することと、キャビティの下表面とディープn型ウェルの間に第2n型ウェルを形成することと、キャビティの表面にp型隔離層を形成することと、p型隔離層を形成した後に、キャビティ内にゲルマニウム層を堆積させることと、ゲルマニウム層の上表面の上にシリコンキャップを形成することと、シリコンキャップを通ってゲルマニウム層内で終了する高濃度pドープ領域を形成することと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、高濃度pドープ領域および高濃度nドープ領域の上に誘電体層を堆積させることと、誘電体層を通って高濃度pドープ領域および高濃度nドープ領域にそれぞれ接触する第1コンタクト特徴および第2コンタクト特徴を形成することと、を含む。いくつかの実装において、第2n型ウェルを形成することは、第1パターン化フォトレジスト層を形成して、キャビティの下表面の第1部分を覆い、キャビティの下表面の第2部分を露出することと、第1パターン化フォトレジスト層をインプランテーションマスク(implantation mask)として使用して、第2部分にn型ドーパントを注入することと、を含む。いくつかの例において、p型隔離層を形成することは、第1パターン化フォトレジスト層を除去することと、第2パターン化フォトレジスト層を形成して、キャビティの下表面の第2部分を覆い、キャビティの下表面の第1部分を露出することと、第2パターン化フォトレジスト層をインプランテーションマスクとして使用して、第1部分にp型ドーパントを注入することと、を含む。いくつかの実施形態において、ディープn型ウェルは、引き伸ばされ、第1末端部分、第2末端部分、および第1末端部分と第2末端部分の間に挟まれた中間部分を含む。ゲルマニウム層は、中間部分の上に直接配置されるが、第1末端部分および第2末端部分を覆わない。
【発明の効果】
【0011】
本発明のイメージセンサ構造は、電子伝達経路がゲルマニウム光感知領域からさらに遠くに離れ、暗電流を大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0013】
図1図1は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスを製造するための方法100のフローチャートである。
図2図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図3図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図4図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図5図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図6図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図7図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図8図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図9図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図10図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図11図2図11は、本発明の様々な態様に基づく図1の方法100の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図12図12図14は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図13図12図14は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図14図12図14は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図15図15図17は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図16図15図17は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図17図15図17は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図18図18は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスを製造するための方法300のフローチャートである。
図19図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図20図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図21図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図22図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図23図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図24図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図25図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図26図19図26は、本発明の様々な態様に基づく図17の方法300の様々な製造段階におけるワークピースの断片的な断面図である。
図27図27図29は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図28図27図29は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図29図27図29は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な断面図である。
図30図30図32は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図31図30図32は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図32図30図32は、本発明の様々な態様に基づく感光デバイスの様々な例の断片的な概略的平面図である。
図33図33および図34は、本発明の様々な態様に基づく感光画素設計の断片的な概略的平面図である。
図34図33および図34は、本発明の様々な態様に基づく感光画素設計の断片的な概略的平面図である。
図35図35は、本発明の様々な態様に基づくイメージセンサを含む積み重ねられたイメージセンサの例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本開示を単純化するために、構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらはもちろん単なる例であり、限定することを意図しない。例えば、以下の説明における第1の特徴の上または第2の特徴の上への形成は、第1および第2の特徴が直接接触するように形成される実施形態を含み、また、第1と第2の特徴は直接接触せずに、追加の特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成されるような実施形態も含み得る。さらに、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純さと明瞭さの目的のためであって、それ自体は、議論された様々な実施形態間および/または構成間の関係を指示するものではない。
【0015】
さらに、「下に」、「下方に」、「下位に」、「上方に」、「上位に」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を記載するために、説明を容易にするためにここでは使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図している。装置は他の方向を向いていてもよく(90度または他の方向に回転される)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて同様に解釈され得る。
【0016】
さらに、数値または数値の範囲を「約(about)」、「およそ(approximate)」で記載した時、当業者であれば理解できるように、この用語は、製造中に本質的に起こる変化を考慮した合理的な範囲内の数値を含むことを意図する。例えば、数値または数値の範囲は、数値に関連する特性を有する特徴の製造に関連する周知の製造公差に基づいて、記載された数値を含む合理的な範囲、例えば、記載された数値の±10%以内を含む。例えば、「約5nm」の厚さを有する材料層は、材料層の堆積に関連する製造交差が±15%であることが当業者に知られているため、4.25nm~5.75nmの寸法範囲を含む。さらに、本発明は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この繰り返しは、簡素化および明確化を目的としたものであり、言及した様々な実施形態および/または構成間の関係を本質的に支持するものではない。
【0017】
いくつかのイメージセンサまたは感光デバイスは、第1半導体材料とは異なる第2半導体材料の半導体基板に配置された第1半導体材料の半導体構造を含む。ほとんどの場合、第1半導体材料は、第2半導体材料よりも小さいバンドギャップを有し、または第2半導体材料よりも入射光に対する感度が高い。その感光性および半導体基板との接合点によって、暗電流レベルがより高くなり、信号雑音比(SNR)を減らすことができる。
【0018】
本発明は、電場を生成して光子電子を動かす金属接続が異なる半導体領域に配置されたイメージセンサ構造を提供する。1つの構造例において、ゲルマニウム(Ge)光感知領域は、シリコン(Si)基板内に配置される。ディープウェルは、シリコン基板内に配置され、ゲルマニウム光感知領域の下方に少なくとも部分的に延伸する。第1金属接続は、ゲルマニウム光感知領域に対して作られるが、第2金属接続は、シリコン基板を通ってディープウェルに対して直接作られる。つまり、第1金属接続と第2金属接続の全てが直接ゲルマニウム光感知領域に対して作られるのではない。2つの金属接続は、異なる半導体領域に作られるため、電子伝達経路がゲルマニウム光感知領域からさらに遠くに離れ、暗電流を大幅に減らすことができる。
【0019】
ここで、本発明の様々な態様について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図1および図18は、イメージセンサ構造を形成する方法100および方法300のフローチャートを示したものである。方法100および300は、単なる例であり、本発明を本明細書において明示した内容に限定する意図はない。方法100および300の前、間、および後に追加のステップを提供してもよく、方法の追加した実施形態については、記載したいくつかのステップを置き換える、省略する、または移動させることができる。簡素化するため、全てのステップが本明細書に記載されている訳ではない。以下、図2図11と合わせて、方法100について説明し、これらの図は、方法100の実施形態に係る製造の異なる段階におけるワークピース200の断片的な断面図を示したものである。図12図14は、図10に示したワークピース200の代替の実施形態を提供する。図15図17は、ワークピース200の概略的平面図を示したものであり、電子伝達効率を向上させるための様々な構成例を示している。以下、図19図26と合わせて、方法300について説明し、これらの図は、方法300の実施形態に係る製造の異なる段階においけるワークピース200の断片的な断面図を示したものである。図27図29は、図24に示したワークピース200の代替の実施形態を提供する。図30図32は、ワークピース200の概略的平面図を示したものであり、電子伝達効率を向上させるための様々な構成例を示している。図33および図34は、感光画素設計の断片的な概略的平面図を示したものである。感光デバイスまたはイメージセンサ構造は、ワークピース200から形成されるため、ワークピース200は、文脈上、感光デバイス200、イメージセンサ200、またはイメージセンサ構造200と称してもよい。図2図17および図19図34を通して、X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに垂直であり、一貫して使用される。例えば、1つの図におけるX方向は、別の図において、X方向に対して平行である。また、本発明を通して、類似する特徴は、類似する参照番号を使用して表示する。
【0020】
図1図2、および図3を参照すると、方法100は、ワークピース200の基板202内にディープウェル204を形成するブロック102を含む。ブロック102の操作は、基板202を受け取ることと(図2に示す)、基板202内にディープウェル204を形成することと(図3に示す)、を含む。基板202の上または中には、さらに多くの層および特徴が形成されるため、基板202およびその上に形成される全ての特徴は、通常、ワークピース200と称される。図2を参照すると、基板202を受け取る。基板202は、シリコン(Si)基板であってもよい。いくつかの代替の実施形態において、基板202は、埋め込み酸化物(buried oxide, BOX)層を有するシリコン・オン・インシュレーター(silicon-on-insulator, SOI)基板であってもよい。図3を参照すると、基板202内にディープウェル204を形成する。図に示したいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、n型ウェルである。ディープウェル204は、基板202内に形成されるため、ディープシリコンnウェル(deep silicon n-well, DSNW)204またはディープnウェル(deep n-well, DNW)204と称される。プロセスの一例において、まず、基板202の上にスクリーン酸化物層(明白に示さず)を堆積させ、スクリーン酸化物層の上にパターン化フォトレジスト層を形成して、ワークピース200の注入されない領域を覆う。パターン化フォトレジスト層が所定の位置にある状態で、ワークピース200にn型ドーパント、例えば、燐(P)または砒素(As)を注入する。注入後、アニールプロセスにより、n型ドーパントをさらに基板202に熱駆動させる。いくつかの例において、ディープウェル204は、約1×1016cm-3~約9×1018cm-3の間のドーパント濃度を含むことができる。後述するが、図15図16、または図17において、X方向に沿って縦方向に延伸する細長い形状が示されている。ディープウェル204は、収集した光子電子の伝導路の一部として使用される。
【0021】
図1および図4を参照すると、方法100は、基板202を通って部分的に延伸し、ディープウェル204に到達する第1注入領域206を形成するブロック104を含む。図示された実施形態において、第1注入領域206は、基板202の上表面から垂直に下向きに延伸し、ディープウェル204の一端に結合される、またはディープウェル204の一端と重複する。ディープウェル204と同様に、第1注入領域206は、ディープウェル204から基板202の上表面に垂直な伝導路を提供し、且つ収集した光子電子の伝導路の一部でもある。第1注入領域206は、シリコンnウェル(silicon n-well, SNW)またはnウェル(n-well, NW)とも称される。プロセスの一例において、まず、基板202の上にスクリーン酸化物層(明白に示さず)を堆積させ、スクリーン酸化物層の上にパターン化フォトレジスト層を形成して、ワークピース200の注入されない領域を覆う。パターン化フォトレジスト層が所定の位置にある状態で、ワークピース200にn型ドーパント、例えば、燐(P)または砒素(As)を注入する。注入している間、アニールプロセスにより、n型ドーパントをさらに基板202に熱駆動させて、ディープウェル204に到達させる。いくつかの例において、第1注入領域206は、約1×1016cm-3~約9×1018cm-3の間のドーパント濃度を含むことができる。ディープウェル204とは異なり、第1注入領域206は、基板202の上表面に対して垂直な垂直方向に沿って延伸する。
【0022】
図1および図4を参照すると、方法100は、第1注入領域206に高濃度nドープ領域208を形成するブロック106を含む。高濃度nドープ領域208は、金属コンタクト特徴とインターフェースで接続した時の接触抵抗を減らすために使用される。高濃度nドープ領域208は、イオン注入により形成してもよい。いくつかの実施形態において、高濃度nドープ領域208は、n型ドーパント、例えば、燐(P)または砒素(As)を含む。その名称が示しているように、高濃度nドープ領域208のドーパント濃度は、第1注入領域206のドーパント濃度よりも高い。いくつかの実装において、高濃度nドープ領域208のドーパント濃度は、約1×1017cm-3~約9×1020cm-3の間である。図4に示すように、高濃度nドープ領域208は、第1注入領域206と垂直に重複し、基板202の上表面に隣接して配置される。
【0023】
図1および図5を参照すると、方法100は、キャビティ210の一部がディープウェル204の真上になるように、基板202内のキャビティ210をエッチングするブロック108を含む。図面には明示していないが、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを使用して、基板202内にキャビティ210を形成してもよい。プロセスの一例において、CVDまたは適切な堆積法を使用して、基板202の上にハードマスク層を堆積させる。そして、フォトリソグラフィプロセスを行って、ハードマスク層の上にパターン化フォトレジスト層を形成する。その後、パターン化フォトレジストをエッチングマスクとして使用して、ハードマスクをエッチングし、パターン化ハードマスクを形成する。それから、パターン化ハードマスクをエッチングマスクとして応用して基板202をエッチングし、キャビティ210を形成する。ハードマスクは、基板202と異なる材料で形成される。いくつかの例において、ハードマスクは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはその組み合わせを含むことができる。図5に示すように、キャビティ210は、Z方向に沿って深さDを有し、X方向に沿って上部幅Wを有することができる。いくつかの実施形態において、深さDは、約900nm~約2100nmである。いくつかの実施形態において、上部幅Wは、約2000nm~約10000nmである。キャビティ210を形成するための適切なエッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチングプロセス、またはその組み合わせであってもよい。
【0024】
図1および図6を参照すると、方法100は、キャビティ210の下表面とディープウェル204の間に第2注入領域218を形成するブロック110を含む。第2注入領域218は、キャビティ210の下表面とディープウェル204の間の光子電子の伝導路として使用される。図6に示すように、第1注入領域206および第2注入領域218の両方は、ディープウェル204に結合される、またはディープウェル204と重複する。図6に示したいくつかの実施形態において、第1注入領域206および第2注入領域218は、いずれもn型ドーパントでドープされる。いくつかの実装において、第2注入領域218および第1注入領域206は、同じドーパント濃度を有する。第2注入領域218を形成するプロセスの一例において、まず、キャビティ210の上を含むワークピース200の上に第1パターン化インプランテーションマスク212を形成する。図6に示すように、第1パターン化インプランテーションマスク212は、ブロック101のインプランテーション領域を露出する開口214を有する。いくつかの例において、第1パターン化インプランテーションマスク212は、フォトレジスト層または底部反射防止コーティング(bottom antireflective coating, BARC)層であってもよい。図示された実施形態において、第1パターン化インプランテーションマスク212は、フォトレジスト層である。第1パターン化インプランテーションマスク212が所定の位置にある状態で、イオン注入プロセスを行って、第2注入領域218を形成する。第2注入領域218を形成した後、アッシング(ashing)または選択的エッチングにより、第1パターン化インプランテーションマスク212を除去する。
【0025】
図6に示したいくつかの実施形態において、第2注入領域218を熱駆動し、キャビティ210の下表面からわずかに除去する。このようにして、後続のプロセスまたは熱サイクルにおいて形成される予定のゲルマニウム層224(図9に示す)に過度のn型ドーパントが拡散されるのを防ぐ。ゲルマニウム層224へのいくらかのn型ドーパント拡散は、光子電子の収集を容易にすることができるが、暗電流を増やす可能性がある。制御されたn型ドーパントをゲルマニウム層224に拡散するのは、接触面積を増やすためのゲルマニウム層224をディープウェル204に直接置くことはしない原因でもある。より大きな接触面積は、過剰なn型ドーパント拡散をもたらすため、望ましくないレベルの暗電流を発生させる。図6には明示していないが、第2注入領域218は、キャビティ210の小さな中心領域の下方にのみ直接配置される。ゲルマニウム層224と第2注入領域218の間の係合領域が小さく、且つ制御されていると、ゲルマニウム層224へのn型ドーパント拡散を減らし、過剰の暗電流が増えるのを防ぐことができる。
【0026】
図1図7、および図8を参照すると、方法100は、キャビティ210の表面に沿って界面注入領域222を形成するブロック112を含む。界面注入領域222は、少なくとも2つの機能を持つ。まず、界面注入領域222は、基板202内のシリコンと形成される予定のゲルマニウム層224(図9に示す)の間の格子不整合を埋める(bridge)ことができる。シリコンの格子とゲルマニウムの格子の間の格子不整合は4.2%であるため、線欠陥等の格子不整合欠陥がSi-Gi界面付近で始まり、ゲルマニウム層224を通り抜けて、追加の暗電流を生じさせる可能性がある。Si-Gi界面付近にpドープ領域を形成することによって、格子不整合の影響を大幅に減少できることがわかる。次に、界面注入領域222は、光子電子のトラップとして動作し、光子電子が基板202内に入るのを防ぐことができる。界面注入領域222を形成するプロセスの一例において、ワークピース200の上に第2パターン化インプランテーションマスク220を形成し、基板202の上表面および第2注入領域218を保護する。第2パターン化インプランテーションマスク220は、第1パターン化インプランテーションマスク212に類似する特性を共有するため、ここでは詳しい説明を省略する。イオン注入プロセスを行って、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)でキャビティ210の覆われていない表面をドープし、界面注入領域222を形成する。いくつかの実施形態において、第2パターン化インプランテーションマスク220を使用したにも関わらず、界面注入領域222は、キャビティ210の下表面および第2注入領域218に少なくとも部分的に延伸することができる。他のドープ領域と比較して、界面注入領域222は、非常に薄く、約20nm~約100nmの間の厚さを有する。界面注入領域222は、約5×1016atoms/cm(cm-3)~約1×1019cm-3の間のドーパント濃度を有することができる。図8に示すように、第2注入領域218および界面注入領域222を形成した後、アッシングまたは選択的エッチングにより、第2パターン化インプランテーションマスク220を除去する。
【0027】
図1および図9を参照すると、方法100は、キャビティ210内にゲルマニウム層224を形成するブロック114を含む。界面注入領域222を形成した後、ゲルマニウム層224を形成して、キャビティ210の残りを充填する。ゲルマニウム層224は、界面注入領域222に直接形成され、界面注入領域222によって基板202から間隔を空ける。界面注入領域222は、キャビティ210内の空間をあまり取らないため、ゲルマニウム層224は、キャビティ210と類似する深さDおよび上部幅Wを有することができる。つまり、ゲルマニウム層224は、約900nm~約2100nmの間の深さDおよび約2000nm~約10000nmの間の上部幅Wを有することができる。いくつかの実施形態において、ゲルマニウム層224は、ドープされない(undoped)(または、意図せずドープされる(unintentionally doped, UID))(つまり、ゲルマニウム層224は、実質的に、ドーパントがない)。いくつかの実施形態において、ゲルマニウム層224は、ドープされていないと見なされるドーパント濃度を有する。いくつかの代替の実施形態において、ゲルマニウム層224は、シリコンよりも小さいバンドギャップを有する、または直接バンドギャップ(direct bandgap)を有する他の半導体材料に置き換えることができる。例えば、ゲルマニウム層224は、ガリウムアンチモン(gallium antimony, GaSb)層、セレン化鉛(lead selenide, PbSe)層、テルル化鉛(lead telluride, PbTe)層、硫化鉛(lead sulfide, PbS)層、リン化インジウム(indium phosphide, InP)層、ガリウム砒素(gallium arsenide, GaAs)層、テルル化カドミウム(cadmium telluride CdTe)層、またはセレン化カドミウム(cadmium selenide, CdSe)層に置き換えることができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、ゲルマニウム層224は、基板202の上表面に形成されたパターン化誘電体層にゲルマニウムを成長させずに、界面注入領域222にゲルマニウムを選択的に成長させる堆積プロセスによって形成される。例えば、ゲルマニウム層224は、界面注入領域222からゲルマニウムをエピタキシャルに成長させることによって形成されるが、パターン化誘電体層にはゲルマニウムをほとんど、または全くエピタキシャルに堆積させない。いくつかの例において、パターン化誘電体層は、酸化ケイ素を含むことができる。ゲルマニウム層224を形成するためのエピタキシープロセスは、CVD堆積技術(例えば、VPE、UHV-CVD、LPCVD、および/またはPECVD)、分子ビームエピタキシー、他の適切なSEGプロセス、またはその組み合わせを実施することができる。エピタキシープロセスは、ガスおよび/または液体の前駆体を使用することができる。例えば、エピタキシープロセスは、ゲルマニウム含有前駆体(例えば、ゲルマン(germane, GeH4)、ジゲルマン(digermane, Ge2H6)、四塩化ゲルマニウム(germanium tetrachloride, GeCl4)、二塩化ゲルマニウム(germanium dichloride, GeCl2)、他のゲルマニウム含有前駆体、またはその組み合わせ)およびキャリア前駆体(例えば、水素前駆体(例えば、H)、アルゴン前駆体(例えば、Ar)、ヘリウム前駆体(例えば、He)、窒素前駆体(例えば、N)、キセノン前駆体、他の適切な不活性前駆体、またはその組み合わせ)を使用する。いくつかの実施形態において、エピタキシープロセスは、エピタキシャルに成長したゲルマニウムが実質的にキャビティ210を充填するまで行われる。平坦化プロセス、例えば、化学機械研磨(chemical mechanical polishing, CMP)を行って、エピタキシャルに成長した余剰のゲルマニウムを除去し、平坦な上表面を提供することができる。
【0029】
図1および図9を参照すると、方法100は、ゲルマニウム層224の上にキャップ層226を形成するブロック116を含む。図面には明示していないが、ブロック114で行ったCMPプロセスは、比較的早い速度でゲルマニウム層224を除去し、それにより、ゲルマニウム層224の上に直接凹部を形成することができる。つまり、CMPプロセスの後、ゲルマニウム層224の上表面は、基板202の上表面よりも低い。ブロック116において、ゲルマニウム層224の上にドープされていない(またはUID)キャップ層226を形成する。図示された実施形態において、キャップ層226は、ドープされていないシリコン層(つまり、実質的にドーパント(例えば、n型ドーパント(例えば、燐)またはp型ドーパント(例えば、ホウ素)等)のないシリコン層)である。いくつかの実施形態において、キャップ層226は、ドープされていないとみなされるドーパント濃度を有する。プロセスの一例において、キャップ層226は、ゲルマニウム層224の上にシリコンを選択的に成長させ、同時に、パターン化誘電体層で基板202を覆う堆積プロセスによって形成される。ブロック116で使用されるパターン化誘電体層は、ブロック114で使用したパターン化誘電体層と異なっていてもよく、または同じであってもよい。例えば、キャップ層226は、ゲルマニウム層224からシリコンをエピタキシャルに成長させることによって形成される。キャップ層226を形成するためのエピタキシープロセスは、CVD堆積技術(例えば、VPE、UHV-CVD、LPCVD、および/またはPECVD)、分子ビームエピタキシー、他の適切なSEGプロセス、またはその組み合わせを実施することができる。エピタキシープロセスは、ガスおよび/または液体の前駆体、例えば、本明細書で説明したシリコン含有前駆体およびキャリア前駆体を使用することができる。いくつかの実施形態において、平坦化プロセス、例えば、CMPを選択的に行って、余剰のキャップ層226を除去し、平坦な上表面を提供してもよい。
【0030】
図9に示すように、ゲルマニウム層224を形成している間に生成された熱エネルギーは、第2注入領域218におけるn型ドーパントをゲルマニウム層224に拡散させて、n型拡散領域219を形成することができる。n型拡散領域219のドーパント濃度は、第2注入領域218のドーパント濃度よりも低い。n型拡散領域219は、ゲルマニウム層224に生成された光子電子の収集を容易にすることができる。
【0031】
図1および図10を参照すると、方法100は、キャップ層226を通って、ゲルマニウム層224の中に高濃度pドープ領域228を形成するブロック118を含む。高濃度pドープ領域228は、上方から接近する金属コンタクト特徴とインターフェースで接続した時の接触抵抗を減らすために使用される。高濃度pドープ領域228は、イオン注入により形成することができる。いくつかの実施形態において、高濃度pドープ領域228は、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)を含む。その名称が示しているように、高濃度pドープ領域228のドーパント濃度は、界面注入領域222のドーパント濃度よりも高い。いくつかの実装において、高濃度pドープ領域228のドーパント濃度は、約1×1017cm-3~約1×1021cm-3の間である。図10に示すように、高濃度pドープ領域228は、キャップ層226を完全に通過して延伸し、ゲルマニウム層224内で終了する。
【0032】
図10に示すように、高濃度pドープ領域228は、X方向に沿って幅WPを有し、Z方向に沿って深さDPを有する。キャビティ210またはゲルマニウム層224の幅Wと比較して、幅WPは、Wの約0.3倍~Wの約1.5倍の間であってもよい。つまり、幅Wに対する幅WPの比率は、約0.3~の約1.5の間であってもよい。図面には明示していないが、ゲルマニウム層224の全体が高濃度pドープ領域228の下方に配置されるよう、高濃度pドープ領域228は、ゲルマニウム層224よりも広い幅および大きな面積を有することができる。この幅の比率範囲は、重要である。比率が0.3よりも小さくなると、高濃度pドープ領域228は、第2注入領域218に向かって光子電子を適切に駆動することのできる電場を生成することができない。比率が1.5よりも大きくなると、高濃度pドープ領域228は、画素サイズを増やすためにスペースを取りすぎる可能性がある。キャビティ210またはゲルマニウム層224の深さDと比較して、深さDPは、Dの約0.1倍~Dの約0.5倍の間であってもよい。つまり、深さDに対する深さDPの比率は、約0.1~の約0.5の間であってもよい。深さの比率範囲も重要である。比率が0.1よりも小さくなると、高濃度pドープ領域228は、第2注入領域218に向かって光子電子を適切に駆動することのできる十分に強い電場を生成することができない。比率が0.5よりも大きくなると、高濃度pドープ領域228は、第2注入領域218に接近し過ぎるため、全ての電場線が高濃度pドープ領域228と第2注入領域218の間に集中する。その結果、余剰の高濃度pドープ領域228は、ゲルマニウム層224全体にわたって分布する光子電子を駆動することができない。
【0033】
図1および図10を参照すると、方法100は、ワークピース200の上に誘電体層230を形成するブロック120を含む。いくつかの実施形態において、誘電体層230は、化学蒸着(chemical vapor deposition, CVD)、流動性 CVD(flowable CVD)、スピンオンコーティング、または適切な堆積法を使用して堆積させる層間絶縁(interlayer dielectric, ILD)層であってもよい。誘電体層230は、酸化テトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate, TEOS)、ドープされていないケイ酸塩ガラス、またはドープされた酸化ケイ素、例えば、ホウリンケイ酸ガラス(borophosphosilicate glass, BPSG)、溶融石英ガラス(fused silica glass, FSG)、リンケイ酸ガラス(phosphosilicate glass, PSG)、ホウ素ドープシリコンガラスboron doped silicon glass, BSG)等の材料、および/または他の適切な誘電材料を含むことができる。図面には明示していないが、誘電体層230を堆積する前に、コンタクトエッチストップ層(contact etch stop layer, CESL)をワークピース200の上に堆積させてもよい。CESLは、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または誘電体層230とは異なるエッチング特性を有する他の誘電材料を含むことができる。
【0034】
図1および図11を参照すると、方法100は、誘電体層230内にコンタクト特徴を形成して、高濃度nドープ領域208および高濃度pドープ領域228に結合するブロック122を含む。図11に示すように、このようなコンタクト特徴は、高濃度nドープ領域208に配置された第1コンタクトビア232、第1コンタクトビア232に配置された第1金属線234、高濃度pドープ領域228に配置された第2コンタクトビア236、および第2コンタクトビア236に配置された第2金属線238を含むことができる。プロセスの一例において、デュアルダマシン(dual-damascene)工程を行って、コンタクトビアおよび金属線の開口を形成した後、ビアおよび線の開口内に金属充填層を堆積させて、コンタクトビアおよび金属線を形成することができる。いくつかの実施形態において、金属充填層は、銅(Cu)、窒化チタン(TiN)、ドープポリシリコン、コバルト(Co)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)を含むことができる。金属充填層が銅(Cu)を含む時、開口の側壁に沿ってバリア層を堆積させて、誘電体層230における銅および酸素の直接接触を防ぐことができる。バリア層は、窒化チタン、窒化タンタル、窒化マンガン、または他の遷移金属窒化物を含むことができる。図面には明示していないが、金属充填層と高濃度pドープ領域228の間に選択的な金属シリサイド特徴を形成してもよい。金属シリサイド特徴は、接触抵抗をさらに減らす機能を有し、チタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、またはタングステンシリサイドを含むことができる。
【0035】
図12図13、および図14は、同様に、方法100を使用して形成することのできる代替の実施形態の例を示したものである。図12は、ゲルマニウム層224内に複数のp型ウェルを形成して、電子移動効率を高める第1代替イメージセンサ200-1を示したものである。図示された実施形態において、ゲルマニウム層224内に中心pウェル240および周囲pウェル242が形成される。いくつかの実施形態において、周囲pウェル242は、中心pウェル240よりも高濃度にドープされる。いくつかの例において、周囲pウェル242内のドーパント濃度は、約1×1018cm-3~約1×1020cm-3の間であり、中心pウェル240内のドーパント濃度は、約1×1015cm-3~約9×1017cm-3の間である。p型ドーパント勾配により、入射光子によって生成された電子を周囲pウェル242から中心pウェルに向かって案内することができる。そこから、光子電子は、伝導路(第2注入領域218、ディープウェル204、第1注入領域206)に沿って、高濃度nドープ領域208に向かって移動することができる。
【0036】
図13は、pウェル隔離特徴を含む第2代替イメージセンサ200-2を示したものである。pウェル隔離特徴は、底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252を含む。側壁隔離pウェル252は、ゲルマニウム層224の周りを完全に囲むように延伸する。第2代替イメージセンサ200-2は、底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252によって取り囲まれた、または閉じ込められた図11のイメージセンサ200とみなしてもよい。底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252は、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)を含み、約5×1016atoms/cm(cm-3)~約5×1018cm-3の間のドーパント濃度を有する。
【0037】
図14は、ハイブリッド隔離構造を含む第3代替イメージセンサ200-3を示したものである。ハイブリッド隔離構造は、底部隔離pウェル250および側壁隔離構造262を含む。側壁隔離構造262は、ゲルマニウム層224の周りを完全に囲むように延伸する。第3代替イメージセンサ200-3は、底部隔離pウェル250および側壁隔離構造262によって取り囲まれた、または閉じ込められた図11のイメージセンサ200とみなしてもよい。底部隔離pウェル250は、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)を含み、約5×1016atoms/cm(cm-3)~約5×1018cm-3の間のドーパント濃度を有する。側壁隔離構造262は、誘電材料または金属で形成されてもよい。例えば、側壁隔離構造262は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、銅、またはアルミニウムを含むことができる。
【0038】
図15図16、および図17は、方法100を使用して形成されたイメージセンサ200の概略的平面図を提供する。図示しやすいよう、図15図16、および図17は、ゲルマニウム層224、高濃度pドープ領域228、ディープウェル204、および高濃度nドープ領域208のみを示す。図15図11図12図13、および図14に示したいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、X方向に沿って引き伸ばされ、単一の高濃度nドープ領域208のみ高濃度pドープ領域228とを電気接続する。ディープウェル204は、ゲルマニウム層224の一側から始まり、ゲルマニウム層224の下方に延伸して、ゲルマニウム層224の真下で終了する。図16に示したいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、X方向に沿って長く延伸するため、ゲルマニウム層224は、ディープウェル204の中間部分を垂直に重複し、2つの末端部分は、ゲルマニウム層224の垂直投射部の外側にある。図16のディープウェル204は、高濃度pドープ領域228を第1高濃度nドープ領域208-1および第2高濃度nドープ領域208-2に電気接続する。図17に示した他のいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、十字形であるか、4つのアームを有するプラス記号形状を有する。ゲルマニウム層224は、十字形のディープウェル204の中心接続部分の上に配置され、4つのアームは、ゲルマニウム層224の垂直投射領域の向こうに到達する。図17の十字形のディープウェル204は、高濃度pドープ領域228を第1高濃度nドープ領域208-1、第2高濃度nドープ領域208-2、第3高濃度nドープ領域208-3、および第4高濃度nドープ領域208-4に電気接続する。図15の実施形態と比較して、図16および図17に示した実施形態は、画素サイズを犠牲にして、収集した光子電子により大きな伝導路を提供することができる。
【0039】
ここで、図18を参照すると、代替の方法300のフローチャートが示されている。方法300は、いくつかの共通の操作を方法100と共有するが、方法300は、第1注入領域206および高濃度nドープ領域208を延伸ビア2320(図26に示す)に置き換えた点で、方法100と異なる。
【0040】
図18図2、および図3を参照すると、方法300は、ワークピース200の基板202内にディープウェル204を形成するブロック302を含む。ブロック302の操作は、実質的に、ブロック102の操作に類似する。そのため、ブロック302の操作については、詳しい説明を省略する。
【0041】
図18および図19を参照すると、方法300は、キャビティ210の一部がディープウェル204の真上になるように、基板202内のキャビティ210をエッチングするブロック304を含む。ブロック304の操作は、実質的に、ブロック108の操作に類似する。そのため、ブロック304の操作については、詳しい説明を省略する。ブロック304は、少なくとも304においてワークピース200が基板202内に形成される第1注入領域206および高濃度nドープ領域208と同等のものを含まない点で、ブロック108と異なる。これは、方法300がキャビティ210を形成する前に第1注入領域206および高濃度nドープ領域208と同等のものを形成する操作を含まないからである。
【0042】
図18および図20を参照すると、方法300は、キャビティ210の下表面とディープウェル204の間に第2注入領域218を形成するブロック306を含む。ブロック306の操作は、実質的に、ブロック110の操作に類似する。そのため、ブロック306の操作については、詳しい説明を省略する。
【0043】
図18図21、および図22を参照すると、方法300は、キャビティ210の表面に沿って界面注入領域222を形成するブロック308を含む。ブロック308の操作は、実質的に、ブロック112の操作に類似する。そのため、ブロック308の操作については、詳しい説明を省略する。
【0044】
図18および図23を参照すると、方法300は、キャビティ210内にゲルマニウム層224を形成するブロック310を含む。ブロック310の操作は、実質的に、ブロック114の操作に類似する。そのため、ブロック310の操作については、詳しい説明を省略する。
【0045】
図18および図23を参照すると、方法300は、ゲルマニウム層224の上にキャップ層226を形成するブロック312を含む。ブロック312の操作は、実質的に、ブロック116の操作に類似する。そのため、ブロック312の操作については、詳しい説明を省略する。
【0046】
図18および図24を参照すると、方法300は、キャップ層226を介してゲルマニウム層224に高濃度pドープ領域228を形成するブロック314を含む。ブロック314の操作は、実質的に、ブロック118の操作に類似する。そのため、ブロック314の操作については、詳しい説明を省略する。
【0047】
図18および図25を参照すると、方法300は、ワークピース200の上に誘電体層230を形成するブロック316を含む。ブロック316の操作は、実質的に、ブロック120の操作に類似する。そのため、ブロック316の操作については、詳しい説明を省略する。
【0048】
図18および図26を参照すると、方法300は、誘電体層230内にコンタクト特徴を形成して、ディープウェル204および高濃度pドープ領域228に結合するブロック318を含む。図26に示すように、このようなコンタクト特徴は、ディープウェル204に配置された延長コンタクトビア2320、延長コンタクトビア2320に配置された第1金属線234、高濃度pドープ領域228に配置された第2コンタクトビア236、第2コンタクトビア236に配置された第2金属線238を含むことができる。プロセスの一例において、デュアルダマシン工程を行って、コンタクトビアおよび金属線の開口を形成した後、ビアおよび線の開口内に金属充填層を堆積させて、コンタクトビアおよび金属線を形成することができる。いくつかの代替の実施形態において、延長コンタクトビア2320および第2コンタクトビア236は、別々に形成される。延長コンタクトビア2320は、第2コンタクトビア236がゲルマニウム層224の中に延伸するよりも深く基板202の中に延伸するため、ビア開口を同時にエッチングすることにより、高濃度pドープ領域228あるいはゲルマニウム層224の実質的なオーバーエッチング(over-etching)をもたらす可能性がある。これらの代替の実施形態において、延長コンタクトビア2320および第2コンタクトビア236のうちの一方を他方の前に形成して、ゲルマニウム層224に対するオーバーエッチングおよび損傷を回避する。いくつかの実施形態において、金属充填層は、銅(Cu)、窒化チタン(TiN)、ドープポリシリコン、コバルト(Co)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)を含むことができる。金属充填層が銅(Cu)を含む時、開口の側壁に沿ってバリア層を堆積させて、誘電体層230における銅および酸素の直接接触を防ぐことができる。バリア層は、窒化チタン、窒化タンタル、窒化マンガン、または他の遷移金属窒化物を含むことができる。図面には明示していないが、金属充填層と高濃度nドープ領域208または高濃度pドープ領域228の間に選択的な金属シリサイド特徴を形成してもよい。金属シリサイド特徴は、接触抵抗をさらに減らす機能を有し、チタンシリサイド、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、またはタングステンシリサイドを含むことができる。
【0049】
図26に示すように、延長コンタクトビア2320は、第1注入領域206、高濃度nドープ領域208、および第1コンタクトビア232に取って代わる。それらの特徴と同様に、延長コンタクトビア2320も収集した光子電子の伝導路の一部として使用される。延長コンタクトビア2320は、第1注入領域206または高濃度nドープ領域208よりも明確に定義されるため、それを使用することによって、画素サイズを減らすことができる。再度図11を参照すると、高濃度nドープ領域208は、第1間隔S1によりゲルマニウム層224から間隔を空けることができる。図26に示すように、延長コンタクトビア2320は、第2間隔S2によりゲルマニウム層224から間隔を空けることができる。第2間隔S2は、第1間隔S1よりも小さい。
【0050】
図27図28、および図29は、同様に、方法300を使用して形成することのできる代替の実施形態の例を示したものである。図27は、ゲルマニウム層224内に複数のp型ウェルを形成して、電子移動効率を高める第4代替イメージセンサ200-4を示したものである。図示された実施形態において、ゲルマニウム層224内に中心pウェル240および周囲pウェル242が形成される。いくつかの実施形態において、周囲pウェル242は、中心pウェル240よりも高濃度にドープされる。いくつかの例において、周囲pウェル242内のドーパント濃度は、約1×1018cm-3~約1×1020cm-3の間であり、中心pウェル240内のドーパント濃度は、約1×1015cm-3~約9×1017cm-3の間である。p型ドーパント勾配により、入射光子により生成された電子を周囲pウェル242から中心pウェル240に向かって案内することができる。そこから、光子電子は、伝導路(第2注入領域218およびディープウェル204)に沿って、延長コンタクトビア2320に向かって移動することができる。
【0051】
図28は、pウェル隔離特徴を含む第5代替イメージセンサ200-5を示したものである。pウェル隔離特徴は、底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252を含む。側壁隔離pウェル252は、ゲルマニウム層224の周りを完全に囲むように延伸する。第5代替イメージセンサ200-5は、底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252によって取り囲まれた、または閉じ込められた図26のイメージセンサ200とみなしてもよい。底部隔離pウェル250および側壁隔離pウェル252は、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)を含み、約5×1016atoms/cm(cm-3)~約5×1018cm-3の間のドーパント濃度を有する。
【0052】
図29は、ハイブリッド隔離構造を含む第6代替イメージセンサ200-6を示したものである。ハイブリッド隔離構造は、底部隔離pウェル250および側壁隔離構造262を含む。側壁隔離構造262は、ゲルマニウム層224の周りを完全に囲むように延伸する。第6代替イメージセンサ200-6は、底部隔離pウェル250および側壁隔離構造262によって取り囲まれた、または閉じ込められた図26のイメージセンサ200とみなしてもよい。底部隔離pウェル250は、p型ドーパント、例えば、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF)を含み、約5×1016atoms/cm(cm-3)~約5×1018cm-3の間のドーパント濃度を有する。側壁隔離構造262は、誘電材料または金属で形成されてもよい。例えば、側壁隔離構造262は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、銅、またはアルミニウムを含むことができる。
【0053】
図30図31、および図32は、方法300を使用して形成されたイメージセンサ200の概略的平面図を提供する。図示しやすいよう、図30図31、および図32は、ゲルマニウム層224、高濃度pドープ領域228、ディープウェル204、および延長コンタクトビア2320のみを示す。図30図26図27図28、および図29に示したいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、X方向に沿って引き伸ばされ、単一の延長コンタクトビア2320のみ高濃度pドープ領域228とを電気接続する。ディープウェル204は、ゲルマニウム層224の一側から始まり、ゲルマニウム層224の下方に延伸して、ゲルマニウム層224の真下で終了する。図31に示したいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、X方向に沿って長く延伸するため、ゲルマニウム層224は、ディープウェル204の中間部分を垂直に重複し、2つの末端部分は、ゲルマニウム層224の垂直投射部の外側にある。図31のディープウェル204は、高濃度pドープ領域228を第1延長コンタクトビア2320-1および第2延長コンタクトビア2320-2に電気接続する。図32に示した他のいくつかの実施形態において、ディープウェル204は、十字形であるか、4つのアームを有するプラス記号形状を有する。ゲルマニウム層224は、十字形のディープウェル204の中心接続部分の上に配置され、4つのアームは、ゲルマニウム層224の垂直投射領域の向こうに到達する。図32の十字形のディープウェル204は、高濃度pドープ領域228を第1延長コンタクトビア2320-1、第2延長コンタクトビア2320-2、第3延長コンタクトビア2320-3、および第4延長コンタクトビア2320-4に電気接続する。図30の実施形態と比較して、図31および図32に示した実施形態は、画素サイズを犠牲にして、収集した光子電子により大きな伝導路を提供することができる。
【0054】
図11図12図13図14図26図27図28、および図29に示したイメージセンサは、それぞれイメージセンシングアレイ内に画素ユニットを構成してもよく、またはマクロ画素として機能するよう相互接続されてもよい。ここで、図33および図34を参照すると、図33は、複数の画素ユニット402を含むイメージセンシングアレイ400の一例を示したものである。図33において、複数の画素ユニット402のそれぞれは、図11図12図13図14図26図27図28、および図29に示したイメージセンサ200に類似するイメージセンサを使用して実施することができる。各画素ユニット402は、光子電子を収集し、信号線404で信号を送信することができる。各画素ユニット402は、入射電磁波を個別に感知するため、画素ユニット402間の隔離が重要になる。したがって、図13の第2代替イメージセンサ200-2、図14の第3代替イメージセンサ200-3、図28の第5代替イメージセンサ200-5、および図29の第6代替イメージセンサ200-6は、様々な隔離構造を含むため、画素ユニット402を実施するのに特に適切ということになる。図34は、複数の画素ユニット502を含むマクロ画素500の一例を示したものである。図34において、画素ユニット502は、図11図12図13図14図26図27図28、および図29に示したイメージセンサ200に類似するイメージセンサを使用して実施することができる。画素ユニット502は、光子電子を収集し、マクロ画素として信号をまとめて送信することができる。画素ユニット502からの信号は、信号線504を相互接続することによってひとまとめにされるため、画素ユニット502は、画素ユニット502間の画素間隔離をあまり必要としない。したがって、図11または図26のイメージセンサ200、図12の第1代替イメージセンサ200-1、または図27の第4代替イメージセンサ200-4は、隔離構造を含まず、よりコンパクトに作られるため、マクロ画素500を実施するのに特に適切ということになる。
【0055】
図35は、イメージセンサ200のアレイを含む積層型イメージセンサ600の一例を示したものである。理解すべきこととして、図35の各イメージセンサ200は、図11に示したイメージセンサ200、図12に示した第1代替イメージセンサ200-1、図13に示した第2代替イメージセンサ200-2、図14に示した第3代替イメージセンサ200-3、図27に示した第4代替イメージセンサ200-4、図28に示した第5代替イメージセンサ200-5、または図29に示した第6代替イメージセンサ200-6であってもよい。図35を参照すると、積層型イメージセンサ600は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)ダイ620、およびASICダイ620の上に配置され、且つASICダイ620に接合されたイメージセンサダイ650を含む。ASICダイ620は、第1基板602、および第1基板602に配置された第1相互接続構造630を含む。イメージセンサダイ650は、第2相互接続構造660、および第2相互接続構造660に配置され、且つ第2相互接続構造660に接合された第2基板642を含む。第1基板602は、その上に形成された複数のトランジスタ610を含む。トランジスタ610は、平面デバイスであっても、またはマルチゲート(multi-gate)デバイスであってもよい。マルチゲートデバイスは、通常、ゲート構造またはその一部がチャネル領域の複数の側に配置されたデバイスを意味する。フィン状電界効果トランジスタ(fin-like field effect transistors, FinFET)およびマルチブリッジチャネル(multi-bridge-channel, MBC)トランジスタは、広く知られているマルチゲートデバイスの例であり、高性能および低漏洩アプリケーションの有力な候補である。FinFETは、複数の側にあるゲートによって包まれた高架チャネルを有する(例えば、ゲートは、基板から延伸する半導体材料の「フィン」の上部および側壁を包み込む)。MBCトランジスタは、チャネル領域の周りを部分的に、または完全に取り囲むように延伸することのできるゲート構造を有し、2つ以上の側にあるチャネル領域へのアクセスを提供する。ゲート構造は、チャネル領域を取り囲むため、MBCトランジスタは、サラウンディングゲートトランジスタ(surrounding gate transistor, SGT)または全周ゲート型(gate-all-around,GAA)トランジスタとも称される。
【0056】
第1相互接続構造630および第2相互接続構造660のそれぞれは、複数の金属間誘電(intermetal dielectric IMD)層に埋め込まれた複数の導電性特徴を含む。導電性特徴は、金属線およびコンタクトビアを含む。金属線は、水平信号伝送を提供し、コンタクトビアは、垂直接続を提供する。導電性特徴は、銅(Cu)を含むことができ、且つバリア層によってIMD層から間隔を空けることができる。バリア層は、金属窒化物、例えば、窒化チタンを含むことができる。図示しやすいよう、金属線のみを示す。第1相互接続構造630および第2相互接続構造660は、図においてそれぞれ4層の金属化層を含んでいるが、それぞれ4層~19層の金属化層を含んでもよい。イメージセンサダイ650およびASICダイ620は、垂直に並べられた接合パッドを含む接合層を含む接合構造640により接合される。
【0057】
イメージセンサダイ650は、さらに、イメージセンサ200の上を含む第2基板642の上に配置された金属格子644を含む。図35には明示していないが、第2基板642は、異なるイメージセンサ200に仕切りを提供する深トレンチ隔離(deep trench isolation, DTI)特徴を含むことができる。金属格子644は、パッシベーション構造646内に配置され、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはその組み合わせを含むことができる。イメージセンサダイ650は、パッシベーション構造646に配置されたカラーフィルタアレイ648、およびカラーフィルタアレイ648に配置されたマイクロレンズ特徴652も含む。イメージセンサダイ650は、イメージセンサダイ650のスクライブライン(scribe line)に沿って形成されたパッド構造654も含む。
【0058】
1つの態様において、イメージセンサを提供する。イメージセンサは、シリコン基板、シリコン基板内に配置されたゲルマニウム領域、シリコン基板とゲルマニウム領域の間に配置されたドープ半導体隔離層、ゲルマニウム領域に配置された高濃度pドープ領域、シリコン基板に配置された高濃度nドープ領域、ゲルマニウム領域の下方に直接配置された第1n型ウェル、高濃度nドープ領域の下方に直接配置された第2n型ウェル、および第1n型ウェルおよび第2n型ウェルの下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルを含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、ドープ半導体隔離層は、シリコンおよびp型ドーパントを含む。いくつかの実施形態において、イメージセンサは、さらに、ゲルマニウム領域に配置された半導体キャップ層を含む。いくつかの例において、半導体キャップ層とシリコン基板の上表面は、同一平面上にある。いくつかの実施形態において、高濃度pドープ領域は、半導体キャップ層を通って延伸する。いくつかの実装において、ゲルマニウム領域は、第1n型ウェルに配置された第1p型ウェル、および第1p型ウェルを取り囲む第2p型ウェルを含む。いくつかの例において、第1p型ウェルおよび第2p型ウェルは、p型ドーパントを含み、第1p型ウェルにおけるp型ドーパントの濃度は、第2p型ウェルにおけるp型ドーパントの濃度よりも低い。いくつかの実施形態において、高濃度nドープ領域は、シリコン基板の一部によってゲルマニウム領域から間隔を空ける。
【0060】
別の態様において、イメージセンサ構造を提供する。イメージセンサ構造は、シリコン基板、シリコン基板内に配置されたゲルマニウム領域、ゲルマニウム領域に配置された高濃度pドープ領域、ゲルマニウム領域の下方に直接配置されたn型ウェル、シリコン基板に延伸する金属コンタクト特徴、およびn型ウェルおよび金属コンタクト特徴の両方の下方に配置され、且つこれらに接触するディープn型ウェルを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、シリコン基板とゲルマニウム領域の間に配置されたドープ半導体隔離層を含む。いくつかの実装において、ドープ半導体隔離層は、ボロンドープシリコン(Si:B)を含む。いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、ゲルマニウム領域に配置された半導体キャップ層を含む。いくつかの例において、半導体キャップ層は、シリコンを主成分とする。いくつかの実施形態において、高濃度pドープ領域は、半導体キャップ層を通って、ゲルマニウム領域の中に部分的に延伸する。いくつかの実施形態において、イメージセンサ構造は、さらに、ディープn型ウェルの下方に配置された底部隔離p型ウェルを含む。
【0062】
さらに別の態様において、方法を提供する。方法は、シリコン基板内にディープn型ウェルを形成することと、シリコン基板を通ってディープn型ウェルに到達する第1n型ウェルを形成することと、第1n型ウェルに高濃度nドープ領域を形成することと、キャビティの少なくとも一部がディープn型ウェルの上に直接配置され、且つキャビティが第1n型ウェルから間隔を空けるように、シリコン基板内にキャビティを形成することと、キャビティの下表面とディープn型ウェルの間に第2n型ウェルを形成することと、キャビティの表面にp型隔離層を形成することと、p型隔離層を形成した後に、キャビティ内にゲルマニウム層を堆積させることと、ゲルマニウム層の上表面の上にシリコンキャップを形成することと、シリコンキャップを通ってゲルマニウム層内で終了する高濃度pドープ領域を形成することと、を含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、高濃度pドープ領域および高濃度nドープ領域の上に誘電体層を堆積させることと、誘電体層を通って高濃度pドープ領域および高濃度nドープ領域にそれぞれ接触する第1コンタクト特徴および第2コンタクト特徴を形成することと、を含む。いくつかの実装において、第2n型ウェルを形成することは、第1パターン化フォトレジスト層を形成して、キャビティの下表面の第1部分を覆い、キャビティの下表面の第2部分を露出することと、第1パターン化フォトレジスト層をインプランテーションマスクとして使用して、第2部分にn型ドーパントを注入することと、を含む。いくつかの例において、p型隔離層を形成することは、第1パターン化フォトレジスト層を除去することと、第2パターン化フォトレジスト層を形成して、キャビティの下表面の第2部分を覆い、キャビティの下表面の第1部分を露出することと、第2パターン化フォトレジスト層をインプランテーションマスクとして使用して、第1部分にp型ドーパントを注入することと、を含む。いくつかの実施形態において、ディープn型ウェルは、引き伸ばされ、第1末端部分、第2末端部分、および第1末端部分と第2末端部分の間に挟まれた中間部分を含む。ゲルマニウム層は、中間部分の上に直接配置されるが、第1末端部分および第2末端部分を覆わない。
【0064】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、イメージセンサ構造およびイメージセンサ構造の形成方法に関する。
【符号の説明】
【0066】
100 方法
102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122 ブロック
200 ワークピース
200-1、200-2、200-3、200-4、200-5、200-6 イメージセンサ
202 基板
204 ディープウェル
206 第1注入領域
208、208-1、208-2、208-3、208-4 高濃度nドープ領域
210 キャビティ
212 第1パターン化インプランテーションマスク
214 開口
218 第2注入領域
219 n型拡散領域
220 第2パターン化インプランテーションマスク
222 界面注入領域
224 ゲルマニウム層
226 キャップ層
228 高濃度pドープ領域
230 誘電体層
232 第1コンタクトビア
2320、2320-1、2320-2、2320-3、2320-4 延長ビア
234 第1金属線
236 第2コンタクトビア
238 第2金属線
240 中心pウェル
242 周囲pウェル
250 底部隔離pウェル
252 側壁隔離pウェル
262 側壁隔離特徴
300 方法
302、304、306、308、310、312、314、316、318 ブロック
400 イメージセンシングアレイ
402 画素ユニット
404 信号線
500 マクロ画素
502 画素ユニット
504 信号線
600 積層型イメージセンサ
602 第1基板
610 トランジスタ
620 ASICダイ
630 第1相互接続構造
640 接合構造
642 第2基板
644 金属格子
646 パッシンベーション構造
648 カラーフィルタアレイ
650 イメージセンサダイ
652 マイクロレンズ特徴
654 パッド構造
D 深さ
DP 深さ
W 幅
WP 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35