(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】CMOSイメージセンサのバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035120
(22)【出願日】2023-03-08
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2022-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】陳 信宏
(72)【発明者】
【氏名】楊 敦年
(72)【発明者】
【氏名】劉 人誠
(72)【発明者】
【氏名】洪 豐基
(72)【発明者】
【氏名】郭 文昌
(72)【発明者】
【氏名】徐 鴻文
(72)【発明者】
【氏名】劉 世昌
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0176492(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0109015(US,A1)
【文献】特開2013-175494(JP,A)
【文献】特開2019-140251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0193703(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0243578(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0148427(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサの形成方法であって、
上面図から見て行と列に配列された複数の画素領域内で、それぞれ基板内に第1ドーピング型の複数のフォトダイオードを形成することと、
前記基板内にバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成して、前記複数の画素領域を分離し、前記BDTI構造が、前記複数のフォトダイオードを取り囲み、前記複数の画素領域の交差部分に配置された第1BDTI素子および前記複数の画素領域の残りの周辺部分に配置された第2BDTI素子を含むことと、
を含み、
前記イメージセンサは、隣接する前記複数の画素領域が浮遊拡散(FD)ノードを共有する画素共有型レイアウト構造を有し、
前記第1BDTI素子が、前記基板の裏面から前記第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有
し、
前記BDTI構造を形成するステップが、
前記基板の前記裏面にブロッキング層を形成して、前記第1BDTI素子を定義する領域を覆い、前記第1BDTI素子を定義する領域が、前記複数の画素領域の前記交差部分を含むことと、
前記ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ前記複数の画素領域の前記残りの周辺部分に第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化することと、
エッチングを行い、前記ブロッキング層を通過して前記第1深さまで前記基板の中に向かって前記BDTIトレンチの前記第1部分を深くし、前記第2深さまで前記基板の中に向かって前記BDTIトレンチの前記第2部分を深くすることと、
前記BDTIトレンチに隔離材料を充填することと、
を含む
方法。
【請求項2】
前記第2BDTI素子が、前記基板を通って形成され、前記基板の最大深度である前記第2深さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の前記裏面に前記複数のフォトダイオードに対応する複数のカラーフィルタを形成することをさらに含み、前記複数のカラーフィルタが、前記BDTI構造の前記第1BDTI素子および前記第2BDTI素子を覆うインターフェースにおいて
互いに接触する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
イメージセンサの形成方法であって、
基板の第1画素領域に第1フォトダイオードを形成して、前記第1画素領域に隣接する前記基板の第2画素領域に第2フォトダイオードを形成し、前記第1フォトダイオードおよび前記第2フォトダイオードが、第1ドーピング型であることと、
前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードの間に、前記基板の前面から前記第1ドーピング型の浮遊拡散(FD)ノードを形成することと、
前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードの間の前記基板の裏面にブロッキング層を形成することと、
前記ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ
、前記第1画素領域及び前記第2画素領域の残りの周辺部分に第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化することと、
エッチングを行い、前記ブロッキング層を通過して第1深さまで前記基板の中に向かって前記BDTIトレンチの前記第1部分を深くし、第2深さまで前記基板の中に向かって前記BDTIトレンチの前記第2部分を深くし、前記第2深さが、第1深さより大きいことと、
前記BDTIトレンチの前記第1部分および前記第2部分を充填して、それぞれ前記第1深さを有する第1BDTI素子および前記第2深さを有する第2BDTI素子を形成することにより、バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成することと、
を含
み、
前記イメージセンサは、隣接する複数の画素領域が前記FDノードを共有する画素共有型レイアウト構造を有し、
前記ブロッキング層は、前記第1BDTI素子を定義する領域を覆う、
方法。
【請求項5】
前記第2BDTI素子が、前記基板を通って形成され、前記基板の最大深度である前記第2深さを有する請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロッキング層が、前記FDノード
を覆う請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
複数の画素領域内で、それぞれ基板内に配置された複数のフォトダイオードと、
前記基板の前面から前記基板の中に延伸し、前記複数の画素領域の交差部分に配置され、前記複数の画素領域の間で共有される浮遊拡散(FD)ノードと、
前記基板の裏面から延伸して、前記複数の画素領域を分離し、前記複数の画素領域の前記交差部分を中心とする
正方形又は矩形の形状を有するブロッキング領域に配置された第1BDTI素子および前記複数の画素領域の残りの領域に配置された第2BDTI素子を含むバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、
を含み、
前記第1BDTI素子が、前記第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有
し、
前記第1BDTI素子が、前記FDノードの真下に間隔を空けて配置され、
前記第1BDTI素子が、上面図から見て十字形を有し、前記第1深さは、前記十字形の中心領域から前記十字形の周辺領域に向かって単調に減少し、前記十字形の周辺領域は、前記第2BDTI素子に接触する、
イメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
デジタルカメラやビデオカメラ等の現代の電子機器の多くは、光学画像をデジタルデータに変換するイメージセンサを含む。イメージセンサは、画素領域のアレイを含み、各画素領域は、光信号(例えば、光)を獲得してデジタルデータ(例えば、デジタル画像)に変換するよう構成されたフォトダイオードを含む。相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide semiconductor, CMOS)イメージセンサは、低消費電力、高速データ処理、および低製造コスト等の多くの利点により、通常、電荷結合素子(charge-coupled device, CCD)イメージセンサ上で使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
イメージセンサは、アレイ状に配列された複数の画素領域を含む。複数の画素領域のそれぞれは、入射光を電荷キャリアに変換するよう構成されたフォトダイオードを含むことができる。転送ゲートは、浮遊拡散(floating diffusion, FD)ノードに流れる変換された電荷キャリアのフローを制御して、入射光を検出するよう構成される。FDノードは、画素装置領域内の複数のトランジスタ(例えば、リセットトランジスタ、ソースフォロワトランジスタ等)に結合される。画素共有型レイアウトにおいて、複数の画素領域は、1つのFDノードを共有することができ、隣接する画素領域の境界部分または交差部分にFDノードを配置することができる。
【0003】
隣接する画素領域は、互いに近接して配置されるため、同じFDノードを複数の画素領域で共有することによって、イメージセンサの実装面積サイズを減らすことができる。しかしながら、画素領域を互いに近接して配置することによって、イメージセンサは、光学的および電気的クロストーク(crosstalk)を引き起こすリスクがある。光学的クロストークは、例えば、光学データ(例えば、光)が画素領域に斜めに入射して、隣接する画素領域を横切った場合に発生する。電気的クロストークは、例えば、フォトダイオード内の電荷キャリアが隣接するフォトダイオードに移動した場合に発生する。
【0004】
クロストークを防ぐために、基板の中にバックサイドディープトレンチアイソレーション(backside deep trench isolation, BDTI)を配置して、隣接する画素領域を互いに分離する。基板を通って垂直に延伸する完全なBDTIは、優れた電気的および光学的隔離を提供する。しかしながら、画素共有型レイアウト構造を有するイメージセンサにおいて、完全なBDTIは、垂直に延伸してFDノードおよび/または他の画素装置に接触するため、電流漏れが生じる可能性がある。完全なBDTIの辺縁に沿って欠陥が発生すると、漏れ経路を提供するため、イメージセンサの画素解像度が低下するリスクがある。裏面トレンチの横方向サイズは、交差部分の方が大きくなっており、より多くのエッチング液がトレンチの中に入って、画素領域の交差部分におけるエッチレートを増加させるため(マイクロローディング効果とも称される)、完全なBDTIのこの問題は、特に、画素領域の交差部分に配置されるFDノードにとって特に重大である。そのため、完全なBDTIは、トレンチ形成の自然な結果として、FDノードにおいてより深くなる。そのため、画素共有型レイアウト構造のBDTIは、大きな深度余裕を必要とするが、必要とされる深度余裕のために、光学的および電気的クロストークを十分に防ぐことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、いくつかの実施形態において、イメージセンサの形成方法を提供する。この方法は、上面図から見て行と列に配列された複数の画素領域内で、それぞれ基板内に第1ドーピング型の複数のフォトダイオードを形成することを含む。基板内にバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成して、複数の画素領域を分離する。BDTI構造は、複数のフォトダイオードを取り囲み、複数の画素領域の交差部分に配置された第1BDTI素子および複数の画素領域の残りの周辺部分に配置された第2BDTI素子を含む。第1BDTI素子は、基板の裏面から第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有する。
【0006】
本発明は、また、いくつかの実施形態において、イメージセンサの形成方法を提供する。この方法は、基板の第1画素領域に第1フォトダイオードを形成し、第1画素領域に隣接する基板の第2画素領域に第2フォトダイオードを形成することを含む。第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードは、第1ドーピング型のフォトダイオードである。第1フォトダイオードと第2フォトダイオードの間の基板の裏面にブロッキング層を形成する。ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードの向かい合う側にそれぞれ第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化する。エッチングを行い、ブロッキング層を通過して第1深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第1部分を深くし、第2深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第2部分を深くする。第2深さは、第1深さより大きい。BDTIトレンチの第1部分および第2部分を充填して、それぞれ第1深さを有する第1BDTI素子および第2深さを有する第2BDTI素子を形成することにより、バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成する。
【0007】
本発明は、さらに、いくつかの実施形態において、複数の画素領域内で、それぞれ基板内に配置された複数のフォトダイオードと、浮遊拡散(FD)ノードと、バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、を含むイメージセンサを提供する。FDノードは、基板の前面から基板の中に延伸する。FDノードは、複数の画素領域の交差部分に配置され、複数の画素領域間で共有される。BDTI構造は、基板の裏面から延伸して、複数の画素領域を分離し、BDTI構造は、複数の画素領域の交差部分を中心とするブロッキング領域に配置された第1BDTI素子および複数の画素領域の残りの領域に配置された第2BDTI素子を含む。第1BDTI素子は、第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に基づくと、異なる深さを有するBDTI構造は、隣接する画素領域間に最適な電気的および光学的隔離を提供する。そのため、FDノードからの漏れ経路を軽減して、より優れた隔離を提供し、隣接する画素領域間のクロストークを十分に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0010】
【
図1】
図1A~
図1Fは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造の形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面図である。
【
図2】
図2A~
図2Dは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって分離された複数の画素領域を有するイメージセンサのいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図3】
図3A~
図3Cは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって分離された複数の画素領域のアレイを有するイメージセンサのいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図4】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図5】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図6】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図7】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図8】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図9】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図10】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図11】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図12】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図13】
図4A~
図13Bは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の上面図および断面図である。
【
図14】
図14は、第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本開示を単純化するために、構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらはもちろん単なる例であり、限定することを意図しない。例えば、以下の説明における第1の特徴の上または第2の特徴の上への形成は、第1および第2の特徴が直接接触するように形成される実施形態を含み、また、第1と第2の特徴は直接接触せずに、追加の特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成されるような実施形態も含み得る。さらに、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純さと明瞭さの目的のためであって、それ自体は、議論された様々な実施形態間および/または構成間の関係を指示するものではない。
【0012】
さらに、「下に」、「下方に」、「下位に」、「上方に」、「上位に」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を記載するために、説明を容易にするためにここでは使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図している。装置は他の方向を向いていてもよく(90度または他の方向に回転される)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて同様に解釈され得る。
【0013】
本発明は、異なる深さを有する第1BDTI素子および第2BDTI素子を有するBDTI構造、および関連するイメージセンサデバイスの形成方法に関するものである。異なる深さを有するBDTI構造は、隣接する画素領域間に最適な電気的および光学的隔離を提供するよう構成される。イメージセンサは、複数の画素領域の交差部分に配置された同じFDノードを共有する複数のフォトダイオードを有する画素共有型レイアウト構造を有することができる。第1BDTI素子は、交差部分に配置されて第1深さを有し、FDノードから垂直に間隔を空けるため、FDノードからの漏れ経路を軽減することができる。第2BDTI素子は、複数の画素領域の他の周辺部分を取り囲んで、第1BDTI素子の第1深さより大きい第2深さを有するため、より優れた隔離を提供し、隣接する画素領域間のクロストークを改善することができる。いくつかの実施形態において、第1深さは、完全な隔離を行うために、イメージセンサデバイスの基板の最大深度(full depth)であってもよい。
【0014】
以下、さらに詳しい例を挙げて説明する。いくつかの実施形態において、BDTI構造は、BDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化することと、エッチングを行い、ハードマスクに基づいて、基板の中に向かってBDTIトレンチを深くすることと、深くしたBDTIトレンチを隔離材料で充填することによって形成される。BDTIトレンチを形成する前に、基板の裏面にブロッキング層を形成して、第1BDTI素子を定義する領域を覆ってもよい。ブロッキング層は、BDTIトレンチ掘り下げの1回またはそれ以上のエッチングプロセスに対するエッチレート(etch rate)を低くする。そのため、第1BDTI素子に対応するBDTIトレンチの第1部分の掘り下げが遅れるため、BDTIトレンチの第1部分の深さは、第2BDTI素子を定義するBDTIトレンチの第2部分より小さくなる。ブロッキング層を配置して第1BDTI素子を形成することにより、1つのマスクを使用して1回のフォトリソグラフィープロセスでBDTI構造の第1および第2BDTI素子を形成することができる。第1および第2BDTI素子は、1つのマスクを使用して定義されるため、重複やミスアライメント(misalignment)の問題が解消される。
【0015】
図1A~
図1Fは、異なる深さd1、d2の第1および第2BDTI素子124a、124bを含むバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造124の形成方法のいくつかの実施形態の一連の断面
図100A~100Fである。
【0016】
BDTI構造124を形成する前に、基板102を前面102fから作成することができる。第1画素領域103aに第1フォトダイオード104aを形成することができ、第1画素領域103aに隣接する第2画素領域103bに第2フォトダイオード104bを形成することができる。第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードは、第1ドーピング型(例えば、n型)のフォトダイオードである。第1フォトダイオード104aと第2フォトダイオード104bの間に、基板102の前面102fから第1ドーピング型の浮遊拡散(FD)ノード108を形成することができる。第1および第2画素領域103aおよび103bは、FDノード108を共有することができる。各フォトダイオード104とFDノード108の間にそれぞれ転送ゲート110を形成することができる。転送ゲート110は、フォトダイオード104とFDノード108の間の電流フローを制御するよう構成される。転送ゲート110は、基板102の前面102fに沿って配置されたゲート電極およびゲート誘電体を含むことができる。転送ゲート110は、電流フローのより優れた制御を行うために、基板内に垂直に延伸してもよい。ゲート電極は、例えば、ドープされたポリシリコン、導電性金属(例えば、アルミニウム)等を含むことができる。ゲート酸化物は、高k誘電体(high-k dielectric)、酸化物(例えば、二酸化ケイ素)等を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、基板102の前面102fに並ぶようにエッチストップ層116を形成する。エッチストップ層116は、形成される第2BDTI素子124bのエッチングストップを提供するよう構成されることができる(例えば、
図1C、
図1Dを参照)。いくつかの実施形態において、エッチストップ層116は、第2BDTI素子124bが形成される領域を少なくとも覆うようにパターン化されてもよい。あるいは、エッチストップ層116は、基板102の前面102fの上表面および転送ゲート110の側壁と上表面の輪郭に沿うように形成されてもよい。エッチストップ層116の上に層間誘電体(inter-layer dielectric, ILD)層132を形成することができる。続いて、転送ゲート110およびFDノード108に対し、ILD層および/またはエッチストップ層116を通って導電性コンタクトおよび金属相互接続層(図示せず)を形成してもよい。
【0018】
図1Aの断面
図100Aに示すように、いくつかの実施形態において、基板102の裏面102bにブロッキング層112を形成してパターン化し、第1BDTI素子124aを定義する領域を覆う(
図1D~
図1Fを参照)。ブロッキング層112は、FDノード108を覆うように形成されてもよい。
【0019】
図1Bの断面
図100Bに示すように、いくつかの実施形態において、ブロッキング層112の上にハードマスク114を形成する。続いて、ハードマスク114をパターン化して、ブロッキング層112の真上に第1部分122を有し、且つ第2BDTI素子124bを定義する画素領域103a、103bの反対側に第2部分120を有するBDTIトレンチを形成する(
図1D~
図1Fを参照)。1回のフォトリソグラフィープロセスを使用して、BDTIトレンチの第1部分122および第2部分120を定義し、BDTI構造の第1および第2BDTI素子に対応してハードマスク114をパターン化することができる。それにより、重複やミスアライメントの問題が解消される。
【0020】
図1Cの断面
図100Cに示すように、いくつかの実施形態において、エッチングを行い、ハードマスク114に基づいて、基板102の中に向かってBDTIトレンチを深くする。ブロッキング層112は、エッチレートを低くするため、BDTIトレンチの第2部分120の掘り下げと比較して、BDTIトレンチの第1部分122の掘り下げは、ブロッキング層112によって遅れる。その結果、BDTIトレンチの第1部分122は、第2部分120の第2深さd2’より小さい第1深さd1’で形成される。そのため、FDノード108から垂直に間隔を空けて第1部分122を形成することができ、第2部分120をより深く形成して、隣接する画素領域のより優れた隔離を提供することができる。いくつかの実施形態において、第2部分120は、基板102を通って、基板102の最大垂直深度を有するように形成されてもよい。第2部分120のエッチングは、エッチストップ層116で停止することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、エッチングは、ブロッキング層112と基板102のエッチングに対し、異なるエッチレートを有する。エッチレートは、ある期間内にエッチングによって除去された深さとして定義される。いくつかの実施形態において、基板102およびブロッキング層112のBDTIトレンチエッチングのエッチレート率は、約10:1~約30:1の範囲であってもよい。エッチレート率が小さい(例えば、エッチレートが10:1より小さい)場合、ブロッキング層の深度差Δdが不十分になるか、厚さが厚くなる可能性がある。エッチレート率が大きい(例えば、エッチレートが30:1より大きい)場合、深度差Δdの制御が粗雑になる可能性がある。
【0022】
図1Dの断面
図100Dに示すように、いくつかの実施形態において、深くしたBDTIトレンチに隔離材料を充填して、異なる深さd1、d2の第1および第2BDTI素子124a、124bを有するBDTI構造124を形成する。ハードマスク114を形成してパターン化する前にブロッキング層112を配置することによって、BDTI構造124の第1および第2BDTI素子124a、124bを1回のフォトリソグラフィープロセスで形成することができる。第1および第2BDTI素子124a、124bは、1つのマスクおよび1回のフォトリソグラフィープロセスを使用して定義されるため、重複やミスアライメントの問題が解消される。
【0023】
隔離材料を充填した後、平坦化プロセスを行って、余分な隔離材料を除去し、平面状の上表面を形成する。いくつかの実施形態において、隔離材料は、平坦化を行うために減らされるが、平坦化後もハードマスク114、ブロッキング層112、および複数のフォトダイオード104を覆っている。得られたデバイス構造は、
図1Dに示すように、ハードマスク114の上方に適切な厚さのBDTI構造124を有することができる。
【0024】
図1Eの断面
図100Eに示すように、いくつかの追加の実施形態において、平坦化プロセスを行って、フォトダイオード104を覆っている隔離材料を除去する。ハードマスク114および/またはブロッキング層112を部分的に、または完全に除去することによって、放射線がフォトダイオード104に到達しやすくすることができる。
図1Eは、ハードマスク114がブロッキング層112を覆うデバイス構造の例である。第1および第2BDTI素子124a、124bは、ハードマスク114の上表面と並んだ上表面を有することができる。図示していないが、第1および第2BDTI素子124a、124bがブロッキング層112の上表面と並んだ上表面を有するように、追加的に、または代替的に平坦化プロセスを行って、ハードマスク114をさらに低くし、ブロッキング層112の上で停止してもよい。
【0025】
図1Fの断面
図100Fに示すように、いくつかの追加の実施形態において、平坦化プロセスを行って、隔離材料をさらに減らし、ハードマスク114およびブロッキング層112を除去することによって、放射線がフォトダイオード104に到達しやすくする。その結果、第1および第2BDTI素子124a、124bは、基板102の裏面102bの上表面と並んだ上表面を有することができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、図示していないが、続いて、画素領域103a、103bに対応する基板102の裏面102bに反射防止層およびカラーフィルタを形成することができる。カラーフィルタは、特定範囲の波長を有する放射線を透過させるが、特定範囲外の波長の光を遮断するよう構成される。隔離を行うために、カラーフィルタ隔離構造(例えば、複合格子)を形成して、カラーフィルタを分離してもよい。また、カラーフィルタの上にマイクロレンズを形成してもよい。
【0027】
操作中、入射放射線は、マイクロレンズおよびカラーフィルタを通過して、基板102の裏面102bにぶつかり、基板102の裏面102bからフォトダイオード104に入る。フォトダイオード104は、入射放射線(例えば、光子)を電気信号に変換する(すなわち、入射放射線から電子と正孔の対を生成する)よう構成される。第1深さd1を有する第1BDTI素子124aがFDノード108から間隔を空けて覆うことによって、画素領域103a、103bを隔離しながら、FDノード108から電気信号が漏れるのを防ぐ。第1深さd1より大きい第2深さd2(例えば、基板102の最大深度)を有する第2BDTI素子124bを画素領域103aと103bの間の残りの周辺領域および画素領域103a、103bの外側の境界部分に配置することによって、画素領域103a、103bと隣接する画素領域の間に最適な隔離を提供する。
【0028】
図2A~
図2Dは、異なる深さの第1および第2BDTI素子124a、124bを含むBDTI構造124によって分離および隔離された複数の画素領域103a~103dを有するイメージセンサのいくつかの実施形態の上面図および断面
図200A~200Dである。図面および明細書の説明において4つの画素領域103a~103dを例に挙げているが、異なる数量の画素領域を設計してFDノードを共有できることを理解されたい。同じパターンまたは複数の異なるパターンを繰り返して、適切な数の画素領域をイメージセンサに配置することができる。
【0029】
図2Aの上面
図200Aに示すように、BDTI構造124は、イメージセンサの画素領域103を隔離する。BDTI構造124は、ブロッキング領域112r内に配置された第1BDTI素子124a、およびブロッキング領域112rの外側の複数の画素領域103a~103dの残りの周辺部分に配置された第2BDTI素子124bを含む。いくつかの実施形態において、ブロッキング領域112rは、複数の画素領域103a~103dの交差部分を覆う。ブロッキング領域112rは、正方形であっても、矩形であってもよく、複数の画素領域103a~103dの交差部分を中心とすることができる。第1BDTI素子124aは、複数の画素領域103a~103dの交差領域で交差する十字形を有することができる。
【0030】
図2Aの線B-B’および線C-C’に沿った
図2Bおよび
図2Cの断面
図200Bおよび200Cに示すように、いくつかの実施形態において、各画素領域103は、転送ゲート110およびフォトダイオード104を含む。FDノード108は、転送ゲート110のフォトダイオード104と向かい合う側に配置することができる。FDノード108を複数の画素領域103a~103dの交差部分に配置して、複数の画素領域103a~103dで共有してもよい。転送ゲート110は、フォトダイオード104とFDノード108の間の電流フローを制御するよう構成される。転送ゲート110は、基板102の前面102fに沿って配置されたゲート電極およびゲート誘電体を含むことができる。電流フローのより優れた制御を行うために、転送ゲート110は、基板内に垂直に延伸してもよい。ゲート電極は、例えば、ドープされたポリシリコン、導電性金属(例えば、アルミニウム)等を含むことができる。ゲート酸化物は、高k誘電体、酸化物(例えば、二酸化ケイ素)等を含むことができる。
【0031】
図2Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図2B~
図2Dの断面
図200B~200Dに示すように、いくつかの実施形態において、BDTI構造124の第1BDTI素子124aおよび第2BDTI素子124bは、基板102の裏面102bからそれぞれ第1深さd1および第2深さd2に向かって延伸する。第1深さd1は、第2深さd2より小さい。いくつかの実施形態において、第1深さd1は、第2深さd2の0.1~0.9倍の範囲であってもよい。第1BDTI素子124aは、FDノード108から間隔を空けて垂直に配置することができる。FDノード108からの漏れを防ぎ、同時に、第1画素領域103aと第2画素領域103bの間の光学的および電気的隔離を提供するために、FDノード108と第1BDTI素子124aの間の距離は、約1μm~約9μmの間の範囲、または約2μm~約3μmの間の範囲であってもよい。第1BDTI素子124aまたは第2BDTI素子124bの幅は、約40nm~約400nmの間の範囲、または約100nm~約150nmの間の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、第1BDTI素子124aの第1深さd1は、約0.1μm~約6μmの間の範囲である。いくつかの実施形態において、第2BDTI素子124bの第2深さd2は、約2μm~約10μmの間の範囲である。
【0032】
いくつかの実施形態において、第2BDTI素子124bは、基板102を通って配置され、基板102の最大深度である第2深さd2を有することができる。第1BDTI素子124aの第1深さd1は、マイクロローディング効果により、複数の画素領域103a~103dの交差部分において、残りの周辺領域より大きくなることができる。そのため、第1BDTI素子124aの第1深さd1は、交差領域を横切る線B-B’に沿った
図2Bに示すように、画素領域103a、103bの残りの周辺領域を横切る線C-C’に沿った
図2Cより大きくなることができる。
【0033】
また、
図2Dに示すように、いくつかの実施形態において、第1BDTI素子124aおよび第2BDTI素子124bは、
図2Aの線D-D’のように、BDTI線に沿って連続した本体である。第1BDTI素子124aは、第1深さd1が第1BDTI素子124aの十字形の中心領域124cから周辺領域124pに向かって単調に減少する凸形状を有する(
図2Aおよび
図2Dを参照)。上述したように、十字形の中心領域124cおよび周辺領域124pは、ブロッキング領域112rの中心領域および境界領域に対応することができる。
図2Cの断面
図200Cに示した第1BDTI素子124aの第1深さd1は、第1BDTI素子124aの十字形の中心領域124cと周辺領域124pの間の中間点を横切る線C-C’に沿って取られたものである。そのため、
図2Cの断面
図200Cに示した第1BDTI素子124aの第1深さd1は、
図2Dの断面
図200Dに示した第1BDTI素子124aの中心領域124cの第1深さd1と周辺領域124pの第1深さd1の間にある。
【0034】
図3A~
図3Cは、基板102内に配置され、且つ異なる深さd1、d2の第1および第2BDTI素子124a、124bを含むBDTI構造124によって分離された複数の画素領域のアレイを有するイメージセンサのいくつかの実施形態の上面図および断面
図300A~300Cである。BDTI構造124は、隣接する画素領域の隔離を提供するよう構成される。
【0035】
例として、
図3Aに示すように、イメージセンサは、行と列に、または別のアレイに配列された複数の画素領域(例えば、103-1、103-2、103-3)を含むことができる。複数の画素領域103-1、103-2、および103-3のそれぞれは、FDノード(図示せず)を共有する複数の画素領域(例えば、画素領域103a~103d)を含むことができる。FDノードは、複数の画素領域103a~103dの交差部分に配置することができる。いくつかの実施形態において、複数の画素領域103a~103dの交差部分を覆うようにブロッキング領域112rを定義する。ブロッキング領域112rは、正方形であっても、矩形であってもよく、複数の画素領域103a~103dの交差部分を中心とすることができる。いくつかの実施形態において、BDTI構造124は、ブロッキング領域112r内に配置された第1BDTI素子124a、およびブロッキング領域112rの外側の複数の画素領域103a~103dの残りの周辺部分に配置された第2BDTI素子124bを含む。
【0036】
図3Bに示すように、BDTI構造124の第1BDTI素子124aおよび第2BDTI素子124bは、基板102の裏面102bからそれぞれ第1深さd1および第2深さd2に向かって延伸する。第1深さd1は、第2深さd2より小さい。第1BDTI素子124aは、FDノードから垂直に間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態において、第2BDTI素子124bは、基板102を通って配置され、基板102の最大深度である第2深さd2を有することができる。第2BDTI素子124bが第1深さd1より大きい第2深さd2を有することによって、FDノードの電流漏れが生じることなく、隣接する画素領域間に最適な隔離が提供される。
【0037】
図3Cに示すように、いくつかの実施形態において、
図3AのBDTI線(例えば、線C-C’)に沿って、第1BDTI素子124aの第1深さd1は、マイクロローディング効果により、複数の画素領域103a~103dの交差部分において、残りの周辺領域より大きくなることができる。そのため、第1BDTI素子124aは、第1深さd1が第1BDTI素子124aの十字形の中心領域124cから周辺領域124pに向かって単調に減少する凸形状を有する(
図3Aおよび
図3Cを参照)。十字形の中心領域124cおよび周辺領域124pは、ブロッキング領域112rの中心領域および境界領域に対応することができる。
【0038】
また、
図3Bの断面
図300Bに示した第1BDTI素子124aの第1深さd1は、第1BDTI素子124aの十字形の中心領域124cと周辺領域124pの間の中間点を横切る線B-B’に沿って取られたものである。そのため、
図3Bの断面
図300Bに示した第1BDTI素子124aの第1深さd1は、
図3Cの断面
図300Cに示した第1BDTI素子124aの中心領域124cの第1深さd1と周辺領域124pの第1深さd1の間にあってもよい。
【0039】
図4A~
図13Bは、隣接する画素領域を互いに隔離する第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造を有するイメージセンサの形成方法のいくつかの実施形態の断面
図400A~1300Bである。
図4A~
図13Bは、方法に関する説明であるが、
図4A~
図13Bにおいて開示した構造は、方法に限定されず、方法とは無関係な構造として独立してもよいことを理解されたい。
【0040】
図4A~
図7Bは、基板102を前面102fから作成し、基板102の前面102fに沿って様々なドープ領域およびゲート構造を形成するいくつかの例を示したものである。下記のより詳細な例によって示されるように、いくつかの実施形態において、複数の画素領域103a~103d内に第1ドーピング型(例えば、n型)の複数のフォトダイオード104を対応して形成する。第1ドーピング型の共有されたFDノード108は、複数の画素領域103a~103dの交差領域に形成されてもよい。複数の転送ゲート110は、複数のフォトダイオード104とFDノード108の間に対応して形成されてもよい。
【0041】
様々な実施形態において、基板102は、半導体ウェハまたはウェハ上の1つまたはそれ以上のダイ等の任意の種類の半導体本体(例えば、シリコン/CMOSバルク、SiGe等)、および任意の他の種類の半導体および/またはその上に形成された、および/またはそれに関連したエピタキシャル層を含むことができる。基板102は、例えば、ブランケット注入または傾斜エピタキシャル成長プロセスにより、第1ドーピング型(例えば、p型)で作成することができる。
【0042】
図4Aの上面
図400Aおよび上面
図400Aの線B-B’に沿った
図4Bの断面
図400Bに示すように、いくつかの実施形態において、基板102の前面102fに沿って隔離ウェル106を形成し、複数の画素領域103a~103dを分離する。隔離ウェル106は、所定の位置にマスキング層を有する基板102に第2ドーピング型(例えば、p型)の注入プロセスを選択的に行い、ドープされた隔離領域を形成することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、基板102の前面102fに沿ってシャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation, STI)(図示せず)を形成し、複数の画素領域103a~103dを分離してもよい。前面102fから基板を選択的にエッチングして、浅いトレンチを形成することによってSTI構造を形成し、続いて、浅いトレンチ内に酸化物または他の誘電体材料を形成することができる。基板102の前面102fからSTI構造より深い位置に隔離ウェル106を形成してもよい。隔離ウェル106は、STI構造の中心に揃えてもよい。
【0043】
図5Aの上面
図500Aおよび上面
図500Aの線B-B’に沿った
図5Bの断面
図500Bに示すように、いくつかの実施形態において、複数の画素領域103a~103dのそれぞれの中にフォトダイオード104を形成する。フォトダイオード104は、第1ドーピング型(例えば、n型)のドープ領域を含むことができ、注入プロセスによって形成することができる。フォトダイオード104は、異なるドーピング濃度の複数のドープ層を含むことができ、複数のドープ層の側壁は、必ずしも揃える必要はない。いくつかの代替の実施形態において、エピタキシャルプロセスによってフォトダイオード104を形成し、ブランケットドープ層を形成した後、様々な隔離構造を形成してもよい。また、第1ドーピング型(例えば、n型)を有するように基板102の前面102fから基板102の一部をドーピングすることによって、FDノード108を形成してもよい。いくつかの実施形態において、FDノード108は、フォトダイオード104より高いドーピング濃度を有する。隔離ウェル106の一部は、フォトダイオード104および基板102からFDノード108を分離することができる。
【0044】
図6Aの上面
図600Aおよび上面
図600Aの線B-B’に沿った
図6Bの断面
図600Bに示すように、いくつかの実施形態において、複数のフォトダイオード104とFDノード108の間に複数の転送ゲートを対応して形成する。転送ゲート110は、基板102の上にゲート誘電体膜およびゲート電極膜を堆積させることによって形成されてもよい。続いて、ゲート誘電体膜およびゲート電極膜をパターン化して、ゲート誘電体層およびゲート電極を形成する。転送ゲート110は、フォトダイオード104の中に延伸する垂直なゲートであってもよい。転送ゲート110の側壁にゲート側壁スペーサ(図示せず)を形成してもよい。転送ゲート110は、フォトダイオード104、隔離ウェル106、および/またはFDノード108の一部の上を覆うように形成されてもよい。
【0045】
図7Aの上面
図700Aおよび上面
図700Aの線B-B’に沿った
図7Bの断面
図700Bに示すように、いくつかの実施形態において、基板102の前面102fの上にエッチストップ層116を形成する。いくつかの実施形態において、エッチストップ層116は、窒化物(例えば、窒化ケイ素)、炭化物(例えば、炭化ケイ素)、酸化物(例えば、酸化ケイ素)等を含むことができる。エッチストップ層116は、形成される第2BDTI素子のエッチングストップを提供するよう構成されてもよい(例えば、
図10B、
図11Bを参照)。いくつかの実施形態において、エッチストップ層116は、基板102の前面102fの上表面および複数の転送ゲート110の側壁と上表面の輪郭に沿うように形成される。その後、エッチストップ層116の上に層間誘電体(ILD)層132を形成し、ILD層132およびエッチストップ層116を通って転送ゲート110およびFDノード108に結合されたゲートコンタクト132aおよびFDノードコンタクト132b等の導電性コンタクトを形成することができる。
【0046】
いくつかの代替の実施形態において、エッチストップ層116をパターン化して、第2BDTI素子が形成される領域を覆うことができる。パターン化されたエッチストップ層116pの例は、
図7Aに示した通りであり、第1BDTI素子のために設計された複数の画素領域103a~103dの交差領域をパターン化されたエッチストップ層116pによって露出することができる。
【0047】
図7Aおよび
図7Bには示していないが、追加のILD層内に配置された金属相互接続層を含むメタライゼーションスタックを基板102の前面102fに形成することができる。いくつかの実施形態において、導電性コンタクトおよびメタライゼーションスタックは、ダマシン(damascene)工程(例えば、シングルダマシン工程またはデュアルダマシン工程)によって形成されてもよい。具体的に説明すると、ILD層を堆積させてからエッチングすることによって、ビアホールおよび/または金属トレンチを形成してもよい。その後、ビアホールおよび/または金属トレンチを導電材料で充填して、導電性コンタクトおよび金属相互接続層を形成する。いくつかの実施形態において、ILD層は、堆積技術(例えば、PVD、CVD等)によって堆積させることができる。堆積工程および/またはメッキ工程(例えば、電気メッキ、無電解メッキ等)を使用して、複数の金属相互接続層を形成してもよい。様々な実施形態において、複数の金属相互接続層は、例えば、タングステン、銅、またはアルミニウム銅を含むことができる。その後、ハンドル基板または別の機能素子(図示せず)にILD層を結合することができる。いくつかの実施形態において、接合プロセスは、ILD層とハンドル基板の間に配置された中間接合酸化物層を使用することができる。いくつかの実施形態において、接合プロセスは、融着工程を含むことができる。
【0048】
図8A~
図13Bは、基板102をひっくり返して、前面102fの反対側にある裏面102bでさらに処理した場合のいくつかの例を示したものである。下記のより詳細な例によって示されるように、いくつかの実施形態において、まず、基板102の裏面102bにブロッキング層112を形成してパターン化し、第1BDTI素子を定義する領域を覆う。ブロッキング層112の上にハードマスク114を形成する(
図8A~
図8D)。続いて、ハードマスク114をパターン化して、ブロッキング層112の真上に第1部分122を有し、且つ第2BDTI素子を定義する複数の画素領域103a~103dの残りの周辺部分に第2部分120を有するBDTIトレンチを形成する(
図9A~
図9D)。それから、エッチングを行い、ハードマスク114に基づいて、基板102の中に向かってBDTIトレンチを深くする(
図10A~
図10D)。ブロッキング層112は、エッチレートを低くするため、BDTIトレンチの第1部分122の掘り下げは、ブロッキング層112によって遅れる。その結果、第1部分122は、第2部分120より小さい深さになり、第1部分122は、FDノード108から垂直に間隔を空けることができる。その後、深くしたBDTIトレンチに隔離材料を充填して、異なる深さの第1および第2BDTI素子124a、124bを有するBDTI構造124を形成することができる(
図11A~
図11D)。ハードマスク114を形成してパターン化する前にブロッキング層112を配置することによって、BDTI構造124の第1および第2BDTI素子124a、124bは、1つのマスクを使用して、1回のフォトリソグラフィープロセスで形成することができる。第1および第2BDTI素子124a、124bは、1つのマスクを使用して定義されるため、重複やミスアライメントの問題が解消される。
【0049】
上面
図800Aおよび上面
図800Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図8B~
図8Dの断面
図800B~800Dに示すように、いくつかの実施形態において、基板102の裏面102bにブロッキング層112を形成してパターン化し、第1BDTI素子を定義する領域を覆う。ブロッキング層112は、正方形であっても、矩形であってもよく、複数の画素領域103a~103dの交差部分を中心とすることができる。ブロッキング層112は、酸化物(例えば、二酸化ケイ素)等の誘電体材料を含むことができる。ブロッキング層112は、約200Å~約1000Åの範囲の厚さtを有することができる。ブロッキング層112の厚さは、例えば、400Åである。ブロッキング層112の厚さtは、形成される第1BDTI素子124aおよび第2BDTI素子124bの目的とする深度差Δdに基づいて、決定することができる(例えば、
図12Bを参照)。
【0050】
ブロッキング層を形成する前に、裏面102bから基板102を薄くして、基板102の厚さを減らし、放射線が基板102の裏面102bを通過してフォトダイオード104に入るようにすることができる。いくつかの実施形態において、基板102は、基板102の裏面102bをエッチングまたは機械研磨することによって、薄くすることができる。
【0051】
ブロッキング層112を形成した後、基板の裏面102bの上にハードマスク114を形成し、ブロッキング層112を覆うことができる。ハードマスク114は、様々なポリマー、誘電体、および/または金属材料の1回またはそれ以上の堆積またはスピンオン(spin-on)プロセスによって形成されてもよい。ハードマスク114の例は、底部から上部に堆積した炭素系ハードマスク、シリコン含有ハードマスク、およびフォトレジストを含む三層構造を含むことができる。
【0052】
上面
図900Aおよび上面
図900Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図9B~
図9Dの断面
図900B~900Dに示すように、続いて、ハードマスク114をパターン化して、BDTIトレンチを形成し、複数の画素領域103a~103dを分離する。ハードマスク114は、パターン化されたフォトレジスト層134を用いてフォトリソグラフィプロセスを行った後、エッチングプロセスを行い、パターン化されたフォトレジスト層134に基づいて、ハードマスク114をエッチングすることによってパターン化することができる。BDTIトレンチは、ブロッキング層112を覆い、且つ露出する十字形の第1部分122および複数の画素領域103a~103dの残りの周辺部分にある第2部分120を有することができる。第1および第2BDTI素子124a、124bは、1つのマスクおよび1回のフォトリソグラフィプロセスを使用して定義されるため、重複やミスアライメントの問題が解消される。いくつかの実施形態において、BDTIトレンチの第1および第2部分122、120は、同じ幅wで形成される。
【0053】
上面
図1000Aおよび上面
図1000Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図10B~
図10Dの断面
図1000B~1000Dに示すように、エッチングを行い、ハードマスク114に基づいて、基板102の中に向かってBDTIトレンチを深くする。エッチングは、ブロッキング層112と基板102とで異なるエッチレートを有する。エッチレートは、ある期間内にエッチングによって除去された深さとして定義される。いくつかの実施形態において、基板102およびブロッキング層112のBDTIトレンチエッチングのエッチレート率は、約10:1~約30:1の範囲であってもよい。エッチレート率が小さい(例えば、エッチレートが10:1より小さい)場合、ブロッキング層の深度差Δdが不十分になるか、厚さが厚くなる可能性がある。エッチレート率が大きい(例えば、エッチレートが30:1より大きい)場合、深度差Δdの制御が粗雑になる可能性がある。ブロッキング層112の厚さtは、ブロッキング層112および基板102のBDTIトレンチエッチレート率に基づいて決定することができる。様々な実施形態において、エッチングは、フッ素種(例えば、CF
4、CHF
3、C
4F
8等)および/またはウェットエッチング液(例えば、フッ化水素酸(hydrofluoric acid, HF)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide, TMAH)等)を含むエッチング化学物質を有するドライエッチングプロセスを含むことができる。
【0054】
ブロッキング層112は、エッチレートを低くするため、BDTIトレンチの第1部分122の掘り下げは、ブロッキング層112によって遅れる。その結果、第1部分122は、第2部分120の第2深さd2より小さい第1深さd1を形成する。第1部分122は、隔離ウェル106の中に到達するが、FDノード108から垂直に間隔を空けることができる。
【0055】
BDTIトレンチの第1部分122および第2部分120は、それぞれマイクロローディング効果により、複数の画素領域103a~103dの交差部分において、残りの周辺領域より大きい深さを有する。また、いくつかの実施形態において、BDTIトレンチの第1部分122の底部は、十字形の中心領域から周辺領域に向かって単調に減少する第1深さを有する凸形状を有する。上述したように、十字形の中心領域および周辺領域は、ブロッキング領域112の中心領域および境界領域に対応することができる。
【0056】
上面
図1100Aおよび上面
図1100Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図11B~
図11Dの断面
図1100B~1100Dに示すように、深くしたBDTIトレンチに隔離材料を充填して、異なる深さd1、d2の第1および第2BDTI素子124a、124bを有するBDTI構造124を形成する。
【0057】
ハードマスク114を形成してパターン化する前にブロッキング層112を配置することによって、BDTI構造124の第1および第2BDTI素子124a、124bは、1回のフォトリソグラフィープロセスを使用してを形成することができる。第1および第2BDTI素子124a、124bは、1つのマスクを使用して定義されるため、重複やミスアライメントの問題が解消される。
【0058】
上面
図1200Aおよび上面
図1200Aの線B-B’、線C-C’、および線D-D’に沿った
図12B~
図12Dの断面
図1200B~1200Dに示すように、いくつかの実施形態において、平坦化プロセスを行って、余分な隔離材料を除去し、平面状の表面を形成する。BDTIトレンチの第1部分122および第2部分120は、それぞれマイクロローディング効果により、複数の画素領域103a~103dの交差部分において、残りの周辺領域より大きい深さを有する。また、いくつかの実施形態において、BDTIトレンチの第1部分122の底部は、十字形の中心領域から周辺領域に向かって単調に減少する第1深さを有する凸形状を有する。上述したように、十字形の中心領域および周辺領域は、ブロッキング領域112の中心領域および境界領域に対応することができる。
【0059】
いくつかの代替の実施形態において、隔離材料は、平坦化のためにエッチングされるが、平坦化後も残って、ハードマスク114、ブロッキング層112、および複数のフォトダイオード104を覆っている。得られたデバイス構造は、
図11A~
図11Dに示すように、ハードマスク114の上方に適切な厚さのBDTI構造124を有することができる。
【0060】
上面
図1300Aおよび上面
図1300Aの線B-B’に沿った
図13Bの断面
図1300Bに示すように、いくつかの実施形態において、続いて、基板102の裏面102bの上に複数のカラーフィルタ128a~128dを形成することができる。いくつかの実施形態において、複数のカラーフィルタ128a~128dは、複数の画素領域103a~103dに対応する各カラーフィルタ層を形成してパターン化することによって、個別に形成されてもよい。カラーフィルタ層は、特定範囲の波長を有する放射線(例えば、光)を透過させるが、特定範囲外の波長の光を遮断することのできる材料である。隔離を行うために、カラーフィルタ隔離構造(図示せず)、例えば、複合格子を形成して、カラーフィルタ128a~128dを分離してもよい。
【0061】
また、複数のカラーフィルタ128a~128dの上に複数のマイクロレンズ130を形成することができる。例として、複数のマイクロレンズは、複数のカラーフィルタ128a~128dの上方にマイクロレンズ材料を堆積せること(例えば、スピンオン法または堆積プロセス)によって形成されてもよい。マイクロレンズ材料の上に湾曲した上表面を有するマイクロレンズテンプレートをパターン化する。いくつかの実施形態において、マイクロレンズテンプレートは、分布露光量(例えば、ネガ型フォトレジストについては、より多くの光が曲面の底部において露光し、より少ない光が曲面の上部において露光する)を用いて露光し、現像およびベークを行って、丸い形状を形成したフォトレジスト材料を含むことができる。その後、マイクロレンズテンプレートに基づいてマイクロレンズ材料を選択的にエッチングすることにより、複数のマイクロレンズを形成する。
【0062】
図14は、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI構造によって互いに分離された複数の画素領域を有するイメージセンサの形成方法1400のいくつかの実施形態のフロー図である。
【0063】
方法1400は、一連の動作または事象として示され、説明されているが、これらの動作または事象の順序によって限定されないことが理解されるべきである。例えば、いくつかの動作は、本明細書で示され、および/または記載されたものとは異なる順序で、および/または他の動作または事象と同時に発生してもよい。また、本明細書の1つまたはそれ以上の態様または実施形態を実施するために、必ずしも示された全ての動作が必要とされる訳ではない。さらに、本明細書において記載された1つまたはそれ以上の動作は、1つまたはそれ以上の別々の動作および/または段階において実行してもよい。
【0064】
動作1402において、基板の前面を作成し、イメージセンサを形成する。具体的に説明すると、上面図から見て行と列に配列された複数の画素領域内で、それぞれ基板内に第1ドーピング型の複数のフォトダイオードを形成することができる。複数の画素領域の交差部分に基板の前面から第1ドーピング型の浮遊拡散(FD)ノードを形成することができる。例えば、
図5A~
図5Dを参照されたい。いくつかの実施形態において、第1ドーピング型とは正反対の第2ドーピング型の複数のドープされた隔離ウェルを形成することができる。複数のドープされた隔離ウェルは基板の前面から延伸して、複数の画素領域を分離する。例えば、
図4A~
図4Dを参照されたい。複数のフォトダイオードとFDノードの間に複数の転送ゲートを対応して形成することができる。例えば、
図6A~
図6Dを参照されたい。いくつかのさらなる実施形態において、基板の前面に並ぶようにエッチストップ層を形成し、形成される第2BDTI素子のエッチングストップを提供するよう構成することができる。いくつかの実施形態において、エッチストップ層を複数の転送ゲートの側壁と上表面の輪郭に沿うように形成することができる。例えば、
図7A~
図7Bを参照されたい。
【0065】
動作1404において、基板の裏面にブロッキング層を形成して、第1BDTI素子を定義し、形成される第1BDTI素子に対応するトレンチエッチングを遅らせるよう構成することができる。ブロッキング層は、複数の画素領域の交差部分を覆うことができる。例えば、
図8A~
図8Dを参照されたい。
【0066】
動作1406において、ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ複数の画素領域の周辺部分に第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化することができる。例えば、
図9A~
図9Dを参照されたい。
【0067】
動作1408において、ハードマスクに基づいてエッチングを行い、ブロッキング層を通過して第1深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第1部分を深くし、第2深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第2部分を深くすることができる。エッチングの結果、画素領域の残りの周辺部分にある第2部分の第2深さより小さい第1深さを有する第1部分を画素領域の交差部分に含むBDTIトレンチが形成される。BDTIトレンチの第1部分は、ドープされた隔離ウェルの中に到達するが、FDノードから垂直に間隔を空けるように形成することができる。BDTIトレンチの第2の部分は、エッチングストップ層に達し、エッチングストップ層によって止められるように形成することができる。BDTIトレンチの第2部分は、基板を通って形成され、基板の最大深度である第2深さを有することができる。例えば、
図10A~
図10Dを参照されたい。
【0068】
動作1410において、BDTIトレンチに隔離材料を充填することができる。隔離材料は、誘電体と金属層のスタックを含むことができる。例えば、
図11A~
図11Dを参照されたい。
【0069】
動作1412において、平坦化プロセスを行って、基板の上方にある隔離材料の余分な部分を除去することができる。例えば、
図12A~
図12Dを参照されたい。
【0070】
動作1414において、基板の裏面に複数のフォトダイオードに対応する複数のカラーフィルタを形成することができる。カラーフィルタは、BDTI構造の第1BDTI素子 および第2BDTI素子を覆うインターフェースにおいて接触してもよい。例えば、
図1 3A~
図13Bを参照されたい。
【0071】
そのため、本発明は、イメージセンサの新しい形成方法および対応するデバイス構造に関するものである。イメージセンサは、異なる深さの第1および第2BDTI素子を含むBDTI素子構造によって取り囲まれ、且つ互いに隔離された画素領域を有するように形成される。
【0072】
したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、イメージセンサの形成方法を提供する。この方法は、上面図から見て行と列に配列された複数の画素領域内で、それぞれ基板内に第1ドーピング型の複数のフォトダイオードを形成することを含む。基板内にバックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成して、複数の画素領域を分離する。BDTI構造は、複数のフォトダイオードを取り囲み、複数の画素領域の交差部分に配置された第1BDTI素子および複数の画素領域の残りの周辺部分に配置された第2BDTI素子を含む。第1BDTI素子は、基板の裏面から第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有する。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、BDTI構造を形成するステップは、基板の裏面にブロッキング層を形成して、第1BDTI素子を定義し、ブロッキング層が複数の画素領域の交差部分を覆うことと、ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ複数の画素領域の残りの周辺部分に第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化することと、エッチングを行い、ブロッキング層を通過して第1深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第1部分を深くし、第2深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第2部分を深くすることと、BDTIトレンチに隔離材料を充填することと、を含む。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子の第1深さは、中心領域から境界領域に向かって単調に減少する。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、隔離材料を充填するステップは、BDTIトレンチに誘電体と金属層のスタックを充填することを含む。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、BDTI構造を形成するステップは、さらに、平坦化プロセスを行って、基板の上方にある隔離材料の余剰部分を除去することを含む。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、BDTI構造を形成する前に、基板の前面に並ぶようにエッチストップ層を形成することを含む。BDTI構造は、その後、エッチストップ層に到達する第2BDTI素子を有するように形成される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第2BDTI素子は、基板を通って形成され、基板の最大深度である第2深さを有する。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、BDTI構造を形成する前に、複数の画素領域の交差部分に基板の前面から第1ドーピング型の浮遊拡散(FD)ノードを形成することを含む。第1BDTI素子は、FDノードから間隔を空けて覆うように形成される。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、BDTI構造を形成する前に、第1ドーピング型とは正反対の第2ドーピング型の複数のドープされた隔離ウェルを形成ことを含む。複数のドープされた隔離ウェルは基板の前面から延伸して、複数の画素領域を分離する。BDTI構造は、その後、複数のドープされた隔離ウェルの中に到達するように形成される。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、基板の裏面に複数のフォトダイオードに対応する複数のカラーフィルタを形成することを含み、複数のカラーフィルタは、BDTI構造の第1BDTI素子および第2BDTI素子を覆うインターフェースにおいて接触する。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、イメージセンサの形成方法を提供する。この方法は、基板の第1画素領域に第1フォトダイオードを形成し、第1画素領域に隣接する基板の第2画素領域に第2フォトダイオードを形成することを含む。第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードは、第1ドーピング型のフォトダイオードである。第1フォトダイオードと第2フォトダイオードの間の基板の裏面にブロッキング層を形成する。ブロッキング層の真上に第1部分を有し、且つ第1フォトダイオードおよび第2フォトダイオードの向かい合う側にそれぞれ第2部分を有するBDTIトレンチを有するハードマスクを形成してパターン化する。エッチングを行い、ブロッキング層を通過して第1深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第1部分を深くし、第2深さまで基板の中に向かってBDTIトレンチの第2部分を深くする。第2深さは、第1深さより大きい。BDTIトレンチの第1部分および第2部分を充填して、それぞれ第1深さを有する第1BDTI素子および第2深さを有する第2BDTI素子を形成することにより、バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成する。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第2BDTI素子は、基板を通って形成され、基板の最大深度である第2深さを有する。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、第1フォトダイオードと第2フォトダイオードの間に、基板の前面から第1ドーピング型の浮遊拡散(FD)ノードを形成することを含む。ブロッキング層は、FDノード覆う。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子は、FDノードから間隔を空けて覆うように形成される。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、この方法は、さらに、平坦化プロセスを行って、基板、ハードマスク、およびブロッキング層の上方にあるBDTI構造の余剰部分を除去することを含む。
【0087】
さらに別の実施形態において、本発明は、複数の画素領域内で、それぞれ基板内に配置された複数のフォトダイオードと、浮遊拡散(FD)ノードと、バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、を含むイメージセンサを提供する。FDノードは、基板の前面から基板の中に延伸する。FDノードは、複数の画素領域の交差部分に配置され、複数の画素領域の間で共有される。BDTI構造は、基板の裏面から延伸して、複数の画素領域を分離し、BDTI構造は、複数の画素領域の交差部分を中心とするブロッキング領域に配置された第1BDTI素子および複数の画素領域の残りの領域に配置された第2BDTI素子を含む。第1BDTI素子は、第2BDTI素子の第2深さより小さい第1深さを有する。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子の第1深さは、ブロッキング領域の中心領域から境界領域に向かって単調に減少する。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子は、FDノードの真下に間隔を空けて配置される。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子は、上面図から見て十字形を有し、十字形の中心領域から周辺領域に向かって単調に減少する第1深さを有する。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態に基づき、第1BDTI素子と第2BDTI素子は、第1断面図から見て複数のフォトダイオードのうちの1つのフォトダイオードによって互いに分離され、第2断面図から見て連続して接続される。
【0092】
当業者が本開示の態様をよりよく理解することができるように、前述のことはいくつかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、本明細書に導入された実施形態の同じ目的を実行し、かつ/または同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解されたい。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、およびそれらが本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書中の様々な変更、置換、および改変をなし得ることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、イメージセンサの新しい形成方法および対応するデバイス構造を提供する。
【符号の説明】
【0094】
100A、100B、100C、100D、100E、100F、200B、200C、200D、300A、300B、300C、400B、500B、600B、700B、800B、800C、800D、900B、900C、900D、1000B、1000C、1000D、1100B、1100C、1100D、1200B、1200C、1200D、1300B 断面図
102 基板
102b 裏面
102f 前面
103、103a、103b、103c、103d、103-1、103-2、103-3 画素領域
104 フォトダイオード
104a 第1フォトダイオード
104b 第2フォトダイオード
106 隔離ウェル
108 FDノード
110 転送ゲート
112 ブロッキング層
112r ブロッキング領域
114 ハードマスク
116 エッチストップ層
116p パターン化されたエッチストップ層
120 第2部分
122 第1部分
124 バックサイドディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造
124a 第1BDTI素子
124b 第2BDTI素子
124c 中心領域
124p 周辺領域
128a、128b、128c、128d カラーフィルタ
130 マイクロレンズ
132 層間誘電体(ILD)層
134 フォトレジスト層
200A、400A、500A、600A、700A、800A、900A、1000A、1100A、1200A、1300A 上面図
1400 方法
1402、1404、1406、1408、1410、1412、1414 動作
B-B’、C-C’、D-D’ 線
d1、d1’ 第1深さ
d2、d2’ 第2深さ
t 厚さ
w 幅
Δd 深度差