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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】連続プラズマ及び熱処理
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/318 20060101AFI20241113BHJP
   H01L 21/314 20060101ALI20241113BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241113BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241113BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241113BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241113BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20241113BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
H01L21/318 B
H01L21/318 M
H01L21/314 A
H01L21/314 M
H01L21/318 C
H01L21/31 B
H01L29/78 371
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023548582
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022016083
(87)【国際公開番号】W WO2022177811
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】63/150,157
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/667,704
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, ニン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュアイディ
(72)【発明者】
【氏名】バルセヌ, ミハエラ エー.
(72)【発明者】
【氏名】カオ, チー
(72)【発明者】
【氏名】プラサド, ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】ミッタル, デベン マシュー ラジ
(72)【発明者】
【氏名】シム, キュハ
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0078776(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0086072(US,A1)
【文献】特開2014-022653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0139973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/318
H01L 21/314
H01L 21/31
H01L 21/336
H10B 41/27
H10B 43/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜スタックの凹部領域にケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることであって、前記膜スタックは、第1の材料層と第2の材料層の交互の層を含み、前記膜スタックを通って延びるメモリ孔を有する、前記ケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることと、
前記ケイ素含有誘電体層を500℃以下の温度及び1Torr未満の圧力で高密度プラズマに曝すことと、
前記ケイ素含有誘電体層を800℃を超える温度でアニーリングして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜を提供することと
を含む、処理する方法。
【請求項2】
前記第2の材料層が酸化物層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凹部領域が、前記メモリ孔を通して前記第2の材料層に対して前記第1の材料層に凹部を設けることによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の材料層が、ポリシリコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、ゲルマニウム、及び窒化チタンのうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素含有誘電体層が、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、ホウ化ケイ素(SiB)、及び窒化ケイ素ホウ素(SiBN)のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素含有誘電体層が窒化ケイ素を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることが、500℃未満の温度で堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ケイ素含有誘電体膜が、1Å/分未満の湿式エッチング速度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記高密度プラズマが、ヘリウム(He)、水素(H)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ケイ素含有誘電体膜が、0Å超~25Åの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、真空を破ることなく処理チャンバ内で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
処理チャンバのコントローラによって実行されると、前記処理チャンバに、
膜スタックの凹部領域にケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることであって、前記膜スタックは、第1の材料層と第2の材料層の交互の層を含み、前記膜スタックを通って延びるメモリ孔を有する、前記ケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させる、
前記ケイ素含有誘電体層を500℃以下の温度及び1Torr未満の圧力で高密度プラズマに曝す、及び
前記ケイ素含有誘電体層を800℃を超える温度でアニーリングして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜を提供する
という動作を実行させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第1の材料層が酸化物層を含む、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記凹部領域が、前記メモリ孔を通して前記第1の材料層に対して前記第2の材料層に凹部を設けることによって形成される、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第2の材料層が、ポリシリコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、ゲルマニウム、窒化チタンのうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ケイ素含有誘電体層が、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、ホウ化ケイ素(SiB)、及び窒化ケイ素ホウ素(SiBN)のうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ケイ素含有誘電体層が窒化ケイ素を含む、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記ケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることが、500℃未満の温度での堆積を含む、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記ケイ素含有誘電体膜が、1Å/分未満の湿式エッチング速度を有する、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記高密度プラズマが、ヘリウム(He)、水素(H)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)のうちの1つ又は複数から選択される、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス、及び電子デバイスを製造するための方法及び装置の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、高品質のケイ素含有誘電体層を有する3D-NANDデバイスを形成する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体技術は急速に進歩しており、単位面積当たりの処理とストレージの高速化を図るため、技術の進歩に伴ってデバイスの寸法が縮小されている。NANDデバイスでは、ONセルとOFFセルを区別するのに十分な電流を得るために、ストリング電流が十分に大きい必要がある。ストリング電流は、ケイ素チャネルの粒径を大きくすることによって強化されるキャリア移動度に依存する。
【0003】
[0003]3D-NAND製造で採用されている現在のプロセスでは、高温原子層堆積(ALD)又は化学気相堆積(CVD)窒化ケイ素(SiN)とその後の追加のパターニング工程が使用される。SiNの選択的堆積により、パターニング工程を省略することができる。しかしながら、選択的堆積には比較的低い堆積温度が必要であり、その結果、低品質の膜がもたらされる。
【0004】
[0004]したがって、当技術分野では、高品質のSiN膜を有する3D-NANDデバイスが必要とされている。さらに、当技術分野では、3D-NANDデバイスを形成するための方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1つ又は複数の実施形態は、処理方法に関する。一実施形態では、処理方法は、膜スタックの凹部領域にケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることであって、膜スタックは、第1の材料層と第2の材料層の交互の層を含み、膜スタックを通って延びるメモリ孔を有する、ケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させることと、ケイ素含有誘電体層を500℃以下の温度及び1Torr未満の圧力で高密度プラズマに曝すことと、ケイ素含有誘電体層を800℃を超える温度でアニーリングして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜を提供することとを含む。
【0006】
[0006]本開示のさらなる実施形態は、処理ツールに関する。一実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、ケイ素含有誘電体層を膜スタックの凹部領域に選択的に堆積させることであって、膜スタックは、第1の材料層と第2の材料層の交互の層を含み、膜スタックを通って延びるメモリ孔を有する、ケイ素含有誘電体層を膜スタックの凹部領域に選択的に堆積させ、ケイ素含有誘電体層を500℃以下の温度及び1Torr未満の圧力で高密度プラズマに曝す、及びケイ素含有誘電体層を800℃を超える温度でアニールして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜を提供する、という動作を実行させる命令を含む。
【0007】
[0007]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより詳細な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、添付図面の図において限定ではなく例として示されており、同様の参照符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本明細書に記載の実施形態による方法の一実施形態のフロープロセス図を示す。
図2A】[0009]1つ又は複数の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図2B】[0010]1つ又は複数の実施形態による、図2Aの基板の断面図領域103を示す図である。
図3】[0011]1つ又は複数の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図4】[0012]1つ又は複数の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図5】[0013]1つ又は複数の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図6】[0014]1つ又は複数の実施形態によるクラスタツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0010】
[0016]1つ又は複数の実施形態は、3D NANDセル膜スタックの高アスペクト比のメモリ孔を通って、凹部を設けられたポリシリコン側壁上に、ケイ素含有誘電体膜、例えば、窒化ケイ素を低温で選択的に堆積させることができるようにする、統合された処理ツールにおけるプラズマベースのドーピング(PLAD)及びアニーリングを含む処理方法を提供する。
【0011】
[0017]窒化ケイ素などのケイ素含有誘電体膜の選択的な堆積は低温プロセスであり、その結果、膜の品質が低下する。理論に束縛される意図はないが、選択的に堆積された低品質のケイ素含有誘電体膜を高品質のケイ素含有膜に変換できない場合、選択的に堆積されたケイ素含有膜、特に窒化ケイ素を3D NANDセル構造の形成に使用することはできないと考えられている。
【0012】
[0018]図1は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法10のフローチャートを示す。当業者は、方法10が、図示されたプロセスのいずれか又はすべてを含むことができることを認識するであろう。また、各工程の順序は部分的に変更することもできる。方法10は、本開示から逸脱することなく、列挙されたプロセスのいずれかから開始することができる。図1を参照すると、操作12において、膜スタックが提供される。本明細書で使用される場合、「提供される」という用語は、基板が処理に利用できるようにされる(例えば、処理チャンバ内に配置される)ことを意味する。操作14では、ケイ素含有誘電体層が膜スタックの凹部領域に選択的に堆積される。操作16において、ケイ素含有誘電体層は高密度プラズマに曝され、操作18において、ケイ素含有誘電体層を800℃を超える温度でアニーリングして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜が提供される。
【0013】
[0019]図2図5は、図1の方法10について示されるプロセスフローに従うメモリデバイス100の一部を示す。図2は、本開示の1つ又は複数の実施形態による電子デバイス100を示す。いくつかの実施形態では、図2に示される電子デバイス100は、図示されるように、剥き出しの基板105上に層状に形成される。図2の電子デバイスは、基板105、半導体層110、任意の犠牲層120、メモリスタック130、及び任意の酸化物層140で構成される。
【0014】
[0020]基板105は、当業者に知られている任意の適切な材料とすることができる。この明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。また、文脈上明らかに別段の指示がない限り、基板への言及は基板の一部のみを指し得ることも当業者には理解されるであろう。さらに、基板上への堆積への言及は、剥き出しの基板と、その上に堆積又は形成された1つ又は複数のフィルム若しくはフィーチャを有する基板の両方を意味することができる。。
【0015】
[0021]ここで使用される「基板」は、製造処理中にフィルム処理が実行される基板上に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、その上で処理が実行可能である基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(silicon on insulator:SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった他の任意の材料を含む。基板は、半導体ウエハを含むが、これらに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニーリング及び/又はベーキングするための前処理プロセスに曝すことができる。基板自体の表面上で直接フィルム処理することに加えて、本開示では、開示されるフィルム処理ステップのいずれも、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成された下層上で実行され得、また、「基板表面」という用語は、文脈が示すような下層を含むことを意図している。それゆえ、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面になる。
【0016】
[0022]1つ又は複数の実施形態では、半導体層110は基板105上にある。いくつかの実施形態では、半導体層110は共通ソース線とも呼ばれる。半導体層110は、当業者に公知の任意の適切な技術によって形成することができ、ポリシリコン(ポリSi)を含むがこれに限定されない任意の適切な材料から作製することがすることができる。いくつかの実施形態では、半導体層110は、導電性材料又は半導体材料で作られた共通ソース線である。
【0017】
[0023]1つ又は複数の実施形態では、任意選択の犠牲層120は、半導体層110上に形成され、任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施形態における犠牲層120は、後のプロセスで除去され、置き換えられる。いくつかの実施形態では、犠牲層120は除去されず、メモリデバイス100内に残される。この場合、「犠牲」という用語は永久層を含む拡張された意味を有し、導電層と呼ばれることもある。1つ又は複数の実施形態では、任意選択の犠牲層120は、隣接する半導体層110及び第2の材料層132に対して選択的に除去できる材料を含む。
【0018】
[0024]1つ又は複数の実施形態では、メモリスタック130は、任意選択の犠牲層120上に形成される。図示の実施形態におけるメモリスタック130は、複数の交互する第2の材料層132と第の1材料層134を含む。1つ又は複数の実施形態では、第1の材料層134は窒化物層を含み、第2の材料層132は酸化物層を含む。いくつかの実施形態では、メモリスタック130は、酸化物とポリシリコン、又は酸化物と金属、又は酸化物と犠牲層の交互などの非置換ゲートを含む。第1の材料層134は、第2の材料層132に実質的に影響を与えることなく第1の材料層134を除去できるように、第2の材料層132に対してエッチング選択性のある材料を含む。1つ又複数の実施形態では、第1の材料層134は、ポリシリコン、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、ゲルマニウム(Ge)、及び窒化チタン(TiN)のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、第1の材料層134は窒化ケイ素を含む。1つ又は複数の実施形態では、第2の材料層132は酸化ケイ素を含む。
【0019】
[0025]個々の交互層は、任意選択の適切な厚さに形成することができる。いくつかの実施形態では、各第2の層132の厚さはほぼ等しい。1つ又は複数の実施形態では、各第2の層132は第1の第2の層の厚さを有する。いくつかの実施形態では、各第1の層134の厚さはほぼ等しい。この点で使用される場合、ほぼ等しい厚さは、互いの+/-5%以内である。いくつかの実施形態では、第2の材料層132と第1の材料層134との間にケイ素層(図示せず)が形成される。ケイ素層の厚さは、第2の材料層132又は第1の材料層134の層の厚さに比べて相対的に薄くてもよい。
【0020】
[0026]1つ又は複数の実施形態では、メモリ孔チャネル150がメモリスタック130を通って開かれる。いくつかの実施形態では、メモリ孔チャネル150を開くことは、酸化物層140、メモリスタック130、犠牲層120を介して半導体層110内にエッチングすることを含む。領域103の拡大図である図2Bを参照すると、メモリ孔チャネル150は、メモリスタック130を通って延在し、第2の材料層132の表面138及び第1の材料層134の表面139を露出する側壁を有する。
【0021】
[0027]1つ又は複数の実施形態では、メモリ孔チャネル150は高いアスペクト比を有する。本明細書で使用される場合、「高アスペクト比」という用語は、約10、20、又は50以上の高さ:幅の比を有するフィーチャを指す。
【0022】
[0028]1つ又は複数の実施形態では、任意選択の犠牲層120は、メモリ孔チャネル150の側壁として露出された表面122を有する。メモリ孔チャネル150は、メモリ孔チャネル150の側壁面112及び底部114が半導体層110内に形成されるように、半導体層110内にある距離だけ延びる。メモリ孔チャネル150の底部114は、半導体層110の厚さ内の任意の箇所に形成することができる。いくつかの実施形態では、メモリ孔チャネル150は、半導体層110の厚さの約10%~約90%の範囲、又は約20%~約80%の範囲、約30%~約70%の範囲、又は約40%~約60%の範囲の厚さで半導体層110内に延在する。いくつかの実施形態では、メモリ孔チャネル150は、半導体層110の厚さの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%以上の距離だけ半導体層110内に延在する。
【0023】
[0029]図3は、メモリ孔チャネル150を通して第2の材料層132に対して第1の材料層134に凹部を設けることを示す。1つ又は複数の実施形態では、凹部領域142が形成される。第1の材料層134は、当業者に知られている任意の適切なプロセスに従って凹部を設けることができる。他の実施形態では、メモリ孔チャネル150は構造的に形成することができ、例えば、ポリシリコンチャネル材料をSiN/SiO/SiNスタックのメモリ孔に堆積させることができ、その後、SiNが除去され、SiOがトリミングされ、ポリシリコンチャネルに開く凹部を有するSiO構造が残される。この場合、134は凹部が設けられるだけでなく完全に除去され、充填されたチャネル材料が露出する。
【0024】
[0030]図4は、ケイ素含有誘電体層152が凹部領域142内に選択的に堆積される操作14を示す。1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、当業者に知られている任意の適切な手段によって堆積させることができる。1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、500℃未満の温度で、例えば原子層堆積(ALD)又は化学気相堆積(CVD)により堆積される。他の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、490℃未満、450℃未満、400℃未満、350℃未満、及び300℃未満を含む500℃未満の温度で堆積される。
【0025】
[0031]ケイ素含有誘電体層152は、当業者に知られている任意の適切な誘電体材料を含むことができる。本明細書で使用する「誘電体材料」という用語は、電界中で分極することができる電気絶縁体である材料の層を指す。1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、窒化ケイ素(SiN)、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭窒化ケイ素(SiOCN)、ホウ化ケイ素(SiB)、窒化ケイ素ホウ素(SiBN)などである。特定の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は窒化ケイ素(SiN)を含む。
【0026】
[0032]1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152の堆積は、ケイ素含有誘電体層152が凹部領域142内に堆積されるように、第2の材料層132上の第1の材料層134に対して選択的である。
【0027】
[0033]1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、0Å超~25Åの範囲の厚さを有する。
【0028】
[0034]理論に束縛される意図はないが、比較的低い堆積温度(すなわち、490℃未満)により、ケイ素含有誘電体層152の品質が低下すると考えられる。したがって、低品質のシリコン含有誘電体層152は、300Åを超える劣った湿式エッチング速度(WER)を有する。
【0029】
[0035]図5は、ケイ素含有誘電体層152が高密度プラズマに曝され、次いでアニーリングされて高品質のケイ素含有誘電体膜154が提供される、操作16及び操作18を示す。いくつかの実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、500℃、475℃、450℃、425℃、400℃、350℃、300℃、250℃、200℃、150℃、100℃、及び50℃を含む500℃以下の温度でプラズマに曝すことができる。いくつかの実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、400~450の範囲、又は420~490の範囲、又は400~450の範囲、420~490、又は420~475の範囲、又は420~490の範囲を含む、400℃~500℃の範囲の温度でプラズマに1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、400℃、405℃、410℃、415℃、420℃、425℃、430℃、435℃、440℃、445℃、450℃、455℃、460℃、465℃、470℃、475℃、480℃、485℃、490℃、495℃、及び500℃を含む温度でプラズマに曝すことができる。
【0030】
[0036]1つ又は複数の実施形態では、メモリ孔チャネル150のアスペクト比は非常に高く、非常に高いARメモリ孔を通してケイ素含有誘電体層152の側壁に上層から下層まで不純物を注入するために共形注入プロセスが任意に使用されるため、プラズマドーピング(PLAD)が枝葉される。これはPLADにしかできないことである。理論に束縛される意図はないが、プラズマ処理効果は、ケイ素含有誘電体層152の不活性イオン衝撃に起因すると考えられる。
【0031】
[0037]1つ又は複数の実施形態では、プラズマは希ガスを含む。いくつかの実施形態では、プラズマは、ヘリウム(He)、水素(H)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)のうちの1つ又は複数から選択される。
【0032】
[0038]いくつかの実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、1Torr未満の圧力でプラズマに曝すことができ、0mTorr超~1Torr未満の範囲、0mTorr超~100mTorrの範囲、0mTorr超~500mTorrの範囲の圧力が含まれる。
【0033】
[0039]1つ又は複数の実施形態では、プラズマ処理は、ケイ素含有誘電体層152を水上で負の高電圧DCバイアスを有する高密度プラズマに曝すプラズマドーピングプロセスを含む。いくつかの実施形態では、高電圧パルスは、0.5kHz~10kHzで20μ秒~150μ秒の期間、-0.2kV~-10kVの範囲にある。
【0034】
[0040]1つ又は複数の実施形態では、操作18で、選択的に堆積されたケイ素含有誘電体層152は、急速熱処理(RTP)を使用してアニーリングされる。1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電体層152が800℃を超える温度でアニーリングされて、ケイ素含有誘電体膜154を提供する。いくつかの実施形態では、ケイ素含有誘電体層152は、1000℃を超える温度でアニーリングされて、ケイ素含有誘電体膜154が提供される。1つ又は複数の実施形態では、プラズマ処理及びアニーリングの後、ケイ素含有誘電体膜154は高品質の膜であり、3Å/分未満、2Å/分未満、及び1Å/分未満の湿式エッチング速度を含む、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有する。
【0035】
[0041]1つ又は複数の実施形態では、ケイ素含有誘電膜154は、0Å超~25Åの範囲の厚さを有する。
【0036】
[0042]1つ又は複数の実施形態の方法は集積化方法である。1つ又は複数の実施形態では、この方法は、真空を破ることなく1つ又は複数の処理チャンバ内で実施することができる。
【0037】
[0043]本開示のさらなる実施形態は、図6に示すように、説明されるメモリデバイス及び方法を形成するための処理ツール900に関する。
【0038】
[0044]クラスタツール900は、複数の側面を備えた少なくとも1つの中央転送ステーション921、931を含む。ロボット925、935は、中央転送ステーション921、931内に配置され、ロボットブレード及びウエハを複数の側面のそれぞれに移動させるように構成される。
【0039】
[0045]クラスタツール900は、中央転送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を含む。様々な処理チャンバは、隣接する処理ステーションから隔離された個別の処理領域を提供する。処理チャンバは、プレクリーンチャンバ、バッファチャンバ、搬送スペース、ウエハ配向装置/脱ガスチャンバ、極低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニーリングチャンバ、エッチングチャンバ、選択酸化チャンバ、酸化物層薄化チャンバ、又はワード線堆積チャンバなどを含む任意の適切なチャンバとすることができるが、これに限定されない。プロセスチャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変えることができ、本開示の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0040】
[0046]いくつかの実施形態では、クラスタツール900は、選択的堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、およびアニーリングチャンバを含む。いくつかの実施形態では、プラズマ処理及びアニーリングチャンバは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials製のVarian VIISTa(登録商標)PLAD(登録商標)及びVantage(登録商標)Vulcan(登録商標)RTPである。
【0041】
[0047]図6に示される実施形態では、ファクトリインターフェース950は、クラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951上に、ローディングチャンバ954及びアンロードチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954が左側に示され、アンロードチャンバ956が右側に示されているが、当業者は、これが1つの可能な構成の単なる代表であると理解するであろう。
【0042】
[0048]ローディングチャンバ954及びアンロードチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900で処理されている基板に応じて変化し得る。示される実施形態では、ローディングチャンバ954及びアンロードチャンバ956は、カセット内に配置された複数のウエハを備えたウエハカセットを保持するようにサイズ決定される。
【0043】
[0049]ロボット952は、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンロードチャンバ956との間を移動することができる。ロボット952は、ローディングチャンバ954内のカセットからファクトリインターフェース950を介してロードロックチャンバ960にウエハを移送することができる。ロボット952はまた、ウエハをロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を介してアンロードチャンバ965内のカセットに移送することができる。当業者によって理解されるように、ファクトリインターフェース950は、複数のロボット952を有することができる。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンロードチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有し得る。
【0044】
[0050]示されているクラスタツール900は、第1のセクション920及び第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を介してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、その中に配置された少なくとも1つのロボット925を備えた第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボットウエハ輸送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に配置されている。いくつかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して動かすことができるマルチアームロボットである。いくつかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、2つ以上のロボットウウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周りのチャンバ間でウエハを移動させるように構成される。個々のウエハは、第1のロボット機構の遠位端に配置されたウエハ輸送ブレード上で運ばれる。
【0045】
[0051]第1のセクション920でウエハを処理した後、ウエハを、パススルーチャンバを通って第2のセクション930に移動させることができる。例えば、チャンバ922、924は、一方向又は双方向のパススルーチャンバであり得る。パススルーチャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930で処理する前にウエハを低温冷却するために、又は第1のセクション920に戻される前に、ウエハの冷却又は後処理を可能にするために使用することができる。
【0046】
[0052]システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であり得る。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路及びストレージを含むコンピュータであり得る。
【0047】
[0053]プロセスは、一般に、ソフトウェアルーチンとしてシステムコントローラ990のメモリに格納され得、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから離れて配置された第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行され得る。本開示の方法のいくつか又はすべては、ハードウェアで実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装などのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に汎用コンピュータを変換する。
【0048】
[0054]いくつかの実施形態では、システムコントローラ990は、選択堆積チャンバを制御して、490℃未満の温度で膜スタックの凹部領域にケイ素含有誘電体層を選択的に堆積させる構成を有する。いくつかの実施形態では、コントローラ990は、プラズマ処理チャンバを作動させて、ケイ素含有誘電体層を400℃~500℃の範囲の温度及び1Torr未満の圧力で高密度プラズマに曝す構成を有する。他の実施形態では、コントローラ990は、800℃を超える温度でケイ素含有誘電体層をアニーリングして、4Å/分未満の湿式エッチング速度を有するケイ素含有誘電体膜を提供するようにアニーリングチャンバを制御する構成を有する。
【0049】
[0055]1つ又は複数の実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを含む中央搬送ステーションと、複数の処理ステーションであって、各処理ステーションは中央搬送ステーションに接続され、隣接する処理ステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションが、選択堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、及びアニーリングチャンバを含む、複数の処理ステーションと、中央搬送ステーション及び複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、コントローラは、ロボットを起動して処理ステーション間でウエハを移動させ、各処理ステーションで行われる処理を制御するように構成されている、コントローラを含む。
【0050】
[0056]ここで論じられる材料及び方法を説明する文脈での(特に以下の特許請求の範囲の文脈で)「a」及び「an」及び「the」という用語並びに同様の指示対象の使用は、ここに別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。ここでの値の範囲の列挙は、ここに別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する略記法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、ここに個別に記載されているかのように仕様に組み込まれる。ここに記載されているすべての方法は、ここに別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。ここで提供されるありとあらゆる例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に材料及び方法をより良好に明らかにすることを意図しており、別途、特許請求の範囲で規定しない限り、範囲に制限を課さない。明細書のいかなる文言も、開示された材料及び方法の実施に不可欠であると主張されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0051】
[0057]この細書全体での「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な場所での「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」又は「実施形態において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0052】
[0058]ここでの開示は、特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正並びに変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6