(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】マスクレスリソグラフィのためのハーフトーンスキーム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023187506
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2021547701の分割
【原出願日】2020-01-24
【審査請求日】2023-12-01
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベンチャー, クリストファー デニス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ジョセフ アール.
(72)【発明者】
【氏名】レイディグ, トーマス エル.
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523476(JP,A)
【文献】特開2007-011376(JP,A)
【文献】特開2005-236292(JP,A)
【文献】特開2006-126460(JP,A)
【文献】米国特許第05635976(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0085156(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24
9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有する処理ユニットを有するリソグラフィシステムであって、各画像投影システムが多数のショットを投影するために複数の空間光変調器ピクセルを有する空間光変調器を含む、リソグラフィシステムと、
複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する前記マスクパターンデータを前記リソグラフィシステムに提供するように構成されたコントローラと
を備え、
前記コントローラが、
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、
異なる数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、及び
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群と、残りの数のピクセルを有する残りの群
のうち少なくとも1つによって空間的に前記複数の空間光変調器ピクセルを分割するように構成され、
前記コントローラによって分割されると、
前記グレートーン群が、第1の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形及び前記複数のグレートーン露光多角形へと投影するように操作可能であり、
前記フルトーン群が、第2の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影するように操作可能であり、且つ
前記残りの群が、第3の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影するように操作可能である、システム。
【請求項2】
前記空間光変調器の前記複数の空間光変調器ピクセルの各空間光変調器ピクセルが、個々に制御可能であり、複数のピクセルのうちの1つのピクセルに対応する書き込みビームを投影するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空間光変調器が、電気的にアドレス指定可能な素子のアレイである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの電気的にアドレス指定可能な素子の前記複数の空間光変調器ピクセルが、前記グレートーン群、前記フルトーン群、及び前記残りの群のうちの少なくとも1つによって空間的に分割されるミラーである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記グレートーン群と前記フルトーン群が同じ数の空間光変調器ピクセルを有する結果、グレートーン線量はフルトーン線量の半分と等しくなり、
前記グレートーン群と前記フルトーン群が異なる数の空間光変調器ピクセルを有する結果、前記グレートーン線量は前記フルトーン線量の半分より大きくなるか小さくなり、且つ
前記グレートーン群と前記フルトーン群が同じ数の空間光変調器ピクセルを有し、且つ前記残りの群が残りの数のピクセルを有する結果、前記グレートーン線量は前記フルトーン線量の半分より大きくなる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに、
複数の露光多角形を有するマスクパターンデータをリソグラフィシステムの処理ユニットに提供することであって、前記処理ユニットは前記マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有し、前記マスクパターンデータは複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する、マスクパターンデータを提供することと、
前記画像投影システムのそれぞれの空間光変調器ピクセルを、
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、
異なる数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、及び
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群と、残りの数のピクセルを有する残りの群
のうちの1つに分割することと、
前記複数の画像投影システムの下での基板の単一走査において、
前記グレートーン群に対応する第1の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形及び前記複数のグレートーン露光多角形へと投影し、
前記フルトーン群に対応する第2の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影し、且つ
前記残りの群が分割されたときに対応する第3の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影することと
を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記空間光変調器ピクセルが、前記
第1の数の多数のショット
、前記第2の数の多数のショット、及び前記第3の数の多数のショットを集合ショットパターンの複数のアドレスポイントに投影する、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記
第1の数の多数のショットが、前記第1の数の多数のショットに露光されたグレートーンショットアドレスポイントを有する複数のグレートーン部分を形成し、且つ前記
第1の数の多数のショット及び前記第2の数の多数のショットが、少なくとも前記第1の数及び前記第2の数の多数のショットに露光されたフルトーンショットアドレスポイントを有する複数のフルトーン部分を形成する、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記第1の数の多数のショットがグレートーン線量に対応し、前記第1の数及び前記第2の数の多数のショットの組み合わせがフルトーン線量に対応する、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1の数の多数のショットがグレートーン線量に対応し、前記第1の数、前記第2の数及び前記第3の数の多数のショットの組み合わせがフルトーン線量に対応する、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
各画像投影システムの光源によって生成される光ビームが強度を有する、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記強度が、約10mJ/cm
2から約200mJ/cm
2である、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
方法であって、
複数の露光多角形を有するマスクパターンデータをリソグラフィシステムの処理ユニットに提供することであって、前記処理ユニットは前記マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有し、前記マスクパターンデータは複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する、マスクパターンデータを提供することと、
前記画像投影システムのそれぞれの空間光変調器ピクセルを、
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、
異なる数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群、及び
同じ数の空間光変調器ピクセルを有するグレートーン群とフルトーン群と、残りの数のピクセルを有する残りの群
のうちの1つに分割することと、
前記複数の画像投影システムの下での基板の単一走査において、
前記グレートーン群に対応する第1の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形及び前記複数のグレートーン露光多角形へと投影し、
前記フルトーン群に対応する第2の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影し、且つ
前記残りの群が分割されたときに対応する第3の数の多数のショットを前記複数のフルトーン露光多角形へと投影することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記空間光変調器ピクセルが、前記
第1の数の多数のショット
、前記第2の数の多数のショット、及び前記第3の数の多数のショットを集合ショットパターンの複数のアドレスポイントに投影する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記
第1の数の多数のショットが、前記第1の数の多数のショットに露光されたグレートーンショットアドレスポイントを有する複数のグレートーン部分を形成し、且つ前記
第1の数の多数のショット及び前記第2の数の多数のショットが、少なくとも前記第1の数及び前記第2の数の多数のショットに露光されたフルトーンショットアドレスポイントを有する複数のフルトーン部分を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の数の多数のショットがグレートーン線量に対応し、前記第1の数及び前記第2の数の多数のショットの組み合わせがフルトーン線量に対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の数の多数のショットがグレートーン線量に対応し、前記第1の数、前記第2の数及び前記第3の数の多数のショットの組み合わせがフルトーン線量に対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
各画像投影システムの光源によって生成される光ビームが強度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記強度が、約10mJ/cm
2から約200mJ/cm
2である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記
第1の数の多数のショット
、前記第2の数の多数のショット、及び前記第3の数の多数のショットのそれぞれが、50ショットから500ショットの間である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、リソグラフィシステムに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、単一パスにおいてフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むためのリソグラフィプロセスのシステム、ソフトウェアアプリケーション、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]フォトリソグラフィは、半導体デバイスの製造(例えば、半導体デバイスのバックエンド処理)、及びディスプレイデバイス(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))において幅広く利用されている。例えば、LCDの製造においては、しばしば大面積基板が利用される。LCD又はフラットパネルは、概して、アクティブマトリクスディスプレイ(例えば、コンピュータ、タッチパネルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、テレビモニタ)に使用される。概して、フラットパネルディスプレイは、2つのプレートの間に挟まれた、各ピクセルにおける相変化物質としての液晶材料の層を含む。電源からの電力が、液晶材料にわたって又は液晶材料を通して印加されると、液晶材料を通過する光の量が、ピクセルの位置において制御(すなわち、選択的に調節)され、ディスプレイ上に画像を生成することが可能となる。
【0003】
[0003]従来のリソグラフィシステムでは、フルトーン線量を有する複数のフルトーン部分のパターンと、グレートーン線量を有する複数のグレートーン部分とを基板上に配置されたフォトレジストに書き込むためには、リソグラフィシステムの書き込み可能領域の下方に基板の複数のパスが必要とされる。書込み可能領域デジタルリソグラフィシステムの下方の基板の複数のパスは、スループットを低下させる。
【0004】
[0004]したがって、当該技術分野で必要とされるのは、単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むためのリソグラフィプロセスのシステム、ソフトウェアアプリケーション、及び方法である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一実施形態では、デバイスが提供される。該システムは、スラブ、及びスラブ上に配置可能な可動式ステージを含む。ステージは、フォトレジストが上部に配置された基板を支持するように構成されており、エンコーダは、ステージに連結され、マスクパターンデータをリソグラフィシステムに提供するように構成されたコントローラに基板の位置を提供するように構成されるように構成されている。マスクパターンデータは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する。リソグラフィシステム支持体は、スラブに連結され、その下方をステージが通過することを可能にする開口を有する。リソグラフィシステムは、マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有する処理ユニットを有する。各画像投影システムは、多数のショットを投影するために複数の空間光変調器ピクセルを有する空間光変調器を含む。コントローラは、複数の空間光変調器ピクセルを、多数のショットのうちのグレートーンショット及びフルトーンショットによって時間的に分割するように構成されており、且つ、コントローラは、グレートーンショットにおいて各画像投影システムの光源によって生成された光ビームの第2の強度を変化させ、フルトーンショットにおいて各画像投影システムの光源によって生成された光ビームの第1の強度を変化させるように構成されている。
【0006】
[0006]別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、命令を記憶しており、この命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータシステムに、複数の露光多角形を有するマスクパターンデータをリソグラフィシステムの処理ユニットに提供するステップ、及び複数の画像投影システムの下方で、フォトレジストが上部に配置された基板を単一走査するにあたって、多数のショットを複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形へと投影するステップを実行させる。処理ユニットは、マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有する。マスクパターンデータは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する。多数のショットは、第2の強度を有するグレートーンショット及び第1の強度を有するフルトーンショットによって分割される。グレートーンショットは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形へと投影され、フルトーンショットは、複数のフルトーン露光多角形へのみ投影される。
【0007】
[0007]さらに別の実施形態では、方法が提供される。本方法は、複数の露光多角形を有するマスクパターンデータをリソグラフィシステムの処理ユニットに提供することを含む。処理ユニットは、マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有する。マスクパターンデータは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する。複数の画像投影システムの下方で、フォトレジストが上部に配置された基板を単一走査するにあたって、本方法は、多数のショットを複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形へと投影することを含む。多数のショットは、第2の強度を有するグレートーンショット及び第1の強度を有するフルトーンショットによって分割される。グレートーンショットは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形へと投影され、フルトーンショットは、複数のフルトーン露光多角形へのみ投影される。
【0008】
[0008]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、添付図面は例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る、システムの斜視図である。
【
図2A】一実施形態に係る、画像投影システムの概略断面図である。
【
図2B】一実施形態に係る、空間光変調器の概略図である。
【
図2C】一実施形態に係る、空間光変調器の概略図である。
【
図3】一実施形態に係る、演算システムの概略図である。
【
図4】一実施形態に係る、単一パスのリソグラフィ用途の概略図である。
【
図5】一実施形態に係る、コントローラの概略図である。
【
図6A】一実施形態に係る、リソグラフィプロセス後の基板の概略平面図である。
【
図6B】一実施形態に係る、一断面におけるフォトレジストの露光の断面図である。
【
図6C】一実施形態に係る、一断面におけるフォトレジストの露光の断面図である。
【
図6D】一実施形態に係る、一断面におけるフォトレジストの露光の断面図である。
【
図7】一実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法のフロー図である。
【
図8】一実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法のフロー図である。
【
図9】一実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法のフロー図である。
【
図10A-10S】諸実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法の間の、フルトーン露光多角形及びグレートーン露光多角形の概略平面図である。
【
図11】一実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法のフロー図である。
【
図12A-12F】一実施形態に係る、リソグラフィプロセスの方法の間の、フルトーン露光多角形及びグレートーン露光多角形の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0023]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0011】
[0024]本明細書に記載された実施形態は、単一パスにおいてフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むためのデジタルリソグラフィプロセスなどのリソグラフィプロセスのシステム、ソフトウェアアプリケーション、及び方法に関する。システムの一実施形態は、マスクパターンデータをリソグラフィシステムに提供するように構成されたコントローラを含む。マスクパターンデータは、複数のフルトーン露光多角形及び複数のグレートーン露光多角形を有する。リソグラフィシステムは、マスクパターンデータを受信する複数の画像投影システムを有する処理ユニットを有する。各画像投影システムは、多数のショットを投影するために複数の空間光変調器ピクセルを有する空間光変調器を含む。コントローラは、複数の空間光変調器ピクセルを、多数のショットのうちのグレートーンショット及びフルトーンショットによって時間的に分割するように構成されており、且つ、コントローラは、グレートーンショットにおいて各画像投影システムの光源によって生成された光ビームの第2の強度を変化させ、フルトーンショットにおいて各画像投影システムの光源によって生成された光ビームの第1の強度を変化させるように構成されている。
【0012】
[0025]
図1は、本明細書に記載された実施形態から恩恵を受け得るデジタルリソグラフィシステムなどのシステム100の斜視図である。システム100は、ステージ114及び処理装置104を含む。ステージ114は、スラブ102上に配置された一対のトラック116によって支持されている。基板120が、ステージ114によって支持されている。ステージ114は、スラブ102上に配置された一対のトラック116によって支持されている。ステージ114は、
図1に示す座標系によって示されるように、X方向に一対のトラック116に沿って移動する。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、一対のトラック116は、一対の平行な磁気チャネルである。図示のように、一対のトラック116の各トラックは、直線経路で延びている。ステージ114の位置の情報をコントローラ122に提供するために、エンコーダ118がステージ114に連結されている。
【0013】
[0026]コントローラ122は、概して、本明細書に記載された処理技法の制御及び自動化を容易にするように設計されている。コントローラ122は、処理装置104、ステージ114、及びエンコーダ118と連結されるか、又は通信し得る。処理装置104及びステージ118は、基板処理及び基板の位置合わせに関する情報をコントローラ122に提供し得る。例えば、処理装置104は、基板処理が完了したことをコントローラ122に警告するために、コントローラ122に情報を提供し得る。コントローラ122は、単一パスにおいてフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むリソグラフィプロセスの方法の制御及び自動化を容易にする。コントローラ122によって読み取り可能な、イメージングプログラムと呼ばれ得るプログラム(又はコンピュータ命令)が、基板120上でどのタスクが実行可能であるかを決定する。このプログラムは、処理時間及び基板位置をモニタリング且つ制御するマスクパターンデータ及びコードを含む。マスクパターンデータは、電磁放射を用いてフォトレジストに書き込まれるパターンに対応する。
【0014】
[0027]基板120は、フラットパネルディスプレイの一部として使用される任意の適切な材料(例えば、ガラス)を含む。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる他の実施形態では、基板120は、フラットパネルディスプレイの一部として使用可能な他の材料から作製される。基板120は、パターンエッチングなどによって上部にパターンが形成される膜層、及びパターニングされる膜層上に形成されるフォトレジスト層であって、電磁放射(例えば、UV又は深UV「光」)に敏感なフォトレジスト層を有する。ポジ型フォトレジストは、放射線に露光されるとフォトレジスト現像液に溶解するフォトレジスト部分を含む。フォトレジスト現像液は、電磁放射を用いてパターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布される。ネガ型フォトレジストは、放射線に露光されるとフォトレジスト現像液に溶解しないフォトレジスト部分を含む。フォトレジスト現像液は、電磁放射を用いてパターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布される。フォトレジストの化学組成により、そのフォトレジストがポジ型フォトレジストであるか、又はネガ型フォトレジストであるかが決まる。フォトレジストの例には、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及びSU‐8のうちの少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない。フォトレジストが電磁放射に露光された後、レジストが現像され、下層の膜層上にパターニングされたフォトレジストが残る。次いで、パターニングされたフォトレジストを用いて、下層の薄膜がフォトレジストの開口部を通してパターンエッチングされ、ディスプレイパネルの電子回路の一部が形成される。
【0015】
[0028]処理装置104は、支持体108及び処理ユニット106を含む。処理装置104は、一対のトラック116に跨がり、スラブ102上に配置され、それにより、一対のトラック116及びステージ114が処理ユニット106の下方を通過するための開口112を含む。処理ユニット106は、支持体108によってスラブ102の上に支持される。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、処理ユニット106は、フォトリソグラフィプロセスにおいてフォトレジストを露光するように構成されたパターン発生器である。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、パターン発生器は、マスクレスリソグラフィプロセスを実行するように構成されている。処理ユニット106は、複数の画像投影システムを含む。画像投影システムの一例が
図2Aに示されている。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、処理ユニット106は、84個もの画像投影システムを含む。各画像投影システムは、ケース110内に配置される。処理ユニット106は、フォトレジスト又は他の電磁放射感受性材料に対してマスクレスで直接的にパターンの書き込みを実行するのに有用である。
【0016】
[0029]
図2Aは、システム100において使用され得る画像投影システム200の概略断面図である。画像投影システム200は、空間光変調器210及び投影光学系212を含む。画像投影システム200の構成要素は、使用される空間光変調器210によって異なる。空間光変調器210は、電気的にアドレス指定可能な素子のアレイを含む。電気的にアドレス指定可能な素子には、デジタルマイクロミラー、液晶ディスプレイ(LCD)、シリコン上の液晶(LCoS:LiquidCrystalOverSilicon)デバイス、シリコン上の強誘電性液晶(FLCoS:ferroelectric liquid crystal on silicon)デバイス、及びマイクロシャッタ(Microshutter)が含まれるが、これらに限定されない。空間光変調器210は、複数の空間光変調器ピクセルを含む。複数の空間光変調ピクセルの各空間光変調器ピクセルは、個々に制御可能であり、複数のピクセルのうちの1つのピクセルに対応する書き込みビームを投影するように構成されている。複数のピクセルのコンパイル処理が、フォトレジストに書き込まれるパターンを形成し、これは本明細書でマスクパターンと呼ばれる。投影光学系212は、光を基板120上に投影するために使用される投影レンズ、例えば10倍対物レンズを含む。動作時、コントローラ122によって空間光変調器210に提供されるマスクパターンデータに基づいて、複数の空間光変調器ピクセルの各空間光変調器ピクセルは、「オン」位置又は「オフ」位置にある。「オン」位置の各空間光変調器ピクセルは、書き込みビームを形成し、次いで、投影光学系212は、この書き込みビームを基板120のフォトレジスト層表面に投影し、マスクパターンのピクセルを形成する。
【0017】
[0030]本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、空間光変調器210は、DMDである。画像投影システム200は、光源202、開孔204、レンズ206、フラストレートプリズムアセンブリ208、DMD、及び投影光学系212を含む。DMDは、複数のミラー、すなわち、複数の空間光変調器ピクセルを含む。複数のミラーの各ミラーは、マスクパターンのうちの1つのピクセルに対応し得るピクセルに対応する。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、DMDは、約4、000、000超のミラーを含む。光源202は、所定の波長の光を生成することが可能な、任意の適切な光源(例えば、発光ダイオード(LED)又はレーザ)である。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、所定の波長は、青色又は近紫外(UV)範囲、例えば、約450nm未満である。フラストレートプリズムアセンブリ208は、複数の反射面を含む。動作中、光ビーム201が光源202によって生成される。光ビーム201は、フラストレートプリズムアセンブリ208によってDMDへと反射される。光ビーム201がDMDのミラーに到達すると、「オン」位置の各ミラーは、光ビーム201を反射し(すなわち、「ショット」とも呼ばれる書き込みビームを形成し)、次いで、投影光学系212がこのビームを投影して、基板120のフォトレジスト層表面をショットする。複数の書き込みビーム203は、多数のショットとしても知られており、マスクパターンの複数のピクセルを形成する。
【0018】
[0031]
図2B及び
図2Cは、DMDである空間光変調器210の概略図である。複数の空間光変調器ピクセルとも呼ばれる複数のミラー213は、M行とN列を有するグリッド状に配置されている。
図2Bでは、行214、216、218、220、222、224、及び列215、217、219、221、223、及び225が示されている。単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むためのリソグラフィプロセスの方法700では、コントローラ122は、
図2Bに示すように、ミラー213のN列及びM行のうちの1つをグレートーン群226とフルトーン群227とに分割する。本明細書に記載された方法700、800、900の実施形態では、ミラー213のN列及びM行のうちの1つの分割は、ステージ114の移動に依存する。ステージ114の移動がN列に対して実質的に垂直であるとき、N列はコントローラ122によって分割される。ステージ114の移動がM行に対して実質的に垂直であるとき、M行はコントローラ122によって分割される。ステージ114の移動が、N列及びM行のうちの1つに対して実質的に垂直でない場合、M行及びN列を有するグリッドのアレイが、コントローラ122によって分割される。以下に記載された実施形態では、ステージ114の移動は、N列に対して実質的に垂直であり、したがって、N列がコントローラ122によって分割される。しかしながら、方法700、800、900の後述する実施形態は、N行を分割することによる、N行に対して実質的に垂直なステージ114の移動と、M行及びN列を有するグリッドのアレイを分割することによる、N列及びM行のうちの1つに対して実質的に垂直ではないステージ114の移動とを用いて実行され得る。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる方法700の一実施形態では、グレートーン群226及びフルトーン群227は、同じ数の列を有する。単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むリソグラフィプロセスの方法800では、コントローラ122は、
図2Bに示すように、ミラー213のN列を、互いに異なる数の列を有するグレートーン群226とフルトーン群227とに分割する。単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むリソグラフィプロセスの方法900では、コントローラ122は、
図2Cに示すように、ミラー213のN列をグレートーン群226と、フルトーン群227と、残りの群228とに分割する。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、グレートーン群226及びフルトーン群227は、同じ数の列を有する。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、グレートーン群226及びフルトーン群227は、異なる数の列を有する。
【0019】
[0032]
図3は、本開示の実施形態が実施され得る、単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むように構成された演算システム300の概略図である。
図3に示すように、演算システム300は、複数のサーバ308、単一パスリソグラフィアプリケーション312、及び複数のコントローラ(すなわち、コンピュータ、パソコン、携帯/無線デバイス)122(分かりやすくするために、そのうちの2つだけを図示している)を含み得、これらはそれぞれ通信ネットワーク306(例えば、インターネット)に接続される。サーバ308は、ローカル接続(例えば、ストレージエリアネットワーク(SAN)若しくはネットワーク接続ストレージ(NAS))を介して、又はインターネットを通じて、データベース314と通信し得る。サーバ308は、データベース314内に含まれるデータに直接アクセスすること、又はデータベース314内に含まれるデータを管理するよう設定されたデータベースマネージャとインターフェース接続することのいずれかを実行するように設定されている。
【0020】
[0033]各コントローラ122は、演算デバイスの従来型の構成要素、例えば、プロセッサ、システムメモリ、ハードディスクドライブ、バッテリ、入力デバイス(例えば、マウスやキーボード)、及び/若しくは出力デバイス(例えば、モニタ若しくはグラフィカルユーザインターフェース)、並びに/又は入力を受信するだけでなく出力も表示するタッチスクリーンなどの結合型入出力デバイスを含み得る。各サーバ308及び単一パスリソグラフィアプリケーション312は、プロセッサ及びシステムメモリ(図示せず)を含み得、例えば、関係するデータベースソフトウェア及び/又はファイルシステムを使用して、データベース314内に記憶されたコンテンツを管理するように設定され得る。
図4に示すように、I/Oデバイスインターフェース408は、例えばTCP/IPプロトコルのようなネットワークプロトコルを使用して、互いに通信し、コントローラ122、及び単一パスリソグラフィアプリケーション312と通信するようにプログラムされ得る。単一パスリソグラフィアプリケーション312は、通信ネットワーク306を介して、コントローラ122と直接通信し得る。コントローラ122は、ソフトウェア304(例えば、プログラム及び/又はその他のソフトウェアアプリケーション)を実行するようプログラムされ、サーバ308によって管理されたアプリケーションにアクセスする。
【0021】
[0034]後述の実施形態では、ユーザが、それぞれ、通信ネットワーク306を介してサーバ308に接続され得るコントローラ122を操作することができる。ページ、画像、データ、文書などが、コントローラ122を介してユーザに表示され得る。コントローラ122と通信しているディスプレイデバイス及び/又はグラフィカルユーザインターフェースを通じて、情報及び画像が表示され得る。
【0022】
[0035]コントローラ122は、パソコン、ラップトップ型携帯演算デバイス、スマートフォン、ビデオゲームの操作器、家庭用デジタルメディアプレイヤー、ネットワーク接続型テレビ、セットトップボックス、並びに/又は、通信ネットワーク306との通信に適した構成要素及び/若しくは必要なアプリケーション或いはソフトウェアを有する他の演算デバイスであり得ることに留意されたい。コントローラ122は、単一パスリソグラフィアプリケーション312からコンテンツ及び情報を受信するよう設定された他のソフトウェアアプリケーションも実行することができる。
【0023】
[0036]
図4は、単一パスリソグラフィアプリケーション312の概略図である。単一パスリソグラフィアプリケーション312は、インターコネクト406を介して通信を行う、中央処理装置(CPU)402、ネットワークインターフェース404、メモリ420、及びストレージ430を含むが、これらに限定されない。単一パスリソグラフィアプリケーション312は、I/Oデバイス410(例えば、キーボード、ビデオ、マウス、オーディオ、タッチスクリーン等)に接続するI/Oデバイスインターフェース408も含み得る。単一パスリソグラフィアプリケーション312は、データ通信ネットワークを介してデータを送信するように構成されたネットワークインターフェース504(
図5に図示)をさらに含み得る。
【0024】
[0037]CPU402は、メモリ420に記憶されたプログラミング命令を読み出して実行し、概して、他のシステム構成要素の動作を制御し、連携させる。同様に、CPU402は、メモリ420内に存在するアプリケーションデータを記憶し、読み出す。CPU402は、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどを代表するように含まれる。インターコネクト406を使用して、CPU402と、I/Oデバイスインターフェース408と、ストレージ430と、ネットワークインターフェース404と、メモリ420との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送する。
【0025】
[0038]メモリ420は、概して、ランダムアクセスメモリを代表するように含まれ、動作中、CPU402によって使用されるソフトウェアアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ430は、単一ユニットとして示されているが、固定型及び/又はリムーバブル型のストレージデバイス、例えば、不揮発性データを記憶するように構成された、固定ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ記憶装置、テープドライブ、リムーバブルメモリカード、CD-ROM、DVD-ROM、Blu-Ray、HD-DVD、光ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、クラウドストレージ、又はストレージエリアネットワーク(SAN)の組み合わせであってもよい。
【0026】
[0039]メモリ420は、単一パスリソグラフィアプリケーションソフトウェア428を含み得るアプリケーションプラットフォーム426を実行するための命令及びロジックを記憶可能である。ストレージ430は、データ434及び関連するアプリケーションプラットフォームコンテンツ436を記憶するよう設定されたデータベース432を含み得る。データベース432は、任意の種類のストレージデバイスであってもよい。
【0027】
[0040]ネットワークコンピュータは、本明細書で提供された開示と併用され得る別の種類のコンピュータシステムである。ネットワークコンピュータは、通常、ハードディスク又他の大容量ストレージを含まず、実行可能なプログラムは、CPU502(
図5に図示)によって実行されるために、ネットワーク接続からメモリ420に読み込まれる。典型的なコンピュータシステムは、通常、少なくとも、プロセッサ、メモリ、及び、メモリをプロセッサに連結するインターコネクトを含み得る。
【0028】
[0041]
図5は、コントローラ122の概略図である。コントローラ122を使用して、単一パスリソグラフィアプリケーション312にアクセスし、アプリケーションプラットフォーム426に関連するデータを読み出すか、又は表示する。コントローラ122は、中央処理装置(CPU)502、ネットワークインターフェース504、インターコネクト506、メモリ520、ストレージ530、及び支持回路540を含み得るが、これらに限定されない。コントローラ122は、I/Oデバイス510(例えば、キーボード、ディスプレイ、タッチスクリーン、及びマウスデバイス)をコントローラ122に接続する、I/Oデバイスインターフェース508をさらに含み得る。
【0029】
[0042]CPU402と同様に、CPU502は、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどを代表するように含まれ、メモリ520は、概して、ランダムアクセスメモリを代表するように含まれる。インターコネクト506を使用して、CPU502と、I/Oデバイスインターフェース508と、ストレージ530と、ネットワークインターフェース504と、メモリ520との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送する。例えば、単一パスリソグラフィアプリケーション312からコンテンツを転送するために、ネットワークインターフェース504は、通信ネットワーク306を介してデータを送信するように設定され得る。ストレージ430(例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートストレージドライブ(SSD))は、不揮発性データを記憶することができる。ストレージ530は、データベース531を含み得る。データベース531は、データ532、他のコンテンツ534、並びにデータ538及び制御ロジック539を有する画像処理ユニット536を含み得る。実例として、メモリ520は、アプリケーションインターフェース522を含み得る。アプリケーションインターフェース522自体が、ソフトウェア命令524を表示し、且つ/又はデータ526を記憶し若しくは表示し得る。アプリケーションインターフェース522は、1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションを提供し得、このソフトウェアアプリケーションは、コントローラが、単一パスリソグラフィアプリケーション312によってホスティングされているデータ及びその他のコンテンツにアクセスすることを可能にする。
【0030】
[0043]
図1に示しているように、システム100は、コントローラ122を含む。コントローラ122は、中央処理装置(CPU)502、メモリ520、及び支持回路540(又はI/O508)を含み得る。CPU502は、様々なプロセス及びハードウェア(例えば、パターン生成器、モータ、及び他のハードウェア)を制御し、プロセス(例えば、処理時間及び基板位置)をモニタリングするために、産業環境で使用される任意の形態のコンピュータプロセッサのうちの1つであってもよい。メモリ520は、
図5に示されるように、CPU502に接続されており、容易に利用可能なメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はその他の任意の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージ)のうちの1つ又は複数であってもよい。CPU502に命令を与えるために、ソフトウェア命令及びデータを符号化して、メモリ内に記憶することができる。従来の様態でプロセッサを支持するために、支持回路540もCPU502に接続される。支持回路540は、従来型のキャッシュ542、電源544、クロック回路546、入力/出力回路548、サブシステム550等を含み得る。コントローラ122によって可読なプログラム(又はコンピュータ命令)が、どのタスクを基板120上で実行可能か決定する。プログラムは、コントローラ122によって可読なソフトウェアであってもよく、例えば、処理時間及び基板位置をモニタリング且つ制御するためのコードを含み得る。
【0031】
[0044]しかしながら、これらの用語及び類似の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、こうした物理量に適用される便宜上の標識にすぎないことに留意するべきである。後述の説明で特に明記されない限り、本明細書を通して、「処理する(processing)」、「演算する(computing)」、「算出する(calculating)」、「決定する(determining)」、又は「表示する(displaying)」などといった用語を利用する記載は、コンピュータシステム又は類似の電子演算デバイスの動作及びプロセスを指すことを理解されたい。このコンピュータシステム又は類似の電子演算デバイスは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理量(電気量)として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はかかる情報の他のストレージデバイス、送信デバイス、若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表される他のデータへと変換する。
【0032】
[0045]本実施例は、本明細書に記載された動作を実施するための装置にさらに関連する。この装置は、求められている目的のために特別に構築されてもよく、又は、コンピュータ内に記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを備えてもよい。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、限定しないが、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気カード若しくは光カード、任意の種類のディスク(フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び磁気-光ディスクを含む)、又は電子指令の記憶に適した任意の種類の媒体)内に記憶され、それぞれがコンピュータシステムのインターコネクトに連結され得る。
【0033】
[0046]本明細書に提示されているアルゴリズム及びディスプレイは、本来、何らかの特定のコンピュータ又は他の装置と関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用されてもよく、又は、求められる方法工程を実行するためには、より専門的な装置の構築が便宜にかなうと分かることもある。このような様々なシステムの構造は、上記の記載から明白になろう。さらに、本明細書の実施例は、何らかの特定のプログラミング言語に関連して説明されているのではないので、様々なプログラミング言語を使用して様々な実施例を実施することができる。
【0034】
[0047]より詳細に記載されるように、本開示の実施形態は、単一パスリソグラフィプロセスにおいて基板120にマスクパターンデータ610を適用する能力に関するリソグラフィアプリケーションに関する。本明細書に記載された実施形態は、ソフトウェアアプリケーションプラットフォームに関する。ソフトウェアアプリケーションプラットフォームは、単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込む方法を含む。
【0035】
[0048]
図6Aは、リソグラフィプロセス後の基板120の概略平面図である。光源202(
図6Bから6Dに図示)から放出された光の強度のフルトーン線量606に露光された複数のフルトーン部分602と、光源202(
図6Bから6Dに図示)から放出された強度光のグレートーン線量608に露光された複数のグレートーン部分604とが、フォトレジスト601に書き込まれる。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、強度は、約10mJ/cm
2から約200mJ/cm
2である。リソグラフィプロセスの間、マスクパターンデータ610は、リソグラフィプロセスによって形成されるフルトーン部分602に対応する複数のフルトーン露光多角形612、及びリソグラフィプロセスによって形成されるグレートーン部分604に対応する複数のグレートーン露光多角形614を有する。フォトレジスト601は、基板120上に配置される。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、基板120は、例えばパターンエッチングによってパターニングされるべき膜層が上部に形成されており、フォトレジストが、パターニングされるべき膜層上に配置される。
【0036】
[0049]
図6Bから6Dは、断面603におけるフォトレジスト601の露光の断面図である。断面603は、フルトーン線量606に露光された複数のフルトーン部分602、及びグレートーン線量608に露光された複数のグレートーン部分604を含む。フルトーン線量606は、複数のフルトーン部分602を、光源202から放出されたフルトーンパーセンテージの光の強度に露光することにより現像されたフォトレジスト601のパーセンテージに対応する。グレートーン線量608は、複数のグレートーン部分604を、光源202から放出されたグレートーンパーセンテージの光の強度に露光することによって現像されたフォトレジスト601のパーセンテージに対応する。複数のフルトーン部分602のうちの1つの幅が空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅よりも大きい場合を除いて、複数のフルトーン部分602のそれぞれの幅は、強度のフルトーンパーセンテージからフルトーン線量606を制御する。例えば、空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅よりも小さい複数のフルトーン部分602のうちの1つの幅は、フルトーン部分のフルトーン線量606が、フルトーンパーセンテージよりも小さくなるという結果をもたらす。空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅以上の複数のフルトーン部分602のうちの1つの幅は、フルトーン部分のフルトーン線量606が、フルトーンパーセンテージに等しくなるという結果をもたらす。複数のグレートーン部分604のうちの1つの幅が空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅よりも大きい場合を除いて、複数のグレートーン部分604のそれぞれの幅は、強度のグレートーンパーセンテージからグレートーン線量608を制御する。例えば、空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅よりも小さい複数のグレートーン部分604のうちの1つの幅は、グレートーン部分のグレートーン線量608が、グレートーンパーセンテージよりも小さくなるという結果をもたらす。空間光変調器ピクセルのうちの1つの幅以上の複数のグレートーン部分604のうちの1つの幅は、グレートーン部分のグレートーン線量608が、グレートーンパーセンテージに等しくなるという結果をもたらす。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、複数のフルトーン部分602及び複数のグレートーン部分604は、それぞれ、空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい、同じ幅を有する。
【0037】
[0050]
図6Bに示され、本明細書でさらに説明されるように、グレートーン群226とフルトーン群227の列の数が同じである方法700により、グレートーンパーセンテージが、フルトーンパーセンテージの半分となる。例えば、50%の列を有するグレートーン群226と50%の列を有するフルトーン部分は、50%のグレートーンパーセンテージ及び100%のフルトーンパーセンテージをもたらす。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のグレートーン部分604のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の50%のグレートーンパーセンテージから、グレートーン線量608が42%現像される。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のフルトーン部分602のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の100%のフルトーンパーセンテージから、フルトーン線量606が84%現像される。
【0038】
[0051]
図6Cに示され、本明細書でさらに説明されるように、グレートーン群226とフルトーン群227の列の数が異なる方法800により、グレートーンパーセンテージが、フルトーンパーセンテージの半分を超える。例えば、55%の列を有するグレートーン群226と45%の列を有するフルトーン部分は、55%のグレートーンパーセンテージ及び95%のフルトーンパーセンテージをもたらす。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のグレートーン部分604のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の55%のグレートーンパーセンテージから、グレートーン線量608が48.1%現像される。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のフルトーン部分602のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の95%のフルトーンパーセンテージから、フルトーン線量606が87.5%現像される。
【0039】
[0052]
図6Dに示され、本明細書でさらに説明されるように、グレートーン群226とフルトーン群227の列の数が同じの、グレートーン群226、フルトーン群227、及び残りの群228を有する方法900により、グレートーンパーセンテージが、フルトーンパーセンテージの半分より少なくなる。例えば、48%の列を有するグレートーン群226、48%の列を有するフルトーン部分、及び4%の列を有する残りの群228は、48%のグレートーンパーセンテージ及び104%のフルトーンパーセンテージをもたらす。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のグレートーン部分604のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の48%のグレートーンパーセンテージから、グレートーン線量608が40.86%現像される。空間光変調器ピクセルの幅よりも小さい同じ幅で、複数のフルトーン部分602のそれぞれに露光される、光源202から放射される光の強度の104%のフルトーンパーセンテージから、フルトーン線量606が85.47%現像される。
【0040】
[0053]
図7は、単一パスでフルトーン部分602及びグレートーン部分604を書き込むリソグラフィプロセスの方法700のフロー図である。
図10Aから10Fは、方法700の間のフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の概略平面図である。動作701では、上述したように、コントローラ122は、N列のミラー213を、同じ数の列を有する、グレートーン群226とフルトーン群227とに分割する。動作702では、単一パスで基板120が画像投影システム200の下方で走査されるとき、処理ユニット106が、多数のショットをフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影する。空間光変調器210の複数の空間光変調器ピクセルは、多数のショットのうちの各ショットが複数のアドレスポイント1008のあるアドレスポイントに投影されるとき、集合ショットパターン1006を形成する。各アドレスポイントはピクセルの重心を表す。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、集合ショットパターン1006は、六方最密(HCP:hexagonal close-packed)パターンであるが、集合ショットパターン1006には他のパターンを使用することもできる。多数のショットとは、フルトーン線量606に露光される複数のフルトーン部分602のうちのあるフルトーン部分を形成するための数々のショットである。例えば、多数のショットは、50ショットから500ショットの間である。
【0041】
[0054]
図10Aに示されるように、空間光変調器210のグレートーン群226からの多数のショットのうちの第1のグレートーンショット1010aが、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影される。フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004における多数のショットの各ショットは、光源202から放射される光の強度を伴う。
図10Bに示されるように、グレートーン群226からの第2のグレートーンショット1010bは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004に投影される。
図10Cに示されるように、グレートーン群226から多数のショットをグレートーン群226でフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影することは、多数のショットのうちの最後のグレートーンショット1010nが少なくとも1つの最終アドレスポイント1008nへと投影されるまで繰り返される。方法700での空間光変調器210の分割により、最後のグレートーンショット1010nが、多数のショットのうちのハーフポイントとなる。
図10Dに示されるように、フルトーン群227は、多数のショットのうちの第1のフルトーンショット1012aを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影する。
図10Eに示すように、フルトーン群227は、第2のフルトーンショット1012bを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第2のアドレスポイント1008bに投影する。
図10Fに示されるように、フルトーン群227で多数のショットを投影することは、多数のショットのうちの最後のフルトーンショット1012nが少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影されるまで繰り返される。
【0042】
[0055]
図8は、単一パスでフルトーン部分602及びグレートーン部分604を書き込むリソグラフィプロセスの方法800のフロー図である。
図10G~
図10Lは、方法800の間のフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の概略平面図である。動作801では、上述したように、コントローラ122は、N列のミラー213を、異なる数の列を有する、グレートーン群226とフルトーン群227とに分割する。グレートーン群226は、フルトーン群227よりも多くの数の列を有する。動作802では、単一パスで基板120が画像投影システム200の下方で走査されるとき、処理ユニット106が、多数のショットをフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影する。
【0043】
[0056]
図10Gに示されるように、空間光変調器210のグレートーン群226からの多数のショットのうちの第1のグレートーンショット1010aが、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影される。フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004における多数のショットの各ショットは、光源202から放射される光の強度を伴う。
図10Hに示されるように、グレートーン群226からの第2のグレートーンショット1010bは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004に投影される。
図10Iに示されるように、グレートーン群226から多数のショットをグレートーン群226でフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影することは、多数のショットのうちの最後のグレートーンショット1010nが少なくとも1つの最終アドレスポイント1008nへと投影されるまで繰り返される。方法800での空間光変調器210の分割により、最後のグレートーンショット1010nのショット数が、多数のショットのハーフポイントのショット数より多くなる。したがって、最後のフルトーンショット1012nは、フルトーン露光多角形1002内のそれぞれのアドレスポイント1008をアドレス指定せず、フルトーン露光多角形1002内の複数のアドレスポイント1008の一部が2回アドレス指定されないため、グレートーンパーセンテージがフルトーンパーセンテージの半分を超える。
【0044】
[0057]
図10Jに示すように、フルトーン群227は、多数のショットのうちの第1のフルトーンショット1012aを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影する。
図10Kに示すように、フルトーン群227は、第2のフルトーンショット1012bを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第2のアドレスポイント1008bに投影する。
図10Lに示されるように、フルトーン群227で多数のショットを投影することは、多数のショットのうちの最後のフルトーンショット1012nが少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影されるまで繰り返される。最後のフルトーンショット1012nが少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影された後、フルトーン露光多角形1002の内側の複数のアドレスポイント1008の一部は、2回アドレス指定されない。
【0045】
[0058]
図9は、単一パスでフルトーン部分602及びグレートーン部分604を書き込むリソグラフィプロセスの方法900のフロー図である。
図10M~
図10Sは、方法900の間のフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の概略平面図である。動作901では、上述したように、コントローラ122は、N列のミラー213を、グレートーン群226、フルトーン群227、及び残りの群228に分割する。グレートーン群226とフルトーン群227は、同数の列を有する。動作902では、単一パスで基板120が画像投影システム200の下方で走査されるとき、処理ユニット106が、多数のショットをフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影する。
【0046】
[0059]
図10Mに示されるように、空間光変調器210のグレートーン群226からの多数のショットのうちの第1のグレートーンショット1010aが、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影される。フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004における多数のショットの各ショットは、光源202から放射される光の強度を伴う。
図10Nに示されるように、グレートーン群226からの第2のグレートーンショット1010bは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004に投影される。
図10Oに示されるように、グレートーン群226から多数のショットをグレートーン群226でフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと投影することは、多数のショットのうちの最後のグレートーンショット1010nが少なくとも1つの最終アドレスポイント1008nへと投影されるまで繰り返される。方法900での空間光変調器210の分割により、グレートーン露光多角形1004の内側の複数のアドレスポイント1008の各アドレスポイントがアドレス指定されることになる。
【0047】
[0060]
図10Pに示すように、フルトーン群227は、多数のショットのうちの第1のフルトーンショット1012aを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影する。
図10Qに示すように、フルトーン群227は、第2のフルトーンショット1012bを、フルトーン露光多角形1002の内側へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第2のアドレスポイント1008bに投影する。
図10Rに示されるように、フルトーン群227で多数のショットを投影することは、多数のショットのうちの最後のフルトーンショット1012nが少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影されるまで繰り返される。
図10Sに示されるように、空間光変調器210の残りの群228が、多数のショットのうちの残りのショット1014を投影して、フルトーン露光多角形1002の内側のポイントをアドレス指定し、その結果、フルトーンパーセンテージの半分が、グレートーンパーセンテージよりも多くなる。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、空間光変調器210の残りの群228が、多数のショットのうちの残りのショット1014を投影して、グレートーン露光多角形1004の内側のポイントをアドレス指定した状態で、フルトーンパーセンテージの半分が、グレートーンパーセンテージよりも少なくなる。
【0048】
[0061]
図11は、単一パスでフルトーン部分602及びグレートーン部分604を書き込むリソグラフィプロセスの方法1100のフロー図である。
図12Aから
図12Fは、方法1100の間のフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の概略平面図である。コントローラ122は、空間光変調器210の複数の空間光変調器ピクセルを、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004における多数のショットの第1ショット及び第2ショットによって時間的に分割する。コントローラ122は、多数のショットの第1ショットと第2ショットとを時間的に分割するショットカウンタを含む。コントローラ122は、光源202からの光の強度のアナログ発光のための制御ループを含む。制御ループは、フォトレジスト601にわたる所定の位置で第1ショット及び第2ショットにおける強度のアナログ発光をもたらす。
【0049】
[0062]単一パスで基板120が画像投影システム200の下方で走査されるとき、処理ユニット106が、多数のショットを投影する。多数のショットのうちの第1のショット及び第2のショットは、フルトーン露光多角形1002へと投影される。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、図示のように、多数のショットのうちの第1のショットのみがグレートーン露光多角形1004へと投影される。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、多数のショットのうちの第2のショットのみがグレートーン露光多角形1004へと投影される。
【0050】
[0063]説明を容易にするために、
図11及び
図12Aから
図12Fは、グレートーン露光多角形1004へと投影された多数のショットのうちのグレートーンショット、及びフルトーン露光多角形1002へと投影された多数のショットのうちのグレートーンショットとフルトーンショットに関連して説明される。
図12Aから
図12Fに示すように、本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、グレートーンショットは第1のショットであり、フルトーンショットは第2のショットであり、本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、グレートーンショットは第2のショットであり、フルトーンショットは第1のショットであることに留意されたい。
【0051】
[0064]動作1101では、多数のショットが、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004に投影される。
図12Aに示されるように、グレートーンショットである、多数のショットのうちのグレートーンショット1210aは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の内部のフルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影される。
図12Bに示されるように、フルトーンショットである、多数のショットのうちのフルトーンショット1210bは、基板120が画像投影システム200の下方で走査されるときに、フルトーン露光多角形1002の内側へと、少なくとも1つの第2のアドレスポイント1008bに投影される。
図12Cに示されるように、本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、多数のショットのうちのハーフポイントショット1210hは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の内部へと、少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影されたグレートーンショットである。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、多数のショットのうちのハーフポイントショット1210hは、フルトーン露光多角形1002の内側へと投影されるフルトーンショットである。多数のショットのうちのハーフポイントショット1210hの後、複数のグレートーン部分604は、複数のアドレスポイント1008のグレートーンショットアドレスポイントが、第1のパーセンテージの強度で露光される。複数のフルトーン部分602は、グレートーンショットアドレスポイントが、第2のパーセンテージの強度(すなわち、グレートーンパーセンテージの強度)に露光され、フルトーンショットアドレスポイントが、第1のパーセンテージの強度に露光される。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第2の強度は、第1の強度より小さい。第1の強度と第2の強度との組み合わせ、すなわち、フルトーンパーセンテージの強度は、フルトーン線量606に対応する。第2の強度、すなわちグレートーンパーセンテージは、グレートーン線量608に対応する。
【0052】
[0065]
図12Dに示すように、本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、グレートーンショットであるハーフポイントショット1210hの後、多数のショットのうちの1210dは、フルトーン露光多角形1002へと、複数のアドレスポイント1008のうちの少なくとも1つの第1のアドレスポイント1008aに投影されるフルトーンショットである。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、フルトーンショットであるハーフポイントショット1210hの後、多数のショットのうちのショット1210dは、フルトーン露光多角形1002に投影されるフルトーンショットである。本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、グレートーンショットが第2ショットであり、フルトーンショットが第1ショットである状態で、グレートーンショットであるハーフポイントショット1210hの後、ショット1210dは、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004に投影されるグレートーンショットである。
図12Eに示されるように、ハーフポイントショット1210h後の多数のショットのうちのフルトーンショット1210eは、基板120が画像投影システム200の下方で走査されるときに、フルトーン露光多角形1002及びグレートーン露光多角形1004の内側へと、少なくとも1つの第2のアドレスポイント1008bに投影される。
図12Fに示されるように、フルトーンショットである多数のショットの最後のショット1210nが、フルトーン露光多角形1002の内側へと、少なくとも1つの最後のアドレスポイント1008nに投影される。
【0053】
[0066]多数のショットがある場合、複数のグレートーン部分604は、フルトーンショット、及び複数のアドレスポイント1008のうちのグレートーンショットアドレスポイントが第2の強度で露光される。複数のフルトーン部分602は、フルトーンショット及びグレートーンショットアドレスポイントが、第2の強度と第1の強度との組み合わせに露光される。多数のショットのうちのグレートーンショットとフルトーンショットとの一時的な分割、並びに第1の強度及び第2の強度のアナログ発光の能力が、複数のフルトーン部分602に対するフルトーン線量606と、複数のグレートーン部分604に対するグレートーン線量608とが、フォトレジスト601にわたって変化することを可能にする。
【0054】
[0067]要約すると、単一パスでフルトーン部分及びグレートーン部分を書き込むリソグラフィプロセスのシステム、ソフトウェアアプリケーション、及び方法が提供される。単一パスはスループットを向上させる。多数のショットのうちの第1ショットと第2ショットとの間の、システムの空間光変調器の時間的分割及び空間的分割は、単一パスにおける光源からの第2強度及び第1強度のアナログ発光をもたらす。第2のトーン及び第1の強度のアナログ発光は、複数のフルトーン部分の各フルトーン部分に対するフルトーン線量、及び複数のグレートーン部分の各グレートーン部分に対するグレートーン線量が、フォトレジストにわたって変化することを可能にする。フォトレジストにわたるフルトーン線量及びグレートーン線量の変化は、フォトレジストの厚さ、フォトレジストの現像中の現像液の不均一、エッチング転写処理の不均一、及びリソグラフィプロセスの前後の任意の他のプロセスに起因する変化を調節し得る。
【0055】
[0068]以上の記述は、本開示の実施例を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施例及びさらなる実施例を考案してもよい。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。